こちら - SBD

2016 年 5-6 月号
Telematics News
An SBD Information Service
GM Maven が米国の新たな都市でモビリティ
サービスを提供、ユーザーによる利用距離は
100 万マイルを突破
Delphi がサイバー犯罪に取り組む AutoISAC の初のサプライヤーメンバーに
中国:
Apple がライドヘイリングサービス DiDi
Chuxing に 10 億ドルを出資
独占インタビュー
コネクテッドカーやフリート車、モノのインターネット (IoT) 業界向けの
エンド・トゥ・エンドでのアプリ管理、収益化、クラウドサービスプラット
フォームを提供する AppCarouse 社のマーケティング開発部門責任者を務め
る Lissa Franklin 氏 にインタビューを行いました。
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Telematics News
An SBD Information Service
EXCLUSIVE INTERVIEW
Jaguar Land Rover と連携し、アジアにおけるコンテンツ・パートナー
シップを拡大
コネクテッドカーやフリート車、モノのインターネット (IoT) 業界向けのエンド・トゥ・エンドでのアプリ管理、収益化、クラウド
サービスプラットフォームを提供する AppCarouse 社のマーケティング開発部門責任者を務める Lissa Franklin 氏 にインタビューを
行いました。
Telematics News (以下、TN): AppCarousel 社
での役割や一日の流れについてお聞かせ
ください。AppCarousel は新興企業に分類
されるという認識で正しいのでしょうか?
Lissa Franklin 氏 (以下、LF): 私はサンフラン
シスコに拠点を置くマーケティング開発
部門の責任者として、AppCarousel 事業開
発および市場戦略に携わっており、様々
な企業との打ち合わせや、業界動向の特
定、カンファレンスへの参加、マーケ
ティング戦略の策定などを行っています。
車載インフォテイメントやデータ、サー
ビスを IoT に接続するためのクラウドプ
ラットフォームを提供する AppCarousel は
AppDirect 社の子会社です。
TN: 昨年、御社は Jaguar Land Rover との連
携により大きな収益を上げました。同プ
ロジェクトの現状についてお聞かせくだ
さい。アプリやコンテンツの開発状況は
いかがでしょうか?
LF: 車両の出荷およびソリューションの提
供はすでに開始されており、我々の車載
クラウドプラットフォームは複数の市場
のドライバーによって実際に利用されて
います。今は、このエコスステムを継続
的に拡大していく段階だといえます。ア
プリやサービスについては、あらゆる面
での拡大していく計画です。また Jaguar
Land Rover と連携し、アジア市場における
コンテンツ・パートナーシップの拡大に
取り組んでおり、特に中国市場に焦点を
当てています。今後は運転環境の価値を
高めるポッドキャストやストリーミング
ビデオ、ビジネスアプリケーションなど
さらなるメディアのタイプやジャンルを
追加する予定です。車両、家庭、モバイ
ル端末間のギャップを埋めることのでき
る IoT デバイスへの接続環境の構築にも取
り組んでいます。これにより、車内外を
問わないシームレスなエクスペリエンス
をドライバーに提供することが可能とな
ります。
TN: 昨年の AppDirect による買収は
AppCarousel にどのような影響を及ぼした
のでしょうか? 2 社間での相乗効果として
はどのようなものがあるのでしょうか?
LF: AppDirect のクラウドベースのマネタイ
ゼーション・プラットフォームおよびマ
ネジメント・プラットフォームにより、
AppCarousel の顧客にとっては大きなメ
リットが提供されます。両社の統合に
よって、より広範囲への展開、幅広いソ
リューション、高いネットワーク効果が
実現し、自動車メーカーや IoT プロバイダ
は迅速にクラウドコマースをビジネスに
導入することが可能となります。これに
よって、コネクテッドデバイスやデジタ
ル製品を提供するあらゆる企業が新たな
ビジネスモデルを展開させ、単一のプ
ラットフォーム上でソフトウェアマネジ
メントから利益を創出するエコシステム
へと拡大させることが可能となります。
TN: AppCarousel は先ごろ GENIVI Alliance に
加盟していますが、どのような活動をサ
ポートしているのでしょうか? Automotive
Grade Linux (AGL) や DLNA、OAA、AvNU な
ど車載インフォテイメント (IVI) に関する
他のイニシアチブでの活動も行っている
のでしょうか? この混沌とした状況につい
てどのようにお考えですか?
LF : GENIVI のソフトウェアマネジメントと
いった分野は、当社が今後確実にサポー
トをしていく分野ですが、同時にコネク
テッドカーのビジネスチャンスを活かし
収益化につなげるために加盟メンバーに
対してツールやサービスを提供すること
も検討しています。こうした取り組みは
IVI に関するイニシアチブの対象ではあり
ませんが、優れたプラットフォーム構築
のためには欠かすことはできません。こ
のため、我々は多方面にわたる組織と連
携し、技術標準のレベルにかかわらずコ
ネクテッドカービジネスを展開できるよ
う取り組んでいます。例えば、当社では
AGL Open Stack 向けに収益化が可能な
ニュースサービスを提供しています。こ
れは Tizen をベースに構築されています。
当社はこうした標準に貢献する企業およ
びそれらを採用する企業の収益機会を拡
大し、ビジネスの強化を支援します。
TN : Mobica 社とのパートナーシップにつ
いて詳しくお聞かせください。自動車向
けアプリケーションあるいはより広範な
IoT に焦点を当てているのでしょうか?
LF:アプリケーションやデータがますます
普及していることを受け、当社はより広
範な IoT 分野に焦点を当てています。市場
においては引き続きより多くのアプリ、
サービス、制御へのニーズがあり、当社
の Mobica 社とのパートナーシップでは、
そうした課題に迅速に取り組んでいきま
す。Mobica の専門的なサービスおよびカ
スタムソフトフェアソリューションによ
り当社のクラウドプラットフォームが完
全に補完され、コネクテッドカーだけで
なくその他の IoT 領域に対してエンド・
トゥ・エンドでのソリューションを提供
することが可能となります。
TN: AppCarousel の今後の計画についてお
聞かせください。現在開発中のその他の
車載技術とは?
LF: 当社では、車載および IoT 向けデバイ
スメーカー向けに、デバイス上のデジタ
ルアセットの管理や、アプリ、サービス、
データといったエコシステムから新たな
サービスやビジネスの推進を容易に実現
することのできるソリューションを提供
していく計画です。当社はこの計画を、
新たなデベロッパーキットやサービス、
クラウドマネタイゼーションソリュー
ションの提供に加え、サービスプロバイ
ダーと流通チャネル間の関係を仲介する
ことで実現していきます。それにあたっ
てはコネクテッドカー分野に存在する複
数の標準やプラットフォーム、イニシア
チブ向けのエンジニアリングが重要な役
割を果たすと考えています。コネクテッ
ドカーと他の IoT デバイスとの橋渡しをす
るにあたって当社がどのようなことがで
きるのか、非常に楽しみです。自動車そ
のものがアプリであり、我々はその拡大
をサポートしていきます。
(続く)
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EXCLUSIVE INTERVIEW
Jaguar Land Rover と連携し、アジアにおけるコンテンツ・パートナーシップ
を拡大
Lissa Franklin 氏: AppCarousel 社のマーケ
ティング戦略策定を担当するとともに、
同社のコア市場におけるパートナーシッ
プ関係の構築および事業開発に従事。
15 年以上にわたるワイヤレスおよび技術
業界での実績を持ち、携帯電話会社、
MVNO (仮想移動体サービス事業者)、総合
プロバイダ向けにクラウドベースのワイ
ヤレスデータサービスを提供する
Telespree Communications 社の共同創設者
として同社のマーケティング責任者を務
めた。Telespree 社が Evolving Systems 社に
買収されたのちは、Evolving Systems 社で
グローバルマーケティングを統括。
ワシントン大学およびカリフォルニア大
学バークレー校卒。
Delphi がサイバー犯罪に取り組む Auto-ISAC の初のサプライヤーメンバーに
Delphi が初の OE サプライヤーメンバーとして自動車情報共有分析センター (Auto-ISAC: Automotive Information
Sharing and Analysis Center) に参加します。
今回の加入により、Auto-ISAC の主な構成
メンバーは自動車メーカーから Tier 1 サプ
ライヤーへ拡大します。
「Delphi が Auto-ISAC の積極的かつ協調的
な取り組みに参加することを喜ばしく思
います。」 と同組織の議長を務める
Toyota の Tom Sticker 氏は述べています。
「車両全体のセキュリティにとってサプ
ライヤーによる車両コンポーネントおよ
びモジュールの設計およびエンジニアリ
ングが非常に重要です。今回の Delhpi の
Auto-ISAC への加入は、業界が最新かつ堅
牢なセキュリティシステムをコンセプト
段階から導入した車両の製造を継続する
にあたって大きな助けとなります。」
Auto-ISAC は 2015 年 7 月に発足し、自動車
業界の集団的努力によりサイバーセキュ
リティに対する脅威や可能性のある脆弱
性に関する情報を安全に共有、追跡、分
析するための基盤を構築することを目指
しています。Auto-ISAC は加盟メンバーが
匿名で情報をやりとりするためのハブと
して機能し、サイバーセキュリティへの
リアルタイムでの脅威により効果的に対
応できるようサポートします。現在 AutoISAC へは、北米の軽自動車の 98% 以上が
加盟しています。
Delphi の最高技術責任者 Jeff Owens 氏は次
のように述べています。「当社の AutoISAC への加盟は、自動車業界全体として
のサイバーセキュリティへの取り組みに
対するコミットメントを実証するもので
す。当社はより安全でセキュアな運転環
境の実現を目指し、コネクテッドカーや、
車両を接続するソフトウェア、ハード
ウェア、アーキテクチャを含む持ち込み
型および埋め込み型の技術に関しあらゆ
る側面を検討し、様々な情報を提供しま
す。」
Delphi はより安全性が高く、環境にやさし
いコネクテッドソリューションを自動車
業界に提供しています。同社および他の
サプライヤーがメンバーに加盟すること
により、Auto-ISAC は車載電子システムお
よびネットワークを保護するための業界
の継続的な取り組みを強化することが可
能となります。
出典 : Auto-ISAC
SBD ジャパンではサイバー
セキュリティ業務に従事
SBD の調査 「コネクテッドカーのセキュ
リティ: アタックポイントとその方法」 で
は、コネクテッドカーエコシステムにお
ける 50 箇所のアタックポイントを特定し
ています。同調査は、コネクテッドカー
のリスクやアタックの動機などについて
自動車業界内の理解を支援することを目
的としています。
本書および自動車のハッキングに関する
