こちら - SBD

2016 年 7 月号
Telematics News
An SBD Information Service
中国の car2go は、2 ヶ月未満で
78,000 人超の顧客と契約
Nissan: Nissan Connect Finder
で新たなテレマティクスを提案
独占インタビュー
Bosch の運転支援システム向け製品管理/マーケティング部門取締役の Thomas Fuehrer 氏
に自動車業界におけるレーダーの未来についてインタビューを行いました。
インタビュー
Toyota Connected の最高責任者である Zack Hicks 氏が状況に適した対応が可能な
コネクテッドカーを実現し、「技術による支配」から顧客を解放する方法について
語りました。
Page 1
Telematics News
An SBD Information Service
Toyota Connected の最高経営責任者が、状況に適した対応が可能な
コネクテッドカーの実現について語る
Toyota Connected がデータを収集し、様々な点で顧客エクスペリエンスを改善する方法を探ろうとしている
ことは明らかです。しかし、それだけを聞くと、いくつかの疑問が湧いてきます。
Toyota Connected の最高経営責任者である Zack Hicks 氏が、状況に適した対
応が可能なコネクテッドカーを実現し、同氏いわく「技術による支配」から
顧客を解放する方法について語りました。
Q. Toyota Connected とは、具体的にどの
ような会社ですか?
A. 私たちが今日、個人として行うことの
ほとんどから、データが生成されていま
す。そのデータを活用し、顧客のために
よりよい自動車とよりよいをエクスペリ
エンスを実現する会社、それが Toyota
Connected です。
トヨタ車両は現在、データを生成し、私
たちに提供していますが、それはこれか
らも変わりません。今後は車両の外側に
カメラが搭載される予定です。車両は、
車内で実際に利用されているラジオ局や
聴かれている曲についてデータを提供で
きるようになります。他にも、顧客の移
動パターンなど、様々な情報の提供が可
能になります。一方当社は、このような
車両から収集したデータを通じ、顧客が
満足しているかどうかを把握できるとい
うわけです。
Q. そういったことは、現在すでに行って
いますよね?
A. 確かに、現在すでに可能なことです。
それについては、内部でも実証済みです。
しかし、当社がしようとしているのは、
この能力を活用して驚くような何かをす
ることなのです。コネクテッドカーの
データ活用については、そういう段階に
来ていると思います。
どういうことかというと、車両から収集
したデータを、顧客が求める方法で活用
できるようにするのです。データの使用
については、現在同様、顧客の明確な許
可が事前に必要になります。
データ活用法としては、例えば、自動車
に乗るたびに、スマートフォンが行先を
教えてくれるというものが考えられます。
Q. それが Toyota Connected の事業モデル
のようなものですか?
A. 好例の 1 つです。ナビゲーションアプ
リを利用しているドライバーは、データ
の使用を許可しています。許可したこと
に気づいていないかもしれませんが、間
違いなくしているのです。トヨタでは、
データの使用許可について、さらに明確
にしていく計画です。しかし、それ以外
の点では、コンセプトは従来と同じです。
もっとも、コンセプトの改善はしていき
ますが。トヨタ車両では将来、ドライ
バーは自動車に乗った際に、目的地を設
定する必要がなくなります。ドライバー
の行きたい場所を運転のパターンや好み
に基づき私たちが予測し、ドライバーを
その目的地へ交通渋滞を回避しながら案
内するというわけです。当社ではこのよ
うにデータを利用し、顧客の生活をより
よくしていきます。ただし、プライバ
シーを侵害するわけではありません。
ドライバーが通常とは異なる場所へ行く
場合にも、当社にはわかります。例えば、
帰宅するわけではないことが、80% の精
度で推測できます。その推測能力をどう
活かすのか説明しましょう。ドライバー
がアメフトチームのダラス・カウボーイ
ズの大ファンで、その日、試合があるこ
とが私たちにはわかっていて、ドライ
バーがスタジアムの方へ移動していると
します。この場合、ドライバーがカウ
ボーイズの試合を見に行くのだと、私た
ちは 80% の精度で予測できます。そこで、
ドライバーにこう伝えます。「AT&T スタ
ジアムに行くようですね。交通渋滞を回
避するルートを選択し、駐車場料金を事
前に支払うことを希望しますか?」
Q. ドライバーがカウボーイズのファンだ
ということは、どのようにして知るので
すか?
