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An SBD
2015 年 1 月号
Information Service
Global Automakers commit
to Consumer Privacy
Protection Principles
今月号の主な記事
Ericssonの責任者
Lundgren 氏がコネクテッド
カーのエコシステムについて
語る
XBrain の最高経営責任者
が、自動車を取り巻く環境は
コネクティビティにとってやさ
しいものではないと言述
特集記事:車両から発信さ
れるデータとは?そのデー
タの所有者とは?
LA モーターショー特集
Page 1
米国テレマティクスベンチマーク評価
7
20
社のシステム
項目の
データ評価
46
名による
ユーザーテスト
Chrysler
Uconnect Access
Tesla Model S
Services
NissanConnect Apps
Mercedes-Benz
COMAND Online
HondaLink
Next Generation
Porsche PCM
Mercedes-Benz
Drive Kit Plus
本書「米国テレマティクスベンチマーク評価」(CON547USA-14)では現在市販されている主要 7 社の
車載ナビ・インフォテイメントシステムを、エキスパートとユーザー評価に基づき総合的に分析しています。
さらに本書ではユーザーが実際にシステムを使用している様子や、システムを体験した後のユーザー同士の
ディスカッションの動画も紹介しています。
詳細に関するお問い合わせは、下記にて承っております。
SBD ジャパン
e-mail : postbox@sbdjapan.co.jp Tel : 052-253-6201
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 Ericssonの責任者
Lundgren 氏がコネクテッド
カーのエコシステムについ
て語る
 XBrain の最高経営責任者
が、自動車を取り巻く環境は
コネクティビティにとってやさ
しいものではないと言述
8
eCall
6
 ERTICO と ETSI が車載およ
び PSAP キット向け eCall
TestFest を開催
15
Los Angeles Motor Show
Data
Protection
 特集記事:車両から発信され
るデータとは?そのデータの
所有者とは?
16
 Jaguar Land Rover と
CloudCar が 2015
justDrive 統合アプリを構築
22
 Acura ILX がスマートフォン
とのテザリングを利用した
新しいナビゲーションを発表
27
China
7
Fiat と Accenture が 2015 年の 500 X Uconnect で
TomTom のナビゲーションを使用
7
インドネシア:ジャカルタ市当局が Waze と連携
10
ドバイ警察がレンタカーの追跡向けに Embarc の技術を
承認
11
Zubie が自社の車載 USB ドングルにおけるサイバー
セキュリティの脆弱性について警告
11
Intel がビッグデータプロジェクトを念頭に置いて INRIX に
投資
12
英国運輸省が若いドライバーに対するテレマティクスベース
の保険の影響を調査
13
超低速の eCall インバンドモデム技術。フィルタリングコスト
はどこが負担するのか?
14
ロシア:Fort Telecom が eCall 搭載の Chery Bonus で
衝突による横転テストを実施
14
Global Automakers が顧客プライバシー保護の原則を
真摯に実践
17
Daimler がコネクテッドカーの走行データ保護に関する
意見交換会を開催
18
INFOGRAPHIC: 車載技術が購入決定を左右
19
Audi がモジュール式インフォテイメントプラットフォーム
「MIB-2」に NVIDIA 技術を搭載
24
新しい Chrysler 300 が eCall および Uconnect テレマティク
スをアップグレード
25
FuelSignal が Ford App Pursuit コンテストで優勝
26
ホンダがプロトタイプ車両に関するアイデアをテストする
目的で、車載アプリデベロッパーを募集
26
Google が Android Auto API を発表し、Hyundai が
デモを実施
28
BMW と MINI が車両に Spotify 音楽サービスを搭載
30
ソニーの Xperia スマートフォンが MirrorLink に対応
30
中国の Telematics News ~ 東風日産、QorosQloud、Tesla
32
新しい Mercedes-Benz 研究開発センターは中国顧客が
求めるサービスに特化
33
アジア発、アジア向けの Mercedes-Benz G-Code コンセプト
34
4
 MapQuest と Urgent.ly が
スマートフォンを活用した
ロードサービスを計画
S/Phone &
Apps
Verizon Telematics の最高技術責任者が、自動車メーカー
は 5G の導入を直ちに検討すべきだと提言
 運転時の Siri の使用は
ドライバーの注意散漫に
つながるという批判に
29
Apple が反論
 Shanghai OnStar が最新の
車載アプリとテレマティクス
サービスを紹介
31
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Ericssonの責任者 Lundgren 氏がコネクテッドカーの
エコシステムについて語る
Telematics News は、Ericsson のコネクテッドカー向けクラウドサービス「Connected
Vehicle Cloud」の責任者である Magnus Lundgren 氏に独占インタビューを行いました。
そこで同氏は、Volvo との Sensus Connect プラットフォームに関する協業と、テレマティ
クスサービスプロバイダーの役割の変化について語りました。
Telematics News (TN): まずは、Ericsson における現在のご自身の役割を教えてください。Ericsson ではどのようなキャリアアップを遂げ、
通常、どのような 1 日を過ごしていますか?また、Ericsson の企業文化が、過去に所属されていた組織のものと異なる点は何ですか?
現在、当社の Service Enablement ソフトウェアプラットフォームの販売部門を統括しています。このプラットフォームは
幅広い業界をターゲットとしていますが、自動車市場においては業界固有のニーズに応じてカスタマイズした上で
「Connected Vehicle Cloud(CVC)」として販売されています。私のキャリアですが、明確に定義されたソリューションの
販売および提供から、さらに大規模な業務へと発展しました。具体的には、エコシステム全体と事業事例を深く掘り下
げ、多くのソースから戦略的情報を収集しています。まさに今、あらゆる取り組みをつなごうとしている非常に多くの業
界と関われるため、刺激になります。特に、先方の顧客と組織自体に効果が現れているのを見ると、嬉しくなりますね。
そのために私は、顧客が当社のプラットフォームを最大限活用して、課題を克服し、新たな機会を追求できるよう全力
で支援しているのですから。Ericsson と他の会社との最大の違いは、Ericsson には緊迫感を伴う革新的文化がある点
です。Ericsson は市場の大きな変化を目の当たりにしてきたので、その変化に上手く対応する方法を心得ています。
口で言うのは簡単ですが、実行するとなると、強力な企業文化が必要なものです。
TN: かつて、テレマティクスサービスプロバイダー(TSP)が果たす役割は、専門分野に特化した企業から成る小さなグループの専売特許の
ようなものでした。しかし現在ではこの役割を、大手 IT 企業や通信事業者のような組織が新たに担うようになっています。こうした状況下で、
Ericsson は TSP 業界においてどのような位置付けを目指しているのでしょうか?
モビリティ、モバイルブロードバンド、およびクラウドは大革新をもたらし、コネクテッドカーバリューチェーンにおける新
たな役割を生み出しました。その結果、従来の TSP の役割は変わりつつあります。Ericsson は、コネクテッドカーのエコ
システムをクラウドベースの「Connected Vehicle Cloud」プラットフォームで管理しています。このプラットフォームは、車
両と OEM 間のあらゆるやり取りを管理します。また、複数のアプリデベロッパーと従来の TSP サービスを取り込みな
がら、それらを単一の市場で 1 人のデベロッパーが開発したアプリと同じ方法で管理します。当社はさらに、マネージ
ドサービスのフルパッケージに加え、コネクティビティ管理やグローバルな携帯端末テストのような主要サポートも提
供しています。
技術があまりに急速に進化しているため、単一のベンダーが車両向けのアプリとグローバルソフトウェアクラウドプ
ラットフォームの両方を開発することは不可能とも言えます。Ericsson のデータ管理の経験とパートナーエコシステム
は、すでに自動車業界で高い評価を獲得しています。例えば、Volvo は Connected Service Booking アプリを発表しま
した。このアプリでは、CVC が API、パートナー、車両とのコネクティビティ、ドライバーの ID、および推奨のサービス時
間を管理しています。しかし、当社ではアプリ自体は開発していません。すべてインターネットの基本原則に従ってい
るだけです。これは全体的なシンプルさにつながっています。そしてそれこそが、Ericsson の市場における価値なので
す。
TN: Ericsson は、Sensus Connect インフォテイメントプラットフォームに関して Volvo と緊密に連携しています。システムとサービスを提供す
るテレマティクスエコシステムでのご自身の役割を教えてください。
Volvo は、Ericsson の Connected Vehicle Cloud を活用して Sensus Connect をグローバルに発表しました。CVC は車両、
ドライバー、および車両所有者のエコシステム全体を管理しており、Ericsson によって高い信頼性を保証されたマネー
ジドサービスです。Connected Service Booking、TuneIn インターネットラジオ、Pandora、Glympse、Baidu などのサービ
スを介して Volvo と顧客をつなぎます。私たちは、車両・クラウド・車両間のサービスについても共同で取り組んでいま
す。このサービスでは、道路摩擦情報を車両間で共有し、凍結した道路について警告します。また、集約した情報を
道路管理機関に送信します。さらに、Ericsson と Volvo は、いわゆる「ネットワーク社会」への適合を積極的に推進して
います。他のエコシステムを車両エコシステムとつなぐことで、例えば、オンラインで購入した食料品を購入者の車両
に配送できます。配送業者は購入者の車両のトランクを開ける仮の自動車キーを使用します。こうしたことをどう可能
にするのか、私たちは示したのです。
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TN: 最後に伺います。Ericsson は欧州の企業として知られていますが、AT&T や Volvo との協業を通じて、米国のコネクテッドカー業界で最
も成功を収めています。他に成長が最も見込めそうな地域はどこですか?また、そうした地域ごとに異なる顧客の要件は何ですか?
Ericsson はスウェーデンに本社を置き、世界中で事業を展開しています。従業員数は、180 ヶ国の事業所で合計
110,000 名以上にもなります。
当社のコネクテッドカーに関する Volvo との協業はグローバルソリューションですが、米国、欧州、および中国で初め
て発表したコネクテッドカーサービスでもありました。このソリューションを可能にしているのが分散クラウドストラクチャ
です。ある国の地域にローカルノードを展開し、そこからグローバルノードにフィードバックを送信するという仕組みで
す。これは、その地域に必要なパフォーマンスを確保し、地域の規制に準拠する方法を用いて、地域向けサービスを
迅速に開始する上で必須のアプローチです。
Ericsson は AT&T とも協業しており、AT&T Drive Studio を活用した自動車業界向けエコシステムの形成を図っていま
す。AT&T と Volvo は、10 月にラスベガスで開催された CTIA ショーでハッカソンを行い、車両がネットワーク社会の一
部になれば構築可能になる新しいアプリやサービスが多数あることを実証しました。
今や、コネクテッドカーは至る所で見られるようになりました。Ericsson が AT&T と共同で実施した最近の調査では、世
界のドライバーの 50% が、コネクテッドカーサービスを利用するために現在のブランドから類似のブランドに乗り換え
る可能性があるとわかりました。
TN: Ericsson、TomTom、Tech Mahindra、および EBS は、コネクテッドカーシステム/サービスのアフターマーケットに対応するために結成
されたコンソーシアムを発表しました。この構想に対するテレマティクス業界の反応はどのようなものでしたか?どの市場や自動車メーカー
をターゲットとしていますか?
