Faculty of Science, Saitama University 自然界のしくみを解き明かす力。 それは、未来社会を大きく動かす力。 理学部長/教授 坂井 貴文 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。諸君の 入学を心より歓迎します。 面白さを見出すことができます。事実、今回のノーベル賞 の受賞理由は“for the discovery that mature cells can be 諸君はこれから過ごす4年間の間に基礎から最先端に至 reprogrammed to become pluripotent(成熟した細胞が多 るまでの学問知識を蓄えることに加えて、自ら考え行動す 分化能を持つ細胞へリプログラミングされうることの発見 ることを学ばなければなりません。地道に学び考えること に対して)”、つまり生物の基本的な現象とそのメカニズム で、流動的で不安定な現代社会を生き抜くために必要な力 の発見の基礎研究に対して与えられているのです。 が備わります。論語に「学びて思わざれば則ち罔し(くら 理学部で行なっている基礎研究の多くも、自然の中にあ し)、思いて学ばざれば則ち殆し(あやうし) 」とありま る法則、原理、仕組みを解き明かそうとする試みであり、 す。学ぶことと考えることの両方が必要であり、どちらか 必ずしも研究成果の応用を意識したものではありません。 が欠けても偏った考えになってしまうという意味です。情 更に言うと、自然の本質に迫ることだけを考えて研究する 報インフラが整備され、大量の情報とともに物資が流通す ことが理学の原点です。従って、全ての基礎研究が常に応 るなかで、時代の変化はますます加速しています。このよ 用に結びつくわけでは有りません。しかし、技術の革新的 うな時代を生きるには、周りに振り回されない考え方と確 な飛躍は必ず自然の本質に根ざした基礎研究からもたらさ かなスキルを身につけることが肝要です。そのためには学 れるのも事実です。では、応用に結びつかない基礎研究は んで考えることです。是非、大学時代の生活を無駄にしな 無駄なのでしょうか?そうではありません。自然の本質の いように、学び、そして考える力を身につけて下さい。 理解は人間の知の地平を拓き、生活を豊かにします。宇宙 理学部へ入学した諸君には基礎研究の重要性を識っても の研究を考えてみて下さい。以前、ニュートリノ天文学で らいたいと思います。最近は、応用研究こそが大事である ノーベル賞を受賞した小柴先生が、この研究は何の役に立 との考え方が支配的ですが、必ずしもそうではないという つのかという問に、「全く役に立ちません」と答えたこと ことです。昨年、山中伸弥教授が分化した細胞を未分化な は有名な話です。確かに、ニュートリノ天文学の成果は直 幹細胞(iPS細胞)へ戻す手法の発見でノーベル医学生理 ちに我々の生活に物質的な豊かさをもたらすものではない 学賞を受賞しました。この研究のルーツをたどると、山 でしょう。しかし、これらの研究により、我々の宇宙に対 中先生と同時にノーベル賞を受賞したGurdon博士が除核 する知識が広がり、人間とは何か、という根源的な問に対 したカエルの卵に分化した細胞の核を移植して成体へ発 する答えに迫ることができるのです。学生諸君には、これ 生させた50年前の研究に行き着きます。Gurdon博士の研 からの勉学を通して基礎研究の価値についての理解をさら 究は哺乳類のクローン動物の作製やiPS細胞の発見へと続 に深めてもらいたいと思います。 く一連の研究に対する最初のインパクトでした。しかし、 理学部生は「自然」に興味を持ちその本質を考えること Gurdon博士は自分の研究が将来ヒトの再生医療等に応用 が大事です。そのためには狭い分野に関心を集中させるの されるなどとは考えもしなかったでしょうし、むしろ知的 ではなく、できるだけ広範囲な知識や経験を積むことが肝 な興味と探求心から行った純粋な基礎研究だったに違いあ 心です。 りません。海のものとも山のものともつかない基礎研究が 後世に大きく開花する、ここに基礎研究を進める重要性と 諸君らの健闘に期待します。 ドイツとフランスの数学研究所訪問 の?どのくらいドイツに居るの?といった他愛のない会話 ですが、時には数学の話になります。同時開催のNichols 代数ワークショップ参加の2名に挟まれ盛んに専門的な会 福井 敏純 教授 話をされて判らずちょっと閉口した事もありました。 昨年10月、南ドイツの黒い森のオーベルヴォルファッ MFO を後にして、フランス人研究者2名とシャンベリ ハにある数学研究所(MFO)に1週間滞在の機会に恵ま に向かいました。共同研究者のKurdyka氏を訪問するため れました。正確には同研究所で行われたワークショップ です。電車でストラスブールに着いた時、フランス語が通 Topology of Real Singularities and Motivic Aspectsに 参 じるのが嬉しかったのか、彼達流のエスプリなのでしょう 加したのです。ワークショップはオーガナイザーが参加す か「ここはフランスだ」と言って大はしゃぎ。乗継列車ま る15名を指名し、MFO に応募、MFO が承認を与えたも でかなり時間があったので大聖堂を見学することにし、コ のだけが実行されます。研究所は大きな都市からかなり離 インロッカーに荷物を預けたのですが、係員が居て預ける れた森の中にあるので、別の場所からワークショップに通 荷物をX線検査したのには驚きました。大聖堂は石造りの うのは困難で、事実上指名された参加者のみで行うワーク 立派な建物で、外壁には彫刻が沢山ありましたが、昼休み ショップです。今回は事前にはプログラムも決めずに行わ で残念ながら中には入れませんでした。発車15分位前に駅 れました。日曜晩に集まった参加者にオーガナイザーが に戻ったら、先程荷物を預けたロッカー室が施錠されてい 「講演は朝夕のみ、昼食後の4時間は自由」と宣言し、参 て、誰も居ません。びっくりして、皆で大騒ぎして係員を 加者に順に「お前何か話せるか?」と聞いて回り、ざざっ 探し出し、予定の列車にはギリギリで乗り込み、シャンベ とプログラムが決まりました。参加者同士自由に議論さ リに向かいました。 せ、数学の共同研究をやらせようというのが研究所の趣旨 10月末にはKurdyka氏とフランスのマルセイユからバス ですので、それを考慮したやり方なのでしょう。15名です で30分位のところにある数学研究所(CIRM)に1週間滞 ので参加者は皆話す感じです。私は2つ話しました。立派 在しました。Geometry and Topology of Singular Spaces な図書館が完備しており参加者は24時間自由に利用でき、 という研究集会に参加したのです。これはTrotman 氏の セミナーをするスペースもほうぼうに有り、そこを利用し 還暦記念の研究集会で、1週間に29の講演、80名超の参加 て参加者と色んな議論をしました。同時進行で3つのワー 者、と言う大規模なものです。CIRM も滞在型の研究所 クショップが行われていましたが、公平を図るという趣旨 なのですがオーガナイザーは宿泊にノータッチで、参加 なのでしょう、日によって講演の部屋が違いました。 者は各自で CIRM のwebciteで登録しないと宿泊出来ませ ん。ここも立派な図書館が完備していて、宿泊者は部屋の 鍵で、自由に入ることができます。フランスの共同研究者 とセミナーをしようと言う事になり、「確か1箇所(セミ ナー室が)有った筈だ」と言うので探すと、有ったのです が、物置のようになっていたので、整理してスペースを作 り外されていた白板を机に載せて、セミナーをしました。 1ヶ月の間をおかずに、ドイツとフランスの2つの有名 MFO 図書館前のBoy曲面 な研究所に滞在でき、有意義な時間でしたが、独仏の国民 性の違いも垣間見たのかも知れません。 CIRM にあるBoy曲面の絵 食事は座席が指定されており毎回ランダムに参加者に席 が割り振られます。これも異分野の参加者同士議論させ、 何か新しいアイデアが万に一つでも生まれれば良いという 考えからきた配慮なのだと思います。