Aldrich Volume 10, Number 1 • 2010 不斉合成 触媒反応 ケミカルバイオロジー 有機金属試薬 COMU - Safer and More Efficient Peptide Coupling Reagent ビルディングブロック 合成用試薬 汎用試薬 ラボウェア(実験器具) ケミストリーサービス Continuing the Tradition of Excellence In 2008, the Aldrichimica Acta was ranked:* • #1 by Impact Factor (16.733, Aldrichimica Actaは、最新の化学に関する総説を掲載するAldrichの季刊誌です。 有機合成に関するテーマを中心に、有機化学、有機金属化学、生物有機化学、無機化学について、 各分野の最先端の科学者が執筆しています。 • #1 by Five-Year Impact Factor (12.912) 今後の掲載内容: Prof. Karl A. Scheidt (Northwestern U.) Discovering New Reactions with N-Heterocyclic Carbene Catalysis Prof. André B. Charette (U. of Montreal) Synthesis and Applications of Diorganozinc Reagents: Beyond Diethylzinc Prof. Carolyn R. Bertozzi (UC, Berkeley) Copper-Free Click Chemistry Prof. James L. Leighton (Columbia U.) Strained Chiral Silacycles: A Powerful and Versatile Family of Reagents for Asymmetric Synthesis Prof. Bruce H. Lipshutz (UC, Santa Barbara) New PTS-Enabled Transformations in Water at Room Temperature Aldrichimica Actaは、ご登録いただいた方に無料でお送りしています。 Webサイト www.sigmaaldrich.com/japan/chemistry.html からお申し込みください。 * Thomson Reuters; Journal Citation Reports®, Science Edition. sigma-aldrich.com a record!) out of 55 organic chemistry journals • #1 by Article Influence™ Score (4.907) • #1 for the seventh time in the past eight years 3 Aldrich Introduction Dr. Haydn Boehm Global Marketing Manager: Chemical Synthesis Volume 10, Number 1 haydn.boehm@sial.com 化学者の皆様へ ご注文は… 2000 年に ChemFiles の第 1 号が創刊されてから、 早くも 10 年が経ちます。当初は、単なる製品リ ストとしてスタートした ChemFiles ですが、現在では、有機合成の最新 アプリケーションとそれに関連する Aldrich の最新製品・サービスをご 紹介するニュースレターへと発展しました。 価格や納期について Webサイト www.sigmaaldrich.com/japan では、 各製品の価格や国内在庫の有無、輸入の納期を 確認できます。 2010 年、ChemFiles は“Aldrich ChemFiles”と名前を改め、Aldrich 総合カ タログや季刊誌 Aldrichimica Acta と並ぶ Aldrich の刊行物として、構成も 新たに、研究者の皆様にこれまで以上に有用な情報を提供してまいり ます。 製品に関する技術的なお問合せ 弊社は世界各国のお客様から「革新的な高品質の研究用試薬を作り続け テクニカルサポート sialjpts@sial.com へお問合せ ください。 てほしい」そして「それを簡単に探し出せるようにしてほしい」という ご要望をいただきました。これにお応えするため、2006 年には、分野 ごとに製品を掲載した Web カタログ“Chem Product Central”を公開しま ニュースレターの定期発送 Aldrichの季刊誌やニュースレターは、ご希望の 方に無料でお送りしています。sialjp@sial.com へ お気軽にお申し込みください。 した(aldrich.com/chemcentral) 。Aldrich ChemFiles は、Chem Product Central と同じ分野に構成を改め、どの分野に興味をお持ちのお客様に とっても興味深く、研究の発展に役立つ記事が各号に掲載されている ように、不斉合成、触媒試薬と無機試薬、ケミカルバイオロジー、有機 金属試薬、特殊合成、ビルディングブロック、合成試薬、Stockroom ニュースレター Aldrich ChemFilesは、Webサイト でもお読みいただけます。 www.sigmaaldrich.com/japan/chemistry.html へ アクセスしてください。 Reagents(一般試薬) 、実験器具およびケミストリーサービスのそれぞれ について最新情報をお届けします。 詳細な利用例と豊富な文献を掲載する ChemFiles が年 4 回の発行である のに対し、e-メールニュース“Aldrich ChemNews”は、最新情報を迅速 ChemFiles (ISSN 1933–9658) is a publication of Aldrich Chemical Co., Inc. Aldrich is a member of the Sigma-Aldrich Group. © 2010 Sigma-Aldrich Co. にお知らせするため、月に一度配信します。Aldrich ChemFiles と Aldrich ChemNews の二つをあわせてご利用ください。 Aldrich ChemFiles は、ご登録いただいた方に無料でお送りしています。 ご希望の方は、 「Aldrich ChemFiles 定期発送希望」の件名で、 sialjp@sial.com へお気軽にお申し込みください。 Dr. Haydn Boehm Global Marketing Manager: Chemical Synthesis * Thomson Reuters; Journal Citation Reports®, Science Edition Introduction 最寄の試薬代理店にご注文ください。代理店 がご不明の場合は、弊社カスタマーサービス sialjpcs@sial.com へお問合せください。 4 不斉合成 X Rh-cat. ring opening Nu XH (X = O, NR) Dr. Daniel Weibel Product Manager N daniel.weibel@sial.com N PhN S 不斉合成 Lautens により開発された キラルなビルディング ブロック トロント大学の Mark Lautens 教授らの グループは、高度に官能基化されたヒ ドロナフタレン骨格を高い光学純度で与える強力な触媒的不 斉開環反応を開発しました。この方法によれば、入手が容易 で低価格のアキラルな出発物質から、高度に官能基化された 種々の骨格を得ることができます 1。Rh と錯体を形成した Josiphos 型配位子 2 を用いると、アルコール、フェノール、脂 肪族アミン、カルボン酸エステル、マロン酸エステル、スル フィドといったヘテロ原子求核剤によるメソオキサビシクロ アルケンおよびメソアザビシクロアルケンの開環が促進され、 極めて高いエナンチオ選択性が得られます(Scheme 1 ) 。 HN OCH3 H3CO μ = 5.2 nM S O Cl μ = 58 nM Scheme 2 以下に、厳選したきわめて有用なキラルビルディングブロッ クをご紹介します。弊社はキラルビルディングブロックの品 揃えを今後も充実させていく予定です。 References: (1) Lautens, M.; Fagnou, K.; Hiebert, S. Acc. Chem. Res. 2003, 36, 48. (2) For a list of available chiral ligands from Solvias, see: sigma-aldrich.com/solvias (3) (a) Lautens, M.; Rovis, T. Tetrahedron 1999, 55, 8967. (b) Lautens, M.; Fagnou, K.; Zunic, V. Org. Lett. 2002, 4, 3465. (c) Fan, E.; Shi, W.; Lowary, T. J. Org. Chem. 2007, 72, 2917. (d) Madan, S.; Cheng, C. J. Org. Chem. 2006, 71, 8312. (4) Dockendorff, C.; Jin, S.; Olsen, M.; Lautens, M.; Coupal, M.; Hodzic, L.; Spear, N.; Payza, K.; Walpole, C.; Tomaszewski, M. J. Bioorg. Med. Chem. Lett. 2009, 19 1228. Lautens Building Blocks [Rh(COD)Cl]2 (227951 or 683132)/Josiphos (88719) (0.25-1.0 mol % cat.) O Nu nucleophile (4-5 eq.), THF, 80 °C OH OH OH OH OH OH OH OH OH Nu = ROH, RNH2, RSH 80-99%; 90-99%, ee 713945 Scheme 1 ヒドロナフタレン骨格はさまざまな生物活性を示す種々の化 合物に見受けられるため、このキラルビルディングブロック は、創薬分野で非常に有用です 3。天然物、医薬品のほか、臨 床試験段階にあるいくつかの医薬品候補化合物を Figure 1 に 示します。 HCl·HN CH3 OH O H N H N Cl Cl N H N H3C O H OH OH Boc 713880 OH H3C H N 725757 H N 713902 OH Boc 713899 OH Boc 713988 H N H N 713937 OH Boc 713953 Boc 713996 Cl Cl analgesic sertraline H HN O H2N N H3C For more information, visit aldrich.com/lautens OH OH H O dopamine agonist H OH OCH3 OCH3 homochelidonine dihydrexidine s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n Figure 1 Lautens と Tomaszewski のグループはごく最近、この手法を用 い、1 アミノテトラリン骨格を有するアミドとアミンの小さ なライブラリーを構築しています 4。ヒトのオピオイド受容体 についてこのライブラリーをスクリーニングしたところ、パー シャルアゴニズム(EC50 = 2.6 μM、Emax = 18%)によってアゴ ニスト活性とアンタゴニスト活性を示す高親和性の選択的な μ リガンド(IC50 μ = 5 nM、κ = 707 nM、δ = 3,795 nM)が同定 されました。類似のプロファイルをもつ薬物は依存性を誘発 する可能性が低いため、疼痛治療のほか、薬物依存の治療に 特に有効であることがわかっています(パーシャル μ アゴニ ストのブプレノルフィンは鎮痛とヘロイン中毒の治療の双方 に用いられています) 。 テクニカルサポート Tel:03-5796-7330 Fax:03-5796-7335 E-mail: sialjpts@sial.com H N 713961 Boc 5 CBHA 配位子 Ph Ph Ph N OH OH N Ph Ph O Ph (2 mol %) MoO2(acac)2 (2 mol %) O 山本らは、C2 対称のキラルなビスヒドロキサム酸(CBHA, chiral Bishydroxamic acid)を基盤とする新しいタイプの配位子を開発 しました。この二座配位子は、多様な置換基で置換すること ができるペンダントアームが突き出ているため、配位子の効 力をファインチューンすることができます。種々の配位子が 合成され、様々な不斉酸化反応でその反応性が認められてい ます。 