第2回 装置産業のリスク管理 ミニ・シンポジウム 参加者募集 1. 主旨 鉄鋼業、石油化学工業、原子力発電などのプロセス産業において安全化の推進に携わる中間管理者が一堂 に会して、リスク管理および危機管理について論議する場です。よって、原子力事業所のリスク低減の実現 を目的として、 「原爆被爆国の経験と福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえた、原子力に関して安全を最 優先に考えることが出来る人材育成を行う。 」を理念とします。装置産業における実務者に、リスク管理およ び危機管理について、意識の高揚、知識および技術の強化および高度化ならびに実践行動力の推進を実現す るため、情報の交換および共有を図ろうとするものであります。このため、自然科学と人文社会科学が融和 したリスク管理および危機管理に関するミニ・シンポジウムを開催します。 2. プログラム 総合司会:千葉科学大学 大学院 教授 王晋民 (1) 開会の挨拶 9:30-9:45 千葉科学大学 学長 赤木靖春 (2) 一般講演① 9:45-10:35 千葉科学大学 大学院 教授 長谷川和俊 (3) 基調講演①(逐次通訳) 10:35-12:15 USA Carnegie Mellon University Prof. Baruch Fischhoff (4) 一般講演② 13:15-14:05 中央労働災害防止協会 マネジメントシステム審査センター 所長 白崎彰久 (5) 基調講演②(逐次通訳) 14:05-15:45 USA Texas A&M University Prof. Hans J. Pasman (6) 自由討論会(逐次通訳) 15:55-16:55 「講演者を囲んで」 (7) 閉会の挨拶 16:55-17:00 千葉科学大学 大学院 教授 長谷川和俊 3. 開催期日・場所 期日:平成 25 年 2 月 22 日(金) 場所:東京、四谷、スクワ-ル麹町(http://www.square.or.jp/) (〒102-0083 東京都千代田区麹町 6-6) 4. 参加費 無料です。聴講は、定員 150 名になり次第、締め切りさせていただきます。 5. 主催、協賛等(手続中を含む) 主催:名古屋大学、千葉科学大学 協賛:日本原子力産業協会 このシンポジウムは、 「平成 24 年度文部科学省原子力人材育成等推進事業」の一環として開催します。 6. 申し込み方法 ①氏名、②所属、③連絡先住所、④Tel/Fax 番号、⑤E-mail、の5項目を記載の上、下記に Fax または E-mail で「ミニシンポ参加」と題記して、お申し込み下さい。聴講申込者へは整理番号を返信いたします。 7. 申し込み・問い合わせ先 千葉科学大学 危機管理学部(〒288-0025 千葉県銚子市潮見町 15-8)長谷川宛 Tel/Fax:0479-30-4754 E-mail:khase@cis.ac.jp 講演要旨 ◇基調講演①(逐次通訳) 10:35-12:15 “Behavioral Decision Science in Risk Management” 「リスクマネジメントのための行動決定科学」 Prof. Baruch Fischhoff USA Carnegie Mellon University 行動決定科学(Behavioral Decision Science)では、リスク削減と安全促進について、以下の3つの側面 から検討している。1 つめは、リスクを生み出したり制御したりする上で人間の行動の役割を理解するとと もに、それをどのように改善することができるかについて理解することである。2 つめは、さまざまな設計 や運用により達成された安全レベルを評価するために必要となる専門的な判断を訓練し導き出すことである。 3 つめは、各種の利害関係者グループとのコミュニケーションである。コミュニケーションによってこれら のグループのメンバーは科学技術のリスクとベネフィットを理解することができる。講演では、これらの課 題に関連する基礎的研究と行動決定科学を効果的に応用できる組織構造について議論する。 ◇基調講演②(逐次通訳) 14:05-15:45 “Process Safety: principles and concepts; how to keep my plant safe?” 「装置産業の安全:原則と概念;装置の安全を確保する方法」 Prof. Hans J. Pasman USA Texas A&M University プロセス安全の主な発展要因は、1960 年以降で見ると、技術改良、リダーシップによる管理の推進および 安全文化の醸成へと変遷してきている。これらは、知識と見識によるものであり、4分野に区分できる。a) 危険性物質の特性、その計測方法および危険事象を解析するコンピュータシステム、b)本質安全の原理、フ ェイルセーフ構造および解析技術に基づくシステム安全、c)プロセス制御を含む安全増し装置設計技術、フ ィードバック概念とヒューマンファクターに配慮した運転安全管理およびトップマネージメント、d)成長す る知識体系の基で発展し続ける様々な技術と方法を用いたリスクアセスメント、である。これら総合的なア プローチは実効的な安全制御を可能にする。最近のトピック的な実例を示して説明する。 ○一般講演① 9:45-10:35 「東日本大震災、その後のリスク管理」 教授 長谷川和俊 千葉科学大学 大学院 東日本大震災の後、リスク管理は、どのように変わり、変わろうとしているか。新しいリスク管理 ISO31000(2009)に基盤、リスク管理と危機管理の区別、リダーシップのあり方、リスク対策と共に巨大ハザ ード対応、透明性の高いリスク・コミュニケーションが安全文化を醸成、組織のあり方が問われる事故調査、 発表された事業継続管理 ISO/FDIS22301(2012)が不可欠。 ○一般講演② 13:15-14:05 「労働災害防止のためのリスク管理」 所長 白崎彰久 中央労働災害防止協会 マネジメントシステム審査センター 事業所のリスクの一つに労働災害がある。作業者がケガをすると労働災害になり、ミスをするとトラブル になることから、労働災害防止の方策はトラブル防止にも役立つ。わが国の産業界において、過去約 40 年 に及ぶ労働災害ゼロを目指した取組みの中で培ってきた労働災害防止のノウハウがある。それは、法の遵守 を基本としたトップダウンによる管理と、社員の自発性を引き出して具体的な行動により成果を上げてきた ボトムアップの職場レベルの活動である。これら管理と活動の取組みをパッケージ化しシステム化した、時 代にあった効果的な労働災害防止の方策を紹介する。
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