高分子 2 月号立ち読み 特集 壁の存在感 異種媒体が接触することに より界面が形成される。易動 性に富む分子にとって、不動 の異種固体界面は“壁”その ものである。高分子複合材料 にはこのような“壁”が多く 存在する。この“壁”は…… 素描 どう複雑系を理解して利用するか? 渡邉正義 エネルギー状態の異なる二物質が接する界 面には特殊な場ができる。電子伝導体とイオ ン伝導体が接する界面に形成される電気二重 層はその典型例である。その厚さは nm オーダーであり、そ こに 106 ~ 107 V/cm の電界が集中し、その界面を電子が…… 展望 電解質薄膜内の物質移動における界面の影響 展望 プロトン伝導性ナノ薄膜 長尾祐樹 先輩からのメッセージ ―仕事と私事― 抜け穴の先に続く未来 鳴瀧彩絵 水素と酸素で発電する固体高分子形燃料電 池の反応には電子とプロトンの両方が必要で あるが、実用化されている電極触媒は白金系 触媒であるために電子を輸送することができても、プロト ンを輸送することができない。そのため燃料電池の…… 過日、ある先生が定年退職されるときに次 のような言葉を下さった。「人間が作りだし た種々の状態は、“本当に万事休す”には絶 対になりません。かならず抜け穴(助け道)があります。 鳴瀧さんも安心してやってください。」清々しく去って…… トピックス アイオノマー/金属界面の局所コンホメーション 高分子科学最近の進歩 バイオベースプラスチックの最近の進歩 八木一三 岩田忠久 現状の固体高分子形燃料電池(PEFC)の触 媒は白金系合金(PGM)ナノ粒子をカーボン ブラック(CB)担体に高分散担持した粉体で あり、これらの粒子間細孔でガス拡散構造を形成している。 導入されたガスが細孔を通じて触媒表面に到達し、…… 石油合成プラスチックは、人類の発展に最 も大きく貢献している素材と言っても過言で はない。これからも必要不可欠な素材である が、環境保全、持続可能なプラスチック原料の供給、さら なる優れた性能を有する素材の開発の観点から、…… リチウムイオン電池内で生成する高分子 私の本棚から 原田雅史 黒田清一 大平昭博 2014 年、2015 年に世界に先駆けて燃料電池自動車が市場 導入され、家庭用燃料電池の普及とともに、水素利用技術 としての燃料電池技術展開の機運が高まってきている。昨 年 5 月 13 日に閣議決定された地球温暖化対策計画の中で 2030 年度において、二酸化炭素の排出量を…… 電極触媒層との界面構造を考慮した燃料電池用電 解質膜の設計 宮武健治 固体高分子形燃料電池(PEFC)用の電解 質膜には、プロトン導電性と化学的・機械的 安定性に優れるなどの理由から、Nafion に代 表されるパーフルオロスルホン酸高分子(いわゆるフッ素系) 膜がおもに用いられてきている。しかし、…… リチウムイオン電池(LIB)を充電するとき、 負極では、カーボンを伝導してきた電子が、 脱溶媒和されたリチウムイオンと結合する。 その際、副反応として、エチレンカーボネートなどの電解 液と LiPF6 などの電解質も還元され、カーボン粒子の…… 高分子ナノシート層間を用いた高プロトン伝導膜 松井 淳 プロトン伝導性高分子は固体高分子燃料電 池だけでなく、ATP 生産のモデルなど、さま ざまなカテゴリーのエネルギーデバイスとし ての展開が期待される。これらエネルギーデバイスにおいて 高プロトン伝導の達成は、効率的なエネルギー生産に…… 鯉沼秀臣 望月慎一 PolySCHOLA:形にする 6 限目 プラスチックで精密部品をつくる:スポンジのよう な高分子の発泡体を作る 大嶋正裕 スポンジとは、もともとは細かな孔が無数 につながってあいている海綿動物の繊維状骨 格(組織)体のことを意味していた。その構 造をまねて金属や樹脂を素材として人工的に作り出した多孔 質体が、金属やポリウレタンやゴムなどのスポンジで…… グローイングポリマー 分子を手で感じてみたい 眞弓皓一 東京大学工学部物理工学科の卒業研究で伊 藤耕三先生の研究室に配属となったのは今か ら 10 年前だった。2006 年当時、伊藤研究室で 環動ゲルという新しい高強度ゲルが初めて開発されてから 5 年ほどの月日が流れていた。伊藤先生は環動ゲルの…… 続きをご覧になりたい方は 会員登録をお願いします。 ここをクリック
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