平成27年度事業報告 1. 平成 27 年度の事業概要 1.1 国際大ダム会議等国際交流事業 1 月に中国・成都で水循環の規制と災害防止に関する国際シンポジウムが開催された。中国大ダム会議 より要請を受け、水野光章編集分科会委員長と神戸隆幸氏が参加し、講演した。 4 月に韓国で第 7 回世界水フォーラムにおける ICOLD・APG 関連セッションに、濱口達男国際分科会 委員長と小金沢彰事務局長の 2 名が参加した。 6 月にノルウェイ・スタバンゲル市で開催された第 83 回 ICOLD 年次例会・第 25 回大会に 80 名(内 同伴者 2 名)が参加した。 9 月にイラン大ダム会議の要請によりイランからの CSG ダム調査団(6 名)、さらに 10 月エジプト大ダム 会議からもダム技術者の台形 CSG ダムに関する技術研修(1 名)を受け入れ、それぞれ現在建設中の北海 道・厚幌ダムの現場見学を実施した。 10 月に日仏「地震解析と耐震規程」に関する技術協力として CFBR 他 10 名の代表が来日し、栃木県 内のダム視察ならびに東京において 2 日間のシンポジュウムを開催した。 1.2 調査研究事業 ダム建設状況調査及びダム施設概要調査を実施した。技術委員会の活動として、国際分科会メンバー (国際委員および国際協力委員)による ICOLD 技術委員会へ参加、ならびに「ダムコンクリート凍害 実験研究分科会」、「海外ダム事業への技術協力と事業参入に関する分科会」、による調査研究を実施し た。 地震動分析に必要な地盤情報収集業務を電力各社より受託し、得られたデータを基にロックフィルダムにお ける強震動データに関する WG を設置し詳細な分析を実施した。 1.3 内外情報発信事業 会誌「大ダム」を発行し、大ダムに関する調査研究成果及び活動状況を広報した。 ホームページを適宜更新し、情報発信した。 11 月に京都で開催された第 5 回世界工学会議の技術展示会に出展した。 1.4 技術交流・指導事業 ダム技術講演討論会及びダム現地見学会(北海道:厚幌ダム、夕張シューパロダム)を実施した。 2. 平成 27年度事業報告 2.1 総会 平成 27 年 2 月 25 日(水)に中央区中央会館(銀座ブロッサム)にて開催し、平成 26 年度事業報告、 平成 26 年度決算、平成 27 年度会費及び入会金の額、役員(理事及び監事)の選任、平成 27 年度事業計 画と予算、が報告あるいは承認された。 2.2 理事会 平成 27 年度中に、4 回の理事会を開催し、定款の定めにより会長他役付役員の選定、事業実施状況の報 告、事業計画の承認、予算案の承認、業務規則の改定、定時社員総会の招集等の決議を行った。 【2 月 4 日理事会】 平成 26 年度事業報告、平成 26 年度決算報告、役員(理事及び監事)の選任案、平成 27 年度事業計画と予算 を社員総会で報告することを承認した。その他の事項の報告を受けた。 【2 月 25 日理事会】 会長、副会長 3 名、専務理事、常務理事、監事 2 名、顧問 2 名を選定した。 【7 月 15 日理事会】 職務執行状況報告を承認した。 【12 月 10 日理事会】 平成 28 年度事業計画および平成 28 年度予算案、平成 28 年度定時社員総会の招集、職務執行状況報告を承 認した。 【電磁的方法による決議】 入会申込みについて電磁的方法により 10 月 9 日に全理事の承認を得たので、その日に決議があったものと みなした。 2.3 企画委員会 企画委員会を 1 回開催し、以下の業務を行った。 (1) 会長の作成する事業計画書の内容となる事業等について検討し、会長に報告 (2) 大ダムに係る調査研究等の成果の紹介及び普及啓発のための企画案作成 (3) その他の事項の審議 2.4 技術委員会 技術委員会を 1 回開催し、以下の業務を行った。 (1) 大ダムに関する調査研究に関する企画及び報告取りまとめ (2) 国際的な技術交流等に関する企画及び報告取りまとめ 2.5 国際大ダム会議等国際交流事業 2.5.1 ICOLD第82回スタバンゲル年次例会・第25回大会 今回の年次例会は3年に1回の大会も開催され、6月12日から19日までノルウェイのスタバンゲル市で開か れた。 (1) 日程 6月13日(土) ICOLD役員会議、技術委員長会議、技術委員会ワークショップ、地域クラブ会合 6月14日(日) 技術委員会、若手技術者集会(YEF)、フランス語グループ集会 6月15日(月) 水力発電国際会議、総会、展示開会式、歓迎レセプション 6月16日(火) 第7回水力発電国際会議、テクニカルツアー 6月17日(水) 大会開会式 / 課題討議 Q.96 6月18日(木) 課題討議 Q.96 Q.97 / Q.97 Q.98 6月19日(金) 課題討議 Q.98 Q.99 、大会閉会式、送別晩餐会 Q.97、文化行事 スタバンゲル市はノルウェイで第4に人口が多く(約12万人)北海油田の本拠地である。 (2) 出席状況 年次例会・大会の参加者は、配布された参加者名簿では1,046名である。日本大ダム会議(JCOLD)から は、80名(同伴者2名を含む)が参加した。最も参加者が多いのはフランス110名、開催国のノルウェイ は90名、次いで、日本は3番目に多い国である。米国59、隣国スウェーデン51、イラン42、スイス38、 韓国33などが多い国である。なお2012年ICOLD京都大会では参加者合計(展示、シンポジュウムのみ出 席を含める)は2,178名、登録出席者は1,367名(国内約400名)であった。 (3) 技術委員会 21の委員会にJCOLDから本人あるいは代理が出席した。 (4) アジアパシフィック地域会議(APG) 始めにAPG議長であるYUM Kyug-taek氏(ICOLDアジア担当副総裁)が開会を宣言し、地震被災のネパー ルの支援等について述べた。出席はオーストラリア、中国、イラン、日本、韓国、ミャンマー、ニュー ジーランド、スリランカ(A,B,C順)の8ヵ国である。 ・坂本前APG議長は2013-2014年のAPGの運営に功績大であり、YUM議長から表彰メダルが授与され た。 ・各国は活動状況を報告した。濱口達男国際分科会長がJCOLDの活動を報告した。 ・議長は2016年に東アジア地域ダム会議(EADC)は札幌で第9回を開催するがそのときAPGシンポジュ ウムを併催することを提案し、了承された。 ・議長は「経年化したダムを適切管理運営する技術開発」に関するワーキンググループの設立を提案し 可決された。 (5) 総会の主な議事 ・総裁の選挙 A. nombre総裁の後任を選ぶ選挙で、5名が立候補して投票となった。 第1回投票では過半数投票を得た候補者がなく、1、2位決戦となり、Schleiss氏(スイス)34、Ruggeri 氏(イタリア)28でA. Schleiss氏が当選した。 ・副総裁選挙 アフリカ地区: G. Basson副総裁(南アフリカ)の後任を選ぶ選挙である。Ahmed Fouad Chraibi (モロッコ)が32票、・Michael Abebe (エチオピア)が30票でChraibi氏が当選した。 ・副総裁選挙 第6ポスト: A. Schleiss副総裁(スイス)の後任を選ぶ選挙であるが、ヨーロッパ地区 はPolimon氏とL. Lia氏(ノルウェイ)の2名がいるので地域を問わない第6ポストとなった。立候補は Michael Rogers氏 (米国) 1名であり挙手で信任された。 ・2019年の第87回年次例会開催地記:カナダのみの立候補で信任採決された。 ・次期以降の年次例会の準備状況の紹介があった。 第84回ICOLD年次例会 2016年5月15-20日 ヨハネスバーグ(南アフリカ) 第85回ICOLD年次例会 2017年8月21-25日 プラハ 第86回ICOLD年次例会 第26回ICOLD大会 2018年7月1-7日ウィーン、オーストリア チェコ ・橋本JCOLD会長が八ッ場ダムが70年の時を経て建設が開始されたことを報告した。 (6) 展示 JCOLDは3ブースを借り、「CSG」、「ダムの再生」、「貯水池の水質」をテーマに展示した。その他各 社が独自技術についてPRした。220名を超える多くの来客があり盛況であった。 これら展示については、スタバンゲル展示WGにより準備・検討を推進するとともに、国際分科会の支援 も頂いた。 (7) シンポジュウム 水力発電に関する国際シンポジュウムが6月15日(月)、16日(火)の2日間開かれた。論文は会議後下 記URLにアップロードされた。 http://www.ich.no/Opplastet/Dokumenter/Hydropower15/Hydropower15-Symposiumlist%20of%20papers.pdf (8) テクニカルツアー 6コースでテクニカルツアーが実施された。 (9) ① 大会 開会式 Michel de Vivo事務局長、スタバンゲル市副市長、Nombre総裁、ノルウェイ水エネル ギー局長が歓迎の挨拶などを述べた。ICOLD副総裁Leif Lia 教授がノルウェイのダムについて講 演した。 ② 課題討議 次の4課題が討議された。 Q. 95 ダムと貯水池の利用技術の革新 Q. 97 洪水吐き Q. 98 フィルダムと鉱滓ダム Q. 99 既設ダムの改良と技術再評価 ③ 閉会式 ・ICOLD幹部表彰: 1名の総裁 6名の副総裁 ・ニコルショネル氏とアーバンノルステッド氏がICOLD名誉会員表彰された。 ・韓国とスイスの若手技術者が論文発表で表彰された。 ・新総裁は重点施策として①若手技術者の育成、②彙報と大会報告をもっと広める、③健全財政(資金 源拡大、しかし独立性を保つ)、④大学、他の学協会との共同、⑤大会を2年毎に開催することを検 討、を挙げ信任の挨拶とした。 (10) プレ・ポストツアー 次のプレ・ポストツアーが用意された。(表-1) 表-1 プレ・ポストツアー 日程 2.5.2 ツアー名 日本からの参加者 6/12 – 6/14 【プレ】ノルウェイ南西部の山々 - 水力発電所巡り 3日間の旅 6/20 – 6/22 ノルウェイのフィヨルドと山々 22名 6/20 – 6/22 Narvik - 白夜の体験 なし 6/20 – 6/22 ノルウェイ南西部の山々 - 水力発電所巡り 6/20 – 6/22 4444階段への挑戦 6/20 – 6/24 スヴァールバル諸島 3日間の旅 3日間のハイキング なし 1名 1名 2名 日仏「地震解析と耐震規程」に関する技術協力 日仏技術協力(2013 年~2016 年)の一環として,第 3 回目の合同セミナーを日本にて開催した。 これに対応するため,WG(6 名)を組織した.合同セミナーは,2015 年 10 月 29 日(木)~10 月 30 日 (金)の行程で開催し,これに先立ち現地ダム視察を実施した。 (1) フランスからの来訪者 ①ダム班 · Eric BOURDAROT (フランス電力 コンクリートダム専門家) · Jean-Jacques FRY (フランス電力 フィルダム専門家) · Moez JELLOULI (コンサルタント ISL) · Patric LIGNIER(コンサルタント、トラックターベル旧コインベリエ) · Fernando LOPEZ-CAVALERRO (ECP、パリ中央大学準教授) · Arezou MODARESSI (ECP、パリ中央大学教授) · Emmanuel ROBBE (フランス電力 コンクリートダム専門家) · Bernard TARDIEU (フランス学士院会員、エネルギーと気候変動に関する委員会委員長) ②ゲート班· David Graveleine (フランス電力 機械専門家) · Pierre-Guilhem Bouquier (フランス電力 機械専門家) (2) 日仏技術協力 WG メンバー (3) 委員長 濱口 達男 株式会社ニュージェック 幹 事 柏柳 正之 電源開発株式会社 委 員 井根 健 株式会社ニュージェック 委 員 佐藤 弘行 国土技術政策総合研究所 委 員 山本 與四朗 前田建設工業株式会社 委 員 塚田 智之 東京電力株式会社 視察行程 10 月 26 日(月)成田着 ダム班 土木研究所視察(大型振動台・水理実験施設) 川治温泉泊(栃木県) 10 月 27 日(火)鬼怒川系 3 ダム視察(国土交通省) (川治・五十里・湯西川各ダム) 10 月 28 日(水)塩原発電所・八汐ダム視察(東京電力) 沼原発電所・沼原ダム視察(電源開発) ゲート班 10 月 26 日(月)成田着 土木研究所視察(大型振動台・水理実験施設) 東京泊 10 月 27 日(火)電力中央研究所視察 (ゲートの耐荷力、地震挙動およびゲートに関係する水理関係研究) 電源開発本社訪問(洪水吐ゲートに作用する動水圧実験) 10 月 28 日(水)電源開発茅ヶ崎研究所視察 (水中振動台・取水塔、放流管等に作用する動水圧に関する実験) (4) セミナー実施報告 ①セミナー概要 開催日:10 月 29 日(木)~30 日(金) 場 所:東陽町貸会議室 参加者:63 名(有料参加者 43 名) ②プログラム 2015 年 10 月 29 