No.21 2006.5 発行 富山県立大学 地域連携センター ◆オフライン文字認識技術の研究◆ コンピュータに文字を読ませるアイデアは古くから考えられており、手書き文字に対する認 識システムなどの実用化も可能となっています。それでは、文字・文書の認識や理解に関する 問題は解決済みなのかといえば、決してそうではありません。例えば,電車内の吊り広告や新 聞の折込み広告などは印刷物ではあるものの、これらを機械に読み取られる原理と技術は知ら れていないし、走り書きのメモについてもそうです。私たちの研究室では,文字認識に関連す る研究を進めています。 ●研究テーマの概要 オフライン文字認識の一般的な処 理の流れを図 1 に示します。特徴量 変換に方向線素特徴量、識別器に二 分決定木を応用した部分クラス法を 用いることで、認識率 90 数 % のオ フライン手書き文字認識システムを 開発しました。このとき、利用した 手書き文字のいくつかの例を図 2 に 示します。 図1 オフライン文字認識の流れ 〈ご意見、ご感想等お寄せ下さい。〉 工学部 知能デザイン工学科 知的インタフェース工学講座 助教授 高木 昇 TEL 0766-56-7500( 内線461) 電子メール takagi@pu-toyama.ac.jp 高木 助教授 オフライン文字認識の場合、例えば印 刷文書を複写したりファックスしたりす ることにより、文字線がつぶれてしまう 「つぶれ文字」が高頻度に発生します(図 図2 手書き文字の例 3) 。あるいは、ディジタルカメラ・ビデ オで入力された解像度の低い画像に対す る文字認識の要求も高まっています。現 在、本研究室ではつぶれ文字があるよう な低品質文字を認識対象として、特に、 図3 複写やファックスによる低品質文字の例 誤認識率を低くするようなオフライン文 字認識技術の検討をしています。理想的に誤認識率が 0% である技術が可能となれば、認識率 が 80% でも産業利用としては非常に有用になると考えられています。また、日本語のみでな く中国語など多国語言語に対応できるような技術の開発も検討しています。 今回紹介する模型(左図)は、回転運動を周期的な打撃運動に変換 する装置です。その仕組みについて以下に説明しましょう。 ハンドルを回転させるとカムが回転し、ハンマーの付いたレバーが カムに沿って動かされます。この動きでハンマーが振り上げられま す。さらにハンドルを回転させると、カムの切れ目でレバーは支え を失い、ハンマーが打ち下ろされます。この装 置では、カムの形状の制約によって、ハンドル は一方向にしか回転できません。 さて、話は変わりますが、各地でレオナルド ・ ダ ・ ヴィンチの復元模型を 展示していると、「子供に模型作りを体験させたいので、キットはありま せんか?」というお話を良く頂きます。そこで、模型のキット化に取り組 んでみました。部品(右上図)は 3 次元 CAD でモデリングし、3D 切削機 で削り出してあります。今回のデザインでは、特殊な工具を持っていなく ても、カッターナイフさえあれば、どなたでも組み立てられるようにして みました。(右下図) 〈ダ・ヴィンチコーナーの見学希望等の問い合わせ先〉 工学部 知能デザイン工学科 マイクロナノシステム工学講座 講師 神谷和秀( Kazuhide KAMIYA) e-mail kamiya@pu-toyama.ac.jp TEL 0766 - 56 - 7500( 内線367) FAX 0766 - 56 - 8030 ※この県立大学研究紹介は、 再生紙を使用しています。
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