WING DAILY

 WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第2297号 2011年(平成23年)1月20日 木曜日 (1)
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【HEADLINE NEWS】
最高のサービスと企業価値向上で社会貢献
JALフィロソフィ、全社員の意識改革
★新生JAL誕生に向けて4月1日から“鶴丸”復活
新たな企業理念・フィロソフィも策定
JALが策定した新たな企業理念は、①「お客さまに最高の
サービスを提供します」、②「企業価値を高め、社会の進歩
発展に貢献します」という2点。
大西社長は「企業理念はその企業の根幹をなすもの。公明
正大で大義名分のある高い目標を掲げ、これを全社員で共有
することで目標に向かって一体感をもって力を合わせていく
ことができる」とし、新たな企業理念を掲げて、新生JALの
目標として、全社員一丸となって取り組んでいく方針を示し
た。
大西社長は社員が日々懸命に働くなかで、“JALで働いて
良かった”と思えるような企業を目指すとし、旅客に最高の
サービスを提供するためにも企業価値を高めながら、全社員
の物心両面における幸福を追求していくことを新たな企業理
念に込めたことを明らかにした。
また、企業価値を高めていくことに関しては、経営破綻に
至ってから強い採算性が意識されるような体質に変革してき
たことから、この採算性に対する強い意識等をもって利益を
計上していくことで、株主配当、納税、社会貢献等行って社
会の一員としての責任を果たしていく考え。
2つの企業理念を経営の目的・基本とし、同じく新たに定め
た「JALフィロソフィ」の実践を通じてその実現を目指す。
「JALフィロソフィ」は二部構成となっており、第1部は
“素晴らしい人生を送るために”、第2部を“すばらしいJAL
となるために”と題した。
大西社長は「これまでは会社全体が他人任せをはじめとし
た甘えの意識に溺れていたのではないか。加えて利益につい
ても意識も希薄だったといわざるをえない。このような反省
に基づき、私達は一人ひとりの意識を変えていくことが必要
と考え、全員が持つべき意識、価値観、考え方としてJAL
フィロソフィを策定した」ことを明らかにした。
また、稲盛和夫会長は経営破綻から丸1年が経過したなか
で、新しいロゴ、企業理念、フィロソフィを策定したことに
ついて「新しい企業理念、フィロソフィの一字をみても、
元々もっていたJALの官僚的な体質は非常に変わってきたと
感じている」と評価。「(JALの体質が)変わってきたこと
を表すように、業績そのものも良くなってきた」と喜びを表
した。「末端までムダを排除しようということは徹底してき
新生JAL誕生に向けて“鶴丸”復活と、企業理念、フィロソ
フィを発表した稲盛会長(左)と大西社長(右)
昨年の会社更生法適用申請からちょうど1年が経過した1月
19日、日本航空(JAL)グループ大西賢社長は、4月1日から
新たなロゴマークを採用することを決定。「鶴丸」マークを
復活させるなど、刷新したロゴを公表した。さらに、新生
JALグループの誕生に向けた新たな企業理念とフィロソフィ
を策定して公表した。大西社長は「新たなスタートを切る、
我々の決意の象徴として、新しいコーポレート・アイデン
ティで臨もうと考えた」と話しており、3月末にはリファイナ
ンスにより更正会社としての看板を降ろす計画にあるJAL
は、経営破綻から丸一年を経たこの日、イメージを新たに、
“新生JAL”へと生まれ変わりを図ろうとしている。
“鶴丸”マークの復活について大西社長は「私共は日本の
空の歴史をスタートさせ、当時はまだ誰もやっていなかった
こと、誰も通っていなかった道を自ら切り開いてきた。創業
当時にあった自ら切り開く挑戦の精神、つまり初心に立ち戻
る、この意を込めて鶴丸のロゴマークを採用する」と、かつ
て世界の空で飛び回っていた日本のパイオニア・スピリット
の象徴である“鶴丸”マークの復活理由を説明。
「いま、鶴丸を採用する意味は過去への回帰や復古調の印と
してでは決してない。原点、初心のシンボルとして採用する
ことを決定した。“再生”ではなく、新生JALを作ってい
く、この思いを新しいロゴマークに込めた」とし、“鶴丸”
マークは創業当時の“挑戦の精神”を取り戻すために採用し
たことを明らかにした。
なお、新ロゴマークである“鶴丸”は4月1日より採用され
るが、それ以前に採用される新造機については、新しいロゴ
マークを塗装していく予定だ。
