第48回公的扶助研究全国セミナー・沖縄大会 開催要綱 「戦後70年 今問われる 貧困・格差・不平等」 ~沖縄で考える「命・くらし・平和」~ 〔日 時〕 〔会 場〕 2015年 11 月27 日(金)~29 日(日) 沖縄県宜野湾市民会館 ・ 沖縄国際大学キャンパス (沖縄県宜野湾市) 近年、生活保護基準の大幅な引き下げ、生活保護法の「改正」、生活困窮者自立支援法の施行など、生活保護制度、 公的扶助の仕組みが大きく変化しています。これらは生活保護利用者のみならず、労働、住宅、保育、教育、医療な ど、多くの人々にも関係する様々な制度につながり、国民全体のくらしに大きな影響をあたえます。日本の社会保障 や社会福祉の基盤はまさに大転換期にあると言っていいでしょう。 私たち支援者は、最低生活保障を基軸とした上で、利用者の生活上の課題を解決するために支援をしていく必要が あります。ただ、利用者の生活上の課題は経済的なものにとどまらず、多岐にわたる様々な要因を含んでいることも 多く、支援者として疑問や悩みを持つことも多いのではないでしょうか。 全国公的扶助研究会は、同じような悩みを持つ支援者同士が横につながること、実践と研究の架け橋になることな どを目的として、貧困問題に対して長く活動を展開してきました。 今年、戦後 70 年を迎えました。今回の開催地である沖縄は戦後 27 年間を米軍統治下に置かれ、1972 年の本土復 帰以降、今日まで 43 年の歴史があります。戦後の沖縄の歴史をとおして、改めて原点に立ち返り、憲法や生活保護法 をはじめとした社会保障制度について学び、命・くらし・平和を考える中から、今の社会に潜む問題に気づくきっか けになるセミナーにしたいと思っています。 全国各地から、多くの方の参加を心からお待ちしております。 『健康で文化的な最低限度の生活』 ©柏木ハルコ/小学館(週刊 ビッグコミックスピリッツ連載中) 《主 催》全国公的扶助研究会・第48回公的扶助研究全国セミナー実行委員会 《後 援》沖縄県・宜野湾市・沖縄国際大学・沖縄県社会福祉協議会・宜野湾市社会福祉協議会・宜野湾市職員労 働組合・日本精神保健福祉士協会・日本医療社会福祉協会・日本社会福祉士会・日本ソーシャルワーカ ー協会・沖縄県精神保健福祉士協会・沖縄県医療ソーシャルワーカー協会・沖縄県社会福祉士会・沖縄 ソーシャルワーカー協会 《協 力》沖縄観光コンベンションビューロー -1- タイムテーブル *11月27日(金): 全体会 【 宜野湾市民会館 】 12:30 13:30 受 付 *11月28日(土): 分科会等 18:00 18:30 休 憩 全体会(記念講演など) 12:00 13:00 17:00 17:30 受 付 昼 食 休 憩 分科会・講座・初級学校など 9:30 懇親会 【 沖縄国際大学・5号館 】 9:30 10:00 *11月29日(日): 特別講座 20:30 分科会・講座・初級学校など 19:00 夜間学習・ 交流会 【 沖縄国際大学・5号館 】 12:00 特別講座 1日目・午後 全体会 【 宜野湾市民会館 】 * 記念講演: 「戦後70年 今問われる 貧困・格差・不平等」 ~沖縄で考える子どもの貧困と未来~ 山内 優子さん(沖縄大学非常勤講師 元・沖縄県中央児童相談所長) 沖縄の子どもを取り巻く状況は日本の中でも深刻です。離婚、DV、学力、少年犯罪…そして貧困。 しかしそれは沖縄の問題だけではなく、日本全体が向き合っていくべき重要かつ喫緊の課題です。そ のためには沖縄の現状を知り、沖縄をとおして日本の未来を考えていくことが大切です。 今回の記念講演は、沖縄県で児童相談所長を勤めるなど、長らく児童福祉・社会福祉の問題に取り 組んできた山内優子さんに、戦後 70 年、本土復帰 43 年の今だからこそ、伝えられる貧困と未来のお 話をしていただきます。 * 特別企画: 「体験談 私の思い、少しだけ 」 ~当事者(戦争体験者と元保護利用者)の声に耳を傾ける~ 「戦争体験を語るのは苦しいけれど、今の思いがある。」