電子行政オープンデータ戦略 に関する提言の概要と検討 国際大学GLOCOM 講師/主任研究員 インターネットユーザー協会(MIAU) 理事 Open Knowledge Foundation日本グループ 庄司昌彦 Masahiko SHOJI shoji@glocom.ac.jp Twitter:@mshouji 20120910 1 自己紹介 • 経歴 – 1976年 東京都葛飾区生まれ、埼玉県三郷市育ち – 2002年、中央大学大学院総合政策研究科修了 修士(総合政策) – 2002年 国際大学GLOCOM研究員 – 2008年 国際大学GLOCOM主任研究員/講師 • 活動 – – – – 実践女子大学、中央大学、東海大学にて非常勤講師を務める 2009年~ インターネットユーザー協会(MIAU) 理事 2010年~ 内閣官房IT戦略本部電子行政TF 構成員 2012年~ 大妻女子大学非常勤講師 • 主な著書(共著) – 『未来を創る情報通信政策』, NTT出版(2010) – 『クリエイティブ・シティ』, NTT出版(2007) – 『地域SNS最前線 Web2.0時代のまちおこし実践ガイド』, アスキー (2007) 20120910 – 『行政&情報システム』誌で「行政情報化新時代」を連載中。 2 日本の政策形成過程 • 行政が政策論議をリード – 中央省庁がアジェンダ設定・利害調整 – 業界と密接に連絡を取り許認可・行政指導で利害を調整 – 与党が承認して国会に法案提出 開発主義期の産業政策で機能 政産官の密接な関係(「鉄の三角形」)の中で官が 政産官の密接な関係 主導する政策形成は効率的・効果的 産業が近代化・キャッチアップ。高度経済成長 チャルマーズ・ジョンソン『通産省と日本の奇跡 』 (1982年) 20120910 3 90年代以降の政策形成過程の変化 • 法律 • 「情報社会」化 – 特定非営利活動促進法(98年) →NPO活動の増加 活動の増加 – 情報公開法(99年) →行政 行政情報の公開促進 行政情報の公開促進 – 国家公務員倫理法(00年) →官民情報 官民情報交換 官民情報交換オープン化 交換オープン化 – 国民の知識生産や協力行動の 国民の知識生産や協力行動の エンパワー • 変化 – 公共志向の活動、非営利活動 の増加 – 政策情報の収集・分析、評価を 行いやすくなった 行いやすくなった • 政治 – 連立政権(1993年~)の常態化→ 連立与党間調整という新たな政策 過程の登場 – 内閣機能の強化→政治主導 20120910 4 オープンガバメント論の形成 • OECD(2001)”Citizens as Partners: Information, Consultation and Public Participation in Policy-making” • OECD(2005)”Modernizing Government” – – – – 国民と政府がICTを通じ従来以上に接近する環境下でICT活用に新しい価値を見出す 国民からの信頼性向上、新しい民主主義の模索 情報開示強化による一層の透明化、政策形成への一層の国民参加を期待、 政府と国民の協働や国民の政府への接触の改善 • OECD閣僚級会合 ソウル宣言(2008) – 文化遺産、科学データを含む公的セクターの情報やコンテンツを、よりいっそうデジタル 形式で入手しやすくする。 形式で入手しやすくする。 • Noveck(2010) ”Wiki Government” – 「新たな技術を積極的に活用した協働の拡大が、よりよい意思決定と積極的な問題解決 をもたらし、さらには経済と社会の成長に拍車」 20120910 5 オープンガバメントとは • オバマ大統領 – 「Transparency and Open Government」 覚書 2009年1月 – 「Open Government指令」 2009年12月 • 透明性 Transparenc y • 積極的情報公開 • データドリブン意思 決定 • 意思決定・行政手 続・財政の透明化 • 参加 Participation • パブコメ、熟議 • 民間による公共デー タの活用促進とイノ ベーション 20120910 • 協働 Collaboratio n • 組織・セクター間 • 「プラットフォームと しての政府」 • 「新しい公共」、「大 きな社会」 6 20120910 7 米国政府 • ソーシャルメディア活用 • 情報発信先の優先順位を変更し国民への直接提供を優先 – 一般的ツール(Web)の活用によるアウトリーチ • 戦略的活用 – カイロ演説をYoutubeで公開。