■■お知らせ■■
試験的にツイッターでヘッドラインニュースの掲載を始め
ました。
ご活用いただければ幸甚です。(編集部)
ツイッター・ウイングニュース
http://twitter.com/wingnews/
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ている。そのために、更生計画以上に収益をあげることがで
きる。今後は、これをもっと定着させており、路線別の採算
を明確に把握する、部門別採算性を4月1日より運用を開始し
ていく」としている。
整理解雇、大西社長「4要件は満たしている」
新しい企業理念、フィロソフィ、そしてロゴマークの発表
と、3月末のリファイナンスによる更正会社という看板からの
脱却による新生JAL誕生に向けた気持ちを一丸となって固め
つつあるJALだが、一方で同日19日には昨年末に整理解雇を
言い渡された社員達が、東京地裁に対して会社側を相手取り
提訴に踏み切るなど、重苦しい影は依然として払拭しきれて
いない。
JALは12月31日付けで165名に整理解雇を通知。1月19日に
は整理解雇を通知された運航乗務員及び客室乗務員ら計146
名が提訴に踏み切った。
原告側は整理解雇に必要な4つの要件を満たしていないこと
などを主張して提訴に踏み切っているが、大西社長は「弁護
士を含めて話しをしながら、4要件を満足できるように進めて
きており、4要件は満たしている」との認識を示した。
また、瀬戸委員長は「整理解雇に至る過程においても、特
別早期退職、希望退職を何度も実施して、整理解雇を回避し
ようとしてきた。結果として、165名の整理解雇をせざるを
えなかったが、そうしなければ日本航空の立てなおしも不可
能であった」と整理解雇に至るまでの経緯を説明。その上で
「大前提として考えなければならないことは、JALが9500億
円を超える債務超過で、通常ならば清算せざるをえなかっ
た。しかし、国民の足、公共交通機関として政府が最大限の
支援を行うことで事業を継続することができるようになっ
た。何人のリストラをしたというよりも3万6000人の雇用を
確保したということを理解して頂きたい」とコメントしてい
る。
稲盛会長、追加増資「諦めず」
12月経営状況、営業黒字確保できる見通しに
企業再生支援機構による3500億円の融資に加えて、稲盛会
長は500億円の増資を考えていることを常々明らかにしてい
た。これは航空産業がイベントリスクに晒される機会が多い
ことを懸念したためで、内部資本の増強を試みていた。
このことについて稲盛会長は「3月末までに(500億円の)
増資をしたいということは少し遠のいたのかなと思ってい
る。しかしながら、JALは資本を増強しようとしていて、多
くの投資家にお願いに回っており、諦めた訳ではない。3月末
までに賛同する方がいれば、金額は分からないがその分で増
資をしていきたい」と、追加増資については諦めずに実施し
ていきたい考えを明らかにした。
12月の経営状況は現在集計中とのことで、今回は具体的な
数字は明らかにされなかったが、日本航空インターナショナ
ル単体及びグループ連結において、営業黒字を確保できる見
通し。
大西社長によると、事業規模縮小で売上は前年対比で減少
するものの、コスト削減策の実行で、黒字を確保できるとの
ことで、「引き続き手綱を緩めることなく、徹底的なコスト
削減や営業努力を積み重ね、営業利益の確保に務めていく」
としている。
“鶴丸”を塗装した新たな機体イメージ。“JAPAN
AIRLINES”のロゴもゴシック体となり、スピード感等を表現
〈「JALフィロソフィ」〉
◎第1部:すばらしい人生を送るために
・第1章=成功方程式(人生・仕事の方程式)
(1)人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
・第2章=正しい考え方を持つ
(2)人間として何が正しいか判断する
(3)美しい心を持つ
(4)常に謙虚に素直な心で
(5)常に明るく前向きに
(6)小善は大悪に似たり、大然は非常に似たり
(7)土俵の真ん中で相撲をとる
(8)ものごとをシンプルに捉える
(9)対極をあわせ持つ
・第3章=熱意をもって地味な努力を続ける
(10)真面目に一生懸命仕事に打ち込む
(11)地味な努力を積み重ねる
(12)有意注意で仕事にあたる
(13)自ら燃える
(14)パーフェクトを目指す
・第4章=能力は必ず進歩する
(15)能力は必ず進歩する
◎第2部:すばらしいJALとなるために
・第1章=一人ひとりがJAL
(16)一人ひとりがJAL
(17)本音でぶつかれ
