病院協会会報vol.47 - 公益社団法人 静岡県病院協会

「地域に根ざした医療と介護を提供」
豊田えいせい病院(磐田市)
「島田市唯一の病院として
地域医療に貢献する」
市立島田市民病院(島田市)
年頭所感
玉井 直 会長(静岡県立静岡がんセンター病院長)
・・2
時言:「安心して地域に住み続けられるまちづくり
~地域包括ケアシステムとセーフティネット~」
三田 忠男 理事(静岡県社会福祉士会 相談役)・・3
自民党県連及び静岡県に要望書を提出・・・・3
知事等県幹部に年始挨拶・・・・・・・・・・3
病院紹介
豊田えいせい病院・・・・・・・・・・・・4
市立島田市民病院・・・・・・・・・・・・6
特集:院内・施設内の感染対策(感染対策支援セミナー抄録)・・8
表彰:叙勲・救急医療功労・・・・・・・・・18
新入正会員紹介
医療法人社団 澄明会 磐南中央病院・・・・19
静岡県からのお知らせ
看護職の離職時等の届出制度が平成27年10月1日から始まりました・19
事務局からのお知らせ
「第55回静岡県病院学会」のご案内・・・・20
協会HPから「医療機能分化連携関連情報」を発信しています・20
会報「病院紹介コーナー」に掲載する病院を募集しています・20
(2)
年 頭 所 感
公益社団法人静岡県病院協会会長
静岡県立静岡がんセンター病院長
玉 井 直
新年明けましておめで
とうございます。
2014年6月、いわゆる
「医療介護総合確保推進
法」が制定された以後、わが国の社会保障制度
は少子超高齢社会に向けて変革の歯車が急速に
回り始めております。静岡県では今年度中には
地域医療構想を取りまとめ、来年度からその実
現のための議論が始まります。一方、今年4月
の診療報酬改訂では総医療費増加の抑制を図る
ことが明確に示されており、医療機関の経営に
とって厳しくなることは確実です。
1.地域医療構想、医療機能分化と医療連携
地域医療構想では、2025年の人口、年齢構成
と受療率を基にした医療需要から必要病床数を
推計し、効率的な医療提供を目指して各医療機
関が自主的に機能転換を図ることを期待してい
ます。一人の患者の治療経過を見れば高度急性
期から急性期、そして退院を目指す回復期に移
行し、集中治療室入室以外では通常は同一病棟
に入院しますが、今後は機能別に入院病棟を変
えることも検討しなくてはなりません。一方、
特に高齢患者では急性期医療のあと医療・介護
支援が必要な期間が長くなり、慢性期病棟を減
らしつつ、自宅や施設など病院外で支援する受
け皿づくりは容易ではありません。医療と介護
の境がなくなり、急性期医療に意識が集中しが
ちな医療者も、これまで以上に両者を連携し、
また統合していく視点が必要です。これらの体
制作りに国は消費税を財源とした基金を準備し
ていますが、私たちはこれを有効に使う必要が
あります。また医療者だけでなく、すべての国
民に、医療と生活の場をより近くし、治す医療
から、治し支える医療へのパラダイムシフトが
求められています。
2.診療報酬改訂
日本の医療提供制度は医療法でその方向性が
示されて、診療報酬の誘導により医療機関が自
ら変貌してきた歴史があります。医療機関の機
能転換は、今年の診療報酬改訂を通じて否応な
しに動き出すものと思われます。診療報酬改訂
の目的の一つには医療資源の投入密度が高く、
入院費用の高い7対1看護基準の病床削減があ
り、
一段と厳しい認可基準が議論されています。
一方、さまざまな加算の算定要件のハードルは
高く、収入見込と投入経費のバランスを考えれ
ば、理想とする質の高い医療の提供が難しくな
ると思われます。
3.新専門医制度と医師確保
地域医療構想を実現させるためにはマンパワ
ーの適正配置は必須です。静岡県では人口当た
りの医師不足が深刻であり、修学資金貸与や地
域枠定員の新設など医師確保にはさまざまな努
力が払われてきました。しかし、医師不足の本
質は地域と診療科の偏在にあります。静岡県は
医学生修学資金の貸与と地域医療支援センター
を全国に先駆けて発足させ、修学金貸与者の適
正配置に努力していますが、平成29年度から始
まる新しい専門医制度では総合診療専門医に期
待される一方、配置計画が大きな影響を受ける
と予想されます。特に医師不足の著しい中東遠
や東部地域の各病院は、
初期研修医だけでなく、
専攻医や専門医が集まりやすい魅力ある病院に
する努力が必要です。
4.医療事故調査制度
昨年10月から導入された医療事故調査制度
は、医療現場に戸惑いと混乱をもたらしていま
す。この制度は医療事故が時に刑事事件にまで
発展し、医療者も患者側にも大きな痛みを残し
た過去の経験から議論され、制定されたもので
す。制度の目的は公平、公正な視点による原因
究明と、それに基づく十分な説明、再発防止と
医療の質向上であります。事故の個人責任を追
及するものでないことは繰り返し強調されてお
り、医事故調査報告書が訴訟の引き金になるこ
とがないように、医療側、患者側双方がこの制
度の目的を正しく理解して、適切な発展に努め
なければなりません。
最後に、どんな変革の時期にあたっても、私
たち医療者は、常に医療は患者のためにあり、
質の高い、安全な医療を提供し、国民が安心し
て生活できることに務めなくてはならないこと
を忘れてはなりません。
2016 年 1 月
(3)
時 言
安心して地域に住み続けられるまちづくり
〜地域包括ケアシステムとセーフティネット〜
公益社団法人静岡県病院協会理事
一般社団法人静岡県社会福祉士会相談役
三 田 忠 男
国は、社会保障制度改革国民会議の報告を踏
まえて、少子高齢社会による、社会保障費増大
による負担軽減策として「持続可能な社会保障
制度の確立を図るための改革の推進に関する法
律」を平成25年に定めた。
地域包括ケアは、同報告の「医療や介護のみ
ならず、福祉サービスを含めた様々な生活支援
サービスが日常生活の場で用意されていること
が必要であり、同時にサービスがバラバラに提
供されるのでなく、包括的・継続的に提供でき
るような地域での体制(地域包括ケア)づくり
が必要である。
」による。更に、
「地域における
医療及び介護の総合的な確保を推進するための
関係法律の整備等に関する法律」を平成26年に
定め具体的に推進している。
要約すると、医療計画の実効性を高め、医療
現場が変わり、介護保険が持続可能になると政
府は説明し、実行に移
しています。
医療サイドと福祉サ
イドの連携強化が謳われ、各種専門職が連携強
化して住民の安心安全を支えなければなりませ
んが、共通言語であるべき地域包括ケアの認識
が若干違いがあるように感じます。
急性期・回復期・慢性期各病院間の連携、病
院と開業医との連携、医療・福祉・介護の連携、
専門職間の協働、専門職と住民との連携等すべ
て、当事者を真ん中において地域包括ケアを推
進していかなくてはならないと思います。
そのためには、日ごろから地域の実情に応じ
た、直接顔の見える関係での会議や懇親会等に
より、情報交換を親密に行う機会を数多く持ち
たいものです。
