2016 年 3-4 月号 Telematics News An SBD Information Service 米国 FBI と NHTSA が、車両は 遠隔攻撃に対して脆弱であると警告 Lyft と GM が新しい短期レンタル プログラム「Express Drive」を発表 中国:Shanghai OnStar が車両と Midea 家庭用電化 製品を接続 独占インタビュー Control F1 の共同設立者であり業務執行取締役でもある Andy Dumbell 氏に RAC とのテレマティクス技術に関する協業と、交通および運輸分野 における IoT の営利化についてインタビューしました。 Page 1 Telematics News An SBD Information Service EXCLUSIVE INTERVIEW Control F1 が i-Motors 車両コネクティビティの利用 計画を策定 Telematics News は、Control F1 の共同設立者であり業務執行取締役でもある Andy Dumbell 氏に独占インタビューを行いました。そこで同氏は、RAC と のテレマティクス技術に関する協業と、交通および運輸分野における IoT の 営利化について語りました。 便利な技術が大好きな Andy Dumbell 氏(Control F1 の共同設立者であり業務執行取締 役)は、その技術が適切に使用されていないせいで不便が生じると、多くの人がそうで あるように、いらいらしてしまいます。例えば、銀行から取引に必要なパスワードが携 ン 帯電話に送られてくるのを待っていたら、届くのが遅すぎて、操作をまた最初からやり 直さなければならないとき。自動音声応答サービスの多数の質問に答えた 10 分後に、 また同じ質問をオペレーターにされるときなどです。 同氏が現在熱心に取り組んでいるのは、人々の日常生活に技術を取り入れて意味のある 違いを生み、その技術を生活にスムーズに溶け込ませることです。同氏はソフトウェア 開発業界での 20 年以上の経験を活かし、2010 年に Control F1 を共同設立しました。 Control F1 は受賞歴のあるデジタル技術企業であり、ビジネス向けソフトウェアソ リューションを提供しています。これまでに、Travis Perkins グループ、Johnson & Johnson、RAC など様々な顧客企業のために、ビジネスに欠かせないソフトウェアを開 発してきました。 Q: Telematics News (TN):Control F1 における ご自身の役割を教えてください。Control F1 はスタートアップ企業であると考えて いいのでしょうか?また、会社では通常、 どのような 1 日を過ごしていますか? A: 私は、Control F1 の共同設立者であり業 務執行取締役を務めています。技術の分 野で経験を積んできましたが、常に企業 家精神に突き動かされてきました。 Control F1 ですが、企業としてはスタート アップの段階を過ぎています。しかし、 一部の主要な社内製品開発活動について は、スタートアップのようなものだと考 えています。というのも、そういった活 動では、研究開発に重点を置いているか らです。また、未来の課題を克服する非 常に新しい最先端の技術を扱っているた めでもあります。会社での私の 1 日です が、文字どおり、会社を取り仕切ってい ます。チームの士気を高めたり、共通の 目的に向かって働いていることを確認し たり。会社が目指すべき方向を見極める ために、戦略的活動に多くの時間を割い ています。 Q: Control F1 は最近、英国政府が支援して いる i-Motors プロジェクトへの参加を発 表しました。同プロジェクトのコンセプ トの背景には、どのような考えがあるの でしょうか?また、車両間通信に使用さ れる技術を教えてください。 ド(約 27 億 8,600 万円)の共同研究開発 プロジェクトを発表したとき、これこそ 関連した経験と実績を備えた優秀な人材 を集結し、テレマティクス業界で確認さ れている課題の一部を解決するチャンス だと当社は考えました。 i-Motors が目指しているのは、コネク テッドカー/自動運転車の車車間および車 両と他のマシンの間の通信方法、さらに は、通信によって収集したデータとそこ から得た情報を第三者システムで利用可 能にする方法を標準化することです。そ のために、私たちは多種多様な技術を用 いています。例えば、交通管理の専門家 である InfoHub Ltd の経験を活用し、様々 な情報源からのデータを 1 つにまとめ、 リアルタイムの動的ルート計画サービス を提供できるよう取り組んでいます。ま た、Head Communications と連携して、 無人機で利用されている見通し線圏外 (BLOS:Beyond Line Of Sight)技術を統 合してもいます。これにより、車両はイ ンターネットや GPS の範囲から外れても、 Bluetooth、Wi-Fi、衛星通信など幅広い通 信技術を通じ、サブメートル精度の通信 を継続できるようになります。 i-Motors プロジェクトの成功の鍵を握る のは、Control F1 が同プロジェクトの一環 として開発する車両クラウドコンピュー ティングプラットフォームです。このプ ラットフォームは、当社がテレマティク A:これは当社にとって絶好のチャンスです。 スソフトウェア分野で積んだ幅広い経験 をベースに構築することになります。遠 i-Motors プロジェクトを主導できること 隔測定で収集したデータを処理および管 になり、大変嬉しく思っています。自動 理し、ほぼリアルタイムでそこから情報 車技術に関しては、英国は地盤を築いて を得ることで値を導き出すことに重点を いるところです。そのため、当社は英国 置いたプラットフォームになる予定です。 の 国家的プロジェクトを担うことにより、 優位な立場でコネクテッドカー/自動運転 車のイノベーションを先導することがで きます。Innovate UK が助成金 2000 万ポ 当社は、ノッティンガム大学の施設であ る Geospatial Institute および Human Factorsと緊密に連携し、V2V アプリを介 してコネクテッドカーのドライバーに直 接、ただし押しつけがましくない方法で 状況に応じた情報を提供することを目指 します。どのようなシステムでも、導入 の際には、一般市民の信頼を確実に獲得 することが大きな課題となります。今回 のシステムについては、その課題に対応 する上で Human Factors が重要な役割を 果たしてくれます。i-Motors プロジェク トはさらに、先見の明のある 3 つの地方 自治体の支援も受けています。これらの 地方自治体は、スマートシティ技術革新 の恩恵を受けたいと考えており、動向分 析データにアクセスし、十分な情報を得 た上で、よりスマートな都市の実現に向 けた計画を決定する、リアルタイムの交 通情報を通じ、交通の流れを改善すると いった i-Motors プロジェクトの掲げる大 きな目標に共感しています。 Q: TN: i-Motors は欧州および米国の他の V2X/コネクテッドカー構想とどのように 関連していますか? A: このプロジェクトは、他の多くの V2X/ コネクテッドカー構想とは異なります。 これは、自動車はもちろん、鉄道や航空 など様々な業界の視点に立ったアプロー チを採用し、分野を越えた取り組みを 行っているためです。こうした広範にわ たる経験を活かすことで、テレマティク ス業界が現在直面している問題に対処す る際に「新たな視点」をもたらすことがで きます。 Q: RAC Advance テレマティクスプロジェ クトについて話を聞かせてください。同 プロジェクトにおける Control F1 の役割 は何ですか? RAC から最初にプロジェクトの話があっ たのは 2014 年です。当時、同社はテレマ ティクス技術関連企業を買収していると きで、買収を通じ新たに獲得した製品を ビジネスに統合するために、それを支援 してくれるスキルと経験を兼ね備えた技 術パートナーを求めていました。そこで パートナー候補として目を付けたのが Control F1 でした。RAC は当社がこの分野 で経験を有することを把握していたので す。当社の役割は当初コンサルティング でしたが、ソフトウェア開発や Tier3 サ ポートサービスなど他のサービスにまで 急速に拡大しました。(続く) Page March/April 2016 | Telematics News | 22 Telematics News An SBD Information Service EXCLUSIVE INTERVIEW Control F1 が i-Motors 車両コネクティビティの利用計画を策定 以来、当社は RAC に主要ロードマッ プ策定サービスを提供してきました。こ れは、新しいテレマティクス保険の提案 など、新製品の発表を支援するサービス です。また、RAC Advance ソフトウェア を管理する社内技術チームの構築も支援 してきました。RAC の支援を通じ、当社 は大きな実績をあげることができました。 Q:テレマティクス分野の他のプロジェク トについて教えてください。Risk Technology や Masternaut とのプロジェク トは現在も続いているのでしょうか? A:テレマティクスとモノのインターネット の両分野において、定評ある企業やス タートアップ企業と取り組んでいるプロ ジェクトが多数あります。 例えば、海運業界向けテレマティクスソ リューションを提供している顧客企業と のプロジェクトがあります。当社はクラ ウド移行における豊富な経験を活かし、 顧客の既存技術をクラウドソリューショ ンに転換する作業から開始しました。 ノッティンガム大学と連携して、顧客が 画期的な研究開発プロジェクトのために Innovate UK から助成金を確保する上で必 要なテレマティクスの専門知識の提供も 行いました。この顧客との現在進行中の プロジェクトでは、海運業界の多様な情 報源からのビッグデータをいかに保存し 管理するか、その方法に重点を置いてい ます。これにより、状況に応じた情報の 提供を支援します。この情報を海運業界 で共有すれば、可能な限り広範な地域の 港における動きや海賊行為といった動向 を確認できます。既存船舶追跡ツールを クラウドに移行した結果、顧客はリスク とコストを大幅に減らすことができまし た。新しいクラウドソリューションはさ らに、ソリューションの拡張を迅速化し、 データのアクセスおよび処理速度を劇的 に向上させています。 この顧客とのプロジェクト以外では、当 社の研究開発チームはテレマティクス業 界の主要な課題の一部を解決するために、 特許性のある多数のコンセプトに取り組 んでいます。社内プラットフォームであ り、当社の追跡ソリューションのリセ ラーに使用されている Track360 の改善も 継続的に実施しています。 Q: Control F1 の将来設計について聞か せてください。自動車メーカーやその Tier1 サプライヤーと直接関係を構築 する計画はありますか? A:当面は、i-Motors プロジェクトを支え る技術の設計および計画に注力します。 クラウドベースのプラットフォームに特 に重点を置き、その利用範囲をモノのイ ンターネット(IoT)など、さらに幅広い 分野に拡大していきたいと考えています。 きたことを、大変喜んでいます。こうし た技術の一部は、テレマティクス業界に 直接価値をもたらすでしょう。詳しくは、 今後数ヶ月にわたって発表していく予定 です。 当社は、i-Motors 利用計画の一環として 多様な選択肢を検討しており、様々な業 界との既存の関係を強化していきたいと 考えています。また、テレマティクスプ ロバイダーやスマートシティ構想を通じ た市場ルート、さらにはドライバーに直 接サービスを提供する方法を模索しても います。将来に大きな期待を寄せていま すし、ビジョンを実現できる日を心待ち にしています。 出典 : Telematics News 当社は研究開発の分野に大々的に進出し、 一連の特許性のある技術の開発を開始で リモートハッキング 脅威を緩和させることはできるのか? モバイル接続によって自動車で革新的な機能が提供されるようになりました。 しかしその一方で、自動車メーカー各社はこれまでとは違うリモート攻撃の 脅威にさらされています。 本書「コネクテッドカーのセキュリティ : 対策」(CON/SEC602)では コネクテッドカーをリモート攻撃から守るために使用可能な対策を紹介して います。本書で紹介しているソリューションの多くは、直ちに導入できる 状態にあります。 