大抵はどこから来た ● CIRM 近くの海岸から だからこそ、合理的な根拠に基づいて先入観を廃して考え 物理学とは る訓練を受けた物理学科の卒業生の社会的に果たす役割 物理学の対象は自然界のすべてです。私たちの日常生活 の中ですら、自然界には極めて多様な現象があり、さらに 宇宙のはてから極微の世界まで広げると、次々と不思議な 現象にめぐり会います。それらは一般の雑誌などにも紹介 され、それらに対する驚きから、物理学に興味を持った人 が、これまでになく重要になっているのではないでしょう か。 物理学と数学 物理学の体系を理解するには数学の力が欠かせません。 も多いでしょう。しかし、不思議が不思議のままでは気持 数学は物理学を記述する言語です。ウィグナーが言ったよ ちが悪いと思うのが物理学者です。これらの多様な現象の うに、人間が作った体系である数学が、自然界をこんなに 背後にある、単純で普遍的な基本原理をみつけ、そこか うまく記述できるのは、それこそ最大の不思議かもしれま ら、どのようにして我々が見る多様性のある世界が形作ら せん。例えば、物理学科に入って1年もたてば、マックス れるのかを、筋道を立てて理解しようとするのが物理学と ウェルの方程式 いう学問です。 それでも、科学が進めば進むほど、新しい不思議が見つ かります。しかし、その「不思議」の不思議さを正しく理 解するためには、まず、これまでに人類が確立した物理学 の体系をきちんと学ぶ必要があります。1年から3年まで によって、電場と磁場が電荷と電流から作られる様子が見 の学部教育で学ぶのは、そのような物理学の体系です。ニ 事に表現されていることがわかるはずです。 ュートン以来、多くの天才が300年以上掛かって作り上げ てきた体系をたった3年で学ぶのですから容易な事ではあ 物理学と国境、そして英語 りませんが、それを身につけて初めて、現代の物理学で分 物理学は世界(宇宙)共通なので、本質的に国境はあり かっていないことが、どう不思議なのか理解することがで ません。埼玉大学物理学科では英国のラザフォード・アッ き、その不思議の解決や、これまで人類の誰も知らなかっ プルトン研究所(写真2)、ドイツのGSI研究所、米国の た新たな不思議の発見に挑戦することができます。4年生 NASAなどと活発な共同研究を行っており、学部4年生や での卒業研究では、そのような挑戦の一端に参加すること 大学院生も参加しています。そのような機会にはもちろん ができます。写真1は卒業研究の発表会の様子です。 英語でコミュニケーションを行うことになりますが、そう でなくても、物理学の論文はすべて世界中の誰にも分かる ように英語で書かれますので、物理学の研究には英語力が 必要になります。 写真1 卒業研究発表会 しかし、多くの人は4年生の1年間では満足できず、大 学院へ進学して挑戦を続けます。その中の一部は博士後期 写真2 ラザフォード・アップルトン研究所 課程に進み、更にその一部には、狭き門ではありますが、 研究者として自立するに至った人もいます。 一方、早い段階で社会に出て技術者や教師などとして活 躍する人もいます。原発事故以来、科学技術に対する不信 感を持つ人が増えているとも言われますが、そのような時 ● 世界で活躍できる化学者を目指して 吉川 洋史 助教 近年日本から海外へ留学する若者の数が減少傾向にある そうです。しかしそんな中、基礎化学科では、これまでに 多くの若手教員や学生を海外へ送りだしてきました。私 もその一人で、日本学術振興会の頭脳循環プログラムによ り、現在ハイデルベルグ大学(ドイツ)に1年間研究滞在 しております。欧米には世界中から優秀な学生・研究者が 集まってきます。彼らとの毎日の白熱した議論を通じて、 研究で一番重要な“世界一” ・ “世界初”を目指す意識を 体得することができます。埼玉大学では、平成21年度から 「世界環流」型実践教育プログラムを展開し、基礎化学科 からはこれまでにのべ15名以上の学生が海外の研究機関に 短期留学しました。また同プログラムにより海外の学生の 新入生歓迎会の様子 留学受け入れも進め、研究室の国際化に努めております。 さらに最近では、このような取り組みが縁となり、海外研 究機関と交流協定を締結したり学生が独自に民間財団の海 後期 外留学奨学金を獲得したりと、更なる国際化に向け発展し 今年度は9月30日 ております。今後もこのような国際的な環境の中で、学生 から後期の授業が始 の皆さんが世界で活躍できる化学者へと成長するのを期待 まります。1年生、 するとともに、私自身も飛躍の場とできるよう頑張りたい 2年生を対象とする と考えております。 化学実験は後期から 開講され、化学を学 ぶために必要な基礎 的な技術を習得し 学生実験(3年生)の様子 ていきます。3年生は後期半ばの12月頃に次年度から所属 する研究室を選ぶための仮配属を行います。冬休みをはさ んで1月末まで講義があり、その後、学期末試験の期間に 入ります。期末試験が終わると、修了、卒業を控えた修士 筆者が留学しているハイデルベルグ大学の研究グループ 基礎化学科の1年間 行い、研究の成果について審査を受けます。その後、春休 みになりますが、春休み期間にも数多くの学会が開催さ 前期 れ、ここでも多くの学生・大学院生が学会発表を行いま 4月の初旬から入学式、ガイダンス、新入生歓迎会な す。 ど、たくさんの行事が行われ、授業が始まります。4月15 日に行われた今年の新入生歓迎会では、新入生はいくつか 基礎化学科のホームページ のグループに分かれ、教員の自己紹介や修士1年生による 基礎化学科の最新情報は以下のURLで配信しておりま 大学生生活の紹介を聴きました。 す。ぜひご覧ください。 講義のほかに、3年生を対象とした学生実験が始まりま ● 2年生、学部4年生は修士論文発表会、卒業研究発表会を http://www.chem.saitama-u.ac.jp す。化学の分野では、座学だけではなくて、実際に化学物 ・基礎化学科の教育・研究活動方針 質や実験装置を扱う経験も重視されます。授業は7月まで ・卒業後の進路 続き、期末試験が行われます。期末試験が終わると、9月 ・案内パンフレット:ダウンロードから の終わりまでは夏休み期間となります。夏休み期間には数 ・学会発表などの報告 多くの学会が開催され、多くの大学院生、研究室に所属す ・教員や研究室の紹介 る学部生が日頃の研究成果について学会発表を行います。 ・その他、基礎化学科に関連する情報 分子生物学科 研究のチャレンジ:光合成の力を利用した油脂生産 現代社会はエネルギー、物質ともに化石燃料に依存して 分子生物学科では核酸、タンパク質、糖質、脂質などの いますが、これらの天然資源の枯渇が危惧されるなか、新 生体分子を鍵として、生命現象の理解を目指した基礎研究 たな可能性を植物や藻類が作り出す油脂に求める動きがあ を進めるとともに、エネルギー問題や環境問題の解決を図 ります。われわれの学科では、基礎生物学の研究成果を、 るための生物工学的な応用研究にも取り組んでいます。今 植物や藻類の油脂生産の向上に応用する研究もおこなって 回は、教育と研究の「質の向上」をめざす私たちの日々の います。 チャレンジから、一例ずつをご紹介しましょう。 油脂の増産をはかるためには、1)油脂となる炭素資源 を確保すること、2)油脂を合成する能力自体を強化する 教育のチャレンジ:早期卒業研究 卒業研究は通常は4年次に行いますが、昨年度から、成 こと、さらに、3)油脂を貯蔵するしくみを改良し、より 多くの油脂を蓄えられる技術が必要です。 績優秀な3年生に限り、年度の後半から卒業研究に取り組 1)について、日原由香子准教授は、ラン藻類の光合成 むことのできる「早期卒業研究制度」を設けました。以下 の炭素固定産物であるグリコーゲンという物質を過剰に蓄 は実際に早期卒研を体験したK君のコメントです。 積する変異株を見つけています。この変異株で、もしグリ 「僕が早期卒研を希望したのには2つの理由がありまし た。