442 一般財団法人 日本貿易関係手続簡易化協会 2015- 07 今月号の内容 記事1.◇連載◇ 貿易の実務と理論 (11)………………………………………………… 1 早稲田大学名誉教授 椿 弘次 記事2.アフリカにおける貿易取引等の電子化に関する調査 ……………………………… 8 記事3.第33回AFACT 中間会議に係る概要 (出席報告)………………………………… 12 記事4.国連地名コード (UN/LOCODE) のフォーカル・ポイント設定 …………………… 20 記事5.UN/LOCODEの新規承認 ………………………………………………………… 22 記事6.国連CEFACTからのお知らせ ……………………………………………………… 24 =JASTPRO広報誌電子版のご案内= 裏表紙にJASTPRO広報誌電子版のご案内を掲載しておりますので、ご参照下さい。 J AS T P RO ◇連載◇ 記事1. 貿易の実務と理論 (11) 早稲田大学名誉教授 椿 弘次 まえがき 前号で、この連載は10 回を数えた。この機会に、各号の主たるテーマを整理し、全体を眺める際の参考 に供したいと思う。 なお、ここでは本誌の号数のみを示すことにする。 No.432 貿易実務と一般に称される国際売買(貿易)を講じる分野は、 「実務」 (practice)と理解し、 「理論」 (theory)がないかのごとく考えるのは、再考を要する。この点を、Incotermsといわゆるsurrendered B/L (B/Lの元地回収)を題材に、 「法務」と「商務」の複眼思考の必要性を説明した。 No.433 国際コンテナ運送が貿易実務に与えた影響を説明し、貿易実務の基本モデルである「国際荷為替の危 機」に言及した。併せて、port-to-portの貿易実務から、terminal-to-terminalの貿易実務への移行 に言及し、Incoterms® 2010 が 2グループに再編されたことの意義に注目すべきことを指摘した。 No.434 No.433を受けて、 国 際コンテナ運 送( 定 期 運 送 サービス)を前 提とした貿 易 取 引に用いられる FCA,CPT,CIPの各条件について、説明を加えた。 No.435 CIP, CPTなどの条 件に基 づく対 米 輸出取引の事 案(Regal-Beloit 事 件すなわちKawasaki Kisen Kaisha Ltd. v. Regal-Beloit Corp, 561 U.S.98, 2010 AMC 1521(2010), Norfolk Southern Ry. Co. v. James Kirby, Pty Ltd., 543 U.S.14, 2004 AMC 2705(2004))を参考に、陸上運送への国際海上物品 運送法の適用の可否、アメリカの連邦海事法管轄の問題を紹介し、対米貿易におけるCPT, CIP 条件に対 する法政策的環境を説明した。 No.436 FOB, CIFの従来型の条件を再説し、依然として積地売買(shipment contract)が主流で、仕向地に おける規制や税制の問題に触れることが少なくない揚地売買(destination contract)は、隔地者間売買と しては相当な準備を要することを指摘した。 Nos. 437-438 この2 号にわたって、在来型船舶による国際商品の貿易の事例を、穀物、LNG、砂糖、コーヒーなどの(ロ ンドン)取引標準約款を参考に紹介した。この種の貿易実務における傭船契約の理解の重要性を強調した。 ̶1̶ J AS T P RO No.439 国際荷為替モデルの電子取引化に伴う業務プロセスモデル(BSPモデル)について、説明した。 Nos.440-441 貿易実務と契約法について、英語で交渉し、契約を締結することから、英文契約が重要であることに鑑み、 英米の「商行為法」 (Business Law)や「契約法」 (The Law of Contract)の学習が貿易実務にとって必 須になることを説明した。かつて、 「商業英語」の中で取り上げられた入門的トピックを深めることが求められて おり、英文売買契約書の一般取引条件、契約解釈の原則、新しい国際契約のルールとしてのUNIDROIT 原則に言及した。 1.貿易売買契約:貿易実務の基礎的な法務としての契約の成立 貿易実務が、国際売買を対象とする限り、売買契約に関する基礎的な理解は不可欠である。すなわち、 貿易売買契約は国際売買契約として、諾成、不要式、双務、有償、隔地者間の未履行契約である。 第一に、申込みと承諾による合意(offer-acceptance mechanism)があって、契約の成立要件が満たさ れるとするのが通念である。また、方式の自由が認められ、特定の契約書式の作成が、契約の効力の前 提条件にはならない。このため、書面化されたもののみでは契約の内容を網羅的に把握することはできない。 しかし、 (仲裁、訴訟に訴えてでも)強制可能な合意であるためには、合意内容が明確(曖昧でない) 、十分 で、確定(sufficiently definite) していることが証明されなければならない。このため、契約の方式は自由で あるとの原則とは別に、契約の成立および内容の立証・証明の便を考えると、契約関連の書面の存在が証 拠として重要である1。当事者自治の原則に照らしても、当事者の具体的な交渉結果が書面などで証明され、 取引一般約款で補充されれば、契約の目的、性質、種類などについて相当明確になる。このため、具体 的な交渉の結果である個別特約条項(基本条件)に次いで、この取引一般条件が、とりわけ紛議の予防、 解決において重視される。早晩、交渉のプロセスで、この一般取引条件についての合意の有無が問われる。 隔地者間の未履行契約である貿易売買契約は、取引に伴う危険や危機の管理に重要な意味を持つ。そ れは、契約締結から履行完了に至る契約のライフ・サイクルにおいて、不確実(risks)なこと、あるいは危 機的な事象(crisis)の発生に備える約款が多く含まれることを意味している。 (仲裁、訴訟に訴えても)契約 の実現を強制したいとするのか、不可抗力的事態の発生と見なして、契約の解除、停止を認めるかの選択 に係る約款にも留意しなければならない。為替変動危険の負担に関する約款、運送危険による商品の損傷・ 滅失の負担、相手国の政治経済の変動や相手方の財務危機による信用不安などに関する約款が、これに 類する代表的な約款である。 そこで、第二に、これらの含む取引一般条件を含めて申込みと承諾による合意の成否を問うのかどうかも、 重要な検討課題である。取引一般条件の提示のタイミングと明示の合意の範囲の取り方として、慎重に対 処すべき点でもある。相手方によっては、商機の確保と迅速な履行を重視し、取引一般条件付きの交渉確 認メモのうち、詳細な取引一般条件の印刷部分を削除してくることがあり、そうしないまでも「検討中」 (still 1 立証の便(換言すれば、訴訟の経済性) を考慮してのことだと思われるが、アメリカではUS$5,000 以上の契約は、書面化されてい ないと、訴訟などに訴えて強制できない (UCC§2−201(1))。また、合意の最終性を承認し、外部証拠排除の原則(Parole Evidence Rule) が適用されることは、書面の確定効をみとめるものでもあるから、交渉事項の適宜の書面化の重要性は失われない。 ̶2̶ J AS T P RO working) と特記して当面の合意には含まれないとの意思表示をして返信してくることがある。そうすれば、合 意の範囲の問題が残り、合意の拘束力が問われかねない。にもかかわらず、国際運送の手配の交渉、 (信 用状の開設などの)決済保証についての取引銀行との協議など、交渉の行方を見ながら着々と履行準備行 為が進められることもある。その一方で、履行の準備行為が進み、経費の負担がかさむこともまれではなく、 交渉の打ち切りが宣言されると経費が無駄になる。このように、契約の成立から履行についての不確実性に 対処する契約条項の捉え方に、取引の目的、性質により、あるいは当事者の自治意識などにより、かなりの 相違が表れる。これに対処する的確な判断が、交渉担当者に求められる。 契約や契約書は、取引に関する危機(crisis)や危険(risk) という蓋然性の問題に対処する事前の取り 決めでもある。このため、不確かさに常に慎重に向き合い、可能な限り網羅的に規定したいとの考慮が働く のが、法務的思考の基本だろう。