フローサイトメトリー - Thermo Fisher Scientific

フローサイトメトリー
製品およびリソースガイド
リソース
研究用にのみ使用できます。診断目
記載の社名および製品名は、弊社ま
3,000
The Molecular Probes Handbook
www.
み使用できます。
診断目的およびその手続上での使用はできません。
thermofisher.com/handbook
標準販売条件はこちらをご覧くださ
および製品名は、
弊社または各社の商標または登録商標です。
For Research Use only.Not for use
オンライン ツール
いつでも最新の情報を
件はこちらをご覧ください。
www.thermofisher.com/TC
抗体選択ツール
BioProbes
Journal and
All trademarks
are the
property
of
BIOPROBES
72
newsletter
BioProbes
ch Use only.Not
for use in diagnostic procedures.
©Journal
2015 Thermo
Fisher Sc
Printed
in
Japan.
MP097-B1512O
www.thermofisher.com/antibodies
rks are the property
of Thermo Fisher Scientific and its subsidiaries unless o
Fluorescence SpectraViewer(オンライン)
BioProbes Journal
14
www.thermofisher.
apan. MP097-B1512OB
com/bioprobes
リファレンスガイド
The Molecular Probes Handbook, 11th Edition
既存の蛍光標識と検出技術に関する最も包括的な参考書。幅広い参考文献とテクニカルノートを掲載し、多様な生物標識分子と検出試薬を用いた
種 類 以 上 の 技 術 的 ソリュー ション を 提 供しま す。
『
(
』 オ ン ライン 版 )は、 ウェブ サイト
で無償で閲覧いただけます。
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抗体コンジュゲート製品群を検索できます。
種類のフルオロフォアをひとつのグラフに表示。印刷や保
存も可能です。
定評ある『
』は、印刷版と
オンライン版の双方で提供しています。
当社の新しい技術と製品を取り上げて最新の
研究成果を紹介します。
』の最新版やバックナン
『
バーは、ウェブサイト
で閲覧できます。
MOLECULAR PROBES JOURNAL OF CELL BIOLOGY APPLICATIONS
SPECIAL IMAGING ISSUE
Visualize apoptosis
in context
with
Click-iT Plus TUNEL assays
サーモフィッシャーサイ
ライフテクノロジーズジ
フィッシャーサイエンティフィック
www.thermofisher.com/spectraviewer
フローサイトメトリー リソース センター
プロトコールや手引き、
アプリケーションノート、フルオロフォ
アや製品の選択ガイド、参考文献その他の幅広い技術的リ
ソースをひとつにまとめました。
www.thermofisher.com/flowresources
ALSO FEATURING
Intracellular detection of hypoxia
Formation of uniform 3D cancer spheroids
Protection from photobleaching for live cells
オンライン学習ツール
無料オンラインセミナー
当社の研究者が多様な技術を共有し、実験のコツやヒントを提供します。
ウェブサイト www.thermofisher.com/probeswebinars では、既存の
ウェブセミナーの閲覧や新たな Webinar へのサインアップが可能です。
本社:〒108-0023 東京都港
テクノロジーズジャパン株式会社
フローサイトメーターとアクセサリ
細 胞 を 個 々に 解 析 するため の 最 先 端 技 術。Attune NxT
Acoustic Focusing Cytometer は、精度と感度を損なうこ
となくパフォーマンスとスループットを最適化します。
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意外に知らない蛍光イメージングの基礎知識
を分かりやすく解説。
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テクニカルサポート
オーダーサポート TEL:0
Flow cytometry guide and protocols
jptech@thermofisher.com
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営 業 部
4
TEL:03-6832-6980 FAX:03-6832-958
サポート
Fluorescence SpectraViewer
-9580
TEL:03-6832-9300 FAX:03-6832
部
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08-0023 東京都港区芝浦
4-2-8
どこでも利用できるモバイル アプリ
試薬選択ガイドで特定のアプリケーションとプロトコールに
適した試薬を選択。遠隔操作によるトラブルシューティング
も可能です。操作のタイミングを逃さない内臓プロトコール
タイマーやアラームも搭載しています。
フルオロフォアのスペクトルをグラフに表示して比較。スペク
トルの適合性をチェックして波形を印刷可能な明瞭なフォー
マットで電子メールとして送信します。
「蛍光とは ?」という基礎から蛍光顕微鏡の仕
組み、よりよいイメージング写真をとるコツま
で様々な知識をギュッとウェブコンテンツに詰
めました。
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Invitrogen ™ フローサイトメトリー
製品およびリソースガイド
フローサイトメトリーのワークフロー
本書はフローサイトメトリー製品とリソースのガイドで、当社の研究者がフローサイトメトリー用に最適化した一次抗体コンジュ
ゲート、細胞機能アッセイ、その他のツールの概要を説明します。当社の研究チームは、蛍光プローブ開発分野でほぼ 40 年間、
最先端にいます。本書では、現在実用化されているあらゆるフローサイトメトリーツールの中でも最も有用な製品をご紹介します。
お客様が必要とするプローブやアッセイをフルスペクトルの蛍光色で提供する 当社のフローサイトメトリー製品をご検討ください。
フローサイトメトリー製品とリソースの詳細については、
ウェブサイト www.thermofisher.com/flow-cytometry をご覧ください。
抗原検出
一次抗体 __________________ 12
フルオロフォアの概要 ______ 12
抗体標識 __________________ 15
二次抗体 __________________ 18
カスタムサービス __________ 19
抗原検出
サンプル調製
装置のセットアップと校正
サンプル調製
細胞保存 ____________________2
装置のセットアップと校正
アライメント ________________6
細胞溶解 ____________________2
サイズキャリブレーション _____6
固定および透過処理 __________2
セルソーティングのセットアップ ___7
Dynabeads 細胞分離 _________3
コンペンセーション __________7
細胞の絶対計数 ______________9
細胞解析
細胞解析
細胞生存率 ________________ 20
細胞増殖 __________________ 22
細胞周期 __________________ 24
アポトーシス ______________ 25
その他の細胞機能アッセイ ___ 28
サンプル調製
高品質のデータを収集するには、高品質のサンプルを調製する
TM
ことが必要です。Invitrogen サンプル調製試薬は、血球保存用、
赤血球溶解用、サンプルの固定および透過処理用などを取り揃
え、最高の結果を提供します。これらの製品の詳細とプロトコー
ルの入手については、ウェブサイト www.thermofisher.com/
flow-sample をご覧ください。
TransFix 試薬
InvitrogenTM TransFixTM 試薬(製品番号 FIX2、FIX20、FIX100)は、
た後、赤血球を溶解するために作製されました。この試薬で処
理すると、赤血球は溶解し、白血球は固定されます。また、処
理によって白血球に結合した蛍光標識抗体が影響を受けること
はなく、白血球の形態的な散乱光特性にも変化はありません。
Cal-Lyse 溶解液は、染色における洗浄の要不要に関わらず使用
できます。
固定剤不含 High-Yield Lyse
InvitrogenTM High-Yield Lyse(製品番号 HYL250)は、固定剤不
含の赤血球用プレミックス溶解液です。全血に含まれる赤血球
をフローサイトメトリー解析から除去しながら、一方で希少な
血液細胞集団のロスを最低限に抑えます。この試薬を使用する
と、血液サンプルをモノクローナル抗体染色した後、すぐに赤
血球を溶解できます。洗浄手順は必要ありません。
固定および透過処理
FIX & PERM 試薬とキット
• 大半の細胞内抗原の解析に対応
• 細胞の形態的な散乱光に影響なし
• バックグラウンド染色を低減
• バリデーション済みのプロトコール
10
5
104
103
-103
-103 103
104
105
106
TNF-α–Pacific Blue fluorescence
InvitrogenTM Cal-LyseTM プレミックス溶解液(製品番号 GAS010、
GAS010S100)は、全血や骨髄液をモノクローナル抗体染色し
106
106
105
104
103
-103
-103 103
IFN–γ–PE-Cy 7 fluorescence
B
106
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5
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103
-103
-103 103
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106
CD4–Fluorescein fluorescence
104
105
106
IFN–γ–PE-Cy 7 fluorescence
IFN–γ–PE-Cy 7 fluorescence
Cal-Lyse Whole Blood Lysing Solution
A
TNF-α–Pacific Blue fluorescence
細胞解析用の白血球の固定と抗原保持に使用する全血保存剤で
す。複数のサンプルを簡単にバッチ処理し、ラボのワークフロー
を最適化します。また TransFix 試薬で固定した血液は、解析用
に収集して他の場所に移すのも簡単です。
細胞溶解
2
この手法では抗体が容易に細胞内構造に浸入するため、細胞の
形態的な散乱光特性が損なわれません。また独自の試薬により
バックグラウンド染色を低減し、透過処理試薬と蛍光標識抗体
を同時に浸透させます。固定用試薬(製品番号 GAS001S100)
と透過処理用試薬(製品番号 GAS002S100)は、別々に購入す
ることもできます。
TNF-α–Pacific Blue fluorescence
サンプル調製
細胞保存
InvitrogenTM FIX & PERMTM Cell Permeabilization Kit(製品番号
GAS003、GAS004)は、 固 定 用(Medium A)と 透 過 処 理 用
(Medium B)の 2 つの試薬を組み合わせ、ひとつの細胞群で細
。
胞内と細胞表面の抗原を同時に分析できるようにします(図 1)
106
105
104
103
-103
-103 103
104
105
106
CD4–Fluorescein fluorescence
図 1. FIX & PERM Cell Permeabilization Kit を使用して細胞内と細胞表面の
抗原を同時に染色
C57BL/6 脾臓細胞を 2 つの群に分け、一方をブレフェルジン A の存在下、ホ
ルボールミリステートアセテート(PMA)およびイオノマイシンで 5 時間刺激
し、他方を未処理のまま残しました。その後、フルオレセイン(FITC)コンジュ
ゲート抗マウス CD4 抗体(製品番号 MCD0401)で細胞表面を染色しました。
次に FIX & PERM Cell Permeabilization Kit( 製品番号 GAS003、GAS004)
でサンプルを固定および透過処理しました。透過処理中に、PE-Cy 7 タンデ
ムコンジュゲート抗マウスγインターフェロン(IFN- γ)抗体(製品番号
A18713)および Pacific Blue コンジュゲート抗マウス腫瘍壊死因子 α(TNFα)抗体(製品番号 RM90128)で細胞内を染色しました。AttuneAcoustic
Focusing Cytometer( ブルー / バイオレットレーザー)を使用して 488 nm
レーザーで励起後、530/30 nm バンドパスフィルターで FITC 蛍光シグナル
を、また 640 nm ロングパスフィルターで PE-Cy 7 タンデム蛍光シグナルを
検 出 し、 デ ー タ を 収 集 し ま し た。Pacific Blue 蛍 光 シ グ ナ ル は、
405 nm レーザーで励起し、450/40 nm バンドパスフィルターで検出しまし
た。
(A)は、すべてのマウス脾細胞を IFN- γ抗体と TNF- α抗体の双方で染
色し、リンパ球でゲーティングしました。未処理細胞が左、ブレフェルジン A
の存在下、PMA とイオノマイシンで刺激した細胞が右です。
(B)は、上記と
+
同条件で刺激した後、TNF- α(左)と IFN- γ(右)を発現した CD4 T 細胞
です。
Dynabeads 細胞分離
• 実用的かつ機能的̶ポジティブ分離、ネガティブ分離、細胞の活性化および不活化
向けの製品
初期サンプルを
Dynabeads で
インキュベート
• 穏やか̶表面が不活性のビーズによるカラムフリー分離で細胞をこれまでより穏や
サンプル調製
かに取り扱い、調製時の汚染リスクを低減
• 高収量̶チューブによる分離で優れた細胞回収率を達成
ビーズに捕捉された
細胞を Dynal MPC
マグネットで分離
細胞を元の環境から移動させると、実験手順が細胞のフェノタイプや機能に悪影響を及
ぼす恐れがあります。そのため下流の実験を成功させるには、正しい細胞分離法を選択
TM
する必要があります。Dynabeads 磁気ビーズは、磁性物質を薄い不活性ポリマーシェ
ルでコーティングした超常磁性のモノサイズポリマービーズです(図 2)。この設計に
よって、分離後にサンプルが鉄などの好ましくない物質で汚染されにくくなります。ま
たネガティブ分離用および depletion 用ビーズでは細胞はビーズにまったく結合せず、
ポジティブ分離用ビーズでは細胞を穏やかに分離した後、磁気ビーズから放出するため、
最終的な細胞サンプルは純度と生存率が高く、結果に影響を与える残留物がありません
(図 3)。
ビーズに結合しない
細胞を含む上清を
新しいチューブに移動
ネガティブ分離細胞
(ビーズに結合しない
細胞)1
ヒト細胞分離
ポジティブ分離細胞
(ビーズで捕捉された
細胞)
2
を分離
ビーズ
Dynabeads 磁気ビーズは、チューブを用いて全血や単核細胞、バフィーコート、骨髄、
細胞ベース アッセイ、フロー
サイトメトリー、細胞培養
組織サンプルから、直接ヒト細胞を穏やかに分離します。分離した細胞は、フローサイ
トメトリーをはじめ、下流のあらゆるアッセイに使用可能です(図 4)。Dynabeads 製
品には、ヒト T 細胞、B 細胞、幹細胞、NK 細胞、単球、樹状細胞、内皮細胞、腫瘍細胞、
白血球、顆粒球などの分離用製品群があります。
3
分子アプリケーション
(mRNA/DNA 解析など)
図 3. Dynabeads ビーズによるチューブを使
用したポジティブまたはネガティブ細胞分離の
ワークフロー
ヒト細胞分離用の既成の製品が見つからない場合は、お客様の選択した抗体を組み合わ
せて独自の細胞分離用ツールを作製できる幅広い Dynabeads 製品(ストレプトアビジ
ン Dynabeads、二次抗体コーティング済 Dynabeads、表面活性化 Dynabeads など)
を提供しています。
詳細については、ウェブサイト www.thermofisher.com/humancellisolation をご覧
ください。
1,500
Count
103
102
104
105
102
103
1,500
Count
500
1,000
750
250
0
0
102
103
104
105
103
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CD4 FITC
104
1
CD4 FITC
2,000
1,000 1,250
CD4 FITC
500
Count
0
0
250
• お客様独自の抗体を使用した細胞分離
500
500
• 不要な細胞またはポジティブ分離細胞の除去(細胞アプリケーション用)
1,000
Count
• ネガティブ分離(細胞はビーズに結合しない)
750
• ポジティブ分離と細胞溶出
2,000
1,000 1,250
分離オプション:
105
CD4 FITC
図 4. ヒト CD4 T 細胞の純度
+
Dynabeads UntouchedTM Human CD4 T Cells
Kit を使用した末梢血単核球のネガティブ分離前
(上)と後(下)の純度
図 2. Dynabeads は、均一な球体のビーズです。高度に規格化され、製品特性が安定しているため、
信頼性と再現性の高い結果を確実に提供します。
3
マウス細胞分離
Dynabeads は、チューブを用いて全血や脾臓、リンパ節、胸腺サンプルから、直接マウス細胞を穏やかに分
離します。分離した細胞は、フローサイトメトリーをはじめ下流のあらゆるアッセイに使用可能です(図 5)。
Dynabeads には、マウス T 細胞、B 細胞、NK 細胞、樹状細胞などの分離用製品群があります。
サンプル調製
分離オプション:
• ポジティブ分離と細胞放出
• ビーズに結合しない細胞のネガティブ分離
• 不要な細胞またはポジティブ分離細胞の除去(細胞アプリケーション用)
マウス細胞分離用の既成の製品が見つからない場合は、お客様の選択した抗体を組み合わせて独自の細胞分離
用ツールを作製できる幅広い Dynabeads 製品(ストレプトアビジン Dynabeads、二次抗体コーティング済
Dynabeads、表面活性化 Dynabeads など)を提供しています。
詳細については、ウェブサイト www.thermofisher.com/mousecellisolation をご覧ください。
オンラインで詳細情報を提供
ウェブサイト www.thermofisher.com/cellisolation では、当社のすべての細胞分離製品についての詳細説明
と次の情報を提供しています。
• 最適の細胞分離製品を選択するためのガイド
• サンプル調製プロトコールと細胞分離の手引き
• 当社の細胞分離製品を他社の市販製品と比較した性能データ
• 使用するチューブやプレートに最適の分離用磁石を選択するためのヘルプ
• ビデオやパンフレット、アプリケーションノートおよび Dynabeads 製品を使用した参考文献へのリンク
®
Dynabeads
FlowComp
Mouse
CD4 Kit
Dynabeads
FlowComp™
Mouse
CD4 Kit
純度:
600
Count
計 数
500
ヨウ化プロピジウム
ヨウ化プロピジウム
97.2%
400
300
200
100
105
104
103
生存率:
102
86%
0
102
103
104
102
105
103
104
105
CD4+
CD4
+
カラムベース分離
純度:
400
ヨウ化プロピジウム
ヨウ化プロピジウム
78.5%
350
Count
計 数
300
250
200
150
100
105
104
103
生存率:
102
50
0
63%
102
103
CD4+
104
105
102
103
104
105
CD4+
図 5. マウス脾細胞からの CD4 T 細胞の分離
CD4+ T 細胞の分離において Dynabeads FlowComp Mouse CD4 Kit(上)は、カラムベースのポジティブ細胞分離(下)
(純度と生存率はそれぞれ 78% と 63%)との比較で大幅に高い純度(97%)と生存率(86%)を示しました。
+
4
サンプル調製製品のリスト
分類
製品名
生物種
ターゲット
細胞のタイプ
細胞保存
TransFix 試薬
固定および透過処理
2 mL
FIX2
20 mL
FIX20
100 mL
FIX100
25 mL
GAS010
100 mL
GAS010S100
Cal-Lyse Whole Blood Lysing Solution
NA
NA
High-Yield Lyse
NA
NA
500 mL
HYL250
FIX & PERM Cell Permeabilization Kit
NA
NA
50 回分
GAS003
200 回分
GAS004
NA
100 mL
GAS001S100
固定用試薬(Medium A)
Dynabeads 細胞分離
NA
製品番号
NA
透過処理用試薬(Medium B)
NA
NA
100 mL
GAS002S100
Dynabeads FlowComp Human CD4 Kit
ヒト
T 細胞
3 mL
11361D
Dynabeads CD4 Positive Isolation Kit
ヒト
T 細胞
5 mL
11331D
Dynabeads Untouched Human CD4 T Cells Kit
ヒト
T 細胞
1 キット
11352D
Dynabeads FlowComp Human CD8 Kit
ヒト
T 細胞
3 mL
11362D
Dynabeads CD8 Positive Isolation Kit
ヒト
T 細胞
5 mL
11333D
Dynabeads Untouched Human CD8 T Cells Kit
ヒト
T 細胞
1 キット
11348D
Dynabeads FlowComp Mouse CD4 Kit
マウス
T 細胞
3 mL
11461D
DETACHaBEAD Mouse CD4 Kit
マウス
T 細胞
5 mL
12406D
Dynabeads Untouched Mouse CD4 Cells Kit
マウス
T 細胞
2 x 10 mL
11415D
Dynabeads FlowComp Mouse CD8 Kit
マウス
T 細胞
1 キット
11462D
Dynabeads Untouched Mouse CD8 Cells Kit
マウス
T 細胞
2 x 10 mL
11417D
サンプル調製
赤血球溶解
NA
容量
N/A は該当なしの略。
本カタログにて紹介している各種「Dynabeads 製品」は株式会社ベリタスにて取扱いを致しておりま
す。
●お問い合わせ先
株式会社ベリタス 〒 105-0001 東京都港区虎ノ門 2-7-14 八洲ビル
TEL 03-3593-3211(代)FAX 03-3593-3216
E-mail:veritas@veritastk.co.jp
URL:http://www.veritastk.co.jp
5
装置のセットアップと校正
• 日々の装置のパフォーマンスを高い信頼性で最適化
• 一貫したデータ収集でばらつきを最小限に抑制
• どのような装置にも適合
フローサイトメーターは、個々の細胞その他の粒子を、高い精
密度と速度、正確度で定量測定するための装置です。他のあら
ゆる高性能装置と同様、フローサイトメーターも精度と信頼性
を確保するため頻繁に校正する必要があります。当社のマイク
ロスフィア製品は、その安定性と均一性、再現性によってフロー
サイトメーターのセットアップと校正に不可欠のツールとなっ
ています。
マイクロスフィア製品の概要については、ウェブサイト www.