自民党県連及び静岡県に要望書を提出
知事等県幹部に年始挨拶
静岡県病院協会は、平成28年度静岡県予算に
対する要望書を、自由民主党静岡県支部連合会
及び静岡県に提出しました。
要望項目等は、以下のとおりです。
1月6日(水)に玉井会長をはじめ水上、毛
利、荒堀副会長は、年始挨拶のため川勝平太静
岡県知事、大須賀副知事、山口健康福祉部長及
び鶴田静岡県理事を訪問しました。
知事には、玉井会長から県病院協会の事業活
動を紹介し、今年から始まる地域医療構想の実
現に向けての取組みについて、助言、指導等ご
協力をお願いしました。
【要望項目】
①「地域医療構想」実現に向けての取組み
②医師・看護師の確保対策
③医療安全対策への取組み
④質の高い医療サービスの提供
⑤安全・安心の快適環境づくり
⑥その他
【要望先等】
①自由民主党静岡県支部連合会
厚生問題対策連絡協議会
要望日:平成27年10月13日(火)
②静岡県健康福祉部
要望日:平成27年12月25日(金)
川勝県知事に年始挨拶する一行
(4)
病院紹介
地域に根ざした医療と介護を提供
豊田えいせい病院 院長 姫野 一成
新年あけましておめで
豊田えいせい病院では、急性期を終えた患者
とうございます。会員の
様を療養病棟、回復期病棟とそれぞれの病態に
皆様へ新春のお喜びと皆
合わせた医療を提供することにより、その後在
様方のご多幸をお祈り申し上げます。当病院は
宅復帰を促すという役割を担い、又退院後の生
磐田市の天竜川東側に立地し、磐田市を中心に
活をサポートするお手伝いをしております。整
中東遠、浜松、西部地区に医療と介護を提供し
形外科においては、手術室を完備し麻酔科医も
ています。
勤務している為、整形外科的手術に対応してお
昭和48年有床診療所から開業し、前
理事長 姫野義哲の遺志を引き継ぎ、
「創意、誠意、熱意」
の三原則を基に、
現在は療養病床120床、回復リハビリ
テーション病棟60床を運用していま
す。それと共に地域のニーズに柔軟に
答えられるように介護部門では介護老
人保健施設2ヶ所(磐田、掛川)
、デ
イケア、デイサービス、居宅事業、包
括支援、訪問看護、訪問介護、サービ
ス付き高齢者向け住宅の運営と多岐に
わたり、地域住民のライフサイクルを
サポートしています。
豊田えいせい病院 回復期病棟 外観
豊田えいせい病院 外観
2016 年 1 月
(5)
手術室
ります。近隣の施設からの搬送手術についても
可能な限り対応しております。
運営しております掛川市の介護老人保健施設
「えいせい掛川」は掛川市の北にある自然豊な
地に天然温泉を引き、
利用者様の療養環境に
「潤
豊田えいせい病院 リハビリ室
ンテナを伸ばし、地域住民が安心して暮らせる
よう医療・介護・福祉を提供しております。
いのある毎日を」と努めておりま
す。
又、足湯としても利用者様にご
高評いただいております。
サービス付き高齢者向け住宅に
おきましては、敷地内に仔ヤギを
2匹飼っており皆様にかわいがら
れています。
豊田えいせい病院グループで
は、時代の流れと地域のニーズに
柔軟に答えられるよう常に高いア
えいせい掛川 介護老人保健施設
介護老人保健施設 なかよし
サービス付き高齢者向け住宅 えいせいゆーとぴあ
(6)
病院紹介
島田市唯一の病院として地域医療に貢献する
市立島田市民病院
病院事業管理者 服部 隆一
病院の理念と基本方針
当院は、島田市唯一の
病院として、理念「地域
医療に貢献する」
、基本方針1.質の高い医療を
実践する、2.地域の医療、保健・福祉機関と連
携する、3.患者の権利を尊重し、医の倫理を
遵守する、4.優れた医療人を育成する、5.健
全経営を行う、を掲げています。基本方針を覚
えやすいよう短くし、これらを朝礼時や会議前
病院の全景
に唱和し、各自が意識するよう努めています。
職員の育成
人材を人財に変えるため、職種に
限らず、外部の研修会や講演会への
積極的な参加を促しています。医療
安全に求められる職員間の良好な
情報伝達を図るため、全職種を対象
にTeam STEPPSの研修会を継続的に
開催しています。購買監査への参加
等により多くの職員にコスト意識
病院総務課の朝礼時、理念、基本方針の唱和
インターネットを利用した症例検討会
Team STEPPSの院内研修会
(チームで共同作業中、立っているのは観察・記録者)
2016 年 1 月
(7)
左:病院ウエブサイトの更新作業、右:救急車搬送患者データ入力
が浸透してきました。また、若手医師(自立を
市民ふれあい講座の開催
促すため、1年目から正規職員として雇用)の
待ち時間を有効活用するため、定期的に待合
症例検討会では、インターネットを利用して、
ロビーにて、患者さんを対象とした市民ふれあ
外部の講師に指導していただきました。
い講座を開催しています。いろいろな職種が講
師を担当し、専門を活かしたテーマで講演して
救急統計も含めて積極的な情報発信
います。患者さんは熱心に聴講してくれ、待合
病院ウエブサイト(業者に依頼せず、すべて
ロビーの雰囲気が明るくなりました。
職員の手作り)にて多くの情報を発信していま
す。これにより、見られているので、しっかり
新病院の建設
業務を行うという意識が職員に芽生えています
当院が現在地に移転してから36年が経過し、
(日本病院会の学会と会誌で発表)
。年間4000名
耐震性や施設設備の老朽化などの課題を解決す
前後の救急車搬送患者の統計も載せており、年
るため、2020年度中の開院を目指して現地建替
度が変わると直ちに更新しています。
2014年度、
えで新病院建設計画を進めています。既に基本
ついに75歳以上の救急車搬送患者が過半数を超
計画がまとまり【病床数536⇒445(急性期405、
え(肺炎、脳梗塞、心不全、大腿骨頚部骨折な
回復期40)へ削減】
、2016年度に基本設計に着
どが多い)
、高齢化とともに急性期医療の様相
手します。
が少しずつ変わると予想しています。
転倒予防をテーマにした市民ふれあい講座
(8)
特集:院内・施設内の感染対策
平成 27 年度
感染対策支援セミナー抄録
−抄 録 目 次−
【第1回】
平成27年度第1回感染対策支援
2015年のセミナーのまとめ・・・・・・8
HIV感染症対策
・・・・・・9
血液・体液曝露対策
・・・・・・10
嘔吐・下痢の感染対策
・・・・・・10
医療・療養施設におけるインフルエンザ対策・・11
MRSA感染対策
・・・・・・11
【第2回】
第2回 感染対策支援
セミナーの司会を受けて ・・・・・・12
施設における結核感染対策・・・・・・13
尿路感染対策
・・・・・・15
処置別感染対策
・・・・・・16
器材・器具の処理とハウスキーピング・・17
集団感染発生時の対応
・・18
第1回感染対策支援セミナー
2015年のセミナーのまとめ
点が強調されました。感染については標準予防
策と接触感染策が重要であることが説明されま
三島総合病院
した。2.血液・体液曝露については先のHIVに
副院長兼消化器科部長
