平成28年 4月 第137号 割れ窓理論について 当社ではこの4月、例年より多く4名の新入社員を迎えまし た。彼らには若々しい熱意と情熱をもって一日も早く優秀な技 術者・人財となることを期待します。また、先輩諸氏は専門分 野はもちろん、社会人としての常識、教養についても指導する ようお願いします。 余談になりますが、新人のうち1名は当社では久しぶりの工 業高校の卒業生です。彼は平成9年(1997年)生まれだそ うです。ちなみにこの年は消費税が5%に引き上げられた年で す。個人的な感想ですが、つい先日のような気がします。 北海道電気技術サービス㈱ さて、以下は今年の新人諸君も参考にしていただければと思 代表取締役 安保 均 います。 過日読んだ雑誌の中に「割れ窓理論」という興味を惹かれる記事がありました。「割れ窓理論」 とは、 『ある建物で一枚の割れた窓ガラスを放置しておくと、誰も注意を払っていない、防犯に配 慮していないというシンボルになり、割られる窓ガラスが更に増え、ひいては地域や町全体に犯 罪や荒廃が拡がっていく』というアメリカの犯罪学者が発案したものです。この理論は、実際に ニューヨークの犯罪発生率の減少に効果をもたらしただけではなく、様々な場面で活用されてい るとのことです。例えばディズニーランドでは敷地内のわずかな汚れ、塗装のはがれ、小さなゴ ミなど徹底的に修繕や清掃を行うことにより、常時清潔でキレイな状態を保っています。こうな ると来場者は散らかすことに気兼ねして汚しにくくなります。また、故スティーブ・ジョブズも 業績不振だったアップル社の再生のため「割れ窓理論」を利用し社内改革を行っていたそうです。 このようにこの理論のことを少しでも知ると、我々の職場の環境、個人の生活環境など何にで も応用できそうな気になります。例に挙げるとすれば部屋の片づけとなるでしょうか。 飲み終わったペットボトルや空き缶、読み終わった雑誌、汚れたシャツや靴下等、それらをひ とつでもそのままにしておくと「1枚目の割れた窓ガラス」になりえます。そこから秩序が乱れ はじめ、様々なところまで拡大していき、最終的には散らかっていても気にならなくなります。 職場の環境も同じです。あらかじめ片付けるところが決まっている工具を使ったあとそのまま にしておくと、これも立派な「1枚目の割れた窓ガラス」になります。つまりほんの小さなこと を放っておくことから大事が始まるのです。 私がこの「割れ窓理論」から得た教訓は、自分の周りを見て、 「割れた窓ガラス」がないか確認 し、見つかれば速やかに交換・補修することを心掛けるということです。これは物理的に何かを 片付けることであったり、心の中の「まあいいか」を減らすことなのかもしれません。いずれに せよ「割れた窓ガラス」の補修にかける労力は、少なければそれほどではありませんが、数が多 くなると膨大になり、最後には補修する気力も失せてしまうかもしれません。 改めて自分の周囲を見回してみてください。 「割れた窓ガラス」があるかもしれません。それも 1枚だけでなく何枚にもなっていませんか。もしあれば、速やかに片づけてしまいましょう。そ うして自分の周囲が(前述の)ディズニーランドのようになれば、再び元の状態に戻る可能性は 少なくなると思います。 -1- 平成28年 4月 第137号 今年度も心新たに良い年にしましょう 4月になりました。弊社でも新入社員が入社して新年度を 迎えたのを実感します。 私も遙か昔、60 年前に社会に出て緊張して社会人としてス タートしたことを感慨深く思い出します。 当時は現在のような便利な機械はありませんでした。電柱 も殆どが木柱であり、強い風が吹くと地際が腐っているもの が倒壊し、停電が起こりました。私達電工は電柱の高さの六 分の一、即ち自分の背丈より深い最大 2.5 メートルの穴を剣 先スコップ 2 丁とツルハシで掘り、梯子のような形の「ソン モ」を使って電柱を立て復旧、再送電したものです。 北海道電気技術サービス㈱ 取締役会長 向井 隆 電柱の巾で深く掘るのですから穴掘り作業は当然一人で行 います。上着もズボンも泥んこ、粘土や石が出ると硬く、水が湧いて来るとまるで井戸掘りの様相 を示しておりました。その後の架線作業も現在のような空中車は無く、昇柱機を使って電柱によ じり登り電線を接続しておりました。しかも圧着/圧接工具も無くペンチ 1 丁で 5mmφ=22mm²、 38mm²の電線接続も行っていました。 先輩から怒鳴り叱られながら仕事を覚え、秋頃には職場に 250cc のバイクが配備され、免許も 取得し、仕事が捗るようになりました。