日本進化学会第4回大会報告 会長挨拶 2003年度役員紹介 海外研究室だより 第1回 ハーバード大学自然史博物館 会員異動 ―新入会、 異動、 退会― ・ 種分化機構の解明と生物多様性進化 日本進化学会第4回大会報告 日本学術会議「日本の計画」への意見提出 “Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 3, No. 2・3 1 日本進化学会長の就任にあたって 本学会は、1999年10月10日に京都の国際会議場において設立総会が開催され て以来、早くも4年目を迎えることになりました。その後毎年、東京、京都、東 京と学会員の皆様の熱意とご協力で次々と大会を成功させていただきました。特 に昨年の東京大会は、多くの若い人々の姿が目立ち、当初の学会の主旨通り、非 常に幅広い分野で活発な発表や議論が交わされました。また、理科教育や教科書 における進化の取り扱いについての問題も熱心に議論されました。 ● 本年の8月に予定されている福岡大会においても多くのシンポジウムやワーク ショップがすでにエントリーされ、昨年以上に情熱のこもった準備がされていま す。このように本学会は、内容的には会員数的にも会員の年齢構成的にも大きな 飛躍を遂げようとしています。これは、統合性をその目的と方法論に内在する 「進化」という学問が、現代の生命科学がもっとも要求している本質と深く関係 しているためと思われます。 ● 本年4月にはヒトゲノム解読終了の宣言を受けて、いよいよ時代はポストゲノ ムシーケンシング時代に突入致します。これからは、ゲノムDNAから個体、生 態、進化に至るさまざまの生物学的階層の間のギャップをどう統合的につないで いくかが試される時代です。進化学は、その目的と方法論において、ポストゲノ ムシーケンシング時代の生命科学の中心課題になることは必至です。伝統と豊富 な実績を持つわが国こそ、現代の進化学の発展に大きく貢献できる素地を有する とともに、本学会がそれを担う権利と義務をもつと確信します。 私は本会長としての任期中、 (1)学会基盤の強化(会員数の増加と、本年大会 の成功と来年大会長への協力) 、 (2)将来検討委員会を設置し、本学会のあり方を 組織と内容の両面から検討するとともに、 (3)国際雑誌の発行について是非を含 めた方向性の確定、の3本柱を目標として定め、その達成に向かって努力したい と思います。今期一杯、幹事の方々と一緒に努力して参りますので、学会員各位 のご協力を切にお願いするものであります。 2003年度日本進化学会長 五條堀 孝 (国立遺伝学研究所) 2 ― 執 行 部 ― 会長 五條堀 孝 国立遺伝学研究所 副会長 石川 統 放送大学 庶務担当 三中 信宏 農業環境技術研究所 庶務担当 斎藤 成也 国立遺伝学研究所 会計担当 舘野 義男 国立遺伝学研究所 渉外担当 上島 励 東京大学理学系研究科 渉外担当 長谷部光泰 基礎生物学研究所 編集担当 加藤 和人 京都大学人文科学研究所 ― 評議員(任期:2002年度∼2003年度)― 阿形 清和、浅見崇比呂、石川 統、巌佐 庸、岡田 典弘、 粕谷 英一、河田 雅圭、倉谷 滋、郷 通子、斎藤 成也、 佐藤 矩行、嶋田 正和、西田 睦、長谷川政美、長谷川眞理子、 長谷部光泰、日高 敏隆、三中 信宏、宮田 隆、村上 哲明 ― 2002 年度会計監査 ― 大路 樹生 東京大学大学院理学系研究科 深津 武馬 経済産業省工業技術院 ― 編集委員(2002年度より留任) ― 遠藤 一佳、清水健太郎、疋田 努、和田 洋 日本学術会議「日本の計画」への意見提出 日本学術会議では、平成14年12月に「日本の計画 Japan Perspective」を発表しました。この 提言を作成するにあたっては、草案に対するパブリックコメントが求められました。日本進化学 会では、評議員会のメール協議を行い、下記のコメントを会長名で、日本学術会議のウェブサイ ト(パブリックコメント受付ページ)を通じて提出しました。 公表された文書では、 「進化する人類社会へのシナリオ」という表現は残されましたが、下記の コメントを考慮に入れた注釈がつけられました。また、 「進化の概念は、生物学の中でもさまざ まな学説があり」という表現など、下記のコメントで問題点を指摘した文章は削除されました。 以下のコメントの提出に関して、評議員から、 「 (このコメントのような)政治的なアピールと いうものは学会のカラーをきめるものですから、自ずと各学会員の意見を統一するように働く事 は当然の事になります。今回の問題に関していえば、日本進化学会が「進化」という言葉の使い 方に関して「啓蒙」する政治的役割をもった学会である、という踏み絵を学会員の全員に課した、 ということになりますが、僕にはこれが極めて窮屈な事に感じられます」という意見が寄せられ ました。 評議員メール協議では、提出に賛成の意見が多かったので提出しましたが、全員賛成ではなく、 評議員間でも意見の違いがあったことを付記しました。 (2002年度会長 矢原 徹一) “Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 3, No. 2・3 3 節のタイトルに使われている「進化する人類社 平成14年10月3日 会へのシナリオ」という表現は、人類社会を前 日本学術会議会長 吉川 弘之 殿 進させるというニュアンスが強く、好ましく 日本進化学会会長 矢原 徹一 ないものと考えます。 そもそも、 「日本の計画」では、永続的な進 日本学術会議が提案を進めている「日本の計 歩を是とする従来の価値観への反省に立ち、欲 画 Japanese Perspective」では、 「進化」という 望の抑制や価値観の方向転換が必要であると 用語が、重要なキーワードとして使われよう いう問題提起をしています。人類社会を前進 としています。学術会議として、 「日本の計画」 させるというニュアンスをともなって、 「進化」 を策定し、人類が直面する問題に対する日本 という表現を用いることは、 「日本の計画」の の科学者からのパースペクティブ゛を世に問 趣旨にそぐわないように思われます。 うことは意義が大きく、21世紀初頭の人類史 以上の理由から、進化という言葉をこの文 的課題が地球資源の有限性と人間活動のコン 書で用いることは避け、別の表現に修正して フリクトにあるという視点に異論はありませ いただけるよう、要望致します。 ん。しかし、進化という言葉をこの文書で用 なお、以下の点も、生物進化に関する科学 いることは、以下に述べる理由から、好まし 的研究の到達点に照らして、修正が望ましい くないと考えます。よって別の表現に修正し と考えます。あわせてご検討いただけるよう、 ていただけるようここにお願い申し上げます。 お願い致します。 「進化の概念は、生物学の中でもさまざま ダーウィンに始まる、生物進化に関する近 な学説があり」と書かれていますが、進化の概 代科学的研究の成果は、人間に関する私たち 念をめぐる論争はすでに過去のものであり、現 の理解を大きく変えるとともに、人間社会に 代の生物進化学は、すぐれて実証的な科学と 多大なる影響を及ぼしてきました。その影響 して発展しています。 「さまざまな学説があり」 の中には、優生学と結びついた社会進化思想 という表現は、進化生物学において確立され のように、好ましからざるものがありました。 た学説がないかのような誤解を与えますが、自 このような歴史への反省から、私たちは、生 然淘汰理論や中立進化理論はすでに多くの検 物進化に関する科学的研究の成果を社会に正 証を経て、確立されています。 「進化は、生物 しく普及することが、何よりも重要であると 学においては世代を通じての遺伝的な変化を 考えています。 意味し、精密な実証研究の対象となっている しかし、残念ながら、社会には生物進化に 関する誤解が広く見られます。生物進化は下 が」といった表現に改めていただけるよう、お 願いします。 等なものから高等なものへと前進的に進んで 「生物は、自らの生存を確保するため、環 きたという誤解は、その代表的なものです。生 境、すなわち地球の物質・エネルギー循環に 物進化を研究する生物学者は、このような誤 適応し、遺伝情報の変異・選択・複製という 解を解き、科学的研究の成果を社会に正しく 過程を経て、物質・エネルギー循環への適応・ 普及することに献身してきました。 働きかけを調整・調節し、環境へ適応して生 「日本の計画」では、 「ある定常的な社会シ 存を維持してきた。 」という文章は、生物進化 ステムが気候変動、人口増加等の困難な状況 について述べています。このうち「自らの生存 に際し、新たな状況に対応した定常的な社会 を確保するため」という部分は、あたかも生物 システムへと質的な変革を遂げること」という に意志や目的があるかのような誤解を与える 意味で、 「進化」という言葉が用いられていま す。この表現は、進化が前進的なものであり、 ので、削除するのが適切だと考えます。また、 「物質・エネルギー循環への適応・働きかけを また大きな変革であるという誤解を、日本学 調整・調節し」という部分は、生物進化が調 術会議の名において社会に定着させてしまう 整・調節機能を持つかのような誤解を与える のではないかと危惧いたします。とくに、第2 ので、やはり削除するのが適切だと考えます。 4 日本進化学会 第4回大会報告 2002年8月2日∼5日、中央大学・理工学部後楽園キャンパスにおいて、日本進化学会第4回大 会が行われました。4日間の会期中には、8つのシンポジウムと24のワークショップが行われ、ま たポスター発表にも多数のご参加をいただきました。 今回は会場責任者の西田治文会員の報告に加え、シンポジウム、ワークショップのなかから5 つを取り上げて参加者からの報告をお伝え致します。 (2003年4月11日/会計責任者:三中 信宏) 【収入の部】 大会参加費 懇親会参加費 要旨集販売 出店・広告 補助金(中央大学) 学会より当初借入金 第3回大会繰越金 銀行利息 計 東京ドーム裏という場所柄と、経費の 1,718,000 515,000 84,500 370,000 150,000 500,000 492,799 10 3,830,309 補助が多少なりとも得られるということ で、お引き受けした大会でしたが、生物研 究室は教員ひとりの単独研究室であるため に、さまざまな不都合を生じてしまったこ とは、大変申し訳なく思っております。な んとか、大過なく会期を終了できましたこ とは、運営委員会、参加者各位の大いな る忍耐とご協力の賜です。ここにあらため て深く御礼を申し上げます。 【支出の部】 印刷代 郵送代 広告代 謝金 大会本部費 懇親会費 計 会場係の学生は、当初大会運営委員会 718,388 988,876 53,340 10,000 442,852 800,000 3,013,456 関係の他研究機関からだしていただくつも りでしたが、結局同じ地学生物学教室所 属の地学系院生、学生を総動員すること となりました。ひとつは、大会準備委員会 を十分な回数開けなかったために、作業内 容の把握と人員の振り分けが7月後半まで できなかったこと、もうひとつは、やはり 【収支】 収入 支出 開催校のスタッフでないと十分な会場運営 3,830,309 3,013,456 +816,853 【学会会計への返却】 借り入れ金 剰余金 計 はできないということが理由でした。地学 教室の鈴木隆介教授が学生を積極的に動 員してくださいました。 地学教室の学生は、もともと土木学科 500,000 316,853 地質工学が専攻科目で、当然のことなが 816,853 ら進化とはまったく筋違いの分野を専門と しています。発表内容や用語の理解不足 “Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 3, No. 2・3 5 による不都合を解消するため、各シンポジ た。夏期休暇中であることや、これまでの ウム、ワークショップ会場でのスライドや 大会実績をふまえて控えめに申請しました 機器操作は、それぞれの企画担当者にア が、その後の参加者募集活動の成果を読 ルバイト学生を別途調達していただくこと み損ねました。しかしながら、本学学生の になりました。なお、大会前日のポスター アルバイト代は、大会前日の準備作業費 会場準備とパネル運びには人手不足が予想 以外はいただかないこととしましたので、 されたため、東京工業大学の応援をいただ 財政面ではいくばくかの貢献はできたかと きました。暑い中をお越しくださり、あり 思います。 がとうございました。 上記のような事情で、中央大学の学生 は受付、会場設営・撤収、全体の運営な 以下、いくつかの項目別に気づいたこと を書き連ねます。 【準備・会場設営】 どを受けもたせていただきましたが、司令 ポスター会場は体育館に冷房設備が無い 塔がひとりであるために、多岐にわたる指 ために教室を使用しましたが、討論スペー 揮系統がやはり混乱し、特に、学会受付 スはできるだけ多くとれるように心がけま で最も重要な業務である参加者名簿の管理 した。ポスターのサイズ(縦120×横90㎝) に不手際があったことは、大いに反省すべ は少し狭かったかもしれません。休憩室 きことでした。参加者は当初750名程度と は、最低限の茶菓子提供にとどめました。 累計されましたが、事前登録者との照合が 【展示スペース】 きちんとできておらず、最終的な公式の登 書籍展示 2部屋を用意しましたが、1部 録参加者は622名でした。事前登録のみで 屋は手違いで机の移動ができなかったた 参加されなかった方68名を含めても690名 め、1室となりました。しかし、結果とし です。ただ、正式に受付を経ずに参加し て1部屋で間に合いました。ただ、初日(8 た方もだいぶおられたようでしたので、ま 月2日)は公開シンポジウム会場前の踊り ずまずの盛況であったとは思います。 場に臨時スペースを設けましたが、階段最 会計については三中大会会計担当によ 上部であったために熱気が充満し、担当者 る報告をご参照いただきますが、本大会企 には大変な思いをさせてしまいました。機 画時点では、学会会計状況が良好とはい 器展示は大会直前に急遽決定したので、部 えなかったために、極力緊縮財政を心がけ 屋の準備が間に合わず、受付横のあまり目 ていただきました。中央大学からは会場使 用費、機材借用費、冷暖房費の免除に加 立たない場所になってしまいました。 【受付】 え、15万円の補助金をいただきました。学 大きな混雑はありませんでしたが、学生 会会計係としても非常に助かりました。中 が不慣れなために前述のような混乱がいろ 央大学には特に御礼を申し上げます。た いろ生じました。当日参加者名簿も記入 だ、大会参加者数を300程度と見積もった が当初はされておらず、会員数増加計画の ために、上記の補助金額となりましたが、 足を引っ張ることとなってしまいました。 補助金額は大会参加者数に応じて加減さ また、招待講演者、報道関係、業者、ア れるため、今回のような600人以上の参加 ルバイト学生など、多様な参加形態別の 者でしたら、35万円の補助を受けられる 参加費徴収方針が準備段階で確定してい はずでした。非常に悔やまれる失敗でし なかったために、対応に困るケースもあり 6 ました。また、大会要旨集をネット配布中 営業のない日曜夜は、弁当の販売を行い 心としたために、プログラムと会場捜しに ましたが、参加申し込み時の事前予約を 困る参加者が頻出しました。今後、少な 行わなかったために、数の予想に困りまし くともプログラムと会場見取り図などは当 た。日曜の午前中に当初の予想から80個 日配布を行うべきでしょう。 減らしましたが、それでもかなりの売れ残 ネットによる事前受付を会期近くまで行 りがあり、3日と合わせて119食、59,500 っていたために、参加者名簿の整理や受付 円の赤字となりました。日曜の売れ残り 業務の準備が遅くなったことも受付準備に は、ワークショップ終了後の学生さんたち 混乱をきたしました。これは、本大会の最 に無料で配布し、好評でした。それでも余 大の反省点というべき、準備期間の遅れ った分は、大学の警備員などあちこちにふ によるもので、特定個人や担当の責任とい るまうこととなりました。 うわけではありません。 クロークは、簡易クロークのみを受け付 以上をまとめますと、当然の結論が導か け後方に設けました。本学会の規模では、 れます。それは、早めの企画と緻密な役割 正式なクローク設置は会場運営上の負担が 分担という当たり前の表現です。準備委員 大きすぎると思われます。 が皆多忙であるために、限られた回数しか 【発表会場】 委員会を招集できなかったことは致し方な スライドプロジェクタの不具合や、コン いのですが、少なくとも東京周辺の委員で ピュータとプロジェクタの接続不良があり もう少し協議できたらよかったと今になっ ましたが、特に後者は事前のチェックが十 て思います。会場担当の私が、重要な2回 分なされるべきです。このためにも早いプ 目の会議を欠席したことも準備が滞った原 ログラム決定と各企画責任者による下準備 因のひとつかもしれません。また、事務局 が不可欠です。今回は、プログラムの時間 が三島にあることで、結果として直前の作 配分に余裕がなかったために、休み時間が 業が三島に集中する事になりました。次 無く、企画間の準備調整時間が実質上皆 回、九州大会は会場校に事務局も置かれ 無となってしまいました。 るでしょうから、大きく改善されると思い 【懇親会・食事】 ます。今回の会場運営は、スタッフや予算 大体予想通りの参加者数で、値段のわ 内容が特殊でしたから、あまり参考になる りにはお楽しみいただけたかと思います。 ものとはいえませんが、ここをこうすれば 学生の参加費を優遇したためか、若い参加 という材料には事欠かないだろうと思いま 者が多かったことはうれしいことでした。 す。過渡期の出来事として生かしていただ 夏期休業中であるため、会期中学生食 ければ幸いです。皆様よくおいでください 堂には臨時営業をお願いする形となりまし ました。 た。このため、できるだけご利用いただく 最後に、お手伝い願った学生代表3名の と食堂も助かるのですが、プログラムが過 感想です。社交辞令のような表現もありま 密で休み時間が少なく、また、昼休み企 すが、学会を本学学生の教育に利用させ 画も満載でしたので予想より利用者は少な ていただき、学生がそれに応えてくれたこ かったようです。また、昼休みが短いため とも事実です。学部生は、さまざまな形で に学食の混雑が予想された3日昼と、学食 学会を体験することが好ましいと個人的に “Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 3, No. 2・3 は思います。特に、将来学会を背負うべ き人たちには、ぜひ下働きも積極的に経験 7 今回の日本進化学会第 4回大会において、微 力ながらも学会運営に携わらせて頂いたこと は大変光栄に思っております。まったく学会 してもらいたいものです。 西田 治文(中央大学) というものに触れたことがなかったものです から、はじめのうちは準備といっても何をし ・日本進化学会第 4回大会におきまして、ス タッフのリーダーを務めさせていただきまし た。学部生の時にも学会(国際地形学連合大 会)のスタッフを経験したのですが、今回は リーダーであったので以前に較べて責任が大 きく、仕事量も多かったです。準備から学会 期間を経て、片付けや整理までの約1ヵ月は毎 日忙しく大変でした。しかし、忙しかった毎 日も、楽しく充実した日々であったと思って います。学会スタッフのリーダーを務めたこ とは、人生においても二度とあるかわからな い貴重な経験を積めたことと思い、大変嬉し く、大変感謝しています。この経験を生かし、 更に充実した生活を送れるよう、今後もがん ていいのやらという状態でしたが、いざ始ま ってしまうと無我夢中で駆けずりまわってい たような気がします。その中で自分の良い所、 悪い所が見えてきて、自分を見つめ直すこと ができる良い機会になったと思います。