「保護を利用したからこそ、伝えたい思いがある。」 私たちが今、体験談に耳を傾けることで、支援者としての気づきが生まれ、支援の意義が明らかになります。 * 基調報告: 「今、貧困問題に向き合う福祉現場に求められるもの」 貧困、格差、不平等。今、私たち支援者はどう向き合うことが求められているかを報告します。 衛藤 晃さん (全国公的扶助研究会 事務局次長 ・ 神戸市兵庫福祉事務所) * トークセッション: 「“カッコいい”ケースワーカーが語る仕事のやりがいと未来」 中村 健さん(新潟市南福祉事務所) × 平安名 栄次さん(宜野湾市福祉事務所) 二人がバトル?二人がしんみり? かつての全国セミナーで意気投合した北と南のケースワーカー二人の対 談がついに実現。“カッコいい”ケースワーカーとはどんな人か?やりがいと未来について熱く語り合いま す。 1日目・夜 懇親会 「イチャリバチョーデー カチャーシー踊れ」 ※ 名刺をお持ちください 会 場: 宜野湾市 【ジュビランス】 (初日会場、宜野湾市民会館の前です) 参加費: 4,000円 セミナーは新たな知識や技術を身につけることはもちろんのこと、懇親会などでの「交流」の意義も大きな ものです。「イチャリバチョーデー」は「一度会えばきょうだい」という意味です。一期一会の精神です。全 国の仲間との「交流」はきっとこのセミナーを素晴らしいものにします。様々な出会いや感動が、懇親会に参 加することでさらに深まることでしょう。沖縄料理に唄に踊り。最後は「カチャーシー」で盛り上がります。 近年、予想を上回る参加申し込みがあり、うれしい悲鳴が続いています。定員までの優先受付で、当日申し 込み枠がなくなることが予想されます。セミナー参加の申し込みと同時の申し込みをお願いします。 -2- 2日目 講座・分科会など * <初級学校> 【 沖縄国際大学・5号館 】 (宜野湾市) 「理想のケースワーカーって、どんな人? その答えを見つけましょう!」 ※ 1 年目の生活保護ケースワーカーのみを対象とした企画です ソーシャルワークの集大成とも言われる生活保護ケースワーカー。希望してケースワーカーになった人も、 意図せずケースワーカーになった人も、対人援助の難しさや煩雑な事務作業に苦労し、困難事例に悩んでいる と思います。そこで本講座は、生活保護制度の正しい理解や対人援助技法の学びの場、全国のケースワーカー との出会いの場、グループワークを通して喜びや悩みを共有する場、今までの自分を振り返る場、そして心身 のリフレッシュを図るとともに明日からの活力を得る場にしたいと考えています。経験豊富な先輩ケースワー カーを講師に迎えました。みなさんと共に楽しく有意義な“学校”を作り上げましょう。 ファシリテーター: 中村 健さん(新潟市南福祉事務所) * <実践講座> 「生活保護法の基本理念と原理・原則を学ぶ」 ~生活保護ケースワーカーとして知っておきたい制度運用の実際~ ケースワーカーの皆さん誰もが、生活保護の決定実施にあたって、どのように判断したらよいのか迷ってし まったという経験を持っていると思います。『別冊問答集』の冒頭には「生活保護制度は人の生活全般に関わ る制度であり、そのすべてについて実施要領等で規定できるものではない。…(略)…判断に迷った場合は生 活保護法の基本理念に立ち返って考える必要がある」と書かれています。 そこで本講座では、生活保護法の原理・原則など、本制度の構造的理解を深めながら、法の理念に基づいた 具体的妥当性をもった保護の決定実施とは何かを、事例検討も交えながら、参加者の皆さんとともに考えたい と思います。 講師: 長友 祐三さん(埼玉県立大学) 今井 伸さん(田園調布学園大学) 以元 栄一さん(京都市 左京福祉事務所) * <政策研究講座> 「貧困の深まりと生活保護の動向」 現在、日本の貧困は過去最悪の状況にあります。本講座では、第一に、貧困の全国的な特徴と沖縄の貧困に ついて学ぶとともに貧困克服のための生活保護の役割を考えます。第二に、生活保護をめぐっては、近年、生 活扶助基準や住宅扶助基準、冬季加算の引下げなど保護基準の引下げが相次いでいますが、引下げの理由やそ の影響について検討します。