Contents - Academic Consortium 21

AC21
2015 年 3 月 1 日 No.
第 6 回 AC21学生世界フォーラム開催に向けて
Contents
第 6 回 AC21学生世界
フォーラム開催に向けて
ストラスブール大学・
フライブルク大学
17
1
知識と専門的技術の共有で
さらなる協力を促進
AC21スペシャル・
プロジェクト・ファンド
採択者からの事業報告
ストラスブール大学 副学長
Francis Kern
上海交通大学
3
フライブルク大学 学長
アデレード大学
4
Hans-Jochen Schiewer
2014 RENKEI 日英航空宇宙
工学共同ワークショップ
6
実施報告
経験を共有したいと考えています。ストラスブール大学とフライブルク大学は、国
境を越えた協力と、ヨーロッパレベルでの地方および地域的な民主主義をめぐる課
第 8 回 AC21国際フォーラム
を開催します
ケムニッツ工科大学
我々は、AC21の活動を通して、社会をより良くするための知識や専門的技術、
8
題についての幅広い知識の蓄積に関し、着実に実績を積んでいます。この二つの分
野における我々の専門知識を、第 6 回 AC21学生世界フォーラムで参加学生たちと
共有したいと考えています。
メンバー大学訪問
フライブルク大学・
ストラスブール大学
9
ヨーロッパの拠点の一つであるストラスブールは、欧州評議会、欧州議会、欧州
東北大学・吉林大学
10
に熱心で、特に地方・地域レ
人権裁判所といった多くの欧州の機関の所在地となっており、町は民主主義の議論
「国際デー記念イベント
at Nagoya University」
実施報告
11
「国際デー記念イベント
at Nagoya University」
学生参加報告
13
主主義をテーマにした過去
AC21推進室活動記録
14
あらゆる社会的・経済的バッ
イベント・カレンダー
14
AC21メンバー
14
ベルでの適用に関心を持っ
ています。欧州評議会が、ス
トラスブールで開催した民
3 年の世界フォーラムでは、
クグラウンドを持った参加
者たちが意見を主張しあい
ました。
AC21学生世界フォーラム
では、ヨーロッパ域内の協
力を促進するための活動を
行っている国際機関を紹介
します。ヨーロッパ社会が直
面する問題に対処するため
には協力体制が重要課題で
あると、欧州評議会を訪問す
れば理解できるでしょう。そ
こにある地方自治体のヨー
ロッパ憲章に提示された原
則は、まさに直接民主主義
1
を謳った欧州評議会の基本の柱です。欧州国境地域協
しょうか。地域の特性を活かし、共同のテーマに沿っ
会では、地域内協力を推し進める方法を提案していま
て効果的に協力を進めるため気をつけるべきことは何
す。
でしょう。学生世界フォーラムに参加する学生には、
ストラスブール大学にとって国境を越えた協力体制
そういった質問を投げかけます。ワークショップを通
は常に必要不可欠でした。フランス・ドイツ・スイス
じて、学生たちは地域協力プロジェクトを作り上げる
の 3 カ国に囲まれ、ライン川上流という典型的なヨー
過程を学び、生命科学や保健分野で世界を視野に入れ
ロッパ地域に位置しているという理由から、欧州連合
た競争力のある Bio Valley の研究を活用するように
の結束に重要な役割を果たし、ヨーロッパの政策決定
なるでしょう。同フォーラム期間中に訪問するフライ
に一種の実験室のような役目を果たしてきました。そ
ブルクでの一日で、国境を越えた協力というものを直
ういった経験があって、他の地域での協力体制作りに
に体験し、持続可能な都市開発の最先端の取り組みを
対しても、至当な手法を提示できるのです。多くの有
目のあたりにすることになるでしょう。
名なグローバル企業がここでビジネスを立ち上げるの
観光客に人気のライン川上流地域は、文化遺産の豊
は、そういった国際的地域の特性を理解しているから
かさや、自然と文化の多様性で有名です。その典型的
なのです。
な例が、中世のお城、Haut-Kœnigsbourg です。ここ
自由な発想が生まれやすい環境の中、地域内の大学
に学生世界フォーラム参加学生とフライブルク大学で