また 今回の学会では、直前になってから慌ただし く動き始めたという印象を受けたのですが、 急に慌ただしくなったために事前にしっかり とした準備ができなかったように思われまし た。もっと早い段階から準備を進めていれば 更に良い学会にすることができたであろうと 思いました。最後に、貴重な体験をさせて頂 いた日本進化学会の方々に感謝いたします。 中央大学理工学部地学生物学教室 4年 笠木 勇祈 ばっていきたいと思います。 中央大学理工学部地学生物学教室 技術員代替 M1 黒田 裕昭 ・今回の学会では、スタッフとして会場運営 に携わることができ、非常に有意義で貴重な 8 / 3(土)10 : 30∼12 : 30〈本部企画〉 経験をさせて頂きました。準備から会場運営、 後処理に至るまでの一連の作業を行いました。 化石の情報は過去の生物の姿かたちや生 その作業を行っていく上で必要な物品の調達、 き様を知る唯一の手段として、古くから進 また、人を動かすことの難しさ、色々と発生 化研究の対象とされてきた。化石は過去に する問題にその都度対処していくこと等々、 存在した生物のごく一部の記録であり、偶 全てが今後の生活の中で必ず生かされるであ ろう経験を積むことができました。同時に自 分の弱点がこういう機会に驚くほどはっきり と表れるのだということを痛感することがで きました。この学会を通じて、人間として一 回り大きく成長できたと思います。ありがと 然世に知られることになった限られた情報 であることに留意しなければならないが、 分子生物学全盛の現代においても最小分 岐年代の推定など化石情報は不可欠なも のとして利用されている。このように生物 の過去の時空分布や形態の情報は化石研 うございました。 中央大学理工学部地学生物学教室 4年 河村 佳英 究の重要な貢献のひとつであった。しかし 最近では新たな手法の導入や視点を変える ことにより、化石が過去に生きていた生物 ・今まで学会に参加したこともなかった私が、 あるいは生物の生活の痕であることに注目 8 し、その生物の生き様を明らかにする研究 形成者の生活パターンの変化を推測した。 が進められるようになってきた。本シンポ 排泄痕を過去5億年にわたり検討し、白亜 ジウムではこうした生き様の中でも生物に 紀を境に複雑で巨大な痕を形成することか とってもっとも重要である「食」に焦点を らこの時期に短期定住型から長期定住型 あて、様々な化石情報から過去の生物の へ変化を見出したが、この生活パターンの 食習慣を導き出し、その進化に迫るべく企 変化と海中のプランクトンの変化に関連が 画された。 見られた点は興味深い。 演者は西田治文、朝川毅守、小竹信宏、 甲能は「軟組織の「化石」が語る海生哺 甲能直樹の4人で、維管束植物、節足動 乳類の「食」の進化」と題し、頭蓋化石内 物、生痕、脊椎動物を中心に幅広い化石 部の脳函の鋳型を用いて、大脳の各機能 についての話題が提供された。西田は「白 を司る部分の発達・退化の時間変化を明 亜紀植物化石中の食痕とその犯人」と題し、 らかにし、その動物の行動様式や食性の多 生物が陸上進出を果たしたデボン紀から中 様化の過程を推測した。鰭脚類の例では、 生代の白亜紀まで、各時代の植物と植物 食に関する機能の発達と多様化の時期と を食べる昆虫を中心とした節足動物の相互 海洋環境の急変した時期と重なるというこ 関係を紹介した。化石生物の食性の研究 とで大変興味深い。 は世界的に注目されているところであり、 分子生物学的手法による生物の進化研 植物食の動物に関しては恐竜の糞石や植物 究が全盛の時代に、あえて古生物を中心 組織中の食痕の解析が進められている。し にしたシンポジウムを企画するのは、大い かし西田の発表の中で、植物組織中のそ なる冒険であった。当初コンピュータ画面 れを食べていた昆虫の幼虫や蛹が保存され がスライドプロジェクターに出力されない ている化石は白亜紀の植物食者を直接知 というトラブルもあり、発表があわただし ることができる点で注目に値する。西田は いものとなってしまったが、終わってみれ さらに化石を切らずに中を見るという顕微 ば大変多くの方々にご視聴いただき活発な X線 CTを用いた植物化石内部の立体復元 討論も交わされるなど盛会であり、ほっと を紹介し、その可能性に言及した。 胸をなでおろしているところである。これ 朝川は「白亜紀果実化石から見た鳥散布 を期に、化石の「生きていた生物」として 戦略の進化」と題し、白亜紀の被子植物果 の一面に注目していただくことができれば 実に見られる被食動物散布への適応形態 幸いである。 の出現過程を紹介した。初期の被子植物 朝川 毅守(千葉大学) の果実は小型で肉質の果肉が無く、種子 は皮が薄く動物の消化に耐えられるもので はなかったが、硬い内果皮と肉質の外果皮 を持った果実の出現により被食動物散布が 可能となり、被子植物が広がったというこ とである。 8 / 3(土)13 : 30∼15 : 30〈公募〉 小竹は「生痕化石から探る過去の深海生 物の「食」とトイレ学」と題し、内在型デ 今回の進化学会大会で、 「量的形質の遺 トリタス食者が形成した排泄痕の変化から 伝解析とその進化生物学への適用」は最も “Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 3, No. 2・3 9 楽しみにしていたシンポジウムのひとつで 用もかかるために、すぐに現場の仕事に適 あった。内容は最新のQTL解析の方法論 用できるというわけでもない。しかし将来 から実際の生物での適用例、また昆虫の 的には県農試等でも、QTL解析の技術を 生活史形質の適応進化に関する量的遺伝 導入し、天敵としてすぐれた形質をもつ個 学的研究の紹介など、多彩なものだった。 体を大量増殖することも可能になってくる 私にとって特に興味深かったのは林誠さ だろう。 んの講演だった。主な内容はマメ科植物の また宮竹貴久さんの講演も天敵の大量増 ミヤコグサを用い、根粒形成変異体の原因 殖を行う場合に参考になるものであった。 遺伝子を探索するために、連鎖地図を作 宮竹さんの講演は大量増殖が行われている 成し、遺伝子を特定していくというものだ ウリミバエの選抜実験の話であった。ウリ った。実際に明らかになった連鎖地図など ミバエでは、繁殖開始齢への人為選抜に の結果も詳しく紹介されていたが、私は事 伴い寿命と交尾時刻が、発育期間への人 前の勉強不足のせいで、詳細な結果の話 為選抜に伴い交尾時刻が変化し、この遺 にはついていけなかった。ただ共生のメカ 伝相関は生物時計を支配するperiod遺伝子 ニズムに関わる遺伝子を明らかにしてい の多面発現によるものであった。ウリミバ く、という研究テーマは大変おもしろいと エに限らず、このようにある形質に選抜を 思った。また最近まで、遺伝マーカーなど かけたときに、同時に他の形質が相関して がそれほど整備されていなかったミヤコグ 反応することはよくあることである。天敵 サでも、比較的短期間でこれほどの結果が の大量増殖を行うときにも、この点に注意 出せるのだ、ということにも感激した。 する必要がある。例えば、天敵として利用 私は現在、県農業試験場という応用生物 する時に有効な、発育速度と寄主探索能 学を研究対象とする機関で働いている。本 力などの2形質の間に正の遺伝相関がある シンポジウムへは個人的な興味で参加した 場合には、有用な天敵の選抜は効率的に のだが、日頃の業務においても参考になる 進むと考えられる。逆に負の遺伝相関があ ことがたくさんあった。現在、農業におけ る場合などには慎重に選抜計画を立てない る害虫防除に携わる研究者の主要な関心の といけない。 ひとつは、化学農薬に変わって天敵を利用 講演全体を通して、遺伝子マーカーの する可能性についての研究である。そのた 開発やQTLの方法論など連鎖地図作成の めには有用な土着天敵を見つけ、それを大 技術が大きく進歩したことで、特定の形質 量に増殖する技術を確立することが必須で に関わる遺伝子の探索を行うこともショウ ある。例えば、有用天敵の大量増殖に関わ ジョウバエやシロイヌナズナなどのモデル る重要な量的形質(寄主探索能力、発育速 生物以外でも可能になってきていることを 度、性比など)の機能遺伝子が明らかにな 強く感じた。今後は様々な生物でQTLマ れば、有用天敵の作成に大いに役立つ。 ッピング・ associationマッピングが行わ 実際にQTL解析を始めるには、遺伝子 れ、進化生物学だけでなく、農学などの マーカーの整備を行うための系統の作成や 応用分野においても、量的形質の遺伝学 遺伝子型のタイピングだけでもかなりの労 的背景を明らかにしていく研究が発展して 力を要する。遺伝子マーカーが揃っていな いくことを期待している。 い生物でQTL解析を行うには、時間も費 小林 彩(沖縄県農業試験場) 10 学を冷静に眺めれば、熱気を帯びて論ずる 話題にはなり得ないはずである。 さて、冒頭にこのようなことを述べたの は、今回のシンポジウムで本当に語られな ければならなかったテーマの多くが語られ 8 / 5(月)9 : 00∼12 : 00〈公募〉 ず、もっとも歯がゆい思いをしているの は、主催の方たちであったろうと想像する からである。EvoDevoは、進化学の発展 形態レベルの進化を率直に冷静に議論す の一形態として自然にそして冷静に捉える る雰囲気を、日本の進化学は長く欠いて べき研究分野である。その本質は、自然 いたと思う。それは、過去の一時期に存在 選択の素材として供給される「変異」の特 した激しいイデオロギー論争の負の遺産で 徴を、進化モデルの中に取り入れることが あろう。今回のシンポジウムでも、その遺 できるか否かにある。従来のすべての進化 産が影を落としていたと思う。たとえば モデルにとって、それはブラックボックス 「獲得形質遺伝」の議論である。たとえ一 であった。近年の発生学の進展は、この 部のエキセントリックな聴衆に煽られたた ブラックボックスを解き明かす期待を高め めであるとはいえ、このような概念がでて てくれたことは間違いない。