WHITE PAPER ENTERPRISE www.brocadejapan.com ブロケードと OpenStack によるオープンな クラウド・ネットワークの実現 ブロケードと OpenStack によるクラウド・オーケストレーショ ンに対応した製品群を紹介します。幅広いパートナー関係を基 本にしたアプローチとオープンなテクノロジによって、柔軟な選 択肢を最大限に確保し、効率的で拡張性の高いエンタープライ ズ向けクラウド・ソリューションを提供します。 卓越した自動化機能を提供し、スケール・アウト型インフラに対応して作られたブロケードのネットワーキング・ソ リューションは、垂直方向よりも横方向に拡張するクラウド・インフラに理想的です。ブロケードは、OpenStack と協力して、オープンで相互運用性の高い優れたクラウド・アーキテクチャによるメリットを提供します。 イーサネット・ファブリックの普及がクリティカル・マスに到達した昨今において、クラウドを主体にしたアーキテ クチャを展開する企業やサービス・プロバイダのもとでは、Brocade® VCS® ファブリック・テクノロジが大きな メリットをもたらします。OpenStack によるクラウドをVCSファブリック・テクノロジとともに展開するソリューショ ンは、柔軟で信頼性の高いプライベート・クラウドを容易に実現することができます。 俊敏でオープンなクラウド・アーキテクチャの実現に必要な課題 各企業がクラウド・インフラに向う理由は、今や容易に理解できます。経済的なスケーリング、ア プリケーション・ワークロードを新規に加える際の柔軟性など、クラウド・コンピューティング環 境への移行によって、たくさんのメリットが確実にもたらされます。しかしこれらの実現には、新し い課題が伴います。例えば、ワークロードのコンポーネントの位置や移動先に関わらず一貫したポ リシーとパフォーマンスを維持する必要性などが問題となります。つまり、コンピュートやネットワー ク、ストレージの各サービスを、ワークロードの存続する間中ずっと同期させる必要性があるとい うことです。 エンド・トゥ・エンドのデータセンター・オーケストレーションを目指した取り組みは、現在いくつ かのアプローチで進められています。そのアプローチの 1 つは、特定領域で高い技術力をもったベ ンダが推進している開発です。また、各ベンダがオープン・ソースに根ざして、さまざまな分野か ら個々のもつ技術を引き出しながら進めているケースもあります。OpenStack は、後者の代表例 です。本書では、ブロケード製品における OpenStack イニシアチブをサポートする取り組みにつ いて解説します。 2 ブロケードのリーダーシップ ブロケードは、2011 年 5 月から OpenStack イニシアチブに参加しています。2012 年 9 月に は協賛企業となり、ネットワーキング・アーキテクチャ(フレームワーク、サービス、API)を駆 使し、OpenStack コミュニティを推進しています。ブロケードは、OpenStack と OpenFlow の両取り組みで重要な役割を果たすとともに、さまざまなワーキンググループで議長を務めてい ます。OpenStack のファイバーチャネル(FC)ストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)エ クステンションを目的としたグループは、ブロケードが中心となり設立されたものです。 オープンなクラウドにおけるブロケードの方針 業界のオープンな標準とイニシアチブを積極的に支持するブロケードは、 クラウド・プラットフォー ムに対応したネットワーキング・ソリューションを最大限に活用しています。またそれぞれの分 野で最高のパートナー企業が作る環境に関与し、顧客が柔軟な選択ができることを重視する立 場から、VMware、Microsoft、CloudStack などのクラウド・ソリューションともパートナー 関係を通した協力を進めていく計画です。さらに OpenStack イニシアチブへの積極的な参加 と新しいテクノロジの開発を通して、堅牢なクラウド・ベースのソリューションへの進化の加速 を促します。ブロケードでは、これらを通してプライベート/パブリック・クラウド・インフラの 俊敏性、拡張性、堅牢性を向上するブロケード・ソリューションを提供します。 ブロケードは、データセンターのオープンなアーキテクチャに寄与するオープン・ソース・イニ シアチブと標準を生かしていく方針です。オープンなクラウド標準であれば、ワークロードを一 つのクラウド・サービスから別のクラウドに移すことも簡単に行えます。逆にオープンな標準が なければ、誰もが自由に利用できるサービスであっても、そのワークロードを他のクラウドへ移 す作業は簡単には行えません。 