A. 顧客がソーシャルメディアで公開して
いる投稿を閲覧すれば、知ることができ
ます。
Q. つまりトヨタは、顧客のソーシャルメ
ディアのデータを分析するということで
すか?
A. ソーシャルメディアで公開されている
投稿からは、様々な情報が得られます。
LinkedIn を例に取ると、そのユーザーが転
職したこと、または求職中であることが
わかる場合があります。車両購入サイク
ルのどの段階にあるのかわかることもあ
ります。
いるのはスポーツカーではないでしょう。
私たちは、ソーシャルメディアの情報を
通じて、顧客が例えばサイクリストだと
わかれば、その顧客が車両の修理に訪れ
た際に、サイクルキャリアを装備した代
車を提供することもできます。
ソーシャルメディアはフィード登録が可
能です。当社では顧客の声を聞くために、
ソーシャルメディアのフィード登録をす
でに行っています。閲覧できるのは、公
開されている投稿のみです。非公開の投
稿は一切閲覧できません。
最終目的は、こうした顧客との一対一の
関係をマーケティング活動や車両所有エ
クスペリエンス全体にわたり維持するこ
とです。当社では新しいアプリを開発し
ていますが、今後は、すべてのアプリを
すべての顧客に押しつけるようなやり方
を見直していく方針です。興味の有無に
関係なく一方的にアプリを配信するので
はなく、カウボーイズのファンやアート
好きの人には、その趣味をもっと手軽に
楽しめるような、特定のアプリを提供し
ていきたいと考えています。
Facebook のページを公開している人物の
場合、赤ちゃんが生まれたことや結婚し
たことを投稿していることがあります。
そういった公開されている情報には、当
社もアクセスすることができます。赤
ちゃんが誕生したばかりで、自動車を購
入しようとしている人であれば、探して
Page
July 2016 | Telematics News
| 2
Telematics News
An SBD Information Service
Toyota Connected の最高経営責任者が、状況に適した対応が可能な
コネクテッドカーの実現について語る
Q. つまり、顧客が自発的に提供して
いる情報を使用するだけということです
か?
A. そのとおりです。現在、多数の音楽ス
トリーミングサービス企業やラジオ局が、
そういったことをしています。顧客が特
定のラジオ局を利用したり曲を聴いたり
している時間はどの程度なのか、モニタ
リングしているのです。顧客が同じ曲の
間にチャンネルを変えた場合、多くの音
楽ストリーミングサービスではその曲を
その顧客向けには再生しなくなるでしょ
う。これもやはり、顧客が提供している
情報を利用する技術です。
Q. これがプライバシーの侵害ではなく役
立つサービスであるということを、どの
ようにして顧客に伝えるのですか?
A. トヨタはプライバシーの原則に関し米
国政府および連邦取引委員会(FTC)と提
携しており、この原則に同意しています。
この原則の一部では、トヨタによるデー
タの使用を許可するかしないかについて
非常に明確に定めています。しかし、
データを使用する意義についても説明す
べきだと私は考えます。データの提供と
引き換えに有益なサービスが受けられる
場合、データの共有を望む人は少なくあ
りませんから。とは言え、私たちはデー
タに損害を与えるようなことはしない責
任を負っており、データを第三者に無条
件で提供することはできません。第三者
に提供する場合には、それが有意義なこ
とであると顧客に知ってもらう必要があ
ります。
例えば、現在、タイヤがパンクしたため
に顧客が SOS ボタンを押した場合、当社
ではデータを米国自動車協会(AAA)か別
のサービスプロバイダーに送信していま
す。しかし、マーケティング会社にデー
タを送信し、顧客の信頼を裏切るような
行為をさせるつもりはありません。
Q. 「技術による支配」という言葉は、
Toyota Connected 設立の際のあなたのコメ
ントの中でも目を引く大見出しとなりま
した。これは、どういう意味なのでしょ
うか?
A. 当社は技術を人々にとって使いやすい
ものにしたいと考えています。現代には
アプリや端末があふれており、もはや手
に負えないほどです。私たちが提供する
端末は、目的達成の手段であるべきです。
使うこと自体が目的になるべきではあり
ません。例えば、レストランを訪れたに
もかかわらず、それぞれ端末の操作に夢
中で、会話もしていない家族がいたとし
ます。この家族は、技術に完全に支配さ
れてしまっています。まさに「技術によ
る支配」が起こっているのです。
当社がやろうとしていることは、表立っ
て利用されている技術を裏方に回し、そ
の技術にデジタルコンシェルジェのよう
な役割をさせることです。人々から端末
を取り上げ、代わりに彼らが必要とする
答えをすばやく提供し、1 日の中で自由に
使える時間を増やす手伝いをするのです。
Q. ここまで、データの活用によって可能
なことについて話をしてきましたが、そ
れを実現する上で Toyota Connected はど
のような役割を果たしますか?実行役で
す?それとも考える役ですか?
