﹃ 何故だ? CLICK 再び「九段の母」を 歌わないために 人基 権地 侵で 害の に N O ! アムネスティ 通 信 鶴岡啓三 keizo tsuruoka 「戦友」では「ここはお国を何百 いう。毎年7月のお盆から8月にかけ 里、離れて遠き満州の赤い夕日に照 て、テレビでは「思い出のメロディ」 らされて友は野末の石の下」と戦死 などと称していわゆるナツメロを主に した友を悼む歌で軍歌というより哀 した戦前戦後の流行歌の特番がある。 歌だ。 「三日二夜、食もなく、飢え カラオケで中高年に人気のあるの 迫る夜の寒さかな」や「泥水すすり は演歌だが、たまには軍歌を歌う人 草を噛み」という苦闘の歌もあった。 もいる。大戦末期の軍歌はむやみに いま問題の靖国神社について私は 勇ましいだけの戦意高揚を担った歌 「九段の母」という歌を忘れることが AMNESTY NEWS 「歌は世に連れ、世は歌に連れ」と グ ア ン タ ナ モ 米 軍 ﹄ キューバのグアンタナモ基地やアフガ ニスタンのバグラム空軍基地などでは、 「テロとの戦い」という口実で、多くの人 びとが人知れず身柄を拘束されています。 そこでは、人びとは家族や弁護士との面 会など外部との接触をいっさい絶たれ、 イラクのアブグレイブ刑務所と同じよう な拷問や虐待が行われていました。 アムネスティはその事実を、被害者の 証言や米国政府自身が公開した情報など が多かった。 できない。昭和14年に二葉百合子が 「出てこいニミッツ、マッカーサー、 歌って大ヒットしたこの歌には「こ 出てくりゃ地獄へ逆落とし」なんて んな立派なお社に神と祀られ、もっ 歌詞もあった。当時、ニミッツは米 たいなさに母は泣けます嬉し泣き」と に対する拷問や虐待について注意を喚起 海軍の、マッカーサーは陸軍の総司 いう歌詞がある。 しました。これに対し、ブッシュ大統領 令官だった。 こんなのに比べると日清・日露戦 にもとづき分析し、報告書にまとめまし た。2005年5月25日に発表した年次報 告書でも、 「幽霊囚人」の存在や被収容者 『海ゆかば』など兵士が天皇のため やラムズフェルド国防長官は「ばかばか に死ぬことを称える歌は数多いが、 しい」 「不埒な」といった言葉でアムネス 争の頃や、第2次大戦初期の軍歌は 息子を死なせた母親に、息子の戦死 哀愁を帯びた悲しい歌が多かったと を美化し感謝させるという、これほ 思う。 ど残酷な歌は他にない。 ティを非難しました。しかし、アムネス ティが指摘する問題に正面から答えるも のではありません。 アムネスティは、独立した国際的な人 例えば日清戦争の黄海海戦をテー 小泉首相がどう言おうと靖国神社 権団体として、米国からの非難に反論し マにした「煙も見えず雲もなく」で は戦争を美化し、戦犯を免罪する装 ます。米政府が世界の自由と人間の尊厳 負傷した水兵の悲壮な問い掛けがあ 置なのである。改憲論が声高に論じ について取り組んでいると主張するなら ったり、日露戦争の旅順攻防戦で乃 られる世相をみると、再び靖国神社 ば、グアンタナモ基地で起こっている人 木大将と敵将ステッセルの「水師営 と「九段の母」の出番が用意されつ の会見」では「お互いの武勇をたた つあるように感じられるのだ。 え合う」歌詞がある。 権侵害に対し、責任を果たさなくてはな りません。 グアンタナモ米軍基地などにおける人 権侵害に対し、 「ノー」のメッセージを送 るためあなたのお力を貸しください。 http://www.amnesty.or.jp/ウェブから ほおづき ブッシュ大統領へメールを送ることがで きます。 ほおづきが日に日に赤く染 まるのが楽しみな季節。実を ギュウギュウ鳴らした時代 は、遠くなった。ほおづき遊 びは平安時代の「栄華物語」 に載っているが、1000年の 谷口 玲子 社団法人アムネスティ・インターナショナル日本 〒101- 0048 東京都千代田区神田司町2-7 小笠原ビル7F TEL:03-3518-6777 FAX:03-3518-6778 E-mail:rtaniguchi@amnesty.or.jp 伝統も危うい。今日では、主 ホーム ページ に観賞用。7月9日と10日の http://www.amnesty.or.jp/ 2日間、東京・浅草寺では 「ほおづき市」が立つ。幕末に ●アムネスティ・インターナショナルは「世界 人権宣言」 を実現する社会をめざしています。 始まり、当時は子どもの疳 (かん)の虫封じの薬として売 られていた。 REPORT 2005.7 30
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