SBD ジャパン E-mail : postbox@sbdjapan.co.jp Tel : 052-253-6201 Page March/April 2016 | Telematics News | 33 Telematics News An SBD Information Service CYBER SECURITY 米国 FBI と NHTSA が、車両は遠隔攻撃に対して脆弱であると警告 自動車は遠隔での不正操作に対し、さらに脆弱に 2015 年 7 月以降にメディアで取り上げら れたように、セキュリティ研究者が自動 車サイバーセキュリティ評価の一環とし てハッキングデモを実施し、車両の遠隔 での不正操作に成功しました。分析結果 から、この研究者はワイヤレス通信の脆 弱性を悪用することで、多数の車両機能 を遠隔制御できたことが明らかになって います。特定された脆弱性は解消された ものの、消費者およびメーカーは潜在的 な脅威と、攻撃者が今後、遠隔操作によ り脆弱性をどのように悪用する可能性が あるのかを認識することが重要です。イ ンターネット接続機能を備えた第三者製 アフターマーケット端末や、診断ポート に接続するセルラー方式端末も、ワイヤ レス通信の脆弱性を引き起こす場合があ ります。 現代の車両には多くの場合、安全性機能、 燃費、全体的な利便性の向上といった利 点のために最新コネクテッドカー技術が 搭載されています。アフターマーケット 端末でも車両状態をモニタリングする新 しい機能を提供しています。しかし、こ のようにコネクティビティ機能が増える ことで、潜在的なサイバーセキュリティ 上の脅威も増します。それを消費者も メーカーも念頭に置くことが大切です。 ドライバーデータの取得や車両機能の操 作を目的として、誰かがコンピューター から車両システムに不正アクセスしよう とした場合に、車両ハッキングは発生し ます。すべてのハッキングが車両を制御 する攻撃のように安全を脅かすことにな るわけではないものの、リスクを最小限 に抑えるために、消費者は適切な対策を 講じることが重要です。このため、FBI と 米国高速道路交通安全局(NHTSA)は一 般市民と自動車/自動車部品/アフターマー ケット端末のメーカーに対し、現代の車 両に搭載されたコネクテッドカー技術に 関連して発生し得る問題とサイバーセ キュリティ上の脅威について注意を怠ら ないよう警告しています。 この 1 年で、研究者が MY2014 乗用車の ラジオモジュールに多数の脆弱性がある ことを発見し、詳細を 2015 年 8 月にホワ イトペーパーで報告しました。調査対象 となった MY2014 は、ディーラーから直 接購入したもので、改造はされていませ んでした。数ヶ月にわたって実施された この調査で、研究者は、有効なセルラー 方式のワイヤレス通信機能と、ユーザー が任意で使用可能な Wi-Fi ホットスポット 現代の車両ではコンピューターがどのよ 通信機能を攻撃しました。Wi-Fi 経由の車 うに利用されているのか? 両攻撃が成功したのは、車両から約 30 m 以内の範囲に限られました。しかし、車 車両は電子制御ユニット(ECU)という形 両の利用しているセルラーキャリアに接 でコンピューターを搭載していますが、 続した攻撃者は、キャリアが展開してい その ECU の数は増える一方です。ECU は、 る全国ネットワークのどのポイントから ステアリングからブレーキ、加速、ラン も、インターネットプロトコル(IP)アド プ、ワイパーまで、様々な車両機能を制 レスを介して車両と通信し、脆弱性を悪 御します。キーレスエントリー、点火制 用することができました。 御、タイヤ圧モニタリング、車両診断、 ナビゲーション、エンターテイメントシ 前述のケースでは、ラジオモジュールは ステムのようなワイヤレス機能を装備し 多様なワイヤレス通信およびエンターテ ている自動車部品も幅広くあります。 イメント機能を装備しており、2 つの車載 メーカーは車両システム、ワイヤレス通 コントローラーエリアネットワーク 信、診断ポートの間のやり取りを制限し (CAN)バスに接続されていました。研 ようとしているものの、車両アーキテク 究者が不正操作に成功した車両機能の例 チャに接続する機能が新たに増えること は次のとおりです。 で、攻撃者にとっては車両の制御機能や システムを遠隔攻撃するチャンスが増え 対象車両が低速(時速 5-10 マイル)走行 ることになります。診断ポートなどを介 中の場合: して車両に接続する第三者製端末もまた、 新しい場所にコネクティビティ機能を提 エンジンの停止 供することで、以前にはなかった脆弱性 ブレーキの無効化 を引き起こす可能性があります。 ステアリング 攻撃者はどのような方法を用いて車両 ネットワークやドライバーデータにアク セスするのか? 対象車両が任意の速度で走行中の場合: 脆弱性は、車両のワイヤレス通信機能、 USB/Bluetooth/Wi-Fi 経由で車両に接続す るモバイル端末(スマートフォン、タブ レットなど)、あるいは、診断ポートを 介して車両に接続する第三者製端末に存 在する場合があります。このようなケー スでは、攻撃者が遠隔操作により脆弱性 を悪用し、車両のコントローラーネット ワークや車両に保存されているデータに アクセスできる可能性があります。脆弱 性があったとしても、攻撃者が常に車両 システムのすみずみにまでアクセスでき るわけではありません。ただし、そのア クセスが重要な車両制御システムを操作 できるものであれば、消費者の安全が著 しく脅かされることがあります。 最近の車両ハッキングデモで示された、 遠隔操作による脆弱性の悪用例は次のと おりです。 ドアのロック ウィンカー タコメーター ラジオ、HVAC(冷暖房空調設備)、GPS 最近のケースで特定された脆弱性を解消/ 軽減するために、メーカーが取った対応 とは? このケースでは、攻撃者が脆弱性を悪用 した場合、重要な車両制御システムにア クセスし、それを操作することが可能に なります。また、潜在的脅威にさらされ ている車両の数は膨大です。さらに、研 究者が調査結果の大部分を公表する予定 になっていることから、脆弱性が悪用さ れる可能性は非常に高いと言えます。こ うした重要な要素に基づき、今回発見さ れた脆弱性は安全を不当に脅かすもので あると NHTSA は判断しました。(続く) Page March/April 2016 | Telematics News | 44 Telematics News An SBD Information Service CYBER SECURITY 米国 FBI と NHTSA が、車両は遠隔攻撃に対して脆弱であると警告 結果として、約 150 万台の車両がリ コールされました(NHTSA リコールキャ ンペーン番号:15V461000)。研究者によ る調査結果が公表される前に、影響を受 ける車両のセルラーキャリアが、車両と の通信に使用されるプライベート IP アド レス向けの特定のポート(TCP 6667)へ のアクセスをブロックしました。とはい え、その他の短期的な脆弱性を軽減する ために、リコールは不可避でした。 今回は、メーカーとセルサービスプロバ イダーが特定の脆弱性を軽減する対応策 を提供しました。メーカーは、対象車両 の所有者にリコールの通知をし、車両ソ フトウェアのアップデートと追加のセ キュリティ機能を収録した USB ドライブ を郵送することを発表しました。さらに、 車両所有者は、Web サイトにアクセスし て自身の車両がリコール対象かどうかを 確認し、対象である場合はソフトウェア の最新版を USB ドライブにダウンロード することもできると説明しました。車両 に USB 経由でソフトウェアアップデート をインストールする作業を自身ではした 車両へのサイバーアタックは現実味を帯 びています。コネクテッドカーのエコシ ステムには 50 以上のアタックポイントが 存在しています。SBD では車内、モバイ ルネットワーク経由及びバックエンドの IT インフラストラクチャまで、エコシス テム全体のセキュリティを考えることの 重要性とそれぞれにある潜在的脅威を提 示したレポート「コネクテッドカーのセ キュリティ : アタックポイントとその方 法」を発行しています。 レポートに関するお問合せは SBD ジャパン postbox@sbdjapan.co.jp ま で。 くないという場合は、ディーラーにイン ストールを依頼することも可能であると しています。 出典 : US FBI GM が、サイバーセキュリティ上の脆弱性を発見するようハッカーに依頼 General Motors は車両ファイアウォールを強化するために、ハッカーの力を借りようとしています。 米国最大手の自動車メーカーである GM が、今年に入って開始した「協調的な暴 露」という取り組みについて説明しました。 これは、GM 車両、Web サイト、ソフト ウェアに存在するサイバーセキュリティ 上の問題をコンピューター研究者に特定 してもらうというものです。 シリコンバレーの電気自動車メーカーで ある Tesla などの企業は、いわゆるバグ発 見報奨金プログラムを実施しています。 これは、ソフトウェアの脆弱性を外部の ハッカーに悪用される前に発見した研究 者に報奨金を支払うというものです。GM の取り組みは、このプログラムを参考に したものですが、バグを発見したハッ カーが得るのは報奨金ではありません。 ハッカーが脆弱性を一切公表しない限り、 GM がそのハッキング行為に対し法的措置 を取ることはないという確約です。 GM のこの取り組みは 1 月に開始しました。 折しも、リコールや規制機関による調査 につながった自動車サイバーセキュリ ティ上の脆弱性に対する関心が高まりを 見せていました。というのも、昨年、研 究者が車両ハッキングデモを実施し、走 行中の Jeep を何マイルも離れた場所にあ るラップトップで遠隔制御できることを 示したのです。この結果、親会社の Fiat Chrysler は100 万台以上のリコールを行う ことになりました。 Jeep で発見された脆弱性が原因で負傷者 が出ることはなく、Fiat Chrysler はこの問 題を迅速に解決しました。車両ハッキン グのほとんどは、道路を走行している車 両を無作為に狙うのではなく、研究者が 調査対象車両にアクセスしようと徹底的 に試みて初めて成功しています。しかし、 こうしたハッキングデモにより、交通安 全推進者、規制機関、連邦議会の立法者 の間で、車両技術に関連する制御機能と 個人情報の両方がサイバー攻撃に対し脆 弱なのではないかという懸念が増してい るのは事実です。 どの自動車メーカーも、大手の小売業者、 銀行、米国政府が以前にサイバー攻撃で 受けたような深刻な被害が発生する前に、 潜在的問題を把握しようと努めています。 「何より喜ばしいのは、自動車業界が問題 を未然に防ぐために対応しているという ことです」と GM の最高製品サイバーセ キュリティ責任者である Jeff Massimilla 氏 は言います。 昨年、研究者が車両ハッキングデモを実 施し、GM 車両の下に端末を取り付け、同 社の OnStar スマートフォンシステムを使 用することにより、遠隔操作で車両の位 置特定、解錠、エンジン始動という軽度 の攻撃が可能であることを示しました。 この際、GM は正式なリコールを行うこと なく問題を迅速に解決し、それを顧客に 通知しました。また別のデモでは、電気 自動車メーカーである Tesla の車両がハッ キングされ、同社はセキュリティアップ デートを発行しました。 自動運転車や自動運転機能搭載車両の出 現により、自動車メーカーはサイバーセ キュリティの強化という新たな作業に急 ピッチで取り組んでいます。インター ネット接続機能やソフトウェアで制御さ れる機能(自動緊急ブレーキ、アダプ ティブクルーズコントロールなど)を搭 載した新車は増えているため、サイバー セキュリティ上の脆弱性が存在すること で、消費者の安全がますます脅かされる ことになります。(続く) 出典 : US FBI Page March/April 2016 | Telematics News | 55 Telematics News An SBD Information Service CYBER SECURITY CYB-701 GM が、サイバーセキュリティ上の脆弱性を 発見するようハッカーに依頼 GM は自社車両に存在する脆弱性を発見し た研究者に最終的には報奨金を支払うだ ろうと Massimilla 氏は話しています。こ の取り組みの最大の利点の 1 つは、GM が サイバーセキュリティ研究者との関係を 構築できる点であると言います。業界全 体でサイバーセキュリティ上の脅威に関 する情報を共有できるグループを作った ことで、破壊的被害をもたらす攻撃を回 避しようとする際に、自動車メーカーは 常に先手を打つことができると同氏は述 べています。 米国国土安全保障省のサイバーセキュリ ティ部門プログラム管理者である Dan Massey 博士は、連携している自動車メー カーは人事局を襲ったようなサイバー攻 撃を回避できるであろうと話しています。 「これまでに脆弱性を悪用するデモが研究 者により実施されてきましたが、いずれ の攻撃も、現実に行われたことはないの です」と同博士は指摘します。 