ブロケードは、幅広いパートナー関係を基本にしたアプローチとオープンなテクノロジの提供 によって、選択の柔軟性を最大限に拡大していきます。ブロケードでは、Rackspace および Piston Cloud との事前検証済みのクラウド・ソリューションや、Red Hat との今後のソリュー ションに向けて、ネットワーク・インフラと技術力を提供していきます。詳細については、Web サイトをご覧ください。 www.brocade.com/alliance 標準化におけるリーダーシップ ブロケードは、標準の策定を始めとして、 テクノロジや製品、サービス開発に関す ることまで、業界の主だった企業と協力 しながら、データセンター・インフラの 実装と管理の簡素化に努めています。ブ ロケードには、ファイバーチャネルの通 信テクノロジのほか、ストレージ・ネッ トワークの相互運用性や管理にわたっ て、業界の標準化の進展に大きな貢献 をしてきた長年の歴史があり、イーサネッ トの世界でブロケードが高く評価されて いくにつれて、関連する標準化団体での 活動も広がりをみせています。 ブ ロ ケ ー ド で は、 現 在 Open Networking Foundation(ONF) で Forwarding Abstractions Working Group(FAWG)の議長を務めています。 最近、ONF 理事会から設立が承認され たこのワーキングチームは、ハードウェ ア転送技術としての ASIC、NPU、ネッ トワーク・フロー・プロセッサなどにお ける、OpenFlow の技術開発と普及の 加速化を目指しています。 OpenStack API ネットワーキング ストレージ fig01_OpenStack-Arch コンピュート ブロケードと パートナー各社 FC SAN 図 1. OpenStackを活用したブロケードのオープン・ クラウド・アーキテクチャ 3 ブロケードの OpenStack ソリューション OpenStack は、データセンター全域のコンピュート、ストレージ、ネットワーキングを、大き なリソース・プールにまとめて管理するクラウド・オペレーティング・システムの 1 つで、すべ ての管理はダッシュボードを通して行います。そこから管理者が運用業務を行い、ユーザは自ら Web インタフェースを使用してリソースをプロビジョニングすることができます。オープン・ソー スのソリューションを使用することには、クラウドの標準化を促進すること、コミュニティをベー スにした活動によってクラウド利用者が求める機能を迅速に実現すること、そしてクラウド・プ ロバイダの間に大きなエコシステムを構築するなどの意味があるのです。 OpenStack は、業界関係者に注目されて、クラウド・コンピューティングのオープン・ソース 標準としてまたたく間に広まり、現在では 87 カ国から 8,000 以上のメンバーが活動に参加し ています。OpenStack では、あらゆる企業がオープン・ソースのソフトウェアを使用して、クラ ウド・コンピューティングの機能を迅速に構築し、クラウド・サービスを低コストで提供するこ とができます。 ブロケードの OpenStack プラグイン OpenStack では、クラウド・アーキテクチャの全コンポーネント(コンピュート、ストレージ、ネッ トワーキング)を、標準のコンポーネントとインタフェースからプロビジョニングするオーケスト レーション・フレームワークを提供することになっています。顧客には、データセンターの構築 に使用する製品について、これまでどおり広い選択肢が与えられます。 OpenStack IaaS オーケストレーション・エンジン Brocade プラグイン API IP + SAN インフラ Figure 2. Brocade OpenStack クラウド・オーケストレーションの概観 Brocade VCS プラグインは、OpenStack Quantum1 に向けて特別に設計されたプラグイン を使用し、クラウド・ソリューションに組み入れられたときのイーサネット・ファブリックを、ク ラウドから管理する能力は実証されています。そして、常に柔軟なアーキテクチャを提供する というブロケードの取り組みを反映するものです。Brocade VCS ファブリック・プラグインと Brocade ADX® プラグインは、物理/論理ネットワーキング・リソースを OpenStack のオー ケストレーションに組み入れることができ、仮想マシン(VM)を展開するなかで、マルチ・ティ アのアプリケーション・トポロジを採用することができます。