第 61 回応用物理学会春季学術講演会 講演予稿集(2014 春 青山学院大学) 19p-D10-2 可変容量 BST 薄膜の電極探索② ~BST 特性改善のための下部電極に着目したアプローチ~ Investigation of the bottom electrode under BST thin film variable capacitor ~Improvement of characteristics of the BST films focused on the bottom electrode~ (株)村田製作所 1,東北大学 2,岸本 諭卓 1,○村内 大樹 1, 大門 道子 1,木村 哲也 1,加藤 英幸 1,門田 道雄 1,2 Murata Manufacturing Co., Ltd. 1, Tohoku Univ. 2, Yutaka Kishimoto1, ○Daiki Murauchi1, Michiko Daimon1, Tetsuya Kimura1, Hideyuki Kato1, Michio Kadota1,2 E-mail: yutaka_kishimoto@murata.co.jp 【はじめに】可変容量素子として、MEMS, 半導体, BST などの開発が広く行われている。BST は薄膜 化することで、サイズが小さく他の素子との集積化を容易にできるといったメリットがあることから、 我々は BST 薄膜の開発を進めてきた[1]。現在、表面波フィルタ基板に BST をインテグレートして可変 フィルタを作製する検討を行っている[2]。BST の特性は下部電極を最適化することにより向上できる と考え、 下部 Pt 電極の配向性制御に伴う可変比改善と Cu 電極を用いた Q 改善の可能性追求を行った。 【実験・結果】種々の配向性を持った電極上に BST 薄膜をスパッタリング法で形成し、容量可変比を 向上できるかどうかという検討と、従来用いている Pt 下部電極を低抵抗な Cu 電極に置き換えられな いかという検討を行った。前者については、図 1 に示す通り、Pt の配向を反映する BST 配向の制御に より僅かながら可変比の変化が確認された。後者については、BST の高温成膜で発生する Cu 拡散を防 止すべく TiN 膜を導入(TiN/Cu/TiN)することで高温下の成膜でも Cu の拡散が食い止められることを把 握した(図 2 に XPS で測定した Cu デプスプロファイルを示す)。当日は詳細な結果報告を行いたい。 【謝辞】本研究は、最先端研究開発支援プログラム「マイクロシステム融合研究開発」(中心研究者: 江刺正喜)の一環として実施した。 [1] I. P. Koutsaroff et al. : ISSP2011, TF1-4 (2011). [2] H. Hirano et al. : J. Micromech. Microeng., 23, 025005 (2013). Tunability @600kV/cm 4.0 3.5 3.0 2.5 TiN Cu TiN 2.0 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 Diffraction peak from BST(110) [cps] 図 1 BST 配向と可変比の相関 Ⓒ 2014 年 応用物理学会 図 2 Cu デプスプロファイル 06-037
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