第1に、一般の授業や学生実習に物足りなさを感じて いたので、実際に研究がしてみたかったこと、第2に、4 コーゲンを油脂に効率よく変換できれば、ラン藻類による 新たな油脂生産に一歩近づくことができます。 2)について、西田生郎教授は、韓国の Y. Lee教授、 年次の卒業研究の良い予行練習になるのではないかと期待 名古屋大学前島正義教授、チューリッヒ大学 E. Martinoia したことです。もちろん、やるからにはなにかしらの成果 教授、ネブラスカ大 E. Cahoon教授らと国際共同研究を展 を出そうと意気込んでいました。 開し、植物細胞の油脂合成の場である小胞体に、油脂原料 である脂肪酸を運ぶ遺伝子AtABCA9 を明らかにしました。 この遺伝子を過剰に発現するシロイヌナズナでは、種子の 油脂生産が40%も増大します。この成果は米国科学アカデ ミー誌(PNAS)の2013年110号に発表され、また、ドイ ツゲッチンゲン大学のI. Feussner教授からは Faculty1000 Plant Biologyに取り上げられ高く評価されています。 3)について、予期せぬ研究成果をご紹介します。西田 研究室では、シロイヌナズナの種子に含まれる貯蔵タンパ ク質を減らし、替わりに油脂を増やすスペースを増やす研 研究材料の植物を育てるK君 究を行ってきました(コンポン研究所の受託研究) 。この アイデアは、すでに多くの研究者がチャレンジしてきたも 実際始めてみると、3年後期は必修授業や学生実習があ のの、一つのタンパク質を減らすと別のタンパク質が増え り、思うように研究は進みませんでした。実習とは違い、 るため、成功していませんでした。今回、シロイヌナズナ 研究材料の植物を一から育てたり、試薬も自分で全部調製 をモデル植物として実験したところ、一部のタンパク質を したりと大変でいかに実験の計画立てが重要であるかを知 減らすと種子の油脂含量が増えるだけでなく、個体の花芽 りました。また、予想通りの成果もなかなか得られません や花の数が増えたため、種子数が増加し、個体あたりの油 でした。研究がいかに大変であるかを身をもって知った反 脂生産が50%も増大することを見いだしました(日本植物 面、やりがいも感じました。研究室の先輩方と一緒に食事 分子生物学会の国際誌Plant Biotechnology誌に掲載予定) 。 したり話し合ったりすることも自分の進路の参考となり、 私たちが、今、喫緊の社会的課題に研究をとおして貢献 非常に有意義な時間も過ごせました。 できるのは、50年も前から研究の先達が積み重ねてきた基 最終的には当初の目的とは異なりましたが興味深い結果 礎研究の土台があるからです。では、これから50年後の社 が得られ、研究発表会でポスター発表をすることもでき、 会的課題に挑戦するための基礎・土台はいつ、誰が積み上 貴重な体験となりました。今後の卒業研究では、半年間養 げるのでしょうか?理学部の研究とは、まさに、このよう った実験に対する熱意や論理的思考を生かし、自分が十分 な将来を見据えた研究です。だから、今日・明日の成果だ に満足できる卒業研究になるよう頑張りたいと思っていま けに評価を下さず、長い目で研究を育て将来の夢と希望を す。」 実現するために、継続的な研究支援も忘れてならない観点 だと思います。 ● 生体制御学科では、今年度45名(男子25名、女子20名、うち2名は留学生)の新入生を迎えました。 13名の教員と2名の 職員によって学科の運営を行い、新入生および在校生の学生生活のサポートや教育活動、研究活動を行っていきます。 新入生と教員の集合写真 カリキュラム 学生生活のサポート 生体制御学科で 本学科では、各学年に複数の学年担当教員を設けて大学 は、 生 物 が も つ 遺 生活が順調に進むようにサポートしています。具体的に 伝、 発 生、 形 態 形 は、新入生全員を対象とした個人面談を毎年5月に行な 成、内分泌の制御や います。また2〜4 神経分化の仕組みに 年生に対しては、履 ついて理解すること 修科目の登録や学生 を目的とした教育お 生活に不安のある学 よび研究を行ってい 生、現在までの単位 ます。このため、各 日光での野外実習 取得状況に問題のあ 専門分野のスタッフが、さまざまな生き物( 動物・植物 る学生を対象とし ・菌類)を使ってその特徴を生かした最先端の研究を推進 て、各学年の担任が するとともに、得られた知識や経験をもとに基礎から専門 個人面談を行なって までの講義や実習などのカリキュラムを編成しています。 います。過年度生についても卒業単位の早期修得に向けて 1年生では英文教科書を用いた演習があります。この 4年生担任が個別にサポートしています。本年度の学年担 少人数で行なわれる演習では、英語論文を読むための基本 平成24年度卒業研究発表会 任は以下の通りです。 を学びます。昨年度は新しい試みとして「サマースチュー デントプログラム」が実施されました。このプログラムで 1年生 竹澤大輔、足立明人、塚原伸治、川村哲規 は、専門的な研究への興味や関心を1年生のうちから深め 2年生 畠山 晋、坂田一郎、井上悠子 ていくことを目指して、夏休み期間を利用して希望研究室 3年生 田中秀逸、小林哲也、古舘宏之 での研究生活を体験しました。2年生からは学科の専門科 4年生 坂井貴文、森安裕二、弥益 恭 目とともに実習や基礎実験の科目が始まります。夏休みに は学外の研修施設を利用した野外実習があり、日光植物園 周辺の山を歩いて自然界に生息する生物と実際に触れ合い 本学科では就職担当の教員が、企業見学会や卒業生によ ます。3年生では専門科目講義の他に各研究室教員による る就職講演会・在学生の就活体験報告会、そして各業界関 専門的な実験が始まり、学生は実験レポートの作成に取り 係者による業界セミナーの開催を毎年企画しています。昨 組み、自然科学論文の書き方の基本を学びます。夏休みに 年の10月には本学科同窓会と共催で進路情報交換会を実施 は臨海実習があり、三崎の臨海実験所に宿泊して海の生物 しました。11月には、生体制御学科卒業生・在学生による の採取とその観察、分類を学びます。4年生では研究室に 就職活動応援セミナーを開催しました。製薬会社、食品会 所属してより専門性が必要とされる卒業研究に取り組み、 社、公務員など様々な分野で内定を獲得した先輩たちによ その成果を2月の卒業研究発表会で発表します。また、本 る就職活動体験を実際に聞くことによって、就職活動に関 学科は実践型国際教育プログラム「世界環流」に積極的に する有用なアドバイスが得られる機会として、大勢の在校 参加しており、留学生の受け入れや海外への派遣を通じて 生が参加しました 。また12月には大正製薬大宮工場の見 学生の国際意識の変革を促し、国際交流の経験を養う機会 学会を実施し、業務内容に関する説明を受けました。 の提供に努めています。 ● 就職活動のサポート 世界環流プログラムの将来を見据えて 理工学研究科世界環流コーディネータ Gulira Myzabayeva 国際本部・留学交流支援室長 中本 進一 This is the final year of the Kanryu International you more about this wonderful opportunity to learn and exchange program at Saitama University. Within the share your knowledge with other overseas students. past four years since its establishment 81 inbound students from 40 overseas universities took internship at Saitama University and 109 outbound Saidai students visited 36 foreign research institutions. In total, 190 students, 40 Saidai professors and about 25 overseas professors and researchers