同士の協力が必要とされる機会が何度もありました。
開催される AC21運営委員会への参加者が集まり、第
1989年にストラスブール大学とフライブルク大学を含
6 回学生世界フォーラムのプログラムを終了するとい
むライン川上流域ヨーロッパ大学連合(EUCOR)が
う趣向です。
設立され、教育・研究分野に集中した連携が行われて
ストラスブール大学とフライブルク大学が、第 6 回
きました。この協力関係は常時拡充されているので、
学生世界フォーラムを通して参加者の意見交換に貢献
そのうちヨーロッパ随一の規模のキャンパスにまで成
し、グローバルな考え方を発展させる一助となれば幸
長することでしょう。
いです。
多文化・多言語の環境で、人はどう活動するので
2
(原文英語)
Academic Consortium 21
AC21
AC21スペシャル・プロジェクト・ファンド採択者からの事業報告①
上海交通大学・若手原子力
技術者のための AC21 CFD
ワークショップ開催
上海交通大学
School of Nuclear Science and Engineering
Jinbiao Xiong
近年のコンピュータにおけるハードウエア及び計算
手法の目覚ましい発展に伴って、数値流体力学
(CFD)
による解析は、技術者が原子力システムを審査して最
Yang 教授の招待講演が行われ、最先端の CFD 技術
適化すること、また、運転中や予期しない状況におい
の開発と応用を学ぶ機会となりました。
ても原子炉内の現象を把握できる有望な手段となって
原子力工学への CFD 応用の知識を情報交換するた
います。原子炉内の多重スケール現象の計算を可能と
めに、ワークショップに参加する学生と若手技術者
するため、流動場と核特性の同時計算、サブチャネル
は、2014年 5 月にワークショップ専門委員会が発表し
解析、システム解析等を組み合わせた革新的な計算方
た 2 つのベンチマーク課題のうち 1 つを実施するよう
法の開発に力を注いできました。しかし、原子炉デザ
推奨されました。その結果、 7 機関から合計15のベン
インと安全性解析の必要性に応えるためには、さらに
チマークレポートが提出され、ワークショップ開催期
発展した CFD 技術と CFD の知識を身に付けたユー
間中、口頭発表とポスター発表が各々 2 セッション企
ザが必要です。
画されました。これらのセッションでは参加者が、同
若手原子力技術者や学生が原子力工学への CFD 応
一課題に対して CFD の応用手法を提示して比較し、
用の経験を共有することを目的に、AC21のメンバー
原子力工学における CFD 技術の進展について活発で
である上海交通大学、名古屋大学、ノースカロライナ
洞察力に富んだ議論が行われました。そしてベンチ
州立大学の 3 大学と、西安交通大学の共催で、2014年
マークセッションでの優秀な口頭発表者 2 名、ポス
9 月22日から24日の期間、若手原子力技術者のための
ター発表者 3 名が表彰されました。
AC21CFD ワークショップを開催しました。 3 カ国11
ワークショップの最後に上海原子力設備会社の見学
機関から30名以上の参加がありました。ワークショッ
会が実施されました。参加者は原子炉システムの巨大
プの期間中、東京大学越塚誠一教授、ノースカロラ
な部品を実際に見て、自分たちが取り組んでいる問題
イナ州立大学 Hong Luo 教授、上海交通大学 Yanhua
に対する知識を深めることができました。このワーク
ショップに 4 大学から来られた先生方にとって、研究
者同士で対面する良い機会となりました。また、今後
の研究や学生交流プログラムなどの協力をスタートさ
せる良いきっかけとなるでしょう。
3
(原文英語)
No.
17
AC21スペシャル・プロジェクト・ファンド採択者からの事業報告②
フライブルク大学・アデレード
大学・名古屋大学(FAN)連携
アデレード大学訪問プログラム
アデレード大学
Faculty of Health Sciences
Christiane Niess
2014年 9 月21日から10月 4 日にかけて、フライブル
ク大学と名古屋大学の Ph.D. 及び修士課程の学生10人