勿論パソコンは無く、複写はカーボン紙を敷いて鉛筆で 力強く筆記していました。 この 60 年で電気の利用は変わりませんが、利便性は隔世の感があります。 新入社員当時の思い出が長くなりました。体力、気力とペンチ、ドライバーの時代からパソコ ン、診断器具などを駆使する頭脳の時代になりました。 これらを支えるのが電気の力であり、近代文明の根幹です。弊社の仕事も縁の下の力持ちとし て社会に参加出来るのは、誠に有意義な事と思います。 お客様の意向に副いながら より良くなるように創意工夫して日々進化し、自分も達成感を感じ ながら成長していきたいものです。 弊社も創立 45 年になりました。近年は定年退職者も出るようになり、世代交代を迎えておりま す。また、電気を取り巻く社会環境も様々に変化してきているようです。 しかしながら、現代文明では電気は必須で重要なインフラであり、弊社そして皆様方が行って いる仕事は非常に有意義なものです。今年度も心新たに一所懸命努力して良い年にしましょう。 -2- 平成28年 4月 第137号 この度、愛知県にあります、たはらソーラー第一、第二発電所建設に伴い、メーカーよりパワ ーコンディショナーシステム(以下PCS)の試験員の応援要請があり、たはらソーラー発電所 の現地調整試験を行ってきました。私は何度か本州に渡り、PCSの知識と技術の取得に努めて 参りました。そして、この作業を通じて自分が身につけた技術や知識を社内で共有し、当社社員 全体の専門的知識と技術の向上を目的として、社内講習を開催しました。 講習会の一部をここに紹介いたします。 従来の太陽光発電は住宅用として利用され、発電した電力を主に家庭で消費し、余剰電力を売 電するという形となっておりました。しかし近年では、売電目的による大規模な太陽光発電設備 の建設が進められております。この太陽光発電の主要機器としてPCSが上げられます。なお、 PCSは太陽光パネルにおいて発電した直流を系統側と同じ交流に変換し、出力電力の保護と制 御を行う装置となります。 例えば、系統の弱い送電線や配電線に太陽光発電設備を連系する場合、フェランチ効果により 電圧上昇することがあります。この時、PCSは電圧抑制を行い、系統の安定化を図ります。こ のようなPCSの機能や保護についての講習は、私にとっても作業内容を分かり易く説明する滅 多に無い機会となり、とても貴重な経験となりました。 当初、若輩者の私が諸先輩方を前にして講習をするなど大変なことだと感じておりましたが、 先輩方のアドバイスとサポートもあり、講習会を無事に終了することができました。今後もこの ような社内講習会を通して、より幅広い知識と技術を身につけ、当社の社是にもあるように“北 海道の文化の向上と発展に貢献“できる技術者となれるよう努めてまいります。 電力システム1課 福田 瞬 -3- 平成28年 4月 第137号 4月に入り、日照時間も増え、気温も日に日に温かくなってまいりました。 我が家では、春休みに入った甥と姪が遊びにきておりました。私は、夕方過ぎに帰宅するので、 甥と姪には会えませんでしたが、ある朝会社に出かけるときに、空き瓶に飾られたフキノトウと フクジュソウが玄関にあるのに気が付きました。 甥と姪が、春を連れてきてくれました。 さて、春といえばさまざまな植物が芽吹く季節です。もうそろそろたん ぽぽの花が咲いてきます。幼いころ、童謡の「たんぽぽ」という歌を今も 覚えている程学校で歌った思い出があります。 「雪の下の 故郷の夜」から 始まるこの童謡には、たんぽぽという花のたくましさが歌われているよう に感じます。そして、自分も頑張らなければいけないと思わせてくれます。 春は、新社会人、異動される方、それを迎える側の方など、環境の変化 が多い季節かと思います。環境に戸惑ったとき、好きな歌は心強く、また 頑張ろうと勇気づけてくれます。 皆様を支えているのは、どんな歌でしょうか。皆様の春が素敵な時になるようお祈り申し上げ ます。 業務管理部 総務課 大竹敦子 情報NO.137 春季号 発行所 北海道電気技術サービス株式会社 〒069-0832 北 海 道 江 別 市 西 野 幌 1 2 0 - 8 TEL(011)384-8888 FAX(011)384-8889 http://www.hesc.co.jp/ e-mail:hesc@hesc.co.jp 発 行 者 向井 隆 編 集 者 業務管理部 -8-
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