平成 24 年 6 1 第1号 ■ 対象となる地区・時期は… 山田(境田町・川向町・中央町・柳沢・ 北浜)地区 (平成 24 年 12 月を予定) 織笠地区 (平成 24 年 9 月を予定) 発 ・編集: 小谷鳥地区 (平成 24 年 9 月を予定) 「 町復興まちづくり かわら版」の発 町復興推進課 にあたって 山 田 町 で は 、「 二 度 と 津 波 に よ る 犠 牲 者 を 出 さ な い 」 と い う 大 命 題 を 復 興 計 画 に 掲 げ 、 強い意志の下、津波から命を守るまちづくりを目指しています。 船越・田の浜地区 今年2月には、被災世帯を対象として「山田町復興事業検討のための意向調査」を実 (平成 24 年 9 月を予定) 施し、住民の皆さまの今後の生活再建に関する現在の意向を把握し、その集計結果を広 報 や ま だ 4 月 15 日 号 と と も に 配 布 し て い ま す 。 今後は、復興まちづくりに関する様々な情報を知ることで、どこに住みたいのか、ど ■ 今後の流れ… 災害危険区域に指定した後、併 せて防災集団移転事業の立上げ、 のような住宅に住みたいかなど住宅再建に関する意向が変化することが考えられます。 こ の「 山 田 町 復 興 ま ち づ く り か わ ら 版 」は 、復 興 ま ち づ く り に 関 す る 情 報 を お 知 ら せ <災害危険区域内の各種の土地> 宅地 宅地 宅地 宅地 移転促進区域の指定をしていき するとともに、その内容に対するご意見を住民の皆さまから広く頂くことを目的として 発行することとしました。 ます。 地区別に計画している復興事業を紹介します ○災害危険区域内の被災した 宅地について、売却希望・嵩 町では、地区の特性や被災状況、復興事業を実施す 上げして再建希望・現位置居 ることができる条件などを踏まえ、各地区で実施する 住希望などの意向を確認し 主な復興事業を右記のとおり計画しています。 ます。町への売却を希望する ●現在の位置で嵩上げなどをした安全な市街地の整備 進めます。 ・土地区画整理事業 ●高台や奥地などの安全な市街地への移転 理を行っています。 ・土地区画整理事業 【山田地区】 →漁業集落防災機能強化事業 現在、被災した町内全体の測量・設計準備を行い、説明会で頂いた、地区ごとの課題点・問題点の整 ・漁業集落防災機能強化事業 ・防災集団移転促進事業 →土地区画整理事業 (嵩上げで再建) 【大沢地区】 【柳沢・北浜地区】 主な復興事業の考え方 宅地について、順次、買収を ■ 地区別に計画している主な復興事業 ・防災集団移転促進事業 →防災集団移転促進事業 【織笠地区】 →漁業集落防災機能強化事業 ・土地区画整理事業 今後は、事業の合意形成など、皆様の生活設計に直結するお話が中心となっていきます。住宅の再建 方法、再建場所などについて、個々のご意見を伺いながら事業を進めてまいります。 これらの復興事業は今後の住民意向や関係機関と の 協 議 に よ り 、 変 更 す る こ と が あ り ま す 。 今回の「かわ ら版」では、土地の造成を行う主な復興事業として土地区画整 【お問い合わせ先】 本誌に関するご意見・ご感想をお寄せ下さい。 ■ 山田町役場 復興推進課 復興推進係・計画係 住 所:〒028-1392 山田町八幡町3番20号 TEL:0193-82-3111(内線 341、342、346) FAX:0193-82-5611 E-mail:fukkou@town.yamada.iwate.jp -6- 理事業、防災集団移転促進事業、漁業集落防災機能強化事業の 3事業の概要を次ページから紹介します。 ・防災集団移転促進事業 【船越・田の浜地区】 ・防災集団移転促進事業 【大浦・小谷鳥地区】 ・漁業集落防災機能強化事業(大浦) 各復興事業の詳細な内容や生活再建に関わる情報については、 次回の「かわら版」より順次紹介をしていきます。 -1- ・防災集団移転促進事業(小谷鳥) ■ 規制・制限が掛かる建物… 住宅、アパート、店舗併用住宅など、居住用の建物の建築について、建築を禁止します。 土 地 区 画 整 理 事 業 とは 東日本大震災の被災を受けた市街地を復興するため、防災上 必要な土地の嵩上げ等を行い、現在の位置で早期復興と津波 に強いまちづくりを行う事業です。 × 【主な事業の内容】 ●道路・公園等の公共施設と住宅を一体的・総合的に整備し ます。 ●宅地の整地(嵩上げ)等により安全な市街地を整備します。 ●整備する公共施設にあわせて、宅地の地形や形状を改善 し、土地区画整理地内に再配置(換地)します。 ●地区内の公平性を確保して公共施設を整備するため、宅地 を改善した範囲内での土地の提供(減歩)があります。 (事務所、店舗、車庫、倉庫、工場、ビニルハウスなど) ■建物の新築は一切できないのか… 危険区域の外縁については、再度、被災の危険性を伴う場所として設定したシミュレーション結果で あり、必ず大きな津波が押し寄せる場所として指定しているものではありません。 そのため、外縁部では、ご自身の判断で住宅を再建することを可能とし、想定される津波の浸水高さ 土地区画整理事業地区内の地権者 公共施設整備 嵩上げ整備 建築が可能な非居住用の建物 (住宅、アパート、店舗併用住宅など) Aさん 【生活再建の基本パターン】 土地所有者 ○ 建築が禁止される居住用の建物 地区内に 移転 住宅等 建設 (浸水する地盤高さ)より高い位置に住宅を新築・増築する場合に限り、建築を許可していく予定です。 東日本大震災と同規模の津波で浸水する場所 (災害危険区域) 津波の威力が弱い 浸水区域の外縁部 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 とは 津波の威力が 強い低地部 被災地域において住民の居住に適当 でない区域(移転促進区域)にある住居 を集団移転するための事業です。 【主な事業の内容】 盛土で嵩上げ ●移転促進区域内の宅地を町が買い 移転促進区域内の 取ります。 宅地の買い取り ●町が災害危険区域を指定し、住宅の 建築を制限します。詳しくは 4 ペー ジ以降をご覧下さい。 ●移転先候補地に住宅団地を整備し、 その土地を移転者に賃貸します。 ●住宅団地での住宅の再建などの住宅ローンを活用する際に、町が利子相当額を補助します。(上限有) ●住居の移転(引越し)費用を助成します。(上限有) 車庫で嵩上げ ※嵩上げ費用は自己負担となります。 土地所有者 借家人 町に土地を 売却 × ■ 修理した住宅の取り扱いは… 今回の震災で浸水被害はあったものの、早期に建物の修理が完了し、居住している方に対して、必ず しも移転を強要するものではありません。 ○ 浸水する地盤高さでの 新築・増築は不可 × 土地賃借・購入 して住宅建設 災害公営住宅に入居 ※移転先候補地以外への移転もできますが、住宅建設等に対する補助 はありません。 (修 理) (新築・建替) (増築・改築) 過去最大級となった、今回と同規模の津波が防潮堤を超えて浸水すると想定される区域をシミュレー ションにより求めたもので、いち早く避難が必要な危険な区域を示し、生命や財産を守るための判断材 料としてください。 -2- そのまま建築 現在、「災害危険区域」内で、部分的に建築を許可する範囲(外縁部)、並びに建築にあたっての基準 継続居住は可能 移転先候補地 へ移転 ○ となる高さについて、現地やシミュレーションの結果などを検証しており、結果は、後日発表します。 【生活再建の基本パターン】 被災時に移転促進区域内にお住まいだった方 ○ -5- 漁 業 集 落 防 災 機 能 強 化 事 業 とは 漁業集落の生活環境の改善を図る事業です。被 災した漁業集落において安全安心な居住環境を確 保します。 【主な事業の内容】 ●漁業集落の地盤嵩上げ・切盛土を行います。 ●漁業集落排水施設や集落道等の生活基盤の整備、 漁港との連絡道の整備を行います。 ●高台等の避難地、避難路等防災安全施設の整備を 行います。 【生活再建の基本パターン】 地区内の地権者 土地所有者 公共施設整備 嵩上げ整備 住宅等 建設 地区内に 移転 地価格の鑑定結果が公表されました ■ 町内の標準価格 (平成 24 年 4 月 1 日現在) 本町の被災地域の土地 地 評価について、県から不 区 住 所 地目 動産鑑定調査の調査結果 が示されました。 この標準価格は今後の 山 復旧・復興状況や経済情 田 勢などにより変動するこ とがあり、あくまで目安 となる数字です。 