多言語(英・仏・ヘブライ・ヒンディー・インドネ シア・マレー・ロシア・トルコ等)字幕提供 • Challenge.gov (連邦調達庁(GSA) 2010年9月~) – 政府機関が「社会的課題」を提示し、ネットを通じて広く国民から解決方法のアイディアを 収集 – 採用アイディアには賞金。場合によっては実現予算が投入 – 「クラウドソーシング」「オープン・イノベーション」 – NASA:「1ガロン(3.8リットル)/人のガスより省エネで200マイルを2時間以内で飛行する 技術」→165万ドル – エネルギー省:「通常の電球を代替する新技術」→1500万ドル – 農務省:「子供の食生活改善レシピ」→12000ドル賞金(総額) 20120910 8 英国・豪州 • 豪州 • 英国 – 首相 透明性方針表明の書簡 (2010年6月) • 支出集計データCOINSのオンラ イン公表 2010年6月 25000 • 25000ポンド以上の政府支出の オンライン公表 2010年11月 2010 11 – オープンガバメント宣言(2010 年7月) – 政府の公開する政府文書や統 計データ、議会議事録などのコ ンテンツをクリエイティブコモンズ ライセンスで提供 – 国防、給与、個人情報は除外 • 25000ポンド以上の国際開発支 出のオンライン公表 2011年1月 • 政府ICT契約のオンライン公表 2010年7月 • すべての契約のオンライン公表 2011年1月 20120910 9 新たな情報通信技術戦略(2010) • 2013年までに、個人情報の保護に配慮した上で、2次利用可能な形で 行政情報を公開し、原則としてすべてインターネットで容易に入手するこ 行政情報を公開し、原則としてすべてインターネットで容易に入手 とを可能にし、国民がオープンガバメントを実感 国民がオープンガバメントを実感できるようにする。 国民がオープンガバメントを実感 • 【重点施策】 – 行政が保有する情報を2次利用可能な形で公開して、原則としてすべてイ ンターネットで容易に入手できるようにするなど、行政が保有する情報の公 開を積極的に推進する。 – 行政が保有する統計・調査などの情報について、回答者の個人情報を保 護する観点から、個人が特定できない形に情報の集約化・匿名化を行い、 それらを原則としてすべて2次利用可能な形でインターネットで容易に入手 し、活用できるようにすることにより、新事業の創出を促進する。 20120910 10 素晴らしい能力の増幅器たるネットが、 サブカルチャー領域以外ではほとんど使われない、 “上の人”が隠れて表に出てこない、 という日本の現実に対して残念だという思いはあります。 日本のWeb 日本のWebは「残念」 Webは「残念」 梅田望夫さんに聞く (ITmedia 2009年6月1日) by Jun Seita 20120910 11 国内事例 • 事業仕分け(行政刷新会議) – 予算過程、個別事業の実施体制、実施状況、使途等を公開 – ネット中継×Twitter による 「全公開」と「擬似参加」 • 動画保存・編集・共有、文字起こし、まとめサイト化 • ネットユーザーがさまざまな形で政策議論に厚み – 民間事業者との連携 • 政府は番組表と配布資料と動画サイトへリンク、解説番組(ニコ動) • 行政事業レビュー – 各事業の支出先等の情報を統一形式にまとめた「行政事業レビューシート」を公開 – 約5500事業の内容や支出先が比較しやすい形式で公開 – ただし、すべてPDF形式 一部の府省のシートはスキャン画像 20120910 12 20120910 13 震災:協力・動員のメディアとして活用 • 自発的な協働 – ヤシマ・ウエシマ作戦(買占め防止)、 義援金、Person Finder、Sinsai.info(地図)、 • 政府のデータ公開と国民による活用 – Open Government – 経済産業省・LASDECがPDFではなくHTMLや CSVでの情報提供を要請 – 政府や東京電力等のデータを活用した自発的 アプリ開発が国民の情報入手に貢献 20120910 14 Hack For Japan • 開発者の方々が相互に交流を図り ながら、活発に開発が行われるイベ ントを実施 • アイデアソン(Ideathon)・・・サービ スやアプリケーションのアイデアを 参加者同士で出し合い、ハッカソン に向けての事前準備を行うミーティ ング。 • ハッカソン(Hackathon)・・・参加者 が集い、アイデアソンで出し合ったコ ンセプトを元に、短期間でサービス としての一定水準に仕上げていくプ ログラミング会合の場。 20120910 15 20120910 16 経済産業省 データボックス 20120910 17 現状認識 • 日本におけるIT革命の到達点と課題 – 情報通信基盤整備では世界最高水準 – しかし基盤を活用し、国民主導でITの恩恵を最大限享受する社会は未達 20120910 出典:平成23年情報通信白書 (総務省「ICT基盤に関する国際比較調査」(平成23年)) 18 電子行政オープンデータ戦略 20120910 19 オープンデータの定義 • オープンデータとは、自由に使えて再利用もでき、かつ誰でも再配布で きるようなデータのことだ。