Ericsson は主に自動車メーカーと、より幅広い ITS 分野で活躍する他のエコシステムの企業をターゲットとしています。
また、アフターマーケット分野における機会を再検討し、当社のクラウドプラットフォームの市場シェアをさらに拡大して
いく上で助けとなる企業との提携を進めています。
Magnus Lundgren 氏 Ericsson、Connected Vehicle Cloud 責任者
Magnus Lundgren 氏は、Ericsson の Connected Vehicle Cloud 責任者です。スウェーデンを拠点とし、業
界および社会に注目している顧客へのグローバルサービス有効化ソリューションの販売を監督していま
す。2007 年に Ericsson に入社する前は、スウェーデンのモバイルストアの先駆者である Drutt でシニア
ビジネス開発ディレクターを務めていました。また、電気通信事業サポートシステム分野での業務経験
や自動車業界でのソフトウェア開発経験も何年かあります。スウェーデンのチャルマース工科大学で電
気工学の修士号を取得しました。
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MapQuest と Urgent.ly がスマートフォンを活用したロードサービスを計画
MapQuest と ワシントン D.C. を拠点とするスタートアップ企業、Urgent.ly が統合ソリューショ
ンを発表しました。このソリューションにより、全米の MapQuest ユーザーはモバイルアプリか
ら緊急時ロードサービスとシームレスにつながることができます。
この業界初の統合ソリューションは、レッカー車での車両の移動、
タイヤ交換、燃料供給、ジャンプスタート、キー閉じ込み解決など
のサービスを必要としている人を、Urgent.ly のオンデマンドプラッ
トフォームと全国を網羅する広範なロードサービスネットワークを
介して、近隣の利用可能なロードサービスにつなぎます。
この提携により、MapQuest は緊急時ロードサービス要請を送信
可能な初のナビゲーションアプリとなりました。また Urgent.ly は、
初の全国サービスを展開することとなりました。
「MapQuest は、革新的で信頼性の高いサービスをユーザーに
とって最も意味のある方法で提供したいと考えています」と
MapQuest の製品責任者である Nate Abbott 氏は言います。
「Urgent.ly のモデルは、顧客があらゆるものにオンデマンド方式
を求めるようになっていることを証明しています。ロードサービス
も例外ではありません。この統合ソリューションによって、
MapQuest はユーザーに古いシステムのせいで不便な思いをさ
せることなく、独自の先駆的サービスを提供できます」
MapQuest と Urgent.ly との統合ソリューションを使用すると、ドラ
イバーはロードサービスの会員になったり会費を払ったりする必
要がなくなります。また、ロードサービスプロバイダーとつながる
ためのプロトコルも不要になります。しかも、近くのロードサービス
車両の位置確認や追跡、その車両との通信、さらには必要な
サービスの料金の支払いもすべて、MapQuest アプリ 1 つででき
るのです。
「MapQuest との提携を通じて、当社は Urgent.ly を全国区の企業
にし、オンデマンド方式の緊急時ロードサービスを全米の顧客に
届けられるようになりました」と Urgent.ly の最高経営責任者であ
る Chris Spanos 氏は話します。「今回初めて、ドライバーは無料の
ナビゲーショナプリを使用して、透明性と信頼性の高いロード
サービスを利用できるようになるのです。会費も自動車クラブの
高額な手数料も不要です。Urgent.ly は定額制を採用しており、ド
ライバーが実際に利用したサービスの料金のみを請求するため、
ロードサービスを必要としている大勢の MapQuest ユーザーを、
いつでもどこでもサポートできます」
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サービスの仕組み
ロードサービスが必要になったドライバーは、次の操作を実行す
るだけでサービスを利用できます。
•
MapQuest の無料ナビゲーションアプリ(iTunes、Google Play、
Amazon アプリストアから入手可能)を起動します。
•
MapQuest メニューバーの[Roadside Assistance(ロードサービ
ス)]をタップします。
•
HTML5 が実現する独自のエクスペリエンスを通じて、
Urgent.ly とシームレスにつながります。別のアプリをダウン
ロードする必要はありません。
Urgent.ly は、車両情報と問題の詳細を受け取ると、そのドライ
バーの位置を確認し、ドライバーを近隣のサービスプロバイダー
につなげます。これはすべて、MapQuest 統合ソリューション内で
行われます。ユーザーは、サービスプロバイダーの現在地を地図
上で追跡し、予想到着時間を確認できます。料金は、サービスが
完了してユーザーが結果に満足してから、クレジットカードに請求
されます。
出典 : MapQuest
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Verizon Telematics の最高技術責
任者が、自動車メーカーは 5G の
導入を直ちに検討すべきだと提言
Verizon Telematics の最高技術責任者である
Chuck Link 氏は、取引のある自動車メーカーのほ
とんどが LTE に飛び付いたと話します。しかし、まだ
初期段階にあるコネクテッドカー市場の将来を保証
するには、古い 4G 接続に取って代わる 5G のコネ
クティビティモジュールが必要になると警告していま
す。
Chuck Link 氏
最高技術責任者
Fiat と Accenture が 2015 年の
500 X Uconnect で TomTom のナ
ビゲーションを使用
2015 年初めに欧州で販売される新しい Fiat 500X
の Uconnect インフォテイメントシステムで、
TomTom のナビゲーション技術が使用されることが
同社により発表されました。
すべての Uconnect システムには、TomTom Traffic、TomTom
Speed Cameras、TomTom Weather、TomTom Places を含む最新
の Fiat Uconnect LIVE サービスパッケージが搭載されます。これ
らのサービスをホスティングする Uconnect モバイルプラットフォー
ムは、FCA と Accenture が共同開発しました。
新しい Fiat 500X Uconnect Radio Nav システムには、あらゆる走
行をサポートする TomTom のコネクテッドナビゲーション技術が
すべて搭載されます。ドライバーは、TomTom の優れたルート指
定エンジンに基づく最短ルート情報や、毎日、合計 1 億 km 以上
に及ぶ道路のリアルタイムの交通量測定値を受信する非常に精
度の高い交通情報サービスを活用できます。
「モバイルインフラは数年ごとに変化を遂げており、5 年後には
5G が実現すると見込まれています」と Mobile World Live での最
近のインタビューで同氏は述べています。「モジュールを交換可
能な車載ソリューションが必要であり、それは私たちが取り組む
べき課題でもあります。その責任は、自動車業界よりもワイヤレ
ス業界の方が大きいですけれどね」
「Fiat との提携範囲を拡大でき、大変嬉しく思っています」と
TomTom の自動車部門バイスプレジデントである Jan-Maarten de
Vries 氏は話します。「正確な交通情報、最新の道路閉鎖情報、
最短ルート情報といった TomTom の LIVE サービスおよびソフト
ウェアを追加することで、Fiat は、ドライバーがこれから走行する
道路をより詳細に把握し、目的地により短時間で到着できるよう
サポートできるのです」
コネクテッドカーの将来の保証。それが必要なのは、車両所有者
が携帯電話ほど頻繁にはモデルを変更しないためであり、それ
を実現するには、ハイブリッドアプローチが求められる、と Link 氏
は言います。ダッシュボードには OEM 中心のサービス(安全性、
保全など)を埋め込み、端末が改良されるたびに交換可能な取り
付け型端末には、より顧客中心のサービス(オーディオストリーミ
ングなど)を用意するというわけです。
.コネクティビティの提供は当然ですが、それよりはるかに大きな
役割がコネクテッドカーエコシステムの通信事業者にはあると同
氏は考えます。例えば、ローミング管理のような付加価値サービ
ス、通信リンクへの安全性機能の追加などです。
「[自動車製造業の] OEM のほとんどが、業界の誰よりもプライバ
シーに気を配っています。特にその傾向が強いのがドイツ人で
す」と Link 氏。「彼らは、原則としてデータは削除し、事業を行う上
で必要最低限のデータのみを事務管理部門で保管することを定
めたデータ保持ポリシーを適用しようとしています」
出典 : Mobile World Live
出典 : TomTom
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XBrain の最高経営責任者が、自動車を取り巻く環境は
コネクティビティにとってやさしいものではないと言述
XBrain の最高経営責任者である Gregory Renard 氏が Telematics News の独占イン
タビューで、自動車メーカーがインフォテイメントシステムの音声制御で自然言語をどう
使用しているのか語りました。
Telematics News (TN): XBrain は音声ベースのヒューマンマシンインターフェース(HMI)に重点を置いています。XBrain の技術を車両にど
う統合して活用できるのか教えください。また、この技術は車両埋め込みと車両取り付けのどちらの形態を取るのでしょうか?
XBrain が重視していることの 1 つは、当社の Voice & Connected Platform における柔軟性の確保です。統合対象の
技術とプラットフォームは一切問いません。自動音声認識(ASR)およびテキストツースピーチ(TTS)プロバイダーに関
してはパートナーの事業ニーズに合わせることができますし、パートナーが現在使用しているハードウェアおよびソフ
トウェアプラットフォームに対応することも可能です。当社ではアーキテクチャに対してモジュール式アプローチを取っ
ているため、XBrain のプラットフォームをパートナーのニーズに即してカスタマイズできます。車両ごと、あるいはユー
ザーレベルごとにカスタマイズすることも可能です。また、パートナーニーズの変化に応じて、ワイヤレスで更新できま
す。
しかし自動車を取り巻く環境は、コネクティビティにとってやさしいものではありません。そのため当社では、コネクティ
ビティが良好な場合は XBrain クラウドプラットフォームの機能を最大限提供し、そうでない場合はローカルの車載ソ
リューションにフォールバックするハイブリッドアプローチを採用しています。XBrain プラットフォームには、コネクティビ
ティが低い間(長いトンネル内など)のドライバーのリクエストを記憶しておき、コネクティビティが回復し次第リクエスト
された操作を自動的に実行するというスマートな機能が装備されています。
TN: 最近のパリモーターショーで、XBrain はその技術のデモを行いました。現在、どの自動車メーカーやTier 1 サプライヤー、アフターマー
ケット企業と提携していますか?
パリモーターショーでの XBrain の技術に対する反響の大きさには大変満足しています。幅広い大手自動車メーカー
や消費者向け技術メーカーに加え、最先端技術の採用が一般には知られていない業界から参加した興味深い進歩
的企業を相手に、当社プラットフォームについて話し合うことができました。現在提携している企業についてお話しした
いのはやまやまですが、こうした企業にとって当社はサプライヤーですから、発表については先方のタイミングで、先
方にお任せしたいと思います。
TN: XBrain はカリフォルニアとフランスを拠点としています。米国と欧州とで、その技術に対する顧客の反応の違いは何ですか?
いずれも驚くほど類似しています。結局、誰もが心配している本当の問題は運転中の安全性です。当社の Voice &
Connected Platform は、運転中に真のアイズフリーエクスペリエンスを提供し、カリフォルニアに住んでいようとフラン
スに住んでいようと、誰にとっても運転をより安全なものにする初の、そして唯一の技術なのです。
TN: XBrain の技術を使用すると、車両故障を認識して修理を予約できます。車両診断データにはどのようにアクセスするのですか?
基本的に、当社は現代の車両に組み込み済みの通信ネットワークに対応しています。アフターマーケットベースでは、
1996 年から車両で利用可能になった OBD2 診断ポートに接続できます。埋め込み型ソリューションについて自動車
メーカーと直接やり取りする際は、そのメーカーが車両ですでに使用している固有のプロトコルを活用します。いずれ
の場合も、この車両診断データを収集および集約し、先を見越したサービスをドライバーに提供するために使用しま
す。例えば、燃料残量が少なくなってきて、現在の燃料ではナビゲーションの目的地までもたないことがわかった場合、
走行ルートを自動的に調整して、途中にあるガソリンスタンドで止まれるようにします。あるいは、故障コードを読み取
り、故障箇所を特定し、問題が発生する前に自動車ディーラーや修理工場に連絡して、修理の予約を入れることもで
きます。
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TN:読者のために、XBrain の技術と、Speaktoit、Nuance、Siri、Cortana のような他の技術との相違点をわかりやすく説明してもらえます
か?
こうした他社技術との連動が可能な点が、XBrain 技術の魅力の 1 つです。当社のパートナーは、XBrain 技術を Apple
や Google などの企業の技術とともに自社製品に統合し、「最も価値があると思う機能を使用してください」と顧客に言
うことができるのです。
XBrain 技術とパートナー製品、さらには当社の高度な自然言語理解力の緊密な統合によって、ユーザーが利用した
いと思うようなエクスペリエンスが確実に生まれます。当社技術は、ユーザーの行動を学習し、その行動を起こしてい
るときのコンテキストを理解することができます。つまり、他社技術よりもはるかに柔軟で、リアルな対話モデルを提供
可能であるということです。例えば、会話中に私の言っていることがわからなければ、あなたはさらに質問を重ねます
よね。それと同じように、XBrain エンジンもユーザーからさらなるコンテキスト情報を収集し続け、要求されていることを
正しく理解するのです。まさに、音声駆動型知的エージェントの大進歩と言えます。
TN: 最後に、XBrain の次のステップを教えてください。また、車載 HMI に影響を与える主要な傾向は何ですか?
当面の目標は、パートナーとの連携を強め、XBrain 技術をドライバーに可能な限り早急に届けることです。すべての
人にとって運転をより安全で、より有益なものにしてほしいという切実な声に、私たちは触発されています。同じような
意見が、自動車メーカーのパートナーからも聞かれます。XBrain 技術によって、ドライバーが運転時に注意散漫にな
ることなく、現代の車両に搭載されている優れた機能の数々にすばやく簡単にアクセスできるかどうかに大きな注目
が集まっています。また、車両向けの最新 HMI 設計では、全体的なユーザーエクスペリエンスが重要な要素になって
います。
長い目で見た場合、XBrain プラットフォームは車両の中以外でも十分に活躍する可能性を秘めています。パートナー
が顧客の生活のあらゆる場面に製品を浸透させることができるようサポートする、それが XBrain の長期的目標です。
Gregory Renard 氏
Xbrain 共同設立者
Gregory Renard 氏は、ソフトウェアアーキテクト兼デベロッパーエバンジェリストです。シリアルアントレプ
レナー(連続企業家)でもあり、大規模なソフトウェアエンジニアチームを率いて高度に拡張された E コ
マースネットワークシステムを構築した経験や、強力な知的エージェントアプリケーションを設計した経験
があります。
人間とマシンの情報のやり取りを可能にする強力なクラウドベースのシステム、Voice & Connected
Platform を思い描き、その開発に 10 年の歳月を費やしました。
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インドネシア:ジャカルタ市当局が Waze と連携
ジャカルタ市当局は、スマートフォンアプリの Waze と連携して、通勤者が事故や交通渋滞、道路閉鎖
を回避できるよう支援する予定です。
Waze(もとは、2008 年に設立され、昨年 Google に買収された旧
Waze Ltd が開発)は、コミュニティベースのクラウドソーシングを
