コーチング研修で成果を出すための7つの盲点

<コーチング研修で成果を出すための7つの盲点>
こ ん に ち は 。コ ー チ ン グ ・ マ ネ ジ メ ン ト 代 表 の 野 口 嘉 則 で す 。あ な た が こ の レ ポ ー ト
を入手された、その行動に敬意を表します。そして、このレポートを通じてあなたと
出会えたご縁を嬉しく思います。このレポートがあなたのお役に立ちますように!
教育研修費をムダに使わないために
当 社 の ホ ー ム ペ ー ジ ( http://coaching-m.co.jp/ ) で 「 な ぜ 社 員 研 修 の 効 果 が 持 続
しないのか?」をお教えしましたが、そのように、充分な成果につながらない研修は
めずらしくありません。
こ の レ ポ ー ト で は 、「 コ ー チ ン グ 研 修 で 最 大 限 の 成 果 を 出 す た め の 7 つ の ポ イ ン ト
( 盲 点 )」 を お 伝 え し ま す 。 コ ー チ ン グ は 、 上 手 に ( = 戦 略 的 に ) 導 入 す れ ば 、 組 織 の
中 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 流 れ を 活 性 化 し 、社 員 の モ チ ベ ー シ ョ ン を 高 め 、さ ら に は 、
自立型人財を育成します。ひいては、組織風土そのものを改革して、業績の向上に直
結する基盤を作ります。
そこで重要なのは、上記のような成果に確実に結びつくような「戦略的導入」をす
ることです。この戦略的導入に当たって、盲点になりがちな重要ポイントが7つある
の で す 。こ の ポ イ ン ト を ク リ ア し な い ま ま コ ー チ ン グ 研 修 が 実 施 さ れ て い る ケ ー ス は 、
めずらしくありません。このレポートは、コーチング研修の実施を検討される前に読
んでいただくのが理想的です。教育研修費をムダに使わないためにも、ぜひご参考に
して下さい。
大前提がズレていると、すべてがズレてきます!
コ ー チ ン グ 研 修 を 実 施 す る 前 提 条 件 と し て 、ま ず 、
「 コ ー チ ン グ と は 何 か 」を 正 確 に
理解していただくことが重要です。正確な理解があって初めて、的を得た導入戦略を
立 て る こ と が で き ま す 。「 コ ー チ ン グ を 導 入 す る 目 的 は 何 か ? 」「 自 社 に ど の よ う に 役
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立つのか?」
「 自 社 の ど こ か ら( ど の 階 層 か ら 、ど の 部 署 か ら )導 入 す る の が ベ ス ト か ? 」
これらの問いはとても重要ですが、それ以前に、コーチングに対する理解が不完全だ
と、問いに対する答え自体がズレたものになってしまします。そこで、7つの盲点に
ついてお伝えする前の大前提として、コーチングについての正しい理解をしていただ
き た い と 思 い ま す 。ま ず は 、
「 コ ー チ ン グ と は 何 か 」の 問 い に 対 す る 私 な り の 答 え を お
伝えします。
コ ー チ ン グ は 「( 1 ) コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ・ ス キ ル 」
コーチングの1つ目の側面は「コミュニケーション・スキル」です。例えば、上司
が部下に対してコーチングを使う場合、コーチングスキルを使ったコミュニケーショ
ン を 通 じ て 、① 部 下 の や る 気 を 引 き 出 し 、② 部 下 の 自 発 的 行 動 を 促 す こ と が で き ま す 。
やる気だけでなく行動まで引き出すところが特長です。さらに、コーチングを使った
コミュニケーションは、③部下を自立型人財に育成します。自立型人財とは、言われ
たことしかやらないマニュアル型社員とは違って、
「 自 ら 考 え 、自 ら 行 動 し 、自 ら 成 果
を出せる人財」のことです。以上のように、コーチングは相手(部下)に対して「モ
チベーションアップ」と「能力育成」の2つの効果を同時にもたらします。
ではまず、
「 コ ー チ ン グ は な ぜ 相 手 の モ チ ベ ー シ ョ ン を 強 力 に 高 め る の か 」の 種 明 か
しから始めましょう。それは、コーチングが相手の内発的モチベーションを高めるス
キルであるということです。
モチベーションには、外発的モチベーションと内発的モチベーションがあります。
外発的モチベーションとは、外からの動機づけのことで、例えばアメとムチがこれに
当 た り ま す 。「 い い 仕 事 を す れ ば 昇 給 ・ 昇 進 す る 。( = ア メ )」「 成 績 が 悪 い と ペ ナ ル テ
ィ ー が あ る 。 上 司 に 叱 責 さ れ る 。( = ム チ )」 な ど で す 。 ま た 、 理 論 ・ 理 屈 に よ る モ チ
ベ ー シ ョ ン( 例:
「 仕 事 と は・・・で あ る べ き だ 」)や 、権 威 に よ る モ チ ベ ー シ ョ ン( 例 :
社長命令、上司命令)なども外発的モチベーションに入ります。
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組 織 に お い て は 、こ の 外 発 的 モ チ ベ ー シ ョ ン も 当 然 必 要 で す 。し か し 、
「外発的モチ
ベーションだけでは社員を動かせない時代」に入ってきていることを多くの経営者や
コ ン サ ル タ ン ト が 指 摘 し て い ま す 。例 え ば 、
「 外 発 的 モ チ ベ ー シ ョ ン と し て の 制 度( 成
果主義、目標管理制度など)を全面的に導入したにもかかわらず、社員のモチベーシ
ョ ン は ま っ た く 上 が ら な い( む し ろ 下 が っ た )」な ど と い う 例 は た く さ ん 見 受 け ら れ ま
す。
一方、本人の内から湧いてくる「やる気」や「アイデア」によるモチベーションを
内発的モチベーションといいます。内発的モチベーションの特長は、外発的モチベー
ションよりもはるかに強力で、持続性があり、創造性を誘発するという点です。例え
ば、ウイークデイは「朝6時半に起きるのが眠くて辛い」と言っている社員が、休日
に趣味の釣りに行く時には、朝4時に起きても平気だったりします。その社員にとっ
て 、 釣 り は 内 発 的 な モ チ ベ ー シ ョ ン で す の で 、「 苦 に な ら な い し 、 疲 れ な い 」 の で す 。
人 は 内 発 的 モ チ ベ ー シ ョ ン で 動 く 時 、ア ク テ ィ ブ か つ エ ネ ル ギ ッ シ ュ に 行 動 し ま す 。
しかも持続性があります。また、多くの創造的な仕事は、内発的モチベーションの結
果です。仕事の中で、社員の内発的モチベーションを引き出すことができれば、社員
のパフォーマンスを最大限に高めることができるのです。
時代はどのように変わりつつあるか?(現代モチベーション事情)
内発的モチベーションがこれだけ強力なものであるにも関わらず、多くの企業は外
発的モチベーションに依存したマネジメントを行なってきました。なんと効率の悪い
ことでしょうか。そして、今や企業において、モチベーション・クライシス(モチベ
ーションの危機)が叫ばれる時代になったのです。
経済が右肩上がりだった高度成長時代においては、外発的モチベーションが充分通
用 し ま し た 。「 頑 張 っ た ら 豊 か に な れ る 」「 昇 進 し て 、 お い し い も の を 食 べ た い 」 と い
うことが動機になりました。
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しかし、今はこれが通用しなくなってきています。特に若い社員ほど、この傾向は
顕 著 で す 。子 ど も の こ ろ か ら お い し い も の を 食 べ て 育 っ て き た 人 達 は 、頑 張 っ て 昇 給 ・
昇 進 す る こ と に ハ ン グ リ ー に な ら な い の で す 。「 昇 進 し な く て い い か ら 休 日 を 下 さ い 」
という人も増えています。終身雇用制が崩れつつある今、昇進にこだわるよりも、プ
ライベートを大切にして精神的な満足感を満たすことを優先する人が増えているので
す。これは、外発的モチベーション中心の企業の中にあっては、精神的満足感が仕事
では十分には満たせない(=内発的モチベーションから来る満足感が得られない)の
で、プライベート志向に偏らざるを得ないことを意味しています。
この外発的モチベーション(アメ、ムチ、理論理屈、権威)が通用しなくなってき
ている傾向は、若い社員ほど強いのですが、現在の大学生や高校生たちが社会人にな
ってくるにしたがって、ますますこの傾向は強まっていくと言われています。これは
今 の 子 ど も 達 を よ く 観 察 し て も 推 察 で き ま す 。と い う こ と は 、
「内発的モチベーション
を高める戦略をどのくらい具体的に打ち出し、どのくらい組織に定着させていくか」
が、今後の企業の命運を握る重要な鍵になってくることは明らかです。
で は 、な ぜ 企 業 に と っ て 、こ れ ま で 内 発 的 モ チ ベ ー シ ョ ン が 盲 点 に な っ て き た の か ?