そして従来ま きたときにいかに冷静に対処できるかが、 だ想像の域をでていなかった発生の拘束 日本の進化学がイデオロギー論争から脱却 (あるいは制約) (developmetal constraint) できたかどうかの指標であると思う。獲得 の存在も、具体的に解明できる可能性も 形質遺伝の有無について言えば、もはや議 出来てきた。これらの期待感が、EvoDe- 論の対象ではなく、具体的に証明してゆく voを生みだした原動力であると考える。し 段階なのだと思うからである。 たがって、EvoDevoを従来の進化研究と もちろん体細胞に起きた変化も遺伝する 隔絶したまったく新しい進化研究の流れで と主張する説も存在するが、少なくとも脊 あると見るのは、間違いである。重要なの 椎動物を対象とするかぎり、発生の初期に はあくまで、従来のブラックボックスの謎 起こる体細胞系列と生殖細胞系列との分 解きにある。そしてその結果、実際には、 化は、環境刺激に対する個体の反応を次 発生拘束などはほとんどなく、従来の進化 世代に遺伝させづらくしていることは間違 モデルが主張するように「潜在的に連続で いない。したがって、キリンの首が獲得形 ランダムな変異」が供給可能であったこと 質の遺伝の産物であると主張しても、現在 が証明されるかもしれないし、また強い拘 それを支持することはできない。しかし他 束によって、自然選択の働く余地が限ら 方、生物界全体を見渡せば、生殖細胞系 れていたことが証明されるかもしれない。 列と体細胞系列が分化しない生物、分化 いずれにしても重要なことは、 「何が支配 したとしても発生後期に分化する生物が存 的な進化機構か?」という過去の遺物のよ 在する。それらの生物において、環境刺激 うな論争を燃え上がらせるのではなく、 に対する個体の反応が、次世代に引き継 個々の生物の進化機構はなんであったの がれる可能性を否定することはできない。 か、と具体的に問うことである。 つまり、獲得形質の遺伝は、現在の生物 最 後 に な る が 、 雑 誌“ Evolution & “Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 3, No. 2・3 11 Development”の第 1巻の冒頭に(Raff et かなりわかってきていると思いますし、今 al. 1999) 、EvoDevoが今後テーマとすべき 回のワークショップでも、動物(ショウジ 課題が、まとめられている。他にも類書が ョウバエ) 、植物(シロイヌナズナとイネ) あるが、少なくともそこに書かれている課 の双方で、生殖隔離を引き起こすメカニズ 題のいくつかをパネリストが共有した上 ムがどんどん解明されつつあるんだなあと で、シンポジウムを開催されたほうがより 感じることができました。ただ、個々の生 中身の濃い議論を作れたのではないかと残 物であまりにも生殖様式が異なるために、 念に思う。しかしそれにしても、このよう 隔離のメカニズムの中に何らかの普遍性を なシンポジウムが日本でも開催されるよう 見いだすことができないでいる、それが、 になってきたこと自体、一昔前を想像する 種分岐の分子的理解ができていないと感じ ととても画期的なことのように思う。主催 る原因なのではないかと思うのです。もち の方、壇上に上がられたパネリストの方々 ろん、そんな普遍性なんてないのかもしれ の労を多としたい。 ませんし、それぞれの生物の生殖隔離の仕 森田 利仁(千葉県立中央博物館) 方の違いが独特なのは、見ていてそれだけ で非常に楽しいとも思うのですが……。 さて、そういうモヤモヤを抱えて講演を 聴いていたわけですが、一番はじめのショ ウジョウバエの新規遺伝子の話に心を惹か れました。遺伝子重複によって比較的最近 8 / 4(日)18 : 30∼20 : 30 できた遺伝子が種分化に関与しているのか もしれないという報告だったのですが、私 自身の研究が遺伝子重複によって多様化 生殖機構に関わる分子の研究など全く しているファミリーの系統解析に基づくも 知らない門外漢ですし、そもそも講演自体 のなので、 「遺伝子重複」と聞くとどうし が英語で行われたことも手伝って、その内 ても興味が向いてしまいます。この新規遺 容を理解しているとは言い難い状態なの 伝子は Odysseus( OdsH)というホメオボ で、お話を聞いた感想といいますか、触発 ックスをもつ遺伝子で、雄の個体の妊性に されて考えてみたことを書いてみようかと 影 響 を与 えるそうです。 この OdsH は、 思います。 Drosophila melanogaster と Drosophila 生殖機構の分子メカニズムを研究する大 yakuba の種分岐の前という比較的新しい きな動機のひとつとして、 「種分岐・生殖 時期に、unc-4 という遺伝子からコピーさ 隔離を分子レベルで理解したい」というこ れてできた遺伝子です。面白いことに、 とが挙げられると思います。ですが、少な unc-4 は中枢神経系で発現し、非常に保存 くとも現在のところ、種分岐を理解するた 的な(進化過程でアミノ酸配列の変化が少 めの分子機構がわかり始めてきた、という ない)遺伝子であるのに対し、 Odysseus 印象を私自身は全く持てないでいます。と の方は雄の精巣で発現し、アミノ酸配列の いうと、ちょっと語弊があるのですが、確 変わりやすい、つまり、進化速度の非常に かに、特定の生物とその近縁種間におい 速い遺伝子なのです。 て、生殖隔離が起きる原因となる分子は 遺伝子重複でできた片方の遺伝子が新た 12 に生殖器官で働いている、しかも、生殖器 れる遺伝子の働きが具体的に明らかにされ 官で発現している方の進化速度がとても速 ることを期待します。 星山大介 い。なんか聞いたことのあるパターンだな あと思ったのですが、こういうふるまいを (京都大学大学院/日本学術振興会特別研究員) する遺伝子は、実は哺乳類にもあることに 気がつきました。まず、Sry です。Sry はY 染色体上にある雄決定因子ともいえる遺伝 子で、精巣の形成と性分化を促します。 Sry を持つのは哺乳類だけですが、保存領 8 / 4(日)18 : 30∼20 : 30 域であるHMGボックスを持つ遺伝子は広 い範囲の生物にわたって存在し、遺伝子重 ウーンとうなるほどおもしろかったの 複により大きなファミリーを形成していま は、深津さんの「昆虫がつくる植物のかた す。このHMGボックスで進化速度を比較 ち:延長された表現型の進化」だった。虫 すると、Sry は非常に速いのです。他にも、 こぶの形態の系統推定とそれをつくるアブ 解糖系で働く酵素 Lactate dehydrogenase ラムシの分子系統を比較するという柔らか (LDH)の例があります。哺乳類の LDHは な発想に感心した。確かに同じ木にいろい 3つのアイソザイムからなりA型、B型、C ろな虫 こぶができるんじゃ、 虫 こぶの 型と呼ばれています。このアイソザイムが DNAを見たってなんにもわからんだろう 4量体を形成して酵素として働くわけです けれど。 が、A型は筋肉、B型は心臓に多く発現す 話の内容を簡単に紹介してみよう。虫こ る、というように組織によって発現するタ ぶをつくるアブラムシが葉や芽に寄生を始 イプが異なります。ところが、C型は少し めると、その部分が変形して、虫を包み込 変わっていて、哺乳類の系統で独自に遺伝 む。これが虫こぶで、単純なふくらみか 子重複によって作りだされ(A型、B型は他 ら、花や果実のような複雑な形ものまで、 の脊椎動物も持っている) 、精巣で発現す 様々なものがある。この中で樹液を吸いな るアイソザイムになっています。そして、 がら、アブラムシは無性的に繁殖し、ある アミノ酸配列も激しく変化しています。 時期に有性生殖世代の有翅虫が現れて、虫 今回のショウジョウバエの OdsH 遺伝子 こぶの中からでていく。ある虫こぶはぶ厚 の報告から、生殖に関する器官専用の遺 い皮に覆われたボール状で、堅くて割るの 伝子を既存の遺伝子から重複によって作り も大変というものなのだが、有翅虫がでて 出すことが、多細胞動物ではしばしば見ら いくときには、ポコッと出口が開くという れることなのではないかという感触を得ま 不思議な構造物だという。 した。生殖器官タイプの進化速度が速い このようにアブラムシのつくる虫こぶに のは、おそらく限定された局面でのみ働く はいろいろな形のものがある。この形態は ことによる機能的制約の緩和で説明づけら ホストの植物の影響を受けるのか、それと れると思うのですが、アミノ酸配列の変化 もアブラムシが一方的に植物を操作して造 が激しいゆえに、結果として生殖隔離に貢 りだしたもの、つまりアブラムシの「延長 献する遺伝子となる可能性も高いのではな された表現型 extended phenotype」だろう いでしょうか。このような生殖器官で使わ かというのが、彼の問題設定である。そこ “Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 3, No. 2・3 13 で彼は、このような虫こぶの形態から形質 な問題にまで発展した。芽の部分はちょう を取り出して、分岐分析をおこなう。たと どこれから葉や花やいろんなものを作り出 えば、虫こぶのできる場所を形質にする すところだから、ここを操作すると花のよ と、葉、茎、芽ということになる。芽の うなものや、木の実のようなものができる 部分にできる虫こぶが派生的な形態を産み んでしょうね。人工的に植物の生長を操作 出していくらしい。こうしてできた虫こぶ して、必要な構造物を作り上げることがで の形態データから得られた分岐図とアブラ きたらすごいよね。 ムシの分子系統の結果を対比させる。そう 虫こぶという材料自体がおもしろかった するとその2つは非常によく一致する。だ んだけれど、延長されない普通の表現型 から、虫こぶは昆虫が植物を操作して造る で、分類や系統をやってきた私には、分子 もので、昆虫の延長された表現型だという 系統の深津さんが、虫こぶの形態を見ると のが、彼の結論である。 いう、そのことに一番感心してしまった。 