HOME > ふれあいコラム:NHK交響楽団 首席クラリネット奏者 横川 晴児

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HOME > ふれあいコラム:NHK交響楽団 首席クラリネット奏者 横川 晴児さん
2月14日(日)に高輪区民センターで開催される『NHK交響楽団メンバーによる早春コン
サート』。出演者の横川晴児さんにお話を伺いました。
――クラリネット
クラリネットを
めたきっかけは?
クラリネットを始めたきっかけは?
5歳からバイオリンを習っていたのですが、あるとき知人が吹くクラリネットの音色に惹
かれ、中学から始めました。高校生のときにJ・ランスロの演奏に衝撃を受け、彼の元で
学びたいと留学を決めたのです。
――フランス
フランス留
フランス留学の思い出は?
シベリア鉄道に乗ってようやく辿り着いたパリの街はすごく輝いて見えました。しかし言
葉は通じず食事も合わないなどつらいことも多かった。そこから逃れるために楽器に没
頭できたのかもしれません。フランス人のテクニックはたいへん高度で、課題や練習量
も多く、鍛えられました。
――N
N響(NHK交響
(NHK交響楽団
交響楽団)
楽団)での活動
での活動について
活動について。
について。
N響はぼくにとって戦いの場という印象が強いですね。仲間同士で切磋琢磨し、負けたく
ないという気持ちがあります。また自分のせいで音楽をこわしたくないと常に緊張してい
ます。最初の演奏会の『第九』はひどいものでした。それまで何度も演奏した曲なのに
緊張でミスを連発してしまった。はじめての定期演奏会のときも手がワナワナ震えて…。
自分に自信を持って自分の音楽をやればよいとわかってからミスもなくなり、周りからも
認められるようになりました。今でも演奏会の前日は、ドキドキして眠れません。
――もっとも
もっとも影響
もっとも影響を
影響を受けた人
けた人は?
N響で長く指揮者を務めたW・サヴァリッシュ先生です。先生がN響を去る少し前、どうし
ても一度クラリネットのレッスンをお願いしたくて事務所に行くと先生の時間がなく、「今
■プロフィール
プロフィール
東京都出身。1968 年に渡仏。J・ラ
ンスロ、U・ドゥレクリューズ他に師
事。ルーアン音楽院、パリ国立高
等音楽院を共に一等賞を得て卒業
後、フランス国内で演奏活動を行
う。帰国後、東京フィルハーモニー
交響楽団首席奏者を経て、1986年
にNHK交響楽団首席奏者に就
任。現在に至る。
吹けるか?」と言われ、その場で吹きました。5~10分のつもりだったのですが、結局全
楽章聴いてくださった…。この思い出は宝物です。
――クラリネット
クラリネットの
クラリネットの魅力は
魅力は?
ピアニッシモがこれほど美しい楽器はほかにありません。たった一つの音がすごく悲しく
感じたり、楽しく感じたり、わくわくぞくぞくさせられます。音域が広くいろいろな表現力を
持つ多様性、旋律を完全に自分でコントロールできる機能性もまたこの楽器の魅力です
ね。
――『NHK
『NHK交響
『NHK交響楽団
交響楽団メンバー
楽団メンバーによる
メンバーによる早春
による早春コンサート
早春コンサート』
コンサート』について。
について。
N響のクラリネットセクションはすばらしいメンバーに恵まれ、ぼくの自慢です。この素敵
な仲間で何かやろうよと始めたのが今回のコンサートです。構成はクラリネット3名とピ
アノが1名。ソロ、ピアノとの二重奏、三重奏などロマンティックな音色を味わっていただ
けると思います。みなさんには、ぼくがはじめてクラリネットを聴いたときの感動を伝えら
れたらいいですね。よい音楽を聴いても音は時間と共に消えてしまいますが、そのとき
芽生えた感動や感性はそこから広がっていくのではないでしょうか。たった一つの感動
を紡いでいくと、世の中全体が見えてきたり、世の中に影響を与えられるようになったり
する。このコンサートがみなさんにとって何かのきっかけになってくれたらうれしいです
ね。
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