それは、内発的モチベーションを引き出す体系化された手法が存在しなかったからで
す 。社 員 の や る 気 を 引 き 出 す の が 上 手 な 経 営 者 や 管 理 職 は 存 在 し ま す 。彼 ら の 多 く は 、
内 発 的 モ チ ベ ー シ ョ ン を 引 き 出 す こ と が 上 手 な の で す 。し か し 、
「 彼 ら の 何 を 、ど の 順
番で学べば、彼らのように人をモチベートできるようになるのか?」が体系化されて
な か っ た の で す 。体 系 化 さ れ て な い の で 、
「 秘 訣 は 、ど う も コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に あ る
らしい」と多くの人が気づきながらも、目に見えにくいコミュニケーションに取り組
むよりも、目に見える制度や施策などの外発的モチベーションの方に力を注いできた
のです。
コーチングは、
「 社 員 を や る 気 に さ せ る の が 上 手 な 経 営 者 」や「 人 材 育 成 の 得 意 な 管
理 職 」、
「 名 選 手 を た く さ ん 育 て て い る 名 コ ー チ 」、彼 ら を 研 究 し 、彼 ら の コ ミ ュ ニ ケ ー
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ションの特長を抽出し、体系化し、習得しやすいようにスキル化したものです。つま
り、
「 モ チ ベ ー シ ョ ン の 達 人 」や「 人 材 育 成 の 名 人 」の ス キ ル を ト レ ー ニ ン グ で 習 得 で
きるようにしたのがコーチングなのです。
なぜ社員を「自立型人財」に育てないとまずいのか?
高度成長時代は、
「 上 司 に 従 順 で 、言 わ れ た こ と を 忠 実 に 頑 張 る 」だ け の 社 員 で も 充
分に通用しました。いわゆるマニュアル型社員でも、行動量を維持するだけのモチベ
ーションがあれば、それなりの仕事をしました。
しかし、時代は変わり、変化・変革の時代と言われるようになりました。環境の変
化のスピードも加速化し、現場での迅速な判断力や問題解決力が社員に要求されるよ
うになりました。上司におうかがいを立てないと動けない社員(=考える力、判断力
のない社員)では、変化のスピードについていけず、チャンスを競合会社に持ってい
かれてしまうのです。
コーチングは、社員(部下)に考えさせ、彼らが自ら答えやアイデアを見つけ出せ
るようサポートするコミュニケーションスキルです。社員の考える力や判断力、さら
には責任能力を飛躍的に高めます。
またコーチングは、
「 部 下 の レ ベ ル に 合 わ せ た 権 限 委 譲 」を 実 現 で き る ス キ ル と い う
こ と も で き ま す 。こ れ ま で 、
「 権 限 委 譲 」=「 放 任 的 な や り 方 」と と ら え て い た 経 営 者 ・
管 理 職 の 人 達 に と っ て 、権 限 委 譲 は と て も 難 し い テ ー マ だ っ た と 思 い ま す 。
「まだ任せ
られない」
「 今 の レ ベ ル で 任 せ る の は 心 配 だ 」と い う 理 由 で 、な か な か 権 限 委 譲 に 踏 み
切れないケースが多かったのです。権限委譲をしないため、いつまで経っても部下の
能力や責任感は高まらず、ますます権限委譲をできないという悪循環が起きていまし
た。
コーチングが画期的なのは、
「 放 任 で は な く 、し っ か り サ ポ ー ト し な が ら も 、部 下 本
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人 に 考 え さ せ 権 限 を 移 行 し て い く 手 法 」で あ る こ と で す 。つ ま り 、
「権限を委譲しなが
らも、相談に乗る」というスタイルを確立するのに最適なコミュニケーションスキル
なのです。
コ ー チ ン グ は 「( 2 ) マ ネ ジ メ ン ト 手 法 」
コ ー チ ン グ の 2 つ 目 の 側 面 は 「 マ ネ ジ メ ン ト 手 法 ( 経 営 手 法 )」 で す 。「 組 織 を マ ネ
ジメントする手法としてのコーチング」という視点こそ、企業に導入して成果を出し
て い く 時 に 、と て も 重 要 な 視 点 に な り ま す 。特 に コ ー チ ン グ は 、
「 組 織 風 土 の 改 革 」と
「ES(従業員満足度)の向上」を実現する手法として、非常にパワフルです。
企 業 を パ ソ コ ン に 例 え れ ば 、 Wind ows XP と か Mac OSX な ど の O S ( オ ペ レ ー テ ィ
ング・システム)にあたるのが、その企業の「組織風土」です。最新のアプリケーシ
ョンソフトを用意しても、このOSが古くて性能が低ければ、そのソフトはインスト
ールできません。同様に、新しい人事制度を導入しても、また、新しいシステムを導
入しIT化を進めても、それらを活かす組織風土がなければ制度もシステムも空回り
し て し ま い ま す 。 O S (組 織 風 土 )を バ ー シ ョ ン ア ッ プ す る 必 要 が あ り ま す 。
組織風土というと捉えにくいものと思う方もいらっしゃいますが、組織風土を左右
しているのは「その組織でどんなコミュニケーションがとられているか」ということ
です。その組織でとられているコミュニケーションの傾向やパターンが、その組織の
風土を、ひいては企業文化を作っていきます。この切り口から見ると、どのようにし
て組織風土を変えていけばよいかが見えてきます。
コーチングを中心とした体系的なコミュニケーショントレーニングを組織の中に定
着させていくことで、
「個性と才能を育てる土壌」
「チャレンジを歓迎する風土」
「前向
き な 失 敗 が 許 さ れ る 雰 囲 気 」「 ち ょ っ と し た こ と で も 、 す ぐ に 上 司 に 報 連 相 す る 習 慣 」
「社員どうしが承認し合う文化」などを組織風土として作っていくことができます。
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あなたの組織の血流量は?