(18)率先垂範する
(19)渦の中心になれ
(20)尊い命をお預かりする仕事
(21)感謝の気持ちを持つ
(22)お客さま視点を貫く
・第2章=採算意識を高める
(23)売上を最大に、経費を最小に
(24)採算意識を高める
(25)公明正大に利益を追求する
(26)正しい数字をもとに経営を行う
・第3章=心をひとつにする
(27)最高のバトンタッチ
(28)ベクトルを合わせる
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(29)現場主義に徹する
(30)実力主義に徹する
・第4章=燃える集団になる
(31)強い持続した願望を持つ
(32)成功するまであきらめない
(33)有言実行でことにあたる
(34)真の勇気をもつ
・第5章=常に創造する
(35)昨日よりは今日、今日よりは明日
(36)楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行す
る
(37)見えてくるまで考え抜く
(38)スピード感をもって決断し行動する
(39)果敢に挑戦する
(40)高い目標をもつ
【航空関連ニュース】
★JALの整理解雇撤回を巡り146人が提訴へ
組合の弱体化狙った解雇、労働者の正当性主張
日本航空が会社更生手続きに基づき、去る2010年12月31
日に行った整理解雇をめぐって19日、運航乗務員74人と客室
乗務員72人がそれぞれ原告として解雇撤回を求めて、東京地
方裁判所へ提訴を行った。原告団は今回行われた整理解雇
が、1.高度な必要性、2.回避努力義務、3.人選基準の合理性、
4.労使協議手続きの妥当性、といった“整理解雇4要件”をい
ずれも満たしていないことから、不当な解雇であることを訴
えてこの撤回を実現させるほか、利益よりも安全を最優先さ
せる企業体制の実現、航空行政の誤りの明確化と航空政策の
改善などを目的として、今後争っていく構えを示した。
この訴えでは、整理解雇によって特定の組合の弱体化を図
るという狙いがあることにも言及するなど、組合と経営との
闘いといった側面も見せている。当初から、経営陣の放漫経
営による経営悪化が破綻の原因として指摘していた組合で
は、80年代のドル先物取引や、その後の投資などの失敗がな
ければ破綻に至ってないとする。これに対し、管財人からは
組合の運動によって改革推進に足枷が付いた状態になったと
して、経営悪化の原因は社員にあるとの指摘を受けたと述べ
るなど、双方の認識が大きく食い違っていることを強調し
た。
また今回の提訴における大きな柱として掲げた、日本航空
破綻の原因の追及について、空港整備勘定(空港整備特別会
計)として大きな負担が公租公課として航空会社に課せられ
たことから、日本航空では外国との競争力や、国内のほかの
運輸産業との競争力が奪われ、大きな圧迫をしているといっ
た過去の航空行政についても誤りがあったとして、日本航空
の破綻原因が労働者や労働組合にはないことを示していく。
経営悪化の原因を追及、行政の過ちも明らかに
人員の経験・技術を考えずコストのみで判断
運航乗務員原告団の山口宏弥団長は強く訴えたいこととし
て、日本航空破綻の原因が日本の航空固有の問題だとされて
いるが、大きな原因は国の行政にあるとして、とくに90年ご
ろを境に日米間の条約から、公租公課を上げ空港整備特別会
記者会見に臨む原告団
計(現空港整備勘定)により98もの空港を整備し、日本航空
では大型機のB747型機を大量購入させられたといった例を挙
げ、「国の責任については不問だが、国の指導により再生が
行われている」と複雑な心境をのぞかせ、行政の過ちを明ら
かにしていきたいとする。
また今回の整理解雇では、人員についてコスト面でしか考
えられておらず、仕事の質や内容といった経験の蓄積や技術
の高さについては判断されていないとして、安全よりも利益
を重視する会社の姿勢を厳しく問うていきたいと話した。
さらに山口団長は現在、日本航空では機材のダウンサイジ
ングにより利用率を上げるといった施策を行って路線を絞っ
ていることについて触れ、「国内線では利用率だけを見てお
り成長ができない」と言及。ボーイングやIATAなどの調査で
は13年以降には、東アジアや東南アジアなどで航空需要が爆
発的に増加するとした予測が見込まれているが、被整理解雇
者の首を戻さずに新規採用することは明らかに違反であり、
訓練生の訓練を実施することも同様だとして、日本航空で働
くすべての職員に対する労働条件の改善には、解雇者の首を
戻す必要性を訴えたほか、諸先輩から受け継いだ技術を後輩