これらのプラグインによって、各々 の分野で最高のイーサネット・ファブリックとアプリケーション・デリバリを、クラウドから管理 できるようになります。 1 OpenStack で 開 発 されている OpenStack Quantum は、 他 の OpenStack サ ー ビ スに よって管理されるインタフェース・デバイス間で、ネットワークをサービスとして提供するものです。 Quantum は、OpenStack プラットフォームを構成する重要な一部分となります。 4 OpenStack ソリューションは、次のような要素が基本となります。 •• VCSファブリックのNETCONF(Network Configuration Protocols) プロトコル (今後REST APIをリリース予定) •• Brocade ADXアプリケーション・デリバリ・スイッチのSOAP(Simple Object Access Protocol) インタフェース •• AMPP (Automatic Migration of Port Profiles) などのブロケードの革新的なテクノロジ。 AMPPは、 VMと接続するポートに正しいネットワーク・ポリシーを自動的に対応づける機能 Brocade VCS ファブリックと Brocade VDX スイッチ クラウド・コンピューティングの利用の増加とともに、インフラにはさらに優れた俊敏性が要求さ れています。つまり、サービス・オートメーションに対応したビルディングブロックとしての弾力性、 アーキテクチャの柔軟性、管理の容易さ、各 IT 領域間の簡易な調整などが求められているので す。この課題の解決を目指したブロケードは、データセンターのファブリック開発をリードしてき た 15 年の実績を背景にして、仮想化データセンターにおける新しいかたちのイーサネット・ネッ トワークの開発に着手しました。そして 2010 年 12 月、業界で初のイーサネットのファブリック・ テクノロジとして発表されたのが VCSファブリック・テクノロジです。それ以来、 ブロケードは、 イー サネット・ファブリック分野において業界トップの位置を維持しています。ブロケードのイーサネッ ト・ファブリックは、 およそ 1,000 社の顧客のもとで導入され、実働環境で現在活躍していますが、 その多くはパブリック/プライベート・クラウド・プロバイダが占めています。 Brocade VCS ファブリック・テクノロジは、次の 3 つの設計原則を基軸に作られています。 •• 無停止のネットワーキング •• ネットワークの簡素化と自動化 •• 既存のIT投資を保護する革新的なアプローチ Brocade VCS ファブリック・テクノロジは、Brocade VDX® スイッチ・ファミリに組み込まれ、 企業の俊敏性を向上し、クラウドに最適化されたネットワーク機能を備えたイーサネット・ファ ブリックを構築することができます。 イーサネット・ファブリック内の全スイッチは、ファブリックに新しいスイッチが増設されると、 自動的にそのスイッチと、そこから周囲のスイッチに接続される全リンクを認識し、最短経路の トポロジを再計算します。このように VCS ファブリック・テクノロジは、本当の意味でプラグ・ アンド・プレイのネットワークであり、ファブリックを流れるトラフィックを中断せずに、随時再 構成されていきます。サーバを新たにファブリックに接続した場合でも自動的に検出され、ファ ブリック・スイッチの増設/停止に加えて、物理サーバや仮想サーバの移動も、人手を介する ことなく、ファブリックの構成設定を行えます。 クラウド・サービス・プロバイダでは、Brocade VCS ファブリック・テクノロジ 装 備の Brocade VDX スイッチを基盤にし、システムを停止することなく拡張可能なネットワークを構 築できます。高度に自動化されたイーサネット・ファブリックは、ネットワークの複雑さを緩和し、 ネットワークの変更や増設に伴うコストを削減しつつ、オン・デマンドのサービス増強が行えま す。Brocade VDX スイッチによるネットワークは、図 3 に示すように、必要に応じてスケーリ ングすることができます。 ブロケードの Rackspace Private Cloud 認定取得 2013 年 1 月、ブロケードは大 手ネッ トワー キング・プロバイダとして初 の Rackspace Private Cloud の 認 定 を獲 得したことを発 表しました。これ は、OpenStack に よ る Rackspace Private Cloud Software を 採 用 す る 企業が、柔軟かつ信頼性の高いプライ ベート・クラウド・ソリューションをよ り円 滑に導 入できるようにするための 制度であり、互換性と相互運用性につ いての厳格な審査において、Brocade VCS ファブリック・テクノロジを備えた Brocade VDX スイッチが認められたこ とになります。