were involved in this Program. This international exchange program provides an opportunity for successful Saidai and foreign students to gain experience in work, research and exchanging ideas in the fields of science and engineering. CIE considers it to be a very important learning component in the global society nowadays. While students find their internships academically rich and stimulating, they also gain invaluable インドネシアからの学生との交流 opportunity to make friends and learn about other country’ s culture and people by experiencing their daily 「世界環流」プログラム(以下、環流)が始まって4年。 life. How rewarding we feel to see our students coming 理工学におけるグローバル人材を輩出すべく、環流をサポ back with fresh ideas and a new perspective on their ートしてきましたが、文科省資金採択と言う意味において studies! は最後の年になりました。 As an important side benefit, an increased desire to work and interact with their fellows from 大学における今後の国際化戦略を考える上で、環流は間 overseas encourages students in our program to work 違いなく一つの方向性を示してくれています。お試し的な hard and improve their English. 留学ではなく、ミッション(課題)を指導教員と学生間で We are proud of our students who made successful 設定し、それを外国の地において結果を出す、それを受 research results during their overseas internship. け入れた研究室がサポートする・・・。まさにLearning Here is a comment about the Program from Professor Agreementの世界がそこに展開されているだろうし、教 Younsook Lee, Pohang University of Science and 育の「質」を重んじたプログラムの形であると言えます。 Technology, who supervised our students:“It is a great 今後も大学を上げて、こういったプログラムを存続してゆ idea to exchange students, which allows young people くべきであろうと考えます。 to learn from each other, understand foreign culture, そのためには幾つかのハードルもあります。先ずは単位 and make friends. This effort will contribute to building 化でしょう。教育プログラムとしての位置付けに単位化は peaceful and happy world.” 不可欠です。また、環流が更に発展するためには、送出し From our observations domestic students feel somewhat のための下準備に加え、帰国後の報告会も単位化の要件と hesitant about the idea of going abroad and meeting するなど、トータルに学生プログラムを運営する体制作り their overseas partners. Here we would like to use に取りくんでいきたいと思います。 this opportunity to encourage and invite students of Saitama University(especially upper-undergraduates) to participate in our program. Please take a minute to check out our webpage:(http://international.saitama-u. ac.jp/center/documents/h21/kanryu-program.html). We will be happy to answer your questions and tell ● 平成24年度理学部学生表彰が行われました。この制度は、成績優秀な学部学生をたたえると共に、勉学を奨励することを 目的として、平成16年に設けられました。大学4年間を通じて成績優秀な4年生に理学部長賞が、1~3年生の各学年での 成績優秀者には、理学部成績優秀賞が贈られました。 [※学年は、平成24年度のものです。] 理学部長賞(学部4年生)は、以下の方々に贈られました。 〈数 学 科〉大場貴裕、伊藤利機、吉田勇翔 〈分子生物学科〉和田絵里香、松嶋夢叶 〈物 理 学 科〉長谷川友莉香、荻野真由子、金子史寛 〈生体制御学科〉茂木優貴、笹井麻帆 〈基 礎 化 学 科〉本田知大 平成24年度理学部成績優秀賞(学部1~3年生)は、以下の方々に贈られました。 〈数 学 科〉(3年)福田瑞季、増田光根、若山大輔 (2年)深口 駿、後藤聖司 (1年)伊敷喜斗、長谷川純也、浜野 大、神戸祐太 〈物 理 学 科〉(3年)柳瀬宏太、大甕舜一朗 (2年)関口和孝、齋藤悠人 (1年)里野雄基、久保宗弘 〈基 礎 化 学 科〉(3年)武田貴之、柴田知佳 (2年)加能健人、須田祐貴、豊田美希 (1年)高橋祐貴、林 敬祐 〈分子生物学科〉(3年)中村美紅、生貝咲貴 (2年)伊沢朋子、齊藤拓哉 (1年)武井里美、小松太和 〈生体制御学科〉 (3年)大貫穂乃佳、山口祥平 (2年)曽田和美、斎藤恵美 (1年)小田嶋翠、尾島汐海 理学部長賞(学部4年生)を受賞した方々からコメントをいただきました。 ● ◇数学科卒業生 大場 貴裕 ◇数学科卒業生 吉田 勇翔 この度は理学部長賞を頂くことができ、大変光栄に 思います。 4年間で様々な経験を埼玉大学ではさせていただき ましたが、もっとも大きな経験は、数学を創っていく 現場に立ち会えたことです。「数学を創る」というと、 想像がつかないかもしれませんが、数学も絶えず進化 をし続ける科学の1つです。ですから、学部で学ぶの はほんのわずかで、それも「過去」のものです。これ から先、進学し、研究をしていきますが、今ある環境 に感謝を忘れず、数学の「今」をいく1人となれるよ う、邁進していきます。 卒業に際し、理学部長賞をいただくことができて大 変うれしく思います。この4年間で、私は素晴らしい 友人たちと出会うことができました。彼らと講義や自 主ゼミを通して切磋琢磨し、学問に対するモチベーシ ョンを維持できたことが、私の今回の受賞にもつなが っていたと思います。このような友人たちと大学生活 を送れたことは、私の一生の誇りです。 今後も理学部長賞の名に恥じぬよう、これまで以上 に精進していきたいと思います。 ◇数学科卒業生 伊藤 利機 ◇物理学科卒業生 長谷川友莉香 私は2年前に埼玉大学の数学科に編入学しました。 当時大学の数学に触れて間もなかった私は、先生の口 から次々に発せられるなにやら高尚そうな名前の数々 に自分の無知さを思い知らされました。それから毎晩 夢の中でも数学をしているほど数学に向き合ってきま した。