従うべき決まりは、せいぜい「作者のクレジッ トを残す」あるいは「同じ条件で配布する」程度である。 トを残す」あるいは「同じ条件で配布する」程度である。 – 利用できる、そしてアクセスできる • データ全体を丸ごと使えないといけないし、再作成に必要以上のコストがかかっては いけない。望ましいのは、インターネット経由でダウンロードできるようにすることだ。 また、データは使いやすく変更可能な形式で存在しなければならない。 – 再利用と再配布ができる 再利用と再配布ができる • データを提供するにあたって、再利用や再配布を許可しなければならない。また、他 のデータセットと組み合わせて使うことも許可しなければならない。 – 誰でも使える 誰でも使える • 誰もが利用、再利用、再配布をできなければならない。データの使い道、人種、所属 団体などによる差別をしてはいけない。たとえば「非営利目的での利用に限る」など という制限をすると商用での利用を制限してしまうし「教育目的での利用に限る」など の制限も許されない。 http://opendatahandbook.org/ja/what-is-open-data/index.html#full-open20120910 20 definition 欧州におけるオープンデータ “加盟国は、公的機関が保有する情報の再利用が可能な場合には、 商業・非商業の目的を問わずこれらの情報が再利用可能であること 商業・非商業の目的を問わずこれらの情報が再利用可能である を確保しなければならない” EU指令2003年/98/EC “公共データの再利用を無料で簡単に行えるようにすることで、政府 公 の透明性を高め、公共サービスの質を上げることができる。また公 共データを開放することで、情報経済を発展させ、イノベーションを 促進し、成長と雇用をもたらすことができる” 促進し、成長と雇用をもたらすことができる フランス政府、Council of Ministers on August 31, 2011 “欧州の政府機関は、まだ実現されていない経済的可能性の金脈 まだ実現されていない経済的可能性の金脈 (公的機関により収集された大量のデータ)の上に座っているような ものだ。” 欧州委員会プレスリリース、2011年12月12日 20120910 高木総一朗氏(NTTデータ)資料より 21 欧州各国のオープンデータ・ポータルサイト 欧米諸国では公共データを公開するポータルサイトが整備されている。自治体の取り組みも多い。 英国 フランス http://data.gov.uk http://data.gouv.fr パリ市 http://opendata.paris.fr ベルリン http://daten.berlin.de 世界のオープンデータサイト開設国 世界30ヵ国が開設済み OECD、国連など国際機関もデータポータ ルを開設。EUも開設予定。 Source: data.gov(US) 20120910 高木総一朗氏(NTTデータ)資料より 22 欧州での取り組みの歴史 2003年のEU指令から検討が始まっているが、2009年以降に急速に進展が見られた。 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 EUレベル ● ● PSI利活用に 関するEU指令 INSPIRE指令 ● ● ● 欧州デジタル アジェンダ マルメ宣言 欧州オープン データ戦略 ● EU指令の 改定作業中 英国 Re-use of PSI Regulations 推進体制の 確立(OPSI) data.gov.uk 開設 透明性原則 「透明性ア ジェンダ」 オープンガバメ ント・ライセン スの制定 フランス Etalabの設立 2003年のEU指令発表後も断 続的に閣僚級で戦略を提示 フランス、ベルリンは2010~ 2011年に急速に取り組みが 加速。 大統領演説 首相演説 ライセン スの制定 data.gouv.fr 開設 ドイツ (ベルリン) ニーズ調査、 ラウンドテー ブル 特に英国・フランスでは政治的 リーダーシップが特徴的 20120910 高木総一朗氏(NTTデータ)資料より PSI提供指針 Berlin Open Data Day daten.berlin.de 開設 オープンデータ・ アジェンダの制定 23 Open Government Pertnership • • • 2010年9月~ 汚職撲滅と行政透明化を目指して米国・ブラジルが主導。 