長文の規定を持つ一般条件を揃えて、印刷約款として相手に承認しても らいたいと考えるのが危機管理(risks management)の法務である。これとは対照的に、取引に関連して 多くの情報の提供や説明を行い、商務は不確かさを抑える取引行動を求める。したがって、 「契約の熟度」 という考え方は、後者、すなわち商務的感覚の表れと見るべきものだろう。 したがって、交渉をどう進めるかは、商務(営業) と法務(審査・管理)の協力事項である。一般的には、 商務が先行し、その途中で、法務思考の一般条件を相手に提示し、最終的にはどちらかの一般条件を基 礎に、最終とりまとめを行うことになろう。実際には、企業組織の構造、取り扱う商品の性質、取引形態など の要因に照らして、商機を重視して商務先行ながらも、法務がブレーキ役になるのだろう。なぜならば、取 引が円滑に進めば、基本条件で契約履行は進捗し、法務問題が表に出ることは抑制されるからである。組 織間関係が安定し、経験が積み重なるとなおのこと、法務問題は和解(amicable settlement)で終わる。 当用の(spot)比較的確定し安定した条件での売買は別にして、財務負担が重く、長期に継続される大 型の取引が目標とされる交渉では、一部不確定を理由に、一方的に交渉中止を主張し、契約法的には責 任を負担しないとする考え方に対し、 「契約締結上の過失」という概念を用いて信頼利益の保護をはかるべき だと説かれてきた 2。商務の思考では、それは交渉過程におけるコミュニケーション管理として、情報提供、 説 明、中間の整 理などの問 題として捉えられ、それを的 確に行い協 働の実を挙げることが「 評 判 」 (reputation)に反映されるという非法的(non-legal)行為基準に係るものと見られる。 第三に、企業間の貿易取引(B-to-B)は、今日のように、国際的にも商品や資本などの各種市場が整備 され自由化され、交通・通信が発達している状況において、特定の当事者間で一回の履行で終わるもの(単 発的契約)は少ないことである。有利な取引は、自然に繰り返されるもので、また、有利な取引関係を形成 したいとの思いで、取引交渉が探求され、開始される。一回でも有益な取引経験があれば、それが前提・ 前例となって、二回目以降の取引は取引費用も節約できるから、いわゆる継続的な取引関係に発展する性 質を本来的に持っているものである。貿易実務書に、市場調査、信用調査などを基に引合い(business inquiry)に進み、取引関係の形成を目標として、取引一般条件の交渉、個別契約(spotの契約)の交渉 へと順に説明されるのは、このことを踏まえていると思われる3。 2 内田 貴『民法 Ⅱ 債権各論』東京大学出版会、第 3 版、2011、p.24 以下、河上正二「『契約の成立』 をめぐって (一)」 『 判例 タイムズ』No.655(1988), pp.18-21 参照。 3 取引一般条件の交渉と基本条件の交渉の前後関係は、取引の目的、性質、業界標準約款の有無などにより異なることは明らかで ある。 ̶3̶ J AS T P RO 一般的な商品(特別仕様の商品ではなく、市場で比較的容易に入手できる商品と言う意味で)の国際売 買において、Bargain すなわち本交渉(申込み、反対申込み、発注書など)において、その種の文書、 通信などに明記されるのは、価格、品質、数量、決済、納期、検査などごく限られた事項(いわゆる基本 条件 4)である。それらは、取引の採算や利益に直接的に関係して、取引相手の契約を締結するか否かの 意思決定に大きく影響する。そして、契約解釈にあたり、それに最も優先的な効力を与えられることは周知 のところである。申込みであれ、反対申込みであれ、個別交渉事項についての明示の条項を欠いていると、 申込み等として不完全なものと見なされる恐れが残る(もちろん、取引経験を重ねている当事者間において、 あるいは確立した慣行に準拠することが取引実務となっている業界では、前記の事項を一、二欠いても、 契約を有効ならしめるため、黙示の内容として、相当な(reasonable)実務や慣行を摂取することは認めら れる5)。 内容的には、以上のような基本交渉事項をまとめた売買の約束が、 「申込み」である(法概念的名称とし て、申込み(=offer) というが、売買の明確かつ十分な約束の提示であれば、名称は発注書、最終提案、 確認メモであっても良い。ただし、Our Idea, Our Suggestion、Our Quotationなどと表記されたときには、 約束性が薄れる可能性はある)。意思表示一般の原則に従い、申込みが相手方に着信(到着した)時に 有効になり、相当の期間、有効なものとして存続する。着信(到達)は、通信やメッセージの種類により異な るので、紙などに拠る場合、電話などの対話者間の場合、コンピュータ通信のようにメール・ボックス間のメッ セージ交換の場合、などに分けて、交渉の通信手段ごとに着信の時点を取り決めることもあろう。 その基本条件の提示が先行し、それを巡る交渉の過程で、取引一般条件を裏面に記載した確認書を用 い、相手に「押し付けたい」一般条件の提示を行う。これをA方式としておこう。これに対し、はじめに取引 一般条件の協定を取り上げ、入念に基本条件の交渉も進め、文書で確認する方式をB方式としておこう。 契約の種類、目的により異なるが、A,Bの間の選択は重要である。将来、取引を反復・継続したいならば、 B 方式が望ましいだろう。取引一般条件をあまり重視せず、迅速、簡便を尊ぶならば、 「基本条件」で対応 できると考えるのも、援用(あるいは適用)可能な国際的なルールが用意されている現状を良く理解すれば納 得できる。また、基本条件を補充し、説明する環境条件は整ってきている(商事仲裁の慣行、CISGなどの 国際条約、Incoterms や UNIDROIT 原則などの国際統一ルールの援用 , 業界の慣行の広報など)。それ に対し、紛議の発生する確率は高くなく、発生しても、和解による解決が十分可能である場合、 「battle of forms」 (書式の争い)に走る緊急性はないだろう6。 4 契約の要素とも呼ばれ、付随的条件と区別される交渉事項、直訳的には「叩き出された、掛け合った条件」 と呼ばれ、言うところの 営業判断=business judgementの対象になる。この基本条件は、 minimum content; essentialia negotiiとも称され、契約の目的、 性質にもよるが、少なくとも商品、品質、価格が揃えばよいとされる (I. Schwenzer et al., Global Sales and Contract Law , Oxford.U.P., 2012, para.10.05, CISGArt.14(1))。それ以外の事項は、条約や法律で細かく規定するのではなく、先例、慣行、 交 渉 の 経 緯などにより補 充されるの が 普 通 である (CISG Art.8(3)参 照、 前 掲 のGlobal Sales , para.10.05, fn.11 参 照 )。 CISGArt.14(1) も参照のこと。方式の自由 (不要式の原則)の一環として、CISG Art.11. 参照。 “sufficiently definite”とは、 少なくともこの3 点が揃っていること、承諾があれば拘束される意思が表明されていること、これが申込みの要件であり、定義でもある (CI SG Ar t.4 (1))。 5 I. Schwenzer et al., 前掲書 , para. 26.66-26.68 参照 . 6 組織内分業の論理と責任の分担が、アメリカ的思考では明確に意識されているから、この種の争いの事例が特にアメリカで多いの は、法務の功名心が前に出ているのかもしれない。 ̶4̶ J AS T P RO 要するに、申込みと承諾による契約の成立の基本枠組みを中核としつつも、その前後を含む四囲の事情 の判断による基本枠組みの具体的な修正が促されているのではないかと思われる7。 [河上、p.15 参照]。 (後 述 PICC Ar.4.3, UCC§1-303、2-204 参照) 2. 申込みと承諾による合意という基本の枠組みとその現実 申込みと承諾と言う相対立する意思の合致を以って合意とし、一時点で瞬間的に「契約」が成立するとい う伝統的契約観はわかりやすい。