車両へのサイバーアタックは現実味を帯 びています。コネクテッドカーのエコシ ステムには 50 以上のアタックポイントが 存在しています。SBD では車内、モバイ ルネットワーク経由及びバックエンドの IT インフラストラクチャまで、エコシス テム全体のセキュリティを考えることの 重要性とそれぞれにある潜在的脅威を提 示したレポート「コネクテッドカーのセ キュリティ : アタックポイントとその方 法」を発行しています。 レポートに関するお問合せは postbox@sbdjapan.co.jp まで。 コネクテッドカーの セキュリティ リスクとコストの バランス要素 出典 : Wall Street Journal Harman が自動車サイバーセキュリティ企業 TowerSec の買収を完了 Harman は TowerSec の買収を無事に完了 したことを発表しました。TowerSec は自 動車サイバーセキュリティソリューショ ンのグローバルプロバイダーとして、コ ネクテッドカーの車載ネットワーク保護 を専門に扱っていました。 「コネクテッドカー、さらには自動運転車 の完全性は、車両とドライバーを不正な 侵入から徹底的に保護するセキュアなシ ステムにかかっています」 「HARMAN の自動車サイバーセキュリ ティプラットフォームおよび技術は業界 トップクラスの包括性を誇りますが、そ れが TowerSec によってさらに強化されま す。TowerSec のソリューションはもちろ ん、豊富な人材と専門知識を当社に加え ることができ、大変嬉しく思います」と Harman の会長、社長、最高経営責任者で ある Dinesh C. Paliwal 氏は言います。 TowerSec の ECUSHIELD および TCUSHIELD 埋め込み型車両ソフトウェア セキュリティ製品は、重要な車両システ ムおよび機能をハッキングと侵入から保 護するために、Harman の 5+1 層のセ キュリティアーキテクチャに統合される 予定です。このような保護機能は、すべ てのコネクテッドカー/自動運転車の必要 条件となっています。TowerSec は受賞歴 を有し、自動車サイバーセキュリティ企 業としてグローバルにビジネスを展開し てきました。主要な自動車業界団体から 高い評価を得ています。2015 年には、 「The North American International Auto Show’s Hottest Startup(北米国際自動車 ショーで最も注目のスタートアップ企 業)」に選ばれました。 取引コストと購買会計調整費を除き、こ の買収取引は 2016 年会計年度において営 業収益の希薄化(希薄化後の 1 株当たり 利益は約 0.05 ドル減)につながると HARMAN は見積もっています。TowerSec の買収は、TowerSec が HARMAN コネク テッドカー部門に新たに加わったという 形で発表される予定です。 本書ではサイバーセキュリティ への資金投資をするにあたって の主な課題について明らかに しています。 脅威の特定、そうした脅威の 定量化と優先順位付け、現実的 な対策とアクションプランの 開発という 3 つのステップを 設け、各ステップの詳細に加え それぞれの相関関係についても 解説しています。 「コネクテッドカー のセキュリティ : リスクと コストのバランス要素」 に関するお問い合わせは 下記まで 出典 : Harman postbox@sbdjapan.co.jp 052 253 6201 Page March/April 2016 | Telematics News | 66 Telematics News An SBD Information Service 最新情報 戦略構築 評価・分析 2016 年市場動向予測 ガイドライン公開後も対策が必要とさ れる サイバー攻撃 SAE が新しく公開したサイバーセキュリティガイ 消費者がカギとなる自動運転車 2015 年はより多くの 自動車メーカー CEO が、自 動運転車に関する企業方針を明らかにした年でし た。一方、自動運転車の実現にはドライバーニー ズの正確な理解が不可欠となります。 ドラインは、自動車メーカー各社がサイバーセ キュリティ分野での企業戦略を構築する上で重要 な指針となります。しかしガイドラインの設定は、 ハッキングの巧妙化の防ぐわけではなく、自動車 メーカー各社では常に動向を注視し継続的な対策 をとる必要があります。 1 2 大手企業の参入 2015 年に Apple と Google は今後、自動車業界 への参入を強化する方針を明らかにしました。 また Sony と Microsoft は業界に大きな影響を及 ぼす新しい技術の開発に取り組むことを明らかに しており、さらなる競争の激化が予想されます。 3 5 キラーアプリケーションとなりうる内部データ コネクテッドカーサービスは今後も拡大する事が予想 されています。自動車メーカーの多くがコネクティビ ティの価値を認識し、FOTA(Firmware Over The Air) でのデータ更新や、VRM(Vehicle Relationship Management)による車両管理などの新しいソリュー ションに着目した戦略を実施すると見られています。 4 パートナー選定の重要性 サービスプロバイダーの選定は自動車メー カーにとって重要で、その状況は 2016 年 も変わることはありません。目的に適した パートナーを選定するには、市場の状況を 正確に理解する事が不可欠となります。 Page March/April 2016 | Telematics News | 77 Telematics News An SBD Information Service 6 52 億ユーロへの成長が期待される欧州の ADAS 市場 ADAS 市場はカメラベースソリューションの飛躍的な装着率の増加により 2016 年には 52 億ユーロ(約 6,550 億円)を超えることが予想されて います。 低価格ステレオカメラ 単一カメラを利用することで最もコス ト効率よく車線逸脱警報や衝突軽減ブ レーキなどの ADAS アプリケーション を提供することができます。しかし 2016 年には単一カメラ技術を提供して いる Mobileye などにとって競合とな る、 低価格な次世代ステレオカメ ラの登場が見込まれます。 7 中国がコネクティビティの新時代に突入 中国市場に初めてテレマティクスソリューションが導入された当 時かなり大々的な宣伝活動が行われましたが、当初の期待ほど市 場に定着することはありませんでした。しかし、自動車メーカー 各社が魅力的なユーザー体験の重要性を理解した今、2016 年は 自動車業界の調査と再編成に力を入れると 見られています。 と再編成に力を入れると見られてい ます。 8 SBD による 2016 年市場動向予測 各市場動向を取り上げた関連レポート 1 5 車両管理 2 自動運転エンドユーザー調査(米国) : 現 行 ADAS システムおよび未来の自動運転車 の総合分析 レポートシリーズ コネクテッドカーのセキュリティ 6 ADAS 市場調査 – 欧州/ 米国 / 中国 3 コネクテッドカー総合ガイド/ 市場予測 (欧州/米国/中国) 7 ADAS ガイド – 欧州/米国/中国 4 テレマティクスサービスプロバイダー 進化 しつつある車載システムインテグレータの 役割 8 中国テレマティクスベンチマーク評価 SBD ジャパン e-mail : postbox@sbdjapan.co.jp tel : 052-253-6201 Page March/April 2016 | Telematics News | 88 Telematics News An SBD Information Service CONNECTED CAR INRIX が OpenCar を買収し、Autotelligent 運転支援システムを発表 世界有数の動的コネクテッドカーサービスプロバイダーである INRIX が、米国を拠点とする車両ソフト ウェアおよびサービスプロバイダーである OpenCar の買収を完了しました。 AUT802-161 V2X ガイド 車車間/路車間通信の グローバル最新動向 (AUT802-161) OpenCar の買収によって、実績のある INRIX クラウドプラットフォームを幅広い 第三者コンテンツおよびアプリとともに ダッシュボードにもたらし、自動車メー カーの完全制御下にありながらもカスタ マイズが可能なユーザーエクスペリエン ス(UX)を提供できます。 「現在、世界中のコネクテッドカーの半数 以上が INRIX サービスを利用しています。 2020 年までに、道路を走行しているコネ クテッドカーの台数は 2 億 5000 万以上に なるでしょう」と INRIX の社長兼最高経営 責任者である Bryan Mistele 氏は語ります。 「OpenCar を買収したことで、INRIX は運 転席で既存のコネクテッドサービスを提 供するとともに、次世代型車両エクスペ リエンス向けに特別に設計されたユニー クで使いやすいアプリをデジタルダッ シュボードに新たに届けることができま す」 OpenCar は、業界唯一のホワイトレーベ ルかつ標準ベースのアプリ開発環境およ びフレームワークを提供します。過去 5 年間、マツダ株式会社との戦略的提携に より支援されてきました。カスタマイズ を自動車メーカー固有のものに限定し、 機密性の高い車両データへのアクセスを 要求する Google の Android Auto や Apple CarPlay とは異なり、OpenCar フ レームワークはインフォテイメントエク スペリエンス全体にわたって、自動車 メーカー により完全に制御されながらも、ブラン ド/モデル/地域固有のタッチおよび音声イ ンターフェースに対応します。この独自 の機能によって、OEM は自社ブランドを 強化し、車内で提供する様々な情報、メ ディア、位置ベースアプリを通じて顧客 のニーズを満たすことができます。 OpenCar は高度な車両システムにより生 成されたデータを理解するよう設計され ていますが、データの使用/共有/保存方法 は自動車メーカーの完全な制御下にあり ます。 INRIX が OpenCar で実現しようとしてい るのは、自動車メーカーやサプライヤー がこれまでに作成してきたような独自仕 様のソリューションではありません。 INRIX は 10 年にわたり自動車レベルのク ラウドベースソリューションを提供して きた実績を活かし、OpenCar を初の拡張 可能なグローバル車両アプリプラット フォームへと発展させようとしているの です。OpenCar は、業界全体にわたる オープンなエコシステム向けにアプリを 作成するための開発者ツールおよびサー ビスを提供します。また、異なるメー カーやモデルにわたってアプリを展開で きますが、各自動車メーカーが独自の顧 客エクスペリエンスを創出することも可 能です。 数百もの企業から約 1,300 人のデベロッ パーが登録しているアプリエコシステム は、宿泊施設、オーディオブック、都市 現在の自動車業界では、コネク ティビティと自動化のレベルが さらに向上した車両開発を推し 進めています。V2X は市場成熟ま でにはいまだ時間がかかるもの の、既に車両とインフラを結ぶ ソリューション候補として検討 されており、情報を絶えず共有 する収益構造を形成しています。 本書は 2014 年 1 月に発行した 「V2X ガイド」の更新版として作 成しました。主に下記に関して 概説しています。 • 様々な地域における主な進展 と V2X は各市場にどのように 導入される見込みか • V2X の導入を推進するために 解決が必要な主な課題 • V2X が様々なレベルの自動化 に及ぼす影響と V2X の導入が 実現し得る時期 「V2X ガイド 車車間/路車間通信の グローバル最新動向」に関するお 問い合わせは下記まで postbox@sbdjapan.co.jp 052 253 6201 ガイド、インターネットラジオ、駐車場、 レビューなどをカバーしています。さら に、自動車メーカーは OTA(Over-TheAir)アップデート、検証、モデルまたは 地域固有の仕様など、世界中の車載アプ リをライフサイクル全体にわたって管理 することができます。(続く) Page March/April 2016 | Telematics News | 99 Telematics News An SBD Information Service CONNECTED CAR INRIX が OpenCar を買収し、Autotelligent 運転支援システムを発表 INRIX は全主要地域において、提供 するコンテンツおよびアプリを継続的に 増やしていくことに力を注いでいます。 それが、現在の市場で見られる他のソ リューションとの大きな差別化要因に なっています。