R3 R2 R4 O R3 R2 OH TBHP (70% aq.), DCM R1 H3C HO O O Ph H 84%; 97%, ee Ph HO 53%; 97%, ee 7%; 70%, ee Ph Ph Ph N OH OH N Ph Ph O Ph (2 mol %) MoO2(acac)2 (2 mol %, 227749) O H3C Ph Ph (2 mol %) VO(O-i-Pr)3 (1 mol %) 87%; 91%, ee 薬物や天然物を合成するためのビルディングブロックとして、 光学的に純粋なスルホキシドの合成は非常に重要になってい ます。キラルスルホキシドを合成するにはいくつかの方法が ありますが、通常は複数のステップや厳しい条件が必要であ ることに加え、大抵は高いエナンチオ選択性が得られません。 山本らは、新たに開発した CBHA 配位子とモリブデン錯体を スルフィドの不斉酸化に用いてキラルスルホキシドを合成し ています。反応は空気中で行い、わずか 2 mol %の触媒量で 良好な収率が得られます。 Ph N O スルフィドの不斉酸化 OH OH O R4 Scheme 4 Ph N R3 不斉合成 山本らは、さまざまなアリルアルコールのエポキシ化を行う ための CBHA 配位子を開発しました。空気中、0 ∼ –20℃で 2 mol %の BHA 配位子、1 mol %の VO(O-iPr) (404926 )および 3 tert ブチルヒドロペルオキシド(TBHP,458139 )を用いたと ころ、高いエナンチオ選択性と高い収率で目的のエポキシア ルコールが得られました。この方法は、低分子量のエポキシ アルコールにも複雑なエポキシアルコールにも適用できます (Scheme 3 )1。 O R1 O 27%; 96%, ee キラルなエポキシドは、天然物や生物活性物質の合成によく 用いられているビルディングブロックです。光学純度の高い エポキシドは、チタン 酒石酸エステル錯体を用いる Sharpless 不斉エポキシ化やサレン マンガン錯体を用いる Jacobsen エ ポキシ化といった種々の方法で得ることができます。これら のエポキシ化反応の欠点として、触媒の量が多い、反応時間 が長い、触媒の適用範囲が比較的限られている、ことなどが 挙げられます。 O TBHP, DCM, rt. R1 アリルアルコールの不斉エポキシ化 R2 H3 C S O THP, DCM, 0°C S 83%; 68%, ee R3 R2 OH R1 Ph O O HO 84%; 97%, ee Scheme 5 References: (1) Zhang, W.; Basak, A.; Kosugi, Y.; Hoshino, Y.; Yamamoto, H. Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 4389. (2) Barlan, A. U.; Basak, A.; Yamamoto, H. Angew. Chem., Int. Ed. 2006, 45, 5849. (3) Basak, A.; Barlan, A. U.; Yamamoto, H. Tetrahedron: Asymmetry 2006, 17, 508. Scheme 3 CHBA Ligands オレフィンの不斉エポキシ化 Ph Ph オレフィンの不斉エポキシ化は、基本的なキラルビルディン グブロックを得るための重要な反応です。最も効果的な反応 のひとつは、1990 年に Jacobsen らが報告したマンガン サレ ン触媒反応です。しかし、この反応は、低温で行う必要があり、 Z オレフィンに対する選択性がないなどの問題があります。山 本らは、モリブデン錯体を用いることによって自身が開発し た CBHA 配位子の用途をオレフィンの不斉エポキシ化にも拡 げました。この新たな手法は、一置換、二置換および三置換 オレフィンの不斉エポキシ化を行う場合に有用であり、空気 中、温和な条件で実施でき、高い収率と優れた選択性が得ら れます。 O N N OH Ph Ph Ph OH O O N Ph Ph Ph N N OH OH H3C N CH3 700568 Ph 700576 CH3 CH3 CH3 CH3 Ph OH OH CH3 CH3 O CH3 H3C CH3 700584 For more information, visit aldrich.com/cbha バルク供給/スケールアップのご相談は… ファインケミカル事業部 Tel:03-5796-7340 Fax:03-5796-7345 E-mail: safcjp@sial.com Ph N OH O O O OH CH3 N O N Ph Ph Ph H3 C CH3 N Ph N 700541 CH3 O OH O 700533 H3C OH O Ph Ph Ph N OH OH Ph O Ph 700592 6 (+) スパルテイン代替試薬 Table 1 に示す通り、 (+) スパルテイン代替試薬を用いて得ら れたいずれの生成物も、 (-) スパルテインを用いた場合と逆 のエナンチオ選択性を示し、同程度の比較的高いエナンチオ 選択性を示すことがわかりました 2,3。 最近まで、不斉合成の配位子に一般的に使用されているスパ ルテイン 1 は一方のエナンチオマーしか市販されていません でした。O’Brien らは、 (+) スパルテインに近い三次元構造を もつ(+) スパルテイン代替試薬をいくつか設計しました。そ の中で、最も用途が多く、適用範囲が広いのは Figure 2 に示 す N メチル誘導体 690279 であることが明らかになっていま す 2。 H 不斉合成 N H N (+)-sparteine surrogate (+)-sparteine (−)-sparteine N N H H H 3C H N N リチオ化とそれに続く転位や求電子剤でのトラップで特に良 好な結果が得られます(Entry 1 ∼ 4 ) 。 (+) スパルテイン代 用物 690279 は有機リチウム試薬を経由して進行する反応に 利用できるほか、マグネシウム、銅、パラジウムを用いる反 応でも良好な結果を与えます。特に優れた例としては、スパ ルテインを用いた Grignard 反応によるメソ無水物の非対称化 (Entry 5 ) 、銅(II)を用いる BINOL ラセミ体の動的熱力学的分 割(Entry 6 )が挙げられます。 (+) スパルテイン代替試薬 690279 を用いることにより、 (-) スパルテインを用いた場合とは逆の絶対立体配置の生成 物を得ることができます。 Figure 2 References: (1) (a) Hoppe, D.; Hense, T . Angew. Chem., Int. Ed. Engl., 1997, 36, 2282 (b) Beak, P.; Basu, A.; Gallagher, D. J.; Park, Y. S. ;Thayumanavan, S. Acc. Chem. Res., 1996, 29, 552 (c) Clayden, J. Organolithiums: Selectivity for Synthesis, Pergamon, New York, 2002 (d) Gawley, R. E.; Coldham, I. The Chemistry of Organolithium Compounds, in The Chemistry of Functional Groups, ed. Z. Rappoport and I. Marek, Wiley, Chichester, 2004, p. 997 (e) Hoppe D.; Christoph, G. ibid., p. 1077. (2) (a) O'Brien, P. Chem. Commun. 2008, 655 (b) Dearden, M. J.; McGrath, M. J.; O'Brien, P. J. Org. Chem. 2004, 69, 5789. (3) Dixon, A. J.; McGrath, M. J.; O'Brien, P. Org. Synth. 2006, 83, 141. この化合物は、Laburnum anagyroides cytisus の種子を出発原料 として、N 保護、ピリドンのジアスレテオ選択的水素化およ び水素化アルミニウムリチウム還元を行う単純な三段階合成 によって得られています(Scheme 6 )3。 N DCM, 0°C to rt., 4h 1. H2, PtO2 MeOH, rt., 5h O CH3CO2Cl, Et3N HN H3CO N O (−)-cytisine (712264) H3C 2. LiAlH4 THF, reflux, 16h N O H N N (+)-sparteine surrogate (+)-Sparteine Surrogate & (-)-Cytisine Scheme 6 H3C N H HN N N O 690279 712264 For more information, visit aldrich.com/sparteine Entry Substrate Product 1 Ph O N(i-Pr2) O 3 H 3C 4 84 er ((+)-sparteine surrogate) 95:5 er ((–)sparteine) 5:95 84 96:4 1:99 78 96:4 12:88 70 81:19 17:83 78 89:11 9:91 86 99:1 4:96 SiMe3 N Boc N Boc 2 Yield (%) Ph O BH3 P CH 3 t-Bu O H3C N(i-Pr2) O Bu3Sn BH3 OH P Ph t-Bu Ph OH H H 5 O CO2H s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n O COPh O 6 OH OH OH OH Table 1 テクニカルサポート Tel:03-5796-7330 Fax:03-5796-7335 E-mail: sialjpts@sial.com マイクロリアクター エクスプローラー キット 新発売! 製品番号 19979-1KT Sigma-Aldrich が自社の製造用に自ら開発したマイクロリアクターです g ∼ Kg量/日の生産に最適 試薬接触部分は非金属 温度・圧力の自動制御 ドラフトに収まる小型システム トレーニング不要のシンプル設計 • リアクター:ガラス製 • ポンプ:ロータリーピストンポンプ、セラミックス製ポンプヘッド • 流量:0.2 ∼ 15mL/min/pump (max 90mL) • 最大内圧:6.5 bar 温度: 70 ∼ 150℃ ※資料請求、ご不明の点はテクニカルサポートへお気軽にお問合せください! テクニカルサポート E メール:sialjpts@sial.com TEL:03-5796-7330 ■在庫照会・ご注文方法に関するお問い合わせは、弊社カスタマーサービスへ TEL : 03-5796-7320 FAX : 03-5796-7325 E-mail : sialjpcs@sial.com 〒140-0002 東京都品川区東品川2-2-24 天王洲セントラルタワー4階 8 触媒反応 迅速に反応を開始する 低温メタセシス反応に有用な Ru 触媒 Dr. Josephine Nakhla Product Manager josephine.nakhla@sial.com 空気に安定なアミノ化反応 のための触媒 触媒反応 通常、C-N 結合を形成するクロスカッ プリングには Pd 源とその配位子が必要 です。大多数の Pd(0 )源は空気に不安 定である一方で、一般に用いられている空気に安定な Pd(0 ) 源である Pd(dba) 2 3 には反応を阻害するおそれのある配位子 が含まれています。安定な Pd(II)前駆体は反応条件下で還元 する必要があります。また、いずれの場合も配位子の添加が 必要です。最近 Buchwald らは、空気や湿気に安定な高活性の 触媒前駆体を用いた反応を報告しました。この触媒前駆体は、 標準的な反応条件下で一配位型の活性な Pd 種を直接的に形成 し、電子不足のアニリンと活性化されていない塩化アリール とのカップリングといった難しい組み合わせでも、きわめて 高い効率を発現します(Scheme 1) 。さらに、使用量が少ない、 反応時間が短いといった利点もあります 1。 従来の Grubbs 触媒系は、ふたつの中性配位子をもつ 5 配位の ルテニウム錯体です。ふたつの配位子のひとつは、HoveydaGrubbs 触媒の場合はスチレニルエーテルであり、その他はホ スフィンが用いられています。触媒の活性化には配位子の解 離が必要ですが、低温では解離速度が遅いため、従来の Grubbs 触媒は低温で反応性が低下します。Piers のグループは あらかじめ 4 配位にしたカチオン性錯体を開発しました。こ の錯体は反応前の解離を必要としないため、低温で効率的な メタセシスを行うことができます。ジアリルマロン酸ジエチ ルから対応するシクロペンテン誘導体を与える環化反応を 0℃ で行う反応において、Piers 触媒と Grubbs 触媒の比較試験を実 施しました(Scheme 2 ) 。