BILDPLATZHALTER 数字で見るスイス 12 % 最低税率 法人税 8 1 % 付加価値税 (欧州最低) 17.85 % 法人税の 平均 出典: PwC, ESTV, 2015年 法人税 概要 スイスは、公務員が少ないこと、そして低い税率と少ない税金支出で知られています。法 人及び個人に対する低い税率は外国企業によるスイス進出の決断を後押ししています。 こ のほか、二重課税防止のための租税協定に対する政府機関と企業の協力、欧州一低い付 加価値税がアドバンテージとなり、スイスは人気の企業進出先となっています。現在、スイ スは第3次法人税改革に取り組んでいる最中で、2019年に発効されることになっています。 施行後もスイスは税制的に競争力が高いことに変わりなく、同時に、国際的に確立された 税制を調和させることができます。 欧州における法人税 Worldwide Tax Summary 基準% 国名 単位 % 国名 単位 % アイルランド 12.50 オランダ 25.00 スイス 英国 17.85 29.22 21.00 ルクセンブルク ドイツ スウェーデン 22.00 フランス 33.30 30.20 出典: PwC, 2015年 法人税の投資マインドへの影響 国の税制が投資マインドにどの程度影響するか投資家への調査 (1=強い, 7= まったく影響ない) 国名 平均値 国名 平均値 ルクセンブルク 5.3 オランダ スイス アイルランド 5.3 ドイツ 3.8 4.7 3.7 英国 4.4 スウェーデン フランス 出典: 世界競争力レポート, 2015年 4.4 2.9 概要 • スイスの税制は連邦制です。すなわち、連邦、カントン、地方自 治体レベルで納税義務があります。 • 法人にとってスイスの税率は効率的です。カントンによってはわ ずか12%のところもあり、平均では約18%です。スイスは世界的 にみても際立って競争力が高いと言えます。 • 現在、連邦レベルの税率は、持ち株会社と協同組合は最低8.5% で、協会、財団などその他個人、投資信託会社においては4.25% となっています。また、第3次法人税改革が適応されるまでの間 も、法人形態(株式会社、管理組合、混合会社、金利課税、スイス 財政部門)は特別な法制の恩恵を受けることができます • • • 源泉税は連邦税で、所得、スイス宝くじの配当金、保険給付金な どから直接、税金として収められるものです。200スイスフランま での受取利子額は源泉税を控除されます。 • スイスには印紙税が適用されています。有価証券を用いた法的 取引、発行、貿易を行う際の税金です。印紙発行に関しては株式 など有価証券(100万スイスフラン以上)の発行の際に税徴収さ れます。有価証券取引高税の場合はスイスの証券会社が契約 取引当事者または仲介業者として有価証券を取引する場合に 課税されます。 • スイスの国内総生産に占める社会保障を含む税負担率は26.9 %と欧州の中で最も少ない水準です。 一連の租税協定 により個人及び法人は2カ国で収入が二重課税 されないことが保証されます。現在、112種類の租税協定が締結 されています。 欧州諸国の歳入 スイスの付加価値税は8%で、欧州で最も低い税率です。 40 GDPに占める税金及び社会保障負担の割合 2012年 (単位 %) 欧州諸国の付加価値税 35 欧州諸国における2014年の付加価値税率 (単位 %) 30 25 25 20 19.0 15 10 5 20.0 20.0 20.0 21.0 21.0 21.0 22.0 27.3 CH IE 32.1 32.1 PT PL ES GB 8.0 0 DE FR GB AT GR 36.3 36.5 38.5 NL DE LU 20 出典: OECD, 歳入統計, 2014年 LU 33.7 15 15.0 CH 26.9 31.2 33.0 BE NL ES IT 出典: IBFD Tax Research Plattform, 2015年 • 安定した政治環境のおかげで税制システムは安定しており、企 業は長期的な計画を立てやすくなります。 • 税務局と企業間の密接な連携により、複雑なケースであっても 適切な税制が適応されるようなしっかりした解決策が見つかり ます。 • スイスには税率の事前照会が実施されているため、税務局で事 前に適用税制を確認することができます。現行の事前照会シス テムにより企業はより高い法的な安全を確保できます。 第3次法人税改革 スイス政府は第3次法人税改革を実行し、持株会社、管理会社、混 合会社に対して設けられている現在の税制措置を廃止し、世界的 な税制と調和させます。 ただし、スイスが世界的な企業立地の魅力を損なうことはありませ ん。連邦政府は連邦法の枠組みの中で「企業立地としてのスイスの 国際競争力を高めるための税制措置」 として第3次法人税改革に着 手し、複数の措置を提案しています。 この税制改革は国際社会の発 展を考慮したものとなり、スイスの税制システムを発展させるだけ でなく、国際競争力を高め、かつ、長期的に保証するものとなりま す。新たな法制は早くて2019年1月に施行される予定です。 • パテントボックス: 新たにパテントボックス制度が導入されること になります。 これにより、特許やそれに準ずる権利に基づく収入 に対しての課税が軽減されます。研究開発の活動はこの制度を 通して助成されます。 • 秘密積立金の開示のための統一的法制 • 印紙税を資産から免除 • 利害関係者レベルの適応: 収益と配当の課税という財政的二重 負担に考慮し、配当金の70%までを新たな課税対象とします。 こ の減税措置を受けるには、従来の税法制と同じく、法人は少なく とも10%の株式を所有していなければなりません。 予算に占める税率の限度をカントンレベルまたは地方自治体レベ ルで引き下げることは各カントンに委ねられています。現在、約10 のカントンで総税率を14%以下にするという連邦税、カントン税、 地方自治体税の総税負担を効率的にする措置を取るよう計画し ています。 第3次法人税改革はスイスに所在する企業の国際競争力を強める 法的枠組みを保障し、特に高度な技術革新、付加価値、労働市場 などに結び付けられるものです。同時に、第3次法人税改革は国内 外の法人の課税における安定性と法的保障、さらには、長期計画 の財政的保証を約束します。 