A. 当社は実行役です。ただこうしたアイ
デアを出すだけでなく、それを実現でき
なければ意味がないと考えています。実
行力を伴わないなら、単なるシンクタン
クと同じです。この事業をすぐにでもや
めなければならないでしょう。ですから
直ちに、TIMS 向けに機能を提供するとと
もに、自動運転車の研究を行っている Gill
Pratt 博士の組織(Toyota Research
Institute)向けにもデータおよびコネク
ティビティを提供する予定です。また、
車内で提供されるサービスの構築にも取
り組みます。
Q. 競争企業と比較して、Toyota Connected
はどのような位置付けですか?
A. Toyota Connected はトヨタを前進させ、
競争企業よりも優位に立たせる存在です。
競争企業はまだ、データ関連の組織を設
立していないからです。つまり当社には、
前例のない優れたサービスを提供する絶
好の機会が残っているのです。
出典 : Toyota
Page
July 2016 | Telematics News
| 3
Telematics News
An SBD Information Service
CAR SHARING AND MOBILITY
Car2Go が 2 ヶ月足らずで 78,000 人の中国人顧客と契約
中国の car2go は、2 ヶ月未満で 78,000 人超の顧客と契約しました。
なお、欧州および北米で car2go の利用者
が最も多い場所でも、1 都市あたりで達成
した登録顧客数は 4-5 年で約 100,000130,000 人です。
2 ヶ月未満で 40,000 台以上の車両がレン
タルされたということは、重慶市にある
400 台の car2go 車両が、1.7 分に 1 台の割
合でレンタルされている計算になります。
好スタートを切った car2go は、車両所有
に代わる重要な選択肢を作り、3000 万人
の住民を抱える重慶市の公共交通システ
ムに価値ある手段を加えました。
「重慶市で切ったスタートは、期待以上
の結果となりました」と car2go の最高経
営責任者である Roland Keppler 氏は言いま
す。「中国の顧客は、このサービスへの
関心が非常に高く、当社の車両を大変積
極的に使用しています」
car2go China Co., Ltd. の最高経営責任者で
ある Rainer Becker 氏は次のように述べま
す。「重慶市での予想を上回る展開は、
中国人顧客の新しいものを積極的に受け
入れる姿勢と開拓者精神があってこそ実
現したものです。car2go 車両はモビリ
ティ要件を補足する完璧な選択肢であり、
現代のライフスタイルの表れであると考
えるユーザーは、ますます増えていま
す」
重慶市は、car2go がアジアで最初にサー
ビスを展開した都市です。現在、渝北区、
江北区、渝中区など重慶市中心部の約 60
km² にわたって、400 台の Smart Fortwo 車
両が用意されています。
car2go 車両は都市部の駐車場スペースの
節約、大気汚染につながる排出ガスの低
減、交通状況の改善につながります。
出典 : Daimier
MaaS Finland が Whim モビリティアプリを発表
Finnish MaaS(Mobility as a Service)コンセプトに基づく新しいアプリ「Whim」を通じて、最新車両からタ
電車、レンタサイクルまで、事実上あらゆる種類の交通手段をすみやかに利用できます。
そのものでもあります。
「Whim によって、人々の移動手段は永遠
に変わるでしょう」と MaaS Global の最高
経営責任者であり設立者でもある Sampo
Hietanen 氏は話します。MaaS Global は、
Whim を開発したフィンランドのスタート
アップ企業です。「T 型フォードは、20
世紀の人々にいつでもどこでも好きな場
所に行く自由を与えましたが、Whim はま
さに 21 世紀の T 型フォードです。現代に
おいては、Whim の方が自身で所有してい
る車両よりも優れていると言えるでしょ
う」
出典 : MaaS Finland
Whim は、目的地へ行く最善の方法の検索
から、乗車券の購入、支払いまで、すべ
てのニーズに対応します。このように、1
つのソリューションですべてのモビリ
ティニーズを満たすことは、MaaS の役割
Whim アプリは、1 ヶ月単位のモビリティ
パッケージと利用時払い式サービスの両
方を用意しています。ユーザーのカレン
ダーと同期されるので、移動行程を事前
に計画する際にも役立ちます。文字どお
り whim(思いつき)で、様々な場所へ行