も う 一 つ 別 の 角 度 か ら 、組 織 の 中 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に つ い て 考 え て み ま し ょ う 。
人 間 の 健 康 状 態 を 計 る 一 つ の 指 標 は「 血 の め ぐ り( 血 液 の 循 環 )」で す 。血 行 が 良 い ほ
ど健康的であり、逆に、身体が老化してくると毛細血管などの血流量が減ります。組
織も同様です。健康な組織(=組織としての能力が高く、成果を出せる組織)ほど、
コミュニケーションの流れが活性化しています。コミュニケーションの量も多く、し
かもスピーディーです。
では、どのようにすればコミュニケーションを活性化させることができるのでしょ
うか?次のように嘆いている管理職は少なくありません。
「 部 下 か ら の 報 連 相( 報 告 ・
連絡・相談)の量が少なくて困っている。中には、必要最低限の報連相しかしてこな
い や つ が い る 。 こ れ で は 、 そ の 部 下 が 何 を 考 え て い る か わ か ら な い 。」「 う ち で は 、 必
要 最 低 限 の 報 告 す ら し て こ な い や つ が い る 。 何 回 叱 っ て も 改 善 さ れ な い 。」・ ・ ・ 。 彼
らは、部下から充分な情報が上がってこないので困っています。部下の考えが理解で
きないため、部下への指示・命令もうまく伝わりません。
このことは、経営の視点から見れば、とても深刻なことです。市場ニーズ・顧客ニ
ーズが多様化している現在、現場(川下)の情報を経営サイドにまで吸い上げること
は、時として、企業の存亡を左右するくらい重要なことです。部下から上司への情報
の流れが少ないということは、現場の情報が経営サイドにも上がってこないというこ
とです。
アサヒビールの危機を救ったのは・・・
かつて経営危機に瀕したアサヒビールは、樋口廣太郎氏をトップに迎え、現場の声
が経営サイドに上がってくるよう、社員の声に耳を傾け、ボトムアップの流れを徹底
的 に 作 り ま し た 。お か げ で「 味 に 新 鮮 さ が な い 」「 ラ ベ ル が 、か っ こ 悪 い 」と い う 多 く
の 顧 客 の 声 が 経 営 サ イ ド に 届 き 、味 と ラ ベ ル を 変 え た ビ ー ル の 発 売 に 踏 み 切 り ま し た 。
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銀色のラベルの「スーパードライ」です。顧客の声を反映させた「スーパードライ」
の発売により、アサヒビールは経営危機を脱したばかりでなく、後のドライ戦争をリ
ードするポジションにまで上りました。それまでは、顧客の声(=現場情報)は、聞
く耳を持たない管理職のところでストップしていたわけです。実際、アサヒを始め、
どこのビールメーカーも、味とラベルを変えることなく守っていたわけです。
多くの会社で、報連相の重要性ややり方を社員に教えています。にもかかわらず、
先ほど例に挙げたように、部下から情報が上がってこないと嘆く上司は非常に多いの
です。なぜ報連相が定着しないのでしょうか?それは、上司側のコミュニケーション
に 問 題 が あ る ケ ー ス が 多 い の で す 。部 下 の 目 で 見 る と 、
「とても気楽に相談できる雰囲
気 で は な い 。」「 下 手 に 報 連 相 す る と 責 め ら れ て し ま い か ね な い の で 、 な る べ く 報 連 相
し な い に 限 る 。」 な ど と 考 え た く な る よ う な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン し か 取 れ な い 上 司 が 、
日本の企業には、あまりにも多いと思います。コーチングは、そこを根本的に改善し
て い き ま す 。 上 司 ・部 下 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 量 が 増 え 、 上 司 ・ 部 下 間 の 考 え 方 の
ギャップが埋まり、職場がチームとして一体化してきます。
ボトムアップとトップダウン、どっちがいい?
コーチングは、ボトムアップの情報の流れを促します。ここで、ボトムアップとい
うことについて、大切なことをお伝えします。よく「ボトムアップ型とトップダウン
型と、どっちがいいか?」と問う人がいらっしゃいます。それに対して、先ほどのア
サヒビールを再建した立役者である樋口廣太郎さんや中條高徳さんは、次のようにお
っしゃいます。
「 ボ ト ム ア ッ プ も ト ッ プ ダ ウ ン も 両 方 必 要 で あ る 。下 か ら 上 へ 、上 か ら
下 へ 、双 方 向 の 流 れ が あ っ て 初 め て 、そ れ ぞ れ が 機 能 す る 。片 方 だ け で は 機 能 し な い 。
トップは、組織の方向性や戦略を決めたら、トップダウンで組織の末端にまで伝えな
いといけない。それが、末端まで伝わるかどうかは、日ごろから聞く耳を持って、ボ
ト ム ア ッ プ の 情 報 に ど の く ら い 耳 を 傾 け て い る か で 決 ま る 。」つ ま り 、ボ ト ム ア ッ プ の
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風土があってこそ、トップダウンも機能するということです。逆に、ボトムアップの
風 土 が な い( ト ッ プ ダ ウ ン だ け の )会 社 で は 、
「 ト ッ プ ダ ウ ン で 伝 え た こ と が 、な ぜ か
末 端 ま で 浸 透 し な い 。社 員 は 理 解 し た よ う な 顔 を す る く せ に 、な ぜ か 定 着 し な い 。」と
いうことになるのです。
優秀な人材を確保するためには、ESの向上が不可欠!
コ ー チ ン グ を 導 入 し て 、「 社 員 の 能 力 を 発 揮 さ せ る 土 壌 」「 現 場 の 声 に 耳 を 傾 け る 風
土」を作っていくと、ES(従業員満足度)が向上してきます。これは、社員のモチ
ベーションを高める上で有効なのはもちろんですが、優秀な人材を確保する上でも非
常 に 重 要 で す 。 リ ク ル ー ト ワ ー ク ス 研 究 所 の 調 査 ( 2002 年 ) に よ る と 、「 い ず れ 転 職
し た い 」 と い う 転 職 意 向 者 は 3 9.7%も お り 、 若 年 層 ほ ど 転 職 意 向 は 強 ま り 、 20 代 で は
50%を 超 え て い ま す 。 で は 、 な ぜ 転 職 し た い の か ? そ の 理 由 の ト ッ プ 3 は 、
(1)現在の職場環境では、自分の能力が発揮できない。
(2)現在の職場環境では、自分が自分らしく生きることができない。
(3)現在の職場では、自分のためになるような教育や経験を得ることができない。
これを逆に考えると、魅力ある職場とは、
(1)能力を最大限に発揮させ、
(2)各自の個性を尊重し、
(3)能力の向上をサポートする「人材育成の仕組み」がある職場。
これはまさしく、コーチングが定着した職場の状態ですね。
今、企業も「誰からも入りたいと思われる企業」と「誰もが働きたくないと思う企
業 」へ の 二 極 分 化 が 進 ん で い っ て い ま す 。日 経 ビ ジ ネ ス( 2002.4/29)の 特 集「 人 と 会
社 の 新 し い 関 係 」の 中 で 、次 の よ う に コ メ ン ト さ れ て い ま す 。
「 企 業 は 、働 く 人 の 意 識
が変わりつつあることを、過小評価すべきではない。あらゆる面で、既存の人事制度
は 試 練 を 受 け る 。 社 員 と 企 業 が 相 互 に 利 益 を 得 る ウ ィ ン -ウ ィ ン 関 係 の 構 築 が 急 が れ
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る」と。
マネジメント手法としてのコーチングは、企業の中のコミュニケーションを活性化
し、組織風土を変革し、ボトムアップの情報の流れを作り出します。ボトムアップの
流 れ が で き る と い う こ と は 、ト ッ プ ダ ウ ン を 強 く 機 能 さ せ る こ と に も な り ま す 。ま た 、