第三に、2014 年 7 月には生活保護法改正法の大部分(扶養、申請、就労自立支 援、不正受給、医療扶助など)が施行されていますが、それらの意味と影響について考えます。第四に、基準 引下げや法改正など生活保護の運用についての沖縄での現状を検討します。 報告者: 加美 嘉史さん(佛教大学) 「深まる日本の貧困と社会保障、生活保護の役割」 安里 長従さん(司法書士) 「沖縄の貧困 ~その特徴と課題~」 池田 和彦さん(筑紫女学園大学) 「基準引下げの論点 ~基準生活費と住宅扶助、冬季加算の引下げの検証~」 吉永 純さん(花園大学) 「生活保護法改正と生活保護運用の課題」 安里 長従さん(司法書士)「沖縄における生活保護運用事例と課題」 * 第 1 分科会 <生活困窮者自立支援> 「制度施行後半年の今、生活困窮者支援の現状と課題を探る」 今年4月から生活困窮者自立支援法が施行されました。同法は、福祉事務所を設置するすべての自治体に 「必須事業」として、ワンストップの自立相談支援事業と住居確保給付金の支給事業とを位置づけました。と りわけ自立相談支援事業には、生活困窮者の早期発見と、生活保護など既存の制度も含めた各種支援策に結び つけるための「伴走型支援」という、いわば制度の要としての役割が期待されます。一方、「任意事業」の実 施状況は、就労準備支援事業の実施自治体が全自治体の 28%、一時生活支援事業 19%、家計相談支援事業 2 3%、子どもの学習支援事業 33%と低調であり、自治体による「温度差」も指摘されています。 本分科会では、全国の特徴的な事例の紹介、沖縄を含めた各地の現場報告などをふまえ、施行後半年を経て 見えてきた成果と問題点を共有し、今後の課題を探ります。 助言者: 布川 日佐史さん(法政大学) コーディネーター: 今村 雅夫さん(大津夜まわりの会・相談支援員) -3- * 第2分科会 <ソーシャルワーク> 「ステップアップ・ソーシャルワーク実践」 ~事例から学ぶ自立支援の真髄~ 近年、生活課題の複雑化により自立支援はますます困難を極めるようになってきています。この分科会では 「生活保護におけるソーシャルワークとは何か」を考えます。各地のケースワーカーからの事例をもとに参加 者で検討し、自立支援のために必要なソーシャルワークを学び、その道筋を共に考えます。 一つの事例にたっぷりと時間をかけ、それでいて密度の濃い全員参加型の分科会です。何気なく行っている 実践をソーシャルワークの視点で問い直してみませんか。もしかすると日頃の悩みを解決する鍵が見つかるか もしれません。ソーシャルワーク実践なくして自立支援は語れません。皆さんの参加をお待ちしています。 助言者: 衛藤 晃さん(神戸市兵庫福祉事務所) コーディネーター: 楢府 憲太さん(ふじみ野市福祉事務所) * 第3分科会 <高齢者> 「地域における高齢者の生活支援」 平成 27 年 4 月から実施されている介護保険制度の改正は、高齢者の生活を地域全体でいかに支援していく かという「問い」を私たちに投げかけています。生活保護受給世帯の約半分は高齢者世帯となり、今後も生活 に困窮する高齢者が増えることが予想されます。 高齢期における所得・心身機能・医療サービス・介護サービス・住宅・家族・役割・いきがいなどの“複合 喪失”に対応した、地域における“複合支援”とはどのようなものか。公私の機関・施設・事業者、専門職、 地域住民がオール地域で高齢者の支援を編み直すためには、どうすればよいのか。生活保護受給世帯の実践例 などをとおして、一緒に考えてみましょう。 コーディネーター: 村田 正子さん(AKO 介護支援センター) 中島 園恵さん(明治学院大学非常勤講師) * 第4分科会 <子どもの貧困> 「子どもが自信をもって未来を選択するために」 ~貧困の状況にある子どもたちへの支援を考えてみましょう~ 子どもの貧困の問題は、経済的な問題だけではありません。