加えてHBV,HCVの説明がされ安全器材の導入や
前 田 正 人
標準予防策による曝露事故の対策と共に事故が
おこった際の検査や処置について説明して頂き
2014年末にはインフルエン
ました。またPPE(個人用防護具)について正
ザの大流行があり静岡県内の
しい使用法・着脱の手順を示して頂きました。
病院でも院内での感染拡大が報告されました。
特にはずした後の手指衛生の重要性も強調され
国外ではエボラ出血熱やMARSも話題になりまし
ました。3.嘔吐・下痢の感染対策ではノロウ
たが幸い日本国内では大きな問題にはなりませ
イルスとディフィシル菌について症状の特徴・
んでした。さて2015年度の感染対策セミナー
感染経路に加えて次亜塩素酸ソーダによる消毒
も350名近い方が参加されました。今回はこれ
まで単独の話題として取り上げられる事がなか
ったHIVの問題を加えて5つのテーマで講師の
方々に講演をしていただきました。
1.HIV感染対策では、HIV感染者は世界的に
は減少しつつあるなか日本では新規の患者がほ
ぼ同程度報告され依然として漸増傾向にあるこ
と、一般的な臨床経過の説明に加えて薬剤の進
歩によりウイルスの制御(増殖の抑制)が可能
になってきたこと、今後ますます通常の診療所
や病院・高齢者施設でも遭遇する可能性が高い
2016 年 1 月
(9)
の必要性が述べられました。4.MRSAについて
1回1錠の治療薬も開発されており、副作用発
は定着(保菌者)と発症者の区別、その対応に
現率の低下もあって、負担は軽減している。
「確
ついて説明されました。急性期病院では、リス
実に内服していればHIVは直接死因とならない
クの高い患者への拡散リスクに応じた対策が必
時代」
になっている。しかし現状の治療法では、
要であるのに対して、療養型の施設では標準予
ウイルスを完全に排除できないため、生涯内服
防策の徹底が重要であることが説明されまし
を継続することが必要である。
た。医療者の手指を介して拡大することから手
感染症法に基づくHIV感染者・エイズ患者情
指衛生の重要性が強調されました。5.インフ
報によれば、国内の平成27年6月28日現在の感
ルエンザについては2015年9月に既に保育園で
染者と患者の累計は25197人で、ここ数年は毎
の集団発生が報告されている点、
ワクチン接種・
年1500人(感染者1000人、患者500人)程度が、
治療薬・マスク着用と手指衛生の重要性が解説
新規に報告されている。静岡県における同日ま
されました。
での感染者・患者累計は598名であり、平成20
例年のように休憩時間にICNによる個別相談
年以降では、新規に毎年26名~44名の報告があ
があり今年も盛況でした。全体を通して感染対
る。
策の基本が標準予防策の徹底であること、今回
感染経路は、同性、異性間の性交渉のほか母
の話題では接触予防策・飛沫予防策の重要性が
子感染、注射針の共有などによる血液感染であ
強調されました。感染性胃腸炎やインフルエン
り、トイレや風呂、咳・くしゃみなど、日常生
ザは医療者も罹患することがあり就業制限につ
活の中で感染することはない。また、治療中の
いて施設の対応が提示されました。セミナーで
感染者の多くは、薬剤により血液中のウイルス
講演された内容が病院・施設での感染対策に寄
量は検出感度以下にコントロールされている。
与すれば幸いです。
標準予防策を遵守すれば、感染性に対する過度
(まえだ まさと)
の危惧は無用である。医療施設においては、針
刺しなどの血液曝露のリスクが考えられるが、
そのような場合には、拠点病院等県指定の病院
HIV感染症対策
に感染予防のための薬剤が常備されているの
で、事前に確認しておくと良い。
磐田市立総合病院
社会背景に目を向けると、人口構造の変化を
副病院長兼第1医療部長兼
反映して、高齢の感染者・患者が増加しつつあ
外来化学療法室長兼
り、その傾向は、今後さらに顕著となると考え
がん療法支援室長
られる。加齢に伴う医療、介護を必要とする感
飛 田 規
染者・患者人口が増加する中で、受け入れ施設・
地域の体制整備は、重要な課題であり、地域の
HIV感染症は、1981年に米国男性同性愛者に
枠組みの中でも検討が望まれる。
ニューモシスティス肺炎・カポジ肉腫のような
H I V 感染者:HIVに感染しているが、免疫不全
特殊な免疫不全でみられる感染症・腫瘍を発症
による日和見感染を発症していな
して死に至る原因不明の疾患として最初の報告
い人
がなされた。当時は治療法もなく、数年以内に
エイズ患者:HIVによる免疫不全が原因で、ニ
多くの患者が死亡したため、
「死に至る病」と
ューモシスティス肺炎のような日
して恐れられていた。1983年にHIVウイルスが
和見感染(AIDS指標疾患、23種)
確認され、1997年に多剤併用抗ウイルス療法
を発症した人
(HAART→現在はART)が導入されて以降、死亡
者数は著しく減少した。また、当初は、厳しい
時間制限、食事制限等のもとに多数の薬剤を服
用することが求められていたが、現在では一日
(とびた ただす)
(10)
血液・体液曝露対策
排泄物、粘膜、損傷した皮膚に手が触れる時、
-個人用防護具(PPE)の選択と正しい手技-
あるいは触れそうな時には手袋、衣類に浴びそ
うな時はエプロン・ガウン、顔(眼・鼻・口)
静岡県立静岡がんセンター
に浴びそうな時はゴーグルやマスクを使用し防
7西病棟看護師長
護します。場面に応じて、これらを単独または
感染管理認定看護師
組み合わせて使う必要があります。
野 田 幸 世
粘膜曝露はその半数強が患者との直接接触
によるもので、ほとんどは医療者が適切なPPE
血液・体液曝露とは、感染
を使用することで防げたとの報告があります。
性のある血液・組織、その他の体液の経皮的損
PPEを正しく効果的に使用することが、医療者、
傷、粘膜や傷のある皮膚への曝露を言います。
患者双方にとって有効な感染防止対策となりま
血液・体液曝露により引き起こされる感染症
す。
はいろいろありますが、医療現場で重要視さ
(のだ さちよ)
れる病原体として、B型肝炎ウイルス(以下
HBV)、C型肝炎ウイルス(以下HCV)
、ヒト免疫
不全ウイルス(以下HIV)が挙げられます。
嘔吐・下痢の感染対策
針刺し後に感染するリスクとして曝露時のの
状況にもよりますが、HIVでは0.3%、HCVは1.8
静岡県立静岡がんセンター
%、HBVでは30%にもなります。
感染内科部長
HBVは環境表面の乾燥血液の中で1週間程度
倉 井 華 子
生き続けることができ、皮膚の引っ掻き傷や擦
り傷などからウイルスが侵入したことが示唆さ
施設内流行が起こりやすい
れる報告もあります。
ノロウイルスとクロストリジ
では、実際に、感染を成立させないためには
ウム・ディフィシルについてまとめる。
どうすればよいか、それは感染経路を遮断する
ノロウイルスは食品から感染する経路と、施
ことです。
設や家庭などで患者の糞便や吐物に含まれるウ
感染経路を遮断するためには、標準予防策の