人 間 関 係 の 問 題 を 減 少 さ せ 、E S を 向 上 さ せ 、優 秀 な 人 材 を 確 保 す る 基 盤 を 作 り ま す 。
以 上 の こ と か ら も 、コ ー チ ン グ が 経 営 手 法 と し て 非 常 に パ ワ フ ル な も の で あ る こ と や 、
現代という時代にマッチしたものであることがわかります。より詳しく理解していた
だ く た め に は 、当 社 の ホ ー ム ペ ー ジ( htt p://coac hing-m .co. jp/)を ご 参 照 く だ さ い 。
第1の盲点「研修前の動機づけと課題の明確化」
では、コーチング研修で成果を出すための1つ目の盲点からお伝えしましょう。そ
れ は「 研 修 の 実 施 前 に 、研 修 で の 学 習 効 果 を 高 め る た め の 事 前 準 備 を す る こ と 」で す 。
この事前準備は、一般的に軽視されがちなのが実情で、簡単な事前アンケート程度で
すませてしまっているケースが非常に多いようです。そこで、4つの事前準備をお伝
えします。
1日研修であれ2日研修であれ、限られた時間内で、いかに学習効果を高めるかと
いうことは、非常に重要です。学習効果が高い状態とは、研修において習得したスキ
ルを知識で終わらせずに、実際の仕事での実践に繋げ、さらに成果にまで結び付ける
ことができる状態です。
その学習効果は、研修のスタート時点での、次の2点に大きく左右されます。
(1)参加者の研修に対するモチベーションがどのくらい高まっているか
(2)参加者の課題がどのくらい明確になり、問題意識がどのくらい高まっ
ているか
まずは、研修へのモチベーションを高めるポイントについて触れてみます。参加者
の取り組む姿勢によって、研修での学習成果が左右されるわけですから、参加者が受
け身で(学校の生徒のような感覚で)参加するのではなく、自分ごととして主体的に
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参加することが大切です。
<1>事前広報の工夫
そのポイントの一つは、研修に対する参加者の「目的意識」を最大限に高めること
です。参加者にとって、研修で得られる成果が具体的にイメージできるほど、目的意
識が高まります。それも、自分の仕事上の「どんな問題」に対して「どのように役立
ちそうか?」が具体的にリアルにイメージできたらベストです。そのための方法の一
つ は 、参 加 者 が「 自 分 の 仕 事 上 の 課 題 を 解 決 で き そ う だ な ! 」
「そんなスキルなら身に
付けたい」
「 こ ん な テ ー マ の 話 が 聞 き た か っ た ! 」と 思 う よ う な 文 章 で「 研 修 案 内 レ タ
ー」を作り、できれば1ヵ月前くらいには、参加者に配っておくことです。例えば、
レターの中で「研修の目的」や「期待される成果」を伝える場合の文章を考えてみま
しょう。営業マン(セールス・パーソン)向けのセールス・コーチング研修を例にし
てみましょう。
(悪い例)
「管理職としてのマネジメントスキルのアップ」
「部下のやる気を引き出すためのコミュニケーション・スキル習得」
・・・これでは、あまりにも一般的かつ抽象的で、参加者の心が動きません。
インパクトがない文章と言えます。
(良い例)
「次の3つのスキルを習得し、職場で使えるようにする。
①部下が心を開いて相談を持ちかけてくるようになる技術【ペーシング】
②こうすれば部下は自ら考え自ら動くようになる【質問のスキル】
③ 部 下 の モ チ ベ ー シ ョ ン を 高 め る 叱 り 方 が あ る ! 【 ア ク ノ レ ッ ジ メ ン ト 】」
・・・これなら具体的で参加者の興味を引きます。期待値が高まります。
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研修案内レターを作る時には、研修講師にも相談して、文章をしっかり考えること
が必要なのです。
<2>事前アンケートの工夫
研修前のモチベーションを高める2番目のヒントは事前アンケートです。事前に実
施するアンケートの内容を工夫することで、参加者のモチベーションを確実に高める
ことができます。その内容については、研修講師とも相談の上、自社の事情に合った
ものを考えてみられるのがよいと思いますが、一般的なアンケート項目の例も挙げて
おきます。
「現在、職場において問題を感じているのは、どんなことか?」
「どんなスキルを高めたいか?」
「何が解決できたらもっと成果が出ると思うか?」
「研修で、どんなテーマを扱ってほしいか?」
「 研 修 の 内 容 や や り 方 に つ い て の リ ク エ ス ト は ? 」・ ・ ・ 等 な ど
ア ン ケ ー ト を 実 施 す る こ と で 、参 加 者 の 姿 勢 が 、
「あらかじめ用意された内容の研修
を 受 け る 」 と い う 受 け 身 な 姿 勢 か ら 、「 研 修 に 自 分 の リ ク エ ス ト や 意 見 を 反 映 で き る 」
という主体的な姿勢に変わります。もちろん、結果として、参加者からのリクエスト
を採用できないケースもありますが、その場合も、アンケートを通して「自分のリク
エストを検討してもらった」という感覚を持ってもらうよう工夫できます。
また、実際、アンケートの内容が、研修内容を考える上での重要なヒントになるケ
ースは多く、アンケート結果については、研修講師にもフィードバックすることが大
切です。研修講師が、参加者の生(なま)の声を参考にして、参加者が実際に抱えて
いる課題のヒントになりそうな事例を用意したり、参加者の課題に直結するエクササ
イ ズ を 組 み 込 ん だ り す れ ば 、 研 修 の 効 果 は グ ン と 上 が り ま す 。 理 想 的 に は 、「 参 加 者 」
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と「 企 画 者( 経 営 者 や 担 当 者 )」と「 講 師 」が 共 同 で 研 修 を 企 画 し て い る と い う 雰 囲 気
にまでなれば、参加者の取り組み姿勢は最高の状態になります。
<3>モチベーション向上&課題明確化の切り札「コミュニケーションサーベイ」
研修の実施前に、参加者のモチベーションを高め、課題を明確にする最もパワフル
な ツ ー ル と し て 、当 社 で は「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ・ サ ー ベ イ( 調 査 )」を 使 う こ と を 提
案しています。これは、研修に参加される方達の、職場でのコミュニケーションの現
状 を 、10 の 重 要 ポ イ ン ト に 絞 っ て 調 査 す る も の で す 。参 加 者 の 部 下 の 方 達 か ら 評 価 し
て も ら う 方 法 と 、 36 0 度 評 価 で や る 方 法 が あ り ま す 。
参 加 者 は 、自 分 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 現 状 を 1 0 項 目 そ れ ぞ れ の 点 数 と し て 見 る こ
とができるだけでなく、研修参加者全員の集計平均データと比較した自分の数値が、
各項目ごとにわかるようになっています。つまり、全体から見た自分の強みと課題が
明確にわかる仕組みです。このサーベイの結果を事前に知ることによって、参加者は
自分の課題を明確化でき、研修に対して強くモチベートされることになります。
さらに、このサーベイが最も強力なツールたるゆえんは、研修後のスキル習得度や
成果を評価するツールとしても使えることです。つまり、研修後の実践と定着を計測
することができるので、参加者達の励みになるわけです。
<4>事前課題の工夫
研 修 前 に 事 前 課 題 を 提 供 し て 取 り 組 ん で も ら う こ と は 、研 修 の 予 習 に も な り ま す し 、
また、参加者の参加意識を高めるのに有効です。また、事前課題に取り組んでから研
修に参加することで、研修の中での気づきや体験が深いものになります。事前課題は
参加者の負担にならないよう1つか2つに絞り、また、1ヵ月前~2週間前くらいに
は提供するのがよいと思います。事前課題も研修講師と相談して、自社の状況に合っ
たものを考えるのがベストですが、参考までに、いくつかの例を挙げておきます。