詳細情報については SBD ジャパン
(postbox@sbdjapan.co.jp/ 052 253 6201)
までお問合せください。
いただけるエンジニアリング
スタッフを募集しています。
詳細は、SBD ジャパン
(postbox@sbdjapan.co.jp)
までお問合せください。
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May/June 2016 | Telematics News
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Telematics News
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CAR SHARING AND MOBILITY
GM Maven が米国の新たな都市でモビリティサービスを提供、
ユーザーによる利用距離は 100 万マイルを突破
General Motors のパーソナルモビリティブランド Maven はわずか 4 ヶ月足らずでニューヨーク、
ミシガン州アナーバー、ボストン、シカゴ、ワシントン D.C. という 5 つの市場への展開を成し遂げました。
を終結させ、現在ではチームメンバー 50
人以上がグローバルに活動しています。
 Express Drive を利用する Maven および
Lyft のユーザーの走行距離は 100 万マ
イルを突破
 Maven+ はニューヨークおよびシカゴ
の 5 千人を超える住民に利用されてい
る
 Maven City は過去 3 ヶ月間で利用者が
倍増し、アナーバー、ミシガン州、シ
カゴにおける利用者は 1,500 人を超え
る
 最も人気の高い車種は Chevrolet Volt
Maven では、ユーザーの様々なニーズに
応じたサービスの提供を目指す、と GM
のアーバンモビリティおよび Maven 担当
副社長 Julia Steyn 氏は話しています。
カーシェアリングサービス Maven のユー
ザーによる走行距離は 100 万マイル(約
160 km)を超えています。
Maven が最近サービスの提供を開始した
市場における動向は次の通り:
シカゴ:
Maven City カーシェアリングプログラムが
現在提供されており、利用料は保険およ
び燃油料を含め一時間 8 ドル(約 800 円)
~ と設定されています。登録したユー
ザーは Maven アプリを使ってシカゴ市内
15 箇所以上のステーションに配置された
30 種類の車両の中から利用したい車両を
予約します。
Maven City のユーザーが Chevrolet、
Cadillac、Buick 車を予約した場合には、車
両をユーザーのもとに直接届けてもらえ
るという利便性の高い独自のオプション
が用意されています。Maven は XIRX と
パートナーシップを結び、同サービスを
提供しています。
また、シカゴのレイクショアイースト近
くに位置する高級マンションコミュニ
ティ Aqua の住民向けには、Maven City に
加え、Maven+ レジデンシャルオンデマン
ドカーシェアリングが提供されています。
2016 年 3 月に Lyft 社と共同で開始した短
期レンタルプログラム Express Drive では、
Maven のプラットフォームを活用してい
ます。Express Drive では、シカゴで Lyft の
ライドシェアリングサービスを利用する
ユーザーに対し、Chevrolet Equinox クロス
オーバーを一週間 99 ドル(約 1 万円)で
レンタルできるサービスを提供していま
す。
Chicago Express Drive で利用可能な車両は
2 ヶ月間で 200 台以上に拡大しています。
すでに発表されているとおり、Express
Drive は 2016 年末までにボストン、ボルチ
モア、D.C. へサービス提供範囲を拡大する
予定です。
ワシントン D.C.:
ワシントン D.C. の高級住宅街カロラマ周
辺で、ワシントンヒルトンホテルに隣接
して建設されている 195 戸からなる高級
マンションコミュニティ Hepburn の住民
向けに Maven+ カーシェアリングサービス
が提供される予定です。Hepburn は Lowe
Enterprises が建設、Bozzuto Management
が管理する予定となっており、Maven と
のパートナーシップにより住民にはカー
シェアリングサービスが提供されます。
該当する D.C. 住民に対し、2016 年 6 月末
までに Maven City サービスが提供開始さ
れる予定です。
ボストン:
今夏、Maven+ および Maven City がボスト
ンで提供開始される予定です。Maven は
GM の キャンパス向けカーシェアリング
のステーションをベータ版のラボとして
活用し、モビリティサービスの共有の可
能性について試験を行っています。同社
は先ごろ、ピアツーピアのカーシェアリ
ングテストをミシガン州ウォーレンで、
キャンパス向けカーシェアリングサービ
スを GM のブラジル本社 (サン・カエタ
ノ・ド・スル) で開始しています。
「主要都市へのサービス拡大に伴い、よ
り多くのユーザーに人々や場所とシーム
レスに接続することが可能な次世代サー
ビスを提供していきます。」
Maven はスマートフォンをシームレスに
統合する技術を採用している点で他の
カーシェアリングサービスと異なります。
ユーザーは、連絡先やお気に入り、マッ
プ、Apple CarPlay、Android Auto、OnStar、
SiriusXM ラジオ、4G LTE ワイヤレス接続な
ど、デジタルライフを車両に持ち込むこ
とが可能です。
Maven の料金体系はシンプルで透明性が
高く、利用料には保険料と燃油料が含ま
れています。ユーザーには給油専用カー
ドが提供され、車両返却時に少なくとも
タンクに 4 分の 1 のガソリンが入った状態
であれば追加料金は徴収されません。
出典 : GM Marven
SBD ではオートモーティブモビリティとそ
れを取り巻く状況の分析に加え、現在ど
のようなソリューションが提供されてい
るか、OEM 各社はオートモーティブモビ
リティのバリューチェーンにおいて現在
どのような役割を果たしているかを検証
したレポート「オートモーティブモビリ
ティ 接続型車両によるモビリティソ
リューション」(CON615-161)を発行し
ています。詳細は postbox@sbdjapan.co.jp /
052 253 6201 までお問合せください。
Maven では、GM 内の精鋭およびカーシェ
アリング、ライドシェアリング、コネク
テッドカーといった業界から有能な人材
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May/June 2016 | Telematics News
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Telematics News
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CAR SHARING AND MOBILITY
Ford が1 億 8,200 万ドルを Pivotal に出資しモビリティサービス開発へ
Ford は、ソフトウェア開発を強化し顧客により迅速にイノベーションを提供するため、サンフランシスコ
に本社を構えるクラウドベースのソフトウェアプラットフォーム企業 Pivotal へ出資することを発表しまし
た。
CON615-161
オートモーティブモビリティ
Pivotal への出資額は 1 億 8,200 万ドル(約
184 億円)にのぼり、これにより Ford は
自動車およびモビリティ企業への転身を
図る狙いです。Ford はコアビジネスであ
る乗用車、SUV、トラック、EV 車の設計、
製造、マーケティング、資金調達、アフ
ターサービスに関して継続的な取り組み
および出資を行っています。同時に、同
社は コネクティビティ、モビリティ、自
動運転車、カスタマーエクスペリエンス、
データおよび分析といった分野をけん引
していくという同社の計画 Ford Smart
Mobility のもと、積極的に新たな機会を追
求しています。
Ford の社長兼 CEO である Mark Fields 氏は
次のように述べています。「当社がビジ
ネスを拡大し自動車およびモビリティ企
業を目指すにあたっては、優れたカスタ
マーエクスペリエンスを提供するための
最先端のソフトウェアに関する専門性が
必要です。Pivotal への出資により、Ford
は当社のデジタル、フィジカル、パーソ
ナルなモビリティサービスプラット
フォーム FordPass の継続的な拡大を含め、
カスタマーエクスペリエンスを提供する
体制の強化が可能になります。」
協力関係の拡大
2016 年 4 月に Ford は Pivotal と連携し、革
新的な消費者向けサービスプラット
フォーム FordPass の提供を開始しました。
FordPass ではスマートフォンアプリを通じ
た車両へのリモートアクセスといった新
たなサービスや、駐車場サービスやカー
シェアシェアリングなどのモビリティ
サービスを提供します。現在 Pivotal およ
び Ford の IT エンジニアが協力し、
FordPass の会員向けの新サービスの開発に
取り組んでいます。
この既存の協力関係のもと、Ford は
Pivotal の最新のソフトウェア開発手法お
よび技術を IT、製品開発、調査、エンジ
ニアリングのそれぞれのチームへ取り入
れることを計画しています。Ford は
Pivotal の次世代クラウドプラットフォー
ムおよび分析能力を、オンデマンドでの
ライドシェアリングに関するパイロット
プログラム Dynamic Shuttle などのモビリ
ティプロジェクトに活用するとしていま
す。
Pivotal の CEO Rob Mee 氏は次のように話
しています。「Pivotal では、Ford などの
企業と連携し、当社の独自のソフトウェ
ア開発手法および、最新のクラウドプ
ラットフォームや分析ツールによってそ
うした企業のビジネス変革をサポートし
ています。今回の出資により Ford との協
力関係がさらに拡大し、同社の自動車お
よびモビリティ企業への転身を支援でき
ることについて非常に喜ばしく思ってい
ます。」
ソフトウェアの専門性を強化
Pivotal の最新のソフトウェア開発手法お
よびクラウドプラットフォームにより、
Ford のエンジン制御システム EcoBoost、
コネクティビティシステム SYNC 3、アク
ティブパークアシストなどの運転者支援
技術をサポートする埋め込み型ソフト
ウェア機能が補完されます。
一般的なスマートフォンオペレーション
システムが約 1,200 万行であるのに対し新
型 F-150 には 1 億5,000 万行以上のソフト
ウェアコードが搭載されていることから
もわかるように、ソフトウェアが新車に
おいて担う役割は拡大を続けています。
エンジニアはソフトウェアを活用し、エ
ンジンやトランスミッションのキャリブ
レーションといった車両性能の面におい
て正確な制御を提供することで燃費の向
上を目指しています。また、コネクティ
ビティサービス向けには、SYNC 3 を介し
たハンズフリーでのスマートフォンへの
アクセスをユーザーに提供しています。
(続く)
接続型車両によるモビリティ
ソリューション
「モビリティ」は明確に定義され
ていないコンセプトで、様々な解
釈が存在します。本書では、自動
車メーカーに最も影響を及ぼし得
る分野、かつ自動車メーカーが最
も関与している分野である、マル
チモーダル交通サービス、カー
シェアリング、ライドシェアリン