Audi、BMW、Ford、Lexus、 Mercedes-Benz、Porsche、Rolls Royce、 Tesla、トヨタ、Volkswagen など主要自動 車メーカーの車両ですでに利用可能な INRIX の動的サービスと組み合わされるこ とで、OpenCar プラットフォームはコネ クテッドカーエクスペリエンスを大改革 するという、他のプラットフォームには ない独自の可能性を獲得します。 プラットフォームです。クラウドベース の機械学習システムを採用しており、ド ライバーの習慣(いつ、どこへ行くか)、 頻繁に訪れる場所、好みのルートといっ た情報に基づき、ルート指定を予測する ことが可能です。ユーザーのカレンダー と連絡先にアクセスすることで、予定さ れている移動についてパーソナライズさ れた行程を日毎に自動作成します。さら に、ルートの好み、交通渋滞、危険な道 路条件、車両センサデータ(燃料残量な ど)に基づき、運転前と運転時間になっ たときに警告するインテリジェントな機 能も提供します。 「このコネクテッドカーという重要な分野 の競争力を強化できるのは、喜ばしいこ とです」と Audi の Audi connect および HMI 開発部門責任者である Marcus Keith 氏は話します。「INRIX と OpenCar の組み 合わせは、新しいアプリを提供する上で 非常に優れた力を発揮するでしょう」 Autotelligent は INRIX の他のドライバー サービス(道路の天候条件に関する警報、 自動車/徒歩/公共交通機関での移動を組み 合わせたルート指定、リアルタイムの交 通情報、動的な路上/路外駐車場情報な ど)を 1 つのプラットフォームに統合す ることで、統合とサービス提供を簡素化 します。 インテリジェントでパーソナライズされ た、シームレスなドライバーエクスペリ エンス INRIX はまた、Autotelligent の発表もして います。Autotelligent は次世代型運転支援 Autotelligent は OpenCar とシームレスに 連動し、コネクテッドカー向けの完全な インフォテイメントプラットフォームを 作り上げます。INRIX によって自動車メー カーは、レストランの検索からラジオ ニュースの利用、危険な道路条件の回避、 駐車場の予約まで、ドライバーに代わっ て様々な役割を果たすインテリジェント な車載アプリを作成することが可能です。 「車載アプリ開発の標準化は業界にとって 大きな節目であり、当社の顧客にとって は主要な差別化要因になるでしょう」と INRIX の上級バイスプレジデント兼自動車 部門統括マネージャーである Andreas INRIX は今後も OpenCar アプリ管理ツー ルの運用と既存顧客へのサービス提供を 継続し、シアトルの OpenCar オフィスを 維持する予定です。OpenCar の買収の結 果、INRIX は本社のあるワシントン州カー クランドでだけでなく、シアトルエリア でも存在感を示せるようになるでしょう。 この買収契約条件は開示されません。 INRIX は 2015 年 8 月に、カリフォルニア 州サンタモニカの ParkMe も買収していま す。ParkMe は世界中の駐車場の場所、空 き状況、予約に関する情報およびサービ スの提供を専門とし、この分野を牽引し ていた企業です。 出典 : INRIX CON527a-151 「OpenCar により、自動車メーカーは運転 をもっと簡単かつ安全で楽しいものにす る総合的な車載アプリエコシステムを構 築できます」と OpenCar の最高経営責任 者である Jeff Payne 氏は言います。 「INRIX を通じて、私たちは OpenCar アプ リプラットフォームの普及を地理的にも、 さらに多くの OEM の間でも、より迅速に 拡大していく機会を得ました」 Hecht 氏は述べています。「それを高度な クラウドベースの学習技術と組み合わせ ることで、INRIX は自動車メーカーに Apple や Google のソリューションに代わ る正規の車載アプリプラットフォームを 提供することができます」 交通情報サービス ガイド 2016 年 (CON527-163) 交通情報サービスプロバイダー は通信型駐車場情報、天気情報、 ガソリン情報など交通情報以外 のサービス提供国を拡大して います。 本書では、各サプライヤーの 交通情報、通信型ガソリン情報、 駐車場、天気、EV 情報に関する 情報を分かりやすく掲載して います。 「交通情報サービスガイド 2016 年」(近日発行予定)に関す るお問い合わせは下記まで postbox@sbdjapan.co.jp 052 253 6201 Page March/April 2016 | Telematics News | 10 Telematics News An SBD Information Service CONNECTED CAR 米国:AT&T による 2G サービス終了に伴い、日産がリーフ車両テレマ ティクスのアップデート費用を一部負担 ほとんどの日産リーフ車両所有者は、NissanConnectEV 車載機能を維持したい場合は年内にアップデート費用 を支払う必要があります。日産はアップグレードプロセスの詳細を今夏発表する計画です。 CON607-154 ほとんどの日産リーフ車両所有者は、 NissanConnectEV 車載機能を維持したい 場合は年内にアップデート費用を支払う 必要があります。日産はアップグレード プロセスの詳細を今夏発表する計画です。 NissanConnectEV(旧カーウイングス)は 電気自動車「リーフ」に搭載のテレマティ クスシステムです。車両の温度調節/充電 状況などの遠隔モニタリングを可能にし ます。通信事業者 AT&T の古い 2G セル ラーネットワークを利用しますが、AT&T は 2G を 2016 年末に終了する予定です。 NissanConnectEV をアップグレードしな ければ、その便利な機能をリーフ車両で 使用し続けることができなくなります。 日産の声明によると、この機能を引き続 き利用するには、リーフ車両に新しいテ レマティクス制御ユニットを搭載する必 要があるということです。日産はユニッ トの準備が整い次第、顧客に通知すると しています。 ただし、ほとんどのリーフ車両所有者に とって、このユニットのアップデートは 無料ではありません。2015 年モデルの リーフ車両所有者については、日産が アップグレード費用を全額負担するとし ています。一方、2011-2014 年モデル車両 (約 55,000 台、Green Car Reports 調べ) の所有者については、「ユニットおよびそ の取り付けにかかる費用の一部」のみを負 担するということです。 日産公式声明 AT&T は 2016 年末をもって、2G セルラー ネットワークを終了します。これを受け、 リーフ車両テレマティクスシステムの移 行を円滑に進めるために、日産は 20112014 年モデルの日産リーフ車両に搭載の テレマティクス制御ユニット(TCU)の アップデートに必要なユニットおよびそ の取り付けにかかる費用の一部を負担い たします。また、2015 年モデルのリーフ 車両に搭載の TCU については、アップ デートに必要なユニットおよびその取り 付けにかかる費用の全額を負担いたしま す。NissanConnect EV にまだ登録されて いないお客様は、12 月 31 日まで 2G ネッ トワークでサービスを利用できるように するために、6 月 30 日よりも前に Nissan Owner Portal 経由で登録手続きを完了し てください。 日産は、TCU ハードウェアの準備が整い 次第、影響を受けるお客様に直接ご連絡 し、TCU アップグレードオプションの詳 細情報をお伝えします。 4G 通信が車に導入され、古い 通信方式の廃止検討される中、 通信方式の選択自動車メーカー にとって重要な問題となってい ます。また通信キャリアが提唱 するプログラム可能な SIM や データシェアリングプランは、 テレマティクスに新しい可能性 をもたらしつつあります。 本書では最新の M2M 通信技術 ソリューションについて解説し ており、 OEM やテレマティク スートナー企業が長期に渡り有 効で拡張性の高い M2M 戦略を策 定するに当たり、社内の検討段 階で役立つ内容となっています。 本書に関するお問い合わせは 下記まで postbox@sbdjapan.co.jp 052 253 6201 出典: Autoblog, Nissan ジュネーブモーターショー2016 本書は 2016 年 3 月 3 日から 13 日までスイス・ジュネーブで開催された ジュネーブモーターショー 2016 での最新動向をまとめたレポートです。 本書に関するお問合せは postbox@sbdjapan.co.jp / 052 253 6201 まで。 GENEVT16-03 日産は、新しいテレマティクス制御ユ ニットの価格については検討中としてい ます。「現在、費用や価格といった詳細の 最終決定に向け、話し合っているところ です。新たな情報は、2016 年夏の終わり 頃から順次、影響を受ける顧客に通知し ていく予定です」と同社の広報担当者であ る Paige Presley 氏は Autoblog に語って います。 コネクテッドカーに おけるM2M通信技術・ SIMの動向~新たな ニーズと戦略、主要 プレーヤーの取組 (CON607-154) Page| 11 March/April 2016 | Telematics News 11 Telematics News An SBD Information Service CONNECTED CAR ルノー・日産アライアンスと Continental が HERE 地図協議会に加入か? Daimler の最高経営責任者である Dieter Zetsche 氏が Reuters に語った話によると、HERE デジタル地図事業を 管理しているドイツの自動車メーカー協議会が新会員候補と話し合いを進めているということです。 昨年 8 月、ドイツの自動車メーカーであ る BMW、Audi、および Mercedes-Benz が自動運転車開発に向けた取り組みの一 環として、25 億ユーロ(28 億ドル)を払 い Nokia の高解像度地図事業を買収する ことで合意しました。 Daimler はすでに、HERE 地図事業を拡大 する準備ができています。同事業は対話 型地図の基礎を成すことになります。こ の対話型地図は交通の流れに関するリア ルタイムデータを含み、そのデータは BMW、Audi、Mercedes-Benz の車両に搭 載された何千ものセンサから収集されま す。 12 月に契約を締結し、自動車メーカー 3 社は新会員候補との交渉を開始したと Zetsche 氏はインタビューで明かしました。 「このプラットフォームを積極的に拡張し ていきたいと考えていますし、そのため の手段を確保するつもりです」と Zetsche 氏は話します。 Mercedes-Benz がポルトガルで開催した ドライブイベントで「自ら加入を希望して くれる企業があれば、話が早く、ありが たいのですが。それでも、最初の 1 社が 加入を確約するまで、それほど長くはか からないと思います」と同氏は話していま す。. HERE 地図事業は資本をさらに増やし、そ の地図システムを自動運転車向けナビ ゲーションツールとして利用できるよう にする必要があります。協議会の会員と なる自動車メーカーを増やすことで、よ り多くの会員にコスト負担を求めるとと もに、道路を走行中の車両から地図に供 給されるリアルタイムの交通情報の量を 増大できる可能性があります。 先週、自動車メーカーのルノー・日産ア ライアンスとサプライヤーの Continental は、HERE 地図協議会に資本参加すること を検討していると言及しました。 HERE のシステムのようなインテリジェン トな地図システムは、ワイヤレスネット ワークに接続されている自動運転車に とって、近隣の充電ステーションまでの ルートや周辺で発生している交通渋滞/事 故を回避するルートを再計算する場合な 同氏によると、超高速 5G ネットワークを 普及させる方法について、電気通信業界 と話し合ってもいるといいます。 どに拠り所となるものです。 新会員候補との話し合いは 2 ヶ月ほど前 に開始したばかりですが、これは、協議 会が契約を締結するまで、新たな会員候 補との交渉を控えていたためだと Zetsche 氏は説明します。現会員はわずか 3 社で あるため、契約締結のための交渉はシン プルであったと言います。 「今後は、ルノー・日産アライアンスと Continental の他にも、会員候補が出てく るでしょう」と同氏は言い添えます。 インターネット業界から自動車業界に参 入してきたライバルである Alphabet がプ ロトタイプ自動運転車を発表したことを 受け、ドイツの自動車メーカー 3 社は協 議会を結成し、自動運転車計画推進に向 けた資本調達のために協力し合うことを 決めました。 