がアデレード大学の保健科学学科を訪問しました。 2
週間のプログラムで、研究活動、ネットワーク作り、
プレゼンテーション、年次会議参加、南オーストラリ
アの研究所で短期の実務体験を行いました。
然に触れる機会もありました。
研 究 発 表 で は、 参 加 学 生 が、 ア デ レ ー ド 大 学 の
アデレード大学主催の歓迎会は、ビジターにとって
Ph.D. の学生や教員に対し、癌や神経科学等の分野の
アデレードの研究者や学生と交流をはじめる最初の機
トピックに関する研究プロジェクトについてプレゼン
会でした。送別会ではアデレード大学から参加学生
テーションをしました。
へ、 2 週間コースの修了証と、フローリー国際大学院
このプログラムのハイライトであるフローリー国際
生研究会議への参加証明書が授与されました。
研究会議では、海外からの訪問学生を含んだ約115人
AC21スペシャル・プロジェクト・ファンドによって、
の Ph.D. 学生と修士課程の学生がポスター発表を行い
AC21のメンバーであるフライブルク大学、アデレー
ました。ポスター発表は教員により審査され、優秀な
ド大学、名古屋大学(FAN)の 3 大学の研究を通じ
発表は表彰されました。
たつながりを強化することができました。このような
海外訪問学生によるポスター発表において、フライ
機会を与えていただいたことに感謝し、惜しみない財
ブルク大学 Natalie Stickel さんと名古屋大学川島希
政的支援によってこの国際交流と協力の実現を可能に
さんが優秀な成績を収め、それぞれに賞金500ドルが
してくれた AC21事務局と AC21スペシャル・プロジェ
贈られました。
クト・ファンドにお礼を申し上げたいと思います。
会議の締めくくりの Fiona Wood 教授を含めたパ
参加学生にとってアデレード滞在が実りあるもので
ネルディスカッションでは、熱傷治療、熱傷患者と問
あれば大変喜ばしいことで、以下に彼らからの好意的
診による心理的影響、防火と災害管理などが取り上げ
なコメントを紹介します。
られ、研究室の活動で得られる知識から、その応用に
「外国の学生やトップレベルの研究者、将来的に協
いたるまであらゆる種類の研究が紹介されました。
力しあえる人々に会う良い機会になりました。国際的
アデレード滞在中、学生らは最近開所したばかりの
な環境で自分の研究を発表するチャンスがあり、アデ
南オーストラリア保健医療研究所、ハンソン研究所、
レード大学や名古屋大学の研究について学ぶことがで
アデレード母子病院、アデレード大学医学部の研究グ
きました。」
ループを訪問しました。学生自身の専門分野に近い研
「たくさんの人たちと連絡先を交換しました。将来
究を実施しているリサーチセンターに配属され、これ
のキャリアの上で役に立つことを願います。
」
らの機関の研究活動に加わって新しい技術を学び、仲
「研究室訪問、話題、講義、会議など興味深い行事
間とネットワーク作りをする機会となりました。
が盛り沢山でした。アデレードとその周辺を探索する
こうした研究と豊かなネットワーク作りの活動に加
時間も十分でした。企画旅行は素晴らしかったです。
」
え、歓迎会や送別会、交流イベント、観光ツアーなど
「素晴らしい経験になりました。個人的に、マイク
で、学生らはオーストラリアの多様な文化に触れるこ
を使用してのプレゼンテーションは初めてでしたし、
とができました。南オーストラリアの有名なワインの
ポスタープレゼンテーションはとても勉強になりまし
産地を訪れたり、国立公園や野生動物を見て豊かな自
た。
」
4
Academic Consortium 21
AC21
「将来このような機会があれば、同僚に勧めたいと
になりました。自分の研究分野以外についても知るこ
思います。自分の研究を発表する機会を与えられて、
とができて興味深かったです。」
その分野の一流の研究者と議論し合うことは、参加し
「アデレード大学との共同研究によって、我々の科
なければ体験できませんでした。
」
学的バックグラウンドが強化されると実感しました。」
「大勢の海外の研究者と出会い、海外で研究発表を
(原文英語)
して、その分野で現在進行中の研究を学ぶ絶好の機会
5
No.