この温度で Grubbs 触媒(第二世代) を用いた場合は反応の開始が遅く、4 時間後の反応の完了率 がわずか 25%であったのに対して、カチオン性錯体を用いた 場合は 2 時間後の反応の完了率が 90%超でした。0℃でカチ オン性触媒を用いた場合の反応の初速度は、35℃で Grubbs 触 媒(第二世代)を用いた場合の初速度に匹敵することがわかり ました。その後、Piers らは –50℃で NMR を測定し、オレフィ ンメタセシス反応の中間体を観察しました。これはルテナシ クロブタン中間体を直接観察した初めての例となり、これに よって対称的な中間体を形成していることが裏づけられまし た。さらに、Ru(IV)種の含窒素ヘテロ環カルベン配位子によ る安定化作用も示されました 1。 NH2 Pd Cl i-Pr N PCy2 Cl i-Pr O i-Pr NH2 EtO2C Cl 704954 1 mol % K2CO3, t-BuOH, 1h, 110 °C + R EWG H N H N OCH3 OCH3 NC 86% 99% O2N OCH3 N Cl Ru EtO H N PCy3 BF4 (1 mol %) O O OEt R >90% conversion i-Pr H N n-Bu 25% completion with Grubbs Catalyst (2nd Generation) H N i-Pr 90% (with 707589) 97% CHO Reference: (1) Biscoe, M. R. et al. J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 6686. Scheme 2: Fast initiating ruthenium catalysts for low-temperature metathesis. The Piers-Grubbs Catalysts PCy3 Cl N Ru Buchwald Precatalysts Cl i-Pr PCy2 NH2 Pd Cl NH2 Pd Cl NH2 Pd Cl Oi-Pr PCy2 PCy3 i-Pr i-Pr P t-Bu2 Cl PCy3 BF4 707988 Piers-Grubbs 2nd Generation Catalyst i-Pr i-Pr 704954 (from XPhos) OCH3 704946 (from SPhos) Oi-Pr 707589 (from RuPhos) i-Pr 708739 (from t-BuXphos) For more information on these and related ligands and catalysts, visit aldrich.com/buchwald s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n 707961 Piers-Grubbs 1st Generation Catalyst N Cl Ru BF4 OCH3 PCy2 OEt CD2Cl2, 0 °C, 2h EWG Scheme 1: The use of 704954 in N-arylations of electron-poor amines with electron-rich aryl chlorides. NH2 Pd Cl O EtO US Patent No. 7,365,140 (and associated foreign equivalents) owned by UTI Limited Partnership and licensed to Materia, Inc. apply. Sale of this product conveys to the buyer a limited-use research license. For full details of this license please see sigma-aldrich.com/materialicense. For questions please contact us at aldrich@sial.com or Materia at info@materia-inc.com. For more information on our olefin metathesis portfolio, visit aldrich.com/metathesiscatalysts テクニカルサポート Tel:03-5796-7330 Fax:03-5796-7335 E-mail: sialjpts@sial.com 9 閉環アルキンメタセシス(RCAM) Molybdenum Metathesis Catalysts Ph3SiO Ph3SiO H3C i-Pr t-Bu N H3C H3C O Mo OSiPh 3 N H3C t-Bu N Mo O i-Pr CH3 CH3 N Ph3SiO Ph3SiO 719684 Mo OSiPh 3 N 73022 For more information on our olefin metathesis portfolio, visit aldrich.com/metathesiscatalysts (20 mol %) O O O N O O 54% 87% Scheme 3: Air-Stable molybdenum catalyst for alkyne metathesis The Grubbs Catalysts PCy3 Cl Ru Cl Ph PCy3 N N N N Cl Ru Cl N Ph PCy3 PCy3 Cl Cl Ru Ru Cl Br Cl Ph N O Br 579726 Grubbs 1st Generation Catalyst N 569747 Grubbs 2nd Generation Catalyst PCy3 Cl N Cl 577944 Hoveyda-Grubbs 1 Generation Catalyst st N Cl PCy3 Cl Ru Cl PCy3 Cl PCy3 Ru Cl O BF4 BF4 569755 Hoveyda-Grubbs 2nd Generation Catalyst N N Ru Ru Cl 682330 Grubbs 3rd Generation Catalyst N Cl 707961 Piers-Grubbs 1st Generation Catalyst N N Cl Cl Cl PCy3 682365 707988 Piers-Grubbs 2nd Generation Catalyst N Ru Ru 682381 578681 N N Cl N Cl Ru Ru Cl N PCy3 Cl Ph PCy3 O 682284 682373 For more information on our olefin metathesis portfolio, visit aldrich.com/metathesiscatalysts One or more of the following US Patent No.: 6,111,121; 7,329,758; 5,969,170: 6,759,537; 6,921,735; 7,365,140 (and associated foreign equivalents of the foregoing) apply. US Patent Application No. 11/094,102 (and associated foreign equivalents of the foregoing) apply for 682381. Sale of these products conveys to the buyer a limited-use research license. For full details of this license please see sigma-aldrich.com/materialicense. For questions, please contact us at aldrich@sial.com or Materia at info@materia-inc.com. バルク供給/スケールアップのご相談は… ファインケミカル事業部 Tel:03-5796-7340 Fax:03-5796-7345 E-mail: safcjp@sial.com 触媒反応 Schrock らによって構造の明確なメタルアルキリジンが発見さ れて以来、アルキンメタセシスは C–C 結合形成の有用なツー ルになっており 2、複雑な天然物の合成や材料科学に利用され ています 3。しかし、この触媒は、空気や水分に不安定である ほか、供与性の部位をもつ基質には利用できないという制約 があります。最近、Fürstner らはアルキンメタセシス向けの空 気に安定なモリブデン触媒を開発しました。この触媒は汎用 性が高く供与性基を有する基質にも適用できます 4。Fürstner らはこの触媒を用いた種々のアルキンの閉環クロスメタセシ ス(RCAM)も検討しており、高収率でさまざまなマクロ環を 得ています(Scheme 3 ) 。 References: (1) (a) Romero, P. E. et al. Angew. Chem. Int. Ed. 2004, 43, 6161. (b) Romero, P. E.; Piers, W. E. J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 5032. (2) Schrock, R. R. Chem. Rev. 2002, 102, 145. (3) (a) Fürstner, A. et al. Chem. Commun. 2005, 2307. (b) Schrock, R. R. et al. Adv. Synth. Catal. 2007, 349, 55. (4) Bindl, M. et al. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 9468. 10 ケミカルバイオロジー Oxyma COMU O H3C H3C ケミカルバイオロジー アミド結合を形成する方法については多数の報告があります。 現在最も成功しているアプローチは、ウロニウム塩/グアニ ジニウム塩を用いて活性エステルを生成させる方法です。ウ ロニウム塩/グアニジニウム塩の中で最もよく知られている のは、アザベンゾトリアゾール誘導体やベンゾトリアゾール 誘導体を基本とする HOBt や HOAt などのペプチド合成試薬で す。また、これらはカルボジイミドを用いるペプチドカップ リングでも添加剤としてよく利用されています(Scheme 1 ) 。 HOBt N HBTU (TBTU) CH3 N N N+ O- - - PF6 (BF4 ) Scheme 1: A zobenzotriazole and benzotriazole based coupling reagents and additives. s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n HBTU、TBTU および HATU は、HOBt や HOAt から派生した最も 一般的かつ非常に優れたペプチドカップリング試薬です。ス ペインの Fernando Albericio とエジプトの Ayman El-Faham のグ ループの最近の知見では、このカップリング試薬のイミニウ ム部位に水素結合受容体を組み込むと性能が大幅に改善する ことが明らかになりました。また、ひとつのジメチルアミノ 基を極性の高いモルホリノ基で置換すると、試薬の安定性、 溶解性および反応性が向上することがわかりました 1。 安全性の理由からも既存のカップリング試薬の改良が強く求 められています。一般に、HOBt 誘導体は爆発の危険があると 考えられており、最近の輸送分類の変更によって、経済的な 輸送や保管はますます困難になってきています。現在、市販 可能な HOBt は水和物のみです。ベンゾトリアゾールの効果的 な代替試薬を探るなかで、 Albericio と El-Faham のグループは (ヒ ドロキシイミノ)シアノ酢酸エチル(Oxyma)が HOBt や HOAt の優れた代替試薬になることを示しました(Scheme 2 )2。 N+ N CH3 O 712191 以上の知見、すなわちペプチドカップリング試薬のモルホリ ノ基が有利に作用し、 (ヒドロキシイミノ)シアノ酢酸エチル (Oxyma)が脱離基としてベンゾトリアゾール部位の代替にな るということを踏まえて、Albericio と El-Faham のグループは、 さらに安全で効率的なカップリング試薬である COMU (712191 )を開発しました 3。 ベンゾトリアゾールを基本骨格とする HBTU、HATU などのペ プチドカップリング試薬は、反応性の高いウロニウム型(別名 O 型)よりも反応性の低いグアニジニウム型(別名 N 型)が優 先的に存在します 4。 (Scheme 3 ) CH3 CH3 H3C N + N CH3 N N PF6+ N N O- N N OH CH3 CH3 H3C N + N CH3 N N N+ PF N 6 O- H3C HOBt や HOAt と直接比較したところ、Oxyma はカルボジイミ ドを用いるアミド結合形成の添加剤として優れたラセミ化抑 制作用を示しました。