日(木) 8:30-9:00 登録 9:00-9:10 開会挨拶 セッション 1: 議長 松本徳久(JCOLD)、 J-J FRY (CFBR) 橋本徳昭(JCOLD 会長) フィルダム (時間は 10 分の質疑を含む) 9:10-9:40 2008 年岩手宮城地震による荒砥沢ダムの沈下解析 大町達夫 (JCOLD) 9:40-10:20 S アースフィルダムの地震時安定性に関する材料の応力変形特性 龍岡文夫(JCOLD) 10:20-10:40 休憩 10:40-11:15 Hujeux 弾塑性モデルと Gefdyn 解析コード A. MODARESSI(CFBR) 11:15-11:50 荒砥沢ダムの解析モデルと非線形応答 LOPEZ-CAVALLERO (CFBR) 11:50-12:20 土の繰り返し挙動とフィルダムの弾塑性応答 12:20-13:40 昼食 田中忠次 (JCOLD) 13:40 -14:00 S 荒砥沢ダムの地震数値モデル (October 2015) L. Boutonnier & C. Lysensoone (CFBR) 14:00-15:30 15:30-16:00 フィルダムの地震解析に関する新 JCOLD-CFBR 簡便法 J-J FRY (CFBR) 手法と応用 M. JELLOULI(CFBR) フィルダムの簡便な地震時変形解析---非排水繰り返し載荷よる材料 ヂュッチン の軟化の影響を考慮した Newmark の方法と疑似静的 FEM 解析 (JCOLD) アントワン 16:00-16:20 休憩 16:20-17:00 飽和度による土の締め固め管理と土の特性 龍岡文夫 (JCOLD) 17:00-17:30 アスファルト遮水壁型フィルダムの地震時挙動と補修 塚田智之 (JCOLD) 17:30-18:30 懇親会 2015 年 10 月 30 日(金) セッション 2: コンクリートダムとゲート 9:00-9:30 JCOLD の地震データ収集結果の解析 佐々木隆 (JCOLD) 9:30-10:05 地震時の重力式コンクリートダムの簡便な解析 B. TARDIEU, P. LIGNIER (CFBR) 10:05-10:50 田子倉と黒部ダムの貯水池-堤体および地盤-堤体連成作用を考慮 E. ROBBE して解析 (CFBR) 10:50-11:10 休憩 11:10-11:45 田子倉・黒部ダムの地震記録の解析と比較 E. ROBBE (CFBR) 11:45-12:20 コンクリートダムの地震解析に関する課題と基準への適用 E. BOURDAROT (CFBR) 12:20-13:40 昼食 13:40-14:10 コンクリートダムの健全度診断のための振動解析 金銅将史 (JCOLD) 14:10-14:40 コンクリートアーチダムの亀裂のビデオカメラによる画像解析 山内優 (JCOLD) 14:40-15:00 休憩 15:00-16:40 ゲート 1 地震に対する堤頂洪水吐きゲート (15 min). D. GRAVELEINE 2 フラップゲートに作用する動水圧 (15 min). (CFBR) 3 底部放流管ゲート (15min). P. GUILHEM 4 油圧プラントの耐震性(15 min). (CFBR) 5 関連する施設の耐震性 (15 min). 16:40-17:00 2016 年のフランスでの会議の招待 J-J FRY (CFBR) 17:00-17:10 閉会の挨拶 福田直利 ( JCOLD 副会長) 2.5.3 オランダの海岸堤防と台形CSGダム技術の意見交換 2014年のインドネシア・バリ年次例会でのアンケートにおいてオランダ公共事業・環境省の技術者から 海岸堤防への台形CSGダム技術の適用について興味があるとの提案があり2015年6月のノルウェイ・スタ バンゲルの例大会に合わせ,2015年6月12日(金)にオランダ・デルフト市に本部を置くDeltares(水資 源・水環境関連独立法人研究所)において意見交換を行った。 日本側から柳川委員長をはじめ15名が参加し,オランダ側からはオランダ公共事業環境省・水局, Deltares,オランダTNO応用科学研究機構,デルフト工科大学等からの参加を得た。 2.5.4 エジプトにおける洪水対策に対する技術協力 技術交流の一環として以下の方々の来日があり、Flash Flood対策と台形CSGの適用をテーマにしたワー クショップや台形CSG研修を実施。 ① エ ジ プ ト Dr. Gamal Kotb ( Deputy Director, Water Resources Research Institute (WRRI),National Water Research Center)が来日し、3 月 24 日の浜松 CSG 海岸堤防建設工事の 視察および 3 月 26 日に Flash Flood 対策と台形 CSG の適用ワークショップの開催 ② エジプト Dr. Salah Shehata の来日と CSG 研修 10 月 14 日~15 日にかけて京都大学で開催された Flash Flood の国際シンポジウムにエジプト Flash Flood 担当技術者の Dr. Salah Shehata (Local Engineer in the General Administration of Groundwater Sector of the Eastern Desert and the Red Sea, Minister of Water Resources and Irrigation)が出席した後、10 月 19 日に東京では台形 CSG の技術研修をし、10 月 20 日~22 日に かけてサンルダム及び厚幌ダムの現場研修を実施。 2.5.5 イランダム技術者の来日と台形 CSG 研修 台形 CSG の設計・施工技術研修のため 9 月 8 日~9 月 9 日にかけて Mr. Abolfazl Akbarpou (Deputy executive project manager, Boushehr Province Water Board Authority)をはじめ、6 名のイラン技術者 (うち通訳 1 名)が来日し、厚幌ダムの工事現場研修と台形 CSG の設計・施工技術についての研修を実 施。 2.5.6 世界水フォーラム 2015年4月12日~17日、韓国で開催された第7回世界水フォーラムにおいて、ICOLD・APG(事務 局:KNCOLD)はその関連セッションとして「高経年化する水インフラの適合的マネジメント戦略」と題 するセッションを主催した。(4月13日、テグ会場) JCOLDは、濱口国際分科会委員長を派遣し、日本のダムの長期管理、再開発事例等の発表を行った。 2.5.7 APG&EADC開催準備 第8回EADC(韓国・ソウル)において、2016年の第9回大会を日本(札幌)で開催することが決議さ れ、平成27年3月に実行委員会を設立し、具体的な推進方策の検討のため、総務・財務、登録・会場、ツ アー・行事、シンポジュウム論文集の4部会を組織した。 その後、6月のICOLDスタバンゲル大会・例会のAPGにおいて、第9回EADCとAPGシンポジュウムの併 催が提案され採択されたことから、併催に向けた準備を推進し開催基本計画を策定した。 【第 4 回 APG ならびに第 9 回 EADC 開催計画】 1.開催概要 日程 :2016 年 9 月 26 日(月)~9 月 30 日(金)の 5 日間 場所 :北海道札幌市 参加対象国 ロイトン札幌ホテル :APG加盟 18 ヶ国(EADC3 ヶ国を含む) 2.開催プログラム Program Registration 9 月 25 日(日) Remarks PM 9 月 26 日(月) (PM) City Tour AM/PM 9 月 27 日(火) Symposium AM/PM 9 月 28 日(水) Symposium 9 月 29 日(木) Technical Tour 9 月 30 日(金) Technical Tour 10 月 1 日(土) Welcome Reception Farewell Dinner Departure 3.