thermofisher.com/flow-standards をご覧ください。
Flow Cytometry Sub-micron Particle Size
Reference Kit
Invitrogen TM Flow Cytometry Sub-micron Particle Size
Reference Kit(製品番号 F13839)は、信頼性の高いフローサイ
トメトリー用サイズ リファレンスとして作製された緑色蛍光マ
イクロスフィア懸濁液のセットです。キットにはポリスチレン
マイクロスフィアが 6 種類同梱されています。各マイクロス
フィアの直径は、透過電子顕微鏡法で測定済みです。すべての
ビーズは、励起および発光プロファイルが Alexa Fluor 488 また
は FITC で 染 色 し た 細 胞 と ほ ぼ 同 一 で す( 最 大 励 起 波 長 505
nm、最大発光波長 515 nm)。
アライメント
InvitrogenTM AlignFlowTM Flow Cytometry Alignment Beads は、
フローサイトメーターのアライメント、焦点調節、キャリブレー
ション用に作製された信頼性の高いリファレンスビーズです。こ
の蛍光染色ポリスチレンマイクロスフィアは、サイズや蛍光強度
、生体サンプルとほぼ同じサイズやシグナ
の均一性に優れ(図 6)
ルの波長および強度を備えています。AlignFlow は、色素をビー
ズの表面ではなく内部に含んでいるため、光化学的および物理的
安定性に優れ、装置のセットアップ用に信頼性の高いリファレン
スシグナルを発します。ビーズの蛍光色素は、通常のフローサイ
トメトリーで使用されるレーザー源の励起波長を最適化できるよ
う慎重に選択されています。AlignFlow ビーズには、350 ∼ 370
nm 励起 UV レーザー用(製品番号 A16502、A16505)、488 nm
励起ブルーレーザー用(製品番号 A16500、A16503)
、633 nm
励起レッドレーザー用(製品番号 A16501、A16504)の 3 種類が
あります。ビーズのサイズはそれぞれ直径 2.5 µm と 6.0 µm の
2 種類です。
粒子の数
粒子の数
装置のセットアップと校正
AlignFlow Cytometry Alignment Beads
102
103
ファレンスとして作製された非蛍光マイクロスフィア懸濁液の
セットです。このキットには未染色ポリスチレンマイクロスフィ
アの懸濁液が 6 種類同梱されています。各マイクロスフィアの
直径は、透過電子顕微鏡法で測定済みです。実験サンプルに含
まれる細胞のサイズは、前方散乱光(FSC)シグナルをリファレ
ンスビーズと比較することで推定できます。このマイクロスフィ
アは再現性のあるサイズマーカーとして働き、実験サンプルに
混合することも、また並行してランすることも可能です(図 7)。
6
103
104
102
橙色
橙色
103
104
赤色
赤色
図 6. 488 nm アルゴンイオン レーザーで励起し、3 つの蛍光チャネルでモ
ニターした AlignFlow ビーズ
3 つの蛍光チャネルすべてで明確な蛍光シグナルが検出されました。ビーズ
の蛍光強度にほとんどばらつきがないことに注目してください(データ提供 :
Carleton Stewart, Rosewell Park Cancer Institute)。
1.0µm
300
6.0µm 15µm
2.0µm
粒子の数
粒子の数
InvitrogenTM Flow Cytometry Size Calibration Kit( 製 品 番 号
F13838)は、信頼性の高いフローサイトメトリー用サイズリ
102
蛍光強度
蛍光強度
サイズキャリブレーション
Flow Cytometry Size Calibration Kit
104
緑色
10µm
4.0µm
200
100
0
0
200
400
600
800
1000
FSC
FSC
図 7. Flow Cytometry Size Calibration Kit
Flow Cytometry Size Calibration Kit(製品番号 F13838)に同梱の 6 種類の
ポリスチレンマイクロスフィアサンプルを使用し、前方散乱光の強度(FSC)
を表すログ チャネル値のヒストグラムを解析しました。FSC の測定には励
起波長 488 nm の Becton Dickinson FACScan フローサイトメーターを使用
しました。
実験サンプルに含まれる生体粒子のサイズ(またはサイズ領域)
は、FSC をリファレンスビーズと比較することで推定できます
(図 8)。各実験でマイクロスフィアは、再現性のあるサイズマー
カーとして機能し、個別(ひとつのサイズのみ)にも、またはプ
レミックス(2 ∼ 6 サイズ)としても使用できる上、実験サンプ
ルに混合することも、平行してランすることもできます。
このキットは、装置のパフォーマンスの確認やサブマイクロ粒
子の分析に適したパラメータの設定に利用できます。たとえば
次のような項目のチェックに使用します。
• 粒子サイズ測定の際の分解能の上限やダイナミックレンジ
• 光電子増倍管の前方および側方散乱光の感度
• 装置のベースラインノイズのレベル
• レーザーと光学系のアライメントと安定性
• 流体システムの安定性
Cell Sorting Set-Up Beads
Cell Sorting Set-Up Beads( 製 品 番 号 C16506、C16507、
C16508、C16509)は、フローサイトメトリー用セルソーター
のセットアップと校正用に作製された信頼性の高いスタンダー
ドです。直径 6 µm(± 10%)のこのビーズは、サイズやシグナ
ルの波長および強度が多くの生物学的サンプルと同等です。そ
のためドロップディレイや効率(ソーティング中の細胞損失の
割合)といったセルソーターの設定のチェックに利用できます。
またフローサイトメーターのレーザー源、光学系、流量の校正
にも使用できるため、貴重で繊細な実験サンプルを無駄にする
ことがありません。
理想的な実験環境では、各フルオロフォアの蛍光プロファイル
はきわめて強く、狭いピークを描き、他のシグナルのピークと
完全に分離できるはずです。しかし実際には、有機色素や蛍光
タンパク質は幅広いシグナルピークを描きます。一般に利用さ
れる 2 つのフルオロフォアが描くピークの重複を図 9 に示しま
した。これは Alexa Fluor 488 色素と R-フィコエリスリン(RPE)の蛍光プロファイルです。収集したデータを正しく分析す
るには、Alexa Fluor 488 色素で収集した蛍光シグナルが確実に
Alexa Fluor 488 のものであり、波長領域の一部が重複している
R-PE のシグナルが混じっていないことを確認する必要があり
ます。そのためどのフルオロフォアを使用する場合も、蛍光シ
グナルを正確に収集するには、すべての色素でシグナルの補正
が不可欠となります。この補正がコンペンセーションです。
当社は 2 種類のコンペンセーションキットを提供しています
TM
TM
(表 1)。Invitrogen AbC Bead Kit は、蛍光標識抗体を用い
たイムノフェノタイピング用蛍光色素のコンペンセーションに
TM
TM
使 用 し ま す。 ま た Invitrogen ArC Amine Reactive
TM
Compensation Bead Kit は、Invitrogen LIVE/DEADTM Fixable
Dead Cell Stain Kit などのアミン反応性色素を用いた細胞生存
率アッセイに使用します(詳細については 20 ページの「細胞生
存率」を参照)。
装置のセットアップと校正
セルソーティングのセットアップ
コンペンセーション
AbC compensation bead kits
• フローサイトメトリーのコンペンセーションに貴重なサンプ
ルを使用する必要なし
• マウスやラット、ハムスターの免疫グロブリンでは、異なる
サブクラスにきわめて高い反応性を発揮
• 迅速でシンプルなビーズベースのフローサイトメトリー用コ
ンペンセーション
• 抗原発現のばらつきによる不安定さを解消
10 6
2 µm
1 µm
10 5
10 4
0.5 µm
10 3
0.1 µm
0.2 µm
75
50
25
0
300
10 2
400
500
600
700
800
900
波長 (nm)
10 1
10 0
Relative intensity (%)
蛍光シグナル
蛍光シグナル
530/30
530/30nm
nmBP
BP で収集した粒子の
で収集した粒子の
100
図 9. Alexa Fluor 488 色素(緑色)と R-PE(オレンジ色)の蛍光プロファイル
10 2
10 3
10 4
10 5
10 6
側方散乱光
側方散乱光
図 8. Flow Cytometry Sub-micron Particle Size Reference Kit
Flow Cytometry Sub-micron Particle Size Reference Kit(製品番号 F13839)
には 6 種類のサイズの粒子が同梱されていますが、ここではそのうち 5 種類
を使用しました。この 5 つの粒子のシグナルは、Attune Acoustic Focusing
Cytometer を使用して 488 nm レーザーで励起後、530/30 nm バンドパス
(BP)フィルターで収集しました。5 種類の緑色蛍光マイクロスフィアの直径
は、グラフ上で粒子の蛍光シグナルを縦軸、側方散乱光を横軸に取り、特定し
ました。
7
表 1. コンペンセーションキット選択ガイド
製品名
アッセイの種類
ポジティブビーズ
ネガティブビーズ
製品番号
AbC Total Antibody
Compensation Bead Kit
イムノフェノタイピン
グ
ハムスター、マウス、ウサギ、ラットの抗体 *
非結合
A10513
A10497
AbC Anti-Mouse Bead Kit
イムノフェノタイピン
グ
マウス モノクローナル抗体 *
非結合
A10344
AbC Anti-Rat/Hamster Bead Kit
イムノフェノタイピン
グ
ラットとハムスターのモノクローナル抗体 *
非結合
A10389
ArC Amine Reactive
Compensation Bead Kit
細胞生存率アッセイ
アミン反応性色素と LIVE/DEAD Fixable Dead
非アミン反応性
A10346
Cell Stain
* AbC 捕捉ビーズはすべてのアイソタイプに結合します。
これらはすべて研究用にのみ使用できる製品です。診断用には使用できません。
ArC Amine Reactive Compensation Bead
Kit
AbC Bead Kit は、フローサイトメトリーのコンペンセーション
• 細胞の煩雑な熱処理を省略
• すべての LIVE/DEAD Fixable Dead Cell Stain kit 用に最適化
• 迅速でシンプルなビーズベースのフローサイトメトリー用コ
ンペンセーション
• コンペンセーションに貴重なサンプルを使用する必要なし
• 正確で安定した結果を提供
ArC Amine Reactive Compensation Bead Kit( 製 品 番 号
A10346)は、フローサイトメトリーのコンペンセーション用の
安定した正確な使いやすいキットです。すべての LIVE/DEAD
Fixable Dead Cell Stain Kit をはじめ、あらゆるアミン反応性色
素に使用できます。LIVE/DEAD Fixable Dead Cell Stain Kit(お
800 800
ラットラッ
IgG2b
ト IgG2b
400 400
300 300
200 200
200 200
100 100
100 100
300
100
0
101 2
10
C
102 3
10
103 4
10
104 5
10
105 6
10
0
101
106
D
PE fluorescence
PE fluorescence
800
400
300
200
200
100
100
0
101 2
10
102 3
10
103 4
10
104 5
10
105 6
10
PE fluorescence
PE fluorescence
PE fluorescence
PE fluorescence
700 700
Count
Count
100
500
0
0
0
101 101 102 102 103 103 104 104 105 105 106 106 101
PE fluorescence
PE fluorescence
800 800
106
0
101 2
10
102 3
10
103 4
10
104 5
10
106
800
700
ウサギ モノクローナル
IgG
ウサギ モノクローナル
IgG
700
ウサギ ポリクローナル
IgG
ウサギ ポリクローナル
IgG
600
600
500
500
400
400
300
300
200
200
100
100
0
101
105 6
10
PE fluorescence
PE fluorescence
0
2
10110
10210
3
103104
10410
5
10510
PE fluorescence
PE fluorescence
Count
Count
300 300
Count
ウサギウサギ
モノクローナル
IgG IgG
図 10. AbC Total Antibody Compensation700
Bead
Kit モノクローナル
の染色能を示すヒストグラム
700 ウサギウサギ
ポリクローナル
ポリクローナル
IgG IgG
マウス(A)、ラット(B)、ハムスター(C)600
のモノクローナル抗体とウサギ
(D)のモノクローナルおよびポリクローナル抗体におけるポジティブビーズのシグナ
600
500 500
ル分離。最適量の各 PE 抗体コンジュゲートでビーズを標識し、
488 nm レーザーで励起後、574/26 nm バンドパスフィルターを使用して Attune Acoustic
500 500
400 400
Focusing Cytometer でシグナルを収集しました。
400 400
アルメニアン
アルメニアン
ハムスター
ハムスター
IgG IgG
600 600 シリアン
シリアン
ハムスター
ハムスター
IgG IgG
Count
Count
500 500
200
100
アルメニアン
ハムスター
IgG
アルメニアン
ハムスター
IgG
600
シリアン ハムスター
IgG
シリアン ハムスター
IgG
500
400
300
200
700
600
ラットラッ
IgG2a
ト IgG2a
700 700 ラットラッ
IgG2c
ト IgG2c
600 600 ラットラッ
IgGM
ト IgGM
300 300
0
0
101 101 102 102 103 103 104 104 105 105 106 106
300 300
200 200
200 200
100 100
100 100
0
0
101 101 102 102 103 103 104 104 105 105 106 106
PE fluorescence
PE fluorescence
8
700
ラットラッ
IgG1
ト IgG1
300
200
Count
900 900
Count
400 400
1,0001,000
Count
IgG1 IgG1
900 900 マウスマウス
IgG2aIgG2a
800 800 マウスマウス
マウスマウス
IgG2bIgG2b
700 700
マウスマウス
IgG3 IgG3
600 600
マウスマウス
IgGMIgGM
500 500
300