固相および液相ペプチドカップリング において、カップリング効率が HOBt よりも高く、HOAt と同 等以上であるのは特筆すべき点です 2。また、DSC 試験や ARC 試験では発熱のリスクが低いという結果が得られています。 HATU CH3 CH3 H3C N + N OH PF6O Scheme 2 N N N OH O 233412 HOAt N CN N matthias.junkers@sial.com タンパク質とペプチドはあらゆる生体 に存在します。科学研究や創薬に利用 されるペプチド構造の化学合成は効率的なカップリング試薬 に大きく依存しています。特に固相ペプチド合成においては、 反応時間が短く定量的な結果を与える試薬でなければ巨大な ペプチドを経済的に合成することはできません。さらに、ラ セミ化を起こす傾向が低いということも重要な要件です。 N O Dr. Matthias Junkers Product Manager COMU ― 安全でより効率 的なペプチドカップリング 試薬 CN O PF6N N N N O H3C CH3 N CH3 + N CH3 Scheme 3: Guanidinium and uronium form of HATU (also called N- and O-form) ところが、COMU は反応性の高いウロニウム構造以外はとり ません。比較試験によると、COMU には現在の代表的なペプ チドカップリング試薬である HATU と同等の性能があることが 明らかになりました 3。この顕著な例が、ペンタペプチドであ るロイシンエンケファリンの Aib アナログ H-Tyr-Aib-Aib-PheLeu-NH2 のきわめて困難な合成であり、COMU が優れたカップ リング試薬であることが示されています。COMU を用いると、 定量的に目的のペプチドが得られ、配列の欠失した化合物の 生成量がごくわずかであり、HBTU、HATU をはじめとするカッ プリング試薬で得られた結果をはるかに上回っています (Table 1 ) 。 Reagent HBTU Pentapeptide yield 47.0% Des-Aib deletion sequence 53.0% HATU HOTU COMU 83.0% 99.0% 99.7% 17.0% 1.0% 0.26% Table 1: Coupling efficiency of different coupling reagents テクニカルサポート Tel:03-5796-7330 Fax:03-5796-7335 E-mail: sialjpts@sial.com 11 Albericio と El-Faham は最近の研究で、COMU がマイクロ波を利 用するペプチド合成にも十分に適用可能であることを示して います。同様に、ロイシンエンケファリン ペンタペプチドの Aib アナログを合成するモデル実験において、HATU、HBTU の ような他のカップリング試薬と COMU とを直接比較したとこ ろ、COMU の優位性が顕著に示されました 5。 HATU と同等以上の性能 非爆発性(ベンゾトリアゾール部位を含まない) 液相ペプチド合成にも、固相ペプチド合成にも同等の適用性 マイクロ波を利用する固相ペプチド合成に利用可能 立体配置を最大限に保持−ラセミ化はわずかに観察される か、全く観察されない 一般的な溶媒に対する高い溶解性と安定性 目視または比色測定による反応の追跡が可能 水溶性の副生成物の除去が容易 References: (1) El-Faham, A.; Albericio, F. J. Org. Chem. 2008, 73, 2731. (2) Oxyma: An Efficient Additive for Peptide Synthesis to Replace the Benzotriazole-Based HOBt and HOAt with a Lower Risk of Explosion; Subirós-Funosas, R.; Prohens, R.; Barbas, R. El-Faham, A. Albericio, F. Chem. Eur. J. 2009, 15, 9394. (3) COMU: A Safer and More Effective Replacement for Benzotriazole-Based Uronium Coupling Reagents; El-Faham, A. Subirós-Funosas, R. Prohens, R. Albericio, F. Chem. Eur. J. 2009, 15, 9404. (4) Carpino, L.A. et al. Angew. Chem., Int. Ed. 2002, 41, 441. (5) Microwave irradiation and COMU: a potent combination for solid-phase peptide synthesis; Subiros-Funosas, R.; Acosta, G.; El-Faham, A.; Albericio, F. Tet. Lett. 2009, 50, 6200. (6) El-Faham, A.; Albericio, F. J. Pept. Sci. 2010, 16, 6. Peptide Coupling O NC O COMU with TMP as base (left) and after 1 h with the reaction completed (right). COMU は、HBTU、TBTU、PyBOP、HATU といった一般的なカッ プリング試薬とほぼ同じプロトコールを利用することができ ますが、液相または固相ペプチド合成で用いるための独自の プロトコールもいくつか報告されています 6。ラセミ化が最も 大きな問題となる状況では、通常のプロトコールを変更する 必要も生じます。すなわち、COMU のモルホリノ基はカップ リング反応で内部塩基として作用するため、塩基の添加量を 2 当量から 1 当量に減らすことができると考えられます。さら に、一般的に用いられている DIEA(ジイソプロピルエチルアミ ン)の代わりに塩基性の低い TMP(2,2,6,6 テトラメチルピペリ ジン)を用いることができます。 CH3 O CH3 PF 6 N+ CH3 N Figure 1: Coupling reaction 2 minutes after the addition of O N O HO 712191 N N N O 233412 O N+ CH3 BF4– H3C O N N CH3 N N CH3 PF6 N O N CH3 CH3 445460 O H3C N N+ CH3 N CH3 PF6 N CH3 H3C 12804 N CH3 CH3 CH3 02576 PF6– N N N OH • xH2O 711489 CH3 CH3 115754 For more informaton please visit aldrich.com/comu バルク供給/スケールアップのご相談は… ファインケミカル事業部 Tel:03-5796-7340 Fax:03-5796-7345 N N N O CH3 N 12806 N H O CH3 CN CN CH3 N CH3 H3C H3C N E-mail: safcjp@sial.com N N N OH 41996 ケミカルバイオロジー COMU は、ペプチドカップリング試薬に最適な特性を備えて います。高活性かつ高効率であることに加え、ラセミ化を起 こす傾向がきわめて低いか、またはまったくその傾向が認め られないこともあります。また、HOBt や HATU を用いる時よ りもフラグメントカップリング時のエピマー化が低減する傾 向があります。COMU は、DMF や NMP といった最も一般的な ペプチドカップリング溶媒にきわめて溶けやすく、非常に安 定しているため、固相ペプチド合成に最適です。COMU によっ て生成する副生成物は水溶性であり、簡単な抽出で取り除く ことができるため、液相合成にも適しています。また、反応 時に色調が変化するため、目視や比色測定によって反応を追 跡することができます (Figure 1) 。DSC および ARC のデータは、 COMU を用いると発熱のリスクが大幅に減少することを示し ています。 COMU の利点 12 有機金属試薬 選択的メタル化、脱プロトン化および 1,2 付加反応のための新規有機金属試薬 Dr. Josephine Nakhla Product Manager josephine.nakhla@sial.com 有機金属試薬 鈴木−宮浦クロスカップリ ングに有用なボロン酸 MIDA エステル 最近、Burke らは、新たに開発されたボ ロン酸 MIDA エステルと呼ばれるボロ ン酸代替試薬を用いる鈴木−宮浦クロスカップリング反応に より、レチナールを合成しました(Scheme 1 ) 。このかご型の ボロン酸誘導体は、これまで困難であった種々のカップリン グのほか、複雑な分子を合成するための反復鈴木カップリン グに有用です。ボロン酸 MIDA エステルの利点として、空気や 湿気に安定である、無水のクロスカップリング条件下で安定 である、一般的な試薬または強力な試薬の存在下で使用でき る、種々の有機溶媒に可溶である、シリカゲルに対して安定 である、ボロン酸を徐々に遊離させる必要のあるクロスカッ プリングに利用できることが挙げられます。 ハロゲン 金属交換反応は最も一般的な有機金属試薬調製法 ですが、Li ハロゲン交換反応は通常低温で行う必要があり、 他の官能基との適合性が限られています。一方、Mg ハロゲ ン交換反応は Li よりも高温で実施できますが、得られる試薬 は反応性が低いために HX の脱離(オレフィンの生成)を起こ しやすくなります。Knochel らは、塩添加物を用いると Mg ハ ロゲン交換反応の速度と効率がともに向上することを発見し ました。最も効果的だったのは、R-MgCl(R = i-Pr、s-Bu)と 1.0 当量の LiCl を用いた場合であり、これを Turbo Grignard 試薬と 名付けています。この反応性の向上は、通常の Grignard 試薬 に存在することが知られているポリメリックな会合体が解離 し、i-PrMgCl2 − Li +のマグネシウムが負の電荷を帯びているこ とに起因すると考えられます。Turbo Grignard 試薬は、官能基 化された極めて反応性の高い種々の基質(CO2R、CN、OMe、 ハロゲンといった官能基をもつ基質など)を、対応する有機 金属試薬(アリールマグネシウム誘導体、ヘテロアリールマグ ネシウム誘導体)に変換することができます。Turbo Grignard 試薬を用いると反応速度の向上が認められますが、反応性の 向上が反応全体に悪影響を及ぼすことがないため、様々な官 能基存在下で変換を行うことができます(Table 1 )1。 Br FG H3C N BB1 H3C B O O 703478 Br CH3 CH3 B(OH)2 O O Pd(OAc)2, SPhos, K3PO4 toluene 23 °C, 78% CH3 1. aq. NaOH, THF, 23 °C H3C CH3 H CH3 O O B O O Entry i-PrO FG Electrophile FG MgCl•LiCl O PhCHO MgCl•LiCl Isolated Yield Product O Ph Br 80a Allyl Allyl bromide 2 O O E E O Br CH3 H CH3 Reagent 1 CH3 2. Br N CH3 CH3 MgCl • LiCl or heteroaryl halide FG = CO2R', CN, OCH3, halogen H3C H3C i-PrMgCl •LiCl 656984 (TurboGrignard) THF, -15 °C to 25 °C 93b N N OH CH3 all-trans-retinal Pd(OAc)2, SPhos, K3PO4, THF 23 °C, 66% MgCl•LiCl N 3 N Ph PhCHO S S 87 a The Scheme 1: Iterative Suzuki cross-coupling reaction in the synthesis of all-trans-retinal halogen-metal exchange was conducted in THF/DMPU. b Grignard was transmetalated with CuCN•2LiCl before addition of E. Table 1: Aryl/Heteroaryl Grignards prepared using i-PrMgCl•LiCl and reaction with electrophiles Discover MIDA Boronates H3C H3C H3C N B O O O O 697311 707252 B O O O O 698709 H2C O O O O O O O 704415 Cl O H3C N B O O B H3C N B O O 708828 H3C N O O S 700231 H3C N B O O CH2 HC B O O H2C H3C H3C N N N O O N 700908 B O O O O N 699179 s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n Reference: (1) Lee, S. J. et al. J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 466. For more information on MIDA boronates and a complete product listing visit aldrich.com/mida. テクニカルサポート Tel:03-5796-7330 Fax:03-5796-7335 E-mail: sialjpts@sial.com 13 Turbo Grignard 試薬の利点 TMPMgCl •LiCl DG 官能基に対する適合性が向上 703540 H (Knochel-Hauser-Base) FG 温和な反応条件 or heteroarene FG = CO2R, CN, COR DG = directing group, e.g. OBoc, CO2R, etc. 