個別基本実施内容 (1) 登録・会場運営部会 ① 会場:Symposium, Welcome Reception, Farewell Dinner は全てロイトン札幌 H ② 宿泊:海外参加者はロイトン札幌 H(ツインルーム・シングルユース)100 部屋を確保済み(さら に 50 部屋上積み中) 国内参加者:特に指定せずフリーとするが、平成 27 年 9 月の状況ではホテル確保が困難な状 況となることが想定されるため、エージェントへの依頼も検討する (2) ツアー・行事部会 ① ② 技術見学会コース 9 月 29 日 厚幌ダム・夕張シューパロダム他(対応依頼:北海道庁・北海道開発局) 9 月 30 日 北海道電力 シティツアー 9 月 26 日(月)午後 (3) 京極発電所(ダム・地下発電所)・余市見学(対応依頼:北海道電力) 札幌市内観光 シンポジウム・論文集部会 ① テーマ 【メインテーマ】 日本語:ダム貯水池を巡る最新技術と未来への伝承 英 文: Innovative technologies for dams and reservoirs toward the future generations 【セッションテーマ】 Session1 ダムの新技術 Session2 ダムの長寿命化 Session3 ダムの安全とリスクマネージメント ② シンポジウム開催形態:APG と EADC を一体化し session 毎に行う ③ 2 日間の開催に伴い、口頭発表論文数は 25 編を目途とし、ポスターセッションも実施 ④ 論文募集は参加対象の 18 か国とし、アブストラクトテンプレートの確定次第平成 27 年 10 月開始 (4) ① 総務・財務部会 河川財団への補助金申請 来年度の補助事業申請を 27 年 11 月に申請した。(補助対象部門:国際会議) ② 北海道内での動員体制強化に向けた、組織設立要請への対応 道内ゼネコン・北電・札幌国際プラザ等が参画する組織の設置を要請され、実行委員会・北海道内 部会として対応することとした。 2.6 2.6.1 (1) 調査研究事業 国際分科会 平成27年度第1回国際分科会の開催 4月9日午後、ホテル西鉄イン会議室(日本橋人形町)において、ICOLD各技術委員会担当の国際委員・ 国際協力委員出席のもと、国際分科会を開催した。 議題は、第25回大会・第83回例会(スタバンゲル)の案内、課題ならびにシンポジウム内容のJCOLD会員 への還元などであった。 (2) ノルウェイ・スタバンゲル大会への参加ならびにAPG会合におけるJCOLD活動状況の報告 技術委員会に日本側国際委員(代理を含む)が出席し、技術討議を行った。技術委員会での討議、シンポジ ウムの内容については、国際委員等の協力により、後日会誌『大ダム』紙上に報告される予定である。 また、6月13日午後に開催されたアジア・太平洋グループ(APG)会合において、濱口国際分科会長より、 JCOLDの活動状況についてリーフレットを用いて説明を行った。 2.6.2 ダムコンクリート凍害実験研究分科会 【主な検討項目ならびに結果】 1.平成27年各事業社定例測定計画の策定 2.オブザーバー参加事業者の暴露概要ならびに今後の測定計画の策定 3.平成27年10月5日(月)~6日(火):奈良俣ダム、滝沢ダム視察 2.6.3 地球気候変動とダム分科会 本分科会は、地球気候変動がダムに与える影響を整理するとともに、その影響に対しダムが今後とるべ き適応策について検討することを目的として平成20年度に設置された。 平成26年中に活動を終了し、平成27年は報告書のとりまとめを行い、会誌「大ダム」No.232に掲載し た。なお、平成27年6月ノルウェイ・スタバンゲルで開催された国際大ダム会議の気候変動技術委員会に は、当分科会の委員である筒井委員が参加した。 2.6.4 海外ダム事業への技術協力と事業参入に関する検討分科会 平成 25 年度に〈フェイズ 1〉をとりまとめ、平成 26 年度から 2 つの WG「フルパッケージ方式 WG」お よび「技術提案方式 WG」を立ち上げて以下のような主要テーマを設定し、〈フェイズ 2 〉をスタートさ せたが、平成 27 年度ではその検討結果を踏まえ活動報告を取りまとめた。 ① 〈フェイズ 1〉に引き続きケーススタディの実施 ② ダム事業関連の情報発信 ③ ダム事業関連の情報収集とその共有 ④ 海外ダム事業関連案件の窓口としての議論を深める 2.6.5 ダム地震記録データベース更新分科会 平成26年中に活動を終了し、平成27年5月にCD付の冊子「Acceleration Records on Dams and Foundations」を出版し、会員に配布した。また、ICOLD総会にて各国に配布した他、技術委員会Bダム 設計における地震問題委員会で配布した。 2.6.6 大ダム調査及びダム施設概要調査 ダム建設状況調査:平成 26 年度末(H.27.3.31)現在の工事中のダムについて「大ダム調査表」により 調査し、「ダム建設状況調査表」にまとめ、会誌「大ダム」No.232 に掲載した。 