これが成り立つ前提は、当事者双方が共通の標準書式を採択し、特約 事項のみを適記して(box layoutに特約事項を記入する)交渉する国際商品取引、貨物保険契約、航海 傭船契約などに見られる。この意味で、CIF 売買慣習は、海商中心の同業者間のイギリスの契約観を代表 するものであろう。しかしながら、貿易取引が B-to-Bの事業であることを考えれば、瞬間的な一時点に至る 過 程に、引 合いという予 備 交 渉 があり、その過 程で場 合によっては、 対 面の交 流 活 動(exchange activity)が行われ、その結果、多少とも時間をかけて本交渉(negotiation, bargain)が展開される8。こ のようなプロセスにおいて、当事者の取引意図、方針、準拠する国際ルール、標準的業界約款の有無、業 務経歴などが明らかにされる。それらの多くは、申込み・承諾の合意形成メカニズムの背景をなし、また、当 事者の期待の基盤になっている。もっとも、やや一般的でない、業界標準約款が十分確立していない場合 において、自社標準書式を用いて交渉するときは、 「書式の争い」などに見られる戦術的駆け引きも行われる だろう。 したがって、本交渉の過程で、申込みと反対申込みのやり取りにより、瞬間的に「承諾」により契約が成立 するように見えても、契約の内容に関しては交渉過程の中で熟成されるものであるとみなすのが妥当であろ も、 「売買契約の成立に十分な合意は、合意の特定の時点が決定できないときでも認 う9。UCC§2-204(2) 定されうる」と規定し、成立の時点を一点に絞らないことを明らかにしている。これを一点に絞らなければなら ないのは、国際商品取引の場合である。国際業務標準となる普通約款が取引の共通基盤になり、その書 式上、空白にされている箇所への特記事項および二者択一的条項の選択を明らかにする確認書(fixture note, confirmation) により「瞬間的に承諾により契約成立」 と見なさないと、迅速な相場取引である連鎖取引 (string contract)は成り立たない。それは、国際売買としては、一般化できない取引形態である。主流は、 UCCの示す考え方にあるだろう。 「申込みと承諾による合意形成」と言う原則は、当事者が互いに拘束される義務の交換(債権、債務)の 意思表示をしたことを示すものとして、重要である。しかしながら、特定の書面や行動に表れた意思のみで 直ちに完備した契約内容になるのではない。このために、可能な限り合意を活かすよう、客観的基準に従い 補充、説明、解釈するルールが用意されている。それらは、 UCCの場合でいえば、 §2-202(文書に記載の「最 終性」の表現;口頭ないし外部証拠排除の原則)であり、同じく§1-303により、 「履行の経緯、取引の経過、 取引の慣行の援用」が認められている。UNIDROIT 原則 Art.4.3も同様の趣旨を定めている(本誌、 No.441、p.5 参照)。なお、CISGには、これに直接関する規定は見当たらないが、当事者意思の解釈に関 7 河上正二、前掲注 2、p.15において、「契約成立に向けての接触の段階から契約関係は始まっているとみる」のが素直であろうと示 唆され、 「申込み」前の折衝の事情も重要であると暗示しているように思われる。 8 No.440、 「3.貿易取引契約の交渉」参照。 9 内田 貴、前掲注 2、p.22 以下および河上正二「現代的契約についての若干の解釈論的課題」棚瀬孝雄編『契約法理と契約慣行』 弘文堂、1999 年、p.185 以下参照)。 ̶5̶ J AS T P RO するArt.8(3)がこれに近似していると思われる。 個々の事案の四囲の事情を踏まえて、予備交渉を含む商談進行中に形成される当事者の信頼や期待に 応えるべきか否かについて、第三者(裁判官、仲裁人など)により前記のルールの適用が慎重に行われると 思われる。 以上が、日本における貿易取引契約の交渉の法務の背景となる実情であろう。中間商(貿易商社など)を 介した個 品の転 売 取 引や国 際 商 品 取 引 所を介して行われる連 鎖 取 引(chain transactions, string contract、業者間転売取引)を中核におく取引社会の原則(完備契約を志向する) と、長期的な事業契約 (business transactions; 売買中心のcommercial transactionsと区別される) も少なくない取引社会の原則 (非完備契約を許容する)の間に契約法の面で差異が生じるのは自然なことである10。したがって、特に後 者の場合には、 「契約成立に向けての準備段階から濃淡はあっても契約的関係は始まっていると見るのが素 直なのではないだろうか」 (河上正二、前掲注 7 参照)。後者の場合には、 「中間の整理」としてletter of intent( 念書) 、MOU(覚書)の作成などによる交渉の途中における論点の整理、到達点の確認などが行 われることは稀でない。他方、後者を背景に持つ場合の各期や一出荷毎の個別の売買(spot 契約)は、メ モランダムにして個別出荷契約として扱われる。その場合には、この個別契約は基本の事業契約の下にあり、 それに支配される(govern and regulate)。基本条件も、納期、数量、価格などの事項に限られ、迅速に 契約処理され履行される。すなわち、このspot 契約は、 「完備契約」でなければならないだろう。各出荷部 分と全体の契約との間の調整が必要になるだろうが、各出荷部分の履行について数量の過不足などの違反 が生じても、本体の契約が危殆に瀕することは少ないだろう。 「契約の熟度」と言う考え方は、交渉継続中に、 「もう引き返すことはできない」と感じ、契約上の義務感情 が生まれることを表現するものだろう。しかし、明確な時点(「賽は投げられた」)を確定することは、事後的 にでも決定するのは容易でない。したがって、これを回避する諾成の「儀式」として、先に触れた中間とりまと めや整理(letter of intentやMOU) と区別すべく、 「最終見積もり (Final Quotation)」、 「確認書の交換」、 「確認メモ」の作成、本格的には基本契約の調印式などが行われる。これとて、名より実が問われるので、 法務の扱いでは、やはり交渉の文脈の中で慎重にその取引関係とそれらの書面の性質が判断されなければ ならないだろう。 これに関連して、取引の経済的環境の変化を考え、迅速に契約締結につなげたければ、申込みの有効 期限を明示して、相手方に承諾を促すことである。その方法の一つが、承諾の回答の有効期限を設定する ことである。これは、Firm Offerと称されるもので、申込みの有効期限が、承諾の回答の着信期限として 明示されるものである。 (CISGは、承諾の回答の効力発生を、申込者に対する承諾の到達(着信)に限った。 伝統的なコモン・ローの発信主義は取られなかった)。 今日の通信手段では、電子情報通信が一般的であるから、発信と着信の時間差は小さいので、普通に はどちらであるかがさしたる問題にならないだろう。また、通信記録は自動的に表示されるから、何時着信し たかも争うことは極めて少ない。しかしながら、相場性の強い商品の場合には、前後の取引のつながり (link, string)が重視されるので、この点には注意が必要である。 なお、これに関して、Accepted subject to contractと表示して、俗にいう 「唾をつける」ことが行われると、 10 同じコモン・ローの国でありながら、契約法に微妙な差異が英米間に見られるのも企業社会の多様性のあらわれであろう。それは、 典型的には、Firm Offer, Substantial Agreementに関するUCCの規定(§2-205および§2-207) に見られる)。 ̶6̶ J AS T P RO 契約書面にまとめた上で、双方もしくはいずれかが署名するまで、契約の成立はないことになろう。 (同じこと は、Final quotation subject to contractにも言える。これは、申込みの勧誘に等しいものと解され、相手 方から書面にまとめたものが「申込み」として届き、それに承諾の回答をして契約成立として扱われることにな ろう。すなわち、Offer sub-conと同じ効果を持つだろう)。 3.小括 本号で取り上げた課題は、具体的な事案を含めて、多くが残されており、引き続き調査を進めたい。今回 も行間からあきらかになったように、企業間の継続的、連携的取引が国際的にも増えて、伝統的な契約観で 十 分 説 明 できにくいような問 題 が 多いことが 判った。