FreeShapeButton.NET

Visual Studio/.NET Framework 関連ツール製品レビュー
Software Information
形状を自由にデザインできる
Windowsフォームコントロール集
FreeShapeButton.NET
O
S
Windows 2000/XP
開
発
環
境
.NET Framework 1.1
Visual Studio .NET 2003(VB.NET/C#)
Delphi8
価
格
メディア販売:38,430円
ダウンロード販売:37,800円
せきぐち くみこ SEKIGUCHI, Kumiko
問合先
株式会社コムラッド
はじめに
今回は、株式会社コムラッドの「Free
ShapeButton.NET」を紹介します。
FreeShapeButton.NE T は、.NE T
FAX :03-3290-0756
URL :http://www.comrade.co.jp/
MAIL:info@comrade.co.jp
FreeShapeButton.NETの機能
FreeShapeButton.NETは、Windows
フォームの標準コントロールであるBut
④
FreeShapeLinkLabel
(LinkLabelを継承)
ton、CheckBox、RadioButton、Label、
Framework 1.1上で動作するWindows
LinkLabel、Panel、Formを継承した 7
⑤
FreeShapePanel(Panelを継承)
フォームコントロール集で、形状を自
つのコントロールで構成されています。
⑥
FreeShapeRadioButton
(RadioButtonを継承)
由にデザインできることが 特徴です
(図1)
。ただ単にコントロールの形状を
①
②
FreeShapeCheckBox
(CheckBoxを継承)
れているので、ユーザーに親しみやす
いインターフェイスを実現できます。
⑦
FreeShapeForm(Formを継承)
(Buttonを継承)
変更できるだけでなく、コントロール
の状態に応じた細やかな設定も用意さ
FreeShapeButton
③
FreeShapeLabel(Labelを継承)
なお、FreeShapeButton.NETには、
VB.NET、C#、Delphi8のサンプルプロ
グラムが付属しており、これらの開発
では、早速、FreeShapeButton.NET
の機能について詳しく見ていきましょ
図1:FreeShapeButton.NET付属のサンプル
う。
Technology Tools
Visual Basic
Visual C#
Visual C++
SQL Server
Oracle
Access
ASP.NET
Other:
2005 December
175
Visual Studio/.NET Framework 関連ツール製品レビュー
表1:FreeShapeButton.NETで指定できる状態
状態名
説明
Normal
通常時
Hover
図2:FreeShapeButtonの状態対応プロパティ
マウス通過(MouseHover)時
Active
マウス左ボタン押下時
(ボタン系コントロール[*1]ではスペースキー押下時も)
Disabled
無効時(イメージ/フォントのみ)
Focused
フォーカス時(ボタン系コントロール[*1]とFreeShapeLinkLabelのみ)
DefaultButton
デフォルトボタン時(FreeShapeButtonのみ)
*1)FreeShapeButton、FreeShapeCheckBox、FreeShapeRadioButton
環境で各コントロールを利用できます。
状態名)のほか、フォントや前景色、
背景色を設定するプロパティなど、コ
■ 状態対応プロパティ
コントロールの形状を変えるには、
ントロールの種類や状態に応じて4∼6
種類用意されています(表2・図2)
。
あらかじめ形状をイメージ(画像デー
たとえば、
「NormalImage」には通
タ)として用意しておき、それをNormal
常時に表示する形状、
「HoverFont」に
Imageプロパティに指定して、コント
はマウス通過時に表示するフォント、
ロールの形状をイメージの有効部分
「FocusedForeColor」にはフォーカス
(非透過部分)に合わせるかどうかを指
時に表示する前景色、というようにコ
定するFitRegionToStateImageプロパ
ントロールの状態に応じて表示する
ティを「True」にするだけです。
形/フォント/色をそれぞれ指定しま
また、FreeShapeButton.NETのコン
す。
トロールは、単に形状を変えるだけで
コントロールの表示を変えるという
なく、コントロールの状態(表1)に応
観点で言えば、通常のButtonコントロ
じて形状を変えることができる「状態
ールなども、デザイン時にFlatStyleプ
対応プロパティ」が用意されています。
ロパティを「System」に設定しておい
べての状態を設定する必要はありませ
コントロールの状態とはどのような
て、Application.EnableVisualStyles( )
ん。
「Normal」時のイメージさえ設定
ものかというと、Windows XPのシス
メソッドを呼び出せば Windows XPス
しておけば、どのような状態であって
テムボタンを想像してもらえばよいで
タイルにすることができます。FreeSha
も「Normal」時のイメージが適用され
しょう。Windows XPスタイルの[閉じ
peButton.NE Tのコントロールも標準
るからです。
る]ボタン
コントロールを継承しているので Flat
「Normal」以外の「状態対応プロパ
マウス通過時には明るい赤、ボタン押
Styleプロパティが存在しますが、Free
ティ」は、未設定(既定値)の場合に
下時には暗い赤、というようにわかり
ShapeFormとFreeShapePanel 以外で
表3の順序でイメージが適用されます。
やすいインターフェイスを提供してい
は FlatStyleプロパティを「System」に
たとえば、ActiveImageプロパティの
ます。
設定するとFreeShapeButton.NE T独
値が未設定で、FocusedImageプロパ
自の表示にはなりません。この点には
ティ、HoverImageプロパティ、Normal
注意が必要です。
Imageプロパティがそれぞれ設定され
の背景色は、通常時は赤、
FreeShapeButton.NETのコントロー
ルも、
「状態対応プロパティ」を指定す
ていた場合を考えてみましょう。コン
ることで、Windows XPのシステムボタ
ンと同様に、コントロールの状態に応
じて表示が変化するユーザーライクな
インターフェイスを実装できます。
■ 状態対応プロパティの適用順序
「状態対応プロパティ」は、ひとつ
トロールの状態が「Active」のときの
適用順は、
のコントロールに対して最大で 6 種類
「状態対応プロパティ」は、イメー
あるので、少し多いのではないかと思
Active>Focused>DefaultButton>
ジを設定する「XxxxImage」
(Xxxxは
う方もいるかもしれません。しかし、す
Hover
176
Windows Developer Magazine