東都医総発第1868号 (地区第755号) 平成25年10月22日 地区医師会担当理事 殿 公益社団法人 東京都医師会理事 渡 辺 象 東京都医師会健康スポーツ医学委員会作成 『ロコモ体操イラスト集』の送付について 日頃より本会事業に格別のご協力を賜り誠にありがとうございます。 さて、先般、本会所属の日本医師会認定健康スポーツ医に対して、本会健康スポ ーツ医学委員会において作成いたしました答申「健康スポーツ医が支援できる地区 医師会活動」をお送りいたしましたが、このたび答申に掲載しております『日常診 療における体操の指導(肩・腰・膝・ロコモ体操)』について抜粋し、イラスト集 といたしました。 つきましては、貴会におかれましても本件についてご了知いただくとともに、貴 会管下会員においてご活用下さいますようご周知方のほどよろしくお願い申し上 げます。 (公社)東京都医師会 総務課 庶務係 電話 : 03-5283-6732 FAX : 03-3292-7097 E-mail : syomu@tokyo.med.or.jp 東京都医師会健康スポーツ医学委員会では、健康スポーツ医の研修会開催 や答申において、健康スポーツ医の目常診療における健康スポーツ医学の実 践に役立つような内容を取り上げてまいりました。 今回、平成25年3月の答申である「健康スポーツ医が支援できる地区医 師会活動jの申に、整形外科を専門としない健康スポーツ医が目常診療の中 で、特に商齢者の骨・関節疾患を含併する症例に対して自宅で層・腰・膝な どの症状が改善できるような運動療法についてのイラストを掲載いたしまし た。 本冊子は、そのイラストのみを編集し、冒常診療の中で患者さんにイラス トのコピーをお渡しして、運動療法を自宅などで継続できるような資料とし ております。 是非、目常診療において、患者さんへの運動療法の指導に役立てていただ ければ幸いです。 東京都医師会健康スポーツ医学委員会 委員長小笠原定雅 スポーツ現場・職場で行うロコモ体操 東京都医師会健康スポーツ医学委員会委員 須田整形外科クリニック院長 須 霞 均 65歳以上の高齢者が員本人全体の24%を超え、舅本は趨高齢杜会を迎え、健康寿命 の延伸が大変重要な課題となって来ております。 2010年度国民生活基礎調査による要介護、要支援となる原因の第工位は脳血管疾患 で全体の21,5%ですが、関節疾患に骨折・転倒、脊髄損傷をカロえたいわゆる運動器疾 患は22,9%と第1位の脳血管疾患を上圓っております。 この様な運動器障害は超高齢杜会における重大なリスクと考え、冒本整形外科学会を申 心として、2007年にrロコモティブシンドローム」(略ロコモ)という概念を提唱し ました。 ロコモとは、運動器の機能が力昌齢と共に衰え、「立っ」「歩く」といった動作が困難とな り、転倒や骨折を繰り返して、要介護や寝たきりとなった状態、またそのリスクの高い状 態を示します竈 歩行、移動といったロコモーション機能の低下した状態と言えます。 ロコモを早期に発見し、早期に介入することで将来要介護・要支援になることを予防す ると共に、すでに要介護等になっている人の悪化を防ぐという意味を含んだ概念です。 早期発見のツールとして自己チェックできる7っの項胃「ロコチェック」を、またロコ モ予防にロコモーショントレーニング(ロコトレ)を推奨しております。 しかし、ロコモの認知度は未だ低く、王7,3%にしかすぎません。2013年から始 まる一健康21」において、10年後の数値目標80%と厚労省も、健康寿命延伸の胃標 の1つとして重視しております竈 整形外科医のみならず、すぺての診療科の医師にロコモの基礎的知識やロコトレの指導 法を理解して目常診療の中で実践して頂き、ロコモ対策に取り艦んでゆくことが重要です。 東京都医師会健康スポーツ医学委員会も2012年度の会長諮間ゴ健康スポーツ医が支 援できる地区医師会活動の中で員常診療における体操指導(肩、腰、膝、ロコトレ)と して答申しています。 演者が目カの診療において患者さんに行っている体操の指導法を御紹介し、受講されて いる健康スポーツ医の先生方の御参考にしてほしいと恩います。 