グに特に焦点を当てています。
またカーシェアリングおよびライ
ドシェアリングといったサービス
の成長が自動車メーカーに及ぼす
影響や、新たなビジネスサービス
がどのようなオプションを設定し
ているのかについて検証するとと
もに、自動車メーカーが開発中の
マルチモーダル交通サービスを分
析します。
本書に関するお問い合わせは
下記まで
postbox@sbdjapan.co.jp
052 253 6201
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Telematics News
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CAR SHARING AND MOBILITY
Ford が1 億 8,200 万ドルを Pivotal に出資しモビリティサービス開発へ
エンジン制御技術 EcoBoost の成功は
ソフトウェアに起因すると考えられます。
ソフトウェアによってエンジニアは分子
レベルで最大限に燃料を活用することが
でき、EcoBoost の提供する燃費効率につ
ながっています。Ford は EcoBoost の技術
に関し 275 の特許を持っており、このほ
かにも 200 件が現在申請中となっていま
す。その大部分がソフトウェアの制御や
キャリブレーションに関するものです。
「Pivotal への出資により、当社のソフト
ウェア開発における強みがさらに強化さ
れます。我々は、最新のソフトウェアエ
ンジニアリング機能を直ちに Ford に追加
することを計画しています。」 と Ford の
副社長兼 CIO である Marcy Klevorn 氏は話
します。同氏は Pivotal の役員に加わる予
定です。
また、Ford と Pivotal では米国および欧州
に新たなソフトウェア研究開発施設を開
設することを計画しています。このラボ
には、ソフトウェアの設計者やエンジニ
ア、ユーザーエクスペリエンスの専門家
などが配置され、Pivotal の最新のソフト
ウェア開発手法を使って研究開発が行わ
れる予定です。
SBD ではオートモーティブモビリティとそ
れを取り巻く状況の分析に加え、現在ど
のようなソリューションが提供されてい
るか、OEM 各社はオートモーティブモビ
リティのバリューチェーンにおいて現在
どのような役割を果たしているかを検証
したレポート「オートモーティブモビリ
ティ 接続型車両によるモビリティソ
リューション」(CON615-161)を発行し
ています。詳細は SBD ジャパン
postbox@sbdjapan.co.jp / 052 253 6201 まで
お問合せください。
Ford の Pivotal への出資は、通常の規制認
可を経て完了するとみられています。
出典 : Ford
中国: Apple がライドヘイリングサービス DiDi Chuxing に 10 億ドルを出資
Apple では、中国のライドヘイリングサービス Didi Chuxing に 10 億ドル(約 1,012 億円)を出資したことを
発表しました。Apple の CEO Tim Cook 氏は、これにより同社の中国市場に関する理解が深まるとしています。
同社が費やした額は数十億ドルにものぼ
るということです。
投資家たちの関心の的は、Apple が今後自
動車ビジネスに参入するかどうかという
点です。Apple では、自動車の専門家を幅
広く採用しており、自動運転車の開発を
検討しているといわれています。
Cook 氏の話によれば、Apple はスマート
フォンと車載インフォテイメントシステ
ムとをリンクさせる CarPlay システムを通
じて今後も車内エクスペリエンスに取り
組んでいくということです。
技術系最大手 Apple が利益を出してきた
iPhone ビジネスは成熟期を迎えつつある
なか、DiDi への出資でシェアリングエコ
ノミーと自動車技術という急成長する二
つの技術を推進します。
とらえていると話しました。
Didi Chuxing (旧社名は Didi Kuaidi) は発表の
中で、今回の Apple の投資が Didi がこれま
でに受けた単独の投資では過去最大額で
あったと述べています。同社はこれまで
今 回 の 出 資 に よ り Apple と Uber に数十億ドルもの資金を調達しており、
Technologies Inc の中国における最大のラ 中国のライドシェアリング市場において
イバルである DiDi が連携することになり 支 配 的 な 立 場 に あ り ま す 。 同 社 は 一 日
ます。自動車メーカーおよび技術会社が 1,100 万回以上の配車を行っており、民間
新たな提携関係を築き、相互投資を行っ 配車サービス市場の 87% を占有している
ており、例えば General Motors では先ごろ、 と話しています。
自動運転技術会社 Cruise Automation の買
収および米ライドシェアリング企業 Lyft Didi Chuxing の評価額は 200 億ドル(約 2
への出資を行っています。
兆 230 億円)を上回っているものの、現
在も継続して行われている資金調達ラウ
Cook 氏はインタビューにおいて、Apple と ンドに詳しい筋によれば、Uber との中国
DiDi Chuxing との今後の提携をチャンスと
市場シェアをめぐる激しい競争において
「これが Apple が自動車ビジネスで今日取
り組んでいることであり、この取り組み
の先に今後待ち受けているものが何かを
我々は見極める必要がある」 と同氏は話
しています。
出典 : Reuters
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May/June 2016 | Telematics News
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Telematics News
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独占インタビュー:Audi が運転支援システムの
将来のテスト方法を定義
Connected Car News は Audi の運転支援機能事前開発部門責任者である
Miklos Kiss 氏に独占インタビューを行いました。そこで同氏は、ADAS
の現在のテストト方法と、将来の自動運転車のために性能試験場で求
められる要素について語りました。
Q: Audi では通常、どのような 1 日を過ごして
いますか?また、現在のご自身の役割と、入
社以来、役割がどのように変化したのか教え
てください。
A: 現在、Audi Electronics Venture GmbH の
ADAS システムおよび自動運転機能事前開発
部門で責任者を務めています。業務内容は
日ごとに若干異なりますが、ほとんどは気付
かれないような変化です。一方、システムテ
ストは大きく変わりました。ドライバーがすべ
ての操作を行う ADAS システムに始まり、現
在では車両がすべての操作を行うレベル(レ
ベル 4 システム)に達しています。
レベル 3 までは、性能試験場や路上テストに
大きな違いはありません。ドライバーは従来
のように運転席に座り、細心の注意を払う必
要があります。安全を確保するのは、ドライ
バー自身ですから。シリーズ製品でどの程度
の注意が必要なのか、路上でテストします。
またそれとは別に、性能試験場でもシミュ
レーターを使い、特定の状況下でテストしま
す。
レベル 4 システムでは、安全を確保するのは
ドライバーではなく、外部から制御される赤い
ボタンなので、性能試験場に専用コースを設
ける必要があります。これは、車両を直接制
御できなくなる可能性を考慮してのことです。
しかし、この状況もそれほど目新しいもので
はありません。当社ではここ 10 年にわたり、
自動運転車のテスト走行を実施してきました
から。専用エリアでのテストも行っています。
Q: Audi では、どの性能試験場/テストコース
を自動運転車技術のテストに使用しています
か?従来型車両と自動運転車とでは、テスト
要件はどう異なるのでしょうか?将来の
ADAS および自動運転車をテストする上での
主な課題は何ですか?
など、主要市場ごとに施設を用意しているの
ですか?
A:Audi では Volkswagen グループのテスト
コースを使用しています。テストコースには、
あらゆるタイプの道路や路面、状態が変化す
る路面、さらには上り坂、歩行者にとっての安
A:Audi では可能な限り多様な状況下でテスト
を実施するために、世界中に性能試験場を
用意しています。ご質問のタイプの道路もす
べて揃っています。(続く)
全性などをテストするマシンなどが揃ってい
ます。将来の ADAS システムをテストする場
合でも、テスト要件そのものは変わりません。
単に、路上でも行われるというだけです。
ADAS テストからわかった課題としては、あら
ゆる条件下(天気、道路および路面のタイプ、
交通状況など)でのセンサおよびアクタの
ハードウェアテストがあることです。
World-leading automotive
Technology specialists
また、ソフトウェアテスト(Software-in-theLoop シミュレーション)があり、Trojan 車両(ソ
フトウェアとセンサはインライン、アクタはオフ
ライン)から始まり、最終的にはテストコース
および公道での全機能テストまで行います。
Q:Audi の性能試験場には、都心部/農村地
域の道路や高速道路がありますか?また、
Audi では世界共通の単一の施設を用意して
いるのですか?それとも、欧州、米国、中国
Intelligence
Evaluation
Strategy
SBD ジャパン
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May/June 2016 | Telematics News
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Telematics News
An SBD Information Service
Audi が運転支援システムの将来のテスト方法を定義
Q: Audi の性能試験場にかかる、およそ
の設置および維持コストを教えてください。
Audi では、自社で性能試験場を保有すること
を重視しているのでしょうか?Audi の施設は、
Audi 専用ですか?それとも、他の組織も借り
ることが可能ですか?
A: 性能試験場のコストについてはお話しでき
ません。Audi ではグループ専用の性能試験
場を保有していますが、これは自社のプロト
タイプ車のテストを共同試験場で実施するの
を避けるためです。ただ、イタリアのナルドー
のサーキットのような共同性能試験場も利用
しています。
Q: Audi の性能試験場の将来について聞か
せてください。次々に生まれる新しい車両技
術のテストに対応していくためには、何が必
要だと考えていますか?
A:将来の性能試験場として最適なのは、シ
ミュレーション用にコンピューターで作り出す
状況を実際の環境でも再現できるものでしょ
う。そのような試験場であれば、状況が非常
に複雑化した場合でも、SIL(Software-in-theLoop)、HIL(Hardware-in-the-Loop)、シミュ
レーターでの走行で目にしたのとまったく同じ
状況でテストを実施できます。
出典 : Safe Car News
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Telematics News
An SBD Information Service
AUTONOMOUS CAR
消費者にとって自動運転車は必要なのか?