(1)添付の資料を読んで、感想文を書いておいて下さい。研修の中で、その感想
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についてディスカッションしてもらう場を設けます。
(2)次に挙げる課題図書の、特に第1章と第3章を読んでおいて下さい。研修内
容の予習になる章です。
(3)添付資料の例題を読んで、自分なりの解決策(アイディア)を3つ挙げてお
いて下さい。研修の中で発表してもらいます。
(4)添付の資料に書いてあるコミュニケーション方法を、職場で2人以上に対し
て実行してみてください。研修前に体験しておくことで、研修での気づきが
深まります。
(5)添付アンケートを職場で部下に対して実施し、部下の仕事意識などをリサー
チしておいて下さい。
( 6 )あ な た か ら 見 て 、
「 仕 事 が で き る 」と 思 え る 人 を 3 人 選 ん で( 他 部 署 の 人 で も
可 )、 次 の テ ー マ に つ い て イ ン タ ビ ュ ー ( 質 問 ) し て お い て 下 さ い 。
(7)添付の「キャリアプラン&ライフプラン整理シート」に記入しながら、自分
の人生設計について考え、今回の研修内容を自分の人生設計にどのように役
立てることができるかを考えておいて下さい。
・・・等など
第2の盲点「学習効果を高める研修の進め方」
第2の盲点は、
「 学 習 効 果 を 高 め る 研 修 の 進 め 方 」で す 。こ れ に つ い て は 、ポ イ ン ト
を2点に絞ってお伝えします。
<1>ファシリテーターのスキル
研修での学習効果を高め、その後の実践につなげるためには、研修におけるファシ
リ テ ー シ ョ ン が き わ め て 重 要 に な っ て き ま す 。研 修 に お け る フ ァ シ リ テ ー シ ョ ン と は 、
「参加型の場づくりをし、参加者の参加意欲を高め、参加者から気づきを引き出し、
さ ら に 、参 加 者 の 学 び を 定 着 さ せ る ス キ ル 」で あ り 、ま た 、
「グループの相互作用を促
進して、限られた時間の中で最大限の成果を創り出すスキル」とも言えます。
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研修講師のことを最近はファシリテーターと呼ぶことが増えてきましたが、講師の
ファシリテーションスキルのレベルには非常に大きな開きがあります。当然といえば
当然のことですが、ファシリテーションスキルの高い講師を選ぶことは、研修の成果
を左右する重要事項です。選ぶ基準としては、①ファシリテーションの学習歴と②フ
ァ シ リ テ ー シ ョ ン の 経 験 量 の 2 つ が ポ イ ン ト で す 。① に 関 し て は 、
「実際にファシリテ
ーションを学び、トレーニングを受けているかどうか?」を講師に聞いてみることが
できます。そして、さらに重要なのが②の経験量です。これについても、講師本人に
聞いてみるのが早いと思います。
ファシリテーションの具体例も挙げておきましょう。例えば、研修の中で、参加者
がロールプレイング形式のエクササイズをやったとしましょう。その後で、講師が参
加者に「やってみて感想はどうですか?」と質問したとします。さて、質問された参
加 者 は 、感 想 を 聞 か れ た わ け で す か ら 感 想 を 答 え ま す 。
「 楽 し か っ た で す 。役 割 に な り
き っ て 演 じ ま し た 。」 と い う 感 想 も あ る か も し れ ま せ ん 。 し か し こ れ は 、「 参 加 者 が 何
を学び、それが仕事とどう関係していて、これからどうしていきたいか」と関係ない
答 え で す 。で は 、講 師 が 感 想 を 問 う の で は な く 、
「やってみて何か気づいたことはあり
ましたか?」と質問したらどうでしょうか。質問された参加者は、自分の中での気づ
き を 探 り ま す 。例 え ば「 自 分 は 相 手 の 話 を 聞 け て な い な ー と 思 い ま し た 。」と 答 え た と
し ま し ょ う 。そ こ で 次 に 、講 師 が 、そ れ を 仕 事 の 場 面 と 結 び つ け る 質 問 を し ま す 。
「そ
の 気 づ き は 、お 仕 事 に ど の よ う に 関 連 し て い ま す か ? 」。
「 う ー ん・・・。あ っ そ う か !
最近部下からの相談が少ないなと思ってたんですが、自分の聞き方にも原因があるか
も し れ ま せ ん ね 。」 と 参 加 者 。 さ ら に 講 師 が 、「 こ れ か ら 、 ど ん な こ と に 気 を つ け た い
で す か ? 」。「 え ー 、 そ う で す ね 。 と り あ え ず 、 部 下 の 話 を さ え ぎ っ て 話 す こ と は や め
よ う と 思 い ま す 。」。 以 上 は 、 フ ァ シ リ テ ー シ ョ ン の 一 つ の 例 で す 。 フ ァ シ リ テ ー シ ョ
ンには、質問によって参加者の気づきを引き出すスキルがいくつもあります。上記の
例 は 、「 認 知 ( 気 づ き )」 → 「 関 連 付 け 」 → 「 応 用 」 と い う ス テ ッ プ を 踏 む こ と で 、 エ
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クササイズでの体験を、職場で実践する実行課題に結びつけるスキルです。
別 の 例 を 挙 げ ま す 。研 修 を 終 え る と き に 、
「今日の研修の感想を一言ずつ聞かせてく
だ さ い 」と 講 師 が 問 い か け た と し ま す 。す る と 、参 加 者 は 見 事 に 感 想 を 話 し ま す 。
「楽
し く て 、眠 く な り ま せ ん で し た 。」と か「 講 師 の キ ャ ラ ク タ ー が 良 か っ た で す 。」と か 、
まさしく“感想”を答える参加者が多いわけです。もし、研修の成果を振り返って再
確認してもらいたいなら、
「 今 日 の 研 修 の 収 穫 ・ 成 果 は 何 で し た か ? 」と い う 質 問 が 有
効 で す 。参 加 者 は 問 い か け に 応 え て 、自 分 の 中 で の 収 穫 を 探 し ま す 。「 探 し て 」→「 見
つ け て 」→「 言 葉 に し て ア ウ ト プ ッ ト す る 」。こ の プ ロ セ ス で 、参 加 者 の 学 習 は 定 着 す
る の で す 。収 穫 を 充 分 に 探 っ て も ら う に は 、
「今日の研修の収穫のトップ3を教えてく
だ さ い 。」と い う 問 い か け も 有 効 で す 。参 加 者 も 、3 つ の 収 穫 を 見 つ け る た め に は 、深
く振り返る必要があります。その分、気づきも深まります。ただし、この場合は、適
度に時間を提供してあげてください。
さらにファシリテーターは、一人の参加者からの質問があった時に、それを、他の
参加者にも考えてもらうきっかけとしたり、他の参加者からも知恵やアイデアを引き
出して、全体を一つのチームとして機能させることもします。そのことで、気づきや
アイデアが全体で共有できます。
( も ち ろ ん 、ケ ー ス に 応 じ て 、参 加 者 か ら の 質 問 に 即
答 す る こ と も あ り ま す )。フ ァ シ リ テ ー シ ョ ン は 、参 加 者 の 相 乗 効 果( シ ナ ジ ー )を 生
み出すスキルなのです。
<2>体験学習を中心にしたプログラム
学 習 に は 「 概 念 学 習 」 と 「 体 験 学 習 」 が あ り ま す 。「 概 念 学 習 」 と は 、 例 え ば 「 コ ー チ
ン グ と は 、部 下 の・・・・・」と い う よ う な 概 念 を 学 ぶ も の で 、知 識 を 覚 え る こ と が 中 心
に な り ま す 。こ れ が 中 心 だ と 参 加 者 が 受 け 身 に な り や す い の で す 。ま た 、左 脳 に よ る 学 習
な の で 、実 際 の 仕 事 現 場 で の 場 面 と つ な が り に く く 、研 修 後 の 定 着 に な か な か 結 び つ き ま
