ガソリンスタンドにおける 価格表示の適正化ガイドライン

ガソリンスタンドにおける
価格表示の適正化ガイドライン
平成 21年9月
全国石油商業組合連合会
1. 趣旨
近年、ガソリンスタンドでの揮発油、軽油及び灯油の価格表示の方法が複雑化し、一般消費者
に誤認を与えるおそれのある表示事例 ( 景品表示法第 4 条・有利誤認違反 ) がみられ、公正
取引委員会から当該事業者に対し、警告・注意が行われている。
本ガイドラインは、そうした実態を踏まえ、消費者保護の観点から有利誤認を招くおそれのある
行為を未然に防止するため、ガソリンスタンドで価格表示をする場合には、簡潔で、わか
りやすく、正確に行っていただくために定めるものである。
2. 対象
ガソリンスタンドにおける揮発油、軽油及び灯油の販売に係る価格表示。
3. ガソリンスタンドの店頭における価格表示の基準
(1) 価格表示を行う場合の基本的な考え方
価格表示は、安全走行の確保にも配慮してドラ
イバーが容易に認識できるよう、店頭の見や
すい場所に簡潔にわかりやすく表示する
こと。
SS
SS
現金価格
ハイオク 132
レギュラー 121
軽 油 102
※注 例示のガソリン価格(単位:円/ℓ)は、あくまで本ガイドラインを適切に説明する上での参考値として
用いたものです。
(2) 価格表示を行う場合の内容について
①価格表示は、不特定多数の消費者に商品購入
の判断材料を提供することを主目的とするこ
SS
とから、 一般消費者向けの「現金小売
現金価格
価格」を、走行中のドライバーから見て容易
ハイオク 132
レギュラー 121
軽 油 102
に認識できる表示とすること。
②会員やプリペイドカード客、クレジットカー
ド客など特定の消費者を対象にした価格表示
を行う場合は、
「会員限定」等 の適用条件
会員限定
プリペイドカード
を金額のすぐ側に同程度の大きさの文
レギュラー
レギュラー
現金価格
レギュラー
現金価格
レギュラー
会員
プリカ
字で見やすく表示すること。なお、適用条
120
119
件については、一般的にわかりやすい表現に
すること。
120
③価格は消費税込みの販売単価 (総額) を表示
すること。
SS
現金価格
レギュラー
115
④価格表示に付随して、合理的な根拠なく
「激安」・
「最安値」等 の表示は行わない
こと。
税抜き
119
(3) 価格表示板を設置する場合について
①安全走行を確保する観点から、走行中のドラ
イバーに向けた店頭の価格表示は簡潔な
表示とすること。なお、詳細な取引条件別の
価格を表示する場合は、例えば、計量器の周
辺やセールスルーム内等に掲示すること。
SS
SS
本日
現金価格
ハイオク 132
レギュラー 121
軽 油 102
2円引き
クレジットカード
レギュラー
会 員
レギュラー
プリペイドカード
レギュラー
119
119
120
②ガソリンスタンドの店頭に設置する価格表示
板 ( いわゆる立て看板・電光表示板等を含む )
については、道路交通法関係条項を遵守し、
歩道や車道上にはみ出すことのないようガ
SS
ソリンスタンドの敷地内に適切に設置するこ
と。また、敷地内にあっても、強風時に飛ば
ないよう固定する等歩行者等の安全を十分に
考慮して設置すること。
現金価格
レギュラー
121
(4) 価格表示板の形状について
ガソリンスタンドの店頭に設置する価格表示板
( いわゆる立て看板・電光表示板等を含む ) は、
交通信号、道路交通標識等の視認の妨げとなる
ことはもちろん、給油所出入り車両や通行
SS
中の歩行者等の視界を妨げるような過
現金価格
レギュラー
度に大きな形状の表示は行わないこと。
121
(5) 具体的に自粛すべき有利誤認の行為類型
下記の行為は、過去に公正取引委員会から警告及び注意を受けている事例であり、当該行為はも
とより、景品表示法の有利誤認につながる恐れのある行為は行わないこと。
①価格条件が記載されていない表示
店頭立看板において「レギュラー¥/ℓ 119 円」と
表示していたが、この価格は元売クレジットカード
レギュラー
元売クレジット
カード限定
レギュラー
レギュラー
会員限定
レギュラー
利用者のみ適用される価格であり、一般価格は 123
円であった。
119
119