ブロケードは、2011 年 から OpenStack コミュニティの活動に 参加し、クラウド・アーキテクチャ戦略 の一環としてこのオープン・ソースのクラ ウド・プラットフォームを積極的に支持し、 OpenStack に向けてネットワーキングを 最適化しています。 ブロケードは、Rackspace との綿密な 協力を通して、ますます厳しくなるプライ ベート・クラウド・インフラへの要件に応 える拡張性の高いソリューションを提供し ています。プライベート・クラウドは、ミッ ション・クリティカルなデータ・ネットワー キングや、法的要件への対応が求めら れる教育機関、医療機関、官公庁など、 最近広がるいわゆる「垂直市場」の企 業・団体に理想的なソリューションです。 詳 細については、Rackspace Private Cloud 基本アーキテクチャの Web サイ トをご覧ください。 www.rackspace.com/cloud/ private/architecture Brocade VCS ファブリック・テクノロジについては、以下の Web サイトもご覧ください。 www.brocade.com/vcs 5 コア スケーラビリティ 図 3. イーサネット・ファブリックの スケール・アウト・アーキテクチャ fig03_OpenStack_WP エッジ TECHNOLOGY Brocade ADX アプリケーション・デリバリ・スイッチ Brocade ADX スイッチは、業界最高のレイヤ 4 ~ 7 スイッチング性能を備え、セキュリティ を強化した、拡張性の高いアプリケーション・サービス・インフラを実現します。このスイッチ は、サーバの利用状況と接続負荷をリアルタイムで計測することにより、ユニファイド・アプリケー ション・サービスを効率的に分散し、アプリケーションのパフォーマンスを向上させます。また、 セキュリティ、サービス配信などに可視性と管理性をもたらします。これにより、アプリケーショ ンの稼働に、高い効率性と可用性を実現します。そして、運用を能率化し、ビジネスの俊敏性 の向上や、コストの大幅削減を図り、事業の拡大を促進することができます。Brocade ADX ソリューションは、性能や信頼性を損なうことなく、サービス主導型のデータセンターの要件に 応える柔軟性と拡張性をもたらします。 サービスとしての負荷分散(LBaaS; Load Balancing as a Service)をクラウド環境でいち早 く提供するために、Brocade ADX シリーズでは、その機能を OpenStack のオープンなクラウ ド・フレームワークと統合させています。サービスを提供する企業では、Brocade ADX プラグ インを使用して自動化オーケストレーション環境を拡張し、Brocade ADX ソリューションによっ てアプリケーション・デリバリ・インフラをダイナミックにコントロールできるようになります。 Brocade ADX テクノロジは、次のような特長により、運用と投資のコストを大幅に削減し、 コスト効率に優れ、信頼性の高いクラウド・サービスを実現します。 アプリケーション・デリバ •• 業界標準のx86サーバ上で稼働するBrocade Virtual ADXによる、 リ・サービスの迅速なプロビジョニング •• Brocade ADXプラットフォームのための“pay-as-you-grow (ビジネスの成長に応じた拡張) ” のライセンスと、 シャーシ・システムの交換モジュールによる、 パフォーマンスと容量に対するオ ン・デマンドの拡張性を実現 •• サード・パーティ製品やオープンなオーケストレーション・フレームワーク、 さらには自動化ツー ルともシンプルに統合できる、 アプリケーションの管理とプロビジョニングのための豊富なXML APIセットとプラグイン 6 Brocade Vyatta vRouter SDN(Software-Defined Networking)は、急速に変化するビジネスのニーズに応える、 ネッ トワークの設計、展開、伸縮が簡単に行えます。ホスト・ベースの仮想化されたルータやファ イアウォール、VPN は、L2 ネットワークの「島」同士や、大きなインフラへの接続が可能に なります。Brocade Vyatta® ソフトウェアは、ルータ、ファイアウォール、VPN を 1 つの仮想 化イメージとして単一の VM 上に置き、仮想化環境のどこでも、必要な場所にルータを配置す ることができるのです。 