活用した交通情報およびナビゲーションアプリです。GPS 対応の
ため、移動中のユーザーはライブマップを介して交通情報を共有
し、送信し合うことができます。交通情報以外にも、地域のイベン
トやストリートフェア、リアルタイムの燃料価格などの情報も共有
可能です。
能性のある進行中の事業など、ユーザーにとって有益な情報も
入手できます」と同氏。
Waze はリオデジャネイロ市長からローマ教皇フランシスコ訪問期
間中の交通状況をモニタリングするよう依頼され、2013 年後半に
同市でこのプログラムをテストしました。以来、同市の交通管理
局は交通管制システムに Waze システムを埋め込んで、リアルタ
イムの正確な情報を通勤者に提供しています。
ジャカルタ市との連携は Waze の Connected Cities(コネクテッドシ
ティ)プログラムの一環です。このプログラムで Waze は市当局と
協力して、通勤者がより安全に短時間で通勤できるよう支援しま
す。
Waze の運用部門バイスプレジデントである Fej Shmuelevitz 氏は、
ユーザーは Waze を介して市当局からの情報にアクセスできると
話します。
ジャカルタは、Connected Cities プログラム参加都市の 1 つです。
プログラムには他に、ボストン、ロサンゼルス、ニューヨーク、フロ
リダ、バルセロナ、テルアビブ、リオデジャネイロが参加していま
す。
「私たちが [市当局から] 受け取った建設や道路障害物などの情
報を集約して [ユーザーに] 送信すると、彼らがそれをユーザー
以外にも広めるというわけです。ユーザーは通勤にアプリを役立
て、市当局は交通管理にアプリを役立てることができるのです」と
同氏。
Connected Cities プログラム管理者の Paige Fitzgerald 氏は、この
プログラムの目的は住民の通勤エクスペリエンスの向上であると
話します。
同氏はさらに、Waze と市当局がジャカルタ警察の交通管理セン
ターとも連携していく予定であることを付け加えました。
同氏は、火曜日に市役所でジャカルタ知事代理の Basuki “Ahok”
Tjahaja Purnama 氏と会議を行った後、「The Jakarta Post」紙に次
のように語りました。「プログラム参加都市の人々が Waze データ
を使用して通勤時にスマートな意思決定を下せるよう支援したい
と考えています。ジャカルタにおける Waze エクスペリエンスの向
上も目指しています」。Waze と市当局は、9 月上旬にデータ交換
に関する協力協定を結んだそうです。
運輸局の責任者である Muhammad Akbar 氏の話では、市当局
と Waze は今週データ交換を行い、情報をアプリ経由で通勤者に
提供することになっています。
Fitzgerald 氏によると、インドネシア人の 100 万人以上が毎月
Waze を使用しています。また、Waze と市当局は、ジャカルタの
交通状況に関するデータや情報の交換についても協力していくと
いいます。
出典 : Jakarta Post
火曜日の会議にも出席していた同氏は、次のように述べていま
す。「例えば、特定の道路における特定の時間帯の平均走行速
度に関する最新情報を Waze に提供して、通勤者が移動にかか
る時間などを予測できるようにします」
「例えば、Waze がユーザーから交通渋滞情報を受け取ったとし
ます。交通渋滞が発生すると、それが市当局に通知されます。そ
のため、彼らは直ちに対処できます。また、通勤に混乱を来す可
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ドバイ警察がレンタカーの追跡向け
に Embarc の技術を承認
ドバイ警察は、アラブ首長国連邦(UAE)のあらゆる
商用車両に最先端の車両追跡技術を実装する計画
です。
その狙いは、事故発生時の周辺車両を把握することです。ドバイ
警察は、交通安全水準の引き上げ、ドライバーの運転中の挙動
のモニタリング、商用車の効果的な管理と必要に応じた遠隔制
御、さらには車両盗難事件増加の抑制を図りたいと考えていまし
た。市場の既存製品ではドバイ警察の要件を満たすことができな
かったため、地域のあるシステムインテグレーターが Embarc に
支援を依頼したというわけです。GPS 追跡サービスはまずレンタ
カーに実装され、続いて運搬車やバスに導入される予定です。
Zubie が自社の車載 USB ドングル
におけるサイバーセキュリティの脆
弱性について警告
Argus Cyber Security と Zubie は、Argus の調査の
結果、Zubie の端末にセキュリティの脆弱性が見つ
かったことを発表しました。
Embarc による支援
このソリューションには、同一のプラットフォームで膨大な車両
データを処理できる堅牢なソフトウェアが必要でした。ドバイ警察
の特定のニーズに応じて高度にカスタマイズできるソフトウェアで
なければなりません。また、ソフトウェアのホスティングはドバイ警
察自体が行う必要があります。Android および iOS プラットフォー
ム対応アプリも必要です。Embarc が開発した Find’n’Secure ソフ
トウェアのデモと専門家による技術サポートが決め手となり、地
域のシステムインテグレーターはドバイ警察との契約を獲得しま
した。
交通データ
Embarc は地域のシステムインテグレーターおよびドバイ警察と緊
密に連携し、彼らの求めるソリューションを提供しました。今後は、
Find’n’Secure とともに交通モジュールを提供する計画です。こ
れにより、道路交通局(RTA)は UAE の道路の交通状況を正確に
予測して、FM ラジオでドライバーに情報を流せるようになり、ドラ
イバーはそれを参考に、問題の発生している道路を回避できるよ
うになります。
Find’n'Secure
Find’n’Secure は世界有数の GPS 追跡および車両管理プラット
フォームです。言語、地図、タイムゾーン、およびハードウェア端
末を選択可能な他、多くの革新的機能と最先端技術をサポートし
ています。デベロッパーはユーザーインターフェースのカスタマイ
ズや Find’n’Secure と外部システムとの統合ができるだけでなく、
オープン API、プロトコル、およびデータ形式を使用して様々な調
整を加えることが可能です。Find’n’Secure の最大の差別化要因
は、パートナーのオフィス/データセンターでホスティング可能で、
パートナーがソフトウェアライセンスの料金を払う必要があるのは
1 度のみである点です。
台湾を拠点とする GPS 技術のサプライヤーである ATrack は、
Embarc が優先的に利用しているハードウェアサプライヤーの 1
つです。
出典 : ATrack
Argus は進行中の調査で、Zubie の製品がワイヤレスでの遠隔テ
イクオーバーに対して脆弱であることを発見しました。このセキュ
リティホールを放置した場合、マルウェアがインストールされ、車
両の重要なシステムに悪影響を及ぼす可能性があると指摘して
います。詳細な技術情報は、Argus のブログに掲載されています。
「Argus の使命は、安全性とセキュリティについて一切妥協するこ
となく車両のコネクティビティを促進することです」と Argus の共同
設立者兼最高経営責任者である Ofer Ben-Noon 氏は言います。
「Zubie のセキュリティホールを検出した際、私たちは当社の責任
ある情報開示方針に従い、発見した問題の詳細を添えて Zubie
に正式に通知しました。Zubie は問題を修正するべく、すみやか
に対処してくれました。Argus も Zubie も顧客の安全を第一に据え
ていることが証明され、満足しています」
Zubie はシステム全体のセキュリティテストを実施して、顧客と製
品の安全性を確保しました。また、Argus からの報告で問題を認
識して以来、全体的なセキュリティ対策をさらに強化するために、
開発プロセスに適切な変更を加えました。
「当社ではセキュリティを非常に重視しています。セキュリティテ
ストとモニタリングを継続的に行うことで、ネットワーク上の安全
性プログラムを強化し続けていることを誇りにしています。現在の
ところ、顧客の車両がマルウェアに感染したという証拠は見つ
かっていません」と Zubie の最高経営責任者である Tim Kelly 氏
は話します。「私たちは責任ある情報開示方針を全面的に支持し
ており、今回の問題に対応するために Argus が Zubie に直接連
絡してくれたことに感謝しています。こういったことは、すべての人
にとって運転をより安全なものにするという使命を当社がまっとう
する上で助けになりますから」
出典 : Argus
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Connected Car
Intel がビッグデータプロジェクトを念頭に置いて INRIX に投資
INRIX は、次世代スマートシティ分析プラットフォームとビッグデータアプリの開発に的を絞った
Intel との戦略的協業を発表しました。
協業の一環として、Intel のグローバル投資組織である Intel
Capital は INRIX に 1000 万ドル(約 11 億 7 千万円)を投資します。
これは、INRIX の 10% の株を保有する Porsche SE が今年行った
5500 万ドル(約 64 億 5 千万円) の投資に続くものです。
「リアルタイムのデータと分析は、当社の将来の交通網の基盤と
なります。ちょうど、現在のコンクリートと鉄鋼がそうであるのと同
じです」と INRIX の代表兼最高経営責任者である Bryan Mistele
氏は語ります。「都市部の大幅な人口増加の管理は、21 世紀に
おける最も重要な開発課題の 1 つです。Intel との協業を通して、
まったく新しい世代のスマートシティアプリを全世界で実現したい
と考えています」
Intel Corporation と INRIX は最近、ワシントン D.C. のアメリカ大統
領官邸でスマートシティアプリのデモを行いました。INRIX のリア
ルタイムの交通情報を活用したこのアプリは、サンノゼの取り組
みを支援するよう設計されています。同市は、市全体の大気質レ
ベルをより費用効果の高い方法でモニタリングし、大幅な人口増
加をより効果的に管理し、大規模なイベント開催時の交通渋滞を
緩和することを目指しています。Intel と INRIX は、この先、世界中
の都市部でも劇的な人口増加が起こると予測しています。共同ス
マートシティ構想の実現に向けたインフラ整備への投資額は、今
後 20 年間で 41 兆ドル(約 4,800 兆円)にのぼる見込みです。
「技術は、人や企業がアイデアを実現する方法を変えています」
と Intel のサービス部門バイスプレジデント兼部長である Hank
Skorny 氏は言います。「ビッグデータとモノのインターネットは運
輸、小売、消費財など多くの業界に影響を与えています。INRIX
はそれらが交わるところで独自の機会を捉え、エコシステム全体
に価値を提供しています」
両社はサンノゼのようなプロジェクト以外でも連携を進めていま
す。Intel は INRIX にデータおよび分析サービスのライセンスを供
与することで、Intel の次世代企業向け位置ベースサービス(LBS)
プラットフォームの強化を図りました。同様に、INRIX は同社の
Mashery API 管理サービスを介して API のライセンスを供与し、
Intel のパートナーおよびデベロッパーのエコシステムが利用でき
るようにしています。
Skorny 氏は次のように付け加えました。「両社の API サービスを
統合することで、INRIX プラットフォームを活用した他に類を見な
い LBS、ビッグデータおよび分析機能を顧客に提供できます。こう
した API を介して、デベロッパーはスマートシティ向けのリアルタ
イムのグローバル位置データおよびサービスによりアプリの機能
を強化することが可能です」
INRIX のリアルタイムの交通情報およびドライバーサービスは現
在、Audi、BMW、Ford、Mercedes、Volkswagen、トヨタなど様々な
自動車メーカーの車両で利用されています。ナビゲーションから、
その日の交通状況の確認、料金が最も安い近隣のガソリンスタ
ンドや駐車場、EV 充電ステーションの検索まで、あらゆる機能に
よりドライバーを支援しています。公共部門では、世界中の 60 以
上の運輸機関が、日常業務の合理化、道路や運輸に必要な投
資の正確な特定、より優れた交通情報サービスの提供に INRIX
交通情報および分析ツールを役立てています。
出典 : Intel
「コネクテッドカー 交通情報サービスガイド」 (CON527)
近日発行予定の 「コネクテッドカー 交通情報サービスガイド」 では、これまでに要
望の多かった駐車場情報、天気情報、ガソリン価格情報、EV 関連情報、道路交
通量情報を新たに加え、より広範な交通情報を網羅しています。
また将来、地域、 各 OEM 及びサプライヤーの動向について分かりやすく解説し
ています。
詳細に関するお問い合わせは、下記にて承っております。
SBD ジャパン
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英国運輸省が若いドライバーに対するテレマティクスベースの保険の影響を
調査
英国運輸省が若いドライバーに対するテレマティクスの効果について調査を委託
この調査案件は政府の Crown Commercial Service を介して獲得
したもので、2014 年 12 月に開始を予定しています。
調査の目的は、テレマティクス製品が若いドライバーの運転中の
挙動に及ぼす影響、ひいては交通安全にもたらす効果を把握す
ることです。
調査では、テレマティクス製品の使用が運転中の挙動に与える
影響と、テレマティクス製品を使用しているドライバーの安全性が
評価されます。その結果は、テレマティクス端末をより広範に採
用した場合に起こり得る、より幅広い人々への影響を定量的に見
積もる上での基準として使用されることになります。
このような作業に着手するにはまず、しっかりとした下調べの段
階が必要であることを英国運輸省は認識しています。そのため、
調査は 2 つのフェーズに分けて実施されます。
.第 1 フェーズ – 下調べ:このフェーズは、さらに 3 つの段階に分
けられます。
第 1 段階では、テレマティクスが事故の減少に貢献しているとい
う既存の証拠を確認します。その際、英国および世界の国々の
データを包括的に見直します。テレマティクスの使用に関して英
国とは異なる方針を定めて適用している国の事例なども調べま
す。
第 2 段階では、英国の主要な保険金請求データのうち利用可能
なものとそうでないものを詳細に調べます。このデータは最終的
に、テレマティクス製品をより広範に採用したことで達成できたと
考えられる、道路交通事故の推定減少率を算出するために使用
します。そのためにここで、データにアクセスし、データをまとめて
活用する最善の方法を検討します。さらに、この調査段階では保
険業界との議論も必要となります。
最後の第 3 段階では、このデータを使用して、テレマティクスユー
ザーの実験標本と非テレマティクスユーザーの符号標本を作成
する手法を調査して構築します。この手法は、テレマティクスユー
ザーグループに対する影響を確実に分析できるだけでなく、あら
ゆる「選択バイアス」の説明が十分につく方法で、より幅広い人々
に対する影響も分析できるよう設計する必要があります。利用可
能なデータを考慮して、できる限り確かな手法にするべきです。
第 2 フェーズ - 定量化:若いドライバーの間で、テレマティクス製
品の使用が有利に働いたと思われる、事故とその死傷者の減少
が起きています。このフェーズでは、第 1 フェーズで計画した手法
に基づき、上述した本来の調査を実施します(英国運輸省に依頼
された修正に従うものとします)。
出典: RoadSafe
英国の自動車保有にかかる保険コスト(SEC600)
第 1 部– 保険グループレーティングプロセス
「保険グループレーティングプロセス」では、英国の自動車保険制
度のしくみを説明し、これに関わるプロセス、関係者、および新車
のグループレーティング獲得について明らかにしています。
また、グループレーティングプロセスの今後の発展方向と、それが
自動車メーカーの将来に与える影響についても解説しています。
第 2 部–目標とするレーティングの獲得
「目標とするレーティングの獲得」では、自動車メーカーがグループ
レーティングプロセスの最近の変更を利用して、目標とするグルー
プレーティングを獲得でき、全車種に渡って総合的な所有コストを
最小化する効率的かつコスト効果に優れた戦略の策定方法を紹
介しています。
また、これに際して目標とするグループレーティングを設定し、獲得
するための多様な要素とその要素間の相互影響をどのようにバラ
ンスさせるかを明らかにしています。
詳細に関するお問い合わせは、下記にて承っております。
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eCall
超低速の eCall インバンドモデム
技術。フィルタリングコストはどこが
負担するのか?
