みずきの家 通信 2011 年4月 第九号 新しいリーフレット―物語の始まり この度、みずきの家のリーフレットを模様替えしました。これまで使用していたリーフ レットは、濃い緑と白でみずきの花をデザインしたものでした。これはみずきの家の開所 に合わせて「シェルター」職員である道心さんが作成しました。自立援助ホームみずきの 家を多くの方に知っていただくために一年間大活躍をしました。 昨年の秋、たまたまパルシステムから助成金をいただけることになり、思い切ってリー フレットの改訂に着手することにしました。前号でご紹介した佐々木大樹さんの力を借り てみずきの家のキャラクターとリーフレット作りを行いました。約 2 カ月をかけて出来上 がったのが下のキャラクターです。 靴にすっぽりと入った卵の絵ですが、どうしてこの絵が生まれたのかというと・・・・ 佐々木さんの絵にはよく卵が登場します。なぜ卵なのかは、 「佐々木大樹 World」で今回 語ってくれましたが、とにかく印象的な卵なので、それに靴をはかせて歩かせるのはどう かと提案しました。 「靴」はビリーバンバンの「ボクらはいつも片方の靴」からイメージし ました。そう、歌詞に次のようなフレーズがあります。 “ボクらはいつも片方の靴 いたから歩いてこれた ボクらは誰も丌揃いな靴 一緒に だから楽しく歩いて行ける” ところで、このキャラクターにはまだ名前がありません。皆様から応募しますので、ど うか素敵な名前を付けてください。よろしくお願いしま す。そして、もうひとつ。このキャラクターを基に絵本 を作りたいと考えています。みずきの家をアピールし、 自立援助ホームを知ってもらうための絵本作りです。 新しい物語の始まり・・・乞うご期待!! (ホーム長:加藤さい) 生活の場から―癒されパン作り (ボランティア:山屋春恵) 現在、1~2か月に1度みずきの家で、パンやピザを利 用者さんと一緒に作っています。とは言っても、私自身趣 味でパンを作っていた程度です。自分の個人的な趣味をみ ずきの家という素敵な環境でさせていただいている、とい った方が正確かもしれません。私にとっての“パン作り”。 それは“癒し”です。もちろん、出来立てのパンは本当に 美味しいのですが、黙々とこねる作業や柔らかな生地の感 触、そして、パンを作るたびに感じる小さな“達成感”も 癒しにつながります。 パン作りでは、強力粉と砂糖、塩、イーストなどの基本的な材料をぬるま湯や牛乳で混ぜ合わせ、 手早く黙々と手でこねます。ボソボソだった生地が柔らかく伸びやかな生地になるまでの変化を、 手の感触で注意深く感じながら、適切なこね上げのタイミングをはかります。その後発酵が進むに つれ、生地はふわふわで軽やかに変化していき、その感触はまるで赤ちゃんの頬のようです。この ふわふわ感を保ちつつ、優しく生地を扱うパン作りの工程は、まるで生き物を扱っているかのよう です。頑張ってこね、生地のふくらみ加減を見守り、優しく扱いながら温度や時間管理をするとい った少しずつ頑張りの結果が、美味しいパンにつながります。このような頑張りが報われる経験“達 成感”をパン作りをとおして利用者さんがほんの少しでも感じられればいいなと思っています。 一方、みずきの家を訪れることでも、私自身“癒し”をいただいています。片道2時間。小田急 線の窓外の景色は、南足柄に近付くにつれ圧倒的に空の面積が広がり、山川には当たり前のように 木々が生い茂り、つい旅行気分になります。みずきの家では、加藤さんご夫妻だけでなく玄関先の お地蔵さまや素敵な絵画に迎えられ、日当たりの良い開放 的なリビングでのパン作りはとても気持ちが良いもので す。また、パンの発酵や焼き上がりを待っている時などは、 利用者さんと一緒にソファーに腰を下ろしておしゃべり したりと楽しいひとときを過ごさせていただいています。 そして何より、香ばしい香りとともに焼き上がった熱々 のパンを、皆で「ふわふわ~!」「美味し~!」などと言 いながら口にする瞬間。これも私にとって“癒し”そのも のなのです。 お知らせ(1) 支援会員岩渕さんのご紹介で、鶴田慈子さんから吊るし雛(ご 自身が作成された物)の寄付がありました。総数53個のユニ ークなお雛様です。一つ一つに優しさと可愛らしさがにじみ出 ている、すばらしい作品です。皆様にご覧いただくのは来年に なりますが、どうか覚えていてください。鶴田さん、ありがと うございます! みずきの家 紹介 第九回 みずきの家から西へ5分ほど歩くと、狩川の堤 に出ます。遊歩道をしばし上流に向かって歩を進 めると、春木の径(はるきのみち)と名付けられ た桜並木があります。写真に収めたのは 3 月 19 日(土)で、桜祭りが予定されていましたが、東 日本大地震のため中止になりました。 