年次報告 - Asian Development Bank

年次報告
2 0 1 0
アジア開発銀行
アジア開発銀行について
経済発展のサクセス・ストーリーが脚光を浴びる一方で、アジア・太平洋地域には、世
界の貧困層の3分の2が、また生活費が一日2ドル未満の人々が約18億人、そのうち9億300
万人は一日1.25ドル未満で暮らしているとされています。
マニラに本部を置くアジア開発銀行(Asian Development Bank: ADB、加盟国・地域数
67、うち域内48)は、アジア・太平洋地域から貧困がなくなる日の実現をめざし、全ての人々
に恩恵が行き渡る(インクルーシブな)経済成長、環境に調和した持続可能な成長、およ
び地域統合の促進を通じて、途上加盟国の貧困削減と人々の生活の向上を支援しています。
ADB が行う支援の具体的手段は、政策対話、融資、出資、保証、無償援助、技術協力な
どです。
© 2011 Asian Development Bank
ADB は本書で用いられるデータの正確性
の確保に努めているが、ADB の出版物に
おいては発行日の相違、データの情報源や
解釈によりデータが異なることがある。掲
載データの使用によって生じるいかなる結
果に対し、ADB は一切の責任を負うもの
ではない。
本書における特定の領土や地理的地域の指
定あるいは言及、または「国」という用語
の使用は、いかなる領土や地域の法的状態
に対する ADB の見解を示すものではない。
本書では「ドル」「$」という場合には米
ドルを指す。
ISSN 306-8370
アジア開発銀行
マニラ
2011年4月6日
アジア開発銀行
総務会議長殿
拝啓
拝啓 アジア開発銀行協定第39条およびその付則第
13項に従い、特別基金の諸活動に関する報告を含む
『2010年度年次報告』を、理事会を代表して総務会に
提出いたします。本年次報告には、付則第15項に規
定される財務諸表も含まれています。
敬具
総裁・理事会議長
黒田東彦
政策スタッフ
理事会「年次報告2010」作業グループ
Wilson Kamit(グループ長)
Jacob A. Rooimans
Dereck Rooken-Smith
Maureen Grewe
Xiuzhen Guan
渡部 康人
発行者
Ann Quon
編集長
Eric Healy
編集
Bruce Heilbuth
James Unwin
編集補佐
Patricia Gatmaitan
原稿整理
Ma. Theresa Arago
Ma. Guia S. de Guzman
Kae Sugawara
美術監督
Anthony Victoria
デザイン・制作
Vicente Angeles
Edith Creus
Aileen Magparangalan
Ronnie Elefano
写真提供
4: Eric Sales; 6: Ariel Javellana; 8-13: ADB Photo Library; 14: Eric Sales; 18-22: Andi Renggana; 24: Ganesh Rauniyar;
30: Ian Gill; 36: Eric Sales; 39: Pring Samrang; 44: James Hutchison; 52: Nozim Kalandarov; 53: Daro Sulakauri;
54: Kan Lei; 60: Kevin Hamdorf; 61: Kan Lei; 62: Ian Gill; 69: Luis Enrique Ascui; 70-71: Samisoni Pareti;
72: ADB Photo Library; 79: Bikas Rauniar; 80: A A Bawa; 81: Arun Kumar; 82: Kevin Hamdorf; 90: Steve Griffiths;
91: Jordana S. Queddeng; 92: Ian Gill; 94: Digicel Ltd.; 95: Wang Nanhai; 96: Ian Gill; 98: James Hutchison;
101: Eric Sales; 102-105: Ariel Javellana; 108: Eric Sales
制作統括
広報局
『年次報告2010』は、植物油ベースのインクと再生紙を使用している。
『年次報告2009』は、ADB のウェブサイト(www.adb.org)からダウンロードすることができる。
年次報告
2 0 1 0
アジア開発銀行
目 次
記録
1 総裁・理事会議長挨拶
2 理事会
3 政策と戦略の概要
4 効果的な組織の実現
5
6
8
14
18
5 セクターおよび
テーマ別のハイライト
30
6 2010年の融資業務
36
7 中央・西アジア
44
8 東アジア
54
9 太平洋
62
10 南アジア
72
11 東南アジア
82
12 ノンソブリン業務
92
統計付録
143
13 知識の創造と共有
98
付録
202
ADBの連絡先
229
用語解説・略語
231
14 財務と管理
102
財務報告
15 経営陣の検討と分析
『ADB年次報告2010』
(英語版)は 2 分冊となっている。第 1 分冊が主な報告であり、
第 2 分冊には財務諸表と統計付録が含まれている。
109
114
4
アジア開発銀行
記録
年次報告 2010
5
記録
(単位:百万ドル)
1966–2010
2009
2010
201,392
11,090
2007
12,173
19,156
17,513
a, b
I. 通常資本財源(OCR)および特別基金財源(金額)
(A+B+C+D+E+F)
A. 融資(金額)(1+2)
実行額
1. OCR(金額)
(a+b+c)
実行額
a. ソブリン
実行額
b. ノンソブリン 公共セクター
実行額
c. ノンソブリン 民間セクター
実行額
2. アジア開発基金(ADF)融資(金額)
(a+b)
実行額
a. ソブリン
実行額
b. ノンソブリン 公共セクター
実行額
B. グラント(金額)
(1+2)
1. ADF
実行額
2. その他の特別基金 c
実行額
C. 保証(金額)(1+2)
1. ソブリン
2. ノンソブリン
d
D. 貿易金融促進プログラム(金額)
E. 出資(金額)
F. 技術協力グラント(金額)
(1+2)
1. 技術協力特別基金(TASF)
2. その他の特別基金
a,f
II. 協調融資(金額)
(A+B)
A. プロジェクト
1. 融資(金額)(a+b)
a. 公共
b. 民間
2. グラント(金額)
B. 技術協力グラント(金額)g
181,626
167,116
117,233
126,367
86,345
120,369
82,348
294
160
5,703
3,837
40,749
30,888
40,735
30,873
15
15
4,359
3,624
981
736
678
4,066
2,987
1,079
1,000
1,937
3,147
1,912
1,235
19,766
10,557
9,516
6,852
7,623
5,234
6,972
4,743
10
30
640
461
1,893
1,618
1,893
1,618
–
–
549
519
63
30
130
251
–
251
–
80
161
110
51
534
10,898
9,899
8,515
8,135
6,472
6,839
5,878
75
54
1,222
540
1,764
2,043
1,764
2,043
–
–
707
707
177
–
130
–
–
–
–
103
189
119
70
1,275
15,738
13,216
10,099
11,006
7,898
10,568
7,449
134
–
304
449
2,210
2,201
2,210
2,201
–
–
924
911
347
13
135
325
325
–
850
220
203
137
66
3,418
13,845
11,462
7,516
9,250
5,945
8,197
5,272
–
75
1,053
598
2,213
1,571
2,213
1,571
–
–
982
967
358
15
102
982
432
550
–e
243
175
147
28
3,669
16,840
14,042
2,798
1,938
988
321
121
200
123
90
1,090
665
425
101
84
3,164
2,768
396
190
64
3,360
2,850
510
157
151
201,392
11,090
12,173
19,156
17,513
a, b
I. OCR および特別基金財源(件数)
A. 融資
プロジェクト件数 h
融資件数(1+2+3)
1. ソブリン
2. ノンソブリン 公共セクター
3. ノンソブリン 民間セクター
B. グラント h
C. 保証
D. 貿易金融促進プログラム
E. 出資
F. 技術協力グラント h
2,328
2,679
2,530
5
144
163
33
1
169
6,503
80
91
74
1
16
24
3
–
5
203
81
91i
80i
1
10
27
–
–
6
246
92
110i
104i
2
4
33
1
1
5
260
106
118
105
–
13
40
5
–
8
243
a, f
II. 協調融資(金額)
1. 公共融資、グラントおよび技術協力 g
2. 民間融資およびシンジケーション
1,620
50
84
1
109
2
133
4
152
4
163,843
143,950
108,655
51,822
10,030
230
1,142
14,728 k
55,978
55,978
8,854
31,569
9,245
203
2,208
760
54,890
54,890
9,372
35,672
9,532
210
2,064
1,119
166,179
60,751
10,359
42,063j
9,790
219
1,472
(37)
163,843
143,950
14,940
51,822
10,030
230
1,142
614
32,651
1,760
31,950
1,361
33,479
1,403
31,973l
1,716
32,651
1,760
956
151
133
617
137
41
–
–
974
151
141
626
142
43
41
–
974
151
149
587
144
43
41
40
974
151
166
587
145
53
51
40
合計(I+II)
財源(期末時点)
通常資本財源
授権資本
応募済資本
借入(期中総額)
負債残高
通常準備金
特別準備金
総収入(期中)
保証手数料を特別引当金に充当後の純利益(期中)
特別基金財源
アジア開発基金財源合計
技術協力特別基金財源合計
日本特別基金財源合計
定期拠出金および追加拠出金
アジア通貨危機支援ファシリティ
アジア開発銀行研究所特別基金財源合計
アジア津波基金財源合計
パキスタン地震基金財源合計
地域協力・統合基金財源合計
気候変動基金財源合計
アジア太平洋災害対応基金財源合計
974
151m
166
587
145
53
51
40
– = 該当データなし。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 署名前に調整または中止された金額を反映している(2010 年の金額は、融資が 2 億 3,930 万ドル、保証が 7,170 万ドル、グラントが 60 万ドル、技術協力が 20 万ドル)。
b マルチトランシェ融資ファシリティからの融資 / グラント / 保証を含む。
c アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、気候変動基金(CCF)およびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を含む。
d 2003 年に承認された 1 億 5,000 万ドルを含む(OCR 融資 4,500 万ドルおよび部分信用保証 1 億 500 万ドル)。
e 2010 年中の貿易金融促進プログラムは 2009 年の理事会承認に従って実施された。
f 2006 年以降、協調融資の統計は直接付加価値協調融資(運営や協力に関する ADB との協定がある協調融資)を表す。
g ブルネイに対する経費請求可能な技術協力(2008 年:60 万ドル、2010 年:80 万ドル)を含む。
h 複数の融資を受けるプロジェクトまたは公共融資と民間融資が組み合わされるプロジェクトは 1 件として数える。追加融資はプロジェクトの累積件数には含まれない。複数の基金によるグラントおよ
び技術協力は 1 回のみ数える。
i 以前に承認された融資で、本年度に補完的融資が行われたものを含む。
j 2009 年以降の金額には、借入金のスワップに関するディスカウントまたはプレミアム、移行調整、為替換算調整、および ASC815 に関連する調整を含む。
k 2010 年 1 月 1 日時点の準備金の調整に、ASC820/825 の採用に伴う総額 2 億 2,750 万ドルの累積的影響額を含む。
l 2009 年末現在で拠出国からの払込待ちとなっていた 21 億 8,560 万ドルを、「資産」から「拠出金に対する譲渡不可・非利付き要求払い債権の資金残高」に分類し直した影響が含まれる。
m 2002 年に貧困削減日本基金に移転された 9,000 万ドルを除く。
記録
2008
業務活動
第 1章
総裁・理事会
議長挨拶
アジアがその大きな潜在力を開花させるには、成長のバランスを調整して外部市場へ
の依存性を減らし、将来の危機に対する耐性を高めなければなりません。アジアの開
発途上国はまた、インフラのニーズを満たし、人々に恩恵が行き渡る(インクルーシ
ブな)
、環境に調和した持続可能な開発を実現するため、政府と民間のパートナーシ
ップを推進しなければなりません。
年次報告 2010
2
7
010 年、アジアの開発途上国は経済危機を乗り越
ドルの協調融資を含め、
175 億ドルに達しました。加えて、
え、世界経済の成長を牽引する新たなエンジンと
継続中の貿易金融促進プログラムを通じ、総額 28 億ド
して動き出しました。アジア開発銀行(ADB)
ルの貿易を支援しました。パフォーマンスの良いプロジ
の 推 定 で は、2010 年 に、 ア ジ ア 地 域 の 国 内 総 生 産 は
ェクトを優先的に拡張できるよう、追加融資に関する業
9.0% 増加しました。これは世界全体の成長率の 2 倍以
上であり、同地域の 2009 年の成長率 5.9% を大幅に上回
務手続を簡素化し、要件を緩和しました。これは、最良
の結果をもたらす業務に集中するという ADB の方針を
りました。
反映したものです。さらに、アジア開発基金の中間レビ
ューを行い、同基金の戦略的アジェンダの達成に向けて
着実な進歩が見られることを確認しました。この戦略的
太平洋地域では、未だに数億の人々が極度の貧困にあえ
アジェンダには、脆弱な状況にある国および紛争の影響
いでいます。各国間および国内の所得およびその他の格
を受けている国に対する支援の強化、および、域内貿易・
差は拡大しつつあり、そのことによって、アジアのもつ
通商の拡大を目的とした地域協力・統合支援の増加が含
2 つの側面−希望の光として浮上しつつあるアジアと、
まれます。
その中で取り残される人々−の違いが強調される結果と
もちろん、アジア・太平洋地域の開発途上国の国内お
なっています。2015 年までに極度の貧困を半減するとい
よび各国間に存在する格差を是正するには、まだなすべ
うミレニアム開発目標(MDG)は、地域全体では達成
きことがたくさんあります。社会セクターと必要不可欠
される見通しですが、いくつかの国は所得以外の MDG
なインフラの双方において、厖大な投資が必要になりま
目標で後れを取っています。
す。ADB とアジア開発銀行研究所の共著「シームレス・
きる限り多くの人々が恩恵を受けられるようにしていか
アジアに向けたインフラストラクチャー」
(Infrastructure
for a Seamless Asia)によれば、今後 10 年間のインフラ
開発を支援するために 8 兆ドルが必要になると推定され
なければなりません。ADB の調査によれば、アジアの
ています。これは現在の投資レベルをはるかに超える数
アジア・太平洋地域が景気回復から持続可能な成長へ
と移行するにつれて、成長のパラダイムを進化させ、で
開発途上国 20 国のうち 14 カ国において、近年の経済成
値であり、地域全体の開発パートナーから資金を動員す
長の加速に伴ってジニ係数(不平等さを表す指数)が上
る革新的な方策が必要になります。
昇しています。成長の恩恵が人々に確実に行き渡るよう
アジアがここ数年間高成長を遂げており、世界経済へ
にするには、特に貧困層の教育と保健、インフォーマル・
の影響力も強まっていることから、21 世紀はアジアの世
セクターや農村家庭を含む社会的保護の拡大、そして貧
紀だと言う人も少なくありません。しかし、私が常に強
困層が市場にアクセスし成長プロセスに参画できるよう
調しているように、成功は決して予定されたものではあ
にするための地方インフラの開発に、これまで以上の投
りません。アジアがその大きな潜在力を開花させるには、
資を行っていく必要があります。
成長のバランスを調整して外部市場への依存性を減ら
アジアではまた、環境に調和した持続可能な成長の達
し、将来の危機に対する耐性を高めなければなりません。
成に力を注ぐ必要があります。世界の資源が希少かつ有
アジアの開発途上国はまた、インフラのニーズを満たし、
限であるという事実を踏まえれば、私たちは必ず、持続
人々に恩恵が行き渡る(インクルーシブな)
、環境に調和
可能な環境と開発という遺産を将来の世代に引き継がな
した持続可能な開発を実現するため、政府と民間のパー
くてはなりません。気候変動とその変化の激しさは、地
トナーシップを推進しなければなりません。
域の開発に対する深刻な脅威となっています。海面や気
歴史的な 2000 年の国連ミレニアム宣言は、アジア・
温の上昇は劇的な影響を及ぼし、主に貧困層からなる多
太平洋地域に住む数億の貧困層に対して暮らしの改善を
くの人々が移住を余儀なくされる可能性があります。炭
約束しました。この約束をどこまで守れるかは、我々の
素排出量が少なく、気候変動への耐性をもち、緩和と適
着実な努力にかかっています。ADB はたゆむことなく、
応の双方に取り組む開発経路にシフトしなければ、持続
開発途上加盟国および開発パートナーと力を合わせ、さ
可能性を達成することはできません。
らに大きな進歩を目指して努力して参ります。
ADB は そ う し た 努 力 を 積 極 的 に 支 援 し て い ま す。
2010 年、ADB は気候変動、持続可能な交通および教育
の各分野における業務の指針となる計画を作成しまし
た。ADB の投融資総額は、外部パートナーによる 37 億
黒田 東彦
総裁・理事会議長
総裁・理事会議長挨拶
景気回復のスピードと力強さは驚くべきものですが、
アジアは引き続き難しい課題に直面しています。アジア・
第2章
理事会
アジア開発銀行(ADB)の2010年の投融資承認総額は、協調融資を含め、175億
1,000万ドルに達した。理事会は引き続き、課題への対応およびミレニアム開発目標
の達成に向けた開発途上加盟国の努力を支援するため、新たな手法を模索した。理事
会は、民間セクター業務と協調融資業務を担当する副総裁を新たに任命するなど、多
岐にわたる戦略的イニシアチブを実行した。理事会はまた、包括的な新人事政策を承
認し、成功事業に対する追加融資の簡素化案を審査し、キリバス、パプアニューギニ
アおよびタジキスタンの国別支援戦略を承認した。
年次報告 2010
理事会の活動の概要(2010 年)
9
ADB の組織的な開発効果と説明責任を高めるため、
理事会は引き続き内部改革に注力した。理事会は、ADB
が貧困削減という使命を達成するために必要とする人材
事会は政策、融資、技術協力、グラント(無償
の採用・確保・育成に関する包括的計画である「ピープ
援助)
、保証の承認など、アジア開発銀行(ADB)
ルストラテジー」
(Our People Strategy)について検討し、
理
承認した。これに先立って、理事会の人事委員会の主導
また、各年度の予算および借入プログラムを承認する。
により、ADB 全体での協議プロセスが実施された。
の業務に対する全般的な指示を行う。理事会は
理事会は、5 年ぶりに実施された国際スタッフの給与・
諸手当の包括的なレビューについて検討した。理事会は
重要な役割を担っている。
また、ADB の情報公開政策(2005 年)のレビューに指
2010 年、理事会はアジア・太平洋地域が直面する課題
に対応するため、引き続き長期戦略である「ストラテジ
針を与えた。レビューは 2010 年 2 月に開始され、2011
年半ばまでに完了する予定である。
ー 2020」の実施を指導・支援しつつ、第 5 次一般増資お
2010 年に理事会が承認した支援の総額(融資、グラン
よびアジア開発基金の第 9 次財源補充(ADF X)の際に
ト、技術協力、信用補完および協調融資を含む)は、
打ち出された改革アジェンダの実施を監督した。理事会
は、特にストラテジー 2020 の中核分野において ADB の
175 億 1,000 万ドルを超えた。理事会はまた、12 件・計
44 億ドルの新規マルチトランシェ融資ファシリティ案件
開発効果を高め、組織のガバナンスを強化するために各
を承認した。
種の措置を取った。
理事会は ADB の 2011 年度予算および借入プログラム、
ため、理事会は、民間セクター・協調融資業務を担当す
2011 ∼ 2013 年の業務計画と予算枠組み、アジア開発銀
行研究所の 3 カ年業務計画および 2011 年度予算を審議
る副総裁ポストの新設および、同ポストへの Lakshmi
した。
民間セクター業務の拡大という戦略的目標を支援する
Venkatachalam の任命を承認した。
ADB 支援事業の影響を受ける人々に問題解決の場を
提供するために 2003 年に設立されたアカウンタビリテ
理事会は融資手数料および 2009 年度純益処分を承認
し、ADB の業務計画および予算サイクルの主要項目の
順序性を向上させるため、審議日程を変更した。
ィ・メカニズムをレビューすべく、理事会・経営陣共同
さらに、理事会はキリバス、パプアニューギニアおよ
の作業グループが設置された。レビューは 2011 年中に
び タ ジ キ ス タ ン の 国 別 支 援 戦 略(Country Partnership
完了する予定である。
Strategy)を承認した。国別支援戦略は、各開発途上加
盟国の課題や優先的目標を踏まえたうえで、ADB がこ
理事会は 2009 年開発効果レビューについて検討した。
開発効果レビューは ADB の組織全体のパフォーマンス
れらの国を効果的に支援していく道筋を示すものであ
評価として毎年行われ、2009 年はその 3 回目に当たる。
る。また、この戦略を通じて、ADB は戦略実施期間中
理事会はまた、年次レビューの中核をなす ADB の成果
における当該国の開発成果を評価することが可能にな
フレームワークがストラテジー 2020 の実施を導くマネ
る。
ジメント・ツールとなるような提案についても検討した。
理事会は引き続き、独立評価局(IED)の監督を通じて、
ADB のパフォーマンスをモニタリングした。
理事会は ADB の開発成果を高めるため、成功裏に実
理事会による視察およびその他の会合
施されているプロジェクトに対する追加融資を簡素化す
理事会メンバーは三度にわたり域内を訪問し、ADB
る提案を検討した。また、ADB の政策ベース融資プロ
のプロジェクトとその影響を直接視察したほか、政府高
グラムのレビューについて検討し、フィードバックを提
官、開発パートナー、民間セクターのリーダーなどの関
供した。
係者と面談した。
理事会は、市場リスクと信用リスクをより効率的に計
2010 年 1 月 27 日から 2 月 10 日にかけて、最初の理
測・集約・評価する新たなリスク管理システムを導入す
事会視察団がインドとモルジブを訪問した。次の視察団
るため、設備投資支出を承認した。リスク管理は、ADB
が 6 月 5 日から 15 日にかけてナウルと東ティモールを
の民間セクター業務を拡大するうえで鍵となる分野であ
訪問し、第三の視察団が 9 月 22 日から 10 月 6 日にかけ
る。
てアルメニア、アゼルバイジャンとグルジアを訪問した。
理事会
株主である加盟国を代表する機関である理事会は、ADB
が出資者から命じられた業務を実施しているか監督する
10
アジア開発銀行
これらの視察により、ADB と開発パートナーの関係が
要性を認め、教育分野に振り向けられる資金の大幅な増
強化され、貴重なフィードバックを得ることができた。
加を歓迎した。委員会は、2020 年までに民間セクター開
9 月には、アジアの水危機および官民パートナーシッ
プの 2 点を主なテーマとする 1 日のリトリートが行われ、
発および民間セクター業務が年間業務量に占める割合を
理事会と経営陣が参加した。
努力することを勧告した。また、ジェンダー・イニシア
50% にするという目標の達成に向けて、さらに集中的に
チブの組み込みを支援し、必要に応じて保健セクターに
理事会委員会
注意を払うことを勧告した。
委員会は WPBF 2011 ∼ 2013 の草案について初めて
理事会
詳細な審議を行い、ミレニアム開発目標に関連する問題
監査委員会
について、より深い議論がなされていることを評価した。
委員会は 2011 年度予算案を審議し、ADB が業務効率を
監査委員会は、
ADB の財務報告および内部統制や監査、
高めるべく大いに努力していることを確認した。委員会
リスク管理などの各種監査の監督、
ADB に関連する汚職・
は ADB、独立評価局(IED)
、アジア開発銀行研究所の
腐敗防止の取り組みについて、理事会を支援する。理事
2011 年度予算案が業務計画に沿ったものであり、理事会
会は 2010 年、
委員会のリスク管理における役割を拡大し、
の検討に値するものであることを確認した。
内部監査および調査機能の監督を強化することを目的と
委員会は 2010 年中に 11 回の会合を開いた。
して、委員会の所管事項と権限の変更を承認した。
委員会は、ADB の内部汚職防止機能の監査部(OAG)
コンプライアンス審査委員会
か ら の 分 離 と、 汚 職 防 止・ 公 正 管 理 部(Office of
Anticorruption and Integrity)の設置を綿密にモニタリン
コンプライアンス審査委員会は 6 名の理事会メンバー
グした。また、上記両部室およびリスク管理部の業務に
(うち 4 名は域内加盟国で、そのうち少なくとも 3 名は
ついて、定期的に報告を受けた。
借入加盟国出身、残る 2 名は域外加盟国)により構成さ
委員会は、第 5 次一般増資の協議の際に行われた公約
れる。委員会は、理事会が承認した順守状況審査を実施
通り、外部監査人の選定に関する原則について理事会に
するコンプライアンス・レビュー・パネル(CRP)の活
勧告した。委員会は、外部監査人および監査部の主な監
動内容や審査日程を承認し、理事会が承認した是正措置
査結果をレビューした。
の実施に関する CRP のモニタリング報告書案を検討す
委員会は ADB の財務諸表と認証プロセスをレビュー
る。委員会は 2010 年中に、パキスタンのチャシュマ右
した。委員会は IT 監査に向けた努力を強化し、駐在員
岸灌漑プロジェクト(第 3 ステージ)に関する第 5 次最
事務所と代表事務所の監査について検討した。
終モニタリング報告書、およびスリランカの南部輸送開
委員会は 2010 年中に 14 回の会合を開いた。
発プロジェクトについての第 4 次モニタリング報告書を
承認した。
予算委員会
委員会は、同委員会の 2008 ∼ 2009 年度の年次報告書
を検討し、コンプライアンス・レビュー・パネルとの会
予算委員会は、2011 年から 2013 年までの業務計画と
予算枠組み(WPBF 2011 ∼ 2013)の策定に向けて総裁
合および実施中のアカウンタビリティ・メカニズム・レ
ビュー
(第 4 章を参照)
を支援する外部専門家との会合を、
が示した計画方針について議論し、ADB は金融危機が
それぞれ一度ずつ開いた。同委員会の委員長は、アカウ
貧困および社会的側面に与える影響のモニタリングを継
ンタビリティ・メカニズムのレビューを行っている理事
続しつつ、アジア・太平洋地域の長期的な主要課題(人々
会・経営陣共同作業部会の長を兼務している。
に恩恵が行き渡る成長、環境に調和した持続可能な成長
委員会は 2010 年中に 3 回の会合を開いた。
および地域統合)にこれまで以上に集中することが肝要
であることを確認した。また、2010 年業務計画の進捗に
開発効果委員会
ついて討議した。
委員会は WPBF 2011 ∼ 2013 草案の要点について副
開発効果委員会は、引き続き ADB の国別およびセク
総裁と協議した。委員会は、太平洋地域における気候変
ター別業務の質と効果の評価について理事会を支援する
動緩和・適応業務について更なる努力と追加的資金の必
ため、独立評価局(IED)が作成した主な評価報告書を
年次報告 2010
11
審議した。国レベルでは、ブータンおよびラオスへの支
め、倫理委員会を設立した。この行動規範の規定は、理
援にかかる IED の勧告について討議した。より包括的な
事会の理事、理事代理および臨時理事代理と総裁に対し
審査としては、エネルギーおよび運輸セクターのセクタ
て適用される。委員会は、理事、理事代理または総裁か
ー支援プログラムの評価を審議した。これらの審議は、
ら自身に関する実在するまたは潜在的な利益相反、およ
今後の国別支援戦略の作成に役立つ教訓を提供すること
びその他の倫理問題について指針を求められた場合に助
を目的として行われた。
委員会は引き続き、ストラテジー 2020 の優先目標に
重点を置き、かつこれを支えるジェンダーと開発および
検証を行い、適切な対応について理事会に勧告する。
委員会は 2010 年中に 2 回の会合を開いた。
書を審議した。また、脆弱な状況にある国および紛争の
影響を受けている国での業務、ならびに水政策とその関
人事委員会
連業務に関する特別評価についても、ADB はこれらの
分野の政策と戦略を引き続き向上すべきであるという視
点から審議を行った。
評価活動を通じて得られた教訓を ADB の政策、手続、
プロジェクトおよびプログラムに確実に反映させるべ
く、委員会は IED のポートフォリオ・パフォーマンス年
次報告書(2009 年)に留意した。委員会はこれを補うた
設立後 2 年目に入った人事委員会は、ADB の組織目
標および職員の福利厚生に照らして適切に人事管理が行
われるようにするという自らの役割を確立し、経営陣と
の関係構築に成功した。
理事会に対する最初の年次報告書において、委員会は、
ADB の人事管理を改善するために実施された重要な施
め、ADB のプロジェクトの完了後の持続可能性に関す
策に言及した。委員会は、ピープルストラテジーの実施
る IED の評価について討議した。IED の勧告がどのよう
状況をモニタリングし、人事戦略機能および実践計画
に実施されているかをモニタリングする上で、委員会は
(Human Resources Strategic Function and Action Plan)
IED の年次評価レビュー(2010 年)および、IED の勧
告を受けて取られた措置に関する IED の年次報告書
(2009 年)に留意した。
委員会は 2010 年中に 9 回の会合を開いた。
の時宜を得た更新について留意した。
委員会は 2010 年中に完了した主な人事活動、すなわ
ち専門職員の報酬と諸手当についての包括的なレビュー
および 2010 年スタッフ業務意欲調査について、綿密な
モニタリングを行い、勧告を行った。さらに、委員会は
倫理委員会
様々な人事機能に関する主な活動についてモニタリング
を継続した。
理事会は 2006 年 9 月に採択した「行動規範」
(Code
of Conduct)に従って発生し得る倫理問題に対処するた
委員会は 2010 年中に 7 回の会合を開いた。
理事会
気候変動に関する分野横断的課題を評価した IED の報告
言を行う。また理事、理事代理または総裁に対して、職
務に関連した不正行為の疑惑が申し立てられた場合に、
理事会
総裁・理事会議長
理事
Phil Bowen
Howard Brown
Richard Edwards Marwanto
Harjowiryono
Ashok K. Lahiri
Jacob A.
Rooimans
Eduard
Westreicher
Bounleua
Sinxayvolavong
理事代理
黒田 東彦
Dereck
Rooken-Smith
C.J. (Stan)
Vandersyp
Michele
Miari Fulcis
Robert M. Orr
Jose
Miguel Cortes
Siraj S.
Shamsuddin
Jaejung Song
Chaiyuth
Sudthitanakorn
Yingming Yang
Maureen Grewe 渡部 康人
Gaudencio S.
Hernandez, Jr.
Wilson Kamit
Govinda
Bahadur Thapa
Xiuzhen Guan
Ursula
Schaefer-Preuss
Xiaoyu Zhao
Lakshmi
Venkatachalam
Rajat M. Nag
Robert L. T.
Dawson
坂口 勝一
経営陣
C. Lawrence
Greenwood, Jr.
Bindu N. Lohani
第3章
政策と戦略の概要
2010年11月に開催されたアジア開発基金(ADF X)の中間レビュー会合では、他の
議題と共に、世界金融危機に対するADBの迅速な対応と内部改革の進捗が議論され
た。ストラテジー2020の実施のあり方を定める指針として、ADBは、気候変動の緩
和対策、持続可能な交通および教育の各分野における業務計画を承認した。ADBは引
き続き、提供可能な融資商品の拡充と多様化に努めている。融資に代わる資金源とし
て、各国の現地通貨建て債券市場の育成を支援しているのも、その一環である。
年次報告 2010
ADF X 中間レビュー
15
の期間中およびその後においても、ADF 資金に対して強
い需要が続くと思われる。ADB は、ADF 対象国がその
中長期的な開発ニーズに対応できるように支援するとい
2
満足していると述べ、承認額および実行額の大幅な増加
う、重要な役割を果たし続けなければならない。
アカウンタビリティ・メカニズム
2010 年 5 月にタシケントで開催された ADB の第 43
回年次総会において、ADB 総裁は、ADB がアカウンタ
ビリティ・メカニズムのレビューを実施すると発表した。
を含む ADB の世界金融危機に対する積極的かつ迅速な
(21 ページ、第 4 章参照。
)レビューを実施するために理
対応を高く評価した。参加者は、各国のニーズとパフォ
事会・経営陣共同の作業部会が設立され、独立した助言
ーマンスをバランスさせるパフォーマンスに応じた資金
を得るために 2 名の外部専門家が雇用された。多方面に
の配分制度を通じて、資金が効果的に配分されたとの認
わたる公開協議プロセスが実施され、ステークホルダー
識を示した。この制度により、ADB はより貧しい国に対
との直接協議や専用ウェブサイトを通じたパブリック・
する資金配分の比率を高めると同時に、パフォーマンス
コメントの募集が行われた 1。2010 年 9 月から 11 月に
の良好な国への配分比率を高めることが可能となった。
かけて、ドイツ、インドネシア、日本、フィリピン、ス
また、ADF X の戦略的目標の達成、特に人々に恩恵が
リランカおよび米国で、国・地域レベルの現地協議が行
行き渡る経済成長の促進、気候変動対策への優先的取り
われた。また、カナダの参加者向けにテレビ会議を通じ
組み、地域協力および地域統合の支援、および紛争の影
たワークショップが行われた。専門家の最終報告書が
響を受けている国々への支援の強化について、良好な進
2010 年 12 月に提出され、ADB のウェブサイトに掲示
された。政策の改訂版は、承認を得るため、2011 年中に
捗が見られた。
ADB は業務の効率性を向上させるために数多くのイ
ニシアチブを実施し、ADF 拠出国と合意した全ての内部
理事会に提出される予定である。
改革、すなわち開発成果マネジメント、クライアントの
の利用のしやすさ、信頼性、効率性および有効性を分析し、
ニーズに対するより効率的かつ迅速な対応、および人事
2003 年以降の ADB の経験および同様のメカニズムを有
管理の改善について大きな成果を上げた。
する他の国際機関や金融機関の経験を評価することであ
レビューの目的は、アカウンタビリティ・メカニズム
担当責任者らは、アフガニスタンに対するポスト・コ
る。レビューの対象項目は広範囲にわたり、現地視察の
ンフリクト支援の段階的停止計画を差し止めた結果、
あり方、メカニズムの独立性、被影響住民による利用の
2011 ∼ 2012 年の追加的配分を一時的に内部財源から手
しやすさ、苦情申し立ての適格基準、広報活動の有効性、
当てするとの決定を確認した。東ティモールに対するポ
プロジェクトの遵守状況改善にかかるコスト、アカウン
スト・コンフリクト支援の段階的停止計画については、
タビリティ・メカニズムが被影響住民、ADB および開発
合意されたアプローチを継続し、利用可能な残存資金の
途上加盟国にもたらす利益などが含まれる。このレビュ
供与を延期するとの ADB の提案が支持された。この
ーの結果、アカウンタビリティ・メカニズムの政策、機
2 点は、ADF の第 10 次財源補充(ADF XI)の際に再度
能および各種手続の改善に向けた勧告が行われる。
検討される。
最近の経済危機や自然災害の経験から教訓を引き出
し、危機への対応をどうすればさらに改善できるかを調
情報公開政策
査するという ADB の提案に対しては、全体的に幅広い
支持が得られた。参加者は、世界金融危機後に ADF 対
2005 年に制定された情報公開政策では、発効から 5 年
象国が直面している困難な状況に理解を示した。最近の
後に包括的なレビューを行うことが定められている。
統計によれば、28 の ADF 対象国のうち 26 カ国が、所
ADB はこれに従い、同政策の有効性を評価し、政策の
得以外のミレニアム開発目標(MDG)の少なくとも
強化に必要な変更点を勧告することを目的とするレビュ
4 分の 1 を達成できない可能性がある。従って、ADF X
ーを 2010 年 2 月に開始した。レビューは、事務総長が
1
http://www.adb.org/AM-Review/ を参照。
政策と戦略の概要
010 年 11 月 18 日から 19 日にかけて、アジア開
発基金(ADF X)の中間レビュー会合がフィリ
ピン・マニラで開催された。ADF 拠出国と支援
受 入 国 の 代 表、ADB の 経 営 陣 と ス タ ッ フ に 加 え て、
ADB の理事会および他の国際開発機関のオブザーバー
が一堂に会し、ADF X の実施状況をレビューした。
参加者は ADF X の最初の 2 年間のパフォーマンスに
16
アジア開発銀行
アジア・太平洋地域におけるミレニアム開発目標とインフラ開発
政策と戦略の概要
ミ
レニアム開発目標(MDG)を達成するには、壮大な
スケールの努力が必要である。アジア・太平洋地域
には極度の貧困にあえぐ人々が 9 億人以上おり、全世界の
極貧人口の 3 分の 2 以上を占める。同地域の 4 億 7,000
このうち 50% 以上は電力供給、およそ 30% は道路建設
に必要な金額である b。
MDG を達成するにはインフラ支出を大幅に増やすこと
が不可欠だが、3 つの点に特に注意を払う必要がある。
万人はきれいな水を利用できず、全世界のきれいな水を利
用できない人口の半分以上を占める。また、世界全体の開
発途上国で基本的な衛生施設を利用できない人々の 70%、
まず、アジア・太平洋地域はインフラの質と維持管理の
水準を高めなければならない。世界経済フォーラムが最近
行った企業調査(1 − 7 点の評価)によると、アジア・太
世界の栄養不良児童の 3 分の 2、そして結核患者の 60%
平洋地域のインフラの質の評価スコアは G7 諸国 c を 2 ポ
以上がアジア・太平洋地域に暮らしている。
このように困難な課題を克服するには、基礎的インフラ、
特に道路、上水道、衛生設備、電力、情報技術、通信、お
よび都市部の低所得者用住宅などの整備が必要である。
MDG の枠組みにおいては、上水道、衛生施設および情報
通信技術を除き、基礎的インフラについて具体的な目標や
ターゲットが設定されていない。
し か し、 複 数 の 実 証 研 究 に よ り、 基 礎 的 イ ン フ ラ と
イント以上下回った。
第 2 に、インフラの設計に当たっては、環境に対する影
MDG の達成状況に直接的な連関があることが証明されて
いる。上水道および衛生設備が利用できるようになれば乳
幼児の死亡率が大幅に下がり、電気が利用できるようにな
れば勉強できる時間が増えるために教育の成果が改善す
る。また、交通手段が増加し舗装道路が増えれば就学率が
上昇し、医療サービスへのアクセスも改善する a。
しかし、アジア・太平洋地域では未だに基本的インフラ
の整備が進んでいない。インフラのギャップを埋めるには、
2010 年から 2020 年までに 8 兆ドルの投資が必要となる。
響と気候変動を考慮しなければならない。基礎的インフラ
は、環境と気候変動を念頭に置いて設計しなければならな
い。例えば、道路や橋梁は、より頻繁に起こる洪水に耐え
られるように建設する必要がある。また、クリーン・エネ
ルギー技術や省エネルギー技術、需要抑制の普及など、環
境に優しい技術や選択肢を推進していかなければならな
い。
最後に、基礎的インフラを含むインフラについては、地
域協力により利益がもたらされる可能性がある。エネルギ
ー、運輸および通信分野のインフラを地域レベルで接続す
れば、2010 ∼ 2020 年およびそれ以降にかけて、アジア
全体で 13 兆ドルの純利益がもたらされると推定されてい
る d。互いに隣接する国の貧しい地域では、基本的インフ
ラを協力して整備することで、経済の成長が進み、貿易を
通じて双方に利益がもたらされると考えられる。
アジアとそれ以外の地域のインフラ比較(2005 年)
地域・国グループ
北東アジア
中央アジア
南アジア
東南アジア
太平洋島嶼国
アジア・太平洋地域
先進国
OECD加盟国
中南米
アフリカ
舗装道路
鉄道
(人口 1 万人 (人口 1 万人
家庭電化率
上水道普及率
当たりの延長 当たりの延長
(2008 年、%)
(%)
km)
km)
13.72
16.48
12.78
10.51
3.69
12.83
207.10
211.68
14.32
–
0.49
2.55
0.51
0.27
–
0.53
–
5.21
2.46
0.95
99.34
–
61.03
71.69
–
77.71
–
99.80
92.70
28.50
88.11
88.66
88.06
86.39
46.19
87.72
99.58
99.63
91.37
58.38
衛生設備普及率
(%)
64.97
95.31
32.83
67.50
48.74
52.05
99.85
99.94
78.26
30.83
携帯・固定電話
ブロードバンド・
インターネット
契約者数
都市部の
スラム人口
契約者数
(人口 100 人
当たり)
(%)
(人口 100 人当たり)
5.96
2.31
1.20
3.53
0.77
3.47
13.76
13.87
6.11
1.42
0.366
0.003
0.010
0.031
0.043
0.154
1.553
1.608
0.150
0.003
32.97
–
40.10
34.15
–
35.73
–
–
25.35
62.72
– = 該当データなし、km = キロメートル、OECD = 経済協力開発機構。
a ADB, JBIC, and World Bank. 2005. Connecting East Asia: A New Framework for Infrastructure. Manila: ADB.
b ADBI and ADB. 2009. Infrastructure for a Seamless Asia. Tokyo: ADBI.
c G7 諸国はカナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国および米国。
d ADBI and ADB. 2009. Infrastructure for a Seamless Asia. Tokyo: ADBI.
委員長を務める運営委員会が主導した。
ADB は政策に関する経験や改善の余地についてスタ
は現行の情報公開政策および、2010 年 6 月と 11 月に公
開された同政策の改訂案に対して書面でのコメントを求
ッフから意見を募集した。また、関心を有する個人、組
めたほか、様々な利害関係者の意見を聞くために、アジ
織およびその他の外部関係者に対し、政策の改善に役立
ア・太平洋地域内外の 12 加盟国・計 20 カ所で現地協議
つフィードバックや提案を行うよう呼びかけた。ADB
ワークショップを開催した。利害関係者には、政府職員、
年次報告 2010
17
市民団体、民間企業、学識者、メディア、国際機関、お
ととした。第 3 に、追加融資政策を ADB の緊急支援、
よびプロジェクトの影響を受ける住民らが含まれる。ワ
協調融資および事業範囲変更の各政策にリンクさせた。
ークショップには 500 人以上が参加した。今回のレビュ
新しい追加融資政策は 2010 年 12 月に理事会により承
ーでは、2006 年と 2009 年に全世界で実施した、ADB
認され、2011 年 2 月に発効した。これにより、開発途上
のパフォーマンスと情報公開に関する意見調査の結果も
加盟国に対するサービスが向上し、ADB の融資政策と
検討した。
レビューの結論として、政策は根本的に健全であり、
開発パートナーの政策との調和化が進み、ADB による
結果重視型支援への移行が進むと期待される。
また、政策ベース融資、プロジェクトの準備、
(地域協
力・投資のための)国境をまたぐ投資および結果重視型
ラクティスの最先端という地位を維持するために、政策
融資について、商品の改訂または開発を行う取組みを行
の変更が必要な 5 つの分野が特定された。
っている。
レビューで指摘された主な問題点に対応する政策の改
訂版は、2011 年半ばに理事会の審議に付される予定であ
る。
業務計画
地域協力イニシアチブ:
信用保証・投資ファシリティ
1997 年のアジア金融危機により、その当時主流だった
銀行融資に代わる資金調達源としての、現地通貨建て債
ストラテジー 2020 の実施を促進するため、ADB は特
券市場の必要性が浮き彫りになった。充分なヘッジング
定のセクターおよびテーマ分野において、業務の指針と
をしていなかった銀行は為替相場の変動に対して脆弱
なる業務計画を段階的に導入しつつある。2010 年中には、
で、長期的な投資のために多額の短期借入が行われてい
気候変動 2、持続可能な交通 3 および教育 4 の 3 分野に関
た。地域レベルの債券市場があれば、国内通貨建てで長
する業務計画を承認した。
(詳細については第 13 章を参
期資金を調達し、返済期間や通貨のミスマッチを防ぎ、
照。
)ADB はまた、金融、都市、水、環境および官民パ
域内の貯蓄をより効率的に域内投資に振り向けることが
ートナーシップの各分野に関する業務計画の作成を開始
可能になると考えられた。
し、2011 年中に完成させる予定である。
これらの理由に基づき、
東南アジア諸国連合(ASEAN)
と中国、日本および韓国(ASEAN+3)が 2002 年に、現
金融商品の拡充
地通貨建て債券市場の育成を目的とする「アジア債券市
場育成イニシアティブ」
(Asian Bond Markets Initiative:
ABMI)を立ち上げた。東アジア新興国の現地通貨建て
ADB は、より多様な金融商品を借入顧客に提供すべ
く努力を続けている。ADB は 2010 年、業務の開発効果
債券が 2001 年の 1 兆ドル未満から 2010 年には 5 兆ドル
を高める方策の一つとして、補完融資の役割をレビュー
るが、企業の債券市場へのアクセスを改善し、発行体の
した。その結果、
「補完融資」を「追加融資」と改名する
資金ニーズを満たすために返済期間を多様化するなど、
と共に、その手続にかかる時間を短縮し、各事業におい
なすべきことは多い。
て手続の反復による追加コストを減らすべく、政策を変
こ う し た 課 題 に 対 応 す べ く、ADB は 2010 年、
ASEAN+3 と協力し、域内の債券を保証する信用保証・
投資ファシリティ(CGIF)を ADB の信託基金として設
更することが提案された。追加融資に関する業務プロセ
スの簡素化と要件の緩和により、パフォーマンスの良好
なプロジェクトの規模を拡大することが容易になった。
近くまで増加するなど、ABMI は大きな成果を挙げてい
立した。国内債券市場にアクセスできれば、企業は短期
第 2 に、外部要因によるコスト・オーバーラン(費用
的な外貨借入への依存を減らし、為替リスクに対する脆
が見積を上回ること)と設計・実施の問題によるコスト・
弱性を低減できる。CGIF はまた、ASEAN+3 諸国の起
オーバーランを区別し、パフォーマンスが良好なプロジ
債に関する基準や慣行の調和化を推進し、地域金融市場
ェクトとそうでないプロジェクトを区別して対応するこ
統合への道を開くものでもある。
2
3
4
ADB. 2010. Addressing Climate Change in Asia and the Pacific: Priorities for Action. Manila.
ADB. 2010. Sustainable Transport Initiative Operational Plan. Manila.
ADB. 2010. Education by 2010 – A Sector Operations Plan. Manila.
政策と戦略の概要
実施状況も良好であるとの評価が下された。政策の方向
性は変わらないが、レビューでは、ADB がベスト・プ
第4章
効果的な組織の実現
ADBは2010年も引き続き、業務のあらゆる面において結果重視の姿勢を強める取り
組みを行った。ADBは成果フレームワークを経営ツールとして活用し、開発効果の向
上を目指して自らのパフォーマンスをモニタリングし、組織的な改善の継続を推進し
ている。ADBは業務のアカウンタビリティとコンプライアンスを引き続き確保すると
共に、国別支援戦略および融資実行の業務プロセスを簡素化し、公正性および汚職防
止に関する規約を厳格化し、質の高い知識の普及に努めた。
年次報告 2010
19
のガイドラインを改定した。各国の開発成果に対する
概要
ADB の貢献を記述する 11 件の開発成果ブリーフ 1 が作
成された。
A
ADB は MfDR 学習・開発プログラムの内容を改善し、
MfDR に関するメッセージを組織的に普及させる新たな
びグッド・ガバナンスの各分野に特に注意を払
コミュニケーション計画を実施した。
った。ADB が全組織的に採用している成果フレームワ
2010 年を通じ、ADB はいくつかの開発途上加盟国(バ
ークが、引き続き ADB のパフォーマンスを形作り、業
ングラデシュ、ブータン、カンボジア、ラオス、ベトナム)
務活動の改善に貢献している。
と緊密に協力し、それらの国の MfDR に関する能力の強
DB は 2010 年、健全な業務慣行、各種リソース
2010 年には独立評価局(IED)による各種戦略、政策
化を図った。また、開発成果マネジメントに関する最初
および業務の詳細な評価が継続される一方、アカウンタ
の地域ネットワークである、アジア・太平洋 MfDR 実務
ビリティ・メカニズムによって、ADB プロジェクトか
コ ミ ュ ニ テ ィ(Asia-Pacific Community of Practice on
ら影響を受ける当事者が問題の解決を求める独立したフ
MfDR)への支援を行った。
ォーラムが引き続き提供された。理事会・経営陣の共同
作業部会が 2003 年アカウンタビリティ・メカニズム政
策のレビューを開始した。このレビューは 2011 年中に
援助効果アジェンダの進展
完了する予定である。
これまでと同様、ADB は新たなパートナーシップ協
定に知識に関する項目を取り入れるなど、知識の創造と
普及に関する取り組みを強化した。2010 年、ADB は透
明性の強化に関する公約を実行すべく、情報公開政策の
レビューを開始し、その効果を高める新たな方法を模索
し始めた。業務プロセスの簡素化に加え、ADB はリス
ク管理、公正性と汚職防止に関する規約を厳格化した。
開発成果マネジメント
ADB は年次調査を通じて、援助効果に係るパリ宣言
に関する目標の進展をモニタリングしている。ADB は
2010 年 1 月に 4 度目となる年次調査を実施し、25 の開
発途上加盟国から集めた 2009 年のデータを分析した。
その結果、ADB は 2009 年、9 つの数値目標のうち 5 つ
を引き続き達成したことが判明した。5 つの目標とは、
(i)
国家の優先分野に沿った援助、
(ii)調和化された技術支
援、
(iii)当該国の公共財政管理制度の活用、
(iv)併存
するプロジェクト実施組織の削減、および(v)ミッシ
ョンの調整である。
ADB は共同の国別分析業務を 2009 年に拡充し、2010
2009 ∼ 2011 年開発成果マネジメント(MfDR)行動
計画を指針として、ADB は業務運営において結果重視
の姿勢を強化した。ストラテジー 2020 の成果フレーム
年の期限までに目標を達成する見込みである。しかし、
各国の調達制度の活用、プログラムに基づくアプローチ
および援助予測可能性の分野についてパリ宣言の目標を
ワークを活用し、定期的に自らのパフォーマンスをモニ
達成するには、ADB はパフォーマンスを改善しなけれ
タリングし、問題点を特定し、対策を取った。
ばならない。
ADB は 2010 年中に、自らのパフォーマンスを報告す
る第 3 次開発効果レビューを完了し、その結果を踏まえ
て業務計画と予算を策定した。
(20 ページの囲み記事参
照。
)また、2011 年初頭に成果フレームワークを改定し、
その管理ツールとしての価値を高めると共に、ストラテ
ジー 2020 の各目標を業務上の優先目標として組織のあ
らゆるレベルに浸透させた。
ADB は国別およびセクター別に作成される成果フレ
ームワークを開発途上加盟国の開発目標に整合させ、成
果のモニタリング方法を改善するため、フレームワーク
1
これまでと同様、ADB は
新たなパートナーシップ合意に
知識に関する要素を取り入れる
など、知識の創造・普及に
関する取り組みを強化した。
対象国はアフガニスタン、アルメニア、バングラデシュ、カンボジア、グルジア、ラオス、モンゴル、ネパール、パプアニューギニア、サモア、タジキスタン。
効果的な組織の実現
のより効率的な利用、支援実施方法の改善およ
20
アジア開発銀行
2009 年開発効果レビュー
A
DB は第 3 次開発効果レビューを行い、組織全体で採
用している成果フレームワークに関する 2009 年の進
捗状況を評価した。報告書は 2010 年 4 月に理事会で審議
され、翌 5 月の ADB 年次総会で総務会に提出された。
効果的な組織の実現
レベル 1 では、2008 年の世界金融危機以前の開発成果
のみが評価された。2009 年における危機の影響を適切に
ADB は開発途上加盟国に最大限の利益がもたらされるよ
う、他の開発パートナーと緊密な協力を行った。しかし、
いくつかの分野では大きな改善が見られず、それぞれのケ
ースに課題があることが示された。ADB の業務が拡大して
いることから、人材と予算の制約が引き続き懸念材料とな
っている。過去 3 年間に達成されたジェンダー要素の配慮
分析するために必要な、貧困に関する最新データが不足し
ていたためである。所得に関する貧困の削減についてはい
くらか進展が見られたが、所得以外の貧困指標の大半につ
いては十分な改善が見られなかった。従って、所得以外の
ミレニアム開発目標を 2015 年までに達成することは難し
の成果は、改善が見られるものの、未だに比較対象年の水
準を下回っている。ナレッジ・マネジメントおよびアジア
開発基金業務の協調融資についても、引き続き進展が滞っ
ている。完了したプロジェクトの成果について、新たな懸
念が浮上してきた。
いと思われる(下記、2009 年開発効果レビュー・成果の
ADB はその行動計画において、いくつかの改善措置を予
概要を参照)
。
組織全体のパフォーマンス報告では、ADB の成果が目標
通り改善されているかどうかが分野別に示された。業務の
質の維持、クライアントへの効率的な資金・サービスの提
供、業務とストラテジー 2020 の優先目標との整合性の確
定している。特に重要な措置としては、プロジェクト・パ
フォーマンス報告システム改善の迅速化、協調融資、教育
およびジェンダー要素の配慮のパフォーマンスに予算配分
をリンクさせる結果重視型のパイロット・スキームの導入、
ADB のジェンダー・バランスの改善に向けた人材の増強お
よび努力の強化が挙げられる。ADB はまた、組織能力を強
保を含む多くの分野において、目標達成に向けて良好な進
展が見られた。
化するため、2010 年に人員と予算を大幅に増強した。
2009 年開発効果レビュー・成果の概要
ADB
ADF*
加盟国
加盟国
ADB
ADF
業務
業務
アジア・太平洋地域単位の成果(レベル 1)
貧困と人材開発の成果
その他の成果指標
成果指標
主要セクターのアウトプットと成果への
貢献度(レベル 2)
主要セクターのアウトプット
開発成果への貢献度
業務の有効性(レベル 3)
業務の質およびポートフォリオ成果
資金の動員
業務の戦略的フォーカス
ジェンダーの組み込み
ナレッジ・マネジメント
パートナーシップ
組織の有効性(レベル 4)
人事
予算の適切性
業務プロセスおよび手順
順調:グループの指標の 50%以上が、基準値や以前の期間を上回る改善を示している
停滞または退行の開始:成果はプラスとマイナスが混在。改善または停滞あるいは後退を示す指標が同数となっている
停滞または退行:グループの半数以上の指標が、2 つ以上前のレビューから停滞または後退している
ADB = アジア開発銀行、ADF = アジア開発基金。
* ADF は、譲許性の高い条件で ADB 業務に利用できる財源である。
年次報告 2010
プログラムに基づくアプローチを通じて行われた ADB
支援の 2009 年の実行額は目標を下回ったが、同アプロ
ーチを用いた新規プロジェクトの数は 2008 年を上回っ
た。援助予測可能性指標が悪化したのは、本質的に予測
不能な金融危機対策業務が多数承認されたことが主な理
由である。各国の調達制度の活用を拡充するため、ADB
は政策対話、知識の共有および能力開発を推進し、アジ
ア・太平洋調達パートナーシップ・イニシアチブ(Asia
調達制度の強化に取り組んでいる。
アカウンタビリティと
コンプライアンスの確保
ADB のアカウンタビリティ・メ
カニズムは、ADB の支援プロジ
ェクトによって影響を受けた人々
が苦情を訴え、問題の解決を求め
るための独立したフォーラムを
提供している。
OSPF と OCRP はアカウンタビリティ・メカニズムの
アウトリーチ活動に関する最初の公式戦略(メカニズム
の認識を高めるための年次プログラム)を策定し、引き
ADB のアカウンタビリティ・メカニズムは、ADB の
続き協力して、ADB の内外でメカニズムに関する情報
支援プロジェクトによって影響を受けた人々が苦情を訴
の普及に努めた。同戦略の一環として、ADB は、地域
え、問題の解決を求めるための独立したフォーラムを提
単位のアウトリーチ活動のパイロット事業を行う小規模
供している。これは協議と合意促進を通じて行われる。
地域技術協力という形で、アカウンタビリティ・メカニ
影響を受ける人々はまた、ADB が業務上の政策や手続
ズムのアウトリーチ活動に対する最初の資金提供を承認
を遵守していないと考える場合、審査を要請することが
した 3。最初のプログラムは 2011 年初頭に太平洋地域の
できる。メカニズムは ADB の開発効果に貢献し、プロ
開発途上加盟国で実施される予定である。
ジェクトの質の向上を図れるよう考案されている。
このメカニズムは、スペシャル・プロジェクト・ファ
ADB は 2010 年に、アカウンタビリティ・メカニズム
政策のレビューを開始した。
(第 3 章、15 ページを参照。
)
シリテーターによる協議および問題解決フェーズと、独
立したコンプライアンス・レビュー・パネル(CRP)が
主導する遵守状況審査フェーズの 2 つの機能を有してい
開発効果に関する独立評価
る。
特別案件促進部(OSPF)は 2010 年に 7 件の新しい異
独立評価局(IED)の 2010 年の業務計画には 4 つの
議申し立てを受理し、うち 2 件は OSPF の適格基準を満
基本方針があった。すなわち(i)ADB の重点戦略と整
たしていた。以前に受理した 4 件の異議申し立ての処理
合性をとり、将来の政策、戦略およびプログラムの立案
が終了した。監察審査部(OCRP)は 2010 年に遵守状
にインプットを提供すること、
(ii)融資案件の形成中お
況審査の要請を 5 件受理した。それらは全て CRP の管
よび実施中にリアルタイムでフィードバックを提供する
轄外と判断され、関連する業務部門に付託された。
CRP は、期間 5 年の年次モニタリング・プログラムと
こと、
(iii)開発途上加盟国の開発プロジェクト評価能力
を強化し、ADB のスタッフがプロジェクトやプログラ
して初めて実施したパキスタンのチャシュマ右岸灌漑プ
ムを自己評価できるよう訓練すること、および(iv)ナ
ロジェクトのモニタリング・プログラムを完了させ、ス
レッジ・ソリューションに貢献することである。2010 年、
リランカの南部輸送開発プロジェクトについては 4 度目
IED は評価、知識商品および能力開発について予定され
の年次モニタリングを実施した。CRP は中国の福州環境
たプログラムを遂行した。
改善プロジェクトについて、政府が CRP の現地視察に
IED の評価は結果に対するアカウンタビリティの確保
同意しなかったため、遵守状況審査を完了できず、ADB
と学習の推進を目的としている。アカウンタビリティを
の責任について判断を下すことができなかったと理事会
高めるため、評価では、ADB が各種リソースを適切に
に報告した 2。
配分・利用しているかどうか、および想定された成果を
2
3
CRP/R1-10. Compliance Review Panel Request No. 2009/1 for the Fuzhou Environmental Improvement Project – ADB Loan 2176-PRC: CRP Final Report.
Manila.
ADB. 2010. Technical Assistance for Good Governance and Development Effectiveness through the Accountability Mechanism(RETA 7572).
効果的な組織の実現
Pacific Procurement Partnership Initiative)を通じて国内
21
22
アジア開発銀行
効果的な組織の実現
苦情への対応について訓練を受けるインドネシアの村落ファシリテーター
達成しているかどうかを審査する。IED は複数のセクタ
と金融セクターの強化については改善の余地があった。
ー支援プログラムや個別プロジェクトの評価をもとにし
て国別支援戦略を評価する。こうした評価は国別戦略の
ADB の新しいプロジェクト、プログラムや国別支援
戦略の質を高めるため、IED は 2010 年中、準備段階の
策定に貢献し、何がうまく行き何がうまく行かなかった
初期にあるプロジェクトの設計について詳細なコメント
のか、およびその理由についてタイムリーなフィードバ
を提供した。IED は 462 件の業務文書にコメントし、経
ックを提供する。
営陣レビュー会合に 65 回参加した。
2010 年、IED はブータンとラオスの国別支援戦略を評
価し、その成果を審査した。ブータンの国別戦略は成功
したとの評価を得た。この評価では、例えば、ADB が
IED は主に評価協力グループ(Evaluation Cooperation
Group)を通じて他の評価機関と連携し、自らの有効性
の改善に努めた。2010 年、IED は政策ベース融資の評価
農村の電化および 2 つの都市の主要部の基礎的インフラ
のグッド・プラクティス基準に関する部会を主導し、ソ
の整備に大きく貢献したことが示された。
ブリン業務および民間セクター業務の評価に関するグッ
ラオスでも、ADB の国別戦略は目標を成功裏に達成
ド・プラクティス基準の策定に貢献した。また、経済協
したと評価された。ADB は同国の市場経済への移行お
力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)の評価
よび開発戦略や開発計画の策定を支援したが、公共政策
ネットワーク活動にも参加し、その動向をフォローした。
年次報告 2010
独立した評価による学習
23
アジアにおける水関連の
ガバナンス、料金改革および
IED は戦略的に重要な分野に関する学習を推進すべく、
レベルの高い評価・知識商品を制作した。その商品は、
脆弱な状況にある国または紛争の影響を受けている国に
対する ADB の支援の特別評価研究や、ファイナンシン
グ・パートナーシップ・ファシリティ、ジェンダーと開
水保全等の分野において、
ADB の支援が水の政策形成に
IED はまた、ADB が支援するプロジェクトおよびプ
ログラムの完了後の持続可能性を評価した。この評価で
は、ADB が資金を提供したプロジェクトのうち約 65%
量をモニタリングし評価する手法が開発された。また、
が、完了時点で持続可能性を有していたと判断された。
同レポートでは、2000 ∼ 2009 年に承認された ADB の
完了時点で予定されたアウトプットを効率的に生み出し
運輸プロジェクトの建設と運用から発生する二酸化炭素
ているプロジェクトであっても、それが長期的に持続可
の総排出量を 7 億 9,200 万トンと推定している。プロジ
能だとは限らない。存続期間全体を通じてプロジェクト
ェクトの存続期間を 20 年とすると、1 件・1 年当たりの
の持続可能性を確保するのは複雑なプロセスであり、多
平均排出量は 3,960 万トンとなる。二酸化炭素排出量の
くの要因に依存する。また、プロジェクトの持続可能性
削減を目指す運輸セクターの投資と戦略は、現地の大気
を確保するには、プロジェクト・サイクルの様々な段階
汚染の軽減にも役立つ。従って、鉄道や公共輸送機関へ
で、 ADB および政府内の関係者が力を合わせて努力す
の投資は、二酸化炭素の排出量と大気汚染の両方を長期
ることが必要である。良好なプロジェクト設計、適切な
的に削減し得る。このレポートは ADB に対し、プロジ
実施、そして効率的な運営が不可欠である。
ェクトの設計、レビューおよび審査の各段階で炭素排出
規制環境と運営環境は、アウトプットの合理的な価格
量を考慮することを勧告している。
設定と適切な運営・維持管理を支えるものでなくてはな
インド、インドネシア、フィリピンとスリランカにお
らない。運営・維持管理を政府に依存したり、費用回収
ける環境管理能力の強化を目的とする ADB の技術協力
に対する政治的意志が弱い場合には、プロジェクトの持
を評価した結果、各国の環境保護制度を強化するには
続可能性が損なわれることが多い。収入を生み出さない
ADB 支援の継続が必要であり、特に州レベルの環境事
プロジェクトの場合、その持続可能性を確保するには、
務所に注意を払うべきであると結論された。
運営・維持管理を財政で賄えることが絶対条件となる。
IED は、ADB の 水 政 策(Water Policy、2001 年 ) お
ADB は完了後のプロジェクトの持続可能性を確保する
よび関連業務の実施状況を審査する特別評価を実施し、
ために特別な注意を払う必要がある。プロジェクトのア
同政策が ADB 全体の戦略および開発途上加盟国の国家
ウトプットとアウトカムに対するリスクを評価し、プロ
戦略に適合していると判断した。また、アジアにおける
ジェクトの形成および実施段階でリスク軽減措置を取
水関連のガバナンス、料金改革および水保全等の分野に
り、運営段階ではクライアントとなる政府と緊密に協力
おいて、ADB の支援が政策形成に貢献したことが示さ
してリスクのモニタリングを行うべきである。
れた。その一方で、特に総合水資源管理の分野において
IED はブータンで ADB の資金支援を受けて実施され
改善の余地があることが判明した。
た 2 件の農村電化プロジェクトについて、農村地域の生
開発途上加盟国および ADB における評価能力の開発
活の質の向上と持続可能性の観点からその開発効果を評
は、IED の重要な職務のひとつである。2010 年、IED
価した。
(24 ページの「ブータンの家庭の電化による恩
は上海開発評価研修国際プログラム
(Shanghai International
恵が調査で明らかに」を参照。
)
Program for Development Evaluation Training)において、
また、IED は、運輸プロジェクトの炭素排出量の削減
中央アジアおよび東南アジアの数国の政府関係者の能力
に 関 す る 評 価 最 新 レ ポ ー ト(Evaluation Knowledge
向上を支援した。また、プロジェクト完了報告書の作成
Brief)を発行し、ADB の運輸セクター支援の二酸化炭
および関連する自己評価について、
ADB 職員向けの研修・
素排出量を削減する措置を提案した。このレポートでは、
学習イベントを開催した。さらに、IED の業務に関する
ADB の運輸セクター・プロジェクトの二酸化炭素排出
ユーザーの認識を調べるアンケート調査が 2011 年中に
効果的な組織の実現
貢献している
発など、様々な分野に関するものであった。
24
アジア開発銀行
ブータンの家庭の電化による恩恵が
調査で明らかに
ADB の独立評価局によるブータンの家計調査
で、農村部の生活が電気によってどのように
改善したかが明らかに
立評価局(IED)は、ADB が 1996 年以降ブータン
で実施した 5 件の農村電化プロジェクトのうち 2 件
独
を評価した。この評価では、プロジェクトが農村部に住
む人々の生活の質に対し、経済面、環境面および社会面
からどのような効果をもたらしたのかが調査され、電化
によって定量化が可能で、目に見える、ポジティブな成
果がもたらされたことが判明した。
この評価では、2 件のプロジェクトで電化された家庭と、
今後電化が計画されている村の比較を行った。多様なコ
ミュニティの状況を評価するため、プロジェクト対象地
域の 15 地区(dzonkhag)のうち 10 地区から 106 の村
落が注意深く選定された。サンプルには、調査対象 10 地
区の全家庭の 18% に相当する 2,000 以上の家庭が含まれ
た。平均的な電化家庭は調査時点で、4 年前から電気の供
給を受けていた。
この調査により、恩恵を受けるペースはゆっくりして
いるものの、電化家庭はそうでない家庭と比べて生活の
質が高く、所得も高いことが判明した。しかし、電気の
消費が照明、炊事と湯沸かしに限られているため、経済面、
社会面および環境面の成果のほとんどは限定的であった。
所得を生み出す電気の利用は、ブータンの中部および西
部における製繊業と、南部における養鶏業に限られてい
た。
完了する予定であり、その結果を踏まえて IED の生産物
およびサービスの改善を図ることとなっている。
IED は今後も引き続き、ワークショップ、実務コミュ
ニティ(communities of practice)へのプレゼンテーショ
Ganesh Rauniyar
効果的な組織の実現
電化家庭では、固形燃料を燃やす家庭と比べて、薪を
集めるために費やす時間が短く、化石燃料に対する支出
が少なく、煙によって健康を害する頻度と日数が大幅に
少ない。電化家庭の子供、特に女子は、学校に通う年数
が比較的多い。女性は男性よりも、家族の教育や健康に
関する決定に重要な役割を果たし、これらの分野の知識
も豊富である。
電化による便益が実現するには多くの場合長い時間が
かかるが、こ の評価では、出生率、移住と食料の安全に
ついて、限定的ではあるが、電化によるポジティブな効
果が確認された。このレポートは、ブータンはこれまで
に達成された成果を土台として、所得を増やす活動に電
気が使われるように努力すべきであると結論している。
エンパワーメント:ブータンの農村部に新設された事業設備
ADB の知識アジェンダの変革
開発効果を支えるのは知識である。2004 年に策定され
ンや文書の発行を通じて、評価結果のタイムリーな普及
たナレッジ・マネジメント・フレームワークは、学習す
を積極的に推進していく。IED のウェブサイト(www.