TU-Automotive Detroit 2016 において、SBD のディレクター Jeffrey Hannah は自動車業界が自動運転車に
関する取り組み方を変更すべき理由について解説しました。
既存 ADAS に関する誤解が蔓延している
ドライバーだけでなくディーラーでさえ
も、既存 ADAS の制約や機能を正しく理解
していません。業界は、自動車学校やメ
ディアなどと連携し、消費者の認知度を
高める新たな方法を模索しなければなり
ません。
実際に利用することが信頼の獲得につな
がる
2016 年 6 月 8 日- 9 日に米国ミシガン州
Novi で開催された TU Automotie の年次カ
ンファレンスにおいて Jeffrey Hannah は次
のように述べています。「今後、自動運
転技術のレベルを推し進めていくために
は、自動車業界は消費者指向の戦略を策
定する必要があります。」
「今日、自動運転車に関する決定は、法
規制やビジネスモデル、技術に基づいて
おこなわれています。しかしながら、最
も重要な要素が見落とされているのです。
それは、消費者が自動運転において真に
必要とし価値があると感じているものは
何かということです。」
SBD では、Morpace および Gamivation とと
もに、1,000 時間以上におよぶ消費者調査、
ドライバーフォーカスグループおよび
ディーラーへのインタビュー、車両テス
トを実施し、消費者の真のニーズおよび
価値観とは何かという疑問についての回
答を導き出しました。
将来の自動運転技術に対する関心度や信
用度は、人々の性格や置かれた環境、現
行の ADAS システムの使用経験などによっ
て異なります。
より消費者を中心とした戦略を策定する
ことで、自動車メーカーは自動運転技術
に対する受容度が最も低い消費者からの
信頼を勝ち取ることが可能となります。
このためメーカーやサプライヤーは、自
動運転技術に対する関心度と信用度を高
めるための要因や条件を理解することが
重要です。
ドライバーの多くは既存の ADAS 機能を利
用していない
インタビューの対象となった 400 名の米
国のドライバーのうち、約 50% が1 つ以上
の ADAS 機能を無効にしていると回答しま
した。ドライバーが必要としていないシ
ステムに対してコストをかけることを避
けるため、メーカーおよびサプライヤー
は車両データを収集・モニタリングし、
既存 ADAS を利用していない (あるいは搭
載されていることを知らない) ドライバー
は、自動運転技術を信頼する可能性が極
めて低いことがわかっています。このた
め、今後の製品には消費者のニーズや価
値観を反映させることが非常に重要です。
また、マーケティング活動においても、
自動運転車が提供するものを正確に描く
必要があります。
今回の調査に基づくレポートの共著者で
ある SBD ディレクター Andrew Hart は次の
ようにコメントしています。「自動車業
界は現在重要な分岐点に立っています。
メーカーおよびサプライヤーにとっては、
魅力ある自動運転体験を開発し、長期に
わたる信頼とブランドロイヤルティを獲
得するチャンスだと言えます。」
詳細については SBD のレポート 「自動運
転エンドユーザー調査: 現行 ADAS システ
ム及び未来の自動運転車のニーズ総合分
析」 で解説しています。詳細は
SBD ジャパン(postbox@sbdjapan.co.jp
/052-253-6201)までお問合せください。
4 つの主な調査結果
自動運転は万人向けの技術となっていな
い
ドライバーがどのように既存 ADAS を利用
しているのか、なぜ利用しないのかを理
解する必要があります。
出典 : SBD
Discover more at bit.ly/sbd-autonomous-TNP
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May/June 2016 | Telematics News
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Telematics News
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CONNECTED CAR
中国: Jaguar が次世代インフォテイメントを搭載した XFL をリリース
中国市場向けにリリースされた新型 Jaguar XFL には 8 インチの静電容量式タッチスクリーンを搭載した
InControl Touch システムおよび、Jaguar の最新インフォテイメントシステムである次世代 InControl Touch
Pro が提供されます。
InControl Touch Pro はタブレットスタイル
の 10.2 インチタッチスクリーンを備え、
直感的な操作が可能なパワフルなシステ
ムであり、走行をより楽しく満足のいく
ものにします。
のため、非常に鮮明かつ精度の高いグラ
フィクスが迅速に提供されます。ユー
ザーは 「ピンチ」 や 「パン」 といったシ
ンプルかつ直感的なジェスチャー操作で
マップのズームインおよびアウトを行う
ことができます。
ア プ リ で は さ ら に 、 XFL に 搭 載 さ れ た
InContorl Touch Pro システムとスマート
フォンの間で経路や目的地を同期するこ
とができるため、事前に設定した経路を
自動的に車両にアップロードすることが
可能です。
InControl Touch Pro には、パワフルなク
ワッドコアプロセッサや60GB の高速半導 InControl Touch Pro では、GPS 信号を受信 優れた性能: Meridian 製オーディオ
体ドライブ (SSD) などの最先端技術が採用 できない場合でも、革新的なデッドレコ
さ れ て い ま す 。 接 続 に は 最 新 の ネ ッ ト ニング (推測航法) 機能によって目的地ま InControl Touch Pro は、優れたオーディオ
ワークであり、他の技術と比較し 5 倍の で案内します。車載センサからのデータ 性能を備えており、世界的に有名な英国
速さを誇る超高速イーサネットが使われ を分析することにより、スマートフォン 企業 Meridian と新型 XFL 向けに共同開発
ています。このため、InControl Touch Pro のナビアプリでは不可能であった車両の した二つのシステムを提供しています。
では、驚異的な処理能力が実現しており、 位置や方位の正確な予測が可能となって
一 つ は 11 個 の ス ピ ー カ ー ( サ ブ ウ ー
非常に優れた性能および機能性を提供し います。
ます。
ファーを含む) を備えた 380W システム、
InControl Touch Pro のデータ接続および位 もう一つは 17 個 (サブウーファーを含む)
10.2 インチのタッチスクリーンでは、ス 置 情 報 ベ ー ス の 機 能 お よ び サ ー ビ ス に のスピーカーを搭載した 825W のサラウン
ムーズでシームレス、かつ直感的な操作 よって機能性は飛躍的に向上しています。 ドサウンドシステムです。
が可能です。ホーム画面はカスタマイズ 目的地を入力すると、システムは目的地
することができ、ウィジェットを追加し までの走行に必要な燃料がタンクにある サラウンドサウンドシステムでは、オー
て特定の機能やタスクよく使用する連絡 かどうかを自動的に確認します。燃料が デ ィ オ 性 能 を さ ら に 向 上 さ せ る た め 、
先などのショートカットを作成すること 足 り な い と 判 断 し た 場 合 に は 、 ド ラ イ Meridian および Audyssey の信号処理技術
も可能です。さらに、カスタマイズした バーに経路上のガソリンスタンドで給油 を採用し、XFL 車内において豊かでバラン
ホーム画面を追加することもできます。
するよう通知し、マップ上に該当するガ スの取れたサウンドを提供します。
ソリンスタンドを表示します。ドライ
ワイドスクリーンでは高品質のグラフィ バーは表示されたガソリンスタンドの中 すべてのスピーカーおよびアンプを慎重
クスを表示するとともに、マルチタスク から希望するものを選び、指でタップし に組み合わせることで高出力を実現し、
に対応します。例えば、メディアをスク て立ちウェイポイントとして追加するこ 高調波ひずみ率をわずか 0.2% に抑えてい
ます。
リーンのメインエリアに表示しながら、 とができます。
(続く)
サイドパネルに走行状況や通話の詳細な
どを表示するといった使い方が可能です。 iOS および Android 対応のスマートフォン
向けのコンパニオンアプリでは、ドア・
データは高速 SSD に格納され、従来の ツー・ドアでのルート計画および案内を
ハードドライブよりも圧倒的に短時間の 実現しており、ユーザーが降車した後の
うちにアクセスすることが可能です。こ 徒歩での経路までをサポートします。同
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May/June 2016 | Telematics News
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Telematics News
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CONNECTED CAR
中国: Jaguar が次世代インフォテイメントを搭載した XFL をリリース
– また Gracenote でアルバムアートを
10GB のメディアストレージを備えたSSD
ドライブに格納することが可能です。こ
のほか、自動でプレイリストを作成する
「Play more like this (似たような楽曲を再
生する)」 といった機能や、楽曲・アルバ
ム・アーティストを検索したり再生中に
次の再生リストへ追加したりすることの
できる 「Music Queue」 などの機能も備
わっています。
2 つの USB 3.0 ポートおよび HDM/MHL
ポートを介したスマートフォンやタブ
レットからのメディアストリーミングに
加え、InControl Touch Pro では CD/DVD プ
レーヤーも提供します。
後部座席のエンタテイメントシステムも
もう一つの特徴です。新型 XFL には、8 イ
ンチスクリーンを備えたエンタテイメン
トシステムが搭載されており、2 つのチャ
ンネルを同時に映すことが可能です。こ
のため、一人が TV 番組見ている間にもう
一人が映画を見るといった使い方ができ
ます。音声はワイヤレスヘッドホンを介
して提供されます。
ウェアラブル技術により通信がより容易
に
新型 XFS に搭載されるインフォテイメント
システム InControl Touch および InControl
Touch Pro では、InControl アプリ、Wi-Fi
ホットスポット、InControl Protest 機能を
サポートしています。さらに現在、
InControl Remote アプリが Apple Watch や
Android Wear ウォッチ向けに提供されて
おり、車両との通信をよりシンプルかつ
便利に、どこからでも行うことが可能で
す。
Remote により、ドライバーは Apple Watch
や Android Wear ウォッチを使って車両の
ロック/アンロックを行ったり、燃油の残
量を確認したり、マップで車両の位置を
検索したりすることができます。さらに、
乗車前に車内の温度を設定することも可
能です。
出典 : Jaguar Land Rover
中国市場において自動車メーカーが提供
している OE テレマティクスシステムおよ
びサービスに関する詳細な情報および分
析は「SBD のコネクテッドカー総合ガイド
中国編 」(CON526) に掲載されています。
詳細は SBD ジャパン
(postbox@sbdjapan.co.jp) までお問い合わせ
ください。
スマートフォン向けアプリ InControl
Jaguar Land Rover の立ち上げた InMotion が新たなモビリティサービスの
提供を開始
Jaguar Land Rover では、新たにテクノロジー企業 InMotion を設立しました。InMotion では、アプリやオン
デマンドサービスを開発し、現代の移動および輸送に関する課題に取り組むとしています。
に非公開での実証実験を行い、複数のア
プローチの中から最も効果的なものを検
証します。
次に、ビジネスモデルおよび技術プラッ
トフォームを開発し、ソリューションの