へ伝承して、利用者に信頼される会社としていきたいと述べ
た。
整理解雇しない方針の再建当初、1年経たず解雇
組合差別との闘い、客室の原告72人中70人がCCU
客室乗務員原告団の内田妙子団長は、管財人の片山英二氏
名義で12月9日に解雇通知を受けたと述べた。遡って10年12
月19日から、企業再生支援機構による日本航空の再建が始
まったが、当初は8労組に対して1万5000人を削減するとした
中で、数字の中には新規採用を含める自然減や、不採算子会
社を連結から外すといった方法のほか、特別早期退職、ワー
クシェアなどを実施し、整理解雇は考えていないとして、
“日本航空には直接運航に携わって働く人と、その裏で働く
人の全員が必要であることを理解している”と、説明してい
たことを振り返り、「それが1年経たないうちに165人を整理
解雇するに至った」と憤りを露わにした。
またこの裁判闘争には差別との戦いなども含まれていると
する。今回の整理解雇対象となる人選基準として、年齢の高
い順といった基準が含まれていたことは、昇格の差別を受け
ていたキャビンクルーユニオン(CCU)に所属する客室乗務
員が、その基準の多くを占めることを意味しており、結果と
して被整理解雇者の中には、CCU所属の客室乗務員が多く含
まれることとなり、原告72人のうち70人がCCUに所属してい
ると説明した。
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客室乗務員が所属する組合にはCCU以外に、どちらかとい
えば労使協調で経営陣が擁護しようとする“JAL労働組合”
が併存しており、「会社は労働組合を2つに分け、一方を敵視
することで職場を支配しようとしている」と組合を狙い撃ち
した経営陣のやり方を非難しつつ、そういった職場の空気が
安全運航を脅かすおそれがあるといった懸念を示した。「安
全運航を行える航空会社として再建するためには1日も早く職
場に復帰しなくてはならない」と改めて、決意を述べた。
更生会社も整理解雇4要件を厳粛に運用すべき
国外労組からも応援、労働者の権利広くPR
日本航空乗員組合の宇賀地竜哉委員長は、管財人から受け
た説明としては、公的資金が導入される更生会社という状況
下では、事業規模に合わせた生産体制にしなくてはならない
といった主張の下、整理解雇を行うということだったが、
「更生会社であっても整理解雇の4要件は厳格に運用されなく
てはならないことを明らかにする必要がある」との考えを示
した。
また病欠の日数についても整理解雇の人選基準としたこと
によって、身体検査基準について自己申告による不適合判断
が正常に機能せず、安全性の低下につながる危惧があるとし
て、この人選基準が不合理であることを示す必要があるとし
「真面目に働いたパイロットが馬鹿を見ような施策はあって
はならない」と強調した。
また今回の整理解雇によって、航空業界以外にも全国の市
民団体や労働団体、法曹界などから原告団の支援の声が集ま
り、組織人数は350万人を超えたとしている。
また国外からの支援もあるとして、アメリカのIAMという
約60万人からなる航空労働者を組織する組合から支援のメッ
セージを受け取ったとし、さらにOCCCというワンワール
ド・アライアンス所属の乗員の組合や、国際パイロット協会
(IFALPA)、国際運輸労連(ITF)から支援の意向を受けた
としたほか、国際労働機関(ILO)でも調査を開始したとし
ており、労働者の権利を守る闘いであることを広くPRし、一
層の協力を得ていく姿勢を示した。
★ヱムパイヤ・エアポート・サービスの債権者が判明
負債総額は224名に14億8474万円に
成田空港で免税店等を運営していたヱムパイヤ・エアポー
ト・サービスが去る1月12日に東京地裁から破算手続の開始
決定を受けたことに関して東京商工リサーチは、負債総額は
債権者224名に対して14億8474万円にのぼると発表した。債
権者のなかには、成田国際空港会社(3890万8000円)、JAL
ロジスティクス(266万6000円)、空港情報通信(232万
6000円)などがあった。
債権の内訳(10月31日現在)は公租公課が1664万7000
円、労働債権は5985万3000円、金融機関が10億813万
6000円、一般債権が3億4142万7000円、リース債権が5867
万6000円。
なお、債権者の詳細は以下の通り。
〔金融機関〕
▼三井住友銀行日比谷支店=5億6751万円
▼三菱東京UFJ銀行田町支店=2億6304万円
▼商工組合中央金庫横浜支店=1億3086万円
▼横浜銀行東京支店=4362万円