大 沢 織 笠 船 越 今後、更に多くの調査 地点で不動産鑑定調査を 実施していく予定であり、 今後の復旧・復興事業の 標準価格 参考価格 (円/㎡) (円/坪) 震災格差 率(%) 中央町 宅地 36,500 120,663 -24.8 長崎三丁目 宅地 31,800 105,124 -23.2 北浜町 宅地 18,600 61,488 -20.8 川向町 宅地 25,000 82,645 -24.8 大沢 8 地割 宅地 20,200 66,777 -23.2 大沢 11 地割 宅地 7,540 24,926 -23.2 織笠 11 地割 宅地 16,600 54,877 -23.2 船越 4 地割 宅地 12,300 40,662 -23.2 船越 11 地割 宅地 8,910 29,455 -23.2 ための土地の取得価格算 田の浜 船越 15 地割 宅地 14,800 48,926 -23.2 定の目安として活用して 大 船越 22 地割 宅地 7,620 25,191 -23.2 浦 いきます。 ※標準価格:不動産鑑定評価を実施した地域の概ね標準的と認められる土地の価格。 ※震災格差率:震災の影響で土地の価格が、震災がなかった場合と比べてどれだけ上 下したかを表す指標。 出前講座及び意 交換会を っています 自治会より復興まちづくりに関する出前講座及び町との意見交換の依頼のあった地区 を 対 象 と し て 、地 区 別 意 見 交 換 会 を 行 っ て い ま す 。こ れ ま で に 10 地 区 で 410 名 の 参 加 がありました。 今後もご依頼に応じて出前講座や意見交換会を開催する予定です。 -3- 災害公営住宅について 災害公営住宅は、震災で住まいを失い、自力での住宅再建が困難な方が安価な家賃で入居できるよう、 岩手県及び山田町が整備する公営住宅です。所得金額や入居人数による入居制限はなく、単身者でも入居 することができます。 なお、住宅を新築・購入する場合等とは異なり、被災者生活再建加算支援金を受けることはできません。 災害公営住宅の建設戸数や場所については検討中ですので、決まり次第お知らせします。 【入居できる世帯】 ●震災により、被災時にお住まいだった住居が全壊、大規模半壊、半壊で、住宅の再建が困難な世帯 ※半壊の場合は、修繕が難しいことなどで住居を解体した、もしくは解体することが確実である世帯 ●復興関連事業により、住居の移転が必要となった世帯 災害危険区域の指定について ■ 災害危険区域とは… 津波、高潮等の危険がある区域を指定し、住居用の建築物の建築を禁止する条例を定めます。 【建築基準法第 39 条】 1 地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定 することができる。 2 災害危険区域内における住居の用に供する建築物の建築の禁止その他建築物の建築に関する制限で 災害防止上必要なものは、前項の条例で定める。 ■ どうして規制をするの… 「災害危険区域」とは、防潮堤を整備した後の状態で東日本大震災と同規模(過去最大級)の津波が 襲来した場合のシミュレーションを行った結果、浸水すると想定され、危険であることから居住するの に適さない区域のことです。 「災害危険区域」に指定し、住居の用に供する建築物の建築を禁止、又は、制限をかけることで、住 民の生命、財産の保護をしようとするものです。 東日本大震災と同規模の津波で 浸水する場所(災害危険区域) 明治三陸地震の津波に 対応できる防潮堤 防潮堤は、少しでも早く完成させるため、過去 2 番目の大きさの津波(明治三陸津波、数十年~百数 十年に一度の津波)が押し寄せた場合に被災しないよう計画しています。 山田湾内全体を海抜 9.7m、浦の浜は海抜 11.6m、船越湾・小谷鳥海岸では、海抜 12.8mの高さで 防潮堤の整備をすると過去 2 番目の大きさの津波(明治三陸津波)に対応できるというシミュレーショ ン結果が出ています。 「災害危険区域」は、過去最大級(構造物対策の適用限界を超過する津波)となった今回と同規模の 津波が防潮堤を超えて浸水する区域をシミュレーション結果から指定するものです。 災害危険区域外だから避難の必要がない安全な場所だということではありません。津波の場合には、 まず避難。想定外の事態に備えた避難をお願いします。 -4-
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