これに対して、 統 一 条 約により対 処 するより、 UNIDROIT 原則のようなモデル規則および比較的短期に見直して改定案を提出しているアメリカ統一商法典 (UCC)に、CISGと並んで、参照を求める意義は大きい。引き続き、これらに拠りながら、貿易実務の実践 的課題を説明したい。 以上 ̶7̶ J AS T P RO 記事2. アフリカにおける貿易取引等の電子化に関する調査 《平成27年度JASTPRO調査事業の概要》 1.調査の概要等 (1)JASTPROは、毎年度、貿易取引等の簡素化及び電子化に関する国内外での諸制度の動向等、時宜 に応じたテーマを取り上げ、関係機関や関係団体等の協力を得つつ調査研究を実施しております。 (2)平成 27 年度におきましては、アフリカに焦点をあて同地域が高成長を続ける中で、多様な経済活動の拠点 として、また消費マーケットとして注目を集め、多くの日本企業が事業展開を行っている状況等を踏まえ、アフ リカでの貿易取引等に関する電子化の状況等について調査を実施することとしております。 特に、我が国が国連 CEFACTのアジア・太平洋地区ラポータとして活動を展開している中で、アフリカ 地区ラポータ (セネガル) との従来からの相互の連携関係を活用し、また、アフリカ開発銀行アジア代表事務所 (東京)様のネットワーク等をも活用させて頂きつつ、その実態等を調査することとしております。 2.調査実施内容等 (1) アフリカ地域においては、毎年、シングルウインドウに関する会合を開催しており、2015 年は、10月5日 (月) ∼ 7日 (水) までの間「International Single Window Conference 2015(ISWC)」 をコンゴ共和国にて開催 (別添参照) することとなっております。今次会合には、アフリカ地区ラポータの仲介のもとJASTPRO が招待 される予定(併せて我が国の実態を報告) であり、同会合において参加各国の電子化の実態を収集するとと もに、それぞれの国への個別ヒアリングを実施することとしております。 (2) この調査実施に際しては、当該会合への参加国が判明(現状ではセネガル、コンゴ共和国及びケニア) し た時点で、参加各国への調査項目を送付して行う事前調査と、会期中での個別ヒアリング等可能な範囲に おいて調査を実施し、各国の事情把握に努めることとしております。 (3)併せて、アフリカ域内では、経済共同体として西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS、ナイジェリア (事務 局)) 、東アフリカ共同体(EAC、タンザニア (〃))等が複数存在しております。本年度の調査は、ISWC 参 加国へのヒアリング調査を主に実施することとしておりますが、当該会合には各経済共同体等の事務局関係 者が参加する可能性もありますので、可能な限りその知遇を得てその場でのヒアリング又は後日の情報入手 に努めることとしております。 3.その他 上記の調査事業につきましては、広大なアフリカ地域での調査であることを勘案し、単年度での調査では十 分な結果を得ることが困難であることが想定されます。 従いまして、初年度はその主目的を各国の事情把握に努めることとし、翌年度においてアフリカ地域での経 済共同体について調査することを念頭においております。 なお、各国の実態等につきましては、報告書に要約し関係業界等へ提供すること等を予定しております。 ̶8̶ J AS T P RO <ISWC 開催場所と主要な経済共同体> COMESA ECOWAS EAC ISWC 会合開催場所 (コンゴ共和国、ブラザヴィル) SADC ̶9̶ J AS T P RO AAEC SWC & EXHIBITION BRAZZA 2015-OCTOBER 5Th -7Th PARLIAMENT PALACE HOW SW CAN FACILITATE WTO TF AGREEMENTS IMPLEMENTATION ? DRAFT CONFERENCE AGENDA DAY 1 : October 5th 2015 Registration 9H00’’ : Welcome speeches 10H30‘’ - 11H30’’: VIP EXHIBITION TOUR- PRESS CONFERENCE-COFFEE BREAK Opening exhibition by the Minister 8H00’’ : 11H30‘’ - 13H30’’: SESSION 1 : STATE OF THE WTO TF AGREEMENTS IMPLEMENTATION IN AFRICA In the run up to Bali Trade facilitation Agreements, many African countries are looking to implement efficiently the agreements. In this session, experts and participants will explore the level of implementation and will think about on how to running concretly this processus. 14H30‘’ - 17H30’’: SESSION 2 : SW IN TRADE FACILITATION (BEST PRACTICES) Single windows coverage in: Africa Asia Europa Presentation of AAEC single windows operators This session will enable to share the best practices and learn from other countries that have already successfully implemented a National Single Window aligned with Bali Requirement. 17H30’’ : End of Day 1 proceedings Conference dinner 19H00‘’ - 21H00‘’ : Organizers ̶ 10 ̶ J AS T P RO DAY II : October 6th, 2015 9H-13H’’ : SESSION 3 : HOW COULD SW PLAY A ROLE FOR THE IMPLEMENTATION OF THE TFA AND CONTRIBUTES TO THE EFFECTIVE REGIONAL INTEGRATION ? Regional context of trade in Africa: Presentation of survey results from African countries on trade facilitation and paperless trade implementation Concrete projects and achievements; What regional and sub-regional arrangements could be taken to ensure that TF measures reinforce ongoing efforts to integrate the continental market ? 15H-18H30’ : SESSION 4 : BUILDING A GLOBAL TF ENVIRONMENT Breakout sessions Standard Implementation Best practices This session will address International standard implementation in the context of Single Window. The main objective is to come out with single window recommendations to be interoperability with global supply chain. 