イルスが手につきが口から取り込まれる経路と
遵守が最も有効です。その中でも血液体液曝露
に分かれる。感染力は強く、10-100個の少ない
対策で重要なことは手指衛生、
個人用防護具
(以
ウイルス量で感染が成立するとされる。冬に多
下PPE)の使用、鋭利器材の正しい使用です。
く、毎年病院、施設、学校などでのアウトブレ
多くの耐性菌は、医療従事者の手を介して広
イクが多数報告される。潜伏期間は24-48時間、
がると言われ、手指衛生を適切に行うことは感
嘔気、嘔吐、下痢で始まることが多い。診断は
染対策上重要なことです。
周囲の流行状況と症状から判断する。検査キッ
また、鋭利器材の取り扱いとして、リキャッ
トもあるが、偽陽性/偽陰性も多い。感染対策
プをしない、耐貫通性の廃棄容器の設置・携帯、
では、可能な限り個室またはコホート隔離が望
安全装置付き器材の導入とその正しい使用方法
ましい。トイレを介して感染が広がるため、専
の教育、使用後の鋭利器材は使用した人が責任
用のトイレを設けるなど対応が必要である。ア
を持って廃棄することで使用者および第三者の
ルコール製剤の効果は不明であり、石鹸と流水
針刺しのリスクを回避できます。
での手洗いが基本となる。吐物処理の際は、予
そして、PPEを適切に使用することで病原体
想以上に広範囲に汚染されているため広範囲の
の曝露から医療者自身を守り、また医療者から
清掃が必要なこと(2m)
、乾燥した吐物は容易
他の患者への病原体の広がりを防ぐことができ
に空中に広がり口に入るため乾燥しないうちに
ます。
速やかに処理することがポイントとなる。
PPEの選択は、血液・汗を除く体液、分泌物、
クロストリジウム・ディフィシルは院内の下
2016 年 1 月
(11)
痢では鑑別に上げる。抗菌薬投与、経管栄養、
す。次に、予防接種です。インフルエンザの予
胃酸抑制薬、術後などがリスクとなる。症状+
防接種は、発症する可能性を減らし、重症化を
トキシン(毒素)陽性で診断するが、トキシン
防ぐ効果があります。特に抵抗力の低い人は接
を調べる迅速キットの感度は低く70%程度であ
種することが望まれます。その他に、人が頻繁
る。治療はメトロニダゾール内服またはバンコ
に触る場所をこまめに拭く、ウイルスは乾燥に
マイシン酸の内服である。
効果は同等とされる。
強いので適度に湿度を保つことも効果的です。
昨年メトロニダゾールの静注薬が国内でも認可
そして、医療・療養施設においては、冬季の流
された。感染対策では手指衛生、個室管理、次
行時期の面会者に対して説明を行い、施設内へ
亜塩素酸での清掃が行われる。アルコール製剤
のウイルスの持ち込みを最小限に抑えることも
での手指衛生は効果が乏しく、石鹸と流水での
必要です。インフルエンザ感染者が発生した場
手洗いを行う。
合は、速やかに感染者及び感染が疑われる人を
(くらい はなこ)
それ以外の人とは離して対応します。罹患者が
多床室に入院、入室していた場合、同室の人は、
最終接触後24時間は部屋を変更せず、感染して
医療・療養施設におけるインフルエンザ対策
いるかもしれない(疑い症例)として観察を行
います。施設によっては抗インフルエンザ薬の
静岡県立総合病院
予防投薬を実施する場合もあります。感染者と
感染管理認定看護師
接触する職員や面会者は、マスクを着け、手指
鈴 木 清 美
衛生を実施します。複数の感染者がいる場合に
は、新規の発生が出なくなるまでは、流行を慎
インフルエンザは毎年冬季
重に見張らなくてはなりません。職員がインフ
に流行し、時に集団感染を引
ルエンザに罹ることもあります。その場合も一
き起こすことがあります。日本では、11~12月
定期間休養をとる必要があります。職員は体調
に流行が始まり、
1~3月にピークを迎えます。
が多少悪くても勤務に出てくる恐れがありま
毎年、人口の5~10%の人が罹患し、ほとんど
す。感染が拡大することにより、施設全体の業
の人は軽症で回復しますが、中には重症化する
務縮小を検討しなくてはいけない場合もありま
人もいます。免疫力の低い、幼児や妊婦、高齢
すので、職員への教育も重要になります。イン
者、慢性疾患を持つ人は、特に注意が必要にな
フルエンザ対策は、感染しないための予防と、
り、多く人が集まる医療・療養施設では、感染
発生後の拡大防止が重要になりますので、これ
対策が重要になります。
からの流行に備えて、各施設日頃から感染対策
インフルエンザ対策は、予防と発生時の対応
の徹底を図ってください。
に分かれます。予防には、まず感染経路を理解
(すずき きよみ)
します。インフルエンザは、感染者が咳をした
時にツバとウイルスが周囲に飛び散り、近くに
いた人がそのウイルスを吸い込んで感染する飛
MRSA感染対策
沫感染と、感染者が咳をする時に口を手で押さ
え、ウイルスの付いた手を洗わずに周りの物に
市立島田市民病院
触れる。別の人が、ウイルスが付いているとは
感染管理認定看護師
気づかず触れ、その手で口や鼻に触って粘膜か
野 村 明 美
ら感染する接触感染があります。感染対策は、
この感染経路を断つことが第一歩になりますの
MRSAは、メチシリン耐性黄
で、咳エチケットと手洗いが重要になります。
色ブドウ球菌(Methicillin-
ウイルスを飛ばさないためのマスク、手につい
resistant Staphylococcus aureus)
の略語です。
たウイルスを拡げないための手洗いを実施しま
メチシリンは、
ペニシリン系の抗菌薬の名前で、
(12)
このメチシリンに耐性を獲得した黄色ブドウ球
などを適切に使用します。手指衛生は、重要な
菌をMRSAと命名しました。1960年に英国で初め
対策の1つです。患者のケアや処置を行う前後
て報告され、日本では1980年代に全国的に広が
だけでなく、患者に使用した器具やベッド柵な
りました。
ど手がよく触れる環境に触った後も実施しま
MRSAの本質は、
「抗菌薬が効かない」という
す。目に見える汚染がある場合は、流水と石鹸
所にあります。
「メチシリンに耐性」と言われ
による手洗いを行い、目に見える汚染がなけれ
ているのでメチシリン以外の抗菌薬を使用すれ
ばアルコール含有速乾性手指消毒薬による手指
ばよいと思われるかもしれませんが、抗MRSA薬
消毒が必要です。
以外のほとんどの抗菌薬が効きません。近年、
MRSAは、体内で感染症を起こしてしまった場
院内感染の原因菌として問題となり感染管理の
合には治療が必要な細菌ですが、体外において
重要性が認識されるようになりました。
はアルコールで殺菌できます。
MRSAを広げないための対策で重要なことは、
感染を広げないためには、1患者1手洗いで
「標準予防策」「接触予防策」の実施です。
はなく、
「1処置1手洗い」の実施を心がけて
標準予防策
下さい。
①血液 ②汗以外の体液・分泌物・排泄物 ③
色々な背景を考慮し、与えられた環境、与え
傷のある皮膚(創傷・熱傷・潰瘍など) ④粘
られた労働力、与えられた資金を最大限に活か
膜 を感染性があるとみなして対応することで