17
2014 RENKEI 日英航空宇宙工学
共同ワークショップ実施報告
生と若手教員が参加しました。
ワークショップの内容は以下のとおりです。
(1)
招待講演: 3 件の講演、「Aircraft Industry in JapanFlying into the Future」( 三 菱 重 工 業( 株 ) 執 行 役
国際教育交流本部 特任教授(名古屋大学名誉教授)
RENKEI コーディネーター
石田 幸男
員、巽重文氏)、「Current and Future of CompositeMaterials in Aerospace Engineering」( 名 古 屋 大 学
教 授、 石 川 隆 司 氏 )、「Integration of Computational
Fluid Dynamics with Experimental Fluid Dynamics」
2014年 8 月 4 日から 8 日の間、名古屋大学におい
(宇宙航空研究開発機構(JAXA)参与、渡辺重哉氏)
て、2014 RENKEI 日英航空宇宙工学共同ワークショッ
が行われました。この講演は、一般の名古屋大学の教
プが開催されました。RENKEI(Japan-UK Research
員と学生にも公開しました。( 2 )工場等の見学:三
and Education Network for Knowledge Economy
菱重工業
(株)飛島工場(民間航空機と H 2 ロケット
Initiatives)は、ブリティッシュカウンシルが仲介役
の組立)、島津製作所(株)三条工場(航空宇宙機器の
となり、教育と産学連携を目的として設立された日英
製作)と創業記念資料館、かかみがはら航空宇宙科学
の12大学からなる学術コンソーシアムです。現在、日
博物館、名古屋大学ナショナルコンポジットセンター
本側は東北、名古屋、京都、立命館、大阪、九州の
を見学しました。
( 3 )航空宇宙工学専攻の研究室で
6 大学、英国側はブリストル、リーズ、リバプール、
の実験とグループディスカッション:参加者を専門別
ニューカッスル、サウサンプトン、UCL(University
の小グループに分け、実験をしながらそれに関する議
College London)の 6 大学がメンバーとなっていま
論を行いました。
( 4 )参加学生によるグループディ
す。
スカッションの報告、
( 5 )RENKEI のこれからの活
このワークショップは、本学の航空宇宙工学専攻の
動に関する意見交換:本学の研究と産学連携を紹介す
研究と日本の航空宇宙産業を学ぶとともに、日本と英
る講演のあと、RENKEI の将来像について活発な意見
国の大学の研究者ネットワークを作ることを期待して
交換が行われるとともに、航空宇宙工学分野における
企画したもので、各大学には、参加者として、博士後
日英の教育方法の違いなどについても紹介がありまし
期課程に在学中(あるいは進学希望)の学生と若手教
た。( 6 )日本文化遺産見学:京都では、島津製作所
員を中心に選考していただくよう依頼しました。その
の見学をするとともに、金閣寺、清水寺、西陣織会館
結果、日本の大学から13名、英国の大学から 7 名の学
なども訪問し、日本の歴史と美を学びました。
石川教授による複合材の講演
6
Academic Consortium 21
AC21
5 日間という短い期間ではありましたが、大学と企
育成という観点からも非常に貴重で有意義であったと
業で将来の研究開発を担う日英の学生が、共に日本の
考えます。このイベントで育まれた交流の芽が育ち、
先端的航空宇宙産業を学び、また実験をしながら議論
日英の研究者と学生の研究協力に発展することを願い
をするというこのワークショップは、グローバル人材
ます。
かかみがはら航空宇宙科学博物館
ネットワーキング ディナー
7
No.
17
第 8 回 AC21国際フォーラム開催告知
ケムニッツ工科大学は 3 つの主要分野の研究を行っ
「ヨーロッパの中心で
国際フォーラム開催」
ています。一つはスマート材料、部品、製品、システ
ムの研究、 2 つ目は資源を有効活用する生産技術の研
究、もう一つは社会的、経済的、生態学的側面におけ
ケムニッツ工科大学 学長
Arnold van Zyl
る技術の研究です。それぞれの分野で、ケムニッツ工
科大学は、地元のフラウンホーファー研究機構やライ
プニッツ研究所と共同研究を行っています。様々な産
業界のパートナーや役所との緊密な連携で起業家を惹
2016年 5 月 4 ~ 6 日、 ケ ム
きつけ、ハイテク部門において多くの新規事業を成功
ニッツ工科大学で第 8 回 AC21
させています。年間予算の約 1 億7000万ユーロの半分
国際フォーラムを開催し、メ