Count
0
101
B
Count
Count
A
よびアミン反応性色素)は、細胞内のアミンに反応するため、
哺乳類細胞の生存率評価に利用されています。これらの反応性
色素は、壊死細胞では損傷した細胞膜を通って細胞内に入り、
1,000 1,000
マウス IgG1
ラット IgG1
マウス IgG1
ラット IgG1
900
900
細胞の表面や内部の遊離アミンと反応して強い蛍光シグナルを
900
ラット IgG2a
マウス
IgG2a
ラット IgG2a
マウス IgG2a
800
800
800
ラット IgG2b
マウス IgG2b
ラット IgG2b
マウス IgG2b
発します。一方、生細胞では、色素は細胞表面のアミンとのみ
700
700
700
ラッ
ト
IgG2c
マウス IgG3
ラット IgG2c
マウス IgG3
600
600
600
ラット IgGM
マウス IgGM
ラット IgGM
反応するため、蛍光シグナルが比較的弱くなります。生細胞群
マウス IgGM
500
500
500
50 倍以上です。
に比べて死細胞群の蛍光シグナルは、通常
400
400
400
Count
Count
細胞の染色に使用した蛍光標識抗体でコンペンセーションを実
施することも可能です。ビーズの散乱光の優れた安定性と表面抗
体の高い結合能により、どのような蛍光標識一次抗体を組み合わ 900
800
せても、より安定性と精度の高いコンペンセーションが実現しま 700
す。2 つのマイクロスフィア(AbC 捕捉ビーズおよびネガティブ 600
500
ビーズ)はどちらも直径約 6 µm(各ロットの正確なサイズは容 400
300
器に表示)です。またビーズ懸濁液は、サンプルに添加しやすい 200
100
ようスポイト容器に封入されています。
Count
装置のセットアップと校正
用の安定した正確な使いやすいキットとして次の抗体に使用で
きます。(1) 蛍光標識ハムスター、マウス、ウサギまたはラット
抗体(AbC Total Antibody Compensation Bead Kit、製品番号
A10497、 図 10)、(2) 蛍 光 標 識 マ ウ ス 抗 体(AbC Anti-Mouse
Bead Kit、製品番号 A10344、図 11)、(3) 蛍光標識ラットまた
はハムスター抗体(AbC Anti-Rat/Hamster Bead Kit、製品番号
A10389)。これら 3 つのキットには、いずれも特別に調製され
たポリスチレンマイクロスフィアが 2 種類同梱されています。
一方は特定の免疫グロブリンのアイソタイプすべてに結合する
AbCTM 捕捉ビーズ(またはポジティブビーズ)、他方は抗体結合
能のないネガティブビーズです。この 2 種類のビーズは、蛍光
標識一次抗体(使用するキットによりハムスター、マウス、ラッ
ト、ウサギのいずれか)とインキュベーションすると、明確な
ポジティブおよびネガティブ群に分かれるため、コンペンセー
ションに利用できます(図 11)。
0
0
101 101
102
102
103 103
104 104
105 105
PE fluorescence
PE fluorescence
106 106
6
106
ArC Amine Reactive Compensation Bead Kit には、あらゆるアミン反応性色素に結合する ArC 反応ビーズ
TM
(コンポーネント A)と非反応性の ArC ネガティブビーズ(コンポーネント B)が同梱されています。この特
別に調製された 2 種類のポリスチレンマイクロスフィアが LIVE/DEAD Fixable Dead Cell Stains のコンペン
セーションを簡単にします。この 2 種類のビーズは、いずれのアミン反応性色素とインキュベーションしても
明確なポジティブおよびネガティブ群に分かれるため、コンペンセーションを設定できます(図 12)。また
ArC Amine Reactive Compensation Bead Kit は、AbC Anti-Mouse Bead Kit と組み合わせて蛍光標識マウス
抗体に使用すると、LIVE/DEAD Fixable Dead Cell Stain によるマルチカラーイムノフェノタイピング解析用
のより安定性と精度の高いコンペンセーションが可能です。
細胞の絶対計数
装置のセットアップと校正
フローサイトメトリーは、細胞を迅速に定量化する技術です。しかしほとんどのフローサイトメーターは、サ
ンプルに含まれる細胞の濃度を直接測定することも絶対計数することもできません。細胞の絶対計数は、幹細
胞研究をはじめとする幅広い分野で細胞群の定量や疾患の進行度の把握に利用されてきました。細胞の絶対計
数は通常、血球計数装置による細胞濃度の測定とフローサイトメーターの細胞群データの収集を別々に実行し
て組み合わせるマルチプラットフォーム法、またはマイクロスフィアの内部計数標準をフローサイトメーター
のサンプルに適用するシングルプラットフォーム法のどちらかで行われます。シングルプラットフォームのほ
うがマルチプラットフォームよりも技術的に簡単であり、ラボ間でのばらつきや過小評価も抑えられるため、
望ましいとされています。
当社は細胞計数用製品として Invitrogen CountBright Absolute Counting Beads と AccuCheck Counting
Beads の 2 種類を提供しています。次ページの表 2 を参考に最適の製品を選択してください。
TM
B
200
200
150
150
100
50
C
250
Count
Count
250
CD3-FITC fluorescence
A
TM
100
50
-102 0 102
103
104
0
-350 -102 0 102
105
103
104
105
104
103
102
0
-102
-102 0 102 103
104
105
CD56-PE fluorescence
105
FITC fluorescence
PE fluorescence
図 11. AbC Anti-Mouse Bead Kit を使用したコンペンセーション
(A)陽性のシグナルを発する AbC 捕捉ビーズと陰性のシグナルを発するネガティブビーズをフィコエリスリン(PE)コンジュゲート マウス抗ヒト CD56 抗体
(製品番号 MHCD5604)で標識しました。(B)陽性のシグナルを発する AbC 捕捉ビーズと陰性のシグナルを発するネガティブビーズを FITC コンジュゲート マ
ウス抗ヒト CD3 抗体(製品番号 MHCD03014)で標識しました。(C)2 つのパラメータで作成したプロットは、ゲーティング後の PE コンジュゲート マウス抗
TM
ヒト CD56 抗体と FITC コンジュゲート マウス抗ヒト CD3 抗体で標識したヒト リンパ球です。このプロットは、AbC Anti-Mouse Bead Kit( 製品番号
A10344)でコンペンセーションした後、作成しました。
B
400
350
350
300
300
300
250
250
250
Count
Count
C
350
200
150
Count
A
200
150
200
150
100
100
100
50
50
50
0
-102 0 102
103
104
105
LIVE/DEAD Fixable Violet stain fluorescence
0
-288 -102 0 102
103
104
105
LIVE/DEAD Fixable Green stain fluorescence
0
-715 -102 0 102
103
104
105
LIVE/DEAD Fixable Red stain fluorescence
図 12. 3 つの LIVE/DEAD Fixable Dead Cell Stain Kit で染色した ArC Amine Reactive Compensation Bead Kit のプロファイル
(A)LIVE/DEAD Fixable Violet Dye で染色したビーズ(製品番号 L34955)を 405 nm レーザーで励起し、蛍光シグナルは 450/50 nm バンドパスフィルターで収
集しました。
(B)LIVE/DEAD Fixable Green Dye で染色したビーズ(製品番号 L23101)を 488 nm レーザーで励起し、
蛍光シグナルは 525/50 nm バンドパスフィ
ルターで収集しました。(C)LIVE/DEAD Fixable Far Red Dye で染色したビーズ(製品番号 L10120)を 633 nm レーザーで励起し、蛍光シグナルは 660/20 nm
バンドパスフィルターで収集しました。
9
表 2. 絶対計数用ビーズの選択ガイド
製品名
サンプルの種類
ビーズのサイズ
励起波長(nm)
最大発光波長(nm) 測定パラメータ
CountBright Absolute
Counting Beads
すべてのサンプル
7 µm
UV ∼ 635
385 to 800
細胞数
製品番号
C36950
AccuCheck Counting Beads
全血
Bead A: 6.40 µm
Bead B: 6.36 µm
Bead A: 488
Bead B: 635
Bead A: 575–585
Bead B:
660–680
細胞数と
ピペッティング精度
PCB100
CountBright Absolute Counting Beads
AccuCheck Counting Beads
• 幅広い蛍光色素を搭載し、あらゆるメーカーの装置に適合
• 2 色の蛍光ビーズの比率を利用した内部コントロールによっ
な細胞に対応
• マルチプラットフォーム法に比べて、高い信頼性を発揮
装置のセットアップと校正
InvitrogenTM CountBrightTM Absolute Counting Beads( 製 品 番
号 C36950)は、幅広い励起および発光波長(励起波長 UV ∼
635 nm、発光波長 385 ∼ 800 nm)で強い蛍光シグナルを発す
る校正済みのマイクロスフィア懸濁液であり、既知の濃度のマ
イクロスフィアを含有しています。絶対計数するには、特定の
量のマイクロスフィアを特定の量のサンプルに加え、サンプル
とマイクロスフィアの量的割合がわかるようにします。分析し
たサンプル量は、マイクロスフィアのイベント数から算出でき
ます。また細胞のイベント数をもとに細胞の濃度も算出できま
す。一般に、統計的に有意なサンプル量を測定するには、少な
くとも 1,000 ビーズイベントが必要です。
CountBright Absolute Counting Beads は、溶解 / 非洗浄全血
などのあらゆるサンプルに使用できます。試薬に含まれるマイ
クロスフィアの直径は約 7 µm、沈降特性はリンパ球と同等です。
細胞やマイクロスフィアのロスに繋がりかねないサンプル調製
(洗浄など)は避けてください。CountBright ビーズは、散乱光
または蛍光に閾値を設けて使用することができます。散乱光に
閾値を設ける場合は、マイクロスフィアのシグナルが閾値以上
になるようにしてください。マイクロスフィアはパラメータを
ひとつ設定することでゲーティングできますが、パラメータを
複数用いてマイクロスフィアを細胞や他のイベントと分離する
こともできます。
て、ピペッティングの精度をチェック
• 結果の安定性を高めるため、マルチプラットフォームよりも
シングルプラットフォームを推奨
• 大半の免疫フェノタイピング実験でバリデーションが簡単
AccuCheck Counting Beads(製品番号 PCB100)は、効率的
なシングルプラットフォームで細胞を絶対計数します。フロー
サイトメトリーによる直接免疫フェノタイピングのメリットと
2 種類の異なるビーズ(ビーズ A と B)を使用できる利便性を組
み合わせました。この 2 つの蛍光マイクロスフィアは、血液量
の 算 出 に お い て 二 重 の 内 部 標 準 と な り ま す。 既 知 の 量 の
AccuCheck Counting Beads を同じく既知の量の染色済み血液
サンプル(溶解 / 非洗浄)に加えます。ビーズと細胞を計数しま
す。ビーズの濃度がわかっているため、蛍光ビーズの全イベン
ト数とカウントした細胞の数から 1 マイクロリットルあたりの
細胞数(絶対計数)を割り出すことができます。その後、この細
胞数と容積単位あたりの全マイクロスフィアの数を乗じます。
AccuCheck Counting Beads のシステムは、2 つの蛍光マイク
ロスフィアを既知の比率で使用するため、このビーズの比率か
らアッセイのピペッティングの精度を検証できます。
105
EthD-1 fluorescence
• 使いやすいプロトコールで、溶解 / 非洗浄全血などさまざま
死細胞
カウント
ビーズ
104
103
生細胞
102
0
0 102
103
104
105
Calcein fluorescence
図 13. CountBright Absolute Counting Beads
Jurkat 細胞の生細胞と熱処理細胞の混合液を LIVE/DEAD Viability/Cytotoxicity
Kit( 製品番号 L3224)の試薬で処理しました。このサンプルに CountBright
Absolute Counting Beads(製品番号 C36950)を加え、488 nm レーザー励
起 の フ ロ ー サ イ ト メ ト リ ー で 解 析 し ま し た。 カ ル セ イ ン 蛍 光 シ グ ナ ル を
530/30 nm バ ン ド パ ス フ ィ ル タ ー で 収 集 し、 エ チ ジ ウ ム ホ モ ダ イ マ ー 1
(EthD-1)蛍光シグナルを 610 nm ロングパスフィルターで収集しました。
デー
タでは生細胞と死細胞だけでなくカウント ビーズも明確に分離されています。
10
装置のセットアップと校正用製品のリスト
分類
製品名
アライメント
AlignFlow Flow Cytometry Alignment Beads
for UV Lasers, 2.5 µm
AlignFlow Flow Cytometry Alignment Beads
for UV Lasers, 6.0 µm
AlignFlow Flow Cytometry Alignment Beads
for Blue Lasers, 2.5 µm
AlignFlow Flow Cytometry Alignment Beads
for Blue Lasers, 6.0 µm
AlignFlow Flow Cytometry Alignment Beads
for Red Lasers, 2.5 µm
A16502
3 mL
A16505
A16500
ブルー
488/515–660
3 mL
A16503
A16501
NA
NA
1 キット
F13838
Flow Cytometry Sub-micron Particle Size
Reference Kit
ブルー
505/515
1 キット
F13839
Cell Sorting Set-Up Beads for UV Lasers
UV
350–375/460
3 mL
C16506
Flow Cytometry Size Calibration Kit
(非蛍光マイクロスフィア)
3 mL
A16504
ブルー
488/515
3 mL
C16508
グリーン / イエロー
532, 561/575
3 mL
C16509
Cell Sorting Set-Up Beads for Red Lasers
レッド
633/680
3 mL
C16507
AbC Total Antibody Compensation Bead Kit
NA
NA
100 tests