る組織になるという ADB の決意を示すものであった。
adb.org/evaluation)は合理化され、その知識コンテンツ
このフレームワークは 2 つの互いに補強しあう成果、す
が改善された。
なわち(i)有効かつ質の高い知識を開発途上加盟国およ
びその他のステークホルダーに普及させ、吸収してもら
うこと、および(ii)ADB 内部での学習の強化、を追求
するものである。
年次報告 2010
25
ADB の努力の中でも特に重要なものとして、IED お
よび各地域局におけるナレッジ・マネジメント担当部門
を設置または強化したことが挙げられる。ストラテジー
ADB は 2010 年に、下記の分野におけ
る 13 の実務コミュニティを主催した
2020 では、ADB がナレッジ・ソリューションの潜在力
•
農業・農村開発・食料の安全
役割を果たすべきだとされ、そのコミットメントが強化
•
教育
•
エネルギー
•
環境
•
金融セクター開発
•
ジェンダーの平等
•
社会開発と貧困
む融資提供の業務プロセスに、セクター別のピア・レビ
•
公共政策とガバナンス
ュー手続が新たに導入された。ADB はナレッジ・マネ
•
保健
•
地域協力と地域統合
クターおよびテーマに関する情報を知識に変換する努力
•
運輸
が強化され、ナレッジ・マネジメントおよび学習のツー
•
都市開発
•
水
された。具体的には、ナレッジ・マネジメント行動計画
(2009 ∼ 2011 年)において、ADB 業務における知識重
視の強化、実務コミュニティへの権限付与、外部知識パ
ートナーとの連携強化、およびスタッフの学習とスキル
開発の推進、という 4 つの成果目標が設定されている。
2010 年、ADB はこの達成に向けた取り組みを強化した。
ADB の業務における知識への集中を強化するため、
国別支援戦略およびアジア開発基金からのグラントを含
ジメント担当責任者の業務内容を強化し、駐在員事務所
と地域事務所を通じて知識商品の需要調査を行った。セ
ル、手法およびアプローチの理解を広める努力が「ナレ
ッジ・ソリューション」
(Knowledge Solutions)および「知
識ショーケース」
(Knowledge Showcases)シリーズの
刊行を通じて継続された。
実務コミュニティの機能を強化するため、ADB はス
タッフのポストを増やし、その活動に配分される予算を
10 倍に増やした。これによって、コミュニティはメンバ
実務コミュニティとは、考えを同じくする個人が集
まり、継続的に知識を共有し、発展させ、用途に合わ
せて適応させることによってセクターおよびテーマ別
のノウハウを維持していくグループである。
ーのために独自の研修コースを設計・提供し、自らの有
効性を評価し、国際会議やフォーラムに参加し、他の実
務コミュニティや外部パートナーと協力して共同研究や
ミュニティのウェブ・ページ、都市開発ポータルやエネ
知識の共有を行うことが可能になった。
ルギー・ポータル等のセクター別およびテーマ別のリン
複数の部局や専門分野を横断する知識を創造し共有す
るために、新たな連携メカニズムがいくつか導入された。
その例としては、ADB のイントラネット上での実務コ
ク集が挙げられる。
より緊密なパートナーシップを実現するため、ADB
はフランス開発庁、オーストラリア国際開発庁や国連児
童基金等との新たなパートナーシップ協定に、知識に関
する項目を盛り込むようになった。また、ADB 全体で
利用できる戦略的パートナーのデータベースを構築した
実務コミュニティの権限を
ほか、組織横断的なパートナーシップの管理とモニタリング
強化するため、ADB はスタッフ
との共同学習に関する新たな研修コースが設計され、
のポストを増やし、その活動に
ーシップのガイドライン」
(Guidelines for Knowledge
を可能とするプラットフォームを設計中である。パートナー
2011 年に実施予定となっている。また、「知識パートナ
配分される予算を 10 倍に
Partnerships)を策定した。
増やした
目的とした研修コースが「ナレッジ・マネジメントおよび学習
知識の創造と共有に関する認識を高め、行動を促すことを
効果的な組織の実現
をアジア・太平洋地域で発揮させるうえで、より大きな
26
アジア開発銀行
シリーズ(Knowledge Management and Leaning Series)
」
ADB はアウトリーチ活動や、国際フォーラム・国際会
および「変化のための学習入門(Learning for Change
議等での経営陣やスタッフのスピーチを通じて、主要メ
Primers)」として実施され、e ラーニングの実施が 2011
ディアにおける認知度を高めている。
年中に予定されている。予算・人事・経営システム局
また、ADB のウェブサイトに掲載が義務づけられて
(BPMSD)は、実務コミュニティや地域局のニーズをよ
いる情報のほとんどが現時点で入手可能となっている。
効果的な組織の実現
りよく満たすために、スタッフの学習および育成プログ
ウェブサイトに掲載される文書の数は 2005 年から 125%
ラムを見直し、強化した。これにより、実務コミュニテ
増加した。ウェブサイト上の情報の利便性も向上した。
ィはメンバーの技術能力を育成する機会を得た。水実務
2005 年以降に受理した外部からの情報請求は 5,000 件近
くにのぼり、その 95% に対して情報が提供された。全体
コミュニティは BPMSD と共同で、10 の研修コースを
開発し、実施した。
従来と同様、ADB はナレッジ・マネジメントと学習
的に、スタッフは透明性がもたらす数多くの利益を理解
しており、情報開示に誠実に取り組んでいる。
について理解を深めてもらう努力を行った。2010 年 6 月
2010 年に行われた 2005 年情報公開政策のレビューで
には「変化のための学習調査」を実施し、学習の動力と
は、同政策が今も全体的に有効であり、他の国際開発金
なる 4 つの要因(組織、人、知識、テクノロジー)につ
融機関と比べても、ADB の情報開示のグッド・プラク
いて職員のフィードバックを得た。この調査は、過去
ティスが優秀であることが示された。内外のレビューに
6 年 間 毎 年 行 っ て い る「 最 も 賞 賛 さ れ る 知 識 企 業 」
(MAKE)調査を補完する。この調査によれば、職員の
より、一般的に同政策の目標と方向性が優れており、
ナレッジ・マネジメントに対する認識は急速に改善して
っているが、ADB は今後さらに透明性を高めていく方
いる。2010 年の MAKE 調査には特に多数の回答が寄せ
針である。
ADB とその加盟国の役に立っていることが明らかにな
られ、知識をベースとするプロジェクトやサービスを開
発してクライアントに提供し、協力して知識を共有する
環境を整え、個人および組織による学習と共有を推進す
人事管理の向上
る ADB の能力が向上していることが示された。
情報開示と透明性
2010 年の画期的な出来事として、1 月にピープルスト
ラテジー(Our People Strategy)が承認された。これは
ADB の職員に対する価値観の提案(ADB が職員にどの
ような価値観を提供するか)を規定するものである。こ
2005 年情報公開政策の経験 2005 年 4 月に採択された
のペーパーに示された 3 つの主要目標は、優秀な人材、
当時、情報公開政策は革新的で、国際開発金融機関のベ
能力の高い管理職、および良好な職場環境に集約される。
スト・プラクティスの最先端を行くものと評価された。
それ以降、ADB の広報は大幅な進歩を遂げている。情
本ペーパーの承認を受けて、その実施計画である「人
事部門戦略的フレームワークおよび実践計画」
(Human
報公開政策は ADB の文化に大きな変化をもたらし、全
Resource Function Strategic Framework and Action Plan)
ての ADB プロジェクトにおいて情報開示が標準的な業
が作成され、4 月に完成した。両文書は、ADB の人事管
務手続であると考えられるようになった。ADB は一般
理の改善に向けた中期的ロードマップとして利用され
的に、情報は開示するのが当然であるという考え方を採
る。
用することに成功した。
タイムリーな開示と外部要請への対応を含む、情報開
示のコンプライアンスは引き続き改善している。ワン・
2010 年はまた、理事会の人事委員会が年間を通じて業
務を行った最初の年となった。委員会は 7 回会合を開き、
人事政策と人事プログラムについて実践的かつタイムリ
ワールド・トラストが発行した 2007 年グローバル・ア
ーなガイダンスを提供した。2010 年末、委員会は初の年
カウンタビリティ・レポートにおいて、ADB は透明性
次報告書を作成した。その主なテーマは多様性と包括性
のグッド・プラクティスについて 100% のスコアを獲得
(インクルーシブネス)であり、国際スタッフのジェンダ
した。この政策を支える ADB の対外関係戦略を通じて、
ー・バランスおよび駐在員事務所スタッフの役割の重視
ADB の認知度を高め業務に関する情報を共有するため
が引き続き重要な目標とされている。
に、従来以上に積極的かつ的を絞った努力が行われた。
年次報告 2010
業務プロセスの合理化
27
はリスク管理能力をさらに強化すべく、集中的な努力を
行っている。民間セクター融資業務の拡大に伴って増大
するリスクを管理していくには、この能力の強化が不可
サービスの実施方法を改善し、内部効率を高めるため、
ADB は 2010 年 1 月 1 日に、国別支援戦略 4 および融資
5
欠である。
2010 年、ADB の理事会は、統合リスク管理システム
実行 について、合理化された新しい業務プロセスを導
の開発に向けた特別設備投資支出予算を承認した。この
入した。
システムは、より効果的なリスクのモニタリングと管理
を可能とする情報技術プラットフォームを提供する。シ
ステムの構築と導入は、2011 年から 2012 年にかけて行
供に関連する文書の簡素化と合理化、および品質保証プ
われる。
ロセスの強化が含まれる。2010 年には、キリバス、パプ
また、ADB は引き続きリスク管理部の人員を増やし、
アニューギニアおよびタジキスタンの 3 カ国を対象とす
オペレーショナル・リスク管理の枠組みの開発を始めた。
る国別支援戦略が、合理化された新たな業務プロセスを
リスク管理手法の開発における 2010 年の主な出来事と
通じて作成された。
して、ノンソブリン取引の価格決定に際して基準点を提
融資実行面での改革としては、
(i)リスクに基づくプ
供する価格決定ツールを導入した。
ロジェクト業務区分による品質保証の向上、
(ii)より戦
略的でセクターに焦点を当てたピア・レビュー、
(iii)実
施およびプロジェクト準備の完成度の重視、
(iv)文書の
監査
簡素化、などがある。こうした改革を実施することで、
入り口での品質を改善しつつ、融資手続にかかる平均的
な時間が大幅に短縮されると期待される。
業務プロセスの改善と並行して、ADB は情報技術の
監査部(OAG)は ADB の融資、グラント(無償援助)
および技術協力業務ならびに財務、会計、リスク管理、
管理業務手続や情報システムについて、独立した監査を
利用を強化してきた。特に国別支援戦略の作成、プロジ
行っている。監査はリスク評価を中心に実施され、内部
ェクト管理とポートフォリオ管理に使われる情報システ
統制、リスク管理、リソースの活用およびガバナンス手
ムのアップグレードを行った。これにより、プロジェク
続を強化し、ADB の政策・手続・規則を遵守し、有効性・
ト・サイクル全体を通じて、プロジェクトの実施状況を
効率性・経済性を向上させることを企図している。
より効果的にモニタリングすることが可能になった。
監査部は 2010 年に 22 件の監査を完了した。一部の
2009 年開発効果レビューにおいて、プロジェクト品質
ADB 本部の局、駐在員事務所、および地域事務所にお
指標(完了した投資および技術協力案件の成功率)が低
いて、融資、グラントおよび技術協力のポートフォリオ
下傾向にあると判明したことを受けて、経営陣は 2010
に対する監査が行われた。財務とノンソブリン業務の監
年 6 月に、プロジェクト実施作業部会を設立し、主な問
査では、借入と関連するヘッジ・スワップ、公共セクタ
題点と、広く再現・適用可能な地域局のグッド・プラク
ティスを特定することを図った。作業部会は(i)プロジ
ェクト準備の全体的な完成度の向上、
(ii)組織、職員の
スキルとインセンティブの強化、および(iii)プロジェ
クトの効果的な実施の確保の 3 点について勧告を行った。
リスク管理の強化
民間セクターの開発に向けた資金提供において ADB
の役割の強化を目指すストラテジー 2020 に従い、ADB
4
5
一部の ADB 本部の局、駐在員事
務所、および地域事務所において、
融資、グラントおよび技術協力の
ポートフォリオに対する監査が
行われた
Country Partnership Strategy: Responding to the New Aid Architecture(November 2009)を参照(http://www.adb.org/Documents/Reports/cps-respondingto-the-new-aid-architecture.pdf)。
Better and Faster Loan Delivery(November 2009)を参照(http://www.adb.org/Documents/Reports/better-and-faster-loan-delivery.pdf)。
効果的な組織の実現
新たな業務プロセスの下で、ADB は業務の実施方法
にいくつかの重要な変更を導入した。これには、商品提
28
アジア開発銀行
ーと民間セクターに対する協調融資保証業務などが審査
ジェクトについてプロジェクト調達関連評価を行い、
された。資金・事務管理の監査では、一部のコンサルタ
ント契約や売店業務などの監査が行われた。情報システ
ADB の政策、ガイドラインや融資契約が遵守されてい
るかどうかを確認する。OAI はまた、他の部局と協力し
ムの監査では、メインフレーム、データ・センター、そ
て汚職防止政策による要請について職員と利害関係者の
して情報システム技術戦略プログラム(第 2 期)の下で
認識を高めている。
進められているプロジェクトが対象となった。また、内
2010 年中に、OAI は他の国際開発金融機関(アフリ
部監査プロセスを自動化するため、監査部が監査管理ソ
カ開発銀行、欧州復興開発銀行、米州開発銀行および世
フトウェアを導入した。
界銀行グループ)との「取引資格停止決定の相互適用合
効果的な組織の実現
監査部に対する内部評価が行われ、内部監査人協会
意 」
(Agreement for Mutual Enforcement of Debarment
(Institute of Internal Auditors) の 専 門 職 的 実 施 の 国 際
フ レ ー ム ワ ー ク(International Professional Practices
Decisions、 略 称 は「 取 引 資 格 相 互 停 止 合 意 」(CrossDebarment Agreement))にかかる ADB の署名を推進し
Framework)が概ね遵守されていることが確認された。
た。この合意に基づき、汚職、不正、強制行為および共
監査部はその手続、報告の書式やコミュニケーションの
謀行為を理由とする各機関の取引資格停止が、他の機関
さらなる改善を目的として、段階的な再編成を開始し、
でも適用される。合意が発効して以来、ADB は、世界
品質保証プログラムの確立に取り組んでいる。
銀行が取引資格を停止した企業 6 社および個人 2 名につ
監査部は、監査活動が効果的に計画・実施されるよう、
いて、取引資格の相互停止を行った。ADB は企業 4 社
自らの業務を ADB の外部監査人(Deloitte & Touche)
および個人 10 人について、取引資格の相互停止の要請
と調整した。監査部は、ADB の財務諸表とその認証プ
を提出している。
ロセス、ならびに ADB の起債 3 件に関する合意された
ADB は、ADB に科された制裁にさらに違反した企業
手続の 2010 会計年度監査について、Deloitte & Touche
および個人、2 回目またはそれ以上の公正性の違反に対
を支援した。監査部はまた、協調融資業務部(Office of
して制裁を科された企業および個人、OAI が合理的な努
Cofinancing Operations)からの要請を受け、Deloitte &
Touche および PricewaterhouseCoopers と協力して、32
力を払っても制裁の通知ができなかった企業および個
の技術協力信託基金およびグラント基金の監査を行っ
取引資格を停止された企業および個人の名前をウェブサ
人、および取引資格相互停止合意の下で ADB によって
た。一部のコンサルタント契約について監査が行われ、
イト上で公表している。1 回のみの違反者を含む企業お
コンサルタントによる請求の信憑性が点検された。外部
よび個人の完全なリストも ADB のウェブサイトに公表
監査人の選定に関する原則が理事会によって承認され
されているが、その利用は知る必要があることを証明し、
た。
認可を受けたユーザーに限られている。
監査部は、高リスクの勧告に重点を置きながら、未履
行の勧告および外部監査人の勧告の進捗状況について継
続してモニタリングを行った。
ADB は、ADB が資金提供したプロジェクトまたは
ADB スタッフに関連して、新たな通報 188 件を受け、
個人 47 名と企業 37 社に対して制裁措置を講じた。バン
グラデシュ、中国、インドネシア、カザフスタンおよび
公正性および汚職防止活動
ネパールにおけるプロジェクト 5 件について、プロジェ
クト調達関連評価が行われた。OAI は、2 件の地域技術
協力プロジェクトを通じて、カンボジア、ネパールとウ
ADB の汚職防止・公正管理部(Office of Anticorruption
and Integruty: OAI)は、ADB が資金を供給した活動に
ズベキスタンで汚職防止研修会を実施した。OAI はまた、
おいて不正、汚職、強制行為、共謀行為、妨害行為、利
るようにするための継続的な取り組みの一環として、
ADB の全職員が厳格な公正性および倫理基準を遵守す
益相反、不適切な行為および職権濫用(まとめて「公正
ADB 職員向けの必修説明会 27 回、オリエンテーション・
性の違反」という)の疑いがある場合、
その通報を受理し、
セミナー 17 回、および不正・汚職防止啓発ワークショ
調査を行う。また、公正性の違反の防止と発見に重点を
ップ 9 回を実施した。
置いて、ADB の資金提供を受けて実施されているプロ
年次報告 2010
29
効果的な組織の実現
第5章
セクターおよびテーマ別のハイライト
教育、保健、クリーン・エネルギー、ガバナンスと汚職防止、および持続可能な交通
に関する新たなイニシアチブが、ADBによるストラテジー2020のモメンタムの維持
に貢献した。この長期戦略は、全ての人々に恩恵が行き渡る(インクルーシブな)環
境に調和した持続可能な経済成長と地域統合を通じて貧困を撲滅するという、ADBの
使命に適合する優先度の高いセクターとテーマ分野に力を集中するものである。ADB
はまた、アジア・太平洋地域のミレニアム開発目標(MDG)の達成に向けた進捗に
ついて、認識を高める努力を行った。
年次報告 2010
貧困削減とミレニアム開発目標
困削減という究極目標を達成するため、ストラ
貧
テジー 2020 では、全ての人々に恩恵が行き渡
31
員が、ジェンダーに配慮したプロジェクトの設計および
実施について訓練を受けた。
人材育成
る成長、環境の持続可能性および地域協力・地
域統合という ADB の長期的な開発課題に最も合致した
教育 ADB は「教育セクター業務計画 2020」
(Education
by 2020: A Sector Operations Plan)を策定した。この計
画はアジア・太平洋地域が直面している人材育成に関す
ジメントを推進し、ADB 業務における革新的な手法の
る課題に取り組むもので、労働者の技能開発や高等教育
導入を奨励した。そうした活動の一部を以下に報告する。
への支援の強化を含む ADB の対応を紹介している。こ
ミレニアム開発目標 国連アジア太平洋経済社会委員会
貧困層を重視した官民パートナーシップの重要性が強調
(ESCAP)および国連開発計画(UNDP)と連携して、
されている。ADB はまた、これらの分野で知識商品を
の計画では、全ての人々を対象とする平等な教育および
ADB は知識の普及、政策提唱の促進や統計プログラム
生産した。8 件・計 6 億 1,170 万ドルの融資およびグラ
に関する能力開発に努めた。重要な基本統計や人口登録
ントが供与され、その中には、ラオスとベトナムにおけ
の改善に関するフォーラム、東南アジアと太平洋地域に
る労働者の技能開発に対する要請への対応が含まれてい
おける地域別閣僚級会議などを含む、いくつかのイベン
た。技術協力「アジアにおける高等教育プロジェクト
トが開催された。ESCAP、UNDP と ADB の三者による
(Higher Education in Dynamic Asia Project)
」 で は、 開
パートナーシップを通じていくつかの文書が作成され
発途上加盟国が重要な高等教育改革を計画・実行できる
た。そのひとつである「Paths to 2015」は、ADB の黒田
よう、知識と能力を開発することに注力した。
総裁によって、ミレニアム開発目標国連世界サミット
( UN World Summit on the Millenium Development
保健 ADB は 8 カ国において、特定のセクターに特化
Goals) で 発 表 さ れ た。ADB は ま た、2015 年 ま で の
MDG 達成に貢献するプロジェクトについて、開発パー
した保健プログラムおよびプロジェクトを支援した。気
候変動は農業セクター、水セクターおよび災害リスクの
トナーや政府と戦略的な協議を行った。
軽減に影響を与えることから、ADB は、気候変動が人々
の健康にどのような影響を及ぼすかについて、また交通
ジェンダーの平等
関連の大気汚染による健康への影響について、調査と政
策対話を行った。エイズに関する地域データハブがベス
ト・プラクティスを普及させ、ADB はメコン河流域圏
「ADB プロジェクトのジェンダー要素の配慮のカテゴ
において HIV /エイズやデング熱を含む伝染病の予防対
リーに関するガイドライン」
(Guidelines for the Gender
Mainstreaming Categories of ADB Projects)が更新され
する投資プロジェクトが有効であることを示す新たな情
た。ジェンダー要素の配慮(プログラムやプロジェクト
報が提供され、アジア・太平洋健康観測所(Asia Pacific
の設計にジェンダー関連分析を含めること)は 3 年連続
Health Observatory)が設置された。
策を支援した。妊産婦、新生児および児童の健康を支援
で増加した。ADB は、2012 年までに公共セクター向け
プロジェクトの 40%、アジア開発基金のプロジェクトの
社会的保護、全ての人々に恩恵をもたらす成長および貧
50 %にジェンダーを組み込むという数値目標を達成し
困層の環境 フィリピンにおける条件付き現金給付プロ
た。
グラムの拡張に対して 4 億ドルの融資、グルジアにおけ
ジェンダーと開発に関する行動計画(2008 ∼ 2010 年)
る社会福祉事業・社会的保護支出の維持に対して 1 億ド
は、インフラ、環境、教育などの中核分野で成果を残し、
ルの融資を行った。世界金融危機が太平洋地域の 3 カ国
終了した。ADB のパフォーマンスをさらに改善するため、
の脆弱な人々に及ぼす影響を軽減するため、300 万ドル
行動計画は 2011 ∼ 2012 年も継続される。一方、ジェン
のグラントを供与した。社会的保護への ADB の関与に
ダー専門官の数は 2 倍近くに増え、職員とスタッフ・コ
ついて行動計画を策定するため、技術協力を実施した。
ンサルタントを合わせて 25 名となった。200 名以上の職
ADB はまた、「気候変動およびグリーン・エコノミーと
セクターおよびテーマ別のハイライト
セクターに重点を置くとされている。ADB は引き続き、
各セクター戦略の実施を監督し、学習とナレッジ・マネ
32
アジア開発銀行
貧困層の環境」
(The Environments of the Poor in the
ガスの排出量(二酸化炭素換算)が年間で 1,300 万トン
Context of Climate Change and the Green Economy)を
削減される見込みである。エネルギー・アクセス・プロ
含むいくつかの知識商品を作成した。
ジェクトへの投資額は 2009 年の 4 億 1,800 万ドルから
大幅に増加し、9 億 5,000 万ドル以上となった。2003 ∼
金融セクター開発
2009 年には 127 万世帯が電気と近代的な燃料を利用で
きるようになったが、この投資により、新たに 150 万世
帯がアクセスを得ることになる。
金融セクターと資本市場の育成に向けて、マイクロフ
セクターおよびテーマ別のハイライト
ァイナンス、中小企業および規制改革を対象とするソブ
運輸 持続可能輸送イニシアチブ業務計画(Sustainable
リン融資 8 億 9,340 万ドルを供与した。ノンソブリンの
た。技術協力の多くは融資プログラムおよびプロジェク
Transport Initiative Operational Plan) の 承 認 に よ り、
ADB は開発途上加盟国における持続可能な交通システ
ム整備の最前線に立つことになった。ADB 運輸フォー
ラム 2010(ADB Transport Forum 2010)では、
都市交通、
トの準備、政策改革の実施と能力育成に向けられ、残り
気候変動の配慮、越境輸送と物流、交通安全、および社
投資額は 10 億 3,500 万ドルに達し、主に住宅金融、マ
イクロファイナンスおよび地域保証の支援に充てられ
は開発途上加盟国による地域の経済・金融統合の推進を
会的持続可能性に関する議論が行われた。
「カトマンズ持
支援するものであった。金融セクター開発の業務計画が
続可能な都市交通プロジェクト」
(Kathmandu
作成中であり、2011 年中に承認される見込みである。
Sustainable Urban Transport Project)が承認され、都市
交通支援の模範事例として役立っている。
ガバナンスと能力開発
都市開発 マニラで開催された「アーバン・デイ 2010」
では、都市業務計画(Urban Operational Plan)の中核分
ガバナンス・汚職防止行動計画(第 2 期)
(GACAPII)
野について議論が行われた。この業務計画は 2011 年中
が 2006 年に承認されて以来、20 カ国の 7 セクターを対
に承認が予定されている。2009 年後半に設立されたアー
象としてリスク評価およびリスク管理計画を実施した。
バン・ファイナンシング・パートナーシップ・ファシリ
スタッフによるガバナンス・リスクの特定を助けるため、
ティ(Urban Financing Partnership Facility)の実施ガイ
2 件のセクター別ガイダンス・ノート(教育、道路交通)
を作成した。開発途上加盟国 3 カ国の調達機関と、一つ
ドラインが完成し、同ファシリティが始動した。アジア
都市開発イニシアチブ(Cities Development Initiative for
の汚職防止機関について、詳細な能力評価を実施した。
Asia: CDIA)では 13 カ国の 23 都市による申請が承認さ
2010 年には「ガバナンスおよび公共政策に関する ADB
れ、2012 年までに 50 都市の承認が目標とされている。
の政策および業務の実績評価および戦略的レビュー」
(Stocktake and Strategic Review of ADB’s Governance
よびカウンターパーティの拠出金 160 万ドルが利用され
これらの活動により、イニシアチブの資金 770 万ドルお
and Public Sector Management Policies and Operations)
た。こうした活動を通じて、新たな都市インフラ投資と
を開始した。
して、政府、ADB を含む CDIA の公的パートナー、国
持続可能なインフラ
エネルギー ADB はクリーン・エネルギー・プログラ
ムにエネルギー効率イニシアチブを組み込み、クリーン・
エネルギーに対する年間投資目標額を 10 億ドル(2008
∼ 2012 年)から 20 億ドル(2013 年以降)に倍増した。
2010 年のクリーン・エネルギーに対する投資額は 17 億
6,000 万 ド ル に 達 し、 こ れ に よ っ て 1,871 メ ガ ワ ッ ト
(MW)の再生可能エネルギー発電能力が増加され、年間
3,246 ギガワット時(GWh)の電力が節約され、温暖化
クリーン・エネルギーに対する
投資額は 10 億ドルの目標を超え
て 17 億 6,000 万ドルに達した。
2013 年以降の目標額を倍増する
ことにより、再生可能エネルギー
発電の促進が期待される
年次報告 2010
際的な民間インフラ・ファイナンス機関、外部の国際開
発機関および基金(地球環境ファシリティー等)
、および
既存の戦略的パートナーなどから 44 億ドルが動員され
ると予想される。
33
ADB 自身の気候変動基金(Climate Change Fund)につ
いては、1,000 万ドルの財源補充が承認された。ADB は
2010 年 6 月に、適応基金(Adaptation Fund)の理事会
により、同基金の実施国際機関の一つに正式に認可され
た。
水 「ウォーター・ファイナンシング・プログラム 2006
∼ 2010」を通じて 2010 年末時点で 114 億 4,000 万ドル
ADB は ク リ ー ン・ エ ネ ル ギ ー 投 資 の た め に 17 億
6,000 万ドルの資金を配分した。技術の革新、移転と普
及を推進する新たなイニシアチブとして、アジア・クリ
2010 年の水関連融資の承認総額は 23 億 2,000 万ドルと
ー ン・ テ ク ノ ロ ジ ー・ エ ク ス チ ェ ン ジ(Asia Clean
なった。ウォーター・ファイナンシング・プログラムの
Technology Exchange)、アジア気候変動およびクリーン・
実施を支援するために設立されたウォーター・ファイナ
エネルギー・ベンチャー・キャピタル・イニシアチブ(Asia
ンシング・パートナーシップ・ファシリティは、2010 年
を指針として運営される。衛生および排水管理に対する
Climate Change and Clean Energy Venture Capital
Initiative)、 気 候 官 民 パ ー ト ナ ー シ ッ プ 基 金(Climate
Public-Private Partnership Fund)、アジア太陽エネルギー・
イニシアチブ(Asia Solar Energy Initiative)および風力
発電クオンタム・リープ(Quantum Leap in Wind Power)
が立ち上げられた。ADB は引き続きカーボン・マーケ
支援の増加も引き続き優先的に行われ、中国、インドネ
ット・プログラムを通じ、開発途上加盟国が京都議定書
シア、ネパール、スリランカ等に融資が提供された。水
のクリーン開発メカニズムを通じて低炭素型投資のため
セクターにおける気候変動適応策に関する支援も拡大さ
の資金や技術を入手できるように支援した。
中も資金の提供を続けた。ウォーター・ファイナンシン
グ・プログラムは 2010 年以降も継続され、2011 年中に
承認予定の「水業務フレームワーク 2011 ∼ 2020」
(Water
Operational Framework 2011-2020)に示される優先目標
れ、2 件の地域技術協力プロジェクトが承認された。
ADB はプロジェクトに気候変動耐性をもたせる努力
を拡大し、カンボジア、ソロモン諸島、東ティモールお
環境、気候変動およびセーフガード
よびベトナムの道路改良プロジェクト、バングラデシュ
の水関連プロジェクト、クック諸島の港湾施設プロジェ
クトなどに見られる。ADB は気候変動耐性を構築する
環境 環境の持続可能性をテーマとするプロジェクトは
ための政策、研究、知識および能力の開発を推進した。
51 件承認され、その合計額はおよそ 50 億ドルとなった。
承認件数は 2009 年から 55% 増え、1995 年以来最多とな
った。2010 年の環境分野への融資により、環境の持続可
能性を支援するプロジェクトの比率は 2008 ∼ 2010 年の
3 年平均で 37% に達し、2010 ∼ 2012 年の目標である
25% を上回った。環境の持続可能性をテーマとする技術
協力プロジェクトは 63 件以上・計 7,900 万ドルが承認さ
れ、グラントは計 1 億 8,800 万ドル近くが承認された。
その例としては、ホーチミン市における気候影響評価が
上げられる。この調査では、気候変動による洪水の脅威
に対応する代替的な解決策を特定した。アジア・太平洋
適応ネットワーク(Asia Pacific Adaptation Network)が
2010 年に立ち上げられた。同ネットワークの創設メンバ
ーである ADB は、パートナーと連携して、アジア・太
平洋地域における気候変動適応策に関する知識の創造と
普及を推進している。
気候変動 開発途上加盟国の気候変動対策を支援する全
セーフガード 2010 年 1 月に発効したセーフガード政策
組織的な計画が承認された。この計画は、クリーン・エ
文書に従い、ADB は環境、非自発的住民移転および先
ネルギー利用の拡大、持続可能な交通と都市開発の奨励、
住民族に関連する潜在的な影響について全プロジェクト
土地利用管理と森林管理による炭素隔離、気候変動耐性
を評価し、環境および社会面でのリスクに対応するセー
のある開発の推進、および関連する政策・ガバナンス・
フガードの適用について借入人およびクライアントを支
能力の強化、という 5 つの優先的課題を対象としている。
援した。セーフガード政策文書の健全な実施を確保する
ADB は開発パートナーと連携して、気候投資基金
(Climate Investment Funds)やクリーン・エネルギー・
ため、新たな業務手続が反映された業務マニュアルも策
ファイナンシング・パートナーシップ・ファシリティな
どを通じ、気候変動対策のための追加的資金を動員した。
定された。セーフガードに関するワークショップには
680 名のスタッフが参加し、19 名のスタッフが新規に採
用され、10 回以上の現地説明会が開催され、国内セーフ
セクターおよびテーマ別のハイライト
の投資が実施され、目標額の 100 億ドルを上回った。
アジア開発銀行
34
ガード制度の強化を目的として総額 1,130 万ドルの技術
協力プロジェクトが実施され、ADB・世界銀行共同の国
のための国際機関官民パートナーシップ・プログラム」
(Multilateral Public-Private Partnership for Infrastructure
Capacity Development: MP3IC)のパートナーは、PPP
別セーフガード・レビューが何度か実施された。
実務者のための学習ツールの開発を継続した。
分野横断的イニシアチブ
農業および食料安全保障 食料安全保障に関する総額 22
億ドルの投資および技術協力プロジェクトが承認され、
セクターおよびテーマ別のハイライト
官民パートナーシップ(PPP)
ADB 内外の官民パート
目標の 20 億ドルを上回った。アジア・太平洋地域にお
ナーシップに関するあらゆる事項について実務コミュニ
ける食料安全保障のための投資フォーラム(Investment
テ ィ と し て 機 能する PPP 実務グループ(PPP Practice
Group)が設置され、2011 年中の承認に向けて PPP 業務
計画を作成中である。ADB、米州開発銀行および世界銀
かけとなり、ADB と国連の国際農業開発基金(IFAD)
行研究所の共同イニシアチブである「インフラ能力開発
ルの食料安全保障に向けたパートナーシップが構築され
Forum for Food Security in Asia and the Pacific)がきっ
および食料農業機関(FAO)の間で、地域および国レベ
表 1a セクター別ソブリン業務およびノンソブリン業務(2009 ∼ 2010 年)
(単位:百万ドル)
融資
出資
2009年
2010年
2009年
2010年
%
金額
%
443.5
3.4
613.9
5.4
農業・天然資源
–
–
–
85.0
0.6
70.0
0.6
教育
–
–
–
2,120.9
16.0
2,454.0
21.4
エネルギー
80.0
36.4
48.0
19.8
510.0
3.9
1,263.4
11.0
金融
165.0
67.9
93.1
0.7
177.0
1.5
101.0
0.8
公共政策
5,306.4
40.2
894.5
7.8
運輸・情報通信技術
2,338.5
17.7
3,831.1
33.4
808.5
6.1
607.0
5.3
金額
農業・天然資源
教育
エネルギー
金融
保健・社会的保護
鉱工業・貿易
上水道・都市インフラ
マルチセクター
合計
–
–
1,409.0
10.7
1,551.4
13.5
13,215.9
100.0
11,462.3
100.0
– = 該当データなし
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
%
金額
–
–
140.0
63.6
保健・社会的保護
–
–
–
–
鉱工業・貿易
–
–
–
–
公共政策
–
–
–
–
運輸・情報通信技術
–
–
–
上水道・都市インフラ
–
–
マルチセクター
合計
–
–
220.0
100.0
30.0
–
12.3
–
243.0
–
100.0
– = 該当データなし
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
グラント(無償援助)
技術協力グラント
2009年
2010年
2009年
金額
%
金額
%
農業・天然資源
133.9
14.5
114.8
11.7
教育
136.3
14.8
23.0
2.3
87.2
9.4
211.2
21.5
エネルギー
%
金額
農業・天然資源
2010年
金額
%
20.7
10.2
金額
21.9
%
12.5
4.8
2.4
3.6
2.0
エネルギー
26.5
13.1
17.5
9.9
教育
–
–
17.1
1.7
金融
21.7
10.7
11.7
6.7
20.0
2.2
39.0
4.0
保健・社会的保護
6.5
3.2
3.4
2.0
–
–
–
–
鉱工業・貿易
3.9
1.9
4.6
2.6
55.0
6.0
29.0
3.0
公共政策
44.2
21.8
43.0
24.5
運輸・情報通信技術
316.8
34.3
466.5
47.5
運輸・情報通信技術
28.7
14.2
18.4
10.5
上水道・都市インフラ
102.6
11.1
21.6
2.2
上水道・都市インフラ
8.7
4.3
8.8
5.0
72.3
7.8
59.5
6.1
マルチセクター
37.3
18.4
42.6
24.3
924.0
100.0
981.7
100.0
203.0
100.0
175.5
100.0
金融
保健・社会的保護
鉱工業・貿易
公共政策
マルチセクター
合計
合計
– = 該当データなし
– = 該当データなし
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
年次報告 2010
35
表 1b セクター別ソブリン業務およびノンソブリン業務(2009 ∼ 2010 年)
(単位:百万ドル)
協調融資(グラント)
協調融資(技術協力)
2009年
2010年
2009年
金額
%
金額
%
農業・天然資源
40.7
21.5
25.7
16.3
教育
農業・天然資源
2010年
金額
%
金額
%
12.2
19.0
23.7
15.7
19.7
3.0
1.9
教育
1.1
1.7
51.7
34.2
8.1
4.3
5.0
3.2
エネルギー
8.5
13.2
20.4
13.5
金融
3.5
1.8
8.5
5.4
金融
3.1
4.9
7.0
4.6
15.0
7.9
3.0
1.9
保健・社会的保護
0.1
0.2
0.3
0.2
鉱工業・貿易
1.6
0.8
3.0
1.9
鉱工業・貿易
1.1
1.7
3.2
2.1
公共政策
2.0
1.1
8.8
5.6
公共政策
8.6
13.5
6.3
4.2
34.4
18.2
73.2
46.5
運輸・情報通信技術
4.6
7.2
7.3
4.8
保健・社会的保護
運輸・情報通信技術
上水道・都市インフラ
マルチセクター
合計
7.8
4.1
–
39.1
20.6
27.2
17.3
–
189.5
100.0
157.3
100.0
9.7
15.2
12.7
8.4
マルチセクター
14.9
23.3
18.4
12.2
合計
64.0
100.0
151.0
100.0
上水道・都市インフラ
– = 該当データなし
– = 該当データなし
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
保証
協調融資(融資)
2009年
金額
2010年
%
金額
2009年
%
農業・天然資源
–
–
–
–
農業・天然資源
教育
–
–
–
–
教育
325.0
100.0
482.3
49.1
エネルギー
500.0
50.9
金融
エネルギー
金融
–
–
保健・社会的保護
–
–
–
–
保健・社会的保護
鉱工業・貿易
–
–
–
–
鉱工業・貿易
公共政策
–
–
–
–
公共政策
運輸・情報通信技術
–
–
–
–
運輸・情報通信技術
上水道・都市インフラ
–
–
–
–
上水道・都市インフラ
マルチセクター
–
–
–
–
マルチセクター
325.0
100.0
合計
982.3
100.0
合計
2010年
%
金額
28.7
–
421.2
–
30.0
–
%
金額
0.9
–
13.3
50.0
1.5
–
–
1,021.6
30.4
–
–
–
0.9
–
–
–
–
–
316.0
10.0
100.0
3.0
2,320.6
73.3
2,031.8
60.5
32.7
1.0
157.0
4.7
15.0
0.5
3,164.2
100.0
– = 該当データなし
– = 該当データなし
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
–
3,360.3
–
100.0
た。ADB は ASEAN+3 に対する支援を通じて、コメの
リスク削減プロジェクトのポータル・サイトが整備され
貿易を拡大しアジアにおける緊急コメ備蓄を創設するイ
た。アジア太平洋災害対応基金を通じた緊急災害対策支
ニシアチブを主導した。ADB は他の国際開発金融機関
援がインドネシア(300 万ドル)
、モンゴル(250 万ドル)
と連携し、世界食料市場で増大している不安定性への対
およびパキスタン(300 万ドル)に供与された。
応策について、技術的な協議に関与した。
ADB は、
インフラ整備、
情報技術および通信技術(ICT)
緊急支援および災害リスク管理 特に貧しく、災害に弱
公共サービス・行政改善プロジェクトへの ICT アプリケ
い都市部のコミュニティにおいて開発の成果を災害から
ーションの統合、および貧困層のための災害警報システ
守ることを目的とする、包括的な災害リスク管理フレー
ムの導入を対象として、融資 5 件および技術協力 11 件
ムワークが策定された。アジア災害防止センター(Asian
を実施した。ADB は官民パートナーシップ(PPP)を活
Disaster Preparedness Center)および国連国際防災戦略
用し、農村部におけるアクセスの拡大を目的として、ブ
(UN International Strategy for Disaster Reduction)が運
ロードバンド・インターネット接続と通信インフラに資
営する、地域レベルのリスク・データベースおよび災害
金を提供している。
セクターおよびテーマ別のハイライト
37.4
エネルギー
第6章
2010年の融資業務
2010年、ADBは中長期資金149億ドルを調達した。そのうち公募債による調達額は
107億ドル、私募債は42億ドルだった。ADBはまた、テーマ型債券を初めて発行した。
資金支援業務の総額は175億1,000万ドルで、うち138億4,000万ドルはADBおよび
特別基金から、36億7,000万ドルは協調融資パートナーから提供された。ADBから開
発途上加盟国への純移転額は37億ドルであった。
年次報告 2010
権資本と応募済資本の額はそれぞれ 1,638 億ド
授
ルと 1,439 億ドルであった。通常資本財源のう
ち、収入および実現利益から成る総収入は 12
表 2 承認額の資金源別内訳(2009 ∼ 2010 年)
(単位:百万ドル)
2009年
2010年
通常資本財源
12,401
10,475
融資
11,006
9,250
保証
325
982
出資
220
243
貿易金融促進プログラム(TFP)
850
億ドルで、うち 7 億ドルは融資ポートフォリオ、4 億
130 万ドルは投資ポートフォリオ、1 億 4,040 万ドルは
出資等から生み出された。
特別基金における 2010 年の拠出および収入によって
得られた財源は総額約 6 億ドルとなり、その内訳は、ア
4,350 万ドル、日本特別基金 40 万ドル、アジア開発銀行
研究所特別基金 1,750 万ドル、
アジア津波基金 10 万ドル、
パキスタン地震基金 140 万ドル、地域協力・統合基金
1,010 万ドル、気候変動基金 1,020 万ドル、アジア太平
洋災害対応基金 10 万ドルとなっている。
3,337
3,370
3,122
3,180
2,210
2,213
911
967
137
147
79
43
グラント b
13
15
技術協力グラント
66
28
15,738
13,845
3,418
3,669
3,354
3,518
特別基金財源
アジア開発基金(ADF)
融資
グラント
技術協力特別基金(TASF)
その他の特別基金
小計
借入
協調融資
融資およびグラント
64
技術協力グラント
ADB は公募債と私募債を通じて中長期資金 149 億ド
ルを調達した。公募債は計 107 億ドルで、うち 55 億ド
ルは 2 件の米ドル建てのベンチマーク債によるものであ
っ た。 私 募 債 は 合 計 で 42 億 ド ル で あ っ た。2010 年、
ADB は初めてテーマ型債券を発行し、ウォーター・ボ
ンドを通じて 6 億 3,800 万ドル、クリーン・エナジー・
ボンドを通じて 2 億 4,400 万ドルを調達した。現地通貨
建て債券としては、香港で総額 12 億中国元の中国元建
てグローバル債を初めて発行した。
業務概要
2010 年、ADB の資金支援業務の総額は 175 億 1,000
万ドルとなり、うち 138 億 4,000 万ドルは ADB および
特別基金から、36 億 7,000 万ドルは協調融資パートナー
から提供された。138 億 4,000 万ドルの内訳は、融資が
118 件・ 計 114 億 6,000 万 ド ル、 出 資 が 8 件・ 計 2 億
4,300 万ドル、グラント(無償)プロジェクトが 40 件・
計 9 億 8,170 万ドル、保証が 5 件・計 9 億 8,230 万ドル、
技術協力が 243 件・計 1 億 7,550 万ドルとなっている。
2009 年と 2010 年の業務総額の差の一部は、開発途上加
盟国に対する世界金融危機の影響の軽減を目的とした 25
億ドルの景気循環相殺支援ファシリティ(Countercyclical
Support Facility: CSF)が 2009 年に承認されたことによ
る。
–a
合計
19,156
151 c
17,513
– = 該当データなし。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 2010 年の TFP 業務は 2009 年の理事会承認に基づいて行われた。
b 投資グラントおよび政策ベース・グラントの双方を含む。
c ブルネイに対する経費請求可能な技術協力を含む。
通常資本財源(OCR)業務の 88% は融資であった。
ADB の特別基金からの支援総額の 95% は融資とグラン
トで、残る 5% は技術協力であった。協調融資は ADB
業務総額の 21% を占めた。
ADB の資金支援の主な対象国を表 3 と表 4 に示す。
協調融資を含めた支援額の上位 5 カ国は、バングラデシ
ュ(29 億 7,000 万ドル)
、インド(24 億ドル)
、中国(19
億 5,000 万ドル)
、ベトナム(12 億 5,000 万ドル)
、パキ
スタン(10 億 9,000 万ドル)であった。協調融資を除い
た支援額の上位 5 カ国は同じ国であるが順位が異なり、
インド($23 億 8,000 万ドル)
、
中国(16 億 1,000 万ドル)
、
バングラデシュ(12 億 5,000 万ドル)
、ベトナム(11 億
ドル)
、パキスタン(9 億 400 万ドル)であった。
2010 年、
ADB は初めて
テーマ型債券を発行した
2010年の融資業務
ジ ア 開 発 基 金(ADF)5 億 ド ル、 技 術 協 力 特 別 基 金
37
アジア開発銀行
38
表 3 2010 年中の承認額ベースでの主要支援先(協調融資を含む)
(単位:百万ドル)
ADB特別基金
OCR
融資
保証
出資
–
–
インド
2,119.6
250.0
–
中国
1,577.5
–
ベトナム
510.0
–
–
パキスタン
378.8
250.0
ウズベキスタン
390.0
–
インドネシア
785.0
–
–
フィリピン
600.0
–
カザフスタン
606.0
–
グルジア
338.0
バングラデシュ
800.0
ADF
融資
449.0
その他の特別基金
グラント
TASF
協調融資
グラント
技術協力
グラント
プロジェクト
TA
合計
2010年の融資業務
–
5.4
–
–
1,710.9
2.2
2,967.5
–
–
10.6
–
–
6.0
9.1
2,395.2
–
–
19.3
6.0
–
332.2
2.9
1,947.9
580.0
–
8.3
–
–
145.4
2.8
1,246.5
–
270.0
–
2.2
3.0
–
190.0
–
1,094.0
–
265.0
–
2.4
–
–
300.0
–
957.4
–
–
1.0
3.0
2.6
54.8
55.3
901.6
–
–
–
1.2
–
0.7
100.0
6.1
708.0
–
–
–
0.7
–
–
68.0
–
674.7
85.0
–
1.7
–
–
170.0
1.7
596.4
–
–
64.3
–
21.2
3.0
48.1
611.6
10.0
–
–
–
250.0
225.0
その他の開発途上加盟国a
1,144.8
232.3
8.0
563.6
967.2
30.3
2.5
3.9
437.4
22.9
3,412.9
合計
9,249.7
982.3
243.0
2,212.6
967.2
147.1
14.5
28.4
3,517.6
151.0
17,513.4
地域
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源、TA = 技術協力、TASF = 技術協力特別基金。
a ブルネイに対する経費請求可能な技術協力を含む。
表 4 2010 年中の承認額ベースでの主要支援先(協調融資を除く)
(単位:百万ドル)
OCR
ADF
融資
保証
インド
2,119.6
250.0
中国
1,577.5
–
バングラデシュ
800.0
–
–
ベトナム
510.0
–
パキスタン
378.8
250.0
インドネシア
785.0
–
–
ウズベキスタン
390.0
–
–
カザフスタン
606.0
–
–
フィリピン
600.0
–
–
タイ
504.3
–
–
地域
その他の開発途上加盟国a
合計
–
ADB特別基金
グラント
TA
10.6
–
–
19.3
6.0
–
1,612.8
5.4
–
–
1,254.4
–
8.3
–
–
1,098.3
–
2.2
3.0
–
904.0
–
1.0
3.0
2.6
791.6
–
2.4
–
–
657.4
–
–
0.7
–
–
606.7
–
–
1.2
–
0.7
601.9
–
–
2.3
–
–
506.6
出資
融資
グラント
–
–
–
10.0
–
–
449.0
–
–
580.0
–
270.0
–
265.0
–
TASF
合計
2,380.1
250.0
225.0
–
64.3
–
21.2
560.5
978.5
232.3
8.0
648.6
967.2
29.7
2.5
3.9
2,870.7
9,249.7
982.3
243.0
2,212.6
967.2
147.1
14.5
28.4
13,844.8
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源、TA = 技術協力、TASF = 技術協力特別基金。
a ブルネイに対する経費請求可能な技術協力を含む。
年次報告 2010
39
2010年の融資業務
700 万ドルの民間融資が供与されたカンボジア送電線(CPTL)プロジェクト
ソブリン業務およびノンソブリン業務の
承認額
2010 年のソブリン業務承認額合計は 151 億 6,000 万
ドルとなり、2009 年から 21 億ドル(12%)減少した。
一方、
ノンソブリン業務承認額は 4 億 5,400 万ドル
(24%)
増加した。民間セクター向け融資が 2 倍以上に増えたこ
表 5 ソブリンおよびノンソブリン承認額
(2009 ∼ 2010 年)
(単位:百万ドル)
2009年
2010年
ソブリン
17,251
15,156
融資
12,778
10,410
グラント
924
982
保証
325
432
技術協力
203
175
2,957
3,006
協調融資
とと、保証承認額が増加したことがその主な理由である。
融資およびグラント
技術協力グラント
151a
64
1,904
2,358
融資
438
1,053
出資
220
243
貿易金融促進プログラム(TFP)
850
ノンソブリン
–b
–
550
シンジケーション
276
320
融資およびグラント
120
192
19,156
17,513
保証
協調融資
合計
– = 該当データなし。
a ブルネイに対する経費請求可能な技術協力を含む。
b 2010 年の TFP 業務は 2009 年の理事会承認に基づいて行われた。
アジア開発銀行
40
支援形態別承認額(協調融資を含む)
2010 年の承認総額 175 億 1,000 万ドルのうち、155 億
ドル(89%)は投資支援、16 億 8,000 万ドル(10%)は
政策ベースの支援、3 億 2,700 万ドル(2%)は技術協力
表 7 ノンソブリン承認額(2009 ∼ 2010 年)
(単位:百万ドル)
公共セクター a
融資
保証
協調融資(シンジケーション)
であった。
民間セクター
融資
2010年の融資業務
出資
表 6 支援形態別承認額(2009 ∼ 2010 年)
(単位:百万ドル)
貿易金融促進プログラム
保証
2009年
2010年
投資支援
12,444
15,504
OCR
7,297
9,462
ADF
2,127
2,611
その他a
3,020
3,430
政策ベース支援b
3,945
1,683
OCR
2,604
1,013
ADF
995
568
その他a
346
103
2009年
2010年
191
134
–
56
250
–
250
–
1,714
304
220
850
–
2,108
1,053
243
–
300
220
120
320
192
1,904
2,358
協調融資
シンジケーション
融資およびグラント
合計
– = 該当データなし。
a 公共機関が過半数を所有している企業(資本の 50% 超を公共機関が所有して
いる企業と定義される)に対するノンソブリン融資、シンジケーションおよび
保証を指す。
その他の財政支援
2,500
–
OCR
2,500
–
ADF
–
–
267
327
19,156
17,513
(景気循環相殺支援ファシリティ)
技術支援および助言
合計
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a その他の特別基金および融資・グラントの協調融資を指す。
b プログラムを指す。
表 8 ノンソブリン業務の主な支援国
(1983 ∼ 2010 年累計額)a, b
(単位:百万ドル)
百万ドル
中国
インド
インドネシア
パキスタン
フィリピン
タイ
カザフスタン
ノンソブリン業務
スリランカ
ベトナム
バングラデシュ
アフガニスタン
2010 年のノンソブリン承認総額 23 億 6,000 万ドルの
うち、21 億 1,000 万ドル(89%)は民間セクター向けの
融資、保証、出資、シンジケーションおよび商業融資で
あった。残る 2 億 5,000 万ドル(11%)はノンソブリン
の公共セクター向け保証であった。民間セクター向け承
グルジア
ラオス
アゼルバイジャン
ネパール
アルメニア
パプアニューギニア
地域
認額 21 億 1,000 万ドルのうち、ADB が提供した資金は
その他の開発途上加盟国
16 億ドル(76%)であった。
合計
a
b
2010 年の承認総額
175 億 1,000 万ドルのうち、
155 億ドル(89%)は
投資支援であった
%
2,775
2,379
1,219
908
768
525
375
280
280
242
206
113
100
93
59
40
25
2,350
62
21.7
18.6
9.5
7.1
6.0
4.1
2.9
2.2
2.2
1.9
1.6
0.9
0.8
0.7
0.5
0.3
0.2
18.4
0.5
12,799
100.0
ADB の民間部門業務局と地域局が行うノンソブリン・プロジェクトを含む。地
域局は 2007 年にノンソブリン業務を開始した。
署名前に全額キャンセルされたものを除く。
年次報告 2010
41
ジェクトおよびプログラムに対してパラレルローンの形
協調融資
で提供された。協調融資を受けた ADB のプロジェクト
は統計付録 7 および 27 に示されている。
計 155 件の投資プロジェクトおよび技術協力プロジェ
個別プロジェクトに対する協調融資に加え、2010 年に
クトに対する直接付加価値(DVA)協調融資の総額は
は信託基金に対する外部パートナーからのグラント拠出
36 億 7,000 万ドルとなった(表 9a および表 9b)。これ
として計 1 億 4,740 万ドルの追加資金が提供された。そ
とは別に、さらに 33 億 6,000 万ドルの間接的付加価値
のうち 4,050 万ドルは新規の拠出 1、1 億 690 万ドルは
(non-DVA)協調融資が、ADB が支援する 11 件のプロ
既存の信託基金に対する追加拠出 2 であった。信託基金
2009年
ソブリン
ノンソブリン
2010年
合計
ソブリン
ノンソブリン
合計
2,957.48
396.20
3,353.68
3,155.89
512.00
3,517.65
公的融資
2,957.48
–
2,957.48
3,005.65
2.00
3,007.65
融資
2,768.00
–
2,768.00
2,850.30
–
2,850.30
189.51
–
189.50
155.35
2.00
157.35
–
396.20
396.20
–
510.00
510.00
276.20
276.20
–
320.00
320.00
–
120.00
120.00
–
190.00
190.00
64.00
–
64.00
150.25
–
3,021.48
396.20
3,417.68
3,306.14
512.00
プロジェクト協調融資
グラント
民間融資
シンジケーション
融資
技術協力協調融資
直接付加価値協調融資合計
150.25b
3,667.89
– = 該当データなし。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a ADBと運営または協力に関する協定に基づく協調融資。
b ブルネイに対する経費請求可能な技術協力を除く。
表 9b 直接付加価値協調融資協定 a(2009 ∼ 2010 年)
(プロジェクト件数 b)
2009年
2010年
ソブリン
ノンソブリン
合計
ソブリン
ノンソブリン
合計
47
4
51
38
5
43
公的融資
47
–
47
38
1
39
融資
10
–
10
19
–
19
グラント
39
–
39
22
1
23
–
4
4
–
4
4
シンジケーション
–
3
3
–
3
3
融資
–
1
1
–
1
86
–
86
112
–
112c
133
4
137
150
5
155
プロジェクト協調融資
民間融資
技術協力協調融資
直接付加価値協調融資合計
1
– = 該当データなし。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a ADBと運営または協力に関する協定に基づく協調融資。
b 複数の主体から協調融資が提供されたプロジェクトは1件と数える。
c ブルネイに対する経費請求可能な技術協力を除く。
1
2
新規の拠出としては、オーストラリアがジェンダーと開発協力基金に対し 80 万ドル、民間セクター(韓国の POSCO およびオランダの Eneco Energy Trade B.V.)が
フューチャー・カーボン・ファンドに対し 3,500 万ドル、被信託人である世界銀行が気候投資基金に 470 万ドルを拠出した。
追加拠出としては、オーストラリアが太平洋地域インフラ・ファシリティ(Pacific Region Infrastructure Facility)に対して 800 万ドル、日本が貧困削減日本基金、
日本奨学金プログラム、アジア・クリーン・エネルギー基金(クリーン・エネルギー・ファイナンシング・パートナーシップ・ファシリティに基づく)および投資
環境整備基金(地域協力・統合ファイナンシング・パートナーシップ・ファシリティに基づく)に対して 8,480 万ドル、韓国が e アジア・知識パートナーシップ基
金に対して 637 万ドル、ルクセンブルクが金融セクター開発パートナーシップ基金に対して 200 万ドル、スペインが技術協力のための協力基金に対して 70 万ドル、
スウェーデンがアジア・太平洋地域 HIV /エイズ対策協力基金に対して 512 万ドルを拠出した。
2010年の融資業務
表 9a 直接付加価値協調融資協定 a(2009 ∼ 2010 年)
(単位:百万ドル)
アジア開発銀行
42
は、ジェンダーと開発、グッド・ガバナンス、クリーン・
2010 年もナレッジ・マネジメントに関する努力を継続し、
エネルギー、金融、地域統合・協力や都市開発などの特
信用補完商品の管理に関する開発途上加盟国の能力強化
定のセクターまたはテーマに関連して ADB 自身の資金
を目的とする地域技術協力を行った。開発途上加盟国
を補完するため、グラント資金を動員して技術協力およ
なっている。2010 年、ADB はアフガニスタンにおける
8 カ国で 9 回のワークショップが開催され、各国の中央
政府および地方政府から 400 人以上の関係者が参加した。
これらのワークショップでは、参加者に対し、ADB、そ
インフラ・プロジェクトを支援するため、アフガニスタ
の他の国際開発金融機関、輸出信用機関、輸出入銀行お
ン・インフラ信託基金(Afghanistan Infrastructure Trust
よび民間保険会社が提供している信用補完商品とその利
Fund)を設立した。
ADB はまた、案件の計画および手続段階から早期か
用方法が紹介された。また、ADB はアジア輸出入銀行
フォーラムのリスク管理に関する研修プログラムに協力
つ定期的に協調融資パートナーに関与してもらうなど、
した。このプログラムは、アジア各国の輸出入銀行が信
び投資プロジェクトの一部に振り向ける重要なツールと
2010年の融資業務
業務の初期段階から協調融資を取り込む努力を継続し
用リスク評価のアプローチを調和化させ、基本的な取引
た。協調融資パートナーとのフレームワーク協定の締結
リスクとリスク・プライシングについて共通の理解を得
を通じて、ADB は将来の協調融資候補案件を効果的に
られるように支援することを目指している。
準備することを目指している。こうしたプログラム型の
アプローチにより、ADB の協調融資業務に予測可能性
がもたらされ、個別プロジェクト用協調融資協定の標準
財源の移転
化された雛型を用いて業務を合理化することが可能とな
る。
2010 年中の ADB から開発途上加盟国への純移転総額
現在、ADB は 7 件の協調融資フレームワーク協定 3 を
締結しており、今後 3 年間でソブリンおよびノンソブリ
ン業務を合わせて最大 96 億ドルの協調融資プログラム
表 10 開発途上加盟国への財源移転
(単位:百万ドル)
が予定されている。2010 年 3 月、ADB とフランス開発
2009年
庁(AFD)がパートナーシップ・フレームワーク協定お
よび協調融資フレームワーク協定を締結した。これらの
協定は、プログラム型の協調融資および民間セクターと
2010年
融資および出資
通常資本財源
融資実行額
7,898
5,944
の連携強化に加え、新たな研究活動や知識ベースの活動
元本返済a
(1,891)
(2,344)
を通じて開発プロジェクトを支援することを目的として
支払利息/手数料
(1,126)
(766)
純出資
いる。フレームワーク協定に加えて、日本の国際協力銀
純移転額
行(JBIC)の新たなイニシアチブである地球環境保全業
融資実行額
JBIC の間で 2010 年 5 月に覚書が締結された。
ADB は民間協調融資商品をさらに普及させるため、
を効果的に準備することを
目指している
3
2,897
2,201
1,571
元本返済a
(845)
(906)
支払利息/手数料
(261)
(286)
純移転額
1,095
379
小計
5,989
3,276
ADFからのグラント実行額
347
358
その他のADB特別基金からのグラントc
135
102
小計
482
460
6,471
3,736
グラントb
フレームワーク協定の締結を通じ
て、ADB は将来の協調融資業務
63
4,894
アジア開発基金
務(GREEN)に基く協調融資を促進するため、ADB と
協調融資パートナーとの
13
合計
( )= 開発途上加盟国からの財源流入。
a 3,350 万ドルの期限前返済を含む(2009 年は 670 万ドル)。
b グラントには投資と政策ベース・グラントの双方が含まれる。
c その他の ADB 特別基金には、アジア津波基金、パキスタン地震基金、地域協力・
統合基金、気候変動基金とアジア太平洋災害対応基金が含まれるが、信託基金
は含まれない。
国際協力機構(JICA)、フランス開発庁、中国輸出入銀行、韓国輸出入銀行、イスラム開発銀行、韓国開発銀行、韓国企画財政部との協調融資促進スキーム。
年次報告 2010
43
は、融資、出資およびグラントを含め、37 億ドルとなっ
は 75 億ドルであった。そのうち OCR 融資の実行額は
た。そのうち通常資本財源(OCR)借入国/投資家への
59 億ドル(79%)、ADF 融資の実行額は 16 億ドル(21%)
となった。融資返済総額は、2009 年の 41 億ドルに対し、
2010 年は 43 億ドルだった。
グラント実行総額は 5 億ドルで、うち 4 億ドル(78%)
は ADF、1 億ドル(22%)は ADB のその他の特別基金
財源純移転額は 29 億ドル(2009 年は 49 億ドル)
、アジ
ア開発基金(ADF)借入国への純移転額は 4 億ドル(2009
年は 11 億ドル)で、
ADF グラントとして 4 億ドル(2009
年は 4 億ドル)
、その他の ADB 特別基金から 1 億ドル
(2009 年は 1 億ドル)がそれぞれ供与された。財源純移
から供与された。
転額の上位 4 カ国は、インド、中国、ベトナム、パキス
融資実行総額は 2009 年の 101 億ドルに対して 2010 年
2010 年中の ADB から
開発途上加盟国への純移転総額
は、融資、出資およびグラントを
含め、37 億ドルとなった
マルチトランシェ融資ファシリティ
(MFF)およびトランシェの承認
2010 年には 12 件・計 44 億 4,000 万ドルの MFF およ
び 28 件・計 40 億 5000 万ドルのトランシェが承認された。
2009 年の実績は MFF の承認が 12 件・計 61 億 9,000 万
ドル、トランシェが 23 件・計 35 億 7,000 万ドルだった。
前年比で MFF の承認額は 28%(17 億 5,000 万ドル)減
少し、トランシェの承認額は 13%(4 億 7,800 万ドル)
増加した。
2010年の融資業務
タンであった。
第7章
中央・西アジア
アフガニスタン、アルメニア、アゼルバイジャン、
グルジア、カザフスタン、キルギス、
パキスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、
ウズベキスタン
中央・西アジア地域に対するADBの支援戦略の根幹を成すものは、交通と物流への
投資を通じた接続性の改善、エネルギー安全保障と効率性、都市サービスの改善、お
よび公共セクター改革である。電力の供給と送電に対して12億ドル以上が投入され、
同額が交通インフラに投入された。2010年には中央アジア地域経済協力プログラム
が大きな節目を迎えた。
年次報告 2010
45
ハイライト
概要
中と選択が ADB の中央・西アジアに対する支
集
援戦略の特徴である。この戦略に基づく投資の
対象は、交通と物流、エネルギー安全保障と効
率性、都市サービス、公共財政運営および改革である。
ADB はまた、民間セクター開発にも活動的であり、改革、
のための金融アクセスの拡大などに取り組んでいる。
この戦略は、融資および出資、保証、グラントと並んで、
ェ融資、およびウズベキスタンのタリマルジャン発
電・送電プロジェクトに対する 3 億 5,000 万ドルの
融資が含まれる
• 交通インフラに対して約 13 億ドルが供与され、そ
の多くはマルチトランシェ融資の形で提供された。
具体的には、アフガニスタンの地域道路プロジェク
トに 3 億 4,000 万ドル、カザフスタンの CAREC 回
クライアントのスタッフに計画策定、プロジェクト管理、
廊に 4 億 5,600 万ドル、ウズベキスタンの CAREC
モニタリングや報告に関する研修の技術協力を通じて実
回廊に 1 億 1,500 万ドルが供与された
行されている。ADB は地域協力と地域統合、環境の持
続可能性および気候変動対策にも力を入れている。
公共セクターに対する新規の融資およびグラントの
2010 年の承認総額は、カザフスタン、ウズベキスタンお
よびコーカサスにおける需要の増加を反映し、2009 年の
26 億ドルから増加して 29 億ドルとなった。契約締結額
は 16 億ドル、実行額は 15 億ドルに達した。民間セクタ
ー向け資金支援の総額は、2009 年がゼロだったのに対し、
2010 年は 3 億 5,000 万ドル近くに達した。
• CAREC プログラムの 10 年間の成果を評価した実績
調査報告書が第 9 回 CAREC 閣僚会議で発表された。
これは、同プログラムの今後 10 年間の戦略的方向
性を定める際の指針として活用される
• ソブリン融資 26 件、グラント 4 件、技術協力プロ
ジェクト 32 件が終了し、ポートフォリオの質が改
善した。契約締結額は 16 億ドルとなり、実行額は
15 億ドルに達した
ポートフォリオ管理
地域協力
中央・西アジアにおける ADB のポートフォリオの質
は引き続き改善した。これは主に、プロジェクト管理の
有効性と効率性を高め、クライアントとの協力およびク
ライアントの関与を強めるという方針を再度強調した結
果である。再構築が必要もしくはリスクのある案件につ
いては「問題解決(workout)
」を行う仕組みが整備された。
プロジェクトの延長は合意された条件の達成に基づいて
行われる。設計の簡素化、準備状況評価の厳格化、調達
およびセーフガードに関する活動の前倒しも有益であ
る。ADB は引き続き、マルチトランシェ融資を含むプ
ログラム型の資金支援形態を活用している。こうした支
援形態では分析業務を事前に行い、プロジェクトの実施
に対する集中度が高まることから、その活用によって、
デュー・ディリジェンスの強化、クライアントの対応の
迅速化、資金供与の予測可能性、およびセクター横断的
なパートナーシップの長期化が達成された。
2010 年に、中央アジア地域経済協力(CAREC)プロ
グラムは再び大きな節目を迎えた。ADB と欧州復興開発
銀行(EBRD)
、イスラム開発銀行および世界銀行を含む
パートナーは、同地域を対象とする、計 20 億ドルの運輸
プロジェクトおよびエネルギー・プロジェクトを承認した。
対象は、
カザフスタンの CAREC 回廊(ジャンビル州区間)
およびウズベキスタンのタリマルジャン発電・送電プロジ
ェクトである。キルギスとタジキスタンが 2010 年 12 月に
締結した越境輸送・交通の円滑化に関する合意に基づき、
CAREC 運輸・運送業協会連盟(CAREC Federation of
Carrier and Forwarder Association)などの貿易促進機関
が設立された。フィリピン・セブで開催された CAREC の
第 9 回閣僚会議では、担当閣僚らが今後 10 年間の域内協
力の戦略的方向性について協議した。パキスタンとトルク
メニスタンが CAREC に加盟し、加盟国数は 10 になった。
中央・西アジア
官民共同イニシアチブ、個人・法人およびインフラ整備
• 電力供給および送電に対して 12 億ドル以上の投資
が行われた。これにはパキスタンのエネルギー効率
化を対象とする 4 億 4,200 万ドルのマルチトランシ
46
アジア開発銀行
ナレッジ・マネジメント
ナレッジ・マネジメント活動は、ADB の戦略と業務に
役立つ情報を提供し、戦略と業務を支える役目を果たして
いる。パキスタンで開始した競争力の強化と構造改革に関
する分析調査がカザフスタンとウズベキスタンにも拡大さ
れた。主なインフラ・セクターにおける国別および地域全
体のセクター・ロードマップの作成にあたり、承認された
中央・西アジア
地域技術協力によって斬新的な方法が持ち込まれた。ウズ
ベキスタンの新たな福祉行政改善戦略を支援し、新たな国
別支援戦略の策定に向けた基本的分析評価を実施する技
術協力も承認された。中央・西アジア局(CWRD)は引
き続き、気候変動に関する調査や国別開発成果ブリーフを
含む、様々な知識商品に対して投資を行った。域内各国の
経済に関する定期的なモニタリングおよび報告が継続的に
行われ、駐在員事務所が主導的な役割を果たした。パキス
タンのマクロ経済モデルが実用化し、主な経済変数の予測
および具体的な政策措置の影響評価が行われた。カザフス
タンのアルマトゥイで開催されたワークショップでは、中
央・西アジア局のエコノミストが地域経済の重要な事項に
ついて討議し、国別パフォーマンス評価などの主な知識商
中央・西アジアにおけるミレニアム開発
目標(MDG)の進捗状況
• 環境 パキスタンにおけるエネルギー効率化マルチ
トランシェ融資ファシリティの枠内での最初のトラ
ンシェ、ウズベキスタンにおけるタリマルジャン発
電・送電プロジェクト、およびアゼルバイジャンに
おけるジャナブ発電プロジェクトによってエネルギ
ー効率が向上し、炭素排出量の削減が見込まれる。
パキスタンのシンド州都市プロジェクトではリサイ
クルが促進され、廃棄物処理により水質の改善が見
込まれる。キルギスのビシケク∼トルガルト道路プ
ロジェクトとイシク・クル湖水供給・衛生プロジェ
クト、およびカザフスタンのアクタウ∼ベイネウ道
路プロジェクトには、国際的に認知された資源管理
コンポーネントが含まれており、エコシステムの保
全および管理の改善が見込まれる。
• ジェンダー ADB は開発途上加盟国のジェンダーの
平等に向けた努力を支援した。具体的には、女性の
雇用を創出し、開発および意思決定における女性の
参加を促すべく、プロジェクトへのジェンダーの組
み込みを推進した。ADB の技術協力により、各国の
統計局における男性・女性別のデータ収集が改善さ
れた。こうしたデータはジェンダーに配慮した計画
の策定に重要である。
品から得られた教訓を共有し、域内諸国の経済分析に用い
る系統だったフレームワークについて合意した。
CAREC 研究所(CAREC Institute)は能力開発と研究
題を解決することに力を注ぐものとなっている。ADB
プログラムに多大な投資を行い、地域協力の推進に向け
の資金支援は全て、アフガニスタンの予算制度を通じて
た知識とスキルの強化に取り組んだ。研究所のウェブサ
提供される。ADB は、中核的インフラ・プロジェクト
イトは引き続き、CAREC 地域の経済協力に関する知識
に対する協調融資の調和化を図るため、ADB が管理す
と情報のハブとして機能している。
国別業務概要
るアフガニスタン・インフラ信託基金の設立を承認した。
ADB が支援している環状道路については、最終区間の
工事が 2011 年に開始される。ADB はまた、南北回廊に
関する業務を完了しつつあり、カブールとジャララバー
ドを結ぶ道路プロジェクトの事前準備を行った。エネル
アフガニスタン
ギー・セクターでは、ADB が支援するタジキスタンか
優先分野 ADB は、2010 年にロンドン(1 月)および
辺における配電網の拡張が進んでいる。ADB はまた、
カブール(7 月)の国際会議で確認されたアフガニスタ
へルマンドにおけるプロジェクトの準備を進めているほ
ン自身の開発課題を強く支持している。開発パートナー
か、農村部における民間銀行融資の増加を目的とする技
は、アフガニスタンが主導する優先プログラムに資金援
術協力を計画している。
らの送電線建設が完成に近づき、カブールおよびその周
助を行い、同国自身のシステムを通じて実施していくこ
とに同意した。ADB の理事会は、アフガニスタンに対
業務の効果 ADB はアフガニスタンのインフラ分野にお
するアジア開発基金からの特別配分について 2011 年と
ける最大の開発パートナーである。2010 年のポートフォ
2012 年に予定されていた段階的廃止を延期し、主に運輸、
リオはソブリン融資 19 件とグラント・プロジェクトから
エネルギーおよび灌漑を対象とする支援プログラムを継
成り、総額は 20 億 1,000 万ドルであった。治安面で危険
続することに同意した。国別支援戦略(2009 ∼ 2013 年)
があったにもかかわらず、ADB は、アフガニスタンとウ
は、インフラの不備という、政府にとって最も重要な問
ズベキスタンの国境にあるハイラタンとマザリシャリフを
年次報告 2010
47
表 11a 中央・西アジア:ソブリン融資のポートフォリオ・パフォーマンス指標(2009 ∼ 2010 年)
契約締結/約定a
国
実施中の融資件数
(2010年末現在)
実行額a
リスクのある融資
2010年
2009年
2010年
2009年
(百万ドル)
(百万ドル)
(百万ドル)
(百万ドル)
2010年
(%)
2009年
(%)
18.1
37.1
65.9
74.3
20.0
18.2
5
22.7
117.0
22.3
119.1
–
–
アゼルバイジャン
8
169.4
149.0
47.0
58.5
–
–
グルジア
5
185.6
111.1
138.3
111.4
–
–
カザフスタン
5
122.5
700.9
90.3
542.5
–
–
キルギス
6
25.0
14.1
7.8
24.0
–
–
31
833.3
1,178.9
799.1
1,093.3
19.4
21.4
アフガニスタン
パキスタン
7
2.8
40.5
37.8
67.1
14.3
–
ウズベキスタン
20
149.0
137.8
81.8
125.9
5.0
–
合計
97
1,528.5
2,486.3
1,290.2
2,216.1
10.3
9.9
タジキスタン
– = 該当データなし。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 終了済みだが当該年中に契約締結または実行が行われた融資を含む。
表 11b 中央・西アジア:ADF および特別基金を財源とするグラントのポートフォリオ・パフォーマンス指標 a
(2009 ∼ 2010 年)
国
実施中の
グラント件数
(2010年末現在)
契約締結/約定a, b
実行額a, b
リスクのあるグラント
2010年
2009年
2010年
2009年
(百万ドル)
(百万ドル)
(百万ドル)
(百万ドル)
2010年
(%)
2009年
(%)
14
29.1
194.4
170.1
45.1
28.6
15.4
アルメニア
–
–
–
–
–
–
–
アゼルバイジャン
–
–
–
–
–
–
–
グルジア
–
–
–
–
–
–
–
カザフスタン
–
–
–
–
–
–
–
11
27.7
26.7
20.4
21.2
–
–
アフガニスタン
キルギス
パキスタン
2
0.6
4.4
22.3
15.9
–
50.0
タジキスタン
6
17.2
46.2
12.2
44.2
16.7
–
ウズベキスタン
–
–
–
–
–
–
–
33
74.5
271.7
225.0
126.4
15.2
9.7
合計
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、気候変動基金(CCF)およびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)からのグラントを含む。
b 終了済みだが当該年中に契約締結または実行が行われたグラントを含む。
結ぶ重要な鉄道建設プロジェクト(75km)を完成させた。
象とする 5 億ドルのマルチトランシェ融資ファシリティ
運行の開始は 2011 年初頭に予定されている。CAREC プ
が含まれる。7 カ年計画では、
アルメニアを南北に縦断し、
ログラムは交通の接続性に対する投資を支え続けており、
グルジアの高速道路に接して黒海に達する計 550 キロの
エ ネ ル ギ ー 安 全 保 障 に つ い て も 同 様 で あ る。 ま た、
高速道路が建設される。エレバンでは都市交通網の整備
CAREC は中央アジア、南アジアと中東の地域間貿易を促
事業が継続中で、本事業は同国の他の地域にも拡大され
進している。アフガニスタンは急速にこの地域の「輸送中
る予定である。貿易金融および潜在的な開発効果の高い
継国」になりつつある。これによって安定がもたらされ、
活動を対象とする銀行向け資金支援も検討されている。
ひいては雇用と開発がもたらされると見込まれる。
業 務 の 効 果 ADB は 2009 年 に 金 融 危 機 対 策 と し て
アルメニア
8,000 万ドルの融資を行い、政府による中核的な公共支
優先分野 ADB は運輸、インフラおよび都市サービス
必要な支出の維持を支援した。
出プログラム、特に社会的セーフティ・ネットに関する
に重点を置いている。支援内容には、地域運輸回廊を対
中央・西アジア
10
アルメニア
アジア開発銀行
48
表 12a 中央・西アジア:2010 年中に承認されたソブリン案件(国別)a
(単位:百万ドル)
国
アフガニスタン
OCR
ADF
–
その他の財源
352.0
–
合計
352.0
グラント
地域送電相互接続
–
12.0
–
12.0
道路網開発投資プログラム−トランシェ2
–
340.0
–
340.0
170.0
–
–
170.0
南北道路回廊投資プログラム−トランシェ2
170.0
–
–
170.0
アゼルバイジャン
232.3
–
178.7
411.0
ジャナブ・ガス火力発電所
232.3
–
178.7
411.0
グルジア
250.0
85.0
–
335.0
アルメニア
融資
中央・西アジア
保証
融資
道路回廊投資プログラム−トランシェ2
150.0
–
–
150.0
社会サービス提供プログラム
100.0
–
–
100.0
–
85.0
–
85.0
606.0
–
68.0
674.0
持続可能な都市交通投資プログラム−トランシェ1
カザフスタン
融資
CAREC交通回廊(第1期)(ジャンビル州区間)[西ヨーロッパ∼中国西部交通回廊]投資プログ
ラム−トランシェ3
173.0
–
68.0
241.0
中央アジア地域経済協力回廊(第2期)(マンギスタウ州区間)投資プログラム−プロジェクト1
283.0
–
–
283.0
中小企業投資プログラム−トランシェ1
150.0
–
–
150.0
–
167.8
–
167.8
CAREC地域道路回廊改良(追加)
–
23.0
–
23.0
復旧・復興緊急支援
–
48.5
–
48.5
電力セクター改善
–
16.7
–
16.7
復旧・復興緊急支援
–
51.5
–
51.5
電力セクター改善
–
28.1
–
28.1
442.0
270.0
3.0
715.0
キルギス
融資
グラント
パキスタン
融資
配電強化投資プログラム−トランシェ2
242.0
–
–
242.0
パンジャブ州ミレニアム開発目標プログラム(サブプログラム 2)
–
150.0
–
150.0
シンド州成長・地方活性化プログラム(サブプログラム 2)
–
120.0
–
120.0
–
–
3.0
3.0
グラント
国家洪水緊急対応
保証
再生可能エネルギー開発セクター投資プログラム−トランシェ2
タジキスタン
200.0
–
–
200.0
–
122.0
–
122.0
グラント
地域送電
ウズベキスタン
–
122.0
–
122.0
390.0
265.0
300.0
955.0
115.0
融資
中央アジア地域経済協力回廊(第2期)道路投資プログラム−トランシェ1
小規模およびマイクロファイナンス開発(第2期)
タリマルジャン発電・送電
給水・衛生サービス投資プログラム−トランシェ2
合計
–
115.0
–
50.0
–
–
50.0
340.0
10.0
300.0
650.0
–
140.0
–
140.0
2,090.3
1,261.8
549.7
3,901.8
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、CAREC = 中央アジア地域経済協力、OCR = 通常資本財源。
a 前年度以前に承認されたプロジェクトに対する協調融資、技術協力グラントおよびマルチトランシェ融資ファシリティを除く。
年次報告 2010
49
表 12b 中央・西アジア:2010 年中に承認されたノンソブリン案件(国別)a
(単位:百万ドル)
OCR
国
融資
協調融資
保証
出資
プロジェクト
民間融資
合計
アフガニスタン
–
–
8.0
–
–
8.0
Sungas LLC社・LPG配給整備
–
–
8.0
–
–
8.0
40.0
–
–
–
–
40.0
ズヴァルトノッツ空港拡張(フェーズ 2)
40.0
–
–
–
–
40.0
アゼルバイジャン
27.0
–
–
–
–
27.0
Garadagh Cement社拡張およびエネルギー効率
27.0
–
–
–
–
27.0
グルジア
88.0
–
–
–
–
88.0
Bank Republic株式会社
20.0
–
–
–
–
20.0
株式会社Bank of Georgia
50.0
–
–
–
–
50.0
Poti Sea Port Corporation社
18.0
–
–
–
–
18.0
パキスタン
136.8
50.0
–
–
190.0
376.8
ウチ第2発電所
100.0
50.0
–
–
190.0
340.0
36.8
–
–
–
–
36.8
291.8
50.0
8.0
–
190.0
539.8
Zorlu Enerji社発電所
合計
– = 該当データなし、OCR = 通常資本財源。
a 前年度以前に承認されたプロジェクトに対する協調融資、技術協力グラントおよび貿易金融促進プログラムを除く。
アゼルバイジャン
優先分野 ADB は運輸、エネルギーおよび都市サービ
スに重点を置いて支援を行った。送配電網の改善に関す
るマスタープランが策定された。上水道・衛生プロジェ
表 13 中央・西アジア:2010 年末時点の国別累計融
資額・実行額 a, b
(単位:百万ドル)
国
融資額
実行額
地域
952.3
433.9
687.4
786.8
2,309.6
736.2
20,894.6
372.5
1,945.9
20.0
736.3
174.2
193.4
369.5
1,251.8
584.0
16,217.9
328.0
741.7
3.0
合計
29,139.3
20,599.9
アフガニスタン
アルメニア
クトを対象とする 6 億ドルのファシリティの最初のトラ
アゼルバイジャン
ンシェが実行された。
グルジア
カザフスタン
キルギス
業務の効果 東西幹線道路改良プロジェクトが完成し
パキスタン
た。これにより 6 行政区の交通量が増加し、輸送の効率
ウズベキスタン
性が高まり、経済発展が加速し、地域協力が推進される
と期待される。交通プロジェクト 3 件が実施され、うち
2 件は、5 億ドルのマルチトランシェ融資ファシリティ
の枠内によるものだった。
タジキスタン
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 地域プロジェクトの融資コンポーネントは、可能な限り各国に配分している。
b 地域固有のノンソブリン(公共および民間)セクター融資を含む。
グルジア
業務の効果 2008 年と 2009 年に 2 フェーズに分けて承
優先分野 2007 年の ADB 加盟以来、グルジア向けの
認された自治体サービス開発プロジェクトに対する
ADB の融資承認額は都市交通、自治体サービス、経済
危機対策支援などの分野で計 5 億 2,400 万ドルに達した。
ADB は、3 億ドルのマルチトランシェ融資ファシリティ
7,000 万ドルの融資により、水供給・衛生および道路改
修の質が改善し、対象範囲が拡大した。その結果、地方
政府のプロジェクト実施能力が大幅に向上した。
の枠内で都市交通サービスと環境の改善を目的とする
カザフスタン
8,500 万ドルの融資を承認し、基本的社会サービスに対
する政府支出の維持を目的とする 1 億ドルの融資を承認
した。また、民間セクター向けに 8,800 万ドルの資金支
優先分野 ADB は引き続き運輸、民間セクター・ファイ
援を承認した。
ナンスと地域協力に重点を置いて支援した。中小企業開
中央・西アジア
アルメニア
アジア開発銀行
50
表 14 中央・西アジア:2010 年末時点の国別グラン
ト承認額累計
(単位:百万ドル)
国
ADF
その他の特別基金 協調融資
合計
中央・西アジア
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
グルジア
カザフスタン
キルギス
パキスタン
タジキスタン
ウズベキスタン
地域
1,315.1
–
–
–
–
246.6
5.0
264.6
–
–
–
–
–
–
–
–
140.5
–
–
–
149.5
–
2.5
–
–
6.0
97.0
19.8
10.0
8.9
1,464.6
–
2.5
–
–
252.6
242.5
284.4
10.0
8.9
合計
1,831.3
140.5
293.6
2,265.4
景気循環相殺支援ファシリティの下で 5 億ドルの融資が
承認された。ADB の支援の結果、運輸および都市サー
ビスも改善した。
キルギス
優先分野 公共インフラ(運輸、エネルギー、都市サー
ビス)に加え、公共政策と地域協力が引き続き優先分野
となった。ADB はエネルギー・セクターの透明性と効
率性を高めることを目的に 4,500 万ドルの支援を承認し
た。また、4 月の政治不安と 6 月の紛争の影響を受けた
オシの復旧・復興を支援するため、1 億ドルの緊急支援
を承認した。
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金。
業務の効果 ADB の資金支援により、運輸インフラ、
都市サービス、税徴収および税関サービスが改善した。
表 15 中央・西アジア:2010 年末時点の国別グラン
ト実行額累計
(単位:百万ドル)
ADF
その他の特別基金a
合計
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
グルジア
カザフスタン
キルギス
パキスタン
タジキスタン
ウズベキスタン
地域
264.1
–
–
–
–
67.9
2.5
59.0
–
–
–
–
–
–
–
–
114.0
–
–
–
264.1
–
–
–
–
67.9
116.5
59.0
–
–
合計
393.5
114.0
507.5
国
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金。
a アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、気候変動基金(CCF)お
よびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)からのグラントを含む。
ADB はオシ∼グルチャ道路の 78km 区間を完成させ、
投資に対する障壁を解消する政策を支援したほか、コン
プライアンス費用を低減し、金融へのアクセスを拡大し
た。ADB は農村部の飲料水供給システムを改良した。
パキスタン
優先分野 エネルギー、運輸、都市サービス、灌漑と金
融セクターが引き続き優先分野となった。エネルギー効
率とエネルギー安全保障を改善するため、ADB は様々
な送電および発電プロジェクトに資金を提供した。また、
エネルギー・セクター・タスクフォースの設立を主導し
た。同タスクフォースは総合的なエネルギー・セクター
の復旧計画を策定中である。ADB はパキスタン初の民
間セクターによる風力発電所に対する海外からの投資資
金を動員し、ウチ発電プロジェクトに対する融資を拡大
発および CAREC 回廊(第 2 期・マンギスタウ州)を対
した。エネルギー効率投資プログラムに基づく 6,000 万
象とする 2 件・計 13 億ドルのマルチトランシェ融資ファ
ドルの第 1 トランシェにより、電力の損失と消費が削減
シリティが承認された。これら 2 件のファシリティからの
される。州レベルでは、ADB は社会サービスの提供方
最初のトランシェおよび CAREC 回廊(第 1 期・ジャン
法の改善や製造・貿易における民間セクターの役割の拡
ビル州)の第 3 トランシェが承認され、融資承認総額は
大などを通じ、公共セクターの効率化を支援した。1 億
6 億 600 万ドルとなった。CAREC 回廊(第 1 期・ジャン
ビル州)の第 3 トランシェについては、日本の国際協力機
構(JICA)から 6,800 万ドルの協調融資が提供された。
5,000 万ドルのパンジャブ州ミレニアム開発目標プログ
ラムは、健康に関するミレニアム開発目標に重点を置く
ものである。
政府がカイバル・パクトウンクワ州および連邦直轄部
業務の効果 ADB の支援は大きな開発効果をもたらす
族地域に関する戦略を策定するに当たり、危機後のニー
と予想される。マクロ・レベルでは、リスク管理システ
ズ評価が役立った。ADB は世界銀行と共に、7 月の洪水
ム(ADB の技術協力により開発された中央銀行のイン
後の被害およびニーズの評価を主導した。洪水後に予想
フレ目標設定モデル)が、最近の世界金融危機に際して
される必要物資の輸入の急増に備えるため、ADB は貿
政府によるインフレの抑制に役立った。2009 年 9 月には、
易金融促進プログラムにおけるパキスタン国内銀行向け
年次報告 2010
図 1 中央・西アジア:2009・2010 年の国別融資額
(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
アフガニスタン
図 2 中央・西アジア:2009・2010 年の国別グラン
ト承認額(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
352.0
336.4
アフガニスタン
210.0
140.0
アルメニア
アルメニア
27.0
75.0
アゼルバイジャン
アゼルバイジャン
228.8
グルジア
423.0
カザフスタン
606.0
687.0
カザフスタン
パキスタン
940.0
トルクメニスタン
トルクメニスタン
ウズベキスタン
年
400
600
800
1,000
0
1,200
75.9
101.0
アフガニスタン
アルメニア
47.1
119.1
アルメニア
47.0
58.6
年
170.1
45.1
カザフスタン
542.5
7.8
24.0
20.4
21.2
キルギス
883.7
パキスタン
1,099.6
37.8
67.1
タジキスタン
400
グルジア
90.3
キルギス
300
アゼルバイジャン
163.3
111.4
カザフスタン
200
図 4 中央・西アジア:2009・2010 年の国別グラン
ト実行額(ソブリン・ノンソブリン合計)a
(単位:百万ドル)
アフガニスタン
グルジア
100
年
年
図 3 中央・西アジア:2009・2010 年の国別融資実
行額(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
アゼルバイジャン
122.0
61.6
地域
655.0
60.0
200
3.0
タジキスタン
タジキスタン
0
35.5
パキスタン
648.8
ウズベキスタン
79.6
キルギス
88.2
44.5
キルギス
中央・西アジア
グルジア
51
22.3
15.9
パキスタン
12.2
タジキスタン
トルクメニスタン
44.2
トルクメニスタン
81.8
125.9
ウズベキスタン
0
200
年
ウズベキスタン
400
年
600
800
1,000
1,200
0
50
年
100
150
200
年
a アジア開発基金(ADF)、アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、
気候変動基金(CCF)およびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を財源とす
るグラントが含まれる。
52
アジア開発銀行
苦い果実が甘美な収穫に
ADB の灌漑システム改良イニシアチブにより、
水不足に悩まされていたタジキスタンの農民
の所得が倍増した
不足によって作物の質が落ちた時、タジキスタンに
住むソホボイ・ドドボエフ氏の 75 ヘクタールの農場
水
では、収穫が通常の 4 分の 1 にまで落ち込み、同氏は費用
事業や住宅の改善に使うお金がコミュニティの他のセクタ
ーにも浸透しつつあると感じている。
「収入が 2 倍になり、
去年、息子夫婦に家を建ててやることができました」と同
氏は述べている。
ら 2010 年にかけて実施された ADB の農業再建プロジェク
トによって給水インフラが改善され、タジキスタンの農村
部に住む貧困層の生計が大きく改善した。このプロジェク
トは 8 万 5,000 ヘクタールの灌漑農地と 47 万 1,500 人の
住民に直接的な利益をもたらしただけでなく、6 万 7,500
ヘクタールの土地および 35 万 9,000 人に間接的な利益を
もたらした。同時に、一部のコミュニティにおける飲料水
供給システムの再建も支援され、それまで安全な飲み水を
利用できなかった 8 万 7,000 人に利益がもたらされた。
プロジェクト費用 4,375 万ドルのうち、ADB はアジア
開発基金からの融資として 3,500 万ドルを提供し、残りは
政府と受益者が負担した。
プロジェクトの一部はスグド州のカイラクム貯水池で実
施され、浮き船型の水上ポンプ・ステーションから貯水地
区まで水が汲み上げられ、2 万 5,000 ヘクタールを超える
Nozim Kalandarov
中央・西アジア
を回収できるぎりぎりの値段で生産物を売ることを余儀な
くされた。
ドドボエフ氏が混合栽培している綿花、アプリコットと
野菜の危機的な水不足は過去のものとなった。2003 年か
農地に灌漑水が供給されるようになった。
水上ポンプ・ステーションやその他のインフラ施設の建
設によって劇的な変化がもたらされ、ドドボエフ氏とその
隣人たちは水を必要なだけ利用できるようになった。
ドドボエフ氏は現在、アプリコット乾燥機の購入を計画
している。それを利用すれば収穫した生の果実に付加価値
がつき、4 倍の値段で売ることができる。同氏は、農家が
農村部の貧しい人々に貴重な水を供給するポンプ・ステーション
融資枠を 5 億ドル増額した。
59% まで向上した。
業務の効果 発電・送電・配電に対する一連の長期投資
タジキスタン
により、エネルギー効率が改善し始めている。サービスの
信頼性と質が向上し、提供範囲が拡大した。2 件の道路セ
優先分野 国別支援戦略(2010 ∼ 2014 年)の優先分野
クター・プロジェクトにより、主な国道や州道、そしてカ
は交通の接続性、エネルギー安全保障と民間セクター開
イバル・パクトウンクワ州とバロチスタン州の地方接続道
発であり、地域協力がそれらを結びつける共通テーマと
路が修復され、市場や基本的サービスに対する人々のア
なっている。2010 年中に承認された大規模な送電プロジ
クセスが向上した。農村開発プロジェクトによって農村部
ェクトは、送電システムの信頼性の向上と、エネルギー
の生計が改善し、農業の生産性が向上した。ADB はプロ
効率およびエネルギー安全保障の向上を目的としてい
ジェクトの実施と運営に関するセミナーを開催し、物資・
る。EBRD の協調融資を受けた新しい道路プロジェクト
サービス・土木工事の調達について、様々な実施機関の
は、首都ドゥシャンベとウズベキスタン国境の接続性を
35 名以上にのぼる代表者の能力開発を支援した。
改善するものである。
パンジャブ州社会サービス委譲プログラムにより、同
州の保健・教育分野の平等性とアクセスに関する指標が
業務の効果 2009 ∼ 2010 年には金融危機対策支援プロ
引き続き改善し、社会サービスの提供に官民パートナー
グラムから 4,000 万ドルのグラントが供与され、重要な
シップが導入された。パンジャブ州の 10 歳以上の識字
社会的支出に対する予算が危機以前の水準に保たれた。
率 は 2001 ∼ 2002 年 の 47% か ら 2008 ∼ 2009 年 に は
ADB のプロジェクトにより、タジキスタン・アフガニ
年次報告 2010
53
インフラの修復によって変貌するグルジアの都市
上下水道・道路インフラの修復によって多く
の市民の生活が改善した
ルジアの町アハルツィヘでは、下水の漏出で道路が
損傷し、2 キロメートル(km)に渡って道路が利用
グ
不能になっていた。近くの町ケダでも、道路が荒廃し、排
水が不十分なために通行が困難になっていた。
全に陥り、漏水によって水が汚染されていた。住民のおよ
そ 3 分の 1 は水の供給を全く受けられず、それ以外の人々
は 1 日 3 時間、安全とは言えない水の供給を受けていた。
ADB 資金による改修が行われ、約 3,200 人の住民に安全
な飲み水が供給されるようになり、漏水も減少した。現在、
同市の全住民が 1 日 14 時間、
良質の水の供給を受けている。
中央・西アジア
ADB の支援により、これらの大通りが変貌した。アハル
ツィヘでは、道路と下水管の修復によってアクセスが改善
し、燃料や車の修理費用が節約されたことで、生活条件が
大幅に改善した。ケダでは、同じ自治体セクター開発プロ
ジェクトを通じ、ADB の資金で約 2km の道路が修復され、
の主要アクセス道路の状態が非常に悪く、車がほとんど通
れない状況だった。自治体インフラに向けた ADB の資金
援助で新設された道路によって、アディジェニは事実上、
外界との接続を取り戻した。
アンブロラウリ市では、上水道システムが完全に機能不
Daro Sulakauri
未舗装のぬかるんだ道や傷んだアスファルト道路の代わり
に近代的な道路と排水システムが整備された。住民は地域
の病院や幼稚園に簡単に行けるようになった。
同時に、ADB の支援によってグルジアの他の地域でも道
路の改良が行われた。例えばアディジェニの町では、3km
ADB の支援で実施されたアディジェニのインフラ改良事業
スタン間で電力の取引が可能になる予定である。
6 億 5,500 万ドルの新規融資および 6 億ドルのマルチト
トルクメニスタン
の拡大について地元銀行との協定に署名した。ADB は
ランシェ融資ファシリティを供与した。また、貿易金融
福祉改善戦略(2011 ∼ 2014 年)の策定を支援し、新た
優 先 分 野 2010 年 に は、 ト ル ク メ ニ ス タ ン に お け る
な国別支援戦略
(2012 ∼ 2016 年)
の準備作業を開始した。
ADB のプロジェクト第 1 号として、ベレケットとブジ
ュンを結ぶ南北鉄道プロジェクトが準備された。同事業
業務の効果 都市給水プロジェクトに対する 3,600 万ド
によって近隣国への往来や貿易取引が向上すると見込ま
ルの融資により、ジザク、グリスタンおよびカルシの各
れる。ADB は 2010 年 9 月、アシガバードに駐在員事務
市に飲料水が供給されるようになった。ウズベキスタン
所を開設した。トルクメニスタンは CAREC に加盟した。
の保健セクターにおける ADB 初のプロジェクトであり、
同年 12 月には、アフガニスタンを経由してパキスタン
4,000 万ドルの融資が供与された女性および児童の健康
とインドに達するガス・パイプラインに関する首脳間協
促進プロジェクトでは、全国で 1,600 人の医師と 2 万人
定が署名された。ADB は同プロジェクトの事務局を務
の看護師の再訓練が行われた結果、同国全体の妊婦死亡
めている。
率が低下した。7,500 万ドルの融資が供与され、実施が
進んでいる CAREC 地域道路プロジェクトでは、国際的
業務の効果 ADB のトルクメニスタンにおける融資業
な道路建設基準と費用効率の高い維持管理手法が導入さ
務はまだ始まっていない。
れた。3,600 万ドルの融資が供与されたアク・アルティ
ウズベキスタン
善することにより、農村部における雇用の創出と所得の
ン農業開発プロジェクトでは、水および土壌の管理を改
増加が実現した。7,300 万ドルの融資が供与され、現在
優先分野 ADB は発電、地域幹線道路回廊、水供給お
実施中のアムザン灌漑修復プロジェクトでは、アムダリ
よび衛生、および中小企業向け融資の促進を対象として、
ヤ川の沈泥が軽減されつつある。
第8章
東アジア
中国、モンゴル
ADBが東アジアにおける業務で目指しているのは、持続可能な開発と全ての人々に恩
恵をもたらす成長である。中国では、省エネルギーとクリーン・エネルギー、都市環
境の改善および天然資源の保護に向けた融資を拡大し、より環境に優しいポートフォ
リオを実現した。モンゴルでは、基本的インフラと社会サービスへの投資を支援した。
年次報告 2010
55
ジア局が初めて、技術協力プロジェクトを特定の実施機
概要
関に委任する試みを行った。ポートフォリオのパフォー
マンスは引き続き良好で、リスクのあるプロジェクトは
2
010 年 中、 中 国 で は、 国 別 支 援 戦 略(2008 ∼
2010 年)に基づく戦略的な方向転換によって、
実施中の融資の 3% 以下にとどまった。融資案件の契約
全ての人々に恩恵をもたらす環境に調和した持続
プロジェクトをタイムリーに終了させる努力が行われ
可能な開発が推進され、省エネルギーとクリーン・エネ
た。2010 年末時点のポートフォリオには実施中のグラン
締結額と実行額については目標が達成された。技術協力
トが 28 件あり、うち 16 件は ADF および特別基金を財
源とするものであった。
∼ 2015 年)が、持続可能かつ地域統合を重視した成長
および包括的な社会開発を土台とし、運輸、エネルギー、
都市開発および社会サービスへの支援を重視する内容と
ナレッジ・マネジメント
なっている。
両国において、ADB は引き続き、金融サービスに対
ナレッジ・マネジメントは東アジアにおける業務に欠
するアクセスの拡大、重要な財政支出項目と社会サービ
くことのできない要素である。中国で重視しているテー
スの支援、クリーン・テクノロジーの推進、近隣諸国と
マはマクロ経済運営、エネルギー効率、環境保護、貧困
の貿易の促進、および地域協力の強化を目的とする技術
削減と省間協力である。モンゴルでは、全ての人々に恩
協力を提供した。
恵をもたらす経済成長(特に生産性の向上)および貧困
中国における融資業務は、ソブリン融資が 11 件・計
13 億 2,088 万ドルとなった(表 19)。ノンソブリン業務
の承認総額は 5 億 8,660 万ドルとなり、これには 1,000
万ドルの出資と 3 億 2,000 万ドルの B ローンが含まれる。
モンゴルに対する資金支援としては、2 件・計 4,800 万
ドルの融資とアジア開発基金からの 4 件・計 5,000 万ド
削減(食料の安全保障を含む)を重視している。知識商
ルのグラントが供与された。これには、地域道路開発プ
ロジェクトに対する追加支援も含まれる。
モンゴルにはこれに加えて、異常気象による雪害(ゾ
ド、dzud)の深刻な影響を軽減するため、貧困削減日本
基金とアジア太平洋災害対応基金からそれぞれ 250 万ド
ハイライト
• 中国の再生可能バイオマス・エネルギー総合開発お
よび地方環境改善に 6,600 万ドルの融資を供与し、
約 1,220 万ドルのグラントを動員した
• 中国の松花江流域における給水および廃水処理施設
の改善を目的とした、1 億 4,660 万ドルを上限とす
る企業向け出資および融資を行った
ルずつが供与された。追加支援を含めた東アジアの技術
協力の総額は 3,432 万ドルとなり、うち 2,217 万ドルが
中国、738 万ドルがモンゴル、478 万ドルが地域案件に
充てられた。
• 中国元建て債券のオフショア市場の発展と ADB ノ
ンソブリン業務の支援を目的として、初の中国元建
て国際債券(12 億元)を発行した
ポートフォリオ管理
• モンゴルの異常気象の深刻な影響を軽減するため、
アジア太平洋災害対応基金から 250 万ドルのグラン
トを供与した
ADB は開発効果を高め、結果重視型のポートフォリ
オ管理を推進する努力を続けた。ADB の手続を政府の
• モンゴルの南東ゴビ県で急速に発展している炭鉱都
市および国境都市の都市インフラおよびサービスを
改善するため、1,500 万ドルのグラントを供与した
調達・承認プロセスに合わせることによって、プロジェ
クトの準備状況が改善した。ADB のセーフガード政策
文書により有効に対応するため、環境および社会面での
セーフガードを保証するプロセスが強化された。駐在員
事務所をさらに強化し、ポートフォリオ管理についての
権限移譲を進めた。一方、ADB 内部においては、東ア
• モンゴルの教育マスタープランの実施における資金
不足を埋めるため、
「万人のための教育−ファスト
ト ラ ッ ク・ イ ニ シ ア チ ブ 」
(Education for All Fast Track Initiative)から 1,000 万ドルのグラン
トを追加供与した
東アジア
ルギー、都市開発と農村開発に向けた融資が増加した。
モンゴルについては、現在策定中の国別支援戦略(2011
56
アジア開発銀行
東アジアにおけるミレニアム開発目標の
進捗
品の質を保証する措置として、知識活動の発案時の選別
審査、ピア・レビュー、および知識商品・サービスの共
同プログラムの作成が続けられた。中国とモンゴルに対
する政策助言支援を重点的に実施した。知識商品および
中国
東アジア
・ ADB は中国による環境の持続可能性の確保を支援し
ている。エネルギー・セクターでは、先端技術(天
津総合ガス化複合発電プロジェクト)および再生可
能エネルギー(甘粛省・黒河水力発電プロジェクト)
への投資により、二酸化炭素排出量の削減とエネル
ギー効率の改善が見込まれる。天然資源管理プロジ
ェクトにより、世界で特に重要な湿地帯のひとつと
される黒竜江省の三江平野湿地が保全され、陝西省・
秦嶺山脈における生物多様性の保全と管理が改善さ
れ、海河や巣湖などの重要な水系の汚染防止と水質
改善が進むと見込まれる。
・ ジェンダーの平等と女性のエンパワーメントを推進
するため、雲南省道路網総合開発プロジェクトに関
する技術協力を通じて、貧しい少数民族村落に住む
女性のために新たな経済的機会を創出している。
・ 中国は貧困削減に関する国家目標を達成したが、今
も多数の貧困層が主に内陸部に存在する。河南省持
続可能な農業および生産性改善プロジェクト、持続
可能な乾燥地農業プロジェクト、および山西省統合
農業開発プロジェクト等の農業プロジェクトは、地
方貧困層の生活改善について政府を支援するもので
ある。
サービス・プログラムの一環として、中国の第 12 次
5 カ年計画策定のための政策研究が 2 件、およびモンゴ
ルの国家開発改革委員会の助言チームに対する政策研究
支援が行われた。
ADB は中国と他の開発途上加盟国との協力を促進す
るため、知識共有プラットフォームの下で、都市開発お
よび運輸セクターの知識ハブを立ち上げた。2010 年中に
は 44 の知識商品・サービス案件が完了した。これらは
東アジア局が毎年発行している知識商品・サービス概要、
29 のワークショップ、3 件の出版物発表、および 18 の
国際会議を通じて広く共有された。持続可能な都市開発
に関する地域知識ハブについて、上海の同済大学とのパ
ートナーシップが確立された。アジア・太平洋地域にお
ける急速な都市化に対応するため、知識の交換と能力開
発を推進することがこのパートナーシップの目的であ
る。
地域協力
地域協力は引き続き中国およびモンゴルの国別支援戦
略において重要な優先事項となっている。地域協力イニ
モンゴル
・ 第 3 次教育開発プロジェクトおよび教育セクター改
革プロジェクトは、効果的な 12 カ年教育制度の開
発に貢献した。ADB はまた、貧困層のための教育−
金融危機対策プロジェクトにグラントを供与し、初
等義務教育を含む成果の保全を支援した。
・ いくつかの ADB プロジェクトに、ジェンダーの平
等および女性のエンパワーメントを推進する方策が
組み込まれた。第 3 次教育開発プロジェクトには、
ジェンダーと開発に関する実施機関の訓練および、
教科書や教員養成課程におけるジェンダーへの配慮
について現地コンサルタントを用いるコンポーネン
トが含まれている。
シアチブである中央アジア地域経済協力(CAREC)お
よびメコン河流域圏(GMS)の加盟国の間で貿易・経済
協力が促進された。国境を越えるインフラの整備および
運輸協定を通じた貿易の促進についても、引き続き進展
が見られた。CAREC 貿易促進プログラムの実施は予定
通り進んでいる。注目すべき成果としては、モンゴルと
中国の税関の協力推進、CAREC 地域共同運輸・貿易促
進委員会の設置、および交通回廊のパフォーマンスの効
果的なモニタリングなどが挙げられる。
中国、日本、韓国とモンゴルを対象とした気候変動と
低炭素戦略の経済的側面に関する地域研究が技術協力を
通じて進められている。この資金の一部は韓国国際協力
団(KOICA)から提供された。
年次報告 2010
57
表 16 東アジア:ソブリン融資のポートフォリオ・パフォーマンス指標(2009 ∼ 2010 年)
契約締結/約定a
国
中国
モンゴル
合計
実施中の融資件数
(2010年末現在)
2010年
実行額a
2009年
2010年
(百万ドル) (百万ドル)
リスクのある融資
2009年
(百万ドル) (百万ドル)
2010年
(%)
2009年
(%)
69
1,377.7
1,122.9
1,341.7
1,341.7
1.4
1.5
8
21.7
53.2
15.1
56.7
12.5
20.0
77
1,399.4
1,176.1
1,356.8
1,398.4
2.6
3.9
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 終了済みだが当該年中に契約締結または実行が行われた融資を含む。
契約締結/約定a, b
国
実施中の融資件数
(2010年末現在)
2010年
実行額a, b
2009年
2010年
(百万ドル) (百万ドル)
リスクのあるグラント
2009年
(百万ドル) (百万ドル)
2010年
(%)
2009年
(%)
モンゴル
3
13
0.6
24.5
–
16.8
0.2
18.3
–
19.1
–
7.7
–
12.5
合計
16
25.1
16.8
18.5
19.1
6.3
11.1
中国
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、気候変動基金(CCF)およびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を財源とするグラントを含む。
b 終了済みだが当該年中に契約締結または実行が行われたグラントを含む。
国別業務概要
境に調和した持続可能な開発を促進するべく、省エネル
ギーおよびクリーン・エネルギー、都市開発、農業およ
び農村開発への融資を拡大した。
中国
技術協力プログラムを通じて、財政および税制改革、
都市化、環境および気候変動に関する分析作業を支援し
優先分野 現行の国別支援戦略の優先分野は全ての人々
た。過去および実施中のプロジェクトから得られた教訓
に恩恵をもたらす成長、環境保護、民間セクター開発お
を広めるショーケース・ワークショップや、新しい実施
よび地域協力であり、付加価値をもたらし開発効果を高
機関およびプロジェクト・スタッフに対する本格的な訓
める革新、知識協力と能力開発に重点を置いている。融
練プログラムを通じて、能力開発に取り組んだ。
資およびその他の形態の支援は全て、
(気候変動を含む)
環境保護および社会的影響の観点から選別審査されてい
モンゴル
る。これは、環境に調和した持続可能かつ全ての人々に
恩恵をもたらす成長を推進するべく、中国が努力を強化
優先分野 広範囲にわたる協議プロセスを経て策定され
していることに対応するものである。 ADB と中国は次
た国別支援戦略(2011 ∼ 2015 年)は、2011 年半ばに承
期国別支援戦略
(2011 ∼ 2015 年)
の共同策定を開始した。
認される予定である。これはモンゴルの国家開発戦略に
この戦略は、ADB のストラテジー 2020 と方向性を同じ
沿ったもので、
(i)競争力のある、持続可能で、地域統
くする中国の第 12 次 5 カ年計画の優先目標を支援する
合を重視した成長、および(ii)包括的な社会開発とい
ものとなる。
う 2 つの柱を基本としている。政策・制度改革と能力開
発を通じて、民間セクターの発展を促す環境の整備に注
業務の効果 エネルギー効率、環境の改善および都市開
力する。官民パートナーシップ、地域協力およびエネル
発を対象とする 8 件のソブリン案件および 3 件のノンソ
ギー効率化を重視しつつ、運輸、エネルギーおよび都市
ブリン案件の承認により、中国向け支援ポートフォリオ
開発の分野で選択的な投資を行うことが想定されてい
のさらなるグリーン化が達成された。ADB は引き続き
る。ADB は教育セクターにおけるリーダーシップを維
戦略の方向転換を行い、全ての人々に恩恵をもたらす環
持していく。保健セクターについては選択的な役割を維
東アジア
表 17 東アジア:ADF および特別基金を財源とするグラントのポートフォリオ・パフォーマンス指標 a(2009 ∼ 2010 年)
アジア開発銀行
58
表 18a 東アジア:2010 年中に承認されたソブリン案件(国別)a
(単位:百万ドル)
OCR
ADF
その他の財源
合計
1,320.9
–
18.2
1,339.1
重慶都市・地方インフラ開発デモンストレーション
100.0
–
–
100.0
広西南西部都市開発
150.0
–
–
150.0
内モンゴル自治区環境改善プロジェクト(第2期)
150.0
–
–
150.0
再生可能バイオマス・エネルギー総合開発セクター
66.1
–
–
66.1
江西省持続可能な森林エコシステム開発
40.0
–
–
40.0
100.0
–
–
100.0
国
中国
融資
東アジア
鉄道エネルギー効率・安全強化投資プログラム−トランシェ2
29.8
–
–
29.8
第2次黒竜江省道路網開発
200.0
–
–
200.0
天津総合ガス化複合発電所
135.0
–
–
135.0
武漢都市環境改善
100.0
–
–
100.0
雲南省道路網総合開発
250.0
–
–
250.0
山東省枯渇の危険がある貯水池のリスク軽減・強化
グラント
再生可能バイオマス・エネルギー総合開発セクター
–
–
12.2
12.2
江西省持続可能な森林エコシステム開発
–
–
1.0
1.0
天津総合ガス化複合発電所
–
–
5.0
5.0
モンゴル
–
98.0
5.0
103.0
地域物流
–
40.0
–
40.0
地域道路開発(追加)
–
8.0
–
8.0
2.5
融資
グラント
雪害対策プロジェクト
–
–
第4次保健セクター開発
–
14.0
貧困層のためのインクルーシブな金融サービスの推進
–
–
2.5
2.5
地域物流開発
–
5.0
–
5.0
地域道路開発
–
16.0
–
16.0
南東ゴビ都市・国境都市開発
–
15.0
–
1,320.9
98.0
23.2
合計
–
2.5
14.0
15.0
1,442.1
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源。
a 前年度以前に承認されたプロジェクトに対する協調融資、技術協力グラントおよびマルチトランシェ融資ファシリティを除く。