以上が、共同研究プロジェクトの外部資金から賄われ
ンバーの皆様をお迎えするこ
ているのです。
とを楽しみにしております。
先日、ケムニッツ工科大学は競争率の高い German
1836年の設立以来、ケムニッ
University Excellence Initiative の 助 成 金 を 獲 得 し、
ツ工科大学はイノベーション
現 在 は「 多 機 能 軽 量 構 造 の 技 術 融 合 」 を目 指 し た
の伝統を引き継いでおり、魔
Federal Research Cluster of Excellence の本拠地と
法びんから超軽量機能構造に至るまで、常に斬新なア
なっております。
イデアや技術を生み出してきました。現在、 8 つの学
さらに、本学はケムニッツ市ともお互いにパート
部に11,000人以上の学生が学び、それを約2,400人の職
ナーシップを維持しています。例えば、
「スマートシ
員が支え、1995年以降180以上の関連施設が開設され
ステムキャンパス」を共同設立し、大学その他の科学
ています。ケムニッツ工科大学は地域の高等教育と研
学術団体と近接する利便性を活かした新規事業育成セ
究の主要な促進力になっており、それは国際的科学コ
ンターの役割を果たしています。
ミュニティや AC21においても、存分に発揮されてい
最後に大切なこととして、ケムニッツ工科大学は
ると思います。
AC21の国際的なパートナー機関の協力のおかげで、
ケムニッツ工科大学180周年の節目にあたる2016年
留学生の数が以前のおよそ 3 倍にまで増加しました。
に、次回の AC21国際フォーラムを主催できるのは
現在では学生の20パーセントが海外からの留学生で
光栄です。技術・社会の進歩に寄与するという我々
す。
のミッションを実際に目にして、2016年 AC21国際
次回の国際フォーラムのプログラムでは、プレナ
フォーラムのテーマである“Universities as Regional
Innovation Hubs”を探求してください。このフォー
ラムのテーマの通り、大学が社会、経済、生態発展の
ためのネットワーク構築に一役買っていることが明ら
かになるでしょう。
8
Academic Consortium 21
AC21
リーセッション、トピック別セミナーだけでなく、
様々なアクティビティやイベントを用意しています。
自動車・機械工学産業の大手企業やイノベーションを
先導する中小企業など、産業パートナーの視察もあり
ます。ヨーロッパの中心という地理的条件ゆえに、ザ
クセン地方ケムニッツ市の24万人の住民と、近隣国で
あるポーランドやチェコといったヨーロッパの文化の
多様性に触れる機会も多くあるでしょう。
2016年 5 月 4 ~ 6 日の第 8 回 AC21国際フォーラム
でメンバーの皆様にお会いできるのを楽しみにしてい
ます。
(原文英語)
見交換が行われました。國枝理事以下の一行は、11月
メンバー大学訪問①
4 日(火)も引き続きフライブルク大学において、各
分野別に今後の研究協力に関しての打合せを行いまし
フライブルク大学・
ストラスブール大学
た。
國枝理事以下の一行は、フライブルク大学訪問に引
名古屋大学
国際部国際企画課
き続き、11月 5 日(水)及び 6 日(木)にストラス
ブール大学(日仏大学会館)を訪問し、ベレッツ学長
やフローレンツ研究担当副学長ほか関係教員と懇談
し、今後の研究交流等について活発な意見交換を行い
濵口総長、國枝理事、各分野の教員(法学研究科、
ました。全体での会合のほか、各分野の教員がスト
経済学研究科、医学系研究科、生命農学研究科、国際
ラスブール側のカウンターパートの教員をそれぞれ
言語文化研究科、トランスフォーマティブ生命分子研
訪問し、打合せを行う機会も設けられました。ストラ
究所)及び事務職員の一行が、11月 3 日(月)にフラ
スブール大学も、フライブルク大学同様、スーパーグ
イブルク大学を訪問し、本学とフライブルク大学との
ローバル大学創成支援事業で本学の最重要パートナー
今後の交流促進について意見交換を行いました。フラ
として位置づけられており、今後一層の関係強化が期
イブルク大学側からは、シーバー学長、ノイハウス副
待されます。
学長ほか、関係教職員が出席
しました。これまでもフライ
ブルク大学とは、研究者個
人レベルから部局、AC21で
の活動など大学全体でのレ
ベルまで、多様で重層的な交
流が行われてきましたが、本
学が採択されたスーパーグ
ローバル大学創成支援事業
では、フライブルク大学は
事業における最重要パート
ナーとして位置づけられて
おり、各教員が両学長同席の
もと、分野ごとの交流状況と
今後の展望について報告を
するとともに、今後の更なる
交流促進のため、活発な意
9
No.