くことができます。しかも、操作はボタ
ンを 1 つ押すだけです。
Whim アプリは現在試験運用中ですが、夏
が終わったらフィンランドのヘルシンキ
地方で提供開始の予定です。これを皮切
りに、短期間で世界展開を目指します。
年内にさらに 2 都市でサービス展開し、
その後、対象都市を続々と増やしていく
計画です。Whim によりモビリティが大幅
に向上する他、様々な利点がもたらされ
るだろうと Hietanen 氏は自信をのぞかせ
ています。
SBD ではオートモーティブモビリティと
それを取り巻く状況の分析に加え、現在
どのようなソリューションが提供されて
いるか、OEM 各社はオートモーティブモ
ビリティのバリューチェーンにおいて現
在どのような役割を果たしているかを検
証したレポート「オートモーティブモビ
リティ 接続型車両によるモビリティソ
リューション」(CON615-161)を発行し
ています。詳細は SBD ジャパン
( postbox@sbdjapan.co.jp / 052 253 6201)
までお問合せください。
Page
July 2016 | Telematics News
| 4
Telematics News
An SBD Information Service
CAR SHARING AND MOBILITY
BMW が未来の MINI カーシェアリングコンセプトを披露
3 月 7 日に Munich Centenary Event で発表された BMW VISION NEXT 100 に続き、MINI と Rolls-Royce による
未来のモビリティを具現化した 2 台の最新コンセプトカーがロンドンで披露されました。
BMW グループの未来のビジョン
何年、何十年先の人々の暮らし方や移動
方法を探ることは、興味深くもあり、難
しくもあります。社会、経済、生活環境
はどう変わり、それに伴いモビリティは
どのように変化するのでしょうか?新し
い技術によってどのような機会が切り開
かれるのでしょうか?また、未来の自動
車ニーズにとってデジタル化とコネク
ティビティは何を意味するようになるの
でしょうか?
これらの疑問に対する答えとして、BMW
グループは 3 台の Vision コンセプトカーを
開発しました。各コンセプトカーは異な
るグループブランドで作られており、固
有のブランド価値とともに未来のモビリ
ティを独自の方法で具現化しています。
ど未来のテーマを多数探っています。ま
た、最高級のモビリティを、魅力的かつ
個人のモビリティニーズに適した形で、
非常に簡単に、いつでも利用できるもの
として提示しています。
MINI VISION NEXT 100:「Every MINI is my
MINI」
MINI VISION NEXT 100 の背景にある主な
テーマは、パーソナルモビリティ向けリ
ソースの責任ある使用です。「Every MINI
is my MINI」というモットーは、革新的
カーシェアリングを表現しています。未
来の MINI ファンは、どの MINI でも、いつ
でもどこでも利用し、個人の好みに合わ
せてカスタマイズすることができます。
MINI は常時、誰にでも利用可能になりま
す。ドライバーをどこへでも自律走行で
これらのコンセプトカーでは、自動運転、
デジタル化、パーソナライゼーションな
迎えに行き、車両の外観、運転性能、コ
ネクティビティをユーザー個人のライフ
スタイルに合うよう調整します。MINI
VISION NEXT 100 の実現するカスタマイズ
可能な新しいモビリティは、インター
ネットに接続されたデジタルインテリ
ジェンスをベースにしています。
出典 : BMW
SBD ではオートモーティブモビリティと
それを取り巻く状況の分析に加え、現在
どのようなソリューションが提供されて
いるか、OEM 各社はオートモーティブモ
ビリティのバリューチェーンにおいて現
在どのような役割を果たしているかを検
証したレポート「オートモーティブモビ
リティ 接続型車両によるモビリティソ
リューション」(CON615-161)を発行し
ています。詳細は SBD ジャパン
( postbox@sbdjapan.co.jp / 052 253 6201)
までお問合せください。
Page
July 2016 | Telematics News
| 5
Telematics News
An SBD Information Service
CAR SHARING AND MOBILITY
Cuvva v2 保険が友達との時間単位でのカーシェアリングを許容
時間単位の自動車保険契約を提供するアプリ「Cuvva」では最近、重要な出来事が 2 つありました。
1.
