アプリケーション ストーリー

アプリケーション ストーリー
フリアーシステムズの赤外線サーモグラフィは
バイオガス燃料保管所の安全確保に貢献して
います
フランス、
リール市内を走るバスの燃料となるバイオガス
保管所の早期火災報知システム
赤外線サーモグラフィFLIR A310は火災になる
前の温度上昇を検知する
化石燃料の枯渇や燃料価格の高騰を背景に、化石燃料の代替燃料への注目が集まって
います。こうしたなか、
フランスのリール市では市内を運行するバスの燃料としてバイオ
ガスの導入を決定しました。ガス燃料の導入にあたり、ベルギー国境近くのワットルロー
のバス停車場にガス保管所が設けられました。
しかし、バイオガスは火気に触れると爆発
する恐れがあり、保管には細心の注意が必要です。そこで、事故防止策として、
フリアーシ
ステムズのサーモグラフィを使った早期火災報知システムが導入されました。火気の発生
を未然に検知するシステムは、
リール市交通局の職員と周辺住民の安全を守っています。
リール市交通局は1990年代に、市内を走るバスの燃料として、下水汚泥の発酵により発
生するメタンガスを使うことを決定しまし
た。このバイオ燃料バス運行の目的は、化
石燃料の使用量を減らし、二酸化炭素、窒
素酸化物、一酸化炭素などの排出を減らす
ことにあります。
さらに、ガスで運行するバスは液体燃料走
行車よりも故障が少ない点も評価されま
した。現在、バイオガス燃料バスはリール
市交通局のバスの8割を占め、
リール市内
及び郊外を走るバスの乗客の93%が利用
しており、ディーゼル燃料年間448万リッ
1994~1998年の間、
リール市郊外マー トルの節約になると見込まれています。I
ケット地区にある下水処理場で製造したバ
イオガスを燃料として、バス7台の試験運 事故を回避する
行が行われました。この7台はフランスで しかし、バイオガスの利用にリスクがない
最初のガス燃料バスとなりました。試験運 わけではありません。貯蔵されたガスは火
行の結果、バイオガスはディーゼルよりも 気に触れると爆発するという特性をもって
コストパフォーマンスが高く、環境にも優し います。ワットルローのバス停車場の技術
いことが分かりました。排ガス中に含まれ 管理者Régis Messiaen氏はこう説明しま
「バイオガスは高圧で圧縮して保管し
る粒子状物質は95%、窒素酸化物は71% す。
削減され、騒音も50%にカットされます。 ますが、非常に可燃性が高いという特性が
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堅牢な防水ハウジングに格納されたFLIRサーモ
グラフィが敷地全体を継続的にモニタリングする
あります。ガスが何らかの理由で爆発すれ
ば、交通局の職員だけでなく、周辺住民に
も被害が及ぶ可能性があります。我々は必
要なあらゆる事故防止策を講じており、事
故が発生する可能性はほとんどありませ
ん。しかし、万に一つでもその可能性があ
る以上、できる限りの策を講じる必要があ
るのです。そのため、我々はサーモグラフ
ィを使った早期火災報知システムの導入
を決定しました。」
フリアーシステムズの赤外線サーモグラフィがとらえたライブ映像は、停車場入口とオフィス内に設置さ
れた2台のタッチスクリーンに表示される。
フリアーシステムズのサーモグラフィを
使った 早 期 火 災 報 知システムの 製 造と
設置を行ったのは、フランスのFLIRシス
テムズ製品システムインテグレーターの
ALOATECです。1998年創業のALOATEC
は、サーモグラフィを使った火災報知シス
テムなど、産業プロセスやサービスを管理
するためのターンキーソリューションを提
供しています。
前の段階で問題を修復できれば、火災を未
然に防ぐことができます。」
タッチスクリーンは施設の平面図とFLIR A310
10台からのライブ映像を表示する。警報や温度
計測値のデータもここに表示される。
バイオガス燃料バスはリール市交通局のバスの8
割を占めており、
ディーゼル燃料で年間448万リッ
トルの節約になると見込まれている
システムを導入した当初、アラームの設
定を最適化するのに苦労したとリール市
交通局のMessiaen氏は言います。
