障害のあるアーティストの創造性溢れる活動を支援

報道関係者向けご参考資料
2010 年 9 月 30 日
ブリティシュ・カウンシル
ブリティッシュ・カウンシル
障害のあるアーティストの創造性溢れる活動を支援
2012 年ロンドン・オリンピック・パラリンピック大会関連文化プログラム
英国の公的な国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシル(東京センター:東京都新宿区、駐日代表:ジェイ
スン・ジェイムズ)は、2012 年ロンドン・オリンピック・パラリンピック大会(以下、ロンドン五輪)を機に、英国や世界各
国の障害のあるアーティストの創造性溢れる活動を支援するプログラム「アンリミテッド(Unlimited)」を、関係パートナ
ーと協働で展開します。日本では、日英の障害のあるアーティストによる国際共同制作の実現を支援します。
アンリミテッドは、英国内、または英国と世界各国の障害のあるアーティストの協働による、質の高いアート作品の
制作を支援し、育成プログラムのほか、世界各地でその作品を発表する機会を提供するプログラムです。以下 4 つの
プログラムを柱に展開されます。
1.アンリミテッド・コミッション(Unlimited Commissions)(以下、UC)
障害のあるアーティストの新作制作を助成するプログラム。助成対象は合計約30作品で、2010年から2011年に
かけて3回に分けて募集します。英国内で活動するアーティストを対象にした第1次募集(2010年1月4日締切)で
は10作品が選定されました。第2次募集(2010年10月1日締切)、3次募集(2011年4月18日締切)では、日本を
含む諸外国のアーティストと英国のアーティストとのコラボレーション作品も対象となります。
2. アンリミテッド・タレント(Unlimited Talent)(以下、UT)
UCの助成を受けることになった英国内外のアーティストを対象とした育成プログラム。アーティストやプロデュー
サー、フェスティバル主催者などから、作品を作る上でのアドバイスやトレーニングを受ける機会を提供します。
3.アンリミテッド・プレゼンツ(Unlimited Presents)(以下、UP)
UCの助成により制作された作品が、カルチュラル・オリンピアードのフィナーレを飾る「ロンドン2012フェスティバ
ル」や、英国各地の劇場やフェスティバルなどで上演されるよう支援します。
4.アンリミテッド・インターナショナル(Unlimited International)
UC、UTを通じて、英国とその他の国の障害のあるアーティストが協働し、それぞれの文化について学び交流す
ることを支援するほか、UPの一環として、世界各国で新しい作品が上演されることを支援します。英国と諸外国
のアート組織との間での対話を広げ、アートやスポーツ、社会全般の中で障害のある方の直面している課題に
ついて探っていきます。日本をはじめ、インド、クロアチア、コロンビア、スリ ランカ、中国、ドイツ、ニュージーラン
ド、ブラジル、ベネズエラ、南アフリカ、メキシコの計12か国が参加します。
アンリミテッドは、ロンドン五輪の文化プログラムである「カルチュラル・オリンピアード(Cultural Olympiad)」の主要
プログラムのひとつです。ロンドン・オリンピック・パラリンピック組織委員会、アーツ・カウンシル・イングランド、クリエ
イティブ・スコットランド、アーツ・カウンシル・オブ・ノーザン・アイルランド、アーツ・カウンシル・オブ・ウェールズ、ブリテ
ィッシュ・カウンシルとのパートナーシップにより運営されています。
<日本では国際共同制作の実現を支援>
日本では、日英の障害のあるアーティストによる国際共同制作の実現を支援します。UCへの応募のアドバイスの提
供や、国際共同制作の実現をサポートするとともに、作品が英国だけでなく日本でも上演されるよう働きかけていきま
す。アート関係者だけでなく一般にも広く周知し、アートやスポーツの現場、社会全体の中で、障害のある方々が直面
している問題や課題について議論を深め、多様で平等な社会の提唱を目指します。
<アンリミテッドコミッション第一次募集で南村千里さんの参加作品が選出>
UC第1次募集で、ロンドンで活動する、聴覚障害のある日本人ダンサー南村千里さんが参加する「ザ・ガーデン
(The Garden)」が助成対象に選出されました。ザ・ガーデンは英国の障害のある方の劇団「グレイアイ・シアター・カ
ンパニー(Graeae Theatre Company)」による作品です。2010年6月、「グリニッジ+ドックランド インターナショナル
フェスティバル2010」で公演され、今後は形式を変えて再上演の予定です。
本件に関するお問合せ先
ブリティッシュ・カウンシル 広報・マーケティング部 河上、地平(じひら)
TEL: 03-3235-8005 / 8068、FAX: 03-3235-8040 E-mail: pr@britishcouncil.or.jp
<ご参考資料>
■ ブリティッシュ・カウンシルについて
ブリティッシュ・カウンシルは、1934 年に設立された英国の公的な国際文化交流機関です。世界 100 カ国以上で英国と諸