18H30’ : This session will be enabling to learn from each with emphasis on how to disseminate those concrete initiatives in Africa. End of Day II proceedings /Suspension des travaux DAY III : October 7th, 2015 SESSION 5 : BUILDING THE FUTURE OF SINGLE WINDOW Round 1: Experts views Round 2: Technical Assistance views 12H30’’ : Recommendations and closing – Minister of Transport Organizers 以上 ̶ 11 ̶ J AS T P RO 記事3. 第33回AFACT 中間会議に係る概要 (出席報告) AFACT: 貿易簡易化と電子ビジネスのためのアジア太平洋協議会 Asia Pacific Council for Trade Facilitation and Electronic Business 2015 年 6月15日(月) ∼ 17日(水)の3日間、イラン・テヘランにて開催されました第 33 回 AFACT 中間会議 について下記のとおり概要を報告します。 なお、本件 AFACT 会議は、今次会合の「中間会議」と年末に開催される「総会」の年 2 回開催されます。 *AFACT 概要につきましては http://www.jastpro.org/un/afact.html をご参照ください。 中間会議の参加者 1.会議全体の構成 【主 催 者】 イラン Ministry of Industry, Mine & Trade : Iran Center of eCommerce Development(以下 ICeCD) 【会 場】 Espinas Hotels & Resorts Tehran 【会議日程】 準備会合 6月15日(月)P M AFACT 運営委員会(以下 StC) 6月16月(火)AM AFACT 作業部会(以下 W/G) 6月16日(火)P M ∼ 6月17日(水)AM AFACT StC 6月17日(水)P M 2.会議全体の出席者 (1)AFACT 中間会議には6 ヶ国が参加しました。 国別には韓国(2) 中華台北(4) 日本(3) タイ (3)インド (2) であり、また、ホスト国であるイランからは多数の 出席がありました。 ̶ 12 ̶ J AS T P RO また、UNESCAP(国連アジア太平洋経済社会委員会) からWeb 経由での参加がありました。 (2)前回 2014 年 11月、タイ・バンコックにて開催された第 32 回 AFACT 総会には6 ヶ国 37 名の参加があり ましたので出席国数、出席者数ともほぼ同規模での開催となりました。 3.日本からの出席者 3 名 石垣 充 :(一財)JASTPRO 業務部業務一部長(日本団長) 菅又久直氏 : 国連 CEFACT日本委員会サプライチェーン情報基盤研究会(SIPS)業務執行理事 (Technology & Methodology Committee(以下 TMC)議長) 鈴木耀夫氏 : NPO 法人 観光情報流通機構(以下 JTREC)専務理事 (Travel, Tourism & Leisure Working Group(以下 TT&L W/G)メンバー) 4.準備会合 (6月15日PM) 各委員会・W/G が合同により共通のテーマの下に議論するため、本会議前日の午後に準備会議が行わ れました。主な審議内容は以下の4点です。 4.1 新技術への取り組みについて 新技術対応戦略についてTMC 議長が以下を踏まえ、1 か月を目途に叩き台を策定することとなりました。 ○ AFACTにおいて新技術について検討する必要性があるのか ○ 新技術とはどの程度先の将来を見越すのか。 ○ 新技術はどのようなことを対象とするのか。 ○ なぜ新技術を必要とするのか。 ○ 新技術をどのように導入するべきか。 4.2 現行の委員会・W/G の見直しについて 現在の委員会は以下の3 委員会であり、各 W/Gはそのいずれかに属しています。 ① Business Domain Committee(略称 BDC) ② Technology and Methodology Committee(略称 TMC) ③ Communication Support Committee(略称 CSC) TT&L W/GとCloud W/Gのように、異なる委員会に属するW/G が相互に連携するケースも出ており、 効率的な運用を目的に現行の組織を見直すこととし、次回 Plenaryにおいて改めて議論することとなりま した。 4.3 AFACT Website の運営要領 これまで常駐事務局であるイランが Websiteを保守するための必要なリソースを十分には手当できず Websiteの保守がおろそかになる傾向がありましたが、このほど「ICeCD」にリソースが確保されることとな りました。 また、AFACTメンバーのAFACT Websiteについての改 善 要 望をとりまとめる担 当 窓 口(Web Coordinator)として石垣 充氏が、また、Websiteを支える技術陣のまとめ役としてICeCDのAzadeh Bagheri 氏が選任されました。 ̶ 13 ̶ J AS T P RO 4.4 月次電話会議 これまで不定期に開催されていたStCメンバーによる電話会議については、意見交換及び意思決定の 活性化を図る趣旨により、月次定例開催とすることとなりました。これにてAFACTの運営の更なる効率化 に寄与することが期待されます。 5.StC(6月1 6日AM 及び 6月17日PM) に於ける審議内容 5.1 主催者挨拶 (左からTofigh 氏、イランHOD Garakani 氏、AFACT 常駐事務局長 Dr.Zargar) 冒頭、Deputy Minister of Industry, Mine and TradeのAli Asghar Tofigh 氏より歓迎と開会の 挨拶がありました。その要旨は以下のとおりです。 ○ 貿易円滑化のための方策と電子ビジネスは極めて重要である。 ○ 時代はテクノロジーの時代に向かっている。 ○ イランはeTrade、Nanotechnology(微細加工技術) 、Biotechnology(生物学)において顕著な 進展があり、特にBiotechnologyの分野は世界第14位に位置している。 ○ 国民生活にテクノロジーをもたらすことにより福利面での効果を期待出来る。 ○ また、イランの多様な気候や生活習慣は観光資源として有効であり、是非世界の多くの人々に知っ て欲しい。 5.2 e-Asia Awards( e-Asia 賞) の日程の確認 e-ASIA 賞はAFACT が主催し、AFACTメンバー諸国における貿易促進、円滑化及び商取引の電 子化促進についての顕著な功績を顕彰し、併せて、開発経験の共有化を図る目的で創設されました。 2 年毎に審査並びに表彰が行われており、本年 2015 年が該当年で、ホスト国のイランが担当することとなり ます。 AFACTメンバー国に対し、以下の4 分野において募集が行われ、最終審査及び授賞式は次回第 33 ̶ 14 ̶ J AS T P RO 回 AFACT 総会に合わせて行われます。 ① 貿易の促進、円滑化、および簡易化 ② 公共部門(政府機関など)の取引や申請手続き等の電子化 ③ 民間部門の商取引に係る電子化 ④ IT 格差の是正 AFACTメンバー国の各団長より2015 年8月15日までの間に、事務局に、応募対象のプロジェクトを推 薦することとなります。 5.3 2016 年度のホスト国 昨年、第 32 回 AFACT 総会の合意にて2016 年度のホスト国は韓国となっていました。 ところが韓国 からAFACTに参加しているメンバーが所属するNIPA(National IT Industry Promotion Agency) は、韓国内で主にセキュリティ関係を扱うKISA(Korea Internet & Security Agency) との間で業務 見直しが近々予定されており、その結果次第では2016 年度の韓国によるホスト運営は困難になる可能性 がある、との説明がありました。 日本は、韓国が最終結論を次回 Plenaryの一か月前に通知することを前提に、日本で開催する用意が あることを席上にて宣言しました。 