Cuvva ユーザーは Cuvva アプリで保険
契約を結んでいる期間に、100 万マイ
ル以上を運転しました。
2.
Cuvva は「The Social Garage」と呼ばれ
る V2 アプリを発表します。ユーザー
はこのアプリで直接、所有車両を貸
してくれそうな Facebook の友達を確
認できます。
Cuvva を設立したのは、スコットランドの
農村で育った Freddy Macnamara 氏です。
村では町まで行くバスが 1 日に 2 本しか運
行しておらず、同氏は交通手段に困るこ
とがよくありました。家族や友達は皆、
車両を所有していて、使用していないこ
とがあるにもかかわらず、保険の関係で
その車両を同氏が運転することはできま
せんでした。この状況に、同氏はいら立
ちを募らせていました。
同氏は次のように説明します。「問題は
保険の仕組みにあります。私なら、それ
を解消する手伝いができます。当社は、
通常 1 時間かかるプロセスを、スマート
フォンを使用して 10 秒で完了するオンデ
マンド型サービスに転換しました。Uber
が配車予約サービスでやってのけたこと
を、当社は友達から借りる車両に時間単
位で保険を掛けるというサービスでやっ
てのけたのです」
バージョン 2 のアプリでは、車両の貸し
借りをする関係者間で摩擦が生じないよ
う、情報を平等に公開します。このため、
車両を寄付金と引き換えに借りたい人が、
貸してくれる友達を確認できます。逆に、
車両を寄付金と引き換えに貸したい人が、
借りたい友達を確認することもできます。
機能を利用します。つまり、自分の車両
を信頼できる友達にだけ貸すことができ
るのです。
出典 : Cuvva
SBD のレポート 「テレマティクス保険~
本格普及に向けた環境は整ったか?」
(CON614-161)では、なぜ保険および自
動車業界において UBI の本格普及が進まな
い原因について分析しています。
詳細は SBD ジャパン
(postbox@sbdjapan.co.jp/052-253-6201) まで
お問い合わせください。
このアプリでは、Facebook のグラフ検索
Page
July 2016 | Telematics News
| 6
Telematics News
An SBD Information Service
EXCLUSIVE INTERVIEW
自動車業界におけるレーダーの未来
Thomas Fuehrer 氏は、Bosch の運転支援システム向け製品管理/マーケティング部門取締役です。1997 年に入社し、
最初に配属されたのは X-by-Wire および通信システムの企業研究開発部門でした。オーストリアのウィーン工科大学
でソフトウェア工学の学位を取得しています。
して 1000 万台目のレーダーセンサ(77
GHz)が今年出荷される見込みです。2000
年に第 1 世代を発表し、現在では第 4 世代
を販売し、第 5 世代を開発中です。運転
支援システム向けサラウンドセンサは昨
年だけでも 5000 万台以上販売しています
が、この販売台数を達成するのは初めて
のことでした。また、2015 年に販売した
レーダーおよびビデオセンサの数は前年
の 2 倍となっています。
TN: 狭帯域および超広帯域 24 GHz レー
ダーの将来をどのように考えますか?