▼日本生命千代田支社=310万6000円
〔買掛金等〕
▼ペルノ・リカール・ジャパン=1億5719万8000円
▼ブリティッシュ・アメリカン・タバコジャパン合同会社=
712万4000円
▼JALロジスティクス=266万6000円
▼ジャニーバッグ=134万円
▼ELIZABETHARDEN=105万6000円
▼ショウエイ=100万3000円
〔賃料〕
▼成田国際空港会社=3890万8000円
〔リース〕
▼日本商工リース=2371万4000円
▼トヨタレンタリース=956万9000円
▼住信・松下ファイナンス=563万4000円
▼昭和リース=425万9000円
▼GE三洋クレジット=277万8000円
▼リコーリース=277万8000円
▼日本ビジネスリース=257万9000円
▼三菱UFJリース=250万6000円
▼空港情報通信=232万6000円
▼カシオリース=129万5000円
▼日立キャピタル=113万4000円
★ANA、2011年度上期の「エコ割」など設定へ
「エコ割スタンダード ライト」新設
全日空(ANA)は2011年度上期(2011年4月1日~9月30
日日本出発)の欧州・中東・アフリカ・アジア(台湾・タ
イ・シンガポール・ベトナム・インドネシア・マレーシア・
カンボジア・ミャンマー・インド)行きYクラス割引運賃
「エコ割」などを国土交通省へ申請した。
それによれば出発当日まで購入可能な「エコ割スタンダー
ド」に加え「エコ割スタンダードライト」を新設、それに伴
いエコ割スタンダードでは復路の変更を可能としている。ま
た土曜夜を目的地で過ごす日程ならば、出発当日もしくは3日
前までの購入が可能な「スーパーエコ割」「スーパーエコ割
3」を継続設定した。
このほか羽田空港発着の国際定期便再開を記念した「海外
乗継割引スペシャル」を設定するほか、日本発着の韓国・中
国・香港・マカオ・台湾路線のエコ割、ビジ割利用者は、国
内線を割引する「海外乗継割引スペシャル」の利用が可能と
なる。従来片道1区間7000円均一だった設定が全路線5250円
均一に設定されることとなる。
〈燃油サーチャージ込み平日往復運賃例〉
▼エコ割スタンダードライト=東京/大阪/名古屋−ロンド
ン/パリ/ミュンヘン/フランクフルト:34万円~(4月1日~
5月31日)、東京−バンコク:18万円~(4月1日~9月30
日)、東京−シンガポール:20万円~(4月1日~9月30
日)、東京−台北:13万1000円~(4月1日~9月30日)
▼スーパーエコ割(タイプC)=東京/大阪/名古屋−ロンド
ン/パリ/ミュンヘン/フランクフルト:8万4000円~(4月1
~28日、5月5日~6月30日)
▼スーパーエコ割3(タイプB)=東京−バンコク:5万5000
円~(4月1~28日、5月5日~6月30日)、東京−シンガポー
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第2297号 2011年(平成23年)1月20日 木曜日 (5)
ル:5万3000円~(4月1~28日、5月5日~6月30日)、東京
−台北:4万7000円~(4月1~28日、5月5日~6月30日)
▼海外乗継割引スペシャル=東京−札幌:現行7000円→新運
賃5250円、東京−沖縄:現行9000円→新運賃5250円
★ANA、2011年度上期の国内線運賃を決定
券購入後の追徴・払戻行わず、国内旅客運送約款改定
全日空はこのほど、2011年度上期(2011年3月27日~9月
30日)の国内線運賃の設定を行った。今回の運賃設定では、
現在「特割」で実施している空席状況に連動した運賃体系を
拡大して、7月搭乗分より「プレミアム特割」「旅割」にも導
入する。また「スーパー旅割」や「旅割」、「特定便乗継割
引」、「乗継特割」、「乗継旅割」など各種割引運賃も引き
続き設定する。
特割、プレミアム特割、旅割については、空席状況に連動
した運賃体系とする。10年4月より空席と連動した運賃と
なった特割では、3月27日搭乗分よりタイプによって異なっ
た取消手数料を同一にして、運賃額だけが異なる特割A~Cの
3タイプを設定する。
航空券発売後に運賃額変更があった場合、変更前の購入と
なった利用者に対してはこれまで、変更後の運賃が適用され
ていたが、国内旅客運送約款改定に伴って、4月1日発券分よ
り航空券購入日に有効な運賃額が適用されるため、差額の追
徴・払戻を実施しないこととする。
★関空に日本初のIATA環境スタンドが設置
航空業界のエコな取組を紹介
関西国際空港ターミナルビル4階ビル翼の広場において来る