17
日本の大学を代表して挨拶を行い、300名ほどの学生
メンバー大学訪問②
を前に日本の高等教育の魅力、特にノーベル賞受賞の
数を中心に、間接的に名大のアピールを行いました。
東北大学・吉林大学
AC21推進室中国訪問記
その後、各機関の紹介のプレゼンテーションがあり、
張名大中国交流センター長は再びノーベル賞受賞を強
名古屋大学
教育発達科学研究科 教授・AC21推進室副室長
高井 次郎
調し、他大学を圧倒するほどの関心を集めました。
翌日、一行は長春市へ移動し、吉林大学を表敬訪問
しました。吉林大学からは、陳岡 副学長(国際交流
担当)
、部鉄軍 国際合作与交流処副処長、白茵 国際
去る11月13日~15日の間、渡辺芳人国際学術コン
合作与交流処 AC21担当掛、隋
ソーシアム(AC21)推進室長(理事・副総長)
、高井
よび王思拓 プログラムオフィサーと面談し、2018年
次郎副室長(教育発達科学研究科教授)、張紹良名大
に開催予定の AC21国際フォーラムを中心に話し合い
中国交流センター長(工学研究科教授)、および劉蕾
を行いました。フォーラムのテーマは暫定的に「文化
名大中国交流センター副センター長が中国東北地方へ
を超えて」であり、最近の AC21の傾向が持続可能な
出張し、AC21メンバー校を訪問するとともに各地で
科学技術を中心としていただけに、文系のテーマであ
行われた日本留学説明会に出席しました。
ることに大きな期待が寄せられました。下見を兼ね
最 初 の 訪問地は瀋陽市で、東北大学 に お い て 趙
て、名大の一行は吉林大学のキャンパスのツアーに案
継 学長、于福暁 国際合作与交流処長、王秋菊 外国
内され、その広大かつ近代的・豪華な施設に感銘を受
語学院副院長、魏俊霞 国際合作与交流処日本担当掛、
けました。
および季暁銘 AC21担当掛と面談を行いました。一行
中国滞在の最終日は長春市における赴日予備学校に
はノーベル賞受賞に対する祝辞を受け、名古屋大学と
おいて、再び日本大学共同留学説明会に参加しまし
の今後の関係強化と交流についての話し合いを行いま
た。今回は大学が22校もブースを設けた一方で、参加
した。東北大学は名古屋大学同様、国際化を重点的に
者は100名程度と少なく、「お客様」の熾烈な奪い合い
考えており、その戦略の一つとして AC21における活
が展開されました。前回同様、名大はノーベル賞をア
動を視野に入れて、今後 AC21のイベントの開催を熱
ピールし、会場が湧くプレゼンテーションを行ったも
望していました。実は、趙継学長は前吉林大学学長で
のの、個別相談ではブランド力の優れた大学に学生を
あり、在任中に AC21国際フォーラムを吉林大学に誘
取られた感じがして、若干心残りがありました。さす
致した実績をお持ちで、今度は東北大学でも同様に誘
が広大な国中国、地方によって学生の価値観や文化が
致活動に取り組みたいとおっしゃっていました。
違うことを実感させられました。今後 T 大学や K 大
その後、東北大学において日本大学共同留学説明会
学に負けないよう、名古屋大学はもっと頑張りましょ
が開催され、日本の大学10校、理化学研究所、総領事
う!
館および日本学術振興会が参加しました。渡辺理事は
10
寧 日本担当掛、お
Academic Consortium 21
AC21
「国連デー記念イベント
at Nagoya University
~ウェルビーイングの実現に向けて
私たちができること~」開催報告
名古屋大学
大学院国際開発研究科 教授
岡田 亜弥
る歓迎の辞、伊東早苗名古屋大学国際開発研究科長に
よる主催者挨拶に続き、平田純一文部科学省大臣官房
国際課専門官による来賓挨拶が行われ、続いて私が、
10月に第 1 期生を受け入れ、本格的に始動した『「ウェ
ルビーイング in アジア」実現のための女性リーダー
育成プログラム』の紹介と本イベントの趣旨説明を
行いました。井戸綾子講師(名古屋大学、AC21プロ
ジェクトコーディネーター)が総合司会を務めまし
た。第 1 部では、根本かおる国連広報センター長によ
る「ジェンダー平等を自
「 国 連 デ ー 記 念 イ ベ ン ト at Nagoya University ~
分事に!」と題する基調
ウェルビーイングの実現に向けて私たちができること
講 演 が 行 わ れ、 ご 自 身
~」が、2014年10月21日(火)
、名古屋大学 ES 総合
のご経験に基づくジェ
館において、名古屋大学大学院国際開発研究科と博士
ンダー格差の実態や UN
課程教育リーディングプログラム『
「ウェルビーイン
Women の HeForShe
グ in アジア」実現のための女性リーダー育成プログ
キャンペーンなどジェン
ラム』の共催(国際学術コンソーシアム(AC21)協賛)
ダー平等の実現に向けた
により、開催されました。
国連の取り組みが紹介さ
1945年10月24日の国連憲章発効を記念して毎年10月
れました。
24日の「国連デー」には様々なイベントが世界中で開
続いて第 2 部の「ジェンダーお国事情比べ」セッショ
催されますが、国連創設69周年を迎えた今回は、
「国
ンでは、18か国の学生18名が壇上で自国のジェンダー
連アカデミック・インパクト(UNAI)
」のパートナー
事情に関する 4 つの質問に国旗を使って答えました。
団体 AC21の事務局がある名古屋大学で、学生主体の
多くの留学生が在籍する名古屋大学の特色を活かした
企画・運営により開催されました。多様な国籍や専門
企画でしたが、ジェンダー格差の解消が依然として多
分野の学生有志が企画委員会を組織し、10余回にわた
くの国に共通する課題であることも改めて認識させら
る企画会議を通して「多くの参加者とともに、世界の
れました。続く学生討論セッションでは「男女平等を
人々のウェルビーイングの実現のために何ができるか
達成するために、性別の割当を定めるべきか?」を
考える機会にしたい」
と積極的にアイデアを出し合い、
テーマに、賛成と反対の 2 グループに分かれた男女混
計画を練り、さらに広報や当日の会場運営まで手がけ
成チームによる白熱した討論が行われました。討論者
ました。彼らの熱意とすばらしいチームワークの甲斐
の発言中もフロアから賛同の拍手が沸き起こるなど、
あって、当日は、名古屋大学の学生に加え、近隣の大
フロアの参加者も巻き込んでおおいに盛り上がりまし
学・高校の学生・生徒や一般の参加者等約240名が参
た。これら 2 つのセッションでは、企画・テーマ設定・
加し大盛況でした。
出演・セッション進行のすべてが学生によって進めら
開会セッションでは、濵口道成名古屋大学総長によ
れましたが、参加学生の高い企画力・ディベート力・
「ジェンダーお国事情比べ」セッション
学生討論セッション
11
No.