ベータ版を一般向けにリリースします。
このアプローチにより、InMotion は魅力
的かつ適切なサービスを開発することが
可能です。
2016 年 5 月よりカーシェアリングやカー
オーナーシップソリューションなど様々
なサービスの実証試験を開始し、北米、
欧州、アジアにおける試験も随時行われ
る予定です。
Jaguar Land Rover のグループ戦略担当ディ
レクター Adrian Hallmark 氏は次のように
コメントしています。
「新たなアプリおよびオンデマンドサー
ビスの開発により、InMotion は世界各国
の新規・既存顧客にとって魅力およびメ
リットのあるサービスを提供する機会が
得られます。新興企業である InMotion は、
柔軟性とスピードをもってこの変化の激
しいモビリティ分野における競争にのぞ
みます。これにより我々は、新技術や絶
え間なく変化する顧客のニーズに素早く
対応することができます。」
テクノロジーによって人々の移動手段が
変化し、画面をスワイプすることで車両
にアクセスすることが可能となったこと
により、通勤手段を改善する方法や、希
望する車両に希望するときにアクセスで
きる方法を模索する人が増加しています。
InMotion は自動車およびテクノロジー部
門の最も良い部分を組み合わせ、スマー
トフォンあるいはその他のコネクテッド
デバイスからアクセス可能な新たなソ
リューションを開発します。
InMotion ではまず、移動および輸送に関
し解決すべき新たな課題について、世界
各国の人々を対象に徹底的な調査を行い
ます。この調査から得られた情報をもと
Jaguar Land Rover の完全子会社である
InMotion は、ロンドンに拠点を置き、総
勢約 30 名の従業員が新たなビジネスの展
開をサポートする予定です。これにより、
同社は資金面および技術面での強力なサ
ポートを受け、迅速かつ独立してモビリ
ティ分野の変化のスピードに対応する
サービスを開発することが可能です。
出典 : Jaguar Land Rover
SBD では、革新的なモビリティおよび車両
オーナーシップモデルによる自動車業界
への影響を調査分析したレポート 「オー
トモティブモビリティ~接続型車両によ
るモビリティソリューション」(CON615151) を発行しています。
詳細は SBD ジャパン
(postbox@sbdjapan.co.jp/ 052-253-6201)
までお問い合わせください。
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May/June 2016 | Telematics News
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Panasonic AUPEO でドライバー向けに特定の車内広告の送信が可能に
Panasonic の子会社 AUPEO が Triton Digital との提携を発表しました。
今回の提携により、Panasonic の車載プ
ラットフォーム OneConnect では Triton
Digital の広告プラットフォーム Tap
OnDemand を活用し、コンテンツデリバ
リーサービス Personal Radio by AUPEO! 内
で、ターゲット広告を個別の音声メッ
セージに載せて配信します。これにより、
自動車メーカーやブランドパートナーは、
車内外でドライバーに個別の音声メッ
セージを提供し、運転やモビリティに関
する様々なユースケースをサポートする
ことが可能となります。
「Panasonic が Triton の広告プラット
フォーム Tap OnDemand を採用した理由は、
その柔軟性および堅牢性の高さにありま
す。」 と Panasonic Automotive Systems
Company of America のコネクテッドサービ
ス担当ディレクター兼 Aupeo GmbH の CEO
である David Taylor 氏は話しています。
「我々は共通のビジョンを持っており、
自動車を IoT における次世代通信端末とと
らえています。Triton とともに、モビリ
ティをベースにした新たな時代への移行
において自動車メーカーおよびブランド
パートナーをサポートしていきます。」
Triton Digital の CEO、Neal Schore は次のよ
うにコメントしています。「Panasonic の
OneConnect と連携し、車内でのリスニン
グ環境を提供できることを非常に喜ばし
く思っています。車両のダッシュボード
を介して情報やエンタテイメントを提供
する機会は拡大しており、Panasonic およ
び Aupeo をサポートしこうした分野をけ
ん引することができることを光栄に思い
ます。」
Panasonic と Triton の連携により、メー
カーはブランドメッセージ、サービスプ
ロモーション、その他のカスタマイズド
コンテンツを直接ドライバーあるいは消
費者に配信することが可能になります。
例えば、OneConnect プラットフォームは、
車両の運転状況を音声フォーマットで伝
えることができるため、ドライバーに
とっては車両のインジケーターや警告ラ
ンプなどの意味を理解することがたやす
くなります。また、同プラットフォーム
では、電話番号をダイヤルしたり、目的
地およびリマインダーを設定したりする
操作も可能です。ドライバーはこれらの
操作をシングル・クリックまたは単純な
音声コマンドを使って行うことができま
す。
ドライバーとシステムとの対話に基づき、
OneConnect プラットフォームは使われて
いない重要な機能を表示させるほか、位
置情報や車両の状態・タイプに基づいて
メッセージを送信したりすることが可能
です。
さらに、OneConnect プラットフォームは、
ドライバーの集中を損なうことなく情報
やエンタテイメントを提供できるよう設
計されていると同時に、新たな対話や
e コマースの可能性を広げます。
出典 : Panasonic
CON-511
車載スマートフォン統合ガイド
スマートフォンの車両への統合に関する最新動向
SBD のレポート「車載スマートフォン統合ガイド」では、車載スマートフォン統合市場に
おいて、現在OEM が提供中のソリューションを調査・分析し、今後スマートフォン統合導入
を検討するうえでどのような選択肢があるのかを把握できるよう全体像を示しています。
本書は PDF レポート(パートA)とエクセルデータベース(パートB)の 2 部構成で四半期
ごとに更新予定です。
本書に関するお問い合わせは下記にて承っております。
E-mail : postbox@sbdjapan.co.jp / Tel : 052 253 6201
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May/June 2016 | Telematics News
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Toyota がマルチメディアシステム Touch 2 with GO に HERE のマップを採用
位置情報クラウドサービスの HERE では、新型マルチメディアシステム Toyota Touch 2 with GO を搭載した
車両に、同社のマップデータが採用されることを発表しました。
2009 年にリリースされた HERE MapCare で
は、ドライバーは最新のマップにアクセ
スすることができ、約 29 の自動車ブラン
ドが同プログラムに参加しています。今
日までの MapCare プログラム搭載車の販
売台数は 800 万台以上にのぼります。
コネクテッド技術の HARMAN によって設
計・製造された Toyota Touch 2 with Go マ
ルチメディアシステムでは 2016 年から新
たに、ユーザーエクスペリエンスとコネ
クテッドサービスを向上させ、HERE の
MapCare プログラムを通じて 3 年間無料で
マップ更新が提供されます。
Toyota Motor Europe の製品管理部門担当
部長Jean-Jacques Serraf 氏は次のようにコ
メントしています。「このたび当社の新
型 Toyota Touch 2 with Go システムに、充
実したデジタルマップデータベースを備
えたHERE のマップを採用することになり
ました。HERE は常に高品質のマップを欧
州向け Toyota 車に提供してきた長年の
パートナーです。」
HERE の営業およびビジネス開発部門担当
副社長 Bruno Bourguet 氏は次のように述
べています。「埋め込み型ナビおよびマ
ルチメディアシステムは車両に欠かせな
い機能となっており、正確かつ最新の
マップデータへのニーズは高まっていま
す。HERE では Toyota の車両に当社のマッ
プデータが採用されたことを光栄に思っ
ており、ドライビングをよりスマートで
安全かつ楽しいものにするために協力し
て取り組みます。」
出典 : HERE
Toyota Touch 2 with Go システムは、ドライ
バーに 2D または 3D マップや、リアルタ
イムコネクテッドサービス、使いやすい
新たなメニューを介してアクセス可能な
様々なアプリを提供します。My Toyota
Customer Portal に登録および接続すること
で、アカウントの作成、車内でのアプリ
のインストール、MapCare の更新のダウ
ンロードを行うことができます。
欧州の自動車メーカーは新たなデータプライバシー規制を歓迎
欧州自動車工業会 (ACEA) が、欧州議会における EU 一般データ保護規則の可決を歓迎していることが
わかりました。
同規則はコネクテッド製品およびサービ
スに関する課題に取り組むために考案さ
れたもので、世界で最も近代的なデータ
保護制度といってよいでしょう。」 と
ACEA の事務局長 Erik Jonnaert 氏は述べて
います。
また ACEA では先ごろ、自動車業界向けに
データ保護の 5 つの原則を設定するとい
う声明を発表しました。原則には、透明
性、ユーザーによる選択、「プライバ
シーバイデザイン (計画的なプライバシー
対策)」、データセキュリティ、データの
適正使用が盛り込まれています。ACEA で
はさらに、業界のコネクティビティに関
する戦略企画書も発表しています。同書
では、データ保護や第三者による車両
データへのアクセスなどに関する課題に
ついて取り上げています。
Jonnaert 氏は次のように話しています。
「自動車業界では高い水準での保護を
ユーザーに提供し、信頼を維持すること
に尽力しており、データ保護は自動車
メーカーが非常に重要視している課題で
す。ITS やコネクテッドカーを活用し交通
管理の円滑化、交通安全および燃費の向
上、CO2 の排出量の削減といった社会目
標を実現するには、データ保護が不可欠
です。」
「ただし、今回新たな欧州データ保護規
則が実施されましたが、各国のデータ保
護機関が同規則を様々に解釈するような
こと避けなければなりません。」 と同氏
は警告しています。「共通の欧州規則に
対し、解釈が異なるという事態は回避す
べきです。」
出典 : ACEA
データ保護および政府の規制に関する課
題や、それらによる欧州、ロシア、中国
市場のコネクテッドカーへの影響に関し
ては、SBD の 「コネクテッドカーガイド 法規制編」(CON528)で詳細に分析して
います。
詳細は SBD ジャパン
(postbox@sbdjapan.co.jp/ 052-253-6201)
までお問い合わせください。
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May/June 2016 | Telematics News
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英国 Mahindra がテレマティクスおよびインフォテイメントを搭載した
コネクテッド EV をリリース
インドに本社を置く自動車および技術のグローバル企業 Mahindra が、革新的な小型電気自動車 e2o を
リリースし英国の自動車市場へ参入することがわかりました。
AUT802-161
V2X ガイド
車車間/路車間通信の
グローバル最新動向
(AUT802-161)
Mahindra e2o は都市部において気軽に通
勤に利用できるよう特別に設計され、
様々なコネクテッド技術を備えています。
同モデルは 2 種のトリムレベルが販売さ
れる予定となっており、エントリレベル
の e2o City は競争力のある価格設定と