SDN は、パブリック・クラウドとプライベート・クラウド双方に対応した重要なビルディングブ ロックになりつつあります。Vyatta は、パブリック・クラウドの中でも使用できるため注目され ています。現在すでに設備の一部をローカルのプライベート・クラウドに置き、一部をパブリック・ クラウドに置くハイブリッドクラウドが利用されています。Vyatta VPN テクノロジにより、この 両端で同じインタフェース、同じ構造を使用して接続することができます。 Vyattaソリューションでは、 マルチ・テナントのクラウド・サービス環境において、 テナント内のネッ トワーキングをすべて処理し、複数のサブネットをルータで接続した、より複雑なテナントの設 計が行えます。仮想ルータは、単一の VM 中に存在するため、ソフトウェア製品としてのあらゆ るメリットと柔軟性があり、移動はもちろん、必要に応じた拡張も行えます。現在、ブロケード では、Vyatta vRouter ソリューションの OpenStack プラグインの開発を進めています。 Brocade Fibre Channel SAN ここでは、OpenStack のゾーン管理の綿密な計画について簡単に紹介します。FCゾーン・マネー ジャには、簡易型のゾーン管理と拡張型のゾーン管理が含まれます。 •• 簡易ゾーン管理は、 中小規模向けで、 アクティブ・ゾーン・セットの管理を行います。 •• 拡張ゾーン管理は、大規模エンタープライズ環境やマネージド環境向けで、ゾーンのライフサ イクル管理を包括的にサポートします。 FC ボリューム・ドライバは、ファブリック・ゾーニング・モードのときに、FC ゾーン・マネージャ を使用してゾーンのライフサイクル管理を行います(attach/detach エントリ・ポイント)。ブ ロケードでは、今後のリリースで FC SAN の OpenStack プラグインをサポートする予定です。 Brocade MLX シリーズ Brocade MLX® シリーズは、サービス・プロバイダや大企業において、1 カ所のデータセンター にとどまらない、複数のデータセンターにわたるオーケストレーションをサポートします。この先 進のルータは、きわめて大きな拡張性とパフォーマンス、そして高い信頼性を備えており、世界 的に厳しい要件が求められるサービス・プロバイダやエンタープライズ・クラスのネットワーク において力を発揮し、同時に効率的な運用によるコスト削減を実現します。 Brocade MLX シリーズ・ルータは、クラウドに最適化されたネットワークを実現できるよう 設計されています。例えば、100 ギガビット・イーサネット(GbE)、10 GbE、1 GbE を高 密度に収容でき、その他にも IPv4 や IPv6、マルチ VRF、MPLS(Multiprotocol Label Switching)、キャリア・イーサネットなどでの豊富な機能、さらにレイヤ 2 の高度スイッチン グ機能など、業界最先端の装備をもっています。ブロケードでは、将来リリースの Brocade MLX シリーズで OpenStack をサポートする予定です。 7 Brocade OpenStack オーケストレーションの利用例 Brocade OpenStack オーケストレーションには、次のような利用例があります。 ••コンピュート、ストレージ、ネットワークのリソースを使用してテナント・アーキテクチャを設 計し、サイジングから展開、監視、メンテナンスまでを自動的に処理する形態。ユーザ自身 にセルフ・サービスのポータルから必要なリソースを取得させることが可能で、これまで数週 間要していた時間が数分に短縮されます。この詳細については、後述します。 •• Web スケールのアプリケーション、分散型アプリケーション、ビッグ・データなど、インフラ を動的に利用する新しいアプリケーション・ワークロードへの対応 •• パブリック・クラウドとプライベート・クラウドをまたいだデータの移動を伴う処理やアプリケー ションの提供 クラウド・オーケストレーション以前の流れ 企業の規模の大小を問わず、図 4 のような例が日常的な形態といえます。ここでは、 IT マーケティ ング・マネージャを例に取り上げます。このマネージャの率いるチームは、 データとアプリケーショ ンの負荷の高いビデオ関連のプロジェクトを進めており、 1 GHzのVMを2 個と、 8 GBのメモリ、 40 GB の HDD ストレージ、最小限のレイテンシの構成が必要です。 サーバ管理者 ストレージ管理者 ネットワーク管理者 コンピュート・リソースを 確保 ストレージ・リソースを 確保 ネットワーク・リソースを 確保 相互調整の 行き違いミスの 発生 図 4. 