Mercedes-Benz、BMW、Audi の 3 社はま た、地図事業に関する協力関係を拡大可 能かどうか見極めている最中であるとい うことです。 「ナビゲーションに関しては、私たちはほ ぼ同じニーズを抱えています。このため、 ナビゲーションの通信規格、話す言語、 送信する信号は、3 社でともに決定するこ とができます」と Zetsche 氏は語ります。 Daimler は、デジタル事業の発展を支援し てくれるソフトウェアおよび IT 専門家を 探しており、そのためのさらなる買収も 視野に入れています。 「協議会では、適切な人材を獲得するため に、今後も買収を続けていきます」と Zetsche 氏は述べます。ただし、協議会と しての買収契約について現在進んでいる 話はないとしています。一方、Daimler は すでに MyTaxi App を買収しており、それ より小規模な企業の買収もいくつか予定 しているといいます。 出典 : Reuters EENA が第三者 eCall の認証基準の設定を計画 EENA は「Certificate of Quality Standard for providers of Third Party Service (TPS) eCall(第三者サービス(TPS)eCall プロバイダー向け品質基準認証プログラム)」を開始予定であると発表しました。 EENA がこの品質基準認証プログラムを作 成した目的は、欧州市民向け TPS eCall サービスの品質を最大限に高めることで す。同プログラムによって、TPS eCall プ ロバイダーは初めて、自身の eCall サービ スを eCall 専用に設けられた基準と照らし て評価できるようになります。同プログ ラムでは、作業手順と運用上の問題に重 点を置いています。例えば、人材育成、 品質の原則の順守、文書化プロセス/手順 などです。 「Certificate of Quality Standard for providers of TPS eCall(TPS eCall プロバイ ダー向け品質基準認証プログラム)」は 2016 年下期から開始予定です。EENA は すべての TPS eCall プロバイダーに対し、 同プログラムが開始したら認証を申し込 み、欧州市民に対し最良のサービスの提 供を保証するよう呼び掛けています。ま た、必要な助言をするために、TPS eCall プロバイダーに連絡することも予定して います。 出典 : EENA SBD では欧州、米国、中国、ロシア、ブ ラジルおよびその他の地域における法規 制を取り上げ、それらが自動車メーカー、 Tier-1 サプライヤーなどに与える影響を解 説したレポート「コネクテッドカー 法規 制編」(CON528)を四半期ごとに発行し ています。本書に関するお問合せは postbox@sbdjapan.co.jp / 052 253 6201 ま で。 Page March/April 2016 | Telematics News | 12 Telematics News An SBD Information Service CONNECTED CAR 英国:BIBA が、テレマティクスベースの保険契約件数が 40% 増加して いると報告 英国保険ブローカー協会(BIBA:British Insurance Brokers’ Association)が最近実施した年間調査の結果、 ブラックボックス保険を含むテレマティクスベースの車両保険契約件数が 40% の伸び率を示している ことがわかりました。 EENA がこの品質基準認証プログラムを作成した目的は、 欧州市民向け TPS eCall サービスの品質を最大限に高める ことです。同プログラムによって、TPS eCall プロバイダー は初めて、自身の eCall サービスを eCall 専用に設けられた 基準と照らして評価できるようになります。同プログラム では、作業手順と運用上の問題に重点を置いています。例 えば、人材育成、品質の原則の順守、文書化プロセス/手順 などです。 「Certificate of Quality Standard for providers of TPS eCall (TPS eCall プロバイダー向け品質基準認証プログラム)」 は 2016 年下期から開始予定です。EENA はすべての TPS eCall プロバイダーに対し、同プログラムが開始したら認証 を申し込み、欧州市民に対し最良のサービスの提供を保証 するよう呼び掛けています。また、必要な助言をするため に、TPS eCall プロバイダーに連絡することも予定していま す。 出典 : Reuters SBD では欧州、ロシア、中東における複雑な eCall 展開を 含む各政府による車載アクティブセーフティシステムの普 及に影響を及ぼす政策、義務化などの最新動向を掲載した CON614-161 レポート「セーフカーガイド 法規制および市場動向」 (AUT535)を四半期ごとに発行しています。本書に関する お問合せは postbox@sbdjapan.co.jp / 052 253 6201 まで。 テレマティクス保険 本格普及に向けた環境は整ったか? 本書では UBI(利用ベース自動車保険)の普及に影響を与える要素について解説して います。 ドライバーのメリット : ドライバーが UBI を検討する気にさせる優遇措置。現行商品 に十分な魅力があるか 保険会社のメリット : 保険会社がテレマティクス保険を提供する動機とは OEM のメリット : UBI が自動車メーカーにもたらすチャンス。UBI 対応製品を既に提供 しているメーカーとは アフターマーケットの UBI : 最も市場に浸透しているアフターマーケット商品の概要 と商品間の違い さらに各 OEM が現在提供している UBI 商品を紹介しています。 本書に関するお問い合わせは下記にて承っております。 E-mail : postbox@sbdjapan.co.jp / Tel : 052 253 6201 Page March/April 2016 | Telematics News | 13 Telematics News An SBD Information Service CAR SHARING AND MOBILITY カナダ:バンクーバーのドライバーが車両を売却してカーシェアリング サービスを利用か? 新しい調査によると、カーシェアリングサービスの利用しやすさが向上すれば、所有車両を売却する メトロバンクーバーのドライバーが増える可能性があるということです。 かと真剣に考えるようになっています」 この調査では、メトロバンクーバーの車 両所有者の 57% が、カーシェアリングの 利点を考え、所有車両の売却を検討する 可能性があると回答しています。世代別 に見ると、ミレニアルズ世代では 85%、X 世代では 55% が同様の回答をしています。 車両の売却を検討する可能性があると回 答した車両所有者の間では、車両整備費 用(37%)と燃料費(34%)を省けること がカーシェアリングの一番の魅力となっ ています。 Insights West がバンクーバーのカーシェ アリング協同組合である Modo と共同で オンライン調査を実施したところ、過去 1 年間にカーシェアリングサービスを利用 したことのあるメトロバンクーバーの住 民の割合は 13% でした。この割合はミレ ニアルズ世代(18-34 歳の住民)では 22% に上がり、55 歳以上のドライバーでは 5% に下がります。 この調査に参加したミレニアルズ世代の 70% が、カーシェアリングサービスは「自 分と同じ年齢層の人にとって魅力的 な選択肢である」という意見に賛成または 強く賛成と回答しています。 「カーシェアリングはメトロバンクーバー 全体で確実に増えています。人々はその 利点に気付き始めており、個人で車両を 所有することに対する考え方が変わりつ つあります」と Insights West のバイスプ レジデントである Mario Canseco 氏は調 査報告の中で述べています。「55 歳未満 のメトロバンクーバーの住民のほとんど が、所有している車両を売却してカー シェアリングを開始すべきときではない メトロバンクーバーには Evo、Modo、 Zipcar、Car2Go の 4 つのカーシェアリン グサービスがあります。これらのサービ ス間で 2,182 台の車両を共有していますが、 その車両のほとんどはバンクーバー市外 へ行くドライバーには提供されていませ ん。 出典 : Vancouver Sun CON615-161 オートモーティブモビリティ 接続型車両によるモビリティソリューション 「モビリティ」は明確に定義されていないコンセプトで、様々な解釈が存在し ます。本書では、自動車メーカーに最も影響を及ぼし得る分野、かつ自動車 メーカーが最も関与している分野である、マルチモーダル交通サービス、 カーシェアリング、ライドシェアリングに特に焦点を当てています。 またカーシェアリングおよびライドシェアリングといったサービスの成長が 自動車メーカーに及ぼす影響や、新たなビジネスサービスがどのような オプションを設定しているのかについて検証するとともに、自動車メーカー が開発中のマルチモーダル交通サービスを分析します。 本書に関するお問い合わせは下記にて承っております。 E-mail : postbox@sbdjapan.co.jp / Tel : 052 253 6201 Page March/April 2016 | Telematics News | 14 Telematics News An SBD Information Service CAR SHARING AND MOBILITY PSA が「Interparc Connect Management」モビリティサービスを発表 PSA Peugeot Citroën グループの財政上のパートナーである Crédipar は、事業者向けコネクテッドモビリティ ソリューション「Interparc Connect Management」を発表しました。 1 ヶ月 9.50 ユーロ(約 1,100 円)、付加価 値税別) パッケージ 2:パッケージ 1 + エコドライ ブ機能(ユーザーごとの運転中の挙動の レポート、パーソナライズされたアドバ イスなど)を利用し、会社としての燃料 費と CO2 排出量を削減(車両 1 台につき 1 ヶ月 10.50 ユーロ(約 1,200 円)、付加 価値税別) テレマティクス車両管理システムとして 設計された Interparc Connect Management は、コネクテッドカーの車 載コンピューターからデータを取得する ためのワンストップソリューションです。 取得データには、長期リースによる資金 調達契約、さらには著しい超過使用に対 する警告、修理、車両の更新、点検、整 備に関する情報が含まれます。Interparc Connect Management では、信頼性の高 い車両関連データや、リアルタイムの走 行距離、著しい走行距離超過に対する警 告、燃料消費量、CO2 排出量、地理位置 情報といったデータをアップロードでき ます。 Interparc Connect Management は、ほと んどの Peugeot/Citroën 乗用車および DS の Business トリムバージョンに標準搭載 されているテレマティクスボックス (Peugeot の場合は「Connect SOS」、 Citroën と DS の場合は「Connect Box」) を使用します。Business トリム以外の車 両には、PSA Peugeot Citroën 製品リスト に掲載されているオプションのボックス (Peugeot、Citroën、DS のディーラーで 購入可能)を搭載できます。ボックスは オプションとして顧客の全車両に搭載す ることも可能です。その際、車両のブラ ンドは問いません。 Peugeot、Citroën、または DS のディー ラーで Crédipar 長期リース契約をしてい る事業者は、Interparc Connect Management に申し込む資格があります。 このソリューションには、次の 3 つのオ プションパッケージが用意されています。 パッケージ 1:実際の走行距離と燃料消費 量を測定するための車両管理、整備スケ ジュールの設定、自動警告を通じて車両 1 台 1 台をモニタリング(車両 1 台につき パッケージ 3:パッケージ 2 + 地理位置情 報技術(最適化された行程管理、顧客が 設定した Point of Interest(POI)が近隣に あることを通知する機能など)。「匿名」 モードも利用可能(車両 1 台につき 1 ヶ月 11.50 ユーロ(約 1,300 円)、付加価値税 別) 上記のオプションは、Crédipar 顧客向け Interparc サービスを拡張するものです。 会社にとっての利点としては、車両管理 のコスト/時間削減と最適化、信頼性の高 いデータに基づくレポートの取得などが 挙げられます。 