約60カ国が参加(日本は不参加) 20120910 24 Open Government Pertnership • インドがデータポータルdata.gov.inをβオープン(2012年9月) – 政府の透明性が高くないインドがデータ公開に踏み切ったのは、米国と OGPとの協力が大きい – Open Knowledge Foundationによってオープンデータ勉強会&ワーク ショップが、ムンバイ、チェンナイ、バンガロール、デリーと立て続けに開催 – 米国にとってインドは有望市場。インドは今後の経済発展に向け情報基盤 整備が必要。両者の利害が一致。 • 中東・アフリカ等途上国への広がり – 米・インドの連携によるメリットが中東やアフリカ等の国々にも見えてきてい るためにOGPが広がっているのではないか。 • 日本の参加 – 参加する方が、国内の改革推進と海外市場獲得にプラスではないか 20120910 25 現状認識 • ITを活用し、国民が恩恵を享受するためのカギは、データ を活用し、国民が恩恵を享受するためのカギは、データ活用 を活用し、国民が恩恵を享受するためのカギは、データ活用 – センサー、データベース、シミュレーション、クラウド等の技術、標準化や著 作権など制度面の議論が進展。 – 世界各国で、政府保有データを積極公開し、有効活用するための議論や実 践が進展 • 民間でも多くの企業が、重要な経営課題としてデータの有効活用に取組む – 東日本大震災では、被災地の状況や物資・ボランティア、電力消費や放射 線量など、さまざまなデータが官民の協力で生成、連携、整理され、活用 • 利用容易な形式、バージョン管理、個人情報保護、著作権等の課題も – 情報システムの投資管理や行政手続のオンライン化等中心の電子行政か ら、データを積極的に活用して効率化を図り、さらには民間企業や社会組 データを積極的に活用して効率化を図り、さらには民間企業や社会組 織とともに付加価値を生み出す電子行政へのパラダイム転換が必要 織とともに付加価値を生み出す電子行政へのパラダイム転換が必要 20120910 26 「戦略」策定への動き IT戦略本部 本部長:内閣総理大臣 本部員:全閣僚・民間有識者 7月 「電子行政オープンデータ戦略」策定 →官民合同実務者会議 電子行政オープンデータ戦略 に関する提言 6月中旬、とりまとめ 企画委員会 座長:内閣府特命担当大臣 電子行政に関する タスクフォース 6月以降、 「電子的提供指針」改定の検討等 CIO連絡会議 CIO補佐官等連絡会議 20120910 27 20120910 IT戦略略本部第8回企画委員会資料より 28 今回の「戦略」の意味 • データを有効活用する社会づくりに向け、 政府のIT戦略として一歩 政府の 戦略として一歩踏み出すという強いメッセージ 戦略として一歩 – 政府全体として進める意義とインパクト – ただし既に多くの情報は公開。問題は「活用」 →公開から活用へ 公開から活用へ – 各省庁、独立行政法人、民間ビジネス、表彰イベント等で先駆 的取組みも既に存在。 →先行事例を参照しながら実践に基づく改善・体系化へ • 著作権、国有財産法上の扱い、利用規約(営利目的利用)、データ形式、 カタログ整備、ニーズ把握、コンテスト運営ノウハウ…等 • 自治体、企業、非営利組織、個人等は、政府の動きを待つ それぞれ動き出しながら経験を共有していく のではなく、それぞれ動き出しながら経験を共有 それぞれ動き出しながら経験を共有 20120910 29 20120910 「総務省のクラウド政策/オープンデータ政策の現状と課題」平成24年6月27日 総務省 松田昇剛氏資料より 30 20120910 IT戦略略本部第8回企画委員会資料より 31 国内外の具体的事例 20120910 32 公共データポータル例:Data.gov.uk 20120910 33 Data.gov.uk • 概要 – 2009年12月開設 – 政府機関のさまざまな情報をワンストップで提供 – データの可視化や、データを利用した公共アプリケーション開 発などを促す • データ提供に積極的 – 2001年から政府機関が保有するデータの所在情報などを広く 公開 – 米国政府よりも多い3000種類ものデータをワンストップで提供 • プロジェクト推進 – ティム・バーナーズ=リー( world wide web 開発者) – セマンティックウェブ技術の活用なども行う 20120910 34 Where Does My Money Go? (税金はどこへ行った?) 