してその場におけるベストのMRSA対策を目指す
す。感染のリスクがある物質に対して手洗いや
ことが大切です。
手袋・マスク・ガウンなどの防護具を使用しま
(のむら あけみ)
す。
接触予防策
接触感染における感染経路は、患者の皮膚や
衣服に触れるような「直接的な接触」と「間接
的な接触」の2つがあります。間接的な接触と
は、患者が使用したもの(体温計、血圧計など
の医療器具や生活用品など)や、患者が直接触
れたり、菌が付着した可能性がある周囲環境
(ベ
ッド柵やドアノブなど)と医療者の手が触れる
ことが考えられます。この感染経路を遮断する
ために手袋・マスク・ガウンに加えてゴーグル
第2回感染対策支援セミナー
平成27年度 第2回「感染対策支援セミナー」
中規模病院、療養型病院、特別養護老人ホー
の司会を受けて
ム、
介護老人保健施設からも多数の出席があり、
450人以上の参加があった。
浜松医療センター
講演では5人の講師が「結核対策」
「尿路感
副院長兼感染症内科長
染対策」
「処置別感染対策」
「器材・器具の処理
矢 野 邦 夫
とハウスキーピング」
「集団感染症発生時の対
応」について講演した。
平 成27年12月 6 日( 日 曜
「結核対策」の講演では結核の感染経路、潜
日)、静岡市のグランシップ
在性結核感染、接触者検診、N95マスクの装着
にて平成27年度の第2回「感染対策支援セミ
など幅広い講演がなされた。そのなかで、特に
ナー」が開催された。急性期病院のみならず、
日本は結核の中蔓延国であることから、常に結
2016 年 1 月
(13)
核の可能性を念頭に置く必要があることが示さ
ウトブレイク時の対応に加えて、インフルエン
れた。「尿路感染対策」では尿道留置カテーテ
ザウイルス、ノロウイルスに対する対策が解説
ルからの病原体の侵入経路、閉鎖式回路、挿入
された。そこでは、インフルエンザ対策として
期間の短縮、挿入時および管理における感染対
曝露後のノイラミニダーゼ阻害薬の内服につい
策についての解説がなされ、膀胱洗浄は基本的
ての話もなされた。全体討議では会場からの質
には実施すべきではないことが強調された。
「処
問について回答することによって、理解を更に
置別感染対策」では気管切開、胃瘻、CVポート
深めることができた。このような充実した講演
の管理についての講演がなされ、さらに、吸引
に加え、休憩時間に実施された個別相談では多
カテーテルなど単回使用のものを再利用する場
くの相談があり、熱気あふれる質疑応答がなさ
合のコスト計算なども示された。
「器材・器具
れていた。
の処理とハウスキーピング」ではスポルディン
感染対策支援セミナーは高齢者施設や老健施
グの分類と医療器具・器材との関連、消毒薬、
設をターゲットとしたセミナーであり、高齢者
手指の高頻度接触表面などについて解説され
や抵抗力が低下している人々を感染から守るこ
た。特に、医療器具・器材の滅菌・消毒・洗浄
とを目的としている。そのため、今回の講演の
は、それを使用した患者の感染症の有無によっ
内容はこのような施設で明日からでも役立つも
て取扱いを決めるのではなく、器具がこれから
のになると思われる。
どのように利用されるかによって決まることが
(やの くにお)
示された。「集団感染症発生時の対応」ではア
施設における結核感染対策
空気中に出される。②結核菌の浮遊:飛沫の水
分が蒸発した飛沫核(結核菌)は30分程度空気
中を漂う。③結核菌の吸入:その結核菌を吸入
し、肺に到達することで感染が成立する。すな
藤枝市立総合病院
わち、空気感染が主たる感染経路である。感染
呼吸器内科部長
対策の介入としては、①“結核菌の放出”に対
小 清 水 直 樹
しては、咳エチケットとしてのサージカルマス
ク着用、②“結核菌の浮遊”に対しては、個室
【結核の頻度】
対応や陰圧室などの換気、③“結核菌の吸入”
平成26年度の日本の新登録結核患者数は、初
に対しては、N-95マスク着用などの対応、とな
めて2万人を下回ったが、罹患率は15.4人/10
る。なお、結核性胸膜炎・髄膜炎・腹膜炎、腸
万人と依然高く、
世界の中では中蔓延国であり、
結核などは感染性はない。
現在でも忘れてはならない疾患の一つである。
感染したが発病していない者を潜在性結核感
患者数の減少が緩やかな原因の一つに、医師側
染といい、周囲の者に感染させることはない。
の診断の遅れがある。
感染者のうち、約5%は感染後2年以内に発病
結核の好発年齢は、日本人のみに限れば70歳
することから、接触者検診で感染と診断された
代以降に多く、高齢者の疾患といえる。一方若
人は発病しやすいわけであり、これが潜在性結
年者の結核では、外国出生者の割合が多いこと
核としての治療を勧める根拠となっている。
が特徴で、しかも年々増加傾向にある。
【結核の感染と発病】
【結核の症状と結核になりやすい人】
頻度の高い症状は、2週間以上続く咳・痰、
結核は、以下のように感染する。①結核菌の
微熱・高熱・寝汗、血痰、体重減少などがある
放出:呼吸器系の結核(肺結核、気管支結核、
が、結核に特徴的なものはない。粟粒結核は不
喉頭結核、粟粒結核の一部)患者の咳のととも
明熱の一つとして注意が必要である。
に出される、結核菌を含んだしぶき(飛沫)が
結核になりやすい人としては、①基礎疾患と
(14)
して、AIDS/HIV感染、糖尿病、心・腎移植後、
が続くときは受診することも指導する。職員の
肝硬変、慢性腎不全/透析患者、胃切除後など、
配置については、BCG接種やツ反陽性でも結核
②投与されている薬剤として、副腎皮質ホルモ
の感染や発病の危険があり、これらの結果で配
ン、生物学的製剤(TNF-α阻害薬など)、抗が
置を決めることはせず、環境などを整備し感染
ん剤など、③高齢者、などが挙げられる。
しない方策を考える。
【結核の検査と診断】
患者発生時
喀痰検査はもっとも重要であり、結核を疑っ
の個人の防御
た場合は、3日間行う。塗抹だけでなく、必ず
としては、結
培養と菌の薬剤感受性検査も行う。抗酸菌塗
核は空気感染
抹陽性であれば、PCR法で結核か否か同定を行
であり、N-95
い、判明するまでの間は結核に準じて感染性が
マスクの正し
高いと判断し、個室管理とする。インターフェ
い使用が大切
ロンγ放出試験(IGRA)(クオンティフェロン、
である。フィ
T-SPOT)は、患者の血液を特異抗原で刺激し、
ットテストで自分に合ったマスクの適正なサイ
放出されたインターフェロンγを定量する方法
ズを決めておき、着用時には毎回行うシールチ
で、結核感染の有無を判定する。BCG接種の影
ェックを行い密着性を確認する。
響を受けないため、現在はこれが主流となって
【結核患者発生時の院内感染対策】
いる。IGRA陽性は、過去いずれかの時期の「感
院内で感染性を有する結核患者が発生したと
染成立」を意味するが、
「発病」の有無を診断
きは、①まず院内の感染対策委員会に報告(咳
する検査法ではないことに注意する。IGRAの感
などの症状出現時期、排菌状況など)し、②と