なっています。
ハイスペックバージョンである TechX に
は、タッチスクリーンのインフォテイメ
ントシステム、バックカメラ、テレマ
ティクス、緊急リモート再充電、革製
シート、アルミホイール、急速充電ポー
トなどが備わっています。
競争力のある価格設定に加え、英国にお
いて年間平均 7,900 マイルを走行し、
Economy 7 (通常より低額の深夜電力料金)
を活用し夜間に家庭で充電するe2o の
オーナーの場合、電気料金は月額 10 ポン
ド(約 1,300 円)未満となる予定です。
また、都市部における大気汚染物質の排
出も抑えることが可能となります。
e2o の中核となるのは、より運転とメン
テナンスがしやすい車を目指し開発され
た様々なコネクテッド機能です。
スマートフォンアプリ e2o Remote :ユー
ザーは乗車前の車内の冷暖房や、充電の
開始および停止、ルート計画、近隣の充
電ステーションの検索など e2o の主要機
能を遠隔操作することが可能
い時間帯に e2o の充電を予約することが
可能
Revive: バッテリーが切れた場合に、最長
8 マイル分走行可能な電力を提供する緊
急リモート充電機能
テレマティクス: オンボードセンサにより
データを Mahindra に送信し、遠隔での車
両診断モニタリングおよびユーザーへの
通知を行う
タッチスクリーンインフォテイメントセ
ンター Blaupunkt (TechX モデルのみ): 航続
可能距離および充電ポイントの位置を
マップ上に表示する機能の付いた衛星ナ
ビ。Bluetooth、Wi-Fi ホットスポット接続、
USB、SD カード、DAB ラジオ、埋め込み
型バックカメラ対応。
e2o の設計では、優れた視認性と大人 4
人が快適に乗車できる空間を実現してい
ます。e2o にはデュアル SRS エアバッグ、
アンチロックブレーキシステム (ABS)、電
子安定制御 (ESC)、ブレーキ時のエネル
ギーを活用し車両の航続距離を伸ばす回
生ブレーキシステム (RBS) が搭載されて
います。
現在 Mahindra UK のウェブサイト
http://www.mahindrauk.com が開設され、
オンライン受注の準備が整えられていま
す。英国のオーナーへは 2016 年 5 月より
納車される予定です。
Remote Charging Scheduler: 電気料金の安
出典 : Mahindra
現在の自動車業界では、コネク
ティビティと自動化のレベルが
さらに向上した車両開発を推し
進めています。V2X は市場成熟ま
でにはいまだ時間がかかるもの
の、既に車両とインフラを結ぶ
ソリューション候補として検討
されており、情報を絶えず共有
する収益構造を形成しています。
本書は 2014 年 1 月に発行した
「V2X ガイド」の更新版として作
成しました。主に下記に関して
概説しています。
•
様々な地域における主な進展
と V2X は各市場にどのように
導入される見込みか
• V2X の導入を推進するために
解決が必要な主な課題
• V2X が様々なレベルの自動化
に及ぼす影響と V2X の導入が
実現し得る時期
「V2X ガイド 車車間/路車間通信の
グローバル最新動向」に関するお
問い合わせは下記まで
postbox@sbdjapan.co.jp
052 253 6201
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May/June 2016 | Telematics News
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Telematics News
An SBD Information Service
TELEMATICS-BASED INSURANCE
米国: Toyota とあいおいニッセイ同和損保がテレマティクス自動車保険
会社の設立を計画
あいおいニッセイ同和損害保険会社 (AD)、トヨタファイナンシャルサービスコーポレーション (TFS)、
トヨタ自動車株式会社 (TMC) では、各社の米国子会社がテレマティクス保険サービス会社 Toyota Insurance
Management Solutions USA, LLC (TIMS) を共同で設立したことを発表しました。
TIMS は南カリフォルニアの TFS US 本社付
近において、トヨタの顧客向けのテレマ
ティクス自動車保険サービスの開発を支
援するとともに、ディーラーやディスト
リビュータとともにより顧客満足度の高
い新サービスの提供をサポートする予定
です。TIMS では、より安全な走行を促す
いわゆる 「利用連動型」 保険を含む顧客
にとってメリットの高い保険サービスの
開発に貢献します。TIMS では、より幅広
い保険のオプションをユーザーに提供す
ることを目指し、ビッグデータの分析、
関連するマーケティング、新サービスの
プロモーションなどを進めていくことを
計画しています。
新会社設立の目的は、トヨタのビジョン
である安全、安心、かつ利便性の高いモ
ビリティ社会の実現に自動車保険の側面
から貢献することです。
AD および TFS では、この新会社にそれぞ
れの米国子会社を通じて出資し、TMC は
Toyota Connected, Inc. (TC) を通じて 2016 年
1 月に出資します。新会社では、TC のテ
レマティクスデータアクセス、TFC の金融
サービス、AD のテレマティクス自動車保
険に関する専門性を活用し、より顧客満
足度の高いサービスの提供を目指します。
TFS および AD では、1990 年代より世界各
国においてそうした金融および保険を統
合したサービスに関して共同でプロモー
ションを行ってきました。
両社はそれぞれの実績やノウハウを集約
することにより、米国において新たな
サービスを開始することを計画していま
す。
TC は TMC が会社組織をグローバルに再編
し製品主体の社内カンパニー制へと移行
する枠組みの中で設立され、TMC のコネ
クティビティおよびデータ科学分野にお
けるグローバル展開に貢献することを目
指しています。コネクテッドカーの普及
に伴い、ドライビングデータ、金融オプ
ション、保険のよりシームレスな関係性
へのニーズが高まっています。前述の 3
社による TIMS の共同設立は、そうした
ニーズに対応するものです。米国におけ
るサービス提供を皮切りに、TIMS はTMC
のグローバル拠点と連携し、より広範囲
への展開を視野に入れています。TIMS で
は、顧客の同意のもと蓄積してきたドラ
イビングデータを活用し、TMC が人口知
能 (AI) およびロボティクス分野の研究拠点
として設立した Toyota Research Institute,
Inc. との連携を進めていく計画です。
出典 : Toyota
SBD のレポート 「テレマティクス保険~
本格普及に向けた環境は整ったか?」
(CON614-161)では、なぜ保険および自
動車業界において UBI の本格普及が進まな
い原因について分析しています。
詳細は SBD ジャパン
(postbox@sbdjapan.co.jp/052-253-6201) まで
お問い合わせください。
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May/June 2016 | Telematics News
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Telematics News
An SBD Information Service
TELEMATICS-BASED INSURANCE
英国: RAC がドライバー向けに新たなスマートフォンテレマティクス
アプリを開始
RAC では同社のテレマティクス製品を強化する新たなスマート
フォンアプリをリリースしました。同アプリでは、ドライバーの
運転行動データ、走行履歴、車両診断情報、エンジン不具合警告
などをまとめて提供しビジネスドライバーをサポートします。
ア プ リ は iOS App Store か ら 無 料 で ダ ウ ン ロ ー ド で き 、 RAC
Telematics のユーザーに対し車両の状態に関するあらゆる情報を
提供します。情報には走行履歴の詳細などが含まれており、経費
の精算や、車両コストの管理などに活用することが可能です。
アプリは RAC Telematics の端末と連動し、フリート管理者が車両
ポータルで確認できる内容と同レベルの情報をドライバーに提供
します。RAC Telematics の車載端末と同期することで、アプリは
ユーザーに以下の情報を提供します。
•
走行速度、加減速のパターンに基づくパーソナルドライバー
スコアおよび、改善のためのアドバイス
•
バッテリーなどの部品の消耗や他のエンジンコンポーネント
の不具合に関する警告を送信する車両診断情報
•
仕事またはレジャー目的での走行なのかを報告するドライ
バーの位置情報および走行履歴情報
•
メンテナンスおよび車検時期をドライバーに通知する車両更
新情報
出典 : RAC
Octo がメキシコでテレマティクスサービスをリリース
最新のテレマティクスシステムおよびサービスを自動車および保
険業界に提供する Octo Telematics が、同社の北米子会社 Octo
Telematics North America を通じてメキシコ市場に参入することを
発表しました。Octo のテレマティクスは、メキシコ全土の保険会
社やフリート管理会社に提供される予定です。
Octo Telematics は、世界各国の交通事故に関し最も大きなデータ
ベースを持っています。現在UBI の契約数に関する同社のマー
ケットシェア は 36% となっており、グローバルユーザーの数は
400 万人を超えています。同社のメキシコ市場への参入はグロー
バル規模での拠点展開の一環であり、欧州や米国、カナダ、メキ
シコを含む市場に事業所およびユーザーを有しています。
Octo はフリート管理およびドライバーモビリティに関するグロー
バル企業 LeasePlan と連携し、今春より LeasePlan Mexico のユー
ザーにフリートサービスを提供します。LeasePlan Mexico のユー
ザーには、堅牢なフリート管理プラットフォームによる車両の使
用状況のモニタリングや、Octo の盗難車回収サービスおよび
Crash and Claims サービスなどが提供されます。
出典 : Octo Telematics
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May/June 2016 | Telematics News
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Telematics News
An SBD Information Service
TELEMATICS-BASED INSURANCE
Viasat および Amodo がテレマティクス保険で提携
Amodo および Viasat Group が新たなパートナーシップを締結した
ことを発表しました。これにより、Amodo は最新の運転行動プロ
ファイリングサービスを Viasat に提供します。
欧州のテレマティクス分野のリーダーかつパイオニア的存在であ
る Viasat Group は、バリューチェーン全体を網羅し、60 万台以上
のコネクテッドカーにソリューションを提供しています。
Amodo はスマートフォンデータ処理に関する深い知識を有するの
に対し、Visat はデバイスからのデータ収集について豊富な経験を
持っています。これらを組み合わせることで、市場において比類
のない地位を確立し、ハードウェアに依存しない分析システムの
構築が実現します。」
Viasat Group 社長兼 CEO、Domenico Petrone 氏は次のように述べて
います。「Amodo のソリューションと Viasat Group のプラット
Amodo の最高技術責任者である Gorjan Agacevic 氏は次のようにコ フォームを融合することで、Visat が保険会社に提供するサービス
メントしています。「Viasat とのパートナーシップ契約締結によ
はさらに充実し、Amodo のスマートフォンベースのソリューショ
り、運転行動評価アルゴリズムのリスク予測能力が大幅に向上し、 ンによって短期間での製品化が実現します。」
両社の顧客に直接的なメリットを提供することが可能となります。
出典 : Amodo
CON614-161
テレマティクス保険
本格普及に向けた環境は整ったか?