20120910 35 英国:活用事例 高齢者入居施設(ケアホーム)を探 し出すサービス iPhone等から 等から 近所の薬局を探し出すサービス 20120910 36 統計データ提供(オランダ) • 統計局は、民間と行政の統計予算をできる限り削減することを目指し、行政情 報を無料で提供 • 分析ツールも提供 • 登録簿型センサス(バーチャルセンサス)も実施 20120910 37 公共データを活用した民間サービスの例 Multimap Next Bus London for iPhone 郵便番号から地図を 検索するサービス。 イギリス政府のデータ (有償)を活用。 2人で創業→120人に 拡大、マイクロソフトへ 売却。 ロンドンのバス運行 情報を利用したサー ビス。 バスの現在地を地図 上に表示したり、停 留所ごとに次のバス が来るまでの時間を 表示する。 Open Data Cloud London Cycle Hire LIVE ロンドンでは町中に自転 車のシェアリングシステ ムがある。(通称ボリス・ バイク) このレンタル用自転車 の空き状況をリアルタイ ムで検索できるサービス。 教育、スキル関連の データをdata.gov.uk などから集め、クラウ ド上に集約するサー ビス。 エンドユーザ向けサー ビスではなく、データ を整理するサービス。 20120910 高木総一朗氏(NTTデータ)資料より 38 公共データを活用した民間サービスの例: YOU CHOOSE 20120910 39 透明性志向の公共データ活用 20120910 40 ワシントンDC • Apps for Democracy(08 年) – 公共系アプリケーション作成 コンテスト – Data Catalogを 使い、DC 市民のためにアプリケーショ ンを作る – オープンソースであることも 条件 – 参加者は企業も個人も可 (2008年は 約60%が個人) • 作成時間は1ヶ月、賞金は合 計2万ドルが提供 • 参加者は47名、 • 5万ドルの予算で47ものアプ リケーションを開発 20120910 • Data Catalog • 400以上のデータセット • 様々な形式(XML、Text、CSV、 KML 、ESRI Shapefile) 41 ニューヨーク市 • 市の公開データを用いたアプ リケーション開発コンテスト 「Big Apps」を開催 • 目的 – 積極的な情報提供による行政機 関の透明性の向上 – 説明責任の遂行 – 地域のIT産業振興 • 応募作品 – 地域のイベント情報や不動産情 報、リクリエーションセンターやレ ストランの衛生検査結果情報な どを検索するアプリケーション等 CPR(Citywide Performance Reporting System) 20120910 現在のオープンデータの主要事例は「地域」 42 東京アメッシュ • 東京都下水道局 – レーダー、雨水計等の情報を統合して 作成 – 都心部は250m×250m のメッシュ – 5分毎にそれぞれのメッシュの降雨強 8 度を8段階で表示 • 公式にはAPI公開していないが様々 な勝手アプリやビューアーが存在 – 登録エリアに雨が降ったらTwitterに 知らせるサービス – 東京アメッシュ for kindle – 東京アメッシュ for iPhone – アンドロイドアプリ 東京を中心とした東西約190km南北約 120kmの範囲の降雨状況を表示 20120910 43 東京安全安心まっぷ 「メールけいしちょう」を元に不審者や犯罪発生、防犯情報などを地図上に表示します。(警視庁承諾済み) 20120910 44 データシティー鯖江、公開情報 • • • • • • • • • • • 市内公園等のトイレ情報(XML) 鯖江百景の位置情報等(XML) 災害時の避難所の位置情報(XML) 市内のAED情報(XML) 鯖江市の施設(XML) 市内のwifiの設置場所(XML) さばえ検定100問(XML) 人口、気温(XML) さばかん(鯖江観光)情報(XML) 公式ホームページのRSS 鯖江市議会UST録画とトピック(サンプル)(XML) 20120910 45 オープンデータ活用を 進めるための方法 20120910 46 オープンデータ活用を進めるための方法 • API公開 • 開発イベント – アイディアソン+ハッカソン、 – 例:復旧・復興支援制度 データベース(復興庁等) – 例:データキャンプ(デン マーク) • 仲介者 – 需要者のニーズに合う情 報の公開を政府機関に働 きかける – データを整形・加工する – 政府機関 or 民間事業者 20120910 47 国内コンテスト事例 名称 スマートフォン等WEBアプリコンテスト http://www.city.sabae.fukui.jp/pageview.html?id=11452 主催 • コンテスト 福井県鯖江市 概要 – 賞金授与、開発資金援助、 買取り、オーソライズ – 例:鯖江市 20120910 目的 鯖江にちなんだスマホ等のWEBアプリを募集。