となっているようです。 しかし、 その他の主要項目比較では本市の数字がほとんど 東京を上回っています。 自治会加入率は本市の93%台に対 し、 世田谷区は56%台。 凶悪犯罪発生率は本市は東京の6割 程度です。 特養などの介護施設整備率も人口当たり倍以上の 大きな開きがあります。 地域で暮らす幸せ度は新潟の方が明らかに上なのです。改 善するポイントは、公共交通を強化し、歩いて楽しいまちにし ていくことなどに限られています。新潟のライフスタイルの 良いところ、改善すべきところをしっかりと分析し、新潟暮らし に欠けている点には磨きを掛け、暮らしの良さはさらに伸ばし ていく 「にいがたライフ・クリエィション」運動を新潟市から起 こしていきましょう。県内他市町村と連携して、県民運動高め ていくことで、人口流出は大きく抑制できます。21世紀、幸せ はまさに足元にあるのです。 新潟には里山もありますが、 何より豊かな田園・大地が広 がっています。 これを活かし、先ほど紹介したような 「12次産 業化」 を進めれば、新潟の豊かさはさらに広がります。藻谷さ んにお願いしたフォーラムでは、 新潟と首都圏の暮らしの違 いをさまざまなデータでご紹介しました。本市の平均生涯収 入が1億7千万円台なのに対し、 首都圏では2億3千万円台と 大きな違いがあるように見えますが、生活費は本市で暮らす 方が月6万円近く低くなっています。住宅費を見ると民間賃貸 住宅では東京は本市の倍以上です。持ち家比率も本市の 65%に対し、 東京23区では42・3%と大きな開きがありま す。 また、 通勤時間も本市の往復54分と首都圏の90分では 大きな開きがあります。 どちらに暮らしの豊かさがあるので しょうか。 21世紀の目指すライフスタイルで本市が首都圏に劣って いるのは1日の平均歩数くらいです。 特に男性が東京人より1 日1,800歩以上少なく、 健康寿命でわずかに遅れをとる一因 次期市長選挙に 出馬表明 33 No. 経済界から 一般市民から 農家から 商店街から 篠田さん ぜひ続投を 夏の夕日が照りつけ た7月19日、新潟港に 面したピア万代で篠田 市 長 の 後 援 会・あきら 会恒例の「湊の夕べ」が 始まると同時にハプニ ングが起きました。 個々の声が団体の声に あきら会役員会では、どのような結論になっても粛々と市 長を支えることを決定していましたが、もう一つの市長後援 会・にいがた広域懇話会の6月例会でも、経済界から篠田市長 へ出馬を求める発言が相次ぎました。 出馬を待つ人々から市長や後援会に個々に届く声は日を 追って多くなる一方、まとまった形で要望・お願いとなっても 表れました。 新潟市内の商工会連合会や経済団体からも、異例ともいえ る要請が寄せられ ました。そして8月 ▲湊の夕べの集いでマスコミに囲まれる 参加者や市長を前に 篠田昭市長 した主催者挨拶で、突然、 「篠田市長はまだ出馬するかどうか 明言しません。皆さん、 どうですか? 篠田市長に続投してほ しい人は拍手して下さい!」。会場は一瞬にして、大きな拍手と 歓声に包まれました。 市長の態度表明をジリジリ待ちながら駆け付けたマスコミ 陣や参加者に配慮したハプニングでもありましたが、予想外 の展開に市長はニガ笑い。それでも、 「・ ・ ・月末までには結論を 出したいので、もう少し時間を」 と言うにとどめました。 この発言を機にマスコミでは一挙に出馬表明をめぐる 新潟の可能性切り開く 11月に行われる次期新潟市長選に出馬すべきかどうか、 組みづくり」 に取り組みます。 が名を連ねた「 市 長続投要請のお願 い」が篠田市長に 提出されたのです。 多くの方々から賜った貴重なご意見を参考にしながら熟慮・ 2点目は本市の最大の特長である田園・大地の力を活かし 熟考を重ねて参りました。 