この分析事例のPDFファイルを開く

分析事例C0216 2011/05/30 2015/06/23
1
熱分解GC/MS ダブルショット法 による
プラスチック及び添加剤の同定
TG-DTAとGC/MSを用いた複合解析
測定法 :GC/MS・TG-DTA
製品分野 :部品・日用品
分析目的 :組成評価・同定・製品調査・熱物性評価
概要
TG-DTA(熱重量-示差熱)分析とGC/MS分析を併用することで、最適な温度条件を選んで未知の高分
子材料及び含有する揮発性有機化合物をそれぞれ同定することが可能です。市販製品のプラスチック
部分の熱分解温度を調べ、熱分解温度以下での緩やかな昇温(熱脱着法)と、その後の高温での瞬間
加熱(熱分解法)の2条件でGC/MS測定を連続的に行うこと(ダブルショット法)により、このプラスチック
はAS樹脂であり、添加剤として酸化防止剤:IRGANOX 1076が含まれていることがわかりました。
データ
■TG-DTA測定
1測定目(~327℃)
添加剤の定性及び除去
示差熱曲線
約99%の重量減少
熱流量(μV)
重量(%)
熱重量曲線
ポリマーの熱分解起因の
吸熱ピーク
採取した
サンプル
約1%の無機系の残渣?
2測定目(600℃)
ポリマーの定性
温度(℃)
■GC/MS測定
アバンダンス
熱脱着法でのトータルイオンクロマトグラム(TIC)
アバンダンス
50℃→(30℃/min.)→327℃
TIC: 110513_NZR6.D\data.ms
650000
600000
添加剤
ポリマー
添加剤
熱脱着
アバンダンス
550000
500000
450000
400000
350000
300000
250000
200000
150000
100000
50000
測定対象
2.00 4.00 6.00 8.00 10.0012.0014.0016.0018.0020.0022.0024.0026.00
時間-->
保持時間(分)
アバンダンス
アバンダンス
熱分解法でのトータルイオンクロマトグラム(TIC)
600℃ 瞬間加熱
TIC: 110513_NZR7.D\data.ms
2.5e+07
スチレン
測定対象
アバンダンス
熱分解
ポリマーの分解生成物
2e+07
多量体
1.5e+07
1e+07
5000000
アクリル
ニトリル
トルエン
αメチルス
チレン
2.00 4.00 6.00 8.00 10.0012.0014.0016.0018.0020.0022.0024.0026.00
時間-->
保持時間(分)
分析サービスで、あなたの研究開発を強力サポート!
TEL : 03-3749-2525
E-mail : info@mst.or.jp
URL : http://www.mst.or.jp/
分析事例C0216 2011/05/30 2015/06/23
2
熱分解GC/MS ダブルショット法 による
プラスチック及び添加剤の同定
TG-DTAとGC/MSを用いた複合解析
測定法 :GC/MS・熱分析
製品分野 :電子部品・製造装置・部品・日用品
分析目的 :組成評価・同定・製品調査・熱物性評価
■GC/MS解析結果
熱脱着法での添加剤のマススペクトル
[%]
100
80
60
40
20
0
530
530
サンプル
57
219
515
531
43
69
29
0
133
83 97
107 129
50
147
161
100
189
187
150
203
232 247 263 278
200
250
300
350
400
450
500
550
質量数
[%]
530
530
100
80
60
40
20
0
標準試料
57
酸化防止剤:IRGANOX 1076
Mw 531
43
515
219
219
69
29
0
熱による劣化を防ぎ、樹脂の黄変を抑える働き
83 97 121
111 133
50
100
147
161
189 203
187
150
531
531
232
278
245 263
200
250
300
350
400
450
500
550
質量数
熱分解法でのポリマーの分解生成物の合成マススペクトル
[%]
100
80
60
40
20
0
104
サンプル
混成ダイマー、トライマー等が検出されていることにより、
ブレンドポリマーではなく、コポリマーであることが分かる。
78
103
91
51
26
39
0
53
63
118
50
100
AS
144 157 170 182193
150
SAS
261
ASA
210220
200
250
300
質量数
[%]
104
100
80
60
40
20
0
AS
標準試料
AS樹脂
(acrylonitrile styrene copolymer)
39
0
91
53 63
50
S
103
78
51
A
118
100
144
157 170 182 193
150
210
200
261
250
300
質量数
分析サービスで、あなたの研究開発を強力サポート!
TEL : 03-3749-2525
E-mail : info@mst.or.jp
URL : http://www.mst.or.jp/