その努力が功を奏したのか、この度の立派な賞 を頂くことができました。この2年間私を支えてくれ た良き友人良き先生に心より感謝致します。感謝の言 葉をまだまだ書き連ねたいところですが、それを書く には余白があまりにも足りないので割愛させていただ きます。 この度はありがとうございます。先生方のご指導、 物理学科の皆様のおかげでこのような素晴らしい賞を 頂くことができました。物理学科で学ぶことは大変な ことも多くありましたが、自分の成長を感じられる4 年間でもありました。今まで友人たちと共に一生懸命 に学んだこと、そして大学生活の思い出を励みにこれ からも頑張っていきたいと思います。 ◇物理学科卒業生 荻野 真由子 ◇分子生物学科卒業生 松嶋 夢叶 この度は理学部長賞という名誉ある賞をいただき、 大変嬉しく思います。この4年間、物理学科の先生方 をはじめ、沢山の方々にお世話になりました。特に、 先生方には熱心にご指導いただきましたことに、深く 感謝致します。また、良き先輩、友人に恵まれ、充実 した毎日を送ることができました。ありがとうござい ました。いただいた賞の名に恥じぬよう、気を引き締 めて、精進していきたいと思います。 この度は、理学部長賞という名誉ある賞をいただ き、大変嬉しく思います。4年間の大学生活では、所 属する学科の授業だけでなく、他学科・他学部の授業 も積極的に受講することで、様々な分野の知識を得る ことが出来たと思います。また、卒業研究では、学生 実習で学んだ実験操作やレポートの書き方、授業で得 た知識を基礎としてより発展的な内容へと進めていく ため、目的意識を持って授業や実習に取り組むことが 大切だと感じました。 ◇物理学科卒業生 金子 史寛 ◇生体制御学科卒業生 茂木 優貴 理学部長賞の受賞うれしいです。この4年間は自由 に物理に取り組むことができました。そのような環境 を提供してくれた先生方や家族に感謝しています。ま た、物理学科の同期の人達と物理の問題などを検討す ることは、とても楽しいものでした。しかし、4年間 の中で反省すべき点もあります。特に、失敗を恐れて 新しいことに挑戦しなくなった点です。 今年度からは埼玉大学の大学院に進学します。4年 間で得てきたことを用いて、さらなる飛躍を遂げま す。 理学部長賞ありがとうございます。興味でとりすぎ た授業を乗り越えられたのは、疑問を放置しない姿勢 を教えてくれた分生の神田君、物理の羽住君ら生命科 学研究会Pax Biologiaの同志、共に学び、効率的な勉 強の仕方を教えてくれた、共受賞者笹井さん、同い年 冨田さん、Pax大石君、陳さんら生体制御学科の同期、 そして授業後の拙い質問を毎回聞いてくださった諸先 生方のおかげです。機会があればまた話に付き合って ください。本当にありがとうございました。 ◇基礎化学科卒業生 本田 知大 ◇生体制御学科卒業生 笹井 麻帆 この度はこのような名誉ある賞をいただき、誠にあ りがとうございます。この4年間勉学に努めることが できたのは、先生方の熱心なご指導や、友人、家族の 温かい支えがあったからだと思います。この場を借り て御礼申し上げます。4月からは埼玉大学大学院にお いて、さらに勉学、研究に励んでいきたいと思いま す。 卒業に際してこのような素晴らしい賞を頂きまして 大変光栄に思います。振り返ってみますと、生体制御 学科の諸先生方の興味深い講義に目を輝かせていた学 部1~3年時、そして先生方や先輩方の助言を受けな がら、自分で考え、実験や研究を進めてきた4年時 が、懐かしく思い出されます。真摯にご指導してくだ さった先生方や先輩方、そして互いに高め合えるよう な仲間に出会い、共に過ごせたことに心から感謝して います。卒業後もこの賞を励みにして頑張っていきま す。 ◇分子生物学科卒業生 和田 絵里香 この度は理学部長賞をいただき、ありがとうござい ます。自分が4年間努力してきたことがこのような栄 誉ある賞をいただく結果につながり、とても嬉しく思 います。また、家族や先生方、友人など多くの人に支 えられながら非常に充実した大学生活を送ることがで きたことに心から感謝しております。卒業後も大学生 活で培った経験を活かし、さまざまなことに積極的に 挑戦していきたいと思います。 ● しているところです。一方で、HiSEPでは昨年度「特別セ ミナー」として内外の研究者・社会で活躍する著名人・卒 業生によるセミナーを7回開催しました。「入門・基礎セミ ナー」を受講する学生のみならず、理学部全学生に向け て、理学の最先端、社会活動、英語授業といった通常のカ リキュラムの枠を超えた、多彩な、インパクトある内容の 【目的】 セミナーを提供してきました。HiSEPでは4名の外国人研 理学部では平成24年度から文部科学省による「理数学生 究者を2週間ずつ招聘し、「特別セミナー」での講義のほ 育成支援事業」として、 「ハイグレード理数教育プログラ か、「ティータイムセミナー」など、計12回の英語セミナ ム:HiSEP」を開始しました。これは、特に理数に優れた ーを開催しました。昨今話題に上がる「グローバル人材の 能力・意欲を持つ理学部学生を選抜し、特別講義・セミナ 育成」の観点は本事業でも重視しており、“理学の専門家” ー,早期研究室配属、短期研修、アウトリーチ活動等の企 である外国人研究者によるセミナー、英語による談話会な 画を通して、以下の点に重点を置いた理系人材育成を目的 ど理学部の初年次教育の中に積極的に組み入れてきていま としたものです。 す。 (1) 「理学部がカバーする各専門領域での基礎教育の充 実」を図るとともに、 また、2-3年次学生向けのHiSEP授業は試行扱いとし て開講しました。中でも「科学プレゼンテーション」は (2) 「理学に関わる広い見識に加えて、国際性、社会性 HiSEPの基幹授業の一つとして、研究成果の口頭・ポスタ を持つ人材育成を目指した教育」を行い、 ー発表スキルを育成することを目的としています。模範的 (3) 「さらに大学院での高度な研究活動を展開できる学 なプレゼン例を理学部研究者・大学院生から提供してもら 生を育てる」 平成24年度入学の学生から本格実施されたこのHiSEPプ ログラムについて、その初年度の様子をご紹介します。 い、さらに2企業から講師を招き、企業活動の中でのプレ ゼンの位置づけ、よいプレゼンと悪いプレゼン、押さえて 置くべき諸点などを明らかにしてもらいました。 【入門セミナー・基礎セミナー・科学プレゼンテーション】 平成24年度には1年生向けに前期「入門セミナー」、後 期に「基礎セミナー」を開講しました。文科省事業として の本旨は「優秀な学生の選抜と育成」となっていますの で、その選抜を1年次終了時に行うこととし、それまで の1年間のHiSEP授業は履修を希望するすべての学生に対 して、 “特色ある初年次教育”として提供しました。この 授業はいずれも理学部専門基礎科目として認定されてお (HiSEP 特別セミナー) り、その授業内容は通常のカリキュラムでカバーしていな い、数学から生物まで理学分野の広範な知識を取得し、自 発的な勉強・研究初歩の実践、英語授業を含む外国人・外 2年次生以上向けHiSEP科目として試行したこれらの科 部教員を交えたセミナー等の企画を用意しました。 「入門 目は、国際性・社会性を育む目的で設けました。国内研修 セミナー」の履修人数は139名で、これは理学部新入学生 では、岡崎「自然科学研究機構」の見学、東京大学宇宙線 の約2/ 3に当たります。この人数は想定の約2倍でした 研究所明野観測所での検出器製作、福島南相馬地区での研 が、新入生の抱く理学に関する好奇心・探求心は想像以上 に高く、それを刺激する科学トピックスや自主的な活動 の意義を「入門セミナー」の中に見いだした結果かと思い ます。このため、受講者の利便性と授業効果を確保するた め、「入門セミナー」は同内容の授業を週2回開講しまし た。後期の「基礎セミナー」の履修者数は76名であり、各 理学分野からより深く掘り下げた内容の科学トピックスを 提供しました。併せて、ポスター・口頭によるプレゼン実 習(一部英語による口頭発表実習を含む)をおこない、コ ミュニケーションスキルの育成を図りました。