5.4 国連経済社会理事会 (ECOSOC) への AFACT の NGOとしての参加承認申請 AFACT 常駐事務局より以下の報告がありました。 「ECOSOCの承認には常駐事務局設置から2 年経過が必要条件であり、本年正式に申請を行い、 ECOSOCにより受理され、審議される予定である。」 ECOSOCにおいてAFACT が NGO(selected non-governmental organization)として承認された 際には、国連 CEFACTの規約により国連 CEFACT 総会に他のNGOと同様にAFACTのメンバーとし て出席できることとなります。 (国連 CEFACT 規約 III-11 項) 中華台北にとって、現在、国連 CEFACT への出席が容認されない状況にあり、AFACTのメンバーと して国連 CEFACT 総会、同フォーラムへの出席が同事務局より受け入れられることはおおきな期待としてと らえられています。 6.各委員会および W/G の活動 6.1 Business Domain Committee(以下 BDC) BDC 議長のDr. Jasmine Chang(韓国) よりW/Gの会合及びその後のStC への報告が行われました。 6.1.1 UN/LOCODE Focal Point 国 連 欧 州 経 済 委員会(UNECE)は、各 国でのUN/LOCODEの適 正な運 営を図るためFocal Pointの登録を推進しており、現状においては、今回出席のAFACTメンバー国のうち、日本、タイ、イ ンド、韓国が Focal Pointを設置しています。今後においても他のAFACTメンバー国にもFocal Point 設立を働き掛けて行くこととなりました。また、最近、会合への参加がない他のAFACTメンバー国につ いて、Focal Pointの担当部署が設定された際にはその部署を核としてAFACT への積極的な参画を 働きかけて行くこととなりました。 ̶ 15 ̶ J AS T P RO 6.1.2 ISO/TC154 作業部会 ISOの会合に参加しているBDC 議長より、自身がリーダを務める新規プロジェクト 『ISO 19626-1 Trusted Communication Platform for Electronic Document Part-1 Fundamentals』について作 業の現状について説明がありました。現在、IMO,WTO,IATA が提唱するdematerialization(簡易 化)要件やUNCITRAL(国連商取引法委員会)のLegalガイダンス、更にインターネットのニーズをもと に進められており、Chain of Trust、簡易化、Trusted Communicationの実証をキイとして、Legal とビジネスニーズに合った技術標準を目標に開発を進めているとのことです。 6.1.3 Open Source Softwareを基盤とした 「e-Document Platform System」 韓国 National IT Industry Agency(NIPA)が開発した信頼できる(Trusted)通信の為のプラット フォームについて韓国のSeongpil Kong 氏から説明がありました。 同氏により、韓国内で運用されているSharp Mail SystemにおけるTrusted Communication の為 のいくつかの機能についてPCを使ってのデモが行われました。 %!'"9!XcWiaYbhG\UfYXD`UhZcfa GhUW_cZ9!8cWiaYbhG\UfYXD`UhZcfa %% %& *% *& đ $SSOLFDWLRQVHUYLFH 2SHQ$3, ,QGHSHQGHQWVHUYLFH ,QWHUPHGLDU\VHUYLFH $XWKRUL]HGHDGGUHVVVHUYLFH 6.2 旅行観光 W/G Morris Hsiao 氏(中華台北)をリーダとして、イラン、中華台北、韓国、インド、日本から総勢 10 名が 参加するとともに、更に3 名が Web 経由で参加しました。 6.2.1 SLH(小規模宿泊施設 Small Lodging House) プロジェクト 本件は、パイロットプロジェクトの第 2ステージが進められているところです。パイロットプロトタイプを9月 までに完成させるとともに、以下のパイロットデモが成功し次第全面稼働を予定しているとのことです。 (参加 6ヵ国) ̶ 16 ̶ J AS T P RO ( &' % ' % ' &' &' % ' &' # % ' & ' #! &% ' &$%' # !! W/Gメンバーの中でシステムアーキテクチャーを決定し、Cloud and Mobile 技術を採用することとなり ました。 イランからは準政府組織のIran Cultural Heritage, Handicrafts and Tourism Organizationの Tourism Department から責任者が参加し、イランに多く存在する伝統的な宿泊施設をイラン革命の 前のように世界の旅行者に提供したいということで、積極的にこのプロジェクトにかかわっていくことが改 めて表明されたとのことです。 6.2.2 Destination Travel Information(DTI) プロジェクト 韓国がリーダとなり、国連 CEFACTに於いてビジネス要求仕様(BRS)を開発し、更に要求仕様マッ ピング(RSM)を開発中とのことです。ただし韓国政府の資金提供が 2015 年 3月末に終了したことにより 当該国連 CEFACTプロジェクトの韓国の対応は一旦中断しています。 一方、韓国では 2015 年 6 月、Korea Tourism Organization(KTO)が『 Smart tourism activating enforcement and national information Linked open Data』 というプロジェクトをスタート させたとのことで、これまでのDTIプロジェクトの対応を同プロジェクトの中に吸収して、2015 年 9月完了 を目指して活動を開始するとのことです。 6.3 Technology and Methodology Committee(TMC) 及び Communication Service Committee(CSC)合同会議: TMC/CSC 合同会議には5カ国(中華台北、インド、イラン、日本、タイ)から9 名が参加し、国連 CEFACT 技術動向、アジア地域 CCL(Core Component Library)利用促進、Cloud Computing 相 互運用性及び新技術に係るAFACT 戦略について審議を行いました。 ̶ 17 ̶ J AS T P RO 6.3.1 CCL 利用促進 日本から、SIPS が進める業界横断データ辞書及びメッセージ辞書についての登録簿モデルなどドメイ ン辞書の開発状況について説明の後、中華台北から中国語対応のCCLの紹介がありました。 6.3.2 Cloud Computing W/G Kao 氏(中華台北 III 社) より以下について進捗報告が行われました。 ○ CAKE(Cloud Appliance Kernel Environment) ○ クラウドへの移行 ○ OVF(Open Virtualization Format) ○ タイとの共同実証実験(タームスタンプ・サーバ) 6.3.3 Cross Border e-Invoice 実証実験 TMC/CSC 合同プロジェクトとして、中華台北の提案で食品トレーサビリティのためのCross Border e-Invoice 実証実験(POC)をタイとの間で行うこととなりました。 今回はCustoms InvoiceをB2B でも利用できるように、内容を拡張して行う予定とのことです。 利用標準は国連 CEFACT 標準とISO 20022 を合体したものを想定しています。 なお、e-InvoiceについてはJASTPROも2014 年度の調査研究事業において、日本、タイ、シンガポー ル、中華台北のCustoms Invoiceとの比較した研究結果があり、参考として回付しました。 6.3.4 国連 CEFACT 拡張支払通知プロジェクト 本プロジェクトは、日本、タイ、イタリアの支持のもと、国連 CEFACT 新規プロジェクトとして開始され ました。