「早期
警告システムを確実に稼働しながら、ア
ラームの誤作動をなくすために最適な設
定を探すのに苦労しました。当初は、ディ
ーゼル燃料で走っていたバスからの排ガ
フリアーシステムズジャパン株式会社
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東京都品川区上大崎2-13-17
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スが設定温度よりも高く、アラームを作動
あらゆる物体は熱エネルギーを赤外線と させてしまったこともありました。そのた
して放射していますが、赤外線は人間の眼 め、ALOATECとフリアーシステムズののテ
には見えません。サーモグラフィは放射さ クニカルサポートに協力してもらい、アラ
れた赤外線を検出し、温度データに変換し ームの誤作動率は下げる一方で、警告シス
ます。つまり、サーモグラフィでとらえた赤 テムは問題なく動作するよう、設定値を微
外線画像のピクセルひとつひとつが非接 調整しました。さらに、システムをフィルタ
触型の赤外線温度計測器なのです。ワット ーで強化し、アラーム設定試験を実施した
ルローのバス停車場では、FLIR A310サ 結果、システムの動作は極めて良好です。
サーモグラフィで火災を未然に防ぐ
「サーモグラフィは他の方法と比較して、 ーモグラフィを10台設置しています。サー 迅速かつ効果的で信頼性の高いシステム
はるかに早い段階で火災を検知します」と モグラフィは堅牢な防水ハウジングに格納 だと確信をもって言えます。」
ALOATECのPhilippe Bourrier氏は説明し されており、施設全体を継続的にモニタリ
ます。
「煙探知器は火から煙が立ち上がっ ングしています。
火災リスクをゼロに
た時点でしか検知できません。可視光カメ
火災はそれだけでも危険ですが、
この停車
ラも火や煙を発生後に検出します。さらに、 カメラの温度データは光ファイバーケーブ 場ではガス燃料を保管しているため、火災
ある程度の明るさがなければ煙を検知で ルを介して中央コンピュータに継続的に送 は大災害につながりかねません。それだけ
きないという問題もあります。サーモグラ 信されます。中央コンピュータは、事前に に火災を早期に発見することが何よりも重
フィは照度条件の影響を受けませんし、な 設置したパラメータと計測温度データを 要だとMessiaen氏は言います。
「火災リス
により、火災が発生する前に温度上昇を検 照合し、一定範囲を超えた温度上昇を検 クはほとんどないと分かっています。しか
出する点が優れています。火災が発生する 出するとアラームを作動します。フリアー し、万一でも火災が起きれば、大災害にな
システムズのサーモグラフィからのライブ る可能性があります。ワットルローやルー
映像は、停車場入口とオフィス内に設置さ ベなどの周辺地域も危険区域になること
れた2台のタッチスクリーンに表示されま が予測されます。交通局職員と周辺住民の
す。表示画面は直感的に理解できるデザイ 安全がかかっている以上、
リスクは限りなく
ンで、スタッフや消防局員は状況を速やか ゼロに近づけたいのです。だからこそ、他
に把握し、問題を認識することができます。 のツールよりもはるかに早期段階で火災を
検出し、火災を未然に防ぐサーモグラフィ
正確かつ信頼性の高いシステム
を導入したのです。」
「 8 年 前にフリアーシステムズのシステ
ムズのサーモグラフィの正確さと信頼性
の高さを知って以来、石油化学施設を含
め、あらゆる産業施設にフリアーシステム
左:ALOATECのPhilippe Bourrier氏
右:リール市交通局のワットルローバス停車場技術
ズのサーモグラフィを使用しています」と
管理者Regis Messiaen氏
Bourrier氏。
「初期購入費用だけを考える
と、赤外線カメラはCCTVカメラや煙探知
機よりもわずかに高額です。
しかし、照明設
備やメンテナンス費用などが不要で、電気
代も低いため、市販されている火災報知シ
赤外線カメラに関する情報は弊社までお気軽
ステムのなかでも最もコストパフォーマン
にお問い合わせください。
:
スの高い選択肢と言えます。」