地域パートナーHOT 情報 〔山口県〕 まなびーや 萩世界遺産を学ぶ「学び舎 」 AE と半径 100m の散策 稲原宏昭(流通・サービス産業課長) inahara-hiroaki@meti.go.jp TEL 082-224-5655 平成27年7月に世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」は、長崎県の 軍艦島や鹿児島県の旧集成館など九州地域の各資産に、以下の5つの萩資産等を加えた8 県11市にわたる23資産で構成されています。 1. 萩反射炉 2. 美須ケ鼻造船所跡 3. 大板山たたら製鉄遺跡 4. 萩城下町 5. 松下村塾 この度、萩に訪れた皆さんにこの萩5資産を紹介する目 的で開設したのが萩・世界遺産ビジターセンター「学び舎 (まなびーや)」です。 萩市のホームページには「8県11市にわたる23資産の中でも近代化の原点といわれ る萩の5資産の位置づけや、吉田松陰がわが国の工学教育に果たした役割、23資産全体 を映像やパネル、アニメーション等を使っ てわかりやすく楽しく学べる施設です。世 界文化遺産の現地を訪れる前にお寄りい ただけるといっそう世界遺産めぐりが楽 しくなります。」とあります。会場レイア ウトを見ても大人だけでは無く子供達の 学習にも大いに活躍してくれそうです。 ○萩市ホームページ『萩・世界遺産ビジタ ーセンター 学び舎(まなびーや)』: http://www.city.hagi.lg.jp/site/man abiya/ 旬レポ中国地域 2016 年 5 月号 (図:萩市ホームページより) 1 【期間】 平成 28 年 1 月 30 日~平成 29 年 2 月 12 日 【時間】 午前 9 時~午後 5 時(無休)最終入場午後 4 時 30 分 【料金】 大人 300 円、大人団体 240 円 生徒・児童(小・中・高生) 100 円、生徒・児童団体 80 円 【お問い合わせ】 萩市世界遺産活用推進協議会 電 話:0838-25-3117(平日のみ) E-Mail:manabiya@city.hagi.lg.jp さて、この「まなびーや」の紹介は萩市ホームページをしっかり見ていただくとして、 私からはこの「まなびーや」を訪問した際に、ちょっと足を伸ばすだけで実は見ることの できる“半径 100m 以内”の貴重な萩藩時代の史跡について紹介させていただきたいと思 います。 この「まなびーや」(①)はそもそも萩藩校であった「明倫館」の跡地に開設されてお り、徒歩数分以内の周辺には明倫館の遺構がたくさん残っています。 ② 明倫館南門 この門は、嘉永2年(1849)江向に新築された新明倫館の正門として建てられた もので、明倫館全体からみて南にあたるので「南門」 と名付けられ、通称「表御門」と呼ばれていたよう です。 この門は当時あった場所に再現されたと聞いてお り、高杉晋作などがこの門を通って明倫館に通って いたのかと思いを馳せることができます。 ③ 有備館 旧明倫館(現在の堀内地区)の剣術場と槍術場を移して拡張したもので、藩士の 練武のほか、他国からの剣槍術の修業者との試合場 (他国修業者引請剣槍術場)としても使われました。 「竜馬がゆく」(司馬遼太郎)の中で桂小五郎と土 佐勤王党の坂本龍馬が試合をする場面が描かれて いるのはこの有備館のことです。 旬レポ中国地域 2016 年 5 月号 2 ④ 水練池 藩政時代に遊泳術や水中騎馬が行われた、いわゆる 「日本最古のプール」と言われているものです。 水練場を設けた藩校は後に雌雄を決する戦いを行う 会津藩と萩藩だけといわれ、この明倫館址にある水 練池は現存する唯一のものです。 ⑤ 旧明倫小学校 昭和10年に建てられた木造2階建ての4棟の校舎 で、特に本館は文化的価値が高く平成8年に国登録 有形文化財に登録されています。 かつては 2000 人を超える学童の学舎でもありまし 写真:萩市観光協会公式サイト た。 ⑥ 新明倫 平成26年4月に供用を開始し、現在は 6 百数十名の学 童が学んでいる新校舎です。 これからに日本を背負うような若者が多く出ることを 私も期待しています。 「100m 以内散策」ではこれ以外の遺跡も見つけることができると思います。 ご関心のある方は「ちょい見」してみてください。 旬レポ中国地域 2016 年 5 月号 3 6 4 1 5 2 (資料)GoogleMapより、筆者加筆 3 3 半径100m の目安 (資料)GoogleMap より、筆者加筆 経済産業省 中国経済産業局 広報誌 旬レポ中国地域 2016 年 5 月号 Copyright 2016 Chugoku Bureau of Economy , Trade and Industry. 4
© Copyright 2024 Paperzz