これまで皆さまと共に築いてきた て豊かな暮らしをつくる「田園資源フル活用」です。ニュー 大きな土台の上に立ち、新潟の可能性を最大限に切り開くに フードバレー構想と農業戦略特区を軸に6次産業化を進める は、私がもう1期やらせていただくことが最善、 との結論に達 と共に、田園と大地の力を子育てや教育、福祉、保健・医療に し、 9月2日に市議会全員協議会でその旨の報告をさせてい 活かす10次産業化、 さらに環境・エネルギーから交流にまで ただきました。 広げる12次産業化に全域で取り組みます。 今後の4年間は新潟でも厳しい人口減少時代―超高齢・超 3点目は新潟に活力と雇用を生み、安心につなげる拠点化 少子化―の流れが押し寄せてきます。一方では、本市が国土 と産業政策です。 「防災・救援首都」を目指す中で、太平洋側 強靱化の地域計画モデル団体に選ばれ、国家戦略特区の指 にあまりにも偏った種々の機能の移転を促進し、平時の拠点 定を受けたことで、日本の中で新潟が果たすべき役割・ミッ 化を進めます。 また、厳しい国際情勢の中で環日本海から 「平 ションも明確になっています。 和・共生」を創りだす糸口として北朝鮮による拉致事件の前 ▲湊の夕べで踊りを楽しむ参加者 千歳大橋 しのだ昭 後援会 〒950-0962 新潟市中央区出来島1丁目3番11号 ロイヤル千歳21・1F TEL025-280-8808 FAX025-280-8810 http://www.shinoda-a.jp/ E-mail: info@shinoda-a.jp 2014年9月発行 下旬には市民各層 の156名もの人々 ニュースが連日のように熱を帯びましたが、その後も市長の 結論は出ません。あくまでも慎重姿勢を貫きました。 あきら会 しのだ昭 後援会 あきら会 にいがた広域懇話会 県庁 ●日産 ロイヤル ホスト● ととや● ● コンビニ ロイヤル千歳1F ●雪国家 ●新潟サンリン (株) ●デッキィ401 お気軽に事務所へ お立ち寄り下さい。 広くボランティア を募集しています。 私はそれらを十分に踏まえ、今後4年間、地方創生の動き 進を視野に拉致被害者の救済・支援策を具体化します。 を新潟から先導していきます。拠点性を高め、新潟の可能性 3つの取り組みと合わせ、新しいライフスタイルを創出す を最大限に引き出すため、 3つのテーマを最重点に取り組ん る運動にも取り組みます。持続可能な21世紀らしい暮らしは で参ります。 東京ではなく新潟にあるのです。 1つは超高齢・超少子化の中でも「日本一安心に暮らせる 新潟づくり」です。そのために地域での「新しい支え合いの仕 新潟市長 ―4期目に取り組むべきこと― 〈日本一安心な新潟づくり〉 第1は超高齢・超少子化の中でも 「日本一安心に暮らせる 新潟づくり」 です。そのためには地域力や市民力も活用させて いただき、 「地域で安心に暮らせる新たな支え合いの仕組み づくり」 を構築する必要があります。 地域でお年寄りや障がい者が医療や介護を受けられるシス テムとそれを可能にする住宅づくり、 いわゆる地域包括ケアシ ステムもその1つです。 介護保険制度の 「要支援」 が今後は新 潟市に業務移管されます。 それを機に、 生活支援の分野はコ ミュニティ協議会や自治連合会、 NPOなど多彩な方々から担っ ていただくようにし、 新しい仕組みを動かしていきます。 子どもたちの数は減少を続けていますが、子育てニーズは 大きく増加しています。 ここでも新たな支え合いの仕組みづ くりが求められます。 まず、子どもたちの居場所づくりが欠か せません。保育所・幼稚園の充実は当然ですし、それに加えて 乳幼児たちが若いお母さん・お父さんと一緒にいられる場 所・時間は重要です。後ほど述べますが、各地で運営される地 域の茶の間にもその視点を入れていきます。 