振り子運動 (A)㌧ 机などを支えとして前かがみになり、痛い方の手で大きく円を描くように 内回し(A)、外回し(8)をします。 また、前後・左右に大きく振ります。 挙上運動 2 仰向けになり、よい方の手で痛い方の腕を支えながら挙上します。 3…5秒頭上で保ちそれからおろします。 うつ伏せになり、痛い方の腕が万歳の位置になるように体重をかけ伸ばします。 3∼5秒間保ちます。 (痛みが少なくなってからやって下さい) 引き上げ運動 3 良いカの手で、痛い方の手を腰の位置で握り・上に弓■き上げ畝 挙上運動 4 戸 壁に向かって立ち、人差し指と中指で壁を這いあがるようにして、 碗が上がる限界まで上げていきます。 体を樹こして立ち、同じように行います。 肩こり体操 5 ゆっくり両肩を引き上げゆっくり戻します。 肩こり体操 両肩をゆっくり弓1き上げ後に團しながらおろします。 次に、引き上げたら、前に回しながらおろします。 背筋のストレッチ 7 肘をわき1=っけ、肩甲督を寄せるように近づけ、 10秒聞傑ち、もとに戻します。 首すじのストレッチ 8 首の横と肩の頂点をストレッチずるために、体の後ろで、左手で右手を斜め に引っ張りながら、首を左肩のほうに曲げます。 「楽な伸展」で柵秒闇保ちます。蔵方とも行います。 腹筋運動(へそのぞき運動) 9 ・’きr一^一、 膝を90。屈曲し、立てた位置からおへそのあたりを見るようにゆっくり上体 を起こし、3…5秒間保ちます。 おなかにカを入れるようにします。 息をゆっくり口ではきながら起二し、轟から吸いながら戻します。 足挙げ腹筋運動 10 あお肉けに寝て、雨足を同時に10∼佃㎝上げて10∼20秒筒保ちます。 背筋のストレッチ 11 膝を90。屈曲し立てた位置から両下肢を右にゆっくり倒し、 また元へ戻したら左へ倒し腰椎、骨盤をねじるように繰りかえします。 うつ伏せ背筋運動 12 肘をついたうつ伏せ状態から、背中をゆっくりそらしながら服を約90。まで伸ばし、 3∼5秒閤保ちます。 (円背のつよい方は、腹剖二枕などを入れて下さい。) 大腿匹願筋を鍛える運動 13 床にかかとを着け、出来るだけ膝を伸ばし、 片足を10㎝くらい上げます。 そのまま5秒悶キープし、元に戻します。 これを左右10回ずつ行います。 椅子に腰掛け、背すじを伸ばした姿勢で 片方の下肢を水平位まで挙上し5秒閥繰ちます。 (足関節を背屈させると大脚ニカが入りやすい) 二れを左右10回ずつ行います。 大腿四頭筋を鍛える運動 14 あお向けに寝て、片方の膝を立て体を支え、一方の膝を伸ばし、足を床から 10…15㎝挙上し5秒間保ちます。(足閏節を背屈すると大腿にカが入り易い)邊 これを左右10回ずつ行います。 あお向けに寝て、片方の膝の下に、小さな枕やタ才ルを丸めたものを入れ、 廉に揮し付けるように大腿剖:カを入れ5秒間保ちます。 これを左右10回ずつ行います。 ももの内側の大腿内転筋を鍛える運動 15 漆を軽く曲げ、太ももの間にボール(バレーボール、サッカーボール大)をはさみ、 左右のももでボールをつぶすように押し、3∼5秒保ちます。 ボールは尉:つ1ナた状態で行って下さい。 ちゅうでんきん ももの外側の外側広筋と中腎筋を鍛える運動 16 上の膝は塗来るだけ伸ばします 下の膝は90。屈曲 {・ 15c繭 横向きに寝て、下の膝を90=位屈曲し、上の膝は出来るだけ伸ばし 上の足を15㎝位挙上し5秒悶保ちます。 これを左右10回ずつ行います。 ひざ屈曲ストレッチ 17 浴槽の縁をしっかりつかみ、 ゆっくり膝を曲げ10秒保ち、 またゆっくり立ち上がります。 これを柵回行います。 ダイナミックフラミンゴ体操 18 . ● 何かにつかまり、片是で立ちます。 徐々に秒数を延ばし1分闘を昌標に楽に出来るようになったら っかまらずにやります。 スクワット運動 19 テーブルなどに軽く手をっき、 足を20∼30㎝開いて立ちます竈 椅子に座るように腰を下げ、3川5秒燥ち、 また立ち上がり元に戻ります。 徐々に深く下げてゆきます。 これを10回行います。
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