25 tests
A10497
A10513
AbC Anti-Mouse Bead Kit
NA
NA
1 キット
A10344
AbC Anti-Rat/Hamster Bead Kit
NA
NA
1 キット
A10389
ArC Amine Reactive Compensation Bead Kit
NA
NA
1 キット
A10346
ブルー / レッド
488/575-585
(ビーズ A)
10 mL
PCB100
UV ∼レッド
UV to 635/385 to 800
5 mL
C36950
Cell Sorting Set-Up Beads for Blue Lasers
細胞の絶対計数
製品番号
633/645–680
Cell Sorting Set-Up Beads for Green-Yellow
Lasers
コンペンセーション
UV
350–370/
400–470
容量
AccuCheck Counting Beads
CountBright Absolute Counting Beads
装置のセットアップと校正
セルソーティングの
セットアップ
Ex/Em*
レッド
AlignFlow Flow Cytometry Alignment Beads
for Red Lasers, 6.0 µm
サイズキャリブレーション
レーザーの種類
N/A は該当なしの略。
* 最大励起波長(Ex)と最大発光波長(Em)、単位は nm。
11
抗原検出
一次抗体
A
• 幅広い色素、タンパク質、InvitrogenTM QdotTM 抗体コンジュゲート
• 多様なアプリケーションで広範囲に特異性を発揮
• RUO、ASR、IVD 試薬の揃った臨床および研究用の高品質製品
• 20,000 件以上の学術論文に引用
当社は、基礎研究と臨床研究の双方でターゲットに高い選択性
を示す多彩な RUO/ASR/IVD 一次抗体を提供します。フローサ
イトメトリー用にバリデーション済みのこれらの抗体は、CD
マーカーやサイトカイン、ケモカイン、成長因子だけでなく、
腫瘍学や免疫学、細胞シグナル伝達、アポトーシス、細胞増殖、
幹細胞などの研究用抗体にも特異性を発揮します。当社の蛍光
コンジュゲート一次抗体を用いたマルチカラーフローサイトメ
トリーは、異種細胞群のサブセットの同定からレアイベントの
検出までの多様なアプリケーションにおいて、他の解析法より
も短時間かつ少量のサンプルで複雑な細胞生物学の疑問にお答
えします。一次抗体コンジュゲートの検索には、ウェブサイト
www.thermofisher.com/flow-searchantibodies を ご 利 用 く
ださい。
B
フルオロフォアの概要
抗原検出
当社の研究チームは 1975 年以来、Alexa Fluor 色素や Qdot 標
TM
TM
識、Invitrogen Zenon 標識技術といった革新的な蛍光技術や
細胞解析技術を次々と開発しているパイオニアです。当社は近
紫外線、可視光線、近赤外線の幅広いスペクトルをカバーする
蛍光標識製品を提供しています。この技術を一次および二次抗
体コンジュゲート技術に進化させ、より明るく安定的な蛍光コ
ンジュゲートを開発しました。使用する装置を問わず、すべて
のサンプル、すべてのフローサイトメトリーのランで最高のデー
タを収集するよう作製された多彩な標識を提供します。フルオ
ロフォア製品とその仕様については、表 3 のリストをご覧くだ
さい。
標準的な蛍光色素とタンデム色素
当社は、Alexa Fluor、Invitrogen Pacific Blue 、Pacific Green 、
Pacific OrangeTM の各色素やフルオレセイン、蛍光タンパク質
(PE、PerCP、APC)などを標識した抗体、および 11 種類の組
み合わせのタンデム色素といった幅広い蛍光標識一次抗体を取
り揃えています(表 3)。この多様な色素製品は、今後装置の技
術が進歩し、より多くの蛍光色素が使用できるようになるにつ
れ、ますます必要とされるでしょう(図 14 および表 4)。
TM
12
TM
TM
C
図 14. Attune NxT Acoustic Focusing Cytometer によるマウス調節性 T
細胞と樹状細胞のマルチパラメータ(10 色)解析
表 4 に挙げた表面抗原用一次抗体で C57BL/6 脾細胞の表面を染色しまし
た。 次 に FIX & PERM Cell Permeabilization Kit( 製 品 番 号 GAS003、
GAS004)を用いてサンプルを固定および透過処理しました。透過処理中に、
PE コンジュゲート ラット抗マウス Foxp3 抗体で細胞内を染色しました。
FSC/SSC パラメータ(A、左側)を用いてリンパ細胞をゲーティングし、次
の 解 析 か ら B220 発 現 B 細 胞 を 除 外 し ま し た(A、 右 側 )。B220 と
+
CD45.2 のゲート内で CD3 の発現に基づいて T 細胞を解析しました(A、
+
下段左側)。共受容体 CD4 または CD8 の発現に基づいて CD3 T 細胞を 2
+
つ の 集 団 に 分 離 し ま し た(B、 左 側 )。CD4 T 細 胞 の 中 に は、 転 写 因 子
Foxp3 および細胞表面マーカー CD25(IL-2R α)を発現している抑制性調
節性 T 細胞サブグループが存在します(B、右側)。CD3 細胞を分離し、レ
+
+
アな CD11c MHCII プロフェッショナル抗原提示樹状細胞群を検出しまし
た(C、左側)。さらに脾臓樹状細胞をそれぞれ特有の抗原提示特性を持つ
CD11b+ および CD8+ 樹状細胞サブセットに細分化しました(C、右側)。
表 3. フローサイトメトリー用フルオロフォア
フルオロフォア
レーザー
UV
バイオレット
405 nm
ブルー
グリーン
488 nm
532 nm
発光波長(nm)
イエロー
561 nm
レッド
633/635 nm
抗体コンジュゲート
Alexa Fluor 350
442
Alexa Fluor 405
421
Pacific Blue
455
Pacific Green
500
Pacific Orange
551
Alexa Fluor 488
519
フルオレセイン(FITC)
525
Qdot 605
605
Qdot 655
655
Qdot 705
705
Qdot 800
800
ペリジニンクロロフィル(PerCP)
678
PerCP-Cy5.5
695
R-フィコエリスリン(R-PE, PE)
575
PE-Texas Red
615
PE-Alexa Fluor 610
628
TRI-COLOR® (TC, PE-Cy5)
670
PE-Cy 5.5
694
PE-Alexa Fluor 700
723
767
アロフィコシアニン(APC)
660
APC-Cy 5.5
694
APC-Cy 7
767
APC-Alexa Fluor 750
775
Alexa Fluor 647
668
Alexa Fluor 700
719
APC-Alexa Fluor 750
775
抗原検出
PE-Cy 7
表 4. T 細胞と樹状細胞のマルチパラメータ解析(図 14)で使用した製品
ターゲット
宿主動物
フルオロフォア
レーザー
最大発光波長(nm)
製品番号
MHCII
ラット
Pacific Blue dye
バイオレット
455
A14901
CD4
ラット
Pacific Green dye
バイオレット
500
C11207
B220
ラット
Pacific Orange dye
バイオレット
551
RM2630
CD11b
ラット
FITC
ブルー
525
RM2801
Foxp3
ラット
R-PE
ブルー
575
N/A
CD3
ハムスター
PerCP-Cy 5.5
ブルー
695
A14784
CD11c
ハムスター
PE-Cy 7
ブルー
767
A15849
CD25 (IL-2R α )
ラット
APC
レッド
660
N/A
CD45.2
マウス
APC-Cy 7
レッド
767
A18642
CD8
ラット
Alexa Fluor 700
レッド
719
MCD0829
* これらはすべて研究用にのみ使用できる製品です。他に記載のない限り、診断用には使用できません。
N/A は市販されていない製品を示します。
13
Qdot 抗体コンジュゲート
吸光係数 (cm–1M–1)
• 励起波長 405 nm または 488 nm でバイオレットレーザーを
最大限に利用
• 既存の有機色素と組み合わせ、検出可能なパラメータを拡大
• タンデム色素のような経時劣化がなく、高い再現性を確保
• 発光スペクトルが狭域のため、単一の励起光源を使用する際
の補正が最小限
7 6 58
5,000,000
A
1. Qdot® 525
2. Qdot® 565
3. Qdot® 585
4. Qdot® 605
5. Qdot® 625
6. Qdot® 655
7. Qdot® 705
8. Qdot® 800
4,000,000
3,000,000 4
2,000,000 3
1,000,000
2
1
0
Qdot 抗体コンジュゲートは、微量の細胞外タンパク質の検出に
最適の強い蛍光シグナルを発します。R-PE とほぼ同じサイズで
既存の有機蛍光標識とも組み合わせ可能な Qdot 抗体コンジュ
400 450 500 550 600 650 700 750 800
波長
(nm)
B
1
2 34 5
6
7
8
蛍光シグナル
ゲートは、最大発光波長未満のすべての波長で励起されますが、
UV レーザーまたはバイオレットレーザーが最適です。狭い左右
対称の発光特性を持つ Qdot 抗体コンジュゲートは、単一励起
光源を使用する際の補正を最小限に抑えられます。またきわめ
て長いストークスシフトを示すため、405 nm バイオレットレー
ザーを使用したより効果的なマルチカラーアッセイが可能です。
フローサイトメトリー向けのマルチカラーを取り揃えた Qdot
抗体コンジュゲート(図 15 および表 5)は、これらのメリット
により抗体の標識と染色に高い性能を発揮します。
450 500 550 600 650 700 750 800 850 900
波長
(nm)
Qdot ナノクリスタルとそのフローサイトメトリーアプリケー
シ ョ ン に つ い て は、 ウ ェ ブ サ イ ト www.thermofisher.com/
flow-qdot をご覧ください。
図 15. Qdot 標識の吸光および発光プロファイル
(A)モル吸光係数で表した Qdot 標識の吸光スペクトル。
(B)Qdot 標識の
標準化した発光スペクトル。数字で示した各標識はパネル A と同じです。
表 5. Qdot 一次抗体コンジュゲート選択ガイド
コンジュゲート
‡
抗原検出
ターゲット *
クローン
Qdot 605
Qdot 705
Qdot 800
§
§
Q22142§
CD2
S5.5
CD3e
S4.1 (7D6)
Q10012
S4.1 (7D6)
Q10484§
CD4
CD4
†
CD8
Q10172
Qdot 655
Q22140
Q10054
S3.5
Q10008
Q10007
S3.5
Q10480§
Q10482§
Q10485§
§
Q22164§
Q22165§
Q10059
Q22157§
Q10092
Q22163
3B5
Q10009
Q10055
3B5
Q10481§
Q10483§
§
Q22136§
Q10481 "
CD14
HIT2
Q10053
TüK4
Q10013
SJ25-C1
Q10306
CD19
_Q10060
RM4-5
MEM-78
†
Q22149§
UCHT1
CD10
CD19
Q22141
6D5
Q22160
CD27
CLB-27/1
Q10065
CD38
HIT2
Q10064
§
Q10056
Q22137§
Q22139§
Q10179
Q22138§
Q22162§
Q10379
§
Q22161
Q22152§
Q10066
Q22150§
§
Q10156
Q22168§
Q10062
CD45
H130
Q10051
Q22154
CD45R †
RA3-6B2
Q22166§
Q10176
Q22167§
Q10069
Q22155
§
Q22159
§
CD45RA
HLADR(クラス II)
MEM-56
Tü36
アイソタイプコントロール マウス IgG2a
Q10047
Q22153§
Q10052
Q22158
Q10014
Q10015
§
Q22156§
Q10063
* すべての抗体の宿主動物は、他に記載のない限りマウスです。これらはすべて研究用にのみ使用できる製品です。他に記載のない限り、診断用には使用できません。
14
†宿主動物はラットです。
‡すべての製品の容量は、他に記載のない限り 100 回分です。
§本製品の容量は 25 回分です。
mCherry ラットモノクローナル抗体コンジュゲート
700
質は、その優れた輝度と光安定性、成熟速度によって生理学的プロセスのモニタリン
グや導入遺伝子発現の検出に不可欠の赤色蛍光タンパク質となりつつあります。
600
500
Count
mCherry 蛍光タンパク質用にアフィニティー精製した当社のラットモノクローナル抗
体用蛍光コンジュゲート(表 6)は、フローサイトメトリーで野生型および変異型の
mCherry または mCherry 融合タンパク質を検出できます(図 16)。完全長の mCherry
を免疫原として使用しているため、生成されたモノクローナル IgG2a アイソタイプ抗
体は野生型および変異型の mCherry を検出します。mCherry 単量体赤色蛍光タンパク
400
300
200
100
0
表 6. mCherry ラットモノクローナル抗体(クローン 16D7)コンジュゲート
色素コンジュゲート
レーザー色
励起 / 発光波長(nm)
製品番号
Pacific Blue dye
バイオレット
405/455
M11238
Alexa Fluor 488
ブルー
488/519
M11239
Alexa Fluor 594
レッド
590/617
M11240
Alexa Fluor 647
レッド
650/668
M11241
抗体標識
SiteClick 抗体標識システム
103
104
105
106
Pacific Blue fluorescence
図 16. mCherry タ ン パ ク 質 を 発 現 し、
Pacific Blue 色素コンジュゲート ラット抗
mCherry 抗体(製品番号 M11238)で標識
した後、ゲーティングした U2-OS 細胞の
ヒストグラム
サ ン プ ル は、Attune Acoustic Focusing
Cytometer を使用して 405 nm レーザーで
励起、522/31 nm バンドパスフィルターで
シグナルを収集し解析しました。
抗体
• ポリクローナル抗体
• モノクローナル抗体
• 組み換え抗体
β-ガラクトシダーゼ
GalT(Y289L)
UDP-GalNAz
抗原検出
当社は、蛍光シグナルの強い Alexa Fluor 色素や Qdot ナノクリスタル、R-フィコエリ
スリン(R-PE)だけでなく、ビオチンまでを 10 µg 未満から 1 mg の IgG 抗体に直接
結合させる多様な標識キットを提供しています。抗体に直接標識すると、1回の染色
で 2 つ以上の同種の抗体を使用できるようになります。お客様のアプリケーション向
けに最適化した標準的な標識試薬や、クリックケミストリ法による部位特異的な標識
が使用できます。ここでは、フローサイトメトリー用一次抗体の簡単な標識法を 2 種
類ご紹介します。詳しい説明と製品群については、ウェブサイト www.thermofisher.
