会員企業訪問 No.65 有限会社　アイ・ディ・オーミクロン世界を追求する精密部品・金型部品製造「ミクロン世界を追求する　精密部品・金型部品製造」を掲げるアイ・ディ・オーは、少数精鋭の技術者集団だ。社内にはソディックや牧野フライス製作所、ニコンなど、日本を代表する精密工作機械メーカーの装置がズラリと並び、職人たちが黙々と作業をこなしている。井町征夫社長に経営の現状や今後の課題などを聞いた。インタビュー ―経営の現状はいかがですか。立してすぐにバブルが崩壊してしまい休業を余儀なくさ 2014 年末当たりから特に引き合いが活発になっていれた。幸い技術力が認められて他社に勤務することがでる。パソコン、携帯情報端末、カメラ、自動車向けなどきたが、勤務先も経営が苦しくなり、もう一度挑戦しよだ。自動車部品メーカー向けに検査治具を供給しているうと考え 2001 年に再開した。がコンスタントに受注が来ている。 ―現在の得意分野は。 ―1990 年に創業後、97 年に一度業務を休止しています。研削、ワイヤカット放電加工、治具研削と各種金属研三井ハイテックで工作機械の設計などに携わってい削加工が強みだ。三井ハイテックの成型研削盤は９台、た。ただ金型や IC リードフレームが経営の柱の同社のニコンのデジタルマイクロ測定器は 15 台導入している。中で、工作機械事業が占める比率は低く悩んだ。ただ独これだけの機器と加工技術力を備えている中小企業は九州でもほかにはないと自負している。超硬合金や鋼材、ステンレスなど各種材料を使った精密パーツ加工も得意だ。直径 0.114 ミリメートルの極細パンチも製造している。 ―製造会社の九州精密（北九州市八幡西区）を設立して製販を分離しています。狙いは。事業継承と人材の育成だ。私は現在 71 歳。そろそろ後継を考えなくてはならない。ただ同族経営の考えは否定しているので、身内ではなく社内から登用したい。生産性向上や短納期など、モノづくりには取り組む課題も多いため、営業は私を中心にアイ・ディ・オーが担い、製造と人材育成は九州精密でしっかりやって次代のリーダーを育ててもらいたい。意欲のある若い人は手を挙げ各種金属研削加工が同社の強み 14 BUSINESS SUPPORT FUKUOKA 2015.8 て社内起業も進めていくつもりだ。沿革 1990 年、福岡県中間市で創業。景気低迷のあおりを受けて一度休業に追い込まれるが、01 年に再開。かつての勤務先などから仲間が集い、各種金属の精密研削加工を始めた。近年は超精密加工における平面の最終仕上げ作業「ラップ仕上げ」の技術継承にも力を入れている。旋盤や研削盤を扱える若手技能者の減少は年々深刻度を増している。技能者を雇用、育成する道筋なども同業他社と連携して探っている。社内には若手技術者も多く技術継承にも力を入れている事業紹介＆ NEWS 得意の精密加工技術を生かして、医療分野への進出をまた、（公財）福岡県中小企業振興センターと積極的始めている。心臓手術に利用するロックバンドは欧州製に情報交換を図り、振興センターが主催する展示会へのが主流だが、突起部が大きく患者に負担がかかる。同社出展やフクオカビジネスマッチングサイトに登録し取引製品は欧州製に比べて小さく医療現場で好評を博していの拡大に努めている。る。最近は大学病院などで利用が進んでいる。また現子会社の九州精密を設立して製販分離を行った。井町在は小児が CT（コンピューター断層装置）を利用する社長が退任しても会社が存続できるよう製造技術に強い際に頭部を被ばくから保護する CT 被ばく装置も試作、人材、リーダーの登場に期待しているという。やる気、近く製品化を予定している。意欲のある人材を積極登用することで、企業力向上を 15 年には福岡県金型研究会、日本金型工業界に相次狙っている。いで入会、同業他社や会員企業との交流を活発化させることで業容拡大や人材の育成にも取り組んでいる。アイ・ディ・オー　井町社長意欲のある人材を積極登用することで企業力向上を狙う企業概要企代所ＴＦ業表在ＥＡ名者地ＬＸお問い合わせ有限会社　アイ・ディ・オー代表取締役　井町　征夫福岡県直方市大字植木 1245 番地 19 ０９４９- ２４- １８２４０９４９- ２４- １８２５情報取引推進課　TEL：092-622-6680 E メールＵＲＬ社員数 i.d.o‐9012@luck.ocn.ne.jp http://adox-fukuoka.jp/kigyou/1-ido.pdf 20 人事業内容各種金属研削加工、精密パーツ加工 BUSINESS SUPPORT FUKUOKA 2015.8 15