PRESS RELEASE 報道関係者各位 2015 年 9 月 9 日 ボストン コンサルティング グループ (本資料はドイツ報道資料の抄訳です) BCG、世界経済フォーラム(WEF)と共同で 完全自動運転車の普及に関するレポートを発表 完全自動運転車の普及にはステークホルダー相互の協力が不可欠 2015 年 9 月 8 日 フランクフルト発―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以 下、BCG)は、世界経済フォーラム(WEF) と共同で完全自動運転車の普及に関するレポート「Revolution Versus Regulation: The Make-or-Break Questions About Autonomous Vehicles」を発行しました。2015 年 4 月に発表した 自動運転に関する消費者調査や普及予測、技術の進化についての調査レポート*の続編で、今回のレポートで は主に社会への影響と法規制に焦点を当てています。 完全自動運転車の普及に向けた課題 完全自動運転車の普及は社会に大きな恩恵をもたらすと考えられますが、実現に向けては、自動車メーカー、 規制当局、道路などのインフラの運営主体、一般消費者などのステークホルダーが協力し、技術、社会、規制と いった幅広い面での課題に取り組む必要があります。本レポートでは、主に完全自動運転車普及に向けた社 会・法規制上の様々な課題を包括的に取り上げ、解決の糸口を探りました。 法規制上の優先順位は地域によって異なる 完全自動運転車が公道を走行できるようにするためには、様々な規制や法規を見直す必要があります。まず、交 通規制に関しては、車両には運転を制御する運転者が常に乗車していなければならない、とする国際交通条約 (ウィーン交通条約など)の改正が必要になります。 さらに、市場投入に向けては、国連欧州経済委員会(UNECE)の基準に代表される、車両認証基準にも変更を 加えることが必要で、現在、自動車基準調和世界フォーラム(WP29) の「自動運転分科会」(日本と英国が共同議 長を務める)などにおいて、検討が進められています。 また、完全自動運転車の事故の際に、その法的責任をどの主体に帰すべきか、についても議論が必要です。た とえば、運転者ではなく、車両の所有者が乗車していたか否かに関わらず責任主体と目されるという考え方があ る一方、アメリカなどでは、自動車メーカーに事故の責任を問う可能性も検討されています。 .1. 図表: 各国の車両認証基準の枠組み 自己認証方式 • アメリカでは連邦政府の定める 自動車安全基準(FMVSS)に基 づき、各自動車メーカーが自ら の責任で認証を行う • カナダでも同様の基準(CMVSS) を適用しているが、 一部 UNECEの基準を受け入れている 車両型式認証方式 • 実質的な国際基準といえる、国 連欧州経済委員会(UNECE)の基 準 • 約 50 ヶ国で採用 され、他 の多くの国でも認証されて いる(認証国は薄緑で表示) • 日本ではこれまでUNECE 基準の37項目を採用 その他 • 中国は独自の基準を採用 不明 注: UNECE =国連欧州経済委員会(United Nations Economic Commission for Europe) 出所: 国連欧州経済委員会、専門家へのヒアリング、BCG 分析 © BCG 2015 - ALL RIGHTS RESERVED. 自動運転車が社会に受け入れられるには、企業と政策担当者との緊密な協働が不可欠 自動運転車が普及するためには、社会に受け入れられることが不可欠です。「消費者は自動運転車の利便性に 目を見張りながらも、安全性、信頼性やサイバーセキュリティの脅威に不安も感じています。たった一度でも重大 な事故があれば、自動運転車の瑕疵が直接の要因でなくても、自動運転車の普及は大きく遅れるでしょう」と、 BCG のシニア・パートナーで前回のレポートの共著者、ザビエ・モスケはコメントしています。世論が大きく振れる ことも予想され、政策担当者と、自動車メーカーや新規参入企業は緊密に協働してパイロットプログラムを進め、 自動運転が十分実現可能であることを示す必要があります。 BCG では、本レポートで提示した課題は自動車メーカーをはじめとするステークホルダー相互の協力により、乗り 越えられると考えています。現在、シンガポールなどで進められている完全自動運転車のパイロットプログラムも、 完全自動運転車を現実社会で活用する際の制約や利便性に関する公衆の理解を促進し、経験データを蓄積す るために有効です。 ■調査レポート 「Revolution Versus Regulation: The Make-or-Break Questions About Autonomous Vehicles」 https://www.bcgperspectives.com/content/articles/automotive-revolution-versus-regulation-make-breakquestions-autonomous-vehicles/ (全文閲覧には会員登録が必要です。) *ご参考資料 自動運転技術、消費者意向についての調査結果の日本語プレスリリース(2015/1 発行): http://www.bcg.co.jp/documents/file180099.pdf レポート「Revolution in the Driver’s Seat: The Road to Autonomous Vehicles」(2015/4 発行) https://www.bcgperspectives.com/content/articles/automotive-consumer-insight-revolution-drivers-seatroad-autonomous-vehicles/ .2. ■日本における担当者 古宮 聡 シニア・パートナー&マネージング・ディレクター 明治大学政治経済学部卒業。IMD(International Institute for Management Development)経営学修士(MBA)。日本フィリップス株式会社、レーザーテック株式会社ロ ンドン支店を経て現在に至る。 BCG 産業財・自動車グループのアジアパシフィック地区リーダー。 富永 和利 パートナー&マネージング・ディレクター ペンシルバニア大学工学部卒業。コーネル大学工学部修士(MS)。マサチューセッツ工 科大学経営学修士(MBA)。トヨタ自動車株式会社、ブーズ・アンド・カンパニー、ローラ ンド・ベルガーを経て現在に至る。 BCG 産業財・自動車 グループのコアメンバー。 ■ボストン コンサルティング グループ(BCG)について BCG は、世界をリードする経営コンサルティングファームとして、政府・民間企業・非営利団体など、さまざまな 業種・マーケットにおいて、カスタムメードのアプローチ、企業・市場に対する深い洞察、クライアントとの緊密 な協働により、クライアントが持続的競争優位を築き、組織能力(ケイパビリティ)を高め、継続的に優れた業績 をあげられるよう支援を行っています。 1963 年米国ボストンに創設、1966 年に世界第 2 の拠点として東京に、2003 年には名古屋に中部・関西オフ ィスを設立しました。現在世界 46 ヶ国に 82 拠点を展開しています。http://www.bcg.co.jp/ bcg.perspectives サイトでは、様々な業界・分野に関する BCG の知見をまとめたレポート、記事およびインタ ビュー映像などをご紹介しています。https://www.bcgperspectives.com/ ■本件に関するお問い合わせ ボストン コンサルティング グループ マーケティング 伊原・嶋津 Tel :03-5211-0600 / Fax :03-5211-0333 Mail: press.relations@bcg.com .3.
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