表 18b 東アジア:2010 年中に承認されたノンソブリン案件(国別)a
(単位:百万ドル)
OCR
国
融資
中国
吉林省風力発電
自治体天然ガスインフラ開発(フェーズ 2)
松花江流域水質汚染抑制・管理プロジェクト・プライベート・
セクター・ファシリティ
合計
協調融資
保証
出資
プロジェクト
民間融資
合計
256.6
–
10.0
120.0
–
–
320.0
–
586.6
120.0
–
100.0
–
240.0
–
100.0
–
200.0
36.6
–
10.0
100.0
–
146.6
256.6
–
10.0
320.0
–
586.6
– = 該当データなし、OCR = 通常資本財源。
a 前年度以前に承認されたプロジェクトに対する協調融資、技術協力グラントおよび貿易金融促進プログラムを除く。
年次報告 2010
表 19 東アジア:2010 年末時点の国別累計融資額・
実行額 a, b
(単位:百万ドル)
国
中国
モンゴル
合計
融資額
実行額
24,536.6
16,366.1
774.7
653.2
25,311.3
17,019.3
図 5 東アジア:2009・2010 年の国別融資額(ソブ
リン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
1,577.5
中国
1,954.9
48.0
モンゴル
50.1
0
500
年
国
ADF
その他の特別基金
協調融資
合計
–
7.2
60.1
67.3
モンゴル
172.2
2.5
36.0
210.7
合計
172.2
9.7
96.1
278.0
中国
その他の特別基金a
合計
–
0.2
0.2
モンゴル
35.3
2.5
37.8
合計
35.3
2.7
38.0
中国
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金。
a アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、気候変動基金(CCF)お
よびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を財源とするグラントを含む。
2,500
図 6 東アジア:2009・2010 年の国別グラント承認
額(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
18.2
中国
9.9
55.0
44.2
20
年
表 21 東アジア:2010 年末時点の国別グラント実行
額累計
(単位:百万ドル)
2,000
年
0
ADF
1,500
モンゴル
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金。
国
1,000
40
60
年
図 7 東アジア:2009・2010 年の国別融資実行額(ソ
ブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
1,460.3
1,468.2
中国
15.1
58.7
モンゴル
0
200
400
年
600
800
1,000 1,200 1,400 1,600
年
持し、病院の合理化、薬品の安全および制度改革に対象
を絞って活動を行っていく。
業務の効果 モンゴルにおける ADB の業務は、新財政
安定化法の支援による財政の安定化、初等教育就学率の
回復、交通の接続性の向上、中規模都市における基本的
自治体サービスの提供、給水インフラの改善、農業関連
図 8 東アジア:2009・2010 年の国別グラント実行
額(ソブリン)a
(単位:百万ドル)
0.2
中国
18.3
19.1
モンゴル
企業の支援、および金融危機の間の社会的保護制度の支
持に貢献した。保健セクターでは、 ADB は国民健康保
険改革の法案起草、一次医療機関ネットワークの導入、
地方医療施設の効率性の改善、および公立病院のガバナ
ンスの強化を支援した。
0
10
年
20
30
年
a アジア開発基金(ADF)、アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、
気候変動基金(CCF)およびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を財源とす
るグラントを含む。
東アジア
a 地域プロジェクトの融資コンポーネントは、可能な限り各国に配分している。
b 地域固有のノンソブリン(公共および民間)セクター融資を含む。
表 20 東アジア:2010 年末時点の国別グラント承認
額累計
(単位:百万ドル)
59
60
アジア開発銀行
モンゴルの子供たちにチャンスをもたらすグラント
給付金、教科書および基本的教材の迅速な配
給により、貧しい家庭の子供たちが学校に通
い続けることが可能になった
しか買うことができなかった。
チュルーン君の両親は 2009 年の時点で「去年は数学、
国語と英語の教科書を買いましたが、今年は食料品や文房
具が値上がりしているので、3 冊の教科書すら買う余裕が
ありません」と述べていた。
学校の調査では、教科書が生徒の成績を左右する最も重
要な要因だと考えられており、多くの親にとって教科書が
学校関連の最大の出費項目であることが明らかになった。
チュルーン君の状況は、アジアのこの地域ではよく見ら
れる。ウランバートルから 1,000 キロメートル離れたザブ
1,700 万ドルのグラントにより、約 15 万人の幼稚園児に
無料給食が提供され、約 10 万人の中学生に 2009/2010
年度および 2010/2011 年度の教科書が無料で配給され、
保護者が予算不足を埋めなくてもいいように、300 を超え
る学校に対して一括給付金が供与された。
迅速な実行によって差し迫ったニーズが満たされ、児童
の栄養不良および学校からの中退の増加の防止に役立っ
た。
ハ ン 県 で は 貧 困 率 が 51% に ま で 増 加 し、 全 国 平 均 の
35.2% を大きく上回っている。チュルーン君の両親は、
実質ベースで急速に減りつつある家族の収入を補うため、
彼が一部のティーンエイジャーと同様に、店員か靴直し、
または缶やペットボトルの回収人として働かなければなら
なくのではないかと心配していた。
開発途上国の 3 分の 1 近くでは、金融危機によって貧困
率が急増したが、モンゴルもそうした国のひとつである。
その原因としては、不安定な鉱業収入に依存していること
や、既に貧困率が高かったことなどが挙げられる。金融危
機が発生する以前の 2008 年に食料と石油の価格が急騰し、
それが引き金となって 33% という高率のインフレが起き
た。貧しい家庭は食べ物を節約したり、場合によっては子
供に学校をやめさせるなどして対応した。
Kevin Hamdorf
東アジア
界金融危機の影響がモンゴルに波及する以前から、
ザブハン県に住む 9 年生、チュルーン君の両親は、
中学校で教えられている 18 科目のうち、3 科目の教科書
世
金融危機の間、脆弱な市民が質の高い教育を受け続けら
れるようにすることは非常に困難であった。しかし、ADB
は迅速に対応し、政府の負担軽減策を支援した。貧困層の
ための教育−金融危機対策プロジェクトに対する ADB の
モンゴルの子供たちのニーズを満たす迅速な行動
年次報告 2010
61
湿地を自然に帰すことがコミュニティの利益にも
中国最大の湿地帯にある農地を自然に帰す努
力により、現地コミュニティの所得が増加し、
自然保護が利益をもたらすというメッセージ
が広がった
宝慶県はほとんど影響を受けなかった。その地域では、湿
地によって小さな湿潤気候が生み出されたからです」と言
う。彼は長年にわたって、三江湿地の損傷を防ぐために毎
日見回りを行っている。1,100 万ヘクタールの面積を持つ
この湿地は中国で最大である。
「地球の腎臓」とも呼ばれる湿地は天然の貯水池であり、
洪水と干ばつを防ぐために極めて重要な役割を果たし、ひ
いては気候変動の軽減にも役立っている。中国各地では湿
地が劇的に縮小しており、その主な原因は地球温暖化、農
業 の 発 展 と 河 川 の 開 発 で あ る。 中 国 科 学 院 に よ る と、
1990 年から 2000 の間に中国の湿地の 30% 近くが消滅し、
Kan Lei
三江平野でも多くの湿地が失われた。
今日の中国では湿地の保護が進んでいる
江平野湿地保護プロジェクトによって湿地回復の手法が定
着し、地元コミュニティの福祉を改善する努力と保全計画
の統合が進んだ。
ADB はこのプロジェクトに対して 1,500 万ドルの融資
を供与し、黒竜江省を支援して、地球環境ファシリティー
から 1,214 万ドルのグラントを動員した。
農地から湿地への回復が進むなか、グリーンハウス栽培
やクリーン・エネルギーの源となるバイオマス植物など、
環境に調和した持続可能な新しい生計手段が導入され、農
家の収入が増加した。その一方で、エコツーリズム・プロ
ジェクトも収入の増加に貢献しており、重要な天然資源を
保護する上で地元コミュニティが果たせる役割についての
認識が高まっている。
遼寧省、内モンゴル自治区、湖南省、広東省、陝西省、
甘粛省と寧夏回族自治区が、黒竜江省をモデルにした保全
活動を始めた。2010 年までに、中国は 1,800 万ヘクター
ルの天然湿地(同国の全湿地面積の半分近く)を保護下に
おき、2 兆 7,000 億トンの淡水を貯める 550 の貯水池を
指定した。
東アジア
ン・ユボ氏は、2007 年に三江平野湿地のある黒竜江
省北西部を襲った深刻な干ばつのことを忘れること
ができない。
集賢県では、トウモロコシの葉に簡単に火をつけられる
ほど農地が乾ききった。48 歳のユボ氏は、
「それでも隣の
ソ
国家湿地保全行動計画を指針として、黒竜江省は 2003
年に中国初の湿地規制を公布した。湿地の回復は当時の中
国では新しい概念だった。しかし、2005 年に始まった三
第9章
太平洋
クック諸島、フィジー諸島、キリバス、
マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、ナウル、パラオ、
パプアニューギニア、サモア、ソロモン諸島、
東ティモール、トンガ、ツバル、バヌアツ
太平洋地域の開発途上加盟国14カ国に対するADBの支援は、引き続き太平洋支援戦
略(2010∼2014年)に基づいて実施されている。ADBの支援は、生活水準の向上、
経済の回復力の構築、民間企業の成長の促進、および公共セクターの効率性の向上に
貢献している。また、開発パートナーおよび政府機関とのハイレベル協議を積極的に
推進した結果、地域協力が強化された。
年次報告 2010
概要
63
ハイライト
• 太平洋地域支援戦略(2010 ∼ 2014 年)を実施す
るため、新たな地域別支援業務計画を策定した
平洋地域における開発途上加盟国 14 カ国に対
太
し、ADB は引き続き、経済・社会インフラを
• キリバスとパプアニューギニアに対する新しい国別
支援戦略を承認した
整備し、公共政策とガバナンスを強化し、民間
セクターの成長を推進することによって、生活水準を引
き上げ、経済力を高める支援を行っている。
Approach 2010-2014)は、太平洋地域の脆弱性を重視し、
成長と開発を支える政策・制度の強化、政府の中核機能
• 加盟国が 2015 年までの気候変動対策投資および行
動計画を策定・実施する際の枠組みとして、太平洋
地 域 の た め の 気 候 変 動 対 策 実 施 計 画(Climate
および可能な場合にはサービスのアウトソーシングの強
化、そして同地域における ADB 業務の有効性の一層の改
善を引き続き追求する内容となっている。脆弱な国およ
Change Implementation Plan for the Pacific)を
び紛争の影響を受けた国に対する ADB のアプローチが、
作成した
太平洋地域の特殊事情に対応する上で役に立っている。
地域協力
ポートフォリオ管理
開発パートナーと定期的なハイレベル協議を行い、
太平洋地域における地域事務所および駐在員事務所の
ADB 業務に関して主要な技術機関と提携することを通
能力の向上を受けて、融資 3 件、グラント 2 件および関
じて、地域協力・調整を引き続き強化した。これには、
連する技術協力プロジェクト 1 件が移管され、移管され
ケアンズ・コンパクト(Cairns Compact)の実施に対す
たポートフォリオは全体の 60% を超えた。これにより、
る従来からの取り組みも含まれる。
太平洋地域の開発途上加盟国の関与を高め、プロジェク
表 22 太平洋地域:ソブリン融資のポートフォリオ・パフォーマンス指標(2009 ∼ 2010 年)
契約締結/約定a
国
実施中の融資件数
(2010年末現在)
2010年
実行額a
2009年
(百万ドル) (百万ドル)
2010年
リスクのある融資
2009年
(百万ドル) (百万ドル)
2010年
(%)
2009年
(%)
クック諸島
2
23.9
1.6
10.6
(0.3)
–
25.0
フィジー諸島
4
23.0
17.0
16.7
5.3
–
25.0
キリバス
1
–
–
–
–
–
–
マーシャル諸島
1
10.0
–
10.0
–
–
–
ミクロネシア連邦
2
2.3
0.8
1.1
0.8
–
–
ナウル
–
–
–
–
–
–
–
パラオ
2
–
–
–
–
–
–
14
30.0
23.6
27.9
17.4
–
–
サモア
4
29.4
5.1
25.6
6.3
–
–
ソロモン諸島
–
–
–
–
–
–
–
東ティモール
–
–
–
–
–
–
–
トンガ
–
–
–
–
–
–
–
ツバル
2
0.02
0.1
0.3
0.4
100.0
–
バヌアツ
–
–
–
地域
–
0.002
0.05
合計
32
パプアニューギニア
118.6
– = 該当データなし、( )= 負数。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 終了済みだが当該年中に契約締結または実行が行われた融資を含む。
48.2
–
–
–
–
0.2
0.4
–
–
92.3
30.4
6.3
6.7
太平洋
• 2010 年中に、経済復興と公共セクター改革を目的
とする、マーシャル諸島、サモアおよびソロモン諸
島向けのプログラム融資およびグラントを承認した
太 平 洋 地 域 支 援 戦 略(2010 ∼ 2014 年 )
(Pacific
64
アジア開発銀行
トのモニタリングをより綿密に行うことが可能となり、
期待される成果を達成できる可能性が高まった。ポート
フォリオ・パフォーマンスは 2010 年に大幅に改善し、
年間目標を上回った。ソブリン融資の契約締結額と実行
額は、それぞれ年間予想額の 115%、147% に達した。
これは 2009 年の実績の 2 倍を超える。アジア開発基金
およびアジア太平洋災害対応基金からのグラントについ
太平洋
ては、契約締結額と実行額がそれぞれ 2010 年予想額の
102%、92% となった。1 億 2,000 万ドルのグラント資
金により実施されている技術協力プロジェクトは 71 件
あり、その対象はプロジェクト準備、政策および助言、
ならびに能力開発であった。
国別業務概要
クック諸島
優先分野 ADB は国別支援戦略を持続可能な国家開発
計画(2007 ∼ 2010)
(National Sustainable Development
Plan, Te Kavenga Nui)と整合させ、環境に調和した持
続可能な経済開発に注力した。国別支援戦略が意図する
太平洋地域におけるミレニアム開発目標
の進捗
• 新太平洋共同体(Pacific Community)事務局およ
びその他の開発パートナーと共に、ADB は、太平洋
地域の開発途上加盟国によるミレニアム開発目標
(MDG)達成に向けた進捗の管理を支援した。地域
全体を通じて実施した家計収支、人口動態および健
康に関する調査が、政策立案者による MDG 達成度
のモニタリングに貢献した。これらの調査結果はま
た、域内の島民や、特に脆弱な人々の健康と福祉を
どのように改善すべきかという点で、重要な政策上
の指針を提供した。
• ADB は東ティモールにおいて、MDG 第 7 目標(安
全な飲料水と衛生施設の継続的確保)に対する貢献
として、ディリの上水道システムを修復し、約 3 万
5,000 人の住民に対する 24 時間給水サービスを実
現した。また、2 都市の上水道システムを修復し、
最大 3 万人の住民の給水・衛生サービスに対するア
クセスを改善した。MDG 第 1 目標(極度の貧困と
飢餓の撲滅)については、魚の養殖および小規模ダ
ムの建設と維持管理を通じて約 4,000 人の雇用機会
を創出することで、その達成に貢献した。
アウトカムは、経済・社会インフラおよび公共サービス
の改善である。
業務の効果
ADB は技術協力を通じて、国全体におけ
るインフラ・サービスの改善を目的とするインフラ・ガ
バナンス・フレームワークの政府による実施を支援して
いる。2010 年にはアヴァティウ港整備プロジェクトの設
計が完成し、契約が締結された。経済復興支援プログラ
• トンガでは、ヌクアロファの上水道、衛生および排
水システムの改善および関連サービスに対する約 3
万 5,000 人のアクセスの改善を通じて、MDG 第 7
目標に貢献した。
• サモアでは、MDG 第 7 目標に対する貢献として、
人口約 6 万の都市アピアにおいて、中心部の商業地
区を対象とする同国初の下水道システムと下水処理
近々開始される予定であり、貧困層および脆弱な人々に
場を建設し、同市における洪水対策と排水施設を改
善した。また、アピアの上水道・衛生・排水マスタ
ープランの実施を支援し、関連サービスに対する住
民のアクセスを改善した。MDG 第 1 目標について
は、ADB は補助金付きの簡易衛生施設を約 1,000
対する基本的公共サービスの継続を図っていく。地域技
の低所得世帯に提供している。
ムを通じて、ADB は構造改革、ガバナンスの改善およ
び責任ある財務運営の維持を支援した。また、水セクタ
ーにおける公共投資の増加を通じた経済活性化計画が
術協力により、クック諸島は、財政管理モデルの開発と
内部監査の改善を通じて財政管理能力を強化することが
できた。
• パプアニューギニアではヒト免疫不全ウイルス
(HIV)の流行が引き続き問題になっており、ADB
はこれについても支援を提供している。
フィジー諸島
業務の効果
スヴァ∼ナウソリ上下水道整備プロジェク
優 先 分 野 ADB の 業 務 は 全 て 2007 年 に 採 択 さ れ た
トにより、上下水道サービスが引き続き改善された。漏
「Approach to Reengagement」
(再関与へのアプローチ)
水による損失を減らすため、給水本管 56 キロメートル
に基づいて行われており、道路、給水および緊急対策の
(km)
、配水接続管 8,000 箇所、および水道メーター 1 万
分野でプロジェクトが実施されている。
箇所の修理または取り替えが行われた。
年次報告 2010
65
表 23 太平洋地域:ADF および特別基金を財源とするグラントのポートフォリオ・パフォーマンス指標 a
(2009 ∼ 2010 年)
契約締結/約定a, b
実施中のグラント件数
(2010年末現在)
国
2010年
実行額a, b
2009年
2010年
(百万ドル) (百万ドル)
リスクのあるグラント
2009年
(百万ドル) (百万ドル)
2010年
(%)
2009年
(%)
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
キリバス
–
–
–
–
–
–
–
マーシャル諸島
–
–
–
–
–
–
–
ミクロネシア連邦
–
–
–
–
–
–
–
ナウル
–
–
–
–
–
–
–
パラオ
–
–
–
–
–
–
–
パプアニューギニア
1
1.4
2.0
3.6
2.6
–
–
サモ
3
4.2
4.4
2.5
3.9
–
–
ソロモン諸島
6
21.2
3.7
10.4
1.0
–
–
東ティモール
2
6.6
1.0
1.5
3.3
–
–
トンガ
2
14.0
0.7
5.7
1.0
–
–
ツバル
1
0.0
3.2
0.0
1.2
–
–
バヌアツ
–
–
–
–
–
–
–
地域
1
0.3
0.7
0.9
2.2
–
–
合計
16
47.6
15.7
24.6
15.2
–
–
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、気候変動基金(CCF)およびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を財源とするグラントを含む。
b 終了済みだが当該年中に契約締結または実行が行われたグラントを含む。
業務の効果 ADB はプログラム融資を通じ、民間銀行
キリバス
からの高金利ローンの返済によるマーシャル・エネルギ
優先分野 ADB と政府の間で合意された国別支援戦略
ー公社(Marshalls Energy Company)の再建計画を支援
(2010 ∼ 2014 年)は、公共財政運営および持続可能な
した。これによって資金的な余裕ができた同社は、必要
インフラ・サービスの改善を支援する内容となっている。
に迫られていた修理やメンテナンスを行い、首都マジュ
業務の効果
改善することができた。ADB は 2010 年 10 月に開催さ
ロの大多数の家庭に提供している給電サービスを維持・
公営企業の経営とパフォーマンスを改善
し、中期的財政フレームワーク(Medium-Term Fiscal
れた開発パートナー会合に対して資金面・技術面で支援
Framework)の採択を通じて財政計画を強化することを
を提供した。
目的として、技術協力を通じた能力開発が進んでいる。
これは、人口の 42% を超える人々に提供される公共サー
ミクロネシア連邦
ビスの改善に貢献している。プロジェクト支援により、
空港から行政の中心地であるバイリキを通じてベチオ港
に達する道路網の修復と改良が行われる予定である。
優先分野 公共セクターの能力開発、公共セクター改革
を推進するためのコミュニティ協議・参画プログラムな
ど、経済運営とアカウンタビリティの強化に引き続き重
マーシャル諸島
点が置かれた。ADB は連邦および州レベルの対話を増
やし、ヤップ州とチューク州のインフラ(特にエネルギ
優先分野 政府は 2009 年 3 月に ADB に対する融資返済
ーおよび再生可能エネルギー)に注力した。承認された
滞納金を清算し、その後の返済もきちんと履行している。
国別支援業務計画(2011 ∼ 2013 年)では、これら 2 州
承認された国別支援業務計画(2010 ∼ 2012 年)には、
のエネルギー・セクター開発を支援する融資および能力
1 件のプログラム融資および、マクロ経済および財政運営、
開発に向けた技術協力が予定され、引き続き政策対話を
民間セクターと人材の育成および環境保護・気候変動対
強化する方針が掲げられている。
策を支援する複数の技術協力プロジェクトが含まれる。
太平洋
クック諸島
フィジー諸島
アジア開発銀行
66
表 24 太平洋地域:2010 年中に承認されたソブリン案件(国別)a
(単位:百万ドル)
OCR
ADF
–
12.0
20.6
32.6
道路修復
–
12.0
20.6
32.6
マーシャル諸島
–
9.5
1.8
11.3
–
9.5
–
9.5
–
–
1.8
1.8
12.6
3.4
–
16.0
水セクター改善プログラム
12.6
3.4
–
16.0
パプアニューギニア
40.9
29.4
6.0
76.3
国
キリバス
その他の財源
合計
融資
融資
太平洋
公共セクタープログラム(サブプログラム 1)
グラント
貧困家庭のためのエネルギー供給改善
パラオ
融資
融資
–
13.0
–
13.0
40.9
16.4
–
57.3
マイクロファイナンスの拡張
–
–
6.0
6.0
サモア
–
16.0
–
16.0
経済復興支援プログラム(サブプログラム 1)
–
16.0
–
16.0
ソロモン諸島
–
17.0
60.6
77.6
経済復興支援プログラム(サブプログラム 1)
–
5.0
–
5.0
第2次道路改良(セクター)(追加)
–
–
0.6
0.6
運輸セクター開発
–
12.0
60.0
72.0
地域
–
–
3.0
3.0
マイクロファイナンスの拡張
都市電化投資プログラム−トランシェ1
グラント
融資
グラント
グラント
–
–
3.0
3.0
53.5
87.3
92.0
232.8
太平洋地域における脆弱者の社会的保護(クック諸島、マーシャル諸島、トンガ)
合計
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源。
a 前年度以前に承認されたプロジェクトに対する協調融資、技術協力グラントおよびマルチトランシェ融資ファシリティを除く。
オムニバス・インフラストラクチャー整備
た後、ADB はナウルの新しい国家持続的開発戦略と歩
プロジェクトにより、極めて重要な水供給、衛生、電力
調を揃えて、インフラおよび公共政策の改善に向けた活
インフラの復旧を支援した。経済運営およびアカウンタビ
動を強化した。
業務の効果
リティの強化を目的とする技術協力を通じて、全 4 州の
財務局の職員に研修を提供し、財政および予算のパフォ
業務の効果
ーマンス管理に関する政府の能力を強化した。技術協力
パフォーマンスを管理する政府の能力を強化し、国営企
の結果、チューク州教育局が全ての利害関係者を主導し、
業のサービスを改善し、インフラ・ニーズの優先順位付
同州の教育制度を改革する合同プログラムを進めている。
けを行った。
技術協力プログラムにより、財政と予算の
公共セクターおよび教育制度の改革に関する協議には、
コミュニティ団体やウェノ島の生徒などが参加した。
ナウル
パラオ
優先分野 ADB と政府が策定した国別支援戦略は、公
共セクターの有効性の改善、民間セクター開発の促進、
優先分野 2008 年 5 月に ADB の活動への関与を再開し
安全な水および衛生サービスの提供、および気候変動対
年次報告 2010
表 25 太平洋地域:2010 年末時点の国別累計融資額・
実行額 a, b
(単位:百万ドル)
国
融資額
実行額
38.2
317.3
214.5
キリバス
27.1
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
フィジー諸島
表 27 太平洋地域:2010 年末時点の国別グラント承
認額累計
(単位:百万ドル)
ADF
国
その他の特別基金 協調融資a
合計
クック諸島
–
–
–
–
フィジー諸島
–
–
–
–
13.7
キリバス
–
–
–
–
87.6
74.1
マーシャル諸島
–
–
1.8
1.8
75.1
48.2
ミクロネシア連邦
–
–
1.0
1.0
ナウル
5.0
2.3
ナウル
–
–
–
–
パラオ
16.0
–
パラオ
–
–
–
–
1,342.3
773.9
パプアニューギニア
15.0
–
25.4
40.4
パプアニューギニア
175.4
140.2
サモ
23.5
1.0
25.2
49.7
ソロモン諸島
79.3
65.8
ソロモン諸島
51.3
–
48.1
99.4
東ティモール
–
–
東ティモール
62.0
–
3.0
65.0
トンガ
57.8
52.3
トンガ
21.3
–
–
21.3
ツバル
7.8
7.9
ツバル
3.2
–
–
3.2
51.3
49.0
–
–
–
–
1.5
1.6
地域
8.0
–
3.0
11.0
2,298.5
1,481.8
合計
184.4
107.4
292.7
サモ
バヌアツ
地域c
合計
バヌアツ
– = 該当データなし。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 地域プロジェクトの融資コンポーネントは、可能な限り各国に配分している。
b 地域固有のノンソブリン(公共および民間)セクター融資を含む。
c 2009 年に報告された数値は、太平洋地域固有の実行額を反映するように調整
し、ノンソブリン業務による地域向け実行額を除外している。
1.0
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金。
a ADB が管理していない協調融資は除く。
険および医療費積立制度の導入を支援した。これによっ
表 26 太平洋地域:2010 年末時点の国別グラント実
行額累計
(単位:百万ドル)
ADF
国
その他の特別基金a
合計
クック諸島
–
–
–
フィジー諸島
–
–
–
キリバス
–
–
–
マーシャル諸島
–
–
–
ミクロネシア連邦
–
–
–
ナウル
–
–
–
パラオ
–
–
–
10.3
–
10.3
パプアニューギニア
て医療サービスが改善した。また、技術協力を通じて、
国家開発戦略を実施するために必要な、省庁の予算計画
策定および財政管理に関する能力を強化した。これによ
って、政府が国民に対し、より効率的にサービスを提供
できるようになった。
パプアニューギニア
優先分野
国別支援戦略(2011 ∼ 2015 年)は、政府の
開発戦略計画(2010 ∼ 2030 年)と歩調を揃え、電力セ
5.9
1.0
6.9
クターを含むインフラ支援の規模を拡大し、保健セクタ
ソロモン諸島
11.7
–
11.7
ーおよびマイクロファイナンスにおける業務を拡大する
東ティモール
11.5
–
11.5
トンガ
7.2
–
7.2
ことを目指している。公共財政運営の改善も引き続き重
ツバル
1.2
–
1.2
–
–
–
サモ
バヌアツ
地域
7.0
合計
54.8
–
1.0
視されている。
7.0
業務の効果 ADB は 2010 年中に、山岳地域の幹線道路
55.8
網 117km の修復と改良に対して資金支援を行った。各コ
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金。
a アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、気候変動基金(CCF)お
よびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を財源とするグラントを含む。
ミュニティから市場、学校や医療施設への移動時間が短
縮されたことで、およそ 40 万人が受益したと推定され
ている。ADB の支援を受けて成功している革新的な保
策に取り組む内容となっている。
健プロジェクトは引き続き、地方における HIV の予防・
管理を含む保健サービスの提供に対する民間セクターの
業務の効果
技術協力により、パラオ政府による健康保
参画を支援している。2010 年には、100 カ所を超える地
太平洋
55.0
クック諸島
67
68
アジア開発銀行
図 9 太平洋地域:2009・2010 年の国別融資額
(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
クック諸島
図 10 太平洋地域:2009・2010 年の国別グラント承
認額(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
クック諸島
10.0
フィジー諸島
フィジー諸島
67.4
12.0
キリバス
キリバス
9.5
マーシャル諸島
1.8
マーシャル諸島
太平洋
ミクロネシア連邦
ミクロネシア連邦
ナウル
ナウル
16.0
パラオ
パラオ
70.3
パプアニューギニア
145.0
16.0
サモア
6.0
2.0
パプアニューギニア
サモア
ソロモン諸島
ソロモン諸島
東ティモール
東ティモール
トンガ
トンガ
ツバル
ツバル
バヌアツ
1.0
17.6
29.0
49.0
10.0
バヌアツ
0
20
40
年
60
80 100
120 140
160
3.0
地域
0
年
20
年
図 11 太平洋地域:2009・2010 年の国別融資実行額
(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
クック諸島
10.6
16.7
年
図 12 太平洋地域:2009・2010 年の国別グラント実
行額(ソブリン)a
(単位:百万ドル)
フィジー諸島
5.3
キリバス
キリバス
10.0
マーシャル諸島
マーシャル諸島
1.1
0.8
ミクロネシア連邦
ミクロネシア連邦
ナウル
ナウル
パラオ
パラオ
27.9
パプアニューギニア
35.4
25.6
サモア
2.6
2.5
サモア
6.3
ソロモン諸島
東ティモール
東ティモール
トンガ
トンガ
0.3
0.4
ツバル
3.6
パプアニューギニア
ソロモン諸島
3.9
10.4
1.0
1.5
3.3
5.7
1.0
ツバル
バヌアツ
1.2
バヌアツ
0.2
0.4
地域
-10
60
クック諸島
(0.3)
フィジー諸島
40
0
年
0.9
地域
10
20
30
40
2.2
0
10
年
年
20
年
a アジア開発基金(ADF)、アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、
気候変動基金(CCF)およびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を財源とす
るグラントを含む。
年次報告 2010
69
太平洋
サモアでは、ADB の 2,800 万ドルの融資が、金融危機と 2009 年の津波被害からの回復に貢献している
方保健施設(うち 40 カ所は HIV テスト施設を含む)を
ソロモン諸島
改善し、50 人以上の医療従事者に研修を提供した。これ
により、一次医療サービスを利用できる人の数が大幅に
優先分野
増えた。妊婦による HIV 新規感染の発生率は 2007 年の
引き続き輸送インフラの改善と民間セクターの開発に重
0.85% から 2010 年には 0.54% に低下した。
点が置かれた。
サモア
暫定国別支援戦略(2009 ∼ 2011 年)では、
業務の効果 緊急支援プログラム(2007 年に発生したソ
ロモン諸島地震津波被害への対策)に基づくギゾ島、西
優先分野 ADB の国別支援戦略はサモア開発戦略(2008
部州およびショアズール島の被災地における復興業務が
∼ 2012 年)に沿った内容となっている。戦略の優先分
進展した。免許制海運プロジェクト(franchise shipping
野には、公共サービスの改善、インフラのボトルネック
project)が開始され、ソロモン諸島海上保安庁(Solomon
Islands Maritme Safety Administration)が業務を開始し
た。国家交通基金(National Transport Fund)の規則が
の除去、および民間セクターの開発が含まれる。
業務の効果 2010 年、ADB は 1,600 万ドルの経済復興
官報で公示され、ソロモン諸島道路改良プロジェクトに
支援プログラム融資を承認した。これは、世界金融危機
基づくマキラ島での工事が始まった。ADB は引き続き、
の影響と 2009 年 9 月の津波による被害からの回復を支
政府による会社法の施行と法人登記制度の制定を支援し
援することを目的としている。プログラムでは、社会サ
た。
ービスに対する支出を維持することによって、女性や失
業者を含む脆弱なグループを保護していく。政府は構造
東ティモール
改革と公共財政運営の改革を継続している。2010 年は降
雨量が多かったが、アピアでは例年のような洪水が発生
優先分野 ADB の優先分野には、インフラ、金融への
しなかった。これは、衛生・排水プロジェクトの一環と
アクセス、行政、およびインドネシアと東ティモールの
して実施された排水工事によるものである。このプロジ
国境を越えた連携が含まれる。また、援助情報管理シス
ェクトにより、100 の浄化槽が設置され、アピア中部の
テムと大型インフラ・プロジェクトの促進にかかる技術
100 を超える下水道利用者が新しい圧力式下水道システ
協力が承認された。
ムに接続された。
業務の効果
オーストラリア政府の協調融資を受けたイ
ンフラ・プロジェクト管理に関する期間 4 年・1,800 万
70
アジア開発銀行
東ティモール銀行セクターへの支援
ADB の支援を受け、東ティモール・マイクロ
借入人には女性団体も多い。ヴァージア・ダ・コスタさ
んは、2004 年に女性貯蓄団体から初めて受けた 50 ドル
の融資のことを今も覚えている。彼女はそれを元手にして、
ディリ郊外のベコラ村に食品雑貨店を開いた。
「貯蓄団体
から、IMfTL のマイクロローン制度のことを聞きました」
ファイナンス機構は同国初の現地資本商業銀
行となることを目指している
と彼女は言う。ダ・コスタさんと夫のフヴィナル・デ・ヘ
スス氏はその後、IMfTL の融資を得て事業を拡大すること
ィモール・マイクロファイナンス機構(IMfTL)からの融
ができた。
資が、彼の事業を成功させるために必要な触媒となった。
今日、彼の会社はオーストラリア製の電動のこぎりを含
む高性能機器を備え、4 名のフルタイム従業員と 2 名のパ
2010 年、夫婦は、それまで賃貸していた店を、自己資
金で建てた新築ビルに移転した。新しい店には広い倉庫が
ついている。
ヘスス氏は「妻がいなければ、IMfTL が私たちのような
小企業を支援しているとは分からなかったでしょう」と言
う。
「今、私たちは 7 人の子供の教育費を払うことができ、
ートタイム従業員を雇用している。
以前ホテルの清掃員をしていた 40 歳のデ・アラウホ氏
は「雇われて働くよりも、自分の事業を運営する方がずっ
といい」と述べている。通訳を務めたのは IMfTL のフィー
事業を拡大して小型スーパーマーケットにすることを考え
ています。
」
ルド・オフィサーであるイザイアス・ペレイラ・ヌネス氏だ。
IMfTL は 2001 年、ADB が管理するマイクロファイナン
ス開発プロジェクトの下で創設された。2008 年 12 月に
は所有権が東ティモール政府に移転され、政府は現在、そ
のステータスを銀行類似会社から純然たる商業銀行に格上
げしようとしている。これが実現すれば、IMfTL は東ティ
モール初の現地資本銀行となる。
IMfTL の業務計画を作成したコンサルタントのパット・
リスク氏は、ドナーからの資金援助を受けなくなってから
2 年が経過した現在、IMfTL の財務状態は健全だと述べて
いる。2010 年 6 月末時点の総融資残高は 650 万ドル、総
預金残高は約 340 万ドルだった。
Samisoni Pareti
太平洋
レメント・デ・アラウホ氏が 2002 年に木工・建具
業を始めた時、貯金は 500 ドルしかなかった。東テ
ク
IMfTL の融資のおかげで拡大しつつある工場
ドルの技術協力の一環として、インフラ省職員の海外留
業務の効果 ADB の都市総合開発プロジェクトは引き
学プログラムが開始された。ADB の支援を受け、東テ
続き、ヌクアロファ周辺の排水溝や街路を清掃するため
ィモール・マイクロファイナンス機構は同国初の現地資
のジェット/バキューム式街路清掃車およびスイーパー
本商業銀行となるためにさらに一歩を踏み出した。
(上記
式街路清掃車の提供を通じて、環境の改善に貢献した。
囲み記事「東ティモール銀行セクターへの支援」参照。
)
道路の拡幅および排水施設と歩道の建設工事が始まり、
200km を超える国道および首都ディリの上水道インフラ
の修復に向けた準備が続けられ、土木工事は 2011 年に
この事業の受益者はヌクアロファおよびその他の対象地
開始される予定である。
ラム・グラントの最初のトランシェ(500 万ドル)が
トンガ
等教育と保健分野における社会サービスの水準を維持す
優先分野 ADB の国別支援戦略では、総合的な都市イン
強化する技術協力を通じて経済運営を支援し、中期的な
フラ開発、健全なマクロ経済・財政運営および民間セクタ
予算の枠組みの構築を通じて予算作成プロセスを支援し
ーの開発を重視している。国別支援戦略は現在も国家戦
ている。
域の住民の約 32% にのぼると見られる。経済支援プログ
2010 年に実行され、世界金融危機対策として、政府が初
るのに役立った。ADB は引き続き、政策と計画策定を
略計画フレームワークの目標に沿った内容となっている。
年次報告 2010
71
タンス預金から銀行預金へ
ADB は地方住民の金融サービスへのアクセスを改善す
るため、バヌアツ政府に 60 万ドルのグラントを供与した。
地方に対する NBV のアウトリーチ活動の一部をなすこの
グラントは、2004 ∼ 2006 年に実施され、バヌアツの地
ADB の支援を受けたバヌアツ国立銀行が遠隔
地コミュニティに金融サービスを提供している
方金融およびマイクロファイナンス・サービスの拡大に成
功したプロジェクトの延長である。NBV は支店数を増や
しており、全国で 154 名のマイクロファイナンス担当者
が業務を行っている。
2008 年にも、NBV は ADB の資金を得て、支店で対応
できない地方のコミュニティのために、携帯電話によるモ
バイル・バンキング・システムを導入した。
NBV のサービス網を群島全体に広げ、より多くの人が
金融システムにアクセスできるようにするという困難な課
題が、ADB の支援により解決された、とアルフリ氏は言う。
ら支援を得ることができ、1993 年に最初の融資を受けた。
ニキアウ氏のような借入人は、他の多くの人に比べれば
ずっと恵まれている。地元に銀行がなく、支店から遠く離
れた場所に住む多くの人々は、仕方なくミロ(チョコレー
ト味の健康ドリンク)の空き缶に現金を入れ、家の近くに
埋めている。
ミロの缶に入れたせいで傷んでしまった貨幣の写真が、
ミロの空き缶を使ったタンス預金は、近いうちに過去のも
のになるかもしれない。
ラムは、より良いビジネス慣行や銀行の利用方法を人々に
教えている。
NBV の地方金融部門の責任者であるジョン・アルフリ氏
は「私共が提供している銀行の利用に関する助言と教育は、
高く評価されているようです」と述べている。
「貯蓄の論理
や、融資を受けるにはまず銀行に口座を開設しなければな
らないということを、理解してもらえるようになりました。
」
Samisoni Pareti
NBV が 2010 年 5 月に立ち上げた金融教育プログラムの
マ ニ ュ ア ル に 載 っ て い る。ADB と 英 連 邦 事 務 局
(Commonwealth Secretariat)が支援したこの教育プログ
一歩前進−バヌアツで融資を受けたハリー・ニキアウ氏(左)
ツバル
バヌアツ
優先分野 ADB の国別支援戦略はツバルの持続可能な
優先分野 国別支援戦略
(2010 ∼ 2014 年)
の優先分野は、
開発のための国家戦略(2005 ∼ 2015 年)に沿った内容
運輸、都市開発とエネルギーである。同戦略は、規制環
となっている。国別支援戦略の優先分野は、財政運営の
境の改善、金融に対するアクセスの拡大および国有企業
強化と公営企業改革の支援である。
の改革を通じて民間セクターを強化することを目指して
いる。
業務の効果 2010 年、ADB は引き続き財政運営および
公営企業改革に関する技術協力を提供し、政府による世
業務の効果 ADB は引き続き、地方における金融アク
界金融危機への対応を支援した。また、この支援により、
セスの拡大、金融サービス委員会の組織的枠組みの強化、
将来の外的ショックに対する政策立案者の対応能力が高
会社法と破産法の改革、会社登記制度の近代化、および
まると期待される。
担保取引の枠組みの確立を通じて、金融サービスへのア
クセスを改善した。
太平洋
ヌアツ南部のタンナ島で食品雑貨店を開いて 1 年が
経った時、ハリー・ニキアウ氏は融資が必要になっ
たが、それを受けられる見込みは薄いと思っていた。
「店を開いたばかりで、担保になる資産があまりありま
せんでした」とニキアウ氏は言う。
幸いなことに、彼は、離島におけるマイクロファイナン
ス・サービスを拡大していたバヌアツ国立銀行(NBV)か
バ
第 10 章
南アジア
バングラデシュ、ブータン、インド、
モルジブ、ネパール、スリランカ
ADBは南アジアでの業務において、気候変動に対する適応策と緩和策をプロジェク
トの設計に組み込み、ジェンダーおよび民間セクターの参画を重視することによって、
開発効果をさらに高めることを目指している。ADBはまた、地域協力を推進する重要
なイニシアチブを実施した。
年次報告 2010
概要
73
南アジアにおける
ミレニアム開発目標の進捗
アジア局は、開発途上加盟国が直面する開発上
南
の最重要課題に対応する、革新的、戦略的かつ
充実した支援プログラムを実施した。
2010 年の融資実行額は 26 億 2,000 万ドル、契約締結・
約定額は 26 億 8,000 万ドルとなった。
つの指標(ジェンダーの平等、HIV の蔓延防止、結
核の蔓延防止、森林被覆、保護地域、オゾン破壊物
質の消費量、安全な飲料水)について、順調な改善
が見られた。
• 初等学校の就学率が改善し、インド、モルジブとス
リランカは MDG を達成するか、それを上回ると予
想される、しかし、特に初等教育の修了について、
他の南アジア諸国では更なる努力が必要である。
• ADB はバングラデシュにおいて、2003 年に始まっ
た第 2 次初等教育開発プログラム(PEDP II)を通
じて教育の活性化を支援している。このプログラム
は、成績の悪化と中退率の増加につながった問題点
の解消を目的としている。PEDP II の後続案件とし
ハイライト
• 非常に複雑なパドマ多目的橋プロジェクト(バング
ラデシュで最長の橋の建設)
、ネパールの首都カト
マンズにおける持続可能な都市交通プロジェクト、
インドのエネルギー効率改善プロジェクト、ブータ
ンの農村地域に再生可能エネルギーを導入するプロ
ジェクトなどを通じて、引き続き革新的なスキーム
を実現した。スリランカでは、複数のプロジェクト
を通じて北部州と東部州の復興を支援した。
• プロジェクトの設計に当たっては、引き続き、気候
変動に関する影響と環境と調和した成長の促進を考
慮した。気候投資基金を通じてバングラデシュ気候
耐性戦略プログラムを支援し、気候耐性の開発を目
的として 1 億 1,000 万ドルを配分した。これは同基
金による世界初の気候変動対策プログラムである。
• 南アジア地域経済協力(SASEC)の枠組みの下で、
インド・バングラデシュ・エネルギー・プロジェク
トが承認され、地域協力・統合が加速した。
• 南アジア局の事業において、ジェンダーの組み込み
と協調融資が大幅に強化された。
• ADB は、高成長を続ける南アジアの市場経済におけ
る民間投資機会の拡大についてかなりの貢献を行
い、能力開発、制度的枠組みの整備および官民パー
トナーシップの活用を通じて民間セクター開発を引
き続き推進した。
て、格差の縮小、修了率の向上と成績の改善を目的
とする第 3 次初等教育開発プロジェクトの準備が進
んでいる。
• ネパールでは、万人のための教育プログラムに対す
る ADB の支援により、基礎教育の質とアクセスが
大幅に改善した。初等教育の就学率は 2004 年の
72.4% から 2009 年には 93.7% にまで上昇した。
学校施設は 2001 年以降継続的に改善され、正式な
訓練を受けた教師の比率は 3 倍近くに増加した。
• 安全な飲料水と基本的衛生施設への持続可能なアク
セスを提供することは、南アジアでの ADB 業務に
おいて引き続き重視されている。バングラデシュで
は、チッタゴン丘陵地域農村開発プロジェクトを通
じて 180 の村に上水道が導入された。ネパールでは、
小都市水供給・衛生セクター・プロジェクトによっ
て、2,000 近い家庭に対してきれいな飲料水が 24
時間供給されるようになった。スリランカでは、第
3 次水供給・衛生セクター・プロジェクトを通じて、
140 万人に対するサービスが改善された。
バングラデシュ気候耐性戦略プロ
グラムは、世界で初めて気候変動
投資基金により承認された気候変
動対策プログラムである
南アジア
ポートフォリオ管理
• 南アジアでは、ミレニアム開発目標(MDG)の 7
アジア開発銀行
74
表 28 南アジア:ソブリン融資のポートフォリオ・パフォーマンス指標(2009 ∼ 2010 年)
契約締結/約定a
国
バングラデシュ
ブータン
実施中の融資件数
(2010年末現在)
実行額a
リスクのある融資
2010年
2009年
2010年
2009年
(百万ドル)
(百万ドル)
(百万ドル)
(百万ドル)
2010年
(%)
2009年
(%)
56
458.1
1,209.4
469.1
1,068.0
3.6
–
6
8.9
75.6
41.5
31.0
–
16.7
67
1,856.0
1,657.1
1,699.0
1,339.8
4.5
5.7
モルジブ
6
21.0
6.9
25.9
5.3
–
55.6
ネパール
16
98.0
94.0
80.1
73.5
–
5.9
スリランカ
37
240.7
157.4
308.4
245.6
2.7
15.0
188
2,682.7
3,200.5
2,624.1
2,763.2
3.2
8.7
インド
南アジア
合計
– = 該当データなし。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 終了済みだが当該年中に契約締結または実行が行われた融資を含む。
表 29 南アジア:ADF および特別基金を財源とするグラントのポートフォリオ・パフォーマンス指標 a(2009 ∼ 2010 年)
国
実施中の
グラント件数
(2010年末現在)
契約締結/約定a, b
実行額a, b
リスクのあるグラント
2010年
2009年
2010年
2009年
(百万ドル)
(百万ドル)
(百万ドル)
(百万ドル)
2010年
(%)
2009年
(%)
バングラデシュ
1
0.7
0.0
2.3
1.2
–
–
ブータン
6
4.5
21.8
17.6
4.6
–
–
インド
–
0.1
4.2
2.7
16.6
–
–
モルジブ
1
0.0
0.2
(0.8)
0.4
–
100.0
ネパール
23
36.3
139.1
31.3
126.0
–
6.3
5
9.8
11.7
26.3
41.4
20.0
20.0
36
51.4
177.0
79.4
190.2
2.8
10.3
スリランカ
合計
– = 該当データなし、( )= 負数、ADF = アジア開発基金。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、気候変動基金(CCF)およびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を財源とするグラントを含む。
b 終了済みだが当該年中に契約締結または実行が行われたグラントを含む。
地域協力
トが 5 件・計 6 億 800 万ドル、地域レベルの効果が予想
される国別プロジェクトが 8 件・計 6 億 7,000 万ドルと
なっている。10 件は運輸および情報通信技術、3 件はエ
ADB は 2010 年 8 月 12 日から 13 日にかけて、南アジ
ネルギー分野のプロジェクトである。
ア地域内外における繁栄の共有に向けた新しいビジョン
2010 年 8 月、ADB はバングラデシュ・インド送電網
を模索するための第 2 回ハイレベルフォーラム(High-
相互接続プロジェクトを承認した。これにより、バング
Level Forum on Emerging Vision for Shared Prosperity:
South Asia and Beyond)を主催した。参加国は、優先分
ラデシュ西部の送電網とインド東部の送電網の国境を越
野として運輸、エネルギーおよび貿易促進を重視するこ
えた接続が確立され、電力の融通が可能となる。
2010 年末、ADB はバングラデシュ・ダッカにおいて、
と、および ADB との調整を行う作業部会を設置して地
南アジア北東部における交通の接続性に関する地域会合
域協力を推進し、柔軟な政府主導のイニシアチブを ADB
を開催した。この会合は、バングラデシュ、ブータン、
が支援する形で地域協力プロジェクトを実施していくこ
インドとネパールに、地域の交通接続性について意見を
とに合意した。
交換する場を提供した。こうした会合は、南アジア市場
ADB の南アジア地域支援業務計画(2011 ∼ 2013 年)
の持続的な拡大を支援し、地域全体のバランスの取れた
では、約 13 億ドルの融資およびグラント・プログラム
成長と貧困削減につながる開発の機会を増やすことを目
を予定している。内訳は、多国間にまたがるプロジェク
的としている。
年次報告 2010
75
表 30a 南アジア:2010 年中に承認されたソブリン案件(国別)a
(単位:百万ドル)
OCR
ADF
その他の財源
合計
バングラデシュ
融資
800.0
449.0
1,700.9
2,949.9
バングラデシュ・インド送電網相互接続
–
–
261.0
539.0
–
–
–
–
100.0
120.0
5.0
76.0
40.0
25.0
23.0
60.0
–
–
45.0
1,640.0
–
–
–
15.9
100.0
120.0
311.0
2,255.0
40.0
25.0
23.0
75.9
–
21.6
6.3
27.9
–
–
–
–
21.6
–
3.0
0.3
3.0
3.0
21.9
3.0
2,119.6
–
6.0
2,125.6
都市部開発
天然ガス・アクセス改善
パドマ多目的橋
第2次農作物多様化
ガバナンス管理強化
準地域運輸プロジェクト準備ファシリティ
持続可能な地方インフラ改善
ブータン
グラント
貧困農家生計支援のための農道
地方再生可能エネルギー開発
学校施設改善・総合的災害教育
インド
融資
アグリビジネス・インフラ開発投資プログラム−トランシェ1
67.6
–
–
67.6
56.9
89.7
132.2
300.0
208.0
43.4
315.0
69.0
50.0
78.0
123.0
63.0
222.2
250.0
51.6
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
56.9
89.7
132.2
300.0
208.0
43.4
315.0
69.0
50.0
78.0
123.0
63.0
222.2
250.0
51.6
女性の権利拡大のためのマイクロ企業起業支援
–
–
–
–
3.0
3.0
3.0
3.0
ネパール
–
262.5
28.3
290.8
–
–
–
–
10.0
60.4
60.0
24.5
–
–
17.0
–
10.0
60.4
77.0
24.5
–
–
–
–
–
–
–
–
26.4
2.5
–
10.0
20.1
12.1
24.5
12.0
–
–
8.8
2.5
–
–
–
–
26.4
2.5
8.8
12.5
20.1
12.1
24.5
12.0
350.0
107.2
44.0
501.2
150.0
50.0
20.0
–
130.0
–
–
70.0
12.8
24.4
–
–
40.0
–
–
150.0
50.0
130.0
12.8
154.4
–
–
–
–
2.5
1.5
2.5
1.5
3,269.6
840.3
1,785.5
5,895.3
アッサム州洪水・河岸浸食総合リスク管理投資プログラム−トランシェ1
アッサム州電力セクター強化投資プログラム−トランシェ2
ビハール州電力システム改善
ビハール州幹線道路(第2期)
ヒマチャルプラデシュ州クリーン・エネルギー開発投資プログラム−トランシェ3
観光インフラ開発投資プログラム−トランシェ1
カルナタカ州幹線道路改善
マディヤプラデシュ州電力セクター投資プログラム−トランシェ6
マイクロ企業・中小企業開発
首都圏都市インフラ融資ファシリティ−トランシェ1
カルナタカ州北部都市セクター投資プログラム−トランシェ2
ラージャスターン州都市セクター開発投資プログラム−トランシェ3
地方道路セクター投資プログラム(第2期)−トランシェ5
第2次インド・インフラ・トランシェ融資ファシリティ−トランシェ2
持続可能な沿岸保全・管理投資プログラム−トランシェ1
グラント
ビハール州・マハラシュトラ州における小規模農家の市場アクセス改善
融資
カトマンズ持続可能な都市交通
地方金融セクター開発クラスター・プログラム(サブプログラム 2)
中都市における総合都市環境改善
準地域運輸強化
グラント
コミュニティ灌漑
アッパーセティ水力発電詳細技術調査
ガバナンス支援プログラム(サブプログラム 1)(追加)
カトマンズ持続可能な都市交通
中小規模農家の所得増加
地方金融セクター開発クラスター・プログラム(サブプログラム 2)
準地域運輸強化
運輸プロジェクト準備ファシリティ
スリランカ
融資
紛争影響地域緊急
財政管理効率
ジャフナ・キリノッチ水供給・衛生
北・東部コミュニティ復興開発プロジェクト(第2期)(追加)
北部道路接続性
グラント
北部における再定住国内難民の生計回復のための紛争後緊急支援
紛争影響地域緊急
合計
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源。
a 前年度以前に承認されたプロジェクトに対する協調融資、技術協力グラントおよびマルチトランシェ融資ファシリティを除く。
南アジア
国
アジア開発銀行
76
表 30b 南アジア:2010 年中に承認されたノンソブリン案件(国別)a
(単位:百万ドル)
OCR
国
協調融資
融資
保証
出資
プロジェクト
民間融資
合計
インド
マイクロ企業・中小企業開発
–
–
250.0
250.0
–
–
–
–
–
–
250.0
250.0
合計
–
250.0
–
–
–
250.0
– = 該当データなし、OCR = 通常資本財源。
a 前年度以前に承認されたプロジェクトに対する協調融資、技術協力グラントおよび貿易金融促進プログラムを除く。
南アジア
表 31 南アジア:2010 年末時点の国別累計融資額・
実行額 a, b
(単位:百万ドル)
融資額
実行額
バングラデシュ
ブータン
インド
モルジブ
ネパール
スリランカ
国
12,134.3
256.1
24,122.7
152.8
2,628.6
5,142.7
8,393.2
189.1
15,415.3
110.2
1,857.3
3,723.1
合計
44,437.3
29,688.3
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 地域プロジェクトの融資コンポーネントは、可能な限り各国に配分している。
b 地域固有のノンソブリン(公共および民間)セクター融資を含む。
図 13 南アジア:2009・2010 年の国別融資額
(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
1,249.0
1,027.9
バングラデシュ
ブータン
2,119.6
1,811.0
インド
モルジブ
36.5
154.9
172.8
ネパール
表 32a 南アジア:2010 年末時点の国別グラント承
認額累計
(単位:百万ドル)
国
ADF
その他の特別基金 協調融資a
457.2
330.0
スリランカ
0
年
合計
バングラデシュ
ブータン
インド
モルジブ
ネパール
スリランカ
10.0
105.3
–
–
603.3
52.2
–
–
100.0
20.0
0.3
154.2
677.9
10.5
71.3
1.0
78.5
144.9
687.9
115.8
171.3
21.0
682.0
351.3
合計
770.8
274.5
984.0
2,029.3
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金。
a ADB が管理していない協調融資は除く。
500
ADF
その他の特別基金a
合計
バングラデシュ
ブータン
インド
モルジブ
ネパール
スリランカ
5.9
25.0
–
–
229.0
16.5
–
–
100.0
17.1
–
141.9
5.9
25.0
100.0
17.1
229.0
158.4
合計
276.4
259.0
535.4
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金。
a アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、気候変動基金(CCF)お
よびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を財源とするグラントを含む。
2,000
2,500
図 14 南アジア:2009・2010 年の国別グラント承認
額(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
58.5
27.6
38.8
ブータン
国
1,500
年
バングラデシュ
表 32b 南アジア:2010 年末時点の国別グラント実
行額累計
(単位:百万ドル)
1,000
6.0
2.0
インド
モルジブ
118.9
ネパール
172.8
4.0
14.5
スリランカ
0
50
年
100
年
150
200
年次報告 2010
図 15 南アジア:2009・2010 年の国別融資実行額
(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
469.1
バングラデシュ
41.5
31.0
ブータン
0.4
31.3
ネパール
308.4
253.0
500
年
126.0
26.3
41.4
スリランカ
1,000
1,500
2,000
2,500
-50
年
16.6
(0.8)
モルジブ
80.1
73.5
0
2.7
インド
29.4
9.3
スリランカ
17.6
4.6
0
年
50
100
150
年
a アジア開発基金(ADF)、アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、
気候変動基金(CCF)およびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を財源とす
るグラントを含む。
国別業務概要
ェクトは、南部と東部を結ぶ戦略的に重要な道路回廊の
バングラデシュ
ボトルネックの解消に貢献し、地方住民に港湾都市チッ
タゴンへのアクセスを提供した。
優先分野 2011 ∼ 2013 年の業務計画に従い、ADB は、
全ての人に恩恵をもたらす環境に調和した持続可能な経
ブータン
済成長および地域協力・統合への重点度を高めていく。
主なインフラ・セクターにおいて、民間セクター業務を
優先分野 国別支援戦略(2006 ∼ 2010 年)が引き続き、
掘り下げ、官民パートナーシップを推進していく。2010
ブータン政府の第 10 次 5 カ年計画の対象期間(2008 ∼
年には国別支援戦略(2011 ∼ 2015 年)の策定準備を開
2013 年)における ADB の業務の指針となった。この戦
始した。
略は、運輸とエネルギーの改善、および都市部、金融セ
2010 年には、10 件・計 12 億 5,000 万ドルの融資が承
認された。ADB は世界銀行と提携して気候投資基金か
ら 1 億 1,000 万ドルを確保し、バングラデシュによる気
候変動耐性の開発を支援した。ADB と世界銀行、国際
協力機構(JICA)およびイスラム開発銀行とのパートナ
クターと民間セクターの開発を通じて、裾野の広い経済
ることを目指している。2010 年に実施された国別援助プ
ーシップは、パドマ多目的橋の建設に必要な多額の資金
わせていることが確認された。
成長、包括的な社会開発とグッド・ガバナンスを推進す
ログラムの評価では、支援戦略が ADB のストラテジー
2020 および政府の現行の 5 カ年計画にしっかり歩調を合
を動員するのに役立っている。
業務の効果
一連のプロジェクトによる地方電化によっ
業務の効果 ADB が支援する「中等教育における授業
て、数千の人々や零細企業に利益がもたらされ、教育に
の質向上プロジェクト」の下で、2010 年 6 月までに 29
対するアクセスも改善した。道路網プロジェクトによっ
万 5,000 人の教師が近代的な授業手法について訓練を受
て、東西幹線道路とインド国境の町ゲレフに達する道路
けた。ガス輸送・開発プロジェクトでは、バングラデシ
がトンサで接続されたことで、旅客・貨物輸送が増加し、
ュ西部の低開発地域に 1 日当たり 3 億 6,000 万立方フィ
地方におけるアクセスが拡大した。金融セクター開発プ
ートの天然ガスを送る 353 キロメートル(km)のガス・
ログラムは、ブータン王立財政庁の、特に新設銀行への
パイプラインが建設されている。道路保守・改良プロジ
免許交付に関する能力の強化に貢献した。これがきっか
南アジア
1,858.1
1,551.7
ネパール
2.3
1.2
ブータン
インド
モルジブ
図 16 南アジア:2009・2010 年の国別グラント実行
額(ソブリン)a
(単位:百万ドル)
バングラデシュ
1,068.0
77
78
アジア開発銀行
けとなって、顧客サービスを含む銀行の各種サービスの
カルナタカ州都市開発・沿岸環境管理プロジェクト
質が向上した。貧困削減日本基金からのグラントを通じ
(1999 ∼ 2009 年)を通じて、ADB は、10 の沿岸都市
て、ADB はブータン東部で地震の被害を受けた学校の
において、飲料水供給量の増加、排水ネットワークの拡
修復を支援した。
張、質の高い下水処理施設の建設、および基本的な都市
インフラおよびサービスの改善を支援した。また、カル
インド
ナタカ州の 47 都市において、透明性とアカウンタビリ
ティの向上を目的とする能力開発を支援した。アッサム
国別支援戦略(2009 ∼ 2011 年)で強調され
州ガバナンス・公共資源管理セクター開発プログラム
ている通り、ADB は引き続き、全ての人々に恩恵が行
(2004 ∼ 2007 年)により、アッサム州は 2003/04 年度
優先分野
南アジア
き渡る、環境に調和した持続可能な成長に向けたインド
に 2 億 8,800 万 ド ル の 赤 字 だ っ た 財 政 を 立 て 直 し、
の努力を支援した。2010 年の支援プログラムは、融資承
2008/09 年度には 3 億 1,100 万ドルの黒字を計上した。
認額とポートフォリオ・パフォーマンスが過去最高とな
った。ノンソブリン業務を除く融資承認額は 20 億ドル
モルジブ
を超え、契約締結額と実行額はそれぞれ 18 億ドル、17
億ドルに達し、いずれも過去最高となった。2010 年に承
認されたいくつかのプロジェクトは、官民パートナーシ
国別支援戦略(2007 ∼ 2011 年)に基づく
ADB 業務の優先分野は、人材能力の育成、経済運営の
優先分野
ップをプロジェクト設計に取り入れたり、アグリビジネ
強化、開発効果の改善および官民パートナーシップを通
ス・インフラ、沿岸域管理、洪水対策と河岸保護、零細
じた民間セクター開発の支援である。戦略対象期間の後
企業支援や観光開発といった新しいセクターまたは課題
半については、特に中小企業開発、エネルギーおよび運
の多いセクターに注力するなど、革新的なアプローチを
輸の各セクターに注力した。経済復興プログラム融資を
示すものだった。ADB は引き続き、インドの気候変動
通じて、ADB は政府によるマクロ経済の構造改革の実
対策を支援した。この目的を達成するための業務として、
施を支援している。
コーヴェリ川、チャムバル川、サトラジ川の流域管理に
気候変動適応策を組み込む戦略を作成し、ヒマチャルプ
業務の効果
外島地域電化プロジェクトによって 19 の
ラデシュ州やカルナタカ州などの州による水資源総合管
島に電力が供給され、情報技術開発プロジェクトによっ
理を支援し、いくつかの州の沿岸域管理を改善した。国
て遠隔地にある環礁の情報に対するアクセスが改善され
家水ミッション(National Water Mission)の優先目標を
た。実施中の地域開発プロジェクト(第 2 期)によって
実現するため、水資源省に技術協力を提供している。
3 つの島における給水、衛生サービスおよび固形廃棄物
ADB はまた、太陽発電を含む再生可能エネルギーの開
管理が改善され、国内海運プロジェクトによって接続性
発に対する支援を拡大し、インドの低炭素型成長路線へ
が改善される見込みである。民間セクター開発技術協力
の移行を支援している。
融資は、零細企業や中小企業の育成に貢献した。2009 年
12 月に承認された経済復興プログラムと技術協力を実施
業務の効果
地方道路セクタープロジェクト(第 1 期)
(2003 ∼ 2009 年)を通じて、ADB はチャティスガル州
とマディヤプラデシュ州の農村地域を結ぶ全天候型道路
することにより、潜在する経済の歪みを矯正し、経済を
持続可能な中期的成長軌道に乗せ、外的ショックへの耐
性を強化するための改革を推進していく。
9,757km の建設を支援した。接続性の改善が雇用機会の
創出につながった。この事業については、妊産婦と乳児
ネパール
の死亡率や小学校の就学率といった、各種指標の改善と
も関連づけられている。マディヤプラデシュ州電力セク
優先分野
ター開発プロジェクト(2001 ∼ 2007 年)では、州電気
の進路を新たに定める機会がもたらされた一方、同国は
規 制 委 員 会(State Electricity Regulatory Commission)
長年にわたって取り組んできた開発課題に引き続き直面
の設立および、州電気局(State Electricity Board)を機
している。ADB の国別支援戦略(2010 ∼ 2012 年)は、
能別に 6 社に分割する再編成を支援した。ADB はまた、
和平プロセスによって何とか達成した成果を維持するた
いくつかの送電線および変電所の建設に資金を供与し、
め、全ての人々に恩恵が行き渡る裾野の広い経済成長と
その結果として送電ロスが大幅に削減された。
社会開発を進め、ガバナンスと組織的能力、そして気候
ネパールは歴史的な転換のさなかにある。国
年次報告 2010
79
南アジア
ADB が支援するプログラムはネパールの人々のために新しい機会を生み出している
変動適応策および環境面での持続可能性を高めることに
ログラムの実施を支援した。このプログラムは、女子、
主眼を置いている。ADB の国別支援戦略では、ADB の
低いカーストであるダリットの子供たち、ネパールの先
全支援に平和構築の視点を組み込むなど平和と開発に向
住民や宗教的少数派など、従来就学機会に恵まれなかっ
けたネパールの努力を支援しているほか、災害リスク管
た人々に教育を提供している。
理と気候変動に関するチェックリストの活用やガバナン
水供給および衛生セクターにおける ADB の支援は、
ス・リスク評価を取り入れている。ADB はまた、教育
水供給・衛生施設の改善およびサービス提供範囲の拡大、
セクターの改革を通じて地震や洪水などの自然災害から
健康および衛生に関する習慣の改善、ひいては飲料水を
の回復力を高める努力を主導している。
ADB と世界銀行の共同イニシアチブにより、ネパー
媒介とする疾患や衛生関連疾患の撲滅に貢献した。小都
市水供給・衛生セクター・プロジェクトでは、29 都市に
ルの調達にかかる制度・政策・手続の改善と近代化を支
住む 51 万人に対して安全な水が供給され、健康リスク
援した。ADB と他の開発パートナーはまた、中核的な
が大幅に低減された。
開発計画および予算編成に気候変動対策を組み込む実用
的 な 方 法 を 模 索 す る た め に 支 援 を 行 っ た。2010 年、
ADB は 8 件・計 2 億 6,250 万ドルの融資およびグラン
トを承認した。また、18 件・計 1,042 万ドルの技術協力
を承認した。都市交通および都市環境に関するプロジェ
クトを支援するため、約 1,952 万ドルの協調融資が承認
された。
業務の効果 ADB は他の開発パートナー 8 機関と共に、
政府による「万人のための教育」
(Education for All)プ
スリランカ
国 別 支 援 戦 略(2009 ∼ 2011 年 ) に 従 い、
ADB は財政管理、道路・交通および水供給の分野でプ
ロジェクト支援を行った。2010 年中の ADB 支援の大半
は、1 億 5,000 万ドルの緊急復興支援を含め、北部州を
対象とするものであった。ADB はまた、追加支援とし
て北・東部コミュニティ復興開発プロジェクト(第 2 期)
に対する 1,280 万ドルの追加支援を提供した。
優先分野
80
アジア開発銀行
ADB は北部のプロジェクトに対し 2 件の融資を供与
ターの開発を支援した。また、同国北部および東部に再
した。北部道路接続性プロジェクトに対する 1 億 5,400
定住した 3 万を超える世帯に対し、生計支援グラントを
万ドルの融資およびジャフナ水供給・衛生プロジェクト
供与した。このグラントは北・東部コミュニティ復興開
に対する 9,000 万ドルの融資である。2010 年には、財政
発プロジェクト(第 2 期)を通じて管理され、資金はオ
管理効率改善プロジェクトに対する 5,000 万ドルの融資
ーストラリア国際開発庁から提供された。ADB は、紛
が承認された。これは、スリランカ全土において従来か
争地域再建プロジェクトを通じて、中電圧配電網の整備
ら行われてきた財政管理に関する支援を土台とし、さら
と地方電化計画に対する支援を迅速に実施し、2 万 7,000
なる発展を目指すものである。
を超える世帯に恩恵をもたらした。ADB は技術協力を
業務の効果 ADB は引き続き、スリランカの道路セク
を支援した。
自宅で仕事をする選択肢が女性の生き方に
変革をもたらす
ADB が支援するプロジェクトが、スリランカ
東部の沿岸域住民に、内戦と災害によって荒廃
した生計を立て直す機会を提供している
ッキール・モハメド・カディージャさんは使用人と
してカタールへ 8 回目となる出稼ぎに行くことを考
えていたが、その時に、たまたまマイクロクレジット・プ
ロジェクトが提供する低利のローンと技能訓練を耳にした
ことで、彼女の人生に転機が訪れた。
49 歳のカディージャさんは、融資を受けてスリランカ
で内戦の影響を受けたバティカロア県のカタンクディの自
宅にとどまると決めたことが、
「人生最良の決断だった」
と述べている。
「プロジェクトが人生計画を変える助けに
なりました。素晴らしい機会を与えてくれたのです。
」
パ
ンパラ県に的を絞って支援を行っている。この地域は、数
十年に及ぶ紛争と 2004 年の津波によってインフラが破壊
され、人々はぎりぎりの生活を強いられ、多くの家庭では
女性が家長になっている。このコミュニティ開発プロジェ
クトは、基本的ニーズを満たすことを目的としている。資
金の一部は、漁師や農家の生計の回復に役立っている。
2010 年 11 月に終了したこの 2,840 万ドルのプロジェ
クトは、別のプロジェクトと並行して実施されていた。そ
のプロジェクトは、2009 年に終結するまで 30 年間続い
た国内紛争の影響を受けた北部州と東部州を対象とする、
政府の復興プログラムを継続している。
マイクロクレジットにより、多くの沿岸コミュニティに
変化がもたらされた。2005 年から融資として配分された
240 万ドルは、スリランカ人、特に家長となっている女性
の生計の改善に貢献した。
ADB が支援する北・東部沿岸コミュニティ開発プロジェ
クトは、2005 年から、カディージャさんのような女性が
自宅にとどまれるよう、幅広い選択肢を提供している。ス
リランカの国民 2,000 万人のうち、150 万人以上が中東
で働いている。その 50 ∼ 60% は主に地方出身の女性で、
使用人として雇用されている。
バティカロア県で融資を管理する女性農村開発協会の会
計責任者を務めるジェスミン・ズベイルさんは、
「このマ
イクロクレジット・プログラムは、私たちの村に大きな変
化をもたらしました」と言う。彼女は、自宅で生計を立て
られる人が増えたので、海外へ出稼ぎに行く女性が減った
と述べている。
このプロジェクトは、スリランカの主な民族・宗教コミ
ュニティ(シンハラ人、タミル人、イスラム教徒)全てを
対象とし、東部のトリンコマリー県、バティカロア県とア
A A Bawa
南アジア
通じて、スリランカによる国家気候変動適応戦略の起草
マイクロクレジットがスリランカの人々の生計の改善に役立っている
年次報告 2010
81
知識をつなぐネットワーク
ADB は南アジアにおいて、知識の創造を可能
とし、開発問題の解決に役立つ研究成果や現場
での経験を普及させるネットワークとして、重
要な役割を担っている
DB のネットワークは、南アジアの研究機関やシンク
タンクを結びつける重要な役割を果たしており、各国
および地域レベルの経験から得られた知識を広めることを
可能にしている。
そうした知識共有事業の一例が、地域技術協力(RETA)
第 6417 号「南アジアの研究機関・シンクタンクのネット
ワーク支援」である。この RETA プログラムは、最新の政
おり、16 の研究に対して資金供与が承認されている。対
象となるテーマは、貿易・投資とテクノロジー、地域協力
の人的側面、金融危機の経済的・社会的影響の 3 つである。
2009 年および 2010 年の 12 月に開催された第 2 回お
よび第 3 回南アジア経済サミットにおいて、7 件の研究が
発表され、想定された対象者に情報が提供された。
策に応用されるように支援している。
南アジア政策研究センターと南アジア経済研究機関ネッ
トワークという 2 つの研究ネットワークを通じて、研究計
画が参加機関から提出され、RETA の下で設置された運営
委員会により評価され、資金供与の可否が決定される。
Arun Kumar
策課題に関する知識を生み出し共有する環境を整備するこ
とにより、地域経済協力と地域統合を推進することを目指
している。
この目標は、南アジア地域の開発途上加盟国の研究機関
の間に強固なネットワークを構築し、研究、ワークショッ
プや情報の普及を通じてダイナミックな交流を促進するこ
とによって達成される。学界と主要な政策立案者との情報
交換を促すことにより、RETA は研究成果がより迅速に政
ADB が資金を提供した研究の成果が第2回南アジア経済サミットで議
論された
南アジア
A
これまでに、4 カ国(バングラデシュ、インド、パキス
タン、スリランカ)の 10 の研究機関が RETA に参加して
第 11 章
東南アジア
ブルネイ、カンボジア、インドネシア、
ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、
シンガポール、タイ、ベトナム
全ての人々に恩恵をもたらす成長につながる交通とエネルギーの接続性、金融市場と
資本市場の統合、水供給および衛生、教育の改善および環境の持続可能性が、東南ア
ジアにおけるADBの優先分野である。ADBは、2010年10月に開始された東南アジア
諸国連合(ASEAN)の接続性に関する総合計画に重要なインプットを提供した。また、
ASEAN事務局とのパートナーシップに関する新しい覚書(2011∼2015年)の起草
準備が始まった。
年次報告 2010
概要
83
ハイライト
A
DB は東南アジアでの業務において、革新、ミレ
ニアム開発目標(MDG)へのさらなる集中、お
よび開発効果を最大限高める実施のあり方を重
視している。公共セクター向けノンソブリン業務と官民
パートナーシップを通じた融資は、革新的なものであっ
プロジェクトの設計も、新しい境地を開くものだった。
ADB のストラテジー 2020 の中核分野や MDG の進捗
に貢献する各国の優先目標の達成に向けての支援が増し
てきた。東南アジアの非借入国および中所得国とのパー
トナーシップが強化され、開発パートナーとの関係の強
化が多額の協調融資の動員につながった。インドネシア
の教育システムの近代化に向けた分析調査と能力開発を
推進するプロジェクトに対し、ADB の単一のプロジェ
クトに対しては過去最大となる 5,000 万ドルの協調融資
が、欧州連合およびオーストラリアにより提供された。
プロジェクトの実施中に発生する問題にタイムリーに
対応し、準備段階での選別審査といった効率改善措置を
取った結果、ポートフォリオは良好な格付けを維持した。
学習と革新を推進するため、業務の様々な段階における
知識業務がシステム化された。
地域協力
ADB と ASEAN 事務局は、パートナーシップの枠組
みに関する新たな覚書(2011 ∼ 2015 年)に向けての準
備を開始した。その重点分野は、接続性、金融市場・資
総額は 3,590 万ドルで、うち 55% は国・地域レベ
ルの能力開発および政策・助言サービスの提供に充
てられた。融資、グラントおよび技術協力プロジェ
クトに対する協調融資は急増し、3 億 6,500 万ドル
に達した。
• カンボジア、インドネシア、ラオス、フィリピンと
ベトナムの国別支援戦略の策定が進められた。戦略
の策定に当たっては、将来の予定プロジェクトをス
トラテジー 2020 および各国の優先目標に整合させ、
ADB の成果フレームワークとミレニアム開発目標に
対する貢献度のモニタリングを強化することを重視
した。マレーシアおよび ASEAN 事務局との新たな
パートナーシップの枠組みを構築する準備作業には
いった。
• メコン河流域圏、ブルネイ・インドネシア・マレー
シア・フィリピン東 ASEAN 成長地域およびインド
ネシア・マレーシア・タイ成長の三角地帯において、
接続性と貿易を支える地域協力および地域統合がさ
ら に 進 展 し、 各 国 の 競 争 力 が 向 上 し た。ADB は
ASEAN インフラ基金の設立に向けて、プロジェク
トの形成と進捗を促した。
• プロジェクトの手続きと実施を引き続き強化した。
プロジェクトの準備段階での選別審査により初期時
点での品質確保が強まったほか、設計およびモニタ
リングの枠組みを改善する部内品質管理システムを
導入し、組織的に効率性を高める措置を実施した。
ポートフォリオ・パフォーマンスについては綿密な
モニタリングを行った。
本市場の統合、
および環境の持続可能性である。ADB は、
ベトナム・ハノイで 2010 年 10 月に開催された第 17 回
ASEAN 首脳会議で発表された、ASEAN 接続性に関す
る総合計画にインプットを提供し、同総合計画において、
東南アジアの地域プログラムを支援する主な開発機関と
• 業務を通じて生産される知識商品・知識サービスの
普及およびそれらに対するアクセスをシステム化
し、ADB とクライアントがそれらを有効に利用でき
るようにした。
して掲げられた。ADB は、ASEAN インフラ基金の設立
について、ASEAN 加盟国との協議を加速した。
ADB は引き続き、経済回廊の交通基盤を整備するプ
ADB の支援を受けて策定された、総合的な GMS 交通・
ロジェクトおよび、GMS 鉄道網整備のための戦略的フ
貿 易 促 進 行 動 プ ロ グ ラ ム(Program of Actions for
レームワーク(Strategic Framework for Connecting GMS
Transport and Trade Facilitation in the GMS)が採択され
Railways)の策定を通じて、メコン河流域圏(GMS)に
おける接続性の強化を支援した。GMS 鉄道網整備のた
めの戦略的フレームワークは、GMS の鉄道システム統
た。ADB は環境と農業に関する GMS プログラムの第 2
し た。 新 た な GMS 戦 略 的 フ レ ー ム ワ ー ク(2012 ∼
合の達成に向けた大きな一歩である。ソフト面では、
2022 年)の策定も開始された。これらの戦略文書は、ベ
フェーズについて、戦略的なロードマップの策定を支援
東南アジア
た。フィリピンの最も貧しい家庭を支援する社会的保護
• ソブリン融資、ノンソブリン融資とグラントの合計
額は 35 億ドルに達した。技術協力プロジェクトの
84
アジア開発銀行
東南アジアにおけるミレニアム開発目標の進捗状況
• カンボジア ADB は、上下水道の普及を通じて、カン
ボジアのミレニアム開発目標(MDG)の水および衛生
に関する目標の達成を支援している。2008 年時点で、
農村部における上水道の普及率はわずか 42%、トイレ
を利用できる人の比率は 23% に満たなかった。トンレ
東南アジア
サップ農村部水供給・衛生セクター・プロジェクトによ
り、約 50 万人に近代的な飲料水施設へのアクセスが提
供され、約 25 万人に耐久性のある衛生的なトイレへの
アクセスが提供された。2009 年に承認された同プロジ
ェクトの第 2 フェーズを通じて、さらに 37 万人に安全
な水へのアクセスが提供され、29 万人に近代的な衛生
施設へのアクセスが提供される。水と衛生に関する総合
的なアプローチによって人々の健康が改善されると期待
される。
• インドネシア ADB はいくつかのプロジェクトを通じ
て、政府による MDG の早期達成努力を支援している。
安全な飲料水と基本的衛生に関する MDG の目標につ
いては、
(i)農村部における安全な水の供給を拡大する
「コミュニティ給水サービス・保健プロジェクト」
、
(ii)
メダンおよびジョクジャカルタの貧困地域の下水道シス
テムと衛生を改善する「大都市圏衛生管理・保健プロジ
ェクト」
、および(iii)2011 年に承認が予定され、貧
困層の衛生施設に対するアクセスの改善を目的とする
「コミュニティ・エンパワーメント国家計画(PNPM)
マンディリ・プロジェクトに対する都市衛生および地方
インフラ支援」を通じて進展が見られた。分散型保健サ
ービス・プロジェクトによって、母子医療の提供方法が
改善された。
ト ナ ム・ ハ ノ イ で 2010 年 8 月 に 開 催 さ れ た 第 16 回
GMS 閣僚会議で検討された。開発パートナーとの連携
• ラオス ADB の支援は初等教育に関する MDG ターゲ
ットの達成に貢献した。基礎教育(女子)プロジェクト
では、教室の建設、生徒に対する奨学金の支給、教師の
採用・研修と遠隔地・少数民族地域への派遣、および教
育の重要性に対する保護者の意識向上を通じて、特に女
子の就学率が向上した。第 2 次教育の質向上プロジェ
クトも、計 400 を超える学校および学校群リソース・
センターを設立し、1 万 3,000 人を超える教師を研修
することにより、教育に対するアクセスを拡大した。
• フィリピン フィリピンの中間時点での MDG の進捗
は、良い点と悪い点が混在している。ジェンダーの平等
についてはかなり進歩が見られたが、貧困と飢餓に関す
る目標は、2015 年までの達成が難しい状況である。
ADB はフィリピンの条件付き現金給付プログラムの拡
大を支援するため、4 億ドルの融資を承認した。このプ
ロジェクトは、58 万 2,000 世帯の最貧困家庭に対し、
子供を学校に通わせることと、子供と妊婦に定期的な健
康診断を受けさせることを条件として、現金給付の形で
直接的な支援を提供するものである。
• ベトナム ベトナムは貧困削減に成功し続けており、貧
困率は 1993 年の 58.1% から 2008 年には 14.5% に
低下した。1 日 1.25 ドル未満で生活する人々の数で測
られる極度の貧困を半減するという目標は、期限前に達
成された。ADB は、融資・非融資業務、政策助言と知
識商品を通じて、インフラの整備、農村開発の迅速化、
教育と医療サービスの質とアクセスの向上、金融セクタ
ーの改革および行政の強化を推進し、この進展に貢献し
ている。
ナレッジ・マネジメント
をさらに改善するためのイニシアチブも継続された。
ブルネイ・インドネシア・マレーシア・フィリピン東
ADB の東南アジア局(SERD)は、知識業務の合理化
ASEAN 成長地域(BIMP-EAGA)は、プロジェクト形
成の分野で大きく前進した。BIMP-EAGA 開発ロードマ
ップ
(2006 ∼ 2010 年)
が引き続き有効だったと判断され、
加盟国は対象地域の戦略的目標の達成に向けた、次の 5
識業務が進行中であると認識されている。こうした知識
年間の実施計画を作成することに合意した。
業務には、開発ニーズと戦略を特定するために必要な、
とシステム化を目的として、ナレッジ・マネジメント・
フレームワークと行動計画を導入した。このフレームワ
ークでは、現在の業務サイクルにおいて、重要な開発知
イ ン ド ネ シ ア・ マ レ ー シ ア・ タ イ 成 長 の 三 角 地 帯
より詳細な国別およびセクター別分析、融資商品および
(IMT-GT)の各国の指導者は、ADB の支援で特定され
非融資商品の設計と準備に必要な知識と分析、プロジェ
た 10 件の優先的な接続性プロジェクト(計 52 億ドル)
クトの実施および能力開発活動の一環として移転される
を承認した。IMT-GT ロードマップ(2007 ∼ 2011 年)
知識、開発途上加盟国、東南アジア局および独立評価局
とその業務手続の中間レビューが完了した。
が実施するプロジェクト評価から得られ、今後の手続の
年次報告 2010
85
表 33 東南アジア:ソブリン融資のポートフォリオ・パフォーマンス指標(2009 ∼ 2010 年)
契約締結/約定a
国
実施中の融資件数
(2010年末現在)
実行額a
リスクのある融資
2010年
2009年
2010年
2009年
(百万ドル)
(百万ドル)
(百万ドル)
(百万ドル)
2010年
(%)
2009年
(%)
21
44.3
30.8
53.5
61.1
–
6.3
30
890.8
721.9
965.8
732.7
10.0
10.0
ラオス
8
14.5
24.1
22.2
37.0
–
6.7
フィリピン
9
13.1
1,314.1
31.1
1,317.5
–
–
タイ
2
–
–
–
–
–
–
55
610.2
1,782.0
406.7
1,093.4
7.3
2.3
125
1,572.8
3,873.1
1,479.3
3,241.7
5.6
5.2
ベトナム
合計
– = 該当データなし。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 終了済みだが当該年中に契約締結または実行が行われた融資を含む。
表 34 東南アジア:ADF および特別基金を財源とするグラントのポートフォリオ・パフォーマンス指標 a(2009 ∼ 2010 年)
国
契約締結/約定a, b
実行額a, b
リスクのあるグラント
実施中の
グラント件数
(2010年末現在)
2010年
2009年
2010年
2009年
(百万ドル)
(百万ドル)
(百万ドル)
(百万ドル)
19
20.1
28.9
17.9
21.6
–
–
2
35.7
52.7
51.5
59.3
50.0
33.3
カンボジア
インドネシア
2010年
(%)
2009年
(%)
19
40.6
49.4
35.3
33.0
–
–
フィリピン
1
0.0
0.0
0.0
3.0
–
–
タイ
–
–
–
–
–
–
–
ベトナム
4
6.7
9.8
6.8
10.2
–
–
45
103.1
140.9
111.5
127.1
2.2
3.0
ラオス
合計
– = 該当データなし、0.0 = 5 万ドル未満。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、気候変動基金(CCF)およびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を財源とするグラントを含む。
b 終了済みだが当該年中に契約締結または実行が行われたグラントを含む。
改善に役立つ教訓などが含まれる。技術協力を始めとす
プロジェクトが 45 件あった。2010 年中の契約締結額は
る具体的な計画を通じて、知識の伝達を改善する措置も
16 億 8,000 万ドルに達し、実行額は 15 億 9,000 万ドル
実施された。
となった。技術協力ポートフォリオは実施中のプロジェ
クト 199 件から成り、その総額は 3 億 5,700 万ドルで、
ポートフォリオ管理
ポートフォリオ・パフォーマンスについては、プロジ
うち 87% は良好と判定された。
国別業務概要
ェクトの実施と成果の達成に影響する組織全体の課題に
目を向けた改善措置が取られるようになった。これには、
ブルネイ
プロジェクトの準備段階における選別審査、国別・セク
ター別の定期的なポートフォリオ・パフォーマンス・レ
優先分野
ブルネイは BIMP-EAGA の閣僚会議および
ビュー、プロジェクト実施体制の改善、研修と指導を通
上級政府担当者会議を支援したほか、地域にとって優先
じたスタッフの能力強化、およびプロジェクトの有効性
的に進める接続性プロジェクトを固める協議会を支援し
と費用効果に基づく合理的なプロジェクトの延長などが
た。また、官民パートナーシップの下でプロジェクトを
含まれる。
形成する地域ファシリティの設立を支援した。
東南アジア地域には、
実施中の融資が 125 件、
グラント・
東南アジア
カンボジア
インドネシア
アジア開発銀行
86
表 35a 東南アジア:2010 年中に承認されたソブリン案件(国別)a
(単位:百万ドル)
国
東南アジア
カンボジア
融資
金融セクター開発プログラムII(サブプログラム 4)
経済多角化推進プログラム(サブプログラム 2)
農村開発のための公共財政運営プログラム(サブプログラム 2)
地方道路改良
水資源管理 セクター開発プログラム
−プログラム融資
−プロジェクト融資
グラント
金融セクター開発プログラムII(サブプログラム 4)
メコン河流域圏生物多様性保全回廊
経済多角化推進プログラム(サブプログラム 2)
−プログラム・グラント
−プロジェクト・グラント
農村開発のための公共財政運営プログラム(サブプログラム 2)
−プログラム・グラント
−プロジェクト・グラント
第2次メコン河流域圏域内感染症対策
水資源管理 セクター開発プログラム
インドネシア
融資
インフラ改革セクター開発プログラム(サブプログラム 3)
ジャワ島∼バリ島配電パフォーマンス改善
大都市圏衛生管理・保健
第6次開発政策支援プログラム
グラント
チタルム川流域管理・生物多様性保全
ジャワ島∼バリ島配電パフォーマンス改善
メラピ山災害対応
ラオス
グラント
メコン河流域圏生物多様性保全回廊
メコン河流域圏北部送電
北部・中部地域水供給・衛生セクター(追加)
メコン河流域圏北部交通網改良(追加)
北部地方インフラ整備セクター
第2次メコン河流域圏域内感染症対策
第2次メコン河流域圏北部交通網改良
技術・職業教育・訓練強化
OCR
ADF
その他の財源
合計
–
160.8
36.8
197.6
–
–
–
–
10.0
10.0
10.0
35.0
–
–
–
24.8
10.0
10.0
10.0
59.8
–
–
20.0
10.0
–
12.0
20.0
22.0
–
–
5.0
19.0
–
–
5.0
19.0
–
–
9.0
5.0
–
–
9.0
5.0
–
–
–
–
10.0
5.0
10.0
2.8
–
–
–
–
10.0
5.0
10.0
2.8
485.0
–
57.8
542.8
200.0
50.0
35.0
200.0
–
–
–
–
–
50.0
–
–
200.0
100.0
35.0
200.0
–
–
–
–
–
–
3.8
1.0
3.0
3.8
1.0
3.0
–
151.6
49.9
201.5
–
–
–
–
–
–
–
–
20.0
20.0
6.6
27.0
23.0
12.0
20.0
23.0
–
37.9
–
–
–
–
12.0
–
20.0
57.9
6.6
27.0
23.0
12.0
32.0
23.0
フィリピン
融資
金融市場規制・仲介プログラム(サブプログラム 2)
社会的保護支援
600.0
–
–
600.0
200.0
400.0
–
–
–
–
200.0
400.0
タイ
融資
資本市場開発プログラム
300.0
–
–
300.0
300.0
–
–
300.0
ベトナム
融資
メコン河流域圏ベンルック∼ロンタイン高速道路プロジェクト−トランシェ1
メコン河流域圏生物多様性保全回廊
保健人材セクター開発プログラム
−プロジェクト融資
−プログラム融資
ホーチミン市都市大量高速交通システム第2路線投資プログラム−トランシェ1
第2次メコン河流域圏域内感染症対策
第2次メコン河流域圏北部交通網改良
第2次中小企業育成プログラム(サブプログラム 1)
技能強化b
国有企業改革・コーポレート・ガバナンス改善プログラム−トランシェ1
水管理強化・灌漑システム修復
北部山岳州における持続可能な地方インフラ開発プロジェクトb
第3次金融セクタープログラム(サブプログラム 2)
510.0
580.0
75.4
1,165.4
350.0
–
–
30.0
–
–
350.0
30.0
–
–
40.0
–
–
–
–
120.0
–
–
–
30.0
30.0
–
27.0
75.0
40.0
70.0
10.0
100.0
108.0
60.0
–
–
36.4
–
–
–
–
–
28.0
–
–
30.0
30.0
76.4
27.0
75.0
40.0
70.0
130.0
128.0
108.0
60.0
グラント
保健人材セクター開発プログラム
合計
–
–
11.0
11.0
1,895.0
892.4
219.8
3,007.2
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 前年度以前に承認されたプロジェクトに対する協調融資、技術協力グラントおよびマルチトランシェ融資ファシリティを除く。
b 2 件の ADF 融資からなる。
年次報告 2010
87
a
表 35b 東南アジア:2010 年中に承認されたノンソブリン案件(国別)
(単位:百万ドル)
OCR
協調融資
保証
出資
プロジェクトb
民間融資
合計
300.0
–
–
–
–
300.0
住宅金融プログラム
300.0
–
–
–
–
300.0
タイ
204.3
–
–
2.0
–
206.3
バンチャク太陽発電
134.3
–
–
–
–
134.3
70.0
–
–
2.0
–
72.0
504.3
–
–
2.0
–
506.3
インドネシア
太陽発電
合計
– = 該当データなし、OCR = 通常資本財源。
a 前年度以前に承認されたプロジェクトに対する協調融資、技術協力グラントおよび貿易金融促進プログラムを除く。
b ノンソブリン・グラントを含む。
業務の効果 ADB 初となる経費請求可能な技術協力に
先目標を更新した。同国に対する支援は、従来よりも急
より、同国の資本市場整備に向けた戦略と行動計画の策
速かつ持続可能で、より多くの人々に恩恵をもたらす経
定が支援されたのに続き、同じく経費請求可能な形式で、
済成長を通じて貧困削減を支援することを目標としてい
公共財政運営に関する追加技術協力が承認された。この
る。インフラの整備、天然資源管理の改善、教育に対す
技術協力は、財政管理技能の強化と政府支出の効率性の
るアクセスの強化、公共財政管理の改善、および気候変
改善を目的としている。
動に対する軽減策と適応策が重視された。エネルギー効
率の向上に向けた融資メカニズムの開発を目的とするノ
カンボジア
ンソブリン業務の準備を行った。
優先分野 ADB の国別支援業務計画(2010 ∼ 2013)は、
業務の効果
ジャワ島∼バリ島配電パフォーマンス改善
カンボジア政府が更新した国家戦略的開発計画(2009 ∼
プロジェクトは、エネルギー効率の向上によって気候変
2013 年)に沿った内容となっている。業務計画では、よ
動の影響を軽減することを目的としていた。2007 年に開
り多くの人々に恩恵をもたらす多角的な経済成長とさら
始され ADB が支援している政府のコミュニティ・エン
なる貧困削減に引き続き重点を置き、農業と農村開発、
パワーメント国家計画(National Program for Community
民間セクター、ガバナンスと能力開発、および地域経済
Empowerment: PNPM)では、3 万 6,000 を超える村落
に資金が提供され、4 万キロメートルを超える地方道路、
9,000 の橋梁、1,000 カ所の灌漑システム、1 万 450 の簡
易飲料水供給施設、および 4,822 の簡易衛生施設が建設
統合の分野において、従来よりも的を絞った支援を行っ
た。
業務の効果 GMS カンボジア道路改良プロジェクトに
または改良された。都市部のスラム街の環境改善に向け
よる国道 6 号線の改良が完成し、タイ国境のポイペット
た ADB の支援により、32 都市に住む約 18 万の貧困家
から観光の中心地シエムレアプへの移動時間が 6 時間か
庭に利益がもたらされた。大都市圏衛生管理・保健プロ
ら 2 時間に短縮された。これにより、国道 6 号線を利用
ジェクトを通じて、さらに 270 万人が近代的な衛生施設
する外国人観光客の数が 3 倍近くに増えた。トンレサッ
を利用できるようになる見込みである。第 6 次開発政策
プ農村部水供給・衛生セクター・プロジェクトによって、
支援プログラムでは、投資環境の改善、公共財政運営と
安全な水および衛生施設へのアクセスが拡大し、特に女
ガバナンスの強化、および貧困層の公共サービスへのア
性・少女の健康と利便性が改善した。
クセスの改善を目的とする改革が継続された。
インドネシア
ラオス
優先分野 ADB は、インドネシア政府の中期開発計画
優先分野 2000 ∼ 2009 年の ADB のラオスに対する支
(2010 ∼ 2014 年)との整合性を高めるため、戦略的優
援プログラムが評価された結果、支援は成功し、有効か
東南アジア
融資
国
アジア開発銀行
88
表 36 東南アジア:2010 年末時点の国別累計融資額・
実行額 a, b
(単位:百万ドル)
国
カンボジア
インドネシア
ラオス
マレーシア
ミャンマー
東南アジア
フィリピン
タイ
ベトナム
合計
融資額
実行額
1,167.8
26,492.5
1,211.5
1,997.5
530.9
12,428.9
5,969.5
9,285.0
904.0
20,220.7
1,194.7
1,414.0
411.8
9,821.0
4,239.8
4,158.7
59,083.6
42,364.7
a 地域プロジェクトの融資コンポーネントは、可能な限り各国に配分している。
b 地域固有のノンソブリン(公共および民間)セクター融資を含む。
表 37 東南アジア: 2010 年末時点の国別グラント承
認額累計
(単位:百万ドル)
国
その他の特別基金 協調融資a
ADF
合計
255.7
–
90.3
–
307.0
108.0
415.0
338.8
–
51.3
390.0
マレーシア
–
–
–
–
ミャンマー
–
–
–
–
フィリピン
–
3.0
32.7
35.7
カンボジア
インドネシア
ラオス
346.0
–
–
2.0
2.0
45.6
–
104.5
150.1
地域
–
–
10.1
10.1
合計
640.1
310.0
398.8
1,348.9
タイ
ベトナム
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a ADB が管理していない協調融資は除く。
つ効果的であったと判断された。ADB の 2007 ∼ 2011
年の戦略とプログラムも引き続き、同国の開発に対する
有効性を維持している。新たな第 7 次国家社会経済開発
表 38 東南アジア:2010 年末時点の国別グラント実
行額累計
(単位:百万ドル)
5 カ年計画の目標を支援するために、ADB の戦略的優先
国
分野を決定すべく、ラオス政府との国全体およびセクタ
カンボジア
ー別の計画策定協議が始まった。
インドネシア
業務の効果
総額 12 億ドルのナムトゥン第 2 水力発電
所がコンセッション契約の下で操業を開始し、政府は
2009 年度に 600 万ドル、2010 年度に 1,000 万ドルの収
入を得た。この収入は教育、保健、環境および地方イン
フラの分野に投資された。コンセッション契約では、25
年の契約期間の終了時に、水力発電所の施設が無料で政
その他の特別基金a
ADF
合計
81.7
–
81.7
–
298.5
298.5
85.6
–
85.6
フィリピン
–
3.0
3.0
タイ
–
–
–
34.2
–
34.2
ラオス
ベトナム
地域
–
–
–
合計
201.5
301.5
503.0
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、気候変動基金(CCF)お
よびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を財源とするグラントを含む。
府に移管されることになっている。
マレーシア
ミャンマー
優先分野 マレーシアは引き続き、BIMP-EAGA および
IMT-GT を通じた ADB とのパートナーシップを強化し、
優先分野 ADB は開発パートナー・コミュニティと連
地域において優先順位の高いインフラ・プロジェクトの
携し、引き続きミャンマーの経済開発をモニタリングし
中で実施が急がれる案件リストの形成に貢献し、貿易促
たほか、国連開発計画(UNDP)による統計能力開発を
進イニシアチブに関する協力を行った。マレーシアはま
支援した。ミャンマーは GMS の主な会合と、一部の地
た、イスラム金融制度の適切な国際的基準と流動性管理
域技術協力プロジェクトに参加した。ミャンマーに対す
の推進に向けてイスラム金融サービス委員会を支援する
る ADB の融資プロジェクトは 1986 年以降、技術協力プ
など、地域金融市場の発展のため ADB と緊密に連携し
ロジェクトは 1987 年以降承認されていない。
た。こうした取り組みの進展や第 10 次マレーシア計画
の開始を踏まえ、マレーシアは ADB との正式なパート
ナーシップの構築に同意した。
年次報告 2010
図 17 東南アジア:2009・2010 年の国別融資額
(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
89
図 18 東南アジア:2009・2010 年の国別グラント承
認額(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
ブルネイ
ブルネイ
95.0
71.7
カンボジア
65.8
カンボジア
108.7
785.0
インドネシア
ラオス
0.12
7.8
5.0
インドネシア
151.6
ラオス
マレーシア
東南アジア
2,184.2
126.6
マレーシア
ミャンマー
ミャンマー
600.0
フィリピン
1,176.1
フィリピン
4.9
504.3
タイ
77.1
2.0
タイ
1,090.0
ベトナム
1,925.9
500
0
年
1,000
1,500
2,000
11.0
3.5
ベトナム
2,500
50
0
年
年
図 19 東南アジア:2009・2010 年の国別融資実行額
(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
53.5
61.1
カンボジア
1,079.8
23.4
37.0
ラオス
マレーシア
ミャンマー
ミャンマー
114.1
1,317.5
32.1
タイ
406.7
1,118.4
200
年
51.5
59.3
35.3
33.0
フィリピン
3.0
タイ
ベトナム
0
17.9
21.6
ラオス
マレーシア
フィリピン
200
年
インドネシア
739.9
150
図 20 東南アジア:2009・2010 年の国別グラント実
行額(ソブリン)a
(単位:百万ドル)
カンボジア
インドネシア
100
400
600
800
1,000
1,200 1,400
6.8
10.2
ベトナム
40
0
年
年
80
120
160
年
a アジア開発基金(ADF)、アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、
気候変動基金(CCF)およびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を財源とす
るグラントを含む。
90
アジア開発銀行
環境に関する知識基盤の進化
CEP-BCI では、開発の影響を受けたエコシステムの維持
ADB が支援する情報センターが開発計画策定
と修復について、革新的な計画策定アプローチが初めて導
入された。このアプローチには、有効な土地管理制度の導
入に当たって現地コミュニティの参加を得ること、農村部
の生計改善を目的とするリボルビング・ファンドの試験的
導入や、政府・市民団体双方の持続可能な開発に向けた計
画策定能力を改善することなどが含まれる。
者の貴重なリソースに
CEP-BCI の活動を通じて生み出される知識と情報は、環
境問題に関する意識を高め、GMS における計画策定や投
資に関する決定を下す際のリソースとして大いに役立って
いる。
2010 年、自然保護地域への投資を拡大する最初の地域
グラント・融資プログラムを準備する際に、地理情報シス
テムに基づくユーザーフレンドリーな「マップ・ツール」
が利用された。これは、
バンコクの環境事業センター
(EOC)
が提供する情報にリンクされていた。
EDC は、GMS 中核環境プログラム・生物多様性保全回
廊イニシアティブ(CEP-BCI)の下で設立された。CEP-BCI
は、開発圧力と、地域の生物多様性および重要なエコシス
テムを保全する必要性を両立させることを目的に、2006
年に技術協力プロジェクトとして始まった。
EOC は GMS 環境ワーキング・グループの技術的な事務
局を務めている。数年に渡り、EOC は GMS の環境管理に
関する情報と知識の交換所としての能力を高めてきた。
CEP-BCI の様々な事業は、経済回廊の環境に対する影響
を軽減し、開発の中心地と遠隔地の貧困地域を接続するこ
とで得られる新たな生計機会などのポジティブな影響を強
化することを目的としている。
フィリピン
Steve Griffiths
東南アジア
コン河流域圏(GMS)の各国政府の閣僚は、地域技
術協力プログラムの成果を地図上で確認できるよう
になった。これは、環境に調和した持続可能な成長を追求
する投資決定者にとって、重要な情報ツールとなっている。
メ
タイ・ラーチャブリー県で砂防ダムを建設する村人たち
員会、保険委員会および中央銀行による金融セクターの
監督を対象とする、金融市場の規制および仲介機能の改
優先分野 ADB とフィリピン政府は引き続き、
財政再建、
革を支援した。また、官民パートナーシップの制度的枠
投資環境の改善およびミレニアム開発目標の早期達成に
組みの改善について、新政権を支援した。
重点を置いている。ADB は、政府、民間セクターおよ
び市民団体と緊密に協力しつつ、新たな国別支援戦略
タイ
(2011 ∼ 2016 年)の作成を開始した。この戦略は、フ
ィリピン開発計画(2010 ∼ 2016 年)に沿った内容とな
優先分野 国別支援戦略(2007 ∼ 2011 年)は、
インフラ、
る予定である。
資本市場と環境に調和した持続可能な開発を重視する内
容で、世界金融危機や国内の政情不安にもかかわらず、
業務の効果 ADB は 4 億ドルの社会的保護支援プロジ
引き続き有効であった。政策対話の重点分野は、資本市
ェ ク ト を 通 じ て、 政 府 に よ る 社 会 的 保 護 プ ロ グ ラ ム
場の開発、官民パートナーシップの推進および全ての
(Pantawid Pamilyang Pilipino プログラム)の拡大および
人々に恩恵をもたらす成長であった。
関連セクターの改革を支援した。このプロジェクトでは、
世界中で成功している条件付き現金給付プログラムの経
業務の効果 ADB は資本市場開発プログラムを通じて、
験が活用され、50 万世帯を超える貧困家庭が支援対象と
投資資金の国内調達の増加につながる資本市場の拡大、
なる。ADB はまた、2 億ドルの融資を通じ、証券取引委
多角化、包括化と安定化を目指す改革を支援した。また、
年次報告 2010
91
未来の政策立案者の育成
2002 年に立ち上げられたプノンペン開発管理
計画を通じて、1,600 人を超える政府関係者
が研修を受けた
OG 会が定期的に開催されているほか、ニューズレターの
発行、ウェブサイトの運営や人脈作りのためのイベントが
行われている。
ロジェクトを効果的に実施する能力を備えた人材の育成を
目指している。
2003 年以降の PPP に対する支援総額は 970 万ドルで、
ADB、中国、フランス、韓国とニュージーランドが資金を
提供している。こうした支援のおかげで、PPP は GMS の
中核的なプログラムとなった。
PPP は GMS 諸国の公務員をターゲットとする様々なパ
ートナーのネットワークによって運営され、これまでに、
各国政府のあらゆる階層に属する 1,668 人の公務員を対象
スの ADB 駐在員事務所にある学習リソース・センターを
支援している。
PPP フェローシップ・プログラムは、上級および中級職
にある公務員を幹部および指導者として育成することを目
的としている。一方、PPP の研究プログラムは、GMS 諸
国の研究機関が相互に提携して行う、新たな課題に関する
技術協力を通じて、官民パートナーシップの組み込みに
向けた政府による環境整備を支援した。
Jordana S. Queddeng
として、開発管理、地域協力と公共政策に関する 85 の学
習プログラムを実施した。PPP はまた、カンボジアとラオ
ガントチャートを使った業務計画の策定−プノンペンにて
ィージビリティ・スタディの要件、環境アセスメントの
ガイドライン、再定住とその費用に関する基準、および
モニタリング・ツールを調和化することを通じて、プロ
ベトナム
ジェクトの立ち上げと実施の迅速化を支援した。2007 年
に承認された ADB の第 3 次金融セクター・プログラム・
優先分野 ADB の国別支援戦略と業務計画は引き続き、
クラスターは、金融セクターの多様化、深化と回復力の
経済成長、社会発展と環境管理に重点を置く内容であっ
向上に貢献した。同クラスターの下での第 2 サブプログ
た。ADB はこれらの優先目標を達成するため、道路交
ラム融資は、証券市場と債券市場を育成することによっ
通網、都市大量輸送システム、水の管理と灌漑、および
て金融セクターの改革を拡大したほか、透明性の強化や、
地方インフラを含む、インフラの整備に関与した。中小
法律・規制・執行に関する枠組みの強化を行った。同プ
企業の育成、資本市場を含む金融システムの強化、行政
ログラムは、2008 ∼ 2009 年の金融危機が続いていた期
の効率化とガバナンスの改善、および技術訓練・職業訓
間に、ベトナムが平均で約 6% という高い経済成長率を
練の強化に加え、保健セクターにおける医療従事者の管
維持する一助となった。同国の 2010 年の成長率は 7%
理と資金調達に関する政策改革、および地域協力・統合
近くにまで上昇した。同プログラムはまた、金融危機の
の推進を通じて、これらの目標の達成に貢献した。
影響を受けて人々が貧困に陥るリスクを軽減した。
業務の効果 ADB は開発パートナーと提携しつつ、フ
東南アジア
2
002 年 に 立 ち 上 げ ら れ た プ ノ ン ペ ン 開 発 管 理 計 画
(PPP)は、メコン河流域圏(GMS)の指導者および変
化の担い手として、政策を策定し GMS のプログラムやプ
応用研究と政策指向の研究を支援している。PPP は域内の
パートナー研究機関、大学やシンクタンクに対し、その能
力強化を目的として、研究助成金を提供している。
知識の普及を推進するため、GMS 関係者の対話や OB・
第12章
ノンソブリン業務
民間セクターの投資が経済成長を推進する主なエンジンである。2010年、ADBは民
間セクター業務において、クリーン・エネルギー関連のプロジェクトや基金を通じて
環境に調和した持続可能な成長を推進する活動を強化した。2010年末時点で、融資、
出資と保証からなるノンソブリン業務ポートフォリオの総額は53億ドルに達した。
年次報告 2010
A
93
DB は自らの業務の触媒効果によって民間セクタ
ーンは、ADB がプロジェクトの包括的な融資パッケー
ーからの投資や融資を引き出し、開発のために
ジをアレンジし、プロジェクト実施国内外の民間銀行や
多大な資金を動員している。革新的で反復可能
その他の金融機関が参加するものである。支援を受ける
な民間セクターのプロジェクトに対する ADB の支援は、
企業は、資金だけでなく、ADB のチームが提供する専
全ての人々に恩恵をもたらす裾野の広い成長を促進し、
門知識や助言からも便益が得られる。
最大限の開発効果を実現し、知識の移転を強化すること
を目指している。
ノンソブリン業務はストラテジー 2020 の目標を達成
するために不可欠である。ストラテジー 2020 では、あ
らゆる業務分野において民間セクター開発と民間セクタ
ー業務を拡大し、2020 年までに年間業務総額の 50%と
ローン(
「用語解説」を参照)を通じて提供される。B ロ
することを目指している。
ノンソブリン・プロジェクトによる支援を受けた開発
途上加盟国の数は、2000 年には 10 カ国だったがこの 10
民間セクター業務を通じた
年間で 2 倍以上に増え、2010 年には 23 カ国となった。
MDG 達成の支援
民間セクター業務
・ADB の民間セクター業務の開発効果は、インフラと
金融セクター開発、経済成長および貧困削減とが互い
民間セクター業務は ADB のノンソブリン業務のうち
に連結していることから生じる。この意味で、ADB
最大の部分を占め、2010 年の総額は融資が 10 億 5,300
の民間セクター支援は全て、直接的または間接的に、
万ドル、出資が 2 億 4,300 万ドル、保証が 3 億ドル、B
極度の貧困と飢餓を撲滅するというミレニアム開発
ローンが 3 億 2,000 万ドル、
グラントが 200 万ドルだった。
目標(MDG)の第 1 目標の達成に貢献している。
民間セクター業務は、全ての人々に恩恵をもたらす経
、
・環境の持続可能性を確保するため(MDG 第 7 目標)
済成長、環境に調和した持続可能な成長、および地域統
ADB は支援するプロジェクトの環境面・社会面での
合というストラテジー 2020 の 3 つの開発アジェンダに
配慮について厳しい基準を設定している。ADB の支
沿って行われている。全ての人々に恩恵をもたらす経済
援を受けるプライベート・エクイティ・ファンドと金
成長を支援するため、ADB の民間セクター業務はイン
融仲介機関は全て、環境社会マネジメント・システム
フラ、金融市場および資本市場の各分野で行われている
を導入しなければならない。インフラ・プロジェクト
(銀行、ノンバンク、プライベート・エクイティ・ファン
においては、ADB の環境および社会的配慮に関する
セーフガードが遵守される。民間セクター・ポートフ
ドが関与)
。
環境に調和した持続可能な成長を支援するため、ADB
ォリオには、MDG 第 7 目標の達成に直接貢献する水
はクリーン・エネルギーに関するプロジェクトや基金に
および汚水関連のプロジェクトも含まれている。例え
対する支援を拡大している。2010 年に承認された支援に
ば、2010 年に承認された松花江流域水質汚染抑制・
は、再生可能エネルギーに関する 6 件・計 5 億 2,300 万
管理プロジェクトでは、中国北部の 200 万世帯に基
ドルのプロジェクトが含まれ、全体の 27%を占めた。そ
本的な衛生サービスが提供される。
・グローバルなパートナーシップの開発(MDG 第 8 目
の一例として、ADB は地域レベルのクリーン・エネル
ギー基金への関与を強めている(詳細は 96 ページを参
標)では、
情報通信技術での利益を広めるという点で、
照)
。ADB は貿易金融促進プログラムを通じて地域統合
民間セクターが具体的に言及されている。ADB の民
を直接的に促進している。2010 年、ADB はこのプログ
間セクター業務は、アフガニスタン、バングラデシュ、
ラムを通じて、440 件の域内貿易取引を支援した。その
パプアニューギニアの様々な通信プロジェクトへの
うち 88 %は開発途上加盟国間の貿易取引であった(97
投 資 を 通 じ て、 こ の 目 標 の 達 成 に 貢 献 し て い る。
ページを参照)
。
MDG 第 8 目標には、内陸国のニーズに対応するもの
近年、民間セクター業務では、アジア開発基金からの
もあるが、アルメニアのズヴァルトノッツ空港などの
譲許的な資金援助の対象となる国々、および全開発途上
プロジェクトに対する ADB の支援はこの目標の達成
加盟国を通じてより課題の多いセクターを重視するよう
に直接的に貢献している。
になっている。例えば、ADB はアルメニア初のインフ
ラ投資案件を承認し、タイでは同国初の民間太陽発電所
ノンソブリン業務
民間企業または国営企業に対する ADB の支援は、中
央政府の保証のない融資、出資、信用補完商品および B
94
アジア開発銀行
通信サービスの拡大を目指す
太平洋地域初の民間融資
2
009 年 9 月 に 承 認 さ れ た パ プ ア ニ ュ ー ギ ニ ア の
Digicel Ltd 社に対する 2,500 万ドルの融資は、太平洋
地域における ADB 初の民間インフラ・プロジェクトであ
Digicel 社の業務拡大により、今後 10 年間に、ライセン
ス料と法人所得税として約 9,000 万ドルの政府収入が見
込まれ、政府は他の開発イニシアチブを実施するために不
可欠な収入を得ることになる。
る。太平洋地域は、経済の主要セクターへの投資が不足し
ているため、アジアの他の地域と比べて開発が遅れている。
Digicel 社はこの融資を使って携帯電話ネットワークを
拡張・改良しており、2011 年までに質の高い安価な携帯
電話サービスを全人口 700 万人の 25%に提供することを
目指している。交換機を追加し、料金請求システムをアッ
プグレードし、地方を中心にネットワークのサイト数を
400 から 500 に増やすことで、Digicel 社は従来電話を使
えなかった人々やコミュニティを結びつけている。
パプアニューギニアのような島国では、電話がサービス
供給の効率化につながる。例えば、災害警報をより速く伝
達できるようになり、公共安全対策が改善する。また、山
岳地域では、教師が給与の振り込みを確認するため何日も
かけて銀行まで歩く必要がなくなり、学校の授業日を増や
すことができる。
このプロジェクトはまた、従業員向けに研修や技能開発
を提供するほか、低開発地域の社員、ディーラーや請負業
者に事業機会を提供する。ADB の関与により、
Digicel 社は、
Digicel Ltd.