com/flow-antibodylabeling をご覧ください。
102
N3
N3
N3
N3
アジド活性化抗体
• 100 µg の IgG 抗体を標識できる試薬を同梱
• わかりやすい段階的なプロトコール
DIBO アルキン標識
• 再現性の高い部位特異的な高性能標識試薬
• フローサイトメトリー用 R-PE/Qdot 標識
InvitrogenTM SiteClickTM システムは、抗体の部位選択的標識を身近なものにする新たな
技術を提案します。モジュール式のクリックケミストリによるこの標識法を使用する
と、基本的にすべての抗体の重鎖 N 結合型グリカンを酵素標識できます。SiteClick 部
位選択的標識法は、煩雑で不安定になりがちな従来の抗体標識法と異なり、抗体に高
い安定性と再現性で標識を結合させます。検出分子の選択肢も多彩です。
SiteClick システムの部位選択的標識法(図 17)は、従来のアミンまたはチオール反応
性標識試薬で起こりやすい抗原結合ドメインのかく乱を抑えます。修飾前に遺伝子操
作で標識部位を抗体に組み込む必要もありません。この部位選択的標識法は、特に内
部や周辺にリジン残基を含む抗体結合ドメインをモノクローナル抗体で標識する際に
効果的です。このようなドメインの標識では、抗原結合がかく乱されやすいためです。
またモノクローナル抗体は、還元システイン標識に使用されるジスルフィド結合還元
試薬に対する感受性に差があり、部分的に分離した抗体の断片が残ることで抗体との
結合能や収量が損なわれる危険もあるためです。
部位選択的に標識された抗体
図 17. SiteClick 抗体標識システム
最初にβ -ガラクトシダーゼで重鎖 N 結合
型グリカンから末端ガラクトース残基を除
去し、修飾可能なすべての GlcNAc 残基を
露出させます。次に、末端 GlcNAc 残基に
GalT(Y289L)酵 素 で GalNAz を 酵 素 結 合
させ、遊離末端 GlcNAc 残基をアジドタグ
で活性化します。最後にアジド残基をジベ
ンゾシクロオクチン(DIBO)で官能基化し
たプローブ(Alexa Fluor 488 DIBO alkyne
など)と反応させると標識化抗体を作成で
きます。抗体 1 分子あたり平均 3 ∼ 3.5 分
子のプローブが結合します。
15
Zenon ラベリングテクノロジー
Zenon ラベリングテクノロジーは、マウス IgG1、IgG2a および IgG2b アイソタイプ
やウサギ、ヤギ、ヒト IgG 抗体用の使いやすい多用途標識システムです。優れた 色素
だけでなく、他社製のフルオロフォア、ビオチン、発光タンパク質、酵素などにも使
用できます。Zenon は、直接化学標識法に比べて次のようなメリットがあります。
• スピード ̶ ラベリング手順はわずか 10 分間
• 効率性 ̶ 溶液中の一次抗体をほぼ 100% 標識
• 経済性 ̶ 1 マイクログラム未満の抗体を標識
• 簡便性 ̶ 標識前後の抗体の精製不要
• 柔軟性 ̶ 1 回の実験に複数の一次抗体を簡単に使用
Zenon ラベリングテクノロジーは、フルオロフォア、ビオチン、酵素などを標識した
Fab フラグメントを使用し、インタクトな IgG 抗体の Fc 部位と結合して非共有結合
の標識複合体を形成します。Zenon 標識試薬は、目的の抗体の Fc 部位に対する高い
60
CD4 陽性細胞(%)
当社は R-PE や幅広い Qdot 標識(表 7)を用いた一連の SiteClick 抗体標識キットをフ
ローサイトメトリー用に設計し、提供しています。これらのキットは、初心者も熟練
研究者も毎回効率的に抗体を標識できるよう、わかりやすいワークフローを特長とし
TM
ています(図 18)。また抗体グリカンは異なる種でも保存性が高いため、SiteClick
標識も異なる抗体に対して再現性がきわめて高く、新たな抗体を獲得するたびに標識
を最適化する必要がありません。
詳しくは、ウェブサイト www.thermofisher.com/flow-siteclick をご覧ください。
初心者
熟練研究者
市販品:R-PE
40
20
0
SiteClick
Qdot 605
SiteClick
R-PE
図 18. 初心者にも熟練研究者にも効率的な抗体
標識
初心者と熟練研究者の双方が SiteClick Qdot 605
Antibody Labeling Kit と SiteClick R-PE Antibody
Labeling Kit を使用して抗 CD4 モノクローナル抗
体を 3 つずつ標識しました。これらの標識抗体で
ひとりのドナーの血液から単離した CD4 陽性細
胞を標識し、その後フローサイトメトリーで解析
しました。リファレンスサンプルには、市販の
R-PE 抗 CD4 抗体コンジュゲートを使用しまし
た。データは細胞全体に対する CD4 陽性細胞の
割合を、またエラーバーは各ユーザーが 3 つずつ
標識したサンプルのばらつきを示します。この初
心者は、これまでタンパク質の生体共役反応の経
験はありませんでしたが、熟練研究者と同等の効
率で標識できました。
親和性と選択性を確保するため、製造過程でアフィニティー精製されています。
Zenon 標識法は、免疫選択性を利用しているため、複合体形成前に抗体サンプルから
抗原検出
外因性タンパク質やアミン含有バッファーを取り除く必要はありません。この技術で
標識した抗体複合体は、直接標識した一次抗体と同等の蛍光強度または酵素活性を示
します。
Zenon 標識試薬は、幅広い色素(表 8)を混合したり組み合わせたりできるため、フロー
サイトメトリーで複数の色素と抗体を利用した実験が可能となり、柔軟性が高まりま
す。Zenon 抗体ラベリングテクノロジーおよびその他の抗体標識製品の詳細について
は、ウェブサイト www.thermofisher.com/flow-antibodylabeling をご覧ください。
表 7. SiteClick 抗体標識キット
16
製品名
レーザー色
発光波長(nm)
製品番号
SiteClick R-PE Antibody Labeling Kit
ブルー
578
S10467
SiteClick Qdot 525 Antibody Labeling Kit
UV、バイオレット、ブルー
525
S10449
SiteClick Qdot 565 Antibody Labeling Kit
UV、バイオレット、ブルー、グリーン
565
S10450
SiteClick Qdot 585 Antibody Labeling Kit
UV、バイオレット、ブルー、グリーン、イエロー
585
S10451
SiteClick Qdot 605 Antibody Labeling Kit
UV、バイオレット、ブルー、グリーン、イエロー
605
S10469
SiteClick Qdot 625 Antibody Labeling Kit
UV、バイオレット、ブルー、グリーン、イエロー
625
S10452
SiteClick Qdot 655 Antibody Labeling Kit
UV、バイオレット、ブルー、グリーン、イエロー
655
S10453
SiteClick Qdot 705 Antibody Labeling Kit
UV、バイオレット、ブルー、グリーン、イエロー、レッド
705
S10454
SiteClick Qdot 800 Antibody Labeling Kit
UV、バイオレット、ブルー、グリーン、イエロー、レッド
800
S10455
表 8. Zenon 標識キット選択ガイド
色素
マウス IgG1
Ex/Em*
マウス IgG2a
マウス IgG2b
ウサギ IgG
ヤギ IgG
ヒト IgG
Z25602
Z25402
Alexa Fluor 色素
†
Alexa Fluor 350
346/442
Z25000
Z25100
Alexa Fluor 405
402/421
Z25013
Z25113
Z25213
Z25313
Alexa Fluor 488
495/519
Z25002
Z25102
Z25202
Z25302
Z25205
Z25305
Alexa Fluor 546
556/573
Z25004
Z25104
Alexa Fluor 555
555/565
Z25005
Z25105
Alexa Fluor 568
578/603
Z25006
Z25106
Z25300
Z25304
Z25605
Z25306
Alexa Fluor 594
590/617
Z25007
Z25107
Z25207
Z25307
Z25607
Z25407
Alexa Fluor 647
650/668
Z25008
Z25108
Z25208
Z25308
Z25608
Z25408
Alexa Fluor 680
679/702
Z25010
Z25110
Z25210
Alexa Fluor 700
696/719
Z25011
Alexa Fluor 750
749/775
Z25312
標準的色素
†
Pacific Blue
410/455
Z25041
Pacific Green
411/500
Z11203
Pacific Orange
400/551
Z25256
フルオレセイン
494/518
Z25042
Z25156
Z25342
ビオチン
†
ビオチン XX
NA
フィコビリタンパク質およびタンデム色素
496§/578
§
Z25152
Z25252
Z25352
Z25452
Z25055
Z25155
Z25255
Z25355
Z25455
Z25151
Z25251
Z25351
Z25451
Z25154
Z25254
Z25354
Z25454
R-PE-Alexa Fluor 610
496 /630
Z25020
R-PE-Alexa Fluor 647
496§/668
Z25021
アロフィコシアニン(APC)
650/660
Z25051
APC-zAlexa Fluor 750
650/775
Z25031
NA
Z25054
抗原検出
R-PE
Z25052
‡
酵素
‡
horseradish peroxidase;
HRP
* おおよその最大励起波長と最大発光波長、単位は nm。
† Alexa Fluor 色素、標準的色素、ビオチンなどと組み合わせた各 Zenon 標識キットの容量は、標識 50 回分です。1 回の標識に必要な Zenon 試薬の量は、1µg の抗体を
標識できる量と定められています。
‡ フィコビリタンパク質または酵素と組み合わせた各 Zenon 標識キットの容量は、標識 25 回分です。タンデム色素と組み合わせたキットの容量は、標識 10 回分です。
§ 他にも 546 nm と 565 nm に励起のピークがあります。
N/A は該当なしの略。
詳細については、ウェブサイト www.thermofisher.com/flow-zenon をご覧ください。
17
二次検出
当社は、抗体やストレプトアビジンなどの幅広い二次検出試薬を提供しています。これらは優れた Alexa Fluor 色
素やフィコビリタンパク質、Alexa Fluor 色素とフィコビリタンパク質のタンデム色素(図 19)、Qdot 標識、ビオ
チン、酵素(ホースラディッシュペルオキシダーゼやアルカリホスファターゼ)などで標識されています。また、
二次抗体を使用して 2 つ以上のターゲットを同時に免疫検出するには交差反応が問題となりますが、これを避け
るために必要な免疫活性の異なる抗体も取り揃えています。
一部の代表的なコンジュゲートを表 9 にリストアップしました。お客様に最適の二次検出試薬については、オン
ラインの「二次抗体選択ツール」でご確認ください。このツールでは、ターゲット IgG のクラス(および性状)、
宿主動物種、反応性、コンジュゲートのタイプを特定し、検索結果を絞り込むことができます。最適の二次抗体
については、ウェブサイト www.thermofisher.com/flow-secondarydetection でご確認ください。
表 9. 二次検出試薬選択ガイド
色素またはラベル
Alexa
Fluor 405
Pacific
Blue
Pacific
Green
抗マウス IgG
A31553
P10993
P11204
抗ウサギ IgG
A31556
P10994
S32351
S11222
色素
Pacific
Orange
Alexa Fluor
488
S11200
Alexa Fluor
610–R-PE
Alexa Fluor
647–R-PE
APC
A11001
P852
A20980
A20990
A865
P31584
A11008
P2771MP
A20981
A20991
A10931
A11006
A10545
S32365
S11223
S866
S20982
S20992
抗ラット IgG
ストレプトアビジン
PE
Alexa
Fluor
750–APC
A21006
A10540
S868
S32362*
S21008
* プレミアムグレード
103
102
101
100
100
101
102
103
緑色蛍光
(CD8)
104
C
104
赤色蛍光
(CD3)
B
104
赤色蛍光
(CD3)
橙色蛍光
(CD4)
抗原検出
A
103
102
101
100
100
101
102
103
橙色蛍光
(CD4)
104
104
103
102
101
100
100
101
102
103
緑色蛍光
(CD8)
104
図 19. Alexa Fluor 610 R-Phycoerythrin Tandem Streptavidin Conjugate、Alexa Fluor488 色素、R-フィコエリスリン標識を使用して 3 種類の細胞表面マー
カーを同時に検出
塩化アンモニウムで赤血球を溶解除去した全血のリンパ球をビオチン化マウス抗ヒト CD3 抗体で標識しました。1% のウシ血清アルブミン(BSA)を含むリン酸
バッファー(PBS)で洗浄した後、Alexa Fluor 610–R-Phycoerythrin Tandem Dye–labeled Streptavidin(製品番号 S20982)でインキュベートしました。再度
細胞を洗浄し、Alexa Fluor 488 色素コンジュゲート抗ヒト CD8 抗体と PE コンジュゲート抗ヒト CD4 抗体で標識しました。さらに 1% BSA/PBS で洗浄した後、
Becton Dickinson FACScan フローサイトメーターを使用して励起波長 488 nm で標識を解析しました。緑色チャネル(525 + 10 nm)で CD8、橙色チャネル
(575 + 10 nm)で CD4、赤色チャネル(>650 nm)で CD3 が検出されました。それぞれの二変量プロットにおいて、(A)では CD4/CD8 陽性細胞、
(B)では
CD3/CD4 陽性細胞、(C)では CD3/CD8 陽性細胞の細胞群といった形で、予想通りの相互排他的な集団が現れました。
18
フローサイトメトリー抗体用カスタムサービス
フローサイトメトリー抗体用カスタムサービス
当社のカスタム抗体サービスは、効率的で機密保持に優れ、高品質を保証します。また専門のプロジェクトマネー
Molecular Probes® のカスタム抗体サービスは、効率的で機密保持に優れ、高品質を保証します。また専門のプ
ジャーがプロセス全般を通してお客様のプロジェクトを管理し、常に進捗状況を報告します。煩雑な作業は、当
ロジェクトマネージャーがプロセス全般を通してお客様のプロジェクトを管理し、常に進捗状況を報告します。
社のカスタムサービスにお任せください。
煩雑な作業は、当社のカスタムサービスにお任せください。
当社のカスタム 抗体サービスは、次のようなサービスを受託しています。
当社のカスタム抗体サービスは、次のようなサービスを受託しています。
•
•
•
•
•
•
•
•
コンジュゲーション ̶ お客様または当社の抗体に幅広い標識を結合
コンジュゲーション ̶ お客様または当社の抗体に幅広い標識を結合
調液 ̶ アジドフリーおよび多様なバッファーや濃度の試薬
調液 ̶ アジドフリーおよび多様なバッファーや濃度の試薬
パッケージング ̶ バルクサイズ
パッケージング ̶ バルクサイズ
混合 ̶(RUO)抗体プレミックス
混合 ̶(RUO)抗体プレミックス
詳細については、カスタムサービスに電子メール(jpcustom@lifetech.com)でお問い合わせください。
詳細については、カスタムサービスに電子メール(jpcustom@lifetech.com)でお問い合わせください。
製品紹介
結果まで約 10 秒。細胞カウントが楽しくなる。
Countess Ⅱ FL、Countess Ⅱ 自動セルカウンター
抗原検出
InvitrogenTM CountessTM Ⅱ FL、CountessTM Ⅱ 自動セルカウンターは、細胞カウ
抗
原
検
出
ントを迅速かつ正確に行うことが可能です。
タッチスクリーンでの直観的な操作、約 10 秒の正確な細胞数のカウント、オート
フォーカス機能による実験誤差の最小化で手間を大幅に削減します。
取得したイメージ画像データは画面上で見ることができ、計測が正確に行われて
いるか確認して次の実験に進むことができ、安心です。
19
Molecular Probes® | フローサイトメトリー製品 19
細胞解析
細胞の機能や活性、生存率を評価するため、当社は幅広い色素やキットを開発しました。
セルヘルスが実験のおもな目的であっても、または単に他の実験に不可欠な要素のひと
つであっても、お客様に最適のソリューションを提供します。詳しい説明と製品群につ
いては、ウェブサイト www.thermofisher.com/flow-cellhealth をご覧ください。
A
未固定
細胞生存率アッセイは、単に生細胞群と死細胞群を区別するためだけでなく、他の細
胞機能や処理と関連付けて使用することも、また死細胞群を解析サンプルから除去す
るために利用することもできます。ここでは、特にマルチカラーフローサイトメトリー
に便利なフローサイトメーターの単一のチャネルを使用する細胞生存率アッセイを 2
種 類 ご 紹 介 し ま す( 表 10)。 詳 細 説 明 と 製 品 群 に つ い て は、 ウ ェ ブ サ イ ト www.