出典 : PSA SBD ではオートモーティブモビリティと それを取り巻く状況の分析に加え、現在 どのようなソリューションが提供されて いるか、また OEM 各社はオートモーティ ブモビリティのバリューチェーンにおい て現在どのような役割を果たしうるかを 検証したレポート「オートモーティブモビ リティ~接続型車両によるモビリティソ リューション」(CON615-161)を発行して います。レポートに関するお問合せは postbox@sbdjapan.co.jp / 052 253 6201 ま で。 Lyft と GM が新しい短期レンタルプログラム「Express Drive」を発表 Lyft と General Motors は Lyft プラットフォーム限定の短期レンタルプログラム「Express Drive」を発表しました。 同プログラムを通じ、Lyft ドライバーは車 両を保険と整備込みで、手頃な料金で利 用できるようになります。 オンデマンド型自動運転車の統合ネット ワークを共同開発するために、GM は Lyft と戦略的提携関係を結びましたが、 Express Drive はその 2 ヶ月後に開始する ことになります。 Express Drive は今月中にシカゴで開始し、 ボストン、ワシントン D.C.、ボルティモ アなど他の都市でも順次展開される予定 です。運転すればするほど料金が安くな る仕組みを採用しており、料金は保険と 整備込みで、1 週間に 99 ドル(約 10,000 円)からとなっています。このことから も、Express Drive は非常に柔軟で手頃な 選択肢と言えます。 ドライバーはシカゴで車両を 1 週間に 65 回以上使用すると、1 週間のレンタル料金 なしで車両を利用できるようになります。 Express Drive は手頃なだけでなく、条件 が柔軟という特徴もあります。ドライ バーは 1 度に 8 週間まで週単位で車両を レンタルできます。(続く) Page March/April 2016 | Telematics News | 15 Telematics News An SBD Information Service CAR SHARING AND MOBILITY Lyft と GM が新しい短期レンタルプログラム「Express Drive」を発表 Lyft 向けに高品質の GM 車両を使用した いというニーズは確かにあります。Lyft プ ラットフォームで運転に申し込んだもの の、適格な車両を所有していなかった人 は、シカゴだけでも 60,000 人いました。 適格の車両を利用したくてもできない数 百万人のアメリカ人のために、車両使用 のニーズに直接対応するのが Express Drive です。 Express Drive はシカゴで、OnStar、豊富 なコネクティビティ機能、広々とした車 内空間、定員 5 人の柔軟な座席システム を備えた Chevrolet Equinox クロスオー バーを提供する予定です。 「当社はドライバーにとっての利点を向上 させる取り組みとして、Power Driver Bonus、アドバイス、当日支払いを導入し ていますが、Express Drive もその取り組 みの一環です。極めて柔軟で手頃なこの プログラムの目的は、Lyft ドライバーにな りたいと考える誰もがなれるようにする ことです」 Lyft の社長であり共同設立者でもある John Zimmer 氏は、次のように言います。 GM の社長である Dan Ammann 氏は、次 のように話します。「GM と Lyft のチーム は、短期間のうちに連携して Express Drive プログラムを策定することができま した。これは大変喜ばしいことです。同 プログラムは、当社の Maven モビリティ インフラを通じて開始する予定です」 出典 : GM GM が Maven+ カーシェアリングプログラムをニューヨーク、アナーバー、 シカゴで展開 マンハッタン有数の不動産会社である Stonehenge NYC の発表によると、GM のカーシェアリングプログラム 「Maven+」は The Ritz Plaza に加え、The Olivia および 101W15 の住民にも特別に提供されることになるという ことです。 「Maven+ に関して GM と提携したことで、 当社不動産の住民の生活を向上させるこ とができました」と Stonehenge NYC の最 高経営責任者兼会長である Ofer Yardeni 氏は語ります。「私たちは常に、住民に最 高の設備を提供しようと力を注いでいま すが、Maven+ は 1,500 人の住民に、駐車 場や維持について気にすることなく車両 を利用するという利便性と自由をもたら します」 Maven を親ブランドとする Maven+ は、 住民限定のカーシェアリングプログラム です。以前は「Let’s Drive NYC」として知ら れていました。全国で都市部のモビリ ティソリューションをリードしている同 プログラムでは、車両を Maven アプリか ら予約し、居住している建物の最寄りの Icon Parking Garage でピックアップでき ます。Maven+ は 2015 年夏に The Ritz Plaza で試験運用され、昨年 10 月に、こ の建物の全住民向けに正式に提供開始さ れました。 GM は先月、Maven の開始と、ニュー ヨークに加えミシガン州アナーバーとシ カゴでも展開することを発表しました。 Stonehenge NYC は Maven+ と緊密に連 携し、同プログラムをニューヨークで拡 大していくことになります。Maven+ の 車両を予約して利用できるのは、現在、 The Ritz Plaza、The Olivia、および 101W15 の住民のみです。今後は、Stonehenge の 他の不動産でも同プログラムが提供され る可能性があります。 「Stonehenge との提携関係を拡大し、よ り広範な住民ネットワークに Maven+ サービスを提供できることを大変喜んで います」と General Motors の都市部モビ リティ部門担当バイスプレジデントであ る Julia Steyn 氏は述べます。「ニューヨー ク市のような都市部では、利便性が鍵と なります。Maven+ を利用することで、 住民はリアルタイムかつオンデマンド型 で提供される、完全にパーソナライズさ れたカーシェアリングサービスを居住し ている建物で体験できます」。車両を使用 できるだけでなく、市内の任意の Icon Parking Garage に無料で駐車することも 可能です。Maven+ では、料金は1 時間 9 ドルから、または 1 日 75 ドル(約 7,800 円)からで、小型車両から大型車両まで 揃っています。Stonehenge NYC が同プロ グラムに参加する全住民の会費を負担し ています。 Stonehenge NYC Stonehenge は投資パートナーと共同で、 収益を生む不動産をマンハッタンに 23 件 (合計約 30 億ドル(約 3,150 億円)の価 値)所有しています。そこに含まれるア パートの部屋は 3,000 室以上で、面積に して 350 万平方フィート以上の高級居住 空間を提供しています。 Maven は、General Motors による新しい パーソナルモビリティブランドです。GM のすべての都市部モビリティプログラム を 1 つの名称のもとにまとめたプログラ ムで、カーシェアリングサービスに的を 絞ったビジネスを展開しています。 Maven の使命は、高度にパーソナライズ されたオンデマンド型モビリティサービ スを顧客に提供することです。Maven は、 米国の特定の場所における都市ベースプ ログラム、Maven+(住宅地域に限定した カーシェアリングサービス)、ハブベー スプログラム(Maven と Lyft の戦略的提 携によるプログラムを含む)など、様々 なプラットフォームにわたりサービスを 提供します。Maven をサポートしている のは、コネクテッドカー技術業界から集 めた従業員やライド/カーシェアリングの 専門家など、40 人以上の選任スタッフで 構成されるグローバルチームです。 出典 : Stonehenge SBD ではオートモーティブモビリティと それを取り巻く状況の分析に加え、現在 どのようなソリューションが提供されて いるか、また OEM 各社はオートモーティ ブモビリティのバリューチェーンにおい て現在どのような役割を果たしうるかを 検証したレポート「オートモーティブモビ リティ~接続型車両によるモビリティソ リューション」(CON615-161)を発行して います。レポートに関するお問合せは postbox@sbdjapan.co.jp / 052 253 6201 ま で。 Page March/April 2016 | Telematics News | 16 Telematics News An SBD Information Service CHINA 中国:Joyson Preh が TechniSat の車両コネクティビティ事業を買収 (中国)と子会社の Preh Holding GmbH(ドイツ、バート・ノイシュタット・アン・デア・ザーレ)は、 TechniSat Digital GmbH(ドイツ、ダウン)の TechniSat Automotive 部門を 50% ずつ買収します。 TechniSat Automotive は、Joyson グルー プ内カーエレクトロニクス部門の新会社 Preh TechniSat Car Connect GmbH として、 Preh GmbH と共同で運営されます。この 買収により、Preh グループは自動車業界 において持続可能な形で事業を強化し、 グローバルにビジネス展開するシステム プロバイダーとして能力を拡大すること になります。一方の Joyson は、Preh と TechniSat Automotive の強みを組み合わせ ることで、売上高 10 億ユーロ(約 1,160 億円)以上の技術グループを形成し、車 両コネクティビティとヒューマンマシン インターフェース(HMI)システム分野の グローバルプレーヤーに進化させる狙い です。 メーカーに直接納入するサプライヤー (Tier1)として、長い間、Volkswagen グ ループを中心とする有名自動車メーカー のナビゲーションシステム開発パート ナーを務めてきました。チューナー/テレ マティクス向けソフトウェアソリュー ション分野における長年の経験を最大の 強みとしています。 契約成立後、Joyson の設立者であり主要 株主でもある Jeff Wang 氏は、次のように 話しています。「Joyson の成長物語の新た な章が始まります。TechniSat Automotive の買収によって、すでに非常に大きな成 功を収めている当社のカーエレクトロニ クス部門の活動が新しい局面を迎えます。 この買収に伴い、TechniSat Automotive の 約 1,200 人の従業員が新会社に移ります。 TechniSat のドレスデン(ドイツ)、カリ フォルニア州サンカルロス(米国)、上 海(中国)にある開発拠点、テューリン ゲン州ディパッハ(ドイツ)とオボルニ キ(ポーランド)にある生産拠点、ダウ ンにある本社はすべてそのまま残されま す。買収契約当事者は取引の詳細を公開 しないことで合意しました。この買収取 引は関連当局の承認を得ることを条件と しています。将来的には、ダウンの TechniSat Digital GmbH は家庭用電化製品 部門に特化し、この分野のさらなる発展 を独自に推進していくことになります。 Preh と TechniSat Automotive の強みは双 方を理想的な形で補完し合い、互いに新 しいビジネスの可能性を切り開くことに つながります。当社は、Preh の有名な車 両 HMI コンセプトと TechniSat Automotive の実績あるテレマティクスお よびインフォテイメントを統合し、革新 的な総合ソリューションを作り上げます。 それにより、包括的車載ネットワークの 新たな機会が生まれ、私たちは Joyson の 『コネクテッドカー』ビジョンにさらに近 づくための英断を下すことができます。 この買収が Preh と TechniSat のいずれに もウィンウィンの結果をもたらすと、私 は確信しています」 TechniSat Automotive は、車載インフォテ イメント、ナビゲーション、車載ネット ワーク、テレマティクスの分野で革新的 製品やソフトウェアソリューションを開 発および生産しています。自動車業界の TechniSat Automotive の設立者であり業務 執行取締役でもある Peter Lepper 氏は、 次のように言います。「私たちにとって、 既存の自動車関連事業を先進的な方法で さらに発展させていく上で、技術的専門 知識と幅広い顧客基盤を備えた出資者を 探すことが鍵となっていました。