NHK名古屋ビデオクラブ 会報 所在地 〒461-8725 NHK名古屋放送局事業部内 2009年12月号 (11月30日発行) 発行責任:役員会 編集:坂 好治 http://ckvc.web.infoseek.co.jp NHK名古屋ビデオクラブのホームページ お し ら せ ◆12月例会 日時:12月12日( 第 2 土 曜 日 ) 13時30分から 会場:NHKセンタービル901号室 内容:作品鑑賞会 ・テーマは自由 ・5分以内 11月例会 撮影のテクニック… ロングは 望遠で アップは 広角で ―横尾部長が解説― 横尾俊介部長 逆に考えていない? 11月のクラブ例会は、15日午後1時半からNHKセンタービル901 号室で開かれ、会員27人が参加した。 この日は、冒頭に、桜井高義会員が自らのハイビジョン編集環境 について説明(詳細は3面)、このあと作品鑑賞会に入った。 この日の鑑賞会講師は、NHK名古屋局報道部映像取材の横尾俊 介担当部長。たまたま、この日の鑑賞会作品は「ズーム無し作品 会」だったため、カメラの望遠と広角について解説があった。 れによると、ビデオカメラの標準(写真用カメラの標準-50 ミリ-に相当するのは、ズームバーの中間あたり。つまり半 ズームの状態が標準レンズと思えばいいということ。しかも、プ ロの場合は、そこからさらに望遠側でロングを撮るケースが多い という。そうすることで厚みが増し奥行きのある映像になる。 そ 例 えば、マラソン競技でトップ走者とと2番走者との差が100 mほどある場合、半ズーム以上の望遠側で撮った絵と、逆 に半ズームから引いた広角側で撮った絵を考えると、その臨場感 の違いが判る。前者の絵こそが、ロング(全景)と言うわけ。一 方、アップは、半ズームから引いたサイズ…いわゆる広角で、出 来るだけ被写体に近づいて撮ったもの。 レンズサイズ 広角(アップ系) 標準(自然な視角) 望遠(ロング) と ◆09年クラブコンテスト 作品募集は12月例会日で締め切り ※09年度のクラブコンテスト応募作品の受付は 12月例会日で締め切りになります。出品予定 者は、お忘れなきよう。 ※例会欠席の方は、11日までに必着するよう、 水谷義裕役員まで郵送ください。 ※作品テープは頭にカラーバー、カウントダウ ンマーク、黒(またはカラー)画面のいずれ かを10秒程度入れたあと、作品を録画してく ださい。(最終統一) ※応募に際しては、必ず「応募票」を添付して ください。 「応募票」は11月号会報に同封済みです。 ※その他の詳細は、7月号会報に掲載の応募要 項を参照ください。 ◆1月以降の例会日 1月=17日 作品鑑賞会(自由テーマ) 会員継続の申し込み受付開始 例会終了後に新年懇親会開催 2月=21日 作品鑑賞会(テーマ作品会) 会員継続申し込み受付 3月=14日 09年度コンテスト結果発表会 会員継続申し込み締め切り ころが、アマチュアの場合、 逆に考えているのではないか…というのが横尾部長の指摘。 つまり、ロング(全景)は望遠側でなく広角側で、アップは望遠側で撮るものと勘違いして いるのではないかというもの。そうした考え方を正した撮影方法に、アングル、サイズを噛 み合わせた絵を撮ることで映像のメリハリも出しやすく、作品の中身も濃くなるという。 アングル 俯瞰(威圧的) アイレベル(自然な視線) ローアングル(斬新的) こで示されたのが、左記の「レンズサイズ」と「アングル」で、どんな表現 をしたいかによって組み合わせを考えればいいというもの。たとえば、半ズ ーム状態のサイズ(自然な視角)で、アイレベル(自然な目線)での絵は、人間が 普通に物を見ている状態だが、広角(アップ系)でローアングルで撮った絵は、斬 新的なものになる。