それでも、子ども連れの夫婦、カメラを手にし たハイカー、ジョギング中のランナーや橋の上に たたずんで川面を眺めるお年寄りなどなど、堤を 行きかう人がたえないのどかな春の日、青空に映 える桜の花の下で時を過ごしていると穏やかな気持ちになりました。 桜の歌人西行が詠んだ歌があります。「春ごとの花に心をなぐさめて 六十路(むそぢ)あまり の年を経にける」若いころは桜などに興味はなく、四季折々の変化にも疎かったように思いますが、 四十を過ぎたあたりからなぜか自然の変化に目がいくようになりました。そして、年を重ねること の意味を考えています。 美しい自然に囲まれた足柄の里にどうぞおいで下さい。お待ちしています。 つぶやき 利用者の声 クロネコさんの詩から・・・(お母さんがわたしにくれた言葉) ル 笑顔はどんな時でも 「スマイル・スマイル・スマイ 吹き飛ばしていくよ。その言葉通りあなたは本当に あなたから見た私は笑顔だった? (利明) 笑顔だったね。 あなたみたいな笑顔だったらいいな。」 佐々木大樹 Art World (2) 東北関東大震災により被災された皆さまに、心からお見舞い申し上げます。1日も早く復旧され ますよう、心からお祈り申し上げます。 第2回目は、『たまご』です。学ぶことの 多い「たまご」である自分に向けた作品です。 でも、よく見るとこの「たまご」本を逆さに 読んで勉強しています。まさに、私です…。 (笑)人間誰しも「たまご」です。だからた くさん学び、生きることに一生懸命なんだと 思います。「たまご」なくせに、偉そうなこ とを言ってしまいました…。(笑)これから もたくさん学び、殻が剥ける日を夢見てがん ばります!! 野らり暮ら里のおたより その1 (岐阜県からお米を送っている支援会員:安江 忠) 我が家の梅がようやく開きました。ここ数年は 2 月中の開花が常でしたから、この冬の寒さはや はり厳しかったのでしょう。この週末が春本番を思わせる陽気だっただけに、一気に進んだようで す。しかし、その事にまったく気づかずにいました。その週末は梅を眺める余裕はありませんでし た。3月11日午後2時46分、この国は想像を絶する悲劇に見舞われました。つらく苦しい毎日 です。被災者でもないのに心が折れそうです。気が 滅入って仕事がはかどりません。神奈川での被害も 報道され、みずきの家も心配でした。そしてホーム 長の八戸の実家は大丈夫だろうか。ただただ全ての 無事を祈るばかりでした。 ここは岐阜の東南部、信州との県境にある静かな 山間です。細々と百姓仕事にいそしむ私は、加藤夫 妻とは30数年来の付き合いです。彼らの勇気ある 再出発にエールを送り、農産物を届けることで応援 をしています。そうそう、震災の2日前にも米と丌 我が家は標高約 500m、市街地が眺められます。 出来なカブを送ったばかりです。勤めを辞し就農してから16年、未だに半人前以下の百姓です。 なかなか思うようにはいかず右往左往の毎日ですが、何とか暮らしていくことができればこれほど よい職業はないと思っています。ただこれが難しい。つまり経済的に自立できることが。このとこ ろ、農業の魅力を生かしてもっと違う方向を目指すべきではないかと考え始めました。自然と向き 合いながら採りたての美味しいものを食すことを、人を癒すことに繋げられないかと。どうも加藤 夫妻の再出発に影響されて心が揺れているようです。 90 歳になった母が、 「餅でもついて送ってやるか」とカマドで米を蒸し始めました。よーし気分 転換にいっちょやりますか。今の日本を覆う悲しみや苦しみを石臼の中につきこみましょう。ペッ タンペッタン、ほれほれペッタン。元気出せペッタン。 (2011 年3月 16 日/中津川より) おしらせ(2) みずきの家のキャラクター(1 ページめにある靴をはいた卵)に名前を付けてください。楽しくてか わいらしい名前をお願いします。応募の方法は次のとおりです。 よろしくお願い致します! ①FAX で送信する ②メールを利用する(mizuki@tempo-kanagawa.org) ③直接伝える 4 月末日を締め切りとさせていただきます。名前の発表は第十号の通信で行います。 *3 月 11 日(金)、東日本大震災で東北・関東地方の、特に太平洋沿岸地域は言語に絶する被害 をうけ、多くの人命が失われました。言葉なく、ただ祈るばかりです。(合掌) 2011 年4月1日発行 自立援助ホーム 〒250-0124 (第九号) みずきの家 神奈川県南足柄市生駒 75 番地 TEL:0465-43-8302 FAX:0465-43-8258
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