操作しやすい反応温度 副反応を抑制 Entry 官能基化されたヘテロアリール有機金属の調製 FG TMPMgCl •LiCl = 25, 24 DMF MgCl 25, 24 DMF MgCl 0, 0.1 PhCHO N CH3 H3C MgCl • LiCl N 5 MgCl • LiCl 656984 Br 85 CHO O CHO 81 CHO 90 S S OH N Ph 94 N 0, 0.1 MgCl S 703486 Isolated Yield I2 I 98 S aLiCl and TMPH are complexed to the Grignard reagent. bDeprotonation reaction conditions For more information on these new reagents, visit aldrich.com/metalations Table 2: Heteroaryl Grignards prepared using TMPMgCl•LiCl and reaction Knochel-Hauser-Base を用いる 選択的脱プロトン化反応 Knochel-Hauser-Base の利点 with electrophiles 官能基適用性が高い 芳香族化合物の脱プロトン化と官能基化は合成の鍵となる変 換反応です。しかし、アルキルリチウムやリチウムアミドと いった一般的な有機強塩基は競争的な付加反応(Chichibabin 反応)を起こします。さらに、多くのアミドは溶液中での安定 性が低いため、系中で発生させる必要があります。また、こ のような塩基は低温で用いる必要があるため、実験操作がや や不便です。Knochel らは、2,2,6,6 テトラメチルピペリジニル マグネシウムクロリド・リチウムクロリド(TMPMgCl•LiCl) (Knochel-Hauser-Base)を用いたアレーンおよびヘテロアレーン の位置選択的な脱プロトン化を報告しました。脱プロトン化 に続いてさらに求電子剤を添加すると、位置選択的に官能基 化されたアレーンまたはヘテロアレーンがきわめて高い収率 で得られます 3。TMPMgCl•LiCl は反応の利用範囲を拡大させ、 様々な官能基に適用でき、望ましくない副反応を抑制します (Table 2) 。Knochel らは、 TMPMgCl•LiCl 存在下ではオリゴメリッ クな会合体が解離すると考えています。 LiCl がもたらす高い反応速度 アレーン/ヘテロアレーンの位置選択的なメタル化 Chichibabin 反応の抑制 塩基性の増大 THF に可溶 Reference: (3) (a) Krasovskiy, A.; Krasovskaya, V.; Knochel, P. Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 2958. (b) P. Knochel, EP 04008081.4 Knochel-Hauser-Base H3 C H3 C CH3 N CH3 MgCl• LiCl 703540 For more information on these new reagents, visit aldrich.com/metalations バルク供給/スケールアップのご相談は… ファインケミカル事業部 Tel:03-5796-7340 Fax:03-5796-7345 E-mail: safcjp@sial.com 有機金属試薬 MgCl S 4 CH3 N CH3 MgCl• LiCl DMF N S 3 H3C H3C Product MgCl O 2 FG Br -25, 0.5 1 N E E Br 大量合成が可能 Turbo Grignards DG MgCl•LiCl Grignard Reagenta T [°C], t [h]b Electrophile Br Reference: (2) (a) Krasovskiy, A.; Knochel, P. Angew. Chem., Int. Ed. 2004, 43, 3333. (b) Knochel, P EP 1582 524 A1. DG 14 LaCl3・2LiCl を利用する選択的 1,2 付加反応 LaCl3•2LiCl の利点 有機金属試薬 ランタニド塩は、ケトンへの求核付加反応において競争的な 還元やエノール化を抑制することが知られています。しかし、 ランタニド錯体は、溶解性が低いことと乾燥条件下での取り 扱いの不便さが原因となって、利用範囲が限られていました。 Knochel らは、有機金属試薬の中には LiCl を添加すると反応性 が向上することがあるという知見を元に LaCl3•2LiCl を調製した ところ、これが THF に溶解することを見出しました。酸素親 和性の LaCl3•2LiCl 存在下では、立体的に混み合ったケトン、エ ノール化しやすいケトン、立体的に混み合いかつエノール化 しやすいケトン、Michael 受容体に加え、活性化されていない イミンも 1,2 付加が見事に進行して目的物が得られ、反応の 適用範囲が大幅に拡大されます(Table 3 )4。 O R1MgCl + R2 Entry Grignard Reagent R2 R1 O OH MgCl •LiCl 2 O Ph EtO2C Ph OH Bn Bn EtO2C 3-5 72 92 39 11 92 Br MgCl•LiCl 3 N Ph N O Br 取り扱いが容易 均一系の反応混合物 簡便な反応条件 Reference: (4) Krasovskiy, A.; Kopp, F.; Knochel, P. Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 497. (5) Metzger, A.; Gavryushin, A.; Knochel, P. Syn Lett 2009, 1433. Lanthanum(III) chloride bis(lithium chloride) complex solution LaCl3•2LiCl R3 Yield (%) with with no additivesa CeCl b LaCl3•2LiClc 3 Product i-Pr Ketone i-PrMgCl 1 前処理が不要 OMgCl 0 °C, 10 min-6h LaCl3 • 2LiCl 703559 R3 水分含量が少ない __ 35 703559 For more information on these new reagents, visit aldrich.com/metalations Sold in collaboration with 81 Ph OH aIsolated yield of product based on reaction between ketone and Grignard reagent yield of product in the presence of 1.5 eq CeCl 3 (Dimitrov Method) c Isolated yield of product in the presence of 1.0 eq LaCl • 2LiCl 3 bIsolated Table 3: LaCl3•2LiCl mediated addition to ketones このランタニド塩 LiCl 錯体の最初の研究に続いて、活性化さ れていないイミン誘導体への i-PrMgCl•2LiCl の付加を検討し、 ランタニド塩が当量以下で十分に目的の 1,2 付加を促進させ ることを報告しました(Scheme 2 ) 。このプロトコールはアル キル、アリールおよびヘテロアリール Grignard 試薬に適用す ることができます 5。 OMe + i-PrMgCl •LiCl N LaCl3•LiCl (10 mol %) THF, rt, 12h OMe HN Ph Ph Aldrich® Spectral Viewer ™ 84% i-Pr Scheme 2: 1,2-Addition of organomagnesium reagents in the presence of catalytic LaCl3•2LiCl Aldrich Spectral Viewerは、Aldrich製品の電子版スペクトルデータ集です。 FT-Raman, IR, NMRの各ライブラリーから構成され、シリーズ全体で58,000 以上のスペクトルが構造式・物性値と共に収録されています。 検索機能 化学名、CAS 番号、Aldrich 製品番号、分子式による検索で目的物質のスペクトルが簡単に検 索できます。さらに、化学構造のカテゴリ別、融点・沸点、分子量などの物性値で絞り込み 検索が可能です。 スペクトル操作 スペクトルのズームや NMR の積分曲線の作成・調整が可能です。 データのエクスポートと出力 Bitmap、Metafile、JPEG へのデータエクスポートと、スペクトルの印刷が可能です。 s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n 表示される項目 化学名、CAS 番号、Aldrich 製品番号、 分子式、分子量、その他物性値 構造式 ピーク位置/ピークテーブル 測定溶媒(NMR) 透過率%/吸光度(IR) 各スペクトルの 切り替えが簡単です。 デモ版無料配布中! 詳細は、www.sigmaaldrich.com/japan/labware.html からご覧ください。 テクニカルサポート Tel:03-5796-7330 Fax:03-5796-7335 E-mail: sialjpts@sial.com 15 ビルディング ブロック MeO2C MeO2C NH Ph CO2Me CO2Me N toluene, rt, 3h Ph Dr. Mark Redlich Product Manager NH mark.redlich@sial.com MeO2C R2 R1 R1 CO2Me CO2Me CO2Me N DMSO, rt, 3h H 無保護のアミノアルデヒド OH H O N N R Unprotected Amino Aldehydes H O N H O N H H O N H S H 695521 695556 H O N TBDMSO H 695513 707686 To browse these and other aziridines from Sigma-Aldrich, visit aldrich.com/aziridines H O N H R Scheme 3 R (eq 1) Halogenated Pyridines 保護されたアミノアルデヒドの還元的アミノ化はエピマー化 や過剰なアルキル化を起こすため大きな制約があるのに対し て、Yudin らが開発したアミノアルデヒド二量体は反応時の遊 離アルデヒドの濃度がきわめて低いため、このような制約が ありません。このため、高度な立体制御を行いながら複雑な 多環式骨格 2 やペプチドミミックのコンジュゲート 3 を構築す るするための反応を問題なく利用することができます。求核 付加反応 4、Wittig 反応および類似するオレフィン化反応で高 い選択性と収率が得られます。 さらに最近では、Yudin のグループはドミノアザ Michael /ア ルドール反応の求電子剤にアミノアルデヒドを用いたことを 報告しました。この反応ではアミノヒドロキシ α, β 不飽和ア ルデヒドが高収率で得られています(Scheme 1 )5。この変換 によれば、一般的な Baylis–Hillman 反応とは異なるオレフィン の置換パターンの生成物が得られます。 