3 週間を要する社内向けの VM プロビジョニング リソースを提供 リソースを提供 リソースを提供 IT 担当者の返事は、「問題ありません。待ちリストに入るので、3 週間すれば用意できる。」と いう内容です。時間がかかる一因は、要請で 3 枚の管理票が発生するところにあります。 1. 1 枚はサーバ管理者からコンピュート・リソースの手配を受けるため 2. 2 枚目の管理票はストレージ管理者からストレージ・リソースの手配を受けるため 3. 3 枚目はネットワーク管理者からネットワーク・リソースの手配を受けるため この過程の中で相互の作業に調整が必要になると、さらに数日かかることになります。 8 fig04_OpenStack-Arch IT担当者が 管理票3枚を 発行 非効率的な業務 ITマーケティング・ マネージャからの 要請 改善後の流れ OpenStack のオーケストレーションと自動化が導入された後には、図 5 のように関与する人 の数が減って大幅に効率化され、時間がはるかに短縮されます。 クラウド・アーキテクト • サイジングとセキュリティの定義 • ソリューションのカタログ・テンプレート の作成 IT管理者 • HW/SWリソースの展開 • セットアップの監視とメンテナンス • テンプレートの公開 相互の 調整ミスの 減少 fig05_OpenStack-Arch ITマーケティング・ マネージャからの 要請 図 5. 関与する IT 部門が減って能率化された 業務の流れ クラウド・アーキテクトがテナント・アーキテクチャを設計して、次の作業を行います。 •• サイジングとセキュリティ・パラメータの定義 ••カタログ・テンプレートの作成 そして IT 担当者が、テナント・アーキテクチャを公開して管理に組み込みます。 •• ハードウェアとソフトウェアの全体リソースの展開 •• セットアップの監視とメンテナンス •• テンプレートの公開 その後、システムのセルフ・サービス・ポータルから簡単な操作を行うと、IT マーケティング・ マネージャが必要とするクラウド・インフラのリソースが用意されます。その間に要する時間は 5 分ほどです。 9 ブロケード:オープンなクラウドとスケール・アウト型のインフラ 企業にとって、時代がクラウドに移行するにつれて、閉じたアーキテクチャに固執している余裕 などはありません。ブロケードは、幅広いパートナー関係を基本にしたアプローチで、柔軟な選 択肢を最大限にもたらすオープンなテクノロジを提供しています。OpenStack テクノロジの取り 組みに賛同するブロケードは、オープンなクラウド・プラットフォームに対応したネットワーキン グ製品群を最大限に活用し、ビジネスの俊敏性を高めるオープンな API を提供しています。ネッ トワーク運用側では、このようなクラウド API を使用してブロケードのソリューションを導入する ことで、ベンダや顧客、サード・パーティのプロバイダなどで開発された新しいネットワーキン グ・テクノロジのメリットを活用していくことができます。ブロケードは、Rackspace や Piston Cloud といった各分野最高のベンダとパートナー関係を結んで連携し、事業を進めています。 スケール・アウト型インフラに対応して作られたブロケードのネットワーキング・ソリューション は、垂直方向よりも横方向に広がっていくクラウド・インフラに理想的です。Brocade VCS ファ ブリックは、新しい機器を増設すると自動的に認識され、スイッチ間に複数のリンクがあれば自 動的にトランクが形成されるなど、 シームレスに拡張していくことができます。 まさにクラウド・オー ケストレーション環境における規模拡大を簡単にする、業界初の “set it and forget it(設置 後はすべてお任せ)” 式の物理インフラです。必要な時に機器の追加が行えるため、設備の総 入れ替えのようなアップグレードを避けることができます。 Brocade ADX アプリケーション・デリバリ・スイッチは、クラウド・ベースのアプリケーション の自動化や移行、スケーリングを行い、さらにネットワークやアプリケーション・デリバリの階 層への高い可視性を提供します。 ソフトウェア・ベースのネットワーキング/セキュリティ・ソリューションの Vyatta vRouter は、 大規模なパブリック/プライベート・クラウドのインフラ構築に必要な機能を提供します。仮想ルー タである vRouter は 1 個の VM として稼働するため、あらかじめ数が決められた物理ポートやそ の他のリソースといった固定機器に制限されることはありません。どこでも必要な位置に必要なだ けの Vyatta vRouter を複製して配置でき、1 カ所のルータを無理に経由させることがないため ネットワークの輻輳を回避し、大規模な各社製のルータに比べてコストを大幅に節減できます。 