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せ ん ( 研 修 後 、 日 が 経 つ と と も に 忘 れ て し ま い や す い )。
そ れ に 対 し て 、「 体 験 学 習 」 と は 、 参 加 者 が 能 動 的 に 参 加 す る こ と で 様 々 な 「 体 験 」 を
得 ら れ る よ う な 学 習 方 法 で す 。右 脳 も 使 う 学 習 と も 言 え ま す 。体 験 学 習 は 、教 育 効 果 を 高
め る 2 つ の 原 則 を 満 た し て い ま す 。2 つ の 原 則 と は 、1 .直 接 経 験 の 原 則( 自 分 で 体 験 す
る と 身 に 付 く )、 2 . 自 発 ・ 創 造 の 原 則 ( 主 体 的 に 取 り 組 む と 新 た な 知 恵 が 生 ま れ る )、
で す 。体 験 学 習 の 中 で 代 表 的 な も の は 、各 種 エ ク サ サ イ ズ 形 式 の ワ ー ク( 教 育 ゲ ー ム 、ロ
ー ル プ レ イ ン グ 、な ど )で す 。ま た 、デ ィ ス カ ッ シ ョ ン も 体 験 学 習 の 一 つ で す 。エ ク サ サ
イズとディスカッションをうまく組み合わせることで、さらに効果が増します。
研 修 の 中 で は 、も ち ろ ん レ ク チ ャ ー( 概 念 学 習 )も 必 要 で す が 、体 験 学 習 を 中 心 に プ ロ
グ ラ ム を 組 み 、さ ら に 、プ ロ グ ラ ム の 構 成 に 適 度 な 変 化 を も た せ る こ と が 大 切 で す 。例 え
ば 、ロ ー ル プ レ イ ン グ 、教 育 ゲ ー ム 、レ ク チ ャ ー 、全 体 デ ィ ス カ ッ シ ョ ン 、少 人 数 デ ィ ス
カ ッ シ ョ ン 、記 入 シ ー ト 、ビ デ オ 上 映 な ど を 組 み 合 わ せ て 変 化 を 持 た せ る と 、参 加 者 を 引
き 込 ん で 高 い 集 中 度 を 維 持 さ せ る こ と が で き ま す 。ま た 、レ ク チ ャ ー の 時 も 、パ ワ ー ポ イ
ントなどで図解化したものを見せると、右脳も刺激して参加者の理解を助けます。
《参考》
※
アメリカの心理学者レビンは、第二次大戦中、食肉不足を緩和するために、普段あまり食べること
のない牛の臓物を食べるように家庭の主婦を説得することを研究した。
主婦を二つのグループに分け、一方のグループには、栄養学の専門家による講演会に参加してもら
った。講演会の内容は、臓物を家庭で調理し、食卓にのせることをすすめる話だった。
もう一方のグループには、臓物を食卓にのせることの利点を討論するディスカッションに参加しても
らった。この討論会では、臓物を自分の家庭で使うかどうかについて話し合いが行なわれ、最終的に
「家庭で使う」と皆で決めた。
数週間後、この二つのグループの主婦たちの食習慣を調べたところ、ディスカッションをやった方
のグループだけ、主婦のほとんどが実際に臓物を使っていることがわかった。
これにより、講演形式で説得するよりも、集団で討論して臓物を使うことを決めた時の方が、説得効
果があることがわかった。これは、概念学習よりも体験学習の方が効果的である例である。
以上、研修の中身については、2点に絞ってお伝えしました。
他 に も 、「 研 修 自 体 の 構 造 を コ ー チ ン グ と 同 じ 構 造 に す る 」「 エ ク サ サ イ ズ の 題 材 を 実
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践につながるリアルなものにする」
「 研 修 の 中 に 、事 前 ア ン ケ ー ト や 事 前 課 題 と リ ン ク
させたコンテンツを用意する」
「 参 加 者 の 仕 事 内 容 や 業 種 に 合 っ た 事 例 を 用 意 す る 」な
ど、いくつかポイントがありますが、詳しい説明は省略します。
第3の盲点「研修後の定着のフォロー」
第3の盲点は、
「 研 修 後 の 定 着 の フ ォ ロ ー 」で す 。参 加 者 達 の 実 践 を サ ポ ー ト し 、コ
ーチングを定着させる仕組みが必要です。この仕組みをしっかり作っておかないと、
参加者個人の意志にのみ依存することになります。意志の力だけで成果を出すまで持
っていける人は、一部の人に限られてしまうでしょう。
また、実践を始めた参加者達は、そこで新たな問題にぶつかったりします。それら
を ク リ ア す れ ば 、コ ー チ ン グ の 定 着 に 向 け て 大 き く 前 進 す る こ と に な り ま す 。そ こ で 、
効果的なフォローをすることが重要です。
フォローのやり方は様々です。研修内容や研修参加者の仕事内容に応じて、最適な
や り 方 を 考 え る こ と が 大 切 で す 。 い く つ か の や り 方 を ご 紹 介 し ま す 。「 フ ォ ロ ー 研 修 」
を 実 施 す る こ と は 、と て も 効 果 的 で す 。1 日 研 修 だ と 理 想 的 で す が 、半 日( 3~ 4 時 間 )
研修も可能です。もし、参加者達の時間の問題などでフォロー研修の実施が難しい場
合、
「 電 話 会 議 シ ス テ ム を 使 っ た フ ォ ロ ー ミ ー テ ィ ン グ 」が 効 果 的 な の で お す す め で す 。
同時に複数(何十人でも可)の参加者が、職場や自宅から電話で参加することができ
る電話会議システムを使います。このシステムを使えば、参加者達も参加しやすく、
ま た 、 1 時 間 程 度 の ミ ー テ ィ ン グ を 何 回 か 設 定 す る ( 例 え ば 、 週 1 回 ×1 ヵ 月 間 ) こ
ともでき、継続的なフォローの場を作ることができます。この電話会議システムは、
参加者も講師も、電話一本で職場からでも自宅からでも参加できるので、日中だけで
なく夜の実施も可能です。当社もこのシステムは、よく使います。そして、顧客企業
には大好評です。もう一つ「フォローコーチング」も効果的です。これは、参加者が
講師(もしくはプロ・コーチ)から「電話によるコーチング」をマン・ツー・マンで
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受ける方法で、最もきめ細かなサポートを受けることができます。また、以上に紹介
したような方法を複数組み合わせる場合もあります。
また、研修後のスキルアップの度合いを計測して数値化するツールを使えば、参加
者 に と っ て 、非 常 に 励 み に な り 、実 践 意 欲 を 高 い レ ベ ル で 維 持 で き ま す 。当 社 の 場 合 、
そのツールとして、第1の盲点でご紹介した「コミュニケーションサーベイ」を主に
使い、非常に高い効果が出ています。
他には、
「 研 修 終 了 時 に 、参 加 者 達 が 実 践 度 や 定 着 度 を 自 己 チ ェ ッ ク で き る よ う な チ
ェ ッ ク リ ス ト を 渡 す 」「 研 修 終 了 時 に 、『 今 後 の 実 践 課 題 』 を 名 刺 大 の カ ー ド に 記 入 し
て も ら い 、研 修 後 1 ヵ 月 間 携 帯 し て も ら う 」
「 参 加 者 同 士 の ピ ア ・コ ー チ ン グ を や っ て
もらう」などの方法も有効です。
第4の盲点「なるべく上層部から導入する」
第 4 の 盲 点 は 、「 な る べ く 上 層 部 か ら 導 入 す る 」 で す 。「 う ち の 会 社 の 中 堅 社 員 向 け
にコーチング研修をやってほしい」という依頼があった場合、私は「その中堅社員の
上 司 の 方 達( = 管 理 職 )は 、す で に ど こ か で コ ー チ ン グ 研 修 を 受 け ら れ た の で す か ? 」
と質問します。もし、その答えがNOである場合、私としては、まず上司(管理職)
から研修を実施することをおすすめします。
例えば、中堅社員さん達が最初にコーチング研修を受けたとします。研修を受講し
た中堅社員さん達は、研修終了後、自分の部下にコーチングを使いながら、成果に繋
げていこうとするでしょう。しかし、その中堅社員さん達が、自分の上司(管理職)
からは指示・命令・叱責中心の指導をされていたらどうでしょうか?