O H O N R1 H H + H OH N 20 mol % pyrrolidine 20 mol % benzoic acid F H2N N 707341 O H Cl Cl N Cl 716030 O Cl さらに、 Yudin アミノアルデヒドは Wittig 反応で簡単にオレフィ ン化することもでき、高い収率またはきわめて高い収率を与 えます(Scheme 2 ) 。このビニルアジリジンは、開環によるア ゼピンの構築、カスケード開環/閉環経路によるヘテロ二環 式化合物の構築に利用することができます(Scheme 3 )6。 N 707333 O H R3 Ph3P N O Cl O N Cl OH Cl 710830 711365 OH CF3 O CO2Et TFE, rt R2 R1 H O N R3 H PPh3 Br t-BuOK, THF, 3 h R2 R1 NH 65 - 88% OH N Cl 709646 Cl 706299 N Cl NH2 N F 707376 NH2 714623 Br H 3C Br N 715727 O R3 63 - 98% OCH3 692816 704474 Cl OEt N H Scheme 1 NH NH2 R2 80 - 90% dr >20:1 R2 R1 N I I N H I NH2 N F 714593 O R1 MeCN, rt R2 ピリジンは依然として、さまざまな分野の合成化学者にきわ めて需要の高いビルディングブロックです。ピリジン骨格は 触媒反応、ドラッグデザイン、分子認識、天然物合成に用い られるさまざまな合成ターゲットに見受けられます。特に、 ハロゲン化ピリジンは、種々のクロスカップリング法におい て有用なビルディングブロックであり、Sigma-Aldrich では、以 下の試薬を取り扱っています。 Br Br Br N 714674 R3 For more Halogenated Pyridines, visit aldrich.com/hal-pyr Scheme 2 バルク供給/スケールアップのご相談は… ファインケミカル事業部 Tel:03-5796-7340 Fax:03-5796-7345 E-mail: safcjp@sial.com ビルディング ブロック 最近、Andrei Yudin 教授らは実験室レベ ルで安定な未保護の α アミノアルデ ヒドの調製を報告しています 1。この動 力学的に両性な分子は二量体であり (eq 1 ) 、アジリジン環のひずみによって分子間または分子内 のイミニウムイオン形成が起こりません。さらに、アジリジ ンとアルデヒドは反応性が異なるため、アルデヒドを保護せ ずに反応を行うことができます。 R2 16 New Amines New Aldehydes and Acetals O H NH2 H2N O H3C NH2 701343 H3 C N H OH N H O 700940 715662 O ビルディング ブロック N Boc 706582 Br 688819 OH O NH2 NH2 N 714577 NH2 684090 NH2 NH2 CH3 CH3 CH3 O H3C N H S S O 703281 709344 OCH3 N CH3 710229 N CN S OCH3 H3CO 710156 OCH3 OCH3 OCH3 OCH3 CH3 710849 H2 N H3C 709727 OCH3 NH2 708356 H3C H3C H3C 710814 OH • HCl NH2 Si(CH3)3 Br 711357 OH OH H N NH2 N H HO N H Cl O O 710113 OCH3 OCH3 710202 References: (1) Hili, R.; Yudin, A. K. J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 14772. (2) Yudin, A. K.; Hili, R. Chem.—Eur. J. 2007, 13, 6538. (3) Li, X.; Yudin, A. K. J. Am. Chem. Soc. 2007, 129, 14152. (4) Hili, R.; Yudin, A. K. Angew. Chem. Int. Ed. 2008, 47, 4188. (5)Hili, R.; Yudin, A. K. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 16404. (6) Baktharaman, S. et al. Org. Lett. 2010,12, 240. 713732 683078 For a comprehensive list of Building Blocks, visit Chem Product Central at aldrich.com/chemprod N NH2 718335 For a comprehensive list of Building Blocks, visit Chem Product Central at aldrich.com/chemprod DiscoveryCPR 必要な試薬を必要な量だけお届けします! 創薬化学・有機合成用試薬管理の新しいスタンダード 柔軟性 | 効率性 | 利便性 • Aldrich、SALOR、Fluka、Sigma 製品はもちろん、他社製品も含めて、ご 希望の試薬をセット化して供給します • 1mg ∼ 25g までご希望の容量を指定できます (mol 単位でも対応可能) • 廃棄物を低減し、過剰在庫や在庫管理の必要がありません • ご希望のバイアルタイプ、ラベル / バーコード添付、包装形態が選べます s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n • 製品番号、MFCD 番号、CAS 番号、または構造式(SD ファイル)などの 物質を特定できる情報をご用意ください DiscoveryCPR 見積りのご依頼やお問い合わせは、弊社テクニカルサポートまで: sialjpts@sial.com テクニカルサポート Tel:03-5796-7330 Fax:03-5796-7335 Custom Packaged Reagents from Sigma-Aldrich puts high throughput back into your chemistry! When projects demand custom arrays of reagents, DiscoveryCPR can meet the challenge. E-mail: sialjpts@sial.com 17 合成試薬 OPh + Ph Ar B(OH)2 2 mol % PdCl2(DPEphos) Et3N, 2% PTS/H2O, rt Ar Ph 70 - 99% Scheme 2 mark.redlich@sial.com Lipshutz は根岸カップリングの代替法も報告しています。この 反応は、あらかじめ調製した有機金属カップリング試薬(すな わち RZnI)を用いる必要がなく、亜鉛を用いたパラジウム触 媒 C-C 結合形成が起こります。2 wt % PTS 水溶液中、新鮮な 亜鉛粉末、パラジウム触媒および TMEDA 存在下でヨウ化第一 級アルキルが直ちに臭化アリールと反応して、高い収率また は非常に高い収率で生成物が得られます(Scheme 3 )7。 PTS:水中での有機反応に 有用な強力なアンフィフィル セバシン酸ポリオキシエタニル α ト コフェリル(PTS)は、カリフォルニア 大学サンタバーバラ校の Bruce Lipshutz 教授が最近開発した非イオン性両親媒性物質であり、有機分 子を水に溶解させることのできる汎用性の高い「可溶化剤」で す 1。水中に形成された PTS の 25 nm のミセルには、脂溶性物 質と触媒が効率的に入ることができるため、メタセシス反応 2、 鈴木−宮浦反応 3、Heck 反応 4、薗頭反応 5 といった重要なク ロスカップリング反応が室温で進行します。そのうえ、この 反応には脂溶性物質の水溶性を高めるための共溶媒が必要あ りません。実験操作は、攪拌子と必要量の PTS (15 wt %水溶液) を入れた試験管に、有機基質と触媒を加えるのみです。一般 に、反応は 3 ∼ 24 時間で終了し、必要であれば 40 ∼ 50℃ま で穏やかに加熱すると反応が加速されます。後処理もきわめ て簡単であり、反応混合物を酢酸エチル ヘキサンで抽出する か、またはシリカゲル上にのせて酢酸エチルで溶出させます。 過去数年間に、Lipshutz らは PTS 水溶液を用いるミセル触媒反 応の適用例を多数報告しています。アリルアルコールのパラ ジウム触媒アリルアミノ化は水中で円滑に進行し、高い選択 性と高い収率または非常に高い収率を与えます。このアリル アミノ化反応により、これまで多段階合成や高温反応で合成 されていた抗真菌薬ナフチフィンが、室温かつワンポットで 合成されました(Scheme 1 )6。 OH + Ph N H CH3 N CH3 R X X = I, Br Scheme 1 (CH3)2N + R N(CH3)2 Zn, diamine 2% PTS/H2O, rt R' R' 65 - 96% Scheme 3 このミセル触媒法の適用範囲は、アリルエーテルと入手の容 易なジシランを用いるアリルシランの合成まで拡大されてい ます 8。このカップリングは非常に効率がよく、高い選択性で 進行します。PTS-H2O 中、温和な反応条件で官能基選択的なア ミノ化およびシリル化をワンポットで連続的に行うことによ り、高い収率でジベンジル化されたメタリルシランを得るこ とができ、有機溶媒は不要です(Scheme 4 ) 。 OAc cat. [allylPdCl]2 Xantphos OPh Bn2N Bn2NH, K2CO3 2% PTS/H2O, rt cat. PdCl2(DPEphos) [SiMe2Ph]2 Ph naftifine, 83% P(t-Bu)2 (2 mol %) Br cat. Pd(0), biphep HCO2Me (4 equiv) K2CO3 (3 equiv) 2% PTS/H2O, rt Cl Pd Cl (t-Bu)2P Bn2N Et3N, 2% PTS/H2O, rt OPh SiMe2Ph 70% Scheme 4 Polyoxyethanyl-α-tocopheryl sebacate (PTS), 15 wt.% in water O PTS 水溶液を用いると、官能基化されたアリルエーテルも、室 温で行う鈴木−宮浦カップリングにおける信頼性の高い基質 になることが明らかになっています(Scheme 2 )3c。反応温度 を 40℃まで穏やかに加熱すると、触媒の量をわずか 0.5 mol% に抑えることができる場合もあります。 O O 4 O O nH O n = ca. 13 698717 バルク供給/スケールアップのご相談は… ファインケミカル事業部 Tel:03-5796-7340 Fax:03-5796-7345 E-mail: safcjp@sial.com 合成試薬 Dr. Mark Redlich Product Manager 18 合成試薬 アジドからジアゾ化合物への変換に有用な Raines ホスフィン メタセシス反応の停止剤: Potassium 2-isocyanoacetate ジアゾ化合物は、特に反応性の高い官能基が存在する場合に 調製が難しいため、合成に有用であるにもかかわらず検討さ れずにいることが少なくありません。Raines と Myers は、ホス フィン試薬を用いて反応性の官能基存在下でアジド基を変換 してジアゾ化合物を得る温和な方法を開発しました(Scheme 5 )9。この反応は、形式的には古典的な Staudinger 反応と同じ ようなアジドの還元的分解であり、多くの反応条件下で高い 選択性を示します。 最近、Diver らは、メタセシス反応後のルテニウム除去の課題 を解決する、2 イソシアノ酢酸カリウムを用いたメタセシス 反応の効率的な後処理法を報告しています 11。極性のイソシ アン化物を加えると、反応後の触媒はメシチル基のベンジリ デン挿入反応によって破壊され、極性が高くなるために簡単 に取り除くことができます(Scheme 7 ) 。2 イソシアノ酢酸 カリウムは種々のメタセシス反応について効果があり、最も 頻繁に多用されている種々の Grubbs 錯体にも利用できること が明らかになっています。 O O O P N CO2K C N O N N Cl Ru Ph 1.05 eq 715069 N3 R1 R MeOH, rt, 30 min metathesis-active 2) Sat. aq. NaHCO3, 15 min - 12 h R1 R 2 Scheme 5 Potassium 2-isocyanoacetate N-Succinimidyl 3-(diphenylphosphino)propionate, 95% C N O OK 705438 N O References: (1) Sold under license from Zymes, LLC. (2) a) Lipshutz, B. H. et al. Org. Lett. 2008, 10, 1325. b) Lipshutz, B. H. et al. Adv. Synth. Catal. 