ノンソブリン業務
社会的セーフガードや環境セーフバードのモニタリングな
ど、コーポレート・ガバナンスと社会的責任のベスト・プ
ラクティスを確保している。ADB の支援はまた、他の企
業にも同様のグッド・プラクティスの採用を促し、触媒効
果を通じて民間セクター全体における民間融資の動員に役
立っている。
パプアニューギニア国民の 4 分の 1 に安価な
電話サービスを提供することを目指す ADB の
支援事業
パプアニューギニアでは、電話がサービス供給の効率化をもたら
している
に対する融資を承認したほか、太平洋地域では ADB 初
年に承認された住宅金融ファシリティとマイクロファイ
となる民間セクター・インフラ・プロジェクトを実施し
ナンス・リスク保証プログラム分を除く)
。
た(上記囲み記事を参照)
。
民間セクター業務の主な目的は、異なる状況下で反復
ADB はまた、民間金融機関と連携して、マイクロフ
できるプロジェクトを考案することと、触媒効果によっ
ァイナンスと住宅ローンの拡大を目的とする新しいプロ
て追加的な民間投資を動員することの 2 つである。いず
グラムを導入した。2010 年、ADB は民間セクター業務
れの目的も、投資家に対する知識と情報の移転に依存す
について最初の開発効果報告書を作成した。同報告書は、
る。革新的なプロジェクトに関する自らの経験を活用す
ADB の民間セクターに対する支援が開発アジェンダの
推進にどれほど成功したかを評価する年次報告の第 1 号
である。
(民間セクター業務が MDG 達成に向けてどの
ように貢献しているかについては、93 ページを参照。
)
2010 年末までに、民間セクター業務のポートフォリオ
総額は 53 億ドルに達した。そのうち 29 億ドルは直接融
資、13 億ドルは出資、10 億ドルは保証であった。18 件
のプロジェクトの平均規模は 7,600 万ドルだった(2010
ることで、ADB は新しいビジネス手法、テクノロジー、
地域やセクターに関する不確実性を低減している。2010
年には、以前の案件から得られた知識を活用した後続プ
ロジェクト 2 件が承認された。また、助言支援活動を通
じて知識の移転が促進された。例えば、プライベート・
エクイティ・ファンドに対する ADB の投資(民間セク
ター承認総額の 5%に相当)では、全案件に環境社会マ
ネジメント・システム(ESMS)が導入された。民間金
年次報告 2010
95
ノンソブリン業務
中国・梅河口市の浄水場。ADB はこうしたプロジェクトに対する支援に厳しい基準を設定している
96
アジア開発銀行
クリーン・エネルギーへの投資資金を動員
ADB は代替エネルギーに投資するファンドに
エネルギー安全保障と低炭素型の成長軌道を達成できるよ
うに知識を創造し、投資を増やすため、他にも多数のイニ
シアチブや基金を立ち上げてきた。
ADB は 2010 年中に、クリーン・エネルギー関連のプ
ロジェクトに対して 15 億 6,000 万ドルの支援を約定した。
早くから出資による支援を行っている
んの数年前まで、投資コミュニティは、気候変動の
影響を軽減するクリーン・エネルギー関連の企業や
プロジェクトにほとんど注意を払わなかった。現在、クリ
ーン・エネルギー分野は、投資家のために収益を追求する
プライベート・エクイティ・ファンドの熱い注目を集めて
おり、ADB はこの分野の可能性を示すうえで一定の役割を
ほ
2006 年から 2030 年にかけて倍増すると予想されるア
果たしている。
ADB は、環境と調和した持続可能な開発を推進しうる市
場において、触媒としての自らの重要な役割を認識し、
ジアのエネルギー需要を満たすには、新たなエネルギー・
インフラへの投資として 6 兆ドルが必要とされている。こ
のことを踏まえれば、再生可能エネルギーや省エネルギー
技術を地域全体で積極的に採用し、化石燃料の消費量増加
による影響の軽減を可能にする投資を増やすことが不可欠
である。民間資本の動員に貢献することで、ADB は小さ
2007 年に、クリーン・エネルギー関連ファンドへの投資
資金として 1 億ドルを配分した。ADB はファンド・マネ
ジャーに対し、石炭・石油・ガスに代わってアジアの成長
のエンジンとなる代替エネルギーを推進するという、ADB
いながらも重要な役割を果たしている。
の目標に沿った投資戦略を有するファンドを創設するよう
呼びかけた。
2009 年末までに 2 つのファンドが設立された。ADB は、
北 京 に 本 拠 を 置 く Tsing Capital 社 が 運 営 す る 総 額 2 億
2,800 万ドルの「チャイナ環境ファンド III」に 2,000 万
ドルを、韓国の GS Group が運営する「アジア・クリーン
エネルギー・ファンド」に 5,400 万ドルを投資した。プラ
イベート・エクイティ・ファンドに投資する他の投資家と
同様、
ADB はファンドの投資収益を現金で受け取っている。
2010 年末までに、ADB が支援する「南アジア・クリー
ンエネルギー・ファンド」が第 1 回の募集を締め切り、投
融資約定額として総額 5,762 万ドルを調達した。
開発機関である ADB は、市場に光を当て、民間投資家
に参入を促すユニークな立場にある。ADB はまた、各国が
Ian Gill
ノンソブリン業務
これは、2003 年の 2 億 3,000 万ドルから大幅な増加であ
る。ADB は、2013 年までに、クリーン・エネルギー関連
の年間投資額を 20 億ドルに増やすことを目指している。
ADB は石炭・石油・ガスに代わる代替エネルギーの推進を目指している
融機関による ESMS の利用を促すことを目的とした 250
の B ローンを確保した。
万ドルの技術協力も承認された。マイクロファイナンス
と住宅金融に対するプログラム型の支援(承認総額の 29
ADB の民間セクター投資によって動員された外部資
金は、ADB の自己資金の 1.6 倍から 17 倍に達した。イ
%)により、これらの分野における信用分析のグッド・
ンフラ分野では、民間セクター・プロジェクトの事業費
プラクティスの普及が期待される。
見積総額は、ADB の支援金額の約 4 倍となった。エク
ADB の民間セクター業務に関する政策により、ADB
の直接支援は一般的に、プロジェクト総費用の 25%まで
に制限されている。従って、協調融資は、ADB が民間
イティ・ファンドの目標資金額は、ADB が承認した投
資額の 8.7 倍、貿易金融促進プログラムの支援を受けた
セクターへの支援を最大化するために非常に重要なツー
保証の金額の 2.3 倍だった。
ルである。ADB は協調融資商品を活用して、様々なパ
ートナーからの協調融資を動員し、3 件のプロジェクト
(事業費の合計が 18 億ドル)に対して 3 億 2,000 万ドル
貿易案件の総額は、プログラムの下で供与された融資と
年次報告 2010
97
るように支援するものである。
公共セクター向けノンソブリン業務
南アジア局はまた、運輸、水、電力などの様々なセク
ターのノンソブリン・プロジェクトおよび官民パートナ
ADB は 2005 年 9 月以降、国家または中央政府から組
ーシップ・プロジェクトにおいて、インド政府と緊密に
織構造的に分離している公共団体に対し、中央政府保証
協力している。中央・西アジア局は、インフラに対する
を受けない融資を提供している。この対象には、国営企
民間セクターの投融資を動員し、官民パートナーシップ
業、政府機関、自治体と地方政府が含まれる。
を推進することを目的とした法律および規制の枠組みを
アジア・太平洋地域において官民パートナーシップと
確立するため、いくつかのイニシアチブを検討している。
東アジア局は、中国における 100 メガワットの大規模
応して、この公共セクター向けノンソブリン業務は 2010
風力発電プロジェクトを支援するため、3,400 万ドルの
年に引き続き拡大した。
ノンソブリン融資を供与した。これは、再生可能エネル
ADB は、東南アジア諸国連合および中国、日本、韓
国(ASEAN+3)と共同で所有する信託基金、信用保証・
投資ファシリティ(CGIF)を設立するに当たり、全資本
の 19%に相当する 1 億 3,000 万ドルを拠出した。
このファシリティは、ASEAN+3 における債券市場の
ギーの開発と気候変動の抑制に向けた中国の努力を支援
するものである。東南アジア局は、中小企業および輸出
業者が新しい金融商品を利用できるようにし、輸出競争
力の強化と雇用創出を目指すノンソブリン融資につい
て、ベトナムおよびインドネシアの銀行と交渉した。ま
発展と、域内の金融セクターの強化を支援するものであ
た、東南アジア局はインドネシアにおいて、エネルギー
る。ASEAN+3 と ADB は CGIF の設立準備に当たって
効率の向上に向けた資金調達の仕組みを開発し、輸出製
政策を調整し、域内の債券発行に関する基準と慣行の調
造業者が二酸化炭素排出量の削減に役立つテクノロジー
和化を推進し、金融市場の地域統合に道を開いた。
南アジア局は、零細企業・中小企業の資金調達環境の
を利用できるようにすることを目指している。太平洋地
域では、ADB は太平洋局の民間セクター開発イニシア
改善を目的として、5,000 万ドルの融資と 2 億 5,000 万
チブと技術協力を通じて、マイクロファイナンス、地方
ドルの保証を提供した。このファシリティは、ADB の
金融機関と中小企業の発展に役立つ環境を整備してい
保証を提供することで、インドの政府系銀行が国際資本
る。
市場から借入または起債を通じて中長期資金を調達でき
貿易金融促進プログラム
ADB が運営している貿易金融促進プログラム(TFP)は、
貿易の促進を目的として、民間銀行を通じて保証と融資を
提供するものである。2010 年に TFP を通じて支援した貿
た開発途上加盟国は 14 カ国で、支援件数が多かった上位
5 カ国はバングラデシュ、ベトナム、パキスタン、スリラ
ンカとネパールである。
易案件の総額は 28 億ドル近くにのぼり、
うち 15 億ドルは、
TFP 貿易取引に対する民間銀行の協調融資であった。2010
年中に TFP が支援した貿易案件は 783 件で、対象となっ
た中小企業は 270 社を超えた。支援対象となった案件の
うち 440 以上が域内貿易で、うち 386 件は開発途上加盟
国間の貿易であった。2010 年中に TFP による支援を受け
(単位:百万ドル)
2010年
2009年
TFPの融資・保証額
1,223.271
TFPへの協調融資
1,541.89
1,263.10
TFP支援総額
2,765.16
1,896.21
633.11
1 この数値は、2010 年中に貿易金融促進プログラム(TFP)を通じて提供された融資と保証の累計額である。2009 年およびそれ以前に理事会が承認した 10 億ドルの TFP 限度額(2009
年 3 月 31 日に承認された 8 億 5,000 万ドルを含む)は、TFP が一度に負担できる融資と保証の上限を示す。この上限額を超えて融資・保証が提供されたことはない。TFP 取引
の期間は比較的短い(2010 年の平均期間は 127 日)ため、TFP の融資・保証は年度中に数回行う(枠を再利用する)ことができる。このため、2010 年中の TFP の融資・保証
の累計額は 10 億ドル以上となったが、どの時点においても合計額が限度額を超えることはなかった。
ノンソブリン業務
地方政府による資金調達の機会が拡大していることに呼
第13章
知識の創造と
共有
2010年、ADBのナレッジ・ソリューションは開発途上加盟国における全ての人々に
恩恵をもたらす経済成長、環境に調和した持続可能な成長および地域統合に向けて、
現実的かつ実務的な貢献を行った。地域フォーラム、オンライン活動の拡大やその他
の出版物を通じて、ADBは情報を広め、専門知識を提供することができた。ADBは
ストラテジー2020において、知識の普及に今後ますます大きな役割を果たしていく
ことを公約している。
年次報告 2010
99
識は開発を進め、その効果を強化する強力な触
再び貧困層に転落するリスクが高いことを強調した。オ
媒として機能する。ADB はこの認識に立ち、
ンライン閲覧回数が 7 万 3,000 回を超えた本書は、給与
知
ストラテジー 2020 において、アジア・太平洋
の高い仕事をより多く創出し、進んだ教育・医療制度を
地域における全ての人々に恩恵をもたらす経済成長、環
奨励する政策を取れば、中間層が再び貧困層に逆戻りす
境に調和した持続可能な成長および地域統合を目指して
るのを防ぐことができると主張している。
ナレッジ・ソリューションを活用すべく、ますます大き
な役割を果たしていくことを公約した。
重要な研究報告書である「持続可能な成長に向けたバ
ランスの調整:危機後のアジアの課題」
(Rebalancing for
Sustainable Growth: Asia’s Postcrisis Challenge)では、
アジアの政策立案者が内需と地域全体の需要を増やし、
査局、地域経済統合室と地域・持続的開発局は、ADB の
それによって先進国向け輸出への依存を減らし、持続可
開発途上加盟国に直接的な効果と触媒効果による成果を
能かつ長期的な成長の基盤を作る上で役に立つ、構造的
もたらすナレッジ・ソリューションを設計し、移転した。
な課題と政策を特定した。本書の勧告は、ADBI の支援
これらの部局は、地域局および 13 の実務コミュニティと
を得てアジア政策フォーラム(Asian Policy Forum)が
協力して業務を行った。
作成した報告書「アジアにおいてバランスの取れた持続
可能な成長を確保するための政策勧告」
(Policy
全ての人々に恩恵をもたらす経済成長
全ての人々に恩恵をもたらす経済成長を目指すという
ことは、持続可能な機会を育てつつ、その機会に対する
広く平等なアクセスを確保することを意味する。このた
め、ADB は教育、保健、社会的保護などの分野で人材
能力を育成し、極端な不平等を是正するイニシアチブを
続けている。同様に、持続可能な経済発展を達成し、貧
Recommendations to Secure Balanced and Sustainable
Growth in Asia)の背景となった。2010 年 10 月に発表
されたこの報告書は、G20、アジア太平洋経済協力会議、
ASEAN+3、東アジアサミットに提出された。
ADB はまた、一連の「世界経済・金融危機の影響に
関する地域フォーラム」
(Regional Forum on Impact of
the Global Economic and Financial Crisis)を、国、各地
域および地域全体レベルで開催した。2010 年 11 月にマ
ニラで開かれた第 3 回フォーラムには、各国の財務相、
困層を市場に接続し、生産的資産に対する貧困層のアク
中央銀行総裁と政府高官が集まり、アジア開発途上国と
セスを拡大するインフラ投資を推進してきた。
太平洋諸国は回復基調を維持し、経済危機への耐性を高
ADB の主な出版物である「アジア経済見通し 2010 年
めるマクロ経済政策と規制政策を実施すべきであるとの
版」
(Asian Development Outlook 2010)では、最近の金
結論を出した。政策協調をさらに進めていくことの重要
融危機に際してのアジア開発途上国の回復力を追跡し、
性も強調された。
今後 2 年間に力強い回復が見られるとの展望を示した。
また、アジア地域の課題として、マクロ経済の安定と持
全ての人々のための教育を推進するため、
「教育特集」
(Focus on Education)シリーズとして 4 件の著作物が発
続的な成長を実現するために金融、財政および為替レー
表された。このシリーズでは、人々が教育から排除され
トに関する政策を調整する必要性を検討した。
「アジア経
る様々な状況を改善する方法を検討し、民間セクターの
済見通し 2010 年改定版」
(Asian Development Outlook
役割を強化する方法を模索し、スリランカで成功してい
2010 Update)では、全体的に明るい短期的見通しに影
を落とすリスクを特定した。これら 2 件の出版物を合わ
せたオンラインでの閲覧回数は 13 万 3,000 回、各種メ
ディアで引用された回数は 500 回以上となり、情報と政
策分析の発信源としての ADB の評価が高まった。
る技術・実業教育および訓練プログラムを紹介した。
もうひとつの主な出版物である「キー・インディケー
ターズ(主要指標集)
」
(Key Indicators for Asia and the
Pacific 2010)は、最新の統計データを提供するのみなら
ず、特別に章を設けて、域内の中間層の急増が成長にも
たらす影響を検討し、中間層の多くは所得が貧困水準を
わずかに上回っているにすぎず、外的ショックによって
ADB は人材能力を強化し極端な
不平等を是正するイニシアチブを
継続した
知識の創造と共有
2010 年、ストラテジー 2020 の相補的なアジェンダを
追求するため、アジア開発銀行研究所(ABDI)
、経済調
100
アジア開発銀行
困層および脆弱者のニーズに対応する政府の能
され、開発推進と、地域の生物多様性および重要なエコ
力を育成するため、ADB はいくつかの技術協
システムを保全する必要性を両立させることを目的とし
力グラントを実施した。その対象となったのは、
ている。組織内部の能力を強化する努力が続けられた。
貧
フィリピンの貧困家庭に対する条件付き現金給付プログ
ADB は、メキシコ・カンクンで開かれた国連気候変
ラムの拡張、グルジアの社会サービスおよび社会的保護
動会議に先だって、情報普及と広報活動を行った。ADB
に関する最低限の政府支出の維持、およびクック諸島、
はメディア向けのツアーやウェブサイト上のインタラク
マーシャル諸島とトンガの脆弱者に対する最近の金融危
ティブなページを通じて、アジア地域における気候変動
知識の創造と共有
機の影響の軽減である。また、全ての人々に恩恵をもた
と会議に関する認識を高めた。会議では、アジア・太平
らす経済成長を阻害している要因を特定する能力を強化
洋地域で行われている革新的な事業や ADB が果たして
し、開発計画の策定のあり方を改善する支援をブータン、
いる触媒としての役割を紹介した。具体的には、地域全
インドネシアとパプアニューギニアにおいて行った。
「イ
体における国家開発戦略への気候変動配慮の組み込み、
ンドネシア:開発の主な制約条件」
(Indonesia: Critical
Development Constraints)と題した報告書を発表したほ
か、他の 2 カ国においても報告書の執筆作業を行ってい
ている再生可能エネルギーのマッピングの作製や気候耐
る。インドネシア政府は、開発パートナーとの対話にお
動対策に抜けた国際的な資金調達メカニズムの拡張など
いて、この報告書が重要なインプットになると考えてい
についてプレゼンテーションを行った。
タジキスタンをはじめ中央アジア・西アジア諸国で行っ
性の構築に向けた支援、持続可能な交通の推進、気候変
る。
地域統合
環境に調和した持続可能な成長
地域協力と地域統合は、経済成長の加速、格差の是正、
貧困層の多くが生計を立てるために天然資源に依存し
ていることを踏まえれば、環境的に持続可能な成長のみ
が貧困を撲滅しうる。これを実現するため、ADB は、
生産性の向上と雇用の創出、そして制度の強化を進める
大きな潜在力を有している。
ADB は地域協力・統合を業務に取り入れるため、地
環境に優しい技術の活用、環境セーフガードの導入、お
域協力プログラムを支援し、国境をまたぐインフラを整
よびその実施を強化するための組織的能力の育成を支援
備し、貿易と投資を推進し、金融政策や財政政策に関す
した。この分野における重要な著作物「グリーンな成長、
る協力イニシアチブを促進し、地域公共財に関する協力
資 源 と 回 復 力: 概 観 」
(Preview of Green Growth,
Resources and Resilience)を、第 6 回アジア・太平洋環
を後押しした。2002 年に立ち上げられたプノンペン開発
管理計画(PPP)は、引き続き GMS 地域協力イニシア
境と開発に関する閣僚会議で発表した。本書では、主な
チブを支援し、政策を立案し GMS のプログラムやプロ
重点課題、政策のボトルネックおよび短期間で実行でき
ジェクトを実施する指導者や変化をもたらす鍵となる担
る解決策を特定したほか、より環境に優しく、より多く
手機関の能力を強化した。
の人々に恩恵をもたらす、回復力の強い成長の追求をリ
こうした努力を支える重要な知識商品として、
「地域統
供する機会が増えた。例えば、エネルギー実務コミュニ
合のための制度:アジア経済共同体に向けて」
(Institutions
for Regional Integration: Toward an Asian Economic
Community)と題した著作物が完成した。アジアにおけ
る経済統合に関する 3 部作の最終作となった本書は、制
ティのメンバーは、国際エネルギー機関(IEA)と世界
度作りのプロセスにおけるギャップを特定し、他地域と
ードできる分野を指摘した。
また 2010 年には、ADB の専門家が世界的に権威のあ
る研究機関等から要請を受けて、重要なインプットを提
エネルギー会議(World Energy Council)から要請を受け、
の比較から教訓を引き出し、アジア経済共同体の創設に
IEA が発行する World Energy Outlook 2010 などの知識
向けて地域協力・統合を強化するためのステップを勧告
商品にインプットを提供した。
メコン河流域圏(GMS)は、バンコクに本拠を置き
ADB が支援している環境事業センター(EOC)から支
した。アジア、欧州および米国においてコンサルテーシ
ョンを実施し、主な政策立案者、シンクタンクや市民団
体と意義深い話し合いが行われた。
援を受けた。EOC は、GMS 中核環境プログラム・生物
「シームレス・アジアのためのインフラ」
( Infrastructure
多様性保全回廊イニシアティブ(CEP-BCI)の下で設立
for a Seamless Asia)と題した著作は主に ADBI のワー
年次報告 2010
101
知識の創造と共有
ネット上のツールが ADB の地域統合活動を支えている
キング・ペーパーから成り、地域レベルのインフラ開発
スト効果の高い地域公共サービスを拡大すべく支援を行
における主な課題を分析し、これに対応する方策を勧告
った。
した。本書は、シニアレベルの政策立案者、学界、研究
ADB の地域統合活動は、アジア・ボンド・オンライ
者とメディアに大いに注目された。シニアレベルの政策
ン(ABO)やアジア地域統合センター(ARIC)のウェ
立案者や国際機関は、本書のインフラ投資ニーズの推定
ブサイトなど、ネット上の情報と連携ツールによって支
金額を引用し続けている。2010 年の例としては、京都で
えられた。
開催された APEC 財務大臣会合の首脳会合向け成長戦略
ABO のウェブサイト(ASEAN+3 財務相会議のイニ
報告書、バンコクで開催された G20 ソウル・サミットの
シアチブ)は、現地通貨建てソブリン債に関する情報サ
ためのアジア・太平洋地域からの視点に関するハイレベ
イトから、東アジア新興国の債券市場の動向に関するデ
ル協議会における国連アジア太平洋経済社会委員会
ータ、分析や独自のコンテンツを備えた、債券市場参加
(ESCAP)の議長サマリー、ハノイで行われた国際通貨
者のポータル・サイトへと進化した。2010 年、ABO は
基金(IMF)筆頭副専務理事の講演、および OECD の東
対象を拡大して社債を扱うようになった。近年、投資家
南 ア ジ ア 経 済 見 通 し(Southeast Asian Economic
の間で同サイトの人気が急速に高まっている。
Outlook)が挙げられる。ADB は、アジア・インフラ基
ARIC のウェブサイトは、引き続き地域協力・統合に
金(Asia Infrastructure Fund)や汎アジア・インフラ・
関する知識と情報のポータル・サイトとして機能してい
フォーラム(Pan-Asia Infrastructure Forum)の設立を含
る。このウェブサイトでは、統合に関する指標、自由貿
む、本書の勧告の実施に取り組んでいる。
易協定や気候変動に関する公約のデータベースのほか、
太平洋地域における地域協力・統合はゆっくりと進化
経済と財政にするデータ、アジア経済モニターなどの経
している。この取り組みは、太平洋諸島フォーラム事務
済報告書、政策研究、および金融市場の動向を毎日要約
局が起草した「パシフィック・プラン」
(Pacific Plan)
するデイリー・サマリーを提供している。
が牽引している。2010 年には、ADB の分析が同プラン
アジア・太平洋地域における経済成長、環境に調和し
の実施に役立った。ADB はまた、太平洋航空安全局
た持続可能な成長および地域統合に関する知識商品の詳
(Pacific Aviation Safety Office)
、民間セクター開発イニ
シアチブ、太平洋地域インフラ・ファシリティ等の、コ
細については、本報告の付録 14 を参照のこと。
第14章
財務と
管理
ADBは2010年も引き続き、職員研修プログラムの優先順序を見直し、職員の技能を
強化した。新しい職員等級制度が承認された。人員の増加により、駐在員事務所の強
化、プロジェクト品質の改善、民間セクター業務の拡大とナレッジ・マネジメントの
向上が見込まれる。ADBはまた、業務プロセス、報酬・厚生制度、事務サービスと情
報技術(IT)システムなどの合理化と向上に取り組んでいる。
年次報告 2010
人事
意欲と才能のある職員を採用し、働きやすい環境を整
備することが ADB の最も重要な目的である。これを反映
して、2010 年 1 月には新たな人事戦略およびその他の人
事関連イニシアチブが承認された。ADB の人事イニシア
チブの主なテーマは、従来と同様、多様性、ジェンダー
2010 年 人 材 配 置 2010 年 末 現 在、ADB の 職 員 数 は
2,833 名であり、出身国は 67 の加盟国のうち 59 カ国に及
んだ。このうち経営陣が 6 名、国際スタッフが 1,024 名、
事務担当官と事務職スタッフが 1,803 名で、565 名(全体
の約 19.9%)
が現地事務所に配属している。2010 年の採用・
離職者数は、国際スタッフがそれぞれ 148 名と 51 名、事
務担当官と事務職スタッフは 210 名と 77 名であった。経
営陣の離職はなかったが、2010 年には副総裁 1 名が新た
に任命された。国際スタッフに占める女性の割合は 29.1
%となった。
新たな職員等級制度 新たな職員等級制度が 2010 年に承
認された。この制度により、職員は国際スタッフ(等級 1
∼ 10)
、事務担当官(等級 1 ∼ 7)と事務職スタッフ(等
組織および業務プロセスの見直し
級 1 ∼ 7)の 3 つに分類される。この制度は、
職員の役割、
資質とスキルセットの違いを適切に認識し、認めるもので
民間セクター・協調融資業務担当副総裁ポストの新設 ある。新等級制度のその他の特徴として、等級補完制度
2010 年には、拡大する民間セクター業務と資金の動員を
支えるため、5 人目の副総裁ポストが新設された。
(level complement system) と 職 階 制(job band
mechanism)が挙げられる。この 2 つの制度は、両者を
組み合わせることで、事務担当官と事務職スタッフのキ
内部組織と管轄範囲の最適化 業務部門の大幅な増員を
ャリアの進展を支えるように設計されている。職名につい
受けて、2010 年に ADB 全体の局長および駐在員事務所
ても、ストラテジー 2020 の中核的な業務・機能分野に整
長(country director)の管轄範囲の見直しを行った。そ
合させ、各ポジションの役割と機能をより簡潔に示すた
の結果、いくつかの分野において、監督するスタッフの
めに、新たな枠組みが導入された。
数が多すぎたり、担当するセクターやテーマのつながりが
弱いケースが見つかった。これを受けて、2011 年に 4 つ
職員研修 ADB は、職員が業務の実施に必要な技能を習
の業務担当課と、4 カ所の駐在員事務所で副所長のポスト
得できるよう、引き続き職員研修プログラムの優先度を
が新設されることとなった。中国、インド、パキスタンお
見直し、内外のパートナーと連携した。こうしたパートナ
よびベトナムの駐在員事務所では、副所長ポストの新設
ーシップを通じて、ADB 特有のビジネス・モデルと業務
により運営体制が強化され、効率性が向上すると見込ま
手続、セクター・テーマ・国、マネージメントとリーダー
れる。
シップの育成、および ADB が組織として採用している価
値観という、4 つの分野における研修プログラムを改善し
た。その結果、本部および現地事務所の職員に対して 129
の研修プログラムが提供され、671 の学習セッションに
2,661 名の職員が参加した。
人員
2011 年の増員要求 2010 年の人員計画を検証した結果、
2011 年については 160 名の増員が認められた。その内訳
は、国際スタッフが 46 名、事務担当官が 59 名、事務職
スタッフが 55 名である。この増員により、ADB の駐在
員事務所における業務能力、プロジェクト品質、民間セ
クター開発、民間セクター業務とリスク管理、ナレッジ・
マネジメントの強化が見込まれる。
2010 年末現在、ADB の職員数
は 2,833 名であり、出身国は 67
の加盟国のうち 59 カ国に及んだ。
このうち経営陣が 6 名、国際スタ
ッフが 1,024 名、事務担当官と
事務職スタッフが 1,803 名とな
っている
財務と管理
の平等およびインクルーシブネス(包括性)である。
103
104
アジア開発銀行
駐在員事務所の強化 プロジェクトの品質と業務の拡大
を支えるため、駐在員事務所の組織と運営体制を引き続
き強化した。具体的には、
(i)3 つの中核機能(各国の
内部管理費
経済・戦略・業務計画、国別業務運営、および財務・事
務処理)をより明確にし、
(ii)特に規模の大きい駐在員
事務所を中心に、副所長のポジションを新設または公式
化し、
(iii)駐在員事務所の運営チームの概念を明確化し
た。
財務と管理
サポート部門の組織の見直し プロセスの合理化、効率
性の向上およびガバナンスの強化を目的として、外部コ
2010 年の内部管理費は、独立評価局(IED)の管理費
822 万ドルを含め、当初予算の 4 億 3,949 万ドル(IED
の予算は 836 万ドル)に対して 4 億 3,057 万ドルの支出
となった。剰余金額 892 万ドルのうち、2010 年予算額
の約 1.82%に相当する 800 万ドルが 2011 年に繰り越さ
れた。総務会の管理費として 51 万ドルの予算超過があ
ったが、これは主に第 43 回年次総会の運営に関して開
ンサルタントが会計局および IT 部門のレビューを行っ
催国であるウズベキスタンに支援を行ったためであり、
た。コンサルタントは 2010 年 11 月に報告書を提出した。
一般予備費からの付け替えで対応した。業務予算と管理
経営陣は勧告を受けた対応計画を策定中であり、2011 年
予算において一部の項目で支出が予算を超過したが、同
初頭にその実施を始める予定である。
一項目内の付け替えより、予算内に収めることができた。
業務支出が予算を下回った主な原因は、
(i)医療保険、
報酬と厚生
教育補助や退職金等の厚生費、
(ii)移転関連、スタッフ・
コンサルタント、出張等のその他の経費が予算を下回っ
たことによる。これら節減分の一部は、資金需要が高ま
国際スタッフの報酬と厚生の包括的なレビューが実施
ったスタッフ年金基金への追加拠出、住宅手当、現地事
され、11 月にその勧告が理事会に提出された。理事会は、
務所スタッフの特別手当、職員研修プログラムの充実な
市場ベース・アプローチの維持および国際スタッフの報
どに伴う職員の厚生予算の超過分に補填された。管理費
酬制度の変更を承認した。国際スタッフの報酬制度の変
の節減分は、通信、事務用品、機器、維持管理とサポート、
更点には、全体的な平均昇給率を 2015 年までに市場水
保険、および雑出費に関する支出が予算を下回ったこと
準に合わせるうえで柔軟性を認めること(等級 1 ∼ 6 を
によるものである。これら節減分の一部は、IT サービス
優先する)
、ボーナス制度を 2015 年まで停止すること、
を中心とする外注サービス費の予算超過および、情報シ
個人のパフォーマンスを重視し差別化を図るためボーナ
ステム技術戦略(第 2 期)に基づく様々な IT プロジェ
ス用にプールされた資金を昇給に回すこと、およびチー
クトや本部ビルの改修とセキュリティ強化を目的とする
ム報奨金と一時金の導入などが含まれる。
様々なサブプロジェクトが完了したこと等による減価償
国際スタッフについては、給与構造を加重平均ベース
で 1.7%引き上げ、給与を 3.3%引き上げることが認めら
却費の予算超過分(これらのプロジェクトの減価償却が
均増加率は 4.3 %となった。新しい等級制度に基づき、
2010 年に始まった)に補填された。
2011 年の内部管理費予算は 4 億 9,635 万ドルである。
これは 1 %の一般予備費(499 万ドル)を含み、他の国
れた。ボーナス・プールの再配分を含めた給与全体の平
本部の事務担当官と事務職スタッフについては、給与構
際機関や二国間援助機関の信託基金の運営費として回収
造を加重平均ベースで 3.9%引き上げ、給与を 7.6%引き
が見込まれるサービス料金 721 万ドルを差し引いた金額
上げることが認められた。現地事務所の事務担当官と事
である。2011 年予算が前年比で 5,690 万ドル(12.9 %)
務職スタッフについては、平均で 10%の給与引き上げが
増額した背景には、物価の上昇(4.9%)と購買量の増加
検討されている。新しい等級制度、給与構造と給与の引
(8%)がある。2011 年内部管理費予算 4 億 9,635 万ドル
き上げは、2011 年 1 月 1 日に実施される。
年金委員会の同意を得て、経営陣は、2009 年 10 月 1
は、独立評価局(IED)の予算 895 万ドルと、IED を除
く ADB の予算 4 億 8,740 万ドルから成る。
日から 2010 年 9 月 30 日までの計画年度につき、スタッ
2011 年予算には内部管理費に加え、697 万ドルの年間
フ年金制度に 6,314 万 7,000 ドルの追加拠出を行うこと
資本予算が計上されている。これは主に、本部施設およ
を承認した。これは、過去の拠出金不足の一部を補うと
び現地事務所の定期的な設備投資に充当される。
ともに、将来のスタッフ年金制度の公示掛金率を引き下
げるために行われた。
年次報告 2010
105
財務と管理
ADB は、職員が必要な技能を習得できるよう、引き続き職員研修プログラムの優先度を見直した
た。
総務事務
OAS は、iLink 製品や、携帯電話およびグーグル・マ
ップのアプリケーションによる実務コミュニティに対す
る情報アクセスの提供を通じて、情報管理に関する役割
2010 年中、総務部(OAS)は業務の拡大に伴うニー
ズへの対応に注力した。本部と Joy − Nostalg ビルに新
たな事務所スペースを設け、Joy − Nostalg ビルでは現
在 112 名の職員が働いている。また、
カフェテリアの改装、
中二階の建設、ビル外装と消火システムの改良を行い、
駐車場ビルの建設を開始した。
OAS は、米グリーンビルディング協議会からグリーン
を強化した。図書館サービス運営委員会
(2010 ∼ 2012 年)
が再び招集され、ユーザー主導の行動計画を策定した。
情報コーディネーターの機能が拡張され、民間セクター
の研究がその範囲に含められた。
OAS は非常事態への対応を改善するため、ADB 非常
事態警報コミュニケーション・ツールおよびコミュニテ
ィ管理人制度(community warden system)を導入した。
ビルディング認証(エネルギーおよび環境に優しい設計
部局横断的なセキュリティ諮問グループを設置し、現地
におけるリーダーシップ)を得る手続の一環として、ハ
事務所のセキュリティ対策を支援し、事業継続手続を強
イブリッド車 3 台を導入し、雨水採取施設を建設したほ
化し、機材の提供を受けてコミュニティとの関係を強化
か、本部ビルで太陽発電を行うための準備作業を開始し
し、オンラインで出張の予約を行うツールである eTrip
106
アジア開発銀行
の導入を継続した。
あるなかでサービスを拡大する必要性を考慮して、上記
OAS はまた、内部業務プロセスを見直して重要なプロ
以外にもいくつかのインフラ・プロジェクトを完成させ
セスを合理化し、資産管理とモニタリングの自動電算化
た。オフィス事務の自動化ソフトウェアと電子メール・
を継続した。契約管理の強化とサービスの改善を目的と
サービスのアップグレードが完了した。モバイル・コン
する管理ワークショップやクライアントのオリエンテー
ピューターの活用によって、ほとんどの職員がどこにい
ション訓練を通じて、サービス業者とのパートナーシッ
ても電子メールにアクセスできるようになった。また、
プを強化した。
情報システム技術部( OIST)は、本部および現地事務所
に対するサービスの提供時間を 1 日 12 時間に延長し、
財務と管理
情報システム技術
2011 年 12 月までの完了を目標として情報システムお
よび技術戦略(ISTS II)に基づき、ソブリン業務のプロ
ジェクトおよびポートフォリオ管理、内部出張システム、
将来的にはサービスとサポートを年中無休・24 時間体制
で提供することを計画している。
融資、グラント(無償援助)
、
技術協力の実行と会計
コンサルタント業務・システムと調達システムを対象と
する、ADB の業務サービスおよび統合サービスの主な
会計局(CTL)は、融資、グラントおよび技術協力の
プロジェクトが 2010 年に完成した。ADB ポータルが完
資金支出(ディスバースメント)および会計に関する業
成し、いくつかの部局のウェブサイトのデザインと操作
務プロセスの合理化を継続し、内外のクライアントに対
法が統一された。
するサービスと職務の実施効率の双方を改善した。会計
ADB の IT システムに強固な基盤を提供するため、エ
局は、
「融資実行の改善と迅速化」という目標の達成に向
ンタープライズ・アーキテクチャーが確立された。いく
けて、ADB の業務プロセス合理化(SBP)2010 イニシ
つかの旧式システムを標準的な Oracle エンタープライ
アチブに積極的に貢献し、その勧告および変更を実施し
ズ・リソース・プランニング・プラットフォームに置き
た。
換え、ISTS II に基づいて導入される統合アプリケーショ
プロセスを変更した結果、プロジェクト組成手続きに
ンに備えて、現地事務所の通信容量を増加させるべく新
おける内部部局間の調整と意思疎通が改善され、プロジ
しい通信技術を導入し、ネットワークのセキュリティを
ェクト設計段階での資金管理分野の改善、プロジェクト
強化し、サーバーの処理能力とデータ許容容量を増強し
毎に最も効率的かつ効果的な融資およびディスバースメ
た。ADB はまた、テレビ会議の利用を拡大している。
ント手法の採用など会計局の最も重要な機能がさらに強
IT 部門は、外部監査人による SOX 法の内部統制認証
化された。
に参加し、認証の取得に成功した。基準とコンプライア
2009 年に導入された会計局のディスバースメント処理
ンスに対する ADB の継続的なコミットメントを維持す
に関するサービスレベル基準(SLS)の強化と改訂、お
るため、この内部統制手法を IT に取り込んだ。IT を業
よびディスバースメント業務における一連のプロセス合
務のニーズに整合させ、
国際的な IT 基準を遵守するため、
理化措置によって、会計局は拡大し続ける ADB のポー
包括的プロジェクト管理フレームワークの実施に併せて
トフォリオを効率的に管理することが可能となった。
IT ガバナンス・モデルを強化した。
IT へのアクセスに対する需要の増加と、予算の制約が
2010 年には、ディスバースメント実行金額が 16%増加
したにもかかわらず、平均的なディスバースメント処理
時間は 5%短縮された。効率性が向上した要因として下
記が挙げられる。
2010 年にはディスバースメント
実行金額が 16%増加したにもか
・合理化措置によって会計局の事務担当官の権限が強化
かわらず、平均的なディスバース
・グラントのディスバースメント処理を駐在員事務所の
メント処理時間は 5%短縮された
れによって処理時間がさらに短縮され、ディスバース
され、会計局の組織がフラット化し、ADB のクライ
アントへの対応がスピードアップした
ディスバースメント部門に委譲する試みが始まり、こ
年次報告 2010
107
メントに関する開発途上加盟国のクライアントとのコ
ミュニケーションが密になった。
財務報告
会計局のサービスレベル基準の改訂は、開発途上加盟
国の借入人と実施機関および ADB 職員を対象とする同
会計局は、金融危機を受けて国際会計基準が改訂され
たことから、財務報告に関する政策を変更し、手続を強
化した。米国会計基準(USGAAP)から国際財務報告基
ーズに合わせてセミナーやワークショップを設計するこ
準(IFRS)への移行の可能性を検討し、国際財務報告基
とが可能となっている。
準に関する予備調査を行った。会計局は、職員研修チー
2010 年中に、会計局は開発途上国加盟国において合計
27 回のセミナーとワークショップを開催し、1,000 名の
ムと連携し、IFRS に関する職員の研修を強化している。
参加を得た。駐在員事務所のディスバースメント部門も
ADB では、コーポレートガバナンス向上に向けて財
務報告に関する内部統制を 2008 年から始めており、会
この分野で重要な役割を果たし、開発途上国加盟国のク
計局はこれに対する経営陣の主張と外部監査人の認証を
ライアントに対して数多くの能力開発プログラムを提供
引き続き推進した。2010 年の通常資本財源(OCR)と
した。この分野における駐在員事務所のディスバースメ
特別基金(ADBI 基金を除く)に関する主張および認証は、
ント部門の貢献は引き続き拡大し、会計局のクライアン
外部監査人である Deloitte & Touche の無限定意見によ
ト・サービスと敏速な対応がさらに強化されると予想さ
り終了した。また、経営陣は 2010 年の検証の対象を拡
れる。
大し、信託基金を対象に含めた。この取り組みによりス
会計局は現在、情報システム技術部と連携して、融資・
グラント・技術協力のディスバースメントの実行と会計
タッフの内部統制に対する意識が高まり、内部統制、リ
スク評価、テスト技術に関する研修が強化された。
に関するシステムの強化を進めている。融資の会計と提
会計局は、信用保証・投資ファシリティ、ADB 気候
供に関する新しいウェブサイトが開発中であり、 2011 年
技術基金(ADB Climate Technology Fund)や ADB 戦
に内外のクライアントに提供される予定である。このウ
略気候基金(ADB Strategic Climate Fund)などの新し
ェブサイトでは、融資の管理に役立つ総合的なデータと
い信託基金に対して会計事務を支援し、ADB が信託基
ツールが提供される。このウェブサイトが完成すれば、
金の資金管理者としての受託責任を確実に果たせるよう
このイニシアチブの成果として、クライアント・サービ
努めている。会計局は情報システム技術部の支援を受け、
ス、効率性と内部統制が大幅に改善されると見込まれる。
駐在員事務所に新しい会計システムを導入した。また、
予算・人事・経営システム局と提携して給与処理の集中
管理化を行った。こうした取り組みにより、現地事務所
における金銭処理の作業効率、データの信頼性と内部統
制が改善された。
財務と管理
局の能力開発イニシアチブの有効性を高める上で、有効
なツールとして機能しており、個々のクライアントのニ
年次報告
2 0 1 0
財務報告
アジア開発銀行
目 次
経営陣の検討と分析
I. 通常資本財源
115
A. 財務報告の基準
115
B. 財務データ抜粋
116
C. 財務実績全般
116
D. 業務活動
118
1. 融資
118
2. 保証
120
3. シンジケーション
121
4. 出資
121
E. 融資財源
121
1. 資本と準備金
121
2. 借入
122
F. 流動性ポートフォリオ
124
G. 契約上の債務
124
H. 財務リスクの管理
125
1. 信用リスク
125
2. 市場リスク
130
3. 流動性リスク
131
4. オペレーショナル・リスク
131
5. 適正資本
131
6. 資産負債管理
131
I. 財務報告への内部統制
131
J. 重要な会計政策および評価
132
II.特別基金
132
A. アジア開発基金
132
B. 技術協力特別基金
135
C. 日本特別基金
135
D. アジア開発銀行研究所
136
E. アジア津波基金
136
F. パキスタン地震基金
137
G. 地域協力・統合基金
137
H. 気候変動基金
137
I. アジア太平洋災害対応基金
138
III. 無償援助による協調融資
138
A. 貧困削減日本基金
139
B. 日本奨学金プログラム
139
付録:経営陣報告貸借対照表の概要
141
統計付録
1
2010 年の承認(国別)
143
2
セクター別融資の承認(3 カ年移動平均(1968 ∼ 1971 年− 2008 ∼ 2010 年))
145
3
2010 年中の融資承認(セクター別)
146
4A
融資のセクター別配分(2010 年、1967 ∼ 2010 年)
150
4B
グラント(無償援助)のセクター別配分(2010 年、1967 ∼ 2010 年)
150
5
2010 年中の協調融資プロジェクト
151
6A
2009 年および 2010 年中の融資実行
154
6B
2009 年および 2010 年中のグラント実行
155
7A
2010 年中のプログラム融資実行額
155
7B
2010 年中のプログラム・グラント実行額
156
7C
プログラム融資・ADF グラントの推移(1999 ∼ 2010 年)
156
8
2010 年中のノンソブリン投融資の承認と総事業費(国別)
157
9
2010 年中のノンソブリン投融資の承認と総事業費(セクター別)
158
10
ノンソブリン投融資の承認(年度別)
(1983 ∼ 2009 年)
158
11
ノンソブリン投融資の承認(国別)
(1983 ∼ 2010 年)
159
12
承認済みおよび管理中の融資およびプロジェクト、回覧済みプロジェクト完了報告書(PCRS)、完了済み
プロジェクト、完結済み融資並びに回覧済みプロジェクト・プログラム実績評価報告書(PPERS)の件数 160
13
承認済みおよび管理中のグラント、回覧済みプロジェクト完了報告書
(PCRS)
、
および完結済みグラントの件数
162
14
承認済み融資、締結済み契約および融資実行の金額
164
15
承認済みグラント、締結済み契約およびグラント実行の金額
166
16
技術協力承認(国および地域活動別)
(1967 ∼ 2010 年、2009 年、2010 年)
168
17
2010 年中の技術協力の承認
170
18
技術協力承認(セクター別)
(1967 ∼ 2010 年、2009 年、2010 年)
179
19
融資によるコンサルティング・サービスと技術協力(セクター別)(2010 年)
179
20
2010 年中の技術協力(地域案件)
180
21
財源の純移転(通常資本財源、アジア開発基金、その他特別基金グラント)(2008 ∼ 2010 年)
185
22
財源の純移転(通常資本財源、アジア開発基金、その他特別基金グラント)(2001 ∼ 2010 年)
186
23
アジア開発基金の財源および約定枠
187
24
技術協力特別基金
188
25
日本特別基金−通常拠出および追加拠出・活動および純資産の増減
189
26
日本特別基金−アジア通貨危機支援ファシリティ・活動および純資産の増減
189
27
2010 年中の貧困削減日本基金
190
28
ADB が管理する無償資金が供与されたプロジェクト(2010 年中の承認)
191
29
2010 年中の締結済み契約(原産国別):プロジェクト融資−通常資本財源
196
30
2010 年中の締結済み契約(原産国別):プロジェクト融資−アジア開発基金
197
31
2010 年中の締結済み契約(原産国別):プロジェクト融資−通常資本財源とアジア開発基金の合計
198
32
2010 年中のプログラム融資による海外調達供給国への支出見積
199
33
技術協力業務に関する締結済み契約累計金額(原産国別)
200
34
技術協力業務に関する締結済み契約金額(原産国別)(2008 ∼ 2010 年)
201
第15章
経営陣の検討と
分析
アジア開発銀行(ADB)は、
「貧困のないアジア・太平洋地域」をビジョンに掲げる
国際開発金融機関である。ADBは、アジア・太平洋地域の社会・経済的発展および貧
(以下「ADB設立協
困削減をめざして31カ国が批准した「アジア開発銀行設立協定」
定」
)により、1966年に設立された。2010年12月31日現在の加盟国は67カ国で、そ
のうち48カ国が域内加盟国である。
年次報告 2010
ADB は開発途上加盟国に様々な形の資金支援を行っ
115
A.財務報告の基準
ている。主な支援形態は、融資、技術協力、グラント(無
償援助)
、保証と出資である。これらの財源は、通常資本
規約で定められた報告 ADB は、米国の一般会計原則
財源(OCR)
、特別基金および各種の信託基金である。 (US GAAP)に基づいて OCR の財務諸表を作成してお
OCR と特別基金は、ADB が単独で運営管理にあたる業
り、これを本書では「規約に定められた報告基準」と呼
務を対象としている。ADB 設立協定には、各財源の独
んでいる。
ADB が財務管理を行うにあたり、金融商品に関連し
から資金供給を受け、ADB が拠出国に代わってその運
て生じる金利や為替のリスクを最小限に抑えるため、デ
営管理に当たる。
リバティブ商品が一部用いられている。デリバティブは、
ADB はまた政策対話と助言サービスを提供するとと
個別のポジションやポートフォリオ全体の資産負債管理
もに、公的資金、民間資金および輸出信用機関との協調
を強化するために用いられる。ADB は、ヘッジ会計を
融資を通じて資金を動員し、支援の開発効果の最大限化
採用しないこととし、すべてのデリバティブ商品を貸借
を図っている。ADB のプロジェクトに対する協調融資は、
対照表に公正価値で計上するとともに、デリバティブ商
外部融資、技術協力および融資プロジェクトの一部を対
品の公正価値の変動は純益の一部として計上している。
象とするグラント(無償援助)
、および保証やシンジケー
ADB のデリバティブ取引の大半は原金融取引のヘッジ
ションなどの信用補完の形で提供される。
に極めて有効であるが、ヘッジ会計要件に準拠する場合、
ADB の将来の借入、融資、およびヘッジ・プログラム
I.通常資本財源
に過度の制約がかかってしまい、借入加盟国にとっての
借入コストを効果的かつ効率的に下げるという取り組み
が奏功しない可能性が高くなる。
通常資本財源(OCR)の財源は、私募債や資本市場か
2008 年 1 月 1 日以降、ADB は金融商品の一部を公正
らの借入、出資国からの払込済資本金、累積利益剰余金
価値で計上し、借入とそれに関連するスワップに同じ会
(準備金)の 3 種類となっている。OCR の財務基盤の健
計基準を適用するため、借入と関連するスワップを公正
全性は、出資国からのサポートと、健全な財務政策およ
価値で計上することを選択した。ADB は引き続き、融
び慣行によるところが大きい。出資国からのサポートは、
資とスワップされない借入を償却後の原価で計上し、投
加盟国の資本の裏付け、および借入国による債務返済の
資のほとんど(原価で計上される定期預金を除く)を公
履行実績という形に表れている。
正価値で計上している。
借入金と出資金は、OCR からの融資や投資活動のほか、
通常業務の資金に使われる。OCR からの融資は通常、経
経営陣報告 一部の金融商品(全てのデリバティブ、ス
済発展水準が比較的高い開発途上加盟国とノンソブリン
ワップされた借入および一部の投資)が公正価値で計上
の借入者に供与される。ソブリン融資は、調達コストに
される一方、融資および借入と投資の一部が償却後の原
融資スプレッドを上乗せして実施され、資金調達経費と
価で計上されることから、経営陣は、会計処理が統一さ
融資スプレッドが借り手に転嫁されるパススルー型であ
れていないことから、規約で定められた報告の純益は
るのに対し、ノンソブリン融資は市場金利に基づいてプ
支援プロジェクトに民間資金を呼び込むための保証も提
ADB の財務状態の全体的な経済価値を正確に反映して
いない可能性があると考えている。従って、ADB は、
OCR 業務の結果から金融商品に関連する公正価値調整の
影響を除いた営業利益を報告している。ADB は財務状
供している。
態の管理、財務管理に関する決定、および各種の財務比
ライシングされる。ADB は直接融資に加えて、開発途
上加盟国の政府やノンソブリンの借入者に対し、ADB
率や指標のモニタリングに当たり、この営業利益を主な
指標として利用している。
経営陣の検討と分析
立性を維持することが定められている。信託基金は外部
116
アジア開発銀行
営業利益には、ポートフォリオ上の未実現の損益が含
営 業 利 益 2010 年 の 営 業 利 益 1 は、2009 年 の 4 億
まれない。未実現損益はポートフォリオ・パフォーマン
2,010 万ドルに対して、5 億 4,800 万ドルとなった。営業
スの重要な指標であるが、通常は、公正価値の変動を受
利益増加の要因は、主として次の通り。
けた収入の変化を示すものである。ADB はこれらの金
融商品を積極的に売買しないので、何らかのリスク事象
・出資利益が 7,580 万ドル増加した。これは(i)持ち分
によって満期前に売買をせざるを得なくなった場合を除
の売却利益が 5,480 万ドル増加したこと、
(ii)直ちに
き、そうした損益は通常は実現されない。ADB はそう
OCR の純利益になる投資先企業の ADB への利益配分
が 1,790 万ドル増加したこと、および(iii)毀損した
とみなされる投資の評価切り下げによる損失が 350 万
したリスクを軽減するために、保守的なリスク管理政策
経営陣の検討と分析
を採用している。
ADB は大半の借入と関連スワップについて、満期ま
ドル減少したことによる。
たはコールされるまで保有することを意図しているた
・融資の損失引当金が 1 億 1,690 万ドル減少した。
め、規約で定める報告基準により計上される暫定的な未
・前年と比べて金利が低下したことを主な原因として、
実現損益は最終的に、ADB が取引期間中にわたって手
全体的な借入および関連費用が 3 億 5,410 万ドル減少
にする純現金所得・支出に収斂される。
2010 年度の規約報告基準での貸借対照表を元に作成さ
れた経営陣報告ベースの貸借対照表については、付録
した。
・保証債務の決済を主な原因として、保証に関する偶発
的損失が 4,360 万ドル減少した。
(202 ページ)を参照のこと。
上記の増加分は、下記によって一部相殺された。
B.財務データ抜粋
・金利の低下により、融資からの金利およびその他の収
表 1 は、規約で定められた報告および経営陣報告とい
う 2 つの基準に基づく主な財務データを示したものであ
る。規約基準報告および経営陣報告による各種比率は、
入が 2 億 7,930 万ドル減少した。
・市場金利の動向を反映し、投資収入が 8,850 万ドル減
少した。
収益資産利益率を除き、いずれも金利(特に米ドルと日
・OCR に計上される管理費が 1 億 60 万ドル増加した。
本円)の低下が原因となり、昨年比で下がった。収益資
これは、融資手数料繰り延べ額の減少と、今後予定さ
産利益率の増加は、純利益と営業利益が昨年より増加し
れる管理費の増加によるものである。
たことを反映している。収入と支出を巡る議論について
は、C. 財務実績全般の項を参照のこと。
純未実現損益 2009 年に、ADB は純未実現利益 4,270
C.財務実績全般
デリバティブの公正価値の調整からなる。一部主要通貨
万ドルを計上した。これは主に、スワップされた借入と
のイールド・カーブが下方にシフトし、ADB の信用ス
純損益 表 2 は 2010 年における財務実績全般について
プレッドが縮小したことがその原因となった。
示している。2009 年は 2,750 万ドルの純損失を計上した
のに対し、2010 年は 6 億 2,580 万ドルの純利益となった。
純利益が増加した主な要因は、金融商品の公正価値が有
利な方向に動いたことにより、営業利益が 1 億 2,790 万
ドル、純未実現損益が 5 億 2,540 万ドル増加したことで
ある。
1
営業利益は借入、デリバティブまたは持分法で計上される出資からの未実現損益に対する ADB の比例持分について、公正価値変動による未実現損益前の法定純利益
と定義されている。
年次報告 2010
117
表 1 財務データ抜粋
(2010 年 12 月 31 日現在、単位:百万ドル)
項目
2010
2009
2008
2007
2006
規約報告ベース
収入および支出
680.5
959.8
1,358.0
1,442.3
1,210.1
投資から
367.5
459.4
677.2
683.2
564.5
保証から
11.3
9.2
6.9
5.1
4.1
出資から
58.4
24.5
3.7
58.9
41.5
その他財源から
24.2
18.6
18.7
18.8
18.7
1,141.9
1,471.5
2,064.5
2,208.3
1,838.9
借入および関連費用
386.0
741.7
1,208.4
1,389.8
1,116.3
管理費a
294.3
193.6
141.0
127.3
127.7
損失引当金
(44.7)
115.8
(3.5)
(0.6)
(32.5)
その他支出
3.5
5.1
14.7
3.3
2.5
639.1
1,056.2
1,360.6
1,519.8
1,214.0
実現純利益
(損失)
80.3
23.3
(28.1)
22.9
80.6
未実現純利益(損失)
42.7
(466.2)
450.6
53.8
(135.4)
純利益
(損失)
625.8
(27.5)
1,126.3
765.2
570.1
平均収益資産b
62,444.5
54,655.0
50,394.0
42,780.0
37,904.0
平均収益資産の年間収益率(%)
1.00
(0.05)
2.24
1.79
1.50
融資収益率
(%)
1.61
2.67
3.84
5.00
4.98
投資収益率
(%)
2.17
2.93
3.20
4.68
4.18
借入コスト
(%)
2.06
2.91
4.11
4.32
4.81
548.0
420.1
699.8
711.4
705.5
収入合計
支出合計
経営陣報告ベース
営業利益c
平均収益資産b
62,555.4
54,828.0
50,443.0
42,757.0
37,859.0
d
平均収益資産の年間収益率(%)
0.88
0.77
1.39
1.66
1.86
融資収益率
(%)
1.56
2.55
4.14
5.14
4.94
投資収益率
(%)
2.16
2.87
3.70
4.72
4.27
借入コスト
(%)
0.81
1.83
3.29
4.68
4.31
( )= マイナス。
a アジア開発基金(ADF)に配分された事務管理費および繰延べられた融資開始費用を差し引いたもの。
b 投資と関連スワップ、融資残高(未償却の融資開始費用 / 前払手数料を除く)と関連スワップ、および出資からなる。
c 2009 年 9 月以降、経営陣報告による利益は営業利益と定義される。営業利益は借入、デリバティブまたは持分法で計上される出資からの未実現損益に対する ADB の比例持分に
ついて、公正価値変動による未実現損益前の法定純利益と定義されている。
d 平均収益資産に対する営業利益を示す。
経営陣の検討と分析
融資から
アジア開発銀行
118
表 2 2010 年度および 2009 年度の財務実績全般
(単位:百万ドル)
項目
融資利益
金利収入
損失引当金
その他
2010
2009
増減
703.4
865.9
(162.5)
688.0
947.9
(259.9)
22.9
(94.0)
(116.9)
経営陣の検討と分析
(7.5)
11.9
(19.4)
401.3
489.8
(88.5)
金利収入
367.5
459.4
(91.9)
実現損益
33.8
30.5
3.4
出資損益
71.5
(4.3)
75.8
売却益
55.7
0.8
54.8
17.9
投資収益
持分法で計上される出資損益の
4.8
(13.1)
減損
(7.6)
(11.1)
3.5
配当所得
17.8
18.7
(0.9)
比例持分による実現損益
その他
0.7
0.3
0.4
50.7
1.0
49.7
借入および関連費用
(384.6)
(738.7)
(354.1)
管理費
(OCR)
(294.3)
(193.6)
100.6
548.0
420.1
127.9
42.7
(466.2)
509.0
35.0
18.6
16.4
625.8
(27.5)
653.3
その他の収益/費用(純額)
営業利益
純未実現損益
持分法で計上される出資損益の
比例持分による純未実現損益
純損益
OCR = 通常資本財源。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
D.業務活動
外債務を効果的に管理したいという借入国側の要請に対
応するものである。また、LBL 融資の場合、借入人側に
ADB は、開発途上加盟国の開発ニーズへの対応を支
とっては金利や為替リスクを柔軟に管理できる余地が大
援するため、融資、技術協力、保証、出資等を通じた資
きく、ADB にとっても仲介リスクを低く抑えることが
金支援を行っている。
。ADB はまた、自らの開発プロジ
できる。2002 年 11 月以降、ADB はノンソブリンの借
ェクトおよびプログラムに対する協調融資を積極的に推
入人に対し、
現地通貨建て融資(LCL)を提供していたが、
2005 年 8 月に、これをソブリン主体の借入人にも適用拡
大した。2009 年 6 月、ADB はアジア・太平洋地域に波
進し、輸出信用資金を含む公的資金および民間資金によ
って自らの支援を補完している。
及した世界経済危機に対応するため、期限付きの景気循
1.融資
環相殺政策支援ファシリティ
(CSF)
を設立した。CSF は、
2009 年と 2010 年に利用できる一時的なソブリン融資商
品で、開発途上加盟国の景気循環の相殺を目的とする開
2001 年以降、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)を
ベースとする融資が、OCR ソブリン業務の主要な融資フ
ァシリティとなっている。LIBOR ベースの融資
(LBL)
は、
発支出または政策プログラムを支援するものである。
プロジェクトのニーズに即した融資形式を求め、かつ対
全額が実行された。
2010 年末までに、5 件・計 250 億ドルの融資が承認され、
年次報告 2010
2001 年まで、ADB の OCR からの融資には、プール
方式複数通貨建て融資(PMCL)
、米ドル建プール方式単
一通貨融資(PSCL)
、市場ベース融資(MBL)の 3 通
りの方式があったが、LBL の導入に伴い廃止された。
2004 年 1 月には、プール方式複数通貨建て融資(PMCL)
が日本円建て PSCL に転換された。
119
。
た(2009 年の承認は 2 件・計 1 億 3,430 万ドル)
融資状況 2010 年 12 月 31 日現在、ノンソブリン融資 2
件が利払い停止状態にあり、その融資残高は 3,190 万ド
ルとなっている(2009 年は 3 件・計 3,840 万ドル)
。
ソブリン融資の融資金利 LBL の融資金利、および景気
循環相殺政策支援ファシリティ(CSF)に基づいて承認
発途上加盟国が世界経済危機を乗り切れるよう迅速に対
された融資の金利は、6 カ月物 LIBOR と融資スプレッ
応し、2009 年中に過去最高額の支援を提供した。世界経
ドからなる変動金利である。
。融資金利は 6 カ月ごとに、
済危機が徐々に収束するにつれて、2010 年の支援水準も
それぞれの金利改定日に改定されるが、借入人側が要請
安定した。2010 年中に理事会が承認した融資は、ソブリ
すれば固定金利に変更することもできる。PSCL の融資
ン融資が 54 件・計 82 億ドル、ノンソブリン融資が 13 件・
金利は、前期の平均資金調達費用をもとに決定される。
計 11 億ドルだった(2009 年の実績はソブリン融資が 57
MBL の金利は、固定金利あるいは変動金利で、MBL の
件・計 106 億ドル、
ノンソブリン融資が 7 件・計 4 億ドル)
。
融資金利は、3 月 15 日と 9 月 15 日、もしくは 6 月 15
2010 年中の融資実行総額は 60 億ドル(うち CSF5 億ド
ルを含むソブリン融資が 53 億ドル、ノンソブリン融資
が 7 億ドル)
で、
前年度の 79 億ドルから 25%減となった。
通常元本返済は 23 億ドル(2009 年は 19 億ドル)で、
期限前返済は 3,350 万ドル(2009 年は 670 万ドル)だ
った。融資の 2010 年の期限前返済については、全額返
済が 2 件(160 万ドル)
、一部返済が 2 件(3,190 万ドル)
だった。2010 年 12 月 31 日現在、貸倒引当金、および
日と 12 月 15 日のいずれかを金利改定日とする 6 カ月物
未償却の融資組成費用純額を差し引いた累積融資残高は
LIBOR に基づき決定される。ソブリン融資については
2000 年以降、融資契約に特別の規定がある場合を除き基
本融資金利に加え、融資スプレッド 60 ベーシスポイン
ト(bp)が全て適用されるようになったが、延滞のない
借入人に対しては、2004 年から、融資スプレッド 20bp
を免除することになり、この方針は 2011 年 12 月までの
延長が決定されている。
理事会は 2007 年 12 月、同年 10 月 1 日以降に交渉さ
459 億ドルであり、内訳はソブリン融資が 436 億ドル、
れたすべてのソブリン向け LBL 融資金利について見直
ノンソブリン融資が 23 億ドルだった。
しを行い、融資の期間中に 0.4 %のクレジットを提供す
ADB はマルチトランシェ融資ファシリティ(MFF)
ることとした。その結果、基本融資金利に上乗せされる
を提供している。この融資ファシリティは、特定のプロ
契約上の実効スプレッドが年率 20bp に引き下げられ、
グラムまたは投資に対し、一定期間に亘り、複数の融資
これら融資にかかる金利免除の仕組みが廃止された。
を連続したトランシェという形で資金提供するものであ
理事会は 2010 年 4 月、ソブリン向けまたはソブリン
る。融資トランシェは、融資、保証、出資またはこれら
保証のある LBL 融資の全ておよびソブリン保証のある
の組み合わせた形で、借入人の定期的な融資要請に基づ
現 地 通 貨 建 て 融 資 の う ち、
(i)2010 年 7 月 1 日 か ら
き提供される。OCR の下で 2010 年に承認された MFF は、
2011 年 6 月 30 日までに交渉されたものについては、融
資期間中 0.4%のクレジットを 0.3%に引き下げ、基本融
資金利に上乗せされる契約上の実効スプレッドを 0.3%
とすること、
(ii)2011 年 7 月 1 日以降に交渉されたも
のについては、融資期間中 0.4%のクレジットを 0.2%に
12 件・計 39 億ドルに達した(2009 年は 10 件・計 50
億ドル)
。MFF による定期的な融資要請については、合
計 31 億ドルが 2010 年中に承認された(2009 年は 31 億
ドル)
。
ADB は、形式的には主権国家または中央政府ではな
いが、公共セクターの借入人と見なしうる機関に対し、
中央政府保証(ソブリン保証)を伴わない融資を提供し
ている。これらの借入人には、国営企業、政府機関、地
方自治体および地方政府が含まれる。2010 年には、ソブ
リン保証のない国営企業に対する融資は承認されなかっ
引き下げ、基本融資金利に上乗せされる契約上の実効ス
プレッドを 0.4%とすることを承認した。
CSF に基づき承認される融資については、基本融資金
利に上乗せされるスプレッドは 2.0%である。
米ドル建ておよび円建てのプール方式単一通貨融資の
金利は表 3 の通りである。
経営陣の検討と分析
融資の承認、実行、返済および期限前返済 ADB は開
120
アジア開発銀行
表 3 PSCL 融資金利 a
表 4 資金調達コストとの差額
(年率%)
1月1日
(年率%)
2010年
2009年
1.62
1.92
4.14
5.03
金利割り戻しまたは
(追加徴収)
通貨
日本円
米ドル
種類
2010年
7月1日
2010年
1月1日
2009年
7月1日
2009年
1月1日
LIBORベース融資(LBL)
7月1日
1.62
3.83
1.90
4.57
日本円
米ドル
経営陣の検討と分析
PSCL = プール方式単一通貨融資。
a 融資金利は毎年 1 月 1 日および 7 月 1 日に決定され、6 カ月間有効である。また、
20bp の融資スプレッド免除を反映している。
ADB の約定手数料は、ソブリン・プロジェクト融資
が未実行残高に対し 75bp の累進約定手数料、ソブリン・
プログラム融資は一律 75bp の約定手数料が適用されて
いたが、2006 年 10 月、融資・債務管理強化の一環として、
2007 年 1 月 1 日以降に交渉されるソブリン・プロジェ
クト融資について、未実行残高全額に対し一律 35bp の
約定手数料が適用されるようになった。2007 年 4 月、理
事会は、同年 1 月 1 日以降に交渉されるソブリン・プロ
ジェクト融資の未実行残高については 10bp、ソブリン・
プログラム融資の未実行残高については 50bp の約定手
数料をそれぞれ免除することを承認した。この免除は、
米ドル
0.26
0.28
0.31
0.35
日本円
0.27
0.28
0.35
0.38
(0.18)
(0.22)
(0.22)
–
CSF融資
米ドル
– = 該当データなし、( )= 追加徴収、CSF = 景気循環相殺政策支援ファシリティ、
LIBOR = ロンドン銀行間取引金利。
基づいて LBL のソブリン借入人に還元した、2010 年の
資金調達コストと LIBOR との差額は 8,540 万ドルだっ
た(2009 年は 8,220 万ドル)
。CSF に基づく融資につい
ては、2010 年に 410 万ドルの追加徴収を行った。
ノンソブリン融資の融資金利 ノンソブリン融資につい
ADB は各融資に市場ベースのプライシングを適用し、
て、
融資スプレッド、前払手数料と約定手数料を決定してい
る。融資スプレッドは ADB が個別の借入人やプロジェ
クトに対して負うリスク・エクスポージャーの補填を、
前払手数料は融資組成にかかる事務費用の回収を目的と
している。前払手数料は取引に応じて設定され、通常は
2007 年 1 月 1 日から 2011 年 12 月 31 日までのすべての
1%− 1.5%の範囲である。ADB は通常、未実行約定額
金利期間に適用される。
に対し年率 0.50%− 0.75%の範囲内で約定手数料を徴収
理事会は 2007 年 12 月、ソブリン・プログラム融資と
する。
ソブリン・プロジェクト融資の約定手数料を、2007 年
現地通貨建て融資(LCL)については、当該通貨建て
10 月 1 日以降の交渉分より、ともに 15 bp に引き下げる
資金調達のベンチマーク、または ADB の資金調達コス
ことを承認し、これらの融資にかかる手数料免除の仕組
トと市場ベースのスプレッドに基づき金利が決定され
みを廃止した。
る。
ソブリン LBL 融資および景気循環相殺政策支援ファ
融資に対する公的協調融資 2010 年には、19 件の融資
シリティ(CSF)に基づく融資においては、金利割り戻
プロジェクトに対し、協調融資として公的外部財源から
28 億 5,030 万ドルの資金が提供された。うち 4 億 6,900
万ドルは ADB が管理する融資として、23 億 8,130 万ド
原 則 維 持 の た め、ADB は 実 際 の 資 金 調 達 コ ス ト が
ルは協調協定を通じて提供された(2010 年 12 月 31 日
現在、ADB が管理する融資については、通常資本資源
LIBOR を下回るか上回った場合、割り戻しまたは追加
徴収によって LBL のソブリン借入人にその差額を還元・ (OCR)の財務諸表の注 E(注:英語版のみ)を参照)
。
徴収する。資金調達コストとの差額は、毎年 1 月 1 日お
2.保証
よび 7 月 1 日、それ以前の 6 カ月間における資金調達コ
し(リベート)と追加徴収(サーチャージ)が標準とな
っている。プライシングにおけるコスト・パススルーの
ストとの実質平均差額に基づいて設定される。割り戻し
と追加徴収は、その後の金利期間の金利に組み込むこと
ADB は、プロジェクトとその民間協調融資パートナ
によって借入人に転嫁される。ADB が割り戻し料率に
ーだけでは容易に吸収や管理できないリスクについて、
2
ADB の保証には、政治リスク保証と部分信用リスク保証の 2 種類があり、いずれも貸手である民間金融機関および資本市場の投資家のリスク・エクスポージャーを
軽減し、協調融資を容易にするためのものである。政治リスク保証は、具体的に特定される政治リスクに保証を提供するもので、部分信用リスク保証は、協調融資機
関による融資の特定部分を包括的に保証するものである(商業リスクおよび政治リスク)
。これらの保証は、ADB が参加要件を満たすプロジェクトに対してのみ供与
される。
年次報告 2010
適格プロジェクトとして保証する 2 ことで、信用を補完
121
って、関連企業の安定を損なわないよう行われた。
する。こうしたリスクを軽減することにより、プロジェ
クトに対する融資が促進される。ADB は、インフラ・
E.融資財源
プロジェクト、金融機関、資本市場、貿易金融に関する
案件で保証ツールを活用し、成功を収めている。こうし
1.資本と準備金
た保証ツールは一般的に貸借対照表には記載されないた
め、オフ・バランスのリスクを伴う。2002 年 12 月 31
れた(2009 年は 3 件・2 億 7,620 万ドル)
。
込み請求が行われたことはない。
日以降に提供あるいは修正された保証については、ADB
は保証の最初の段階から債務の非偶発的な側面を認めて
いる。2010 年、ADB は 5 件・計 9 億 8,230 万ドルの新
規保証を承認した(2009 年は 1 件・3 億 2,500 万ドル)
。
3.シンジケーション
シンジケーションを通じて、ADB はその融資や保証
に伴うリスクの一部またはすべてを他の融資パートナー
に移転し、協調融資を呼び込むことが可能となる 3。す
なわち、シンジケーションにより、ADB の融資ポート
フォリオにおけるリスク・プロファイルが軽減・分散さ
れる。シンジケーションは資金提供の有無に関わらずい
ずれも可能であり、個別案件、ポートフォリオ、および
業界の慣行に合致したその他の形式で編成できる。2010
年中には、3 件のプロジェクトに対し、B ローン 4 を通
ADB 設立協定第 40 条に従い、総務会は毎年、前年の
4.出資
純利益の準備金および剰余金への配分の承認を行う。さ
ADB 設立協定では、特別準備金を除いた欠損のない
払込済資本、準備金、余剰金を加算した額の 10%を上限
として、通常資本財源(OCR)から民間企業に出資する
ことが認められている。2010 年末現在、OCR 出資ポー
行可能な範囲内で、純利益の一部を他の特別基金に委譲
らに、開発途上加盟国における開発活動支援のため、実
する。2010 年 5 月、総務会は特別準備金に対する保証手
数料の充当後の 2009 年の純損失 3,670 万ドルを承認し
た。特別準備金への配分の内訳は、
(i)米国財務会計基
トフォリオの総額(払込済み額および払込前額の合計)
準審議会(FASB)の会計基準書(ASC)815/825 号に
は 11 億 8,670 万ドルであった。これは ADB 設立協定で
基づく調整および持ち分法で計上された出資からの未実
規定された上限のおよそ 79%に相当する。
現利益として、累計再評価調整勘定(CRA)から 4 億
2010 年中、ADB は 8 件・計 2 億 4,300 万ドルの出資
4,760 万ドルの追加、および(ii)貸し倒れ引当金から配
案件を承認した(2009 年の実績は 5 件・計 2 億 2,000 万
分可能な純利益として 2 億 4,720 万ドルの追加である。
ドル)
。2010 年の出資実行額は 1 億 9,260 万ドルであり、
その配分先は、
(a)剰余金に 2 億 4,720 万ドル、
(b)通
2009 年の 5,870 万ドルから 228.1 %増加した。ADB は
常準備金に 2 億 3,090 万ドル、
(c)ADF に 1 億 2,000 万
出資案件 30 件について、その持ち分の全部または一部
ドル、
(d)技術協力特別基金(TASF)に 4,000 万ドル、
(e)
の資本配分および売却により、1 億 1,130 万ドルを受け
地域協力・統合基金に 1,000 万ドルおよび(f)気候変動
取った。持ち分の売却は、ADB が当該投資における開
基金に 1,000 万ドルとなっている。
発機関としての役割を果たしたのち、ビジネス慣行に則
3
4
2010 年 12 月 31 日現在の規約報告基準での自己資本
ADB にリスクが残るかどうかによって、ADB の偶発債務の有無が決まる。
B ローンとは、適格金融機関が資金供給リスクを負うことを条件に、ADB 名義で提供される直接融資のトランシェであって、ADB に対する償還請求権を伴わないもの。
ADB が資金を供給する A ローンを補完する。
経営陣の検討と分析
じたシンジケーションとして 3 億 2,000 万ドルが供与さ
2009 年 4 月、総務会は、ADB の授権資本の第 5 次一
般増資(GCI V)および加盟国による 709 万 2,622 株の
応募を行う決議第 336 号を採択した。2010 年 12 月 31
日現在、前 67 加盟国のうち 56 カ国から計 700 億ドルの
応募があった。これは第 5 次一般増資で認められた株式
の 82 %に相当する。2011 年に入ってから、さらに 4 加
盟国の応募(計 6 億ドル)が発効し、応募済株式の比率
は 83%になった。2011 年 1 月 26 日、理事会は第 5 次一
般増資の応募期限を 2011 年 6 月 30 日まで延長した。
2010 年 12 月 31 日現在、ADB の授権資本は 1,063 万
8,933 株、 そ の 価 額 は 1,638 億 4,280 万 ド ル で あ る。
2010 年 12 月 31 日 現 在、ADB の 応 募 済 資 本 は 934 万
7,201 株、その価額は 1,439 億 4,970 万ドルである。応
募済資本のうち 74 億 1,460 万ドルは払込済資本金であ
り、1,365 億 3,510 万ドルが請求払資本であった。請求
払資本の払込は、通常資本財源(OCR)の下での借入や
保証による ADB の債務を履行するのに必要となった場
合にのみ要請できる。ADB の請求払資本について払い
122
アジア開発銀行
総額は、前年 12 月 31 日時点の 151 億 7,610 万ドルから
年の借入総額のうち、107 億ドルは 20 件の公募債(米ド
増加して 158 億 7,850 万ドルとなった。増加の主な要因
ル建てのグローバルベンチマーク 2 件・計 55 億ドル、
は、
(i)特別引出権(SDR)の価値変動による資本およ
中国で発行された現地通貨建て債券 1 件を含む)
、残り
び準備金に対する正味影響額 1 億 6,670 万ドル、
(ii)分
の 42 億ドルは私募債 72 件により調達された。ADB は
割払いで受領した払込資本の増加額 3 億 8,450 万ドル、
また、ユーロ・コマーシャル・ペーパー・プログラムの
経営陣の検討と分析
および(iii)純利益の増加額 6 億 5,120 万ドルであった。
もとで短期資金 3,000 万ドルを調達し、市場でのプレゼ
これらを相殺するものとして、その他の総合的収入が
ンスを強化するとともに、短期的な現金ニーズに対応し
9,570 万ドル減少し、特別基金に対して計 1 億 8,000 万
た。2009 年の借入と対比した 2010 年の借入の詳細は表
ド ル が 配 分 さ れ(ADF に 1 億 2,000 万 ド ル、TASF に
ADB では、融資残高および保証残高、および未実行
約定額を含む出資残高の合計額が、ADB の毀損してい
5 の通り。
2010 年 1 月、ADB は、資金枠 50 億ニュージーラン
ド(NZ)ドルの国内ミディアム・ターム・ノート(MTN)
プログラムに基づき、同国初となる 2 億 2,500 万 NZ ド
ル(1 億 6,200 万ドル)
・期間 4 年のカウリ債を発行した。
また、2010 年 3 月に初めてテーマ型債券を発行し、2 ト
ランシェのウォーター・ボンドを通じて 6 億 3,800 万ド
ない応募済資本、準備金、および剰余金の合計額を超え
ルを調達した。この起債は、ウォーター・ファイナンシ
4,000 万ドル、地域協力・統合基金に 1,000 万ドル、気
候変動基金)に 1,000 万ドル)
、出資金として支払証書 1
億 9,890 万ドルを受領し、その他の調整として 2,540 万
ドルが減額された。
てはならないと定められている。また、総借入残高が、
ング・プログラムの事業に資金を提供し、アジアの水お
非借入加盟国の請求払資本、
払込済資本および準備金(剰
よび衛生関連のニーズに対応しようとする ADB の努力
余金を含む)の合計を上回ってはならない。2010 年 12
を支えるものである。その成功を受けて、ADB は 2010
月 31 日現在、融資余力は 1,086 億ドル(2009 年末現在
年第 3 四半期に 2 件目のテーマ型債券を発行した。5 ト
は 295 億ドル)
、借入余力は 449 億ドル(2009 年は 58
ランシェ・総額 2 億 4,400 万ドルのクリーンエネルギー・
億ドル)だった。
ボンドである。この起債は、アジア・太平洋地域におい
て再生可能エネルギー事業および省エネ事業を推進する
2.借入
という ADB の努力を支えつつ、特定のテーマ型債券に
対する投資家の需要に応えるものである。さらに、ADB
ADB による借入の主目的は、業務資金を可能な限り
安定的かつ低い費用で調達することである。この目的を
踏まえた上で、ADB は市場、手法および償還期間とい
表 5 借入
(単位:百万ドル)
う観点から資金調達源の多様化を図っている。ADB は
項目
2010 年、この目標を達成するために次の戦略を継続した。
長期
2010
2009
14,940.1
10,358.8
すなわち、流動性の高いベンチマーク債を発行して主要
元本合計
な通貨債券市場における ADB の高いプレゼンスを維持
ファーストコールまでの平均満期
(年)
4.9
3.8
するとともに、臨機応変的な資金、および ADB が低コ
平均最終満期
(年)
6.1
5.2
ストで資金を確保する手段である直接小口取引や仕組み
取引件数
債などの私募発行を通じて資金調達を行うことである。
公募
20
9
私募
72
35
公募
6
4
私募
7
4
トルコ・リラ、米ドルの 9 通貨建てで行われた。2010 年
元本合計b
30.0
340.0
中に行われた借入の 96.1%に相当する 144 億ドルは米ド
取引件数
1
4
通貨の種類
1
1
2010 年の資金調達活動 ADB は 2010 年中に 92 件の借
入を行い、中長期資金約 149 億ドルを調達した(2009
年は 104 億ドル)
。新たな借入は、オーストラリア・ドル、
通貨の種類(スワップ前)
ブラジル・レアル、人民元、メキシコ・ペソ、ニュージ
ーランド・ドル、南アフリカ・ランド、スイス・フラン、
ルに、残りの 5 億ドル(3.9 %)は日本円(2.7 %)と人
民元(1.2 %)にスワップされた。2010 年中の借入の平
均償還期間は 4.9 年であった(2009 年は 3.8 年)
。2010
短期a
a 全てユーロ建てのコマーシャル・ペーパー。
b 年末時点の元本残高は、2009 年および 2008 年ともゼロであった。
年次報告 2010
123
は現地通貨による債券の発行を通じて、地域の債券市場
現在の ADB の借入残高について、その利子および通貨
の発展に貢献し、ADB のプロジェクトに現地通貨によ
構造に対するスワップの影響は図 1・2 の通り。金利ス
る融資を提供するという目的を引き続き追求した。新た
ワップは資産 ・ 負債管理においても、負債を融資の金利
に調達された資金はすべて、融資の実行や債務の借り換
条件に整合させるために使われている。
え等の ADB の業務に必要となるまで、投資運用に充当
される。
現地通貨建て債券 ADB は、域内の債券市場発展に貢
献し、借入者に対し適切な現地通貨建て融資を提供する
経営陣の検討と分析
と取り組みを続けている。2010 年には、人民元建てグロ
ーバル債を初めて香港で起債することに成功し、12 億人
民元を調達したほか、フィリピン・ペソおよびタイ・バ
ーツの現地通貨建て資金を、費用効果の高いクロスカレ
ンシー・スワップを通じて調達した。
デリバティブの活用 ADB は主要資本市場での借入プ
レゼンスを維持する一方、業務に必要な各種通貨を費用
効率よく調達するため、通貨および金利スワップを完全
にヘッジされた形で活用している。2010 年 12 月 31 日
図 1 借入の通貨構成に対するスワップの影響
借入残高の通貨構成
(スワップ前)
借入残高の通貨構成
(スワップ後)
米ドル
54.5%
米ドル
89.0%
日本円
7.3%
日本円
1.6%
その他通貨a
38.2%
その他通貨b
9.4%
a その他通貨には、オーストラリア・ドル、ブラジル・レアル、カナダ・ドル、人民元、ユーロ、香港ドル、インド・ルピー、カザフスタン・テンゲ、マレーシア・リンギット、
メキシコ・ペソ、ニュージーランド・ドル、フィリピン・ペソ、英ポンド、シンガポール・ドル、南アフリカ・ランド、スイス・フラン、タイ・バーツ、トルコ・リラが含まれる。
b その他通貨には、人民元、インド・ルピー、カザフスタン・テンゲ、フィリピン・ペソ、英ポンド、スイス・フランが含まれる。
図 2 借入の利率構造に対するスワップの影響
借入残高の利率構造
(スワップ後)
借入残高の利率構造
(スワップ前)
変動
6.7%
変動
91.1%
固定
93.3%
固定
8.9%
124
アジア開発銀行
F.流動性ポートフォリオ
表 6 年末時点の流動性ポートフォリオ残高 a
(単位:百万ドル)
流動性ポートフォリオは、融資実行、債務返済、その
他の現金支出に必要な資金の確保に役立ち、財務状況が
悪化した際には流動性の緩衝装置となり、ADB の収益
基盤にも寄与する。流動資産投資の管理は ADB の「投
資要領」に従って行われる。その主たる目的は、投資資
金の安全性と流動性の維持である。ADB はこの 2 つの
経営陣の検討と分析
目的を確保した上で、投資収益の最大化に努めている。
ADB は投資収益を最大化するために通貨交換を行うこ
とはなく、投資は一般的に受領した通貨と同じ通貨で行
2010
2009
12,591.6
10,301.5
218.2
198.1
現金クッション・ポートフォリオ
1,933.0
1,954.4
裁量的流動資産
3,090.5
1,236.2
453.1
500.8
18,286.4
14,191.0
項目
安全性流動資産
業務用現金ポートフォリオ
その他のポートフォリオ
合計
a 流動性ポートフォリオの構成は、継続的な流動性管理の一環として毎年変化する。
われる。現在、流動資産投資は 21 種類の通貨で運用さ
れている。流動資産投資は、国債等公債、定期預金、銀
行等金融機関の無条件の債務、および一定の範囲内で、
信用度の高い社債、抵当証券および資産担保証券の形で
保有されている。これらの投資はリスク条件やパフォー
マンス基準の違いによって、安全性流動資産、業務用現
金、現金クッション、裁量的流動資産、および特別流動
資産という 4 つのポートフォリオに分けられている。表
6 は、2010 年および 2009 年の年末時点におけるこれら
のポートフォリオの残高を示したものである(売り戻し
条件付契約において買い戻した有価証券の受取債権、有
表 7 流動性ポートフォリオの収益率
(%)
2010
2009
安全性流動資産
3.50
3.83
業務用現金ポートフォリオ
0.15
0.13
現金クッション・ポートフォリオ
0.46
0.87
裁量的流動資産a
0.30
0.34
その他のポートフォリオ
1.36
4.14
項目
a 資金調達費用に上乗せされるスプレッド(12 月 31 日時点)。
価証券貸借契約の下で移転された証券、未決定の売買お
よび経過利子を含む)
。
安全性流動資産の資金は、流動性の緩衝装置としての
主目的が達成されるように運用される。所定のリスク許
を行うことが可能となるほか、市場においてもプレゼン
スを継続維持することで ADB の短期資金調達力が高ま
る。
容水準を前提とした総収益の最大化を図るため、現金の
出入りは最小限に抑えられる。同資金は主に株式で調達
G.契約上の債務
され、運用実績は、平均運用期間を約 2.5 年とする外部
ベンチマークを基準に評価される。
ADB は通常業務の一環として様々な契約を締結する
業務用現金ポートフォリオは、1 カ月分の純現金必要
が、それによって将来的な現金支払い義務が発生するこ
額に対応するものである。資金は株式で調達し、流動性
ともある。2010 年末・2009 年末時点における ADB の
の高い短期の金融市場商品に投資される。運用実績は、
重要な契約上の現金債務の概要は表 8 の通り。
「長期債務」
短期運用に関する外部のベンチマークを基準に評価され
には、スワップを除く直接的な中長期の借入が含まれる
る。
が、未償却の債権発行差益および差損および ASC 815
現金クッション・ポートフォリオは、ADB が借り入
れた資金を融資実行まで保有しておく機能を果たす。こ
の資金は短期金融商品に投資され、運用実績は、短期運
用に関する外部のベンチマークを基準に評価される。こ
のポートフォリオはまた、借入コストと投資収益の間で
得られるスプレッドの最大化を目指している。
裁量的流動資産は、中期的資金調達ニーズを支えるた
めに用いられ、中期的な資金調達プログラム実施におけ
る柔軟性確保のため、借入により調達される。これによ
り、キャッシュ・フローのニーズが生じる前に適宜借入
号適用による効果は含まれない。
「その他の長期負債」に
は、年金および退職後医療給付等の未払債務が含まれる。
年次報告 2010
表 8 契約上の現金債務
125
表 9 ADB 内部におけるリスク評価基準
(単位:百万ドル)
ADB内部における
信用格付け機関による
評価尺度
同等の格付け
ADBによる定義
2009
長期借入金
52,142.8
42,713.4
1
AAA/Aaa to A/A2
信用リスクが最も低い
融資約定の未実行分
24,577.0
22,877.9
2
A–/A3
信用リスクが非常に低い
出資約定の未実行分
471.5
433.4
3
BBB+/Baa1
信用リスクが低い
保証約定
2,331.7
1,971.6
4
BBB/Baa2
信用リスクが低い
その他長期負債
1,267.6
993.7
5
BBB–/Baa3
80,790.6
68,990.0
合計
H.財務リスクの管理
信用リスクが低い
∼中程度
6
BB+/Ba1
信用リスクが中程度
7
BB/Ba2
信用リスクが中程度
8
BB–/Ba3
信用リスクが中程度
9
B+/B1
相当の信用リスクがある
10
B/B2
相当の信用リスクがある
ADB は信用リスク、市場リスクおよびオペレーショ
11
B–/B3
相当の信用リスクがある
ナル・リスクを計測し、モニタリングし、管理するため
12
CCC+/Caa1
信用リスクが高い
に各種のリスク政策と関連手続を採用している。ADB は、
13
CCC/Caa2 to C
信用リスクが非常に高い
業務の拡大を支えるべく、
引き続きリスク管理部(ORM)
14
D
債務不履行状態
の機能強化に努めている。ORM はノンソブリン業務の
ADB = Asian Development Bank.