貧困の問題は、将来の自立へ向けた経験や情報、 選択肢を子どもたちから奪うことになります。このことによって、子どもたちは、自信や自分自身を大事にす る気持ちを失っていきます。 子どもたちの未来を創造するためには、経済的な安定だけでなく精神的な安定が重要です。貧困の状況にあ る子どもたちへ社会的な経験や情報、選択肢を提供する方法を皆さんと考えていきたいと思います。 コーディネーター: 比嘉 昌哉さん(沖縄国際大学) 中村 知英さん(北九州市子ども総合センター) * 第5分科会 <精神障がい者・知的障がい者> 「精神障がいや知的障がいの特性を理解し、より良い支援の方向を探しましょう」 この分科会では、事例をとおして、精神障がいや知的障がいの、障がい特性や生活のしづらさを理解するこ とを目指します。具体的には障がいと、問題行動、失業、貧困などの諸問題との関係を探り、支援としての生 活保護制度やケースワーカーの役割を考えます。 また、参加者の皆さんの「日頃の悩み」を持ち寄っていただき、グループで話し合います。生きづらさをそ の人個人の問題として捉えるのではなく、一人の人間として支援することの大切さや、地域の資源を活用する ことの有用性など、様々な角度から皆さんと共に考えたいと思います。 助言者: 波多野 和夫さん (佛教大学 精神科医) コーディネーター: 南川 久美子さん(障害者総合福祉センターあい 精神保健福祉士) * 第6分科会 <医療と福祉の連携> 「医療と福祉は分かりあえるか?協力し合える関係を目指して」 「通院や入院の同行を、医療機関から求められて困っている」「退院後の生活援助が必要なのに、福祉事務 所のケースワーカーが思うように動いてくれない」「退院後のアパート探しは、医療の仕事?福祉の仕事?」 生活保護利用者の生命と生活に密接に関わっている双方の現場が、お互いの理解不足や援助方法についての 考え方の相違から、にらみ合いの関係になっていませんか。分科会では、医療機関、福祉事務所で働くレポー ターからそれぞれの立場での実践例を紹介していただき、お互いを理解し協力し合える連携のあり方を考えて いきます。連携に関わる悩みは、医療機関のみならず障がいや介護など様々な機関との関係にも共通していま す。現場で役立つ連携のノウハウを一緒に考えていきましょう。 コーディネーター: 渡邉 秀明さん(杉並区福祉事務所) 玉城 夏子さん(宜野湾市福祉事務所) -4- 2日目・夜 ゆんたくしましょう(夜間学習・交流会)【 沖縄国際大学 】 ※名刺をお持ちください 例年大好評のテーマ別の夜間交流会。参加者が気軽に交流できる貴重な機会です。全国の仲間の状況を知る ことで、今の自分を見つめる契機になります。懇親会とは一味違う雰囲気で、本音トークをどうぞ。 * * * * * 第1交流会 第2交流会 第3交流会 第4交流会 第5交流会 「ゆんたく①~生活保護・困窮者支援をめぐる職場状況の交流会~」 「ゆんたく②~社会福祉施設で働く人の交流会~」 「査察指導員の交流会~CWを育て、支えるために~」 「専任面接相談員の面接のイロハ~人権を守る役割の基本とは~」 「講座『知っ得』生活保護のABC(基礎知識)~関係機関・学生の方に贈る~」 3日目 * <特別講座1> 特別講座 【 沖縄国際大学・5号館 】 「フィールドワーク 沖縄から希求 平和への想い」 戦後 70 年の軌跡 ~沖縄から憲法の精神を考える~ 先着 50 名限定 沖縄の「基地問題」、「歴史」を見て聞いて感じる。 「もの想う空間」であなたが想う「命」・「くらし」・「平和」を見つめ、改めて憲法の精神を考える機会に。 ① “嘉数高台公園~高台から普天間基地を視る” / 案内: 山内 繁雄さん(元宜野湾市基地政策部長,) ② “佐喜眞美術館~もの想う空間へ”「沖縄戦の図」鑑賞 / 案内: 佐喜眞 道夫館長 ※ 申込者は宿泊をラグナガーデンホテルでお願いします。同ホテルを 8 時 45 分にバスで出発します。 * <特別講座2> 「誇りが持てる生活保護職場を ~笑顔あふれる明るい職場に~」 保護を利用しておられる方の中では、元気のなくしている方が多く見受けられます。