本年 9月までにビジネス要求仕様(BRS)を完成させ、CCL 登録申請を行う予定であることの報 告が行われました。 7. その他 7.1 UNESCAP の活動 貿易投資部のSangwon Lim 氏が Web 参加し、ESCAPの活動内容について以下のとおり概略の説 明がありました。 (1)ESCAP Resolution 68/3 及び 70/6に基づくRegional Arrangement for the Facilitation of Cross-border Paperless Trade ・ バンコックにて2015 年 4月1 ∼ 3日の期 間中に、第 1 回 Interim Intergovernmental Steering Committee が開催された。 ・ 同会議にて、a)Potential Intergovernmental agreement としてのRegional Agreement 草案 として更に手を入れること、b)同記載事項のうち重要な事項を導入するためのロードマップに係るドラ フトを用意すること、の2 点を実行するための 『法律面、技術面のWorking Group』 を作成すること を決定した。 ・ 2015 年 3月31日に上記に対応するCapacity Building(教育訓練) を実施した。 (2) 『法律面、技術面のWorking Group』 の活動(バンコック) ・ ESCAP 参加国に対して同 W/G への参加者の募集を行った。 ̶ 18 ̶ J AS T P RO ・ 実際のW/Gの活動を2015 年 7月末から開始する。 ・ 最初の会合は2015 年 9月9 ∼ 11日を予定。更に第二回会合を2015 年 11月4 ∼ 6日に仮設定した。 (3)2015 年 ESCAP 活動計画 アジア太平洋貿易円滑化フォーラム(APTFF)が 2015 年 10月20 ∼ 21日に中国・武漢にて開催さ れる予定である。 7.2 次回開催予定 次回第 33 回 AFACT Plenaryは2015 年 11月末∼ 12月初めの期間中にイラン・テヘランにて開催の 予定です(開催日時は未定)。 以上 ̶ 19 ̶ J AS T P RO 記事4. 国連地名コード (UN/LOCODE) のフォーカル・ポイント設定 2015 年 3月以 降、 国 連 欧 州 経 済 委 員 会(UNECE)主 導にて国 連 参 加 各 国 政 府に対し各 国のUN/ LOCODEの保守運営窓口(フォーカル・ポイント)を設定するよう働きかけた結果、国連 CEFACTの公式 Websiteには、2015 年 7月現在、日本を含めて以下の22カ国に設定されておりますのでお知らせします。 http://www.unece.org/cefact/locode/focalpoint.html 【フォーカル・ポイントを設定した国】 アンドラ公国、オーストリア、アゼルバイジャン、ブラジル、中国、コロンビア、エストニア、英国、ギリシャ、 アイスランド、インド、イタリア、日本、韓国、モルドバ、モロッコ、ネパール、ニュージーランド、ノルウェイ、 パキスタン、セイシェル、タイ なお、上記のうち、太字の7カ国は従来よりフォーカル・ポイントを設定していました。 【本件についての経緯】 UN/LOCODEは1981 年当時は約 8000 件の登録がありましたが、2005 年の段階では50,000 件に、また 2015 年の現時点では249ヵ国の地点について約 100,000 件を越えており、更に増加の一途をたどっています。 貿易円滑化を進める上でUN/LOCODEの果たす役割はますます重要となっています。 UN/LOCODEの新規の申請は専らUNECEの担当者が対応していますが、その作業負担もさることなが ら、個々の申請に対する評価も限定的にならざるを得ず、各国にその評価体制を委ねる必要が認識されてい ます。 【フォーカル・ポイント設定により期待される効果】 自国の実態を把握する担当者により申請内容を評価することが可能となりLOCODEの質の向上が確保さ れます。更に、当該 LOCODEについての世界中からの照会に一括対応する窓口が設定されたことにより、 更にUN/LOCODEの利便性が増すことになります。 一方、懸念される点としては、現在、国名コード2ケタ+地名コード3ケタの枠の採番が飽和状態になりつ つある、米国、ドイツ、フランスなどの諸国にはフォーカル・ポイントがいまだ設定されていないことで、当該国 の更なる理解が得られることを期待します。 以上 ̶ 20 ̶ J AS T P RO <参考> Directories Releases: The first issue in 1981 contained codes for 8,000 locations. The latest release 2014-2 includes around 100,000 entries covering 249 countries , dependent territories and special areas . UN/LOCODE Entries 100000 80000 60000 40000 20000 0 2 III. Problems, Difficulties & Challenges For each country there can be a maximum of • • 26*26*26 = 17 576 entries, using only letters 34*34*34 = 39 304 entries using letters and digits Country Name Entries The Unites States of America(US) 18705 France (FR) 12345 Germany (DE) 9375 The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland (GB) 5653 Italy (IT) 5311 3ケタの枠をアルファベットのみで採番すると17,576 件、更に数字まで容認すると 39,304 件収容できることとなる。米国にはすでに数字の利用が容認されている。 なお日本の現在の登録数は約 2,000 件である。 ̶ 21 ̶ J AS T P RO 記事5. UN/LOCODEの新規承認 後記「国連 CEFACT からのお知らせ」にもご紹介しておりますが、今回 2015-1(2015 年前期版)として、 以下の76 件が日本に関する新規 UN/LOCODEとして承認されましたのでご通知いたします。 都道府県名 地名 Code 英語地名 緯度・経度 北海道 虻田郡倶知安町 JPCUK Kuchan 4254N 14044E 北海道 岩見沢市 JPHDD Iwamizawa 4312N 14145E 北海道 十勝郡浦幌町 JPUHO Urahoro 4248N 14339E 北海道 新冠郡新冠町 JPXCA Niikappu 4222N 14219E 山形 寒河江市 JPGGE Sagae 3822N 14016E 福島 西白河郡西郷村 JPNIG Nishigo 3708N 14009E 茨城 石岡市 JPISO Ishioka 3611N 14016E 茨城 小美玉市 JPOMM Omitama 3614N 14021E 茨城 笠間市 JPCXZ Kasama 3623N 14014E 茨城 猿島郡境町 JPSII Sakai,Ibaragi 3606N 13948E 茨城 筑西市 JPCHE Chikusei 3618N 13959E 茨城 那珂市 JPNRK Naka 3627N 14029E 栃木 大田原市 JPZAQ Otawara 3652N 14001E 栃木 日光市 JPUYT Nikko 3645N 13936E 群馬 利根郡川場村 JPGWB Kawaba 3642N 13906E 埼玉 大里郡寄居町 JPYRR Yorii 3607N 13912E 埼玉 志木市 JPTJZ Shiki 3550N 13935E 埼玉 白岡市 JPSOA Shiraoka 3601N 13940E 埼玉 所沢市 JPTWZ Tokorozawa 3547N 13928E 埼玉 戸田市 JPTTD Toda 3549N 13941E 埼玉 蓮田市 JPHSA Hasuda 3600N 13940E 埼玉 比企郡鳩山町 