17
チームワーク力が発揮された有意義な機会になりまし
アウトリーチミッション」も同会場で開催され、社
た。
会人も含め、学内外から約200名が参加しました。国
パネルディスカッションでは、メヘル・カーン・ウィ
連 事 務 局、UNESCO、UNDP、UNICEF、UNFPA、
リアムズ元国連事務次長補・国連人権高等弁務官事務
OECD 各機関の人事担当者らによる力強いプレゼン
所副弁務官、佐崎淳子国連人口基金東京事務所長、ム
テーションに、参加者は熱心に耳を傾け、国際機関へ
ブリ・チャールズ・ボリコ国連食糧農業機関駐日連絡
の就職への関心が高まったようです。後半は、国際機
事務所長、高瀬千賀子国連地域開発センター所長をパ
関別にブースに分かれて個別面談が行われましたが、
ネリストとして、
「ウェルビーイングの実現に向けて
会場は熱気に満ち、閉館時間を過ぎても相談を求める
私たちができること」をテーマに、発表と討論が行わ
参加者の列が途絶えない盛況ぶりでした。
れました。各パネリストから、長年に亘る国際機関で
本イベントの開催にあたっては、文部科学省(博士
の豊富な経験を踏まえ、子どもや女性、貧困層らの教
課程教育リーディングプログラム)の支援をいただい
育や健康、人権、貧困、食糧保障、防災や雇用など、
たほか、AC21から協賛いただき、また、国連広報セ
多様な視点から世界共通の課題が提示され、これら課
ンターならびに名古屋大学リーディング大学院推進機
題を解決し、世界の人々のウェルビーイングを実現す
構本部に協力いただきました。この場をお借りして、
るため、国連機関がどのような取り組みを行っている
あらためてお礼を申し上げるとともに、このイベント
か実践例を交えて報告されました。フロアの参加者か
の開催が、今後、AC21による UNAI を通じた国際的
ら多くの質問が出され、活発な議論が行われました。
な活動の拡大と国連機関とのネットワークの強化、さ
AC21推進室長である渡辺芳人名古屋大学理事(国
らに世界のウェルビーイング実現に向けた共同アク
際担当)
・副総長による閉会挨拶の後、学生企画によ
ションへつながることを期待しております。本イベ
る「クロスカルチュラル・パフォーマンス・ショー」
ントが成功裡に終了し、大変意義深い機会になったの
が催され、日本人学生や民族衣装をまとったタイ・カ
は、基調講演者・パネリストの方々、学生企画委員会
ンボジア・インドネシアの留学生による伝統的な歌や
の皆さん、参加学生、AC21、
『
「ウェルビーイング in
ダンス、楽器演奏に、会場はおおいに盛り上がり、和
アジア」実現のための女性リーダー育成プログラム』
やかな雰囲気のうちに閉会しました。
関係者など多くの方々のおかげであり、深く感謝申し
なお、本イベントに続き、同日夕方には、国連機関
上げます。
への就職希望者向けの合同就職説明会「国連機関合同
パネルディスカッション
クロスカルチュラル・パフォーマンス・ショー
12
アウトリーチミッション・個別ガイダンスの様子
Academic Consortium 21
AC21
「国連デー記念イベント
at Nagoya University」
学生参加報告①
名古屋大学
大学院国際開発研究科
国際開発専攻修士課程1年
各国代表者に自分の国旗を掲げてもらい、それぞれの
質問について、一人か二人ずつ、自国の状況を口頭で
説明してもらいました。このセッションでは、18か国
すべてにおいて、ジェンダー平等を達成するためには
まだ課題が多いことが明らかになりましたが、舞台上
の各国代表者も観客も大変盛り上がり、会場は活発な
雰囲気に包まれました。
(原文英語)
Derrace McCallum
名古屋大学で開催された国連デー記念イベントの中
で、
「ジェンダーお国事情比べ」セッションを実施し
ました。学生が企画したこのセッションには、名古屋
大学に在籍するアジア、アフリカ、ヨーロッパ、北ア
メリカ、南アメリカ及びカリブ諸国の18か国からの留