1月21日、国際航空運送協会(IATA)が制作した航空業界の
環境の取組みを立体展示や映像で旅客に紹介するスタンドを
設置する。このスタンドは、欧州を皮切りに世界各国の空港
を巡っているが、日本では関空における設置が初めて。
主な展示内容は、着陸時のCO2排出量削減や、最適な飛行
経路や効率運航によるCO2排出量削減、バイオ燃料など。さ
らに、テレビモニターを設置して、関空の環境活動を紹介す
る。
なお、展示初日にはオープニングセレモニーを催す予定
で、IATAのアジア太平洋地区本部政府・業界担当部長のビ
ヌープ・ゴエル部長や、同じくアジア太平洋地区本部の広報
担当のアルバート・チョン部長、関西国際空港航空会社運営
協議会議長の阪口葉子氏(ユナイテッド航空関西国際空港支
配人)、関空会社から伊藤誠専務取締役が出席する。
【航空工業/宇宙関連ニュース】
★NEC、防振ヘリ用赤外線カメラを製品化
総務省消防庁に1号機、年間50台の販売見込む
NECは独自の防振機能を採用したヘリコプター用赤外線カ
メラ「AEROEYEIII」(エアロアイ・スリー)を製品化し、
第1号ユーザーとして総務省消防庁への納入を完了したと19
日発表した。
AEROEYEIIIは小型軽量のヘリコプター用赤外線カメラ
「AEROEYE」を中核として、独自に開発したジンバル機構
と、これを高精度に制
御する防振機能を採用
している。これにより
機体からの振動を抑
え、鮮明な赤外線映像
を自由なアングルで撮
影することが可能と
なった。そして、撮影
画像は機内でモニター
するほか、ヘリコプ
ター・テレビ伝送シス
テムによりリアルタイ
ム配信できる。
N E C で は 、 今 後
「AEROEYEIII」と運
航支援用赤外線カメラ
NECが製品化したヘリ用赤外線カ
「A E R O E Y E 」を、
メラ「AEROEYEIII IRV3300H」
「航空機搭載用赤外線
カメラAEROEYEシリーズ」としてラインナップ化し、消
防、警察、海上保安庁、報道機関など各種ミッション用、さ
らに一般ヘリの運航支援用としても拡販を図り、年間50台の
販売を見込んでいる。
その特徴としては、在来のヘリコプター用カメラでは機体
の振動をカメラに伝わらないようにする防振用アイソレー
ターなどの防振対策機器が必要だったが、AEROEYEIIIで
は、ジンバルを高精度に制御することで、アイソレーターな
どが不要となり、機体への取り付けがシンプルになったこと
が挙げられる。
また、赤外線カメラに使用しているのは、NECが開発した
高感度非冷却型赤外線センサで、ヘリコプター搭載に適した
独自の映像処理技術の採用により鮮明な赤外線映像の撮影を
実現しているという。
また、広視野角と狭視野角の2種類の赤外線レンズを切り替
えることで、多用途な利用が可能となっていることも特徴
だ。広視野角レンズでは電線、鉄塔、レーダーで捕捉できな
い薄雲などの運航障害物を広範囲に映像化して運航支援用に
使うことができる。狭視野角レンズでは情報収集用として捜
索、探索、災害状況の情報収集などに利用が可能となってい
る。
【防衛関連ニュース】
★嘉手納F15戦闘機部隊、グアム移転で日米合意
日米合同委員会は20日、昨年5月28日の日米合意に基づ
き、沖縄米軍嘉手納基地騒音軽減を図るためF15戦闘機部隊
の訓練の一部をグアムに移転することで合意した。
訓練は1回あたり最大で約1個隊にあたる米軍戦闘機20機が
最大日数を20日とし飛行訓練を行う、とされている。
なお、訓練移転の可能性のある米軍航空機の機種は、空中
給油機、輸送機、AWACS等も含まれる。現在北澤俊美防衛
大臣は沖縄に訪問しており、本日仲井真弘多知事と会談して
伝えると見られる。
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第2297号 2011年(平成23年)1月20日 木曜日 (6)
★北京で第12回日中安保対話開催
日本政府は本日1月20日、中国・北京で第12回日中安保対
話を実施する。対話には、防衛省からは黒江哲郎防衛政策次
長ほか防衛省関係者、別所浩郎外務省外務審議官ほか外務省
関係者が出席し、両国の安全保障・防衛政策および地域情勢
などについて意見交換を行う。
中国側の参加者は賈暁寧(カギョウネイ)国防部外事弁公
室副主任(少将)、胡正躍(コセイヤク)外交部部長助理ほ
か、国防及び外交当局者となる。
日中安保対話は、1993年以降、今年で12回目の開催。
★海上幕僚長、22日よりジブチを訪問
杉本正彦海上幕僚長は、22から26日までジブチ共和国を訪
問し、派遣海賊対処行動航空隊及び派遣海賊対処行動水上部