小学生の放課後支援「ひまわりクラブ」 は6年生まで対象が 拡大するのに合わせ、 できる地域はコミュニティ協議会から運 営をお願いしたいと考えています。 そして、多世代が集う 「地域の茶の間」 「うちの実家」 は身近 な場所での整備について支援を強化しますので、運営は地域 などのお力でお願いします。 この人材を育てるため、 「茶の間」 や 「実家」 を全国に広めた河田珪子さんから 「実家の茶の間」 を10月にスタートしてもらい、実践的な人材研修をお願いす ることにしました。 コミュニティ協議会がこの流れの中でさらなる役割を果た していただけるよう、新しい支援の仕組みをここでもつくって いきます。 大地の恵みは暮らしの原点 〈田園・大地資源フル活用〉 2つ目の柱は、本市の最大の特徴である田園・大地の持つ 力を最大限に引き出し、新潟の豊かな暮らしをつくっていくこ とです。幸い、本市は6次産業を育てる 「ニューフードバレー構 想」 を推進し、それが基で 「国家戦略特区」 に農業分野などで 指定されました。耕作放棄地となってしまった砂丘地畑の再 生も含めて、一部は企業の力も借りながら、農村部に活気を もたらす6次産業化を強力に推進します。その一方で自然農 法や有機栽培などの動きが新潟でも広がっています。そんな 頑張る農家さんに大きく光を当てていきます。 それと同時に本市では全国に先駆けて、田園・大地の力を フル活用した 「12次産業化」 に取り組みます。新たな要素は 「子育て」 「教育」 「福祉」 「保健・医療」 の4分野と 「環境・エネル 「日本一安心に暮らせる新潟づくり」 私が4期目で取り組む重点3本柱に付いて少し詳しくご説 明します。 「日本海側の拠点」へ活力アップ コメ輸出増加を新潟から 〈拠点化と交流を創造〉 ▲有機野菜づくりに取り組む新潟の子どもたち ギ ー」 「交 流」 の2分 野です。 子育ては既に家庭 の野菜クズを有機肥 料に変える 「菌ちゃん 野 菜づくり」 や食 育 が 始 まって い ま す し、教育ではすべて ▲いくとぴあ食花民活ゾーンオープン の 小 学 生に農 業 体 験と食育を味わってもらう 「教育ファーム」 が今年度から始ま りました。 福祉でもJA新潟市が特別支援学校の生徒を農業に出会わ せる取り組みが始まっています。農業戦略特区では新潟に拠 点を置く企業が障がい者が農作業に取り組む 「農・福連携」 を 事業化する計画がスタートします。引きこもりや就業困難者 の方に農業や食品加工から社会参画してもらう取り組みも本 格化させます。保健・医療では 「医食同源」 との言葉を 「医食農 同源」 に高めていきます。地元の食材を使ったおいしく健康的 な病院食は夢に終わらせてはいけません。福祉施設の給食な ども、地域のJAや農家さんの協力をいただき、新潟から大き く改善していきます。 そして、 環境・エネルギー面からも田園・大地は重要です。 既に新津丘陵の間伐材を活用した木質ペレットが開発され、 新津の花卉農家さんはハウス栽培の熱源として活用。 そこで 栽培された花はCO2削減に貢献したクリーンな花として首都 圏などで人気があります。 これからは松食い虫の被害木や籾 殻もペレット化し、 クリーンな熱源として活用していきます。 本 市では下水道の消化ガスに雑草を加えたバイオコークスを大 学と共同で開発、 実用化の段階に入っています。 田園や里山は 再生可能エネルギー基地として資源的価値も大きいのです。 これだけさまざまな活動が始まれば、当然ですが田園や大 地は交流の格好の舞台ともなります。新潟は、 これからは単な る観光地ではなく、田園資源・食の資源を活用した 「関係地」 づくりを推進します。 3つ目の柱は新潟を拠点化し、活力を増していく取 り組みです。