信用モニタリングに関与し、新規案件のリスク評価を行
い、融資開始後には独立したモニタリングを行い、必要
な場合は問題案件の解決に責任を持って取り組む。
ADB はまた、カウンターパーティの信用度、金利リ
信用力が低下した場合に発生する可能性のある損失のこ
スクや為替リスクといった市場リスクや財務リスクにつ
とである。信用リスクには、ポートフォリオの多くが特
いてもモニタリングを行っている。また、ポートフォリ
定の国、業種、債務者、商品タイプ、個々の取引に集中
オ全体については各種の限度額や集中度をモニターし、
することで生じる集中リスクや、出資価値が下がったり
貸倒引当金を積み立て、一括準備金を含む貸倒引当金の
変動するリスクであるエクイティ・リスクが含まれる。
ADB は個々の融資、保証、財務取引の相手方について、
14 段階の内部評価基準に基づく格付け評価を行っている
。ソブリン借入人および財務取引の相手方につい
督し総裁にリスク政策や対策を勧告するリスク委員会、 (表 9)
ては、外部の格付けを用いて内部の格付けが決定される。
そして理事会の監査委員会がある。経営陣は、ADB の
必要額を計算し、適正資本量を評価している。
ADB のリスク管理体制には、ADB のリスク管理を監
全体的なリスク特性について包括的な報告書を作成し、
ノンソブリン取引の格付けは通常、当該国のソブリン格
理事会および監査委員会に提出する。
付けを上回ることはない。
ADB は使命を遂行するに当たり、i)信用リスク、ii)
市場リスク、iii)流動性リスク、iv)オペレーショナル・
において信用リスクにさらされる。ソブリン・ポートフ
リスクなど、様々なリスクにさらされている。このセク
ォリオにはソブリン債務と保証が含まれ、ノンソブリン・
ションでは、これらのリスクを一つずつ取り上げるほか、
ポートフォリオにはノンソブリン債務および保証、公開
ADB が予期せぬ損失から身を守る究極的な方策として
の適正資本、および ADB の資産負債管理についても説
株式とプライベート・エクイティが含まれる。財務ポー
トフォリオには確定利付証券、現金および現金相当の商
明する。
品、デリバティブが含まれる。個々の資産クラスがさら
ADB はソブリン業務、ノンソブリン業務、財務活動
される信用リスクと、その加重平均リスク格付けを表 10
1.信用リスク
に示す。表 10 の数値は担保、その他の信用補完、減損
引当金の総額を示している。2010 年には世界経済が安定
ADB が負う信用リスクは、借入人またはカウンター
したこともあり、全体的な信用リスクは 2009 年の 4.7
パーティが債務不履行(デフォルト)に陥った場合や、 (BBB-)から一段改善して 4.4(BBB)となった。
経営陣の検討と分析
2010
項目
アジア開発銀行
126
ソブリン・ポートフォリオの信用リスク ソブリン信用
利益を財源として準備金を積み立てている。また、融資
リスクとは、ソブリンの借入人または保証人が融資また
業務において予想される平均的な損失を相殺する貸倒引
は保証にかかる債務を履行できなくなるリスクを指す。
当金を、バランスシートの自己資本の部に積み立ててい
ADB では貸倒引当金や保守的な自己資本を維持するこ
る。準備金は予想される将来の返済能力に基づいて、貸
とにより、ソブリン信用リスクを管理している。通常資
倒引当金はソブリン借入人の国際開発金融機関に対する
本財源(OCR)を財源とするソブリン融資で貸し倒れが
デフォルトの実績に基づいて設定される。準備金と貸倒
起きたことはない。返済の遅延があった場合でも、借入
引当金の合計額は、ADB のソブリン業務において予想
経営陣の検討と分析
国は一般的に債務の履行を再開しており、ADB が OCR
される損失額の推定値に相当する。2010 年の実績は下記
財源からのソブリン融資を償却せざるを得なくなったこ
の通りである。
とは、これまで 1 度もない。
ソブリン信用の質 2010 年、ソブリン・ポートフォリオ
ADB では、個別案件に問題があると判断した場合、
の加重平均リスクの評価は、開発途上加盟国のソブリン
信用の状況が改善したことにより、2009 年の 6.0(BB+)
表 10 信用リスクへのエクスポージャー
から 5.7(BB+)に改善した(図 3)
。詳細については
2010 年および 2009 年末現在
OCR 財務諸表の注 E(注:英語版のみ)を参照のこと。
(金額単位:百万ドル)
2010年
項目
2009年
ソブリンの集中 アジアの人口は数カ国に集中している
ことから、ADB は開発任務を遂行するため、人口の多
エクスポージャー
格付け
エクスポージャー
格付け
44,424.2
5.7/BB+
40,488.1
6.0/BB+
ネシア、インドという借入上位 3 カ国向けは、ポートフ
7.4/BB
予想損失 信用の質の改善によって、ポートフォリオ成
い国に集中するリスクを負うことになる。中国、インド
ソブリン業務
(債務および保証)
ノンソブリン業務
a 債務および保証
4,416.3
3,138.6
3,363.9
7.1/BB
2,479.5
ォリオ全体の 65.6%に相当する(表 11)
。
b 公開株式
491.6
n/a
461.6
n/a
長による予想損失の増加が相殺されている。ソブリン・
c プライベート・エクイティ
786.1
n/a
422.9
n/a
ポ ー ト フ ォ リ オ に 関 す る 予 想 損 失 は、2009 年 の 1 億
財務ポートフォリオ
20,486.5
1.0/AA+ 16,092.1
1.0/AA+
a 確定利付証券
15,472.2
1.0/AA+ 12,461.9
1.0/AA+
9,310 万ドルから 2010 年は 1 億 6,420 万ドルに減少した
(表 12)
。
b 現金商品
3,916.3
1.0/AA
2,701.8
1.0/AA–
ノンソブリン・ポートフォリオにおける信用および株式
c デリバティブ
1,098.0
1.0/AA–
928.4
1.0/AA–
投資リスク ノンソブリン信用リスクとは、中央政府に
69,327.0
4.4/BBB
59,944.1
エクスポージャー合計
4.7/BBB–
n/a = 該当せず。
よる保証がない案件において、借入人が融資または保証
にかかる債務を履行できなくなるリスクを指す。ADB
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
が活動している地域には経済状況が不安定なところもあ
図 3 ソブリン・エクスポージャー(信用の質別)
2010 年および 2009 年末現在(%)
2010年
2009年
信用リスク:高
0.0
信用リスク:高
0.1
信用リスク:低
44.9
信用リスク:中
55.1
信用リスク:低
43.4
信用リスク:中
56.5
注:(i)0.0 = 比率が 0.05%未満。
(ii)信用リスク:低 = リスク評価 1 ∼ 5 のエクスポージャー、信用リスク:中 = リスク評価 6 ∼ 11 のエクスポージャー、信用リスク:高
= リスク評価 12 ∼ 14 のエクスポージャー。
年次報告 2010
表 11 ソブリン・エクスポージャー(国別)
表 12 ソブリン・ポートフォリオの予想損失
2010 年および 2009 年末現在
2010 年および 2009 年末現在
2010年
2009年
2010年
%
エクスポージャー
%
10,462.6
23.6
9,409.5
23.2
インドネシア
9,887.8
22.3
9,679.9
23.9
インド
8,736.2
19.7
7,299.3
18.0
フィリピン
5,465.0
12.3
5,452.0
13.5
パキスタン
5,089.1
11.5
4,658.5
11.5
その他
4,783.5
10.8
3,988.8
9.9
中国
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
るため、ADB のノンソブリン信用リスクは比較的大き
2009年
%
%
(ソブリン
(ソブリン
融資ポート
融資ポート
金額
フォリオ対
フォリオ対
比) (百万ドル)
比)
(百万ドル)
金額
項目
融資損失引当金
–
–
2.7
0.0
貸倒引当金必要額a
164.2
0.4
190.3
0.5
予想損失
164.2
0.4
193.1
0.5
– = 該当データなし。
(ii)0.0 = 比率が
注:
(i)小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
0.05%未満。
a 貸倒引当金必要額は、2011 年 5 月の年次総会における総務会の承認にかけられる。
考えられる不特定の損失については、一括準備金を純利
いと考えられている。また、ADB の融資は、地域の経
益に対する借方計上として認識している。さらに、投資
済発展に不可欠なインフラおよび金融セクターに集中し
適格の融資および投資適格以下の融資の未実行分につい
ている。ADB は様々な政策に基づく対策を通じて、こ
て予想される平均的な損失を相殺するため、貸倒引当金
れらのリスクを管理している。
を、バランスシートの自己資本の部に設定している。個
投資委員会とリスク委員会がノンソブリン・ポートフ
別準備金は予想される将来の返済能力に基づいて設定さ
ォリオのリスク管理を監督する。副総裁が委員長を務め
れ、一括準備金と貸倒引当金は、ADB のポートフォリ
る投資委員会は、すべてのノンソブリン取引の信用度の
オに対応したムーディーズ・インベスターズ・サービス
評価を行う。事務総長が委員長を務めるリスク委員会は、
による過去のデフォルトのデータに基づいて設定され
ポートフォリオ全体のリスクと、信用度が低下した取引
る。ADB は毎年、この外部データが ADB の実際の損失
を個別にモニタリングしている。リスク委員会はまた、
に近似しているかどうかを確認し、その結果予想値を修
ポートフォリオのリスク管理に関する政策の変更を承認
正することがある。個別準備金、一括準備金と貸倒引当
または支持したり、毀損した取引のための引当金の承認
金の合計額は、ADB のノンソブリン業務において予想
を行う。
される損失額の推定値に相当する。
ADB はリスク管理部(ORM)を通じてノンソブリン
ADB はノンソブリン・ポートフォリオにおける集中
信用リスクを管理している。ORM は、すべての新規案
リスクを管理するため、国、産業セクター、企業グループ、
件について、コンセプト審査承認の段階および融資承認
債務者および取引件数のそれぞれについて限度枠を定め
前に独立した審査を行う。承認後、ORM はあらゆるリ
ている。2010 年の実績は下記の通り。
スク資産を少なくとも年に 1 度評価し、デフォルトの可
ノンソブリン融資・保証ポートフォリオ ADB は個別
能性が高い案件または過去にデフォルトがあった案件に
のノンソブリン融資と保証についてリスク格付けを行っ
ついては、より頻繁にリスク評価を行う。各評価におい
ている。2010 年中に、
リスク格付けの加重平均は 7.4
(BB)
て、ADB はリスク特性に変化があったかどうかを調べ、
から 7.1(BB)に改善した。これは主に、ADB が融資
必要なリスク軽減措置を取り、リスク格付けを再確認ま
の再構築を行ったことと、経済状況が改善したことによ
たは変更し、出資の場合は持ち株の公正価値を見直す。
る(図 4)
。詳細については OCR 財務諸表の注 E(注:
必要があれば、ADB は準備金積み立て政策に基づいて、
英語版のみ)を参照のこと。
個別準備金を手当てする。危険と考えられる投資案件は
公開株式ポートフォリオ 2010 年の ADB の公開株式ポ
業務部門から(ORM 内の)会社再生ユニットに移管し
ートフォリオの総額は 4 億 9,160 万ドルとなり、2009 年
てリストラと再生を管理することがある。
の 4 億 6,160 万ドルから 4.7%増加した。
ADB は、融資または保証について既知の損失または
プライベートエクイティ・ポートフォリオ プライベー
予想される損失を相殺する個別準備金を、純利益に対す
トエクイティ・ポートフォリオは、
(i)ADB が投資先企
る借方計上として認識している。また、融資ポートフォ
業の株式を保有する直接エクイティ投資と、
(ii)ファン
リオにおいて投資適格以下の実行済み融資に存在すると
ドマネジャーが投資先企業の株式を保有し運用するプラ
経営陣の検討と分析
エクスポージャー
国
127
128
アジア開発銀行
イベート・エクイティ・ファンドの株式の一部を ADB
における専門家を雇用している。
が保有する場合の 2 種類がある。
予想損失 2010 年、ノンソブリン・ポートフォリオにお
ノンソブリンの集中 2010 年、ADB の貿易金融促進プ
ける予想損失は減少した。この減少は、2009 年に債務不
ログラムに基づく金融機関向け融資の増加を受けて、ベ
履行に陥った案件を再構築したことによるものである。
トナムがノンソブリン・エクスポージャーでフィリピン
2010 年中に、ADB はリスクが中・高水準の信用取引に
を抜き、第 3 位となった。その結果、2010 年時点で、ソ
ついて一括準備金を導入し、貸倒引当金の一部を事実上
ブリン・エクスポージャーが大きい主要 3 カ国は中国
この一括準備金に移転した。
経営陣の検討と分析
(24.0%)
、
インド(15.6%)とベトナム(9.0%)であった。
財務ポートフォリの信用リスク 発行体デフォルト・リ
上位 3 カ国が占める比率は 2009 年の 46.7 %から 2010
スクとカウンターパーティ・リスクは財務ポートフォリ
年には 48.6 %に増加した(表 13)
。各国とも ADB のノ
オに影響する信用リスクである。発行体デフォルト・リ
ンソブリン・エクスポージャーの国別上限を遵守してい
スクとは、債券の発行体が利子または元本の支払義務を
る。
履行できなくなるリスクで、カウンターパーティ・リス
ノンソブリン・ポートフォリオはエネルギーおよび金
クとは、カウンターパーティ(取引の相手先)が ADB
融セクターが多いが(表 14)
、ADB では経済発展におけ
に対する契約上の義務を履行できなくなるリスクであ
るインフラや金融セクターの重要性に鑑み、これらセク
る。
ターへのエクスポージャーを高く維持している。過度の
集中を防ぐため、ADB ではこれらのセクターについて
ADB では発行体デフォルト・リスクとカウンターパ
ーティ・リスクを軽減するため、2 社以上の定評ある格
モニタリングと報告を強化するとともに、これらの分野
付け機関から格付けを受け、かつ財務状況が健全な機関
図 4 ノンソブリン・エクスポージャー(信用の質別)
2010 年および 2009 年末現在(%)
2010年
2009年
信用リスク:高
9.4
信用リスク:高
17.8
信用リスク:低
29.0
信用リスク:中
61.7
信用リスク:低
31.7
信用リスク:中
50.5
注:信用リスク:低 = リスク評価 1 ∼ 5 のエクスポージャー、
信用リスク:中 = リスク評価 6 ∼ 11 のエクスポージャー、
信用リスク:高 = リスク評価 12 ∼ 14 のエクスポージャー。
表 13 ノンソブリン・エクスポージャー(国別)
2010 年および 2009 年末現在(金額単位:百万ドル)
2010年
2009年
表 14 ノンソブリン・エクスポージャー(セクター別)
%
1,058.5
23.9
796.1
23.7
インド
690.5
15.6
553.3
16.5
エクスポージャー
%
エクスポージャー
%
ベトナム
396.1
9.0
221.3
6.6
エネルギー
1,966.3
44.5
1,618.9
48.1
フィリピン
326.7
7.4
256.0
7.6
金融
1,682.0
38.1
1,133.2
33.7
パキスタン
293.6
6.6
165.7
4.9
投資ファンド
355.0
8.0
291.5
8.7
その他
413.1
9.3
320.3
9.5
中国
その他
1,650.9
37.4
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
エクスポージャー
1,371.5
%
2010 年および 2009 年末現在(金額単位:百万ドル)
エクスポージャー
国
40.8
2010年
セクター
2009年
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
年次報告 2010
表 15 ノンソブリン・ポートフォリオの予想損失
表 16 確定利付債(資産クラス別)
2010 年および 2009 年末現在
項目
2010 年および 2009 年末現在
(単位:百万ドル)
2010
2009
%
(ソブリン
金額
融資ポート
フォリオ対
比)
(百万ドル)
% of NSO
$ million portfolio
2010年
融資損失
個別準備金
9.2
0.3
122.3
4.9
項目
金額
2009年
%
%
金額
ソブリン政府債
5,672.2
36.7
4,010.0
32.2
ソブリン政府保証債
4,476.9
28.9
4,778.7
38.3
3,067.9
19.8
1,834.7
14.7
934.9
6.0
855.3
6.9
政府出資企業債
融資損失
1.1
–
–
貸倒引当金必要額a
35.9
1.1
55.6
2.2
予想損失
78.4
2.5
177.9
7.2
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 貸倒引当金必要額は、2011 年 5 月の年次総会における総務会の承認にかけられ
る。
及び
国際機関債
格付けAAAの
資産担保証券・
抵当証券
社債
1,320.4
8.5
983.1
7.9
合計
15,472.2
100.0
12,461.9
100.0
注:
(i)小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
(ii)短期政府債の区
分が現金・現金相当の物に変更されたことを受け、2009 年の数値が改訂された。
に取引先を限定している。さらに、財務ポートフォリオ
銀行預金 ADB が預金するのは、長期的な信用格付け
は一般的に、短期金融市場商品や国債などの安全性の高
が平均 A +以上、または短期的な信用格付けが A-1 およ
い資産に投資されている。加えて、ADB は企業投資、
び P-1 以上の金融機関に限られる。ADB はまた、内部
預託関係およびその他の投資商品について保守的なエク
の信用リスク評価に基づき、潜在的なリスクが比較的高
スポージャ制限を設けている。
いと思われる金融機関を監視対象としてリストアップし
デリバティブ取引から生じるカウンターパーティの信
ている。また、預金規模についても、取引相手先の自己
用リスクを軽減するため、ADB はカウンターパーティ
資本や信用度に応じて制限が設けられている。一般的に、
について厳格な適格基準を定めている。一般的に、ADB
預金の信用リスクは低く、ADB が預金している金融機
がスワップ取引を行うカウンターパーティは、カウンタ
関の信用格付けはすべて A+ 以上となっている。
ーパーティ信用格付けの最低基準を満たし、ADB との
確定利付債 ADB では確定利付証券については保守的
国際スワップデリバティブ協会マスター契約書および信
な政策を採用しており、信用リスクは低い。確定利付資
用補完付属書に署名していなければならない。信用補完
産のうち 85.4%が、低リスクのソブリン債およびソブリ
付属書に基づき、デリバティブ・ポジションは毎日値洗
ン保証債であり、残りは格付け AAA の資産担保証券と
いされ、その結果判明するリスク資産は米ドルの現金お
抵当証券、および A −以上の社債である(表 16)
。2009
よび米国の国債によって担保される。また、ADB はス
年以降、世界経済状況の改善を受け、抵当証券と社債の
ワップの各カウンターパーティについてエクスポージャ
信用リスクは一般的に低下している。
ー制限枠を設けており、この制限枠に照らして現在のエ
デリバティブ デリバティブ取引相手先の信用リスクは
クスポージャーと潜在的エクスポージャーの双方をモニ
低いものとなっている。スワップ取引相手先の格付けは
ターしている。ADB は必要に応じて日毎の有担保コー
すべて A −以上となっている。A −から A +の格付け
ルを活用し、カウンターパーティによる担保義務の履行
を有する取引相手先に対する現在のエクスポージャーは
を確保している。2010 年の実績は次の通り。
十分な担保が設定されており、AA −以上の格付けを有
財務ポートフォリオの 2010 年の加重平均格付評価は、
昨年と変わらず AA +だった。ポートフォリオの約 98.9
%は A 以上の格付けであった。
2010 年 12 月 31 日現在、支払期日を過ぎた、あるい
する取引相手先に対する担保が設定されていないエクス
ポージャーには制限が設けられている。ADB はまた、
内部の信用リスク評価に基づき、潜在的なリスクが比較
的高いと思われる機関を監視対象としてリストアップし
は毀損した確定利付債やデリバティブ、あるいはその他
ている。2010 年末現在、値洗いされるエクスポージャー
の米国財務省証券エクスポージャーはなかった(2009 年
の 73%に担保が設定されていた。
もゼロ)
。
国別のエクスポージャー 2010 年末現在、財務信用リス
経営陣の検討と分析
33.4
一括準備金
129
130
アジア開発銀行
クのエクスポージャーは 29 カ国に割り当てられており、
損失すると想定される最低金額を示している。ADB は
米国が最大となっている(表 17)
。
デュレーションと VaR を用いて財務ポートフォリオ全体
の金利リスクを計測しているが、安全性流動資産は最も
2.市場リスク
金利リスクにさらされているため、特に注意を払って管
理している。
市場リスクとは、市場価格の変動により金融商品に損
為替 ADB は業務に伴う為替リスクを最小限に抑制し
失が生じるリスクをいう。ADB が直面しうる主な市場
ている。業務ポートフォリオと財務ポートフォリオの双
リスクには、株価リスク(ノンソブリン・ポートフォリ
方において、ADB は投融資の通貨と受領資金の通貨を
経営陣の検討と分析
一致させるよう求められている。借入資金または投資目
表 17 財務ポートフォリオのエクスポージャー(国別)
2010 年および 2009 年末現在(金額単位:百万ドル)
2010
国
エクスポージャー
場合に限り、他の通貨に交換することができる。しかし、
2009
%
エクスポージャー
的の資金については、同資金がクロスカレンシー・スワ
ップまたは為替先渡し契約によって完全にヘッジされる
%
ADB は複数の通貨で業務を行っているため、米ドル建
米国
6,213.7
30.3
5,123.6
31.8
てで報告する決算においては通貨換算調整に起因する変
日本
4,439.7
21.7
3,107.4
19.3
動リスクが存在する。
オーストラリア
2,273.9
11.1
1,951.8
12.1
フランス
1,490.5
7.3
676.4
4.2
関する説明は、ADB の市場リスクの大半を占める安全
ドイツ
1,404.8
6.9
1,382.3
8.6
性流動資産の主要通貨に限定される。安全性流動資産は
その他
4,663.8
22.8
3,850.6
23.9
20,486.5
100.0
16,092.1
100.0
合計
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
本セクションにおける 2010 年の市場リスクの実績に
ADB の通常資本財源(OCR)の 69%を占め、うち 95%
が主要通貨である。主要通貨には米ドル、
日本円、
ユーロ、
英ポンド、オーストラリア・ドルおよびカナダ・ドルが
含まれる。
バリュー・アット・リスク 金利リスクと為替リスクを
オの項で前述)
、金利リスク、為替リスクの 3 種類がある。
含む合計バリュー・アット・リスクは、2009 年の 5.3%
このセクションでは金利リスクと為替リスクについて記
から 2010 年には 4.1%に減少した。この数字は、ポート
述する。
フォリオが翌年 4.1%(4 億 9,340 万ドル)以上の価値を
金利 借入人の利払いは ADB の資金調達コストと合致
失う可能性が 5%あることを意味している。こうした潜
しているため、業務ポートフォリオの金利リスクは、完
在的な損失の可能性は 2010 年に、2008 年末の金融危機
全にヘッジされている。したがって、借入人側が金利変
が収束し市場が安定するにつれて、低下した。
動リスクを負い、ADB の利鞘はほぼ一定に保たれる。
期間 主な安全性流動資産の金利感応度は、ポートフォ
ADB は主に財務ポートフォリオを通じて金利リスク
にさらされる。ADB は様々な定量手法を用いて、財務
リオの加重平均期間に反映されている。期間は 2009 年
ポートフォリオの金利リスクをモニターおよび管理して
ストレステスト ADB では、主な安全性流動資産が金
いる。すべてのポジションを毎日値洗いし、金利リスク
利変動に対してどの程度の感応度があるか測定してい
指標をモニターするほか、ストレステストやシナリオ分
る。金利が 2%上昇した場合、主要な安全性流動資産の
の 2.3 年から 2010 年には 2.6 年に延びた。
析も行っている。
価値は 5.1%(6 億 1,380 万ドル)失われると予想される。
ADB は「デュレーション」および「金利 VaR」(金利
バリュー・アット・リスク)という 2 つの指標を用い、
この予想損失は昨年より大きくなったが、それはポート
フォリオの平均的な投資残存期間が長期化したためであ
財務ポートフォリオの金利リスクを測定している。デュ
る。ADB はまた、市場要因において過去に発生した大
レーションとは金利 1%の変化に対して、予想されるポ
きな変化が再発した場合、主要な安全性流動資産がどの
ートフォリオの価値のパーセント変化を示す数値であ
ように反応するか、シナリオ分析を行っている。その結
る。金利 VaR とは、金利変動により所与の期間において
果、ADB の投資は質が高いため、大半のストレスシナ
所与の信頼度で想定される損失を示す指標で、ADB は
リオにおいて、高格付け債券に対する需要が増え、財務
この指標の算出に当たって 95%の信頼度と 1 年の期間を
ポートフォリオの価値は上昇すると考えられる。
用いており、これは ADB が金利変動により 20 年ごとに
年次報告 2010
3.流動性リスク
131
金調達が難しくなるため、ADB の開発機関としての役
割はさらに重要になる。そのため、ADB は、そうした
流動性リスクは、ADB が財務上および業務上の債務
を履行するための資金を調達できない場合に発生する。
ADB は、資本市場での資金調達が一時的にできなくな
困難な状況下にあっても融資を行う能力を維持する必要
がある。
ストレステストでは、ポートフォリオについて数千も
った場合に流動性が不足する事態を防ぐため、安全性流
の潜在的なシナリオを設定し、その 99%を網羅する大規
動資産を維持している。流動資産の水準と必要現金額は
模な信用ショックを想定する。そして、モデルを用いて
継続的にモニターされ、四半期毎に理事会に報告される。
今後 10 年間の資本貸付率を計算し、資本への影響を評
4.オペレーショナル・リスク
用ショックが発生した場合でも、その損失を吸収し、開
発融資業務を継続していくために充分な資本を有してい
オペレーショナル・リスクとは、内部プロセス、人員
ることが示された。
および各種システムの不備もしくは欠陥、または外部事
象によって損失が生じる業務上のリスクのことを指す。
6.資産負債管理
ADB は様々なオペレーショナル・リスクにさらされて
厳格な取引承認プロセスを採用することで融資業務にお
ADB の資産負債管理の目的は、純資産と適正資本を
保全し、ADB のリスク負担能力の着実な向上を促進し、
けるミスを予防しているほか、突発的な事象による影響
妥当な水準の財務リスクを取るために、健全な財務政策
を軽減するために、情報技術を中心とする事業継続性の
を規定することにある。ADB の財務の健全性を保全し
強化も行っている。
つつ、借入人に有利な条件で融資できるように開発のた
いるが、健全な内部統制を通じてこれを軽減している。
めの融資資金をできるだけ低くかつ安定したコストで調
5.適正資本
達することを目指している。ADB は資産負債管理を通
じて、純資産を為替リスクから守り、利ざやを金利の変
ADB の最も深刻なリスクは、融資ポートフォリオの
動から守り、業務に必要な流動性を確保している。ADB
大半が債務不履行になった場合に発生する。信用リスク
はまた、ソブリン融資についてはパススルー型の金利政
は予想損失と予想外の損失の双方で測定される。予想損
策を採用しており、最もコストの低い借入金をソブリン
失については、ADB は貸倒引当金や準備金を積み立て
融資に配分している。2006 年、ADB は資産負債管理の
ている。一方、金融機関にとって信用リスクやその他の
目的と手続を明文化し、包括的な政策の枠組みとして理
リスクから生じる予想外の損失に対する最後の砦は、組
事会の承認を得た。この枠組みは、流動資産、投資、株
織自身の収入創出能力と資本であるが、ADB もこれに
式の管理や適正資本を含む、資産負債管理に関連するす
依拠している。
べての財務政策の指針として機能している。
ADB は主にストレステストを用いて、資本が予想外
の損失をどれだけ吸収できるかを評価している。この枠
I.財務報告への内部統制
組みには 2 つの目的がある。第 1 の目的は、信用ショッ
クによる収入の損失を吸収する ADB の能力を計測する
ADB の経営陣は 2008 年以降、コーポレートガバナン
ことである。ADB はこのモニタリングを通じて、払込
スに関するグローバル・ベストプラクティスに沿い、ト
資本の増額や請求払い資本の払い込みといった出資国の
レッドウェイ委員会組織委員会(COSO)が公表した『内
支援に頼らざるを得なくなる可能性を軽減している。そ
部統制の統合的枠組み』で確立された基準を適用して、
の結果、出資国が保護されるだけでなく、ADB のトリ
財務報告への内部統制の妥当性および実効性について評
プル A 格付けが維持され、それが借入コストの軽減につ
価を実施している。2010 年の OCR と特別基金(アジア
ながり、ひいては融資金利の低下につながっている。
開発銀行研究所特別基金を除く)の財務報告については、
この枠組みの第 2 の目的は、信用ショック後の融資を
その内部統制の有効性に関する主張と認証において、リ
拡大する上で充分な収入を生み出せるかどうかという、
スクに基づく評価の枠組みを適用した。この評価の一環
ADB の収入力を評価することである。金融危機が発生
として、財務報告に関する 48 の業務プロセスと、情報
した場合、一部の開発途上加盟国では資本市場からの資
技術および一般的なコンピュータによる統制手法の 4 つ
経営陣の検討と分析
価する。その結果、2010 年を通じて、ADB は深刻な信
132
アジア開発銀行
の分野をレビューした。2010 年にはテストの対象を拡大
ローを融資の実効金利で割り引いた現在価額についての
して信託基金をこれに含めた。関係部局の ADB 職員は、
経営陣の判断と推定が反映される。ADB では、最新の
主な統制手段をテストし、業務プロセスの設計および実
情報および状況に基づき、融資の契約条件に従って受け
施上の有効性を審査・評価する責任を負っている。それ
取るべき金額を全額回収できない可能性が高いと判断し
と同時に、外部監査人が主な統制手段について独立した
た場合に、当該融資が毀損したとみなす。貸倒引当金の
テストを行い、ADB が 2010 年の OCR および特別基金
(ア
計算は四半期ごとに行う。2010 年に、ADB は引当の方
ジア開発銀行研究所特別基金を除く)の財務報告に対し
法を精密化し、ノンソブリン・ポートフォリオに関する
て実効性のある内部統制を維持したという経営陣の主張
一括準備金を導入した。
経営陣の検討と分析
に同意した。
ADB は内部のリスク格付けシステムを利用して、
毀損していない融資の予想損失を評価する。デフォルト
J.重要な会計政策および評価
の確率は、国際開発機関に対する借入国の過去のデフォ
ルトの実績に基づいて算出される。ノンソブリン融資の
重要な会計政策は通常資本財源(OCR)財務諸表の注
デフォルトの確率は、ムーディーズのデフォルトのデー
B(注:英語版のみ)に示す通りである。財務諸表に開
タに基づいて産出される。貸倒引当金は、総務会の承認
示されているとおり、経営陣は、金融商品の公正価値を
を条件として、予想損失に対して純利益の配分として資
評価する。この評価は本質的に、判断および入手可能な
本の部に計上される。
情報に基づいてなされるため、実際の結果が評価と異な
る可能性があり、また財務諸表に重要な影響を及ぼす可
能性もある。
II. 特別基金
金 融 商 品 の 公 正 価 値 ADB は、 規 約 報 告 に お い て、
ASC 815 号および 825 号に規定されるとおり、金融商品
ADB は、ADB 設立協定により特別基金の設置と管理
やデリバティブを公正価値ベースで記帳している。これ
を認められている。これらはアジア開発基金(ADF)
、
らの金融商品には総じて、別途評価され貸借対照表に計
技術協力特別基金(TASF)
、日本特別基金(JSF)
、アジ
上される組込まれたデリバティブ分が含まれる。公正価
ア開発銀行研究所(ADBI)特別基金、アジア津波基金
値は通常、市場価格に基づき決定される。市場価格が容
(ATF)
、パキスタン地震基金(PEF)
、地域協力・統合基
易に入手できない場合の公正価値は通常、容易に識別可
金(RCIF)
、気候変動基金(CCF)
、およびアジア太平洋
能な市場データを組み入れた市場ベースの価格決定(プ
災害対応基金(APDRF)である。ADF を除き、各基金
ライシング)モデルを使用して決定されるため、判断お
の財務諸表は米国で一般に認められた会計原則(GAAP)
よび評価が必要となる。これらについては OCR 財務諸
に従って作成される。ADF については特別目的財務諸表
表の注 B(注:英語版のみ)でより詳細に論じられている。
が作成される。
ADB の金融商品の公正価値決定に使われる価格決定
モデルは、割引後予想キャッシュ・フローに基づく。
A.アジア開発基金(ADF)
ADB はこの価格決定モデルについて、金融商品の価格
を正当に反映しているかどうか妥当性をチェックしてい
る。さらにこのモデルから算出された公正価値は、内部
アジア開発基金(ADF)は、
1 人当たりの GNP が低く、
債務返済能力が限られている開発途上加盟国を対象とす
および外部から検証とレビューを継続的に受ける。モデ
る譲許的融資制度である。この基金はアジア・太平洋地
ルには、金利、為替レート、オプション・ボラティリテ
域における貧困削減と生活水準の向上に特化した譲許的
ィなどの市場関連データが使われる。こうした入力デー
支援の多国間拠出として唯一のものである。域内外のド
タの選別には一定の判断が要求され、その選別が純利益
ナー加盟国 32 カ国が ADF に資金を拠出している。また、
に影響する可能性があるが、ADB は、公正価値の評価
二国間および多国間開発パートナーによる協調融資が
は妥当であると考えている。
ADB の ADF 財源を補完している。
2008 年 8 月、総務会は ADF の第 9 次財源補充(ADF
X)および TASF の第 4 次定期財源補充に関する決議を
採 択 し、2009 年 6 月 16 日 に 発 効 し た。 こ れ に よ り、
ADF については 2009 年 1 月からの 4 年間に実施される
貸倒引当金と準備金 2006 年、ADB のノンソブリン業
務に関する貸倒引当金の計算手法をリスクベースのモデ
ルに変更することが理事会により承認された。融資の毀
損に備える貸倒引当金には、将来の予想キャッシュ・フ
年次報告 2010
133
の借入を受けられるのは一般に、ADF と通常資本財源
TASF についても追加拠出によって技術協力業務に資金 (OCR)双方からの借入れ可能国(ブレンド国)のうち、
を供与することとなった。理事会は 2009 年 6 月、ADF
国民一人当たり所得が国際開発協会(IDA)の適格上限
を 2 年以上連続して超えず、かつ OCR の融資プログラ
融資のみの国に対し、4 億ドルの追加支援を行うことを
承認した。増資の総額は 75 億 SDR(特別引出権、約
ムが実施中の国である。金利は毎年 1 月に改定され、そ
119 億 ド ル ) で、 そ の 内 訳 は ADF X が 73 億 SDR、 の年に承認されるすべての融資に同じ金利が適用され、
金利は融資期間を通じて固定される。2010 年に承認され
TASF が 2 億 SDR である。増資の約 36 %は、ドナーか
らの総額 27 億 SDR(約 42 億ドル)の新規拠出によっ
たハードターム ADF 融資の金利は 2.22 %に設定され、
て賄われる。
同年中に、このファシリティに基づく融資 2 件が承認さ
通貨管理 ADF の通貨管理においては、2006 年 1 月 1
れた。
日に発効した新たなフレームワークが適用されている。 流動性管理 2008 年から、ADF の流動性資産は 2 つの
これにより、ADF 資金を 15 種類の通貨で管理するとい
トランシェの下で管理されており、これにより財源の最
う従来の方法は廃止され、SDR 通貨バスケット(米ドル、 適な利用が可能になった。それぞれのトランシェの主要
な目的は、第 1 トランシェについては、予想される現金
ユーロ、英ポンドと日本円)に基づくアプローチが導入
譲許的プログラムに対する大幅な増資が実現し、同時に
必要額に合致した十分な流動性を確保することであり、
第 2 トランシェは、ADF に対する想定外の需要を満たす
いずれかの SDR 通貨に交換され、SDR ベースの流動性
ために最低限必要な流動性水準と、将来の約定に利用可
ポートフォリオとして維持される。さらに、借入国の新
能な財源に向けた流動性水準から構成されている。この
規の ADF 融資に対する債務も、SDR 建てで決済される
アプローチにより、透明かつ効率的な方法の流動性管理
ようになった。
が確保される。
融資の通貨変換 ADB は 2008 年から、古い ADF 融資
重債務貧困国(HIPC)向け債務救済 ADF ドナー国の
について本格的な SDR アプローチを借入国側に提示し
要請に従い、ADB 総務会は 2008 年 4 月 7 日、ADB が
ている。すわなち、借入国に対して融資の未実行部分を
HIPC 向け債務救済に参加し、アフガニスタンに対して
SDR 建ての新規融資として扱うかわりに、様々な通貨建
ての既存債務(実行済みで未返済の融資残高)を SDR
債務救済を行うことを定めた決議を採択した。アフガニ
スタンの ADF 債務のうち、免除対象となり ADF の収益
建てに変換するという選択肢を与えるというものであ
から差し引かれる想定元本額は 8,240 万ドルである。
る。この方針により、融資効果の実現時期が早まり、
HIPC イニシアチブは、対外債務が輸出額または国家
ADF の未実行融資に伴う為替レートのボラティリティが
財政に対して大きな負担となっている貧困国の債務を一
減少し、他の国際開発金融機関との間や ADF 融資全体
部削減することを目的として、国際開発協会(IDA)と
の債務ポートフォリオにおいて、一貫した管理フレーム
国際通貨基金(IMF)により 1996 年に立ち上げられた。
ワークが提供されるようになる。2010 年 12 月 31 日現在、
このイニシアチブは 1999 年に拡大され、より多くの国
ADF の借入国 30 カ国のうち 17 カ国が転換への合意を
が HIPC 向け債務削減の対象国として認められた。IDA
表明しており、SDR に変換された融資残高は 139 億ド
と IMF は、いくつかの ADF 借入国が HIPC イニシアチ
ル相当となっている。
ブの所得および債務の基準を満たしており、HIPC 向け
ADF グラントフレームワークの改定とハードターム・フ
ァシリティ 2007 年 9 月、理事会は ADF グラント(無
債務削減の対象になりうると報告した 5。これらの国の
うち、アフガニスタンが債務削減の対象となり、2007 年
るとともに、新たな融資条件のファシリティ(ハードタ
7 月 9 日に HIPC イニシアチブに基づく決定時点を迎え
た。決定時点とは、特定の条件を満たした HIPC 国 6 が、
HIPC イニシアチブに基づく債務削減を実施することに
ーム・ファシリティ)が設定された。同ファシリティの
ついての理事会の承認を経て、暫定的な債務削減を受け
償援助)フレームワークの改定を承認した。この改定に
より、グラントの適格国は ADF のみ借入国に限定され
融資は、SDR 構成通貨の 10 年固定スワップ・レートの
られるようになる時点を指す。債務削減は、支払期限の
加重平均から 150bp を差し引き、通常資本財源(OCR)
到来した返済金を一部減額するという形で実行されてい
の融資スプレッドを加えたものと現行の ADF レートの
る。
いずれか高い方を固定金利とする。その他の条件は、通
IDA と IMF の理事会は 2010 年 1 月 26 日、アフガニ
スタンが HIPC イニシアチブに基づく完了時点を迎えた
常の ADF 融資と同様である。この新ファシリティから
経営陣の検討と分析
された。すなわち、ドナー国からの拠出金や融資返済金
を SDR 構成通貨以外の通貨で受領した場合は、直ちに
134
アジア開発銀行
ことに同意した。これにより、同イニシアチブに基づく
アフガニスタンへの債務救済は取消不能となった。元本
と金利を含む債務救済額は 1 億 600 万ドルに修正され、
2010 年 7 月から 2028 年 2 月までのアフガニスタンの返
済金を減額することによって実施されることとなった。
表 18 アジア開発基金(ADF)約定枠 a
2010 年および 2009 年末
(単位:百万ドル)
項目
2010
ADF IX約定枠からの繰越金b
122.0
2009
123.7
経営陣の検討と分析
この取り決めによって 2010 年 12 月までに ADF が実施
ADF X拠出金
1,802.1
した債務削減額は 260 万ドルとなり、残高は 1 億 340 万
ADF IX拠出金
111.8e
ドルとなった。
ADF VIII 拠出金
拠出財源 ADF の第 9 次財源補充(ADF X)でドナー
返済金に基づく財源
c, d
837.6
112.8
f
8.3
4,520.8g
3,345.8
120.0
8.2
国から同意を得られた補充額は 75 億 SDR であった。そ
OCR純利益からの移転
240.0
の内訳は、内部財源からが 45 億 SDR、ドナー国からの
融資の減額およびキャンセル分
650.0
314.4
新規拠出が 27 億 SDR、通常資本財源(OCR)純利益か
ADF X約定枠合計
7,454.8
4,862.6
ら の 移 転 が 3 億 SDR で あ る。ADF X は 2009 年 か ら
約定済みの融資・グラント
6,306.6
3,129.4
2012 年までの 4 年間を対象とするもので、無条件の拠出
として ADB に提出された拠出証書の金額が、約束され
た新規拠出総額の 50%を超えた 2009 年 6 月に発効した。
2010 年 12 月 31 日現在、27 のドナー国が計 37 億ドル 7
を拠出しており、うち 18 億ドルが受領され業務に利用
可能となっている。理事会は 2010 年 12 月 23 日に、英
国からの 620 万ポンドの追加拠出を承認した。払い込ま
れ た 10 億 1,220 万 ド ル の う ち、9 億 3,050 万 ド ル は
ADF 業務、8,170 万ドルは技術協力特別基金(TASF)
に充てられる。ADF の第 7 次財源補充(ADF VIII)お
よび第 8 次財源補充(ADF IX)における未払拠出金の
総額は、2010 年 12 月 31 日現在で 2 億 1,490 万ドル 7 と
なった(2010 年に業務に当てられた拠出額の詳細につい
ては、統計付録 23 の「追加」欄を参照)
。
将来の約定に利用できる約定枠は、ADF が融資および
将来の約定に利用可能な
1,148.2
1,733.2
られた。これは、経営陣が融資やグラントの未使用残額
グラントの形で行う将来の資金支援活動に利用できる資
をキャンセルして約定済み財源を活用するよう査定し続
金源からなる。資金源には、ドナー国からの拠出、借入
けた結果である。2010 年中、総額 7 億 9,500 万ドルの拠
国からの返済金と、OCR からの純利益の移転がある。
出証書が現金化され、うち 7,140 万ドルが技術協力特別
2010 年 12 月 31 日現在、業務に利用できる約定枠の残
高は 11 億ドルであった(2009 年末現在は 17 億ドル)
(表
18)。
2009 年 5 月、総務会は OCR の純利益配分の一環とし
て 1 億 2,000 万ドルを ADF に移転することを承認した
(2009 年も 1 億 2,000 万ドル)
。さらに、融資減額および
キャンセル分 6 億 5,000 万ドルが ADF の約定枠に含め
5
6
7
ADF約定枠
ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a ADB は約定枠を SDR ベースでモニタリングしている。報告される金額はすべて、
2010 年および 2009 年 12 月 31 日時点の米ドル・SDR 為替レートに基づいている。
b 各年度末時点の為替レートによる 7,920 万 SDR の米ドル換算額。これは ADF IX
の累積約定枠を反映している。
c 第 2 回分割支払拠出分の 80%のみが業務の約定に利用できる資金として配分さ
れた。その比率は、条件付き拠出証書を提出する可能性の高いドナーが第 1 回分
割支払拠出分で支払うと予想される比率に相当する。残る 20%は、各ドナーが保
留した金額を払い込むか、残金の支払を行うまで、業務の約定には利用できない。
d 2010 年 12 月 23 日、理事会は同年 12 月 15 日に払い込まれた英国からの 620
万ポンドの追加拠出を承認した。
e 米国による第 3 回分割支払残高と、第 4 回分割支払の 27.59%を表している。按
分ベースで保留された金額は、それに応じて払い込まれている。
払込が行われ、業務の約定に利用可能となったオーストリアによる第 4 回分割支
払の 99.16%を表している。
g 11 億 SDR の流動性引き出しおよび為替引当金から拠出された 2 億 7,000 万 SDR
の追加流動性を含む。
f
基金(TASF)に移転された。
2010 年 8 月、総務会は ADF の第 5 次財源補充(ADF
VI)および TASF の第 2 次定期財源補充に対するナウル
の拠出金を 200 万ドルから 40 万ドルに減額することを
承認した。減額分 160 万ドルの内訳は、現金化されなか
った拠出証書の残高が 110 万ドル、未収金が 50 万ドル
である。
ブータン、キルギス、ラオス、ネパールとスリランカを含む。この後、アフガニスタンが重債務貧困国(HIPC)向け債務救済の対象になる可能性があると判断された。
その当時、ブータン、ラオスとスリランカの当局は国際通貨基金と世界銀行のスタッフに対し、HIPC イニシアチブに参加する意思がないことを表明した。データの
不足から、ミャンマーについては債務を査定することができなかった。また、ミャンマー当局は、査定に必要なデータを提供することはできず、その時点で HIPC イ
ニシアチブによる債務救済を受けることは望まないと表明した。
条件は、当該 HIPC 国が一定期間のマクロ経済の安定を示し、暫定的な貧困削減戦略を策定済みであり、延滞金をすべて清算していることである。
2010 年 12 月 31 日現在の為替レートで計算した米ドル換算額。
年次報告 2010
理事会は 2010 年、アフガニスタン向けポストコンフ
135
年から 2012 年までの 4 年間を対象とするものである。
リクト支援の段階的停止計画を差し止めた結果として、
拠 出 財 源 2010 年 12 月 31 日 現 在、ADF X お よ び
2011 ∼ 2012 年の同国への配分額を 1 億 6,200 万ドル増
可能な流動資産から手当てされる。
TASF 第 4 次 定 期 補 充 の 一 環 と し て、27 の ド ナ ー が
TASF に総額 2 億 8,850 万ドルを拠出することを約束し
ている。約定総額のうち、これまでに 1 億 4,230 万ドル
融資の承認、実行および返済 2010 年中には、51 件・
の支払いが行われている。
額することを承認した。この追加資金は暫定的に、利用
計 22 億ドルの ADF 融資が承認された(2009 年は 45 件・
%に相当する。
投資ポートフォリオの状況 ADF 投資ポートフォリオ
8
の総額は 2010 年末現在、56 億ドルとなった(2009 年は
57 億ドル)。このうちおよそ 39%が銀行預金、61%が確
定利付証券に投資されていた。未実現損益を含めた ADF
の年間投資収益率は、1.6%だった(2009 年は 2.4%)
。
グラント(無償援助)
2010 年中に、ADB は 34 件・計
9 億 6,720 万ドルのグラントを承認したほか(2009 年は
27 件・9 億 1,130 万ドル)、21 件・計 6 億 5,180 万ドル
のグラントが発効した(2009 年は 32 件・9 億 5,250 万
ドル)
。完了したグラント案件の未実行約定額の繰り戻し
は 590 万ドルとなった(2009 年は 500 万ドル)
。
融資およびグラントに対する協調融資 2010 年中に、23
件・計 7 億 2,620 万ドルの ADF プロジェクトに対して、
ドルの直接任意拠出金を拠出した。さらに、通常資本財
源(OCR) の 純 利 益 の 配 分 と し て、4,000 万 ド ル が
TASF に割り当てられ、50 万ドルが TASF 第 4 次定期補
充に割り当てられた。2010 年末現在、TASF の資金総額
は 17 億 5,970 万ドルで、このうち 15 億 1,160 万ドルは
約定済み、
残りの 2 億 4,810 万ドルが未約定であった(統
計付録 24)
。
業務の概要 技術協力(TA)約定額(承認・発効済み)は、
2009 年の 1 億 1,720 万ドルから 2010 年は 1 億 3,470 万
ドルに増加し、195 件の TA プロジェクトが発効した。
2010 年、完了またはキャンセルされた TA プロジェクト
の未実行金額 1,180 万ドルが繰り戻された(2009 年は
1,330 万ドル)。2010 年 12 月 31 日現在の TA の未実行
約定額は、2009 年末現在の 2 億 5,890 万ドルから増加し、
2 億 9,860 万ドルとなった。2010 年に承認された TA 全
体のうち、45.1%が TASF 資金によるものであった。
投資状況 2010 年 12 月 31 日現在、TASF の投資総額は、
売り戻し条件付証券を含めて総額 3 億 6,200 万ドルであ
り、2009 年 末 の 3 億 2,810 万 ド ル に 比 べ て 減 少 し た。
2010 年には平均投資額が増加したが、その一部は平均利
回りの低下によって相殺され、投資収益総額は 249 万ド
ルとなった(2009 年は 246 万ドル)
。
7 億 5,080 万ドルの公的協調融資が融資およびグラント
の形で動員された(2009 年の協調融資動員額は、7 件・
C.日本特別基金(JSF)
計 2 億 7,950 万ドルのプロジェクトに対して 1 億 4,030
万ドル)
。
日本特別基金(JSF)は 1988 年、ADB を管理者とし、
資金の拠出に関する合意協定が日本政府との間で結ばれ
B.技術協力特別基金(TASF)
て設立された。協定で日本政府は、主として ADB の開
発途上加盟国に対する技術協力業務を通じて、その経済
技術協力特別基金(TASF)は ADB の開発途上加盟国
の再構築と新たな投資機会の拡大を支援するため、当初
および地域レベルの技術協力に対して、グラント(無償
資金を拠出することに合意した。
援助)ベースで技術協力を提供することを目的に設立さ
拠出財源 1988 年の基金設立以来の日本の累積拠出額
れた。
は、2010 年 12 月 31 日現在、1,129 億円(約 9 億 7,370
2008 年 8 月、ドナーは ADF の第 9 次財源補充(ADF
X)の一環として、需要予測と他の財源からの資金調達
の可能性を考慮し、補充総額の 3%を TASF 第 4 次財源
補充に拠出することに合意した。この財源補充は、2009
万ドル相当)となった。内訳は、
通常拠出金が 948 億円(8
8
売り戻し条件の下で購入した証券を含む。
億 2,290 万 ド ル 相 当 )
、 追 加 供 出 金 が 181 億 円(1 億
5,080 万ドル相当)である。承認済未発効の技術協力を
含めた未約定残高は、2010 年 12 月 31 日現在 4,850 万
経営陣の検討と分析
22 億ドル)。2010 年中の融資実行総額は 16 億ドルで、
2009 年の 22 億ドルから 28.6 %減少した。2010 年末時
点の ADF 財源からの融資実行累計額は 309 億ドルとな
った。同年中の返済総額は 9 億 580 万ドルであった。年
末時点での ADF 融資残高は 290 億ドルであった。
融資の状況 2010 年末時点で、ミャンマーに対する 28
件・元本残高額 6 億 1,480 万ドルのソブリン融資が利払
い停止状態にあり、その額は ADF 融資残高総額の約 2.1
2010 年中、インドが 40 万ドル、パキスタンが 10 万
136
アジア開発銀行
表 19 技術協力特別基金(TASF)
表 20 日本特別基金(JSF)
累計財源
(単位:百万ドル)
2010 年の技術協力(セクター別)
項目
項目
2010
2009
通常補充拠出金
721.1
720.6
OCR純利益からの配分
769.0
729.0
89.9
89.4
183.2
180.7
(3.5)
(3.5)
1,759.7
1,716.2
直接任意拠出金
投資とその他財源からの収益
経営陣の検討と分析
TASFからADFへの移管
合計
金額
%
農業・天然資源
4.0
34
エネルギー
2.2
19
マルチセクター
2.0
17
公共政策
2.0
17
工業・貿易
合計
1.5
13
11.7
100
( )= マイナス、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源、TASF = 技術協力
特別基金。
ドルであった。
業務の概要 日本特別基金では、技術協力支援を通じて
ADB の貧困削減業務を支援し続けている。2010 年には、
7 件・計 1,170 万ドルの技術協力案件が承認され(表
20)、22 件・計 2,330 万ドルの技術協力案件が発効した。
2010 年 12 月 31 日 現 在 の 技 術 協 力 の 未 実 行 約 定 額 は
7,250 万ドルだった(2009 年 12 月 31 日現在は 9,410 万
ている。
2010 年 12 月 31 日現在、為替換算調整分を除いた拠
出金の累積約定額は 186 億円および 50 万オーストラリ
ア・ ド ル( 合 計 約 1 億 6,620 万 ド ル 相 当 ) と な っ た。
2010 年末までに、受領済み拠出金総額のうち 1 億 5,740
万ドルが、シンポジウム、フォーラム、研修の運営や、
研究報告書・刊行物、ウェブサイトの作成といった研究・
ドル)
。
能力育成活動と、それに関連する管理費に使われた。今
セクター別活動 2010 年に承認された技術協力全体の
後のプロジェクトやプログラムに利用可能な純資産残高
3.6%、またプロジェクト準備のための技術協力の 1.3%
(不動産、什器備品具、設備を除く)は、約 880 万ドル
が日本特別基金の資金によるものであった。日本特別基
であった。
金のセクター別承認額は表 20 の通り。
投資状況 2010 年 12 月 31 日現在、日本特別基金の投
E.アジア津波基金(ATF)
資ポートフォリオは 1 億 2,140 万ドルであり、2009 年
12 月 31 日時点の残高 1 億 5,850 万ドルを下回った。ま
た 2010 年の投資収益は、低金利だったことなどから、
2009 年の 120 万ドルから 40 万ドルに減少した。
アジア津波基金は、2004 年 12 月 26 日に発生したイ
ンド洋大津波の被害を受けた開発途上加盟国の特殊事情
に対応するため、2005 年 2 月 11 日に設立された。ATF
は 2010 年 12 月 31 日をもって法的に終了したが、活動
D.アジア開発銀行研究所(ADBI)特別基金
を終了するための残務整理はその後も継続される。
拠出財源 ADB は 6 億ドルを拠出し、そのうち未使用
アジア開発銀行研究所(ADBI)は、開発途上加盟国
となった 5,000 万ドルは通常資本財源(OCR)に返還さ
における効果的な開発戦略の特定と健全な開発管理のた
れ(2005 年 11 月に 4,000 万ドル、2006 年 6 月に 1,000
めの能力強化を目的として、1996 年に ADB の付属機関
として設立された。
万ドルが返還された)
、アジア太平洋災害対策基金
(APDRF)に移転された(2009 年 5 月に 4,000 万ドル)
。
アジア開発金研究所の運営経費は、ADB が「アジア
さらにオーストラリアが 380 万ドル、ルクセンブルクが
開発銀行研究所規則」に則って管理するアジア開発銀行
100 万ドルを拠出した。2010 年 12 月 31 日現在、アジア
津波基金の資金総額は 5 億 8,690 万ドルであり、そのう
ち 5 億 8,430 万ドルが活用され、残りの 260 万ドルが未
約定残高となっている(2009 年 12 月 31 現在は 450 万
研究所によって賄われる。2010 年 6 月、日本政府が第
15 次拠出金として 7 億円(790 万ドル相当)を拠出し、
オーストラリア政府が 50 万オーストラリア・ドル(40
万ドル相当)を拠出した。2010 年 12 月、日本政府は第
16 次拠出金として 7 億円(860 万ドル相当)を約定した。
この拠出金は「拠出国からの受領待ち」として計上され
ドル)
。
業務の概要 2010 年中に承認され、もしくは発効した技
術協力・無償援助はなかった。未実行約定残高は、2009
年次報告 2010
137
年末が 1 億 1,680 万ドルであったのに対し、2010 年 12
提供を促進することによって、地域協力・統合を進める
月 31 日現在は 2,200 万ドルであった。
ことにある。
投資状況 2010 年 12 月 31 日現在、ATF の投資ポート
拠出財源 ADB は 2006 年の通常資本財源(OCR)の純
フォリオは 1,900 万ドルであった(2009 年は 9,790 万ド
利益配分の一部である 4,000 万ドルを地域協力・統合基
ル)
。投資収益は、ポートフォリオの縮小、定期預金の利
金に拠出した。2010 年 5 月には、OCR の配分可能な純
回り低下のため、2009 年の 90 万ドルから 2010 年は 10
利益から 1,000 万ドルが移転された。2010 年 12 月 31
万ドルに減少した。
日現在、同基金の資金総額は 5,300 万ドルであり、その
F.パキスタン地震基金(PEF)
約定残高となっている(2009 年 12 月 31 日現在は 1,250
うち 4,260 万ドルが活用され、残りの 1,040 万ドルが未
業務の概要 2010 年中には、技術協力案件 13 件と追加
大地震の被害を受けたパキスタンの特殊ニーズに対応す
案件 1 件・計 1,200 万ドルが承認された(2009 年は、技
るため、同年 11 月に設立された。同基金は早期復興と
術協力案件 12 件および追加案件 1 件・計 1,210 万ドル)
。
再建、および関連開発活動を、投資プロジェクトや技術
完了済み技術協力案件の未使用残の繰り戻しは 10 万ド
協力を通じて支援するため、緊急無償支援を行う専門基
ルだった(2009 年はゼロ)
。
金として機能している。
2010 年 12 月 31 日現在の未実行約定残高は、2009 年
末の 2,310 万ドルに対して 2.940 万ドルであった。
投資状況 2010 年 12 月 31 日現在、地域協力・統合基
金の投資ポートフォリオは 3,740 万ドル(2009 年 12 月
31 日現在は 3,490 万ドル)であった。低金利環境を反映
して、2010 年の投資収益は 10 万ドルとなった(2009 年
は 40 万ドル)
。
拠出国と ADB が合意して異なる決定を行わない限り、
PEF は、理事会の PEF 承認日から 3 ∼ 4 年後、または
PEF の全資金が ADB によって支出された日のいずれか
早い方に解散されることになっている。2010 年 6 月 29 日、
理事会は PEF の期限を 2011 年 6 月 30 日まで延長する
ことを承認した。
拠出財源 ADB が 8,000 万ドルを拠出したほか、各国
拠出分として、オーストラリア 1,500 万ドル、ベルギー
1,430 万ドル、フィンランド 1,230 万ドル、ノルウェー
2,000 万ドルがそれぞれ拠出されている。2010 年 12 月
31 日現在、同基金の資金総額は 1 億 4,520 万ドルであり、
そのうち 1 億 4,130 万ドルが活用され、残り 390 万ドル
が未約定残高となっている(2009 年末は 330 万ドル)
。
業務の概要 2010 年中に承認され、もしくは発効した技
術協力・無償援助はなかった。未実行約定残高は、2009
年末が 4,940 万ドルであったに対し、2010 年 12 月 31
日現在は 3,400 万ドルであった。
投資状況 2010 年 12 月 31 日現在、パキスタン地震基
金の投資ポートフォリオは 3,030 万ドルであった(2009
年 12 月 31 日現在は 4,920 万ドル)
。ポートフォリオが
縮小したことから、投資収益は 2009 年の 220 万ドルか
ら 2010 年は 130 万ドルに減少した。
G.地域協力・統合基金(RCIF)
地域協力・統合基金(RCIF)は、アジア・太平洋地域
H.気候変動基金(CCF)
気候変動基金は 2008 年 4 月に設立され、気候変動に
関連する各セクターにおける ADB 自身の支援に加え、
開発途上加盟国における気候変動の原因と影響に対する
取組みへの投資推進を目的としている。
拠出財源 ADB は CCF 初動資金として 2008 年 5 月、
2007 年の通常資本財源(OCR)の純利益配分の一部と
して 4,000 万ドルを拠出した。2010 年 5 月には、OCR
の配分可能な純利益から 1,000 万ドルが移転された。
2010 年 12 月 31 日 現 在、 気 候 変 動 基 金 の 資 本 総 額 は
5,100 万ドルであり、そのうち 3,190 万ドルが活用され、
残りの 1,910 万ドルが未約定残高となっている(2009 年
21 月 31 日現在は 2,670 万ドル)。
業務の概要 2010 年には、技術協力(TA)およびグラ
ント 9 件および追加案件 2 件・計 1,720 万ドルが承認され、
発効した(2009 年は技術協力およびグラント 12 件・計
1,070 万ドル)。2010 年 12 月 31 日現在の未実行約定残
高は、2009 年の 1,300 万ドルに対し、2,560 万ドルとな
の ADB 加盟国による地域協力・統合に関する活動に対
った。
する需要の高まりに対応するため、2007 年 2 月に設立さ
投資状況 2010 年 12 月 31 日現在、気候変動基金の投
れた。その主な目的は、必要な資金と知的資源の集積と
資ポートフォリオは 4,340 万ドルであった(2009 年 12
経営陣の検討と分析
万ドル)
。
パキスタン地震基金は、2005 年 10 月 8 日に発生した
138
アジア開発銀行
月 31 日現在は 3,920 万ドル)
。米ドル建て投資の利回り
なセクターや特定のテーマの活動に対し、資金を供与し
が低下したため、同年中の投資収益は 2009 年の 40 万ド
た。
ルから減少して 10 万ドルとなった。
信託基金は当初、ドナー別のチャンネル・ファイナン
シング協定を通じて設立され、広範囲のセクターを対象
I.アジア太平洋災害対応基金
に、主として技術協力への資金支援を行っていた。近年
は、ストラテジー 2020 が定める重点セクターを支援し、
開発途上加盟国に対し、追加的なグラント資金を迅速に
ADB の融資パートナーシップ戦略と援助の調和化に向
けた取組みとの整合性を図るため、ADB は開発パート
提供することを目的として、2009 年 4 月 1 日に設立さ
ナーとの共通の合意に基づいて信託基金を設立し、拠出
アジア太平洋災害対策基金は、自然災害に見舞われた
経営陣の検討と分析
れた。
金を通じて資金を調達するようになっている。これらの
拠出財源 2009 年 5 月、当初資金 4,000 万ドルがアジア
信託基金は、特定のセクターやテーマを対象とする融資
津波基金から移転された。投資その他の財源からの累積
パートナーシップの包括的なファシリティの下に設立さ
収益 10 万ドルを合わせると、同基金の 2010 年 12 月 31
れ、技術協力および投資プロジェクトのグラント部分に
日現在の資金総額は 4,010 万ドルであり、うち 1,260 万
資金を供与している。2010 年現在、こうした融資パート
ドルが活用され、残りの 2,750 万ドルが未約定残高とな
ナーシップ・ファシリティとしては、水、クリーンエネ
っている。
ルギー、地域協力・統合、都市開発の 4 種類があり、そ
業務の概要 2010 年には 2 件・計 550 万ドルのグラン
れぞれのプロジェクトを支援している。
ト案件が発効した(2009 年はグラント 3 件・計 700 万
2010 年中に外部パートナーから拠出された資金の総額
は 1 億 4,740 万ドルで、
そのうち 4,050 万ドルが新規拠出、
1 億 690 万ドルが既存の信託基金に対する財源補充であ
ドル)
。2010 年 12 月 31 日現在の未実行約定残高は 600
万ドルとなった(2009 年末現在は 700 万ドル)
。
投資状況 2010 年 12 月 31 日現在のアジア太平洋災害
った。オーストラリアはジェンダーと開発協力基金に対
対策基金の投資ポートフォリオは 2,010 万ドル(2009 年
する新規拠出金として 80 万ドルを供与した。フューチ
末現在は 2,960 万ドル)
、2010 年中の投資収益は 10 万ド
ャー・カーボン・ファンドに対しては、民間セクターの
ル(2009 年は 10 万ドル)となった。
パ ー ト ナ ー で あ る POSCO( 韓 国 ) と Eneco Energy
Trade(オランダ)から 3,500 万ドルの新規拠出が行われ
III.グラント(無償援助)による協調融資
た。気候投資基金に対しては、被信託人である世界銀行
が 470 万ドルの新規拠出を行った。さらに、以下の財源
補充拠出が行われた。
信託基金とプロジェクト特定型のグラントは、外部財
源のグラントを動員して、技術協力や投資プロジェクト
の一部に振り向けるための重要な手段である。これらは、
(i)
オーストラリアから太平洋地域インフラ・ファシ
リティに 800 万ドル
開発途上加盟国の能力育成やその他の具体的要請に応え
(ii) 日本から貧困削減日本基金、日本奨学金プログラ
る上で、ADB の財源を補完する。多国間、二国間およ
ム , クリーン・エネルギー・ファイナンシング・
び民間セクターのパートナーが、ADB の業務に対して
パートナーシップ・ファシリティの下でのアジア・
グラントの形でこれまでに 30 億ドル以上を拠出してい
クリーン・エネルギー基金、および地域協力・統
る(表 21)
。2010 年に ADB 承認プロジェクトに対して
合ファイナンシング・パートナーシップ・ファシ
行われたグラント協調融資は総額 3 億 760 万ドルで、そ
リティの下での投資環境整備基金に 8,480 万ドル
の内訳は、1 億 5,020 万ドルが技術協力案件 112 件、1
億 5,735 万ドルが投資プロジェクト 23 件のグラント部
分に対するものであった。
ADB が管理する信託基金の数は 2010 年末時点で 37
となった。うちシングルドナーの信託基金が 22、マルチ
ドナー信託基金が 15 で、貧困削減、ガバナンス、ジェ
(iii) 韓国から e アジア・知識パートナーシップ基金に
640 万ドル
(iv) ルクセンブルクから金融セクター開発パートナー
シップ基金に 200 万ドル
(v) スペインから技術協力のための協力基金に 70 万
ドル
ンダーと開発、開発成果マネジメント、HIV/ エイズ、水、 (vi) スウェーデンからアジア・太平洋地域 HIV /エイ
エネルギー、教育、情報通信技術、貿易・金融などの様々
ズ対策協力基金に 510 万ドル
年次報告 2010
139
A.貧困削減日本基金(JFPR)
貧困削減日本基金(JFPR)は、貧困削減とそれに関連
する社会開発活動を支援するため、日本政府により 2000
年 5 月に設立された基金で、ADB が資金支援するプロ
ジェクトにとっても大きな意義をもつものである。2010
年には同基金のグラント支援の対象範囲が拡大され、プ
ロジェクト・グラントに加えて技術協力グラントを供与
資金の総額は 4 億 4,580 万ドルとなっている。日本政府
がそれまでに承認した同基金のグラント・プロジェクト
は 146 件・計 3 億 7,030 万ドル相当、技術協力プロジェ
クトは 37 件・計 3,350 万ドル相当にのぼる。ADB が承
認した同基金のグラント・プロジェクトは 137 件・計 3
億 5,290 万ドル相当、技術協力プログラムは 30 件・計
2,540 万ドル相当となっている。
B.日本奨学金プログラム(JSP)
日本奨学金プログラム(JSP)は 1988 年に設立され、
開発途上加盟国の優れた人材に対し、アジア・太平洋地
域の精選された教育機関において、経済学、経営学、科
学技術、その他開発に関する分野で大学院課程の研究機
会を提供している。
JSP は日本政府が資金を拠出し、ADB が管理運営して
おり、2010 年末現在 10 カ国にある 27 の教育研究機関
が参加している。1988 年から 2010 年までに、日本政府
は 1 億 1,610 万ドルを拠出している。35 加盟国の学生に
対 す る 奨 学 金 供 与 件 数 は、 計 2,696 名 に 達 し、 う ち
2,362 名が課程を修了している。女性に対する供与件数
は 925 件で、過去 10 年間の全体的な供与件数の年平均
は 155 件となっている。
経営陣の検討と分析
するようになった。2010 年末までに同基金に拠出された
アジア開発銀行
140
表 21 外部財源からのグラント(無償援助):
拠出金額と純資産
2010 年 12 月 31 日現在
(単位:百万ドル)
項目
拠出金額
純資産a
304.2
8.7
49.2
5.9
0.1
131.2
220.1
24.7
277.2
81.1
33.2
1.0
12.6
2.2
2.7
874.1
147.5
0.1
21.3
360.3
31.7
121.3
12.6
14.1
58.5
186.3
47.0
12.6
436.5
3.4
1.1
3,482.3
106.9
0.6
45.2
0.0
–
27.2
202.9
2.9
65.6
44.1
3.2
(0.0)
–
0.0
0.9
449.9
129.0
–
17.1
57.1
0.9
19.3
–
13.5
35.5
68.5
26.1
–
20.4
0.6
1.1
1,338.3
0.5
0.6
35.0
121.4
0.1
21.8
0.4
14.4
3.0
0.6
3.3
16.4
0.2
111.0
328.7
0.0
0.5
34.1
17.1
0.0
0.0
(0.0)
(0.7)
0.2
(0.0)
1.9
0.5
–
0.3
54.0
19.0
14.0
33.1
3,844.1
–
–
–
1,392.4
ADBによる管理分
国
オーストラリア
オーストリア
経営陣の検討と分析
ベルギー
ブルネイ
カンボジア
カナダ
中国
デンマーク
EC(欧州共同体)
フィンランド
フランス
インド
インドネシア
アイルランド
イタリア
日本b
韓国
ラオス
ルクセンブルク
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
フィリピン
ポルトガル
スペイン
スウェーデン
スイス
タイ
英国(北アイルランドを含む)
米国
ベトナム
小計
その他
都市同盟
クリーン・テクノロジー・ファンド
フューチャー・カーボン・ファンド
地球環境ファシリティー(GEF)
特別気候変動基金
国際農業開発基金(IFAD)
イスラム金融サービス委員会(IFSB)
北欧開発基金
民間セクターおよび財団
官民インフラストラクチャー諮問ファシリティ
戦略気候基金(SCF)
森林信託基金
国際連合児童基金(UNICEF)
国連開発計画(UNDP)
小計
ADBが管理しないもの
国
スイス
クウェート
小計
総計
– = 該当データなし、( )= マイナス。
注:(i)小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
(ii)0.0 = 金額が 5 万ドル未満。
a 承認済み未発効の案件を除く。
b 貧困削減日本基金(JFPR)、日本奨学金プログラム(JSP)、情報通信技術日本基金(JFICT)、公共政策トレーニング日本基金(JFPPT)を含む。
年次報告 2010
141
付録 経営陣報告貸借対照表の概要
2010 年および 2009 年末現在
(単位:千ドル)
2010
項目
規約報告
2009
調整a
経営陣
経営陣
報告
報告
–
114,648
129,843
–
18,370,852
14,237,703
買戻し条件の下で移転された証券
707,851
–
707,851
551,386
売り戻し条件の下で購入した証券
318,228
–
318,228
335,240
46,116,131
41,921,783
投資および未収金
融資残高および未収利息
46,116,409
(278)
貸倒引当金および
10,936
(18,636)
1,108,198
(59,709)
1,048,489
859,772
29,475,685
(3,156,835)
26,318,850
22,157,287
その他
1,781,058
(199,850)
その他資産
2,166,317
未償却の正味融資開始費用
出資
10,936
–
スワップからの未収金
借入
合計
借入および未払利息
–
1,581,208
818,779
2,166,317
1,520,815
100,170,182
(3,416,672)
96,753,510
82,513,972
52,386,484
236,778
52,623,262
43,062,391
25,775,013
(2,988,219)
22,786,794
20,569,240
2,077,841
(324,466)
スワップの未払金
借入
その他
スワップ関連担保未払金
買戻し条件付証券にかかる未払金
買掛金およびその他負債
1,588,350
–
1,753,375
926,081
1,588,350
735,050
714,490
–
714,490
555,000
1,749,535
–
1,749,535
1,763,223
負債合計
84,291,713
81,215,806
67,610,985
払込済資本
4,255,678
(3,075,907)
–
4,255,678
3,818,297
(341,130)
–
(341,130)
(142,181)
応募済資本に対する譲渡不可・
非利付き要求払い債権
(419,186)
–
(419,186)
(523,220)
通常準備金
10,030,460
1,637
10,032,097
9,791,035
特別準備金
230,226
–
230,226
218,903
貸倒引当金
246,000
–
246,000
493,162
–
1,131,756
884,594
–
–
未収金の名目純維持価格
剰余金
1,131,756
累積的再評価調整勘定
183,521
純利益b
614,489
(77,779)
536,710
410,882
その他包括的損失累積額
(53,345)
(81,102)
(134,447)
(48,485)
資本合計
合計
(183,521)
15,878,469
(340,765)
15,537,704
14,902,987
100,170,182
(3,416,672)
96,753,510
82,513,972
– = 該当データなし、( )= マイナス。
a ASC 815 号および 825 号の効果および、持分法により計算された出資による未実現損益の ADB の持ち分の戻入額を含む。
b 保証手数料の特別準備金への割当後の純利益。
経営陣の検討と分析
114,648
18,370,852
銀行預金
統計付録
年次報告 2010
145
統計付録 1
2010 年の承認(国別)a
(単位:百万ドル)
ADB特別基金
OCR
国
TA
9.15
0.93
–
–
1.71
0.65
1.00
2.17
–
0.35
2.35
3.00
–
–
–
–
–
–
3.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
906.67
–
–
178.67
170.00
68.00
–
190.00
–
–
300.00
3.90
1.50
–
–
1.65
–
–
–
0.75
–
–
4,624.64
362.43
210.00
437.99
596.36
674.65
168.80
1,093.97
122.75
0.35
957.35
250.00
–
–
250.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
711.07
449.00
–
–
–
154.90
107.17
129.19
–
21.59
–
–
107.60
–
24.91
5.35
2.50
10.55
0.65
4.46
1.40
–
–
–
–
–
–
–
2.40
–
–
–
–
0.40
2.00
1,795.49
1,710.90
6.27
6.00
–
28.32
44.00
19.37
2.23
–
9.09
–
5.56
2.50
6,202.02
2,967.48
30.36
2,395.22
0.65
301.24
507.07
1,577.50
1,577.50
–
–
–
–
10.00
10.00
–
48.00
–
48.00
50.00
–
50.00
22.66
19.28
3.38
8.50
6.00
2.50
1.50
–
1.50
334.70
332.20
2.50
5.39
2.89
2.50
2,058.25
1,947.87
110.38
53.50
–
–
–
–
–
–
12.60
40.90
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
70.30
–
–
12.00
9.50
–
–
3.40
29.40
16.00
–
–
–
–
–
17.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
17.00
–
–
–
–
3.17
–
–
–
0.60
–
–
–
1.10
–
–
0.95
0.52
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
89.01
–
–
20.61
1.76
–
–
–
6.00
–
60.64
–
–
–
–
2.92
0.30
–
0.20
–
–
–
–
0.09
–
1.00
0.83
–
–
0.50
235.89
0.30
–
32.81
11.86
–
–
16.00
77.49
16.00
78.64
1.78
0.52
–
0.50
2,399.31
–
–
785.00
–
–
–
600.00
504.31
510.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
675.00
–
95.00
–
–
–
–
–
–
580.00
217.40
–
65.80
–
151.60
–
–
–
–
–
22.97
–
5.50
1.00
4.72
–
–
1.18
2.30
8.28
3.00
–
–
3.00
–
–
–
–
–
–
3.25
–
–
2.55
–
–
–
0.70
–
–
388.78
–
36.75
54.75
49.88
–
–
100.00
2.00
145.40
71.39
0.80
0.10
55.33
5.73
–
–
6.13
0.50
2.80
3,781.10
0.80
203.15
901.63
211.93
–
–
708.01
509.11
1,246.48
地域
–
250.00
225.00
–
–
64.29
–
21.20
3.00
48.08
611.57
合計
9,249.70
982.32
243.00
2,212.57
967.19
147.14
14.50
28.35
3,517.65
キルギス
パキスタン
タジキスタン
トルクメニスタン
ウズベキスタン
南アジア
バングラデシュ
ブータン
インド
モルジブ
ネパール
スリランカ
東アジア
中国
モンゴル
太平洋
クック諸島
フィジー諸島
キリバス
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
ナウル
パラオ
パプアニューギニア
サモア
ソロモン諸島
東ティモール
トンガ
ツバル
バヌアツ
東南アジア
ブルネイ
カンボジア
インドネシア
ラオス
マレーシア
ミャンマー
フィリピン
タイ
ベトナム
– = 0、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源、TA = 技術協力、TASF = 技術協力特別基金。
a 協調融資を含む。
グラント
プロジェクト
合計
151.05 17,513.46
統計付録
カザフスタン
3,269.58
800.00
–
2,119.58
–
–
350.00
協調融資
553.60
352.00
–
–
–
–
79.60
–
122.00
–
–
アゼルバイジャン
482.32
–
–
232.32
–
–
–
250.00
–
–
–
TA
708.20
–
–
–
85.00
–
88.20
270.00
–
–
265.00
グルジア
1,949.80
–
210.00
27.00
338.00
606.00
–
378.80
–
–
390.00
その他の特別基金
8.00
8.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
アルメニア
出資
TASF
グラント
アフガニスタン
保証
ADF
融資
中央・西アジア
融資
146
アジア開発銀行
統計付録 2
セクター別融資の承認(3 カ年移動平均(1968 ∼ 1971 年− 2008 ∼ 2010 年)
)a, b 融資総額b
(単位:
百万ドル)
保健・
農業・天然資源
教育
エネルギー
金融
期間
社会的保護
工業・貿易
公共政策
運輸・情報
上水道・
マルチ
通信技術
都市インフラ
セクター
(融資総額に占める割合:%)
統計付録
1968–1970
1969–1971
1970–1972
128.44
199.25
271.92
18.08
19.00
13.75
0.78
0.50
0.82
11.98
25.38
33.06
21.38
18.87
14.69
–
–
–
18.43
10.87
6.27
–
–
–
24.03
21.68
21.48
5.32
3.70
9.93
–
–
–
1971–1973
1972–1974
1973–1975
330.53
428.42
543.15
12.72
16.43
18.52
1.02
0.79
1.28
32.18
26.71
23.03
15.83
15.30
17.49
–
–
–
3.14
6.12
12.65
–
–
–
23.88
21.32
17.68
11.23
13.33
9.16
–
–
0.18
1974–1976
1975–1977
1976–1978
661.29
774.22
940.36
22.81
24.62
25.64
0.73
1.49
2.95
20.74
21.50
21.11
18.07
16.12
14.59
–
–
1.36
11.75
9.80
6.79
–
–
–
16.61
16.97
15.98
9.12
9.36
10.30
0.16
0.14
1.27
1977–1979
1978–1980
1979–1981
1,098.92
1,282.01
1,454.96
27.24
28.44
29.61
5.13
5.56
5.35
22.84
23.74
26.21
12.33
11.97
11.62
1.17
1.41
1.72
6.37
4.39
3.72
–
–
–
12.10
12.39
9.41
11.71
11.12
12.29
1.12
0.98
0.09
1980–1982
1981–1983
1982–1984
1,598.97
1,751.46
1,937.03
31.77
31.23
33.13
4.41
5.19
5.34
27.61
26.60
28.98
11.62
13.27
9.42
2.01
2.91
1.88
2.21
2.86
1.12
–
–
–
11.53
7.52
12.12
8.78
9.46
6.57
0.06
0.96
1.43
1983–1985
1984–1986
1985–1987
1,978.52
2,013.77
2,081.84
32.10
33.76
28.61
5.27
4.95
3.97
24.63
25.26
17.47
8.36
6.72
11.82
2.42
2.02
2.19
1.09
0.72
5.23
–
–
–
12.75
14.40
20.54
11.85
9.75
8.36
1.53
2.40
1.81
1986–1988
1987–1989
1988–1990
2,512.17
3,053.72
3,564.93
22.93
20.16
21.66
5.20
4.97
6.33
18.76
16.07
20.48
12.69
15.25
14.22
1.60
1.91
1.35
9.72
9.73
6.19
–
–
–
23.12
23.47
20.68
4.53
7.62
7.38
1.45
0.82
1.71
1989–1991
1990–1992
1991–1993
4,115.49
4,610.39
5,022.89
22.82
19.46
13.65
5.25
5.00
5.18
25.79
28.91
31.01
12.03
10.93
8.72
1.43
1.14
1.26
6.09
5.13
6.72
–
–
0.09
17.93
20.60
23.34
7.19
6.61
8.55
1.45
2.22
1.48
1992–1994
1993–1995
1994–1996
4,665.65
4,791.51
4,806.49
10.53
10.81
13.63
4.90
5.74
5.64
29.63
31.66
27.54
7.75
7.49
7.61
2.27
1.83
3.74
3.57
2.53
1.10
0.09
0.09
1.77
29.17
26.66
25.64
9.64
12.00
10.26
2.44
1.18
3.07
1995–1997
1996–1998
1997–1999
6,718.17
6,883.72
6,776.72
10.61
8.36
6.91
6.71
5.46
4.64
18.66
11.67
9.76
31.12
35.13
34.25
2.69
6.47
6.81
0.99
1.19
1.97
1.63
1.82
4.17
16.33
19.92
18.29
8.56
6.80
9.64
2.69
3.18
3.55
1998–2000
1999–2001
2000–2002
5,499.56
5,284.95
5,526.40
8.79
11.72
11.96
4.01
4.96
5.35
13.94
15.92
17.02
12.66
3.60
8.60
8.15
3.64
1.58
4.64
5.02
3.83
5.30
10.96
9.51
25.28
23.99
27.04
12.82
11.01
7.32
4.41
9.18
7.79
2001–2003
2002–2004
2003–2005
5,678.81
5,578.92
5,613.15
10.06
7.32
5.77
4.11
4.31
2.94
14.31
14.83
15.07
7.46
7.68
3.87
1.35
2.66
2.75
2.35
2.77
2.04
10.43
8.67
11.06
33.32
37.53
37.60
7.68
7.41
9.76
8.94
6.82
9.15
2004–2006
2005–2007
2006–2008
6,021.31
7,513.50
8,892.94
7.64
6.14
6.33
3.25
2.01
1.97
17.03
16.73
18.89
11.85
13.25
11.03
1.83
0.48
0.83
1.12
0.47
0.93
9.76
10.46
12.09
28.71
29.75
28.76
8.14
9.36
8.63
10.67
11.34
10.54
2007–2009
2008–2010
10,876.80
11,525.69
4.09
4.81
1.10
0.82
17.98
20.01
5.26
5.76
0.97
1.28
0.98
0.78
25.53
23.27
26.29
25.62
7.46
6.62
10.36
11.03
13,980.29
41,141.22
14,060.77
10,414.80
百万ドル
累計c
(1968–2010) 167,116.20
19,624.24
6,178.83 32,957.40 20,337.73
– = 0。
a 協調融資を除く。
b 2003 年に承認された貿易金融促進プログラムに基づく 4,500 万ドルの融資を除く。
c 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
3,832.92
4,588.00
年次報告 2010
147
統計付録 3
2010 年中の融資承認(セクター別)a
単位:百万ドル
OCR
農業・天然資源
BAN 第2次農作物多様化
BAN
CAM
持続可能な地方インフラ改善
Total
40.0
60.0
40.0
60.0
−プロジェクト
–
–
67.6
51.6
56.9
40.0
29.8
–
–
–
20.0
10.0
–
–
–
–
–
100.0
108.0
30.0
20.0
10.0
67.6
51.6
56.9
40.0
29.8
100.0
108.0
30.0
アグリビジネス・インフラ開発投資プログラム−トランシェ1
持続可能な沿岸保全・管理投資プログラム−トランシェ1
アッサム州洪水・河岸浸食総合リスク管理投資プログラム−トランシェ1
江西省持続可能な森林エコシステム開発
山東省枯渇の危険がある貯水池のリスク軽減・強化
水管理強化・灌漑システム修復
北部山岳州における持続可能な地方インフラ開発プロジェクトb
メコン河流域圏生物多様性保全回廊
小計
245.9
368.0
613.9
–
70.0
70.0
–
70.0
70.0
27.0
261.0
–
89.7
132.2
208.0
69.0
50.0
–
36.8
100.0
242.0
40.9
135.0
150.0
100.0
120.0
70.0
134.3
340.0
–
5.0
100.0
–
–
–
–
–
16.7
–
–
–
16.4
–
–
–
–
–
–
10.0
27.0
266.0
100.0
89.7
132.2
208.0
69.0
50.0
16.7
36.8
100.0
242.0
57.3
135.0
150.0
100.0
120.0
70.0
134.3
350.0
2,305.9
148.1
2,454.0
–
20.0
50.0
50.0
10.0
–
–
–
10.0
20.0
50.0
50.0
承認日
6月30日
11月11日
9月23日
9月24日
10月 6日
10月25日
11月 9日
11月19日
4月20日
10月22日
12月10日
教育
VIE
技能強化b
小計
7月15日
エネルギー
AZE
BAN
BAN
IND
IND
IND
IND
INO
KGZ
PAK
PAK
PAK
PNG
PRC
PRC
PRC
PRC
THA
THA
UZB
Garadagh Cement社拡張およびエネルギー効率c
天然ガス・アクセス改善
バングラデシュ・インド送電網相互接続
アッサム州電力セクター強化投資プログラム−トランシェ2
ビハール州電力システム改善
ヒマチャルプラデシュ州クリーン・エネルギー 開発投資プログラム−トランシェ3
マディヤプラデシュ州電力セクター投資プログラム−トランシェ6
ジャワ島∼バリ島配電パフォーマンス改善
電力セクター改善
Zorlu Enerji社発電所c
ウチ第2発電所c
配電強化投資プログラム−トランシェ2
都市電化投資プログラム−トランシェ1
天津総合ガス化複合発電所
内モンゴル自治区環境改善プロジェクト
(第2期)
c
自治体天然ガスインフラ開発
(フェーズ2)
吉林省風力発電c
太陽発電c
バンチャク太陽発電c
タリマルジャン発電・送電
小計
6月 1日
3月26日
8月31日
10月 5日
10月19日
10月22日
12月21日
3月22日
9月27日
11月24日
12月13日
12月14日
12月 6日
2月 8日
8月 6日
11月 9日
11月 9日
4月16日
10月 5日
4月20日
金融
CAM
GEO
GEO
IND
金融セクター開発プログラムII(サブプログラム 4)
Bank Republic株式会社(中小企業支援)c
株式会社Bank of Georgia
(中小企業支援)c
マイクロ企業零細・中小企業開発
12月 2日
1月29日
11月 3日
2月26日
– = 0、ADF = アジア開発基金、AZE = アゼルバイジャン、BAN = バングラデシュ、CAM = カンボジア、GEO = グルジア、IND = インド、INO = インドネシア、KGZ = キルギス、
OCR = 通常資本財源、PAK = パキスタン、PNG = パプアニューギニア、PRC = 中国、THA = タイ、UZB = ウズベキスタン、VIE = ベトナム。
a 協調融資を除く。
b 2 件の ADF 融資からなる。
c ノンソブリン融資。
統計付録
–
–
水資源管理セクター開発プログラム
−プログラム
IND
IND
IND
PRC
PRC
VIE
VIE
VIE
ADF
148
アジア開発銀行
続き
単位:百万ドル
OCR
INO
KAZ
NEP
PHI
PNG
THA
UZB
VIE
住宅金融プログラムb
中小企業投資プログラム−トランシェ1
地方金融 セクター開発クラスター・プログラム
(サブプログラム 2)
金融市場規制・仲介プログラム
(サブプログラム 2)
マイクロファイナンス拡張
資本市場開発プログラム
小規模金融およびマイクロファイナンス開発
(第2期)
第3次金融セクタープログラム
(サブプログラム 2)
統計付録
小計
ADF
承認日
300.0
150.0
–
200.0
–
300.0
50.0
–
–
–
60.4
–
13.0
–
–
60.0
300.0
150.0
60.4
200.0
13.0
300.0
50.0
60.0
1,120.0
143.4
1,263.4
150.0
150.0
6月24日
11月22日
保健・社会的保護
パンジャブ州ミレニアム開発目標プログラム
(サブプログラム 2)
PAK
VIE
Total
12月 1日
11月 4日
6月18日
12月 7日
10月28日
9月21日
4月21日
11月29日
第2次メコン河流域圏域内感染症対策
–
27.0
27.0
–
177.0
177.0
–
–
–
100.0
200.0
200.0
–
–
50.0
120.0
–
25.0
10.0
10.0
–
–
–
120.0
9.5
–
10.0
40.0
25.0
10.0
10.0
100.0
200.0
200.0
120.0
9.5
50.0
130.0
40.0
670.0
224.5
894.5
40.0
170.0
–
539.0
–
–
150.0
18.0
222.2
300.0
315.0
–
–
23.0
76.0
35.0
85.0
–
–
–
–
–
40.0
170.0
23.0
615.0
35.0
85.0
150.0
18.0
222.2
300.0
315.0
3月26日
12月21日
11月 3日
11月25日
9月23日
7月21日
12月 8日
12月 9日
7月 6日
9月16日
11月29日
資プログラム−トランシェ3
中央アジア地域経済協力回廊(第2期)
(マンギスタウ州区間)投資プログラム−トラ
173.0
–
173.0
11月15日
ンシェ1
CAREC地域道路回廊改良(追加)
283.0
–
–
–
–
–
–
23.0
12.0
8.0
40.0
10.0
283.0
23.0
12.0
8.0
40.0
10.0
12月20日
9月21日
12月10日
3月30日
12月13日
7月22日
小計
公共政策
BAN
CAM
CAM
GEO
INO
INO
PAK
RMI
SRI
VIE
VIE
ガバナンス管理強化
農村開発のための公共財政運営プログラム
(サブプログラム 2)
経済多角化推進プログラム
(サブプログラム 2)
社会サービス提供プログラム
インフラ改革セクター開発プログラム
(サブプログラム 3)
第6次開発政策支援プログラム
シンド州成長・地方活性化プログラム
(サブプログラム 2)
公共セクタープログラム
(サブプログラム 1)
財政管理効率化
国有企業改革・コーポレート・ガバナンス改善プログラム−トランシェ1
第2次中小企業育成プログラム
(サブプログラム 1)
小計
運輸・情報通信技術
ARM ズヴァルトノッツ空港拡張(フェーズ2)b
ARM
BAN
BAN
CAM
GEO
GEO
GEO
IND
IND
IND
KAZ
KAZ
KGZ
KIR
MON
MON
NEP
南北道路回廊投資プログラム−トランシェ2
地域運輸プロジェクト準備ファシリティ
パドマ多目的橋
地方道路改良
持続可能な都市交通投資プログラム−トランシェ1
道路回廊投資プログラム−トランシェ2
Poti Sea Port Corporation社b
地方道路セクター投資プログラム
(第2期)
−トランシェ5
ビハール州幹線道路(第2期)
カルナタカ州幹線道路改善
9月21日
9月30日
9月30日
9月21日
12月 1日
12月14日
6月24日
8月17日
4月15日
1月14日
10月18日
(ジャンビル州区間)
[西ヨーロッパ∼中国西部交通回廊]
投
CAREC交通回廊(第1期)
道路修復
地域道路開発(追加)
地域物流
カトマンズ持続可能な都市交通
– = 0、ADF = アジア開発基金、AZE = アゼルバイジャン、BAN = バングラデシュ、CAM = カンボジア、GEO = グルジア、IND = インド、INO = インドネシア、KGZ = キルギス、
OCR = 通常資本財源、PAK = パキスタン、PNG = パプアニューギニア、PRC = 中国、THA = タイ、UZB = ウズベキスタン、VIE = ベトナム。
a 協調融資を除く。
b ノンソブリン融資。
年次報告 2010
149
続き
単位:百万ドル
OCR
地域運輸強化
第2次黒竜江省道路網開発
雲南省道路網総合開発
鉄道エネルギー効率・安全強化投資プログラム−トランシェ2
北部道路接続性
中央アジア地域経済協力回廊(第2期)道路投資プログラム−トランシェ1
第2次メコン河流域圏北部交通網改良
メコン河流域圏ベンルック∼ロンタイン高速道路プロジェクト−トランシェ1
ホーチミン市都市大量高速交通システム第2路線投資プログラム−トランシェ1
小計
上水道・都市インフラ
カルナタカ州北部都市セクター投資プログラム−トランシェ2 IND
IND
IND
INO
NEP
PAL
PRC
SRI
UZB
観光インフラ開発投資プログラム−トランシェ1
ラージャスターン州都市セクター開発投資プログラム−トランシェ3
大都市圏衛生管理・保健
中都市総合都市環境改善
水セクター改善プログラム
松花江流域水質汚染抑制・管理プロジェクト民間セクター・ファシリティb
ジャフナ・キリノッチ水供給・衛生
給水・衛生サービス投資プログラム−トランシェ2
小計
マルチセクター
BAN 都市部開発
IND
IND
KGZ
PHI
PRC
PRC
PRC
PRC
SAM
SRI
SRI
VIE
首都圏都市インフラ融資ファシリティ−トランシェ1
第2次インド・インフラ・
トランシェ融資ファシリティ−トランシェ2
復旧・復興緊急支援
社会的保護支援
再生可能バイオマス・エネルギー総合開発セクター
武漢都市環境改善
重慶・都市・地方インフラ開発デモンストレーション
広西南西部都市開発
経済復興支援プログラム
(サブプログラム 1)
北・東部コミュニティ復興開発プロジェクト
(第2期)
(追加)
紛争影響地域緊急
–
200.0
250.0
100.0
130.0
–
–
350.0
40.0
24.5
–
–
–
24.4
115.0
75.0
–
–
24.5
200.0
250.0
100.0
154.4
115.0
75.0
350.0
40.0
3,280.2
550.9
3,831.1
123.0
43.4
63.0
35.0
–
12.6
36.6
20.0
–
–
–
–
–
60.0
3.4
–
70.0
140.0
123.0
43.4
63.0
35.0
60.0
16.0
36.6
90.0
140.0
333.6
273.4
607.0
–
78.0
250.0
–
400.0
66.1
100.0
100.0
150.0
–
–
150.0
120.0
–
–
48.5
–
–
–
–
–
16.0
12.8
–
120.0
78.0
250.0
48.5
400.0
66.1
100.0
100.0
150.0
16.0
12.8
150.0
–
–
30.0
30.0
30.0
30.0
1,294.1
257.3
1,551.4
9,249.7
2,212.6
11,462.3
保健人材セクター開発プログラム
−プログラム
−プロジェクト
小計
合計
Total
承認日
10月27日
4月20日
12月 2日
12月14日
6月18日
4月21日
11月25日
12月22日
12月22日
6月14日
10月 4日
12月13日
7月19日
7月 6日
11月 9日
4月16日
11月29日
4月21日
11月10日
8月18日
12月 7日
9月23日
9月 2日
4月16日
6月30日
6月30日
7月26日
4月14日
3月 9日
4月15日
6月22日
– = 0、ADF = アジア開発基金、AZE = アゼルバイジャン、BAN = バングラデシュ、CAM = カンボジア、GEO = グルジア、IND = インド、INO = インドネシア、KGZ = キルギス、
OCR = 通常資本財源、PAK = パキスタン、PNG = パプアニューギニア、PRC = 中国、THA = タイ、UZB = ウズベキスタン、VIE = ベトナム。
a 協調融資を除く。
b ノンソブリン融資。
統計付録
NEP
PRC
PRC
PRC
SRI
UZB
VIE
VIE
VIE
ADF
150
アジア開発銀行
統計付録 4a
融資のセクター別配分 a(2010 年、1967 ∼ 2010 年)
2010年中の融資
OCR
ADF
2010年末時点の累計c
件数
プロジェクト
セクター
8
2
5
4
2
–
7
13
4
6
368.0
70.0
148.1
143.4
177.0
–
224.5
550.9
273.4
257.3
11
1
20
12
2
–
11
27
9
13
613.9
70.0
2,454.0
1,263.4
177.0
–
894.5
3,831.1
607.0
1,551.4
51
2,212.6
106
11,462.3
件数
マルチセクター
5
–
18
8
–
–
5
16
7
8
245.9
–
2,305.9
1,120.0
–
–
670.0
3,280.2
333.6
1,294.1
合計c
67
9,249.7
教育
エネルギー
金融
保健・社会的保護
統計付録
件数b
百万ドル
農業・天然資源
工業・貿易
公共政策
運輸・情報通信技術
上水道・都市インフラ
プロジェクト
百万ドル
件数
件数b
百万ドル
百万ドル
%
523
146
356
268
68
107
84
416
245
115
19,624.2
6,178.8
32,957.4
20,337.7
3,832.9
4,588.0
13,980.3
41,141.2
14,060.8
10,414.8
12
4
20
12
2
3
8
25
8
6
2,328
167,116.2
100
– = 0、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源。
a ノンソブリン融資を含み、協調融資を除く。
b 複数の融資があるプロジェクトは 1 件と数える。
c 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
統計付録 4b
グラント(無償援助)のセクター別配分 a(2010 年、1967 ∼ 2010 年)
2010年中の融資
ADF
(第8次財源補充)
その他の特別基金
その他の財源
2010年末時点の累計c
件数
プロジェクト
セクター
農業・天然資源
教育
エネルギー
金融
保健・社会的保護
工業・貿易
公共政策
運輸・情報通信技術
上水道・都市インフラ
マルチセクター
合計c
件数
百万ドル
件数b
3.0
–
–
–
–
3.0
3
1
4
2
1
1
1
2
–
5
9.8
3.0
4.8
8.5
3.0
3.0
8.8
3.2
–
27.2
14.5
20
71.2
百万ドル
件数
百万ドル
6
1
6
2
3
–
4
9
2
2
111.3
23.0
206.2
17.1
36.0
–
29.0
466.5
21.6
56.5
2
–
1
3.5
–
5.0
1
–
–
–
–
1
35
967.2
5
– = 0、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源。
a グラント・プロジェクト / プログラムを指す。ADB が管理していない協調融資は除く。
b 複数のグラントが供与されるプロジェクトは 1 件と数える。
c 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
件数
プロジェクト
百万ドル
件数b
百万ドル
%
10
2
10
4
4
1
3
10
2
7
124.6
26.0
216.0
25.6
42.0
3.0
37.8
469.7
21.6
86.7
88
38
31
20
51
8
16
44
29
37
926.1
832.1
650.6
118.5
344.5
33.1
319.1
1,546.1
289.2
1,183.9
15
13
10
2
6
1
5
25
5
19
53
1,052.9
362
6,243.0
100
年次報告 2010
151
統計付録 5
2010 年中の協調融資プロジェクト a
(単位:百万ドル)
協調融資
公的機関
ADB融資額 グラント
プロジェクト名
中央・西アジア
818.60
DVA協調融資
非DVA協調融資
–
–
–
融資
民間機関
903.34
716.67
186.67
654.87
190.00
464.87
協調融資財源
アルメニア
ズヴァルトノッツ空港拡張プロジェクト
(フェーズ2)b
40.00
ドイツ投資開発銀行
(DEG)
欧州復興開発銀行
(EBRD)
アゼルバイジャン
178.67d
26.67
ジャナブ・ガス火力発電所c
イスラム開発銀行
(IsDB)
OPEC国際開発基金(OFID)
378.67
商業銀行
グルジア
道路回廊投資プログラム−トランシェ1e
118.80
170.00d
173.00
68.00d
国際協力機構
(JICA)
カザフスタン
(ジャンビル州区間)
CAREC交通回廊(第1期)
[西ヨーロッパ∼中国西部交通回廊]
投資プログラム−トランシェ3
JICA
パキスタン
ウチ第2発電所b
Zorlu Enerji社発電所b
100.00
国際金融公社
(IFC)
100.00
90.00d
100.00d
20.00
36.80
14.70
14.70
36.80
IsDB
韓国輸出入銀行
(KEXIM)
国内銀行
IFC
ECO貿易開発銀行
Habib Bank Limited(パキスタン)
ウズベキスタン
タリマルジャン発電・送電
東アジア
300.00d
350.00
1,036.70
DVA協調融資
非DVA協調融資
17.25
12.20
5.05
–
–
–
JICA
2,217.35
320.00
1,897.35
中国
広西南西部都市開発
再生可能バイオマス・エネルギー総合開発セクター
150.00
66.08
75.55
3.00d
国内銀行
クリーン・エネルギー・ファイナンシング・パー
トナーシップ・ファシリティに基づくマルチド
ナー・クリーン・エネルギー基金
(CEF-CEFPF)
地球環境ファシリティー
(GEF)
9.20d
4.60
第2次黒竜江省道路網開発
雲南省道路網総合開発
200.00
100.00
250.00
吉林省風力発電b
120.00
武漢都市環境改善
ドイツ技術協力公社
(GTZ)
419.70
276.30
500.00
483.30
120.00d
中国農業銀行
中国農業銀行
中国銀行
中国建設銀行
ADBのBローンに基づく民間金融機関
– = 0、DVA = 直接付加価値、CAREC = 中央アジア地域経済協力、OPEC = 石油輸出国機構。
a この表では技術協力プロジェクトを除外している。貧困削減日本基金が資金供与したグラント・プロジェクトについては統計付録 27 を参照。
b ノンソブリン民間セクター融資。
c ADB は国際民間銀行コンソーシアムによる最大 2 億 2,000 万ドルの融資を支援するため、アゼルバイジャン政府の再保証を得た部分信用保証を承認したが、後にキャンセルされた。
d DVA 協調融資(すなわち、ADB と管理もしくは協力に関する合意を締結したプロジェクトに対する協調融資)。
e 元のプロジェクトは前年以前に承認され、協調融資が今年実現した。
統計付録
20.00
40.00
152
アジア開発銀行
続き
協調融資
公的機関
ADB融資額 グラント
プロジェクト名
自治体天然ガスインフラ開発プロジェクト
(フェーズ2
)b
融資
民間機関
協調融資財源
100.00
100.00
d
ADBのBローンに基づく民間金融機関
36.62
100.00d
142.50
ADBのBローンに基づく民間金融機関
松花江流域水質汚染抑制・管理プロジェクト民間セクター・ファシリ
ティb
国内銀行
モンゴル
第4次保健セクター開発
統計付録
太平洋
14.00
0.45
37.00
71.25
71.25
–
DVA協調融資
非DVA協調融資
世界保健機関
(WHO)
16.00
16.00
–
–
–
–
キリバス
道路修復
12.00
4.61d
太平洋地域インフラ・ファシリティ
16.00d
世界銀行
(WB)
パプアニューギニア
マイクロファイナンス拡張
13.00
6.00d
–
0.28d
0.36d
30.00d
30.00d
オーストラリア
ソロモン諸島
第2次道路改良セクター追加e
運輸セクター開発
南アジア
12.00
1,302.69
DVA協調融資
非DVA協調融資
29.48
28.99
0.49
オーストラリア
ニュージーランド
オーストラリア
ニュージーランド
1,752.00
1,752.00
–
–
–
–
バングラデシュ
天然ガス・アクセス改善
パドマ多目的橋
e
参加型小規模水資源セクター(追加)
持続可能な地方インフラ改善
45.00d, f
140.00d
300.00d
1,200.00d
10.00d
266.00
615.00
KEXIM
IsDB
JICA
WB
国際農業開発基金
(IFAD)
–
60.00
15.90d
21.59
0.27d
オランダ開発機構
(SNV)
–
20.00
20.10
60.00
8.80d
2.52d
0.49
カナダ国際開発局
150.00
90.00
1.50d
ドイツ復興金融公庫
(KfW)
ブータン
地方再生可能エネルギー開発
ネパール
ガバナンス支援プログラム
(サブプログラム 1)
追加e
カトマンズ持続可能な都市交通
中小規模農家の所得増加
中都市総合都市環境改善
GEF
17.00d
SNV
OFID
40.00d
フランス開発庁
(AFD)
スリランカ
紛争影響地域緊急
ジャフナ・キリノッチ水供給・衛生
国際赤十字赤新月社連盟
– = 0、DVA = 直接付加価値、CAREC = 中央アジア地域経済協力、OPEC = 石油輸出国機構。