thermofisher.com/flow-cellviability をご覧ください。
死細胞
生細胞
100
Count
細胞生存率
125
75
50
25
0
10 2
10 3
10 4
10 5
LIVE/DEAD Fixable Aqua fluorescence
B
150
固定処理後
死細胞
生細胞
Count
LIVE/DEAD Fixable Dead Cell Stain Kits
• 色素が固定処理後も細胞に残るため、細胞内免疫染色と生死解析が簡単に両立
• ほぼすべての染色法や免疫染色プロトコールに適応
100
50
• UV/405/488/633 レーザー用の 7 色から選択可能
0
LIVE/DEAD Fixable Dead Cell Stain Kit(30 ページの製品リストを参照)は、アミノ酸
を共有結合で標識しますが、正常な生細胞のサイトゾルには結合できません。色素は生
細胞と死細胞の双方で表面タンパク質に反応しますが、死細胞では損傷した細胞膜を
通って細胞質のタンパク質も標識するため、死細胞の蛍光シグナルは生細胞の 50 倍以
上となります。標識は共有結合のため、染色後に生死を判別するシグナルを損なうこと
なく細胞を固定および透過処理できます(図 20)。したがってサンプルを固定および透
過処理し、その後の分析中に死細胞を区別する必要がある場合、この試薬は理想的です。
LIVE/DEAD Fixable Dead Cell Stain は、幅広い励起レーザー源と検出チャネルに適し
た製品を取り揃えています。またコンペンセーションコントロールには、LIVE/DEAD
Fixable Dead Cell Stain と ArC Amine Reactive Compensation Bead Kit(A10346、
8 ページを参照)の組み合わせが最適です。
10 2
10 3
10 4
10 5
LIVE/DEAD Fixable Aqua fluorescence
図 20. LIVE/DEAD Fixable Dead Cell Stains
の固定処理後の定着性
Jurkat 細胞の生細胞(左)と熱処理済み細胞
( 右 )の 混 合 液 を 2 つ に 分 け、LIVE/ DEAD
Fixable Aqua Dead Cell Stain Kit( 製 品 番 号
L34957)を使用して別々に染色しました。(A)
の細胞は未固定、(B)の細胞は染色後 3.7% ホ
ルムアルデヒドで固定しました。サンプルは、
励起波長 405 nm、発光波長∼ 525 nm で解析
しました。
細胞解析
実験サンプルに異常な細胞や死細胞がうっかり混入すると、結果に大きな影響を与える
恐れがあります。たとえば死細胞がイムノフェノタイピング解析に混入すると、特にレ
アなフェノタイプの検出でデータが損なわれる可能性があります。Perfetto ら(2006)は、
白血球のイムノフェノタイピングの際、フローサイトメトリーの散乱光のゲーティング
だけでは死細胞を解析から完全に排除できないと述べています(参考資料は図 21 を参
照)
。LIVE/DEAD Fixable Dead Cell Stain を使用すると、解析から効率的に死細胞を除去
できるため、大幅にアッセイの精度が向上します。
表 10. 細胞生存率アッセイ選択ガイド
製品名
ターゲット
固定処理 *
洗浄の
要不要
生細胞の
蛍光強度
死細胞の
蛍光強度
アプリケーション
LIVE/DEAD Fixable Dead
Cell Stains
細胞の表面と内部のタンパク質
可
要
非常に弱い
非常に強い
イムノフェノタイピング
SYTOX Dead Cell stains
核酸
不可
不要
非常に弱い
非常に強い
生細胞解析、
死細胞除去
Propidium lodide Ready
Probes Reagent
核酸
不可
要
非常に弱い
非常に強い
生細胞解析、
死細胞解析
* ホルムアルデヒド固定のみ
20
SYTOX Dead Cell Stains
• 簡単に死細胞を判別する親和性の高い核酸染色剤
• スペクトルのオーバーラップを抑えたマルチカラーでマルチプレックス解析の性能を向上
• 添加、インキュベート、解析のシンプルなプロトコールによって洗浄ステップが不要
InvitrogenTM SYTOXTM Dead Cell Stains(30 ページの製品リストを参照)は、細胞膜に損傷のない細胞は染色しま
せんが、細胞膜の損なわれた細胞では迅速に内部に浸透して染色します。この色素は、ひとたび細胞に取り込ま
れると DNA に結合し、蛍光シグナルを大幅に強めます。そのため生細胞は非蛍光のままですが、死細胞は強い蛍
光を発します。SYTOX 染色剤は、幅広い励起レーザー源に対応します。この染色剤は、その後の解析用に生細胞
をゲーティングするための「ダンプチャネル」に多く利用されます(図 22)。また洗浄ステップも不要です。むし
ろ SYTOX Dead Cell Stains は DNA に共有結合しないため、解析中に色素の濃度を常に維持する必要があります。
リンパ球のゲーティング
AA
生存率のゲーティング
B
B
A
A
生細胞
死細胞
150
Count
FSC-A
FSC-A
200
生細胞
死細胞
100
50
CD8–Q705 fluorescence
0
0
102
103 104
105
SYTOX Red fluorescence
B
B
CD3–Alexa Fluor 488 fluorescence
D
D
CD4–Cy 5.5-PE fluorescence
C
C
LIVE/DEAD Fixable Violet fluorescence
CD4–Cy 5.5-PE fluorescence
SSC
105
104
CD8–Q705 fluorescence
0
0 103 104
105
CD8–R-PE fluorescence
図 22. SYTOX Dead Cell Stains を用いた生細胞のゲーティング
熱処理済みおよび未処理のヒト末梢血白血球を混合し、Alexa Fluor 488
色素コンジュゲート抗ヒト CD3 抗体と R-PE コンジュゲート抗ヒト
CD8 抗体、5 nM SYTOX Red Dead Cell Stain(製品番号 S34859)で染
色した後、488 nm/635 nm レーザー励起のフローサイトメトリーで解析
しました。(A)のヒストグラムは 2 つの細胞群の分布を示します。死細
胞は SYTOX 赤色蛍光シグナルを強く発していますが、生細胞はほとん
ど発していません。(B)は生細胞でゲーティングした後の CD8 と CD3
の 2 つの蛍光パラメータによるプロットです。
細胞解析
図 21. 死細胞の除去により解析から染色アーチファクトを排除
(A)で リ ン パ 球 を ゲ ー テ ィ ン グ し た 後、(B)で LIVE/DEAD Fixable Violet
Dead Cell Stain Kit(製品番号 L34955)を用いて生細胞と死細胞を判別しまし
た。散乱光でゲーティングしたにもかかわらず、多くの死細胞が残っていたこ
とに注目してください。その後、
(C)で死細胞を、また(D)で生細胞を解析し、
この 2 つの細胞群のフェノタイプが明らかに異なることを示しました
(Perfetto SP, Chattopadhyay PK, Lamoreaux L, et al. (2006) J Immunol
Methods 313:199–208 より Elsevier の許可を受けて転載)。
103
21
細胞増殖
細胞増殖を促進または抑制する因子を特定する作業は、細胞生物学や創薬研究の分野できわめて重要です。細胞
TM
TM
増殖を評価する既存の試薬(Invitrogen CellTrace Cell Proliferation Kit)と新生 DNA の合成量を測定する最新
TM
TM
の技術(Invitrogen Click-iT Plus EdU 標識)の双方を提供しています(表 11)。詳細説明と製品群については、
ウェブサイト www.thermofisher.com/flow-cellproliferation をご覧ください。
Click-iT Plus EdU Flow Cytometry Assay Kits
• BrdU アッセイに比べて優れた精度を発揮しつつデータのばらつきは最低限(低い CV 値)
• 5 段階の円滑なプロトコール
• GFP、mCherr、APC、PerCP、PE その他のフルオロフォアと組み合わせてマルチプレックス解析が可能
細胞群の中で増殖する細胞は、修飾ヌクレオシドを新生 DNA に取り込ませて測定することで間接的に検出できま
す。EdU(5-エチニル -2´-デオキシウリジン)は、DNA が合成される過程で取り込まれるヌクレオシド アナログ
です。Click-iT Plus EdU Flow Cytometry Assay Kit は、アルキンと蛍光標識したピコリルアジドとの間で安定し
た共有結合を形成する銅触媒反応によって EdU(アルキンを含む)を検出します。使用するピコリルアジド検出試
薬は低分子です。これは蛍光標識が効果的にインタクトな DNA に結合し、細胞を強い試薬で処理する必要のない
ことを意味します。
これまで DNA 合成は、ヌクレオシド類似体ブロモデオキシウリジン(BrdU)を DNA に取り込み、抗 BrdU 抗体で
検出して測定していました。この手法は、開発当時は便利でしたが、BrdU を抗体に曝露するには(酸、熱、
DNase などによる)DNA の変性が必要なため、変性処理によってサンプルの品質に悪影響を与える可能性があり
ました。Click-iT Plus EdU Flow Cytometry Assay は、DNA の変性が不要で、プロトコルを飛躍的に簡略化しなが
。また Click-iT Plus EdU 標識は、固定化プロトコールにも対応します。
ら同等以上の結果を提供します(図 23)
Click-iT Plus Kit は、蛍光タンパク質と組み合わせて使用できます。従来の Click-iT 反応ではアジドを使用してい
ましたが、Click-iT Plus 反応では代わりに修飾アジドを使用しているためです。修飾の結果、サンプルに含まれ
る遊離銅の濃度が大幅に低下するため、蛍光タンパク質(R-PE、R-PE タンデム色素、GFP など)の発する蛍光
シグナルが減弱しません。Click-iT Plus EdU 反応のスピードと精度は、従来の Click-iT EdU 反応と同等です。キッ
トの種類については、30 ページの製品リストをご覧ください。
200 200200
B
900 900900
800 800800
700 700700
Count
Count
100 100100
600 600600
Count
Count
Count
細胞解析
Count
150 150150
500 500500
400 400400
300 300300
50
50 50
200 200200
100 100100
0 0
0
101 10110
1012 10210
1023 10310
1034 10410
1045 10510
1056 106106
Click-iT
Click-iT
Click-iT
EdUEdU
plus
EdU
plus
Alexa
plus
Alexa
Alexa
FluorFluor
488
Fluor
488
488
fluorescence
fluorescence
fluorescence
0 0
0
0.0 0.00.00.5 0.50.5 1.0 1.01.0 1.5 1.51.5 2.0 2.02.0
6
6 6
FxCycle
FxCycle
FxCycle
Violet
Violet
Violet
fluorescence
fluorescence
fluorescence
(x10(x10
) (x10
) )
C
Click-iT EdU plus
Alexa Fluor 488 fluorescence
Click-iT EdU plus
EdU
plus
Alexa Click-iT
Fluor 488
fluorescence
Alexa Fluor 488 fluorescence
A
106 106106
105 105105
104 104104
103 103103
102 102102
0.0 0.00.00.5 0.50.5 1.0 1.01.0 1.5 1.51.5 2.0 2.02.0
6
6 6
FxCycle
FxCycle
FxCycle
Violet
Violet
Violet
fluorescence
fluorescence
fluorescence
(x10(x10
) (x10
) )
図 23. Click-iT Plus EdU Alexa Fluor 488 Flow Cytometry Assay Kit と FxCycle Violet Stain を使用した細胞増殖解析
Jurkat 細胞を 10 µM EdU で 1 時間処理し、Click-iT Plus EdU Alexa Fluor 488 Flow Cytometry Assay Kit のプロトコール(製品番号 C10632)に従って Alexa
Fluor 488 ピコリルアジドで染色した後、FxCycle Violet Stain(製品番号 F10347)で染色しました。次に細胞を励起波長 488 nm(Click-iT EdU Alexa Fluor 488
色素)と 405 nm(FxCycle Violet Stain)のフローサイトメトリーで解析しました。(A)のヒストグラムでは S 期の細胞(EdU の取り込みを含む DNA 合成)と
G2/M 期または G0/G1 期の細胞が明確に分離されています。(B)のヒストグラムでは、FxCycle Violet Stain を用いた DNA 含有量の分布が表示されています。
G0/G1 期と G2/M 期のピークの間に S 期の細胞が分布しています。(C)Click-iT Plus EdU と FxCycle の 2 つのパラメータによるプロットでは、二重陽性を示
す細胞によって S 期の細胞の割合が直接測定できます。
22
表 11. 細胞増殖アッセイ選択ガイド
製品名
ターゲット
固定処理
マルチプレックス解析
Click-iT Plus EdU Flow Cytometry Assay Kits
新生 DNA への取り込み
可
可
アプリケーション
細胞増殖
CellTrace Cell Proliferation Kits
リジン含有タンパク質
可
可
世代解析
CellTrace Cell Proliferation Kits
• 明るい単一のピークを形成し、複数の世代を視覚化
• 染色後、細胞内で数日間安定性を保持
• 細胞の増殖能やメカニズムに影響を与える既知の細胞毒性なし
• 細胞機能アッセイ用の抗体やマーカー(GFP など)との組み合わせが簡単なマルチカラー
• シンプルで信頼性の高い染色プロトコール
CellTrace 色素製品は、CellTrace CFSE Dye(製品番号 C34554)と CellTrace Violet Dye(製品番号 C34557)、
CellTrace Far Red Dye(製品番号 C34564)の 3 種類で構成されています。これらはすべてリジン側鎖と他の有
効なアミンとの反応によって細胞タンパク質と自然かつ不可逆的に結合します。細胞が分裂する際、CellTrace 標
識色素は娘細胞に平等に分配されるため、増殖している細胞群の世代が進むごとに細胞の蛍光シグナル強度が半
減します。CellTrace CFSE と CellTrace Violet はどちらも 8 ∼ 10 世代の細胞解析が可能です(図 24)。CellTrace
色素は、すべて他の細胞機能解析用プローブやマーカーと組み合わせて使用できます。また CellTrace Violet と
CellTrace Far Red は、緑色蛍光とは異なるレーザーと検出チャネルを使用するため、GFP やフルオレセインその
他の緑色蛍光プローブとのマルチプレックス解析が可能です。
A
B
C
100
4000
100
80
80
2000
1000
60
40
20
103
104
105
106
CellTrace Violet fluorescence
0
103
60
40
20
104
105
106
CellTrace CFSE fluorescence
0
103
104
105
106
細胞解析
0
102
Count
Count
Count
3000
CellTrace Far Red fluorescence
図 24. CellTrace 試薬を用いた世代トレーシング
(A)CellTrace Violet 試薬を用いて 8 世代にわたる細胞増殖を追跡しました。ヒト末梢血単核球を採取し、CellTrace Violet 試薬で染色しました。その後、マウス
抗ヒト CD3 抗体(製品番号 MHCD0300)およびインターロイキン 2(製品番号 PHC0027)で 7 日間刺激しました。ヒストグラムの各ピークは、CD4 陽性生細
胞の連続した世代を表します。刺激していない親世代の細胞は、赤で示しました。(B)は CellTrace CFSE、(C)は CellTrace Far Red を用いて 7 世代の細胞増
殖を追跡しました。ヒト T リンパ球を採取し、上記の試薬で染色しました。その後、マウス抗ヒト CD3 抗体(製品番号 MHCD0300)で 5 日間刺激しました。
ヒストグラムの各ピークは、SYTOX Green(製品番号 S34860)陰性生細胞の連続した世代を示します。刺激していない親世代の細胞は、青(CellTrace CFSE)
お よ び バ イ オ レ ッ ト(CellTrace Far Red)で 示 し ま し た。 す べ て の 解 析 に Attune Acoustic Focusing Cytometer を 使 用 し ま し た。CellTrace Violet は
405 nm レーザーで励起後 450/40 nm バンドパスフィルターで、また CellTrace CFSE は 488 nm レーザーで励起後 530/30 nm バンドパスフィルターで、
CellTrace Far Red は 638 nm レーザーで励起後 660/20 nm バンドパスフィルターでシグナルを検出しました。
23
A
A
捉えることができます。フローサイトメトリーは、モデリングアルゴリズムと組み合わ
せると G0/G1 期、S 期または G2/M 期にある細胞もしくは倍数性を示す細胞を評価す
る強力なツールとなります。当社の蛍光色素は、生細胞群でも固定細胞群でも正確に細
胞周期を解析できます(表 12)。詳細説明と製品群については、ウェブサイト www.
