掲示板による被害

れてしまいます。ネットワーク上のコミュニケーションに慣れてくると,次第に他人の存在を意識
掲示板による被害
しなくなるため,画面上の相手とだけ話しをしている感覚になり,日常会話に近いやり取りが出て
きます。しかし,インターネット上では,世界中がつながっているため,内緒話のつもりでも,多
URL
http://www.nikonet.or.jp/spring/sanae/inf_box/
E-mail
sunny@nikonet.or.jp
くの目に触れたり,普通の会話とは比べものにならないほど,広く,速く伝わってしまうのです。
●他人になりすます
掲示板にはまった A 君。毎日のように掲示板に書き込みをしていました。ある日,友達を募集する
掲示板を見つけ,いたずら心で友達の B 君の名前で書き込みをしました。数日後・・・
インターネットの普及により,容易に世界中の人とコミュニケーションを取り合い,情報交換で
きるようになりました。しかし,インターネットでは相手の顔が見えず,情報発信者の匿名性が高
いうえ,どこからでもアクセスできるというボーダレス性を兼ね備えています。したがって,一端
トラブルが発生すると,現実世界では考えられないような表現や内容を掲載したり,過激な書き込
みをしがちになります。また,いたずらや相手を困らせる目的で,氏名・住所・電話番号などの個
人情報を掲示板に書き込むなどして流布させ,迷惑をかける事案もあります。ここでは掲示板によ
る様々なトラブルを考え,被害にあったときにはどうしたらよいかを考えましょう。
●勝手に友達の情報を公開すること
ある日出会い系サイトの掲示板を見つけた A 君。いたずら心で友達の B 子さんの個人情報を書き込
んでみました。数日後,B 子さんのもとに毎日のようにいたずらメールが来たり,知らない人に付
け回されるようになりました。
「誘拐しようとしているのかしら。」「警察を呼んだ方がいいよ。」「これから毎日見張りをつけ
ないといけないな。
」
B 子さんの家族や友達は心配して大変な事態となりました。
インターネットの世界には様々なひとがいるため,個人情報を公開すると大変な被害にあう可能
性があります。個人の私生活に関する情報や,それに勝手に他人に知られたり,見られたりしない
権利を「プライバシー」といいます。インターネットに掲示板などでは,簡単に他人に成りすまし
て個人情報を公開することが可能なため,プライバシーの侵害を受けやすいといえます。
他人の個人情報を書き込んだ側は,軽いいたずらのつもりで罪の意識がほとんどない場合もあり
ます。しかし,インターネットの世界には善良な市民からの犯罪者まで色々な人がいるので,個人
情報を掲載された人は大きな被害にあう可能性があります。他人の個人情報を公開する行為は,多
くの場合,公開した人の犯罪となります。
●うわさが広まってしまう
自分の学校に関するスレッドを見つけた A 子。いたずら心で友達の B 子さんのうわさを書き込んで
みました。数日後・・・
「掲示板で見たんだけどさ,B 子ったら・・・。」
「嫌な子だね,B 子って・・・。
」「あっ,それ知っ
B 君のもとには,身に覚えのないメールがたくさん届くようになりました。
インターネットでは,他人に成りすますことが簡単にできます。インターネット上でのコミュニ
ケーンでは,顔を合わせてのコミュニケーションに比べ本人の特定が難しいため,他人になりすま
すことが簡単にできます。子供達の間では,気軽なコミュニケーションの場として掲示板やチャッ
トのサイトが人気を集めていますが,こうしたところに「なりすまし」の事例が見られます。
「なり
すまし」は,ちょっとしたいたずら心に起因するものから,相手を困らせるものまであり,場合に
よっては社会的な問題に発展することもあります。
★被害を防止するには
こうした被害にあわないためにはどうしたらよいでしょう。まず安易に個人情報を知らせないこ
とです。特にアンケート等の回答には注意しましょう。また,ネット上のルールとマナーを守り,
トラブルが発生するような発言や写真の掲載はしないことです。場合によっては名誉毀損,侮辱,
脅迫,業務妨害に問われる可能性もあることを認識しましょう。熱くなった議論や,相手に反対す
る意見等の発信・書き込みに際しては,もう一度自分の書いた文章を読み返し,無用なトラブルは
回避することが大事です。
★もし被害にあってしまったら・・・
誹謗中傷を受けたり,自分のメールアドレスや電話番号などの個人情報が載せられたような場合
は,その掲示板のアドレスを確認し,当該掲示板の管理者,もしくはサーバ管理者に削除依頼をし
ましょう。プロバイダまたは掲示板管理者に対し,これら誹謗中傷や個人情報の掲示を削除するよ
う求める仮処分申請を裁判所に申し立てるという方法も考えられます。プロバイダ責任法に基づき,
侵害情報の送信を防止する措置を要請したり,侵害情報の発信者を特定する情報を開示するよう求
める方法もあります。誹謗中傷や個人情報等が掲示板に記載されてしまった場合は,自分で掲載内
容を保存しておくほか,当該サイトの管理者に対してログの保存を忘れずにしておくよう依頼する
方法もあります。名誉毀損や業務妨害等の犯罪に該当するような場合は,警察に相談しましょう。
特定のメールアドレスや電話番号からしつこくメールが届くようであれば,着信拒否設定やメール
アドレスの変更を検討しましょう。また,一時的な感情によるいやがらせの場合も多いので,冷静
になり,しばらく静観して様子を見てみるのもいいでしょう。
ている。C 子をいじめたんだろう?」
友達の間で B 子さんのことがうわさになっていました。B 子さんは,何で私の事がうわさになって
いるのかわからず,悩んでしまいました。
インターネットでは世界中が一つにつながっているため,書かれた情報はたくさんの人の目に触
ここであつかった事例は次のページにあるものをまとめたものです。是非本編で詳しい内容を呼
んで見ましょう。
• 独立行政法人教員研修センター「情報モラル研修教材」http://www.japet.jp/moral/index.htm