ロシア:Fort Telecom が eCall 搭載
の Chery Bonus で衝突による横転
テストを実施
ITS Belgium の年次総会の報告によると、ベルギー
の試験プロジェクトで、欧州委員会の提案した eCall
技術に多数の問題点が見つかりました。
ロシアの Central Scientific Research Automobile
and Automotive Engine Institute(「NAMI」)
の試験会場で、ERA-GLONASS 端末を搭載した車
両が衝突による横転テストに合格しました。
Astrid が実施した公共 eCall のテストでは、モバイルネットワーク
には Mobistar のサービスが、緊急応答機関(PSAP)の緊急サー
ビスに転送される前の着信のフィルタリングには Touring のサー
ビスが使用されました。Astrid のプロジェクト管理者である Jan
Zeinstra 氏は、ITS Belgium 年次総会で次のように述べています。
「Touring がこの役割を今後も無償で担うことはないでしょう。さら
に、民間のパートナーがフィルタリングの役割を引き受けることに
なるのか、と問いたいです」
これは、ERA-GLONASS 端末を車両埋め込み部品としてテストする
事前認定サイクルの最終テストでした。
テストでは、ロシアの Fort Telecom が開発した ERA-GLONASS 端
末が Chery Bonus に搭載され、埋め込み型の加速度センサと
ジャイロスコープに基づいて車両の横転を引き起こすよう設定さ
れました。時速 40 km まで加速した車両は、特別に作られた傾斜
を走行中に横転しました。事故の瞬間に、端末は事故の発生位
置、程度、衝撃力、タイプ(横転)を正しく特定し、そのデータを
ERA-GLONASS の試験サブシステムに送信して、緊急センターとの
通信チャネルを確立しました。
「道路交通事故の中で車両の横転は、発生頻度と犠牲者数の点
で前面衝突、側面衝突に次いで 3 番目に多くなっています」と
GLONASS Union の ERA-GLONASS プロジェクト開発副責任者であ
る Eugene Meilikhov 氏は言います。「ERA-GLONASS 端末が横転
を検知することで、事故の直後に緊急通報が自動的に行われま
す。それによって人命を救助し、ドライバーや同乗者の健康被害
を回避することが可能になります。今回の衝突テストで開発認定
サイクルが終了し、『NAMI』が緊急サービスへの通報端末搭載
車両を認定する準備が整ったことが確認されました」
フィルター機器と PSAP(Astrid での別名は警報センター)間の通
信プロトコルで技術上の問題が発生しました。もちろん解決可能
な問題ではありますが、もっと根本的な難点がインバンドモデム
にはあることを Zeinstra 氏は認識しています。「発信してからオン
ラインの人物と実際につながるまでに、20 秒もかかります。この
遅延は長すぎますし、解決もできません。同じ標準によるものだ
からです」
車載の eCall ボックスにも、特にオーディオ品質の点で問題が見
られました。また国境地帯では、例えばオランダで、eCall システ
ムの SIM カードがまだベルギーのネットワークに接続しているた
めに、ベルギーの緊急通報が生成されるというリスクがあります。
「私たちはテストで、車両横転事故でドライバーや同乗者に起こり
得る傷害のリスクと、国内企業が製造した ERA-GLONASS 端末の
横転自動検知および緊急通報機能を評価しました」と NAMI の車
両安全性部門副責任者である Alexey Laguzin 氏は説明します。
「ERA-GLONASS 端末の NAMI との共同テストは、Fort Telecom に
とってごく当たり前のことになっています」と Fort Telecom の最高
ビジネス開発責任者である Vladimir Makarenko 氏は語ります。
「しかし、車両の横転をシミュレーションする衝突テストは、今回が
初めてです。ERA-GLONASS 端末は横転を自動的に検知しました。
このテストによって、中国の自動車メーカーである Chery の担当
者は Fort Telecom 機器の品質の高さを確認し、NAMI と Fort
Telecom の専門家は横転事故時の車両の動作を特徴付ける実
データを取得することができました」
eCall システムの実用化は、当初の計画よりすでに数年遅れてい
ます。このシステムは、2015 年 10 月 1 日から、新車への搭載が
義務付けられます。2 年後には、欧州連合加盟国で完全に稼働
する予定です。
出典 : GLONASS Union
出典 : DataNews
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eCall
ERTICO と ETSI が車載および PSAP キット向け eCall TestFest を開催
スペインのビーゴにある CTAG で、ERTICO – ITS Europe と ETSI が第 3 回 eCall TESTFEST を共同開催しま
した。この TESTFEST イベントには、新しい車載システム(IVS)と世界中の緊急応答機関(PSAP)ベンダーが
参加しました。
膨大な数のテストを通じて、参加者は eCall 端末のコンプライアン
ス、相互運用性、および本質的パフォーマンスを確認することが
できました。
CETECOM、欧州委員会、および HeERO2 プロジェクトの後援を受
けて開催された第 3 回 TESTFEST イベントは、多くの参加者が集
まったというだけでなく、新しいテストツールで端末のコンプライア
ンスと音声品質のテストが考慮されたという点でも、重要なものと
なりました。この TESTFEST では、3 大陸から集まった小規模企業
から世界的企業、研究機関や国の行政機関に対し、eCall エンジ
ニアリングの全容が明かされました。5 日間のイベント開催期間
に、何百ものペアリングセッションが開かれました。各セッション
(所要時間は 2 時間)では、1 台の IVS 機器を 1 台の PSAP 機器
または 1 つのテストシステムとのみ組み合わせてテストしました。
この設定と参加者間の共同作業によって、エンジニアはそれぞれ
eCall 端末を理解し、必要に応じて改善することができました。各
テスト日の終わりには簡単な報告会が開かれ、参加者全員が
フィードバックを共有し、専門家とともに eCall 標準について話し
合いました。
IVS と PSAP システムベンダーのバランスが当然ながら明らかに
取れていなかったことを考えると、TESTFEST は PSAP サプライヤー
およびオペレーターの現場での、あるいは遠隔地からの多大なる
尽力のおかげで実現したと言えます。遠隔地では、ベルギー、ブ
ルガリア、ドイツ、イタリア、ルクセンブルグ、スペインの実際のオ
ペレーターがテスト eCalls に応答する形で協力しました。また、
IVS 機器向けにシミュレーターとテストシステムも用意され、幅広
い検証シナリオに対応できました。
テスト結果はすべて、ETSI テスト報告ツールを使用して報告され
ました。これにより、すべての参加者が、自身の参加したすべて
のテストセッションの結果が記載されたレポートを受け取ることが
できました。
同じ施設で開かれた eCall ワークショップでは、eCall 端末のテスト
手法および手順を公開しました。ワークショップの参加者は、
TESTFEST セッションに参加し、相互運用性テストの利点を直接理
解する機会に恵まれました。
出典 : ERTICO
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EXCLUSIVE
特集記事:車両から発信されるデータとは?そのデータの所有者とは?
この Telematics News 特集記事では、ミュンヘンの Pinsent Masons の法務部長である Stephan Appt 氏
が、データプライバシーとコネクテッドカーに関連した問題について論じます。
「コネクティビティ」という名のもと、ネットワークに接続した車両が
モノのインターネットの世界でしのぎを削っています。アクティベー
トされた SIM カードを搭載した車両は、様々な支援サービスやイ
ンフォテイメントサービスの助けを借りて、事実上のモバイル機器、
もっと言えば IT 端末になろうとしています。こうした車両は常にオ
ンラインの状態であり、1 億行のデータ処理ソフトウェアコードに
よってサポートされています。これは、軍用機におけるものより多
いコード数です。
データを使用する権利があるのは誰か?
ドイツの民法では、データの記憶媒体については所有権を規定し
ていますが、データの所有権は規定していません。メーカーが特
定のデータ記憶媒体の契約上の所有権を獲得できない場合は、
データ記憶媒体である車両の合法的所有権のもと、車両所有者
が第三者による車両データへのアクセスを防止し、技術的にロッ
クされている車載データメモリへのアクセスを要求することができ
ます。このため、外部アクセスが可能になるのは、通常、同意の
契約または宣言がある場合に限ります。料金を払った上で、取得
したデータを処理してデータベース構造を設定する人は誰でも、
データベース作成者としての法律上の権利を獲得できます。また、
データ保護法で認められている範囲内で、構造化データのさらな
る活用を決定することが可能です。
データ保護法の制限
データが個人に関連している限り、あるいは少なくとも個人と関連
し得る限り、原則として、データ処理は禁止されます。ただし、
データ処理が法律で許可されている場合、あるいは効力のある
同意宣言(「小さなただし書き」で目立たないようにしてはいけま
せん)の対象となる場合は、この限りではありません。
現代の車両はビッグデータ(データプール)を生み出しています。
ビッグデータには、制御機器の車両関連データに加え、車台番号、
GPS 位置データ、ソーシャルネットワークの情報、さらにはドライ
バーの運転中の挙動に関するデータまで含まれる場合がありま
す。このビッグデータに関心を寄せている組織は多数あります。
自動車メーカーは保証請求を防ぐため、車両の法律上の所有者
となっている資金調達機関は、車両がどう使用されているかモニ
タリングするため、自動車保険会社は、例えば「女の子のような
運転」という挑発的な文句を掲げ、運転スタイルに応じた料金割
引サービスを提供するため、インターネットサービスは、便利なア
プリを車載コンピューターにインストールして顧客のデータを取得
するためにビッグデータを利用します。
この「個人と関連している」というコンセプトを、ドイツ当局は非常
に広く解釈しています。完全に技術的な車両関連データであって
も、また、そのデータが第三者からの追加情報を伴っていたとし
ても、特定の個人に割り当て得る場合は「匿名」とは見なされま
せん。例えば、車台番号はドイツ自動車交通局の登録簿を使っ
て元をたどれば特定の個人に、IP アドレスや SIM カードは契約者
に行きつきます。これらに関連付けられている追加データもすべ
て「同類」となり、個人データと見なされます。
ビッグデータによって、車両の「システム状態」だけでなく、車両所
有者やドライバー、同乗者のシステム状態(識別された動作のプ
ロファイルを含む)も知られる可能性があるとデータ保護当局が
懸念する一方で、車両、ハードウェア、およびソフトウェアのメー
カーや、Google などの主要なインターネット企業は現在、協力関
係を結んでいます。では、どのようなデータが車両から発信され
るのでしょうか?そしてそのデータは実際には誰のものなので
しょうか?これは誰もが抱いている疑問です。
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Data Protection
Data Protection
「匿名化」は解決策か?
厳密に言えば、匿名データはデータ保護法の対象外です。その
ため、製品とプロセスの開発段階では、匿名化によって法的リス
クを軽減できる可能性があります。しかし、このビッグデータの時
代において、実際には匿名化すれば問題ないとは言い切れない
のです。現に、欧州監督当局は最近の共同声明で、モノのイン
ターネットにおいて、個人との関連性がいくらかでも疑われる場
合は、関連性は常に存在すると見なされるとまでしています。匿
名データとして処理されるデータを最小限に抑える目的で取られ
たこのアプローチにより、間違いなく改悪が行われたと言えます。
コストをかけて匿名化することの経済的誘因が減らされたからで
す。
Global Automakers が顧客プライ
バシー保護の原則を真摯に実践
Global Automakers とその加盟企業(米国で車両を
製造している 12 の国際的自動車メーカー)が、車両
技術およびサービスに関する自動車業界顧客プラ
イバシー保護の原則(以降「原則」)を明らかにしま
した。
データおよびデータセキュリティの最小化
ネットワークに接続した車両の多数のインターフェースがサイ
バー攻撃のリスクにさらされています。これは、命がおびやかさ
れるリスクが潜んでいるだけでなく、データの整合性が損なわれ
る可能性があることも意味します。監督当局は今後、車両 IT へ
の特別な注意を高めていくでしょう。具体策として、適切な暗号化
やプログラムコード署名により攻撃の範囲を狭めることが可能か
どうかの調査、ハッキングテストの実施、データエコノミー(データ
がものを言う経済活動)、プライバシーバイデザイン(設計段階で
プライバシー保護対策を導入)、プライバシーバイデフォルト(初
期設定でプライバシー保護対策を提供)といったデータ保護法の
原則の実践などが予想されます。
展望
ネットワークに接続した車両が秘めた可能性に基づき、立法改革
を進めることは理にかなっています。実際、その他の関連分野で、
より一層の法的確実性が求められているのは明らかです。近距
離無線通信、自律走行車(自動制御車両)の環境のビデオ分析、
V2V および V2X 通信の失敗に起因する損害の責任問題など、す
べて対応が必要です。その上、「埋め込み型 SIM カード」を介した
M2M 通信によって、自動車メーカーは今後、電気通信プロバイ
ダーとしての資格も取得する可能性もあります。つまりコネクテッ
ドカーには、次に規制が集中しそうな分野がすでに「埋め込まれ
ている」のです。
出典 : Association of Global Automakers
Stephan Appt 博士(法学修士)
Stephan Appt 博士は、特に自動車業界
と IT 業界の国内企業および国際企業
に対して、商用知的財産と情報技術の
法的問題についてアドバイスしていま
す。
この原則のもと、自動車メーカーはしかるべき手段を講じて、車
両により生成された個人データを保護します。
「このプライバシーの原則は、車両において救命、時短、環境保
護のために設計された革新的技術の活用が広がっているという
現実を反映しています」と Global Automakers の代表兼最高経営
責任者である John Bozzella 氏は言います。「現代の車両は道路
を共有しているだけではありません。近い将来、相互に通信する
ようになるはずです。そのため、顧客のプライバシーと車両シス
テムのセキュリティを配慮することは必須です」
この原則は、連邦取引委員会(FTC)の公正情報行動原則(FIPP)
を基本としています。FIPP は、40 年以上にわたり米国および世界
中のプライバシー慣行フレームワークを基本としてきました。FIPP
のアプローチに合わせ、この原則でも地理位置情報、ドライバー
の挙動、生体情報などの機密情報を、保護レベルを特別に高め
た上で扱っています。Global Automakers は原則の策定段階で
FTC と面会しています。FTC は、この自動車業界の取り組みを支
援しています。
このプライバシーに関する取り組みは、先進車両技術のサポート
に必要なデータのプライバシーとセキュリティを保護しようという
自動車メーカーによる大規模な構想の一環です。走行中の車両
がハッキングの影響を受けたという事例はこれまでのところ報告
されていないものの、自動車業界も事前対策として車両のサイ
バーセキュリティ情報を業界内で共有する仕組みの確立を進め、
脅威に備えています。
「自動車メーカーは設計および製造の初期段階で革新的システ
ムを統合して、顧客が安全かつスマートで、賢明な車両選択をで
きるようにしています」と Bozzella 氏は述べます。「先進技術は進
化を続けており、次第にデータ駆動型となってきています。このた
め、私たちは今後もベストプラクティスを採用し、専門家やその他
の関係者と協力して、顧客を確実に保護していきます」
出典 : Association of Global Automakers
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Data Protection
Daimler がコネクテッドカーの走行データ保護に関する意見交換会を開催
Daimler Sustainability Dialogue 2014 前夜の基調講演で、ドイツの前連邦司法相大臣である Sabine