2008, 350, 953. (3) a)Lipshutz, B. H. et al. Org. Lett. 2008, 10, 1333. b) Lipshutz, B. H.; Abela, A. R. Org. Lett. 2008, 10, 5329. c) Nishikata, T.; Lipshutz, B. H. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 12103. (4) a)Lipshutz, B. H.; Taft, B. R. Org. Lett. 2008, 10, 1329. b) Lipshutz, B. H.; Ghorai, S. Aldrichimica Acta, 41, 59. (5) Lipshutz, B. H. et al. Org. Lett. 2008, 10, 3793. (6) Lipshutz, B. H.; Nishikata, T. Org. Lett. 2009, 11, 2377. (7) Krasovskiy, A. et al. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 15592. (8) Moser, R. et al. Org. Lett. 2009, 11, ASAP. (9) Myers, E. L Raines, R. T. Angew. Chem. Int., Ed. 2009, 48, 2359. (10) Benetti, S. et al. Synlett 2008, 2609. (11) Galan, B. R. et al. Org. Lett. 2007, 9, 1203. 715069 安定な Nazarov 試薬の前駆体: Ethyl 5-[(4-methylphenyl)sulfonyl]3-oxopentanoate Nazarov 試薬は一般的な環化反応剤ですが、この調製は収率が 低かったり、単離が困難であったりすることが少なくありませ ん。最近、De Risi らは 5 [ (4 メチルフェニル)スルホニル] 3 オキソペンタン酸エチルの合成と利用法を報告しました。 これは、特に注意をしなくても室温で保管可能な実験室レベ ルで安定な粉末であり、さまざまな条件下でマスキングを外 して 3 オキソペント 4 エン酸エチル(Nazarov 試薬)を系中 で生じさせることにより、環化生成物を得ることができます (Scheme 6 )10。 O O S O 718327 H3C O O H3C OEt O O KF, MeOH, rt, 24 h O CO2Et Scheme 6 Ethyl 5-[(4-methylphenyl)sulfonyl]-3-oxopentanoate, 95% H3C O S O O O OEt 718327 s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n metathesis-inactive polar & easy to remove O O O N Cl Ph N C Ru C N CH2CO2K Cl PCy3 Scheme 7 49 - 97% P KO2CCH2 PCy3 N2 1) THF/H2O (20:3), 3-12 h 2 Cl N 705438 テクニカルサポート Tel:03-5796-7330 Fax:03-5796-7335 E-mail: sialjpts@sial.com 19 汎用試薬 Aldrich NMR 溶媒 Challenge Us... and see why our Quality is Unsurpassed! Aldrich は、卓越した利便性とサービスも提供しています。弊 社のウェブサイトは、製品を簡単かつ迅速に検索できるうえ、 研究に有用なツールや技術情報を多数公開し、さらに、価格 や在庫状況も確認できます。また、技術的な問題が生じた場 合には、豊富な知識を持つ技術担当者が対応いたしますので 安心してお使いください。 汎用試薬 高品質の NMR 溶媒は、NMR を用いる研究や分析の最も厳しい 要求を満たすうえで欠かせません。Aldrich® は、この要件を満 たすべく、高品質の NMR 溶媒をご提供することに常に取り組 んでいます。弊社は、高い同位体純度と化学純度を持つ NMR 溶媒を豊富に取り揃えています。また、さらなる品質の改善 を目指して、精製や水分含量低減の方法を常に見直し改善を 行っています。弊社はすべての NMR 溶媒について製造工程と 包装工程で品質管理試験を実施し品質を管理しています。 溶媒 Aldrich NMR Try our NMR Solvents today to see their high quality for yourself. New!NMR 溶媒カタログ 広範な取り扱い製品 特殊溶媒 NMR スペクトルデータ For a complete listing of all NMR-related products and information, visit aldrich.com/nmr カタログをご希望の方は、sialjp@sial.com へご請求ください。 NMR 溶媒の取り扱い方法 重水素化された NMR 溶媒の多くは容易に吸湿します。水 の混入を最小限に抑えるには、入念に乾燥させた NMR サ ンプル管を使用し、乾燥雰囲気下で NMR 溶媒を取り扱い ます。 残留溶媒の除去方法 1. プロトン溶媒は共蒸発させることによって取り除くこと ができます。 表面の水分を除去する方法 2. 少量の重水素化溶媒を使って、真空下で短時間(5∼10 分)の乾燥を行った後に NMR 試料を調製します。 1. ガラス器具を約 150℃で 24 時間乾燥させ、不活性ガス 雰囲気下で冷却します 3. クロロホルム -d、ベンゼン -d6、トルエン -d8 などの溶 媒を用いると残留水分も共沸によって除去されます。 2. サンプルを調製する前に重水素化溶媒で NMR サンプル 管をすすぎます。これによってガラス表面に残った水を 置換することができます。 TMS の揮発を防ぐ方法 3. 簡略化する場合は、窒素雰囲気下でサンプルを調製する だけでも良いでしょう。 不純物の混入を防ぐ方法 1. 清潔で乾燥したガラス器具と PTFE 製の器具を使用しま す。 2. サンプル管に入れた試料と溶媒は振盪せず、ボルテック スミキサーで混合することをお勧めします。振盪すると サンプル管のキャップに付いた不純物が混入するおそれ があるからです。 1. TMS 含有溶媒を長期間保管すると TMS が揮発して濃度 が低下することがあります。このような溶媒は Sure/ Seal ™ ボトルに入れて保管すると TMS 量の減少をほぼ防 ぐことができます *。 2. あるいは、アンプルに入った使い切りの TMS 含有溶媒 の使用をお勧めします。 * Sure/Seal ™ ボトルまたはセプタムバイアルから TMS 含有 溶媒を取り出す際は、標準的なシリンジ操作を行います。 詳 細 と 推 奨 手 順 に つ い て は Aldrich Technical Bulletin AL-134 または弊社のウェブサイト sigma-aldrich.com をご覧ください。 3. 実験器具に残った溶媒蒸気が不純物の原因になることが あります。スポイトキャップに残ったアセトンがよくあ る例です。 バルク供給/スケールアップのご相談は… ファインケミカル事業部 Tel:03-5796-7340 Fax:03-5796-7345 E-mail: safcjp@sial.com 20 NMR リファレンススタンダード Aldrich® は、NMR 測定に用いる標準品や試薬を供給しています が、装置の性能確認に必要な NMR 標準品もご提供しています。 この標準品を使って、pw90、感度、分解能、線形などの重要 な測定パラメーターをチェックすることができます。また、 定量的 NMR といえば 1H NMR が一般的ですが、19F NMR と 31P NMR も利用が増えつつあります。Aldrich の安定同位体部門は、 フッ素やリンに対する感度の確認などの用途に適した NMR 標 汎用試薬 溶媒 Aldrich NMR Cat. No. 611778 487163 487759 551341 487112 487104 612065 487147 551333 487139 612073 611905 551368 551384 487155 s i g m a - a l d r i c h . c o m / j a p a n 551406 611921 551392 611735 612162 準品を 3 mm × 8 in. ∼ 10 mm × 8 in. 等、さまざまなサイズの サンプル管に包装してご提供しています。 現在、約 150 点のスタンダード試薬を取り扱っております。 以下に、一般的な製品をご紹介します。ご希望の製品がない 場合には、テクニカルサポート sialjpts@sial.com へお気軽にお 問合せください。 Solution 1% Chloroform in acetone-d6 (99.9 atom % D) 1% Chloroform in acetone-d6 (99.9 atom % D) 5% Chloroform in acetone-d6 (99.9 atom % D) 5% Ethylbenzene, 2% TMS in chloroform-d (99.8 atom % D) 0.1% Ethylbenzene, 0.01% TMS in chloroform-d (99.8 atom % D) 0.1% Ethylbenzene, 0.01% TMS in chloroform-d (99.8 atom % D) 0.1% Ethylbenzene, 0.01% TMS in chloroform-d (99.8 atom % D) 1% 1,2-Dichlorobenzene in acetone-d6 (99.9 atom % D) 12% TMS in chloroform-d (99.8 atom % D) 0.1 mg/mL Gadolinium(III) chloride, 0.1% DSS, 1.0% water in deuterium oxide (99.9 atom % D) 40% 1,4-Dioxane, 5 mg/mL chromium(III) acetylacetonate in benzene-d6 (99.6 atom % D) 40% 1,4-Dioxane, 5 mg/mL chromium(III) acetylacetonate in benzene-d6 (99.6 atom % D) 40% 1,4-Dioxane in benzene-d6 (99.6 atom % D) 90% Formamide in dimethyl sulfoxide-d6 (99.9 atom % D) 1% Iodomethane-13C, 0.2% chromium(III) acetylacetonate, 1% trimethyl phosphite in chloroform-d (99.8 atom % D) 0.05% α,α,α-Trifluorotoluene in benzene-d6 (99.6 atom % D) 25% Hexamethyldisiloxane in benzene-d6 (99.6 atom % D) 0.0485M Triphenyl phosphate in chloroform-d (99.8 atom % D) 0.0485M Triphenyl phosphate in chloroform-d (99.8 atom % D) 85% Phosphoric acid in deuterium oxide (99.9 atom % D) テクニカルサポート Tel:03-5796-7330 Fax:03-5796-7335 Application 1 H line shape 1 H line shape 1 H line shape 1 H sensitivity 1 H sensitivity 1 H sensitivity 1 H sensitivity 1 H resolution 1 H reference Auto test 13 C PW90, sensitivity 13 C PW90, sensitivity 13 C PW90, sensitivity 15 N sensitivity Indirect detection test 19 F sensitivity Si sensitivity 31 P sensitivity 31 P sensitivity 31 P sensitivity 29 E-mail: sialjpts@sial.com Tube size (O.D. x Length) 3 mm × 8 in. 5 mm × 8 in. 5 mm × 8 in. 5 mm × 8 in. 3 mm × 8 in. 5 mm × 8 in. 10 mm × 8 in. 5 mm × 8 in. 5 mm × 8 in. 5 mm × 8 in. 3 mm × 8 in. 5 mm × 8 in. 5 mm × 8 in. 5 mm × 8 in. 3 mm × 8 in. 5 mm × 8 in. 5 mm × 8 in. 5 mm × 8 in. 10 mm × 8 in. 5 mm × 8 in. (Coaxial) 21 ラボウェアノート Paula Freemantle Product Manager Inhibitor remover labware@sial.com インヒビターリムーバーは、試薬や溶媒を安定に保存するた めに添加されている少量の安定剤を除去するための、ready-touse なプレパックカラムです。 