Oxford Economicsとの共同調査

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武内 信政
広報担当マネージャー
03 6271 9408
nobumasa.takeuchi@bakermckenzie.com
プレスリリース
(本リリースは 2015 年 6 月 29 日、グローバルで発表したリリースの抄訳です)
Oxford Economics との共同調査:
グローバル M&A および IPO は 2017 年~2018 年までさらに加速する見通し
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2017 年までに全世界での M&A の取引総額は 3.4 兆米ドルを超える
今後 5 年間で取引金額の著しく増加する国は、オランダ、英国、スウェーデンを含む成熟した
経済地域に加えて、中国/香港、インドなどの BRICs およびメキシコ、エジプト、ベトナム
などの新興国
ヘルスヘア、製薬、消費財、通信および金融業界での動きが最も活発に
2018 年までに新興市場における M&A は 50%以上の増加を見込む
今後予測される主なリスクとして、ギリシャおよび英国のユーロ圏離脱、中国の急速な景気悪
化、米国における金利引き上げなどが挙げられる
【グローバル発 2015 年 6 月 29 日】ベーカー&マッケンジーは、グローバル取引に関する新たな調
査結果を発表し、今後 3 年間の堅調な景気回復により M&A および IPO 件数が増加するであろうとの
見通しを示しました。
Oxford Economics との共同調査では、世界的な金融危機から長きにわたる不安定な回復期間を経て、
グローバル経済活動における年間平均成長率は 2012 年以降 2.5%から、今後 3 年間 2.9%へ上昇し、
取引件数の増加傾向が期待されています。
同調査では、グローバルエクイティ市場で今後 3 年間、18%(12 兆米ドル)の増加が見込まれていると
レポートされています。
先進国経済が、金融緩和政策および石油の値下がりにより、堅実なビジネス成長を促進していく中で、
多くの小規模国及び新興国経済では、ビジネスの取引件数が最も劇的に成長を成し遂げると予想して
います。
ベーカー&マッケンジーの M&A グループ代表のティム・ギーは、「多くの欧米企業は新事業買収のた
めに潤沢な資金を有しています」と述べています。
-続き-
また、ギーは「投資家にとっては、プライベートエクイティ会社が保有する未運用資金総額 1.1 兆米
ドルを活用し、グローバルなビジネス取引を活発化していくチャンスがあります」と述べています。
M&A 成長率予想トップ 10(2015 年~2020 年)
153%
中国
118%
香港
110%
オランダ
89%
メキシコ
72%
インド
70%
イギリス
65%
ドイツ
56%
インドネシア
53%
サウジアラビア
50%
アラブ首長国連邦
IPO 成長率予想トップ 10(2015 年~2020 年)
324%
エジプト
232%
スペイン
208%
ベトナム
171%
スウェーデン
139%
フランス
99%
ナイジェリア
90%
ベルギー
84%
タイ
83%
イギリス
64%
オランダ
成長産業とピーク時期
今後 5 年間で最も成長が見込まれる産業は、その構造的要因からヘルスケア、通信、金融となってお
り、消費財、製薬、技術の分野に関しても活発な成長が見られます。
グローバル経済は 2007 年以前と同様の盛り上がりを見せておらず、2017 年に取引のピークを迎える
見通しで、2018 年に金融危機前のレベルに落ち着くとみられています。
取引魅力度
本レポートは、過去の取引活動と M&A/IPO 活動における経済、金融および法規制に関わる 10 項目の
平均値をベースに取引の魅力度を提示しています。
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取引魅力度指標トップ 12
国名
順位
1
香港
2
シンガポール
3
スイス
4
オランダ
5
スウェーデン
6
イギリス
7=
ベルギー
7=
カナダ
9
アラブ首長国連邦
10=
オーストトラリア
10=
アメリカ
10=
日本
スコア
9.3
8.9
7.7
7.3
7.1
6.8
6.5
6.5
6.2
6.0
6.0
6.0
下方リスク
本レポートは下方リスクについても予測しています:
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ギリシャのユーロ圏離脱
イギリスの欧州連合離脱
中国の急速な景気悪化
米国連邦準備銀行による前倒しの金利引き上げ など
グローバル M&A 市場
また、グローバル M&A 取引金額に関して、2015 年は 2.7 兆米ドル、その後 2016 年に 3 兆米ドルに増
加し、2017 年には 3.4 兆米ドルに達する見通しとなっています。
2015 年におけるクロスボーダー市場の取引総額は 17%増加の 1.03 兆米ドルと予測されており、2015
年全体の取引総額の 38%に到達するとみられるものの、その後 2016 年には緩やかに下降していく見
通しです。
新興市場における M&A 活動は劇的に活発となり、2018 年までに 6,780 億米ドルに達し、2014 年の
4,350 億米ドルから飛躍的な成長を遂げると予測されています。
-続き-
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しかし、グローバル経済の復興が続くなか、先進国市場において中央銀行は金利引き上げを開始し、
主要株式市場も少しずつ縮小していく見通しとなっています。グローバル市場はより高い指標金利と
金融緩和の終了に適応していきながら、2018 年から 2020 年にかけてクロスボーダー取引の勢いは緩
やかに減速していくと予測されています。
今回の M&A 市場における勢いは 2007 年のピーク時と比べると控えめとなるため、市況の低迷もそれ
ほど劇的ではないと考えられています。
「企業は今、戦略的なクロスボーダーM&A 取引のチャンスを狙っています。2017 年までの取引に関
しては、構造的ドライバ、株価等の周期的傾向、GDP 成長等の経済状況は良好のようです。何より重
要なのは企業のマインドが改善しているということなのではないでしょうか。各社の CEO はそれぞれ