2月末に HiSEP学生の選抜を行い29名の学生を選抜、現在2年次以 降のHiSEP授業「発展セミナー」 「特別研究Ⅰ」等を履修 10 ● 【短期海外/国内研修・アウトリーチ活動】 (国内研修:南相馬 地区セミナー・視 察) 修(JST:サイエンスリーダーズキャンプとの合同企画 除 頭・ポスター発表が2日間にわたり行われました。埼玉大 線作業見学、桜井市長セミナー、被災地視察など) 、埼玉 学理学部からも2グループ(4名)が書類選考を通過し、 新聞社紙面編集作業・印刷現場の見学、日本物理学会・化 ポスター発表を行いました。また、8月にはつくば国際会 学会への参加、などを行いました。また、海外研修は米国 議場でHiSEPと同じ事業を実施中の大学間での研究発表会 ミネソタ大学・ユタ大学、韓国浦項工科大学・高麗大学に として「リサーチフェスタ」が開催されました。これらの 16人の学生派遣を行いました。短期(1-3週間)での海 研究発表会を目標として、2-3年生の自主的研究「特別 外研修の意義については、実利が少ない、と危惧する面も 研究Ⅰ・Ⅱ」を開講し、教員・大学院生が支援、指導して ありましたが、参加者によるレポート、報告会での質疑応 きているところです。 答の中からは現地で、授業・セミナー・研究活動・実習・ 学生交流などを含む、単に見学に留まらない企画では、そ 【今年度の取組】 平成25年度も前期授業が始まり、「入門セミナー」には 120名程の理学部1年生が集まりました。昨年の経験を生か して今年度も堅実に1年生向けプログラムを運営するとと もに、今年度は「特別セミナー」をより充実する予定で す。昨年度の2倍のセミナー数を予定し、前期には8回を すでに計画済です。また招聘外国人研究者は4名が確定し ており、あと1名を計画中です。加えて、より実践的に英 (海外短期研修:米 国ユタ大学・韓国高 麗大学) 語スキルを向上させるため、外国人非常勤講師1名を任用 し、主に2年生向け「発展セミナー」にて英語による授業 を担当中です。このような外国人教員による理学部での専 門教育は初めての試みで、今後の理学部でのグローバル教 育に向けた授業効果の検証のためのモデルケースとして、 こで得たインパクト・知識を風化させずに日本での勉学活 期待されていま 動に接続でき、意義深いことを実感できました。 す。さらに、研 また、 「HiSEPアウトリーチ活動」は新規開講科目で、 究活動の発表の 理学部専門基礎科目として認定されています。小・中・高 場を理学部の中 校生、一般市民に向けた科学セミナーなどの企画に実験・ で設けること 実習補助者として、指導・質疑応答等に加わり、理学部学 も 検 討中です。 生として持つ専門知識を土台にして、初心者に向けてわか HiSEPは1年目 りやすく説明をするサイエンスコミュニケーション能力の を終了し、2年 育成を目的とするものです。 目を迎えたとこ (入門セミナー受講者アンケート) 【サイエンスインカレ・リサーチフェスタ】 ろです。1年目 前期終了時に入門セミナー受講者に半年の授業の効果につ HiSEPでは学生の自主的な研究活動も重視しています。 いて、アンケートを実施しました。14項目について受講前 3月始めには文科省主催で「第2回サイエンスインカレ」 と比較した向上度を数値で表したものを示してあります が東京・幕張メッセで開催されました。全国の理系学部 (受講全学生平均)。自己評価ではありますが、この授業の 学生の研究活動の成果を発表する場として、150に及ぶ口 役割として一定の効果が現れていることがわかります。今 年度も各学科選出のHiSEP実行委員(教員)の皆さんの協力 (サイエンスインカレ) を得つつ、他大学にない、特徴ある理学部教育を進めて行 きたいと思います。HiSEP企画の詳細、各種セミナー・授 業などの動画ライブラリーなどをご覧いただくことが可能 です。また、今年度開催のHiSEP特別セミナーは、保護者 の皆様にも電子メール・電話で事前申し込みいただければ ご参加いただくことも可能ですのでお問い合わせください。 (リサーチフェスタ) HiSEPホームページ http://hisep.saitama-u.ac.jp HiSEP動画ライブラリー http://hisep.saitama-u.ac.jp/video/ 問い合わせ電子メール: hisep.saitama@gmail.com (物理学科 井上直也 記) ● 11 理学部では、学部や大学院の学生が最先端の理学研究を通じて教育を受けています。その研究の成果を社会に役立てるた め、学生の「理学の重要性」への理解を深めるため、社会と連携する活動も重視しています。 【教科書や辞書や事典の執筆】 研究成果が社会に広く 受け入れられるためには、学会誌などに公表するだけでな く、研究の流れをまとめた、いわゆる2次情報とすること が重要です。ごく専門の領域では、 「総説(レビュー)」と いう形の論文がそれに相当します。より一般的な研究成果 の還元として、専門分野の教科書や辞書・事典などがあり ます。埼玉大学教員の多くがそうした書籍の執筆や編集に 携わっています。一般の皆様にも知っていただくため、毎 週水曜日の埼玉新聞経済面に「サイ・テクこらむ 理工学 研究の最前線」を連載しています。これまでに120人近く の理工学研究科教員が自らの研究を紹介しました。これら を収録した電子書籍「理学・工学の散歩道I」を5月から 公開しています。埼玉大学理学部ホームページからダウン ロードしていただき、お手持の情報端末でご一読いただけ れば、と思います。 【セミナーや講演】 セミナーや講演もわれわれの重 要な社会に向けた活動です。毎年、大学祭「むつめ祭」の 期間中に「理学部公開セミナー」を開催しています。皆 さんに大学の研究最前線を知っていただくための企画で す。2012年度は「みぢかな理学 やくだつ理学」をテーマ としました。生体制御学科の坂田一郎助教が山中伸弥教 授のノーベル医学生理学賞に関連して「iPS細胞の生物学」 を、物理学科の井上直也教授がヒッグス粒子候補の発見 に関連して「 『未知の粒子』~ゲージ粒子からヒッグス粒 子まで~」を講演し、 「ハイグレード理数教育プログラム (HiSEP) 」を履修した学生たちが研究成果を発表しました。 前年の2011年度は、東日本大震災の後に埼玉県でも放射能 汚染が問題となった4月には特別の公開セミナー「放射線 と放射能を知る」を開き、物理・化学・生物の立場からの 講演とQ&Aの場を設けました。 【オープンキャンパス】 主に高校生のために、埼玉大学 の教育や研究活動を実際に見ていただく活動で、夏休み期 間中に行われています。理学部の方針・現状や各学科での 学究生活の説明のほか、模擬講義や研究室の見学で最先端 の研究現場に触れることもできます。一緒に来られる保護 者の方にとっても、大学の現状を知っていただくよい機会 です。 【小中学生や高校生への理数教育】 将 来 の 科 学 を 担 う優秀な人材の育成も、理学部の重要な任務です。大学の 学部教育としてのHiSEPのほかに、社会に向けての理数教 育にも取り組んでいます。文部科学省や科学技術振興機構 の助成で実施している理数系教育を重点的に行う高等学校 (スーパー・サイエンス・ハイスクール、SSH) 、科学研究 の現場との連携で中学や高等学校の教員や生徒に高度な知 見を得ていただく事業(サイエンス・パートナーシップ・ プロジェクト、SPP) 、大学が教員や施設などの資源を提 供して高校生以下の児童生徒に高度な早期理数教育を行う 事業(次世代科学者の芽育成プログラム)などに協力して います。県や市の主催する児童生徒への啓発行事や各学校 から出張授業の依頼を受けて講義や実習を担当することが あります。 12 ● 【高校の理数科目の先生との意見交換】 理 学 部 で は、 「埼玉理数科教育連絡協議会」において県教育委員会や県 内の理数系高校教員の先生方と大学教員が話し合う機会を 設けています。毎年7月に開催し、高校や大学での生徒・ 学生の動向や教育の方法, 高校大学接続や教育面での連携 への要望や将来計画などについて各教科目ごとに協議して います。 