隊を視察する。
現在、商船の護衛・監視に従事している水上部隊は7次隊、
航空部隊は5次隊となる。
杉本海上幕僚長は部隊の状況を視察した後、ジブチに駐留
する米軍、フランス軍の司令部を訪問し、海賊対処等に関し
て意見交換を行う予定。
★第1航空群P-3C、36時間ぶりに漁船乗員を救出
海上自衛隊第1航空群(鹿児島県鹿屋基地)のP-3C哨戒機
1機は19日、長崎県宇久島沖で行方不明となっていた漁船
「竹栄丸」の捜索救難活動を行った。
「竹栄丸」は、18日の午前4時頃宇久平港を出港したが、
入港予定時刻を過ぎても帰港せず、海上保安庁の航空機2機と
巡視船4隻で捜索を実施したが発見に至らなかった。
このため19日の12時頃、第7管区海上保安本部長から第1航
空群司令へ災害派遣要求がなされ、P-3C1機は13時頃から約
3時間にわたり捜索活動を実施。山口県下関市において行方不
明漁船及び乗員を発見し、乗員は35時間ぶりに救出された。
なお、「竹栄丸」の乗員1名は命に別状はないという。
【海外メーカーニュース】
★エアバス、航空機価格の平均価格4.4%値上げ
素材コスト高騰や需要増対応等で
エアバスは1月から航空機価格(リストプライス)を平均
4.4%値上げした。今回の値上げでA380の価格は8.4%増の3
億7500万30万米ドルとなった。エアバスは昨年1月にも08年
以来となる航空機価格の値上げに踏み切っており、昨年は平
均5.8%引き上げを図った。今回の措置により、2年連続の値
上げとなったが、エアバスによると「炭素繊維、チタン合
金、アルミニウムなどといった、航空機に使用される素材価
格が上昇していることが大きな要因」と、素材の調達価格が
上昇してきたことが主な値上げ要因だとしている。
その他にも、景気回復基調に伴って航空機の需要は世界的
に高まっていることから、「需要増加に応じるために工場の
生産ラインを増強したこと、さらには米ドルに対してユーロ
高となっていることも機体価格を値上げざるを得ない要因と
なっている」という。
値上げ率が顕著に高い機体はA380で上述の通り8.4%も引
き上げられる。8.4%もの値上げについてエアバスは、A380
は高い利益を生み出す航空機であることが実証されているこ
とから、今回の値上げとなったと説明しており、航空会社が
高利益を生み出すことができると主張する機体の付加価値
を、価格に反映させた形だ。
さらに、新型機で開発中のA350ファミリーも平均値を上回
る5.0%~5.1%値上げされる。また、昨年末にローンチする
ことを決定した新エンジン搭載のA320neoはA319/A320/
A321の各機のリストプライスに6200万米ドルを上乗せする
形となった。
〈エアバスの2011年リストプライス〉
▼A318=2011年:6520万米ドル、2010年:6250万米ド
ル、値上げ率:約4.3%
▼A319=2011年:7770万米ドル、2010年:7440万米ド
ル、値上げ率:約4.4%
▼A320=2011年:8500万米ドル、2010年:8140万米ド
ル、値上げ率:約4.4%
▼A321=2011年:9970万米ドル、2010年:9550万米ド
ル、値上げ率:約4.4%
▼A320neo=2011年:+620万米ドル(A319/A320/A321
の価格に上乗せ)
▼A330-200=2011年:2億80万米ドル、2010年:1億
9140万米ドル、値上げ率:約4.9%
▼A330-200F=2011年:2億360万米ドル、2010年:1億
9480万米ドル、値上げ率:約4.5%
▼A330-300=2011年:2億2250万米ドル、2010年:2億
1240万米ドル、値上げ率:約4.8%
▼A340-300=2011年:2億3800万米ドル、2010年:2億
2800万米ドル、値上げ率:約4.4%
▼A340-500=2011年:2億6180万米ドル、2010年:2億
5080万米ドル、値上げ率:約4.4%
▼A340-600=2011年:2億7500万米ドル、2010年:2億
6380万米ドル、値上げ率:約4.2%
▼A350-800XWB=2011年:2億3660万米ドル、2010年:
2億2520万米ドル、値上げ率:約5.0%
▼A350-900XWB=2011年:2億6760万米ドル、2010年:
2億5450万米ドル、値上げ率:約5.1%
▼A350-1000XWB=2011年:2億9970万米ドル、2010
年:2億8520万米ドル、値上げ率:約5.0%
▼A380-800=2011年:3億7530万米ドル、2010年:3億