アブラムシは虫こぶの内部で樹液を吸い 虫こぶ形態の形質状態のどっちが原始的か ながら、たぶん成長ホルモンのような物質 という図には?マークがついていたりし をだして、植物体の成長を操作し、自分 て、ちょっと自信なさげな感じはしたけれ の食堂付きのすみかを作り上げているらし ど。深津さんおもしろかったよ。 疋田 努(京都大学大学院) い。どんな風にすれば特殊な形態の虫こぶ が作れるのかと、会場での質問も生理学的 ベストポスター賞は、大会実行委員が投票を行い、得票数の多かった7件を選びました。 P-006 青木誠志郎・遠藤俊徳・三島隆・陶山明・伊藤元己 「適応的進化の分子的実証の試み:(1)祖先遺伝子 の配列推定・合成・機能」 P-026 岩端寿子・大栗誉敏・横堀伸一・大島泰郎・山岸明彦 「祖先生物の実験的検証:分子系統樹を用いたイソ クエン酸デヒドロゲナーゼの祖先型化とその耐熱性」 P-029 梶谷泰秀・岸野洋久 「遺伝子の得失モデルによる系統進化の最尤推定」 P-040 小見山智義・池尾一穂・五條堀孝 「軍鶏の遺伝的多様性と文化的背景」 P-074 岡本典子・松永茂・中山剛・井上勲 「砂浜に生息する未記載の真核鞭毛虫の形態および 分子系統」 P-107 田 辺 秀 之 ・ F. A. Habermann・ S. Mueller・ M. Cremer・J. Hase・C. Cremer・T. Cremer・北條 麻紀・林真・水沢博 「染色体テリトリーの核内配置:ヒト18番および19 番染色体ホモログの核内配置はニワトリ、霊長類 細胞において進化的に保存されている」 P-109 寺北明久・塚本寿夫・小柳光正・宮田隆・七田芳則 「対イオンから見たロドプシンの分子進化」 14 河田 雅圭(東北大学大学院生命科学研究科) 生物の多様性は、集団内で生じる進化 と集団の分化によって生じる。特に、集団 に問題とされている点を述べることで、種 分化研究の紹介としたい。 が分岐し、独立な遺伝子交流集団が生じ ることで、集団ごとに異なる進化が可能に 接合後隔離に関する遺伝子は、 なる。種分化のメカニズムを解明すること どのように集団中に固定されるのか? は、独立な集団がどのようにして分化し、 多様な生物が進化してきたのかを探る上で 最も重要な課題である。 種分化とは、新たな種が形成されるプロ 異なる集団間の個体が交配して、受精 がおこっても、雑種が生存できなかった り、不妊であったりするような進化が生じ セスであるが、ここでいう種とは、生殖的 ることで、接合後隔離が生じる。しかし、 に他の集団から隔離されている集団(生物 交配によって、生存できなかったり不妊に 学的種概念に基づく種)のことである。従 なったりするような適応度の低下をもたら って、種分化とは、生殖隔離の機構が進 す遺伝的機構はどのようにして進化するの 化することである。しばしば、化石記録な だろうか? どをもとに新たな種の形成過程が論議され Dobzhansky-Muller modelは(Bateson, ることがあるが、化石記録による種は形態 1909 ; Dobzhansky, 1937 ; Muller, 1942) 、 の類似性をもとにした「形態種」である。 そのようなが進化が「2つ以上の遺伝子間 形態の変化と生殖隔離の成立とは必ずし の相互作用」によって交配後隔離が生じ も関係していないことが多いので、種分化 る場合には容易に起こりうることを示し (生殖隔離の進化)と形態種の形成は区別 た。例えば、祖先集団の2つの遺伝子座の して扱う必要がある。 遺伝子型がaabbであり、遺伝子型が2つの 種分化のメカニズムに関しては、ダーウ 遺伝子座でヘテロになったとき(AaBb)の ィン以来古くから論議されてきたが、近年 遺伝子型が致死になり、それ以外の遺伝 になって特に種分化に関する研究が注目さ 子型はそれぞれ同等の適応度を持つとす れるようになってきた(たとえば総説とし る。このとき、あるひとつの子孫集団では て、Barton, 2001 ; Howard and Berlocher a→Aの突然変異が遺伝的浮動などで固定 1999など) 。それは、これまで未解決の問 して遺伝子型がAAbbになり、もうひとつ 題に対して新しい理論がだされたことと、 の子孫集団ではb→Bの突然変異が遺伝的 分子レベルでの研究によって、生殖隔離の 浮動などで固定して遺伝子型がaaBBにな 遺伝的、分子的基盤が明らかになりつつ る。これらの子孫集団間での子孫の遺伝子 あることが関連していると思われる。本稿 型はAaBbとなり、子孫集団間で交配後隔 では、種分化の研究に関して、現在、特 離が成立する。この過程では、各子孫集 “Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 3, No. 2・3 15 団内での遺伝子型の変化の過程では全く る) 、強化は理論的に困難であるとされて 不適合性が生じていない。近年、Gavrilets きた(Felsenstein 1981 ; Butlin 1987 ; Rice ( 1997)は、 Dobzhansky-Muller modelを 1993) 。しかし、最近の理論的研究では、 複数遺伝座に拡張し、holey adaptive land- より現実的なパラメターの範囲で、強化が scapeという概念を提唱している。 起こりうることが示された(Noor 1999; 実際に、接合後隔離の進化は、2つ以 Liou and Price 1994; Kirkpatric 1999) 。ま 上の遺伝子の相互作用によって生じること た、その実例も報告されている(Satre et がショウジョウバエなどによって示されて al. 1997 ; Rundle and Schulter 1998 ; Noor, いる。上記の例では、集団内でa→Aの突 1995) 。しかし、強化による種分化がどの 然変異が生じ、Aが固定するのは、遺伝的 程度一般的であるかについては、依然、論 浮動であっても、自然選択であってもかま 議がある。 わない。通常、集団内では、接合後隔離 に関わる遺伝子は、集団内では、中立か、 同所的種分化は起こりうるか? あるいはやや有害であると思われ、遺伝的 浮動によって集団中に固定されていくと考 同所的種分化 (Sympatric speciation)は、 えられる。しかし、近年、sexual conflict 地理的な隔離がなく、ひとつのデーム(交 による自然選択の効果で、種分化に関わ 配している集団)において個体の分散・移 る遺伝子が急速に進化することが知られて 動の範囲のなかで生殖隔離をした新たな集 いる(Rice 1998 ; Paumbi 1998 ; Partridge 団が生じることである。同所的種分化で and Parker 1999) 。 は、遺伝子流が常にある状態から、分断 選択によって2つの集団に分化するという 自然選択によって生殖隔離は プロセスなので、強化のプロセスに関係す 進化するのか? る理論的問題(交配前隔離に関する遺伝子 と雑種の適応度に関する遺伝子が独立に 地理的に隔離され分化が進んだ2つの集 組み変わる)と同じ問題点が同所的種分化 団が再び出合った場合(2次的接触 sec- においてもかかわってくる(Felsenstein ondary contact) 、2つの集団の個体の間で 1981 ; Rice 1993 ; Maynard Smith 1966) 。 生じた雑種の適応度が低下する。このと しかし、これも、近年になって、理論的に き、適応度の低い雑種をつくらないように 同所的種分化が起こりうる条件が示される 生殖隔離(交配前隔離)が進化する場合を ようになってきた(Johnson et al. 1996 ; 強化(reinforcement)という。強化は、種 Kondrashov and Kondrashov 1999 ; Dick- 分化が自然選択によって生じるプロセスで mann and Doebeli 1999 ; Kawata 2002)。 あり Dobzhansky(1937)によってその重 また、同所的種分化の実例も報告されて 要性が主張された。少しでも2つの集団の いる。 間で遺伝子流があると、雑種の適応度に 関する遺伝子と交配に関する遺伝子が、組 性選択のみで み変わってしまうため(つまり、同じ集団 同所的種分化は生じるのか? の個体とみなして交配しても、子どもの適 応度が下がるかどうかは保証できなくな アフリカの湖に生息するシクリッド科の 16 魚は、湖が形成された後、急速に多くの る条件は厳しいかもしれない。 種が形成されたことで知られている。シク リッドにおいては、メスが雄の体色を選ん 種分化における生態学的要因の でいることで生殖隔離が成立している例が 役割はどの程度あるのか? 示され、さらに、それらの間で交配が生じ た場合は、生存力のある雑種が生じること もし仮に、地理的に隔離された集団で、 が知られている(Seahausen et al. 1997) 。 遺伝的浮動の効果のみで交配後隔離が成 このことは、適応度の低下した雑種をつく 立するという様式の種分化が一般的である らないように交配前隔離が進化するという とすると、環境や生物間の相互作用とい プロセスはあてはまらない。生存率などに った生態学的要因が種分化にかかわる度合 対する自然選択がはない状態で、メスがオ いは最小になる。Schulter(1998)は、ニ スを選ぶという性選択のプロセスだけで同 ッチが空いているような新しい環境に生物 所的種分化が生じるだろか? が侵入した場合に、種分化の速度が早ま 近年、理論的に、性選択のプロセスだ ることを示した。このことは、新たなニッ けで同所的な種分化が生じることが示され チの利用といった生態学的な要因が種分化 た(Higashi et al 1999 ; Kawata and Yoshimu- に大きく関わっていることを示している。 ra 2000) 。しかし、実際にシクリッドにお また、フィンチのように、餌に対して適応 いて、性選択によって同所的種分化が生 的に進化し、異なる場所で分化したくちば じたかどうかは、問題点が多い。 