本書では UBI(利用ベース自動車保険)の普及に影響を与える要素について解説して
います。
ドライバーのメリット : ドライバーが UBI を検討する気にさせる優遇措置。現行商品
に十分な魅力があるか
保険会社のメリット : 保険会社がテレマティクス保険を提供する動機とは
OEM のメリット : UBI が自動車メーカーにもたらすチャンス。UBI 対応製品を既に提供
しているメーカーとは
アフターマーケットの UBI : 最も市場に浸透しているアフターマーケット商品の概要
と商品間の違い
さらに各 OEM が現在提供している UBI 商品を紹介しています。
本書に関するお問い合わせは下記にて承っております。
E-mail : postbox@sbdjapan.co.jp / Tel : 052 253 6201
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May/June 2016 | Telematics News
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Telematics News
An SBD Information Service
TELEMATICS-BASED INSURANCE
IMS がテレマティクスプラットフォーム DriveSync に新たなドライバー
モニタリング機能を追加
Intelligent Mechatronic Systems (IMS) が DriveSync プラットフォームのアップグレードを発表しました。
デートが行われています。詳細は下記の
とおり:
第二のドライバー向けサポート: UBI 契約
に第二のドライバーを追加することが可
能。契約者は第二のドライバーの運転
データを確認し、運転行動の改善につい
てアドバイスすることができる。これに
より、保険会社は複数のドライバーがい
る家族、初心者ドライバー、カーシェア
リングなどに向けプログラムの差別化が
可能。
長年に及ぶ調査・開発の集大成である今
回のアップグレードにより、競争力の差
別化や契約者の維持などに関する保険業
界共通の課題に対応する新たなイノベー
ションが導入されています。DriveSync 5
では製品化期間を長期化することなくカ
スタマイズが可能であるほか、顧客維持
につながる魅力あるカスタマーエクスペ
リエンス、UBI ビジネスの成立を正当化す
るのに十分なコスト削減および価値の向
上を実現しています。
DriveSync 5 はアップグレード版プラット
フォームで、12 の主要項目が強化され、
システムおよびバックエンドのアップ
ドライバーの検知および移動モード: ドラ
イバーが誰なのか、モバイルベースのプ
ログラムでは被保険車または公共の交通
機関を使用して移動しているのかを自動
的に判断。同機能では契約者に適切なア
ドバイスやフィードバックを提供。
テムを活用して車両をインテリジェント
に特定するとともに、走行開始および終
了時の精度を向上させる。同機能では、
車載システムを活用して使用車両を推測
することでハードウェアの追加コストが
不要となる。
API の統合: 契約者は迅速な市場展開に向
けた IMS の API やインターフェースを通じ
UBI ソリューションのカスタマイズ、既存
ソリューションの強化、UBI の既存製品へ
の統合が可能。
この他、DriveSync 5 には、新たなスコア
リングオプションや、登録手続きの簡素
化、インテリジェントプッシュ通知、モ
バイル分析、ドライバースコアの順位表
などが追加されています。
出典 : IMS
Bluetooth ベースの OBD デバイス向けサ
ポート: 契約者のスマートフォンによる接
続を活用し、契約者に OBD データを提供。
契約者は低コストサービスを利用し、車
両データに直接アクセスすることが可能。
Bluetooth アシスト: 既存の Bluetooth シス
Allianz Deutschland がテレマティクスベースの保険 BonusDrive に IMS の
技術を採用
Intelligent Mechatronic Systems (IMS) では、
ドイツの大手自動車保険会社 Allianz
Deutschland のモバイル UBI (テレマティク
ス保険) サービス BonusDrive に DriveSync 5
が採用されたことを発表しました。
Allianz BonusDrive は IMS のコネクテッド
カープラットフォーム DriveSync を採用し、
製品化期間の短縮を実現するとともに、
プログラムのカスタマイズやゲーム的要
素を取り入れたサービスを契約者に提供
しています。
Allianz BonusDrive には IMS が提供する高度
なモバイル UBI 技術が導入されており、12
V の Bluetooth カーアダプタに接続し、正
確な車両識別、リアルタイムでのドライ
バーの運転行動のモニタリング、ドライ
バーへのコーチングやフィードバックを
実現します。
収集された情報に基づき、ドライバーに
は最大 30% の保険料割引が年末に適用さ
れます。
出典 : IMS
SBD のレポート 「テレマティクス保険~
本格普及に向けた環境は整ったか?」
(CON614-161) では、なぜ保険および自
動車業界において UBI の本格普及が進まな
い原因について分析しています。
詳細は SBD ジャパン
(postbox@sbdjapan.co.jp/052-253-6201) まで
お問い合わせください。
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May/June 2016 | Telematics News
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Telematics News
An SBD Information Service
TN 動画ニュース
傘下の Waze がサンフランシスコで自動車の相乗りに関する試験プロジェクトを
開始
Google の親会社である Alphabet が、サンフランシスコ・ベイエ
リアにおける自動車の相乗りに関する試験プロジェクトを開始
しました。
Google では人気が高まっているライドシェアビジネスへの参入
を試みると同時に、ベイエリアの交通状況の改善の方法を模索
しています。また今回のプロジェクトによって得られる通勤に
関するデータは、同社の自動運転車プロジェクトにも役立てる
ことが可能です。
Google 傘下のマップアプリ会社 Waze が提供する同サービスは現
在 Adobe や Google を含む一部のベイエリアの企業によってベー
タ版のテストが行われています。
同サービスではルートや出発時刻などに基づき自動的にドライ
バーと相乗り希望者とをマッチングさせます。ガソリン代は自
動送金システムによって同乗者からドライバーに送金されます。
同サービスは、uberPOOL や Lyft Carpool などが提供するサービス
に類似していますが、大きく異なる点は、今のところドライ
バーはガソリン代以外に料金を受け取らないということです。
イスラエルで実施されている同様のプロジェクトでは、Waze は
同乗者からドライバーに支払われる料金の 15% を手数料として
徴収しています。
Google は今回のカリフォルニア州でのプロジェクトでは手数料
を徴収しないことを決定しており、この背景には、ライドシェ
アビジネスへの迅速な参入、関連データの収集、Uber や Lyft な
どの競合他社からの市場シェアの奪取といった狙いがあるとみ
られます。
Google および Uber はこれまで緊密な協力関係にありました。
2013 年に Google は Uber に 2 億 5 千万ドル(約 253 億円)を出資
し、Uber のサービスを Google Map アプリに統合することを計画
しました。Alphabet の企業開発担当上級副社長 David Drummond
氏は Uber の取締役メンバーでもあります。
しかしながら、Uber が独自のマップおよび自動運転技術の開発
をしたことが、今回 Google ga独自の相乗りサービスのテストを
行った背景にあるとみられています。
出典 : Nasdaq
SBD では、革新的なモビリティおよび車両オーナーシップモデル
による自動車業界への影響を調査分析したレポート 「オートモ
ティブモビリティ~接続型車両によるモビリティソリューショ
ン」 を発行しています。
詳細は SBD ジャパン (postbox@sbdjapan.co.jp/052-253-6201) まで
お問い合わせください。
Waze および Caltrans が交通データの共有に合意
関する情報が提供されます。両者が協力することでより多くの
データを入手し、道路状況に関する詳細な情報の提供が可能と
なり、ドライバーはより円滑に通勤および旅行計画を立てるこ
とができるようになります。
Waze によれば、ロサンゼルスにおける月間利用者は 170 万人を
超えており、ユーザーから提供されるポットホールや交通事故
などの警告情報は毎月 250 万件以上に及ぶということです。サン
フランシスコでは、67 万 8 千人を超える月間利用者によって 1
月あたりおよそ 97 万件の警告情報が提供されています。Waze の
Connected Citizens Program では、Caltrans などの政府機関や民間
道路管理者とパートナーシップを締結しデータ交換を行うこと
により、ユーザーやパートナーによるモビリティの改善を支援
することを目指しています。
カリフォルニア州交通局 (以下、Caltrans) では、ドライバー同士
で情報を共有するナビアプリの Waze との間に無料データシェア
リングに関するパートナーシップを締結したことを発表しまし
た。
この合意のもと、Waze は Caltrans に Waze ユーザー (Wazer) から
の匿名の交通情報および事故レポートデータを無料で提供しま
す。データには、Caltran の QuickMap によって提供されているカ
リフォルニア州の道路のリアルタイム交通情報が含まれます。
Waze には、Caltran の道路状況報告データや、道路工事・封鎖に
出典 : Caltrans
SBD が毎年発行している 「交通情報サービスガイド」
(CON527) では、60 ヵ国以上の交通、天気、駐車場などに関す
る情報サービス市場を網羅しています。本書は、カバレージ、
サービス、プロバイダなどをデータベース化したエクセルファ
イルと、市場動向分析や将来の展望をまとめた PDF/PPT ファイル
で構成されています。詳細は SBD ジャパン
(postbox@sbdjapan.co.jp/052-253-6201) までお問い合わせください。
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May/June 2016 | Telematics News
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Telematics News
An SBD Information Service
TN 動画ニュース
Jaguar Land Rover が Tile の追跡アプリを統合
2017 Land Rover Discovery Sport では世界で初めて Tile 社の最新の
追跡アプリを統合します。このプレミアムコンパクト SUV には、
新たなデザインや利便性機能、セーフティ機能に加え、最先端
のテクノロジーが搭載されることになります。
慌てて職場や学校に向かっていて重要なものを置き忘れてきて
しまうということはよくあることです。この新型 Discovery Sport
は財布を忘れたりカバンを無くしてしまうといったミスをな
かったことにしてくれます。同モデルに搭載されているアプリ
では、大切なアイテムに取り付け、それらがどこにあるのかを
スマートフォン技術を使って追跡することのできる Tile タグを使
用しています。
人は平均して 1 日 15 分、無くしたものを探すのに費やしている
と言われます。独自の車載アプリにより、このような時間の無
駄を省くことが可能です。ユーザーはタッチスクリーンの中央
部からアプリを起動します。ある特定のアイテムが車内にない
ことをアプリが検知するとユーザーにそれを通知します。さら
に、そのアイテムが最後にあったと思われる場所までの道順ま
でもが画面上に表示されます。
Jaguar Land Rover は自動車メーカーとして初めて Time 社の車載
エンタテイメントシステムを導入します。両社のパートナー
シップにより、ユーザーは車載タッチスクリーンを使って 「必
需品」 リストを作成し、アプリ起動時には常にそれらをチェッ
クすることが可能となります。車内でそれらのアイテムを見
失ってしまった場合には、Tile タグから 90 デシベルの警告音を
発生させ、位置を特定することが可能です。
Tile の CEO、Mike Farley 氏は次のようにコメントしています。
「我々は Jaguar Land Rover とのパートナーシップ締結について非
常に喜ばしく思っています。今回の当社のアプリ統合により、
ドライバー大切なアイテムがどこにあるのか探す手間が省け安
心できるなど多くのメリットが提供されます。過去半年間で流
通している Tile タグの数は200 万から 500 万以上へと拡大してお
り、当社の技術が Jaguar Land Rover の世界各国のユーザーにもた
らすメリットは非常に大きいと自負しています。」
Tile 社のスマートフォンアプリは Android および Apple のプラッ