度は80~90%であり、陰性でも感染は否定でき
りあえず個室に転室させ、③診断した医師はた
ない。
だちに保健所に発生届を提出し、④保健所と対
【結核の早期発見と対策】
応を協議する。
外来診療では、咳の続く(2週間以上)患者
その後、患者を結核病棟を有する施設になる
の優先診療、咳エチケットとしてサージカルマ
べく早く転院させる。患者の状態などより転院
スクを着用、他の患者と別の場所で待ってもら
できない場合は、できれば換気対策がとられて
う、などがある。“肺炎”患者を入院させると
いる個室(陰圧、あるいは換気回数6回/時間
きは胸部X線に加え、結核を否定しておくため
以上の強さでの換気)に移動し、感染対策とし
に喀痰抗酸菌検査を必ず行う。
て、患者への指導や職員への方針の伝達などを
入院診療では、①一般病院では、咳が続いて
行う。その後保健所と事後措置(接触者検診な
いる患者には、3日連続喀痰抗酸菌検査を行う
ど)の検討を行う。接触者検診が必要と判断さ
こと、②小児科病棟では、小児は自分で症状を
れた場合は、保健所と相談して行う。
訴えることが少ないことに注意し、新規入院時
接触者検診の目的は、①潜在結核感染症の発
に胸部X線検査を考慮すること、③精神科病院、
見と進展防止、②新たな結核患者の早期発見、
高齢者施設などでは、結核集団感染の事例の
③感染源および感染経路の探求、である。検診
1/4が精神科病院であることに注意し、新規入
対象者は、①初発患者の接触者、②初発患者に
院時および年1回は胸部X線検査をおこなうこ
感染を及ぼした可能性のある者、である。接触
と、などが挙げられる。
者とは、初発患者が結核を感染させる可能性の
【職員の健康管理】
ある期間に、その患者と同じ空間にいた者のこ
雇用時には、結核の既往の有無、BCG接種歴、
とであり、接触の程度や感染した場合の重症度
過去のツベルクリン反応の結果、インターフェ
などより、ハイリスク接触者、濃厚接触者、非
ロンγ放出試験(IGRA)
、胸部X線(結核病棟有
濃厚接触者、非接触者に分けられる。検診を行
する施設の医療従事者は年1回の撮影が義務)
う接触者の範囲は、保健所と相談の上で決定す
などを確認または検査する。また2週間以上咳
ることが望ましい。感染成立の有無や発病の有
2016 年 1 月
(15)
た場合の影響が大きいため、治療の適応は慎重
に検討する。
発病した場合は、できるだけ標準治療A法
(INH,RFP,PZA,EBまたはSMの4剤を初期強化期
の2か月、その後維持期にINH,RFPを4か月投
与)を行う。PZAが投与できない場合は、標準
治療B法(INH,RFP,EBまたはSMの3剤を初期強
化期2か月、その後維持期にINH,RFPを7か月
投与)を行う。標準治療を行うことは、耐性菌
を作らないために重要である。
(こしみず なおき)
無を、問診、診察、胸部X線検査、IGRAなどに
より確認する。
結核の消毒については、結核は器物などに付
尿路感染対策
着した菌による間接感染は通常ないため、特別
な消毒は通常は不要である。しかし、患者の粘
磐田市立総合病院
膜に接触する器具(内視鏡など)が結核菌で汚
感染対策室
染された場合は、滅菌が必要である。
感染管理認定看護師
【高齢者施設での対応】
田 中 恵
結核既感染者が多く、体力の低下や合併症に
尿道留置カテーテルは、日
て免疫が低下している人が多いため、結核発症
のリスクが高いことが特徴である。
常的に用いられる医療器具の一つであるが、カ
結核患者入所の受け入れについては、陳旧性
テーテルに関連した尿路感染症を発生しやす
あるいは治療中であっても、感染性が否定され
い。質の高い管理が求められる。けれども、質
ていれば入所を拒否する理由にならない。当初
の高い管理をしていても、容易にカテーテルが
周囲への感染が考えられる結核患者が、治療に
留置される環境では、尿路感染症の低減は難し
より感染性が消失された後であってもなお入所
い。そのため、尿路感染症対策には尿道留置カ
を受け入れないということにならないよう配慮
テーテルの適正使用と早期抜去が大切である。
する。
1.挿入時の感染対策
健診については、養護老人ホーム、特別養護
まず、尿道留置カテーテル挿入の必要性をア
老人ホームなどの施設では、入所時および年1
セスメントする。必要な患者には、滅菌された
回に定期健康診断を行う。
尿道留置カテーテルを用いて、無菌操作で挿入
入所者が遷延する呼吸器症状を訴える場合、
する。その際、なるべく径の細いカテーテルで、
できるだけ早期に医療機関を受診させることが
なおかつカテーテルと採尿バッグが組み立てら
結核の早期発見につながる。高齢者の中には呼
れている閉鎖式尿回路システムを選択する。
吸器症状に乏しい患者も少なくない。
カテーテル挿入の際、処置前の手指衛生は忘
【結核の治療】
れずに行う。尿道口周囲の汚染が確認された場
感染のみの場合(IGRA陽性だが、結核を発病
合、
陰部洗浄を行うと消毒の効果を高められる。
していない場合など)は、結核を発病するリス
無菌的に挿入したカテーテルは愛護的に取り扱
クが高い者に治療を行う。発病を抑えることを
い、固定用のテープや器材を用いて大腿等に固
目的に、潜在性結核感染への治療として、INH
定を必ず行う。
(またはRFP)1剤による治療を検討する。治療
2.尿道カテーテル挿入部のケア
を行った場合は公費負担の対象となり、保健所
清潔の保持、不快感の緩和を目的として陰部
への届け出が必要である。医療従事者は発病し
洗浄を行う。
排便後の汚染はすみやかに除去し、
(16)
清潔を保つ。
策を講じなければならない。
3.挿入後の感染対策
気管カニューレ留置中では、気管内吸引など
日常ケアも無菌的手技を実践し、尿回路の閉
の清潔操作の破綻によるダイレクトな気管内へ
鎖を維持する。検体は採尿ポートを消毒し、無
の病原微生物の浸入による肺炎や気管支炎、ま
菌的に採取する。採尿バッグは床に着かないよ
た、カニューレ外側に沿った垂れ込みによる誤
うに、また、寝かせ置きもしない。ドレナージ
嚥性肺炎が懸念される。感染対策としては、気
チューブがたわんだり、採尿バッグより下にな
管内吸引時の無菌操作、カフ上に貯留した分泌
らないように注意し、尿が停滞しないように固
物は定期的に取り除き落下を防止し、口腔ケア
定する。採尿バッグに溜まった尿は定期的に排
にて口腔内細菌数を減らすこと等があげられる。
液するが、医療者は個人防護具を着用し、回収
気管内吸引操作は愛護的に行うことも重要で
に使用する容器を患者間で使い回さない。
排液、
ある。粘膜は傷つきやすく、傷がつくと感染し
排尿口を容器に接触させないように注意が必要
易くなるからである。また、吸引カテーテルは
である。
単回使用が原則だが、再使用を余儀なくされる
定期的な膀胱洗浄は行わない。泌尿器科手術
場合は汚れを除去したあと消毒薬への浸漬、再
の後や凝血塊で閉塞の恐れがある場合等では無
度使用する前の滅菌水でのすすぎという行程が