これはスイスが他国に対する優位性 を証明するものです。 第3次法人税改革の概要 パテントボックス 第3次法人税改革 税制を確固たるものにするため、さらなる枠組みが検討されてい ます。枠組みは以下の内容を含みます: 研究開発支出の 控除の拡大 資本税の調整 その他の措置 秘密積立金開示の統一ルール 資本金にかかる 印紙税の廃止 株式所有者のための 配当調整 • 研究開発支出のための控除拡大: 各カントンは、投資に基づいた 特別支出が伴うパテントボックスを研究開発のコストとして追加 することができます。 • さらに、各カントンで資本税を控除する制度が導入できるように なる見通しです。 OECDのパテントボックス制度 OECD租税委員会は2015年10月、パテントボックス制度の 最終報告書を発表しました。 これは、修正ネクサス・アプローチ と言われるもので、所得の発生に関連した支出に則して知的 財産関連所得の便益を納税者が享受できるようにする方法で す。 これは納税者自らが基礎的な研究開発に携わる重要な部 分を担う際も適応されます。税制優遇は直接、研究支出に連結 されます。その際、国家またはカントンで経済的実態があるこ とが前提になっています。パテントボックス制度におけるスイ スの狙いは、できる限り法人にやさしいガイドラインの枠組み を整備することです。一方、 こうしたガイドラインがあまり浸透 していない国では企業が計画のプロセスにおいて不安に感じ られるかもしれません。 成功談 のです。」 連絡先と追加情報 「スイスに拠点を置く企業は、スイスの政府機関の 効率性と信頼性に驚かされることが多いです。たと えば、財務局と企業間の協力は見事で、ふたつが同 じレベルで機能しています。税問題の法的な事前チ ェックができる税の事前確認制度への需要は高い です。 これは企業にとって、安定した政治的環境と 並んで、 きわめて重要な計画信頼性に寄与するも STEFAN SCHMID Partner Tax and Legal Services, PwC Schweiz www.pwc.ch 最新の動向 • • 経済協力開発機構(OECD)は2013年以来、税源浸食と利益移転 に関するBEPSプロジェクトで15の具体的行動指針を示していま す。法人税率の新たな国際課税ルールにあわせるためで、多国 籍企業が税率が低い国や地域で不当な利得低減や利益移転を 行うことを防ぎます。2015年10月にOECDが租税ルール改正措 置の結果を公表しました。以下の内容が企業に直接、影響を受 けます:売り上げは有資格者が実際に経済活動を行う場所で納 税しなければなりません。企業は新たに共通様式であるマスタ ーファイルとローカルファイルをそれぞれの国・地域の税務局に 提出しなければいけません。マスターファイルは多国籍企業の 国境を越えたバリューチェーン構造、さらには、機能、 リスク、価 格設定方法などの情報をまとめたものです。売上額が7億5000 万ユーロ以上の企業は所在国・地域の国別報告書(CBCR)に売 上高、従業員数、税支払いなどの重要なデータを報告する義務 があります。外国の税務当局にデータが転送されることで国際 的な情報交換の道が開けます。 スイスは今後、スイスの多国籍企業を通じて国別報告書 (CBCR)を提出するよう法的に義務化します。法制が発効する までの間、外国に進出しているスイスの多国籍企業は部分的に 罰則に対する不安を抱えることになるため、国別報告書が早期 に入手できるよう手配しないとなりません。世界共通の国別報 告書の提出はスイスの大規模な多国籍企業にとっては義務とな ります。将来的には税務局は自発的に国際的な租税問題の評価 の情報交換をすることになります。 これは、スイスが第3次法人 税改革のもと廃止する予定の課税特権の規定に影響を及ぼし ます。スイスの税務局保護法を適用することで、2018年からレポ ートの交換をする基盤ができます。すべての法規リストはまた、 移転価格マスターファイルの義務的要素でもあります。各国は 2017年から、2016年事業年度のレポートを提出するよう要求で きます。 Switzerland Global Enterprise T +41 44 365 51 51 | invest@s-ge.com | s-ge.com/invest 官公庁 連邦税務局 www.estv.admin.ch 出版物 PwC: World Tax Summaries オン ライン www.taxsummaries.pwc.com 連邦財務省国際局 SIF www.sif.admin.ch 連邦財務省 www.efd.admin.ch 連邦財務省内 法人税改革担当 www.news.admin.ch/message/ index.html?lang=de&msg-id=54566 各種団体及びネットワーク スイス税金会議 www.steuerkonferenz.ch 財務理事会議 www.fdk-cdf.ch PwC: 第3次法人税改革概要 www.pwc.ch Dienstleistungen > Steuerberatung > Unternehmenssteuern und internationale Strukturen > Unternehmenssteuerreform III OECD: 税源の侵食と利益移転 www.oecd.org/ctp/beps.htm イノベーションと 起業支援 www.swissparks.ch www.technopark-allianz.ch www.agire.ch SIF: 法人税 OECD www.sif.admin.ch Themen > Internationale Steuerpolitik > Unternehmensbesteuerung > OECD S-GEリンク 税金計算シミュレーション s-ge.ch/taxtool 事業展開ハンドブック 第10章: スイスにおける 税制の概要 s-ge.com/handbookforinvestors このファクトシートはPwC スイス (www.pwc.ch)の協力によって成り立 っています。
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