学生が各国代表として参加し、世界の異なる地域にお
ける女性の活躍やジェンダー平等の状況を概観しまし
た。司会者が女子・女性の教育や保健、政治参加の状
況について、「Yes」または「No」で答えられる 4 つ
の質問を投げかけました。答えが「Yes」の場合には
「国連デー記念イベント
at Nagoya University」
学生参加報告②
「ジェンダーお国事情比べ」セッション
しく思います。最後に、国連デー・イベントの企画と
いう貴重な機会を与えてくださった、国連広報セン
ターと名古屋大学の先生方に深く感謝いたします。
名古屋大学
大学院生命農学研究科
生命技術科学専攻博士課程3年
家田 菜穂子
ディベートセッションは、真の男女共同参画を達成
するために私たちができることは何か、を考えること
を目的として行われました。
「男女共同参画のために、
クォータ制を取り入れるべきか」をテーマとし、日本
人学生および留学生が賛成派と反対派の二つのチーム
に分かれて議論しました。一般の方々にもディベート
に興味を持ってもらえるよう、学生の運営委員が複数
回のミーティングを重ねてテーマを決定しましたが、
その過程で、出身国や研究分野の異なる学生が集ま
り、世界におけるジェンダー問題について深く話し合
えたことは貴重な経験となりました。ディベートの準
備にも練習にも皆が活発に参加し、このイベントを通
して良い刺激を与えてくれる友達と出会うことができ
ました。当日はフロアからの質疑応答も盛り上がり、
ディベートセッションを成功させられたことを大変嬉
学生討論セッション
13
No.
17
AC21推進室活動記録(2014年10月~2015年3月)
2014.10.17
第130回 AC21推進室会議
2016.2.20
第133回 AC21推進室会議
2014.10.21
国連デーイベント参加
2016.3.18
第134回 AC21推進室会議
2014.11.25
第131回 AC21推進室会議
2016.3.23–26
APAIE 参加
2014.12.25
第132回 AC21推進室会議
イベント・カレンダー
2015.4
第 6 回 AC21学生世界フォーラム(於ストラスブール大学・フライブルク大学)
第13回 AC21運営委員会(於フライブルク大学)
2016.5
第 8 回 AC21国際フォーラム(於ケムニッツ工科大学)
第14回 AC21運営委員会(於ケムニッツ工科大学)
第 8 回 AC21総会(於ケムニッツ工科大学)
2017
TBA
第 2 回 AC21国際スクーリング(於ガジャマダ大学)
2018
TBA
第 9 回 AC21国際フォーラム(於吉林大学)
AC21メンバー
AC21とは
アデレード大学 *(オーストラリア)
AC21とは、世界の教育・研究組織により構成された
ガジャマダ大学(インドネシア)
国際学術コンソーシアムです。2002年 6 月24日に開催
カセサート大学(タイ)
された名古屋大学国際フォーラムにおいて、国際的な
カンタベリー大学(ニュージーランド)
学術ネットワーク構築を目的として創設され、名古屋
華中科技大学(中国)
大学にその事務局が置かれています。
吉林大学(中国)
ケムニッツ工科大学 *(ドイツ)
上海交通大学 *(中国)
ステレンボッシュ大学 *(南アフリカ共和国)
ストラスブール大学(フランス)
チュラロンコン大学(タイ)
同済大学(中国)
東北大学(中国)
名古屋大学 *
南京大学(中国)
ノースカロライナ州立大学 *(アメリカ合衆国)
フライブルグ大学 *(ドイツ)
北京大学(中国)
ミネソタ大学(アメリカ合衆国)
ラオス国立大学(ラオス)
* は AC21運営委員会メンバー
AC21
No.
17
2015年3月1日
編集 ・ 発行 国際学術コンソーシアム
(AC21)
推進室
〒464-8601 名古屋市千種区不老町
名古屋大学
TEL 052-789-5684
e-mail office@ac21.org
URL http://www.ac21.org