菌操作で、しかも閉鎖を維持できる持続的灌流
必要となる。
が望ましい。
胃ろうに関しても、経管栄養ラインからの病
尿道留置カテーテルは、挿入時から抜去時期
原微生物の浸入防止として、まず、栄養剤の保
を検討し、不要になれば直ちに抜去する。抜去
管や注入準備は清潔な場所で清潔に取り扱い、
後の一時的尿閉には、間欠的導尿を選択する。
栄養剤は使い切りにする。投与時は手指衛生と
毎日、38℃以上の発熱の有無や下腹部の症状、
手袋着用を患者毎に行い、終了後留置されてい
検査データや尿の性状等を観察することはカテ
るチューブ内に栄養剤を残さないように白湯/
ーテル関連尿路感染症の早期発見・治療に有用
水道水でフラッシュする。
である。加えて、質の高いケアの提供と維持に
投与に使用した投与容器、投与チューブ、カ
は、ケアバンドルを活用するとよい。
テーテルチップも単回使用が原則だが再使用す
る場合は、十分な洗浄、適切な消毒、完全な乾
(たなか めぐみ)
燥といった管理が必要となってくる。
気切、胃ろう共にろう孔形成されている場合
処置別感染対策 気切・胃ろう・CVポートに関して
はスキンケアにて汚れを除去するといった清浄
化に心がけ、固定のカフやバルーンやバンパー
焼津市立総合病院
などによる圧迫虚血を防止し、粘膜損傷・壊死
看護副師長
から感染に至らないようにする。
感染管理認定看護師
CVポートに関しては血管内カテーテル関連感
村 松 三 穂 子
染予防策と同様である。刺入部皮膚・ハブ・輸
液といった3つの感染ルートそれぞれの汚染防
気管切開(気切)・胃ろう
止対策として、推奨されている消毒薬での十分
造設・CV(中心静脈)ポート埋め込み術は皮膚
な皮膚やハブの消毒、輸液準備時の無菌操作等
というバリアを破り、それぞれのチューブやカ
であるが、リザーバー内の薬液停滞をさせない
テーテルを留置させるという医療行為であり、
ポート特有の注入後のフラッシュを行うことが
体内に通じるトンネルが出来てしまっているこ
追加される。
とになる。このことは病原微生物が容易に体内
取り扱う医療従事者は、それぞれのカニュー
に侵入しやすい状況であり感染を引き起こす危
レ、チューブやカテーテルの構造や特徴を把握
険が高くなるとういことになる。我々医療従事
していることが必然となってくる。
者はこれらの処置を行うに際し、確実な感染対
(むらまつ みほこ)
2016 年 1 月
器材・器具の処理とハウスキーピング
(17)
に①消毒の3要素(濃度・時間・温度)を正し
く守ること ②殺滅する微生物は消毒レベルに
浜松市リハビリテーション病院
合っていること ③消毒薬を攪拌し十分に浸漬
看護課長
すること ④消毒薬は有機物等を水と洗浄剤で
感染管理認定看護師
洗浄した後に使用すること ⑤消毒薬同士は混
埋 田 聖 子
ぜないこと 等があります。器材・器具の処理
は、使用目的やリスクに合せた処理を行ない決
病院や施設で使用する器
定することが必要となります。
材・器具は様々なものがあります。これらの器
病院清掃において清潔が保持されていると
材・器具は、人体のどの部分に使用するものな
は、埃を立てない、床や壁に埃やゴミがない、
のか、またどの部分に触れる物なのか、を感染
ベッド周囲などは血液・薬液・食物などの異物
リスクを基準として洗浄・消毒・滅菌に分ける
がこびりついていない、トイレ・汚物室などに
ことができます。その目安として用いられる判
臭いがない、などです。しかし、環境表面には
断基準に「スポルディングの分類」があります。
何らかの微生物が存在しており、周辺の環境表
スポルディングは、クリティカル・セミクリテ
面の汚染の多くは、手指を介することが原因と
ィカル・ノンクリティカルで分類されます。ク
なります。環境はノンクリティカルに分類され
リティカルは「無菌の組織や血管系に挿入され
ますので、洗浄もしくは清掃が行なわれます。
るもの」で手術等に使う鋼製小物や血管内カテ
環境は高頻度接触表面と低頻度接触表面に分
ーテル等、厳密な処理が必要とされる滅菌が必
け、前者は日常よく手が触れるドアノブ、ベッ
要なものです。セミクリティカルは、
「損傷の
ド、ベット柵、電気のスイッチ等は毎日掃除を
ない粘膜および創のある皮膚に接触するもの」
します。後者は通常あまり接触しない床・壁・
で、呼吸器回路、内視鏡等の高水準消毒が必要
カーテン等、定期的に掃除もしくは目視して汚
なものと、ネブライザー、体温計、喉頭鏡ブレ
染したときに行ないます。血液・体液・排泄物
ード等中水準消毒が必要なものとなります。ま
等の汚染があった場合の処理方法は、手袋・エ
た「損傷のない皮膚と接触するもの」は感染の
プロンを着用し、速やかに汚染物を取り除きビ
リスクが最も低いため、ベットの手すり、血圧
ニール袋等に廃棄します。その後、汚染部分を
のマンシェット、聴診器、便器等、低水準消毒
0.1%の次亜塩素酸ナトリウム等で清拭をしま
か洗浄となります。洗浄・消毒・滅菌の中で、
す。清潔な環境を提供し保持することが、患者
最初に行なわれる工程が洗浄です。洗浄は、細
の清潔で安全な療養環境につながることになり
菌の数を減少させ、消毒や滅菌の効果をあげる
ます。
行為です。水と洗剤や酵素洗浄剤を用いて有機
物(血液・排泄物・生体組織片)
や汚れを除去します。消毒は消毒
薬や熱を用い、目的とする対象微
生物だけを殺滅します。高水準消
毒に使用する薬剤は、グルタラー
ル、フタラール、過酢酸です。中
水準消毒薬に使用する薬剤は、次
亜塩素酸ナトリウム、消毒用エタ
ノール、ポピドンヨード、低水準
消毒に使用する薬剤は、塩化ベン
ザルコニウム、グルコン酸クロル
ヘキシジン、両性界面活性剤で
す。消毒薬を効果的に用いるため
(うめた せいこ)
(18)
集団感染発生時の対応
どのような感染症であっても、感染症発生時
~インフルエンザ、ノロウイルス~
の感染拡大防止対策をまず考えます。そのため
には、発生状況の調査・分析によって根本的な
静岡県立総合病院
原因を究明することが第一です。すなわち、感
総合診療センター長
染症の早期発見が何よりも重要です。
「患者さ
袴 田 康 弘
んの様子が普段と違う」
「下痢の患者が増えて
いる」など、医療スタッフが現場において気づ
医療・療養施設における感染
くこと、
その情報をスタッフで共有し合うこと、
症の集団発生時にどのように
通常よりもさらに注意深い観察を継続すること
対応すべきか解説します。とくにインフルエン
で集団発生を最小の規模で食い止めることがで
ザとノロウイルス感染症の集団発症事例が、毎
きます。感染管理者は日ごろから職員、医療ス
年報告されています。冬季のインフルエンザの
タッフと良好なコミュニケーションをとり、い
集団発生では、感染後に重篤な合併症で致命的
ち早く情報を共有できるようにしておかなくて
となる例がときどき報告されています。ノロウ
はなりません。
イルスは感染力が強く集団感染を防止すること
集団感染が発生した場合には、集団感染に至
が難しいため、施設全体での集団発生が報告さ