(平成18年度・公正取引委員会東北事務所=注意事例)
②価格条件が明瞭でない表示
店頭看板に当該価格は「会員価格」である旨を明瞭
に表示しておらず、あたかも非会員でも当該価格で、
購入できるかのように表示していたが、実際に非会
員に適用される価格は表示された価格より 5 円高い
価格であった。
104
104
(平成16年度・公正取引委員会北海道事務所=注意事例)
③消費税を外税とした表示
通常、価格看板表示は消費税込みの価格と認識する
状況にあるところ、消費税抜きの価格を記載し、こ
の価格が消費税込みの価格であるかのように誤認さ
れる疑いがあった。
SS
現金価格
レギュラー
(平成17年度・公正取引委員会九州事務所=警告事例)
119
税抜き
4. 消費者の安全の確保を図るため等の表示基準
以下の事項を計量器の見やすい場所に明瞭に表
示すること。
(セルフ給油方式の場合)
①給油中はエンジンを停止すること。
②燃料キャップをはずすときは静電気除去装置
に接触して除電すること。
③ガソリン等の容器への注油は禁止されている
こと。
(フルサービス方式の場合)
①給油中はエンジンを停止すること。
②ガソリンのポリタンクへの注油は禁止されて
いること。
(セルフ給油方式の場合)
①給油中はエンジンを停止すること。
②燃料キャップをはずすときは静電気
除去装置に接触して除電すること。
③ガソリン等の容器への注油は禁止
されていること。
(フルサービス方式の場合)
①給油中はエンジンを停止すること。
②ガソリンのポリタンクへの注油は
禁止されていること。
問い合わせ先
全国石油商業組合連合会
東京都千代田区永田町 2-17-14
電話 03-3593-5831
担当:業務グループ
景品表示法
【参考資料】
(平成21年9月1日現在)
景品表示法は、消費者の適正な商品選択を確保するため、一般消費者に誤認される表示や過大な景品類の提供を禁止している。
第4条第1項第1号 商品又は役務の品質、規格その他の内容についての不当表示 (優良誤認)
不 当 な 表 示
景品表示法第 条︵
不当な表示の禁止︶
不当表示の禁止の概要
①内容について、実際のものより著しく優良であると一般消費者に示す表示
②内容について、事実に相違して競争事業者に係るものよりも著しく優良である一般消費者に示す表示
第4条第2項 内閣総理大臣は、商品又は役務の内容(効果、性能等)について著しく優良で
あると示す表示(第4条第1項第1号)に該当するか否か判断する必要がある場合に
期間を定めて、当該事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提供
を求めることができる。
⇒事業者が求められた資料を提出しない場合には、当該表示は不当表示とみなされる。
第4条第1項第2号 商品又は役務の価格その他の取引条件についての不当表示 (有利誤認)
①取引条件について、実際のものよりも著しい有利であると、一般消費者に誤認される表示
②取引条件について、競争業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示
第4条第1項第3号 商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれ
があると認められ内閣総理大臣が指定(※)する表示
【参考資料】
不当表示における違反行為の調査手続
違反確定
消費者庁長官による措置
・措置命令(景表法第6条)
①不当表示をおこなっていたことの公示
②再発防止措置
③不作為命令
措置命令
※命令違反については、2年以下の
懲役又は300万円以下の罰金(併科
あり)。法人は3億円以下の罰金
都道府県知事による措置
・指示(景表法第7条)
※指示違反の場合、知事は
消費者庁長官に措置請求可能
取消訴訟等
60
不服申立
証拠書類など
によって弁明
日以内
警告︵
消費者庁︶・
指示︵
県︶
など
弁明機会の付与
47
調査︵
立入検査、報告命令等︶
都道府県︵
※公取 委地方事務所も可︶
個人、事業者等︵
※組合も可︶
からの申告
消費者庁及び
申告先
・内閣総理大臣は、この法律に基づく権限を消費者庁長官に委任する。
・消費者庁長官は、権限の一部を公正取引委員会に委任することができる。