a この表では技術協力プロジェクトを除外している。貧困削減日本基金が資金供与したグラント・プロジェクトについては統計付録 27 を参照。
b ノンソブリン民間セクター融資。
c ADB は国際民間銀行コンソーシアムによる最大 2 億 2,000 万ドルの融資を支援するため、アゼルバイジャン政府の再保証を得た部分信用保証を承認したが、後にキャンセルされた。
d DVA 協調融資(すなわち、ADB と管理もしくは協力に関する合意を締結したプロジェクトに対する協調融資)。
e 元のプロジェクトは前年以前に承認され、協調融資が今年実現した。
f 協調融資が後にキャンセルされた。
年次報告 2010
153
続き
協調融資
公的機関
プロジェクト名
ADB融資額 グラント
南アジア
1,327.80
DVA協調融資
非DVA協調融資
23.15
23.15
–
融資
1,065.63
365.63
700.00
民間機関
協調融資財源
112.00
–
112.00
カンボジア
地方道路改良
19.35d
35.00
KEXIM
5.40d
12.80
北欧開発基金
12.00d
OFID
50.00d
GEF
AFD
インドネシア
チタルム川流域管理・生物多様性保全
ジャワ島∼バリ島配電パフォーマンス改善
500.00
50.00
第6次開発政策支援プログラム
200.00
3.75d
1.00d
CEF–CEFPF
JICA
100.00
600.00
WB
ラオス
メコン河流域圏北部送電
第2次メコン河流域圏北部交通網改良
20.00
20.00
37.88d
12.00d
250.00
100.00d
KEXIM
OFID
フィリピン
開発政策支援プログラム
(サブプログラム 3)
JICA
タイ
太陽発電プロジェクト
(タイ)b
70.00
2.00d
CEF–CEFPF
112.00
商業銀行
ベトナム
メコン河流域圏南部沿岸回廊e
保健人材セクター開発
–
30.00
70.00d
KEXIM
11.00d
オーストラリア国際開発庁
ホーチミン市都市大量高速交通システム第2路線投資プログラム
(プロジェクト1)
水管理強化・灌漑システム修復
合計
DVA協調融資
非DVA協調融資
36.40d
28.00d
40.00
100.00
4,522.79
141.13
135.59
5.54
3,736.97
2,850.30
886.67
KfW
AFD
2,984.22
510.00
2,474.22
– = 0、DVA = 直接付加価値、CAREC = 中央アジア地域経済協力、OPEC = 石油輸出国機構。
a この表では技術協力プロジェクトを除外している。貧困削減日本基金が資金供与したグラント・プロジェクトについては統計付録 27 を参照。
b ノンソブリン民間セクター融資。
c ADB は国際民間銀行コンソーシアムによる最大 2 億 2,000 万ドルの融資を支援するため、アゼルバイジャン政府の再保証を得た部分信用保証を承認したが、後にキャンセルされた。
d DVA 協調融資(すなわち、ADB と管理もしくは協力に関する合意を締結したプロジェクトに対する協調融資)。
e 元のプロジェクトは前年以前に承認され、協調融資が今年実現した。
統計付録
水資源管理セクター開発プログラム
154
アジア開発銀行
統計付録 6a
2009 年および 2010 年中の融資実行
(金額単位:千ドル)
2009
OCR合計に
ADF合計に
占める割合
占める割合
OCR
(%)
ADF
(%)
実行合計に
占める割合
合計
(%)
プロジェクトa
2,603,634
213,943
33
3
1,089,843
23,774
50
1
3,693,477
237,717
37
2
2,817,577
36
1,113,617
51
3,931,194
39
民間セクターd
3,863,510
767,694
448,947
49
10
6
897,481
189,679
–
41
9
–
4,760,991
957,373
448,947
47
9
4
合計e
7,897,728
100
2,200,777
100
10,098,505
100
非開発金融機関
開発金融機関
プロジェクト融資合計
統計付録
プログラムb
セクターc
2010
2009年から10年の増減
ADF合
OCR合計
に占める
ADF
計に占
める割合
(%)
(%)
実行合計に
占める割合
OCR
割合(%)
Total
2,792,650
245,652
47
4
969,010
10,715
62
1
3,761,660
256,367
3,038,302
51
979,725
62
民間セクターd
1,410,000
823,262
672,820
24
14
11
455,488
135,991
–
合計e
5,944,384
100
1,571,204
OCR
ADF
合計
50
3
7
15
(11)
(55)
2
8
4,018,027
53
8
(12)
2
29
9
–
1,865,488
959,253
672,820
25
13
9
(64)
7
50
(49)
(28)
NA
(61)
0
50
100
7,515,588
100
(25)
(29)
(26)
(%)
プロジェクトa
非開発金融機関
開発金融機関
プロジェクト融資合計
プログラムb
セクターc
– = 0、( )= マイナス、0 = 0.5%未満、NA = 該当せず、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源。
a プロジェクト融資は、特定のプロジェクトに対して供与される。ADB は、民間セクターにおける中小規模プロジェクトに融資するための仲介機関として、開発途上加盟国(DMC)所在
の開発金融機関を活用している。
b プログラム融資は、DMC によるセクター開発の政策環境、制度環境および投資環境の改善を支援するために供与され、政策調整に必要な短期的費用の手当に貢献する。2010 年の数字に
は、1 件の景気循環相殺政策支援ファシリティ(CSF)の下で実行された融資 5 億ドルを含む。
c セクター融資は、特定のセクターまたはサブセクターの開発を目的として供与される。単一のセクターまたはサブセクターにおける多数のサブプロジェクトに資金を提供する。
d ノンソブリンの公共セクター向け融資を含み、出資を除く。
e 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
年次報告 2010
155
統計付録 6b
2009 年および 2010 年中のグラント実行
(金額単位:千ドル)
2009
ADF合計に
実行合計に
その他特別基金a
占める割合
占める割合
ADF
(%)
その他特別基金a
合計に占める割合
(%)
合計
プロジェクト
143.6
41.4
135.0
100.0
278.6
57.8
プログラム
203.2
58.6
–
–
203.2
42.2
合計
346.8
100.0
135.0
100.0
481.8
100.0
(%)
統計付録
2010
ADF合計
2009年から
10年の増減(%)
その他特別
基金a
実行合計に
割合
その他
合計に占める
占める割合
(%)
特別基金a
割合
(%)
ADF
Other
Special
Fundsa
プロジェクト
342.7
95.8
101.8
100.0
444.5
96.7
138.7
(24.6)
59.6
プログラム
15.0
4.2
–
–
15.0
3.3
(92.6)
–
(92.6)
357.7
100.0
101.8
100.0
459.5
100.0
3.1
(24.6)
(4.6)
に占める
ADF
合計
合計
(%)
– = 0、( )= マイナス、ADF = アジア開発基金。
a アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、気候変動基金(CCF)およびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を財源とするグラントを含む。
統計付録 7a
2010 年中のプログラム融資実行額
(単位:百万ドル)
国
OCR
アフガニスタン
–
40.00
–
–
10.00
100.00
320.00
700.00
–
–
–
–
200.00
–
40.00
–
2.70
86.24
4.17
9.61
–
–
–
–
5.67
16.57
9.98
29.87
270.63
15.42
–
4.63
2.70
126.24
4.17
9.61
10.00
100.00
320.00
700.00
5.67
16.57
9.98
29.87
470.63
15.42
40.00
4.63
1,410.00
455.49
1,865.49
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
クック諸島
グルジア
インド
インドネシア
ラオス
モルジブ
マーシャル諸島
ネパール
パキスタン
サモア
スリランカ
ベトナム
合計a
ADF
– = 0、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源。
a 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。1 件の景気循環相殺政策支援ファシリティ(CSF)の下で実行された融資 5 億ドルを含む。
合計
Total
156
アジア開発銀行
統計付録 7b
2010 年中のプログラム・グラント実行額
(単位:百万ドル)
その他特別基金a
国
ADF
アフガニスタン
–
–
–
–
–
–
–
–
5.00
–
–
–
–
–
–
–
5.00
–
–
–
5.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
5.00
–
–
–
–
–
–
–
5.00
–
–
–
5.00
–
–
15.00
–
15.00
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
インド
インドネシア
キルギス
ラオス
統計付録
モルジブ
モンゴル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
ソロモン諸島
スリランカ
タジキスタン
東ティモール
トンガ
ツバル
ベトナム
合計
合計
–= 0、ADF = アジア開発基金。
a アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、気候変動基金(CCF)およびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を財源とするグラントを含む。
統計付録 7c
プログラム融資・ADF グラントの推移(1999 ∼ 2010 年)
プログラム融資・ADFグラント
年
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
ADF = アジア開発基金。
プロジェクト融資・ADFグラント
合計
百万ドル
%
百万ドル
%
百万ドル
1,694.00
1,102.00
1,583.00
1,702.18
1,139.50
1,121.40
1,148.50
3,204.58
2,521.00
2,631.05
6,098.85
1,580.90
34
20
30
30
19
22
19
43
25
25
43
13
3,239.57
4,480.59
3,755.69
3,955.75
4,900.31
3,917.64
4,858.75
4,331.62
7,513.94
7,975.23
8,028.35
10,848.56
66
80
70
70
81
78
81
57
75
75
57
87
4,933.57
5,582.59
5,338.69
5,657.93
6,039.81
5,039.04
6,007.25
7,536.20
10,034.94
10,606.28
14,127.20
12,429.46
年次報告 2010
157
統計付録 8
a
2010 年中のノンソブリン投融資の承認と総事業費 (国別)
(単位:百万ドル)
融資
出資
ADB投融
補完融資
資総額
(Bローン)
政治リスク
部分信用保証
保証
グラント
ADBの
総事業費/
承認総額
資金規模
アフガニスタン
Sungas LLC・LPG配給開発プロジェクト
–
8.00
8.00
–
–
–
–
8.00
58.20
40.00
–
40.00
–
–
–
–
40.00
173.00
27.00
–
27.00
–
–
–
–
27.00
487.00
36.60
10.00
46.60
100.00
–
–
–
146.60
538.32
100.00
120.00
–
–
100.00
120.00
100.00
120.00
–
–
–
–
–
–
200.00
240.00
400.00
853.00
20.00
50.00
18.00
–
–
–
20.00
50.00
18.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
20.00
50.00
18.00
20.00
50.00
47.40
–
–
–
–
250.00
–
–
250.00
300.00
300.00
–
300.00
–
–
–
–
300.00
300.00
36.80
100.00
–
–
36.80
100.00
–
–
–
–
–
50.00
–
–
36.80
150.00
147.00
493.10
70.00
134.30
–
–
70.00
134.30
–
–
–
–
–
–
2.00
–
72.00
134.30
250.00
148.13
–
25.00
25.00
–
–
–
–
–
25.00
250.00
–
–
130.00
20.00
130.00
20.00
–
–
–
–
–
–
–
–
130.00
20.00
700.00
100.00
–
–
–
40.00
10.00
–
40.00
10.00
–
–
–
–
–
–
250.00
–
–
–
–
–
–
40.00
10.00
250.00
407.87
75.00
250.00
1,052.70
243.00
1,295.70
320.00
500.00
50.00
2.00
2,167.70
6,048.02
アルメニア
ズヴァルトノッツ空港拡張プロジェクト
(フェーズ2)
アゼルバイジャン
ー効率プロジェクト
中国
松花江流域水質汚染抑制・管理プロジェクト
民間セクター・ファシリティ
自治体天然ガスインフラ開発プロジェクト
(フェーズ2)
吉林省風力発電プロジェクト
グルジア
Bank Republic(中小企業支援)
Bank of Georgia(中小企業支援)
Poti Sea Port Corporation社
インド
マイクロ企業・中小企業開発プロジェクト
インドネシア
住宅金融プログラム
インド
Zorlu Enerji社発電所プロジェクト
ウチ第2発電所プロジェクト
タイ
太陽発電プロジェクト
バンチャク太陽発電プロジェクト
地域
ASEAN中国投資ファンドII
信用保証・投資ファシリティ:信託基金の設立
と資本拠出
アジア・ウォーター・ファンド
クリーン資源アジア成長ファンドおよび再生
可能エネルギー・アジア・ファンド
ショアキャップIIリミテッド
マイクロファイナンス・リスク参加プログラム
合計
– = 0、ASEAN = 東南アジア諸国連合、LPG = 液化石油ガス。
a ADB の民間部門業務局と各地域局が処理したプロジェクトを含む。
統計付録
Garadagh Cement社拡張およびエネルギ
158
アジア開発銀行
統計付録 9
a
2010 年中のノンソブリン投融資の承認と総事業費 (セクター別)
(単位:百万ドル)
ADB
部分信用
リスク
総額
(Bローン)
保証
保証
グラント
承認総額
総事業費
220.00
–
500.00
50.00
2.00
908.10
1,035.00
166.60
58.00
3,244.33
1,944.97
638.32
220.40
500.00
50.00
2.00
2,167.70
6,048.02
融資
エネルギー
588.10
370.00
36.60
58.00
48.00
165.00
30.00
636.10
535.00
66.60
58.00
1,052.70
243.00
1,295.70
上水道・都市インフラ
運輸・情報通信技術
合計
ADBの
補完融資
セクター
金融
出資
政治
投融資
100.00
320.00
統計付録
a ADB の民間部門業務局と各地域局が処理したプロジェクトを含む。
統計付録 10
ノンソブリン投融資の承認(年度別)
(1983 ∼ 2010 年)a, b
(単位:百万ドル)
年
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
合計
プロジ
ADB
ェクト
投融資
補完融資
総額
(Bローン)
出資c
件数
融資
2
1
3
4
7
12
16
17
10
4
8
10
7
7
6
6
3
9
6
6
7
14
13
18
21
12
11
21
–
–
–
6.46
20.50
58.00
95.70
78.85
156.80
50.00
182.10
–
68.00
98.50
45.00
136.12
101.50
152.00
37.50
110.00
122.00
92.50
513.02
450.00
650.27
1,296.58
437.87
1,052.70
2.96
0.42
3.40
6.01
27.61
35.67
67.59
35.94
20.52
5.42
20.70
48.70
99.41
80.15
49.50
39.44
7.40
77.65
30.36
25.53
35.65
164.37
176.50
230.50
79.75
103.08
220.00
243.00
2.96
0.42
3.40
12.47
48.11
93.67
163.29
114.79
177.32
55.42
202.80
48.70
167.41
178.65
94.50
175.56
108.90
229.65
67.86
135.53
157.65
256.87
689.52
680.50
730.02
1,399.66
657.87
1,295.70
251
6,011.97
1,937.23
7,949.21
グラ
ADBの
ント
承認総額
総事業費
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
150.00
–
–
–
–
–
850.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
2.00
2.96
0.42
3.40
12.47
53.11
93.67
214.39
138.79
177.32
136.92
222.10
48.70
173.24
270.15
94.50
326.64
170.40
274.65
67.86
195.53
542.65
266.87
707.92
1,135.30
1,181.02
1,824.66
1,784.07
2,167.70
36.00
2.80
26.50
20.32
519.24
502.32
1,038.66
2,026.13
1,325.18
402.29
1,505.70
919.20
1,050.32
1,788.77
1,239.69
1,152.70
847.70
1,629.84
648.00
1,136.60
2,300.00
2,227.70
8,676.42
7,678.34
3,494.54
9,667.49
4,333.52
6,048.02
1,000.00
2.00
12,287.41
62,243.99
政治リスク
部分信用保証
保証
–
–
–
–
5.00
–
51.10
24.00
–
81.50
19.30
–
5.83
91.50
–
151.08
61.50
45.00
–
–
170.00
–
–
330.00
200.00
425.00
276.20
320.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
65.00
–
18.40
109.80
251.00
–
–
500.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
60.00
–
10.00
–
15.00
–
–
–
50.00
2,257.01
944.20
135.00
TFP
– = 該当データなし、TFP = 貿易金融促進プログラム。
a ADB の民間部門業務局と各地域局が処理したノンソブリン・プロジェクトを含む。各地域局はノンソブリン業務を 2007 年に開始。
b 発効前に全額キャンセルされたファシリティを除く。
c 出資、出資枠および株式引受を含む。
年次報告 2010
159
統計付録 11
ノンソブリン投融資の承認(国別)
(1983 ∼ 2010 年)a, b
(単位:百万ドル)
ADB
プロジェク
国
ト件数c
融資
出資d
投融資
補完融資
部分信用
政治リスク
総額
(Bローン)
保証
保証
ADBの
TFP
グラント
承認総額
総事業費
135.00
40.00
93.00
137.20
–
8.00
1,020.77
113.00
1,396.97
857.00
175.00
–
50.00
10.00
12.00
14.50
49.55
565.90
25.00
595.32
–
99.50
275.76
193.50
145.00
16.10
–
–
14.98
0.53
–
404.30
–
277.30
63.85
–
8.96
–
2.00
4.50
1.60
3.26
53.38
–
40.85
0.40
13.58
77.07
–
954.57
151.10
40.00
93.00
152.18
0.53
8.00
1,425.07
113.00
1,674.27
920.85
175.00
8.96
50.00
12.00
16.50
16.10
52.81
619.28
25.00
636.17
0.40
113.08
352.83
193.50
1,099.57
30.00
–
–
20.00
–
–
1,242.70
–
230.00
288.50
–
–
–
–
–
–
5.83
129.90
–
113.58
–
–
170.00
26.50
–
–
–
–
–
–
–
107.00
–
250.00
9.80
200.00
–
–
–
–
–
–
109.00
–
18.40
–
–
–
–
250.00
25.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
50.00
–
–
–
–
–
60.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1,000.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
2.00
–
–
206.10
40.00
93.00
172.18
0.53
8.00
2,774.77
113.00
2,154.27
1,219.15
375.00
8.96
50.00
12.00
16.50
16.10
58.64
908.18
25.00
768.15
0.40
113.08
524.83
280.00
2,349.57
708.90
173.00
553.00
890.36
0.79
32.00
9,683.42
242.40
15,283.70
7,972.02
925.00
288.00
1,450.00
29.24
37.50
50.00
218.03
3,637.11
85.30
4,284.72
1.60
543.48
3,465.68
1,495.00
10,193.74
合計
251
6,011.97
1,937.23
7,949.19
2,257.01
944.20
135.00
1,000.00
2.00
12,287.40
62,243.99
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
グルジア
インド
インドネシア
カザフスタン
韓国
ラオス
マレーシア
モルジブ
モンゴル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
スリランカ
タイ
ベトナム
– = 該当データなし、TFP = 貿易金融促進プログラム。
a ADB の民間部門業務局と各地域局が処理したノンソブリン・プロジェクトを含む。各地域局はノンソブリン業務を 2007 年に開始。
b 発効前に全額キャンセルされたファシリティを除く。
c 追加プロジェクトはプロジェクト件数に含まれない。
d 出資、出資枠および株式引受を含む。
統計付録
地域
7
1
5
8
1
1
27
4
35
16
4
3
1
2
2
2
4
26
1
26
1
12
11
7
44
アフガニスタン
アルメニア
160
アジア開発銀行
統計付録 12
承認済みおよび管理中の融資およびプロジェクト、回覧済みプロジェクト完了報告書(PCRs)
、
完了済みプロジェクト、完結済み融資並びに回覧済みプロジェクト・プログラム実績評価報告書(PPERs)の件数
(2010 年 12 月 31 日現在)
国
アフガニスタン
アルメニア
統計付録
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルクメニスタン
ツバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域d
合計
承認済み
混合融資
承認済み
発効済み
融資プロジェクト
プロジェクト
追加融資
融資累計件数a
融資累計件数
累計件数b
累計件数c
累計件数
管理中の融資件数a,e
23
8
15
212
25
56
183
16
19
13
5
159
308
21
7
81
31
68
77
21
13
8
44
32
1
124
293
2
71
211
34
14
16
155
12
23
88
–
15
–
3
35
9
122
6
22
7
14
198
25
50
170
16
19
10
5
140
304
18
6
81
28
68
77
20
13
8
43
32
1
120
286
–
68
209
33
14
16
152
12
22
87
–
14
–
3
34
9
103
7
21
6
12
180
22
47
178
15
17
12
5
139
273
16
7
80
24
59
73
20
11
6
36
28
1
108
222
1
53
180
29
14
15
128
12
17
83
–
15
–
2
29
8
101
23
1
1
3
18
2
2
–
1
–
1
–
4
25
2
–
–
–
1
1
–
1
1
–
2
–
3
48
1
14
18
–
–
–
15
–
3
2
–
–
–
–
5
–
6
1
1
1
–
5
–
2
–
–
2
–
–
3
2
–
–
–
1
3
1
–
–
–
2
2
–
9
5
–
2
4
4
–
–
8
–
–
2
–
–
–
1
–
1
1
–
13
6
12
58
6
22
78
2
4
6
–
77
33
6
1
–
6
9
–
7
1
2
9
–
–
19
33
2
15
13
4
–
–
41
–
7
5
–
–
–
2
20
–
58
1
2,679
2,564
2,328
182
62
578
– = 0。
a ノンソブリン融資を含み、解約された融資を除く。
b 複数の融資があるプロジェクトは 1 件と数える。追加融資、特別実施支援融資およびプログラム融資クラスターのサブプログラム融資は単独のプロジェクトとはみなされない。
c 複数国に対する融資が付いた地域プロジェクトは別途報告。
d 2003 年に承認された貿易金融促進プログラムに基づく 4,500 万ドルの融資を除く。
年次報告 2010
2010年中に
2010年中に
2010年中に
回覧済み
完了した
完結した
回覧された
回覧された
件数a,c,e
PCR累計件数g
プロジェクト件数c,f
融資件数h
PCR件数g
PPER件数c
–
–
–
管理中の
e
f
g
h
13
4
9
45
4
20
74
1
3
5
–
53
27
4
1
–
6
9
–
6
1
1
7
–
–
19
22
1
9
13
3
–
–
31
–
7
5
–
–
–
1
16
–
48
1
2
1
2
128
17
19
91
13
11
2
5
55
207
10
5
61
19
47
56
8
10
5
23
26
1
84
151
–
38
140
22
7
14
86
1
12
59
6
16
–
1
12
8
40
5
2
–
1
6
–
5
2
–
–
–
–
1
5
–
–
–
–
1
–
2
–
–
–
–
–
1
6
–
–
1
1
–
–
6
–
1
–
–
–
–
1
1
–
3
–
1
–
2
12
–
1
7
2
–
1
–
2
3
1
–
–
3
6
–
3
–
–
3
–
–
4
10
–
2
3
1
–
–
9
–
3
–
–
–
–
–
5
–
3
1
2
1
2
3
1
2
7
1
–
2
–
3
4
2
–
–
3
5
–
–
–
2
4
–
–
2
10
–
2
6
–
–
–
6
–
5
–
1
–
–
–
5
–
3
–
1
–
2
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1
2
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1
–
–
–
1
–
1
–
469
1,526
46
88
84
9
国
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルクメニスタン
ツバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
合計
承認済みだが未発効のプロジェクト・融資、活動が止まっている融資および、融資完了済みだが管理中のノンソブリン融資を含み、他の財源から全額融資を受けたプロジェクト・融資を除く。
2010 中に物理的に完了したプロジェクト。
複数国に対する融資が付いた地域プロジェクトは別途報告。各種の年次報告を含む。
ソブリン融資の貸し出しを対象に含む。
統計付録
2010年中に
融資プロジェクト
161
162
アジア開発銀行
統計付録 13
、
承認済みおよび管理中のグラント a、回覧済みプロジェクト完了報告書(PCRs)
および完結済みグラントの件数
(2010 年 12 月 31 日現在)
承認済み
発効済み
管理中の
グラント
グラント
グラント
累計件数
累計件数
件数
地域
29
–
1
22
12
42
20
–
–
–
–
9
23
–
–
–
18
33
–
2
1
1
33
–
–
36
12
8
17
7
–
14
24
–
17
1
4
2
–
1
5
–
26
12
27
–
1
14
11
29
14
–
–
–
–
6
18
–
–
–
16
29
–
2
1
1
29
–
–
26
9
5
15
7
–
12
19
–
17
1
4
2
–
1
5
–
21
11
22
–
–
11
11
29
14
–
–
–
–
4
13
–
–
–
12
27
–
2
1
1
27
–
–
31
3
5
7
6
–
12
15
–
10
1
3
2
–
1
3
–
18
6
合計
432
353
297
国
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
統計付録
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルクメニスタン
ツバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
– = 0。
a ADB が管理する全てのグラントを含む。
年次報告 2010
2010年中に
2010年中に
PCR累計
完了した
回覧された
件数
グラント件数
PCR件数
–
–
–
1
–
–
1
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1
1
–
1
–
1
–
–
–
–
–
–
–
4
–
–
–
1
2
–
–
–
–
–
1
3
–
–
–
2
1
–
–
–
–
1
–
–
–
1
–
1
1
–
–
1
–
4
–
1
–
–
–
1
–
1
2
–
–
–
–
–
–
1
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1
–
1
–
–
–
–
–
–
–
7
28
3
国
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルクメニスタン
ツバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
合計
統計付録
回覧済み
163
164
アジア開発銀行
統計付録 14
承認済み融資、締結済み契約および融資実行の金額
(単位:百万ドル、2010 年 12 月 31 日現在)
承認済み
発効済み
2010年中に
締結済み
国
融資累計a
融資正味累計b,c
締結された契約c,d,e
契約累計c,d,e
アフガニスタン
地域f
952.28
433.92
687.40
12,134.34
256.06
1,167.80
24,536.61
55.01
317.26
786.80
101.50
24,122.74
26,492.54
2,309.60
27.14
6,338.33
736.20
1,211.46
1,997.54
152.81
87.63
75.14
774.67
530.86
5.00
2,628.63
20,894.64
16.00
1,342.29
12,428.93
175.37
181.08
79.31
5,142.70
100.39
372.54
5,969.48
57.79
7.82
1,945.90
51.25
9,284.97
146.50
908.26
265.36
633.42
9,952.95
253.44
1,053.14
21,253.90
53.19
284.45
599.00
94.50
19,200.77
20,882.15
1,550.44
13.70
5,560.32
630.31
1,210.09
1,413.98
143.09
74.13
65.89
714.89
411.83
2.30
2,230.46
18,249.55
–
1,124.63
10,048.37
166.94
144.44
65.82
4,871.75
91.14
366.92
4,478.49
52.26
8.15
1,748.80
48.99
7,027.42
200.51
合計g
167,116.20
138,150.16
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
統計付録
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
ツバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
15.63
22.71
171.19
446.40
8.90
44.27
1,378.38
23.88
22.97
185.62
–
1,817.68
890.78
122.54
–
–
25.02
14.51
–
20.98
9.98
2.31
21.67
–
–
97.97
833.34
–
30.17
14.68
29.40
–
–
229.05
–
2.81
–
–
0.02
148.25
–
598.33
0.002
7,229.43
– = 0 または該当データなし。
a データにはノンソブリン融資を含み、解約された融資を除く。米ドルへの換算は、融資承認時に ADB で使用されていた為替レートを適用。
b 正味金額とは、発効済み融資金額から取消分を差し引いた金額を指す。
c 米ドルへの換算は、2010 年 12 月 31 日に ADB で使用されていた為替レートを適用。
d データはノンソブリン融資を除く。
e 金融機関仲介融資に関する契約締結額はサブローンの実行額に基づく。
f 2003 年に承認された貿易金融促進プログラムに基づく 4,500 万ドルの融資を除く。
666.79
163.19
414.73
8,399.33
222.46
948.54
16,537.41
55.75
233.30
366.35
94.50
16,984.12
18,700.22
1,273.59
14.49
5,572.55
584.45
1,142.87
1,422.40
108.10
75.10
51.24
652.63
418.77
2.30
1,913.52
16,267.12
–
783.74
8,974.19
155.00
130.22
65.39
3,948.88
90.28
345.49
4,158.08
58.18
7.86
824.67
47.91
5,055.22
1.57
117,932.48
165
年次報告 2010
発効済み融資
発効済み融資
正味累計に占める
正味累計に占める
締結済み
2010年中の
契約累計の割合(%)
融資実行h
融資実行累計i
73.41
61.50
65.47
84.39
87.78
90.07
77.81
104.80
82.02
61.16
100.00
88.46
89.55
82.14
105.74
100.22
92.72
94.45
100.60
75.54
101.31
77.76
91.29
101.68
100.00
85.79
89.14
–
69.69
89.31
92.85
90.15
99.35
81.06
99.06
94.16
92.85
111.32
96.54
47.16
97.80
71.94
0.78
75.90
47.06
46.96
469.07
41.54
53.53
1,460.29
10.61
16.69
163.28
–
1,858.15
1,079.80
90.25
–
–
7.83
23.38
–
29.42
9.98
1.07
15.08
–
–
80.14
883.72
–
27.90
114.06
25.58
–
–
308.37
–
37.80
32.10
–
0.33
81.83
–
406.69
17.15
736.31
174.23
193.39
8,393.16
189.14
903.99
16,366.06
38.22
214.49
369.53
94.50
15,415.31
20,220.72
1,251.81
13.70
5,560.32
583.99
1,194.69
1,413.98
110.25
74.13
48.22
653.22
411.83
2.30
1,857.33
16,217.89
–
773.91
9,821.01
140.20
144.44
65.82
3,723.14
91.14
328.01
4,239.75
52.26
7.92
741.72
48.99
4,158.72
194.01
81.07
65.66
30.53
84.33
74.63
85.84
77.00
71.85
75.40
61.69
100.00
80.28
96.83
80.74
100.00
100.00
92.65
98.73
100.00
77.05
100.00
73.17
91.37
100.00
100.00
83.27
88.87
–
68.81
97.74
83.98
100.00
100.00
76.42
100.00
89.39
94.67
100.00
97.18
42.41
100.00
59.18
96.76
85.37
7,515.59
117,233.73
84.86
融資実行
累計の割合
(%)
国
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
ツバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
g 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
h データにはソブリン融資とノンソブリン融資を含む。
i 実際の支出を伴わずに計上される金融手数料(利子、約定手数料等)および調達を要しないノンソブリン融資があるため、融資実行累計が締結済み契約累計を上回る場合がある。
地域
合計
統計付録
カンボジア
166
アジア開発銀行
統計付録 15
承認済みグラント、締結済み契約およびグラント実行の金額 a
(単位:百万ドル、2010 年 12 月 31 日現在)
承認済みグラント
発効済みグラント正味
2010年中に締結された
締結済み
累計
累計
契約b
契約累計b
国
アフガニスタン
地域
1,315.10
–
–
10.00
105.33
255.71
7.20
–
–
–
100.00
307.00
–
–
246.60
338.76
–
20.00
–
–
174.72
603.55
145.50
15.00
3.00
24.51
51.30
206.42
264.57
–
62.00
21.30
3.24
–
–
45.64
33.00
959.77
–
–
10.00
83.74
189.90
6.20
–
–
–
100.00
304.00
–
–
162.05
263.76
–
20.00
–
–
155.72
508.05
143.00
15.00
3.00
24.51
39.30
206.42
264.56
–
61.89
21.30
3.24
–
–
45.64
33.00
29.07
–
–
0.68
4.55
20.05
0.61
–
–
–
0.15
35.74
–
–
27.73
40.60
–
–
–
–
24.52
36.30
0.56
1.39
–
4.23
21.17
9.76
17.17
–
6.61
13.95
–
–
–
6.71
0.90
356.90
–
–
9.82
30.25
92.09
0.61
–
–
–
100.00
304.01
–
–
102.45
111.41
–
18.24
–
–
41.67
267.66
129.52
14.31
–
12.07
26.36
167.45
76.13
–
17.45
17.05
3.24
–
–
36.33
32.13
合計
4,359.45
3,624.05
302.44
1,967.13
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
統計付録
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
ソロモン諸島
スリランカ
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
ツバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
– = 0 または該当データなし、( )= マイナス。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a アジア開発基金(ADF)、アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、気候変動基金(CCF)およびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を財源とするグラントを含む。
b 研修、機器および管理費に関する契約を含む。
年次報告 2010
167
発効済みグラント
正味累計に占める
発効済みグラント
締結済み
正味累計に占める
契約累計の割合(%)
2010年中の実行額
170.07
–
–
2.31
17.59
17.87
0.20
–
–
–
2.73
51.50
–
–
20.36
35.28
–
(0.77)
–
–
18.31
31.26
22.34
3.61
–
2.47
10.38
26.26
12.22
–
1.51
5.65
–
–
–
6.81
1.59
54.12
459.53
実行累計の割合
(%)
264.15
–
–
5.92
25.03
81.67
0.20
–
–
–
100.00
298.53
–
–
67.95
85.62
–
17.11
–
–
37.78
228.99
116.50
10.34
3.00
6.95
11.72
158.36
58.96
–
11.51
7.19
1.24
–
–
34.21
25.98
27.52
–
–
59.22
29.89
43.00
3.23
–
–
–
100.00
98.20
–
–
41.93
32.46
–
85.53
–
–
24.26
45.07
81.47
68.95
100.00
28.35
29.83
76.72
22.29
–
18.59
33.77
38.27
–
–
74.95
78.72
1,658.90
45.77
国
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
ソロモン諸島
スリランカ
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
ツバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
合計
統計付録
37.06
–
–
98.22
36.12
48.49
9.82
–
–
–
100.00
100.00
–
–
61.35
42.24
–
91.19
–
–
26.76
52.68
89.02
95.40
–
49.23
67.08
81.12
28.77
–
28.15
80.06
100.00
–
–
79.60
97.35
実行累計
168
アジア開発銀行
統計付録 16
b
∼ 2010 年、2009 年、2010 年)
技術協力承認(国および地域活動別)a, (1967
(金額単位:千ドル)
1 9 6 7–2 0 1 0
2009
その他の
国
件数
金額
%
件数
TASF財源
JSF財源
RCIF財源
CCF財源
財源
合計
%
63
7
23
363
69,497.70
3,875.00
13,122.00
202,726.17
1.68
0.09
0.32
4.90
2
2
1
17
1,425.00
1,175.00
1,000.00
6,050.00
–
–
–
5,680.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
500.00
–
265.00
1,425.00
1,675.00
1,000.00
11,995.00
0.53
0.63
0.37
4.49
112
2
164
632
46,943.15
1,400.00c
112,859.60
357,119.11
1.14
0.03
2.73
8.64
3
–
8
38
400.00
–
1,925.00
17,010.00
1,600.00
–
750.00
–
–
–
600.00
–
–
–
–
2,400.00
–
–
4,600.00
5,215.46
2,000.00
–
7,875.00
24,625.46
0.75
–
2.95
9.22
31
80
7
10,895.00
27,349.80
5,456.00
0.26
0.66
0.13
1
–
2
–
–
1,380.00
600.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
600.00
–
1,380.00
0.22
–
0.52
297
512
61
37
218,304.86
341,784.17
27,652.00
13,890.70
5.28
8.27
0.67
0.34
22
7
2
1
6,855.00
1,600.00
825.00
350.00
5,900.00
4,200.00
–
–
–
–
–
–
750.00
–
–
–
5,875.00
500.00
–
500.00
19,380.00
6,300.00
825.00
850.00
7.26
2.36
0.31
0.32
33
75
249
5,010.15
43,201.40
133,077.08
0.12
1.04
3.22
–
3
7
–
550.00
225.00
–
–
3,000.00
–
–
–
–
–
–
–
700.00
1,300.00
–
1,250.00
4,525.00
–
0.47
1.69
93
58
48
25,352.30
23,175.00
19,582.00
0.61
0.56
0.47
–
1
1
–
3,000.00
225.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
3,000.00
225.00
–
1.12
0.08
42
153
38
24,428.00
83,945.65
10,716.00
0.59
2.03
0.26
–
10
–
–
3,700.00
–
–
2,000.00
–
–
–
–
–
–
–
–
1,500.00
–
–
7,200.00
–
–
2.70
–
7
302
332
5
1,946.81
148,305.70
191,951.13
3,300.00
0.05
3.59
4.64
0.08
–
9
4
2
–
2,475.00
2,250.00
500.00
–
1,970.00
–
700.00
–
–
–
–
–
1,030.00
–
–
–
273.00
400.00
–
–
5,748.00
2,650.00
1,200.00
–
2.15
0.99
0.45
144
353
87
59,366.12
172,790.25
28,681.50
1.44
4.18
0.69
5
11
2
1,125.00
3,750.00
1,100.00
2,400.00
1,930.00
–
–
–
–
–
–
–
–
841.00
500.00
3,525.00
6,521.00
1,600.00
1.32
2.44
0.60
2
62
245
577.42
19,895.24
110,698.10
0.01
0.48
2.68
–
1
9
–
400.00
3,950.00
–
–
2,800.00
–
–
–
–
–
700.00
–
250.00
950.00
–
650.00
8,400.00
–
0.24
3.15
1
61
165
100.00
35,361.06
64,419.60
0.002
0.86
1.56
–
2
3
–
725.00
–
–
–
1,000.00
–
–
–
–
–
–
–
–
320.00
–
725.00
1,320.00
–
0.27
0.49
35
59
5
20
30,885.90
17,566.50
1,065.00
5,914.75
0.75
0.42
0.03
0.14
1
2
–
–
560.00
500.00
–
–
–
500.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
560.00
1,000.00
–
–
0.21
0.37
–
–
77
58
255
43,180.00
18,714.76
199,527.16
1.04
0.45
4.83
3
2
14
2,900.00
1,100.00
7,440.00
–
–
–
–
–
–
–
–
2,100.00
850.00
750.00
1,099.70
3,750.00
1,850.00
10,639.70
1.40
0.69
3.98
地域
5,455
1,693
2,975,609.84
1,159,493.97
71.96
28.04
198
115
76,470.00 35,030.00
60,509.00 6,600.00
600.00
11,500.00
6,980.00
5,315.00
27,189.16 146,269.16
36,806.96 120,730.96
54.78
45.22
合計
7,148 4,135,103.81
100.00
313
136,979.00 41,630.00
12,100.00
12,295.00
63,996.11 267,000.11
100.00
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
統計付録
ブルネイ
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルクメニスタン
ツバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
DMC小計
– = 0 または該当データなし、CCF = 気候変動基金、DMC = 開発途上加盟国、JFPR = 貧困削減日本基金、JSF = 日本特別基金、RCIF = 地域協力・統合基金、TASF = 技術協力特別基金。
a ADB の融資データに含まれる融資を財源とする技術協力は除く。
b データは各国政府によりキャンセルされた技術協力プロジェクトを除外するよう調整されている。
c 経費請求可能な技術協力。
年次報告 2010
169
2010
その他の
件数
TASF財源
JSF財源
RCIF財源
CCF財源
JFPR財源
財源
合計
%
国
3
–
–
15
925.00
–
–
5,350.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1,500.00
–
–
500.00
–
–
–
1,725.00
2,425.00
–
–
7,575.00
0.74
–
–
2.32
4
1
8
40
2,500.00
–
5,500.00
19,280.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
800.00
100.00
2,892.00
2,500.00
800.00
5,600.00
22,172.00
0.77
0.24
1.71
6.79
1
–
4
–
–
1,706.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
300.00
–
–
–
–
1,650.00
300.00
–
3,356.00
0.09
–
1.03
29
9
1
1
10,550.00
1,000.00
650.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
2,550.00
–
–
3,000.00
2,000.00
–
–
6,090.00
53,325.00
–
200.00
19,640.00
58,875.00
650.00
200.00
6.01
18.03
0.20
0.06
–
1
11
–
1,000.00
4,715.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
2,680.00
–
–
3,050.00
–
1,000.00
10,445.00
–
0.31
3.20
–
1
1
–
650.00
600.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
650.00
600.00
–
0.20
0.18
–
10
–
–
3,375.00
–
–
1,500.00
–
–
–
–
–
–
–
–
2,000.00
–
–
500.00
–
–
7,375.00
–
–
2.26
–
–
18
4
–
–
4,460.00
2,170.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
400.00
–
–
–
3,900.00
–
–
–
1,658.00
–
–
–
10,418.00
2,170.00
–
–
3.19
0.66
–
3
9
–
1,100.00
1,175.00
–
–
700.00
–
–
–
–
–
–
–
–
2,700.00
–
90.00
3,430.00
–
1,190.00
8,005.00
–
0.36
2.45
–
–
2
7
–
–
1,400.00
–
–
2,000.00
–
–
–
–
–
–
–
800.00
2,500.00
–
200.00
–
–
1,000.00
5,900.00
–
0.31
1.81
–
1
3
–
–
2,300.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
750.00
500.00
–
750.00
2,800.00
–
0.23
0.86
台湾
タジキスタン
4
2
1
–
950.00
515.00
350.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
825.00
–
–
–
–
–
–
–
1,775.00
515.00
350.00
–
0.54
0.16
0.11
–
東ティモール
3
1
18
2,350.00
–
8,283.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
500.00
1,000.00
–
–
1,800.00
2,350.00
500.00
11,083.00
0.72
0.15
3.39
ウズベキスタン
216
117
82,854.00
64,288.15
4,200.00
7,500.00
–
13,700.00
2,950.00
–
24,205.00
1,181.00
78,760.00 192,969.00
46,899.25 133,568.40
59.10
40.90
DMC小計
147,142.15 11,700.00
13,700.00
2,950.00
25,386.00 125,659.25 326,537.40
100.00
合計
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
ブルネイ
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
タイ
トンガ
トルクメニスタン
ツバル
バヌアツ
ベトナム
地域
統計付録
333
アフガニスタン
170
アジア開発銀行
統計付録 17
2010 年中の技術協力の承認
(金額単位:千ドル)
TAの
アフガニスタン
プロジェクト実施のためのセキュリティ計画(追加)
鉄道開発調査(追加)
電力セクター・マスター・プラン
種類
セクター
PA
PA
PA
PSM
TAI
ENE
小計
バングラデシュ
都市部一次医療(第2期)
統計付録
バングラデシュ・インド送電網相互接続
地方ICT接続性
ガバナンス管理支援
運営の有効性向上のためのナレッジ・マネジメント
地域計画・ガバナンスの強化
エネルギー効率の改善
都市部一次医療セクター開発
TASF
JSF
RCIF
CCF
JFPR
その他
財源
合計
225.00
700.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
– 1,500.00
–
–
–
225.00
700.00
1,500.00
925.00
–
–
– 1,500.00
–
2,425.00
–
–
–
–
–
225.00 英国
–
–
–
–
–
1,500.00 ACEF
–
225.00
225.00
800.00
225.00
675.00
1,500.00
700.00
CD
HSP
225.00
CD
PP
CD
CD
CD
CD
PP
ENE
TAI
PSM
PSM
MUL
MUL
HSP
225.00
225.00
800.00
225.00
675.00
–
700.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
CD
CD
PA
PA
ANR
MUL
ENE
EDU
–
1,000.00
225.00
600.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
500.00
–
–
–
–
–
–
–
500.00
1,000.00
225.00
600.00
CD
CD
PA
EDU
PSM
ANR
225.00
225.00
225.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
225.00
225.00
225.00
5,350.00
–
–
–
500.00
1,725.00
7,575.00
600.00
600.00
450.00
850.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
600.00
600.00
450.00
850.00
2,500.00
–
–
–
–
–
2,500.00
–
–
–
–
–
800.00 ブルネイ
800.00
–
–
–
–
–
800.00
800.00
400.00
–
–
–
–
–
地方インフラ・イニシアチブにおける女性利益の制度
化に関する地方政府技術部門の支援
官民パートナーシップ・プログラムの運用化
天然ガスの料金改革とセクター間配分
中等教育セクター開発
計画中の初等教育セクター開発プログラムに関す
る支援
官民パートナーシップのコミュニケーション戦略
国別水資源評価
小計
ブータン
都市インフラ
航空輸送の接続性の強化
監査リソース管理の強化
公共管理の強化
PP
PP
CD
CD
WMS
TAI
PSM
PSM
小計
ブルネイ
公共財政管理の強化a
CD
PSM
小計
カンボジア
地方分権改革に向けた制度的な枠組みの開発(追
加)
成果モニタリングと調達の見直し
(追加)
金融セクター・プログラム・クラスター3の支援
水セクターの政策・制度改革と能力開発の支援
第3次教育セクター開発プログラム
(ESDP III)
PA
PSM
400.00
オーストラ
CD
PP
CD
PP
TAI
FIN
ANR
EDU
–
700.00
1,000.00
700.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
100.00 リア
–
–
–
100.00
700.00
1,000.00
700.00
– = 0 または該当データなし、ACEF = アジア・クリーン・エネルギー基金、ANR = 農業・天然資源、CCF = 気候変動基金、CD = 能力開発、EDU = 教育、ENE = エネルギー、FIN = 金融、
HSP = 保健・社会的保護、ICT = 情報通信技術、JFPR = 貧困削減日本基金、JSF = 日本特別基金、MUL = マルチセクター、PA = 政策・助言、PP = プロジェクト準備、PSM = 公共政策、
RCIF = 地域協力・統合基金、TA = 技術協力、TAI = 運輸・情報通信技術、TASF = 技術協力特別基金、WMS = 上水道・都市インフラ。
a ブルネイ政府による経費請求可能な技術協力として総裁が承認。
年次報告 2010
171
続き
TAの
州道改良
地方電化
カンボジア石油公社の能力開発
種類
セクター
TASF
PP
PP
CD
TAI
ENE
ENE
1,000.00
1,300.00
400.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1,000.00
1,300.00
400.00
5,500.00
–
–
–
–
100.00
5,600.00
200.00
200.00
80.00
400.00
300.00
225.00
600.00
小計
中国
貴陽における水資源管理の強化(追加)
運営能力の開発と価値追加(追加)
江蘇省塩城の湿地保全(追加)
政策改革・能力開発ファシリティIII(追加)
持続可能な都市開発に関する地域知識ハブの設立
都市化の戦略オプションに関する政策調査
RCIF
CCF
JFPR
その他
財源
合計
PA
CD
PP
PP
PA
PA
PA
ANR
PSM
ANR
TAI
PSM
MUL
MUL
200.00
200.00
80.00
400.00
300.00
225.00
600.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
PA
PA
PP
FIN
PSM
MUL
600.00
1,200.00
600.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
300.00 CEF
–
–
PA
PA
PP
CD
PP
FIN
HSP
TAI
FIN
MUL
500.00
300.00
600.00
500.00
600.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
500.00
300.00
600.00
500.00
600.00
CD
PP
PP
PP
CD
CD
CD
WMS
MUL
MUL
ANR
ENE
ENE
ENE
450.00
700.00
700.00
600.00
–
400.00
500.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
592.00 CEF
–
200.00 CEF
450.00
700.00
700.00
600.00
592.00
400.00
700.00
PA
PA
ANR
MUL
300.00
300.00
–
–
–
–
–
–
–
–
200.00 MDTF–WFPF
–
500.00
300.00
CD
PA
TAI
MUL
200.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
500.00 EAKPF
200.00
500.00
中小企業における省エネルギーと排出量削減のため
の革新的な金融メカニズム
税制・予算管理改革の支援
甘粛省都市インフラ開発・湿地保全
900.00
1,200.00
600.00
北京市のグリーン・ファイナンス開発戦略に関する
調査
地方医療保険:医療機関への支払方法の改善
江西省福州都市総合インフラ改善
地方年金局の能力開発
湖北省黄石市都市公害抑制・環境管理
情報通信技術に基づく産業廃棄物管理のための能
力開発
広西自治区百色市総合都市環境修復
遼寧省中部主要町区の総合開発
寧夏自治区乾地農業・水保全デモンストレーション
自治体天然ガスインフラ開発(フェーズ2)
天津市における省エネルギーの推進
青海省における再生可能エネルギー開発
総合的水資源管理のための効果的な貯水池の活用
MDTF-WFPF
貧困削減のための東西パートナーシップ
雲南省西部の女性少数民族グループによるコミュニ
ティ・ベースの地方道路保守
中小都市の開発のための気候変動対策能力の強化
– = 0 または該当データなし、ANR = 農業・天然資源、CCF = 気候変動基金、CD = 能力開発、CEF = クリーン・エネルギー基金、EAKPF = 韓国 e アジア・知識パートナーシップ基金、ENE
= エネルギー、FIN = 金融、HSP = 保健・社会的保護、ICT = 情報通信技術、JFPR = 貧困削減日本基金、JSF = 日本特別基金、MDTF-WFPF = ウォーター・ファイナンシング・パートナーシップ・
ファシリティに基づくマルチドナー信託基金、MUL = マルチセクター、PA = 政策・助言、PP = プロジェクト準備、PSM = 公共政策、RCIF = 地域協力・統合基金、TA = 技術協力、TAI = 運輸・
情報通信技術、TASF = 技術協力特別基金、WMS = 上水道・都市インフラ。
統計付録
重慶∼貴陽鉄道開発
(追加)
JSF
172
アジア開発銀行
続き
TAの
TASF
JSF
RCIF
CCF
JFPR
種類
セクター
その他
財源
合計
CD
PA
CD
ENE
ANR
TAI
–
800.00
400.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
900.00 CEF
–
–
PA
PA
PP
PA
PP
PP
CD
PP
TAI
ANR
ANR
HSP
ANR
ENE
MUL
ENE
450.00
500.00
900.00
400.00
750.00
550.00
1,500.00
550.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
CD
PA
ANR
PSM
500.00
700.00
–
–
–
–
–
–
–
–
CD
FIN
225.00
–
–
–
–
–
225.00
19,280.00
–
–
–
–
2,892.00
22,172.00
–
–
–
–
300.00
–
300.00
–
–
–
–
300.00
–
300.00
再生可能エネルギーの効率的利用のためのスマート・
グリッド技術の開発CEF
農村開発を中心とする中国中部諸省の開発戦略
鉄道軌道保守のための能力開発
900.00
800.00
400.00
燃料税改革後の道路建設・保守に向けた資金調達
(フェーズ2)
エコ補償の規制に関する調査
安徽省巣湖環境修復
社会福祉に関する機会の平等化
統計付録
陝西省渭南市卤䧈湖塩類アルカリ土壌管理
山西省エネルギー効率・環境改善
パートナーシップ・開発効果の強化に向けた能力開発
黒竜江省エネルギー効率地区暖房
450.00
500.00
900.00
400.00
750.00
550.00
1,500.00
550.00
青海省における参加型灌漑・プロジェクト管理能力
の強化
中期的財政改革の強化
200.00 MDTF–WFPF
–
700.00
700.00
マイクロファイナンス・ホールセール融資に関するパ
ートナー銀行の能力開発
小計
クック諸島
財政運営・公共セクター・パフォーマンス・レビュー
PA
PSM
小計
グルジア
都市サービス改善投資プログラムのためのマルチト
ランシェ融資ファシリティの準備
都市水供給および衛生セクター戦略・規制枠組み
PP
WMS
493.50
–
–
–
–
–
493.50
の開発
地理空間情報に基づく水供給および衛生サービス管
PA
WMS
862.50
–
–
–
–
–
862.50
理システムの開発
地域送電強化
CD
PP
WMS
ENE
–
350.00
–
–
–
–
–
–
–
–
800.00 SPCF
850.00 SPCF
1,706.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
小計
インド
チャティスガル州の灌漑管理改善のための水利用者
組合のエンパワーメント
(追加)
貧困削減のための高度なプロジェクト準備−持続的
CD
ANR
1,650.00
800.00
1,200.00
3,356.00
850.00 英国/
850.00
MDTF-WFPF
CD
ANR
–
–
–
–
(追加)
ト 3)
気候変動に関する国家行動計画に対する支援(追加) PA
MUL
200.00
–
–
–
90.00 英国
–
90.00
な沿岸保全・管理のための能力開発(サブプロジェク
–
–
200.00
– = 0 または該当データなし、ANR = 農業・天然資源、CCF = 気候変動基金、CD = 能力開発、CEF = クリーン・エネルギー基金、ENE = エネルギー、FIN = 金融、HSP = 保健・社会的保
護、ICT = 情報通信技術、JFPR = 貧困削減日本基金、JSF = 日本特別基金、MDTF-WFPF = ウォーター・ファイナンシング・パートナーシップ・ファシリティに基づくマルチドナー信託基金、
MUL = マルチセクター、PA = 政策・助言、PP = プロジェクト準備、PSM = 公共政策、RCIF = 地域協力・統合基金、SPCF = 技術協力のためのスペイン協力基金、TA = 技術協力、TAI = 運輸・
情報通信技術、TASF = 技術協力特別基金、WMS = 上水道・都市インフラ。
年次報告 2010
173
続き
TAの
種類
セクター
CD
CD
ANR
MUL
PA
TAI
PP
CD
PP
TASF
JSF
RCIF
CCF
JFPR
その他
財源
合計
カルナタカ州総合水資源管理・持続的な給水サービ
225.00
225.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
– 1,100.00 英国
1,100.00
WMS
MUL
ENE
–
1,500.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
600.00 英国
–
700.00 英国
600.00
1,500.00
700.00
CD
CD
TAI
ENE
1,000.00
300.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1,000.00
300.00
CD
PP
MUL
PSM
1,000.00
–
–
–
–
–
–
–
2,000.00
–
–
200.00 英国
3,000.00
200.00
PP
CD
ENE
ENE
400.00
225.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
400.00
225.00
PP
CD
ENE
TAI
225.00
1,500.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
225.00
1,500.00
CD
WMS
–
–
–
–
1,000.00
–
1,000.00
CD
PA
PA
ANR
WMS
MUL
–
225.00
225.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
600.00 英国
–
–
PA
MUL
1,500.00
–
–
–
–
–
クト 12)
水資源セクター実施機関のプロジェクト管理能力
CD
ANR
–
–
–
–
–
850.00 英国
850.00
開発
アッサム州都市インフラ
CD
PP
CD
ANR
MUL
WMS
225.00
225.00
900.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
225.00
225.00
900.00
CD
MUL
225.00
–
–
–
–
–
225.00
CD
TAI
–
–
1,100.00 英国
ス
(追加)
ADB業務を支える政府機関の能力開発
–
–
225.00
225.00
貧困削減のための高度なプロジェクト準備−シッキ
ム州の陸上運輸管理・マスタープラン
(サブプロジ
ェクト 6)
貧困削減のための高度なプロジェクト準備−ヒマチ
ャルプラデシュ州都市開発投資計画の作成(サブプ
ロジェクト 7)
貧困削減のための高度なプロジェクト準備−マディヤ
プラデシュ州都市環境改善II(サブプロジェクト 8)
英国
ビハール州道路セクター能力開発
ビハール州電力セクター能力開発
官民パートナーシップの維持に向けた能力開発の
強化
貧困削減のための高度なプロジェクト準備−メガラ
ヤ州公共資源管理開発プロジェクト
(サブプロジェク
ト 9)英国
マディヤプラデシュ州エネルギー効率改善
電力供給網のための革新的な資金調達手法
ヒマチャルプラデシュ州クリーン・エネルギー伝送プ
ログラム
カルナタカ州道路セクター能力開発
地方における生計向上のためのインフラ開発プロジ
ェクト管理に向けた能力開発
貧困削減のための高度なプロジェクト準備−アッサム
州におけるコミュニティ・ベースの洪水リスク管理の
ための能力開発
(サブプロジェクト 10)
デリー市のスラムをなくすための戦略的枠組み
インフラ開発に向けた請負工事・建設業界の強化
600.00
225.00
225.00
全ての人々に恩恵をもたらす成長のためのナレッジ・
マネジメント
貧困削減のための高度なプロジェクト準備−ビハー
1,500.00
ル州・マハラシュトラ州のアグリビジネスにおける価
値連鎖アプローチに向けた制度開発(サブプロジェ
マディヤプラデシュ州における都市サービスの改善
ADBが支援する都市開発プロジェクトにおける都市
交通サブセクターの強化
貧困削減のための高度なプロジェクト準備−ジャー
ルカンド州道路セクター能力開発(サブプロジェク
ト 11)
–
–
–
1,100.00
– = 0 または該当データなし、ANR = 農業・天然資源、CCF = 気候変動基金、CD = 能力開発、EDU = 教育、ENE = エネルギー、EU = 欧州連合、FIN = 金融、IAT = 工業・貿易、ICT = 情
報通信技術、JFPR = 貧困削減日本基金、JSF = 日本特別基金、MUL = マルチセクター、NDF = 北欧開発基金、PA = 政策・助言、PP = プロジェクト準備、PSM = 公共政策、RCIF = 地域協力・
統合基金、RTFSI = 域内貿易・金融安全保障イニシアティブ協力基金、SME = 中小企業、TA = 技術協力、TAI = 運輸・情報通信技術、TASF = 技術協力特別基金、WMS = 上水道・都市インフラ。
統計付録
プロジェクト実施のための能力開発
174
アジア開発銀行
続き
TAの
種類
ビハール州幹線道路III
PP
セクター
TAI
小計
TASF
JSF
RCIF
CCF
JFPR
その他
財源
合計
225.00
–
–
–
–
–
225.00
10,550.00
–
–
– 3,000.00
6,090.00
19,640.00
–
–
インドネシア
西ジャワ州の6河川流域における総合水資源管理の
ための組織強化
(追加)
分析・能力開発パートナーシップ
CD
MUL
–
2,550.00
–
–
CD
EDU
–
–
–
–
– 50,000.00 ア/EU
大都市圏衛生管理・保健に関する能力開発
50,000.00
オーストラ
統計付録
CD
WMS
500.00
–
–
–
–
1,000.00 リア
地熱発電開発オーストラリア
中央政府の公共調達プロセスの強化
2,550.00
オーストラリ
1,500.00
オーストラ
PP
CD
ENE
PSM
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1,000.00
1,500.00 リア
–
1,500.00
1,000.00
CD
CD
PSM
MUL
500.00
–
–
–
–
–
–
–
–
500.00
–
–
CD
PA
WMS
ANR
–
–
–
–
–
–
–
–
–
500.00
825.00 リア
–
1,000.00
–
–
2,550.00
650.00
–
–
–
–
–
650.00
650.00
–
–
–
–
–
650.00
–
–
–
–
–
200.00 リア
200.00
–
–
–
–
–
200.00
200.00
1,000.00
–
–
–
–
–
1,000.00
1,000.00
–
–
–
–
–
1,000.00
225.00
600.00
500.00
300.00
700.00
700.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
250.00 RTFSI
2,800.00 NDF
–
–
225.00
600.00
750.00
3,100.00
700.00
700.00
–
–
–
–
1,000.00
–
1,000.00
–
1,000.00
–
690.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
480.00
–
1,200.00
–
–
–
–
–
480.00
1,000.00
1,200.00
690.00
4,715.00
–
–
–
2,680.00 3,050.00
10,445.00
プロジェクトの有効性向上に向けた国家開発計画庁
の能力およびナレッジ・マネジメントの強化
官民パートナーシップのための能力開発支援
水供給機関のパートナーシップ支援
水資源セクターの制度強化
オーストラ
小計
カザフスタン
中小企業育成支援のための能力強化
CD
FIN
小計
2,000.00 53,325.00
キリバス
タラワ衛生改善(追加)
825.00
500.00
58,875.00
オーストラ
PP
WMS
小計
キルギス
電力セクター修復
500.00
500.00
PP
ENE
小計
ラオス
メコン河流域圏ナムトゥン2水力発電プロジェクト−
PA
PP
CD
CD
PP
PP
ENE
ENE
FIN
MUL
EDU
WMS
トナーシップの枠組みに関する支援
農業セクターにおけるジェンダーの組み込みのため
PA
IAT
の能力強化
南部接続交通
CD
PP
PP
CD
ANR
TAI
ANR
PSM
社会的セーフガードのモニタリング
(追加)
小規模・極小規模水力発電開発(追加)
金融セクター監督強化
気候変動対策のための能力強化
基礎教育セクター開発プログラムII
パークセー都市環境改善
民間セクター・中小企業開発プログラム終了後のパー
東西経済回廊に沿った地方アクセスの改善
国家統計システムの能力強化
小計
– = 0 または該当データなし、ANR = 農業・天然資源、CCF = 気候変動基金、CD = 能力開発、EDU = 教育、ENE = エネルギー、EU = 欧州連合、FIN = 金融、IAT = 工業・貿易、ICT =
情報通信技術、JFPR = 貧困削減日本基金、JSF = 日本特別基金、MUL = マルチセクター、NDF = 北欧開発基金、PA = 政策・助言、PP = プロジェクト準備、PSM = 公共政策、RCIF = 地域
協力・統合基金、RTFSI = 域内貿易・金融安全保障イニシアティブ協力基金、SME = 中小企業、TA = 技術協力、TAI = 運輸・情報通信技術、TASF = 技術協力特別基金、WMS = 上水道・都
市インフラ。
年次報告 2010
175
続き
TAの
種類
セクター
TASF
JSF
RCIF
CCF
JFPR
その他
財源
合計
モルジブ
インクルーシブなマイクロ企業・中小企業開発の支援
PP
IAT
小計
マーシャル諸島
公共セクター・プログラムの支援
PA
PSM
小計
PP
TAI
PA
CD
CD
PA
PA
PA
PA
PA
CD
ENE
TAI
TAI
EDU
FIN
WMS
PSM
ENE
MUL
–
–
–
–
–
650.00
650.00
–
–
–
–
–
650.00
600.00
–
–
–
–
–
600.00
600.00
–
–
–
–
–
600.00
225.00
–
–
–
–
–
225.00
–
–
150.00
100.00
500.00
–
1,800.00
–
600.00
1,500.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
400.00
–
600.00
–
1,000.00
–
–
500.00 EAKPF
–
–
–
–
–
–
–
1,500.00
500.00
150.00
500.00
500.00
600.00
1,800.00
1,000.00
600.00
3,375.00
1,500.00
–
–
2,000.00
500.00
7,375.00
75.00
160.00
–
–
–
–
–
–
–
400.00
–
–
–
–
–
ウランバートル・官民パートナーシップモデルを活用
した低炭素エネルギー供給プロジェクト
公共輸送情報通信技術
国家道路セクター能力開発ロードマップの作成
知識社会に向けた高等教育改革
官民パートナーシップ開発
ウランバートル給水・衛生サービス・計画の改善
開発成果マネジメント
エネルギー・セクター開発計画の更新
パートナーシップ・開発効果の改善に向けた能力開発
小計
ネパール
気候変動・環境管理能力の強化(追加)
高山部のアグリビジネス・生計改善(HIMALI)
(追加)
地方におけるエネルギーへのアクセスの改善
CD
PP
CD
PSM
ANR
ENE
–
–
933.00 DEN-E/
475.00
160.00
933.00
DEN-E2/
フィンランド
気候耐性構築に向けた政府計画策定の支援
社会保障制度の枠組み開発支援
地方金融セクター開発のための能力開発
地方分権型の地方インフラおよび生計II
ガバナンス支援プログラム
(サブプログラム 2)
技術教育・職業訓練に関する能力開発支援
エネルギー危機に対応する水力発電の開発
廃棄物管理に関する能力開発
エネルギー・セクター能力開発
エネルギーへのアクセスおよび効率の改善II
PA
CD
CD
PP
PP
CD
PP
CD
CD
PP
MUL
HSP
FIN
ANR
PSM
EDU
ENE
WMS
ENE
ENE
–
200.00
300.00
–
200.00
225.00
–
500.00
600.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
500.00
–
–
2,000.00
–
–
600.00
CD
PP
PA
CD
CD
PSM
WMS
ANR
PSM
EDU
250.00
–
1,500.00
225.00
225.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
800.00
–
–
–
225.00 SCF-PPCR
–
–
–
–
–
–
–
–
–
225.00
200.00
300.00
500.00
200.00
225.00
2,000.00
500.00
600.00
600.00
–
–
500.00 IFAD
–
–
250.00
800.00
2,000.00
225.00
225.00
官民パートナーシップのための都市開発基金の能
力強化
総合都市開発
農業開発戦略の策定
公共調達管理・ポートフォリオ・パフォーマンスの強化
学校セクター改革プログラムの実施支援
– = 0 または該当データなし、ANR = 農業・天然資源、CCF = 気候変動基金、CD = 能力開発、DEN-E = 農村部における再生可能エネルギーとエネルギー効率のためのデンマーク協力基金、
DEN-E2= 農村部における再生可能エネルギーとエネルギー効率のためのデンマーク第 2 協力基金、EAKPF = 韓国 e アジア・知識パートナーシップ基金、EDU = 教育、ENE = エネルギー、
FIN = 金融、HSP = 保健・社会的保護、IAT = 工業・貿易、ICT = 情報通信技術、IFAD = 国際農業開発基金、JFPR = 貧困削減日本基金、JSF = 日本特別基金、MUL = マルチセクター、PA
= 政策・助言、PP = プロジェクト準備、PSM = 公共政策、RCIF = 地域協力・統合基金、SCF-PPCR = 戦略気候基金−気候耐性パイロット・プログラム、TEVT = 技術教育・職業訓練、TA =
技術協力、TAI = 運輸・情報通信技術、TASF = 技術協力特別基金、WMS = 上水道・都市インフラ。
統計付録
モンゴル
都市交通開発
(追加)
650.00
176
アジア開発銀行
続き
TAの
種類
セクター
小計
パキスタン
鉄道開発投資プログラム
洪水(2010年)
被害・ニーズ評価
カラチ港湾トラスト
水セクター・タスクフォース
PP
PA
PP
PA
TAI
MUL
TAI
WMS
小計
TASF
JSF
RCIF
CCF
JFPR
その他
財源
統計付録
4,460.00
–
–
400.00
3,900.00
1,658.00
10,418.00
1,500.00
220.00
225.00
225.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1,500.00
220.00
225.00
225.00
2,170.00
–
–
–
–
–
2,170.00
75.00
800.00
225.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
90.00 ランド
–
–
1,100.00
–
–
–
–
90.00
パプアニューギニア
地方一次医療サービスの強化(追加)
地方アクセス改善のための橋梁建て替え
第2次コミュニティ水運セクター
合計
ニュージー
PP
PP
PP
HSP
TAI
TAI
小計
165.00
800.00
225.00
1,190.00
フィリピン
コンピュータ・アクセス指導プログラム−教育の質の
CD
PP
CD
CD
PA
PP
PA
EDU
ENE
MUL
MUL
PSM
WMS
MUL
–
–
800.00
–
150.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1,400.00
500.00
630.00
–
300.00
–
2,000.00
–
を通じた気候変動の軽減
持続可能な天然資源・地方インフラ管理の地方分権
PP
ENE
225.00
700.00
–
–
–
–
925.00
型枠組み
CD
ANR
–
–
–
–
1,300.00
–
1,300.00
1,175.00
700.00
–
–
2,700.00
3,430.00
8,005.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
800.00
200.00 リア
–
–
–
–
–
800.00
200.00
1,000.00
– 2,000.00
500.00
–
–
–
–
–
600.00
–
–
–
300.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1,000.00
700.00
–
800.00
–
–
–
–
–
–
–
–
2,000.00
500.00
1,000.00
700.00
600.00
800.00
300.00
改善に向けた官民パートナーシップ
ルソン島における風力発電プロジェクト3件
社会的保護に関する能力開発
社会的保護のジェンダー効果の強化
フィリピン経済の構造的変化に関する調査
都市水供給・衛生
社会保障制度改革支援
EAKPF
ACEF
GDCF
フランス
500.00
630.00
800.00
300.00
150.00
2,000.00
1,400.00
エネルギー効率の向上とクリーン・エネルギーの利用
小計
ソロモン諸島
国家戦略計画策定の支援
運輸セクター開発支援
オーストラ
CD
CD
PSM
TAI
小計
スリランカ
財政管理効率化プロジェクトの支援
北部州道開発局の能力開発
複合輸送
低開発自治体のインフラ開発
給水・衛生サービスの能力開発
技術教育・職業訓練セクター開発
計画策定・政策立案支援(フェーズ1)
CD
CD
PP
PP
CD
PP
PA
PSM
TAI
TAI
WMS
WMS
EDU
PSM
200.00
800.00
– = 0 または該当データなし、ACEF = アジア・クリーン・エネルギー基金、ANR = 農業・天然資源、CCF = 気候変動基金、CD = 能力開発、EAKPF = 韓国 e アジア・知識パートナーシップ
基金、EDU = 教育、ENE = エネルギー、FIN = 金融、GDCF = ジェンダーと開発協力基金、HSP = 保健・社会的保護、ICT = 情報通信技術、IFAD = 国際農業開発基金、JFPR = 貧困削減日
本基金、JSF = 日本特別基金、MUL = マルチセクター、PA = 政策・助言、PP = プロジェクト準備、PSM = 公共政策、RCIF = 地域協力・統合基金、TA = 技術協力、TAI = 運輸・情報通信
技術、TASF = 技術協力特別基金、WMS = 上水道・都市インフラ。
年次報告 2010
177
続き
TAの
種類
セクター
小計
タジキスタン
天然資源投資のための気候耐性
資本市場開発(フェーズ3)
CD
ANR
PA
PA
CD
MUL
FIN
ENE
小計
東ティモール
オエクシ県・エルメラ県の上水道修復
道路網開発の支援
効果的な援助管理の支援
大規模公共投資の強化
PP
PA
CD
CD
MUL
TAI
PSM
PSM
小計
トルクメニスタン
南北鉄道
PP
TAI
小計
トンガ
トンガ∼フィジー諸島海底ケーブル
総合都市開発セクター第2期
PP
PP
TAI
WMS
小計
ウズベキスタン
マイクロファイナンス開発のための能力開発
成長の維持と福祉の改善
最新式の電気使用量測定
CD
PA
PP
FIN
PSM
ENE
小計
バヌアツ
国有企業合理化プログラム
PA
PSM
小計
ベトナム
オモン火力発電所官民共同開発の支援(追加)
RCIF
PP
ENE
CCF
JFPR
–
–
2,500.00
水管理強化・灌漑システム修復(追加)
ダナン市給水
(追加)
ベンルック∼ロンタイン高速道路
(追加)
北部山岳諸省の地方インフラ開発(追加)
ホーチミン市都市大量高速輸送第2路線(追加)
マイクロファイナンス・セクター開発プログラム
財源
–
合計
5,900.00
–
–
–
–
–
750.00 SCF-PPCR
750.00
–
–
–
–
–
750.00
750.00
1,000.00
900.00
400.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
500.00 EAKPF
–
–
1,500.00
900.00
400.00
2,300.00
–
–
–
–
500.00
2,800.00
700.00
–
–
250.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
225.00
600.00
–
–
–
–
–
700.00
225.00
600.00
250.00
950.00
–
–
–
825.00
–
1,775.00
350.00
–
–
–
–
–
350.00
350.00
–
–
–
–
–
350.00
165.00
350.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
165.00
350.00
515.00
–
–
–
–
–
515.00
600.00
750.00
1,000.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
600.00
750.00
1,000.00
2,350.00
–
–
–
–
–
2,350.00
–
–
–
–
500.00
–
500.00
–
–
–
–
500.00
–
500.00
260.00
–
–
–
–
–
メコンデルタ中部地域の接続性(追加)
ホーチミン市給水
(追加)
その他
260.00
オーストラ
PP
PP
PP
PP
PP
PP
PP
PP
TAI
WMS
ANR
WMS
TAI
ANR
TAI
FIN
–
–
120.00
200.00
33.00
300.00
440.00
500.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
– 1,450.00 リア
–
300.00 MDTF-WFPF
–
–
–
–
–
–
–
50.00 GEF
–
–
–
–
1,450.00
300.00
120.00
200.00
33.00
350.00
440.00
500.00
– = 0 または該当データなし、ANR = 農業・天然資源、CCF = 気候変動基金、CD = 能力開発、EAKPF = 韓国 e アジア・知識パートナーシップ基金、EDU = 教育、ENE = エネルギー、FIN
= 金融、ICT = 情報通信技術、JFPR = 貧困削減日本基金、JSF = 日本特別基金、MDTF-WFPF = ウォーター・ファイナンシング・パートナーシップ・ファシリティに基づくマルチドナー信託
基金、MUL = マルチセクター、PA = 政策・助言、PP = プロジェクト準備、PSM = 公共政策、RCIF = 地域協力・統合基金、SCF-PPCR = 戦略気候基金−気候耐性パイロット・プログラム、
TA = 技術協力、TAI = 運輸・情報通信技術、TASF = 技術協力特別基金、WMS = 上水道・都市インフラ。
統計付録
バンチャク太陽発電
JSF
1,400.00 2,000.00
小計
タイ
官民パートナーシップの組み込み
TASF
178
アジア開発銀行
続き
TAの
TASF
JSF
RCIF
CCF
JFPR
種類
セクター
その他
財源
合計
ン市、
ドンダン市)
道路輸送の制度・財政、運営・保守およびガバナンス
PP
MUL
1,200.00
–
–
–
–
–
1,200.00
の強化
河川流域水資源計画の策定に関する能力開発
PA
CD
CD
PP
PP
CD
TAI
ANR
ENE
TAI
ENE
PSM
–
580.00
600.00
225.00
1,500.00
225.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1,000.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1,000.00
580.00
600.00
225.00
1,500.00
225.00
CD
PP
PSM
EDU
1,300.00
800.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1,300.00
800.00
–
–
1,000.00 1,800.00
11,083.00
– 2,950.00 24,205.00 78,760.00
192,969.00
総合的・社会経済的な都市開発(ベトチー市、
フンイエ
特定の能力開発を通じた国家送電総公社の効率化
ホーチミン市外環道路技術協力融資
送電投資プログラム
(MFF)
官民パートナーシップ
(PPP)支援
統計付録
結果重視型の社会経済開発計画(2011∼2015年)
の策定と実施
後期中等教育開発II
小計
合計
8,283.00
–
82,854.00 4,200.00
– = 0 または該当データなし、ANR = 農業・天然資源、CCF = 気候変動基金、CD = 能力開発、EDU = 教育、ENE = エネルギー、FIN = 金融、GEF = 地球環境ファシリティ、ICT = 情報通
信技術、JFPR = 貧困削減日本基金、JSF = 日本特別基金、MFF = マルチトランシェ融資ファシリティ、MUL = マルチセクター、PA = 政策・助言、PP = プロジェクト準備、PSM = 公共政策、
RCIF = 地域協力・統合基金、TA = 技術協力、TAI = 運輸・情報通信技術、TASF = 技術協力特別基金。
179
年次報告 2010
統計付録 18
b
∼ 2010 年、2009 年、2010 年)
技術協力承認(セクター別)a, (1967
1967–2010
件数
農業・天然資源
合計
5,455
エネルギー
金融
保健・社会的保護
工業・貿易
公共政策
運輸・情報通信技術
上水道・都市インフラ
%
639,443.06
205,960.42
314,286.11
247,112.22
103,593.42
122,062.50
543,092.30
389,351.30
253,812.15
156,896.37
件数
2010
千ドル
%
件数
千ドル
%
21.49
6.92
10.56
8.30
3.48
4.10
18.25
13.08
8.53
5.27
33
5
31
9
8
1
32
41
19
19
24,248.46
3,359.70
25,525.00
8,900.00
3,975.00
900.00
21,085.00
29,115.00
15,951.00
13,210.00
16.58
2.30
17.45
6.08
2.72
0.62
14.42
19.91
10.91
9.03
29
11
34
12
6
2
33
34
23
32
17,760.00
55,275.00
25,665.00
7,025.00
1,990.00
1,650.00
18,890.00
20,413.00
15,206.00
29,095.00
9.20
28.64
13.30
3.64
1.03
0.86
9.79
10.58
7.88
15.08
2,975,609.84 100.00
198
146,269.16
100.00
216
192,969.00
100.00
a 融資による地域技術協力および技術協力を除く。
b データは各国政府によりキャンセルされた技術協力を除外するように調整されている。
統計付録 19
a
融資によるコンサルティング・サービスと技術協力 (セクター別)
(2010 年)
(金額単位:千ドル)
融資
技術協力グラント
セクター
件数
金額
(百万ドル)
農業・天然資源
マルチセクター
10
1
8
1
1
–
3
18
7
7
34,195.23
3,080.25
28,019.21
3,263.91
1,299.72
–
14,845.93
158,001.19
37,172.85
34,293.77
10.9
1.0
8.9
1.0
0.4
–
4.7
50.3
11.8
10.9
合計
56
314,172.05
100.0
教育
エネルギー
金融
保健・社会的保護
工業・貿易
公共政策
運輸・情報通信技術
上水道・都市インフラ
– = 0。
a ADB の融資データおよび地域活動に含まれる融資の下で融資される技術協力は除外。
%
件数
金額
(百万ドル)
%
29
11
34
12
6
2
33
34
23
32
17,760.00
55,275.00
25,665.00
7,025.00
1,990.00
1,650.00
18,890.00
20,413.00
15,206.00
29,095.00
9.20
28.64
13.30
3.64
1.03
0.86
9.79
10.58
7.88
15.08
216
192,969.00
100.00
統計付録
マルチセクター
1,256
315
594
510
197
265
973
743
463
139
教育
2009
千ドル
180
アジア開発銀行
統計付録 20
2010 年中の技術協力(地域案件)
(金額単位:千ドル)
TASF
JSF
RCIF
CCF
JFPR
その他
財源
合計
能力開発
ジェンダーの平等と女性の権利拡大の推進(追加)
1,000.00
1,000.00
–
–
–
–
–
–
–
–
140.15
–
–
–
–
–
140.15
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
131.25 英国
200.00 GEF
131.25
200.00
知識・革新支援
(追加)
アジア・太平洋地域における災害リスク軽減策の現状把
–
–
–
–
–
握とマッピング
(追加)
アジアのインフラ・ファイナンスを支援するeシステムの
637.00
–
–
–
–
1,000.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
750.00
1,500.00
–
–
–
–
–
–
–
–
1,200.00
–
–
–
–
–
1,200.00
220.00
–
–
–
–
–
220.00
–
–
1,500.00
–
1,000.00
–
–
–
–
–
–
1,000.00 ACEF
2,500.00
1,000.00
1,000.00
–
–
–
–
–
1,000.00
–
225.00
–
–
–
–
500.00
–
1,000.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
500.00
225.00
1,000.00
–
–
1,000.00
–
–
500.00
510.00
225.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
GDCF
南アジア開発パートナーシップ・プログラム
(追加)
835.00 GDCF
–
1,835.00
1,000.00
プロジェクト実施・運営に関する能力開発セミナー
(追加)
(2007∼2009年)
南アジアにおける民間セクター主導の統合・自由貿易
協定(追加)
太平洋地域における省エネルギーの推進(追加)
GEF
統計付録
ADBのウォーター・ファイナンシング・プログラムに対する
設置(追加)
EAKPF
太平洋地域の開発途上加盟国の気候変動対策に関する
(追加)
能力強化(フェーズ1)
メコン河流域圏プノンペン開発管理計画IV
(追加)PRC
RPRF
南アジア地域経済協力の支援
1,500.00 MDTF–WFPF
–
500.00 EAKPF
1,500.00 ACEF
500.00 PRC RPRF
–
1,500.00
637.00
1,500.00
1,500.00
1,250.00
1,500.00
特定のアジア諸国に対する地域経済・金融モニタリング
に関する技術訓練と能力開発
開発途上加盟国のための融資実行・融資会計・返済に関
する訓練とセミナー
太平洋地域における国境管理および貿易・観光開発に向
けた能力強化と制度開発
太陽エネルギープログラムのニーズ評価と開発ACEF
ビジネス機会に関するアウトリーチ・イニシアチブ
(2010
∼2012年)
アジア・太平洋地域のHIV/エイズ対策に向けた証拠に基
づく政策提言:HIV/エイズに関する地域データ・ハブ
南アジアにおける特定プロジェクトのインパクト評価
中央・西アジアにおける水・適応対策
北東アジアにおける地域草地管理に向けた炭素ファイ
ナンシングの強化
南アジアの開発途上加盟国におけるジェンダーの平等
(サブプロジェクト 1)
に関する成果の改善
(フェーズ2)
外貨準備の投資管理に関する地域フォーラム
固定資産管理の改善を通じた公共財政運営の強化
400.00 PRC RPRF
–
–
–
1,400.00
500.00
510.00
225.00
– = 0 または該当データなし、ACEF = アジア・クリーン・エネルギー基金、CCF = 気候変動基金、EAKPF = 韓国 e アジア・知識パートナーシップ基金、GDCF = ジェンダーと開発協力基金、
GEF = 地球環境ファシリティー、HIV/ エイズ = ヒト免疫不全ウィルス / 後天性免疫不全症候群、JFPR = 貧困削減日本基金、JSF = 日本特別基金、MDTF-WFPF = ウォーター・ファイナンシング・
パートナーシップ・ファシリティに基づくマルチドナー信託基金、PRC RPRF = 地域協力・貧困削減中国基金、RCIF = 地域協力・統合基金、TASF = 技術協力特別基金。
年次報告 2010
181
続き
TASF
JSF
RCIF
CCF
JFPR
–
–
800.00
–
2,000.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
3,200.00
5,000.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
900.00 CCS
–
–
–
–
– 1,000.00 MDTF–WFPF
–
–
–
–
181.00
1,250.00
500.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
– 2,000.00 ACEF
2,000.00
1,000.00
–
–
–
–
–
1,000.00
175.00
–
–
–
–
–
175.00
の確保
メコン河流域圏における再生可能エネルギー、
クリーン
–
–
–
–
– 1,350.00
燃料および省エネルギーの推進
ボアオ・アジア・フォーラムおよびアジア輸出入銀行フォ
–
–
–
–
– 1,000.00 ACEF/CEF
–
–
–
–
–
基づく政策立案の推進
ノンソブリン・マイクロファイナンス融資イニシアチブの
1,450.00
–
–
–
–
–
1,450.00
ための市場調査
アジア・太平洋地域における年金基金業界の強化に向け
135.00
–
–
–
–
–
135.00
225.00
225.00
900.00
1,500.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
225.00
225.00
900.00
1,500.00
250.00
1,120.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
250.00
1,120.00
その他
財源
合計
アジア・太平洋地域におけるコミュニティ主導の開発に
関する知識の共有
河川流域における治水投資の支援
中央・西アジアにおける環境セーフガード実施の改善
500.00 EAKPF
–
–
500.00
2,000.00
800.00
中央・西アジアの開発途上加盟国におけるジェンダーに
配慮した成長の推進
国別セーフガード制度の利用の強化
3,200.00
5,000.00
東南アジアにおける炭素回収のポテンシャルに関する
調査
アジア・太平洋地域における気候変動対策の推進−水お
900.00
MDTF-WFPF
1,000.00
国際租税に関する特定の開発途上加盟国の能力開発:
第18次租税会議
アジア・太平洋地域における気候変動対策の推進−災
–
181.00
害・気候変動の影響に対する耐性の構築(サブプロジェ
クト 2)
社会的保護指標の更新と改善
–
500.00 EAKPF
1,250.00
1,000.00
アジア太陽エネルギー・イニシアチブのための知識プラ
ットフォームの開発
アジア・太平洋地域における気候変動対策の推進−気候
変動対策のための能力開発(サブプロジェクト 3)
資源収入管理のための地域知識共有プラットフォーム
の確立
メコン河流域圏における地域電力開発の持続可能性
フランス
1,350.00
1,000.00
ーラムにおける地域経済統合・パートナーシップに関す
る対話の支援
500.00 PRC RPRF
500.00
太平洋地域におけるジェンダーの平等に向けた証拠に
た太平洋年金研究所に対する支援
GMS鉄道調整局の設立準備
航空規制に関する制度強化
中央・西アジアにおける金融セクターの開発
信用補完商品の管理に関する開発途上加盟国の能力強
化
(フェーズ2)
金融機関の能力開発
(フェーズ2)
– = 0 または該当データなし、ACEF = アジア・クリーン・エネルギー基金、CCF = 気候変動基金、CCS = 炭素回収・貯留基金、CEF = クリーン・エネルギー基金、EAKPF = 韓国 e アジア・
知識パートナーシップ基金、GMS = メコン河流域圏、JFPR = 貧困削減日本基金、JSF = 日本特別基金、MDTF-WFPF = ウォーター・ファイナンシング・パートナーシップ・ファシリティ
に基づくマルチドナー信託基金、PRC RPRF = 地域協力・貧困削減中国基金、RCIF = 地域協力・統合基金、TASF = 技術協力特別基金。
統計付録
よび気候変動に関する投資支援
(サブプロジェクト 1)
182
アジア開発銀行
続き
TASF
JSF
RCIF
CCF
JFPR
その他
財源
合計
アジアにおける環境に関する訴追、
裁判、紛争解決、
コン
プライアンスおよび執行についての能力開発
投資環境評価に向けた財務健全性指標の収集・分析に
500.00
–
500.00
–
–
–
1,000.00
関する組織的能力の強化
独立評価局におけるOJT研修を通じた評価能力の開発
–
–
–
–
–
500.00 ICFF
500.00
225.00
–
–
–
–
–
225.00
520.00
–
–
–
–
–
520.00
28,882.15
3,500.00
4,000.00
–
181.00
14,816.25
51,379.40
–
–
–
–
–
600.00
1,500.00
–
1,000.00
–
–
500.00 PRC RPRF
1,500.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
66.00
1,050.00
–
700.00
–
–
–
–
–
–
–
–
168.00
–
–
–
–
–
–
750.00
–
–
–
–
600.00 ICFF
–
600.00
750.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
550.00 ICFF
1,250.00 ICFF
550.00
1,250.00
–
500.00
–
100.00
–
–
–
–
–
450.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1,500.00 ICFF/EAKPF
500.00 PRC RPRF
2,000.00 ICFF/EAKPF
–
1,500.00
1,450.00
2,000.00
100.00
–
–
900.00
–
–
–
900.00
角地帯における官民パートナーシップの開発
固形廃棄物管理に関する主な開発課題と初回プロジェク
1,000.00
–
–
–
–
–
1,000.00
トのパイプライン
南アジアにおける地域交通の開発
225.00
1,100.00
–
–
–
900.00
–
–
–
–
–
–
225.00
2,000.00
開発成果マネジメントに関するアジア・太平洋実務コミュ
ニティ−概念から実施へ
小計
統計付録
政策および助言
民間セクター開発イニシアチブ
(追加)
オーストラリア
600.00
中央アジア地域経済協力の強化(2007∼2011年)
(追
加)
PRC RPRF
戦略的知識商品および研究ネットワーク構築の支援
(追加)
援助効果に関する第3回ハイレベル・フォーラムおよび準
備協議プロセスの支援(追加)
太平洋インフラ助言センターの設立(追加)
3,000.00
1,500.00
ドイツ
オーストラリア
66.00
1,050.00
珊瑚礁三角地帯イニシアチブに対するナレッジ・マネジ
メント、政策および制度に関する支援に向けた地域協
力
(追加)
援助効果に関する第4回ハイレベル・フォーラム
オーストラリア
168.00
700.00
貿易・投資・価値連鎖の推進に向けた東西経済回廊沿い
の現地商工会議所の強化
マイクロ保険の確立
南アジアにおける国内信用格付け機関の規制の枠組
みおよび信用格付け情報の利用に関するベスト・プラ