優秀 作品を市内の公衆無線LANなどの環境下で提供す ることで鯖江市やまちなかの賑わい、魅力発信につ なげ、併せてアプリの研究開発を奨励。 募集内容 市の魅力を効果的に発信し、市のPR、観光スポット や商店街等の案内やにぎわい創出につながるスマー トフォンやタブレット型端末向けのWEBアプリケー ションおよびその企画 ※企画のみの応募可。 稼働環境 スマホやタブレット端末のWEB閲覧ソフトで動作する 募集期間 平成24年1月5日(木)~3月30日(金) 必着 48 国内コンテスト事例 名称 主催 A3 Together(エーキューブトゥゲザー) 節電スマートフォンアプリ大賞 http://itpro.nikkeibp.co.jp/a3together/ http://www.appdime.jp/ 日経BP社 ITpro 資源エネルギー庁 東日本大震災からの復興に向けた「被災者支援」「産 業振興」「安心・安全」をテーマにしたスマートフォン向 けサービスのコンテスト。 Androidアプリの開発コンテスト「Android Application Award(A3:エーキューブ)」の特別版として開催。開発 済みサービスやアプリケーションに加え、アイデアや構 想も募集。 電力事業者の提供する電力関連データ等をもとに して、節電アプリケーションを制作する開発者を応 援するとともに、広く一般のスマートフォンユーザー に節電アプリを啓蒙し、節電意識を高めることを目 的として実施。 概要 2011年10月22日に表彰式を仙台市で開催。 コンテストを通じて、被災者と日本全国さらには海外と の距離を縮め、東北地方および日本の産業振興の一 助になることを目指した。実用的で魅力的なサービスや アイデアには、賞金や副賞が授与され、日経BP社各種 媒体で広く紹介。 20120910 2011年7月31日までに開発されたAndroidアプリ、 iPhoneアプリが対象。 ※開発者によるエントリー型ではなく、広く流通して いるアプリケーションを対象としてユーザーが投票 し、審査員による審査を経て、受賞者を決定。 49 国内コンテスト事例 名称 Yahoo!JAPANインターネットクリエイティブアワー ド 2011 マッシュアップアワード7 http://mashupaward.jp/ :http://creative-award.yahoo.co.jp/ 主催 Yahoo!JAPAN Mashup Awards運営事務局 募集期間 ・2011年7月15日(金)~8月10日(水) 一般の部 ・ウェブコンテンツ部門 ・バナー部門 ・スマートデバイス部門 企業の部 ・ウェブコンテンツ部門 ・バナー部門 ・スマートデバイス部門 概要 ・複数のWeb API、プラットフォームを組み合わせ て開発された新しいWebサービスを、企画、アイ デア、技術の側面から審査・評価。 募集期間 ・2011年秋 Mashup Awars 6 (MA6) 実績 ・応募作品数:544作品 ・参加登録者数:690名 ・協力企業・団体数:64社 ・対象API・リソース数:222 概要 20120910 50 オープンデータ活用を進めるための方法 • 民間活動による後押し • コンソーシアム – ツール、ノウハウの共有 – Open Knowledge Foundation日本グループ – NPO法人Linked Open Data Initiative – オープンデータ革新協議会 (ODIC) ODIC – 一定の条件を満たした主体 にデータを提供 – 例:クラウドテストベッドコン ソーシアム(総務省) – 例:社会基盤情報流通推進 協議会 • 技術者と行政のマッチング – 例:Code for America • ランク付け・進捗評価 – 例:米国連邦政府 20120910 51 20120910 52 Linked Open Data 5 Star ★ ★★ ★★★ Available on the web (whatever format) but with an open licence, to be Open Data Available as machine-readable structured data (e.g. excel instead of image scan of a table) as (2) plus non-proprietary format (e.g. CSV instead of excel) All the above plus, Use open standards from W3C ★★★★ (RDF and SPARQL) to identify things, so that people can point at your stuff