「腐食の基本と既存データーの活用―腐食事例への展開と対策」のご案内

第9回
腐食・防食セミナー
「腐食の基本と既存データーの活用―腐食事例への展開と対策」のご案内
腐食防食学会関西支部では、各種金属材料の腐食原因の基本的な理解と防食のノウハウ
を知ることを目的に、日々腐食防食の現場に携われている方々全般を対象に「腐食・防食セ
ミナー」を実施してまいりました。今回(第 9 回)のセミナーでは、
「腐食の基本と既存デー
ターの活用―腐食事例への展開と対策」を主題に取り上げ、各分野における腐食防食の基本
と原理、各種既存データーを基にした各種耐食材料の全面腐食と局部腐食現象の解説と防
食対策・耐食材料について紹介していただきます。講義と技術交流会を通じて、個々の腐食
問題の解決や講演者と参加者との交流の機会といたしたく、多数の方々のご参加をお待ち
しています。
主催
公益社団法人 腐食防食学会 関西支部
協賛(依頼中)
(公社)電気化学会、(一社)表面技術協会、(一社)日本鉄鋼協会、
(公社)日本金属学会、(一社)軽金属学会、(公社)日本材料学会関西支部、
(一社)日本伸銅協会、ステンレス協会、(一社)火力原子力発電技術協会、
(公社)化学工学会、(公社)石油学会、(公社)空調調和・衛星工学会、
(一社)日本防錆技術協会、(公社)日本冷凍空調学会、(一社)日本溶射学会
(公社)日本プラントメンテナンス協会
日時
平成 28 年 8 月 23 日(火)9:30~17:00
場所
関西大学
千里山キャンパス
第4学舎 3 号館 4 階
3402 教室
〒564-8680 大阪府吹田市山手町 3 丁目 3 番 35 号
最寄駅:阪急電鉄 千里線 関大前駅 徒歩 10 分(必ず北口をご利用下さい)
地 図:http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/mapsenri.html の 4-3 番です。
(本紙の最終ページにも地図を添付いたしました。)
参加費(資料代含む)
技術交流会
会員・共催学会会員 7,000 円,非会員 10,000 円
費用
2,000 円
(参加費、技術交流会費は当日徴収させて頂きます)
場所
関西大学 凛風館2階学生食堂
1
講演プログラム
司 会:林 修平 ((株)環境ソルテック)
9:30~9:35
開催の挨拶
(公社)腐食防食学会 関西支部長 関西大学 春名 匠
9:35~10:20
1.「腐食の基礎とインフラストラクチャーの劣化診断」
(株)材料・環境研究所 長野博夫(腐食防食専門士)
腐食の基礎として、腐食速度に及ぼす材料側因子と環境側因子の影響、ならびに腐食の電
気化学を標準電極電位、腐食電位および分極曲線について説明する。
インフラストラクチャーとしては、鋼製建造物、橋梁、道路、鉄塔などが対象となる。こ
れらの建造物にできるさびがどんな状態にあるかによって、耐久寿命が左右される。鋼の表
面に生成するさびのでき方と耐食性の関係を知るため、にケルビン電位の測定原理とデー
タについて紹介する。鉄さびは沈殿さびであるので、さびの鋼基板との密着性および緻密性
が鋼の耐食性に大きな影響を与える。ケルビン電位を測定することで、鋼が活性態にあるか、
あるいは不動態にあるかを知ることにより、インフラストラクチャーのメンテナンスに役
立てられる。
10:20~11:05
2.「図表から読み取る-亜鉛めっき鋼の腐食現象と設計作業」
(株)環境ソルテック 林 修平
一般的教科書に掲載されている図表は、先人が腐食防食を考える上で避けられない事象
を表している。技術技能の伝承と言われるが、同じような損傷事例が数年、十数年ごとにど
の現場でも発生するのが現状である。冷却水・補給水系統に使用される亜鉛めっき鋼管の腐
食について図表から読みとり設計作業への注意を喚起したい。また、亜鉛が関連する損傷事
例から施工上の注意と設計書での注記について考える。
11:05~11:15 休
憩
11:15~12:00
3.「無機酸以外の環境でのステンレス鋼の全面腐食」
元 新日鉄住金(株) 幸
英昭
通常、ステンレス鋼は中性溶液環境下では十分な耐食性を有すると考えられている。しか
し、ステンレス鋼はその表面に形成される不働態被膜により耐食性を保持しているため、チ
タン等と同様に低 pH 溶液中では被膜が不安定化あるいは消失するので活性溶解し全面腐食
を受ける。全面腐食のほとんどは塩酸あるいは硫酸等の無機酸の溶液中で発生するが、酸以
外の塩類溶液中でも全面腐食を受ける場合がある。特にある種の高温高濃度アンモニウム
