切り花の鮮度・品質保持技術及び花持ち性評価技術

分野バイオテクノロジー
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シーズの名称
切り花の鮮度・品質保持技術及び花持ち性評価技術
シーズの分野
バイオテクノロジー関連
12
シーズの保有者
国立都城工業高等専門学校 一般科目 化学・科学 助教授 足立 勝
TEL0986-47-1274 FAX0986-47-1285 E-mail:adachim@cc.miyakonojo-nct.ac.jp
(1)技術の内容(技術的構成)
園芸作物流通の国際化に伴い花卉・野菜・果実・果菜類の輸入が一般化する中で、国内外に対し、地域特産園
芸作物の優位性(ブランド化)を確保するためには、これまで以上の高付加価値化・差別化を可能とする先導的
技術開発が必要である。特に、九州は大消費地から遠距離にあるため、農作物の長期鮮度保持に関連したポスト
ハーベストテクノロジー等の技術開発が必要である。
特に、切り花の花持ち性向上技術の開発及び花持ち性評価技術の開発により、遠隔地のハンディーを克服する
と共に「品質保証制度」を確立・導入し、地域特産の花卉ブランドの確立を図る。ここでは、宮崎県がブランド
確立を推進している「スィートピー、デルフィニウム、キク等」を実用化技術開発の戦略対象とする。花持ち性
向上技術の開発では、遺伝子操作による品種改良を行うと共に、新たな切り花の花持ち剤の開発を進めている。
花持ち性評価技術においては、エチレンガスによる簡易な非破壊測定法を確立している。
(2)技術の特徴、特性(作用・効果)
花持ち性向上及び花持ち性評価技術の開発:
バイオテクノロジーによる分子育種技術の開発は従来の育種技術に比べ短期間で生産農家・消費者のニーズに
応えうる新品種の育成が可能となる。さらに、交雑育種法を組み合わせることにより、対象園芸作物の育種効率
が向上し、育種目標とする特性(形質)の範囲が飛躍的に拡大する。本研究シーズで得られるものは、従来の交
配育種・鮮度・品質保持技術にも即応用可能であり、実用化が期待され、花卉産業の振興に寄与する。具体的に
は、新たな切り花の花持ち剤の開発や、簡易な非破壊測定法を利用した測定機器の製品化などにより、地域の新
産業育成にも繋がるものと考えられる。
(3)技術の用途
切り花の花持ち性向上及び花持ち性評価技術の開発により、鮮度・品質が保障された切り花流通を飛躍的に発
展させるものと考えられる。
(4)製品化、事業化に向けての当該技術の進捗レベル
切り花の鮮度・品質保持技術と流通技術の開発では、切り花の花持ち技術は確立され、切り花の鮮度保持評価
のための簡易評価技術も開発され、JA、市場等での実用化可能な段階である。
(5)技術の将来性(将来的な市場など産業への波及効果)
切り花の品質検定・評価は市場などで行われているが、数日間を要する。一方、本件で開発した技術は 24 時
間以内に大量評価が可能であり、交配育種の品種・系統選抜にも即応用できる技術である。
(6)技術育成上の課題
花卉の分子育種技術の開発では、マメ科植物における形質転換体の作出技術が困難であるが、その他について
はほぼ課題解決の見通しが立っている。
(7)特許等知的財産権の取得状況
「切り花の品質評価の簡易検定法」及び「切り花の鮮度・品質保持のための流通技術」に関する内容で、特許
出願中である。
(平成 14 年度認定)