しが、さえずりを変化させ、それが交配前 体色で性選択を行うと思われる魚類で は、メスがどのような体色の雄を選ぶか 隔離に影響を与えていることが示されてい る(Podos 2001) 。 は、メスがどのような色がよく見えている しかし、長期的観点でみたとき、種分 かに影響しているかもしれない。トゲウオ 化速度の促進や抑制などに、どの程度環 では、赤がよく見える環境では、より赤い 境要因や生物間の相互作用が影響してい 雄を選好する(Boughman, 2001) 。また、 るのかは今後の課題である。 シクリッドでは、色の見え方に関係する視 物質であるオプシンの配列が、種ごとにこ 自然界では、 となっている(寺井ら、2002年の進化学会 異所的種分化が でのシンポジウムでの講演, Terai et al. 最も一般的な様式か? 2002) 。オプシン遺伝子が進化することで メスの選好性が変化するという仮定のもと Mayerは、多くの種分化は、地理的に隔 に、シミュレーションをおこなったとこ 離され、それぞれの集団で生殖隔離が進化 ろ、深さや場所で色の見え方が異なり、そ するという異所的種分化によって生じると れぞれの場所に違った吸収波長をもつオプ 考えた。しかし、現実に、どの程度の種 シンが適応するという状況のもとで、性選 分化が異所的種分化によるものかは明らか 択による種分化が促進されることが明らか でない。現在、パターン解析などを使った になった(河田、2002年の進化学会でのシ いくつかの解析法で、調べられている(た ンポジウムでの講演) 。環境が均一な場所 とえば、Barraclough and Volger 2000) での、性選択による同所的種分化が生じ “Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 3, No. 2・3 17 がどのようなプロセスで進化したのかとい 生殖隔離に関する分子機構は? うことが、それだけですべてが明らかにな る訳ではないが、非常に大きなヒントを提 分子生物学の進展にともなって、近年、 供することになる。特に、これまで理論的 種分化の分子的機構の解明や種分化にか 研究では、生殖隔離にかかわる遺伝的機 かわる遺伝子の検出が行われるようになっ 構は単純に仮定されてきた。しかし、今 た。分子レベルでの研究では、 後、実際に明らかになった分子機構をモデ ① 種分化に関わる遺伝子を特定しその遺 ルに取り込むことにより、より現実的な予 伝子はどのような性質をもっているか 測が可能になり、種分化のプロセスに関す ② 種分化に関わる遺伝子は、いくつあり、 る理論をテストすることができるようにな ゲノム上のどの位置に存在しているのか るだろう。 ③ 種分化に関わる遺伝子は、生殖隔離以 外にどのような機能をもっているのか ④ どのような遺伝子間の相互作用が生殖 隔離を引き起こすのか などが目的になる。 たとえば、ショウジョウバエの交配前隔 離(配偶者選択)にかかわる遺伝子は、D. melanogaster のM 型とZ型の間では、雄 の行動に少なくとも4つ、メスの行動に少 なくとも3つの遺伝子座が関与しているの に対し(Ting et al.2001) 、 D.ananassae で はひとつのmajorな遺伝子が関係している 。こ ことが示されている(Doi et al.2001) のようなことから、交配前隔離が進化する 地理的な状況や、遺伝子が分化していく 要因についての解析が可能になる(Butlin and Ritchie 2001) 。また、2つの寄主植物 に分化したアブラムシにおいて、寄主植物 の選好性(交配場所の選択)とそれぞれの 寄主植物での繁殖力などを調べた結果、選 好性に関わる遺伝子座と繁殖力にかかわる 遺伝子座が近い位置に存在することが明ら か に な っ た( Hawthorne and Sara Via 2001) 。交配に関する遺伝子と適応度に関 する遺伝子のリンクは、強化や同所的種分 化を可能にしやすいという予測を支持する 結果になる。 分子機構が明らかになることで、種分化 文 献 Barton, N. 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USA 98: 67096713. “Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 3, No. 2・3 第 19 ハーバード大学自然史博物館 1回 (アメリカ合衆国マサチューセッツ州) 富谷 朗子 (京都大学総合博物館、日本学術振興会特別研究員PD) 2000年の秋から、私はボストンで研究 にかけては、クロロフィル b 合成酵素遺伝 することになり、1年余りを当地で過ごし 子を調べ、シアノバクテリアや葉緑体の起 た。それまで国外で開催される学会に参加 源と進化に関わる新しい進化仮説を提案し したこともなく、いきなりの海外滞在だっ 。しかし、現生の た(Tomitani et al. 1999) たため、日本との大学のシステムの違いに 生物の分子情報に基づいた系統学的研究 驚くことも多かった。ここでは、大学院生 では、進化の過程を調べることができて (当時)の目から見た大学や研究室の様子 も、その時期を制約することができない。 を少し綴ってみようと思う。 そこで、系統樹に時間軸を入れるべく化石 はじめに渡米にすることになった経緯の の研究を始めることにした。しかし日本に 説明がてら、簡単に自己紹介をしておこ は原生代(約 25∼ 5.4億年前)の微生物化 う。私は光合成生物の進化と地球環境の 石を専門とする研究者はゼロに等しい。そ 変遷の関係に興味を持っている。中でもシ んなわけで、博士課程の中頃、アメリカ東 アノバクテリアは、地球上に最初に出現し 部のマサチューセッツ州にあるハーバード た酸素発生型光合成生物であり、葉緑体 大学自然史博物館に赴くことになった。 の祖先であること、一次生産者や酸素の ボストンはアメリカの都市の中でも古い 供給源として地球の物質循環に大きな影響 歴史を持ち、レンガ造りの建物が立ち並 を与えてきたことなどから、その進化の解 び、緑の多い点など、欧州の雰囲気の漂 明は生物学のみならず地球科学的にも重要 う街である。ボストン近郊は大学が密集す な課題である。修士から博士課程のはじめ るアカデミックな土地柄で、マサチューセ ッツ工科大学(MIT)やボストン大学など も同じ地域に存する。その中で、ハーバー ド大学は合衆国最古の創立を誇り、ボス トンと川を挟んだ対岸のケンブリッジ市に ある私立大学である。研究主体で広い分 野を網羅する文学/理学大学院に加え、医 学、行政学、経営学などの専門職系の大 学院もそろえる総合大学であるが、メイ ン・キャンパスは意外とコンパクトにまと 創立にかかわり、大学名の由来となったJohn Harvardの像。 キャンパスを訪れた人がつま先に触れて記念撮影をする、というのがお決まり。 20 まっている。 私が滞在したのは古生物学の研究室の ひとつであった。分野がら、生物学科と地 球科学科の両方から大学院生を受け入れ ており、扱う対象や手法は各人まったく異 なっていた。ハーバード大学では他に2人 の古生物学者が研究室を構えていたが、そ のうちのひとりが日本でも著書がよく知ら れているStephen J. Gouldであった。多忙 なグールド教授を学内で見かけることは少 自然史博物館。 動物、植物、鉱物、 考古学の陳列がある。 なかったが、それでも時々セミナーで同席 することがあった。残念ながらグールド教 だいぶ異なるようである。例えば、大学院 授は最近逝去されたが、ハーバード大学に 生ははじめから博士号取得を前提にして大 は各分野の第一人者といわれる研究者がそ 学院に入学(ハーバード大の理学系大学院 こここにいるらしい。 の場合)してくるのだが、学部時代を他大 さらに刺激的なことは、分野ごとに学外 から講演者を招待しての特別セミナーが頻 学で過ごしてきている場合がほとんどで、 学部と大学院で専攻がまったく違う場合も 繁に開催されることである。居ながらにし 多い。大学側も5年ないしは6年を見越し て、最先端の研究の話を本人から聴く機 て教育や研究指導を行うので、博士号取 会に恵まれているとはうらやましい限り 得に向けた勉強は実質的に大学院に入っ だ。参加者の中には、セミナーの前後に主 てから始まる。また、多くの院生が指導教 催者側から提供されるスナック(たいてい 官から経済的援助を受けており、指導教 は宅配ピザ)がお目当ての、お腹を空かせ 授の期待を裏切らないように研究成果をだ た学生もいたようであるが。その他にも、 さなくてはならないという暗黙の義務を負 学生中心の系統分類学の勉強会や、大学 っているようである。 の垣根を越えたEvo-Devoの懇談会などが 全体に、アメリカの大学の制度は合理的 定期的に開かれており、進化学をいろいろ で、個人の努力によって様々な可能性が な形で吸収する場が企画されていた。印象 開かれているという印象を受けた。これは 深かったのは、膨大な数の化石標本が専門 一般的にアメリカにもつイメージに通じる の学芸員の手によって整理・管理され、学 ところがあるのではないだろうか。制度の 内外の研究者の利用を助けていることであ 優劣は一概に判断できないが、日本の大学 る。また、図書館の開館時間は全般に長 や研究所の体制が大きく変わろうとしてい く、司書によるサポートも充実していた。 る今、他国ではどの様に研究や教育が行わ しかし、これだけ情報や設備が整っていて れているのか体感でき、その意味でも貴重 も、周囲の人がいちいち教えてくれること な経験であった。 はなく、恵まれた環境を生かすも殺すも自 分次第なところはいかにも個人主義のアメ リカらしい。 