4630万米ドル、値上げ率:約8.4%
【海外エアラインニュース】
★デルタ航空2010年決算Ă最終純利益5.9億ドル
アンダーソンCEO「合併の成果Ă燃油高騰へ対応」
デルタ航空(DAL)が発表した2010年(1-12月)決算
は、特別項目を除く純利益が14億ドル、特別項目8億5100万
ドルを含む米国会計基準GAAPベースの純利益は5億9300万
ドルを計上した。通年決算には、DALが財務目標を達成した
際に従業員の貢献に対して支払われる利益分配費用3億1300
万ドルが含まれる。
DALの2010年末の調整後純負債は150億ドルで、前年から
20億ドル削減された。流動性資産は52億ドル。
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第2297号 2011年(平成23年)1月20日 木曜日 (7)
また、第4四半期(10-12月)の特別項目を除く純利益は前
年同期比3億8300万ドル増の1億5800万ドル、希薄後1株当た
り0.19ドルを計上。GAAPベース純利益は1900万ドル、希薄
後1株当たり0.02ドルとなった。第4四半期の利益分配費用は
3800万ドル。
第4四半期の総営業収益は前年同期比14%増の78億ドル。
うち旅客収益は15%増の8億8900万ドル。輸送量7%増で、旅
客単位収益(PRASM)は8%増。イールドの9%増に牽引さ
れた。このほかの収益として、マイレージプログラムのスカ
イマイルなどの収益が1億1200万ドル増加した。
リチャード・アンダーソンCEOは、「これらの業績は合
併、コスト管理、債務削減戦略の成果であり、2011年に直面
する燃料価格の高騰に対応することが可能になる」とコメン
トしている。
2011年第1四半期(1-3月)の見通しは、全旅客輸送量が
5-7%増で、国際線が12-14%増、米国内線が0-2%増。営業
利益率は1-3%を予想している。
エドワード・バスティアン社長は「最近の燃料価格の急騰
により、第1四半期は3億5000万ドル以上のコスト増が見込ま
れるが、利益率は前年同期と同等を維持すると予想してい
る」と述べた。
【旅行関連ニュース】
★現地ツアー予約サイトのビアター、日本進出
日本語版サイト開設、最低価格保証付きで
世界75カ国・5500以上の現地ツアーを低価格で提供する
ウェブサイト「Viator.com」を運営するビアター(本社=米
サンフランシスコ)は1月19日、日本語版サイトの開設を発
表した。ビアターは、英語サイトに加え、フランス語、ドイ
ツ語、スペイン語、デンマーク語、オランダ語、ノルウェー
語、スウェーデン語の7ヶ国語でサービスを展開しており、各
国の旅行者が母国語でサイトを閲覧し、自国通貨で決済する
ことが可能。
ビアター日本語版サイトでは、旅行に出発する前に日本語
で、現地ツアーの情報収集や、予約、クレジット決済が行え
る。最低価格保証サービスも行っている。ビアターは、独自
の多言語処理システムを使い、全ての言語のビアターサイト
で同一の情報を発信している。また、ビアター日本語版サイ
トの情報は、航空会社やホテルのサイト、オンライン旅行代
理店など、ビアターのパートナ
ーサイトでも提供されている。
ビアターの欧州アジア地域統括マネージャーのダン・ハー
ト氏は、「日本への進出は、ビアターの世界市場に向けた新
規開拓における重要な戦略的要素のひとつ」として、「旅行
について知識も経験も豊富な日本の旅行者に、世界各地のツ
アーやアクティビティを提供できることはとても楽しみであ
り、今後は日本市場向けの新たな商品開発も行っていく予
定」とコメントしている。
ビアターは、1995年設立。世界で5500以上の現地ツアーを
検索から予約まで行える総合旅行予約サイト。ビアターは安
全かつ信頼できるツアーオペレーターの商品から、品質、価
格、サービス面などを厳選に審査したもののみを取り扱って
いる、としている。ビアターサイト全体へのアクセス件数は
毎月2,50万件超。本社は米国カリフォルニア州サンフランシ
スコで、シドニー、ロンドン、ラスベガスに支社を持つ。な
お、社名のビアターとは、ラテン語で旅行者を意味する。
※ビアター日本語版サイト
http://www.viatorcom.jp
※ビアター英語版サイト
http://www.viator.com
【組織・人事】
★防衛省発令
(1月26日)
▼防衛大学校防衛学教育学群国防論教育室長兼防衛大学校教
授(防衛大学校教授)1海佐 吉田真
▼海上幕僚監部指揮通信情報部情報課情報保全室長(海上幕
僚監部指揮通信情報部情報課)1海佐 上野登