どんなサイズでどんなアングルで撮影するか、その結果そのカ ットがどんな意味を持つか…それを考えながらカメラを構えることが、映像の表現 力を左右することになる。 そ ◆ ニ ュ ー ス の 第 一 報 は N H K へ T E L 05 2-9 52- 723 3 話題の映像は スクープ君アドレス s30002-scoop@nhk.or.jp −1− 「ほっとイブニング」へ 11月の鑑賞会作品 講評:横尾 俊介 映像取材部長 映像に厚みを持たせるため ズームレンズの役割 不精してアップを撮るためではない 11月例会の作品鑑賞会は、ズーム無し作品に限定した 鑑賞会。10作品が出品され横尾俊介部長から講評を受 けた。「ズーム無し」が作品の条件と判ってから、何 人かの会員から「アップはどうする?」との質問があ った。その内容は、ズームを使わなければアッ プが撮れない場合があるではないか…というも の。役員会でも相談の結果、ズームでのフィッ クスはOKとしたが、この点からもズーム=ア ップ撮影の手段…という考え方がアマチュアに は強いことが判る。 それに対し横尾部長は、ズームの本来の目的は 横尾 俊介部長 「映像に厚みを持たせるため」と指導した。 名古屋城の石垣 2:58 山下 一郎 家紋などの紹介でズームが無いため、同じアングルになっている。 “石”を下から撮ってみたり、横からのアングルで狙ってみてもよかった。 フィックスのため落ち着いた作品になっている。 紅葉のせせらぎ街道 3:00 柏尾 克時 紅葉のアップは逆光、ロングは斜光…紅葉の撮りかたのセオリーどお り。美しく撮れている。 できれば、ローアングルで、手前に美しい落葉をアレンジした広角の カットが欲しかった。 晩秋の乙川ウォッチング 3:00 細井 豊 朝の光をよく考えて撮っている。 残念なのは、朝霧のカットでは、もっと川面を意識した川面込みのローアング ルの川霧があれば良かった。 朝焼けの「カワウ」のカットは美しかった。 開田高原 木曽馬の里 2:58 高木 萬理子 横うちの映像が良い。背景を計算しているようで、奥行きのある絵に なっている。 アイレベルの映像が多かったが、横うちの絵が印象的で、作品全体を 引き締めている。 正面から馬が数頭歩いてくる…そんなカットがあれば最高でした。 風人(かじびとう)の祭 3:00 大谷 和子 踊っている人の表情や手足の動きなど、基本的なものはきっちり抜い て欲しい。 同じような撮影の仕方になっている。 踊りだけではなく、映像に厚みをつけたカットも欲しい。 越中八尾のおわら踊り 2:57 辻井 政治 撮影ポジションが決められている場合は、体の上下の動きや、レンズのT・Wの 組み合わせで映像にリズムをつけて欲しい。 事前にわかっているのなら、倍率の高いテレコンの用意も。 手や足の動き、表情が見たくなるのが踊り。そのアップが狙える準備を。 −2− 11月の鑑賞会作品 講評:横尾 俊介 映像取材部長 彼岸花とごん狐 2:33 川村 晴江 手前に印象的な彼岸花を配したロング、水をバックにした彼岸花な ど、うまく撮影している。 ただ、資料館の資料の撮影には、光やサイズを考えるなど、もう一 工夫が欲しい。 紅葉 3:00 近藤 あい子 正面から「対象」に迫ったカットが多い。もう少し手前、中間、奥を意識した 奥行きのある映像を目指して欲しい。 その意味で、ラストカットが一番見ごたえがあった。 金木犀の花筵 2:15 小池 淑恵 少々逆光で失敗している。木のロングが潰れてしまった。 緑とオレンジのコントラストが美しいローアングルのカットが印象的。 そのカットの中に影がきれいに入っている。影の揺れをうまく利用したカットが あればもっとよくなった。 もりころ 日本庭園 3:00 桜井 高義 セオリーどおりの編集で、作品は見やすい。 ただ、俯瞰で公園を撮った後、同じ場所から東屋の親子連れを撮ってい る。