JPYYT Hatoyama 3559N 13920E 埼玉 和光市 JPWOT Wako 3547N 13936E 埼玉 蕨市 JPWIR Warabi 3549N 13942E 千葉 我孫子市 JPAKC Abiko 3552N 14002E 千葉 香取市 JPICQ Katori 3554N 14030E 千葉 東金市 JPTOC TOGANE 3534N 14022E 千葉 流山市 JPNGA Nagareyama,Chiba 3551N 13954E 東京 国立市 JPKCI Kunitachi 3541N 13926E 東京 立川市 JPTCI Tachikawa 3541N 13925E 東京 東京都調布市 JPCCF Chohu,Tokyo 3539N 13933E 東京 日野市 JPZHO Hino,Tokyo 3540N 13924E 東京 武蔵野市 JPMUH Musashino 3542N 13933E 神奈川 逗子市 JPAXZ Zushi 3517N 13935E 石川 鹿島郡中能登町 JPSXZ Nakanoto 3659N 13654E ̶ 22 ̶ J AS T P RO 都道府県名 地名 Code 英語地名 緯度・経度 福井 福井県大野市 JPONN Ono,Fukui 3559N 13629E 福井 吉田郡永平寺町 JPJHE Eiheiji 3606N 13620E 山梨 甲斐市 JPSZQ Kai 3540N 13831E 長野 上伊那郡宮田村 JPMND Miyada 3546N 13757E 長野 小県郡青木村 JPAZI Aoki,Nagano 3622N 13808E 岐阜 中津川市 JPXZW Nakatsugawa 3529N 13730E 岐阜 瑞浪市 JPSXR Mizunami 3522N 13715E 愛知 愛知県刈谷市 JPIKF Kariya,Aichi 3459N 13659E 愛知 大府市 JPOBU Obu 3501N 13658E 愛知 知多郡東浦町 JPHHA Higashiura 3459N 13658E 愛知 知多郡美浜町 JPIHM Mihama 3447N 13654E 愛知 日進市 JPNSS Nisshin 3507N 13702E 滋賀 米原市 JPIAM Maibara 3519N 13617E 京都 亀岡市 JPKEO Kameoka 3501N 13534E 京都 木津川市 JPKZG Kizugawa 3444N 13549E 京都 城陽市 JPJOY Joyo 3450N 13546E 京都 船井郡京丹波町 JPKTB Kyotamba 3510N 13525E 大阪 門真市 JPKDD Kadoma 3444N 13535E 大阪 摂津市 JPSST Settsu 3446N 13533E 大阪 泉南市 JPSEE Sennan 3421N 13516E 大阪 高槻市 JPJAT Takatsuki 3451N 13537E 大阪 富田林市 JPTDY Tondabayashi 3430N 13536E 大阪 羽曳野市 JPHAZ Habikino 3433N 13536E 大阪 藤井寺市 JPFUD Fujiidera 3434N 13536E 兵庫 朝来市 JPASO Asago 3520N 13451E 兵庫 篠山市 JPSSY Sasayama 3504N 13513E 兵庫 三田市 JPSND Sanda 3453N 13514E 兵庫 兵庫県芦屋市 JPASS Ashiya,Hyogo 3444N 13519E 兵庫 三木市 JPIKM Miki 3448N 13459E 奈良 生駒市 JPOQM Ikoma 3441N 13542E 奈良 大和郡山市 JPWAY Yamatokoriyama 3439N 13547E 鳥取 西伯郡伯耆町 JPHOK Hoki 3523N 13324E 鳥取 東伯郡北栄町 JPHKY Hokuei 3529N 13346E 岡山 浅口市 JPAUI Asakuchi 3431N 13335E 岡山 瀬戸内市 JPSTP Setouchi 3440N 13406E 徳島 三好市 JPMYT Miyoshi,Tokushima 3401N 13348E 愛媛 四国中央市 JPSKZ Shikokuchuo 3359N 13333E 高知 吾川郡いの町 JPIKZ Ino 3333N 13326E 佐賀 三養基郡みやき町 JPIYK Miyaki 3319N 13027E 熊本 合志市 JPAPP Koshi 3253N 13047E 宮崎 児湯郡都農町 JPTSN Tsuno 3215N 13134E ̶ 23 ̶ J AS T P RO 記事6. 国連CEFACTからのお知らせ 6-1 24 June 2015: The UN/EDIFACT directory version D.15A has been validated by BPS Validation Team and approved by UN/CEFACT Bureau for publication. It is now available in the UN/EDIFACT section of the UN/CEFACT website and can be downloaded from the UN/EDIFACT Directories. 2015 年 6月24日 UN/EDIFACT directory version D.15Aについて国連 CEFACT のビューロプログラム支援評価チーム による評価作業が終了し、国連 CEFACTビューロによる承認を得て公開されました。当該 versionは国連 CEFACT website の UN/EDIFACT のページにて参照可能です。UN/EDIFACT Directories から ダウンロードができます。 6-2 6 July 2015: UNECE Secretariat has released the 2015-1 UN/LOCODE directory. 2015 年 7月6日 UNECE 事務局はUN/LOCODE Directory の 2015-1を公開しました。 以上 ̶ 24 ̶ ̶ 協会ホームページのリンク集のご案内 ̶ http://www.jastpro.org/link/index.html 当協会のホームページのリンク集には、当協会の活動にご興味を持たれる方や日本輸出入者コードの 利用者の方々のご参考として関係諸組織・団体ホームページへのリンクを下記の分類で掲載しております のでご活用下さい。 ▲ 当協会に関係する我国の官公庁・公的機関(独立行政法人を含む) ▲ 輸出入関係手続きに関係する業界団体等 ▲ 輸出入関係手続きに〔国内物流〕関係する情報源と用語集 ▲ 国際空港の公式ページ ▲ 国際貿易港の公式ページ ▲ 貿易簡易化や電子商取引の標準化組織・団体(国内) ▲ 貿易簡易化や電子商取引の標準化組織・団体(海外) ▲ 貿易振興・簡易化や電子商取引の標準化に関係する国際機関 ▲ その他の組織・機関 JASTPRO 第41巻 第4号 通巻第442号 ・禁無断転載 平成27年7月29日発行 JASTPRO刊15-04 発 行 所 (一財) 日本貿易関係手続簡易化協会 東京都中央区八丁堀2丁目29番11号 八重洲第五長岡ビル4階 電 話 03- 3555- 6031 (代) ファクシミリ 0 3- 3555- 6032 http://www.jastpro.org 編 集 人 山 内 大 二 郎 本誌は再生紙を使用しております。 ̶ JASTPRO広報誌電子版のご案内 ̶ 電子版は、当協会ウェブページのお知らせ欄にてご覧いただけます。 http://www.jastpro.org/topics/index.html 掲載通知をご希望の皆様には、メールにてその旨ご案内申し上げますので、ご希望の方は毎月20日までに 次の内容を下記の E-mailアドレスにお知らせくださいますようお願いいたします。 ▲ ご所属の組織名称 ▲ 所属されている部署 ▲ 申込者氏名 ▲ 連絡先電話番号 ▲ 送達をご希望のメールアドレス 【申込み宛先】 (一財)日本貿易関係手続簡易化協会 業務部 業務一部長 石垣 充 E-mail address: gyomu_dept@jastpro.or.jp
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