外国の文化交流活動を推進しています。日本では 50 年以上の歴史を誇り、教育と文化を通じて、英国と日本を結ぶ架け
橋になることを目指しています。 ウェブサイト: www.britishcouncil.or.jp
■ ブリティッシュ・カウンシルによる障害のあるアーティストとの活動
ブリティッシュ・カウンシルは世界各国で、機会均等と多様性を反映した活動に取り組んでいます。日本では主にアーツの
分野で障害のあるアーティストの活動を支援する活動を行っています。主な過去の活動は下記の通りです。
● 英国「ストップギャップ・ダンスカンパニー」による各種イベント開催
「ストップギャップ・ダンスカンパニー」(以下、SG)は、学習障害や身体障害のある人もメンバーとして参加する、英国
を代表するダンスカンパニーです。2009年3月、東京にて、ダンスアーティストなどを対象に、SGによる実践的なワー
クショップ、フォーラム、デモンストレーションを開催しました。フォーラムでは地域に向けた幅広い活動や芸術の社会
的意義、作品のクオリティなどについて、SGのメンバーが日本の専門家とともに語り合いました。これらのイベントは、
ブリティッシュ・カウンシルとNPO法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク(JCDN)の共催で、2008年7月か
ら2009年3月まで日本各地で展開した「Dance Life Festival 2008」の一環として行われました。
●グレイアイ・シアター・カンパニーのディレクターによるセミナー
2009年12月、エイブル・アート・ジャパン、明治安田生命と共催で、グレイアイ・シアター・カンパニー(下記参照)のア
ーテイスティック・ディレクター、ジェニー・シーレイ(Jenny Sealey)を 迎え、レクチャーと演出家向けのワークショップを
開催しました。
■ グレイアイ・シアター・カンパニーについて
グレイアイ・シアター・カンパニーは、身体障害のある劇団俳優、脚本家、演出家
などと作品を制作する英国を代表する劇団です。制作された作品は、障害のある
なしに関わらず、幅広い観客が楽しめるものとなっています。1997年よりアーティ
スティック・ディレクター、ジェニー・シーレイが組織を率いています。
■ 南村千里さんについて
生後7ヶ月目に聴力を失った振付家、ダンサー、ダンス講師。1999年にロンドン
のラバンでダンスを学び、2003年横浜国立大学大学院修士課程修了。2003年
に英国に再渡英。2003年から2006年末まで、英国のCandoCo Dance
Companyのダンサー・指導者として参加。アジア、アフリカ、欧米など15カ国35
都市以上で公演、ワークショップを実施。現在、フリーランスアーティストとして、
ロンドンを拠点に活動中。2010年11月上旬から1月半ばまで日本に滞在予定。
ウェブサイト: http://chisato.h-and-c.jp/index.html
グレイアイ・シアター・カンパニー ザ・ガーデン
■ ブリティッシュ・カウンシルのオリンピックに向けた取り組み
ブリティッシュ・カウンシルは、2012 年ロンドン・オリンピック・パラリンピック大会は、英国と世界の人々との間の理解と絆を
深める、大変貴重な機会であると考えています。他の組織とのパートナーシップにより、主に教育とアーツの分野における
経験と専門知識を活かした活動を推進しています。
■ 「カルチュラル・オリンピアード」について
カルチュラル・オリンピアード(Cultural Olympiad)は、2012年ロンドン・オリンピック・パラリンピック大会(以下、ロンドン五
輪)の文化芸術プログラムで、近代オリンピック・パラリンピック関連活動において史上最大規模の文化祭典です。北京オリ
ンピック・パラリンピック大会終了後の2008年9月より2012年までの4年間、英国在住の全ての人、特に若者の間で、ロンド
ン五輪に関わる機会を与え、あらゆる文化の形を通して創造性を喚起することを目指します。既に、ロンドン五輪に関連す
るスポーツ、文化、教育、環境、ボランティア、ビジネスの様々な分野での非営利団体による活動「Inspire programme(イ
ンスパイアー・プログラム)」と、ロンドン五輪開催2年前イベント「Open Weekend(オープン・ウィークエンド)」を通じて、何
百万人もの人が関わっています。フィナーレとして、2012年夏の12週間、英国全土で祭典が行われ、世界各国から一流ア
ーティストが一堂に会します。
カルチュラル・オリンピアードは、英国の宝くじ(National Lottery)の収益を基にした助成1,660万ポンドのほか、レガシー・ト
ラストUK(Legacy Trust UK:ロンドン五輪に向け地域活性化を支援する英国の非営利団体)、アーツ・カウンシル・イングラ
ンド(イングランドにおける公的な芸術支援機関)などの助成を受けて運営されます。ブリティッシュ・カウンシルは、関連プロ
ジェクトの国際的な展開に対して、計300万ポンドを投じます。BP社とBT社はプレミア・パートナー、パナソニック社は「Film
Nation: Shorts」のパートナーです。 ウェブサイト: www.london2012.com/culture
以上