All the above, plus: Link your data to other people’s ★★★★★ data to provide context Tim Berners-Lee Date: 2006-07-27, last change: $Date: 2009/06/18 18:24:33 $ Status: personal view only. Editing status: imperfect but published. http://www.w3.org/DesignIssues/LinkedData.html 20120910 53 “Code For AMERICA” • 透明性向上やオープンガバメ ントの推進を目指す地方政府 の行政担当者と先端的な技 術者、行政専門家、産業界 リーダーなどを結びつける有 志 • ティム・オライリー、マーク・ザッ カーバーグ、ビズ・ストーンらが 参加を呼び掛け、全米からウェ ブ開発者362名が応募。厳しい 選考を経て20名を選抜 • 複数の財団から受けた資金を、 先端的技術者に提供し1年間、 行政関係のプログラミングに 従事してもらうプロジェクト 20120910 54 GLOCOM オープンデータ活用 アイディアソン/ハッカソン • 概要 テーマ – 日時: 税金はどこへ行った(最優秀プロジェクト) • 6月9日 アイディアソン • 6月30日-7月1日 ハッカソン 復興メーター CKAN日本語化プロジェクト – 会場: • 国際大学GLOCOM みどりマップ – 参加者: みんなの地図帳(子供につくれる社会科マップ) • ハッカソン 30名 LocalWiki日本語化プロジェクト メンターバンク • 成果 – アイディアソン+ハッカソン • 3週間の間にリサーチ等が進む – アイディアソンではフューチャー センター形式を採用 • 多様な参加者、対話を重視 – 7つのプロトタイプを制作 20120910 55 20120910 56 JCEJ×GLOCOM データジャーナリズム実践 データから社会問題を発見する(アイディアソン) • 概要 テーマ – 日時:2012年7月28日 – 会場:国際大学GLOCOM – 参加者:約40名 データから見るクラブとクラブ風営法問題 原発補助金漬けの自治体は脱原発についていけ るのか? 浪速の無灯火自転車をなくそう • プログラム 東京都幸せ向上プロジェクト – クロストーク「防災とメディア:防 災のために何を伝えるか」 – ワーク「防災に役立つデータを 発見する」 • 成果 – Data Journalism Award へ の応募を目指す – 8つのアイディアを提案 電動アシスト自転車のデータ公開を! 復興予算は必要なところで 使われているか~復 興予算の流れを見せる~ 知られざる保育所格差-貧困と子育て環境の負の スパイラルいじめをなくそう!Hack Against Ijime 20120910 57 20120910 58 JCEJ×GLOCOM データ発掘キャンプ • 概要 テーマ – 日時:2012年9月1日13-17時 – 会場:国際大学GLOCOM – 参加者:26名 • プログラム – クロストーク「防災とメディア:防災 のために何を伝えるか」 – ワーク「防災に役立つデータを発 見する」 一家に一枚!枚避難経路マップ 人の気持ちは冷める 発掘件数 6件 10件 災害による帰宅困難者支援のために 5件 台風をやり過ごすための防災情報 6件 災害弱者を助けよう 12件 合計 39件 • 成果 – 20人が2時間集中的に発掘 – 39種類のデータを発掘 – データポータルCKANに登録 20120910 59 見えてきたこと・意義 • メンバーの多様性、対話を重視 • 政策過程のリニューアル – エンジニア・アナリスト・ジャーナリ スト • やりっ放しにしない – 素材としてのオープンデータ – 多様な主体の対話、協働分析作 業による課題の発見 – 分析を深め伝えるべきニュースを 見出すデータジャーナリズム – Facebookグループを作成 – 制作途中に出てきた「知」を共有 – データをCKANに集約 – 迅速に解決策を生み出し、また価 値を生み出していくためのアイ ディアソン・ハッカソン – 自主的にプロトタイプを「完成」さ せる – 事業化・育成 – プロトタイプを事業化するためのイ ンキュベーションや市民活動支援 – 政策効果の評価・さらなる課題の 発見解決へ – → 参加型でオープンな新しい政 策過程へ • リテラシーの向上 – データを読み解く – 社会課題を見出す – プロジェクトマネジメント 20120910 60
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