塩溶液中では著しい全面腐食を受ける場合があるので、紹介したい。
2
12:00~13:00 昼食
司 会:幸 英昭(元 新日鉄住金(株))
13:00~13:45
4.「ステンレス鋼における成長性孔食および溶接隙間腐食の条件と対策」
現 (株)野村鍍金、元 日新製鋼(株) 足立俊郎
ステンレス鋼の孔食は海塩粒子が付着し乾燥と湿潤が繰り返される大気環境で認められ
るが、孔食はほとんど成長せず再不動態化する。一方、成長性の孔食は酸性塩化物環境にお
いて、3 価の鉄イオンが存在する条件で生じることがある。孔食の成長はカソード面積とと
もに大きくなり、Fe3+イオンは還元反応を促進している。Cu2+イオンも同様な影響を及ぼす
と考えられる。
隙間腐食は溶接隙間部で問題になることがある。上水の給湯、貯湯タンクの施工では溶接
酸化スケールは除去しないので、フェライト系ステンレス鋼の溶接隙間部で耐食性の低下
が生じることがある。溶接部の耐食性は溶接酸化スケールの耐食性およびスケール直下素
材の耐食性と関連すると考えられる。隙間腐食を回避するには、Ar ガスシールの徹底、溶
接ワイヤーと溶接条件の選定、Cr 量の高い鋼種の選定、隙間のギャップを広くすることな
どが有効である。溶接部の耐食性低下に対して Mo の効果は大きくない。
13:45~14:30
5.「ステンレス鋼の応力腐食割れに及ぼす環境因子の影響」
関西大学
春名
匠
局部腐食の一つの形態である応力腐食割れについて,ステンレス鋼に焦点を当てて,その
形態的特徴や電気化学的な特徴,き裂内の特徴について整理する.さらに,溶接などで不注
意に与えられた熱によってステンレス鋼に生じる鋭敏化を起因とした応力腐食割れを取り
上げ,鋭敏化応力腐食割れに及ぼす環境因子である溶質,溶液電導度,pH,pH 緩衝能力の
影響について概観する.
14:30~14:40 休憩
14:40~15:25
6.「チタン、ジルコニウム、タンタルの性質と耐食性」
(株)神戸製鋼所 中山武典
近年、各種分野で、工業材料の耐食性に対する要求が高度化しており、ステンレス鋼やニ
ッケル合金などでも耐え得ないような過酷な条件下でも使用可能な超高耐食材料のニーズ
が高揚している。こうした要求に応える卓越した高耐食性を発揮する金属材料として、チタ
ン、ジルコニウム、タンタルが知られているが、いずれも万能ではなく、三者の特長も異な
る。以上を踏まえ、本講義では,ステンレス鋼などとも比較しつつ、チタン、ジルコニウム、
タンタルの性質と耐食性をレビューする。選択指針や留意点、適用事例などについても触れ
る。
3
15:25~16:10
7.「防食溶射の現状とその腐食機構」
トーカロ(株) 高谷泰之
防食溶射が施工される対象物は、大気環境における鉄鋼構造物である。具体的には、高速
道路・港湾・河川の橋梁、鉄塔、水管橋、電波・送電塔、化学プラントの塔槽類・配管など
である。その中でも、近年防食溶射は高速道路の橋梁に脚光を浴び、防食溶射が広く施工さ
れるようになっている。防食溶射皮膜には亜鉛―アルミニウム合金、アルミニウム、アルミ
ニウム-マグネシウム合金などがあり、日本工業規格(JIS H8300:2011)にも規格化され
ている。本講では防食溶射の現状とともに、溶射法/防食溶射の種類や防食溶射の実用例を
紹介し、さらに溶射皮膜の耐久性評価や腐食メカニズムを解説する。
16:10~17:00 質疑応答(個別の腐食の相談にも対応します)
17:00~18:00 技術交流会(会場:凛風館2階学生食堂)
参加申込(セミナーおよび技術交流会)は下記の関西支部事務局まで、
平成 28 年 8 月 5 日(金)までに行っていただきますよう、よろしくお願いします。
申込先:〒564-8680 吹田市山手町 3-3-35
関西大学
化学生命工学部
TEL 06-6368-1121
春名
匠
宛
Ext.5650
FAX 06-6368-0912
Email: haruna@kansai-u.ac.jp
地
図(阪急電鉄
関大前駅
北口から下車してください)
4
FAX:06-6368-0912
(関西大学
春名
宛)
同じ内容を電子メールで haruna@kansai-u.ac.jp までお知らせ頂いても結構です
第9回
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腐食・防食セミナー
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