クティス
ASEAN+3の債券市場における流動性の向上 ICFF
ブルネイ・インドネシア・マレーシア・フィリピン東ASEAN
成長地域における貿易促進支援
GMSプログラムの調整の強化
相互に接続されたASEAN資本市場の推進
アジア・太平洋経済協力の推進
モンゴル・中国のための地域協力プログラムの開発(フ
ェーズ2)
ブルネイ・インドネシア・マレーシア・フィリピン東ASEAN
成長地域およびインドネシア・マレーシア・タイ成長の三
– = 0 または該当データなし、ASEAN = 東南アジア諸国連合、ASEAN+3 = 東南アジア諸国連合プラス中国、日本および韓国、CCF = 気候変動基金、EAKPF = 韓国 e アジア・知識パート
ナーシップ基金、GMS = メコン河流域圏、ICFF = 投資環境整備基金、JFPR = 貧困削減日本基金、JSF = 日本特別基金、PRC RPRF = 地域協力・貧困削減中国基金、RCIF = 地域協力・統
合基金、TASF = 技術協力特別基金。
年次報告 2010
183
続き
TASF
JSF
RCIF
CCF
JFPR
その他
財源
合計
太平洋地域における経済運営−経済運営の強化(サブ
1,000.00
–
–
–
–
–
1,000.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1,100.00 ICFF
400.00 EAKPF
1,100.00
400.00
運営の改善
太平洋珊瑚礁三角地帯における沿岸・海洋資源管理の
1,500.00
–
–
–
–
–
1,500.00
強化(フェーズ2)
中央・西アジア向けセクター・ロードマップの作成
1,150.00
1,500.00
–
–
800.00
–
–
–
– 13,100.00 GEF
–
–
–
225.00
–
–
–
–
–
–
–
–
12,000.00
–
4,800.00
–
– 23,784.00
ァシリティの実施(追加)
エネルギーに対するアクセスの向上を通じた貧困層の
–
–
–
–
–
エンパワーメント
メコン河流域圏:ラオス・ベトナムにおけるHIV/エイズの
–
–
–
–
–
300.00
800.00
–
–
450.00
1,200.00
–
–
–
–
–
–
750.00
2,000.00
900.00
–
–
–
–
–
900.00
2,000.00
–
1,650.00
–
–
2,550.00
6,200.00
–
–
–
–
–
3,879.00 NDF/KfW/
プロジェクト 2)
ASEAN+3における現地通貨建て債券の投資家基盤
の拡大
タイ・韓国のインフラ開発に関する比較評価
中央・西アジアにおける開発成果の改善に向けた政府
15,050.00
1,500.00
イン
シア・フィリピン東ASEAN成長地域(BIMP-EAGA)、
お
ドネシア・マレーシア・タイ成長の三角地帯(IMT-GT)
よび東南アジア諸国連合(ASEAN)の連携の推進およ
び調整の改善
中国・モンゴルの自治体財政改革支援
小計
400.00
–
オーストラリア
400.00
225.00
40,584.00
プロジェクト準備
カーボン・マーケット・イニシアティブに基づく技術支援フ
予防に向けた能力開発
メコン河流域圏:回廊都市開発
400.00
オーストリア
2,150.00 ACEF/DEN-E
400.00
2,150.00
貿易促進:メコン河流域圏(GMS)の貿易における衛生・
植物衛生管理の改善
小計
研究・開発
アジアにおける都市管理(追加)
3,879.00
オーストリア
/スウェーデン
特定の開発途上加盟国における開発制約要因の国別診
断・分析の強化
(追加)
コメのサプライチェーンにおける収穫前・収穫後の課題
への対応
23.00
–
–
–
–
–
23.00
2,000.00
–
–
–
–
–
2,000.00
–
225.00
2,000.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
2,000.00
225.00
600.00
–
–
–
–
–
600.00
ASEAN+3の総合的な食料安全保障の枠組みに対す
る支援
アジア・太平洋地域の主要指標
世界的な経済ガバナンス改革に向けたアジアのG20へ
の戦略的参画
– = 0 または該当データなし、ACEF = アジア・クリーン・エネルギー基金、ASEAN+3 = 東南アジア諸国連合プラス中国、日本および韓国、CCF = 気候変動基金、DEN-E = 農村部にお
ける再生可能エネルギーとエネルギー効率のためのデンマーク協力基金、EAKPF = 韓国 e アジア・知識パートナーシップ基金、GEF = 地球環境ファシリティー、ICFF = 投資環境整備基金、
JFPR = 貧困削減日本基金、JSF = 日本特別基金、KfW = ドイツ復興金融公庫、NDF = 北欧開発基金、RCIF = 地域協力・統合基金、TASF = 技術協力特別基金。
統計付録
メコン河流域圏
(GMS)、
ブルネイ・インドネシア・マレー
184
アジア開発銀行
続き
TASF
アジア経済見通しワークショップ
(2010年)
JSF
RCIF
CCF
JFPR
その他
財源
合計
150.00
–
1,500.00
–
2,000.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
150.00
2,000.00
1,500.00
225.00
1,100.00
1,300.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
750.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
350.00
225.00
1,100.00
1,300.00
750.00
350.00
–
750.00
–
1,175.00
–
–
–
–
–
–
–
1,000.00
–
–
–
–
1,000.00
–
–
–
プラン
アカウンタビリティ・メカニズムを通じたグッド・ガバナン
500.00
–
1,500.00
–
スおよび開発効果に関するアウトリーチ
2015年までにASEAN経済共同体を実現するための障
225.00
–
–
害および必要な行動の評価
トルクメニスタン∼アフガニスタン∼パキスタン∼イン
500.00
–
ド天然ガス・パイプライン
アジア経済見通し2011年版
225.00
690.00
アジア都市開発イニシアチブ・プロジェクト形成支援
2011年アジア・太平洋地域国際比較プログラム
アジア・太平洋地域の食料安全保障のための投資フォ
ーラム
世界研究連盟の設立
アジア2050
南アジア地域電力取引に関する調査
アジア・太平洋適応ネットワークの強化
フィンランド
アジア・ボンド・オンライン・ウェブサイト・プロジェクト
(フ
統計付録
–
–
600.00 ICFF
–
1,000.00
750.00
600.00
2,175.00
–
–
2,000.00
–
–
–
225.00
–
–
–
–
500.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
225.00
690.00
500.00
–
–
–
–
4,000.00
455.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
4,000.00
455.00
211.00
1,000.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
211.00
1,000.00
1,000.00
–
–
–
–
–
1,000.00
725.00
500.00
1,102.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
725.00
500.00
1,102.00
場におけるジェンダーの平等の推進
トルクメニスタン∼アフガニスタン∼パキスタン∼イン
500.00
–
–
–
–
–
500.00
ド天然ガス・パイプライン
(フェーズ2)
225.00
–
–
–
–
–
225.00
21,406.00
4,000.00
3,250.00
–
1,000.00
5,749.00
35,405.00
7,500.00 13,700.00
–
1,181.00 46,899.25
133,568.40
ェーズ3)
特定の評価調査
(2010年、
フェーズ1)
地域社会投資交換イニシアチブの開発
地域インフラ開発の推進
中央アジア地域経済協力:電力セクター地域マスター
アジア・太平洋地域における気候変動対策の推進−アジ
ア開発途上国における低炭素型成長のための計画策定
能力の強化
(サブプロジェクト 4)
920.00 ACEF/英国
1,420.00
アジアにおける持続可能な食料・栄養安全保障のため
の戦略的研究
アジア・太平洋地域におけるソブリン債務の持続可能性
アジア・太平洋地域における気候変動対策の推進−気候
官民パートナーシップ基金の設計(サブプロジェクト 5)
ADBにおけるインパクト評価の実施
特定の開発途上加盟国の成長・構造改革に対する重要
な制約要因の診断
ASEANの財政統合に向けた実情評価と主要目標の設定
(フェーズ2)
アジア・太平洋健康観測所
特定の評価調査
(2010年、
フェーズ2)
より多くの人々に恩恵をもたらす成長に向けた労働市
小計
合計
64,288.15
– = 0 または該当データなし、ACEF = アジア・クリーン・エネルギー基金、ASEAN = 東南アジア諸国連合、CCF = 気候変動基金、ICFF = 投資環境整備基金、JFPR = 貧困削減日本基金、
JSF = 日本特別基金、RCIF = 地域協力・統合基金、TASF = 技術協力特別基金。
年次報告 2010
185
統計付録 21
財源の純移転
(通常資本財源、アジア開発基金、その他特別基金グラント)
(2008 ∼ 2010 年)
(単位:百万ドル)
OCRa
2008
国
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
2009
2010
2008
2009
2010
8.37
–
2.87
87.47
4.95
–
34.58
667.08
(21.00)
23.62
34.84
133.03
46.78
8.03
8.62
237.99
69.22
119.05
14.73
93.15
59.60
20.97
4.65
15.29
–
6.95
703.60
8.02
(0.63)
903.19
20.91
(0.43)
929.14
0.87
89.16
–
18.00
38.61
–
–
1.69
(1.76)
–
–
(1.58)
(9.65)
–
9.98
9.94
107.41
–
0.40
–
69.86
–
1,246.38 1,164.77 1,398.51
(69.88) (409.30)
(75.42)
(47.04)
512.07
18.18
タイ
東ティモール
トンガ
トルクメニスタン
ツバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
合計d
2010
7.99
–
–
1.09
45.12
–
–
1.24
170.07
–
–
2.31
14.71
25.57
–
2.80
31.27
–
4.63
21.58
–
17.59
17.87
0.20
(1.24)
–
110.83
–
(0.41)
–
36.20
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
13.37
(0.26)
–
77.70
(0.27)
–
53.01
(0.27)
21.71
57.79
–
16.65
59.27
–
2.73
51.50
–
–
(34.81)
–
(0.29)
–
11.19
(0.50)
–
5.70
(0.50)
–
(14.85)
–
–
22.26
–
–
21.18
–
–
20.36
0.72
(51.10)
(0.18)
(2.27)
(53.20)
6.01
(1.22)
(27.81)
1.75
13.86
–
0.56
(3.66)
–
2.99
(23.49)
–
22.54
10.76
–
4.18
33.02
–
0.36
35.28
–
(0.77)
(0.47)
0.05
7.17
(0.68)
–
(4.32)
(0.43)
(0.00)
(2.76)
(1.24)
2.22
8.97
(3.28)
(0.63)
37.55
6.88
(0.85)
(5.95)
–
–
0.38
–
–
19.09
–
–
18.31
–
(2.32)
(11.93)
–
(0.13)
(5.91)
–
(0.26)
(6.79)
–
–
(2.40)
–
–
(1.00)
–
–
(0.43)
–
–
66.25
–
–
126.04
–
–
31.26
1,037.63
(2.62)
237.15
338.97
22.38
967.70
184.45
7.57
(280.93)
377.72
(10.90)
(42.14)
152.46
(12.17)
(48.03)
17.52
(8.43)
(49.18)
8.53
1.61
–
15.87
2.56
3.00
22.34
3.61
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
(1.81)
–
(2.23)
1.61
–
(3.45)
20.39
–
(3.33)
0.58
–
0.38
3.90
–
0.95
2.47
–
10.38
67.38
–
–
72.95
–
–
169.80
–
–
52.24
–
46.87
34.53
–
59.86
(9.89)
–
29.42
42.69
–
2.46
41.43
–
44.18
26.26
–
12.22
(13.56)
–
–
(10.43)
–
11.14
–
–
(4.63)
–
(1.63)
(46.67)
–
(1.59)
–
–
(1.96)
–
5.25
0.52
–
3.30
1.02
–
1.51
5.65
–
–
7.01
–
–
69.34
–
–
12.15
–
0.28
2.51
–
0.07
18.40
–
0.01
35.81
–
–
–
–
1.24
–
–
–
–
–
(14.34)
17.63
–
652.43
(1.88)
–
137.82
138.60
(1.74)
187.03
0.55
(1.98)
364.23
0.43
(2.17)
138.12
0.14
–
10.23
8.58
–
10.19
5.98
–
6.81
1.59
3,190.63
4,894.05
2,896.97
1,109.79
1,094.67
379.10
307.28
481.80
459.53
ソロモン諸島
タジキスタン
2009
–
(30.40)
–
サモア
台湾
2008
–
(26.23)
–
シンガポール
スリランカ
Grantsc
– = 0、( )= マイナス、0.00 = 1 万ドル未満、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源。
a OCR 財源の純移転額は、融資実行額から元本返済 / 期限前返済および受取り済みの利子 / 手数料を差し引いた金額として定義される。ノンソブリン融資および純出資を含む。
b ADF 財源の純移転額は、融資実行額から元本返済および受取り済みの利子 / 手数料を差し引いた金額として定義される。
c グラントの純移転額は、アジア開発基金(ADF)、アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、気候変動基金(CCF)、およびアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を財源とする
実行額として定義される。
d 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
統計付録
カンボジア
ADFb
186
アジア開発銀行
統計付録 22
財源の純移転
(通常資本財源、アジア開発基金、その他特別基金グラント)a(2001 ∼ 2010 年)
(単位:百万ドル)
2001∼2005年
国
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
統計付録
2006
2007
2008
2009
2010
46.77
–
0.10
68.98
80.31
–
7.95
107.93
129.82
–
55.33
99.26
63.14
8.03
11.49
326.55
119.29
119.05
49.31
761.48
208.67
44.58
39.49
150.63
7.44
67.76
(224.78)
0.47
48.85
517.25
6.43
52.81
607.60
3.67
127.38
703.60
30.65
59.56
903.19
53.21
43.01
929.34
0.31
1.52
–
–
(0.34)
2.62
–
–
(0.72)
1.89
24.75
–
0.40
1.69
68.10
–
(1.24)
(1.58)
101.18
–
9.57
9.94
143.61
–
(423.43)
(79.76)
(60.09)
283.08
101.68
116.78
1,194.88
313.35
(14.17)
1,268.09
1.28
(47.30)
1,181.42
(272.33)
511.80
1,401.25
29.08
17.91
1.60
(870.24)
35.53
(0.10)
(19.32)
36.26
(0.25)
(20.47)
25.00
(0.29)
(26.23)
33.45
(0.50)
(30.40)
26.89
(0.50)
(34.81)
5.51
43.33
(56.05)
4.82
63.17
(66.85)
5.59
66.46
(37.11)
8.70
25.34
(51.10)
4.56
27.08
(53.20)
9.36
10.57
(27.81)
23.52
3.96
1.52
28.75
(0.73)
1.94
13.36
(2.85)
2.83
11.34
(1.71)
2.27
16.52
(3.96)
(0.63)
52.32
6.45
(0.86)
9.61
(0.29)
(0.01)
(3.27)
–
–
56.46
–
–
43.32
–
(2.32)
51.92
–
(0.13)
119.13
–
(0.26)
24.04
(98.51)
(9.11)
(137.40)
528.80
(34.35)
268.45
576.10
(34.65)
45.88
1,423.88
(11.91)
195.01
507.30
12.76
922.66
224.31
2.74
(330.12)
(0.19)
–
(0.67)
(1.99)
–
2.35
(2.47)
–
1.72
(1.23)
–
(1.86)
5.52
–
(2.50)
22.85
–
7.04
121.63
–
15.00
86.76
–
34.05
64.02
–
36.90
162.31
–
49.33
148.92
–
104.05
186.16
–
41.64
(451.58)
–
1.19
(120.78)
1.00
(1.46)
(55.06)
0.45
(1.55)
(18.19)
5.25
(1.11)
(57.10)
3.30
(0.57)
11.14
1.51
3.69
–
0.25
43.87
–
1.14
27.54
–
1.07
12.78
–
0.28
9.52
–
1.31
87.74
–
0.01
47.95
(0.16)
202.82
(9.46)
(1.08)
136.07
22.61
(1.28)
169.44
9.60
(1.74)
182.92
26.76
(1.98)
1,026.85
4.53
(2.17)
282.76
140.32
(1,727.86)
2,305.50
3,391.11
4,607.70
6,470.52
3,735.59
平均
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルクメニスタン
ツバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
合計b
– = 0、( )= マイナス。
a 財源の純移転額は、融資実行額から元本返済 / 期限前返済および受取り済みの利子 / 手数料を差し引いた金額として定義される。民間セクター融資、純出資、アジア開発基金およびその
他特別基金からのグラントを含む。
b 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
年次報告 2010
187
統計付録 23
アジア開発基金の財源および約定枠
ADF 拠出財源
(単位:百万ドル、2010 年 12 月 31 日現在)
2010年中の増減
2009年12月31日現在
国
2010年12月31日現在評価額
評価額
追加
為替レート調整
純増減額
(ドル換算)
(ドル換算)
(ドル換算)
(ドル換算)
(ドル換算)
a
(SDR換算)
1,772.29
284.02
244.60
10.68
1,913.06
36.05
270.59
149.89
1,420.77
2,033.03
60.49
14.96
42.34
934.05
15,839.57
276.06
49.81
13.97
1.93
838.51
125.45
232.04
101.86
9.34
414.32
316.51
466.43
65.69
10.23
109.52
1,009.17
3,587.21
67.16
7.86
6.67
1.21
45.32
6.44
8.78
13.30
27.58
33.94
6.03
–
8.51
–
463.29
28.60
0.96
1.46
(1.63)
20.82
0.27
9.39
4.26
2.29
24.34
13.57
11.23
4.95
0.87
–
47.21
–
(393.10)
(20.15)
(18.00)
(0.04)
(249.07)
–
(5.78)
(11.17)
(101.58)
(146.00)
0.00
–
(2.94)
(68.42)
2,151.60
(30.97)
(3.65)
(0.24)
–
(59.91)
(24.95)
(39.38)
(7.08)
(0.21)
(29.00)
(24.79)
(10.66)
–
(0.41)
(0.03)
(39.62)
–
(325.95)
(12.29)
(11.33)
1.17
(203.75)
6.44
3.00
2.13
(74.00)
(112.06)
6.03
–
5.56
(68.42)
2,614.89
(2.37)
(2.69)
1.21
(1.63)
(39.09)
(24.69)
(29.99)
(2.82)
2.08
(4.67)
(11.22)
0.57
4.95
0.46
(0.03)
7.58
–
1,446.34
271.73
233.27
11.85
1,709.31
42.49
273.59
152.02
1,346.78
1,920.97
66.53
14.96
47.91
865.64
18,454.46
273.69
47.12
15.18
0.30
799.42
100.76
202.05
99.04
11.42
409.65
305.29
467.00
70.64
10.69
109.50
1,016.75
3,587.21
939.17
176.44
151.47
7.70
1,109.92
27.59
177.65
98.71
874.51
1,247.36
43.20
9.71
31.11
562.09
11,983.18
177.72
30.60
9.86
0.20
519.09
65.43
131.20
64.31
7.41
266.00
198.24
303.24
45.87
6.94
71.10
660.21
2,329.31
合計
32,654.45
864.64
864.47
1,729.11
34,383.56
22,326.55
– = 0、SDR = 特別引出権。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 2010 年 12 月 31 日現在の SDR 換算は、1SDR = 1.54003 ドルで米ドルに換算される。
ADF 約定枠
(単位:百万ドル、2010 年 12 月 31 日現在)
2009
約定枠からの繰越金a
ADF IX
ADF X拠出金
ADF IX拠出金
ADF VIII拠出金
返済金に基づく財源
OCR純利益の移転
減額およびキャンセル分
手形現金化推進プログラムからの信用
ADF X約定枠合計
差引:約定済み融資およびグラント
将来の約定に利用可能なADF約定枠
2010
123.74
837.61
112.82
8.32
3,345.78
120.00
314.38
122.00
1,802.08b, c
111.78d
8.20e
4,520.76f
240.00
650.03
4,862.65
3,129.45
7,454.84
6,306.60
1,733.20
1,148.24
ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源 , SDR = 特別引出権。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a ADF IX の累計約定枠を反映した各年末時点の為替レートによる 7,920 万 SDR の米ドル換算額。
b 第 2 回分割支払拠出分の 80%のみが業務の約定に利用できる資金として配分された。その比率は、条件付き拠出証書を提出する可能性の高いドナーが第 1 回分割支払拠出分で支払うと
予想される比率に相当する。残る 20%は、各ドナーが保留した金額を払い込むか、残金の支払を行うまで、業務の約定には利用できない。
c 2010 年 12 月 23 日、理事会は同年 12 月 15 日に払い込まれた英国からの 620 万ポンドの追加拠出を承認した。
d 米国による第 3 回分割支払残高と、第 4 回分割支払の 27.59%を表している。按分ベースで保留された金額は、それに応じて払い込まれている。
e 払込が行われ、業務の約定に利用可能となったオーストリアによる第 4 回分割支払の 99.16%を表している。
f 11 億 SDR の流動性引き出しおよび為替引当金から拠出された 2 億 7,000 万 SDR の追加流動性を含む。
統計付録
オーストラリア
オーストリア
ベルギー
ブルネイ
カナダ
中国
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インドネシア
アイルランド
イタリア
日本
韓国
ルクセンブルク
マレーシア
ナウル
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
ポルトガル
シンガポール
スペイン
スウェーデン
スイス
台湾
タイ
トルコ
英国
米国
188
アジア開発銀行
統計付録 24
技術協力特別基金
(単位:千ドル、2010 年 12 月 31 日現在)
拠出金合計
支出額
直接任意拠出金
オーストラリア
オーストリア
バングラデシュ
ベルギー
カナダ
中国
統計付録
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インド
インドネシア
イタリア
日本
韓国
マレーシア
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
シンガポール
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
英国
米国
小計
通常補充拠出金a
アジア開発基金への移転
OCR純益からの分配b
小計
合計
2,484
159
47
2,484
159
47
1,394
3,346
1,600
1,394
3,346
1,600
1,963
237
1,697
1,963
237
1,697
3,315
100
3,948
3,315
100
3,948
250
774
47,710
250
774
47,710
1,900
909
1,338
1,900
909
1,338
1,096
3,279
1,806
1,096
3,279
1,806
1,100
190
6
1,100
190
6
862
1,035
200
862
1,035
200
5,617
1,500
5,617
1,500
89,862
89,862
721,088
566,832
(3,472)
(3,472)
952,234
858,404
1,669,850
1,421,764
1,759,712
1,511,626
( )= マイナス、OCR = 通常資本財源。
a 総務会決議 182 号、214 号、300 号および 333 号により承認されたアジア開発基金および技術協力特別基金(TASF)の財源補充拠出金の TASF 部分(当時の金額)を示す。
b 1980 年以降の純利益、返済金および TASF への払い戻し金を含む。
189
年次報告 2010
統計付録 25
日本特別基金−通常拠出および追加拠出
活動および純資産の増減
(単位:百万ドル)
1988–2004a
2005
2006
2007
2008
876.8
136.6
27.3
7.1
24.5
10.7
27.7
12.0
17.4
6.6
–
1.2
–
0.4
973.7
174.6
1,013.4
34.4
35.2
39.7
24.0
1.2
0.4
1,148.3
外貨換算調整
(1.0)
826.5
(24.3)
(12.5)
–
35.9
(0.8)
–
–
51.1
(0.1)
–
–
33.7
–
–
–
55.1
0.2
–
–
39.2
(0.1)
–
–
15.4
(0.0)
–
(1.0)
1,056.9
(25.1)
(12.5)
純資産の増減
149.1
(2.3)
(16.0)
6.0
(30.9)
(38.1)
(15.0)
52.8
2007
2008
2009
2010
約定済拠出金
収入
合計
2009
2010
合計
域内貿易・金融安定
移転
支出
為替差益(差損)
– = 0、( )= マイナス、0.0 = 5 万ドル未満。
a 1995 年の表示方式に準拠するために前年までの金額を再計算した。
統計付録 26
日本特別基金−アジア通貨危機支援ファシリティ
活動および純資産の増減
(単位:百万ドル)
1999–2005
2006
合計
241.0a
4.4
–
1.7
–
1.8
–
1.1
–
0.2
–
0.1
241.0
9.3
245.4
1.7
1.8
1.1
0.2
0.1
250.3
外貨換算調整
(90.0)
33.2
129.8
(1.7)
(26.3)
–
–
(0.4)
–
–
–
–
–
–
–
–
–
(0.4)
–
–
–
–
(0.2)
–
–
–
–
(0.0)
–
–
(90.0)
33.2
128.8
(1.7)
(26.3)
純資産の増減
30.8
2.1
1.8
1.5
0.4
0.1
36.7
約定済拠出金
収入
合計
貧困削減日本基金への移転
利子補給金の戻し入れ
支出
為替差益
(差損)
– = 0、( )= マイナス、0.0 = 5 万ドル未満。
a 保証ファシリティはアジア通貨危機支援ファシリティ(ACCSF)の下で供与される。日本政府は ACCSF のために、ADB が保証請求に応じるためにいつでも現金化できる 3,600 億円の無
利子・譲渡不能約束手形を提供した。しかし、契約成立する保証が存在しなかったため、この手形は 2002 年 3 月 25 日に日本政府へ返還された。
統計付録
イニシアチブ協力基金への
190
アジア開発銀行
統計付録 27
2010 年中の貧困削減日本基金
金額
プロジェクト名
(単位:百万ドル)
ブータン
学校施設改善・総合的災害教育
貧困農家生計支援のための農道
3.00
3.00
インド
ビハール州・マハラシュトラ州における小規模農家の市場アクセス改善
女性の権利拡大のためのマイクロ企業起業支援
3.00
3.00
モンゴル
貧困層のためのインクルーシブな金融サービスの推進
2.50
統計付録
マーシャル諸島
貧困家庭のためのエネルギー供給改善
1.76
スリランカ
北部における再定住国内難民の生計回復のための紛争後緊急支援
2.50
地域
太平洋地域における脆弱者の社会的保護(クック諸島、
マーシャル諸島、
トンガ)
合計
3.00
21.76
年次報告 2010
191
統計付録 28
ADB が管理するグラント(無償資金)が供与されたプロジェクト a(2010 年中の承認)
金額(単位:千ドル)
プロジェクト・
プロジェクト名
技術協力
コンポーネント
二国間信託基金
オーストラリア
100.00
825.00
1,500.00
1,000.00
23,000.00
マイクロファイナンス拡張
SOL
第2次道路改良(セクター)
SOL
国家戦略計画策定の支援
VIE
VIE
REG
メコンデルタ中部地域の接続性プロジェクト
REG
民間セクター開発イニシアチブ
600.00
珊瑚礁三角地帯イニシアチブに対するナレッジ・マネジメント、
政策および制度に関する支援に向けた地域協力
168.00
成果モニタリングと調達の見直し
水事業体パートナーシップの支援
地熱発電開発プロジェクト
大都市圏衛生管理・保健に関する能力開発
分析・能力開発パートナーシップ
6,000.00
280.00
200.00
1,450.00
11,000.00
保健人材セクター開発
太平洋インフラ助言センターの設立
1,050.00
REG
REG
メコン河流域圏(GMS)、
ブルネイ・インドネシア・マレーシア・フィリピン東ASEAN成長地域
(BIMP-EAGA)
、
イン
および東南アジア諸国連合
(ASEAN)
の連携の推進およ
ドネシア・マレーシア・タイ成長の三角地帯(IMT-GT)
タラワ衛生改善
400.00
200.00
小計
30,493.00
び調整の改善
REG
17,280.00
オーストラリア−クリーン・エネルギー・ファイナンシング・パートナーシップ・ファシリティに基づく炭素回収・貯留基金
REG
東南アジアにおける炭素回収・貯留のポテンシャルに関する調査
小計
900.00
900.00
オーストリア
REG
REG
アジアにおける都市管理
カーボン・マーケット・イニシアティブに基づく技術支援ファシリティの実施
小計
2,000.00
400.00
2,400.00
カナダ
NEP
8,800.00
ガバナンス支援プログラム
(サブプログラム 1)
(追加)
8,800.00
小計
地域協力・貧困削減中国基金
REG
ボアオ・アジア・フォーラムおよびアジア輸出入銀行フォーラムにおける地域経済統合・パートナーシップに関す
る対話の支援
REG
REG
REG
REG
GMSプログラムの調整の強化
北東アジアにおける地域草地管理に向けた炭素ファイナンシングの強化
中央アジア地域経済協力の強化(2007∼2009年)
メコン河流域圏プノンペン開発管理計画IV
小計
500.00
500.00
400.00
500.00
500.00
2,400.00
デンマーク−農村部における再生可能エネルギーとエネルギー効率のためのデンマーク協力基金
NEP
REG
地方におけるエネルギーへのアクセスの改善
エネルギーに対するアクセスの向上を通じた貧困層のエンパワーメント
小計
323.00
150.00
473.00
デンマーク−農村部における再生可能エネルギーとエネルギー効率のためのデンマーク第2協力基金
NEP
地方におけるエネルギーへのアクセスの改善
小計
510.00
510.00
CAM = カンボジア、GMS = メコン河流域圏、INO = インドネシア、NEP = ネパール、PNG = パプアニューギニア、REG = 地域、SOL = ソロモン諸島、VIE = ベトナム。
a ADB が管理していないグラントプロジェクトの対象部分は統計付録 5 に記されている。
統計付録
CAM
INO
INO
INO
INO
PNG
192
アジア開発銀行
続き
金額(単位:千ドル)
プロジェクト・
プロジェクト名
技術協力
コンポーネント
韓国eアジア・知識パートナーシップ基金
PRC
中小都市の開発のための気候変動対策能力の強化
500.00
統計付録
官民パートナーシップの組み込み
500.00
500.00
500.00
REG
社会的保護指標の更新と改善
500.00
REG
アジアのインフラ・ファイナンスを支援するeシステムの設置
500.00
REG
タイ・韓国のインフラ開発に関する比較評価
REG
REG
相互に接続されたASEAN資本市場の推進
アジア・太平洋地域におけるコミュニティ主導の開発に関する知識の共有
400.00
500.00
500.00
REG
ブルネイ・インドネシア・マレーシア・フィリピン東ASEAN成長地域における貿易促進支援
MON
公共輸送情報通信技術
PHI
THA
コンピュータ・アクセス指導プログラム−教育の質の改善に向けた官民パートナーシップ
小計
500.00
4,900.00
フィンランド
NEP
REG
地方におけるエネルギーへのアクセスの改善
アジア・太平洋適応ネットワークの強化
小計
100.00
350.00
450.00
フランス
PHI
REG
都市水供給・衛生
メコン河流域圏における地域電力開発の持続可能性の確保
小計
2,000.00
1,350.00
3,350.00
ドイツ
REG
アジアにおける都市管理
REG
援助効果に関する第3回ハイレベル・フォーラム
および準備協議プロセスの支援
小計
422.00
66.00
488.00
日本−クリーン・エネルギー・ファイナンシング・パートナーシップ・ファシリティに基づくアジア・クリーン・エネルギー基金
BAN
PHI
REG
エネルギー効率の改善
REG
アジア・太平洋地域における気候変動対策の推進−アジア開発途上国における低炭素型成長のための計画策
REG
REG
アジア太陽エネルギー・イニシアチブのための知識プラットフォームの開発
ルソン島における風力発電プロジェクト3件
エネルギーに対するアクセスの向上を通じた貧困層のエンパワーメント
1,500.00
630.00
2,000.00
太陽エネルギープログラムのニーズ評価と開発
700.00
2,000.00
1,000.00
REG
太平洋地域の開発途上加盟国の気候変動対策に関する能力強化(フェーズ1)
1,500.00
REG
メコン河流域圏における再生可能エネルギー、
クリーン燃料および省エネルギーの推進
定能力の強化(サブプロジェクト 4)
小計
800.00
10,130.00
貧困削減日本基金
AFG
電力セクター・マスタープラン
BAN
地方インフラ・イニシアチブにおける女性利益の制度化に関する地方政府技術部門の支援
COO
財政運営・公共セクター・パフォーマンス・レビュー
1,500.00
500.00
300.00
AFG = アフガニスタン、ASEAN = 東南アジア諸国連合、BAN = バングラデシュ、COO = クック諸島、MON = モンゴル、NEP = ネパール、PHI = フィリピン、PRC = 中国、REG = 地
域、SRI = スリランカ、THA = タイ。
年次報告 2010
193
続き
金額(単位:千ドル)
プロジェクト・
プロジェクト名
IND
地方における生計向上のためのインフラ開発プロジェクト管理に向けた能力開発
IND
INO
INO
INO
LAO
LAO
官民パートナーシップの組み込みに向けた能力開発の強化
水資源セクターの制度強化
官民パートナーシップのための能力開発支援
中央政府の公共調達プロセスの強化
東西経済回廊に沿った地方アクセスの改善
農業セクターにおけるジェンダーの組み込みのための能力強化
民間セクター・中小企業開発プログラム終了後のパートナーシップの枠組みに関する支援
MON
MON
MON
NEP
NEP
NEP
NEP
エネルギー・セクター開発計画の更新
ウランバートル給水・衛生サービス・計画の改善
知識社会に向けた高等教育改革
総合都市開発
エネルギーへのアクセスおよび効率の改善II
エネルギー危機に対応する水力発電の開発
地方分権型の地方インフラおよび生計II
1,000.00
2,000.00
500.00
500.00
1,000.00
1,200.00
480.00
1,000.00
1,000.00
600.00
400.00
800.00
600.00
2,000.00
500.00
PHI
持続可能な天然資源・地方インフラ管理の地方分権型枠組み
PHI
SOL
SRI
SRI
SRI
TIM
TIM
VAN
社会保障制度改革支援
国有企業合理化プログラム
1,300.00
1,400.00
800.00
800.00
700.00
1,000.00
600.00
225.00
500.00
VIE
道路輸送の制度・財政、運営・保守およびガバナンスの強化
1,000.00
REG
国際租税に関する特定の開発途上加盟国の能力開発:第18次租税会議
REG
アジア・ボンド・オンライン・ウェブサイト・プロジェクト
(フェーズ3)
運輸セクター開発支援
技術教育・職業訓練セクター開発
低開発自治体のインフラ開発
複合輸送
効果的な援助管理の支援
道路網開発の支援
小計
コンポーネント
181.00
1,000.00
25,386.00
日本−地域協力・統合ファイナンシング・パートナーシップ・ファシリティに基づく
投資環境整備基金
REG
REG
相互に接続されたASEAN資本市場の推進
REG
ブルネイ・インドネシア・マレーシア・フィリピン東ASEAN成長地域における貿易促進支援
REG
ASEAN+3の債券市場における流動性の向上
REG
地域社会投資交換イニシアチブの開発
1,500.00
600.00
1,000.00
1,250.00
南アジアにおける国内信用格付け機関の規制の枠組みおよび信用格付け情報の利用に関するベスト・プラク
ティス
REG
ASEAN+3における現地通貨建て債券の投資家基盤の拡大
REG
貿易・投資・価値連鎖の推進に向けた東西経済回廊沿いの現地商工会議所の強化
REG
投資環境評価に向けた財務健全性指標の収集・分析に関する組織的能力の強化
小計
550.00
1,100.00
600.00
500.00
7,100.00
ASEAN = 東南アジア諸国連合、ASEAN+3 = 東南アジア諸国連合プラス中国、日本および韓国、IND = インド、INO = インドネシア、LAO = ラオス、MON = モンゴル、NEP = ネパール、
PHI = フィリピン、REG = 地域、SOL = ソロモン諸島、SRI = スリランカ、TIM = 東ティモール、VAN = バヌアツ、VIE = ベトナム。
統計付録
LAO
技術協力
194
アジア開発銀行
続き
金額(単位:千ドル)
プロジェクト・
プロジェクト名
技術協力
コンポーネント
ニュージーランド
PNG
SOL
地方一次医療サービスの強化
90.00
第2次道路改良(セクター)
小計
90.00
358.00
358.00
スペイン
GEO
GEO
地域送電強化
地理空間情報に基づく水供給および衛生サービス管理システムの開発
統計付録
小計
850.00
800.00
1,650.00
スウェーデン
REG
アジアにおける都市管理
小計
1,365.00
1,365.00
英国
BAN
IND
都市部一次医療プロジェクト
(第2期)
貧困削減のための高度なプロジェクト準備−持続的な沿岸保全・管理のための能力開発(サブプロジェクト 3)
225.00
IND
貧困削減のための高度なプロジェクト準備−メガラヤ州公共資源管理開発プロジェクト
(サブプロジェクト 8)
200.00
90.00
IND
貧困削減のための高度なプロジェクト準備−マディヤプラデシュ州都市環境改善プロジェクト
(サブプロジェク
700.00
ト 8)
IND
貧困削減のための高度なプロジェクト準備−ヒマチャルプラデシュ州都市開発投資計画の作成(サブプロジェ
600.00
クト 7)
IND
IND
貧困削減のための高度なプロジェクト準備−シッキム州の陸上運輸管理・マスタープラン
(サブプロジェクト 6)
貧困削減のための高度なプロジェクト準備−チャティスガル州の灌漑管理改善のための水利用者組合のエンパ
ワーメント
(クラスター技術協力C-TA003のサブプロジェクト 4)
IND
IND
貧困削減のための高度なプロジェクト準備−ジャールカンド州道路セクター能力開発(サブプロジェクト 11)
850.00
アジア・太平洋地域における気候変動対策の推進−アジア開発途上国における低炭素型成長のための計画策
定能力の強化(サブプロジェクト 4)
REG
600.00
1,100.00
貧困削減のための高度なプロジェクト準備−ビハール州・マハラシュトラ州のアグリビジネスにおける価値連鎖
アプローチに向けた制度開発
(サブプロジェクト 12)
REG
700.00
貧困削減のための高度なプロジェクト準備−アッサム州におけるコミュニティ・ベースの洪水リスク管理のため
の能力開発(サブプロジェクト 10)
IND
1,100.00
南アジアにおける民間セクター主導の統合・自由貿易協定
小計
220.00
131.25
6,516.25
多国間協力基金・パートナーシップ
域内貿易・金融安全保障イニシアティブ協力基金
LAO
金融セクター監督強化
小計
250.00
250.00
欧州連合
INO
分析・能力開発パートナーシップ
小計
27,000.00
27,000.00
ジェンダーと開発協力基金
PHI
REG
社会的保護のジェンダー効果の強化
ジェンダーの平等と女性の権利拡大の推進
小計
300.00
835.00
1,135.00
地球環境ファシリティー
INO
NEP
チタルム川流域管理・生物多様性保全
カトマンズ持続可能な都市交通
3,750.00
2,520.00
BAN = バングラデシュ、GEO = グルジア、IND = インド、INO = インドネシア、LAO = ラオス、NEP = ネパール、PHI = フィリピン、PNG = パプアニューギニア、PRC = 中国、REG
= 地域、SOL = ソロモン諸島、VIE = ベトナム。
年次報告 2010
195
続き
金額(単位:千ドル)
プロジェクト・
プロジェクト名
PRC
VIE
REG
再生可能バイオマス・エネルギー総合開発セクター
REG
太平洋珊瑚礁三角地帯における沿岸・海洋資源管理の強化(フェーズ2)
北部山岳諸省の持続可能な地方インフラ開発
太平洋地域における省エネルギーの推進
小計
技術協力
コンポーネント
9,200.00
50.00
200.00
13,100.00
13,350.00
国際赤十字赤新月社連盟
紛争影響地域緊急
SRI
15,470.00
国際農業開発基金
NEP
農業開発戦略の策定
小計
500.00
500.00
クリーン・エネルギー・ファイナンシング・パートナーシップ・ファシリティに基づくマルチドナー・クリーン・エネルギー基金
1,000.00
INO
PRC
PRC
PRC
PRC
ジャワ島∼バリ島配電パフォーマンス改善
自治体天然ガスインフラ開発プロジェクト
(フェーズ2)
200.00
592.00
PRC
中小企業における省エネルギーと排出量削減のための革新的な金融メカニズム
300.00
THA
太陽発電プロジェクト
(タイ)
REG
メコン河流域圏における再生可能エネルギー、
クリーン燃料および省エネルギーの推進
再生可能エネルギーの効率的利用のためのスマート・グリッド技術の開発
900.00
3,000.00
再生可能バイオマス・エネルギー総合開発セクター
青海省における再生可能エネルギー開発
小計
2,000.00
200.00
2,192.00
6,000.00
ウォーター・ファイナンシング・パートナーシップ・ファシリティに基づくマルチドナー信託基金
総合的水資源管理のための効果的な貯水池の活用
200.00
PRC
青海省における参加型灌漑・プロジェクト管理能力の強化
IND
VIE
チャティスガル州の灌漑管理改善のための水利用者組合のエンパワーメント
ホーチミン市給水プロジェクト
200.00
150.00
300.00
REG
アジア・太平洋地域における気候変動対策の推進−水および気候変動に関する投資支援(サブプロジェクト 1)
REG
ADBのウォーター・ファイナンシング・プログラムに対する知識・革新支援
PRC
小計
1,000.00
1,500.00
3,350.00
北欧開発基金
LAO
REG
気候変動対策のための能力強化
アジアにおける都市管理
小計
2,800.00
92.00
2,892.00
戦略気候基金に基づく気候耐性パイロット・プログラム
NEP
TAJ
気候耐性構築に向けた政府計画策定の支援
天然資源投資のための気候耐性
小計
合計
225.00
750.00
975.00
150,245.25
49,408.00
IND = インド、INO = インドネシア、LAO = ラオス、NEP = ネパール、PRC = 中国、REG = 地域、SRI = スリランカ、TAJ = タジキスタン、THA = タイ、VIE = ベトナム。
統計付録
1,500.00
1,500.00
小計
196
アジア開発銀行
統計付録 29
2010 年中の締結済み契約(原産国別)
プロジェクト融資−通常資本財源(金額単位:百万ドル)
製品および
コンサルティング・
締結済み
統計付録
国a
土木工事
金額配分
(%)
サービス
金額配分
(%)
契約合計
金額配分(%)
アフガニスタン
アルメニア
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
ブルネイ
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー諸島
フィンランド
フランス
グルジア
ドイツ
香港
インド
インドネシア
アイルランド
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
ルクセンブルク
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
ポルトガル
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
ツバル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
0.00
0.00
0.33
0.00
165.75
6.75
0.00
0.00
0.00
0.00
0.85
1,540.30
0.00
0.00
7.55
0.00
1.35
0.00
78.34
0.00
854.64
17.15
0.00
4.58
22.14
49.24
0.00
380.86
0.00
0.00
0.00
0.40
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.11
8.63
0.00
139.22
6.46
5.34
0.00
0.00
0.19
0.00
0.01
44.11
16.45
2.36
1.87
0.00
0.00
0.19
79.06
0.00
0.00
0.00
5.21
3.79
0.00
7.65
0.00
0.00
0.01
0.00
4.80
0.20
0.00
0.00
0.00
0.00
0.02
44.63
0.00
0.00
0.22
0.00
0.04
0.00
2.27
0.00
24.77
0.50
0.00
0.13
0.64
1.43
0.00
11.04
0.00
0.00
0.00
0.01
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.25
0.00
4.03
0.19
0.15
0.00
0.00
0.01
0.00
0.00
1.28
0.48
0.07
0.05
0.00
0.00
0.01
2.29
0.00
0.00
0.00
0.15
0.11
0.00
0.22
0.00
0.00
6.18
0.01
0.00
0.01
0.00
0.00
0.00
0.00
1.44
8.62
0.00
0.02
0.00
0.00
4.25
0.00
1.94
0.00
26.11
2.70
0.00
0.00
0.04
0.00
0.00
2.84
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.23
0.14
0.00
11.21
0.37
0.74
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.02
0.00
0.00
0.00
1.52
0.00
1.04
0.00
0.00
1.05
11.67
0.32
0.00
0.16
0.00
0.00
7.48
0.02
0.00
0.01
0.00
0.00
0.00
0.00
1.74
10.43
0.00
0.03
0.00
0.00
5.14
0.00
2.35
0.00
31.60
3.27
0.00
0.00
0.05
0.00
0.00
3.44
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.28
0.17
0.00
13.57
0.45
0.89
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.03
0.00
0.00
0.00
1.85
0.00
1.25
0.00
0.00
1.27
14.12
0.39
0.00
0.19
0.00
0.00
6.51
0.01
165.75
6.76
0.00
0.00
0.00
0.00
2.28
1,548.91
0.00
0.02
7.55
0.00
5.60
0.00
80.28
0.00
880.75
19.86
0.00
4.58
22.18
49.24
0.00
383.70
0.00
0.00
0.00
0.40
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.34
8.77
0.00
150.44
6.83
6.08
0.00
0.00
0.19
0.00
0.01
44.11
16.47
2.36
1.87
0.00
1.52
0.19
80.10
0.00
0.00
1.05
16.88
4.11
0.00
7.81
0.00
0.00
0.18
0.00
4.69
0.19
0.00
0.00
0.00
0.00
0.06
43.83
0.00
0.00
0.21
0.00
0.16
0.00
2.27
0.00
24.93
0.56
0.00
0.13
0.63
1.39
0.00
10.86
0.00
0.00
0.00
0.01
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.01
0.25
0.00
4.26
0.19
0.17
0.00
0.00
0.01
0.00
0.00
1.25
0.47
0.07
0.05
0.00
0.04
0.01
2.27
0.00
0.00
0.03
0.48
0.12
0.00
0.22
合計b
3,450.89
100.00
82.63
100.00
3,533.52
100.00
0.00 = 0.01 を下回る%。
a 米ドル換算での契約金額に基づき、製品が産出、生産、栽培もしくは製造される国を示す。
b 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
年次報告 2010
197
統計付録 30
2010 年中の締結済み契約(原産国別)
プロジェクト融資−アジア開発基金(金額単位:百万ドル)
製品および
国a
コンサルティング・
金額配分
(%)
アフガニスタン
アルメニア
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
ブルネイ
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー諸島
フィンランド
フランス
グルジア
ドイツ
香港
インド
インドネシア
アイルランド
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
ルクセンブルク
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
ポルトガル
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
ツバル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
15.49
16.16
1.67
0.00
0.24
97.14
0.04
4.51
0.00
7.78
0.00
105.14
0.01
0.57
0.00
0.00
0.49
28.50
88.71
0.13
7.99
117.22
0.21
0.17
5.22
0.00
0.00
21.16
0.13
5.93
0.00
1.66
0.91
0.21
12.99
0.00
0.00
28.15
0.03
5.63
0.00
33.25
4.32
0.17
0.00
0.05
1.21
0.00
4.90
88.11
0.00
0.02
0.55
2.57
2.72
0.00
0.28
0.00
0.00
2.11
5.23
25.84
0.00
68.70
1.90
1.98
0.21
0.00
0.03
11.93
0.01
0.55
0.00
0.96
0.00
12.91
0.00
0.07
0.00
0.00
0.06
3.50
10.90
0.02
0.98
14.40
0.03
0.02
0.64
0.00
0.00
2.60
0.02
0.73
0.00
0.20
0.11
0.03
1.60
0.00
0.00
3.46
0.00
0.69
0.00
4.08
0.53
0.02
0.00
0.01
0.15
0.00
0.60
10.82
0.00
0.00
0.07
0.32
0.33
0.00
0.03
0.00
0.00
0.26
0.64
3.17
0.00
8.44
合計b
814.27
100.00
0.00 = 0.01 を下回る%。
a 米ドル換算での契約金額に基づき、製品が産出、生産、栽培もしくは製造される国を示す。
b 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
サービス
締結済み
金額配分
(%)
契約合計
金額配分(%)
0.00
0.35
3.71
2.49
0.00
15.45
0.00
0.00
0.00
0.02
4.95
0.00
0.00
0.05
0.00
0.00
3.22
0.00
7.27
0.00
5.14
18.79
0.00
0.00
2.25
0.00
0.00
7.85
0.30
0.01
0.00
0.00
0.02
0.00
0.35
0.00
0.00
7.52
1.01
1.07
0.00
3.41
0.54
15.11
0.00
0.00
0.00
0.00
0.50
5.01
0.00
2.55
0.00
0.17
0.39
0.00
0.00
0.00
0.00
3.66
1.44
2.63
0.00
12.07
0.00
0.27
2.87
1.92
0.00
11.95
0.00
0.00
0.00
0.02
3.83
0.00
0.00
0.04
0.00
0.00
2.49
0.00
5.62
0.00
3.98
14.53
0.00
0.00
1.74
0.00
0.00
6.07
0.23
0.01
0.00
0.00
0.02
0.00
0.27
0.00
0.00
5.82
0.78
0.83
0.00
2.63
0.42
11.68
0.00
0.00
0.00
0.00
0.39
3.88
0.00
1.98
0.00
0.13
0.30
0.00
0.00
0.00
0.00
2.83
1.12
2.03
0.00
9.33
15.50
16.50
5.38
2.49
0.24
112.60
0.04
4.51
0.00
7.80
4.95
105.14
0.01
0.62
0.00
0.00
3.71
28.50
95.98
0.13
13.13
136.01
0.21
0.17
7.47
0.00
0.00
29.01
0.43
5.94
0.00
1.66
0.93
0.21
13.35
0.00
0.00
35.67
1.05
6.70
0.00
36.66
4.86
15.28
0.00
0.05
1.21
0.00
5.40
93.12
0.00
2.58
0.55
2.73
3.11
0.00
0.28
0.00
0.00
5.77
6.67
28.46
0.00
80.77
1.64
1.75
0.57
0.26
0.03
11.93
0.00
0.48
0.00
0.83
0.52
11.14
0.00
0.07
0.00
0.00
0.39
3.02
10.17
0.01
1.39
14.41
0.02
0.02
0.79
0.00
0.00
3.07
0.05
0.63
0.00
0.18
0.10
0.02
1.41
0.00
0.00
3.78
0.11
0.71
0.00
3.89
0.52
1.62
0.00
0.01
0.13
0.00
0.57
9.87
0.00
0.27
0.06
0.29
0.33
0.00
0.03
0.00
0.00
0.61
0.71
3.02
0.00
8.56
129.31
100.00
943.58
100.00
統計付録
土木工事
198
アジア開発銀行
統計付録 31
2010 年中の締結済み契約(原産国別)
プロジェクト融資−通常資本財源とアジア開発基金の合計(金額単位:百万ドル)
製品および
コンサルティング・
統計付録
国a
土木工事
金額配分
(%)
アフガニスタン
アルメニア
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
ブルネイ
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー諸島
フィンランド
フランス
グルジア
ドイツ
香港
インド
インドネシア
アイルランド
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
ルクセンブルク
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
ポルトガル
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
ツバル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
15.49
16.16
2.00
0.00
165.99
103.89
0.04
4.51
0.00
7.78
0.85
1,645.44
0.01
0.57
7.55
0.00
1.84
28.50
167.05
0.13
862.63
134.37
0.21
4.75
27.36
49.24
0.00
402.02
0.13
5.93
0.00
2.07
0.91
0.21
12.99
0.00
0.00
28.15
0.15
14.26
0.00
172.47
10.78
5.51
0.00
0.05
1.40
0.00
4.90
132.22
16.45
2.38
2.42
2.57
2.72
0.19
79.34
0.00
0.00
2.11
10.44
29.63
0.00
76.35
0.36
0.38
0.05
0.00
3.89
2.44
0.00
0.11
0.00
0.18
0.02
38.58
0.00
0.01
0.18
0.00
0.04
0.67
3.92
0.00
20.22
3.15
0.00
0.11
0.64
1.15
0.00
9.43
0.00
0.14
0.00
0.05
0.02
0.00
0.30
0.00
0.00
0.66
0.00
0.33
0.00
4.04
0.25
0.13
0.00
0.00
0.03
0.00
0.11
3.10
0.39
0.06
0.06
0.06
0.06
0.00
1.86
0.00
0.00
0.05
0.24
0.69
0.00
1.79
合計b
4,265.15
100.00
0.00 = 0.01 を下回る%。
a 米ドル換算での契約金額に基づき、製品が産出、生産、栽培もしくは製造される国を示す。
b 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
サービス
締結済み
金額配分
(%)
契約合計
金額配分(%)
0.00
0.35
9.89
2.50
0.00
15.46
0.00
0.00
0.00
0.02
6.39
8.62
0.00
0.07
0.00
0.00
7.47
0.00
9.21
0.00
31.25
21.49
0.00
0.00
2.29
0.00
0.00
10.69
0.30
0.01
0.00
0.00
0.02
0.00
0.35
0.00
0.00
7.52
1.24
1.22
0.00
14.62
0.91
15.85
0.00
0.00
0.00
0.00
0.50
5.01
0.02
2.55
0.00
0.17
1.91
0.00
1.04
0.00
0.00
4.71
13.11
2.95
0.00
12.23
0.00
0.16
4.67
1.18
0.00
7.30
0.00
0.00
0.00
0.01
3.02
4.07
0.00
0.03
0.00
0.00
3.52
0.00
4.35
0.00
14.74
10.14
0.00
0.00
1.08
0.00
0.00
5.04
0.14
0.01
0.00
0.00
0.01
0.00
0.17
0.00
0.00
3.55
0.59
0.57
0.00
6.90
0.43
7.48
0.00
0.00
0.00
0.00
0.24
2.37
0.01
1.21
0.00
0.08
0.90
0.00
0.49
0.00
0.00
2.22
6.19
1.39
0.00
5.77
15.50
16.50
11.89
2.50
165.99
119.35
0.04
4.51
0.00
7.80
7.24
1,654.06
0.01
0.64
7.55
0.00
9.31
28.50
176.27
0.13
893.88
155.86
0.21
4.75
29.65
49.24
0.00
412.71
0.43
5.94
0.00
2.07
0.93
0.21
13.35
0.00
0.00
35.67
1.39
15.47
0.00
187.10
11.69
21.36
0.00
0.05
1.40
0.00
5.40
137.23
16.47
4.93
2.42
2.73
4.64
0.19
80.38
0.00
0.00
6.82
23.55
32.58
0.00
88.58
0.35
0.37
0.27
0.06
3.71
2.67
0.00
0.10
0.00
0.17
0.16
36.94
0.00
0.01
0.17
0.00
0.21
0.64
3.94
0.00
19.97
3.48
0.00
0.11
0.66
1.10
0.00
9.22
0.01
0.13
0.00
0.05
0.02
0.00
0.30
0.00
0.00
0.80
0.03
0.35
0.00
4.18
0.26
0.48
0.00
0.00
0.03
0.00
0.12
3.07
0.37
0.11
0.05
0.06
0.10
0.00
1.80
0.00
0.00
0.15
0.53
0.73
0.00
1.98
211.94
100.00
4,477.10
100.00
年次報告 2010
199
統計付録 32
2010 年中のプログラム融資による海外調達供給国への支出見積 a
通常資本財源(OCR)
国
合計b
百万ドル
配分
(%)
OCRとADFの合計
配分
(%)
百万ドル
0.22
1.74
68.45
5.45
16.00
0.86
20.57
0.31
7.80
0.00
18.23
143.69
10.00
2.44
0.00
4.15
20.98
0.02
60.10
31.28
35.73
10.96
1.57
25.34
112.29
1.02
0.00
62.77
0.04
0.00
0.13
58.22
0.07
0.00
0.03
2.00
0.04
1.07
13.76
8.73
2.08
3.01
1.23
3.37
0.25
0.00
187.71
0.00
5.60
1.00
13.39
21.74
0.00
0.07
51.73
0.00
32.17
2.45
0.00
25.38
102.07
1.07
0.01
9.63
0.02
0.14
5.66
0.45
1.32
0.07
1.70
0.03
0.64
0.00
1.51
11.88
0.83
0.20
0.00
0.34
1.73
0.00
4.97
2.59
2.95
0.91
0.13
2.09
9.28
0.08
0.00
5.19
0.00
0.00
0.01
4.81
0.01
0.00
0.00
0.17
0.00
0.09
1.14
0.72
0.17
0.25
0.10
0.28
0.02
0.00
15.51
0.00
0.46
0.08
1.11
1.80
0.00
0.01
4.28
0.00
2.66
0.20
0.00
2.10
8.44
0.09
0.00
0.80
0.99
0.00
10.26
2.43
0.00
1.12
5.23
0.05
0.03
0.00
8.85
90.82
0.00
1.64
2.18
2.44
10.32
0.01
21.84
6.79
51.30
14.31
0.67
11.73
23.00
0.06
0.02
14.47
0.00
0.02
0.03
26.29
0.05
1.00
0.00
0.98
0.00
0.23
7.68
5.03
0.52
1.32
0.06
0.95
0.24
0.00
29.21
0.00
3.11
1.79
5.39
5.58
0.00
0.16
18.54
0.01
2.94
0.32
0.00
14.56
42.86
1.47
0.00
1.90
0.22
0.00
2.27
0.54
0.00
0.25
1.15
0.01
0.01
0.00
1.96
20.06
0.00
0.36
0.48
0.54
2.28
0.00
4.82
1.50
11.33
3.16
0.15
2.59
5.08
0.01
0.00
3.20
0.00
0.00
0.01
5.81
0.01
0.22
0.00
0.22
0.00
0.05
1.70
1.11
0.12
0.29
0.01
0.21
0.05
0.00
6.45
0.00
0.69
0.39
1.19
1.23
0.00
0.03
4.09
0.00
0.65
0.07
0.00
3.22
9.47
0.32
0.00
0.42
1.20
1.74
78.71
7.88
16.00
1.98
25.80
0.35
7.83
0.01
27.08
234.51
10.00
4.08
2.18
6.59
31.30
0.03
81.93
38.07
87.03
25.27
2.24
37.07
135.28
1.08
0.02
77.24
0.04
0.02
0.16
84.51
0.12
1.00
0.03
2.98
0.04
1.30
21.43
13.76
2.60
4.33
1.29
4.32
0.49
0.00
216.92
0.00
8.71
2.79
18.78
27.32
0.00
0.23
70.27
0.01
35.10
2.77
0.00
39.94
144.93
2.54
0.01
11.53
0.07
0.10
4.73
0.47
0.96
0.12
1.55
0.02
0.47
0.00
1.63
14.10
0.60
0.25
0.13
0.40
1.88
0.00
4.93
2.29
5.23
1.52
0.13
2.23
8.14
0.06
0.00
4.65
0.00
0.00
0.01
5.08
0.01
0.06
0.00
0.18
0.00
0.08
1.29
0.83
0.16
0.26
0.08
0.26
0.03
0.00
13.05
0.00
0.52
0.17
1.13
1.64
0.00
0.01
4.23
0.00
2.11
0.17
0.00
2.40
8.72
0.15
0.00
0.69
1,210.00
100.00
452.79
100.00
1,662.79
100.00
0.00 = 0.01 を下回る%。
a 推定金額は、国際通貨基金(IMF)の「Direction of Trade Statistics」掲載の借入国の最新貿易統計から抜粋した輸入データに基づいている。
b 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
百万ドル
配分(%)
統計付録
アフガニスタン
アルメニア
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
ブルネイ
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー諸島
フィンランド
フランス
グルジア
ドイツ
香港
インド
インドネシア
アイルランド
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
ルクセンブルク
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
ポルトガル
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
ツバル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
アジア開発基金
(ADF)
200
アジア開発銀行
統計付録 33
技術協力業務に関する締結済み契約累計金額
(原産国別)(金額単位:百万ドル、2010 年 12 月 31 日現在)
製品および
統計付録
ADBの
土木工事の配分
国a
独自財源
(%)
アフガニスタン
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
ブルネイ
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー諸島
フィンランド
フランス
グルジア
ドイツ
香港
インド
インドネシア
アイルランド
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
ルクセンブルク
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
ポルトガル
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
ツバル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
国際機関
その他
1.395
187.269
1.430
0.517
25.312
5.488
0.714
0.015
2.829
111.433
32.053
0.098
13.455
1.911
10.443
36.492
0.323
29.455
35.116
74.234
20.861
1.755
6.069
36.870
1.642
0.025
6.783
2.125
3.591
0.000
13.723
0.118
0.206
0.007
2.191
0.940
0.014
13.232
27.731
73.623
5.402
30.717
0.017
1.328
118.376
0.250
0.887
22.422
0.577
9.218
15.040
8.111
15.547
1.113
0.785
15.199
1.291
0.932
0.431
0.147
0.061
195.984
281.404
2.324
0.887
5.588
3.306
23.207
0.642
0.09
12.13
0.09
0.03
1.64
0.35
0.04
0.00
0.18
7.22
2.07
0.00
0.87
0.12
0.67
2.36
0.02
1.90
2.27
4.81
1.35
0.11
0.39
2.39
0.10
0.00
0.44
0.13
0.23
0.00
0.89
0.00
0.01
0.00
0.14
0.06
0.00
0.85
1.79
4.77
0.35
1.99
0.00
0.08
7.67
0.01
0.05
1.45
0.03
0.59
0.97
0.52
1.00
0.07
0.05
0.98
0.07
0.06
0.02
0.01
0.00
12.70
18.24
0.15
0.05
0.36
0.21
1.50
0.04
1,542.680
100.00
合計b
配分
日本
配分
締結済み
配分
(%)
特別基金
(%)
契約合計
(%)
1.794
84.669
0.131
0.278
8.727
1.412
0.388
0.000
3.388
52.045
9.816
0.270
7.871
1.287
6.515
22.054
0.000
20.166
9.786
34.417
16.048
0.232
1.240
15.118
1.510
0.052
2.508
0.867
2.508
0.095
1.937
0.056
0.180
0.000
1.366
0.697
0.018
7.830
26.366
22.469
4.565
14.515
0.000
0.613
34.623
0.043
0.112
6.576
0.184
5.073
5.254
6.737
6.630
0.069
1.286
10.255
0.186
0.051
0.270
0.048
0.000
76.904
99.907
0.713
0.009
7.107
9.241
4.067
0.000
0.27
12.80
0.02
0.04
1.32
0.21
0.05
0.00
0.51
7.87
1.48
0.04
1.19
0.19
0.98
3.33
0.00
3.05
1.48
5.20
2.42
0.03
0.18
2.28
0.22
0.00
0.37
0.13
0.37
0.01
0.29
0.00
0.02
0.00
0.20
0.10
0.00
1.18
3.98
3.39
0.69
2.19
0.00
0.09
5.23
0.00
0.01
0.99
0.02
0.76
0.79
1.01
1.00
0.01
0.19
1.55
0.02
0.00
0.04
0.00
0.00
11.63
15.11
0.10
0.00
1.07
1.39
0.61
0.00
0.243
133.714
0.922
0.021
7.223
2.260
0.154
0.000
0.530
69.246
8.104
0.000
19.315
0.450
9.593
24.054
0.000
36.864
22.022
35.867
12.297
0.165
2.678
32.970
0.131
0.008
4.028
0.218
1.102
0.089
4.461
0.026
0.010
0.218
0.834
0.011
0.002
3.485
31.366
69.959
3.482
4.676
0.000
1.717
36.858
0.099
0.868
10.815
0.217
1.010
3.964
10.135
13.814
2.710
0.162
12.051
0.128
0.226
0.048
0.000
0.003
141.592
176.333
0.805
1.202
3.375
3.120
4.899
0.000
0.02
13.80
0.09
0.00
0.74
0.23
0.01
0.00
0.05
7.14
0.83
0.00
1.99
0.04
0.99
2.48
0.00
3.80
2.27
3.70
1.26
0.01
0.27
3.40
0.01
0.00
0.41
0.02
0.11
0.00
0.46
0.00
0.00
0.02
0.08
0.00
0.00
0.36
3.23
7.22
0.35
0.48
0.00
0.17
3.80
0.01
0.09
1.11
0.02
0.10
0.40
1.04
1.42
0.28
0.01
1.24
0.01
0.02
0.00
0.00
0.00
14.61
18.19
0.08
0.12
0.34
0.32
0.50
0.00
3.432
405.652
2.483
0.816
41.262
9.160
1.256
0.015
6.747
232.724
49.973
0.368
40.641
3.648
26.551
82.600
0.323
86.485
66.924
144.518
49.206
2.152
9.987
84.958
3.283
0.085
13.319
3.210
7.201
0.184
20.121
0.200
0.396
0.225
4.391
1.648
0.034
24.547
85.463
166.051
13.449
49.908
0.017
3.658
189.857
0.392
1.867
39.813
0.978
15.301
24.258
24.983
35.991
3.892
2.233
37.505
1.605
1.209
0.749
0.195
0.064
414.480
557.644
3.842
2.098
16.070
15.667
32.173
0.642
0.10
12.78
0.07
0.02
1.30
0.28
0.04
0.00
0.21
7.33
1.57
0.01
1.28
0.11
0.83
2.60
0.01
2.72
2.10
4.55
1.55
0.06
0.31
2.67
0.10
0.00
0.42
0.10
0.22
0.00
0.63
0.00
0.01
0.00
0.13
0.05
0.00
0.77
2.69
5.23
0.42
1.57
0.00
0.11
5.98
0.01
0.05
1.25
0.03
0.48
0.76
0.78
1.13
0.12
0.07
1.18
0.04
0.03
0.02
0.00
0.00
13.06
17.57
0.12
0.06
0.50
0.49
1.01
0.02
661.149
100.00
968.949
100.00
3,172.780
100.00
管理信託基金
0.00 = 無視しうるデータ。
a 米ドル換算での契約金額に基づき、製品が産出、生産、栽培もしくは製造される国を示す。
b 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
年次報告 2010
201
統計付録 34
技術協力業務に関する締結済み契約金額(原産国別)
(2008 ∼ 2010 年)
(金額単位:百万ドル)
2008
2009
2010
国a
金額
%
金額
%
アフガニスタン
アルメニア
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
ブルネイ
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー諸島
フィンランド
フランス
グルジア
ドイツ
香港
インド
インドネシア
アイルランド
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
0.26
0.10
23.72
0.08
0.01
3.85
0.37
0.09
–
0.77
8.84
3.33
0.10
1.46
0.30
0.85
11.04
–
8.84
1.91
11.51
2.13
0.05
0.29
6.13
0.12
–
0.45
0.22
0.19
–
1.90
–
0.04
–
0.20
–
–
2.06
0.95
8.74
0.11
4.15
–
0.28
6.80
–
0.01
0.88
0.12
1.53
0.65
1.71
0.19
0.66
0.04
1.19
0.11
0.06
0.10
–
–
12.57
16.84
0.26
–
2.10
–
0.59
0.17
0.06
15.62
0.05
0.01
2.54
0.24
0.06
–
0.51
5.82
2.20
0.06
0.96
0.20
0.56
7.27
–
5.82
1.26
7.58
1.40
0.03
0.19
4.04
0.08
–
0.30
0.14
0.12
–
1.25
–
0.03
–
0.13
–
–
1.35
0.63
5.75
0.07
2.73
–
0.18
4.48
–
0.00
0.58
0.08
1.00
0.43
1.13
0.13
0.44
0.03
0.78
0.07
0.04
0.06
–
–
8.28
11.09
0.17
–
1.38
–
0.39
0.31
0.07
28.66
0.18
0.01
4.46
0.63
0.15
–
0.37
8.94
8.69
0.13
0.62
0.77
0.68
5.75
–
3.72
3.43
16.65
2.74
0.82
0.39
9.69
0.13
0.02
1.26
0.58
0.35
0.13
0.80
0.01
0.01
–
0.40
–
0.02
2.94
8.67
6.66
0.13
2.99
–
0.15
10.81
0.05
–
3.07
0.05
2.46
1.08
1.08
5.75
–
0.10
0.81
–
0.42
–
0.01
–
17.93
15.18
0.61
0.01
0.85
–
–
0.17
0.04
15.63
0.10
0.00
2.43
0.35
0.08
–
0.20
4.87
4.74
0.07
0.34
0.42
0.37
3.14
–
2.03
1.87
9.08
1.49
0.45
0.21
5.28
0.07
0.01
0.69
0.32
0.19
0.07
0.43
0.01
0.01
–
0.22
–
0.01
1.60
4.73
3.63
0.07
1.63
–
0.08
5.89
0.02
–
1.67
0.03
1.34
0.59
0.59
3.14
–
0.05
0.44
–
0.23
–
0.01
–
9.78
8.28
0.33
0.01
0.46
–
–
0.13
0.24
18.30
0.07
0.03
8.46
0.37
0.34
0.02
0.43
9.70
7.15
0.01
3.79
0.17
0.16
5.13
0.31
5.87
6.23
18.29
2.67
0.78
0.54
2.16
0.50
0.01
1.27
0.40
0.78
0.01
0.82
–
0.05
0.20
0.88
–
0.01
2.67
4.68
8.72
0.06
3.36
–
0.39
17.04
0.10
0.10
2.15
0.04
2.92
1.65
0.98
0.28
0.04
0.28
1.48
0.11
0.26
0.01
0.01
–
16.94
22.99
0.51
0.13
1.13
–
–
0.07
0.13
9.88
0.04
0.02
4.57
0.20
0.19
0.01
0.23
5.24
3.86
0.01
2.04
0.09
0.09
2.77
0.17
3.17
3.36
9.87
1.44
0.42
0.29
1.17
0.27
0.01
0.68
0.21
0.42
–
0.44
–
0.02
0.11
0.48
–
0.01
1.44
2.52
4.71
0.03
1.81
–
0.21
9.20
0.05
0.05
1.16
0.02
1.58
0.89
0.53
0.15
0.02
0.15
0.80
0.06
0.14
0.01
–
–
9.15
12.41
0.28
0.07
0.61
–
–
151.83
100.00
183.40
100.00
185.25
100.00
合計b
– = 0、0.00 = 0.01 を下回る%。
a 米ドル換算での契約金額に基づき、製品が産出、生産、栽培もしくは製造される国を示す。
b 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
%
統計付録
ラオス
ルクセンブルク
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
ポルトガル
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
ツバル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
国際機関
金額
付録
付録1
加盟国、資本金および議決権
付録2
付録3
2010年中に採択された総務会決議
2010年中に理事会が検討した政策、戦略および財務書類(抜粋)
付録4
総務会
付録5
理事会および議決グループ
付録6
理事会委員会
付録7
アジア開発銀行研究所諮問委員会
付録8
組織図
付録9
歴代の総裁および副総裁
付録10 2010年内部管理費および2011年予算の概要
付録11 加盟国別経営陣および職員数
付録12 駐在員事務所の定員数
付録13 駐在員事務所(RM)数およびその職員数の推移
付録14 ADB の主な知識成果物
付録15 ソブリン融資の評価
203
204
204
205
207
208
209
210
211
212
213
214
215
216
226
年次報告 2010
203
付録 1
加盟国、資本金および議決権)
(2010 年 12 月 31 日現在)
加盟年
域内小計
1966
2005
1966
1999
1973
1982
2006
1966
1986
1976
1970
2007
1969
1966
1966
1966
1994
1974
1966
1994
1966
1966
1978
1990
1990
1991
1973
1991
1966
1966
1966
2003
1971
1966
1966
1966
1973
1966
1966
1998
1966
2002
1972
2000
1993
1995
1981
1966
0.038
0.339
6.571
0.505
1.160
0.007
0.133
0.056
7.318
0.003
0.077
0.388
0.618
7.190
6.185
17.723
0.916
0.005
5.721
0.340
0.016
3.092
0.005
0.003
0.002
0.017
0.618
0.005
0.167
1.744
2.474
0.004
0.107
2.706
0.001
0.129
0.008
0.659
1.237
0.325
1.546
0.011
0.005
0.288
0.001
0.765
0.008
0.129
0.329
0.570
5.555
0.703
1.226
0.304
0.405
0.343
6.153
0.301
0.360
0.609
0.793
6.050
5.246
14.477
1.031
0.302
4.875
0.570
0.311
2.772
0.302
0.301
0.300
0.312
0.793
0.302
0.432
1.694
2.278
0.301
0.384
2.463
0.299
0.402
0.305
0.825
1.288
0.559
1.535
0.307
0.302
0.529
0.299
0.910
0.305
0.402
71.361
71.417
加盟年
域外
オーストリア
ベルギー
カナダ
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
アイルランド
イタリア
ルクセンブルク
オランダ
ノルウェー
ポルトガル
スペイン
スウェーデン
スイス
トルコ
英国
米国
域外小計
合計
1966
1966
1966
1966
1966
1970
1966
2006
1966
2003
1966
1966
2002
1986
1966
1967
1991
1966
1966
応募済
議決権b
資本a
(構成比%)
(構成比%)
0.386
0.386
5.940
0.386
0.386
2.643
4.913
0.129
2.052
0.386
1.165
0.386
0.129
0.386
0.386
0.221
0.129
2.319
5.908
0.608
0.608
5.051
0.608
0.608
2.413
4.229
0.402
1.940
0.608
1.230
0.608
0.402
0.608
0.608
0.475
0.402
2.154
5.025
28.639
28.583
100.000
100.000
注:小数点以下の処理により合計が一致しない場合がある。
現在、第 5 次一般増資への払込みが行われているため、加盟国の持分比率および議決権は払
込み応募期間中、随時変動する。
a 応募済資本とは、ADB の資本に対する加盟国の応募済持ち分をいう。
b 各加盟国の総議決権は、基本議決権と比例議決権からなる。各加盟国の基本議決権数は、
全加盟国の基本議決権と比例議決権の合計の 20%を全加盟国で均等に配分した議決権数
である。各加盟国の比例議決権数は、当該加盟国が保有する ADB の株式の数と同じであ
る。
付録
域内
アフガニスタン
アルメニア
オーストラリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
ブルネイ
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
香港
インド
インドネシア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
ニュージーランド
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルクメニスタン
ツバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
応募済
議決権b
資本a
(構成比%)
(構成比%)
204
アジア開発銀行
付録 2
2010 年中に採択された総務会決議
決議番号
342
件名
採択日
財務諸表、財務管理に関する経営陣報告書、
および外部監査機関の報告書
5月4日
343
純利益の分配
5月4日
344
第44回年次総会(2011年)の開催場所と日時
5月4日
345
アジア開発基金の第5次財源補充および
技術協力特別基金の第2次定期財源補充に
対するナウルの拠出金の減額
8月30日
付録
346
規則第5条に関する決定
12月17日
347
規則第7条(B)
(a)の修正
12月17日
付録 3
2010 年中に理事会が検討した政策、戦略および財務書類(抜粋)
件名
審議日
ピープルストラテジー(人事政策)
1月21日
融資手数料の改定および2009年純益の配分
4月12日
2009年の開発効果レビュー
4月21日
アフガニスタン向けポスト・コンフリクト支援の段階的停止計画の差し止め
7月16日
リスク管理システムに対する設備投資提案
7月22日
業務計画と予算枠組み(2011∼2013年)
専門職員の給与および諸手当の包括的レビュー
(2010年)
10月6日
10月20日
本部勤務の事務担当官および事務職スタッフの給与および諸手当の年次レビュー
10月20日
政策ベース融資制度の見直し
10月21日
成果フレームワークの改定
11月17日
2011年借入プログラム
12月6日
追加融資:開発効果の強化
12月15日
融資手数料の改定および2010年純益の配分
12月16日
2011年予算
12月17日
アジア開発銀行研究所3カ年業務計画(2011∼2013年)
と2011年予算
12月17日
注:理事会が2010年中にRペーパーとWペーパーを審議した場合、
Rペーパーの審議日のみを記す。
年次報告 2010
205
付録 4
総務会
(2011 年 1 月 13 日現在)
Nguyen Van Giau
(ベトナム)
議長
Wangdi Norbu
(ブータン)
副議長
Josef Proll
(オーストリア)
副議長
総務
総務代理
アフガニスタン
アルメニア
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
ブルネイ
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー諸島
フィンランド
フランス
ドイツ
グルジア
香港
インド
インドネシア
アイルランド
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
ルクセンブルク
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
ポルトガル
サモア
シンガポール
Omar Zakhilwal
Nerses Yeritsyan
Wayne Swan, MP
Josef Pröll
Samir Sharifov
Abul Maal A. Muhith
Didier Reynders
Wangdi Norbu
Pehin Dato Abdul Rahman Ibrahim
Keat Chhon
Lawrence Cannon
Xie Xuren(謝 旭人)
Mark Brown
Susan Ulbæk
Josaia Voreqe Bainimarama
Ritva Koukku-Ronde
Christine Lagarde
Gudrun Kopp
Kakha Baindurashvili
John Tsang Chun-wah
Pranab Mukherjee
Agus D.W. Martowardojo
Brian Lenihan, T.D.
Mario Draghi
Abdul Qadeer Fitrat
Mushegh Tumasyan
David Bradbury, MP
Gunther Schönleitner
Shahin Mustafayev
Md. Musharraf Hossain Bhuiyan
Gino Alzetta
Nim Dorji
Mohd Roselan Mohd Daud
Aun Porn Moniroth
James A. Haley
Li Yong(李 勇)
Garth Henderson
Martin Bille Hermann
Sada Sivan Reddy
Pasi Hellman
Ramon Fernandez
Rolf Wenzel
Zurab Pololikashvili
Norman Chan
Ashok Chawla
Armida Alisjahbana
Michael J. McGrath
Carlo Monticelli
野田 佳彦
白川 方明
Zhanar Aitazhanova
Natan Teewe
Jeung-Hyun Yoon(尹 増鉉)
Chorobek Imashevich Imashev
Somdy Douangdy
Luc Frieden
Dato’Sri Mohd Najib Bin Tun Haji Abdul Razak
Ali Hashim
Jack J. Ading
Finley S. Perman
Bayartsogt Sangajav
Hla Tun
Kieren Keke, MP
Surendra Pandey
Ben Knapen
Bill English
Ingrid Fiskaa
Abdul Hafeez Shaikh
Kerai Mariur
Peter O’
Neill, CMG MP
Cesar Purisima
Fernando Teixeira dos Santos
Nickel Lee-Hang
Tharman Shanmugaratnam
Ruslan Erbolatovich Dalenov
Atanteora Beiatau
Choongsoo Kim(金 仲秀)
Emilbek Satarovich Umetaliev
Somphao Phaysith
Arsène Jacoby
Tan Sri Dr. Wan Abdul Aziz bin Wan Abdullah
Ahmed As-ad
Amon Tibon
Lorin Robert
Purevdorj Lkhasuren
Daw Myat Myat So
Tim Drown
Rameshore Prasad Khanal
Yoka Brandt
John Whitehead
Henrik Harboe
Sibtain Fazal Halim
Marino Rechesengel
Simon Tosali
Amando M. Tetangco, Jr.
Carlos Costa Pina
Tupaimatuna lulai Lavea
Peter Ong Boon Kwee
付録
加盟国
206
アジア開発銀行
付録 4
総務会
(2011 年 1 月 13 日現在)
Nguyen Van Giau
(ベトナム)
議長
Wangdi Norbu
(ブータン)
副議長
Josef Proll
(オーストリア)
副議長
付録
加盟国
総務
総務代理
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
ツバル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
Gordon Darcy Lilo
Elena Salgado
Mahinda Rajapaksa
Joakim Stymne
Beatrice Maser Mallor
Fai-nan Perng
Matlubkhon S. Davlatov
Korn Chatikavanij
Emilia Pires
Feleti Vaka’
uta Sevele
Ibrahim H. Çanakc
Guvanchmurad Geoklenov
Monise Tuivaka Laafai
Andrew Mitchell
Timothy Geithner
Rustam Azimov
Moana Kalosil Carcasses, MP
Nguyen Van Giau
Shadrach Fanega
José Manuel Campa Fernández
P.B. Jayasundera
Per Orneus
Jurg Benz
Ming-Chung Tseng
Khamdam Tagaymurodov
Areepong Bhoocha-oom
Joao Mendes Goncalves
Tiofilusi Tiueti
Evren Dilekli
Muhammetgeldi Atayev
Minute Alapati Taupo
Alan Duncan
Robert D. Hormats
Galina Saidova
George Singara Maniuri
Nguyen Van Binh
年次報告 2010
207
付録 5
理事会および議決グループ
(2011 年 1 月 13 日現在)
理事
理事代理
Phil Bowen
Dereck Rooken-Smith
代表される加盟国
オーストラリア、
アゼルバイジャン、
カンボジア、
グルジア、
香港、
キリバス、
ミクロネシア連邦、ナウル、
パラオ、
ソロモン諸島、
ツバル
Howard Brown
Jacob A. Rooimans
カナダ、
デンマーク、
フィンランド、
アイルランド、
オランダ、
ノルウェー、
スウェーデン
Eduard Westreicher
Marwanto Harjowiryono
C. J. (Stan) Vandersyp
オーストリア、
ドイツ、ルクセンブルク、
トルコ、英国
アルメニア、
クック諸島、
フィジー諸島、
インドネシア、
キルギス、
ニュージーランド、
サモア、
トンガ
Ashok K. Lahiri
Bounleua Sinxayvolavong
アフガニスタン、
バングラデシュ、
ブータン、
インド、
ラオス、
タジキスタン、
トルクメニスタン
Michele Miari Fulcis
Jose Miguel Cortes
ベルギー、
フランス、
イタリア、
ポルトガル、
スペイン、
スイス
Robert M. Orr
Maureen Grewe
米国
坂口 勝一
渡部 康人
日本
Siraj S. Shamsuddin
Gaudencio S. Hernandez, Jr.
カザフスタン、
モルジブ、
マーシャル諸島、
モンゴル、
パキスタン、
フィリピン、東ティモール
Jaejung Song
Wilson Kamit
韓国、
パプアニューギニア、
スリランカ、
台湾、
ウズベキスタン、
バヌアツ、ベトナム
Chaiyuth Sudthitanakorn
Govinda Bahadur Thapa
ブルネイ、
マレーシア、
ミャンマー、
ネパール、
シンガポール、
タイ
Yingming Yang
Xiuzhen Guan
中国
付録
Richard Edwards
208
アジア開発銀行
付録 6
理事会委員会
監査委員会
コンプライアンス審査委員会
Michele Miari Fulcis(委員長)
Robert M. Orr
Jaejung Song
Chaiyuth Sudthitanakorn
Dereck Rooken-Smith
C. J. (Stan) Vandersyp
Eduard Westreicher(委員長)
Howard Brown
Siraj S. Shamsuddin
Chaiyuth Sudthitanakorn
Bounleua Sinxayvolavong
Wilson Kamit
付録
予算委員会
倫理委員会
Yingming Yang(委員長)
Phil Bowen
Marwanto Harjowiryono
Marwanto Harjowiryono(委員長)
Phil Bowen
Howard Brown
Ashok K. Lahiri
Yingming Yang
坂口 勝一
Jose Miguel Cortes
Maureen Grewe
人事委員会
Siraj S. Shamsuddin(委員長)
Robert M. Orr
Jaejung Song
開発効果委員会
Ashok K. Lahiri(委員長)
Richard Edwards
Jacob A. Rooimans
Gaudencio S. Hernandez, Jr.
Govinda Bahadur Thapa
坂口 勝一
Richard Edwards
Xiuzhen Guan
渡部 康人
年次報告2010作業部会
Wilson Kamit(委員長)
Jacob A. Rooimans
Dereck Rooken-Smith
Maureen Grewe
Xiuzhen Guan
渡部 康人
年次報告 2010
209
付録 7
アジア開発銀行研究所諮問委員会
(2010 年 12 月 31 日現在)
Cinnamon Dornsife
ジョンズ・ホプキンス大学ポール・H・ニッツェ高等国際問題研究大学院
国際開発プログラム学長代理、
米国
藤田 昌久
独立行政法人経済産業研究所所長、
日本
Eric Girardin
Stephen Howes
エクス・マルセイユ第2大学(地中海大学)
経済学教授、
フランス
オーストラリア国立大学
クローフォード経済政治学研究大学院学長、
オーストラリア
中国財政部次官、中国
前国務大臣、
インド政府
ADBチーフエコノミスト代行(諮問委員会メンバー代理)
アジア開発銀行研究所歴代所長
河合 正弘(2007年1月∼)
Peter McCawley(2003年1月∼2007年1月)
吉冨 勝(1999年1月∼2003年1月)
Jesus P. Estanislao(1997年12月∼1999年1月)
付録
Li Yong
Sanjiv Misra
Juzhong Zhuang
210
アジア開発銀行
付録 8
組織図 1
(2011 年 2 月 28 日現在)
総務会
理事会
独立評価局3
監察審査部2
B. PURDUE
H. RAO
総裁
黒田 東彦
事務局長
局長
付録
事務総長
R. NAG
アジア開発銀行研究所
河合 正弘
所長
副総裁
(知識管理・持続的開発担当)
監査部
地域・持続的開発局
K. MOKTAN
部長
特別上級顧問
(インフラ・水担当)
A. THAPAN
U. SCHÄFER-PREUSS
X. YAO4
副総裁
(業務 1 地域担当)
X. ZHAO
南アジア局
リスク管理部
広報局
官房
R. DAWSON 官房長
バングラデシュ
駐在員事務所
中国
駐在員事務所
P. HEYTENS 所長
インド
駐在員事務所
H. KIM 所長
モンゴル
駐在員事務所
(空席)所長
協調融資業務部
近藤 理 部長
法務局
J. HOVLAND 局長
ネパール
駐在員事務所
B. HITCHCOCK 所長
スリランカ
駐在員事務所
A. MONARI
J. LIMANDIBRATA 部長
民間部門業務局
T. KANDIAH, 所長
所長
R. VOKES 所長
駐日代表事務所
中森 邦樹
所長
J. MIRANDA 局長
北米代表事務所
(空席)
所長
B. LOHANI
P. ERQUIAGA 局長
経済調査局
(空席)
チーフエコノミスト
欧州代表事務所
特別案件促進部
R. MAY 部長
副総裁
(財務・管理担当)
L. VENKATACHALAM
東アジア局
S. RAHMAN 局長
戦略・政策局
坂井 和 局長
副総裁
(民間部門・協調融資担当)
K. GERHAEUSSER 局長
局長
汚職防止・公正管理室
P. PEDERSEN 室長
地域経済統合室
I. AZIS 室長
副総裁
(業務 2 地域担当)
C. LAWRENCE GREENWOOD, JR.
中央・西アジア局
予算・人事・経営システム局
玉川 雅之 局長
東南アジア局
千賀 邦夫 局長
カンボジア
駐在員事務所
P. KAMAYANA 所長
インドネシア
駐在員事務所
J. NUGENT 所長
アフガニスタン
駐在員事務所
R. RINKER 所長
ラオス
駐在員事務所
C. CHONG 所長
アゼルバイジャン
駐在員事務所
O. NOROJONO 所長
フィリピン
COUNTRY OFFICE
N. JAIN 所長
カザフスタン
駐在員事務所
G. LI 所長
C. STEFFENSEN 所長
キルギス
駐在員事務所
平岡 理恵 所長
ベトナム
駐在員事務所
小西 歩 所長
タイ
駐在員事務所
パキスタン
駐在員事務所
R. STROEM 所長
太平洋局
R. WIHTOL 局長
タジキスタン
駐在員事務所
渡慶次 ジョージ 所長
ウズベキスタン
駐在員事務所
樋口 和彦 所長
太平洋地域
連絡調整事務所
E. ZHUKOV 所長
太平洋局
A. RUTHENBERG 局長
パプアニューギニア
駐在員事務所
C. ANDREWS 所長
1 経営陣および幹部職員の一覧はwww.adb.org/About/management.
asp を参照。
2 監察審査部は理事会に報告を行う。
3 独立評価局は開発効果委員会を通じて理事会に報告を行う。
4 コンプライアンス統括責任者を兼務。
会計局
H. JUNG 局長
財務局
T. DE LONGUEMAR 局長
A. QUON
主任ディレクター
総務部
B. LEE 部長
東ティモール
特別連絡事務所
C. SUGDEN 所長
中央業務サービス部
H. SHARIF 部長
情報システム技術部
S. CHANDER 部長
年次報告 2010
211
付録 9
歴代の総裁および副総裁
総裁
渡辺 武
1966年11月24日 ∼ 1972年11月24日
井上 四郎
1972年11月25日 ∼ 1976年11月23日
吉田 太郎一
1976年11月24日 ∼ 1981年11月23日
1981年11月24日 ∼ 1989年11月23日
垂水 公正
1989年11月24日 ∼ 1993年11月23日
佐藤 光夫
1993年11月24日 ∼ 1999年1月15日
千野 忠男
1999年1月16日 ∼ 2005年1月31日
副総裁
C. S. Krishna Moorthi
1966年12月19日 ∼ 1978年3月31日
A. T. Bambawale
1978年4月1日 ∼ 1985年10月28日
M. Narasimham
1985年11月1日 ∼ 1988年7月31日
S. Stanley Katz
1978年4月1日 ∼ 1990年9月28日
In Yong Chung
1988年8月1日 ∼ 1993年7月31日
William R. Thomson
1990年10月1日 ∼ 1994年6月30日
Günther G. Schulz
1983年4月1日 ∼ 1995年6月30日
Bong-Suh Lee
1993年8月1日 ∼ 1998年7月31日
Pierre Uhel
1995年7月1日 ∼ 1998年11月24日
Peter H. Sullivan
1994年7月6日 ∼ 2000年9月20日
Myoung-Ho Shin
1998年8月1日 ∼ 2003年7月31日
John Lintjer
1999年1月18日 ∼ 2004年1月16日
Joseph B. Eichenberger
2000年12月15日 ∼ 2005年12月23日
Geert H.P.B van der Linden
2003年9月1日 ∼ 2006年8月31日
Khempheng Pholsena
2004年4月5日 ∼ 2007年4月4日
Liqun Jin
2003年8月1日 ∼ 2008年7月18日
付録
藤岡 眞佐夫
212
アジア開発銀行
付録 10
2010 年内部管理費および 2011 年予算の概要
(単位:千ドル)
2010
2011年
予算
項目
付録
A.
総務会
2,250
B.
理事会
25,952
理事室
14,847
アカウンタビリティ・メカニズム
独立評価局
C.
D.
