COMPENSATION AND EMPLOYEE BENEFITS February 2009 COBRA の変更と緊急対応が必要な事項について 先ごろ実施となった American Recovery and Reinvestment Act of 2009 (米国景気対策法、“ARRA”)の一環とし て、2008 年 9 月 1 日から 2009 年 12 月 31 日までに解雇された従業員が COBRA の権利を行使した場合、最高 9 ヶ月まで、保険金の個人負担額の助成措置が取られることになった。本修正により、対象期間に解雇された従業 員は、COBRA の月額保険料の 35%のみを支払い、残りの 65%は雇用者が一旦負担することになるが、雇用者に 対しては、同額がペイロールタックスでクレジットされるという形でオフセットされる。 この新法は急ピッチで進められたため、グループ健康保険のアドミニストレーターは、要項に沿って速やかな対 応を急がなければならない。特に、新たに COBRA の通知義務が課せられており、2009 年 3 月 1 日までに今回の 助成措置に関する通知が必要となる。 今回の COBRA 変更に関する一般的な疑問と回答を、以下に Q & A 形式で紹介する。 Q: 今回の COBRA 助成措置の対象となるのは、どのような従業員ですか? A: 2008 年 9 月 1 日から 2009 年 12 月 31 日の間に解雇された従業員全員に受給資格があります。COBRA の 規定上、扶養家族とみなされる配偶者、子供等の被保険者についても同様です。但し、自主的な辞職や、離 婚等による配偶者資格の喪失によって COBRA 受給資格を得た場合、今回の助成措置の対象となりません。 また、収入が一定基準よりも高額の場合、プランが助成の対象であっても、個人に対する課税額が上がる等 の措置が取られるため、総合的には助成の対象から外されることになります。 Q: 連邦の COBRA の対象とならない中小企業でも、各州の保険継続法に該当する健康保険プランを提供して いる場合、この助成措置が適用されますか? A: 適用されます。 Q: いつから保険料に助成措置が開始されますか? Chicago Indiana Michigan Washington D.C. A: 2009 年 2 月 17 日の実施日以降に始まる保険カバレッジ期間(通常 1 ヶ月なので、一般的に 3 月 1 日と想 定)から、有資格者に適用されます。 Q: 助成措置の継続期間はどれくらいですか? A: 有資格者は、最長 9 ヶ月まで COBRA 保険料の個人負担分に対して助成措置を受けられます。しかし、 COBRA の最長有効期限がそれより前に終了する場合は、助成措置も同時に終了し、又、Medicare やその他 のグループプランによるカバレッジの対象となる場合も、その時点で助成措置は終了します。助成措置の有 資格者がその他のグループプラン、Medicare の対象となる場合、プラン・アドミニストレーターにその旨を 通知する義務が課せられ、この通知を怠った場合は、追徴税が課せられます。 Q: 助成措置の有資格者が ARRA 実施日以前に自主的に辞職しており、しかし、辞職の時点では COBRA の対 象にはなっていない場合、どうなります? A: 例えば、2008 年 9 月 1 日以降に退職したが、その時点で COBRA の継続カバレッジを申し込まなかった 場合、又は、カバレッジが 2009 年 2 月 17 日以前に終了してしまった場合は、新たに COBRA 助成措置に申 し込むことができます。申し込みは、2009 年 2 月 17 日から、プラン・アドミニストレーターから資格延長 の通知後 60 日間以内に提出する必要があります。有資格者がこの期間内に COBRA カバレッジを申し込ん だ場合、カバレッジは 2009 年 2 月 17 日以降の保険カバレッジ期間(3 月 1 日からが一般的と考えられる) から開始されます。しかし、18 ヶ月の最長カバレッジ期間は、元々の COBRA カバレッジに有資格となっ た時点、即ち解雇となった時点で、適時に申し込んだものとみなして計算されます。 Q: プラン・アドミニストレーターが今回の措置で義務付けられる通知とは何ですか? A: プラン・アドミニストレーターには 2 種類の新たな通知が義務付けられます。まず、有資格者が 2009 年 2 月 17 日以降に解雇された場合、解雇した社員に助成措置の受給権利を通知する義務があります。この通 知は、COBRA の一般的な通知に含めても、別個の独立した通知としても、どちらでも構いません。次に、 解雇が 2009 年 2 月 17 日以前に発生し、しかも、上記した申し込み資格に該当する場合、COBRA 助成措置 の受給権利を別個に通知しなければなりません。 Q: それらの通知に含めなければならない情報とは? A: 助成措置の受給資格者への通知には、以下の情報が必要となります。(1) 助成措置の受給資格を成立させ るに必要な全ての書類、 (2) 助成措置に関する連絡のため、プラン・アドミニストレーター、及び関係担当 者の氏名、住所、電話番号等、連絡先に関する情報、(3) COBRA 期間延長の有資格者の場合、期間延長の申 し込み方法、及び、その締め切り期日の案内、(4) その他のグループ健康保険プラン又は Medicare のカバレ ッジ対象者となった際にプラン・アドミニストレーターに通知する義務と、通知を怠った場合の罰則に関す る案内、(5) 今回の COBRA 保険料減額に有資格となる条件について、わかりやすく目立つように説明した 案内、(6) 雇用者が健康保険プラン内に異なるカバレッジのオプションを認めている場合、申し込まなけれ ばならないオプションに関する案内。 Chicago Indiana Michigan Washington D.C. Q: 雇用者が既に退職時の契約等で退職者の COBRA 保険料を負担している場合、今回の助成措置が適用され ますか? A: 退職時の契約等で COBRA カバレッジの費用を雇用者が負担している場合は、今回の助成措置の対象と なりません。例えば、COBRA 継続カバレッジを雇用者が全額負担で提供している場合、その従業員は政府 の助成措置の対象とはならず、従って、雇用者もその従業員の 65%の雇用税クレジットを受けることは出 来ません。 従業員の COBRA 保険料に関する助成受給資格を危険にさらさない限り、解雇等、COBRA の有資格者となる事 象が発生時した際、雇用者は、同じ保険プランで当該従業員が加入しているカバレッジ以外のオプションの提示 が認められているが、義務付けられているわけではない。しかし、これらの代替カバレッジは、従業員が解雇時 に有している保険料を超えるものであってはならない。 雇用者、及びプラン・アドミニストレーターは、出来る限り速やかに、以下のステップで ARRA への準拠を急 がなければならない。 1. 助成措置有資格の従業員、及び 2008 年 9 月 1 日以降に非自主的に退職した従業員全員を割り出し、確認 する。 2. 外部ベネフィッツ・アドミニストレーター、COBRA アドミニストレーター、保険会社に連絡を取り、義 務付けられた責任(特に通知に関する義務)を分担する。 3. 2009 年 3 月 1 日から、有資格となる従業員について、COBRA 保険料のレシート発行、処理の業務を導入 し、実施する。 本ニュースレターは、法律 の最新情報、動向を御案内するもので、いかなる場合も法務サービス 、法務アドバイスの意味を持ちません。本ニュー スレターは、一般的な案内目的でのみ配布されるものですので、個々の問題については弁護士までご相談下さい。 当 Newsletter に関するご質問は、山本真理(312.214.8335、mregnier@btlaw.com)までお問い合わせ下さい。アドレス変更 は、tomoe.scanlan@btlaw.com まで、E-mailにてご連絡下 さい。 Chicago Indiana Michigan Washington D.C.
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