Leutheusser-Schnarrenberger 氏は、将来のモビリティのために個人情報のプライバシーおよび制御
権も保証されるべきだと強調しました。
「ドライバーは、コネクテッドカーについても、自分の情報に関する
決定権を保持できるべきです。車内外で行われる複雑なデータ
処理とデータ送信を考えると、データ保護と関係者の責任を強化
するには明確な法律が必要です」と LeutheusserSchnarrenberger 氏は言います。同氏は、2014 年より「Google
Advisory Council on the right to be forgotten」の委員を務めてい
ます。忘れられる権利に関するこの諮問委員会は、インターネッ
トでの Google 検索の結果を、的を絞って削除する際の基準を設
けています。
同氏は Wieland Holfelder 博士(Google Germany のエンジニアリ
ングディレクター兼サイトリード)、Christine Hohmann-Dennhardt
博士(健全性と法務に関する Daimler AG 理事会の委員)、
Thomas Weber 教授(グループ研究、Mercedes-Benz 車両開発に
関する Daimler AG 理事会の委員)らと、イノベーションと進化に
おけるデータ保護の限界について話し合いました。議論の中心と
なったのは、立法者、社会、技術に対する要件と、イノベーション、
技術プロセス、データ保護の間で矛盾の多いニーズについてで
す。
ミュンヘンにある Google の開発センターの責任者である Wieland
Holfelder 氏は、コネクテッドモビリティの前提条件について次の
ように話します。「安全で自律的なコネクテッドカーの成功の鍵を
握るのは、必要なデータの通信および保管のための、安全でプラ
イバシー配慮型のプラットフォームです」。Christine HohmannDennhardt 博士は、Daimler では将来のデータ保護水準も考慮し
ていると説明しました。「当社の車両ではデータセキュリティと
データ保護が最優先されているため、顧客は安心できます。この
原則は、特に最新技術開発に当てはまります」。Daimler では、こ
の問題を早期に話し合うことでデータ保護を保証しているといい
ます。「知的コネクテッドカーの開発において、私たちは最初の段
階からデータ保護の問題を重視しています。未来の車両は「デジ
タルの仲間」としての意味合いをますます強めていくでしょう。つ
まり、道路を走行する上で安全なだけでなく、データセキュリティ
の点でも安全でなければならないのです」と Thomas Weber 教授
は語ります。
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高水準のデータ保護とデータセキュリティ
新しいサービスは交通の流れを最適化することで、ドライバーの
負担を軽減し、安全性のレベルを引き上げ、効率的なモビリティ
に貢献することができます。ネットワークに接続したサービスの利
用と関連して、Daimler では顧客の自己決定権を優先しています。
顧客は自身のデータの使用可否と使用目的を、自ら決定できる
べきです。安全で責任あるデータ処理は、自律的なコネクテッド
カーが受け入れられるための前提条件です。だからこそ Daimler
は、こうした新しい技術とイノベーションの分野における開発に、
高水準のデータ保護およびデータセキュリティを取り入れている
のです。Daimler Vehicle Backend は重要なデータセキュリティ機
能を果たすサーバーです。車両と外の世界との安全な接続を確
保し、個人データを匿名化して個々のドライバーと関連付けること
ができないようにします。このサーバーを利用しているアプリの 1
つが「Live Traffic」交通情報サービスです。このサービスは、いわ
ゆるフローティングカーデータに基づき交通渋滞情報をリアルタ
イムで提供します。
Daimler Sustainability Dialogue
Daimler は 2008 年以来、Sustainability Dialogue イベントに関係
者を招待し、最新の持続可能性の問題について議論してきまし
た。2014 年の中心的議題の 1 つは、コネクテッドカーと関連した
データ保護です。様々な企業、科学機関、行政機関、NGO、協会、
労働組合、地方自治体から 100 名以上の代表者がメルセデス・
ベンツ・ミュージアムに集まります。イベントの目的は、意見交換、
知識転移、行動を起こす必要のある分野の定義、最新の持続可
能性の問題に関する共同討議です。参加者は作業グループに分
かれて、環境、人事、社会、通信といった分野の中心的議題につ
いて話し合います。Daimler の社内代表者は外部参加者の意見
をまとめ、1 年を通して、合意された目標の達成を関係者とともに
目指します。達成状況については、次のイベントで報告します。
出典 : Daimler
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INFOGRAPHIC
車載技術が購入決定を左右
Auto Trader は 2014 年に、車載技術が購入者に与える影響について調査しました。そ
の結果、車載技術の提供する機能と安全性オプションの重要性が明らかになりました。
技術が車両選択に
影響を及ぼす場合
があります。
56% が、求めている技術が検討中の自動車
ブランドでは得られなければ、別の自動車ブ
ランドに変更します。
48% が、搭載されている技術を簡単に使用
できなければ、好みの車両であっても購入し
ません。
60% が、試乗時に車載技術の提供する機能
をすべて試す時間はないと回答しています。
車載技術が顧客の
負担になることがあ
ります。
安全性機能の方が
インフォテイメント機
能よりも重要です。
顧客は、完全なる自
律走行車にはまだ
抵抗があり、それよ
りも小規模の機能に
関心があります。
www.telematicsnews.info
48% が、車載技術の使用方法の確認にかか
る時間は 15 分以内が望ましいと考えていま
す。
78% が、車載技術に求めるものの、難しくて
理解できない機能がすべてそろっているより
も、使いやすい機能が 1 つあれば十分だと
考えています。
安全性機能よりもインフォテイメント機能を重
視すると回答したのは 16% です。
65% が、自律走行車という考えは危険であ
ると回答しています。
61% が、自動ブレーキや自動衝突回避など
の自律機能を搭載した車両を検討するだろ
うと回答しています。
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SBD オンラインポータルサービス
更新版レポート
コネクテッドカー総合ガイド (CON/526)
四
半
期
年
1
回
発
行
四半期更新 : 欧州版/米国版/中国版
年 1 回発行 : オーストラリア、ブラジル、インド、メキシコ、
日本、韓国、タイ、UAE
コネクテッドカー総合ガイドでは、各地域におけるコネク
テッドカー市場概要と各市場で展開する OEM 各社の
提供サービス、提供状況、市場戦略などを分かりやすく
掲載しています。本年度より欧州、米国、中国に加え
オーストラリアやブラジルなど計 8 地域も発行します。
欧州、米国、中国においては四半期毎の更新、その他
の地域においては年 1 回の発行を予定しています。
レポートの詳細は SBD ジャパン
(postbox@sbdjapan.co.jp / 052-253-6201)まで。
SBD レポート
車載スマートフォン統合ガイド(CON511)
本書「車載スマートフォ
ン統合ガイド」では、ス
マートフォン統合市場
における最新動向と今
後の課題について解
説しています。
OEM が提供している
製品を解説し、更に今
後スマートフォン統合
を導入する際の選択肢
を示しています。
本書は四半期毎更新
レポートです。
レポートの詳細は SBD
ジャパン
(postbox@sbdjapan.c
o.jp / 052-253-6203)
まで。
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Connected Car
Safe Car
Secure Car
sbdportal.com
SBD Connected Car レポートリスト
*未発行レポートはタイトルが変更となる場合がございます。
四半期更新ガイド
Q2
Q3
Q4
Q1
2014 2014 2014 2015
コネクテッドカー総合ガイド – 欧州
CON526EU
2014 年 2014 年 2015 年
8 月発行 10月発行 1 月発行
コネクテッドカー総合ガイド – 米国
CON526USA
2014 年 2014 年 2015 年
8 月発行 10月発行 1 月発行
コネクテッドカー総合ガイド – 中国
CON526CHN
2014 年 2014 年 2015 年
8 月発行 10月発行 1 月発行
自動車向けアプリガイド – 欧州
CON531EU
2014 年 2014 年 2015 年
7 月発行 10月発行 月発行
自動車向けアプリガイド – 米国
CON531USA
2014 年 2014 年 2015 年
7 月発行 10月発行 月発行
自動車向けアプリガイド – 中国
CON531CHN
2014 年 2014 年 2015 年
7 月発行 10月発行 月発行
車載スマートフォン連携総合ガイド – 欧州
CON511EU
2014 年 2014 年 2015 年
7 月発行 10月発行 1 月発行
車載スマートフォン連携総合ガイド – 米国
CON511USA
2014 年 2014 年 2015 年
7 月発行 10月発行 1 月発行
車載スマートフォン連携総合ガイド – 中国
CON511CHN
2014 年 2014 年 2015 年
7 月発行 10月発行 1 月発行
コネクテッドカー法規制ガイド
CON528
2014 年 2014 年 2015 年
7 月発行 11月発行 1 月発行
年 1 回発行総合ガイド
コネクテッドカー総合ガイド – オーストラリア
CON526AU-14
2014 年
8 月発行
コネクテッドカー総合ガイド – ブラジル
CON526BR-14
2014 年
7 月発行
コネクテッドカー総合ガイド – インド
CON526IN-14
2014 年
8 月発行
コネクテッドカー総合ガイド – 日本
CON526JPN-14
2014 年
10月発行
コネクテッドカー総合ガイド – メキシコ
CON526MX-15
2014 年
10月発行
コネクテッドカー総合ガイド – 中東
CON526ME-14
2014 年
10月発行
コネクテッドカー総合ガイド – 韓国
CON526SK-14
2014 年
10月発行
コネクテッドカー総合ガイド – タイ
CON526TH-14
2014 年
10月発行
解析レポート
コネクテッドサービス提供における通信技術 / SIM の影響
CON607-14
Planned
車載ディスプレイ技術動向
CON608-14
2015 年
1 月発行
自動車メーカーとサプライヤー各社のコネクテッドサービス開発組織構造
CON610-14
Planned
交通情報サービス総合ガイド(グローバル)
CON527-15
Planned
VRM(Vehicle Resource Management)におけるテレマティクスの利用価値 –
OEM 及びアフターマーケットの事例
CON609-14
Planned
将来予測
コネクテッドカー将来予測
CON536-14
2014 年
7 月発行
CON547USA-14
2014 年
8 月発行
ベンチマーク評価
ナビ・コネクテッドサービスの性能・利便性ベンチマーク評価テストレポート(米国
6 システムを評価)
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Los Angeles Motor Show
Jaguar Land Rover と CloudCar が 2015 justDrive 統合アプリを構築
Jaguar Land Rover は、ロサンゼルスモーターショーで justDrive を発表しました。justDrive は
業界屈指のアプリで、複数のスマートフォンアプリを統合して単一の音声起動式車載エクスペ
リエンスを実現します。
シリコンバレーを拠点とする CloudCar が開発した justDrive を、
Jaguar Land Rover が Apple iOS8 ユーザー向け InControl プラット
フォームに合わせて最適化しました。「justDrive for Jaguar Land
Rover」は、Spotify、Twitter、Yelp などの一般的なアプリやサービ
スを 1 つにまとめて Jaguar と Land Rover のドライバーに提供しま
す。これによりドライバーは、かつてないほど緊密に統合された
ナビゲーション、メディア、ソーシャルサービス、音声検索、情報
サービスを使用しながら、運転時の注意散漫を最低限に抑えるこ
とができます。justDrive は無料でダウンロードでき、2015 年前半
には Android 端末でも利用可能になります。justDrive ユーザー
は、車両を所有している間、常に最新の状態に更新されたアプリ
とサービスを使用できます。
justDrive は、さらに 17 のアプリを統合する予定です。統合される
のは、Stitcher、iheartRadio、Parkopedia など、現在 Jaguar Land
Rover の InControl Apps 車載インフォテイメントシステムに含まれ
るアプリです。InControl Apps 車載インフォテイメントシステムでは、
ドライバーがスマートフォンを車両に接続し、選択したアプリを車
両のタッチスクリーンか音声認識機能* で制御することができま
す。InControl Apps は現在、15MY Jaguar F-TYPE と、すべての
15MY Land Rover 車両で使用できます。2016 年モデルまでには、
Jaguar および Land Rover 製品ライン全体で利用可能になります。
Jaguar Land Rover の研究および技術部門ディレクターである
Wolfgang Epple 博士は、次のように言います。「当社の InControl
システムではすでに、ドライバーがスマートフォンを車両に接続し
て、アプリを車両のタッチスクリーンで安全に制御することができ
ます。アプリは車載用に拡張されているので、ダッシュボードにス
マートフォンを搭載しているような感覚で使用できます」
「本日、私たちは justDrive の発表によって InControl システムをさ
らに一段階進め、業界の最前線へと送り込みます。これによりド
ライバーは、アプリごとに求められるタスク指向、アプリ固有、タッ
チベースの操作を脱却し、統合されたすべてのアプリのコンテン
ツを、わかりやすく自然な言葉か共通タッチインターフェースで完
全に制御できるようになります」
「CloudCar は、Jaguar Land Rover という思想的指導者と協業して、
同社の目の肥えた顧客にコネクテッドカーエクスペリエンスを提
供できることを光栄に思います」と CloudCar のマーケティングお
よびビジネス開発部門バイスプレジデントである Luke Smithwick
氏は話します。「Jaguar Land Rover は justDrive を最初に採用した
自動車メーカーとして、ドライバーとともに進化し、車両寿命を通
して最新の状態であり続けるという、考え抜かれたコネクテッド
カーエクスペリエンスを顧客にもたらします」
justDrive はわかりやすい言葉を理解する高度な音声認識パッ
ケージを使用しているため、顧客はシンプルな構文のコマンドを
使用するのではなく、自然な言葉で車両と対話できます。
justDrive の知能は、ユーザーのリクエストに対し、統合されてい
る多くのアプリやサービスの中から最善の結果を見つけ出します。
www.telematicsnews.info
そのためドライバーは、例えばガソリンスタンドに寄りたくなったら、
専用の検索アプリを使用するのではなく、justDrive に最寄りのガ
ソリンスタンドへの道順をたずねるだけでいいのです。
また、justDrive に「George に遅れると伝えて」と口頭で指示すれ
ば、ツイートや SMS を送信できます。justDrive は送信前に、メッ
セージを読み上げます。特定の曲を再生したいときも、justDrive
にそう伝えるだけです。
「当社が目指すのは、前例のないレベルのコネクティビティによる
運転エクスペリエンスの大幅改善ですが、同時に、注意散漫運転
* を減らしたいとも考えています。そのため、CloudCar チームと協
力して、justDrive をまさに『運転に最適』なアプリに仕上げました」
と Epple 博士は付け加えます。「justDrive のシンプルですっきりと
したユーザーインターフェースに加え、音声起動機能を採用する
ことで、本当に必要な情報のみが表示されるようにしました。これ