また、担当員の表情も 暗いものがあります。面接場面では、恐縮した保護利用者、目が吊り上ったケースワーカー。これでは、法を 効果的に適用できませんし、自立支援もうまくいくはずがありません。また、職場の人間関係がぎすぎすして いれば、一日も早く現場から逃げ出したいと思っても仕方がないのかもしれません。 担当ケース数、専門性、雇用身分、資質向上のための研修、組織的運営など、生活保護現場の現状を考える ことをとおして、保護利用者の自立支援がうまくいくように、そして誤った法の運用が起こらないようにして いかなければなりません。「この仕事に自信が持てた」「この職場で働けてよかった」と言えるよう、参加者 の皆さんと考えていきたいと思います。 講師: 松崎 喜良さん(元生活保護ケースワーカー 神戸女子大学) * <特別講座3> 「生活保護における扶養義務のあり方を考える」 親族の扶養を強く求める生活保護バッシングも影響して、一部自治体で扶養義務が強調されています。 「昨年 7月全面施行の新生活保護法によって扶養義務が強化された」との誤解もあります。 そもそも日本の民法は、広い範囲の親族に扶養義務を課しており、前近代的で、世界的にも稀有な法制で す。また、扶養義務の強調は、保護申請の断念、親族関係の断絶など、負の作用を増大させます。生活保護の 実施要領を正確に理解するとともに、解釈運用上も私的扶養の機会を少なくし、公的扶助を整備強化すべきと いう問題意識のもと、 実務面での取り扱いの問題点・課題を明らかにします。 講師: 田川 英信さん (社会福祉士 世田谷区元査察指導員) * <特別講座4> 「事例から学ぶ 就労支援の基礎とその展開」 生活保護現場では就労支援は大きな課題となっています。また、今年度より施行された生活困窮者自立支援 法においても就労支援が重視されています。しかし「働く」ことの意味、「自立」の意味をどのように考えるのか によって、就労支援のあり方は異なったものになります。 就労支援は難しい課題が含まれる場合も少なくありませんが、その分達成できた時は、対象者と支援者が共 に喜びを共有できる、支援者にとってやりがいの感じられる支援とも言えます。 開催地沖縄をはじめ、全国のケースワーカーの事例をとおして、「支援」の意義を共に考え、「明日から使 える」就労支援の基礎、展開について学びましょう。 助言者: 池谷 秀登さん(帝京平成大学) -5- * <特別講座5> 「生活保護裁判の意義と動向」 生活保護に関する裁判は、近年「第4の波」と言われるほど多数の裁判が起こされています。本講座では、 第一に、生活保護裁判の意味について考えます。また、なぜこのようにたくさんの裁判が起こされるのか、そ の背景と要因を探ります。とくにケースワーカーをはじめ関係者は裁判というと身構えがちですが、どのよう に受け止めるべきなのかを考えます。第二に、生活保護裁判の歴史を概観するとともに、生活扶助基準の引下 げなど基準を争う裁判、自動車保有、稼働能力など補足性原理に関する裁判など近年争われている裁判の争点 とその特徴を概観します。第三に、沖縄での生活保護裁判の到達点を学びます。 報告者: 高田 清恵さん(琉球大学) 「生活保護裁判の歴史と意義 ~沖縄の視点を踏まえて~」 吉永 純さん(花園大学) 「生活保護裁判の近年の争点」 大井 琢さん(弁護士) 「沖縄での生活保護裁判の到達点」 * <特別講座6> 「居住福祉 ~健康で文化的な生活を支える生活保護住宅扶助基準とは?~」 今年の 7 月から生活保護の住宅扶助基準が引下げられました。従来の基準でも老朽化などの居住環境が不良 な部屋に住まざるを得ないことが多くありましたが、さらに居住環境が悪化する恐れがあります。また、基準 引下げによって、現家賃が基準以上になった場合は転居指導の有無の問題が生じます。しかし、住まいは生活 及び福祉の基盤です。転居は生活基盤を崩すことになりかねません。 