教育システムはというと、これは日本と Tomitani. A., Okada, K., Miyashita, H., Matthijs, H. C. P., Ohno, T. & Tanaka, A. Chlorophyll b and phycobilins in the common ancestor of cyanobac(1999) teria and chloroplasts. Nature 400 : 159-162 “Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 3, No. 2・3 新 入 会 員 氏 名 飯田 寧 田中美希子 真瀬 昌司 柳 真一 高須 博敏 春島 嘉章 長太 伸章 田辺 秀之 英字氏名 Iida Yasushi Tanaka Mikiko Mase Masaji Yanagi Shin-ichi Takasu Hirotoshi Harushima Yoshiaki Nagata Nobuaki Tanabe Hideyuki 川越 哲博 山田 拓司 加藤 朗子 安田 俊平 Kawagoe Tetsuhiro Yamada Takuji Katoh Saeko Yasuda Shunpei 木庭 卓人 倉片 憲治 Park ChanHo 中村 征史 河合 幹彦 水幡 正蔵 山西 芳裕 Koba Takato Kurakata Kenji *)平成14年6月1日以降平成15年4月30日までの登録による 所 属 京都大学霊長類研究所 動物衛生研究所 岡山大学農学部動物集団生態学研究室 横浜市立大学大学院 国立遺伝学研究所植物遺伝研究室 京都大学大学院理学研究科 国立医薬品食品衛生研究所変異遺伝部 第3室(細胞バンク) 神戸大学理学部生物学科渡邊研究室 京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンター 東京都立大学理学研究科 北海道大学地球環境科学研究科 生態環境科学専攻生態遺伝学講座 千葉大学園芸学部 産業技術研究所人間福祉医工学研究部門 東京大学理学系研究科生物科学専攻 東京理科大学基礎工学部生物工学科松野研究室 東京大学医学研究科 Nakamura Yukio Kawai Mikihiko Mizuhata Shozo Yamanishi Yoshihiro 京都大学理学研究科化学研究所 バイオインフォマティクスセンター金久研究室 岩端 寿子 Iwabata Hisako 東京薬科大学大学院生命科学研究科細胞機能学研究室 田中順一郎 Tanaka Junichirou 筑波大学理療科 西川 壽一 Nishikawa Toshikazu 東京大学大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻植物生存システム研究室 秋山(小田)康子 Akiyama-Oda Yasuko 科学技術振興財団JT生命誌研究館 宇佐美真一 Usami Shin-ichi 信州大学医学部耳鼻咽喉科教室 河合 孝尚 雨甲斐広康 岡田 真美 千吉良敦史 高橋 純一 松永 幸大 正田 悦子 牧野 瞳 平野 智晴 濱田 一男 松原未央子 相田 拓洋 中尾圭一郎 佐藤 忠 前川 光司 東 典子 渡辺麻衣子 岡本 宗裕 新家 聖子 谷藤 吾朗 大門 高明 田中 剛 小江 克典 21 専門分野/研究対象 人類、遺伝、生態 脊椎動物、細胞遺伝学 ウイルス、分子生物 無脊椎動物、遺伝、生態 原生生物、分子進化 植物、遺伝 無脊椎動物、生態 人類、脊椎動物、培養細胞株 遺伝、染色体 無脊椎動物、植物、生態 理論、分子進化、分子生物、情報 植物、分子進化、形態、系統・分類、生態 脊椎動物、分子進化、系統・分類 植物、遺伝 人類、脊椎動物、理論、心理学 植物、系統・分類 無脊椎動物、発生、形態 原核生物、遺伝 人類、理論、生態史 理論、系統・分類、遺伝、情報 原核生物、分子進化、分子生物 植物、分子進化 無脊椎動物、分子生物、発生、形態、遺伝 人類、無脊椎動物、分子生物、 分子進化、系統・分類、遺伝 Kawai Takahisa 静岡大学大学院情報科学研究科 理論、生態、情報 Amagai Hirosasu 静岡大学大学院理工学研究科 理論、生態、情報 Okada Mami 広島大学大学院生物圏科学研究科 無脊椎動物、系統・分類 無脊椎動物、原核生物、分子生物、遺伝、生態 Chigira Atsushi 広島大学大学院生物圏科学研究科 Takahashi Jun-ichi 玉川大学大学院農学研究科昆虫学研究室 無脊椎動物、生態 Mastunaga Sachihiro 大阪大学大学院工学研究科応用生物工学専攻 植物、発生、形態、遺伝 生命反応工学講座細胞動態学研究室 (独)森林総合森林昆虫研究領域昆虫生態研究室 無脊椎動物、分子生物、生態 Shoda Etsuko Makino Hitomi 東京工業大学大学院生命理工学研究科 脊椎動物、分子進化、系統・分類 生体システム専攻岡田研究室 東京大学大学院新郎域創成科学研究科先端生命科学専攻 植物、原核生物、分子生物、分子進化 Hirano Tomoharu Hamada Kazuo 群馬大学工学部生物化学工学科 脊椎動物、原核生物、分子進化 Matsubara Mioko 富山大学大学院理工学研究科生物学専攻 無脊椎動物、発生 (独)産業技術総合研究所生命情報科学研究センター 理論、生物物理、情報 Aita Takuyo 東京大学医科学研究所遺伝子動態研究分野小林研究室 原核生物、理論、情報 Nakao Keiichiro Sato Tadashi 新潟大学大学院自然科学研究科 脊椎動物、遺伝 Maekawa Koji 北海道大学生物圏フィールド科学センター 脊椎動物、形態、生態、生物物理 Azuma Noriko 北海道大学大学院地球環境科学研究科 脊椎動物、無脊椎動物、 環境情報医学講座分子 進化、系統・分類、生態 東京工業大学大学院生命理工学研究科生体システム専攻 脊椎動物、系統・分類 Watanabe Maiko Okamoto Munehiro 鳥取大学農学部獣医学科実験動物機能学講座 脊椎動物、無脊椎動物、分子進化、系統・分類 Niinomi Seiko 三重大学生物資源学部 菌類、系統・分類 Tanifuji Goro 山形大学大学院理工学研究科生物学専攻 微細藻類、分子進化、系統・分類 Daimon Tkaaki 東京大学大学院農学部生命科学研究科 無脊椎動物、分子生物、分子進化 生産・環境生物学専攻 国立遺伝学研究所生命情報DDBJ研究センター 遺伝子ネットワーク、分子進化、情報 Tanaka Tuyoshi Ogoh Katsunori 静岡大学大学院電子科学研究科 無脊椎動物、分子進化、系統・分類 22 荻島 創一 由良 敬 Ogishima Soichi Yura Kei 東京医科歯科大学大学院歯学総合研究科生命情報学 日本原子力研究所計算科学技術推進センター 量子生命情報解析グループ 太田 聡史 Oota Satoshi 国立遺伝学研究所 小笠原倫大 Ogasawara Michihiro 国立遺伝学研究所生命情報DDBJ研究センター 遺伝情報分析研究室 藤田 知道 Fujita Tomomichi 岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所 種分化機構第2部門 山本 春雄 Yamamoto Haruo (株)ボーゲンファイル 鈴木 泰博 Suzuki Yasuhiro 東京医科歯科大学難治疾患研究所 谷野 元彦 Tanino Motohiko 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脊椎動物、原核生物、分子生物 人類、進化心理学 脊椎動物、遺伝 植物、系統・分類 人類、無脊椎動物、分子生物、発生、遺伝 人類、脊椎動物、形態、系統・分類、生態、古生物 理論、情報 脊椎動物、無脊椎動物、分子生物、生殖生物学 アミノ酸、核酸・脂質、生物物理 昆虫、生態学、系統・分類 無脊椎動物、生態 無脊椎動物、分子生物、発生 理科教育、教育 植物、系統、植物物理 原核生物、系統・分類、生態 東京農業大学植物、分類、染色体 植物、系統・分類、遺伝、生態 無脊椎動物、原生生物、形態、 系統・分類、古生物、古海洋 Robert Gwyn Jenkins 東京大学理学系研究科地球惑星科学専攻 無脊椎動物、原核生物、分子生物、生態、古生物 半谷 吉識 Hanya Yoshiki キッコーマン研究本部第1研究部 菌類、系統・分類 斉藤 武馬 Saitoh Takema 立教大学理学研究科動物生態学教室 脊椎動物、系統・分類、生態 九州大学大学院比較社会文化研究院生物多様性講座 無脊椎動物、系統・分類 矢田 脩 Yata Osamu 脊椎動物、理論、形態、系統・分類、古生物 大島 浩 Oshima Hiroshi 多賀町立博物館多賀の自然と文化の館 井口 亮 Iguchi Akira 京都大学大学院農学研究科応用生物科学専攻 無脊椎動物、系統・分類 海洋生物機能学分野 幸田 正典 Kohda Masanori 大阪市立大学大学院理学研究科 生物地球系専攻 脊椎動物、生態 大島 一正 Ohshima Issei 北海道大学大学院農学研究科 無脊椎動物、形態、系統・分類、 環境資源学専攻生物生態学体系学講座昆虫体系学分野 遺伝、生態 川北 晃司 Kawakita Kouji 東京工業高等専門学校一般科目 人類、倫理学 Shimomura Michitaka 北九州市立自然史博物館 無脊椎動物、系統・分類 下村 通誉 片平誠一郎 Katahira Seiichiro 東日本循環器病院心臓血管科 医学、古生物 葛野 直樹 Kuzuno Naoki 東京大学理学系研究科 無脊椎動物、発生 京都大学大学院農学研究科応用生物科学専攻 無脊椎動物、行動生理 福井 昌夫 Fukui Masao 昆虫生理学分野 堺 嘉弘 Sakai Yoshihiro 魚類の進化 中村 政隆 Nakamura Masataka 東京大学総合文化研究科広域システム科学系 理論、分子進化、計算分子生物学 相原 秀其 Aihara Hideki 東京農業大学大学院農学研究科 植物資源研究室群植物生態遺伝研究室 植物,形態、遺伝、生物物理 脊椎動物、分子生物、分子進化、情報 和田 康彦 Wada Yasuhiko 佐賀大学農学部動物生産学研究室 二井林知子 Niibayashi