ダム施設概要調査:平成 26 年度中(平成 26 年 4 月 1 日より平成 27 年 3 月 31 日まで)に竣工したダム について調査し「ダム施設概要調査表」を作成した。 調査の成果を ICOLD 技術委員会 ”Committee of the World Register of Dams and Documentation”に 報告した。 2.6.7 ダムの入力地震動と耐震性能評価 地震動分析に必要な地盤情報収集業務を電力各社より受託し、得られたデータを基にロックフィルダム における「ダムの入力地震動と耐震性能評価検討」WG を設置し詳細な分析を実施した。 ① ダムの強震動分析に係る地盤情報収集業務 平成 20 年 6 月の岩手・宮城内陸地震で強震動を観測した荒砥沢ダムにおいて、地質調査を実施し 強振動分析に係る地盤情報の収集を行った。 (調査期間:平成 26 年 10 月 26 日~平成 27 年 3 月 27 日) a. 地質調査業務 ボーリング調査 ダム左右岸各 1 本(φ86 ㎜、L=125m) 物理検層 PS 検層、Q 値測定、密度検層(1式) b. 地質解析業務 地質断面図の作成、各種物理検層の解析 ② ダムの入力地震動と耐震性能評価検討」WG 平成 27 年 1 月に WG を立ち上げ以降、4 回の WG を開催し、以下の検討を実施した。 a. 地盤調査の結果検証 b. 地震観測記録整理 c. 参考となる研究成果 2.7 2.7.1 内外情報発信事業 会誌「大ダム」の発行 平成 27 年度においては、企画委員会編集分科会の編集方針に基づき、会誌を 4 号発行した。国際シンポ ジウム発表論文紹介、技術講演討論会概要等を掲載し、日本大ダム会議の活動及び内外のダム技術関連 情報等を会員及び一般購読者等に広く紹介した。 2.7.2 ホームページの作成・運営、その他広報等 【広報・環境分科会の主な検討項目ならびに結果】 1.論文検索システムの運用開始 2.with Dam Night(主催ダム工学会)への協力 3.英語版リーフレット「日本の最新ダム技術」を製作しICOLD第25回大会にて配布 2.7.3 Dams in Japan Overview 2015 の発行 日本大ダム会議概要の改訂と 2015 年 ICOLD 大会に向けた Dams in Japan(簡易版)の一元化したもの を作成し、スタバンゲル大会において配布した。 2.7.4 第 5 回世界工学会議(WECC2015)技術展示会への出展 2015 年 11 月 30 日(月)~12 月 2 日(水)に京都で開催される第 5 回世界工学会議技術展示会への出 展要請を受け、我が国のダム関連技術を各国関係者に広く発信し、当会議の会員各社の新たなビジネス チャンス掘り起しに寄与することを目的として、JCOLD ブースの出展を決定(会長承認 3 月 19 日決 裁)し、京都展示 WG により推進した。 ・出展ブースの規模 3m×3m(9 ㎡)1ブース ・出展所要経費 1,300,000 円(ブース 500,000 円+付帯設備 150,000 円を含む) 2.8 技術交流・指導事業 2.8.1 第 47 回および第 48 回ダム技術講演討論会の開催 2015 年 1 月 30 日(金)に日本橋社会教育会館にて開催した。招待者を含め約 120 名の登録参加があり、 極めて活発な討論もされた。討論の詳細は「大ダム」NO.231 に掲載した。 また、開催時期の見直しにより、11 月 24 日(火)に平成 27 年 2 回目の講演討論会を開催した。討論の 詳細は「大ダム」No.234 に掲載した。 2.8.2 ダム現場見学会 ダム現場見学会は、平成19年度からダム工学会と共催で秋季に実施しており、平成27年度は10月1~2日 に北海道の厚幌ダム、夕張シューパロダムの現場見学を行った。参加者は45名であった。 付記事項: 平成 27 年度事業報告には「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施行規則」第 34 条第 3 項に規 定する附属明細書「事業報告の内容を補足する重要な事項」が存在しないのでこれは作成しない。
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