安曇川流域における水質特性とその季節変化

安曇川流域における水質特性とその季節変化
藪内
春香(学生コース)
6/26
350
10
12/3
11/23
11/3
11/13
10/24
10/4
10/14
9/24
9/4
9/14
8/25
8/5
8/15
7/26
7/6
7/16
6/6
5/27
5/17
水温(℃)
300
月
250
月
月
200
9月
150
8月
7月
6月
100
5月
4月
50
3月
2月
1月
0
6/16
水温(℃)
【はじめに】
宮の越橋(St.5)
湖の水質は、湖内での物理的・化学的・
安
北
両台橋(St.4)
川
生物学的変化によって変動するものの、基
曇
北川橋(St.2)
浄化センター裏
川
本的には流入河川の水質に大きく依存する。 山神神社横
(St.6)
(St.7)
したがって、湖に流入する河川水を長期的
船橋(St.8)
安曇川大橋(St.3)
にモニタリングすることはきわめて重要で
本庄橋(St.1)
桑野橋(St.9)
ある。本学ではこれまで野洲川や姉川など
びわ湖
について調べられてきたが、もう一つの三
大河川である安曇川の流域の水質特性とそ
観測地点
の季節変化を明らかにすることを目的とす
観測・採水
前川橋(St.10)
CT計
る。
【観測概要】
30
図1 安曇川における測点図
約 2 週間に1回の割合で、安曇川 9
25
地点、その支流1地点の計 10 地点で
水温・電気伝導度・pH の測定を行った。
20
同時に 3 地点で採水を行い、溶存イオ
ン濃度の測定も行った。また、5 月 15
15
日から両台橋に CT 計(JFE アドバンテ
ック㈱)を設置し、水温・電気伝導度
10
St.1 本庄橋
St.6 浄化センター裏
の連続観測を行った。
St.2 北川橋
St.7 山神神社横
Sa.3 安曇川大橋
St.8 船橋
5
【結果・考察】
St.4 両台橋
St.9 桑野橋
●安曇川流域において、どの観測地点
St.5 宮の越橋
St.10 前川橋
でも水温の季節変化が見て取れた。 0
10 11 12
降雪があった 2 月に最低水温を、8
35
図2 安曇川の水温の変化(2010)
0m
月末から 9 月にかけて最高水温が
10m
30
20m
記録された。
50m
●電気伝導度については、明瞭な季
25
安曇川
節変化はあまりみられない。観測
20
前に降水があると、河川水が希釈
15
されて電気伝導度が低めの値を記
録していることが多かった。また、 10
浄化センター裏から下流では値が
5
高くなる。
●年間を通して安曇川の水温はびわ
0
湖の表層よりも低い。冬は底層に
流入し、5 月末頃から夏に向かって
図3 連続記録による安曇川とびわ湖の水温の比較
10~15m に流入していた。9 月ごろ
をピークに流入深度は深くなっていき、11 月には再び底層に流入した。
●溶存イオン濃度は、明瞭な季節変化はないが、春から夏にかけて値が上昇し、9 月ごろか
ら値が減少している地点があった。どの観測地点でも Cl⁻,Ca²⁺,Na⁺が多く、全体の半分
以上を占めていた。