【高校生の理科研究発表会】 埼玉県内の高校の理科 クラブやSSH(前述)の課題研究の生徒発表会を、毎年 埼玉大学で実施しています。平成24年度は2月16日に開催 され、県内29校の高校生約450人と先生約85人、保護者の 方々も含め、約550人が参加しました。ポスター発表96件、 口頭発表58件、実験2件、合わせて156件(重複を除くと 137件)の研究発表があり、午前中は「ポスター発表」が 行われ、それぞれ研究の紹介や活発な質疑応答がありまし た。昼休みには、理学部、工学部、科学分析支援センター など教育研究施設の見学が行われ、最先端の研究や設備・ 測定機器などが紹介されました。午後には、口頭発表が物 理、化学、生物(動物)、生物(植物)、地学の5つの会 場で行われ、生徒や先生方からの質問や助言が多数あり議 論が交わされました。これらの会場では、埼玉大学の教員 や学部・大学院学生も発表を聴き、質問や討論に加わりま した。閉会式では、指導講評担当の各分野の埼玉大学教員 から、研究する際にどのようなことに気をつけたらよい か、どこを直したらよりよい研究になるか、などの説明が あり、その上で高校生の実力と研究のレベルの高さ、さら に指導される高校の先生方の努力が高く評価されていまし た。 【高校生のためのサイエンスカフェ】 近年、多くの学 生が大学卒業後に大学院に進み、博士前期課程2年を終え て「修士」の学位を持って就職していきます。理学部では 60%の学生が大学院に進学します。就職後に専門分野を生 かした仕事をするには、企業でも公的機関でも教員でも、 これまでより深い専門知識が求められるようになってきた からです。大学入学時からそのような意識をもって勉学し ていただくために、高校生の方々に大学の研究最前線を知 っていただくことが必要、と考え交流の場を設けていま す。修士や博士を取得して企業や研究機関で働く若い人々 の話を聴き、気軽に質問していただき、高校生が将来の進 路の過程として理学部を選ぶための情報を得るよい機会と しています。 【アウトリーチ活動】 これらの社会とのかかわりに は、埼玉大学の学部・大学院学生が参加しています。教員 の指導や演示の補助者として、また直接自らの学生生活や 研究課題や進展状況を説明する講師として、さらに授業に 参加している小中高校生の活動を評価する立場で、多くの 学生が直接社会に触れています。これらの活動を通じて、 学生が「理学が社会とつながっている」ことを自覚し、よ り広い見方ができる卒業生・修了生として社会に出ていく こと、それを理学部はこれからも支援していきたいと思い ます。 理学部同窓会は、理学部各学科同窓会の連合組織とし て、在学生の皆様及び卒業生に対し数々の支援を行ってい このほか、各学科同窓会の総会開催などへの活動援助も 行っております。 ます。とくに、平成19年度から理学部との連携を強化し、 理学部在学生に対する教育・就職支援活動の充実を図って います。 理学部公開セミナー 以上の各活動は、平成19年度以降に入学された皆様から OBとの就職情報交換会(生体制御学科同窓会) 納入いただいています同窓会会費(終身10,000円)によっ て支えられています。皆様の会費納入のご協力に改めてお 理学部教育環境整備事業への財政的支援は、在学生への 礼申し上げます。今後とも、埼玉大学の中核としての理学 支援活動の大きな柱の一つです。皆様に納入していただい 部のより一層の発展に少しでもお役に立てられるような活 た理学部同窓会会費から毎年50万円を「教育環境整備協力 動を進めてまいりますので、一層のご理解・ご協力を賜り 寄付金」として寄付し、学生参考図書・教育関連設備備品 ますようお願いいたします。また、未納入の方におかれま 購入、就職講演会(会社見学)経費などに役立ててきまし しては下記の郵便振替口座にて、ご協力いただければ幸い た。今後も理学部活動の支援を続けてまいります。 です。 就職支援活動としては、各学科同窓会による「就職支援 のための各種講演会」に対して、理学部同窓会として財政 理学部同窓会活動についてのご意見やご要望などござい ましたら、お聞かせください。 的な支援を行っています。 また、理学部広報活動の一環として、11月24日に、理学 理学部同窓会事務局(数学科:櫻井) 部および「次世代科学者の芽探索発見講座」などとの共催 TEL:048-858-3351, FAX:048-858-3699 で「理学部公開セミナー 2012」を開催しました。 E-mail:tsakurai@mail.saitama-u.ac.jp 郵便振替口座 口座番号:00130-2-317346 平成22年度か 加入者名:埼玉大学 理学部同窓会 ら卒業に際し卒 業記念品を進 呈しております が、平成24年度 平成24年度理学部同窓会収支決算報告 項目 前年度繰越金 同窓会費* 収入 通帳利子 収入合計 教育環境整備協力会への寄付 学科同会活動援助金** 埼玉大学同窓会会費 冊子代( 「サイテクコラム」理学 部自費出版支援) 支出 卒業記念品代 理学部長表彰図書カード 支出合計 残金(25年度繰り越し金) の卒業生の皆さ んには「ステン レス魔法瓶」を お贈りしまし た。さらに、成 績優秀者に対す る理学部長表彰 においては、理 学部同窓会から その副賞として 図書カードを贈 呈しました。 * 理学部公開セミナーのポスター 金額(円) 1,304,208 1,344,560 311 2,649,079 500,000 250,000 163,000 84,000 206,934 60,756 1,264,690 1,384,389 : 1万円/人(H24年度入学生136名、ただし手数料分差し引き) : 5学科分(5万円/学科) ** ● 13 平成23・24年度卒業生の進路状況は以下のとおりです。 注( )内は女子で内数 平成23年度卒業生の進路(平成24年5月1日現在) 学科名 数 学 卒業者数 科 就職者数 進学者数 その他 38( 5) 14( 1) 16( 2) 8( 2) 物 理 学 科 35( 6) 6( 0) 18( 4) 11( 2) 基礎化学科 54(15) 8( 4) 35( 8) 11( 3) 分子生物学科 40(12) 6( 2) 30(10) 4( 0) 生体制御学科 44(22) 9( 5) 31(16) 4( 1) 合 計 211(60) 43(12) 130(40) 38( 8) 平成24年度卒業生の進路(平成25年5月1日現在) 学科名 数 学 卒業者数 就職者数 進学者数 その他 科 47(6) 24(3) 16(2) 7(1) 物 理 学 科 42(3) 12(1) 25(2) 5(0) 基礎化学科 41(14) 9(4) 28(10) 4(0) 分子生物学科 44(19) 10(3) 29(14) 5(2) 生体制御学科 47(18) 15(6) 27(9) 5(3) 221(60) 70(17) 125(37) 26(6) 合 計 進路先一覧(平成24年度卒業生) 学 科 名 数 学 就 職 先 進 学 先 科 公立私立の高校中学校の教員(埼玉県、東京都、長野県、 埼玉大学大学院理工学研究科、東京大学大学院数理科学 福島県)、袖ケ浦市役所、㈱福島県中央計算センター、関 研究科、東京工業大学大学院理工学研究科、東北大学大 東信越税理士会、㈱カーネルソフトエンジニアリング、 学院理学研究科、大阪大学大学院理学研究科 ㈱日立ハイシステム21、日本トラスティサービス信託銀 行、㈱マイナビ、㈱東京システムリサーチ、㈱富士通ア ドバンストソリューションズ、松菱金属工業㈱、三栄ハ イテックス㈱ 物 理 学 科 日本システムクリエイト㈱、日本ノーベル㈱、㈱ハウズ・ プラン、㈱クレディセゾン、㈱ニューフレアテクノロジ ー、㈱共和電業、ヤマハ発動機㈱、末広印刷㈱、富士ゼ ロックスアドバンストテクノロジー㈱、埼玉県警察、神 奈川県警察 埼玉大学大学院理工学研究科、東京大学大学院理学系研 究科、東北大学大学院工学研究科、東京工業大学大学院 総合理工学研究科、名古屋大学大学院理学研究科、一橋 