は、注意散漫運転を引き起こすことのない、安全な運転環境を作
り出す上で効果的です」
オレゴン州ポートランドに技術研究センターを新設
将来に向けたその他の革新的インフォテイメント技術の開発を支
援するために、Jaguar Land Rover は同社としては国外初の研究
開発施設である Open Software Technology Center をオレゴン州
ポートランドに開設しました。
Open Software Technology Center は、高度なコネクテッド技術の
開発と適用を目的とし、300 万ドルを投じて建設されました。将来
に向けた Jaguar Land Rover インフォテイメントシステムの開発を
主導する英国チームを支える存在となることが期待されています。
.約 1,400 ㎡ のこの施設は、マルチメディア/クリエイティブ特別室、
イノベーションスペース、開発研究室、6 つに仕切られた車両専
用作業場を備えています。経験豊富なソフトウェアエンジニア 16
名を含む、およそ 30 名のインフォテイメント専門家がチームを組
んで働いています。
Epple 博士は次のように説明します。「新しい Open Software
Technology Center によって、Jaguar Land Rover が革新的で画期
的な技術を扱う世界中の企業と協業する機会はさらに増えるは
ずです」
「ポートランドチームは、英国の 240 名から成る強力なインフォテ
イメントエンジニアチームのスキルを増補するだけではありませ
ん。西海岸の大小様々な技術関連企業との研究プロジェクトを開
発し、牽引していく力になるでしょう。こうしたイノベーションの担い
手たちは、当社が未来の顧客に向け、新たな車載エクスペリエン
スを開発する上で助けとなっています。ですから私たちも、彼らが
進むべき技術的方向性を示す手助けをしたいと考えています」
出典 : Jaguar Land Rover
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Los Angeles Motor Show
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Los Angeles Motor Show
Audi がモジュール式インフォテイメントプラットフォーム「MIB-2」に NVIDIA
技術を搭載
Audi はロサンゼルスモーターショーで、2015 年最新モデルのうち 2 つに見られる電子技術の
進歩の主要な側面を詳しく説明しました。
ロサンゼルスで開催された 2014 年の Connected Car Expo(CCE)
で、Audi は同社の MIB-2(モジュール式インフォテイメントプラット
フォーム)電子アーキテクチャが、インフォテイメントおよびドライ
バー支援システムで使用される、より新しくて強力なプロセッサー
の導入にかかる時間をどのように大幅短縮したのかを説明しまし
た。
MIB-2 は、2016 年の A6 および A7 モデルラインで搭載が開始さ
れます。A6 および A7 モデルについては、ロサンゼルスモーター
ショーで北米初披露となりました。
新しい Audi MIB-2 は、チップに NVIDIA Tegra 30 システムを採用
し、NVIDIA Tegra 3 シリーズのクアッドコアプロセッサを搭載して、
高速化、高解像度のグラフィックス、アップグレード可能なプラット
フォームを実現しています。また、柔軟性が非常に高いため、より
高度な技術が利用可能になった場合、ソフトウェアをアップグ
レードするだけでオンライン、メディア、音声コマンド、ナビゲー
ション、テレフォニー機能を向上させることができます。
2 倍のプロセッサーパフォーマンスと高速グラフィックス処理装置
を備えた MIB-2 は、センタースタックに搭載されたディスプレイと、
インストルメントクラスターのディスプレイの 2 つのディスプレイを
同時に駆動できます。T30 グラフィックスプロセッサーを使用して
いるので、仮想 3D プラットフォームと一新されたユーザーイン
ターフェースによって完全な 3D グラフィカルユーザーエクスペリ
エンスを車内で提供できます。
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Audi の仮想コックピットと zFAS
Audi と NVIDIA は CCE で、業界初の仮想コックピットも展示してい
ます。これは完全にデジタル式のダッシュボードで、2016 年のす
べての最新 Audi TT に搭載されます。Audi TT もまた、今週、ロサ
ンゼルスモーターショーにて北米初披露となりました。この仮想
コックピットは、インストルメントクラスターを中央のデジタル機器
に置き換えることで、ドライバー中心のエクスペリエンスのコンセ
プトを根本から変えます。従来の計器と中央 MMI モニターはす
べて、1 つの 12.3 インチ TFT ディスプレイにまとめられています。
これは、極めて美しい 3D グラフィックスと抜群の鮮明さを誇る、
他に類のないディスプレイです。また、1 秒間に最大 60 フレーム
のレンダリングが可能な NVIDIA のクアッドコア Tegra 30 プロセッ
サーを搭載しているため、スピードメーターやエンジン回転計の
針もナビゲーションも、非常に正確に表示されます。
CCE では、Audi の自動運転システムのいわば頭脳である革新的
zFAS コンピューティングモジュールも展示されています。zFAS 中
央制御機器は、サイズ、効率ともに、技術およびエンジニアリング
の面で大きな進歩を遂げており、今や小型ノートパソコンほどの
サイズにまでコンパクト化しています。また、NVIDIA Tegra K1 モバ
イルプロセッサーと 192 コア NVIDIA Kepler GPU を搭載し、世界
トップクラスのエネルギー効率を誇るスーパーコンピューターのう
ち 10 台で採用されているものと同じ処理アーキテクチャを使用し
ています。
出典 : Audi
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Los Angeles Motor Show
新しい Chrysler 300 が eCall および Uconnect テレマティクスをアップグレード
ロサンゼルスモーターショーで発表された新しい 2015 Chrysler 300 は、最先端かつ革新的で、操作性に
優れた機能とサービスを多数搭載しています。これらの機能とサービスは、ドライバーが運転中にハンドル
から手を放すことも、道路から目を離すこともなく、常にネットワークに接続し、機能やサービスを利用し、情
報を取得できるよう設計されています。
2015 年版の新機能として、Chrysler 300 の同乗者は 911/アシスト
コールボタンを 1 つ押すだけで、埋め込み型データ接続機能を介
して自動的に救急サービスにつながるようになりました。これは、
Chrysler Group の Uconnect Access サービス限定の機能です。
受賞歴のある Uconnect Access サービスから新しい 7 インチ、フ
ルカラーのドライバーインフォメーションディスプレイ、新しくて使
いやすい 8.4 インチのタッチスクリーン、3D ナビゲーションまで、
2015 Chrysler 300 は究極の運転エクスペリエンスを生み出す最
新のハイテク機能を提供します。
新しい 7 インチのドライバーインフォメーションディスプレイ
新しい 2015 Chrysler 300 は、最新の 7 インチ、フルカラーのドライ
バーインフォメーションディスプレイ(DID) を搭載しています。ドラ
イバーは、インストルメントクラスターに表示される情報をパーソ
ナライズできます。2015 Chrysler 300 のドライバーインフォメーショ
ンディスプレイは、グラフィックスとテキストを使用して、情報を視
覚的に、すばやく簡単に伝えるよう設計されています。
DID は幅広いカスタマイズオプションを備えています。基本的なデ
ジタルスピード読み上げ機能から、タイヤ圧、燃費、オーディオ、
警告メッセージ、ターンバイターン方式のナビゲーションのような
詳細な車両状態情報まで揃っています。
DID は直観的な操作が可能です。わかりやすいアイコンと指示を
採用しているので、操作内容がドライバーに明確に伝わります。
ドライバーはハンドル上のボタンを使用してスクリーンをカスタマ
イズし、表示する情報量を調節できます。インストルメントクラス
ターのディスプレイは 3 つのエリアに分かれていて、時間、温度、
オーディオ、コンパス、スピードメーターなどをカスタマイズできま
す。メインスクリーンはインストルメントクラスターの中に設置され
ていて、ギヤ、燃費、車両メッセージ、パフォーマンス情報、走行
情報、オーディオ、また装備されている場合は高度なドライバー
支援システム情報といったメニューがあります。
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メインスクリーンを選択すると、それがデフォルト設定となって車
両に記憶され、新しい Chrysler 300 を次に運転する際にもこの設
定が自動的に適用されます。車両に関する懸念事項がある場合
は、ポップアップの警告メッセージで即座にドライバーに報告され
ます。警告メッセージは保存されるので、ドライバーは後でメッ
セージを見直すことができます。
システムのアップグレード
最新の 2015 Chrysler 300 モデルにはすべて、8.4 インチのタッチ
スクリーンが標準搭載されています。300 および 300S では 8.4A
が標準搭載されていて、8.4AN にアップグレードすることができま
す。300C および 300C Platinum モデルでは Uconnect 8.4AN が標
準搭載されています。
Uconnect 8.4A の機能とサービスは、8.4 インチのカラータッチス
クリーンから利用できます。このシステムには、Uconnect Access
サービスの 6 ヶ月間の試用と、Uconnect Access via Mobile の 5
年間の試用が含まれます。操作が簡単なタッチスクリーンディス
プレイと、スクリーン下部に配置されている大きくて使いやすいア
イコンによって、ラジオ、個人のオーディオ端末(プレーヤー制御
機能付き)、温度調節機能、電話、ナビゲーション(顧客が起動し
たナビゲーション)をタッチスクリーンで操作できます。
高品質の Uconnect 8.4AN は、HD Radio、SiriusXM Radio の 1 年
間の試用(付属)、SiriusXM Travel Link および SiriusXM Traffic の
5 年間の試用(付属)、音声認識技術(ハンズフリー操作によるス
マートフォンの使用、音楽の再生、テキストメッセージの送信が可
能)など、多様な機能やサービスを提供します。これにより、ドライ
バーは様々な方法でネットワークに接続した車両を実現できます。
メディアコンソールには、USB、SD カード、3.5 mm 径の補助入力
端子の差し込み口も装備されています。
さらに詳しい内容は telematicsnews.info にて>>
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Los Angeles Motor Show
FuelSignal が Ford App Pursuit コ
ンテストで優勝
2014 年ロサンゼルスモーターショーの Connected
Car Expo にて、FuelSignal チームが Connected
Car-Connected City App Pursuit(コネクテッドカー
およびコネクテッドシティを実現する究極のアプリコ
ンテスト)で初優勝を飾ったと Ford が発表しました。
「今週、Connected Car Expo で、最終選考に残った 10 個の Ford
SYNC AppLink 対応アプリを目にしました。いずれもイノベーション
を実現しており、とても嬉しく思いました」と Ford Developer
Program とパートナー管理を担当し、グローバルリーダーも務め
る Scott Burnell 氏は話します。「審査員は、FuelSignal のアプリが
Connected Car-Connected City App Pursuit の意図を最もよく汲ん
でいると感じました」
FuelSignal チームは、Ford SYNC AppLink の他、ロサンゼルス市が
公開した 200 以上のデータセット(data.lacity.org)を活用してアプ
リを開発しました。このアプリに登録したユーザーは、燃料料金
の割引を受けたり、ガソリンスタンドで使用可能なポイントを獲得
したりできます。ユーザーのモバイル端末が Ford SYNC とペアリ
ングされると、FuelSignal が AppLink API を介して車両の燃料残量
をモニタリングします。燃料残量が少なくなると、アプリが警告を
発するので、ドライバーは、燃料料金の割引を受けられる最寄り
のガソリンスタンドを検索できます。
FuelSignal は、給油機のところで AppLink を介し、モバイルウォ
レットを使用して燃料料金を支払えるようにすることで、ドライ
バーの利便性をさらに高めています。アプリ経由で行った決済の
すべてにポイントが付与されます。ポイントはガソリンスタンド店
舗内で使用することも、燃料料金のさらなる割引に使用すること
も可能です。
最終選考に残った 10 個のアプリは、Ford エンジニアの協力のも
と、過去 2 ヶ月間にわたり改良を重ね、今週、Connected Car
Expo での展示に至りました。FuelSignal チームの功績は、ラスベ
ガスで開催される 2015 International CES で Ford から発表されま
す。
「FuelSignal は Ford の車両データとロサンゼルス市のデータをま
とめて、ドライバーを間違いなく引き付けるシンプルで魅力的な機
能セットを作り上げました」と Burnell 氏は述べています。
出典 : Ford
ホンダがプロトタイプ車両に関する
アイデアをテストする目的で、車載
アプリデベロッパーを募集
コネクテッドカーエクスペリエンスの向上に向けた継
続的取り組みの一環として、ホンダはシリコンバ
レーに Honda Developer Studio を開設することを
発表しました。これはオンライランポータルとオープ
ンなイノベーションを実現する作業場の両方を備え
たスタジオです。
Honda Developer Studio は、デベロッパーがホンダのエンジニア
と直接協働して、道路での使用に適したアプリをより短時間で開
発するためのポータルおよび作業場です。この発表に先立ち、
Google がロサンゼルスオートショーで Android Auto ソフトウェア
開発キット(SDK)を初公開しました。これは、Android デベロッ
パーがアプリを車載環境向けに容易に拡張できるよう用意された
SDK です。
Honda Developer Studio では 12 月から、アプリデベロッパーが
Android Auto アプリをプロトタイプ車両環境でテストし、ホンダの
研究開発チームと協業していく予定です。Honda Developer
Studio が目指すのは、デベロッパーがアイデアを練る手助けをし、
自動車業界は初めてというデベロッパーが、この業界における開
発業務を短期間で習得できるよう支援することです。そのために、
ホンダの最優先事項であるドライバーの安全とプライバシーを開
発の初期段階から考慮することはもちろん、「自動車レベル」のエ
ンジニアリング原則も念頭に置くよう推奨していきます。
「アプリデベロッパーが自動車業界に加わることで、車載エクスペ
リエンスが変容することを期待しています」と Honda Silicon Valley
Lab の上席プログラムディレクターである Nick Sugimoto 氏は言い
ます。「私たちは、アプリデベロッパーの関与を促し、やる気を育
てたいと考えています。また彼らが、ドライバーが最新のデジタル
イノベーションを利用できる新たなエクスペリエンスを考え出せる
よう、サポートしていくつもりです」
Honda Developer Studio は、Honda Silicon Valley Lab(HSVL)の産
物です。HSVL は、サンフランシスコベイエリアにホンダが構える
オープンなイノベーションを実現するための研究室であり、ホンダ
のグローバル情報技術研究開発の取り組みを推進し、技術関連
企業との新しい戦略的提携を実現する目的で設立されました。
ホンダとの協業に関心のあるデベロッパーは、Honda Developer
Studio オンラインポータルにアクセスしてください。ホンダのエン
ジニアとコンタクトを取り、マウンテンビューに新しく建設された作
業場でエンジニアチームと面会する日時を決めることができます。
出典 : Honda
www.telematicsnews.info