現在、Brocade VCS プラグインと Brocade ADX プラグインはすでに利用可能です。今後レ イヤ 2 /レイヤ 3 やファイバーチャネルなど、他の製品とテクノロジ領域へもソリューションを 拡大する予定です。 10 OPENSTACK について OpenStack は、開発者とクラウド・コンピューティングの専門家が全世界的に協働する、業界 のイニシアチブで、パブリック・クラウドおよびプライベート・クラウドに向けて、オープン・ソー スによるクラウド・コンピューティング・プラットフォームを生み出しています。OpenStack は、 Rackspace Hosting と NASA によって創設され、標準的な、あるいは巨大規模の拡張性を もったオープン・ソースのクラウド・オペレーティング・システムに取り組む開発者の、グローバ ルなソフトウェア・コミュニティに成長しています。2012 年末に OpenStack は、ベンダや顧客、 エンド・ユーザによって支えられる独立した組織になっています。OpenStack の最終的な目標は、 標準のハードウェアで稼働するクラウド・コンピューティング・サービスの構築や提供が行えるよ うにすることです。OpenStack は、企業やサービス・プロバイダ、付加価値再販業者(VAR) 、 中小会社(SMB) 、研究開発分野に加えて、世界規模のデータセンターでも使用され、プライベー ト・クラウド、パブリック・クラウドともに大規模なクラウド展開が行われています。 詳細については、OpenStack の Web ページをご覧ください。 www.openstack.org ブロケードについて ブロケードのネットワーキング・ソリューションは、アプリケーションと情報が各所に偏在する 世界へのスムーズな移行を支援しています。イーサネットとストレージをカバーする革新的なネッ トワーキング・ソリューションによって、データセンター、キャンパス・ネットワーク、サービス・ プロバイダ・ネットワークに対応し、複雑化したシステムを簡素化し、コストを削減して、ビジ ネスの俊敏性を向上する仮想化とクラウド・コンピューティングを実現します。詳細については、 Web サイトをご覧ください。 www.brocadejapan.com ブロケードの OpenStack ソリューションの詳細については、次の Web サイトをご覧ください。 www.brocade.com/OpenStack 11 WHITE PAPER www.brocadejapan.com ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社 〒100-0013 東京都千代田区霞ヶ関1-4-2 大同生命霞ヶ関ビル TEL.03-6203-9100 FAX.03-6203-9101 Email:japan-info@brocade.com BROCADEに関するより詳しい情報は、以下のWebサイトをご覧ください。 http://www.brocadejapan.com ©2013 Brocade Communications Systems, Inc. All Rights Reserved. 05/13 GA-WP-1751-00-J ADX、Brocade、Brocade Assurance、Brocade One、B-wing シンボル、DCX、Fabric OS、ICX、MLX、MyBrocade、SAN Health、VCS、および VDX は登録商標であり、AnyIO、HyperEdge、NET Health、OpenScript および The Effortless Network は、米国またはその他の国における Brocade Communications Systems Inc. の商標です。その他のブランド、製品名、サービス名は各所有者の製品またはサービスを示す商標またはサービスマークで ある場合があります。 注意:本ドキュメントは情報提供のみを目的としており、Brocade が提供しているか、今後提供する機器、機器の機能、サービスに関する明示的、暗示的な保証を行うものではありません。Brocade は、本ドキュメントをい つでも予告なく変更する権利を留保します。また、本ドキュメントの使用に関しては一切責任を負いません。本ドキュメントには、現在利用することのできない機能についての説明が含まれている可能性があります。機能や 製品の販売/サポート状況については、Brocade までお問い合わせください。
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