商店街に関するマーケティングデータ 《簡易版》 朝日大学マーケティング研究所 調査概要 ■調査方法 Webアンケート ■調査期間 2004年1月19日(月)∼1月24日(土) ■調査対象 自分、もしくは、家族が個人商店を経営している20∼79歳までの経営者、 および、その家族(全国) ただし、コンビニ経営者(家族を含む)は除く ■抽出条件 商店街の規模を50店舗未満に限定 ■有効回答 156名 サンプル属性 商店街店舗数 9.6% 5.1% 4.5% 26.3% 5.8% 17.9% 30.8% 2∼4店舗 20∼29店舗 5∼9店舗 30∼39店舗 10∼14店舗 40∼49店舗 15∼19店舗 店舗業種分布 サービス業 18.6% 物販 34.6% 食料品販売 27.6% 飲食サービス 19.2% 1 1.地元商店街の営業状況 ■商店街における経営者の年代は、50代、60代が中心である。 また、60代以上の経営者が全体の4割弱を占めており、経営者の年代はかなり高めと言える。 ■20年以上現地で営業している店は、全体の過半数を超える(平均)。 経営者の年代も高いが、個人商店の営業年数も長く、商店街における店舗の入れ替えはあまり 行われていない。 経営者の年代(平均割合) (%) 40.0 32.1 28.4 30.0 18.3 20.0 10.1 9.4 10.0 1.9 0.0 20代 30代 40代 50代 60代 70代以上 営業年数(平均割合) (%) 60.0 53.1 50.0 40.0 30.0 21.6 20.0 10.0 7.2 7.8 2年以内 3∼4年 10.1 0.0 5∼9年 10∼19年 20年以上 2 2.地元商店街の来店客 ■来店客は、10代、20代、70代は比較的少なく、30代∼60代が、7割以上を占める。 商店街の店舗数が15店舗以上になると、10代、20代などの若い層が訪れる率は、やや 高くなる。逆に、5店舗未満などの小規模な商店街では、60代など高齢層が占める割合が 高い。 ■ここ最近、来店客が「減っている」(「微減」+「減少」)と回答した商店街は75.0% に達している。逆に「増えた」(「微増」+「増加」)と回答した商店街は、1割に満たな い。 来店客の年代層 来店客の年代層(商店街規模別) (%) 25.0 70代 8.1 9.7 13.4 9.8 9.4 10.8 11.4 20.0 20.0 18.4 16.7 60代 17.6 15.0 10.6 10.1 10.0 6.8 5.0 19.5 40代 18.1 30代 17.1 20代 9.8 10.0 10代 5.4 6.5 17.5 16.7 18.0 20.9 21.3 50代 20.0 17.7 17.0 16.4 16.4 18.7 19.8 18.3 20.3 10.0 14.4 16.3 17.5 21.9 23.3 16.4 11.1 17.7 22.5 14.7 10.6 11.0 15.9 8.6 9.8 5.7 11.7 10.6 7.8 6.7 0.0 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 0% 2∼4店舗 20∼29店舗 20% 40% 5∼9店舗 30∼39店舗 60% 80% 10∼14店舗 40∼49店舗 100% 15∼19店舗 来店客数の変動 1.3 6.4 17.3 0% 28.8 20% 増加 46.2 40% 微増 60% 不変 80% 微減 100% 減少 3 3.地元商店街の売上状況 ■ここ最近の商店街の売上は、減少傾向(82.1%)。 売上が「増えている」と回答した商店街は1箇所のみであった。 ■商店街における空き店舗数は、平均3.4店舗程度、商店街に占める空き店舗の割合は、平均 14.9%であった。空き店舗解消に向けての一層の努力が必要とされる。 商店街の売上の変動 0.6 17.3 0% 82.1 20% 増えている 40% 60% 変わらない 80% 100% 減っている 4 マーケティング研究所の分析 地元商店街は、総じて、来店客数、売り上げともに減少傾向にあり、 地元商店街は、総じて、来店客数、売り上げともに減少傾向にあり、 経営環境は極めて厳しい状況下にある。