Tomoko 佐藤 崇 Sato Takashi 日本古生物学会 脊椎動物、古生物 “Society of Evolutionary Studies, Japan”News Vol. 3, No. 2・3 隅山 健太 下田 将 五味 靖嘉 坂平 文博 阿部 恵子 大槻 久 橋本 朝子 中村 純 宮崎健太郎 蒲生 康重 林 省吾 出縄 政嗣 林 宏明 大澤 智興 河原林 裕 首藤 絵美 加茂 将史 関崎 勉 佐々木裕子 富樫 辰也 町田 龍二 田村 徹 武山 智博 鎌田 勝彦 佐藤 永 倉田 薫子 中丸麻由子 堀 道雄 樋渡 武彦 小関 右介 武田 裕彦 川本 正文 Sumiyama Kenta 国立遺伝学研究所 人類、脊椎動物、理論、分子生物、 分子進化、発生、遺伝、情報 Shimoda Masaru 三共株式会社 脊椎動物、植物、遺伝、生態 Gomi Yasuyohi 脊椎動物、形態、情報 脊椎動物、植物、分子進化、系統分類、考古学 Sakahira Fumihiro 名古屋大学大学院情報科学研究科 Abe Keiko 北海道大学大学院地球環境科学研究科 植物、生態 九州大学大学院理学府生物科学専攻 数理生物学研究室 人類、理論、生態、行動 Ohtsuki Hisashi 無脊椎動物、分子進化、系統・分類 Hashimoto Asako 神奈川大学大学院理学研究科 博士前期課程生物科学専攻 Nakamura Jun 玉川大学ミツバチ科学研究施設 無脊椎動物、生態、行動 産業技術総合研究所生物機能工学研究部門 たんぱく質、分子進化、たんぱく質工学 Miyazaki Kentaro Gamo Yasushige 東京農業大学大学院農学専攻博士後期課程 植物、形態、生態 人類、脊椎動物、理論、発生、形態、系統・分類 Hayashi Shogo 東京医科大学解剖学第1講座 Denawa Masatsugu 京都大学大学院生命科学研究科 理論、分子進化 統合生命科学専攻分子情報解析学分野 植物、分子生物、系統・分類、薬用植物学 Hayashi Hiroaki 岐阜薬科大学 Oosawa Chikoo 九州工業大学情報工学部生物化学システム工学科 理論、生物物理、情報 Kawabayashi Yutaka (独)産業技術総合研究所糖鎖工学センター 原核生物、古細菌、分子生物、ゲノム、たんぱく質 Shudo Emi 九州大学理学部生物・数理生物 理論、生態 Kamo Masashi 九州大学大学院理学研究科生物学科 理論、生態 Sekizaki Tsutomu 動物衛生研究所 原核生物、分子生物、遺伝 Sasaki Yuko 国立感染症研究所 原核生物、分子生物、遺伝 Togashi Tatsuya 千葉大学海洋バイオシステム研究センター 植物、生態 無脊椎動物、分子生物、分子進化、系統・分類 Machida Ryuji 東京大学海洋研究所浮遊生物分野 Tamura tooru 青森県営浅虫水族館 海棲哺乳類、生態 Takeyama Tomohiro 大阪市立大学大学院理学研究科 脊椎動物、生態 生物地球系専攻動物機能生態学研究室 脊椎動物、原核生物、分子生物、生物物理 Kamada Katsuhiko 理化学研究所細胞生理学研究室 Sato Hisashi 地球フロンティア研究システム生態系変動予測研究領域 植物、生態 京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程 植物、系統・分類 Kurata Kaoruko Nakamaru Mayuko 静岡大学工学部システム工学科 人類、理論、生態、数理生物 Hori Michio 京都大学大学院理学研究科生物科学専攻 脊椎動物、無脊椎動物、生態 無脊椎動物、海洋生物、分子生物、系統・分類、生態 Hiwatari Takehiko (独)国立環境研究所 Koseki Yusuke 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 脊椎動物、生態 九州大学理学部生物学科数理生物学研究室 脊椎動物、無脊椎動物、理論、 Takeda Yasuhiko 発生、形態、遺伝、生態、生物物理 Kawamoto Masafumi 法政大学情報科学部 理論、情報 会員所属変更 氏 名 伊藤 剛 渡辺 政隆 河合 幹彦 半田 直史 三浦 一芸 山岸 哲 秋道 智彌 杉浦 昌弘 西廣 淳 下平 英寿 日高 敏隆 石丸 信一 土屋 公幸 岩槻 邦男 石川 統 小林 彩 津田 とみ 23 所 属 生物情報解析センター統合データベース解析グループ 科学技術政策研究所 東京大学医学研究科 医科学研究所基礎医科学大部門遺伝子動態分野小林研究室 近畿中国四国農業研究センター 山階鳥類研究所 総合地球環境学研究所 名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科 東京大学農学生命科学研究科保全生態学研究室 東京工業大学情報理工学研究科 総合地球環境学研究所 石川県立金沢二水高等学校 東京農工大学農学部畜産学科野生動物学研究室 放送大学 放送大学 沖縄県農業試験場病中部害虫研究室 徳島文理大学人間生活学部 24 隈 啓一 中井 咲織 瀬崎啓次郎 松永 幸大 山口 素臣 橋本 哲男 森 光太郎 望月 敦史 上田 順子 佐藤 忠 島田 孝 今藤 夏子 鈴木 和雄 森川 和憲 佐藤 友康 郷 康広 唐木 英明 高橋 一彦 望月 光由 金井 賢一 深野 毅雄 杉山 純多 京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンターゲノムインフォマティクス領域 立命館宇治高等学校 東京大学大学院農学生命科学研究科水圏生物工学研究室 大阪大学大学院工学研究科応用生物工学専攻生命反応工学講座細胞動態学研究室 理研発生・再生科学総合センター位置情報研究チーム 筑波大学生物科学系 大阪大学大学院情報科学研究科バイオ情報工学専攻生物共生情報工学講座 岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所 理化学研究所発生・再生科学総合研究センター進化再生研究グループ 新潟大学大学院自然科学研究科 隠岐自然館 産業技術総合研究所生物機能工学研究部門生物資源情報基盤研究グループ 徳島大学総合科学部自然システム科 (財)蛋白質研究奨励会 (株)東洋技研 総合研究大学院大学先導科学研究科生命体科学専攻 日本学術会議会員東京大学名誉教授 岡崎国立共同機構基礎生物学研究所 山梨医科大学生化学講座第二 鹿児島県立武岡台高等学校 神戸大学理学部地球惑星学科非線形科学研究室 (株)エヌシーアイエムビー・ジャパン神田事務所学術顧問 退 会 杉山 勉、白形 正樹、竹中 靖人、鹿谷 麻夕 ※前号でお知らせいたしました新入会員氏名に誤りがございましたので、訂正してお詫び申し上げます。 P.28(誤)石村 登穂 →(正)石村 豊穂 編 ● 集 後 記 ● ● 久しぶりの進化学会ニュースをお届けします。諸事情により、ほぼ1年ぶりの発行になってしまい、 会員の皆様にはご迷惑をおかけいたしました。 原稿をお書きいただいた方々にも発行が遅れたことをお詫びいたします。結果として、福岡大会直 前の発行になりましたが、昨年の東京大会の報告を見ていただいて、福岡大会での議論の参考にして いただければ幸いです。また、東北大学の河田雅圭さんには、理論的な研究及び遺伝的・分子的な研 究が進んだことで、現在注目されるようになってきている「種分化の機構」の研究の現状を紹介してい ただきました。これについても福岡大会でおおいに議論されることを期待したいと思います。この後 まもなく、福岡大会の案内号をお届けする予定です。ぜひ活発な議論が交わされますように! 〔編集委員会を代表して:加藤 和人〕 日本進化学会ニュース Vol. 3, No. 2・3 発 行:2003年6月30日発行 編 集:日本進化学会ニュース編集委員会 印刷所:福々印刷株式会社 発行所:株式会社クバプロ 〒 102-0072 千代田区飯田橋 4-6-5NKS 飯田橋ビル 4F TEL:03-3238-1689 FAX:03-3238-1837 http://www.kuba.co.jp/ e-mail:webmaster@kuba.co.jp 日本進化学会入会申込書 <年月日(西暦)> 年 月 日 № ふりがな 名 前 ローマ字 所 属 所属先住所または連絡先住所 〒 TEL FAX e-mail 以下から選ぶかまたはご記入下さい(複数記入可) 専門分野 人類、脊椎動物、無脊椎動物、植物、菌類、原核生物、ウイルス、理論、 その他( ) 研究分野 分子生物、分子進化、発生、形態、系統・分類、遺伝、生態、生物物理、情報、 その他( ) 以下から選んで下さい 一般会員 ・ 学生会員 注)研究生や研修生などの方々の場合、有給ならば一般会員、無給ならば学生会員を選んで下さい。学生会 員は必要に応じて身分の証明を求められる場合があります。 申込方法/上記の進化学会入会申込書をご記入の上、下記の申込先へ郵便・ FAX ・ e-mail でお送り下さい。 申 込 先/日本進化学会事務局 〒 102-0072 千代田区飯田橋 4-6-5 NKS 飯田橋 ビル 4F(株)クバプロ内 ● TEL:03-3238-1689 ● FAX:03-3238-1837 ● http://www.kuba.co.jp/shinka/● e-mail:shinka@kuba.co.jp <年会費の納入方法> 【年会費 】 一般会員 3,000 円 / 学生会員 2,000 円 賛助会員 30,000 円(一口につき) 【納入方法】 ①銀行振込をご利用の場合 (銀 行 名)三井住友銀行 (支 店 名)飯田橋支店 (口座種類)普通預金口座 (口座番号)773437 (口座名義)日本進化学会事務局 代表 株式会社 クバプロ ②郵便振り込みをご利用の場合 (口座番号)00170-1-170959 (口座名義)日本進化学会事務局
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