港湾・空港を活性化する具体策として 「農 産物や食品の輸出入基地化」 を推進します。その先兵 として、 コメの輸出を伸ばしていきます。幸い、地元の 意欲ある農家さんと企業の取り組みが相まって、本市 のコメ輸出は順調に伸び、都道府県と比較しても新潟 県、秋田県に次ぐ第3位に位置しています。 しかし、安 値のコメが参入し、先行きは不透明な要素が出てきま した。年度途中にコメ輸出の要望があっても、現状で は農家さんの負担で主食用のコメを輸出に回すしか なく、輸出量を伸ばすブレーキとなっています。 これ を改めて、本市が輸出量増加分を見込んで年次計画 を立て、仮に輸出が目標に達しない場合は本市がリス クを肩代わりすることで、新潟から輸出量を大きく伸 ばしていきます。 白根新工場完成予想図 ▲東京国際航業展でのプレゼン写真 航空機産業も着実に前進させます。西蒲区のエン ジン部品共同工場に続き、南区の機体部品の共同工 場を軌道に乗せ、その後は県と協力して新潟空港隣 接地に航空機関連産業の立地を図ります。農村部の 活性化を図るニューフードバレー構想と相まって、本 市の21世紀を支える産業に育てていきます。 そして、非核・平和・共生の実現です。世界の中でも 最も難しい地域の1つといわれる環日本海エリアでこ そ、 この取り組みが重要です。北朝鮮に拉致された事 件の解決に向けて前進が期待されています。新潟は 被害者の奪還・支援・救済の先頭に立っていきます。 また、非核・平和の都市ネットワークを強化すると共 に、東アジアの市民交流・文化交流を新潟から率先し て創造していきます。そのために日中韓3国が協力す る東アジア文 化 都 市に立 候 補しました。 できれば 2015年の東アジア文化都市に選定いただき、文化 による平和・共生を先導していきます。 地域暮らしが21世紀の幸せ ▲昨年ウラジオストク近郊を農業交流に向け意見交換する篠田 昭市長 また、農業戦略特区に指定されたことで、本市の農 産物や食品への感心が世界的に高まっています。ユ ネスコ創造都市ネットワークに日本で初めて食文化 の分野で登録・認定を目指す取り組みも11月には結 果が出ます。ぜひ良い結果をいただいて、農業特区と の相乗効果を図っていきます。 さらに本市を国際見本市シティにしていく取り組み も重要です。朱鷺メッセのある万代島をさらなる 「に ぎわい空間」 とすることで県とは一致していますが、 経済界などの要望も踏まえて見本市展示場スペース を拡充する計画を県と共同で推進します。今の展示 場面積は7,800平米ですが、 これを2万平米程度に 拡充し、国内で大規模見本市の開催実績のある企業 と連携することで、国際的見本市を年に数本程度開 催し、本市の新たな活性化の柱としていきます。 〈新潟ライフ・クリエィション〉 これらの取り組みを推進しながら、新潟は21世紀 にふさわしい新しいライフスタイルの構築を市民運 動の形で推進します。東京圏の一極集中は日本全体 の大きな問題です。本県の人口は毎年1万6千人程度 減少しており、中でも若者の流出は本県最大の問題 の1つです。人口流出を食い止めるには、新潟の暮ら しの豊かさや田園都市での生活の質の良さを知り、 それをさらに磨き、伸ばしていく県民運動を起こす必 要があります。本市はその先導役を務めます。 先日、 「デフレの正体」 などの著作で知られる藻谷 浩介さんに新潟でのフォーラムで講演をお願いしま した。いま、中国山地などでは林業など里山資源を活 用した新しい暮らしが始まっています。藻谷さんは 「里 山資本主義」 で 「マネー資本主義」 とはまったく違う暮 らし方を始めた地域の生き方を紹介しました。
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