thermofisher.com/flow-cellcycle をご覧ください。
Vybrant DyeCycle Stains
• マルチプレックス解析を簡単にするマルチカラー
• 細胞周期の各ステージに基づくソーティングが可能
BB
105
104
103
102
生細胞
50
100
150
200
FxCycle Stains
• マルチカラー細胞周期研究の柔軟性を向上
• 488 nm 励起染色試薬のコンペンセーションはほぼ不要
• 変動係数の小さなデータで正確な解析
1,000
0
0
50
100
150
200
250
Vybrant DyeCycle Green fluorescence
図 25. Vybrant DyeCycle Stains を用いた生細胞
のゲーティング
培 養 に よ り 異 常 増 殖 し た Jurkat 細 胞 を Vybrant
DyeCycle Green Stain(製品番号 V35004)で染色
した後、SYTOX Blue Dead Cell Stain(製品番号
S34857)で染色し、488 nm および 405 nm 励起
のフローサイトメーターで解析しました。(A)で
生細胞をゲーティングし、(B)のヒストグラムを
作成して生細胞の DNA 含量の分布を示しました。
G0/G1 期と G2/M 期のピークの間に S 期の細胞
が分布しています。死細胞がデータに含まれてい
れば異常な結果が現れたと推測されます。
InvitrogenTM FxCycleTM Violet Stain( 製 品 番 号 F10347)、FxCycle PI/RNase Staining
Solution(製品番号 F10797)、または FxCycle Far Red Stain(製品番号 F10348)を用い
た細胞周期解析は、使用しないレーザーや検出チャネルを細胞増殖(22 ページの図 23)
細胞解析
24
250
500
生細胞
Vybrant DyeCycle Stains は、生細胞の DNA プロファイリング用染色
0
50
100
150
200
250
剤です。励起光は 405、488、532、633 nm より選択できます。この染色剤は通常、
Vybrant DyeCycle Green fluorescence
死細胞を解析から除外するため死細胞染色剤(図 25)と組み合わせて使用します。
Vybrant DyeCycle Stains は細胞毒性が低く、染色細胞を細胞周期の各ステージに基づ
きソーティングした後、培養または機能評価できます。試薬の種類については、30 ペー
ジの製品リストをご覧ください。
Invitrogen
TM
1,000
500
102
1,500
死細胞
• バイオレットレーザーによる幹細胞 side population の同定が可能
TM
103
2,000
Count
A
2,000
1,500
死細胞
Vybrant DyeCycle Green fluorescence
• セルソーティングその他の生細胞実験用の低い細胞毒性
TM
104
0
SYTOX® Blue fluorescence
• 生細胞の細胞周期を正確に解析
B
105
Count
DNA 含量を検出することによって、細胞群を異なる細胞周期のステージごとに分けて
SYTOX® Blue fluorescence
細胞周期
やイムノフェノタイピング、アポトーシス、細胞生存率といった他の細胞アッセイに振
り分けられるため、マルチプレックスが簡単です。FxCycle Stains は、固定および透過
処理した細胞の染色用に作製され、細胞群に含まれる各細胞の DNA 含量に比例した蛍光
シグナルを発します。
表 12. 細胞周期アッセイ選択ガイド
製品名
ターゲット
生細胞への適用
マルチプレックス解析
アプリケーション
Vybrant DyeCycle Stains
DNA
可
可
生細胞解析
FxCycle Stains
DNA
不可
可
固定細胞解析
0
0
Vy
アポトーシス
SYTOX ADDvanced
fluorescence
106
SYTOX ADDvanced
fluorescence
SYTOX ADDvanced
fluorescence
102
–10
• アポトーシス解析のためにカスパーゼ 3/7 基質を最適化
保存
3
–10
–103 –102
A
105
105
• 生細胞の蛍光イメージングにもホルマリン固定にも対応
Invitrogen TM CellEvent TM Caspase-3/7 Green Flow Cytometry
Assay Kit(製品番号 C10427)にはカスパーゼ 3 または 7 で切断さ
れる基質が含まれており、これが切断後に DNA に結合して明るい蛍
光を発してカスパーゼ活性を検出します(図 26)。
A
10 3
105
誘導
106
誘導
105
104
102
–103
V
–104
–103 –102
105
103
CellEvent Caspase-3/
N
105
104
102
–103
V
A
4
CellEvent Caspase-3/7 Green fluorescence
カスパーゼは、アポトーシスの開始と誘導に重要な役割を果たす一
連の酵素です。そのためカスパーゼの活性化は、アポトーシスの初
期段階に見られる顕著な特徴です。当社は、多彩なフローサイトメ
トリー用カスパーゼ アッセイを提供しています。そのひとつである
106
–10
–103 –102
4
10 3
V
CellEvent Caspase-3/7 Green fluorescence
B
B
104
V
104
–104
–103 –102
5
• シンプルな洗浄不要のプロトコールで繊細なアポトーシス細胞を
105
B
N
102
–103
6
CellEvent Caspase-3/7 Green
Flow Cytometry Assay Kit
コントロール
SYTOX ADDvanced
fluorescence
AA
アポトーシスは、生化学的にも、また形態的にもネクローシスとは
異なる変化の過程を示します。アポトーシス細胞は、核クロマチン
や細胞質の凝縮、膜結合型アポトーシス小体の形成というネクロー
シス細胞にはない形態学的特徴を備えています。また生化学的には、
アポトーシスはゲノムの断片化と特定の細胞タンパク質の分解また
は劣化によってネクローシスと区別されます。細胞生存率分析と同
様、アポトーシス解析でもひとつのパラメータですべての系の細胞
死を完全に定義することはできません。そのためアポトーシスを研
究する際は、複数の異なる手法を併用すると効果的です。ここでは
アポトーシスを評価するためのさまざまな手法と当社製品をご紹介
します(表 13)。
A
コントロール
アポトーシスについての詳細説明と製品群については、ウェブサイ
10
N
10
ト www.thermofisher.com/flow-apoptosis をご覧ください。
103
105
105
CellEvent Caspase-3/7 Green fluorescence
図 26. CellEvent Caspase-3/7 Green Flow Cytometry Assay Kit
を使用した Jurkat 細胞のカスパーゼ活性の検出
Jurkat 細胞(ヒト白血病 T 細胞)を(A)は DMSO で、また(B)は
10 µM カンプトテシンで 3 時間処理した後、CellEvent Caspase-3/7
Green Flow Cytometry Assay Kit(製品番号 C10427)で標識しまし
た。 染 色 サ ン プ ル は、488 nm レ ー ザ ー 搭 載 の Attune Acoustic
Focusing Cytometer で 解 析 し ま し た。CellEvent 試 薬 に は 530/30
nm バンドパスフィルターを、また SYTOX AADvanced 染色剤(キッ
トに同梱)には 690/50 nm バンドパスフィルターを使用して蛍光シ
グナルを収集しました。カンプトテシンで処理した細胞(B)は、コ
ントロール細胞(A)に見られる基礎レベルに比べてアポトーシスの
比率が高いことに注目してください。A はアポトーシス細胞、N はネ
クローシス細胞、V は生細胞を示します。
製品名
ターゲット
固定処理
マルチプレックス解析
使用するチャネル数
CellEvent Caspase-3/7 Green
Flow Cytometry Assay Kit
カスパーゼ 3/7
可
可
1
アネキシン V コンジュゲート
ホスファチジルセリンの露出
可
可
1
MitoProbe JC-1 Assay Kit
ミトコンドリア膜電位
不可
可
2
Violet Ratiometric Membrane Asymmetry
Probe/Dead Cell Apoptosis Kit
膜非対称性
不可
可
3
細胞解析
表 13. アポトーシス アッセイ選択ガイド
25
A
ヨウ化プロピジウム蛍光
• InvitrogenTM の色素にコンジュゲートし、優れた感度を実現
• あらゆるレーザーに対応し、マルチプレックス解析の性能を向上
• 単独の試薬としても、また使いやすいキットとしても入手可能
ヨウ化プロピジウム蛍光
4
MitoProbe JC-1 Assay Kit
B
2
10 1
10 1
10 2
10 3
10 4
Alexa Fluor 488 fluorescence
• 多様な細胞に使用可能
• 488 nm 励起または 633/635 nm 励起の双方を提供
• コンペンセーションの手間を削減できる選択肢あり
InvitrogenTM MitoProbeTM JC-1 Assay Kit(製品番号 M34152)は、ミトコンドリア膜
電位の解析用にカチオン性蛍光色素 JC-1、カルボニルシアニド 3-クロロフェニルヒド
ラゾン(CCCP、ミトコンドリア膜電位脱共役剤)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、
濃縮リン酸バッファー(PBS)を組み合わせました。JC-1 は、膜電位の高さに応じて
ミトコンドリア内に集積し、濃度依存的な J 会合体を形成して蛍光シグナルを緑(~529
nm)から赤(~590 nm)に変化させます(図 28)。ミトコンドリアの脱分極が進むと、
赤色蛍光の緑色蛍光に対するシグナル強度の低下という形で現れます。この色の変化は
膜電位にのみ依存しており、単一成分の蛍光測定では影響を受けやすい他の要素(ミト
コンドリアのサイズや形、密度)に影響されません。そのためこの蛍光色の比率検出法
は、膜電位測定法のひとつとして活用できるだけでなく、目的の細胞群に刺激剤を添加
した場合の反応細胞の割合を判断する指標ともなります。
105 105
105 105
104 104
103 103
103 103
処理済
JC-1 赤色蛍光
赤色蛍光 - BL-3
fluorescence
JC-1 redJC-1
JC-1 red fluorescence - BL-3
細胞解析
B
未処理
A
104 104
104 104
JC-1 緑色蛍光
105 105
103 103
103 103
104 104
105 105
JC-1 緑色蛍光
図 28. 2 µM JC-1 で染色した Jurkat 細胞
MitoProbe JC-1 Assay Kit(製品番号 M34152)に同梱の各試薬で細胞を染色し、37°
C、5% CO2 で 20 分間
インキュベートしました。次に PBS で洗浄し、488 nm レーザー搭載の Attune Acoustic Focusing Cytometer
で 530/30 nm バンドパスフィルターと >640 nm ロングパスフィルターを使用して解析しました。(A)は未処
理の培養細胞、
(B)は 10 µM カンプトテシンを用いて 37°
C で 5 時間処理し、アポトーシスを誘導した細胞です。
26
10 3
10 2
V
A
10 1
10 1
10 2
10 3
10 4
Alexa Fluor 488 fluorescence
3
10 0
10 0
• 使いやすく既存の研究プロトコールに対応
10 4
D
10 0
10 0
10 4
ヨウ化プロピジウム蛍光
アポトーシスのもうひとつの特徴は、通常は細胞膜の内側に存在するホスファチジルセ
リン(PS)が細胞表面に露出することです。アポトーシス細胞でひとたびこの露出が始
まると、PS は蛍光標識したアネキシン V(PS 結合タンパク質)が結合することで検出
できるようになります。当社は、明るく光安定性に優れた当社の Alexa Fluor 色素コン
V を提供します。また
ジュゲート(図 27)をはじめとする多彩な蛍光標識アネキシン
10
アネキシンを他の細胞生存率および細胞機能アッセイ用プローブと組み合わせ、フロー
D
サイトメトリーを用いたアポトーシス細胞のマルチパラメータ解析ができるよう最適化
10
したキットも提供しています。代表的な 3 つのキットとおもなアネキシン V 蛍光コン
ジュゲートを 31 ページの製品リストにまとめました。すべてのアポトーシスキットに
10
V をご覧ください。
ついては、ウェブサイト www.thermofisher.com/flow-annexin
A
10 4
ヨウ化プロピジウム蛍光
アネキシン V コンジュゲートとキット
D
10 3
10 2
V
A
10 1
10 0
10 0
10 1
10 2
10 3
10 4
Alexa Fluor 488 fluorescence
図 27. Alexa Fluor 488 アネキシン V コンジュ
ゲートとヨウ化プロピジウムを用いた Jurkat
細胞のフローサイトメトリー解析
Jurkat 細 胞( ヒ ト 白 血 病 T 細 胞 )を(A)は
10 µM カンプトテシンで 4 時間処理し、
(B)は
コントロールとして未処理のまま残しました。
その後、Dead Cell Apoptosis Kit with Annexin
V Alexa Fluor 488 & Propidium Iodide(製品番
号 V13245)に同梱の各試薬で処理し、フロー
サイトメトリーで解析しました。カンプトテシ
ンで処理した細胞は、コントロール細胞に比べ
てアポトーシス細胞(プロット内の円 A)の比
率が大幅に高いことに注目してください。V は
生細胞、D は死細胞を示します。
10 3
10 2
10 1
10 0
10
膜非対称性プローブ
• トリプシン処理細胞の正確なアポトーシス解析が可能
• シンプルな 5 分間染色プロトコール
• 他の青色励起アポトーシス染色剤に適合
InvitrogenTM Violet Ratiometric Membrane Asymmetry Probe/Dead Cell Apoptosis Kit(製品番号 A35137)は、
バイオレットレーザー搭載のフローサイトメーターを用いて死細胞を識別しながらアポトーシスを検出する使い
やすい効率的なキットです(図 29)。Violet Ratiometric Membrane Asymmetry Probe がアポトーシスの過程で
起こる膜非対称性の変化を検出します。接着細胞と浮遊細胞の双方で良好に機能し、カスパーゼ検出やミトコン
ドリア膜電位の変化のような他のアポトーシス指標とも相関性があります。プローブの色素は、励起状態分子内
プロトン移動(ESIPT)反応を起こすため、530 nm と 585 nm に相当する 2 つの発光波長を持つ二重蛍光を発し
ま す。 こ の 2 つ の 蛍 光 シ グ ナ ル が、 表 面 電 荷 の 変 動 に 対 し て 2 色 の レ シ オ メ ト リ ッ ク な 反 応 を 示 し ま す。
F2N12S プローブを SYTOX AADvanced Dead Cell Stain と組み合わせると、後期アポトーシス細胞またはネク
ローシス細胞でのみ細胞膜を通過できるため、早期アポトーシス細胞との識別が可能です。
このアッセイは、アネキシンベースのアッセイとは異なり、特殊なバッファーや洗浄ステップを必要としません。
そのため接着細胞の解析の際、物理的または化学的な剥離手順で起こりがちな細胞膜の損傷を受けにくく、より品
質の高いデータが得られます。
A
B
196,608
262,144
F2N12S 緑色蛍光
F2N12S 緑色蛍光
262,144
A+D
131,072
65,536
196,608
A+D
131,072
65,536
L
0
0
65,536
131,072
L
196,608
0
262,144
0
65,536
105
D
D
10
4
L
A
102
101
0
1,250
2,500
3,750
F2N12S ratio 585 nm/530 nm
fluorescence x 1,000
196,608
262,144
5,000
105
D
10
4
103
細胞解析
103
131,072
F2N12S 橙色蛍光
SYTOX AADvanced fluorescence
C
SYTOX AADvanced fluorescence
F2N12S 橙色蛍光
L
A
102
101
0
1,250
2,500
3,750
5,000
F2N12S ratio 585 nm/530 nm
fluorescence x 1,000
図 29. Violet Ratiometric Membrane Asymmetry Probe によるアポトーシス検出
Jurkat 細胞(ヒト白血病 T 細胞)を 10 µM カンプトテシンで 4 時間処理したサンプル(パネル B と D)、およびコントロールとして未処理
のまま残したサンプル(パネル A と C)を調製しました。これらのサンプルをフローサイトメーターで解析しました。F2N12S は 405 nm
レーザーで励起後、585 nm および 530 nm バンドパスフィルターで、また SYTOX AADvanced Dead Cell Stain は 488 nm レーザーで励
起後、695 nm バンドパスフィルターでシグナルを検出しました。F2N12S が発する 2 つの蛍光波長の相対強度比によって、生細胞とアポ
トーシス細胞および死細胞が識別できます(A、B)
。パネル C と D では、F2N12S の 2 つの蛍光強度から得た比率パラメータ(585/530
nm)を横軸に、また SYTOX AADvanced Dead Cell Stain の蛍光シグナルを縦軸に取り、プロットを作成しました。A = アポトーシス細胞、
L = 生細胞、D = 死細胞。
27
その他の細胞機能アッセイ
CellROX Flow Cytometry Kits
• 活性酸素種(ROS)の存在下で酸化し、蛍光を発する蛍光プローブ
• 他の波長のレーザーで励起される蛍光色素とのオーバーラップが少なく、マルチプレックス解析が簡単
• 細胞を完全培地または他の所定のバッファー中で染色できるため、無血清培地が不要
ROS の生成は好気性生物にとって不可避ですが、正常な細胞では制御可能なレベルに抑えられています。しかし
酸化ストレスのもとでは ROS の生成が飛躍的に増え、膜脂質やタンパク質、核酸などにダメージを与えます。こ
れらの生体分子は、老化だけでなくさまざまな病理学的理由(アテローム性動脈硬化症や癌、虚血再灌流障害、神
経変性疾患など)でも酸化ダメージを受けます。
InvitrogenTM CellROXTM 試薬は、細胞の全体的な酸化ストレスを従来型の蛍光顕微鏡やハイコンテントスクリーニ
ング、マイクロプレート蛍光定量、フローサイトメトリーなどで測定するための蛍光プローブです(図 30)。この
105
死細胞
++
0.021%
3.01%
104
103
102
0
ROS+
0.852%
生細胞
96.1%
0
10
2
10
3
10
4
10
5
CellROX Deep Red fluorescence
細胞解析
28
0
10
2
10
3
10
4
10
5
CellROX Deep Red fluorescence
C
C
SYTOX Blue fluorescence
B
Count
A
SYTOX Blue fluorescence
色素は還元状態では非蛍光ですが、酸化されると明るい蛍光を発します。当社のフローサイトメトリー用キット
には、CellROX Green Flow Cytometry Assay Kit(製品番号 C10492)、CellROX Orange Flow Cytometry Assay
Kit(製品番号 C10493)、CellROX Deep Red Flow Cytometry Assay Kit(製品番号 C10491)の 3 種類がありま
す。製品の詳細については、ウェブサイト www.thermofisher.com/flow-cellrox をご覧ください。
105
++
1.25%
死細胞
4.74%
104
103
102
0
生細胞
ROS+