出資者 の Joyson と経営パートナーの Preh のお かげで、TechniSat Automotive の国際競争 力は持続可能な形で強化されました。新 会社ではそれぞれの企業文化を学ぶこと になりますが、互いに中規模なので、非 常になじみやすいのではないでしょうか。 その点で、今回の新しい協力関係は TechniSat Automotive の従業員にとって見 通しが明るいと言えます。また、 TechniSat Digital GmbH は今後、家庭用電 化製品部門に完全に特化し、この分野を さらに発展させていくことになります」 TechniSat Automotive の顧客は、これまで どおりの問い合わせ先を利用できます。 新会社 Preh TechniSat Car Connect GmbH の業務執行取締役には、TechniSat の業務 執行取締役として自動車関連事業を統括 してきた Peter Kohlschmidt 氏が任命され ましたが、同氏もビジネスの継続性を最 大限に確保する姿勢です。同氏は次のよ うに述べています。「経済力を備えた戦略 的出資者である Joyson グループに買収さ れたことを大変歓迎しています。この買 収は、私たちの世界的発展を推し進める 結果になるでしょう。同時に、Preh とい う強力なパートナーを得たことは、絶好 のチャンスだと私はとらえています。 Preh は世界中で好調にビジネスを展開し ている上、中規模ビジネスの特徴も備え ていますから。製品ポートフォリオ、国 際化、顧客基盤の点で、新しい協力関係 から互いに恩恵を受けることができるで しょう」 Preh の最高経営責任者である Christoph Hummel 氏は、次のように語ります。 「Preh では、TechniSat Automotive を Joyson グループの新メンバーとして歓迎 しており、新しい仲間と協働できること を楽しみにしています。TechniSat Automotive の高い技術力と革新的精神に 特に注目しています。ビジネスの理解と 技術動向の点で、私たちはきっと『馬が合 う』はずです。パートナーである Joyson の支援を受けながら、力を合わせて新た なビジネスの可能性を切り開き、国際的 成長を目指します」。Hummel によると、 技術力強化と市場参入を実現しようとす る場合、典型的な事業提携で相乗効果を 狙うよりも、買収の方がはるかに優れた 手段であるといいます。 出典 : Joyson Page March/April 2016 | Telematics News | 17 Telematics News An SBD Information Service CHINA 中国:Shanghai OnStar が車両と Midea 家庭用電化製品を接続 Shanghai OnStar と Midea グループは、車載テレマティクスとスマート家電の技術統合に向けた戦略的提携を 発表しました。 を支援します。 Shanghai OnStar は、OnStar 4G LTE を新 しい Buick LaCrosse に搭載した形で披露 しました。この車載 4G LTE 技術は、近い 将来、スマート家電技術と円滑に統合す ることが可能な、高速性、安定性、利便 性、安全性を備えたモバイルインター ネットプラットフォームの基盤となるも のです。 Shanghai OnStar および GM Global Connected Consumer (GCC) Beijing Group の業務執行取締役である Lynn Longo 氏は、 次のように言います。「業界の垣根を越え た協業の中でも、Shanghai OnStar と Midea による車載テレマティクスとス マート家電という技術の組み合わせは、 中国では初めてです。この協業によって 両技術の普及が促進され、顧客エクスペ リエンスが向上するでしょう」 車載テレマティクスサービスの需要と使 用が拡大していることから、自動車は今 やモバイルインターネットプラット フォームと化しています。同様に、ス マート家電技術の人気も急速に高まって います。この 2 つを 1 つにまとめるプ ラットフォームを用いることで、ユー ザーは車両と家の中で行う操作を簡単か つ安全に実行できるようになります。 Shanghai OnStar は、加入者とその車両を 保護する20 種類以上の包括的な限定サー ビスを提供しています。昨年、中国では 初めて、4G LTE 技術を車載ワイヤレスイ ンターネットサービスとして提供開始し ました。高速通信速度とセキュアなネッ トワークをもとに、次世代型テレマティ クスの基礎をすでに築いています。 Midea はスマート家電技術の先駆者であ り、Hurun Report によると中国で最も人 気の高い家電ブランドです。同社の MSmart 戦略は、モノのインターネットを ベースとしています。最終目標は、ス マート家電技術を大改革し、空気、栄養、 水、エネルギーシステムをインテリジェ ントな方法で完全に制御することです。 Shanghai OnStar と Midea は車載テレマ ティクスとスマート家電のシームレスな 技術統合を通じて、消費者が生活のあら ゆる側面を完全につなぐことができるよ う、人・自動車・暮らしのエコシステム Shanghai OnStar のクラウドベース車載イ ンターネット技術と Midea のスマート家 電技術に基づき構築された最先端アプリ によって、車両コネクティビティサービ スの範囲が拡大します。それだけではあ りません。車両所有者の運転エクスペリ エンスが向上し、毎日の生活がさらに便 利になります。その結果、現代の相互に つながったモバイルライフスタイルが実 現します。 出典 : GM China SBD の「コネクテッドカー総合ガイド 中 国編」(CON526-CHN)では課金モデルや アーキテクチャ、パートナー企業、装着 率、提供状況などの最新情報を画像や動 画と共に四半期ごとに提供しています。 本書に関するお問合せは postbox@sbdjapan.co.jp / 052 253 6201 まで。 CON-511 車載スマートフォン統合ガイド スマートフォンの車両への統合に関する最新動向 SBD のレポート「車載スマートフォン統合ガイド」では、車載スマートフォン統合市場に おいて、現在OEM が提供中のソリューションを調査・分析し、今後スマートフォン統合導 入を検討するうえでどのような選択肢があるのかを把握できるよう全体像を示しています。 本書は PDF レポート(パートA)とエクセルデータベース(パート B)の 2 部構成で四半期 ごとに更新予定です。 パートA: 市場の主な動向、市場で提供されている様々なタイプのソリューション分析、 各ソリューションの強みと弱点をわかりやすくまとめた PDFレポート パートB:欧州、米国、中国における OEMスマートフォン統合ソリューションを集計した エクセルデータベース 本書に関するお問い合わせは下記にて承っております。 E-mail : postbox@sbdjapan.co.jp / Tel : 052 253 6201 Page March/April 2016 | Telematics News | 18 Telematics News An SBD Information Service TN Automotive 動画ニュース NNG が都市音声ガイドをナビゲーションに組み込んで提供 自動車ナビゲーションソフトウェア/コンテンツ/サービスのサプ ライヤーである NNG は、世界有数の都市音声ガイドアプリデベ ロッパーである PocketGuide と提携し、音声ガイド機能を既存 サービスラインに適合させた上でナビゲーションポートフォリ オに取り入れました。自動車インフォテイメントソフトウェア 業界でもいち早く、都市音声ガイドサービスを OEM および Tier1 顧客に提供開始した 1 社となっています。 PocketGuide は現在、欧州と米国の 150 以上の都市向けに音声ガ イドツアーを提供しています。このガイドツアーは、運転中に 予定ルート上の観光情報を提供する NNG のナビゲーションソフ トウェアと同期されています。両社は提携を通じ、他にも次の ような多くの機能をドライバーに提供しています。 • 近隣の観光地への推奨ルート • 後部座席の同乗者用エンターテイメントシステムのスクリーン で、前方座席のスクリーンとは別に iGO Navigation Audio Guide Experience(iGO ナビゲーション音声ガイドエクスペリエンス) を提供 • 後部座席のスクリーンで、子供向けに独自に用意した教育的コ ンテンツを提供 • ツアー関連情報を車両のヘッドユニットに直接表示(QR コー ドをスキャンすれば、ツアーに申し込める仕組み) NNG はドライバーに最新技術を提供するべく、全力で取り組ん でいます。この姿勢が、同社の伝統であるイノベーションを継 続させる鍵であり、それは、画期的ナビゲーション技術を社内 で開発する場合も、世界トップクラスの優秀なスタートアップ 企業と協業する場合も変わりません。 出典 : NNG Airbiquity が SmartDeviceLink インフォテイメントをサポート Airbiquity は、コンテンツ統合アプローチの SmartDeviceLink (SDL)をサポートすることを発表しました。SDL を用いると、 自動車メーカーは、コネクテッドカープログラム向けインフォ テイメントアプリの実装を簡素化しながら、より多くのアプリ に確実にアクセスすることができます。 5 年前に自動車インフォテイメントが導入された際は、コンテン ツを統合するにはコンテンツプロバイダーのアプリごとに独自 のユーザーインターフェースを開発する必要がありました。ま たこうすることで、アプリ機能をカスタマイズし、ユーザーエ クスペリエンスに関し競争企業との差別化を図ることができま した。それから自動車インフォテイメントは進化し、自動車 メーカーは、より標準化された統合アプローチに関心を持つよ うになりました。アプリの開発期間を短縮しながら、利用可能 性を最大限に高めることが可能なアプローチを望むようになっ たのです。 SDL は、アプリ間で共有される事前定義されたテンプレートを 使用します。最近、標準化されたコンテンツ統合アプローチの 候補に選ばれました。しかし、SDL を採用した場合、自動車 メーカーにとっては設計上の複雑さが軽減するというメリット が確かにあるものの、次のようなデメリットもあります。 •クラウドベースのアプリ管理機能が減少 •注意散漫運転を軽減するためのアプリポリシー管理が最小限と なる •オンデマンド型 OTA(Over-The-Air)ソフトウェアアップデー トをサポートできない Airbiquity は、そのモバイル統合技術、コンテンツ統合の専門知 識、Choreo プラットフォームのバックエンド管理機能を活用し て、SDL のアプリに関連したデメリットを減らしました。SDL コ ンテンツを使用したインフォテイメントプログラムを展開する 自動車メーカーは、Airbiquity と連携することで、上述の SDL の デメリットを回避できるようになったのです。Airbiquity は自動 車メーカーに対し、40 以上の高品質アプリが揃ったポートフォ リオへの SDL 対応アクセスとともに、強化機能、確実なバック エンドアプリ管理、ポリシー制御、OTA(Over-The-Air)ソフト ウェアアップデート機能を提供することができます。 出典 : Airbiquity Page March/April 2016 | Telematics News | 19 Telematics News An SBD Information Service TN Automotive動画ニュース 自動車業界が GSMA Embedded SIM 仕様を採用 GSMA はモバイルワールドコングレスに先駆け、自動車および 運輸業界の主要企業が GSMA Embedded SIM Specification (GSMA 組み込み型 SIM 仕様)をサポートし、コネクテッド カー市場の成長促進を支援することになったと発表しました。 相互運用可能な同仕様はこれまで、General Motors、Jaguar Land Rover、ルノー・日産アライアンス、Scania、Volvo Cars と いった国際ブランドにより支援されてきました。同仕様を採用 することで、様々な利点がもたらされます。第 1 に、自動車メー カーは今後、自ら選択した通信事業者を利用し、OTA(OverThe-Air)で車両にコネクティビティを遠隔プロビジョニングで きるようになります。第 2 に、インフォテイメント、リアルタ イムナビゲーション、保険、故障修理、テレマティクス、遠隔 診断など幅広い車載サービスの提供に役立ちます。