トフォームに対応しており、追跡可能なアイテムの数は無制限
となっています。
最新の利便性技術
Jaguar Land Rover ではアップデート版インフォテイメントシステ
ム InControl Touch Pro を追加しました。10.2 インチのタッチスク
リーンと直感的なメニューを備えたこの新システムでは、ス
マートフォンアプリのルックアンドフィールを再現しており、
ユーザーはスワイプやピンチといったタブレット等と同様の方
法での操作が可能です。
スクリーンにはボタンなどは配置されておらず、画面アスペク
ト比 21:9 のワイド画面上では標準の 8 インチタッチスクリーン
と比較しより高い解像度を提供します。さらに、ピクセルカウ
ントを増加させることにより、デュアルスクリーンオプション
使用時に鮮明な画像を実現しており、ドライバーや同乗者に高
い画像品質を提供します。
InControl Touch Pro の最新機能は、従来のハードディスクドライ
ブ (HDD) よりも約 100% 高速化した 60GB のソリッドステートド
ライブ (SSD ) を組み合わせることによって実現しています。同シ
ステムでは Intel の高性能クワッドコアコンピューティングおよ
びグラフィックプロセッサを自動車向けに初めて使用していま
す。
先進安全システム
ドライバーコンディションモニタリングでは、ドライバーの眠
気を感知すると視覚および聴覚的警告によって通知します。車
両のアルゴリズムがドライバーに疲れの傾向がないかを継続的
にモニタリングすることで、安全な走行をサポートします。
インテリジェントスピードリミッターは、制限速度範囲での走
行を支援します。同システムでは、交通標識認識機能を活用し、
制限速度の変更を検知します。変更があった場合には、システ
ムがドライバーに新たな制限速度に従うよう通知します。ドラ
イバーが通知を受け取ると、車両は自動的に走行速度を制限速
度範囲内に調整します。
レーンキープアシストでは、車両前方方向に搭載されたカメラ
を用いて車線を検知します。ドライバーが方向指示器を使用せ
ず車線から逸脱し始めた場合には、車両がハンドルを自動的に
調整し、無意識のうちの車線逸脱を防ぎます。
出典 : JLR
欧州、米国、中国、その他市場において自動車メーカーが提供
している OE テレマティクスシステムおよびサービスに関する詳
細な情報および分析は、SBD の「コネクテッドカー総合ガイド」
(CON526) に掲載されています。
詳細は SBD ジャパン (postbox@sbdjapan.co.jp/052-253-6201) まで
お問い合わせください。
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May/June 2016 | Telematics News
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Telematics News
An SBD Information Service
TN 動画ニュース
Toyota Australia が緊急通信ネットワークを開発
Saatchi & Saatchi 社が Toyota LandCruiser を利用し、オーストラリ
ア内陸部で緊急通信を提供するネットワークを開発しました。
アウトバックと呼ばれるオーストラリア内陸部は非常に広大か
つ地形や気候が非常に厳しいことで知られています。携帯電話
の信号を受け取ることができないエリアは 500 万平方キロメート
ル (オーストラリア国土の 65% 以上) に及びます。緊急時に携帯
電話が圏外であるという状況は非常に危険です。そこで、携帯
電話の中継塔のないエリアで Toyota LandCruiser を利用した緊急
通信ネットワークが開発されました。
LandCruiser はその強靱性やあらゆる環境下での走行性から、ア
ウトバックにおいて最も人気の高い四駆です 。また、アウト
バックには、走行している車両が LandCruiser のみという地域も
多くあります。
ンダーズレンジにおいてテストが行われています。
このため、 Saatchi & Saatchi はフリンダーズ大学と協力し、 Toyota の National Marketing 担当ディビジョンマネージャー、
Toyota LandCruiser に搭載するための新たなデバイスの開発に取 Brad Cramb 氏は次のように述べています。「アウトバックで長
り組んでいます。同デバイスにより、緊急通信ネットワークが 期にわたり高い信頼を得ている LandCruiser と通信技術とを融合
構築され、アウトバックの最も遠隔地でも通信可能となります。 させることにより、オーストラリアの内陸部の遠隔地域に切望
デバイスは Wi-Fi や UHF のほか、NASA が惑星間通信に導入する されていたインフラを提供することが可能となります。
など高い関心が寄せられる遅延耐性ネットワーク (DTN: Delay
Tolerant Networking) を組み合わせて開発されており、搭載車両を LandCruiser が世界でも最も強靭な車両の一つであり、オースト
通信ホットスポットとして活用することが可能となります (信号 ラリアで人気の高い四駆であることから、同車両を使って緊急
の受信範囲はそれぞれ 25 キロメートル)。
通信ネットワークを構築するに至りました。」 Toyota は国内
ディーラーミーティングにおいて同プロジェクトについて公式
同技術は、デバイスを搭載した LandCruiser を使ってオーストラ に発表しており、現在同デバイスの商用車への展開の可能性も
リアのアウトバックの中でも最も過酷かつ危険なエリアの一つ 検証されています。
であり、火星協会なども車両の試験を行うことで知られるフリ
出典 : Saatchi & Saatchi
ミュンヘンで燃料電池車のカーシェア
リングサービス BeeZero が開始へ
ドイツの水素発生器メーカー Linde がミュンヘンで燃料電池車の
カーシェアリングサービス BeeZero を開始します。同サービスで
は、Hyundai の燃料電池車 ix50 50 台がカーシェアリング用に提供
される予定です。
Peugeot が新たな i-Cockpit HMI レイアウト
を開発
Peugeot 3008 向けに新たに開発された車載 i-Cockpit が 2017 年に
リリースされる予定です。完全な LCD インストルメントディス
プレイが PSA モデルに採用されるとみられています。
出典 : PSA
出典 : Linde
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May/June 2016 | Telematics News
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Telematics News
An SBD Information Service
TN 動画ニュース
PSA Peugeot Citroen がカーシェアリングサービスの Koolicar に 1,800 万ユーロを出資
PSA Peugeot Citroën と MAIF というフランスの大手企業による支
援を受け、Koolicar は戦略的成長計画をさらに強化し、最高 3 万
台の車両に同社の技術を搭載することが可能となります。これ
により、同社はカーシェアリング市場におけるグローバルプ
レーヤーとなり、IT、マーケティング、カスタマーサービスに新
たなポジションを設け、パリおよびモントリオールの同社の
チームを 30 名から 100 名にまで増員する予定です。
シェアリングエコノミーの出現により活性化する市場において、
カーシェアリング分野のビジネスが急成長しています。PSA
Peugeot Citroën では、2020 年までに欧州 5 大市場のユーザー数
は 1,000 ~ 4,000 万人となると見込んでいます。
PSA Peugeot Citroen はピアツーピアカーシェアリングサービスの
新興企業 Koolicar の増資に参加し、Koolicar の 2010 年来のパート
ナーである MAIF と並ぶ筆頭株主となりました。PSA Peugeot
Citroen による出資額は 1,800 万ユーロ(約 20 億円)におよびま
す。
出資は、必要に応じ、独占禁止法規制当局等の承認を経て完了
する予定です。
Koolicar のピアツーピアカーシェアリングサービスは 2012 年に開
始されており、現在フランスの 40 の都市において、6 万人以上
の登録ユーザーに利用されています。
Koolicar は非常に高い可能性を持つ新興企業として頭角を現して
おり、欧州におけるピアツーピアカーレンタルサービスに独自
の革新的な技術を採用しています。あらゆるタイプの車両に搭
載可能なコネクテッドボックスをベースに、キーレスでの処理、
走行距離やリース期間の計算、ジオロケーションを実現し、
カーシェアリングをより身近なものにしています。
Koolicar サービスの強みは、高品質で使いやすく多彩なユーザー
オプションおよび、対応が迅速なユーザー専門チームです。
PSA Peugeot Citroën の上級副社長 Brigitte Courtehoux 氏は今回の
新たな合意について次のようにコメントしています。「今回の
Koolicar 社の株式取得は、当社のモビリティサービスオペレー
ターとしての戦略をさらに一歩進めるものであり、当社のお客
様に最高のモビリティソリューションを提供することを目指し
ます。」
Koolicar 創設者 Stéphane Savouré 氏は次のように述べています。
「わずか数年の間に、フランスはシェアリングエコノミーのグ
ローバルリーダーとなりました。当社はこの変革期の中心的役
割を担っており、PSA Peugeot Citroën および MAIF というフラン
スの大手企業 2 社から、資金援助だけでなく、市場へのアクセス
や技術および製造面での専門知識が提供され、当社の成長を支
援していただけることを光栄に思います。」
出典 : PSA
SBD では、革新的なモビリティおよび車両オーナーシップモデル
による自動車業界への影響を調査分析したレポート 「オートモ
ティブモビリティ~接続型車両によるモビリティソリューショ
ン」(CON615-161) を発行しています。
詳細は SBD ジャパン (postbox@sbdjapan.co.jp/052-253-6201) まで
お問い合わせください。
CON/SEC602
リモートハッキング
脅威を緩和させることはできるのか?
モバイル接続によって自動車で革新的な機能が提供されるようになりました。
しかしその一方で、自動車メーカー各社はこれまでとは違うリモート攻撃の
脅威にさらされています。
本書「コネクテッドカーのセキュリティ : 対策」(CON/SEC602)では
コネクテッドカーをリモート攻撃から守るために使用可能な対策を紹介して
います。本書で紹介しているソリューションの多くは、直ちに導入できる
状態にあります。
SBD ジャパン
E-mail : postbox@sbdjapan.co.jp
Tel : 052-253-6201
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May/June 2016 | Telematics News
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SBD は、自動車セキュリティ、コネクテッドカー、自動
車安全技術の 3 分野において、解析レポート、データ
ベース・総合ガイド、ベンチマーク、将来予測、エンド
ユーザー調査、個別調査・コンサルティングサービスを
提供し、自動車業界のお客様をサポートしています。
Intelligence • Insight • Evaluation • Strategy
情報サービス
評価サービス
戦略策定サポート
• モデルごとの詳細情報を
データベース化
• 技術予測
• サプライヤー分析
• 市場要件
• ニュース分析
• エキスパートによる製品
テスト
• 消費者による製品テスト
• プロトタイプの反復評価
• KPI 設定
• サイバーセキュリティテ
スト
• 新規市場参入サポート
• RFP/RFQ 管理
• M&Aデューディリジェン
ス
• 戦略的ワークショップ
• サプライヤーポジショニ
ングサポート
SBD では 1995 年の設立以来、 OEM、サプライヤー、業界団体といったお客様に確かな情報と
サービスをご提供しています。
SBD の主要調査分野
Connected Car
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Automotive Car
OE コネクテッドサービス
スマートフォン統合
自動車向けアプリ
ユーザーの利便性& HMI
ビッグデータ
モビリティソリューション
法規制の動向
市場予測
052 253 6201
• 自動運転車
• ADAS (先進運転支援システ
ム)
• HMI ベンチマーキング
• 法規制の動向
• ADAS 市場予測
• V2X
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Secure Car
• 自動車向けサイバーセキュ
リティ
• 電子的盗難の脅威
• 世界の盗難動向のモニタリ
ング
• 盗難に用いられる技術
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• 保険グループレーティング
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