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Los Angeles Motor Show
Acura ILX がスマートフォンとのテザリングを利用した新しいナビゲーション
を発表
Acura がロサンゼルスモーターショーで、スタイルと設計を新たにした 2016 ILX スポーツセダンを発
表しました。2015 年前半に全国の Acura 販売代理店で販売を開始する予定です。
高度な新機能と AcuraWatch
新しいパワートレインや、内装および外装の大々的な改良に加え、
2016 ILX では高級感、コネクティビティ、技術水準も高めています。
プレミアム以上のモデルでは、運転席の位置を 2 通り記憶できる
新メモリー機能、助手席 4 ウェイパワーシート、Homelink 遠隔操
作システム、8 インチの上部ディスプレイと 7 インチの下部タッチ
スクリーンから成る Acura の On-Demand Multi-Use Display
(ODMD)が搭載されています。タッチスクリーンのコネクティビティ
が向上しており、メディアシステムは 50 以上の設計変更によって
直観的操作性と機能が強化されています。
2016 ILX は、大幅に改良された静かなキャビン、スポーツカータイ
プの操作性、衝突安全性に加え、前方と後方に採用されたダイ
ナミックで新しいスタイル、定番の Jewel EyeTM LED ヘッドライト、
ワンランク上の内装材、オプションでサイズを大きくできるハンド
ルとタイヤ、強化されたコネクティビティ、新たに搭載された多数
の高度な機能と技術が特長です。
それだけではありません。2016 ILX では選択可能なモデルが以
前の 3 つから 6 つ(標準 ILX、プレミアムパッケージ付き ILX、最上
級の ILX テクノロジープラスパッケージを含む)に増えています。
新登場の A-SPEC パッケージをプレミアム/テクノロジーパッケージ
と併用すれば、スポーティーなスタイルをさらに際立たせることも
可能です。また、今回から全モデルに ILX AcuraWatch を搭載可
能になりました。AcuraWatch は、安全性およびドライバー支援技
術を提供するクラス最先端のスイートで、Adaptive Cruise Control
(車間距離適応走行制御システム)、Road Departure Mitigation
(路外逸脱抑制機能)、歩行者検知機能によって強化された
Collision Mitigation Braking System(衝突被害軽減ブレーキ)など
を含みます。
さらに、プレミアムモデルでは初めて、テザリングによるナビゲー
ションシステムを利用できるようになりました。テザリングには、
ユーザーの対応する iPhone とデータプラン、AcuraLink ナビゲー
ショアプリを使用します。プレミアム以上のモデルには、Acura の
Blind Spot Information(ブラインドスポットインフォメーション)と
Rear Cross Traffic Monitor(リアクロストラフィックモニター)の他、
拡張されたオーディオオプション(SiruisXM ラジオ、AHA ラジオ、
HD ラジオなど)も付いています。
テクノロジープラスモデルは AcuraWatch と埋め込み型 Acura
Navigation を備えており、タコメーターとスピードメーター、Siri
Eyes Free と ELS プレミアムオーディオシステムの間にカラーマル
チインフォメーションディスプレイ(MID)と最新世代の AcuraLink コ
ネクテッドカー技術を追加します。
すべての ILX モデルに AcuraWatch スイートを搭載できます。
AcuraWatch は、安全性およびドライバー支援技術を提供するク
ラス最先端のスイートで、Adaptive Cruise Control(車間距離適応
走行制御システム)、Lane Keeping Assist System(レーンキープア
シストシステム)、Multi-View Rear Camera with Dynamic
Guidelines(ダイナミックガイドライン付きマルチビューリアカメラ)、
Road Departure Mitigation(路外逸脱抑制機能)、歩行者検知機
能などの新機能を実現するセンサーフュージョン技術によって強
化された Collision Mitigation Braking System(衝突被害軽減ブ
レーキ、Forward Collision Warning(前方衝突警報)機能付き)な
どを含みます。
出典 : Acura, Autoblog
車載スマートフォン統合ガイド
(CON511)
本書では、現在の OEM が提供している製品
を解説し、更に今後スマートフォン統合を導入
する際の選択肢を示しています。
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Los Angeles Motor Show
Google が Android Auto API を発表し、Hyundai がデモを実施
Google が、ロサンゼルスモーターショーで Android Auto API を発表および公開し、車載イン
フォテイメントとアプリの統合ソフトウェアのリリースに向けてまた一歩前進しました。
この API は現在、2 つのカテゴリーの Android Auto 対応アプリし
かサポートしていませんが、サポート対象の第三者アプリの数は
すでに 10 数個にのぼっています。サポートしているカテゴリーの
1 つはメッセージングアプリで、これには、TextMe、textPlus、Kik、
WhatsApp など初期のパートナーのアプリが含まれます。
Hyundai が実施したデモのとおり、これらのアプリはスクリーンに
テキストを表示しません。代わりに、Google のテキスト読み上げ
エンジンがメッセージ本文を読み上げます。ドライバーはハンドル
から手を放すことなく、音声で返信することができます。
サポート対象のもう 1 つのカテゴリーはオーディオアプリで、車両
からのシンプルな検索とオーディオ再生を可能にします。これに
は、音楽、ポッドキャスト、ニュースアプリなどが含まれ、現時点
では、iHeartRadio、Joyride、MLB.com、NPR、Pandora、
PocketCasts、Songza、SoundCloud、Spotify、Stitcher、Umano など
がサポートされています。
車載された場合、これらのオーディオアプリはほぼ同じに見えま
す。例えば、Spotify は Google が自ら開発した Play Music アプリ
とよく似ていますが、オレンジ色ではなく緑色をアクセントとしてい
る点と、オプションリストがスクリーンの左端からスライドする点が
異なります。Android Auto で目指しているのは一貫性とシンプル
さであり、ドライバーが NPR と MLB のどちらのニュースを聴いて
いるかに関係なく、オンスクリーンのスキップボタンと一時停止ボ
タンの位置を常に正確に把握できるようにしたい、と Google は話
しています。その結果、ドライバーは道路に目を向ける時間を増
やし、スクリーンに目を向ける時間を減らせるようになるのです。
Android Auto は他に、ハンドル操作を利用したトラックのスキップ
機能と、音声制御を利用したアプリの切り替え機能の提供も予定
しています。
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音声制御機能によって、ドライバーは Google Maps ナビゲーショ
ンでの音声検索と目的地入力、受信テキストメッセージの聞き取
りと返信、通話の開始も可能になります。また、Android 5.0
Lollipop の副産物として、Android Auto は Google Now のコンテ
キストに応じた音声検索機能を統合しており、簡素化された
Google Now カード型インターフェースを次の予定、現在の天気、
交通状況、通勤時間などの情報とともにホーム画面に表示しま
す。デモで紹介された音声入力機能では、音声入力から認識ま
でに若干の時間がかかったものの、音声認識の精度は優れてい
ました。デモンストレーターのスコットランド訛りの英語も、他の人
の言葉に詰まりながらのリクエストも、正確に認識していました。
Android Auto が完成して公開されたら、Android 5.0 エンドユー
ザーは Google Play ストアからアプリをダウンロードし、対応する
車両またはアフターマーケットのカーオーディオレシーバーに
Android 端末を USB 接続することで、Android Auto の利用を開始
できます。Android Wear ユーザーも同様の方法でコントローラー
アプリをダウンロードして、スマートウォッチにデータを入力する
必要があります。このアプリは Google Play を介して更新されるた
め、車載エクスペリエンスがさらに改善される可能性があります。
Hyundai は 2015 Hyundai Sonata に Apple の CarPlay ソフトウェア
を実装する予定ですが、同時に Android Auto も搭載する方針で
す。これによりドライバーは、Hyundai の埋め込み型 BlueLink ソフ
トウェアの機能とともに、クロスプラットフォームのアプリ統合オプ
ションを 2 つ利用できるようになります。さらにホンダも、2015 年
から車両に Android Auto を搭載すると明言しています。
出典 : CNET
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Smartphones and Apps
運転時の Siri の使用はドライバーの注意散漫につながるという批判に
Apple が反論
ユタ大学が米国自動車協会(AAA)と共同で 10 月に実施した調査に対し、Apple は「The
Wall Street Journal」紙に声明文を掲載しました。この調査は、Apple の Siri(およびその他
の、自然な音声コマンドをベースとした代理仮想アシスタント)の使用を、単なる運転、車載ラ
ジオや温度の調節、車載ナビゲーションやインフォテイメントシステムの使用と比較して「最
も」注意散漫につながる車内での行為と評価しています。
これに対し Apple は、この調査には、Siri Eyes Free や CarPlay の
ような運転時向けオプションを故意に使用していないなど、重大
な問題点があると指摘しています。
この調査は、車載システムを使用したドライバーの行為(ラジオ
の調節など)を評価したものですが、音声システム使用時との比
較も行っています。音声システムを使用した場合のテストでは、ド
ライバーにスマートフォンを持たせ、スマートフォンにもともと備
わっている音声アシスタントを使用させています。この種のシステ
ムでテストされたのは Siri のみですが、Siri は Microsoft の
Windows Phone 8 に搭載されている Cortana など他の機能の「代
役」として使用されました。スマートフォンの音声アシスタントのみ
をテストするために取られた今回の手法は、多くの州で明らかに
違法であり、埋め込み型として用意されている、Siri などとの統合
機能は無視しています。
Apple が明らかにしたこの事実は、調査に対して当初あがった批
判を裏付けるものとなりそうです。米国自動車協会の財団で、調
査費を負担した AAA Foundation for Traffic Safety は、カーオー
ディオシステムの導入当時から長い間、ドライバーのあらゆる注
意散漫運転に反対してきました。そのため、最新調査でも偏った
手法を故意に用いて、Apple のような音声アシスタントメーカーに
よる安全性確保の提案を無視し、音声システム技術を最悪なも
のと見なしている、と批判されたのです。
「これらが提供するエクスペリエンスは車載向けにカスタマイズさ
れています。そのため、車両向けに最適化された、車載エクスペ
リエンスにとって意味のある iPhone アプリにのみアクセスできる
ようになっています」
しかし Apple の声明は、自然言語に対応した音声システムが注
意散漫運転につながり得るという、多くの調査で見られる総合的
な結論に異議を唱えるものではありません。Cortana、Google
Now、Siri などの自然言語対応プログラムはドライバーの意図を
誤解しやすく、修正が難しいため、これらよりも旧式の、限定的な
音声コマンドシステムの方が実際には信頼性が高い場合があり
ます。ただし利用可能な機能の点では、旧式システムの方がは
るかに限られているのが一般的です。
とは言え、AAA 以外の調査では、インフォテイメントシステムの音
声コマンドは概して、手動操作よりも安全であるとしており、AAA
の調査とは反対の見解を示しています。運転中の行為は、黙っ
て運転に集中することを除けばすべて、たとえただ音楽を聴くだ
けであっても、注意散漫につながると言えます。しかし、それも程
度の問題です。将来的に音声制御アシスタントの信頼性が向上
する可能性はあるという AAA FTS の見方にはほぼ異論はないも
の、今回の調査自体は無意味とも言えます。なぜなら、音声アシ
スタントを車両の既存システムに統合した状態ではテストしてい
ないからです。統合したか否かは、システムがどの程度の注意散
漫を引き起こすかに大きく影響し得る要素なのです。
「CarPlay や Siri Eyes Free では車両に本来備わっている制御機能
をを直観的に使用できるので、運転中にスマートフォンを手に
取ったり見たりする必要はありません」と Apple は「The Wall
Street Journal」紙で語り、事実を明らかにしています。
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出典 : MacNN
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BMW と MINI が車両に Spotify
音楽サービスを搭載
ソニーの Xperia スマートフォンが
MirrorLink に対応
BMW と MINI が世界有数の音楽ストリーミング
サービスである Spotify を車両に搭載し、あらゆる
走行に完璧な音楽をもたらします。
スマートフォン中心の車両コネクティビティソリュー
ション向けグローバル技術の開発を推進する Car
Connectivity Consortium(CCC)が、本日、ソニー
の Xperia Z3 および Xperia Z3 Compact が
MirrorLink 対応になったことを正式に認めました。
Spotify はすでに、コンピューター、モバイル端末、タブレット、ホー
ムエンターテイメントシステムを通じて、あらゆるシーンを最適な
音楽で彩っています。
iOS 上の Spotify ユーザーは、無料会員か有料の Premium 会員
かを問わず、誰でも BMW ドライバーと MINI ドライバー向けの
シームレスな音楽エクスペリエンスを楽しめます。
•
自分の音楽やプレイリストにアクセスすることも、「ラジオ」や
「ブラウズ」といった機能を使用して、雰囲気やシーンごとに最
適な音楽を検索することもできます。
•
車載の高解像度コントロールディスプレイで、直観的な表示エ
クスペリエンスを楽しめます。
•
iDrive コントローラーで快適かつ安全に使用できます。
•
Premium ユーザーは超高音質の音楽(320 kbps)をオンデマ
ンドで再生できます。カーオーディオシステムで、広告なしで
優れたサウンドを楽しめ、オフラインでの再生も可能です。
「今後、BMW と提携して Spotify を BMW の高級車に搭載できる
ことをとても喜ばしく思います」と Spotify のグローバルビジネス開
発部門バイスプレジデントである Jorge Espinel 氏は話します。
「BMW ConnectedDrive によって、Spotify モバイルアプリの人気
の機能をダッシュボードでも利用し、聴きたい音楽すべてに安全
にアクセスすることができます。自分の音楽を再生したり、作成済
みのプレイリストを検索したり、リラックスして Spotify ラジオを聴
いたりと、様々な楽しみ方ができる Spotify は、あらゆる走行に完
璧な音楽をもたらします」
スマートフォンとアプリを車両に統合
車内におけるアプリの安全かつ快適な使用を実現するべく、車両
とスマートフォンの統合に早くから取り組んできた BMW グループ
は、すでに多数のアプリを BMW 車両と MINI 車両でアクセス可
能として認定しています。これらのアプリは、車両走行中の使用
向けに最適化されており、ドライバーの注意をそらすことなく、
iDrive コントローラーまたは MINI コントローラーで操作し、コント
ロールディスプレイまたは MINI Centre Instrument で表示できま
す。
最近、MirrorLink 対応のその他の大衆向けハンドセットや車載端
末が発売されたことと併せ、今回のニュースは、MirrorLink が車
両/スマートフォンのコネクティビティにおける事実上の世界標準