来店客数の減少は、商店街の活 経営環境は極めて厳しい状況下にある。来店客数の減少は、商店街の活 気を失わせ、個人商店の存続そのものを困難なものとしている。そして、 気を失わせ、個人商店の存続そのものを困難なものとしている。そして、 ますます空き店舗を増やす結果となっている。 ますます空き店舗を増やす結果となっている。 こうした状況においては、まず、来店客数の減少に歯止めをかけなけ こうした状況においては、まず、来店客数の減少に歯止めをかけなけ ればならない。すなわち、重要なのは、個々の商店が新規顧客の獲得に ればならない。すなわち、重要なのは、個々の商店が新規顧客の獲得に 全力を注ぐということである。 全力を注ぐということである。 個人商店においては、常連客へのサービスが全体の6、7割を占めて 個人商店においては、常連客へのサービスが全体の6、7割を占めて いるが、売上、あるいは、利益は全体の半分以下になっている例も多い。 いるが、売上、あるいは、利益は全体の半分以下になっている例も多い。 常連客は、安定した顧客で、接客しやすく、顧客サービスに対する満足 常連客は、安定した顧客で、接客しやすく、顧客サービスに対する満足 感も得られる。しかしながら、新規顧客、すなわち、ふらっと店に入っ 感も得られる。しかしながら、新規顧客、すなわち、ふらっと店に入っ た来店客に対するサービスに気を配るべきである。新規顧客を一定比率 た来店客に対するサービスに気を配るべきである。新規顧客を一定比率 で獲得し続けられなければ、店はジリ貧である。 で獲得し続けられなければ、店はジリ貧である。 商店街においては、経営者、すなわち、店主が、50代、60代であ 商店街においては、経営者、すなわち、店主が、50代、60代であ れば、顧客の年齢もまた、50代、60代が中心である。顧客の年齢は、 れば、顧客の年齢もまた、50代、60代が中心である。顧客の年齢は、 売り子の年齢にまさに相関している。 売り子の年齢にまさに相関している。 このような状況では、若い層を顧客として取り込むことはなかなか難 このような状況では、若い層を顧客として取り込むことはなかなか難 しい。若年層に商品を売りたいと考えるのであれば、まずは、若い店員 しい。若年層に商品を売りたいと考えるのであれば、まずは、若い店員 を置かなければならない。また、「若い人は何に、いくらぐらいかけて を置かなければならない。また、「若い人は何に、いくらぐらいかけて いるのか」、「普段、どんな生活をしているのか」など、若者について いるのか」、「普段、どんな生活をしているのか」など、若者について よく知らなければ、若い人を相手にした商売はできない。 よく知らなければ、若い人を相手にした商売はできない。 常に新しい刺激を与え続けなければならない若者層を対象として商売 常に新しい刺激を与え続けなければならない若者層を対象として商売 していくには、多大な資金力とたゆみない商品開発力が必要であり、そ していくには、多大な資金力とたゆみない商品開発力が必要であり、そ れぞれの個人商店が、競合するコンビニと真正面から戦うことは不可能 れぞれの個人商店が、競合するコンビニと真正面から戦うことは不可能 である。 である。 若者マーケットで戦うことは避け、50代以上の顧客を着実に捉えて 若者マーケットで戦うことは避け、50代以上の顧客を着実に捉えて いくことで個人商店に顧客を吸引すべきである。集客できる個人商店の いくことで個人商店に顧客を吸引すべきである。集客できる個人商店の 集合体として、地元商店街も活性化される。 集合体として、地元商店街も活性化される。 5 3 マンスリーリサーチ 商店街に関するマーケティングデータ 発行日 2004年1月30日 発行・調査分析 朝日大学 マーケティング研究所 〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3-21-20 朝日丸の内ビル2F TEL:052-961-4576 お問い合わせ enquete@titan.ocn.ne.jp 6
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