これがズームレンズの一番悪いところ。この場合は、やはり、下へ 行って目線で撮るほうが良い。 時間が掛かりそう、PCがフリーズしやすいのでは?…など、ハイビジョン映像の編集に懸念を持つ会員が多い中で、 すでにハイビジョン映像の編集に取り組む会員もある。どんなPCを使っている?編集ソフトはなに?スムーズに動く ?…いろいろ実情を聞きたい。そんな願望に応えてもらおうと、11月例会で行われたのが「ハイビジョン体験談」。 12月例会では昼川三津男会員に話していただきます。ご期待ください。 体験談 桜井 高義 会員 私のハイビジョン環境 桜井さんは、自身のハイビジョン編集 環境などに関する資料を配布、それを 元に説明した(編集環境は別枠に記載 のとおり)。それによると使用PCの VAIOは、映像の取り込みや書き出 しには、編集ソフトのプレミアに対し 桜井 高義 会員 てSONY独自のプラグイン(機能追 加)ソフト・DVgatePlusやVAIO Edit Components を使い、 HDVファイルより軽いプロキシファイル(代理ファイル) を作成し、その代理ファイルでHDV編集の作業を行う仕組 みという。 通常、HDV編集は時間が掛かるのでは?といわれるのは、 このプロキシファイルへの変換時間のこと。 その点について桜井さんは、30分ものの撮影映像を例に、 ①取り込みに約7分 ②編集後のビデオファイル作成に約15分 ③書き出しに約7分 と、実績を説明した。 この時間を長いとするか短いとするかは、判断の分かれる ところだが、これらの作業は、所定のPCスペックをクリ アしたVAIOであれば、ストレス無く機能するという。 桜井さん自身も、この環境には満足しているという。 VAIOのHPでは、HDV編集に関するさまざまな情報 を提供しいているとして、その資料の一部も配すされた。 桜井さんのHDV環境 カメラ SONY HDR-FX1 HDR-HC3 HDR-AJ1 パソコン SONY VAIO VGC-RM93CUS(Ultimate/CS3) O S Windouws Vista Ultimate正規版 CPU インテル Core2Quard プロセッサーQ6700(2.66GHz) Gボード NVIDIA GeForce 8500GT HDD 1TB メモリー 3GB(1GB×2 512MB×2) ドライブ ブルーレイディスクドライブ +スーパーマルチドライブ 編集ソフト Adobe Creative Suite 3 (注)上記スペックはHDV編集に必要な条件を考慮して 桜井さんがカスタマイズしたもの。 −3− 【編集後記】こういうこともアリか…● ご覧のとおり今月号の会報の4面は白紙 です●会報作りを担当して7年半になる がこんなことは初めて●これまでは白紙 頁なんて考えられない…として必ず全頁 を何らかの形で埋めてきた●ところが、 毎月の出品作品数によって余白部分は変 動する●その面積もまちまち●それを臨 機応変に対応して頁を埋める…実はこれ が会報作りの最大の悩みでもあり苦労の しどころ●そして今月はついにギブアッ プ。4面に載せる記事もない●散々悩ん だ挙句、白紙頁アリの会報もやむをえな いか…の結論●会報だって伝えたいこと が伝われば「尺」は無関係?無理やり頁 を埋めてみたところで読む人には迷惑な 話?と、言い訳●事情ご理解いただけれ ば…●とは言え、折角の空欄があるなら 活用したい…これも本音●皆さんのご意 見やPR,質問などお寄せいただき(09 年4月号会報6面参照)、それを掲載する ことで会員間のコミュニケーションも活 発になって、クラブ機関紙としての本来 の機能もアップする?●ご協力を(坂) −4−
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