となるために、大きく前進したことを意味します。
「Xperia Z3 と Xperia Z3 Compact が MirrorLink に対応したことは、
MirrorLink のグローバルエコシステムがいかに多様性を増したか
を実証しています」と CCC の代表兼専務取締役である Alan Ewing
氏は言います。「MirrorLink は、現代の道路での安全性と楽みを
高める方法で情報化時代の力をドライバーにもたらします。この
MirrorLink の能力を示す上で、多様性と高パフォーマンスに重点
を置いている Xperia Z3 と Xperia Z3 Compact は最適です」
MirrorLink は車両/スマートフォンのコネクティビティの主要な業
界標準であり、幅広いスマートフォンと車両間の相互運用性を最
大限に高めるよう設計されています。また、車両/スマートフォン
のコネクティビティにおいて OS や OEM、ベンダーを問わない唯一
の標準でもあるため、特定の事業体が支配権を独占するようなこ
とがありません。そのため、MirrorLink に対応することは、より楽
しく、責任あるコネクテッドカーを実現する世界最短のルートとな
ります。
出典 : Sony
出典 : BMW
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China
Shanghai OnStar が最新の車載アプリとテレマティクスサービスを紹介
Shanghai OnStar が第 12 回広州国際モーターショーで、次期 4G LTE サービスを明らかにしました。
併せて、最新テレマティクスサービスの紹介と、コールセンター新設の発表も行いました。
「Shanghai OnStar はグローバルテレマティクス技術開発とローカ
ル市場の需要に基づき、中国に画期的イノベーションをもたらし
続けています」と Shanghai OnStar の業務執行取締役である
Diane Jurgens 氏は語ります。「これは、スマート、安全、便利で、
ネットワークに接続した使いやすいサービスを中国全土の顧客に
届けるという当社の取り組みの一環です」
Vehicle Maintenance Tips は車両を常時モニタリングします。整備
が必要になると、所有者はモバイルアプリを通じて通知を受け取
るので、そのままアプリを使用して近隣のディーラーに整備の予
約を入れることが可能です。
OnStar の 4G LTE サービス
広州の Shanghai OnStar ではさらに、Weather Check と
Reservation という 2 つのサービスの提供も予定しています。これ
らはクラウドコンピューティング技術をベースとしています。
Weather Check サービスは、顧客の現在地と目的地における最
新の気象情報を提供します。Reservation サービスでは、運転中
にホテルや航空券の予約ができます。ディーラーに整備の予約
を入れることも可能です。
Shanghai GM は、2015 年の Cadillac モデルで OnStar の 4G LTE
サービスの提供を開始します。このサービスは、セキュリティ強化
と信頼性に優れた高速情報送信によって、顧客が車内で安定し
たインターネットエクスペリエンスを楽しめるようにするものです。
4G LTE サービスは様々な端末の Wi-Fi コネクティビティをサポート
し、現在と比較して最大 10 倍のモバイルデータ速度を実現しま
す。ユーザーは、車両から最大 15 m 離れた場所からでもモバイ
ル端末に接続できます。このサービスによって、未来の高度道路
交通システムに向けたコネクテッドカーとプラットフォームのエコシ
ステム構築における可能性が無限に広がります。
Security Zone と Vehicle Maintenance
Tips モバイルアプリサービス
Weather Check と Reservation サービス
重慶市に第 3 の OnStar コールセンターを開設
Shanghai OnStar は、サービスに対する需要の高まりを受け、今
月、重慶市に新たなコールセンターを開設したことを発表しました。
これは、上海、廈門のものに次ぐ第 3 のコールセンターです。
Shanghai OnStar のサービス能力をさらに拡大しながら、地域の
サービス水準を向上させるものとなります。
出典 : Sony
Shanghai OnStar は、OnStar プラットフォーム間のさらなるセキュリ
ティ強化と通信向上を目的として、Security Zone と Vehicle
Maintenance Tips という 2 つのモバイルアプリサービスを導入し
ます。Security Zone を使用すると、OnStar モバイルアプリを通じ
て車両周辺のセキュリティエリアを設定できます。車両がエリア
外に出ると、所有者は直ちに SMS で警告を受け取ります。
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China
中国の Telematics News ~ 東風日産、QorosQloud、Tesla
中国のコネクテッドカー市場におけるテレマティクスの最新動向について、SBD が独占情報を
入手しました。
東風日産は広州国際モーターショーで、スマートフォンとのコネク
ティビティに対応した新しい Venucia T70 SUV を発表しました。同
社の話では、最新 SUV には、中国ユーザー向けにカスタマイズさ
れたスマートフォンリンクアプリ付きディスプレイオーディオ、アラ
ウンドビューモニター(AVM)、車速感応式の音量制御機能など、
様々な知能技術が搭載されているということです。
QorosQloud の発表から 1 年。中国の自動車メーカー Qoros によ
ると、このコネクテッドカーサービスは QorosQloud 2.0 にアップグ
レードされ、幅広いドライバー向けアプリを利用できるようになっ
ています。
Tesla は、Baidu との協業を通じてオンラインナビゲーションサービ
スを提供することで、中国におけるナビゲーションの問題に対処
しました。その他の市場で使用している Google ナビゲーションは、
中国ではサポートされていません。
出典 : SBD
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China
新しい Mercedes-Benz 研究開発センターは中国顧客が求める
サービスに特化
Daimler Greater China は本日、新しい Mercedes-Benz 研究開発センターを北京に開設し、
中国における研究開発ネットワークを拡大しました。新設されたこの施設では今後、高い技能
を有するエンジニアや設計者約 500 名が働くことになります。
新たな拠点を得た Daimler は、中国での研究開発活動をレベル
アップさせました。同社が世界的な研究開発ネットワークに中国
という拠点を最初に加えたのは、2006 年のことです。当時、
Mercedes-Benz E-Class を中国市場向けに変更した上で売り出し
ました。以来、中国の研究開発チームの業務範囲と人員は拡大
を続けてきました。2009 年には、Mercedes-Benz はドイツの高級
車メーカーとして初めて、北京にアドバンスデザインスタジオを開
きました。その後、中国顧客のニーズにさらに的確に応えるため
に、「現地化および開発」部門、「テレマティクスおよびインフォテ
イメント」部門、また最近では「動向およびイノベーション」部門を
設置しています。
中国市場のニーズに注目
アドバンスデザインとは別に、北京の Mercedes-Benz 研究開発セ
ンターには5 つの部門があります。「現地化および開発」と「パ
ワートレインおよびテスト」の各部門は、車両とエンジンを中国顧
客のニーズに適合させ、テストを実施し、中国のサプライヤーと
の協力関係を構築しています。
「安全性、快適性、規制関連、および知的財産」部門は、車両が
中国のすべての法律、規制、標準に従っていることを確認します。
さらに、車内の空気品質やアレルギー対策といったテーマについ
て独自の調査を行い、大学やその他の研究機関との関係を構築
するのもこの部門の役割です。例えば、中国の一流大学の 1 つ
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である清華大学とは、自律走行を含む持続可能な交通政策の開
発などに関して協業しています。こうした協業を通じて、
Mercedes-Benz のエンジニアリングチームは中国の豊かな人材
プールを活用してもいるのです。
「テレマティクスおよびインフォテイメント」部門は、中国の要件に
沿ったテレマティクスおよびインフォテイメントシステムの開発に
注力し、研究室と道路上の両方でシステム品質を確保しています。
例えば、顧客が Mercedes-Benz 車両のマルチメディアシステムに
中国語を手書き入力できるよう取り組んでいます。また、中国固
有のアプリとインターネットサービスを車両に統合しているのもこ
の部門です。Mercedes-Benz は Baidu(中国の Google 的存在)と
協業し、いわゆる「ストリートビュー」機能を中国車両に搭載した
初の自動車 OEM です。
「動向、調査、およびイノベーション」部門は、中国社会の最新動
向とそれが将来のモビリティニーズに及ぼす影響を分析します。
任務は明確です。中国顧客の日常を詳細に把握し、暮らしの中
の習慣を巧みに反映させた製品ソリューションを生む一方で、早
期から動向をモニタリングし、将来の製品コンセプトを適切に形
成して、その動向に対応することです。この部門は、様々な調査
や分析手法からアイデアを得ていますが、ときには中国顧客の
車両を眺めるというシンプルな行為からヒントを得る場合もありま
す。
出典 : Mercedes-Benz
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China
アジア発、アジア向けの Mercedes-Benz G-Code コンセプト
Mercedes-Benz は北京の製品エンジニアリングセンターの新設に際し、G-Code コンセプト
車両を発表しました。この北京のセンターでは、中国の文化と動向に注目し、適合させた設計
モデルとモビリティコンセプトを作成します。
ラジエーターグリルの奥で展開されるデジタルの世界
内装:デジタルの世界と Mercedes-Benz の特長の融合
従来のよろい戸状のラジエーターグリルがあった場所に、クロム
合金のよろい板 2 枚をはめこみ、その中央にトレードマークの星
のエンブレムを配しました。さらに、その奥には常時表示式ディス
プレイを搭載しています。このアイデア溢れるディスプレイは、何
列にも並んだデジタルの星が織り成す複雑な光で、G-Code の現
在の動作モードを視覚化します。
ドライバーが最も快適な姿勢で運転席に着き、スマートフォンを
使用して車載システムのスイッチを入れると、インストルメントパ
ネルとペダルが停止時の位置から人間工学上最適な位置まで自
動的にせり出してきます。これにより、ドライバーは手や足でパネ
ルやペダルに触れたときに最も自然な感覚を得られます。次に、
インストルメントパネルに閉じた状態で納まっていたハンドルが、
蝶が羽を広げるように開きます。同様に、統合型ヘッドアップディ
スプレイも完璧な位置に移動します。そして最後に、換気口とマ
ルチインフォメーションディスプレイがインストルメントパネルから
出てきます。ディスプレイの幅は、インストルメントパネルの幅と
ほぼ同じなので、直観的に操作できる様々な車両機能やマルチ
メディア機能をすべて、はっきりと確認できます。バックミラー代わ
りのカメラの映像は幅広ディスプレイの両端に重ねて映し出され
ます。スマートフォンで G-Code のスイッチを切ると、車内の可動
式の部分は元の位置に戻り、ドライバーは人間工学上快適な姿
勢で車外に出ることができます。
G-Code の駐車中は、駐車モードであることを控えめにきらめく青
い光で示します。
電気をフルに使用した HYBRID eDrive モードのときは、ラジエー
ターグリルの奥でデジタルの小さな星が青く輝き、ディスプレイの
端から中央に移動しているように見えます。これは、車両前部で
口を開け続ける想像上のトンネルをイメージしています。
混合の HYBRID エコモードでは、小さな星の動く方向は同じです
が、色が紫に変わります。
一方、HYBRID スポーツモードでは、小さな星の色が鮮やかな赤
に変わり、動く方向は逆になります。これは、G-Code から外に向
かって発散され続ける想像上のエネルギーをイメージしています。
外装のディテールはハイテクの証
2 つのフル LED ヘッドライトは、革新的なラジエーターグリルととも
に、前部のアクセントになっています。スイッチを入れると、ヘッド
ライトがデジタルカメラのレンズのように奥から伸びて、運転状況
や交通状況に応じて焦点を合わせます。さらに、昼間の走行時
はライトが様式化された「G」の形に見えるため、人目を引きます。
A ピラー最上部に搭載された 2 つの小型カメラも格納式です。こ
のカメラは従来のバックミラーに取って変わるもので、G-Code の
駐車後にフラッシュを A ピラーに格納できます。後部には端から
端まで横切るように細長い LED 照明が 1 本装備されているので、
G-Code はウィンカー、テールランプ、ブレーキライトに多様な照明
を用いることができます。
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もちろん、G-Code には最も革新的なドライバー支援システムが装
備されており、360 度全方位対応 3D カメラ、レーダー、赤外線走
査装置、GPS データ、近隣の交通インフラや他の車両との大容量
データの送受信機能などを使用できます。危険な運転状況や交
通状況につながる可能性のある問題は、開発時に検出され、自
動的に取り除かれています。
車載ドッキングステーション
中央のディスプレイは、デジタルの世界とアナログの世界をバラ
ンスよくつなぎます。特にドッキングステーションの役割は大きく、
個人のスマートフォンをネットワークで G-Code とつなぎ、スマート
フォンを介した G-Code のスイッチの切り替えと通信を可能にしま
す。ユーザーの設定に応じて、中央のディスプレイにはモバイル
端末の多様な機能が表示されます。
出典 : Mercedes-Benz
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グローバル OE コネクテッドカーサービスガイド
欧州編 米国編 中国編
本書について
•
欧州、米国、中国の三大市場において全ての車両メーカーを隈なく網羅
•
各市場において、次のサービス分野をカバー
Safety
•
Security
Maintenance Navigation
Drive
Infotainment Convenience Insurance
EV
Urban Mobility
下記のコネクティビティオプションについて記載
埋め込み型 SIM
テザリング
スマートフォン統合
提供中のサービス
計画中のサービス
新サービス
このガイド は、欧州編、米国編、中国編の三部構成 (各
約 250 ページ) となっており、ご購入頂いたお客様に年
間を通して定期的に更新情報を無料でご提供します。
ガイドの記載内容
•
欧州、米国、中国においてすでにコネクテッドサー
ビスを提供している車両メーカーの成功・失敗事
例
•
メーカー各社が採用した技術戦略およびビジネス
戦略の ベンチマーク、および今後予想される変更
•
コネクテッドカーバリューチェーンの潜在顧客、
パートナー、 競合分析
•
車両メーカー各社の動向解説および、今後 5 年
間の市場 動向予測
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LEXUS
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AT&T connects half a
million cars to LTE in Q3
Visteon demos secure
connected cockpit concept
AT&T connects half a
million cars to LTE in Q3
AT&T rewards driver monitoring safety apps
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“
To inspire automotive innovation as
world-leading knowledge partners
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Car)、先進運転支援システム(Safe Car) の3 分野において、解析レポート、データベース・総合ガイド、将来予測、
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