の戦略を打ち出し、株式市場も結果を出す者に対し応えています」とギーは述べています。
IPO 市場
IPO 取引における見通しは M&A と類似しており、共通の基盤となる経済を牽引していきますが、異な
る要素も持ち合わせています。特に債券から株へ投資拡大を促す年金制度改正などの法改正により、
株式市場における資本調達も促進していくと考えられます。国内投資機関の充実とともに新興経済圏
においても、年金拡大を勧めていく見通しです。
IPO 活動全体の動きは 2017 年にピークを迎え、国内及びクロスボーダー案件でそれぞれ 2,330 億米ド
ル、897 億米ドルに達する予定です。
米国および英国のより成熟した市場への資金調達を試みる、クロスボーダー上場を目標とする新興市
場を拠点とした企業の継続した活躍が予測されています。
ベーカー&マッケンジーのキャピタル・マーケットグループ代表のコーエン・ヴァンハレンツは「今
後 IPO の動きは、政治不信および流動的な市況に起因する株価の乱高下によって、M&A と若干異なる
と考えられます。しかし、株式市場全体としては勢いがあり、企業のトップたちは自信を持って M&A
活動に取り組んでいくと思われます。現在の市況は概ね好意的です」と同氏はコメントしています。
この調査は Oxford Economics と協同開発した、今後 6 年間のグローバル取引活動に関する報告書です。
包括的な報告書 The Impact of Macro Trends on Future M&A and IPO Activity は世界の地域、産業、各
国における 2020 年までの動向を、企業活動および経済情勢の見通しと関連付けながら予測しています。
-以上-
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Global Transactions Forecast について
Oxford Economics(以下 OE)は M&A および IPO 活動と GDP 成長、株価、貿易動向、紙幣供給、法制度、財産
権、自由貿易など経済の原動力となる主な要素 との歴史的関連性を予測する統計的手法を用いています。
OE は GDP 成長および 37 の各マーケットにおけるその他の項目の変動にもとづいて、M&A/IPO 取引の将来価値
を予測しています。これらの予測はベーカー&マッケンジーの世界各国パートナーによる各マーケットの最新動
向および今後の取引における漸進的変化についての見解を参考にしています。
グローバル取引活動の予測において、本レポートは公表された取引金額ではなく、完了した取引に関するデータ
をもとに作成されています。分析的モデリングの観点からも、実際の成果を反映する完了した取引内容を活用す
るほうが道理に適っていると考えます。予測数値の算出において、OE は IMF. の標準的な分類方法によって対象
国をグループ化しています。
Oxford Economics について
Oxford Economics は、オックスフォード大学のビジネスカレッジと協力した商業ベースの研究機関として 1981
年に創業され、当初は海外進出をめざす英国の企業および金融機関に対し、経済予測と計量経済モデル構築のサ
ービスを提供してきました。その後、事業を拡大し世界有数の最も優れた民間ベースのアドバイザリー研究機関
へと成長し、現在では弊社のカバレッジは 200 ヶ国、100 業種、 3,000 都市以上となっており、それらの国々、
業種、都市を対象とした調査レポートに加え、世界経済モデルや産業モデルなど、予測と分析のツールも提供し
ています。弊社のこれらの分析ツールは世界最高レベルと自負しており、また、それらの分析ツールを使うこと
により世界の市場動向の予測および市場の変化が、経済、社会、ビジネスに与える影響を評価することが可能に
なっております。
OE は英国のオックスフォードに本社を構え、主要拠点をロンドン、ニューヨーク、シンガポールに置き、さら
にベルファスト、シカゴ、ドバイ、マイアミ、パリ、フィラデルフィア、サンフランシスコ、ワシントン DC な
ど世界中にオフィスを構えています。弊社の 130 人 を超えるスタッフのうち、120 人以上がエコノミスト、企
業・業種アナリスト、ビジネスエディターなどの研究および専門職のスタッフであり、世界最大規模のマクロ経
済、産業経済および構想リーダーシップなどのスペシャリストからなる専門家チームが編成されています。
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ベーカー&マッケンジーについて
ベーカー&マッケンジーは、47 か国に 77 の事務所に 11,000 名以上を擁する国際法律事務所です。1949 年の設
立以来、各国の言語およびビジネス環境に対する深い理解に基づく高品質のサービスを提供する法律事務所とし
て知られています。2014 年 6 月 30 日決算期における収入は、25 億 4,000 万米ドルを超えました。ファームの
エグゼクティブ・コミッティのチェアマンは、エデュアルド・レイテイが務めています。
www.bakermckenzie.com
ベーカー&マッケンジー法律事務所(外国法共同事業)は、ベーカー&マッケンジーの東京事務所として 1972
年に開設されました。日本法に関する卓越した知識、経験とともに、グローバル・ビジネスに関する実績とノウ
ハウを兼ね備えた外国法共同事業を営む法律事務所として、日本最大級の規模を有しています。当事務所は、ベ
ーカー&マッケンジーのメンバーファームとして、国内外の金融法務、M&A、企業法務、独占禁止法、大型プロ
ジェクト、知的財産、国際税務、訴訟・仲裁、労務、環境、製薬、不動産関連等について、総合的かつ専門的な
法務サービスを提供しています。
www.bakermckenzie.co.jp
ベーカー&マッケンジー法律事務所(外国法共同事業)は、各国に所在するオフィスをメンバーファームとするスイス法上の組織体であるベ
ーカー&マッケンジー インターナショナルのメンバーファームです。専門的知識に基づくサービスを提供する組織体において共通して使用
されている用語例に従い、「パートナー」とは、法律事務所におけるパートナーである者またはこれと同等の者を指します。同じく、「オフ
ィス」とは、かかるいずれかの法律事務所のオフィスを指します。
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