93.1%
0.901%
0
102
103
104
105
CellROX Deep Red fluorescence
図 30. フローサイトメトリーによる ROS 検出
(A)CellROX Deep Red Flow Cytometry Assay Kit(製品番号 C10491)に同梱の CellROX Deep Red Reagent で検出した Jurkat 細胞の
ROS レベル。N-アセチルシステイン(NAC)で培養細胞を前処理した後、酸化処理したサンプルの ROS レベルは、直接酸化処理したサ
ンプルより低下しました。酸化剤の tert-ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)で処理した細胞(赤)は、NAC で前処理した後 TBHP で処
理した細胞(青)や未処理のコントロール細胞(緑)よりも高い蛍光シグナルを示しました。(B、C)CellROX Deep Red Reagent は、
SYTOX Blue Dead Cell Stain と併用すると酸化ストレス下にある生細胞と死細胞とを区別します。Jurkat 細胞を(B)PBS または(C)
200 µM TBHP で 30 分間処理した後、CellROX Deep Red Flow Cytometry Assay Kit で標識しました。TBHP で処理した細胞(C)の
ROS は、基礎レベルのコントロール細胞(B)に比べて多いため、酸化ストレス下にある細胞の比率が高いことに注目してください。
pHrodo E. coli BioParticles Phagocytosis Kits
• ファゴサイトーシスとエンドサイトーシスを特異的に検出およびモニタリング
• pHrodo コンジュゲートが抗体のインターナリゼーションを追跡
• pHrodo コンジュゲートがリガンドのインターナリゼーションを追跡
• 赤色または緑色色素と組み合わせてマルチプレックス解析が可能
高い pH 感受性を示す 当社独自の pHrodo 色素は、中性 pH ではほぼ非蛍光ですが、酸性環境では明るい蛍光を
発するため、ファゴサイトーシスやエンドサイトーシスのプロセス解明など多様なアプリケーションで最適の pH
TM
TM
TM
インジケーターとして利用できます。Invitrogen pHrodo Green E. coli BioParticles Phagocytosis Kit(製品
番号 P35381)と pHrodo Red E. coli BioParticles Phagocytosis Kit(製品番号 A10025、図 31)は、フローサイ
トメトリーを使用した全血サンプルや生細胞株のファゴサイトーシス検出が可能です。キットには、食作用や赤
血球溶解の評価に必要なすべての試薬が同梱されています。また pHrodo Phagocytosis Particle Labeling Kit(製
品番号 A10026)を使用すると、お客様独自の細菌サンプルを pHrodo Red 色素で標識することもできます。詳
細説明と製品群については、ウェブサイト www.thermofisher.com/flow-phrodo をご覧ください。
120
ネガティブ
コントロール
Count
80
ファゴサイトーシス
された粒子
40
0
100
101
102
103
104
pHrodo dye fluorescence (585 nm)
細胞解析
図 31. pHrodo Red BioParticles コンジュゲートで処理した顆粒球の蛍光強度が増大したことを示すフローサイトメトリー解析
全血サンプルを採取し、ヘパリンで処理した後、100 µL 分注を 2 つ調製しました。pHrodo Red E. coli BioParticles Phagocytosis Kit(製
品番号 A10025)に同梱の pHrodo Red E. coli BioParticles コンジュゲートで 2 つのサンプルを処理し、ボルテックスしました。サンプ
ルのひとつを 37°
C のウォーターバスにセットし、他のひとつ(ネガティブコントロール)をアイスバスにセットしました。15 分間イン
キュベーションした後、塩化アンモニウムベースの溶解バッファーで赤血球を溶解しました。2 つのサンプルを 500 x g で 5 分間スピン
ダウンし、一度洗浄した後、ハンクス平衡塩で再懸濁しました。次に 488 nm アルゴンレーザー搭載の BD FACSCalibur Cytometer を使
用して 564 ∼ 606 nm バンドパスフィルターでサンプルを解析しました。37°C でインキュベーションしたサンプルは、ファゴサイトー
シスにより pHrodo Red BioParticles コンジュゲート(赤色)の蛍光が増大しました。一方ネガティブコントロールサンプルは氷上に置い
たため、ファゴサイトーシスが抑制されました(青色)。
29
細胞解析製品リスト
分類
細胞生存率
製品名
製品番号
UV
350/450
200 回分
L23105
バイオレット
416/451
200 回分
L34955
LIVE/DEAD Fixable Aqua Dead Cell Stain Kit
バイオレット
367/526
200 回分
L34957
LIVE/DEAD Fixable Yellow Dead Cell Stain Kit
バイオレット
400/575
200 回分
L34959
LIVE/DEAD Fixable Green Dead Cell Stain Kit
ブルー
495/520
200 回分
L23101
LIVE/DEAD Fixable Red Dead Cell Stain Kit
ブルー
595/615
200 回分
L23102
LIVE/DEAD Fixable Far Red Dead Cell Stain
Kit
レッド
650/665
200 回分
L10120
LIVE/DEAD Fixable Near-IR Dead Cell Stain
Kit
レッド
750/775
200 回分
L10119
LIVE/DEAD Fixable Dead Cell Stain Sampler
Kit
各種
各種
320 回分
L34960
UV/
444/480†
1 mL
S34857
ブルー
504/523†
1 mL
S34860
イエロー
†
547/570
1 mL
S34861
レッド
640/658†
1 mL
S34859
SYTOX Dead Cell Stain Sampler Kit
各種
各種
1 キット
S34862
SYTOX AADvanced Dead Cell Stain
ブルー
546/647†
5 x 0.5 mL
S10274
0.2 mL
S10349
バイオレット
404/450
50 回分
C10636
ブルー
495/519
50 回分
C10632
SYTOX Orange Dead Cell Stain
SYTOX Red Dead Cell Stain
Click-iT Plus EdU Pacific Blue Flow Cytometry
Assay Kit
Click-iT Plus EdU Alexa Fluor 488 Flow
Cytometry Assay Kit
Click-iT Plus EdU Alexa Fluor 647 Flow
Cytometry Assay Kit
バイオレット
100 回分
C10633
50 回分
C10634
100 回分
C10635
細胞解析
レッド
650/670
CellTrace Violet Cell Proliferation Kit
バイオレット
405/450
180 回分
C34557
CellTrace CFSE Cell Proliferation Kit
ブルー
492/517
1 キット
C34554
CellTrace Far Red Cell Proliferation Kit
レッド
630/661
1 キット
C34564
Vybrant DyeCycle Violet Stain
バイオレット
369/437
200 µL
V35003
Vybrant DyeCycle Green Stain
ブルー
506/534
400 µL
V35004
Vybrant DyeCycle Orange Stain
ブルー
519/563
400 µL
V35005
100 回分
V10309
400 回分
V10273
Vybrant DyeCycle Ruby Stain
†
†
†
レッド
638/686†
バイオレット
358/461
500 回分
F10347
FxCycle PI/RNase Staining Solution
ブルー
535/617
100 mL
F10797
FxCycle Far Red Stain
レッド
640⁄658
500 回分
F10348
FxCycle Violet Stain
* 最大励起波長(Ex)と最大蛍光波長(Em)、単位は nm。
† DNA に結合した状態の励起 / 発光波長、単位は nm。
§ 濃度依存的な J 会合体を形成して蛍光シグナルが緑から赤に変化します。
30
容量
LIVE/DEAD Fixable Blue Dead Cell Stain Kit
SYTOX Green Dead Cell Stain
細胞の種類
Ex/Em*
LIVE/DEAD Fixable Violet Dead Cell Stain Kit
SYTOX Blue Dead Cell Stain
細胞増殖
レーザーの
種類
分類
アポトーシス
製品名
CellEvent Caspase-3/7 Green Flow Cytometry
Assay Kit
ブルー /
グリーン
Ex/Em*
511/533
(CellEvent Green)†
546/647
(SYTOX® AADvanced Stain)†
容量
製品番号
100 回分
C10427
バイオレット
410/455
500 µL
A35122
Annexin V, FITC conjugate
ブルー
494/518
500 µL
A13199
Annexin V, Alexa Fluor 488 conjugate
ブルー
495/519
500 µL
A13201
Annexin V, PE conjugate
ブルー
496, 546, 565/578
250 µL
A35111
Annexin V, APC conjugate
レッド
650/660
250 µL
A35110
Annexin V, Alexa Fluor 647 conjugate
レッド
650/665
500 µL
A23204
バイオレット /
ブルー
410/455
Pacific Blue dye
546/647
(SYTOX
AADvanced dye)
50 回分
A35136
495/519
(Alexa Fluor 488 dye)
50 回分
V13241
535/617 (PI)
250 回分
V13245
Annexin V, Pacific Blue conjugate
Pacific Blue Annexin V/SYTOX ADvanced
Apoptosis Kit
ブルー
Dead Cell Apoptosis Kit with FITC annexin V
& Propidium Iodide
ブルー
494/519
(FITC)
535/617 (PI)
50 回分
V13242
バイオレット /
ブルー
405 ⁄ 530, 585
(F2N12S)
546/647 †
(SYTOX AADvanced dye)
100 回分
A35137
MitoProbe JC-1 Assay Kit
ブルー
514/529, 590 §
100 回分
M34152
CellROX Green Flow Cytometry Assay Kit
ブルー
508/525
(CellROX Green)
640/658
(SYTOX Red)†
100 回分
C10492
グリーン
(532 nm)
545/565
(CellROX Orange)
640/658
(SYTOX Red)†
100 回分
C10493
CellROX Deep Red Flow Cytometry Assay Kit
レッド
640/665
(CellROX Deep Red)
444/480
(SYTOX Blue)†
100 回分
C10491
pHrodo Green E. coli BioParticles
Phagocytosis Kit
ブルー
509/533
100 回分
P35381
pHrodo Green S. aureus BioParticles
Phagocytosis Kit
ブルー
509/533
100 回分
P35382
pHrodo Red E. coli BioParticles Phagocytosis
Kit
ブルー
560/585
100 回分
A10025
pHrodo Phagocytosis Particle Labeling Kit
ブルー
560/585
100 回分
A10026
CellROX Orange Flow Cytometry Assay Kit
細胞解析
Dead Cell Apoptosis Kit with Alexa Fluor 488
Annexin V & Propidium Iodide
Violet Ratiometric Asymmetry Probe/Dead
Cell Apoptosis Kit
その他の細胞
機能アッセイ
レーザーの
種類
* 最大励起波長(Ex)と最大蛍光波長(Em)、単位は nm。
† DNA に結合した状態の励起 / 発光波長、単位は nm。
§ 濃度依存的な J 会合体を形成して蛍光シグナルが緑から赤に変化します。
31
最新フローサイトメーター 最大 4 本レーザー搭載、14 色検出可能
Attune NxT Acoustic Focusing Cytometer
InvitrogenTM AttuneTM NxT Acoustic Focusing Cytometerは音響技術を
利用して超音波で細胞をキャピラリーの中心軸に一列に整列させる独自の技
術を採用しています。
サンプルスピードに関係なく、レーザー照射の時点で細胞をきちんと集束
させることができるので、かつてない高容量のサンプルスループットで高精度
の解析を可能にします。
主な特長
モジュール式(組み立てユニット)システム採用
現場でたった 1 日でアップグレード可能な 1 ∼ 4 本レーザーシステム。
蛍光検出は最大 14 色まで可能です。
独自のアコースティックフォーカシング技術により速い検出スピード
を実現
データ精度を全く犠牲にせず、短い解析時間で測定可能です。
(≧ 10 cells /mL のサンプルを用いて、10,000 events を数秒で解析)
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独自開発の使いやすいソフトウェア
お客様と共に開発した独自の優れたソフトウェアは直感的に操作でき、
未経験者からベテランユーザーまで満足いただけます。
ラボに適したコンパクト設計
実験ベンチにピッタリ収まるサイズで、限りあるラボのスペースを有
効に使えます。
アコースティック
アコースティック
フォーカシング= OFF
フォーカシング= ON
サンプルはフォーカス
サンプルはフォーカス
されません
されます
よりシンプルな流路系
流路系がシンプルに設計されているため、詰りにくいです。(測定粒子
範囲:0.5–50 µm)
Attune NxT cytometer 14-color laser configurations
レーザー
励起
Violet
405 nm
Blue
488 nm
Yellow
561 nm
Red
638 nm
蛍光
共通色素
蛍光タンパク質
440/50
512/25
603/48
710/50
NA
NA
530/30
574/26*
590/40**
695/40
780/60*
585/16
620/15
695/40
780/60
670/14
720/30
780/60
Pacific Blue
Pacific Green
Pacific Orange
Qdot 705
FSC
SSC***
FITC
PE
PE, PE–Texas Red
PerCP-Cy5.5
PE-Cy7
PE
PE-Texas Red
PE-Cy 5.5
PE-Cy 7
APC
Alexa Fluor 700
APC-Alexa Fluor 750
ECFP
EGFP, Emerald GFP
EYFP
RFP
mCherry, tdTomato, DsRed, mStrawberry
* Yellow レーザーがない組み合わせでのみ設定あり
** Yellow レーザーがある組み合わせでのみ設定あり
*** 側方散乱光はどのレーザーでも検出可能
(デフォルトはブルーレーザー)。
「非溶血 / 非洗浄」アプリケーションには、バイオレットの側方散乱光を推奨。
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機器仕様
本体
設置面積(高さ×幅×奥行き):おおよそ 40 cm × 58 cm × 43 cm
重量:おおよそ 29 kg
動作温度:15 ∼ 30℃
動作湿度:10 ∼ 90%、結露しないこと
電源:100 ∼ 240 VAC、50/60 Hz、<150 W
可聴ノイズ:1.0 m で 65 dBA
光学系
光学系の配置は、1 ∼ 4 個のレーザシステムから選択された機器の構成に依存します。
レーザー能力 :Blue laser: 488 nm, 50 mW
Violet laser: 405 nm, 50 mW
Red laser: 637 nm, 100 mW
励起
Yellow laser: 561 nm, 50 mW
レーザー概略 : フラットトップレーザー採用。調整が最小限
フローセル : クオーツキュベットゲルで接合された 1.2NA 集光レンズ
アライメント : 固定化されたアライメント , お客様によるメンテナンスは必要ありません。
発光系
前方散乱:488/10 バンドパスフィルターとフォトダイオード検出器
側方散乱:488/10 バンドパスフィルターと PMT
発光フィルタ:ユーザーによる交換が可能、主要なフィルタを搭載済み
流路系
サンプル流速 : 12.5–1,000 µL/min
サンプル送達 : サンプルは、容積測定分析のために明確な排出量のシリンジから送達
サンプル添加容量 : 20 µL–4 mL
液体保管 : すべての液体は、水位センサー付きで機器本体内に収納
標準液タンク : 1.8 L フォーカシング溶液タンク , 1.8 L ウォータータンク , 175 mL シャットダウン溶液タンク ,
175 mL ウォッシュ溶液タンク
外部タンクオプション:溶液 10 L のオプション設定
液体消費量 : 1 日あたり 1.8 L
サンプルチューブ : 17 × 100 mm から 8.5 × 45 mm のチューブに適合
ソフトウェア機能
コンペンセーション:完全自動化および手動補正モード
装置のトラッキング:Levey-jennings プロットによる自動化したベースラインとパフォーマンステスト
自動化メンテナンス:≤ 15 分の起動とシャットダウン
最大イベントファイル:2000 万
ヒートマップ:チューブとプレートの可視化
SmartGate ラベル:Quad
Stats math calculator:カスタマイズされた統計情報を作成します(Stain Index、S / N 比、濃度)
ファイル形式:FCS3.1(保存)
フィルタ設定:フィルタ構成マネージャを使用して簡単な試薬の選択
グラフィックス解像度:印刷や論文発表に使えるレベルの画像品質
ユーザログと管理および個々のアカウント
ゲート:スタンダードおよびカスタマイズ可能なゲート
パフォーマンス
データ取得速度:35,000 イベント / 秒
粒子サイズ範囲:0.5–50 µm
蛍光感度:≤ 80 MESF FITC
≤ 30 MESF PE
≤ 70 MESF APC
Attune NxT Autosampler
主な特長
幅広い適合性
96/384 ウェル プレート、ディープウェル プレートなど、さまざまな
フォーマットに対応します。
高性能プローブ
目詰まりやキャリーオーバーを最小限(<1%)に抑え、装置の損傷を防
ぎます。
吸引による混合
サンプルを振盪する代わりに吸引して混合し、均一性と細胞の生存率
を維持します。
自動クリーニング機能
シャットダウン時に装置を自動でクリーニングします。
一貫性のあるデータ
サンプリング法(チューブまたはプレート)や収集レートの違いから生
じる変動を最小限に抑えます。
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