本講座では、健康で文化的な生活を支える住宅扶助基準はいかにあるべきか、同基準引下げによる居住水準 悪化をいかに抑えるかを、国連世界人権宣言(1948 年)、国連人間居住会議での居住の権利宣言(1996 年) などの居住福祉の理念、及び福祉現場の状況の両面から考えていきます。 講師: 常数 英昭さん(全国公的扶助研究会副会長) * <特別講座7> 「依存症の方が働くということ」 生活保護を受けている方の中には、様々な依存の問題を持つ方が実は多くいます。支援者として必要こと は、知識を得ることはもちろんですが、依存症を理解することだと言えます。 依存症の方を支援する方法やその考え方は、日々進化しています。今回の講座では、依存症の基本的な知識 から、最新の実践報告まで、どのようにサポートしていくかを医療・福祉の両面から、参加者の皆さんと話し 合います。講師は全国的にも珍しい依存症の方に特化した東京の就労移行支援事業所のスタッフが務めます。 アルコールだけではなく、さまざまな依存症の方への理解が深まる機会になればと思います。多くの方のご 参加をお待ちしております。 講師: 武澤 次郎さん(就労移行支援事業所「マック・チャレンジサポート」スタッフ) * <特別講座8> 「DV がもたらす人権侵害と貧困への影響 ~事例をとおして考える~」 DV が個人的な問題ではなく、社会で解決すべき問題であると認識されるようになったものの、いまだにその 支援体制は脆弱で、不十分です。社会的に立場の弱い女性やその子どもに矛盾、人権侵害は集中し、泣き寝入 りになることはもちろんのこと、辛い事件になることが多いのも DV です。 離婚率が高い沖縄県では、貧困問題をはじめ、多くの問題が複雑に絡み合った DV は重要な福祉課題と言えま す。相談援助、介入、連携、安全確保のための保護、そして社会復帰への支援など、命、くらしを守る支援の あり方を共に考えましょう。沖縄県職員として女性問題、児童問題、貧困問題などに長年取り組まれてきた山 内さんに、沖縄の婦人保護の歴史や支援事例をふまえてお話をしていただきます。 講師: 山内 優子さん(沖縄大学非常勤講師 元・沖縄県中央児童相談所長) ご案内 「全国公的扶助研究会」のホームページ、フェイスブックに、2日目、3日目の各分科会・講座などの報告者、講師、司会 者の紹介を、正式に決まり次第、掲載していきます。 また、各分科会・講座などの準備状況、担当者から参加される皆様へのメッセージや、全国セミナー沖縄大会の楽しみ 方なども、順次掲載していく予定です。こちらもあわせてご覧ください。 -6- 参加費・参加申込みなどについて 《参加費》 一 般: 10,000円 (内訳:参加費 7,000 円+資料代 3,000 円) 公扶研会員: 5,000円 (内訳:参加費 2,000 円+資料代 3,000 円) 学 生: 5,000円 (内訳:参加費 2,000 円+資料代 3,000 円) 学生証を提示ください 沖縄県民: 5,000円 (内訳:参加費 2,000 円+資料代 3,000 円) ※ 上記は事前申込み参加費(早割)です。参加申込期日を過ぎてからの申込みは可能ですが、別途 500 円を参加 費に追加させていただきますので、早めの申込みをお願いします。ご注意ください。 《参加申込みの期日》 沖縄県外から参加の方 10月31日 沖縄県内から参加の方 11月20日 ※ 分科会、講座などは会場の座席数の関係で、第 1 希望ではなく、第 2 希望などに移っていただく場合がありますの で、早めの申込みをおすすめします。 ◎ 全国公的扶助研究会未入会の方は、機関紙年間購読料 3,000 円を含む会員年会費 6,000 円のお支払いで、セミ ナー参加費が一般価格から会員価格となります。 ◎ 機関誌『公的扶助研究』のみを定期購読されている方は、機関紙年間購読料に 3,000 円を足すことで、全国公 的扶助研究会の会員となり、参加費が一般価格から会員価格となります。 ※ 全国公的扶助研究会への入会をセミナー参加申込みと同時にご検討ください。当日入会も可能です。 ※ 会員の方で、まだ年会費を納入されていない方は、セミナー当日に受付でお支払いをお願いします。 