そして第 3 に、どこで製造した車両でも地域の通信事業者に迅速に接続す ることが可能になります。 「GSMA Embedded SIM Specification は、商用ソリューションと して最初に発表されたときから、業界で採用されるようになる までの非常に短期間で進化しました。自動車業界は今、大きく 成長しようとしています。通信事業者がどこにある車両にも拡 張性、信頼性、およびセキュアなコネクティビティを提供する 上で、共通のグローバル標準が役立つことは明らかです」と GSMA の最高技術責任者である Alex Sinclair 氏は言います。「こ のアプローチを用いると、自動車メーカーは単一の SIM を介し、 あらゆるタイプの車載コネクテッドサービスを提供できます。 SIM は、車両出荷時に通信事業者のプロファイルとともにプロビ ジョニングすることができます。契約終了時にプロビジョニン グすることも可能で、その場合、SIM の変更は不要です」 「Jaguar Land Rover は安全性、セキュリティ、利便性、インフォ テイメントの機能を幅広く提供する上で、コネクティビティを 車両の中心に据えています。GSMA Embedded SIM Specification によって当社は、国あるいは地域ごとに、製造上の複雑さの緩 和、変化する規制フレームワークへの適応、最善の通信事業者 との連携を実現できます。その結果、顧客サービスを改善し、 車両ライフサイクル全体を通じて次世代型コネクテッドサービ スを提供できるようになるでしょう」と Jaguar Land Rover のグ ローバルコネクテッドカー部門ディレクターである Mike Bell 氏 はコメントしています。 「GSMA Embedded SIM Specification は、市場内での地域化やラ イフサイクル管理を中心とした自動車製造における基本的問題 を多数解決します。その結果、私たちは効率性と堅牢性に優れ たグローバル製品を提供できるようになります」と Scania CV AB の上級ビジネス戦略管理者である Fredrik Callenryd 氏は話します。 「主流および大量市場の顧客向け技術に関し、世界中の自動車業 界でイノベーションを起こしているルノー・日産アライアンス にとって、GSMA Embedded SIM Specification をサポートするこ とで得られる利点は多数あります。まず、信頼性と安定性を備 えたソリューションを実装することになるので、イノベーショ ンの持続が可能になります。従来よりも柔軟性と敏捷性の高い ソリューションを提供できるようにもなります。さらに、使い やすく高品質のサービスを顧客に提供するという私たちの主要 目標を達成することもできるでしょう」とルノー・日産アライア ンスの電気/電子 & システムエンジニアリング部門グローバルバ イスプレジデントである Alexandre Corjon 氏は述べます。 現在までに、世界中の 22 の通信事業者が GSMA Embedded SIM Specification ベースの商用ソリューションを提供開始しています。 これから提供開始する通信事業者としては、AIS、América Móvil、 KPN、MTN、Rogers Wireless、Swisscom、Taiwan Mobile、 Telenor、TIM、Bridge Alliance メンバー、Global M2M Association メンバーなどが挙げられます。相互運用可能な同仕 様の採用によって、標準に関する分断化が緩和され、業界はモ ノのインターネットを活用できるようになるでしょう。Bell Canada、Deutsche Telekom、Etisalat、Indosat、NTT ドコモ、 Orange、Tele2、Telefónica Brasil、Telefónica Group、 TeliaSonera、Vodafone は商用ソリューションを市場に投入済み です。 出典 : GMSA ハッカーが日産リーフの機能を遠隔制御 Troy Hunt 氏が日産リーフのハッキングデモを実施し、コネク ティビティ機能の API に脆弱性があることを発見しました。同 氏はオーストラリアにいながらにして、英国の電気自動車の ハッキングに成功しました。 出典 : Troy Hunt 車両へのサイバーアタックは現実味を帯びています。コネク テッドカーのエコシステムには 50 以上のアタックポイントが 存在しています。SBD では車内、モバイルネットワーク経由及 びバックエンドの IT インフラストラクチャまで、エコシステム 全体のセキュリティを考えることの重要性とそれぞれにある潜 在的脅威を提示したレポート「コネクテッドカーのセキュリ ティ : アタックポイントとその方法」を発行しています。 レポートに関するお問合せは SBD ジャパン postbox@sbdjapan.co.jp まで。 Page 20 March/April 2016 | Telematics News | 20 Telematics News An SBD Information Service TN Automotive 動画ニュース 日産が中東で SmartCar サービスを発表 ウィーンに本社を構え、自動車メーカー向けに「Remoto」コネク テッドカープラットフォームを供給している bright box が、ド バイの Nissan Middle East にターンキープラットフォーム 「Nissan SmartCar」を提供しました。これは、bright box の Remoto をベースにした最新コネクテッドカーソリューションで す。日産は同ソリューションを最初に導入する拠点としてドバ イを選択し、現在、Nissan Patrol SUV や Nissan Maxima リムジ ンなどに搭載しています。ドバイで好評だったことを受け、 Nissan Middle East はこのコネクテッドカープラットフォームを 他の GCC 諸国にも展開したい考えです。 スマートカーによる競争力 日産は、総合的コネクテッドカープラットフォームを装備した 車両を中東で提供している数少ない自動車メーカーの 1 社です。 Remoto に加え、顧客アプリ「Dealer Mobility」も bright box の Nissan SmartCar パッケージに含まれています。このコネクテッ ドカーソリューションは、セキュアなモビリティと優れたサー ビス機能により、顧客の間で大きな話題となっています。iOS 版 と Android 版の揃った Nissan SmartCar アプリを使用すると、 ロック、ヘッドライト、ウィンドウの他、中東地域では欠かせ ないカーエアコンの遠隔制御が可能になります。「急成長中の自 動車市場に、メーカーと車両所有者双方のニーズに応える革新 的ソリューションを提供でき、大変光栄です」と bright box のバ イスプレジデントである Robert Schüßler 氏は言います。 ピンポイントでのマーケティング Nissan Middle East は、Remoto と Dealer Mobility を活用するこ とで、より効率的で優れたサービスを顧客に提供できます。さ らに、bright box と連携し、的を小さく絞ったマーケティング活 動の新しい方針を試すことも可能です。また、Nissan SmartCar コネクテッドカーソリューションによって、日産車両のドライ バーがどこを移動し、どこで時間を過ごすのかといった情報が 明らかになります。Nissan Dubai とそのパートナーは、この地 域に特化したマーケティング活動を展開できます。 ターンキープラットフォーム Remoto は Nissan SmartCar ソリューションの中核を成します。 bright box は Remoto という単一のソリューションを通じて、 ターンキーコネクテッドカープラットフォームを提供します。 Remoto は、車両に搭載する認定テレマティクス制御ユニット (TCU)、Web ベースの制御パネル、車両所有者が車両を遠隔 で制御および追跡するための顧客アプリなど、自動車メーカー が必要とするあらゆるコンポーネントを含みます。Dealer Mobility 自動車ディーラー向け顧客アプリソリューションであり、 bright box のコネクテッドカースペシャリストのポートフォリオ を補完します。 出典 : Bright Box SBD の「コネクテッドカー総合ガイド」では、欧州、北米、中国、 その他 8 ヵ国の各市場における各 OEM の戦略(提供サービス、 課金モデル、パートナー企業、カバレージ、コネクティビ ティ)の比較、各 OEM の詳細、市場予測などを詳細に掲載して います。欧州、北米、中国は四半期ごとの更新、またその他の 地域については 1 年に 1 回の発行となります。本書に関するお問 合せは SBD ジャパン : postbox@sbdjapan.co.jp / 052 253 6201 まで。 ホンダ、Drivemode、パナソニックが DrivemodeCar 2.0 のデモを実施 Drivemode が他とは少し違うことをしようとしています。 Android 版アプリを使用して、モバイル端末を車両の中央スク リーンに変えてしまおうというのです。ミラーリングによって、 モバイル端末の画面を車両の大型ディスプレイに表示するわけ ではありません。スマートフォンをヘッドユニットスロットに 接続するだけで、スマートフォンの画面自体に音楽アプリ、電 話/テキストメッセージの着信情報だけでなくスピードメーター やナビゲーションも表示されるようになるのです。 スマートフォンは、たいていのインフォテイメントシステムの ディスプレイよりも小さいため、Drivemode アプリではわかり やすさを最優先し、特大のボタンや読みやすいテキストを採用 しています。しかし、運転中にハンドル以外のものを操作する のは理想的とは言えません。そこで、Drivemode アプリの全機 能をハンドルで制御可能なコンセプトカーを作るために、 Drivemode はホンダおよびパナソニックと提携しました。音楽 の再生/停止や音声による検索などは、通常のインフォテイメン トシステムの場合とまったく同じように実行できます。これに 加え、Drivemode アプリでは車両のバックアップカメラの フィードを表示することも可能です。この取り組みに参加して いる 3 社とも、同アプリの全機能をハンドルで制御可能にした 製品を発表するまでには数年かかるとしています。それでも、 Apple や Google の一般的なソリューションを装備していない可 能性のある低価格車両にとっては特に、魅力的な選択肢となる はずです。現在のところ、Drivemode アプリは Android 版のみ ですが、iOS 版もリリースされる可能性があります。 出典 : Drivemode, Verge Page March/April 2016 | Telematics News | 21 SBD は、自動車セキュリティ、コネクテッドカー、自動 車安全技術の 3 分野において、解析レポート、データ ベース・総合ガイド、ベンチマーク、将来予測、エンド ユーザー調査、個別調査・コンサルティングサービスを 提供し、自動車業界のお客様をサポートしています。 Intelligence • Insight • Evaluation • Strategy 情報サービス 評価サービス 戦略策定サポート • モデルごとの詳細情報を データベース化 • 技術予測 • サプライヤー分析 • 市場要件 • ニュース分析 • エキスパートによる製品 テスト • 消費者による製品テスト • プロトタイプの反復評価 • KPI 設定 • サイバーセキュリティテ スト • 新規市場参入サポート • RFP/RFQ 管理 • M&Aデューディリジェン ス • 戦略的ワークショップ • サプライヤーポジショニ ングサポート SBD では 1995 年の設立以来、 OEM、サプライヤー、業界団体といったお客様に確かな情報と サービスをご提供しています。 SBD の主要調査分野 Connected Car • • • • • • • • Automotive Car OE コネクテッドサービス スマートフォン統合 自動車向けアプリ ユーザーの利便性& HMI ビッグデータ モビリティソリューション 法規制の動向 市場予測 052 253 6201 • 自動運転車 • ADAS (先進運転支援システ ム) • HMI ベンチマーキング • 法規制の動向 • ADAS 市場予測 • V2X www.sbdjapan.co.jp Secure Car • 自動車向けサイバーセキュ リティ • 電子的盗難の脅威 • 世界の盗難動向のモニタリ ング • 盗難に用いられる技術 • 盗難手法 • 保険グループレーティング postbox@sbdjapan.co.jp Page 22
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