実績
2,764b
予算
2,763
2,327
25,952
24,617
27,298
14,847
14,235
15,509
2,742
2,742
2,162
2,839
8,363
8,363
8,220
8,950
業務経費
336,383
336,383
333,609
378,227
給与
168,388
167,900
167,897
190,408
諸手当
100,240
103,266
103,266
111,872
職員能力開発費
5,330
5,610
5,610
6,323
移転費
7,813
5,723
5,722
7,922
コンサルタント費
25,630
24,902
24,081
29,293
出張費
28,540
28,540
26,704
31,919
会議費
442
442
330
490
管理費
77,230
77,360
76,456
90,728
通信費
7,906
7,215
6,998
8,577
20,372
20,362
20,315
25,030
図書費
1,235
1,244
1,243
1,481
事務用消耗品費
1,584
1,584
1,537
2,079
事務用設備・維持サポート費
7,172
7,172
7,054
7,892
17,719
18,241
18,241
22,121
事務所費
契約サービス費
保険料
減価償却費
雑費
E.
振替a後
合計(予備費除く)
3,572
3,572
3,211
4,146
16,934
17,234
17,234
18,484
736
736
624
918
441,815
442,459
437,446c
498,580
0
4,986
F.
予備費
G.
減:信託基金からの振替資金
H.
純IAE
I.
IAE予算の繰越
…
…
J.
繰越後の純IAE
439,488
439,488
b
4,418
3,904
(6,745)
(6,875)
439,488
439,488
(6,875)d
496,352e
430,571
f
8,000
438,571
(7,214)
…
496,352
“0”= 無視しうる範囲、
( )= マイナス、IAE = 内部管理費。
... = 該当データなし、または計算されていない、
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 振替は、当該予算分類の予算超過分を埋めるため、各予算項目の当初金額を超過しない範囲で、予算項目間で行った。
b 予算超過を埋めるため、51 万 3,400 ドルが予備費から総務会予算分類に振り替えられた。
c 日本特別基金(73 万 3,000 ドル)および日本奨学金プログラム(10 万 8,000 ドル)に関連する 84 万 1,000 ドルの支出を含む。一般に認められた会計原則、および記録・報告要件
に準拠するため、財務諸表に組み込まれた以下の調整項目を除く。(i) 退職後医療給付(831 万 9,000 ドル)
、(ii) 年金給付債務の費用に関する保険数理上の査定額(3,869 万 8,000
ドル)、(iii) 予算繰越による支出(547 万 5,000 ドル)
、(iv) 累計有給休暇(259 万 4,000 ドル)
、(v) 未払い再定住 / 帰国手当引当金(125 万 8,000 ドル)および退職手当(131 万
4,000 ドル)、(vi) その他の調整額(− 5 万 4,000 ドル)。調整済み管理費総額は、財務諸表に示すとおり 5 億 2,100 万 3,000 ドルで、その内訳は、OCR2 億 9,425 万 1,000 ドル、
ADF2 億 2,591 万 1,000 ドル、日本特別基金および日本奨学金プログラム 84 万 1,000 ドルである。
d この金額(687 万 5,000 ドル)は、本年度中に信託基金管理に要したと思われる総経費の推定額を示している。
e 純 IAE の 2010 年予算の内訳は、独立評価局(IED)向け 895 万ドル、および IED 以外の ADB 向け 4 億 8,740 万 2,000 ドル。
f 2006 年、理事会は、純 IAE 予算の最大 2%の次年度への予算繰越を、2007 年予算から導入することを承認した。これに従い、800 万ドル(2010 年純 IAE 予算の約 1.8%)が 2011
年に繰り越された。
年次報告 2010
213
付録 11
加盟国別経営陣および職員数
(2010 年 12 月 31 日現在)
加盟国
経営陣
国際スタッフ
事務担当官
/事務職員
合計
域内
加盟国
経営陣
国際スタッフ
事務担当官
/事務職員
合計
域外
0
0
15
15
0
1
5
6
オーストラリア
0
56
8
64
アゼルバイジャン
0
0
4
4
バングラデシュ
0
9
49
58
ブータン
0
3
0
ブルネイ
0
0
カンボジア
0
0
中国
1
63
44
108
クック諸島
0
0
0
0
フィジー諸島
0
3
12
15
グルジア
0
2
5
香港
0
5
0
インド
1
78
46
125
インドネシア
0
39
40
79
日本
1
138
4
143
カザフスタン
0
5
8
13
キリバス
0
0
1
オーストリア
0
9
0
ベルギー
0
9
0
9
カナダ
0
45
0
45
8
9
デンマーク
0
8
0
フィンランド
0
7
1
8
3
フランス
0
33
0
33
0
0
ドイツ
1
37
2
40
22
22
アイルランド
0
1
0
1
イタリア
0
16
0
16
ルクセンブルク
0
2
0
2
オランダ
0
15
0
15
7
ノルウェー
0
4
0
4
5
ポルトガル
0
4
0
4
スペイン
0
13
0
13
スウェーデン
0
9
0
9
スイス
0
7
0
7
トルコ
0
4
0
4
1
英国
0
37
0
37
韓国
0
49
1
50
米国
1
130
2
133
キルギス
0
7
7
14
小計
2
390
5
397
ラオス
0
2
17
19
総計
6
1,024
1,803
2,833
マレーシア
0
29
0
29
モルジブ
0
0
0
0
マーシャル諸島
0
0
0
0
ミクロネシア連邦
0
0
0
0
モンゴル
0
3
10
13
ミャンマー
0
2
0
2
ナウル
0
0
0
0
ネパール
1
8
32
41
ニュージーランド
0
17
0
17
パキスタン
0
24
40
64
パラオ
0
1
0
1
パプアニューギニア
0
1
8
9
フィリピン
0
37
1,322
1,359
サモア
0
1
0
1
シンガポール
0
9
0
9
ソロモン諸島
0
0
0
0
スリランカ
0
10
25
35
台湾
0
4
0
4
タジキスタン
0
2
11
13
タイ
0
10
10
20
東ティモール
0
1
3
4
トンガ
0
3
0
3
トルクメニスタン
0
0
2
2
ツバル
0
0
1
1
ウズベキスタン
0
6
16
22
バヌアツ
0
0
0
0
ベトナム
0
6
30
36
小計
4
634
1,798
2,436
付録
アフガニスタン
アルメニア
214
アジア開発銀行
付録 12
駐在員事務所の定員数 a
(2010 年)
国
国際スタッフ
事務担当官
事務職スタッフ
合計
8
12
4
4
6
1
6
2
10
3
3
0
0
0
0
11
4
6
11
4
5
7
13
3
5
4
2
19
25
14
13
8
4
5
5
18
4
6
3
3
2
1
22
6
10
17
9
4
5
14
5
5
4
3
23
30
14
10
8
1
6
3
19
8
7
3
3
2
0
22
4
8
16
7
4
4
13
5
8
6
2
50
67
32
27
22
6
17
10
47
15
16
6
6
4
1
55
14
24
44
20
13
16
40
13
18
14
7
134
234
236
604
北米
2
2
2
1
1
1
2
2
2
5
5
5
小計
6
3
6
15
842
377
962
2,181
982
614
1,204
2,800
駐在員事務所
バングラデシュ
インド
ネパール
スリランカ
アフガニスタン
付録
アゼルバイジャン
カザフスタン
キルギス
パキスタン
タジキスタン
ウズベキスタン
アルメニア
グルジア
トルクメニスタン
トルコ
中国
モンゴル
カンボジア
インドネシア
ラオス
フィリピン
タイ
ベトナム
太平洋地域連絡調整事務所(シドニー)b
南太平洋地域事務所(フィジー諸島)c
パプアニューギニア
東ティモール特別連絡事務所
小計
代表事務所
欧州
日本
本部d
総計
a
b
c
d
本部からの出向ポストを含む。
ナウル、ソロモン諸島およびバヌアツを兼轄。
クック諸島、フィジー諸島、キリバス、サモア、トンガおよびツバルを兼轄。
ヤング・プロフェッショナルおよび理事会を除く。
年次報告 2010
215
付録 13
駐在員事務所(RM)数およびその職員数の推移
駐在員事務所
(RM)
数およびその職員数の推移
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
17
a
18
b
20
22
23
23
23
24
25
26c
RM定員総数
279
317
361
389
437
448
490
520
553
604
(IS)
・事務担当官
(NS)
RMにおける国際スタッフ
職員数
169
190
223
240
270
267
300
321
339
368
65
104
110
72
118
127
80
143
138
87
153
149
107
163
167
96
171
181
112
188
190
119
202
199
130
209
214
134
234
236
ADBの定員総数
2,055
2,116
2,187
2,229
2,310
2,340
2,381
2,498
2,550
2,800
(IS)
・事務担当官
(NS)
職員数
ADBの国際スタッフ
1,020
1,071
1,153
1,189
1,253
1,271
1,304
1,378
1,418
1,596
729
291
1,035
759
312
1,045
791
362
1,034
797
392
1,040
824
429
1,057
824
447
1,069
836
468
1,077
875
503
1,120
892
526
1,132
982
614
1,204
13.6
15.0
16.5
17.5
18.9
19.1
20.6
20.8
21.7
21.6
16.6
8.9
35.7
10.6
17.7
9.5
37.8
12.2
19.3
10.1
39.5
13.3
20.2
10.9
39.0
14.3
21.5
13.0
38.0
15.8
21
11.7
38.3
16.9
23
13.4
40.2
17.6
23.3
13.6
40.2
17.8
23.9
14.6
39.7
18.9
23.1
13.6
38.1
19.6
駐在員事務所
(RM)
数
d
国際スタッフ
事務担当官e
事務職スタッフ
f
国際スタッフ
事務担当官g
事務職スタッフ
ADBの定員総数に占める
RMの定員数の割合
(IS)
・事務担当官
(NS)
ADBの国際スタッフ
職員数に占めるRMのIS・NS職員数の割合
国際スタッフ
事務担当官
事務職スタッフ
a
b
c
d
e
f
g
東ティモール特別事務所を含み、タイ駐在員事務所を除く。
タイ駐在員事務所、アゼルバイジャン駐在員事務所、南太平洋地域事務所(フィジー諸島)および太平洋地域連絡調整事務所(オーストラリア・シドニー)を除く。
トルコ地域事務所を除く。
出向職員を含む。
トルコに配置された事務担当官(NS)1 名を含む。
ヤング・プロフェッショナルおよび理事会を除く。
現地採用の事務担当官と事務職員の区別は 2003 年に導入された。
付録
2001
216
アジア開発銀行
付録 14
ADB の主な知識成果物
アジア開発銀行研究所
書籍
付録
ADBI. ADBI: Year in Review 2009. Tokyo: ADBI.
___. Policy Recommendations to Secure Balanced and Sustainable Growth
in Asia. Tokyo: ADBI.
___. Promoting Financial Inclusion through Innovative Policies. Tokyo: ADBI.
Bauer, A., and M. Thant (eds.). Poverty and Sustainable Development in Asia:
Impacts and Responses to the Global Economic Crisis. Manila: ADB.
Brooks, D., and S. Stone (eds.). Trade Facilitation and Regional Cooperation
in Asia. Cheltenham, United Kingdom: Edward Elgar.
Dervis, K., M. Kawai, and D. Lombardi (eds.). Asia and Policymaking for the
Global Economy. Washington, DC: Brookings Institution Press.
Kawai, M., and M. Lamberte (eds.). Managing Capital Flows: Search
for a Framework. Cheltenham, United Kingdom: Edward Elgar.
Kawai, M., and J.W. Lee (eds.). Rebalancing for Sustainable Growth: Asia’s
Postcrisis Challenge. Tokyo: ADBI.
Kawai, M., and G. Pasadilla (eds.). Effects of Social Policy on Domestic
Demand. Tokyo: ADBI.
Kawai, M., and G. Wignaraja (eds.). Asia’s Free Trade Agreements: How is
Business Responding? Cheltenham, United Kingdom: Edward Elgar.
McCawley, P., and S. Jayasuriya (eds.). The Asian Tsunami: Aid and
Reconstruction after a Disaster. Cheltenham, United Kingdom:
Edward Elgar.
McCawley, P., and S. Jayasuriya. The Asian Tsunami: Aid and Reconstruction
after a Disaster—Highlights. Tokyo: ADBI.
ワーキング・ペーパー
ADBI Working Paper Series
Adams, Charles. The Role of the State in Managing and Forestalling Systemic
Financial Crises: Some Issues and Perspectives. No. 242. August.
Aizenman, Joshua. International Reserves and Swap Lines in Times of Financial
Distress: Overview and Interpretations. No. 192. February.
Aizenman, Joshua, Menzie D. Chinn, and Hiro Ito. The Financial Crisis, Rethinking
of the Global Financial Architecture, and the Trilemma. No. 213. April.
Aldaba, Rafaelita and Gloria Pasadilla. The ASEAN Services Sector and the
Growth Rebalancing Model. No. 246. September.
Anbumozhi, Venkatachalam and Armin Bauer. Impact of Global Recession
on Sustainable Development and Poverty Linkages. No. 227. July.
Asher, Mukul G. The Global Economic Crisis: An Opportunity for
Strengthening Asia’s Social Protection Systems? No. 198. February.
Banomyong, Ruth. Supply Chain Dynamics in Asia. No. 184. January.
Bhattacharyay, Biswa Nath. Estimating Demand for Infrastructure in Energy,
Transport, Telecommunications, Water and Sanitation in Asia and
the Pacific: 2010–2020. No. 248. September.
Bhattacharyay, Biswa Nath. Financing Asia’s Infrastructure: Modes of
Development and Integration of Asian Financial Markets. No. 229. July.
Bhattacharyay, Biswa Nath. Institutions for Asian Connectivity. No. 220. June.
Bosworth, Barry and Susan Collins. Rebalancing the US Economy
in a Post-Crisis World. No. 236. August.
Brooks, Douglas and Susan Stone. Accelerating Regional Integration: Issues
at the Border. No. 200. February.
Chia, Siow Yue. Regional Trade Policy Cooperation and Architecture
in East Asia. No. 191. February.
Chia, Siow Yue. Trade and Investment Policies and Regional Economic
Integration in East Asia. No. 210. April.
Chow, Hwee Kwan. Asian Tigers’ Choices: An Overview. No. 238. August.
De, Prabir. Governance, Institutions, and Regional Infrastructure in Asia.
No. 183. January.
De, Prabir, Muthi Samudram, and Sanjeev Moholkar. Trends in National and
Regional Investors Financing Crossborder Infrastructure Projects in Asia.
No. 245. September.
Dewen, Wang. Can Social Security Boost Domestic Consumption in the
People’s Republic of China? No. 215. May.
Fan Zhai. The Benefits of Regional Infrastructure Investment in Asia:
A Quantitative Exploration. No. 223. June.
Fernández de Lis, Santiago and Alicia Garcia Herrero. Dynamic Provisioning:
Some Lessons from Existing Experiences. No. 218. May.
Filardo, Andrew and Hans Genberg. Monetary Policy Strategies in the Asia and
Pacific Region: What Way Forward? No. 195. February.
Fujii, Mariko. Securitized Products, Financial Regulation, and Systemic Risk.
No. 203. March.
Fujii, Mariko and Masahiro Kawai. Lessons from Japan’s Banking Crisis,
1991–2005. No. 222. June.
Fujimura, Manabu and Ramesh Adhikari. Critical Evaluation of Cross-Border
Infrastructure Projects in Asia. No. 226. July.
Fukuda, Shin-ichi and Yoshifumi Kon. Macroeconomic Impacts of Foreign
Exchange Reserve Accumulation: Theory and International Evidence.
No. 197. February.
Futagami, Koichi, Takeo Hori, and Ryoji Ohdoi. Debt Policy and Economic
Growth in a Small Open Economy Model with Productive Government
Spending. No. 212. April.
Gilbert, John and Nilanjan Banik. Socioeconomic Impacts of Cross-Border
Transport Infrastructure Development in South Asia. No. 211. April.
Guerrero, Pablo, Krista Lucenti, and Sebastián Galarza. Trade Logistics and
Regional Integration in Latin America and the Caribbean. No. 233. August.
Ha, Joonkyung, Jong-Wha Lee, and Lea Sumulong. Rebalancing Growth
in the Republic of Korea. No. 224. July.
Hannig, Alfred and Stefan Jansen. Financial Inclusion and Financial Stability:
Current Policy Issues. No. 259. December.
Hong, Kiseok. Fiscal Policy Issues in Korea after the Current Crisis.
No. 225. July.
Hsu, Chen-Min and Chih-Feng Liao. Financial Turmoil in the Banking Sector
and the Asian Lamfalussy Process: The Case of Four Economies.
No. 221. June.
Hua, Changchun and Li-Gang Liu. Risk-Return Efficiency, Financial Distress
Risk, and Bank Financial Strength Ratings. No. 240. August.
Huynh, Phu, Steven Kapsos, Kee Beom Kim, and Gyorgy Sziraczki. Impacts of
Current Global Economic Crisis on Asia’s Labor Market. No. 243. August.
Iino, Fukuya and Alva Lim. Developing Asia’s Competitive Advantage in Green
Products: Learning from the Japanese Experience. No. 228. July.
Jung, Yongseung. Asset Market Structures and Monetary Policy in a Small
Open Economy. No. 252. October.
Kalirajan, Kaliappa, Venkatachalam Anbumozhi, and Kanhaiya Singh.
Measuring the Environmental Impacts of Changing Trade Patterns on
the Poor. No. 239. August.
Kawai, Masahiro and Fan Zhai. Asia’s Post-Global Financial Crisis Adjustment:
A Model-Based Dynamic Scenario Analysis. No. 254. November.
Kawai, Masahiro and Peter Petri. Asia’s Role in the Global Economic
Architecture. No. 235. August.
Kawai, Masahiro and Michael Pomerleano. Regulating Systemic Risk.
No. 189. January.
Kawai, Masahiro and Shujiro Urata. Changing Commercial Policy in Japan
During 1985–2010. No. 253. November.
Kim, Sung Teak. Korea’s Unemployment Insurance in the 1998 Asian Financial
Crisis and Adjustments in the 2008 Global Financial Crisis. No. 214. May.
Kumar, Rajiv and Alamuru Soumya. Fiscal Policy Issues for India after the
Global Financial Crisis (2008–2010). No. 249. September.
Lim, Hank and Fukunari Kimura. The Internationalization of Small and
Medium Enterprises in Regional and Global Value Chains. No. 231. July.
Markandya, Anil, Sununtar Setboonsarng, Qiao Yu Hui, Rachanee
Songkranok, Saminathan Vaheesan, and Adam Stefan. The Costs of
Achieving the Millennium Development Goals through Adopting Organic
Agriculture. No. 193. February.
年次報告 2010
Zainal Abidin, Mahani. Fiscal Policy Coordination in Asia: East Asian
Infrastructure Investment Fund. No. 232. July.
Zhang, Yunling. The Impact of Free Trade Agreements on Business Activity:
A Survey of Firms in the People’s Republic of China. No. 251. October.
CD-ROM
ADBI. Opportunities and Priorities for Low Carbon Green Growth in Asia.
中央・西アジア局
刊行物
Afghanistan: Modernizing Asia’s Crossroads. Development Effectiveness Brief.
Manila: ADB.
Armenia: A Historic Country Reemerges. Development Effectiveness Brief.
Manila: ADB.
Arner, Douglas and Lotte Schou-Zibell. Reforming the Global Financial
Architecture: Implications for Asia. Japanese Yearbook of International
Law. Vol. 53 (2010).
CAREC Secretariat. Central Asia Regional Economic Cooperation: Connecting
Markets, Creating Opportunities—Stories on the Impact of CAREC’s
Economic Corridors. Manila: ADB.
CAREC Secretariat. Central Asia Regional Economic Cooperation: Good
Neighbors, Good Partners, Good Prospects. A CAREC Program brochure.
Manila: ADB.
CAREC Secretariat. Introduction to the Central Asia Regional Economic
Cooperation Program: Development Effectiveness Review—Building the
Baseline 2009. Manila: ADB.
Central Asia Atlas of Natural Resources. Manila: ADB.
Climate Change in Central and West Asia: Routes to a More Secure,
Low-Carbon Future. Manila: ADB.
Friends of Democratic Pakistan, Energy Sector Task Force. Integrated Energy
Sector Recovery Report and Plan. Manila: ADB.
Georgia: A Country at an Ancient Crossroads Looks to the Future.
Development Effectiveness Brief. Manila: ADB.
Narasimham, Radhakrishna. Enhancing Financial Disclosure Standards
in Transitional Economies II. Manila: ADB.
Satisfying Hidden Hunger: Addressing Micronutrient Deficiencies
in Central Asia. Manila: ADB.
Tajikistan: Rising Path to Progress. Development Effectiveness Brief.
Manila: ADB.
ワーキング・ペーパー
Arner, Douglas and Lotte Schou-Zibell. Responding to the Global Financial
and Economic Crisis: Meeting the Challenges in Asia. ADB Working Paper
Series on Regional Economic Integration. No. 60.
Schou-Zibell, Lotte and Srinivasa Madhur. Regulatory Reforms for Improving
the Business Environment in Selected Asian Economies—How Monitoring
and Comparative Benchmarking Can Provide Incentive for Reform. ADB
Working Paper Series on Regional Economic Integration. No. 40.
Schou-Zibell, Lotte, Lei Lei Song, and Jose Ramon Albert. Monitoring and
Examining Financial Soundness. ADB Working Paper Series on Regional
Economic Integration. No. 42.
Usui, Norio and Arnelyn May A. Abdon. Structural Transformation in the
Kyrgyz Republic: Engineering Future Paths of Capability Accumulation.
ADB Economics Working Paper Series. No. 200. http://adb.org/Documents/
Working-Papers/2010/Economics-WP200.pdf
特別報告書
ADB. Glacial Melt and Downstream Impacts on Indus-Dependent Water
Resources and Energy (RETA 6420). 2010. With the International Centre
for Integrated Mountain Development and the International Union for
Conservation of Nature.
ADB. Climate Risk Screening of the ADB Water and Energy Portfolio in the
Indus Basin: Promoting Climate Change Impact and Adaptation in Asia
and the Pacific (RETA 6420). With the International Centre for Integrated
Mountain Development.
ADB. A Roadmap for Renewable Energy in Azerbaijan, 2009 (R-CDTA 7274).
With Randall Baker, Indiana University, School of Public and Environmental
Affairs, United States.
付録
Medalla, Erlinda M. and Jenny D. Balboa. Prospects for Regional Cooperation
between Latin America and the Caribbean Region and the Asia and Pacific
Region: Perspective from East Asia. No. 217. May.
Mohan, Rakesh and Muneesh Kapur. Liberalization and Regulation of Capital
Flows: Lessons for Emerging Market Economies. No. 186. January.
Pasadilla, Gloria O. Financial Crisis, Trade Finance, and Small and Medium
Enterprises: Case of Central Asia. No. 187. January.
Patnaik, Ila and Ajay Shah. Asia Confronts the Impossible Trinity. No. 204. March.
Plummer, Michael. EU–Asia Free Trade Areas? Economic and Policy
Considerations. No. 255. December.
Plummer, Michael. Regional Monitoring of Capital Flows and Coordination of
Financial Regulation: Stakes and Options for Asia. No. 201. February.
Poon, Winnie P.H. and Kam C. Chan. Solicited and Unsolicited Credit Ratings:
A Global Perspective. No. 244. August.
Postiglione, Gerard. Education Impact Study: The Global Recession and the
Capacity of Colleges and Universities to Serve Vulnerable Populations
in Asia. No. 208. March.
Rai, Suyash, Bindu Ananth, and Nachiket Mor. Universalizing Complete Access
to Finance: Key Conceptual Issues. No. 256. December.
Regling, Klaus, Servaas Deroose, Reinhard Felke, and Paul Kutos. The Euro
After Its First Decade: Weathering the Financial Storm and Enlarging
the Euro Area. No. 205. March.
Reid, Richard. Financial Development: A Broader Perspective. No. 258.
December.
Rimmer, Peter J. and Howard Dick. Appropriate Economic Space for
Transnational Infrastructural Projects: Gateways, Multimodal Corridors,
and Special Economic Zones. No. 237. August.
Stone, Susan, Anna Strutt, and Thomas Hertel. Assessing Socioeconomic
Impacts of Transport Infrastructure Projects in the Greater Mekong
Subregion. No. 234. August.
Stoughton, Mark and Venkatachalam Anbumozhi. Green Services and
Emergence and Recovery from the Global Economic Slowdown in
Developing Asian Economies. No. 209. March.
Sussangkarn, Chalongphob. The Chiang Mai Initiative Multilateralization:
Origin, Development, and Outlook. No. 230. July.
Takagi, Shinji. Applying the Lessons of Asia: The IMF’s Crisis Management
Strategy in 2008. No. 206. March.
Thorbecke, Willem. How Elastic is East Asian Demand for Consumption
Goods? No. 260. December.
Thorbecke, Willem. How Would an Appreciation of the Yuan Affect the
People’s Republic of China’s Surplus in Processing Trade? No. 219. June.
Thorbecke, Willem. Investigating the Effect of Exchange Rate Changes on
the People’s Republic of China’s Processed Exports. No. 202. March.
Thorbecke, Willem and Ginalyn Komoto. Investigating the Effect of Exchange
Rate Changes on Trans-Pacific Rebalancing. No. 247. September.
Thorbecke, Willem, Mario Lamberte, and Ginalyn Komoto. Promoting Learning and
Industrial Upgrading in ASEAN Countries. No. 250. September.
Tsai, Ying Yi and Li-Gang Liu. Emergence of Rating Agencies: Implications for
Establishing a Regional Rating Agency in Asia. No. 241. August.
Utzig, Siegfried. The Financial Crisis and the Regulation of Credit Rating
Agencies: A European Banking Perspective. No. 188. January.
Wignaraja, Ganeshan, Dorothea Lazaro, and Genevieve De Guzman. FTAs and
Philippine Business: Evidence from Transport, Food, and Electronics Firms.
No. 185. January.
Wignaraja, Ganeshan, Rosechin Olfindo, Wisarn Pupphavesa, Jirawat
Panpiemras, and Sumet Ongkittikul. How Do FTAs Affect Exporting Firms
in Thailand? No. 190. January.
Winkler, Adalbert. The Financial Crisis: A Wake-Up Call for Strengthening
Regional Monitoring of Financial Markets and Regional Coordination of
Financial Sector Policies? No. 199. February.
Wyplosz, Charles. The Eurozone in the Current Crisis. No. 207. March.
Xin Meng, Sherry Tao Kong, and Dandan Zhang. How Much Do We Know
about the Impact of the Economic Downturn on the Employment of
Migrants? No. 194. February.
Xing, Yuqing. The Yuan’s Exchange Rates and Pass-through Effects on the
Prices of Japanese and US Imports. No. 216. May.
Xing, Yuqing and Neal Detert. How the iPhone Widens the United States
Trade Deficit with the People’s Republic of China. No. 257. December.
Yoon, Je Cho. The Role of State Intervention in the Financial Sector:
Crisis Prevention, Containment, and Resolution. No. 196. February.
217
218
アジア開発銀行
ADB. Armenia Climate Change and Adaptation Roadmap. With Leadership
for Environment and Development, Pakistan.
ADB. Climate Change Roadmap: Recommendations to the Government of
Pakistan and ADB on Prioritized Climate Change Interventions for Pakistan.
ADB. Uzbekistan: Climate Change and Adaptation Road Map. With Leadership
for Environment and Development, Pakistan.
広報局
意識啓発・マルチメディア資料
付録
ADB Experts Video Interviews – 20
ADB Review – 12 issues
Country Fact Sheets – 67
Development Asia – 3 issues
Handle with Care: Impact Stories from Fragile Situations
Multimedia Features – 6
News Feature Videos on ADB Impact Stories – 38
Photo essays – 38
Public Service Announcements
報告書
2009 Annual Report
東アジア局
ポリシー・ノート・シリーズ
Climate Change in East Asia: Staying on Track for a More Sustainable Future
Observations and Suggestions on Anchoring Inflationary Expectations
in the People’s Republic of China
Observations and Suggestions on Population Aging and Long-Term Health
Care in the People’s Republic of China
Observations and Suggestions on the Role of Fiscal Policy in Economic
Rebalancing in the People’s Republic of China
Observations and Suggestions on Towards a Universal Social Protection in the
People’s Republic of China
Policy Note on Avoiding the Middle Income Trap
Policy Note on Improving Rural Health Services
Policy Study on Construction of Agricultural Infrastructure and the
Establishment of Modern Agricultural Industry System Supported by
Governments in People’s Republic of China
Study on Policy Directions for the People’s Republic of China’s 12th Five-Year Plan
The Role of Fiscal Policy in Rebalancing the People’s Republic of China
(ADB Brief No. 3)
The Socioeconomic Implications of Population Aging in People’s Republic
of China (ADB Brief No. 6)
Toward a Harmonious Countryside: Rural Development Survey Results of the
People’s Republic of China
特別刊行物
An Eco-Compensation Framework for the People’s Republic of China:
Challenges and Opportunities
China’s Income Inequality at the Provincial Level: Trends, Drivers, and Impacts
(formerly Inequality and Inclusive Growth in Asia)
EARD Knowledge Management Initiatives in 2009
Economic Chances More Needed Than Growth
Inclusive Growth for Harmony
Investing Life Into Asia’s Troubled Waters
Knowledge Showcase: Bilateral Dimensions of the CAREC Trade Facilitation
Agenda: Spotlight on Mongolia and the People’s Republic of China
Payments for Ecological Services and Ecosystems: Practices and Innovations in
the PRC
Resurging Asian Giants
Rural Biomass Renewable Energy Development in People’s Republic of China
Study on Framework and Policies of Overall Consideration of Poverty
Reduction in People’s Republic of China in the New Era
セクター・テーマ別ペーパー・シリーズ
Dryland Ecosystems: Introducing an Integrated Approach in the People’s
Republic of China
Development of China’s City Commercial Banks and their Role in Delivering
Financial Services
EATC Knowledge Database Project (Pilot)
Higher Water Tariff for Less River Pollution—Evidence from the Min River
and Fuzhou City in the People’s Republic of China
Impact Evaluation of the People’s Republic of China’s Electronic Appliance
Subsidy Program
Implementation Strategy of Basic Health Care System
Liveable Cities Beyond Housing: The Physical and Social Environments of the
Chinese Urban Poor in the Context of a Floating Population
Mongolia—Financial Sector Assessment and Roadmap
PRC Quarterly Economic Reports
The Protection of Minority Shareholders’ Rights in Mongolia
Rural Finance in Poverty-Stricken Areas in the People’s Republic of China:
Balancing Government and Market
Social Dimensions of Climate Change in Urban China
Sustainable Transport Initiative Operational Plan
テクニカル・ノート・シリーズ
Carbon Efficiency, Carbon Reduction Potential, and Economic Development
in the People’s Republic of China: A Total Factor Production Model
Carbon Intensity: A Faulty Gauge
Integrated Gasification Combined Cycle Power Plant
The Necessity of Distinguishing Weak and Strong Disposability among
Desirable Outputs in Data Envelopment Analysis: Environmental
Performance of Chinese Coal-Fired Plants
経済調査局
代表的刊行物
Asian Development Outlook 2010
Asian Development Outlook 2010 Update
Key Indicators for Asia and the Pacific 2010
Special Chapter: Key Indicators for Asia and the Pacific 2010
ワーキング・ペーパー
ADB Economics Working Paper Series
Adams, C., B. Ferrarini, and D. Park. Fiscal Sustainability in Developing Asia.
No. 205. July.
Ahmed, V., G. Sugiyarto, and S. Jha. Remittances and Household Welfare:
A Case Study of Pakistan. No. 194. March.
Alba, J., D. Park, and P. Wang. Corporate Governance and Foreign Direct
Investment. No. 202. May.
Alba, J., D. Park, and P. Wang. Determinants of Different Modes of Japanese
Foreign Direct Investment in the United States. No. 197. April.
Amoranto, G., D. H. Brooks, and N. Chun. Services Liberalization and Wage
Inequality in the Philippines. No. 239. December.
Amoranto, G., N. Chun, and A. Deolalikar. Who are the Middle Class and
What Values Do They Hold? Evidence from the World Values Survey.
No. 229. October.
Barro, R. J. and C. J. Redlick. Macroeconomic Effects from Government
Purchases and Taxes. No. 232. November.
Brooks, D. and B. Ferrarini. People’s Republic of China–India Trade Costs.
No. 203. June.
Brooks, D., R. Hasan, J. Lee, H. Son, and J. Zhuang. Closing Development
Gaps: Challenges and Policy. No. 209. July.
Chun, N. Middle Class Size in the Past, Present, and Future: A Description
of Trends in Asia. No. 217. September.
Chun, N. and N. Khor. Minimum Wages and Changing Wage Inequality
in Indonesia. No. 196. March.
Estrada, G., D. Park, and A. Ramayandi. Financial Development and Economic
Growth in Developing Asia. No. 233. November.
Ferrarini, B. Trade and Income in Asia: Panel Data Evidence from Instrumental
Variable Regression. No. 234. November.
Gao, Lu. Achievements and Challenges: 30 Years of Housing Reforms
in the People’s Republic of China. No. 198. May.
Gochoco-Bautista M., J. Jongwanich, and J. Lee. How Effective Are Capital
Controls in Asia? No. 224. October.
Grenville, S. The Evolving Postcrisis World. No. 207. July.
Hasan, R. and K. Jandoc. The Distribution of Firm Size in India: What Can
Survey Data Tell Us? No. 213. August.
Hasan, R. and K. Jandoc. Trade Liberalization and Wage Inequality
in the Philippines. No. 195. March.
年次報告 2010
学術誌
Asian Development Review. Vol. 27. No. 2. December.
Asian Development Review. Vol. 27. No. 1. June.
特別研究
Indonesia: Critical Development Constraints. July.
Poverty, Inequality, and Inclusive Growth in Asia: Measurement, Policy Issues,
and Country Studies. Edited by J. Zhuang. Co-published with Anthem
Press. May.
ADBブリーフ
Maligalig, D. and S. Cuevas. Is the Net Enrollment Rate Estimate of the
Philippines Accurate? No. 2. July.
Park, D. and Y. Lommen. The Role of Fiscal Policy in Rebalancing the People’s
Republic of China. No. 3. August.
小冊子
Basic Statistics. May.
Using the Mixed Survey for Measuring the Informal Sector and Informal
Employment Brochure. October.
独立評価局
報告書・報告書シリーズ
2009 Annual Report on Acting on Recommendations
2010 Annual Evaluation Review
Annual Report on 2009 Portfolio Performance
Evaluation Knowledge Brief: Reducing Carbon Emissions from
Transport Projects
Impact Evaluation Study: Asian Development Bank’s Assistance for Rural
Electrification in Bhutan – Does Electrification Improve the Quality
of Rural Life?
Special Evaluation Study: Asian Development Bank Support for
Decentralization in Indonesia
Special Evaluation Study: Asian Development Bank’s Support to Fragile and
Conflict-Affected Situations
Special Evaluation Study: Indonesia: Has the Multi-subsector Approach
Been Effective for Urban Services Assistance?
Special Evaluation Study: Post-Completion Sustainability of Asian Development
Bank-Assisted Projects
Special Evaluation Study: Water Policy and Related Operations
Synthesis of Evaluation Findings: Performance of ADB Assistance to
Agriculture and Natural Resources – Evidence from Post-Completion
Evaluations
意識啓発・マルチメディア資料
IEDパンフレット
ラーニング・カーブ・シリーズ
ADB Assistance for PPPs in Infrastructure Development
ADB Support for Decentralization in Indonesia
ADB’s Contribution to Inclusive Development through Assistance
for Rural Roads
ADB’s Technical Assistance for Justice Reform
Agriculture and Natural Resources Sector in Nepal
Agriculture and Rural Development Sector in Cambodia
Bangladesh Country Assistance Program Evaluation
Bhutan: Energy Sector
Cambodia: Growth and Sector Reforms
Country Assistance Program Evaluation (CAPE) for Bhutan
Country Assistance Program Evaluation for Viet Nam
Does Electrification Improve Quality of Rural Life? ADB’s Assistance
for Rural Electrification in Bhutan
Gender and Development: Relevance, Responsiveness
and Results
Greenhouse Gas Implications of ADB’s Energy Sector Operations
Has the Multi-subsector Approach been Effective for
Urban Services Assistance in Indonesia?
Impact of Rural Water Supply and Sanitation
in Punjab, Pakistan
Policy Implementation and Impact of Agriculture and
Natural Resources Research
付録
Horioka, C. and A. Terada-Hagiwara. Determinants and Long-term Projections
of Saving Rates in Developing Asia. No. 228. October.
Hur, S., S. Jha, D. Park, and P. Quising. Did Fiscal Stimulus Lift Developing Asia out of
the Global Crisis? A Preliminary Empirical Investigation. No. 215. September.
Hur, S., S. Mallick, and D. Park. Fiscal Policy and Crowding Out in Developing
Asia. No. 222. September.
Ito, T. Monetary Policy and Financial Stability: Is Inflation Targeting Passe?
No. 206. July.
Jha S., S. Mallick, D. Park, and P. Quising. Effectiveness of Countercyclical
Fiscal Policy: Time-Series Evidence from Developing Asia. No. 211. August.
Jha, S. and B. Ramaswami. How Can Food Subsidies Work Better? Answers
from India and the Philippines. No. 221. September.
Jha S., D. Roland-Holst, and S. Sriboonchitta. Regional Trade Opportunities for
Asian Agriculture. No. 191. February.
Jiang, Y. Private Sector Participation and Performance of Urban Water Utilities
in the People’s Republic of China. No. 237. December.
Jiang Y., L. Jin, and T. Lin. Higher Water Tariffs for Less River Pollution—Evidence
from Min River and Fuzhou City, People’s Republic of China. No. 201. May.
Jongwanich, J. Capital Flows and Real Exchange Rates in Emerging Asian
Countries. No. 210. August.
Kawai, M. and G. Wignaraja. Asian FTAs: Trends, Prospects, and Challenges.
No. 226. October.
Khor, N. and J. Pencavel. Evolution of Income Mobility in the People’s Republic
of China: 1991–2002. No. 204. June.
Kim, J. Past and Future of the Labor Force in Emerging Asian Economies.
No. 218. September.
Kim S., J. Lee, and C. Park. The Ties that Bind Asia, Europe, and United States.
No. 192. February.
Kim, S., D. Park, and J. Park. Productivity Growth across the World,
1991–2003. No. 212. August.
Kim Y. J. and A. Terada-Hagiwara. A Survey on the Relationship between
Education and Growth with Implications for Developing Asia. No. 236.
December.
Lee, J. and R. Francisco. Human Capital Accumulation in Emerging Asia,
1970–2030. No. 216. September.
Lee J. and K. Hong. Economic Growth in Asia: Determinants and Prospects.
No. 220. September.
Lin T. Toward a Harmonious Countryside: The People’s Republic of China’s
Rural Development Survey Results. No. 214. August.
Maligalig, D., R. Caoli-Rodriguez, A. Martinez, Jr., and S. Cuevas. Education
Outcomes in the Philippines. No. 199. May.
Park, D. The Role of Fiscal Policy in Rebalancing Developing Asia’s Growth.
No. 223. October.
Park, D. H. and J. Park. Drivers of Developing Asia’s Growth: Past and Future.
No. 235. December.
Park, J. Projection of Long-Term Total Factor Productivity Growth for 12 Asian
Economies. No. 227. October.
Rajan, Ramkishen S. The Evolution and Impact of Asian Exchange Rate
Regimes. No. 208. July.
Ramayandi, A. and A. Rosario. Monetary Policy Discipline and Macroeconomic
Performance: The Case of Indonesia. No. 238. December.
Son, H. Human Capital Development. No. 225. October.
Straub, S. and A. Terada-Hagiwara. Infrastructure and Growth in Developing
Asia. No. 231. November.
Usui, N. and A. Abdon. Structural Transformation in the Kyrgyz Republic:
Engineering Future Paths of Capability Accumulation. No. 200. May.
Vandenberg, P. Impact of Labor Market Institutions on Unemployment:
Results from a Global Panel. No. 219. September.
Wang, J. A Multi-Factor Measure for Cross-Market Liquidity Commonality.
No. 230. October.
Zhuang, J., E. de Dios, and A. Lagman-Martin. Governance and Institutional
Quality and the Links with Economic Growth and Income Inequality:
With Special Reference to Developing Asia. No. 193. February.
219
220
アジア開発銀行
Public Sector Reforms in the Pacific: Enhancing Results through
Ownership, Capacity, and Continuity
Reducing Carbon Emissions from Transport Projects
Transport Sector in Cambodia—Focusing on Results
Urban Services and Water Supply and Sanitation Sector
in Viet Nam
ビデオクリップ
ADB’s Assistance for Public–Private Partnerships in Infrastructure
Development
ADB’s Assistance for Rural Electrification in Bhutan: Does Electrification
Improve the Quality of Rural Life?
Greenhouse Gas Implications of ADB’s Energy Sector Operations
Reducing Carbon Emissions from Transport Projects
付録
書籍
Making Microfinance Work: Evidence from Evaluations
総務部
意識啓発・マルチメディア資料
Abstracts of Insights Thursday
iLink Digest
iLink Monthly Summaries for education, environment, finance, infrastructure,
and regional cooperation
New Acquisitions List
Private sector Investment Climate for Infrastructure
Process Improvement on Vital Records and Cost–Benefit Analysis
on Consolidating Microfilming Services
業務報告書
eStar 1-year Milestone Report citing accomplishments and financial savings
汚職防止・公正管理部
Anticorruption and Integrity: Policies and Strategies
Report to the President, Office of Anticorruption and Integrity
Annual Report 2009
地域経済統合室
代表的研究
Asian Development Bank. Institutions for Regional Integration: Toward an
Asian Economic Community. www.aric.adb.org/pdf/Institutions
_for_Regionalization_Web.pdf; www.adb.org/documents/books/
institutions-regional-integration/default.asp
書籍
Capannelli, Giovanni and Jayant Menon (ed.). Dealing with Multiple
Currencies in Transitional Economies: The Scope for Regional Cooperation
in Cambodia, the Lao People’s Democratic Republic, and Viet Nam.
Plummer, Michael G., David Cheong, and Shintaro Hamanaka. Methodology for
Impact Assessment of Free Trade Agreements.
報告書・報告書シリーズ
ASEAN+3 Asian Bond Markets Initiative Group of Experts. Report for Task
Force 4 (Cross-Border Bond Transactions and Settlement Issues). https://
wpqr1.adb.org/LotusQuickr/asean3goe/Main.nsf/h_Toc/4A2E7BF718270D
BF48257729000C4CE5/?OpenDocument
Asia Bond Monitor (March, Summer edition, October, and November).
http://asianbondsonline.adb.org/
Asia Capital Markets Monitor (May). http://asianbondsonline.adb.org/
Asia Economic Monitor (July and December). http://aric.adb.org/asiaeconomic-monitor/
Key Proposals for Harnessing Business Opportunities in South Asia (ADB and
the Federation of Indian Chambers of Commerce and Industry).
http://aric.adb.org/pdf/FICCI-ADB_Issue_Paper%203-Mar-10.pdf
Report on the Future Global Reserve System (ADB and Earth Institute,
Columbia University). http://aric.adb.org/grs/reports.php
ワーキング・ペーパー
ADB Working Paper Series on Regional Economic Integration
Adams, Charles, Hoe Yun Jeong, and Cyn-Young Park. Asia’s Contribution
to Global Rebalancing. No. 58. September.
Alba, Joseph, Jung Hur, and Donghyun Park. Do Hub-and-Spoke Free Trade
Agreements Increase Trade? A Panel Data Analysis. No. 46. April.
Arner, Douglas W. and Cyn-Young Park. Global Financial Regulatory Reforms:
Implications for Developing Asia. No. 57. September.
Arner, Douglas W. and Lotte Schou-Zibell. Responding to the Global Financial
and Economic Crisis: Meeting the Challenges in Asia. No. 60. October.
Athukorala, Prema-chandra. Production Networks and Trade Patterns in
East Asia: Regionalization or Globalization? No. 56. August.
Athukorala, Prema-chandra and Jayant Menon. Global Production Sharing,
Trade Patterns, and Determinants of Trade Flows in East Asia.
No. 41. January.
Chand, Satish. Shaping New Regionalism in the Pacific Islands: Back to
the Future? No. 61. October.
Cheong, David. Methods for Ex Ante Economic Evaluation of Free Trade
Agreements. No. 52. June.
Cheong, David. Methods for Ex Post Economic Evaluation of Free Trade
Agreements. No. 59. October.
Dent, Christopher M. Organizing the Wider East Asian Region.
No. 62. November.
Desai, V.V. The Political Economy of Regional Cooperation in South Asia.
No. 54. July.
Hamanaka, Shintaro. Institutional Parameters of a Region-Wide Economic
Agreement in Asia: Examination of Trans-Pacific Partnership and
ASEAN+_ Free Trade Agreement Approaches. No. 67. November.
Hamanaka, Shintaro. Regionalism Cycle in Asia(-Pacific): A Game Theory
Approach to the Rise and Fall of Asian Regional Institutions.
No. 42. February.
Hamanaka, Shintaro, Aiken Tafgar, and Dorothea Lazaro. Trade Facilitation
Measures Under Free Trade Agreements: Are They Discriminatory
Against Non-Members? No. 55. July.
Hill, Hal and Jayant Menon. ASEAN Economic Integration: Features,
Fulfillments, Failures, and the Future. No. 69. December.
Hix, Simon. Institutional Design of Regional Integration: Balancing Delegation
and Representation. No. 64. November.
Hong, Kiseok and Hsiao Chink Tang. Crises in Asia: Recovery and
Policy Responses. No. 48. April.
Kelley, Judith. The Role of Membership Rules in Regional Organizations.
No. 53. June.
Loser, Claudio, Miguel Kiguel, and David Mermelstein. A Macroprudential
Framework for the Early Detection of Banking Problems in Emerging
Economies. No. 44. March.
Mai, Yin Hua, Philip Adams, Peter Dixon, and Jayant Menon. The Awakening
Chinese Economy: Macro and Terms of Trade Impacts on 10 Major
Asia–Pacific Countries. No. 66. November.
Nesadurai, Helen E.S. Labor and Grassroots Civic Interests in Regional
Institutions. No. 63. November.
Park, Cyn-Young, Ruperto Macuja, and Josef Yap. The 2008 Financial Crisis
and Potential Output in Asia: Impact and Policy Implications. No. 45. April.
Park, Donghyun and Mario Arturo Ruiz Estrada. A New Multi-Dimensional
Framework for Analyzing Regional Integration: Regonial Integration
Evaluation (RIE) Methodology. No. 49. May.
Schou-Zibell, Lotte, Jose Ramon Albert, and Lei Lei Song. A Macroprudential
Framework for Monitoring and Examining Financial Soundness.
No. 43. March.
Schou-Zibell, Lotte and Srinivasa Madhur. Regulatory Reforms for Improving
the Business Environment in Selected Asian Economies—How Monitoring
and Comparative Benchmarking Can Provide Incentive for Reform.
No. 40. January.
Takagi, Shinji. Regional Surveillance for East Asia: How Can It Be Designed
to Complement Global Surveillance? No. 50. May.
Tang, Hsiao Chink, Philip Liu, and Eddie C. Cheung. Changing Impact of Fiscal
Policy on Selected ASEAN Countries. No. 70. December.
Voeten, Erik. Regional Judicial Institutions and Economic Cooperation: Lessons
for Asia? No. 65. November.
Wang, Yong. Evolving Asian Power Balances and Alternate Conceptions
for Building Regional Institutions. No. 68. December.
年次報告 2010
Wang, Zhi, Shang-Jin Wei, and Anna Wong. Does a Leapfrogging Growth
Strategy Raise Growth Rate? Some International Evidence. No. 47. April.
Warr, Peter, Jayant Menon, and Arief Anshory Yusuf. Poverty Impacts of
Government Expenditure from Natural Resource Revenues. No. 51. June.
監察審査部
特別案件促進部
A Complaint on an ADB-Supported Project and How It Was Resolved
Animated Video, A Complaint on an ADB-Supported Project and
How It Was Resolved
Complaint Handling in the Rehabilitation of Aceh and Nias
(Bahasa Indonesia version)
Consultation Phase Brochure
Designing and Implementing Grievance Redress Mechanisms: A Guide
for Implementors of Transport Projects in Sri Lanka
Flash presentation, National Highway Development Sector Investment
Program in Pakistan
Flash presentation, OSPF Outreach Experiences
Information Guide to the Consultation Phase
OSPF Annual Report
The OSPF Consultation Primer
Training Manual on Complaint-Handling Mechanisms in Development Projects
太平洋局
意識啓発・マルチメディア資料
ADB’s Pacific Subregional Office in Suva Brochure
Pacific Department 2009 Compendium of Knowledge Products
Pacific Climate Change Program flyer
Papua New Guinea Development Effectiveness Brief
Samoa Development Effectiveness Brief
ブリーフ
Learning from Fisheries Centers in Pacific Islands (Oct 2010/001)
Increasing Returns from Fisheries: Do’s and Don’ts for Policy Makers
(Oct 2010/002)
Fisheries and Climate Change (Oct 2010/003)
Fisheries and Fuel Prices (Oct 2010/004)
ニューズレター
Pacific PSD Quarterly Issue No. 1
報告書・報告書シリーズ
ADB’s Pacific Approach 2010–2014
Fisheries in the Economies of the Pacific Island Countries and Territories
Mainstreaming Climate Change in ADB Operations
Pacific Economic Monitor (February 2010)
Pacific Economic Monitor (August 2010)
Pacific Economic Monitor (December 2010)
Pacific Private Sector Development Initiative: Annual Progress Report 2009
Responding to Climate Change in the Pacific: Moving From Strategy to Action
Solomon Islands 2010 Economic Report
State Performance and Capacity in the Pacific
Taking Control of Oil: Managing Dependence on Petroleum Fuels in The Pacific
The Political Economy of Economic Reform in the Pacific: Executive Summary
Transparency to the People: Using Stakeholder Participation in the
Public Sector Reform of Nauru and the Marshall Islands
Vanuatu Economic Report 2009 Executive Summary (English version)
Vanuatu Economic Report 2009 Executive Summary (French version)
Vanuatu Economic Report 2009: Accelerating Reform (Main Report)
Weaving Social Safety Nets
地域・持続的開発局
ADBブリーフ
Civil Society Briefs (for Armenia, Tajikistan, and Uzbekistan)
Climate Change in Central Asia and West Asia: At the Crossroads
of Climate Change (with CWRD)
Climate Change in East Asia: Staying on Track for a More Sustainable Future
(with EARD)
Climate Change in South Asia: Strong Responses for Building a Sustainable
Future (with SARD)
Climate Change in Southeast Asia: Focused Actions on the Frontlines
of Climate Change (with SERD)
Climate Change in the Pacific: Stepping Up Responses in the Face
of Rising Impacts (with PARD)
意識啓発・マルチメディア資料
Adapting to Climate Change: ADB’s Transport Work
ADB Sustainable Development Timeline
ADB/OECD Anticorruption Initiative for Asia and the Pacific Newsletter No. 13
ADB’s Olivier Serrat Talks with Channel NewsAsia about the Power of Stories
in the Workplace
Beyond: Stories and Sounds from ADB’s Region
Breaking Ground with an Age-Old Technique
Carbon Market Program Brochure
CDM Briefs
Series No.1 – Clean Development Mechanism, Overview
Series No.2 – Clean Development Mechanism, Key Elements
Series No.3 – Additionality for Very Small-Scale Renewable Energy
and Energy Efficiency Projects
Series No.4 – Regional Distribution of Clean Development
Mechanism Projects
CDM Project Brief – Dagachhu Hydropwer Project, First Cross-Border
Clean Development Mechanism Initiative
Challenges and Opportunities for Social Protection in the Lao PDR
Changing Course (coffee table book) – previously entitled Urban Transport
Problems and Solutions
Child and Families Protection in Post-Conflict-Affected Areas of Nepal
Collaboration Mechanisms
Community-Based Early Childhood Care and Development in Viet Nam
CSO Web Review (Issues 1–12)
Developing the Microinsurance Sector in Sri Lanka
Energy and Water Fact Sheet
Energy for All
Energy for All Initiative flyer
Evaluation, Knowledge Management, and Organizational Learning
for Development
FM Newsletter (Issues 1–3)
Giving Climate Change its Due Attention
Handle with Knowledge posters (5)
Implementing Pension Reforms in India
In Focus
ADB and Civil Society (updated)
Disaster Risk Management (updated)
Governance (updated)
Knowledge Solutions (updated)
Communities of Practice (updated)
付録
Accountability Mechanism brochure
BCRC Annual Report
Compendium on accountability and compliance and the use of country
systems (IAMnet online discussion materials)
Compliance Review brochure
Compliance Review Quarterly (e-newsletter)
Compliance Review: A Guide to the Compliance Review Process
and Filing a Request for Compliance Review
CRP Annual Report
CRP’s annual monitoring reports, including lessons learned
Filing a Request for Compliance Review
Knowledge Showcase – Lessons learned from compliance review of the
Chashma Right Bank Irrigation (Phase III) project
Online video on the Accountability Mechanism
221
222
アジア開発銀行
付録
Intersections eNewsletter: (3 quarterly issues in 2010)
Knowledge Capture and Storage
Knowledge Sharing and Learning
Knowledge Showcases
Boosting Aquaculture Livelihoods in Post-Disaster Aceh, Indonesia
Building Narrative Capacity in ADB
Chashma: A Case Study in Compliance
Climate Proofing Timor-Leste’s Roads
Customizing a Decentralized Sanitation Solution for Viet Nam’s
Periurban Areas
Making Connectivity Work: Contract Growing Along the Lao–Thai Border
Managing Climatic Risks with Adaptation
Post-Disaster Action Planning
Raising Farmer Incomes through High-Value Crops
knowledge@ADB (9 monthly issues from April–December 2010)
Landmark Forum Charts Directions for Food Security
Management Techniques
Partnership Newsletter (Issues 1–6)
Poverty Matters (e-newsletter, 4)
Promoting Clean Energy in Asia and the Pacific: Energy Security, Access,
and Low Carbon Development
Protecting the Health Status of the Poor during the Financial Crisis
in Mongolia
Protecting Vulnerable Women and Children in Nepal
Putting Knowledge Solutions to Work
Reflections and Beyond Postcard
Reforming Asia’s Pension Systems
Strategy Development
Strengthening Social Services Delivery Program in Georgia
Strengthening the Antipoverty Effects of Welfare Service Programs
in the People’s Republic of China
Supporting the Safety Net Programs for Food Security in Bangladesh
Toward an Improved Public Employment Service System in the Western Region
of the People’s Republic of China
書籍
ADB: Reflections and Beyond
Asian Environment Outlook 2010: Green Growth, Resources and Resilience
(Preview Report)
Ho Chi Minh City Adaptation to Climate Change: Summary
Knowledge Management on Air Quality: Case Studies
Learning in Development
Poverty and Sustainable Development in Asia: Impacts and Responses
to the Global Economic Crisis
業務報告書
Education by 2020: A Sector Operations Plan
Financial Due Diligence Retrospective Report 2008–2009
Public–Private Partnerships in ADB Education Lending, 2000–2009
Strengthening Inclusive Education
報告書
Engaging Private Sector Capital at Scale in Financing Low Carbon
Infrastructure in Developing Countries
2010 Learning for Change Survey
2010 MDG Report
ADB Assistance in ICT for Development: ICT for Development: ADB Experiences
ADB–CSO Cooperation Annual Report 2010
Assessment of ADB’s Knowledge Management Implementation Framework
Bangladesh Country Gender Assessment (with SAOD)
Civil Society Concerns Paper
Clean Energy Financing Partnership Facility: Annual Report: January to
December 2009
Clean Energy Financing Partnership Facility: Semiannual Progress Report:
January to June 2010
Clean Energy in Asia: Case Studies of ADB Investments in Low-Carbon Growth
Climate Change Fund Report 2009
Climate Instruments for the Transport Sector (previously entitled Post-2012
Mechanisms for Transport)
Every Drop Counts—Learning from Good Practices in Eight Asian Cities
Gender Equality Results
Bangladesh Case Studies (with SAOD)
Nepal Case Studies (with SAOD)
Gender Equality Results in ADB Projects
Indonesia Country Report
Mongolia Country Report
Regional Synthesis of Rapid Gender Assessments in Indonesia, Mongolia,
Sri Lanka, and Viet Nam
Sri Lanka Country Report
Viet Nam Country Report
Good Practices for Urban Water Management in Asia (Final Report)
Overview of Gender Equality and Social Inclusion in Nepal (with SAOD)
Pacific MDG Workshop Report
Parking Policy in Asia (Working Paper)
Proceedings of the Regional Workshop on Social Assistance and
Conditional Cash Transfers
Publication on Asian Innovation Policy Practices
Rethinking Transport and Climate Change
Review of ADB Assistance for Public–Private Partnerships in Infrastructure
Development (1998–2008)
Survey of Demand for ADB Knowledge Products through Resident and
Regional Missions
Study of ADB’s Knowledge Taxonomy
The Criminalization of Bribery in Asia and the Pacific: Frameworks and
Practices in 28 Asian and Pacific Jurisdictions (Thematic Review)
The Criminalization of Bribery in Asia and the Pacific: Proceedings of the
Regional Seminar on Criminalization of Bribery
Workability Index in Asia (Working Paper)
研修・指導資料
Addressing Climate Change in Asia and the Pacific: Impacts on Food, Fuel,
and People
Advancing Roles and Functions for Knowledge Management Coordination
Advancing the Development of Knowledge Partnership Guidelines
An Appreciative Inquiry Cameo
Climate Change ADB Programs: Strengthening Adaptation and Mitigation
in Asia and the Pacific
Development of National REDD+ Strategies in Asia and the Pacific – Progress
and Challenges
Enriching Policy with Research
Essentials of Knowledge Partnerships
Focused Action: Priorities for Addressing Climate Change in Asia
and the Pacific (Main Report and Highlights)
Forests, People, Climate, and Land Use: ADB’s REDD+ Program
Generic Learning Outcomes from Site Visits
Guidance Note for Education Sector Risk Assessment
Guidance Note for Road Transport Risk Assessment
Guidance on Financial Reporting for SMEs
Guidance on Project Sustainability
Key Messages for Policy Makers
Knowledge Management and Learning Series
Learning from Evaluation
Reflective Practice
Learning in Teams
Knowledge Sharing and Learning for Health
Knowledge Solutions
A Primer on Corporate Values
A Primer on Social Neuroscience
A Primer on Talent Management
Bridging Organizational Silos
Crafting a Knowledge Management Results Framework
Design Thinking
E-Learning and the Workplace
Embracing Failure
年次報告 2010
エネルギー
Online Database Portal: ENERcall, the online portal of the Energy CoP that
contains databases of
Knowledge output from Energy TAs, 2005–2009
Country energy sector data
Peer reviews of ADB energy sector projects, 2010
Global Renewable Projects
Presentations and reference documents from internal and external
conferences, workshops, and learning sessions (e.g., BTORs,
powerpoint presentations, conference materials)
意識啓発・マルチメディア資料
Asia Solar Energy Initiative Primer
環境
書籍
Asian Environment Outlook – Green Growth, Resources and Resilience
ジェンダーの平等
研修・指導資料
Gender Checklist on Transport
Gender Checklist on Public Sector Management
公共政策・ガバナンス
研修・指導資料
Guidance Note – Education Sector Risk Assessment (completed)
Guidance Note – Road Transport Subsector Risk Assessment (completed)
報告書・業務報告書
Governance Stocktake and 15-year strategic review of ADB’s governance
portfolio and program (first draft completed)
戦略・政策・管理関連文書
ワーキング・ペーパー
Climate Governance: Ensuring a Collective Commitment to a Low Carbon,
Climate Resilient Future
Developing Disaster Risk Finance at ADB within a DRM–CCA Framework
Fuelling Transparency and Accountability in the Natural Resources and Energy
Markets
Integrating Disaster Risk Management and Climate Change Adaptation in ADB
Restoring Trust: Global Action for Transparency and Control of Corruption
RSDD Working Paper No. 15 – Food Security in Asia and
the Changing Role of Rice
RSDD Working Paper No. 16 – Food and Nutrition Security Status in India:
Opportunities for Investment Partnerships
Strengthening Global Action for an Accountable Corporate World: Restoring
Trust in Business
Various papers on the environments of the poor
ERDからの追加的知識成果物:
研修・指導資料
A Handbook on Using the Mixed Survey for Measuring Informal Employment
and the Informal Sector Using the Mixed Survey for Measuring the
Informal Sector and Informal Employment Brochure
Policy Note – Impact of Fiscal Decentralization: Issues in Theory and
Challenges in Practice (draft completed)
Policy Note – Fiscal Decentralization in Asia: Challenges and Opportunities
(draft completed)
Policy Note – Taxation in Asia (draft completed)
ADBブリーフ
Governance Brief Issue No. 19 – A Political Economy Analyses of the Roll-On–
Roll-Off Terminal System (“RoRo”) in the Philippines (draft for completion
in December)
Governance Brief Issue No. 20 – Social Accountability and Governance Risk
Assessments (revised draft for completion in December)
Governance Brief Issue No. 21 – Does Decentralization Improve Local Service
Delivery? Quantitative and Survey Results from Camarines Norte Province
in the Philippines (draft completed)
運輸
戦略・政策・管理関連文書
Connecting Greater Mekong Subregion Railways: A Strategic Framework,
Southeast Asia Department
意識啓発・マルチメディア資料
実務コミュニティ
教育
業務報告書
Education by 2020 – A Sector Operations Plan
Toolkit for Urban Transport (Bus Transport) through Public Private Partnerships
for the State of Maharashtra
Freedom to Grow: Impact Stories from the Philippines
Focused Action – Priorities for Addressing Climate Change in Asia and the Pacific
NAMAs in the Transport Sector: Case Studies from Brazil, Indonesia, Mexico,
and People’s Republic of China. ADB and IADB
研修・指導資料
Strengthening Inclusive Education
Training and Instructive Material: Public–Private Partnerships in ADB Education
Lending 2000–2009
報告書
Bridges across Oceans – Initial Impact Assessment of the Philippines Nautical
Highway System and Lessons for Southeast Asia (with The Asia Foundation)
Reducing Carbon Emissions from Transport Projects. Narendra Singru, IED, ADB
付録
Engaging Staff in the Workplace
Enriching Knowledge Management Coordination
Enriching Policy with Research
Forestalling Change Fatigue
Harvesting Knowledge
Informal Authority in the Workplace
Leading Top Talent in the Workplace
Marketing in the Public Sector
New-Age Branding and the Public Sector
Seeding Knowledge Solutions Before, During, and After
Seeking Feedback on Learning for Change
Showcasing Knowledge
Social Media and the Public Sector
Sparking Innovations in Management
Sparking Social Innovations
Taxonomies for Development
The Critical Incident Technique
The Future of Social Marketing
The Perils of Performance Measurement
Latest Trends in Independent Evaluation in ADB
Learning for Change Primer
Building a Learning Organization
Communities of Practice: Passing the Fitness Test
Designing Knowledge Partnerships Better
Leveraging Knowledge with ICT
Managing Knowledge at Work
Understanding Knowledge Management and Learning Essentials
Learning to Manage with Knowledge
Leveraging Learning in Evaluation
Linking Research to Practice
Picking Investments in Knowledge Management
Technical Note on Strengthening PFM through Fixed Asset Management
223
224
アジア開発銀行
付録
都市
報告書・報告書シリーズ
書籍:都市開発シリーズ
An Assessment of Recent Tax Reforms in Bangladesh
Climate Change Adaptation in Himachal Pradesh Sustainable Strategies
for Water Resources
Climate Change in South Asia: Strong Responses for Building a Sustainable Future
Competitive Cities (November 2010)
Contracts for Public–Private Partnership (GoI–ADB PPP Initiative
Knowledge Series)
Cross Sectoral Implications of Biofuel Production and Use in India
Environment Assessment (Bangladesh)
Evaluating the Public Resource Management Program in Assam using
a Synthetic Control Group
Financial Sector Reforms in South Asia
Fiscal Decentralization and Fiduciary Risks: A Case Study of Local Governance
in Nepal
Food Security Papers
Gender Equality Results Case Studies:
Bangladesh
Bhutan
Maldives
Sri Lanka
The Global Financial Crisis: Impact on Asia and Emerging Consensus
Global Financial Crisis: The Way Forward
Impact Stories from Bangladesh: A Portrait of Development
Impact Stories from Bhutan: The Drive for Development
Impact Stories from Nepal: Inclusive Growth
Improving Health and Education Service Delivery through Public–Private
Partnerships (KPMG Assisted Study under GoI–ADB PPP Initiative
Knowledge Series)
Institutional and Political Economy Analysis of Social Protection in Nepal
Natural Gas Pricing in Bangladesh: A Preliminary Assessment
The Political Economy of Reform Process in Nepal: Experience of
the Finance Sector in 2010
Position Paper on Ports and Private Sector Participation (India) (GoI–ADB PPP
Initiative Knowledge Series)
Poverty Assessment in Bangladesh
PPP Knowledge Series
Health and Education
Legal Contracts
Urban Water
PPP Projects under Structuring
Private Sector Assessment: The Case of Bangladesh
Proceedings of the Study Tour Program on Water Services Management
to Penang Water Utility (April 2010)
Proceedings of the International Conference on Promoting Local Economic
Development (February 2010)
Product Innovations for Financing Infrastructure in India. A Study
of Indian Debt Markets
Risk Assessment and Risk Management (Bangladesh)
SAARC Regional Energy Trade Study
Scoping Study for Integrated Water Resources Management in Karnataka
Scoping Study to Climate Change Adaptation-focused Sustainable Water
Resources Strategy for Himachal Pradesh
Strengthening Capacity for Climate Change Adaptation (Sri Lanka)
Toolkit for Public Private Partnership in Urban Water Supply for Maharashtra
(CRISIL Assisted Study under GoI–ADB PPP Initiative Knowledge Series)
Toolkit for Urban Transport (Bus Transport) through Public Private Partnerships
for the State of Maharashtra (CRISIL Assisted Study under GoI–ADB PPP
Initiative Knowledge Series)
Understanding Poverty in India
Awareness-Raising and Multimedia Materials: Urban Innovations
and Best Practices
Eco-City Development – New and Sustainable Way Forward?
Financing Mechanism
Financing Urban Development in the PRC
Municipal Solid Waste Treatment: Case Study of PPPs in Wenzhou
Rebuilding Lives and Homes in Aceh and Nias, Indonesia
Retrofitting Sustainable Urban Development Practices – Renewable Energy
Retrofitting Sustainable Urban Development Practices – Urban Public Transport
Unleashing Economic Growth – Region-based Urban Development Strategy
for Nepal
Urban Development Policy of IND (Part 1) – Mobility of People
by Bus Rapid Transit
Urban Development Policy of IND (Part 2) – Corridor Densification
by Floor Space Index-linked Land Use Control and Infrastructure
Urban Public Transport – Case Study of PPP in Beijing
Urban Water Supply – Case Study of PPPs in Maanshan
Wastewater Treatment – Case Study of PPPs in Shanghai
業務報告書:研究
Guide to Increasing the Climate Resilience of Urban Water Infrastructure:
Case Study of Wuhan City, PRC
Rapid Economic Assessment Toolkit for Developing Cities
Solid Waste Management Assessment in Pakistan
水
書籍
Economics of Sanitation Initiative – Cost–Benefit Analysis of Improved
Sanitation in Southeast Asia and South Asia (commissioned to Water and
Sanitation Program)
Every Drop Counts (summary compilation of good practices in urban water
management in eight Asian cities)
Managing Water in Asia’s River Basins (commissioned to IUCN)
The Issues and Challenges of Reducing Non-Revenue Water
ワーキング・ペーパー
Accessing Available Freshwater: Expanded Capture and Storage
Adapting to Climate Change: Flood Protection to 2030
Basin Planning and Management: An Asian Scorecard
Clean Up Costs: Expanding Investments
Cleaning Utility Balance Sheets: Attracting Investments
Energy in Water: The Case for a Smaller Footprint
From Loss to Profit: Structural Transformation via
Reduced Non-Revenue Water
Legislating Clean Water: Getting the Laws to Work Better
Less Water, More Food: Solutions for Enhanced Productivity
Small Scale Irrigation: Is this the Future?
Technologies in Irrigated Agriculture: Costs and Benefits
Wastewater Reuse: Scale, Technologies, and Prospects
意識啓発・指導資料
Expert-Based Sanitation Decision Support System Phase 1 (commissioned
to UNESCO-IHE Institute for Water Education)
南アジア局
書籍・書籍の章
Agriculture, Food Security and Rural Development. Oxford University Press
An Assessment of Demand for Improved Household Water Services
in South West Sri Lanka
Lessons from Private Sector Participation in Water Supply and Sanitation
Sector in Developing Countries
Unleashing Economic Growth: Region-Based Urban Development Strategy
for Nepal. June.
学術誌
Technical Efficiency of Sawmilling and Conservation of Natural Forests:
Evidence from Sri Lanka
年次報告 2010
225
ブリーフ・ノート
戦略・政策・管理関連文書
Bangladesh: Development Effectiveness Brief: A Partnership for Progress
Bangladesh Quarterly Economic Update (4)
Case Studies (2): Snapshots of PPP Projects (Solid Waste Management –
Guwahati Assam, Modernization of Taraporewala Aquarium – Mumbai)
Flash Note 8: What is Happening to Food Prices in India? – A review of
its determinants and possible policy responses
Flash Note 9: Trade Facilitation in South Asia: Why it Matters Most
Flash Note 10: Determinants of the Stock Price Surge in Bangladesh and Sri Lanka
India Economic Bulletin January–March 2010
Nepal: Development Effectiveness Brief
Nepal Economic Updates (3)
Notes from the Field (5): Snapshots of Pilot PPP Projects being Developed
(NRW Reduction in Madhya Pradesh, Life Dignified: Shelters for the
Homeless, Kolhapur Sewage Treatment Plant, Gyanodaya: Voucher School
Programme in Rajasthan, Gwalior Hospital Project)
Notes on a Political Economy Approach to Improve the Impact of
Development Programs and Projects
Background papers on Regional Cooperation Strategy
Country Gender Assessment Bangladesh
Overview of Gender Equality and Social Inclusion in Nepal
Regional Cooperation Strategy (RCS) 2006–2008 Completion Report
Unleashing Economic Growth: Region-Based Urban Development Strategy
for Nepal (June 2010)
Urban Development Policy of India (Part 1): Mobility of People
by Bus Rapid Transit (April 2010)
Urban Development Policy of India (Part 2): Corridor Densification
by Floor Space-Index Linked Land Use Control and Infrastructure
Financing Mechanism (April 2010)
The Impact of the Global Crisis on South Asia. South Asia Working Paper
Series 1. February.
意識啓発・マルチメディア資料
ADB India Newsletter (quarterly)
Bangladesh Economic Indicators Update
Bulletin 3P: Sharing Knowledge on PPP Projects, Events, and Activities
(2 issues)
Capacity Building Program for Executing Agency Staff
Environmental Safeguards (Module on CD)
Social Safeguards (Module on CD)
Gender and Development brochure
Newsletter on PPP Activities
RCI News Alert
RETA 6480 Subproject workshop on Scoping for the Proposed South Asia
Pension Forum
Presentation on Electricity Sector Reforms: Expectations and Reality
(Memorial University of Newfoundland, Canada, Sept 2010)
Presentation on Introduction of “Revenue Administration Management
Information System (RAMIS)” into Partner Countries
Presentation on Transition to Independent Regulation: Challenges in
the Energy Sector (Bangladesh Energy Regulators, Asian Institute
of Technology, Bangkok, June 2010)
South Asia Seminar Series
Biofuels for India: Policy, Economics and Way Forward. No. 43.
Commercialization of Microfinance. No. 41.
Gender at Work in SARD. No. 39.
Governance Risk Assessment in ADB Programs/Projects. No. 38.
Harnessing Economic Corridor, Trade, and Regional Integration
Benefits. No. 37.
Harnessing South Asian Tourism Potential for Inclusive and Sustainable
Growth. No. 36.
Mirror Mirror the wall: Why am I not the fairest of them all?
Issues of malgovernance in SARD Countries. No. 44.
New Labor Split Data. No. 40.
PPP and Agriculture: Lessons Learned from the Design of the Agribusiness
Infrastructure Development Investment Program in India. No. 42.
Resilience of Remittance Inflows to Nepal in FY2009 and Emerging Signs
of the ‘Dutch Disease.’ No. 35.
Role of Fiscal Policy in Boosting Growth: Preliminary Evidence
in Developing Asia. No. 34.
書籍
An Agenda for High and Inclusive Growth in the Philippines
Bridges across Oceans: Initial Impact Assessment of the Philippines
Nautical Highway System and Lessons for Southeast Asia
Central Government Spending in the Regions – Fiscal Decentralization in
Indonesia Series Paper No. 2
Connecting Greater Mekong Subregion Railways: A Strategic Framework
For Life, With Love: Training Tool for HIV Prevention and Safe Migration
in Road Construction Settings and Affected Communities
Gender Equality Results in ADB Projects: Indonesia Country Report
Gender Equality Results in ADB Projects: Viet Nam Country Report
Ho Chi Minh City Adaptation to Climate Change: Summary Report
Lessons from the Northern Economic Corridor: Mitigating HIV
and Other Diseases
Making a Difference in Mindanao
Practice Guidelines for Harmonizing HIV Prevention Initiatives
in the Infrastructure Sector: Greater Mekong Subregion
Rebuilding Lives and Homes in Aceh and Nias, Indonesia
Sanitation Finance in Rural Cambodia
Sharing Growth and Prosperity: Strategy and Action Plan for the
Greater Mekong Subregion Southern Economic Corridor
Social Impact of the Global Financial Crisis in the Philippines
Strategy and Action Plan for the Greater Mekong Subregion
East–West Economic Corridor
Strategy and Roadmap for Devolving the Property Tax – Fiscal Decentralization
in Indonesia Series Paper No. 1
Toward Sustainable and Balanced Development: Strategy and Action Plan
for the Greater Mekong Subregion North–South Economic Corridor
Towards a Social Protection Strategy for the Poor and Vulnerable
Understanding Sub-National Government Proliferation and Options for
Reform – Fiscal Decentralization in Indonesia Series Paper No. 3
Water: Vital for Viet Nam’s Future
ワーキング・ペーパーおよびポリシー・ノート
Advancing Competition Policy In Cambodia. January.
Tax Reforms towards Fiscal Consolidation: Policy Options
for the New Administration. July.
Philippines Urban Sector Assessment, Strategy and Roadmap. October.
Transforming the Philippine Economy: “Working on Two Legs.” October.
Policy Mix to Manage Increasing Capital Inflows to Indonesia.
Philippines Quarterly Economic Updates. April, July, October.
業務報告書
Country Portfolio Performance Review Background Paper
意識啓発・マルチメディア資料
Cambodia: Building Solid Physical and Social Infrastructure
Freedom to Grow: Impact Stories from the Philippines
Lao People’s Democratic Republic: At the Crossroads of Change
The Heart of Development: Impact Stories from Cambodia
付録
ワーキング・ペーパー
東南アジア局
226
アジア開発銀行
付録 15
ソブリン融資の評価
表 A15.1
ソブリン業務の国別評価結果 a
(1973 ∼ 2010 年の評価結果累計)
表 A15.2
ソブリン業務のセクター別評価結果 a
(1973 ∼ 2010 年の評価結果累計)
評価対象
評価対象
比率
(%)
プロジェクト・プログラム
国
(件数)
HS/GS/S
PS
比率
(%)
プロジェクト・プログラム
US
国
農業・天然資源
(件数)
HS/GS/S
PS
US
46.2
39.4
14.4
368
付録
アフガニスタン
4
75.0
25.0
0.0
アルメニア
1
100.0
0.0
0.0
教育
106
72.6
24.5
2.8
アゼルバイジャン
1
100.0
0.0
0.0
エネルギー
199
79.4
18.6
2.0
11.5
111
59.5
32.4
8.1
金融
148
50.0
38.5
ブータン
13
76.9
15.4
7.7
保健・社会的保護
51
58.8
37.3
3.9
カンボジア
23
87.0
13.0
0.0
工業・貿易
63
60.3
27.0
12.7
中国
87
87.4
8.0
4.6
マルチセクター
71
74.6
19.7
5.6
2
100.0
0.0
0.0
公共政策
40
52.5
37.5
10.0
バングラデシュ
グルジア
45
64.4
28.9
6.7
運輸・情報通信技術
239
81.6
13.0
5.4
インドネシア
192
62.5
30.7
6.8
上水道・都市インフラ
147
59.9
32.0
8.2
カザフスタン
10
60.0
40.0
0.0
1,432
63.1
28.5
8.4
キルギス
20
75.0
25.0
0.0
インド
ラオス
47
70.2
25.5
4.3
マレーシア
57
64.9
29.8
5.3
モルジブ
10
80.0
10.0
10.0
モンゴル
27
63.0
29.6
7.4
ミャンマー
11
63.6
27.3
9.1
ネパール
77
57.1
32.5
10.4
太平洋地域のDMC
104
46.2
35.6
18.3
パキスタン
151
51.7
34.4
13.9
40
32.5
57.5
10.0
フィリピン
125
47.2
36.0
16.8
スリランカ
80
57.5
36.3
6.3
タジキスタン
14
92.9
7.1
0.0
タイ
64
89.1
10.9
0.0
パプアニューギニア
ウズベキスタン
13
53.8
38.5
7.7
ベトナム
42
83.3
14.3
2.4
卒業国b
61
86.9
11.5
1.6
1,432
63.1
28.5
8.4
総計
GS = 一般的に成功、HS = 高い成功、PS = 部分的に成功、S = 成功、US = 不成功、
DMC = 開発途上加盟国。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a プロジェクト・プログラム完了報告書(PCR)、PCR 確認報告書(PCRVR)、およびプロ
ジェクト・プログラム実績評価報告書(PPER)の評価結果を総合したもの。PCR のほか
に PCRVR または PPER の評点がある場合は、例外なく PCRVR または PPER の評点を採用
した。
b 香港、韓国、シンガポール。
総計
GS = 一般的に成功、HS = 高い成功、PS = 部分的に成功、S = 成功、US = 不成功。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a プロジェクト・プログラム完了報告書(PCR)、PCR 確認報告書(PCRVR)、およびプロ
ジェクト・プログラム実績評価報告書(PPER)の評価結果を総合したもの。PCR のほか
に PCRVR または PPER の評点がある場合は、例外なく PCRVR または PPER の評点を採用
した。
年次報告 2010
227
図 A15
成功評価のソブリン業務(プロジェクト・プログラム)の財源別比率
100
90
80
60
付録
成功率
︵%︶
70
50
40
30
20
10
承認年
合計
アジア開発基金
通常資本財源
注:
1973 年から 2010 年の間に評価された完了プロジェクト・プログラムに基づく。
プロジェクト・プログラム実施期間:4 ∼ 7 年
完了報告書:完了から 1 ∼ 2 年後
プロジェクト・プログラム評価:完了から 3 年以上後
2003 年以降のデータはサンプル数が少ないため、含めていない。
承諾年が 2000 年と 2001 年の数値については、完了ならびに評価するプロジェクト・プログラムが追加されるため、変動する可能性がある。
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
1987
1986
1985
1984
1983
1982
1981
1980
1979
1978
1977
1976
1975
1974
1973
1972
1971
1970
0
228
アジア開発銀行
表 A15.3
ノンソブリン業務の国別評価結果 a(1992 ∼ 2010 年の評価結果累計)
1992年∼2006年半ばに旧基準b を用いて
2006年末∼2010年に新基準c を用いて
評価されたプロジェクト
評価されたプロジェクト
比率
(%)
評象
プロジェクト
国
付録
アフガニスタン
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
中国
インド
インドネシア
モンゴル
ネパール
パキスタン
フィリピン
スリランカ
タイ
ベトナム
地域
合計
比率
(%)
評象
プロジェクト
(件数)
HS/GS/S
PS
US
HS/S
PS
US
0
0
2
0
0
2
2
0
1
3
5
1
0
0
2
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
100.0
100.0
0.0
0.0
100.0
60.0
100.0
0.0
0.0
50.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
40.0
0.0
0.0
0.0
50.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
1
2
2
1
6
5
0
1
0
0
1
1
1
3
3
100.0
100.0
100.0
100.0
66.7
80.0
0.0
100.0
0.0
0.0
100.0
100.0
100.0
100.0
33.3
0.0
0.0
0.0
0.0
16.7
20.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
66.7
0.0
0.0
0.0
0.0
16.7
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
18
77.8
22.2
0.0
27
81.5
14.8
3.7
(件数)
GS = 一般的に成功、HS = 高い成功、PS = 部分的に成功、S = 成功、US = 不成功。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a プロジェクト完了報告書(PCR)、詳細年次レビュー報告書(XARR)、XARR 確認報告書(XVR)、およびプロジェクト評価報告書(PPER)の評価結果を総合したもの。PCR/XARR のほか
に XVR または PPER の評点がある場合は、例外なく XVR または PPER の評点を採用した。
b 1992 年から 2006 年半ばまでは、ソブリン・プロジェクトの評価基準がノンソブリン・プロジェクトの評価にも利用された。
c ノンソブリン・プロジェクトの新しい評価基準は、評価協力グループの他のメンバーの基準と整合させたもので、2006 年末から利用している。
表 A15.4
ノンソブリン業務のセクター別評価結果 a(1992 ∼ 2010 年の評価結果累計)
2006年末∼2010年に新基準b を用いて
セクター
工業
インフラ
資本市場・ファンド・金融機関
合計
2006年末∼2010年に新基準c を用いて
評価対象
評価されたプロジェクト
評価対象
プロジェクト
比率
(%)
プロジェクト
HS/GS/S
PS
US
3
7
8
100.0
71.4
75.0
0.0
28.6
25.0
0.0
0.0
0.0
18
77.8
22.2
0.0
(件数)
評価されたプロジェクト
比率
(%)
HS/S
PS
US
1
11
15
100.0
100.0
66.7
0.0
0.0
26.7
0.0
0.0
6.7
27
81.5
14.8
3.7
(件数)
GS = 一般的に成功、HS = 高い成功、PS = 部分的に成功、S = 成功、US = 不成功。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a プロジェクト完了報告書(PCR)、詳細年次レビュー報告書(XARR)、XARR 確認報告書(XVR)、およびプロジェクト評価報告書(PPER)の評価結果を総合したもの。PCR/XARR のほか
に XVR または PPER の評点がある場合は、例外なく XVR または PPER の評点を採用した。
b 1992 年から 2006 年半ばまでは、ソブリン・プロジェクトの評価基準がノンソブリン・プロジェクトの評価にも利用された。
c ノンソブリン・プロジェクトの新しい評価基準は、評価協力グループの他のメンバーの基準と整合させたもので、2006 年末から利用している。
年次報告 2010
229
ADB の連絡先
(2009 年末現在)
アフガニスタン駐在員事務所(AFRM)
グルジア駐在員事務所(GRM)
ラオス駐在員事務所(LRM)
House 126, Street No. 2
Haji Yaqub Roundabout Shar-e-Naw
Next to District 10 Police Department
P.O. Box 3070, Kabul, Afghanistan
Tel +93 20 210 3602
Fax +93 85 535 204
afrm@adb.org
ADB Local 5535
12th Floor, JSC Cartu Building
39A Chavchavadze Avenue
0162 Tbilisi, Georgia
Tel +995 32 250619 /20 /21
Fax +995 32 250622
adbgrm@adb.org
ADB Local 5534
Corner of Lanexang Avenue
and Samsenthai Road
P.O. Box 9724
Vientiane, Lao People’s Democratic Republic
Tel +856 21 250444
Fax +85 621 250333
adblrm@adb.org
ADB Local 5544
インド駐在員事務所(INRM)
26/1 Vazgen, Sargsyan Street
Erebuni Plaza Business Center
Offices 413–416 Yerevan 0010
Republic of Armenia
Tel +374 10 546371 to 73
Fax +374 10 546374
ADB Local 5549
アゼルバイジャン駐在員事務所(AZRM)
Bakikhanov 6, Bridge Plaza
8th Floor, Baku AZ1022, Azerbaijan
Tel +994 12 437 3477
Fax +994 12 437 3475
adbazrm@adb.org
ADB Local 5588
バングラデシュ駐在員事務所(BRM)
Plot No. E-31, Sher-e-Bangla Nagar
Dhaka 1207, Bangladesh
GPO Box 2100, Bangladesh
Tel +880 2 815 6000 to 6008
Fax +880 2 815 6018 to 6019
adbbrm@adb.org
ADB Local 5512
カンボジア駐在員事務所(CARM)
No. 29, Suramarit Boulevard (St. 268)
Sangkat Chaktomuk
Khan Daun Penh Phnom Penh
Cambodia P.O. Box 2436
Tel +855 23 215805 /06
+855 23 216417
Fax +855 23 215807
adbcarm@adb.org
ADB Local 5509
4 San Martin Marg Chanakyapuri
New Delhi 110 021, India
P.O. Box 5331, Chanakyapuri HPO
Tel +91 11 2410 7200
Fax +91 11 2687 0955
adbinrm@adb.org
ADB Local 5514
モンゴル駐在員事務所(MNRM)
インドネシア駐在員事務所(IRM)
ネパール駐在員事務所(NRM)
Gedung BRI II, 7th Floor, Jl. Jend.
Sudirman Kav. 44-46
Jakarta 10210, Indonesia
P.O. Box 99 JKPSA
Jakarta Pusat 10350A, Indonesia
Tel +62 21 251 2721
Fax +62 21 251 2749
adbirm@adb.org
ADB Local 5511
Srikunj, Kamaldi Ward No. 31
P.O. Box 5017 Kathmandu, Nepal
Tel +977 1 422 7779
Fax +977 1 422 5063
adbnrm@adb.org
ADB Local 5515
カザフスタン駐在員事務所(KARM)
アルマトゥイ事務所
154A, Nauryzbai batyr str.
KABLAN Business Center, 3rd Floor
Almaty 050013, Kazakhstan
Tel +7 727 3300 950 to 952
Fax +7 727 3300 954
ADB Local 5342
カザフスタン駐在員事務所(KARM)
アスタナ事務所
12 Samal Microdistrict
Astana Tower Business Center, 10th Floor
Astana 010000, Kazakhstan
Tel +7 7172 325053
Fax +7 7172 328343
adbkarm@adb.org
ADB Local 5506
中国駐在員事務所
(PRCM)
17th Floor, China World Tower
No.1 Jian Guo Men Wai Avenue
Chaoyang District, Beijing 100004
People’s Republic of China
Tel +86 10 8573 0909
Fax +86 10 8573 0808
www.adb.org/prcm/
cn.adb.org
ADB Local 5521
キルギス駐在員事務所(KYRM)
52–54 Orozbekov Street
Bishkek, 720040 Kyrgyz Republic
Tel +996 312 624192
+996 312 900445
Fax +996 312 624196
adbkyrm@adb.org
ADB Local 5542
MCS Plaza, 2nd Floor, Seoul Street 4
Ulaanbaatar 14251, Mongolia
Tel +976 11 329836
Fax +976 11 311795
adbmnrm@adb.org
ADB Local 5505
フィリピン事務所(PHCO)
6 ADB Ave., Mandaluyong City
1550 Metro Manila, Philippines
Tel +63 2 683 1002
Fax +63 2 683 1030
phco@adb.org
ADB Local 1000
太平洋地域連絡調整事務所(PLCO)
1 Margaret St., Suite 1802 Level 18
Sydney, New South Wales 2000, Australia
Tel +61 2 8270 9444
Fax +61 2 8270 9445
adbplco@adb.org
ADB Local 5589
パプアニューギニア駐在員事務所
(PNRM)
Deloitte Tower, Level 13, P.O. Box 1992
Port Moresby, National Capital District
Papua New Guinea
Tel +675 321 0400; +675 321 0408
Fax +675 321 0407
adbpnrm@adb.org
ADB Local 5565
付録
アルメニア駐在員事務所(ARRM)
230
アジア開発銀行
パキスタン駐在員事務所(PRM)
タイ駐在員事務所(TRM)
欧州代表事務所(ERO)
Level 8, North Wing
Serena Business Complex
Khayaban-e-Suharwardy, G-5
Islamabad, Pakistan
Tel +92 51 260 0351 to 69
+92 51 208 7300
Fax +92 51 260 0365 to 66
+92 51 208 7397/98
adbprm@adb.org
ADB Local 5513
23rd Floor, The Offices at Central World
999/9 Rama 1 Road
Pathumwan, Bangkok 10330, Thailand
Tel +66 2 263 5300
Fax +66 2 263 5301 to 02
adbtrm@adb.org
ADB Local 5526
Rahmhofstrasse 2
60313 Frankfurt am Main, Germany
Tel +49 69 2193 6400
Fax +49 69 2193 6444
adbero@adb.org
ADB Local 5517
付録
南太平洋地域事務所
(SPSO)
5th Floor, Ra Marama Building
91 Gordon Street, Suva, Fiji
Tel +679 331 8101
Fax +679 331 8074
adbspso@adb.org
ADB Local 5522
スリランカ駐在員事務所(SLRM)
23, Independence Avenue
Colombo 7, Sri Lanka
Tel +94 11 267 4499
Fax +94 11 267 4488
adbslrm@adb.org
ADB Local 5507
東ティモール特別事務所(SOTL)
ADB Building Avenida Dos Direitos
Humanos
Dili, Timor-Leste
Tel +670 332 4801
Fax +670 332 4132
www.adb.org
ADB Local 5520
タジキスタン駐在員事務所(TJRM)
107 Nozim Khikmat Street
Dushanbe 734001, Tajikistan
Tel +992 372 210558, 271895, 271897
247953, 247814
Fax +992 372 244900
adbtjrm@adb.org
ADB Local 5539
トルクメニスタン駐在員事務所(TKRM)
Yimpash Business Center Building
Turkmenbashi Shayoly
54 Room 401, Ashgabat, Turkmenistan
Tel +99312454986
Fax +99312454986
駐日代表事務所(JRO)
〒100-6008
東京都千代田区霞ヶ関3-2-5 霞が関ビル8階
Tokyo 100-6008, Japan
Tel +81 3 3504 3160
Fax +81 3 3504 3165
adbjro@adb.org
ADB Local 5518
ウズベキスタン駐在員事務所(URM)
1, A. Khodjaev Street
Tashkent 100027, Uzbekistan
Tel +998 71 1401920 to 25
Fax +998 71 1401976
adburm@adb.org
ADB Local 5508
北米代表事務所(NARO)
900 17th Street NW, Suite 900
Washington, D.C. 20006, United States
Tel +1 202 728 1500
Fax +1 202 728 1505
naro@adb.org
ADB Local 5516
ベトナム駐在員事務所(VRM)
Units 701–706, Sun Red River Building
23 Phan Chu Trinh Street
Hoan Kiem District
Ha Noi, Viet Nam
Tel +84 4 3933 1374
Fax +84 4 3933 1373
adbvrm@adb.org
ADB Local 5519
アジア開発銀行研究所(ADBI)
〒100-6008
東京都千代田区霞ヶ関3-2-5
霞が関ビル8階
Tokyo 100-6008, Japan
Tel +81 3 3593 5500
Fax +81 3 3593 5571
info@adbi.org
ADB Local 5503
年次報告 2010
用語解説
略語
マルチトランシェ融資ファシリティ スタンドアローン
型の大規模プロジェクトの中の時系列コンポーネントや、
通常より長期間のセクター投資プログラムの一部(もし
くはトランシェ)
、金融仲介機関向け信用枠、および保証
などを対象としたデットファイナンスのしくみ。
ノンソブリン業務 地方政府、国営企業、半官半民組織、
または民間企業を融資または投資対象とし、通常は国家
による直接的な保証なしに ADB が資金を提供する取引。
公共セクター向けノンソブリン取引 公共機関が過半数
を所有している企業(資本の 50%超を公共機関が所有し
ている企業と定義される)に対する融資、保証およびシ
ンジケーションを指す。
ソブリン・ノンソブリン ADB の融資はソブリンとノン
ソブリンに分類される。ソブリン融資は中央政府により
保証される融資であり、ノンソブリン融資は中央政府に
より保証されない融資である。
−
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−
アジア開発銀行
アジア開発基金
中央アジア地域経済協力
信用保証・投資ファシリティ
実務コミュニティ
会計局
コンプライアンス・レビュー・パネル
開発途上加盟国
メコン河流域圏
情報通信技術
独立評価局
ミレニアム開発目標
開発成果マネジメント
監査部
汚職防止・公正管理部
総務部
通常資本財源
情報システム技術部
民間部門業務局
付録
B ローン ADB が資金を供給する A ローンを補完する。 ADB
通常、ADB 名義で提供される直接融資のトランシェの形
ADF
をとる。適格な金融機関がこのトランシェの範囲内で資
CAREC
金のリスクを負い、ADB に対する償還請求権を伴わない。 CGIF
CoP
協調融資 ADB が資金を提供し、リスクを取り、または
CTL
運営に関与するプロジェクト(融資または技術協力等) CRP
またはプログラムの個別取引に対して、
(プロジェクトの
DMC
スポンサー以外の)第三者が資金を提供すること。融資
GMS
パートナーとの間に正式な調整協定がある場合とない場
ICT
合がある。協調融資の主な提供者は公的援助機関と民間
IED
金融機関である。
MDG
MfDR
直接付加価値協調融資 融資パートナー間で積極的な調
OAG
整と正式な合意が行われる協調融資であって、その動員、 OAI
管理または協調融資への参加を促進するという ADB の契
OAS
約義務(信用補完、シンジケーションまたは資金管理等) OCR
を含め、クライアントに明確な利益をもたらすもの。
OIST
PSOD
支援形態 支援ツール(融資、
出資、
グラント(無償援助)
、
プロジェクト協調融資、
保証)の具体的な適用方法を指し、
投資支援、政策ベース支援、その他財政支援(景気循環
相殺支援ファシリティ)
、または技術・助言支援に分類さ
れる。
231
アジア開発銀行
6 ADB Avenue, Mandaluyong City
1550 Metro Manila, Philippines
電話番号 +63 2 632 4444
Fax番号 +63 2 636 2444
information@adb.org
www.adb.org
財務局
Fax +63 2 632 4707
+63 2 632 4120
SWIFT Address ASDBPH MM
ISSN 306-8370
アジア開発銀行駐日代表事務所
東京都千代田区霞が関3-2-5
霞が関ビルディング8階
電話番号 03-3504-3160
Fax番号 03-3504-3165
www.adb.org/JRO/