《参加申込み方法》 ① 別添の申込書を使い、FAX でお申込みください。セミナー申込書は全国公的扶助研究会のホームページ(全国公的扶 助研究会 ⇒検索 )にもあります。 ② 事務局が申込内容を確認した後、振り込み方法などの案内をセミナー資料と共に送付します。内容を確認の上、参加 費、懇親会費、弁当代を指定の口座に送金ください。 ③ 入金確認後、参加証、弁当券、会場へのアクセス案内などを送付しますので、セミナー当日にご持参ください。 《宿泊について》 ● 宜野湾市内にはビジネスホテルがなく、宿泊先が限られています。今回、会場に近い二つのホテルがセミナーに協力を してくださり、一定数の部屋を特別価格で確保していただいています。 ● セミナー特別プラン宿泊先: ①ラグナガーデンホテル(宜野湾市) ②EMウェルネスリゾート・コスタビスタ沖縄(北中城村) ● 別添の宿泊プランの案内を確認後、セミナー参加と同時にお申込みください。部屋確保数に限りがあるため、満室にな り次第、受付終了となります。できるだけ早くお申込みください。 ※ セミナー特別プランでご宿泊される方は、各宿泊ホテルからセミナー会場を結ぶ運行バス(決められた発着時間のみの 運行)をご利用いただけます。発着時間は参加証送付時にご案内します。後日ホームページでもお知らせします。 《2日目の昼食・お弁当》 ※ 昼食は各自でご用意されるか、セミナー参加申込みの際にお弁当券の事前購入をおすすめします。お弁当券は当日受付 でお渡ししますが、11月20日までにお申込みいただいた方限定の配布となりますのでご注意ください。 〔お弁当券〕 500円 (飲み物なし) ※ 飲み物は大学内の自販機などで購入してください。 《問い合わせ先》 ※ お問い合わせは下記の要領で、e-mail または FAXのいずれかでお願いします。 ① e-mail の場合 ⇒ zennkoku_koufukenn@yahoo.co.jp まで 返信メールで回答します。電話による回答を希望される場合はその旨を明記し、連絡先の電話番号を付記してくださ い。 ② FAX の場合 ⇒ FAX番号: 050-3730-2116 まで 「全国セミナーについて」と件名を明記してください。①電話、②FAX、③メールのいずれかの回答方法を指定し、電 話・FAX の番号、メールアドレスも付記してください。 -7- ※ 今後開催内容などに変更が生じた場合は、上記ホームページでご案内します。また、天候不良などによる当日の緊急対 応は、フェイスブックの「第 48回公的扶助研究全国セミナー実行委員会」でお知らせします。 【アクセス】 ※ 駐車場は両会場ともに限りがありますのでご注意ください。タクシー相乗り、公共交通機関のご利用をおすすめしま す。 ※ バスの時刻表など、その他詳細な情報は近日中にホームページでご案内します。 宜野湾市民会館 正門 【 沖縄国際大学キャンパスマップ 】 5 号館 正門 会場アクセス 1 日目会場:宜野湾市民会館(那覇空港からのアクセス) ① ≪路線バスのみ≫ 【バス25番】那覇空港発(バス停名:国内線旅客ターミナル前)→宜野湾市役所前(¥680) 〔約60分〕 ② ≪モノレール+路線バス≫ 【モノレール】那覇空港前駅→旭橋駅(\260)→【徒歩】(3分)→【バス21・27・52・90・110番】那覇バスターミナル →宜野湾市役所前(¥660) 〔約45分〕 ③ ≪タクシー≫ 那覇空港 → 宜野湾市民会館(¥3,000~\3,500) 〔約40分〕 ※レンタカーでお越しの方へ 駐車場に限りがございます。停められない場合もありますので、予めご了承ください。 2 日目会場:沖縄国際大学(宿泊先からのアクセス) ※ セミナー特別プランでラグナガーデンホテル、EMコスタビスタ沖縄に宿泊される方は、送迎バスが出ます。 -8※ 上記以外の皆様は、各自で交通アクセスについて事前にお調べください。
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