大学大学院商学研究科 基 礎 化 学 科 アオイ化学工業㈱、櫻護謨㈱、㈱ケミコート、㈱日本経 埼玉大学大学院理工学研究科、東北大学大学院薬学研究 営、㈱イーピーメイト、㈱光通信、富士ゼロックス情報 科、東京医科歯科大学大学院 システム㈱、マルヨ水産㈱、㈱スプリックス 分子生物学科 長谷川香料㈱、㈱ワークスアプリケーションズ、㈱CTC 埼玉大学大学院理工学研究科、東京大学大学院理学系研 テクノロジー、全国生活協同組合連合会、西東京市役所、 究科、東京大学大学院新領域創成科学研究科、お茶の水 横浜市役所、国立大学法人東京工業大学 女子大学大学院人間文化創成科学研究科、京都大学大学 院生命科学研究科、北海道大学大学院生命科学院、早稲 田大学大学院先進理工学研究科 生体制御学科 パレクセル・インターナショナル㈱、㈱ドミノ・ピザ 埼玉大学大学院理工学研究科、東京大学大学院理学系研 ジャパン、コカ・コーライーストジャパンプロダクツ㈱、 究科、東京大学大学院農学生命科学研究科、筑波大学大 サンケイ化学㈱、積水メディカル㈱、東日本旅客鉄道㈱、 学院人間総合科学研究科、早稲田大学大学院先進理工学 山崎製パン㈱、㈱日立物流バンデックフォワーディング、 研究科、自治医科大学大学院医学研究科 ㈱ロッテ、三州製菓㈱、㈱昭和食品、プライムテック㈱、 東京都庁、草加市役所、明星学園高等学校 14 ● 平成23・24年度修了生の進路状況は以下のとおりです。 注( )内は女子で内数 平成23年度修了生の進路(平成24年5月1日現在) コース名 修了者数 数 就職者数 進学者数 その他 学 9( 0) 7( 0) 0( 0) 2( 0) 学 14( 7) 9( 5) 4( 2) 1( 0) 基 礎 化 学 26( 9) 22( 8) 2( 0) 2( 1) 分子生物学 19( 3) 14( 3) 3( 0) 2( 0) 生体制御学 16( 2) 14( 2) 2( 0) 0( 0) 84(21) 66(18) 11( 2) 7( 1) 物 理 合 計 平成24年度修了生の進路(平成25年5月1日現在) コース名 修了者数 数 就職者数 進学者数 その他 学 12( 5) 8( 3) 2( 2) 2( 0) 学 22( 7) 16( 4) 3( 2) 3( 1) 基 礎 化 学 24( 8) 17( 8) 4( 0) 3( 0) 分子生物学 17( 6) 15( 5) 0( 0) 2( 1) 生体制御学 16( 6) 13( 5) 3( 1) 0( 0) 物 理 合 計 91(32) 69(25) 12( 5) 10( 2) 進路先一覧(平成24年度修了生) コース名 数 物 就 職 先 進 学 先 学 日本テクノシステム株式会社、埼玉県教育委員会、大宮 埼玉大学大学院理工学研究科、東京大学大学院数理科学 開成高校、東日本電信電話株式会社、株式会社ビジュア 研究科 ルビジョン、千葉県警察、株式会社入江感動経営研究所、 群馬県 高崎市役所 理 学 クラリオン株式会社、キヤノンITソリューションズ株 埼玉大学大学院理工学研究科 式会社、キヤノン株式会社、ムトーアイテックス株式会 社、ドコモ・データコム株式会社、パナソニックシステ ムソリューションズジャパン株式会社、カルソニックカ ンセイ株式会社、コニカミノルタビジネステクノロジー ズ株式会社、武藤工業株式会社、日本ヒューレット・パ ッカード株式会社、埼玉県庁、TDK株式会社、株式会 社フジキン、株式会社エーアイネット・テクノロジ、ク リエイティブソフト株式会社 基 礎 化 学 新神戸電機株式会社、日本圧着端子製造株式会社、田辺 埼玉大学大学院理工学研究科 三菱製薬工場株式会社、株式会社ブリヂストン、NEC エナジーデバイス株式会社、JFEテクノリサーチ株式会 社、富士フイルムオプティクス株式会社、京セラオプテ ック株式会社、株式会社フコク、アクティブファーマ株 式会社、株式会社武蔵野、有機合成薬品工業株式会社、 株式会社陽進堂、オリジン電気株式会社、大正製薬株式 会社、アイオン株式会社、関東電化工業株式会社 分 子 生 物 学 雪印メグミルク株式会社、永和情報システム株式会社、 一般社団法人日本海事検定協会、洛東化成工業株式会社、 シミック株式会社、株式会社日本科学技術研究所、ジャ スコインタナショナル株式会社、株式会社アドバンスト ラフィックシステムズ、埼玉県教育委員会、三井農林株 式会社、AGS株式会社、リケンテクノス株式会社、株 式会社ウィズ・ワン、関東天然瓦斯開発株式会社、株式 会社NTTデータ 生 体 制 御 学 ピアス株式会社、小野薬品工業株式会社、ヱスビー食品 埼玉大学大学院理工学研究科 株式会社、日本製粉株式会社、株式会社武州製薬、株式 会社メディサイエンスプランニング、サントリーホール ディングス株式会社、日本液炭株式会社、日本光電工業 株式会社、藤本製薬株式会社、株式会社シノテスト、岩 谷産業株式会社、高田製薬株式会社 ● 15 編集後記 編集担当者一言 この「理学部だより」第12号では、学科ごとに特色のあ ◆教員の教育面以外の様子は外からは見えにくいのではな る教育活動風景や研究活動についてご報告させていただき いでしょうか。そこで、本年の数学科のページでは、教 ました。また理学部成績優秀賞受賞者の氏名、学部生およ 員の研究活動の一面を紹介してみました。(TN) び大学院生の卒業後の進路に関する情報も掲載していま す。これらを通じて読者の皆様方に、埼玉大学理学部の雰 ◆原稿を書いていて卒業生のその後に思いをはせました。 囲気や取り組み、学生たちの日頃の頑張りを感じていただ 学会などで、昔講義を聴いてくれた人の活躍を見ると、 けたらと願っております。なお、本号でご紹介いたしまし 嬉しくなります。(KH) た研究紹介の詳細な内容は、各学科のホームページにも詳 しく掲載してありますので、ご興味がおありでしたらぜひ ◆新年度がはじまり新たな学生も入ってきました。もう そちらもご覧下さい。今後ともホームページやオープンキ 自分の子供の年代となり月日の流れを感じます。学生に ャンパス、次号の「理学部だより」の発刊などの様々な機 は、大学で学ぶ意義をよく考えながら充実した大学生活 会を通じまして、皆様方に理学部の活動について積極的に を送って欲しいと思います。(HS) 発信していきたいと考えております。 教育・研究活動内 容へのご理解を深めるにあたり、本号が少しでもお役に立 てれば幸いです。 ◆今の世の中、なんでもすぐに結果を求める風潮があり、 応用研究の成果に注目が集まりがちですが、理学部の研 (第12号編集担当:生体制御学科 井上 悠子) 究の醍醐味は、研究者各人が好奇心の赴くままに進める 基礎研究だと思います。一見地味な基礎研究の成果が、 将来私たちの暮らしを大きく変えることもあり得るので す。理学部に来たからには、学生たちには、是非この基 礎研究の醍醐味を体感してもらいたいものです。 (YH) ◆理学部だよりの編集は、各学科の教員および学生の多岐 にわたる活動と新しいチャレンジを知るよい機会となり ました。また理学部卒業生の社会での活躍がうかがえる ことも何よりの喜びです。(YI) 【目次】 学部長あいさつ ………………………………………1頁 理学部と社会のつながり …………………………12頁 学科紹介 …………………………………………2~6頁 理学部同窓会の活動報告 …………………………13頁 留学交流支援室 ………………………………………7頁 卒業生の進路状況(学部・修士)…………14~15頁 学生表彰 …………………………………………8~9頁 編集後記・編集担当者一言 ………………………16頁 HiSEP ………………………………………10~11頁 発行者:埼玉大学理学部広報委員会 発行日:平成25年5月24日 連絡先:埼玉大学理学部学務係 〒338-8570 さいたま市桜区下大久保255 Tel:048-858-3345 Fax:048-858-3698 埼玉大学理学部ホームページ http://www.sci.saitama-u.ac.jp/ 16 ●
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