HQ/MEHQ 用 製品番号 306312-1EA / 306312-12EA 充填剤 製品番号 311332-250G / 311332-500G Wrap-It-Ties 簡単に固定・密閉できるナイロン製のバンドです: ガラス器具のジョイントとセプタムの固定に ホースバーブとチューブ類の固定に ビニール袋の密閉に セプタム、チューブ、 袋の口にバンドをまき つけてギュッと引っ張 るだけで、バンドが締 まります。使用後のバ ンドはカッターなどで 簡単に切断できます。 専用ツール(写真)を 使えば、さらにしっかりとバンドを固定でき、余分なバンド もきれいに切断できます。 TBC 用 プレパックカラム 製品番号 306320-1EA / 306320-12EA 充填剤 製品番号 311340-250G / 311340-500G 詳細は、以下 Web サイトからご覧ください。 www.sigmaaldrich.com/japan/labware/learning-center.html Wrap-It-Tie Z105953-250EA Z105961-250EA Z256331-250EA Z256323-1SET Z564850-1EA 4 inch(10.2 cm) 5.6 inch(14.2 cm) 7.5 inch(19.1 cm) 3.25 – 7.5 inch、計 180 本入りセット Wrap-It-Tie installing tool(専用ツール) 詳細は、aldrich.com/labwarenotes をご覧ください。 Storage Vessels for Air-Sensitive Reagents Sigma-Aldrich Pressure-Tmeperature Nomograph Sure/Seal ボトル包装の試薬を小スケール反応用に試薬を少量 ずつ繰り返し使用したり、残った試薬を保存したいときには、 Sure/Seal ボトルから適切な保存用のボトルやフラスコに移す ことをおすすめします。以下にご紹介するのは、空気に不安 定な試薬を保存するためのフラスコ・ボトルの一例です(左 から) :Aldrich Sure/Stor フラスコ、保存用ボトル(ジョイント なし) 、溶媒保存用フラスコ、溶媒保存用 / 取り出し用ボトル 圧力−沸点 の換算の目安となるノモグラフを Web で無料公 開!右クリックで印刷もできます。 さらに、圧力と温度の単位の換算ツールも!! Pressure Conversion:kPa, Bar, atm, Torr/mmHg, psi の各圧力単位 を簡単に換算できます Temperature Conversion:℃ , ℃ , K, Ra, Re の各温度単位を簡 単に換算できます sigma-aldirch/nomograph にアクセスしてください 空気に不安定な試薬、脱水グレード溶媒およびそれらを取り 扱うための器具類は、Air-Sensitive Products ガイド Aldrich.com/ asguide をご覧ください。 バルク供給/スケールアップのご相談は… ファインケミカル事業部 Tel:03-5796-7340 Fax:03-5796-7345 E-mail: safcjp@sial.com ラボウェアノート プレパックカラム Sigma-Aldrich研究支援サービス ケミストリーサービスのご案内 Sigma-Aldrichのケミストリーサービス部門では、新たにChemNavigator社をSigma-Aldrichグループのメンバーに迎え、 化学、特に創薬化学の研究に関わる研究者の皆様に、ご希望の化合物を迅速かつ簡単に探し出し、それを適正な費用で 調達するための新たなサービスをご提供いたします。 ChemNavigator – iResearch Library – 9500万品目収載の化合物データベース ・6000万のユニークな化学構造 ・2万5千の多様な環状骨格 ケミカル ソーシング サービス (委託調達) DisvcoveryCPR:秤量・詰替えサービス ◆ 化合物データベース ChemNavigator – iResearch Library – iResearch Libraryは、ChemNagviagtorが提供する創薬スクリーニングのためのWeb版化合物データベースで、ドラッ グライクな化合物、種々のフォーカスドライブラリー、ビルディングブロック、一般試薬のほか、バーチャル化合物も加 えた9500万に及ぶ膨大な市販化合物を収載しています。データベースは毎週更新され、毎月100万化合物が追加されて いますので、常に最新の市販化合物データを検索できます。 ユーザー登録すれば、iResearch Libraryで化合物の各種検索および検索結果のエクスポートその他が可能な無料アカウン トがすぐに取得できますので、Webサイト www.chemnavigator.com のRegistryページからお気軽にご登録ください。 また、サプライヤー情報やDVDでのデータ提供をご希望のお客様向けの有料アカウントもご用意しています。 ◆ 調達サービス iResearch Library で検索・セレクトした化合物は、見積もりから発注・納品まで、複数のサプライヤーからの煩雑な化 合物調達を代行致します。さらに、iResearch Library収載品目以外でも、化合物を特定できる情報があればSigma-Aldrich のグローバルネットワークを通じてサプライヤーを調査し、構造・供給量・純度規格・包装形態・価格および法規制など の必要情報を確認して迅速にお見積もり致します。初回見積もり品目の一部のみの発注も可能です。 ◆ 秤量・詰替えサービス – DiscoveryCPR – Sigma-Aldrichが提供する秤量・詰替えサービスです。Sigma-Aldrichのカタログ掲載試薬やRare Chemical Library製品 (SALOR)はもちろんのこと、他社製品も含めてご希望の試薬セットをご希望の容量・ご希望のパッケージでご提供致します。 必要な試薬を必要な量だけready-to-useな状態でお届けしますので、秤量の手間を軽減し廃棄試薬を低減できます。 CAS/MDL番号、構造式など化合物を特定できる情報をご用意の上、お問合せください。 ケミストリーサービスに関してご不明の点やお見積りのご依頼は、 弊社テクニカルサポート sialjpts@sial.com へお問合せください。 Materials Science 世界最大の研究用試薬・材料メーカーがお届けする TM Aldrich季刊ニュースレター 世界のトップ研究者による最新トピックス・レビューを 無料にて年4回お届けします www.sigma-aldrich.com/mscatalog-jp 新規登録募集中! ■製品に関するお問い合わせは、弊社テクニカルサポートへ TEL : 03-5796-7330 FAX : 03-5796-7335 E-mail : sialjpts@sial.com 〒140-0002 東京都品川区東品川2-2-24 天王洲セントラルタワー4階 ■在庫照会・ご注文方法に関するお問い合わせは、弊社カスタマーサービスへ TEL : 03-5796-7320 FAX : 03-5796-7325 E-mail : sialjpcs@sial.com www.sigma-aldrich.com/gochem1 化学合成研究用試薬の Web カタログ 新製品を含む約 4 万点の試薬を用途・構造別に分類 製品名や CAS 番号以外に キーワードでも検索可能 部分構造検索の結果は SDF にエクスポート可能! Chem Product Central Substructure Search Specialty Synthesis ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ Ammonium Choline Imidazolium Phosphonium Pyrazolium Pyridinium Pyrrolidinium Sulfonium Coupling C-C Bond Formation C-X Bond Formation (Halogen) C-X Bond Formation (Nonhalogen) Oxidation Reduction Protection and Derivatization Radical Chemistry Phase Transfer Catalysts Chelation/Complexation Compounds High Throughput Synthesis Chemical Ligation Peptide Synthesis Carbohydrate Synthesis Oligonucleotide Synthesis Enzyme-Mediated Synthesis Fluorous Synthesis Supported Synthesis ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ Ionic Liquids ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ Chiral Catalysts, Ligands, and Reagents Chiral Auxiliaries Chiral Building Blocks Chiral Resolution Reagents ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ Asymmetric Synthesis Synthetic Reagents ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ Boronic Acids and Derivatives Grignard Reagents Rieke and Organozinc Reagents Organolithium Organosilicon Organotin Organoaluminum Others ▲ ▲ ▲ ▲ Organometallic Reagents ▲ ▲ ▲ Building Blocks Organic Building Blocks Heterocyclic Building Blocks Amino Acid Derivatives Unnatural Amino Acid Derivatives Monosaccharides Nucleosides Chiral Building Blocks Lewis Acids Organic Acids Inorganic Acids Phosphazene Bases Organic Bases Inorganic Bases Inorganic Salts Dehydrating Reagents Compressed and Liquified Gases 各製品番号ごとに、 国内在庫、価格、MSDS、 FT-NMR/IR/Ramanスペクトル、 その他種々の情報を 公開しています。 ※詳細は p.2 をご覧ください。 在庫と価格をご覧になるには、My Profile メニューから、1)Web language=Japanese, 2) MSDS=English, 3) Country=Japan の 3 つを選択して、Submit してください。次回からこの設定が保存されます。 その他、Web サイトの使い方や製品に関してご不明の点は、テクニカルサポートへお気軽にお問い合わせください。 ・本カタログに掲載の製品及び情報は 2010 年 10 月 1 日現在の内容であり、収載の品目、製品情報、価格等は予告なく変更される場合がございます。最新の情報は、弊社 Web サイト(sigma-aldrich.com/japan)をご覧ください。 ・掲載価格は希望納入価格(税別)です。詳細は販売代理店様へご確認ください。 ・弊社の試薬は試験研究用のみを目的として販売しております。医薬品、家庭用その他試験研究以外の用途には使用できません。 http://www.sigma-aldrich.com/japan SAJ1276 2010.10
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