人は、自分が指導されたように指導します。自分が育てられたように育てます。つ
まり、無意識のうちに、自分の上司をモデルにしているのです。これを心理学でモデ
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リングといいます。だからこそ、コーチングの導入は、上層部からしていくほど、効
率よく組織に定着していくのです。
特に中小企業の場合、できればトップや経営幹部からコーチングを導入するのが理
想 的 で す 。ト ッ プ と 経 営 幹 部 だ け で 少 人 数 の コ ー チ ン グ 研 修 を や り 、そ の 後 、管 理 職 、
中堅幹部と実施していくわけです。これは、最も早く組織風土改革を推進することに
なります。
ト ッ プ や 幹 部 の 方 が 研 修 を 受 け る の が 難 し い 場 合 、エ グ ゼ ク テ ィ ブ・コ ー チ ン グ( プ
ロ・コーチによるマンツーマンのコーチング)を受ける方法もあります。電話による
エグゼクティブ・コーチングの中で、コーチングについて学んだりトレーニングした
りする時間も用意できます。さらに、エグゼクティブ・コーチングでは、組織へのコ
ーチングの定着についてのサポートを受けることもできます。そして、社員(部下)
に研修を実施していけば、自然に組織へ定着させていくことが可能となります。
また、
「 諸 事 情 に よ り 社 員 と い っ し ょ に 研 修 を 受 け る の が 難 し い が 、自 分 自 身 も コ ー
チ ン グ 研 修 を 受 け た い 」と い う 経 営 者 の 方 の た め に 、当 社 で は 公 開 セ ミ ナ ー と し て「 経
営 者 コ ー チ ン グ 塾 」( 東 京 、 大 阪 、広 島 )を 企 画 し て い ま す 。こ れ に つ い て は 、 当 社 ま
でお問い合わせください。
第5の盲点「制度、施策との連動」
第 5 の 盲 点 は 、「 制 度 、 施 策 と の 連 動 」で す 。こ の 第 5 の 盲 点 あ た り か ら 、 各 社 、各
組織の状況によって対応の仕方が様々なので、文章で充分な説明するのは難しくなっ
てきます。このレポートでは、簡潔にお伝えしたいと思います。
まず、一番強力なのは、コーチングの導入を会社の経営理念や経営戦略とリンクさ
せることです。特に中小企業さんでの事例が多いのですが、例えば、コーチングの導
入 を き っ か け に 、経 営 理 念 の 一 つ に「 社 員 を 大 切 に す る( E S の 向 上 を 追 及 す る )」と
か「 現 場 の 声 に 耳 を 傾 け る( 現 場 主 義 )」な ど を 新 た に 加 え る な ど の 例 が あ り ま す 。も
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ちろんこれは、コーチングの定着のために経営理念を加えたのではありません(これ
で は 順 番 が 逆 で す ね )。「 社 員 を 大 切 に す る こ と を 経 営 理 念 と し て 新 た に 決 め た か ら 、
その手段の一つとしてコーチング導入をする」ということです。また、コーチングの
導 入 に と も な い 、経 営 戦 略 の 一 つ と し て 、
「コミュニケーション改革を行いボトムアッ
プの組織風土を作る」などを打ち出した例もあります。
その他、コーチングの手法を取り込んだ制度や施策、イベントなどを仕掛けること
も可能です。また、朝礼に、コーチングの考え方を取り入れたコーナーを設けたり、
会議をコーチングと同じ構造で進めたり(これは非常に会議の生産性を高めます!)
と、いろいろアイデアがあります。このように、コーチング研修だけでなく、経営戦
略とか制度とか施策とかにコーチング的な手法をうまく取り入れれば、コーチングの
定着は加速化するのです。
第6の盲点「メンタル面(人間力)の強化」
第6の盲点は「メンタル面の強化」です。コーチングをスキル・テクニックとして
教えるだけでなく、コーチング的な考え方や心構え(=コーチングマインド)といっ
しょに伝えることは非常に有効です。これは、参加者達が「リーダーとしての自分の
あり方」を見つめ直すきっかけになります。さらに、自立的な考え方を訓練すること
で「リーダーとしての軸」も確立され、より効果的なコーチングを行える素地ができ
ます。
ただ、このメンタル面の強化は、プログラムに上手に組み込む必要があります。最
初から強調すると「精神論」みたいになって、実践と繋がりにくくなります。入り口
としては、まず形から(スキルから)入ることをおすすめします。そして、スキルの
練習をするプロセスで、段階的に伝えていくのが効果的です。参加者からの質問があ
ったときに、その質問への回答にからめて伝えることもありますが、これはとてもイ
ンパクトがあります。
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1 日 研 修 の 場 合 で も 、プ ロ グ ラ ム 終 了 ま で に 、
「どのような心構えを強化していけば、
コ ー チ ン グ が 上 達 す る の か ? 」を 伝 え て お く こ と は 非 常 に 重 要 で す 。
「 心 構 え 」を 抜 き
にして、表面的な技術としてのみコーチングを用いることは、とても効率が悪いから
です。
人材育成の最高の達人と言われる吉田松陰の教育法は、驚くほどコーチングに似て
います。
「 彼 は コ ー チ ン グ を 習 っ て い た の で は な い か ? 」と 思 っ て し ま う ほ ど で す 。よ
く 研 究 し て み る と 、 松 陰 の 「 も の の 見 方 」 は 、「 コ ー チ ン グ マ イ ン ド 」 そ の も の で す 。
(詳しくは私のメールマガジンのバックナンバーをご覧ください。私のHPからご覧
に な れ ま す )。松 陰 の よ う に「 も の の 見 方 」や「 門 下 生 に 対 す る 心 構 え 」が コ ー チ ン グ
的であれば、コーチングを習っていなくても、見事に人材を育てるようなコミュニケ
ー シ ョ ン が 取 れ る の で す 。だ か ら こ そ 、ス キ ル を 教 え る と 同 時 に 、
「 ど の よ う な『 心 構
え』や『ものの見方』を強化していけばよいか」も同時に伝えておくことは、コーチ
ングを定着させる上で、非常に有効なのです。
一定期間の間に数回の研修を実施して、長期的な育成をしていく場合は、このメン
タ ル 面 の 強 化 を 本 格 的 に や る こ と が で き ま す 。メ ン タ ル 面 の 強 化 は 、
「 E Q の 向 上 」と
言うこともできます。そして最終的には、参加者の人間力・人間性を高めていくこと
を目指します。この人間性がビジネスにおいて非常に重要になってきています。
国内で最大級の経営コンサルティング会社である船井総合研究所の船井幸雄会長と
小 山 政 彦 社 長 は 、そ の 共 著 で あ る「 長 所 伸 展 の 法 則 」で 、次 の よ う に 語 ら れ て い ま す 。
-------- ------ ------------------------------ ------ ---- -------- ------ ---- --多少スキルが劣っていても、人間性がある以上のレベルに達した「人柄の良い人」な
ら、上司やお客さんから好かれて、結果として多くの仕事に関わることになるはずで
す。逆に、いくら知識や能力が人より優れていても、人柄に問題があれば「仕事がで
きる」という評価を得るのは難しいでしょうね。
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それに今では、商品知識やセールストークが武器のビジネスマンよりも、人間的に