った原因とその拡大経路を明らかにする必要が
れています。集団感染を起こさないための予防
あります。
現場の混乱を防止するために、
「迅速」
策が重要ですが、かりに集団感染が起きた場合
かつ「正確」な情報の提供を行い、感染拡大防
には、速やかな対応
(感染拡大防止対策の実施、
止の対応策を実施します。患者さんの隔離や病
発生状況の調査・分析)が望まれます。患者や
棟閉鎖を含めての病棟の管理を検討します。と
施設利用者だけでなく医療スタッフや職員の感
くにノロウイルス感染の場合には、感染の原因
染数を最小限に抑え、施設の通常の機能維持に
を明らかにすることが、感染拡大防止とその後
つとめなくてはなりません。
の拡大防止と再発の鍵となるでしょう。
集団発生とは、
「一定の期間に、特定の場所
インフルエンザの集団発生の防止には、ワク
で特定の集団・グループにおいて、通常予測さ
チンの集団接種は望ましいとされています。さ
れるよりも多くの感染症が発生」することと定
らに抗インフルエンザ薬の使用については、躊
義されます。実際には、医療施設内、あるいは
躇することなく始めるべきことが推奨されてい
ひとつの病棟内でインフルエンザやノロウイル
ますから、インフルエンザ罹患者との濃厚接触
スの症例が3例以上発生した場合に相当する、
後には予防投薬は検討すべきでしょう。
というふうに解釈されます。症例数が10例以上
(はかまた やすひろ)
発生したときや重篤な症例が確認された時には
保険所への報告が必要です。
表彰 -叙勲・救急医療功労-
平成27年度に協会推薦により以下の会員が表彰されました。
受賞されました方には、心よりお祝い申し上げます。
【平成27年春の叙勲(瑞宝双光章)
】
【平成27年度救急医療功労者厚生労働大臣表彰】
受章者 聖隷三方原病院
受彰団体 静岡県立こども病院
臨床検査技師 山口 浩司 氏
受彰日 平成27年9月9日(水)
受章日 平成27年4月29日(水)
【平成27年度静岡県救急医療功労団体知事表彰】
受彰団体 伊東市民病院
受彰日 平成27年9月9日(水)
2016 年 1 月
(19)
~新入正会員紹介~
医療法人社団 澄明会 磐南中央病院
平成27年10月1日 入会
平成14年8月に磐田駅と豊田町駅の中間に位置する療養型病
院として開設し現在14年目となりました。許可病床は100床、
内科、神経内科、リハビリテーション科を標榜とし地域に密着、
愛される病院として日々邁進しております。
患者様に快適な療養生活を提供することを基本理念とし日々
向上心をもって学び総勢90名の職員で取り組んでおります。連
携病院と連絡を密にして地域医療の責務を果たし、地域に貢献できる医療を提供していきたいと思い
ますので何卒宜しくお願い申し上げます。
静岡県からのお知らせ
看護職の離職時等の届出制度が平成27年10月1日から始まりました
保健師・助産師・看護師・准看護師の免許をお持ちの方(以下「看護職」という。
)が勤務先を離
職等した場合は、県ナースセンターへの届出をお願いします。
病院、診療所、助産所、介護老人保健施設及び指定訪問看護事業を行なう事業所(以下「病院等」)
の皆様には、看護職の離職時に代行届出
(eナースセンターからの一括登録)
の御協力をお願いします。
【届出の対象】
(1)看護職が、病院等を離職した場合
(2)看護職が、保健師助産師看護師法に規定する業務に従事しなくなった場合
(3)看護職の免許を受けた後、直ちに看護業務に従事する見込みがない場合
*現在就業していない看護職も届出の対象です。
【届出事項】
氏名、生年月日、住所、免許の登録番号及び登録年月日 等
【届出の方法】
(1)看護職本人が届出を行なう場合(次のいずれかの方法)
ア 専用サイト「とどけるん」
(https://todokerun.nurse-center.net/todokerun/)に必要事項
を入力
イ 届出票に必要事項を記入して県ナースセンターに郵送
ウ 県ナースセンターで届出票に必要事項を記載して提出
(2)病院等が代行して届出を行なう場合
病院等の開設者には、看護職員が離職等をする場合に県ナースセンターへの届出を支援する
(代行届出を含む。)ことが求められています(看護師等の人材確保の促進に関する法律第16条
の3第3項)
。
【問い合わせ先】
静岡県ナースセンター(公益社団法人静岡県看護協会)
静岡市駿河区南町14-25エスパティオ3階(電話 054-202-1761 FAX 054-202-1762)
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事務局からのお知らせ
「第55回 静岡県病院学会」のご案内
協会HPから「医療機能分化連携関連情報」を発信しています。
静岡県は現在、平成27年度末を目途に2025年を見据えた「地域医療構想」の策定を進めています。
構想策定後は、各医療機関の自主的な取組みと医療機関相互の協議により、医療機能分化・連携を
進めることになります。
静岡県病院協会では、各医療機関の理解や取組みを促進するため、参考となる情報をHPに「医療
機能分化連携関連情報」として掲載しています。
是非、アクセスしてみてください。 ⇒ http://www.shizuoka-bk.jp/
会報「病院紹介コーナー」に掲載する病院を募集しています。
静岡県病院協会では年に3回(7月、1月、3月)「会報」を発行していますが、その中で、
「病院
紹介コーナー」(1病院当たりA4サイズ2ページ)を設けて、東部、中部、西部地区の病院を順番
に毎回2病院を紹介しています。
病院の特徴や新しい取組みなどをアピールしてみませんか?
問合せ・申込先:静岡県病院協会事務局 (E-mail:web@shizuoka-bk.jp)
Vol.47
二〇一六年一月発行
平成28年2月27日(土)、
『地域医療構想を考える』
をテーマに
「第55回静岡県病院学会」
を開催します。
日 時:平成28年2月27日(土)
13時~16時30分
場 所:グランシップ 11階 会議ホール風
基調講演
演題 「地域医療構想をめぐる論点と課題
〜地域包括ケアの関わりについて〜」
講師 前参議院議員 梅村 聡 氏
シンポジウム 『地域医療構想を考える』
事例発表 ①「
『地域医療構想』
~需要サイドから考える2025年の医療提供体制~」
静岡県健康福祉部 医療健康局長 北詰 秀樹 氏
②「地域包括ケア病棟開設とその後」
富士宮市立病院 院長 米村 克彦 氏
③「地域医療構想における自治体病院の将来像」
藤枝市立総合病院 院長 毛利 博 氏
④「地域医療構想を考える〜中東遠医療圏における課題〜」
中東遠総合医療センター 企業長兼院長 名倉 英一 氏
⑤「長寿時代の看取り」
静岡県慢性期医療協会 会長
静岡県老人保健施設協会 会長
医療法人社団和恵会(湖東病院)理事長 猿原 孝行 氏
全体討議
参加費 1人 2,000円
申 込 2月19日(金)までに、静岡県病院協会HPからお申し込みください。
(http://www.shizuoka-bk.jp/)