ウィーンを中心としたオーストリアのレストラン事情

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政治
ウィーンを中心としたオーストリアのレストラン事情 「一冊のガイ
ドブックがレストラン事情を変えた国」
経済
【ウィーン=小笠原正佳】オーストリアのレストランは、第二次大戦
後の十年間に及ぶ英米仏露の四カ国による統治が続く間に急速
企業
に質が低下した。どのレストランも外国人客向けに、パイナップル
をステーキに乗せた「ハワイ・ステーキ」を品書きの中心に据え、メ
社会
ニューは世界中どこでも食べられるグリル料理を中心としたインタ
文化
ーナショナル・キッチンで、料理人が心を込めて作ったオーストリア
料理を出さなくなってしまったからだ。
コンタクト
元来、オーストリアは、首都ウィーンにおいてはトンカツの元祖で
リンク集
ある仔牛カツレツ、ヴィーナー・シュニッツェル、牛肉の八幡巻きの
元祖であるリンズロラーデ、ハンバーグの元祖であるファシルテス
ライプヒェン、ハンガリー風グラーシュ・スープなど旧ハプスブルク
帝国領各地の名物料理、地方では肉、野菜、パスタやチーズなど
を巧みに使った郷土料理を食することができる美食国家だった。
この様なオーストリアのレストランの惨状を嘆き、経営者や料理人
のオーストリア料理に対する目を覚まさせようとしたのがフランス
のレストランガイド「ゴー・ミヨ」の創刊者であるクリスチアン・ミヨ
氏。同氏は1978年からオーストリア中のレストランの調査を本格
的に開始、それを知ったオーストリアの料理研究家ミヒャエル・ライ
ナルツ教授がオーストリア版「ゴー・ミヨ」の版権を買い取り1980
年に初版発行の運びとなった。同レストランガイドは創刊以来、4
0名のテスターがオーストリア全国で評判のレストランを聞きつけ
年間約650軒を廻り、匿名で料理やスタッフの対応などをテストし
て毎年11月に改訂版を発行している。テスターにはプロの料理人
はおらず、評価はあくまでもテスター個人の主観的判断によるも
のという。
レストランを評価し、批判もするガイドブックの登場はレストランを
Fabios
大いに刺激した。評価法は20点満点で13,14点を1コック帽、1
5,16点を2コック帽、17.18点を3コック帽、19点を4コック帽で記している。1980年にはコック帽を有するレ
ストランは16軒にすぎず、3コック帽以上は一軒も無かったのが、1985年には1コック帽61軒、2コック帽9
軒、3コック帽2軒になった。1990年にはコック帽を有するレストランは210軒、1993年には4コック帽のレスト
ランも登場する。読者の99%が評価に満足しており、客の入りに直接影響するガイドブックの影響は高級レスト
ランにとって無視できないものとなった。多くのレストランが努力を重ねた結果、2004年版ではコック帽を有す
るレストランが403軒に達した。 この数字は、オーストリアが人口800万人の小国であることを考慮すると、欧
州のトップクラスの水準だ。また、レストランを支えているのが客である以上、客の料理に対する関心が急速に
高まった事を意味している。
人々のレストランに対する関心が高まると、経営者のアイデアは多様化する一方で、人気店の存在が際だつよ
うになる。開店と同時に超人気店となった典型的な例が、2002年6月にウィーン旧市街に登場した「ファビオ
ス」だ。ウィーンの高級レストランは伝統的な雰囲気を持つのが一般的な中で、ニューヨーク、パリ、東京などで
流行のレストラン・バーが持つような斬新なデザインを導入したところ、ウィーンになかったクールなデザインの
レストランとあって、開店と同時にファッション業界関係者や流行に敏感な客が集まった。レストランの噂は瞬く
間に広まり、ファビオスを知らないと流行遅れとまでいわれるようになった。また、開店半年にしてゴー・ミヨで2コ
ック帽を獲得したことで客層が大幅に広がり、遠方から食べに来る客ができた。店主のファビオ・ジャコベロ氏(3
6)はイタリア・ミラノ生まれで、20歳の時に故郷を離れ米国、フランス、ドイツなどで生活した後、95年からウィ
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ーンで異なるイタリアン・レストランのマネージャーとして生活した経歴の持ち主。伝統的な店の作りや経営法で
他店としのぎを削るのを避け、これまでウィーンになかったタイプのレストランで勝負してみたかったという。
ファビオスの床面積はレストランとバー合わせて430平方メートルで席数は140席。ウィーンの富裕層に健康
食として人気の魚介類を中心とした地中海料理のメインディッシュの価格は15-25ユーロ、客単価は50-70
ユーロ程度。150万ユーロの投資は、思ったより早く回収できそうだという。おしゃれに着込んだ客が多く、マス
コミが「客が互いに見たり、見られたりするために来店している」と書き立てたことから、「ファッション・レストラン」
と呼ばれるようになった。だが、ジャコベロ氏はファッション・レストランと呼ばれることを嫌う。客はあくまでも食事
に来るので、虚栄心を満たすのを目的に来るわけではない。一流の食事と行き届いたサービス、店のデザイン
や雰囲気にあった音楽が人気をもたらしていると主張する。ジャコベロ氏はイタリア人だが、この23年間におけ
るオーストリアのレストラン経営者の意識改革を象徴しているようだ。
(2005年2月18日)
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開催 (2007年10月15日)
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(2007年9月1日)
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訪れる人も」 (2007年4月10日)
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DI FIGARO) が好評 (2006年8月6日)
2011/11/20
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月13日)
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