好かれるタイプの人のほうがモノをよく売ります。業績そのものも、人間性のほうに
軍配が上がる時代なんですよ。これもデフレ時代の特徴の一つに数えていいと思いま
す。
(参照→「長所伸展の法則」船井幸雄&小山政彦
著、ビジネス社)
-------- ------ ------------------ ---- -------- ------ ---- -------- ------ ---- ---こ の 著 書 の 中 で 、船 井 氏 と 小 山 氏 は 、
「ビジネスに人間性などは関係ないと思われた時
代 が 長 く 続 い た が 、こ こ に き て 時 代 が 変 わ っ た 」と 分 析 さ れ て い ま す 。ま た 、
「人間性
をよく知らずに育った若者たちが社会人になってきていて、人間性教育を短時間で浸
透させる必要がある」と論じておられます。
この人間性はコーチングの場面でも大きな影響力を持ちます。例えば、上司が部下
をコーチングする時に、
「 ど の く ら い コ ー チ ン グ が 機 能 す る か 」を 決 め る 最 大 の 要 因 は 、
「 上 司 の コ ー チ ン グ ス キ ル の レ ベ ル 」以 上 に 、
「 部 下 が そ の 上 司 を ど の く ら い 信 頼 ・尊
敬しているか」なのです。最大の決め手は、上司側の人間性なのです。
さ て 、こ の 人 間 性 を 高 め る こ と に つ い て は 、名 著 と 言 わ れ る「 7 つ の 習 慣 」
(スティ
ー ブ ン ・ R ・ コ ヴ ィ ー 著 )を 始 め 、次 の 本 が 参 考 に な り ま す 。
「グラッサー博士の選択
理論」
( ウ イ リ ア ム ・ グ ラ ッ サ ー 著 )、
「 ヒ ュ ー マ ン リ レ ー シ ョ ン・コ ン ピ テ ン シ ー の 威
力 ( つ い て い き た く な る 上 司 の 研 究 )」( 斎 藤 勇
著 )、「 長 所 進 展 の 法 則 」( 船 井 幸 雄
& 小 山 政 彦 著 )、「 ビ ジ ョ ナ リ ー ・ カ ン パ ニ ー 2 」( ジ ェ ー ム ズ ・ C ・ コ リ ン ズ 著 )。
そ し て 、非 常 に 重 要 な 原 則 は 、
「 研 修 の 内 容 は 、シ ン プ ル で 分 か り や す く 実 践 的 で あ
ること」です。特に、人間性を高めるためのプログラムを組み込む場合、この原則か
ら 外 れ な い よ う に 意 識 す る 必 要 が あ り ま す 。当 社 で は 、
「形から入って人間性を高める」
と 言 っ て お り ま す が 、 ま ず 、 わ か り や す い 「 形 ( = ス キ ル )」 か ら 入 っ て い き 、「 そ れ
な ら 、す ぐ に 使 え る 」
「 こ の ス キ ル は 、あ の 部 下 に 使 っ て み よ う 」と 実 践 に つ な げ て 捉
え て も ら い ま す 。そ し て 、そ の ス キ ル の ト レ ー ニ ン グ と 実 践 の 過 程 で「 人 間 性( E Q 、
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メ ン タ ル )」を 向 上 さ せ て い く よ う 、プ ロ グ ラ ム を デ ザ イ ン し て い ま す 。そ れ か ら 、研
修参加者の人間性の向上をサポートするためには、参加者本人が「人間性を高めた
い!」という意志を持つことが不可欠です。そのための動機づけがきーポイントであ
り、いくつかの切り口を用意しておく必要があります。
第7の盲点「成果を出すための流れ」
第7の盲点は「成果を出すための流れ」です。
コーチングでは、相手(部下)に
対して質問を投げかけていくのですが、
「 ど ん な 流 れ で( ど ん な 順 番 で )質 問 を 投 げ か
け て い く か 」が と て も 重 要 で す 。そ し て 、
「 成 果 を 導 き 出 し や す い 流 れ( フ レ ー ム ワ ー
ク )」が 存 在 し ま す 。そ の 最 も 基 本 的 な も の と し て は 、G R O W モ デ ル が よ く 使 わ れ ま
す。まずは、研修の中でGROWモデル(もしくは、それに変わる基本的な流れ)を
参加者に教える必要があります。
さ ら に 、数 回 の 研 修 を 通 じ て 育 成 し て い く 場 合 は 、中 級 レ ベ ル の「 フ レ ー ム ワ ー ク 」
まで教え、部下のブレイクスルー(=現状突破)をサポートできるようにトレーニン
グしていくことが有効です。部下のブレイクスルーをサポートできるようになれば、
これぞハイパフォーマンス・コーチングと言えます!この中級レベルのフレームワー
クについては、文章で説明すると長くなり過ぎるので、省略します。その代わり、参
考文献を紹介します。
「ブレイクスルー思考」
( G ・ ナ ド ラ ー 著 )、
「突破の科学」
(日比
野 省 三 著 )、
「 シ ス テ ム・シ ン キ ン グ 入 門 」
(西村行功
著 )、
「創造思考を身につける」
( 新 森 保 紀 著 )、 以 上 が 参 考 文 献 で す 。
ただ、これらの本で紹介してある手法や理論を、研修でそのまま教えてしまうと、
とても難しい内容になってしまいます。
「 研 修 の 内 容 は 、シ ン プ ル で 分 か り や す く 実 践
的 で あ る こ と 」の 原 則 に 沿 っ て 、
「 こ れ な ら す ぐ に 使 え る 」と い う 形 に 翻 訳 し て か ら 伝
えることがポイントです。
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以上、
「 コ ー チ ン グ で 最 大 限 の 成 果 を 出 す た め の 7 つ の 盲 点 」に つ い て お 伝 え し ま し
た。長いレポートを最後まで読まれたことに、心から敬意と感謝の意を表します。
プ ロ ・ コ ー チ と し て 、ま た 、コ ー ポ レ ー ト ・ コ ー チ ン グ の 会 社 の 代 表 と し て 、日 々 が 学
び の 連 続 で す 。顧 客 企 業 と の 関 わ り の 中 で 、様 々 な 経 験 を さ せ て い た だ い て ま す が 、そ の
経 験 か ら の 学 び が こ の レ ポ ー ト の ベ ー ス に な っ て い ま す 。ま た 、日 本 最 大 の コ ー チ 養 成 期
間 で あ る「 コ ー チ 2 1 」で 、コ ー チ 養 成 ト レ ー ニ ン グ の ク ラ ス コ ー チ( 講 師 )を ず っ と さ
せ て い た だ い て ま す が 、そ こ で の 経 験 か ら 学 ん だ こ と も 大 き い で す 。た く さ ん の プ ロ ・ コ
ーチを目指す人達のサポートをさせていただいて、いろいろなことに気づかされます。
このレポートがお役に立てば幸いです
有 限 会 社 コ ー チ ン グ ・マ ネ ジ メ ン ト
代表取締役
野口嘉則
このレポートを読 まれて、当 社 のコーチングプログラムの導 入 にご関 心 のある方 は、お気 軽 にお問 い合
わ せ 下 さ い。
◆なお、年間契約や半期契約については、ベストなサポートを提供するために顧客数を限定しています。定員いっぱ
いの場合は、一定期間お受けできないことがありますので、ご了承下さい。
有限会社コーチング・マネジメント TEL 082-276-6303 FAX 082-270-2206
E-mail noguchi@coaching-m.co.jp
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