Telematics News (TN): Bosch では通常、ど
のような 1 日を過ごしていますか?また、
現在のご自身の役割と、入社以来、役割
がどのように変化したのか教えてくださ
い。
Thomas Fuehrer 氏(以下 TF): 私は、ドイ
ツのアプシュタットにある Bosch のオフィ
スで、運転支援システム向け製品管理/
マーケティング部門取締役を務めていま
す。レーダーベースのシステムに重点を
置いて、世界各地における運転支援部門
の活動を追跡しています。技術が急速に
強化されている上、世界中に様々なタイ
プの顧客がいるというのは、興味深いで
すね。このような技術の進歩と、技術に
対する関心の高さを確認でき、とても嬉
しく思います。結果として、当社の開発
およびエンジニアリングチームと生産拠
点も国際的に拡大しつつあります。
個人的には、市場の需要と要件を追跡す
ることは以前よりも難しくなったと感じ
ています。しかし、当部門は各地域の
チームから強力なサポートを得ることが
できるので、助かっています。
TN: Bosch は自動車向けレーダーの分野で
どのような経験がありますか?対自動車
メーカーのビジネスについて話を聞かせ
てください
TF: アダプティブクルーズコントロール
(ACC)のようなシステムで使用されてい
るレーダーセンサに関しては、Bosch は全
世界の市場をリードしています。当社と
TF: 世界では、車載レーダー向けとして周
波数帯域 77 GHz、帯域幅 500 MHz が許容
されており、現代には超広帯域という技
術が存在しているにもかかわらず、周波
数帯域 24 GHz は欧州では狭帯域でしか使
用できません。米国、日本、欧州では、
狭帯域で使用する場合には様々な帯域幅
が許容されていますが、この結果、シス
テム性能に差が生じる可能性があります。
Bosch は 76-77 GHz のレーダーシステムを
開発しています。この周波数は世界中で
使用できるためです。また、車両プラッ
トフォームはグローバルプラットフォー
ムになりつつあるので、この周波数に対
応するレーダーシステムは強みになりま
す。
TN: 79 GHz は 24 GHz 技術に取って代わる
のでしょうか?この 2 つはコストと性能
の点でどう異なりますか?また、77 GHz
の状況について教えてください。
TF: 当社のレーダーセンサは、レーダー信
号を受発信する無線周波数ボード、デジ
タル信号を処理する制御ユニット、機能
そのものを統合したインテリジェントな
センサです。周波数帯 76-77 GHz を使用し
ます。77 GHz センサは既存 24 GHz モデル
と比較した場合、同じ解像度で同じ視野
をカバーするために必要とするアンテナ
表面は 3 分の 1 です。つまり、サイズが大
幅に小さく、小型車両に搭載するのにも
適しているということです。
レーダーに関しては、メーカーはグロー
バル車両プラットフォームを装備するこ
とができます。多様なシステムソリュー
ションに対応するために開発および適用
コストをさらにかける必要はないという
ことです。当社の次世代型レーダーセン
サは、77 GHz 以上の帯域幅に対応する予
定です。
TN: 今後、Bosch ではどのような車両セン
サ技術を新たに発表するのでしょうか?
TF: 超音波、レーダー、ビデオなど様々な
センサからのデータを融合させることで、
計測の距離、信頼性、精度が向上するで
しょう。センサデータの融合によって、
歩行者保護などの追加の運転支援および
安全性機能を装備することが可能になり
ます。また、快適性機能の性能が大幅に
改善されます。
結局のところ、自動運転には車両の周辺
環境について検知する高度で確かな機能
が必要です。
現在行っているレーダーおよびビデオセ
ンサのさらなる開発の次には、第 3 のセ
ンサ原理を含むセンサ構成が必要である
と Bosch は考えています。具体的には、ラ
イダー技術に着目しています。Bosch では、
この技術を徹底的に調査しています。完
全自動運転技術の開発開始以来、Bosch は
ルーフ装着型の 360 度センサまたは車体
装着型の 90 度センサを開発車両で採用し
てきました。
出典 : Telematics News
77 GHz 技術の計測精度が向上したことで、
より短時間で物体を検知できるようにな
りました。重要な状況を早期に感知し、
事故防止措置をさらに迅速に講じること
が可能というわけです。77 GHz 中距離
Page
July 2016 | Telematics News
| 7
Telematics News
An SBD Information Service
CONNECTED CAR
Volkswagen と TomTom が学習型ナビゲーション機能「Regular Routes」
Routes」を構築
Volkswagen は学習型ナビゲーション機能「Regular Routes」を開発しました。
通勤時や、市内のルートで友達に会いに
行くとき、子供を学校まで送るときなど
にナビゲーションシステムを使用する人
はほとんどいません。それもそのはずで、
ドライバーは道がわかっているのにナビ
ゲーションを使う必要はありません。し
かし、いつもの道で渋滞が起こっている
ことを車両がドライバーに警告できれば、
ドライバーにとって状況がはるかに楽に
なる可能性があります。まさにその警告
をするのが、Regular Routes です。
Regular Routes では、ドライバーが 1 度利
用したルートを保存し、最も頻繁に利用
するルートを特定の曜日と時間に応じて
インフォテイメントシステムに最大 3 つ
表示します。ドライバーは、ワンタッチ
のみでこれらのルートをシステム上の地
図に表示できます。ディスプレイに表示
されたルートをタッチすると、その特定
のルートをモニタリングする機能が自動
的に有効化されます。
Volkswagen は学習型ナビゲーション機能
「Regular Routes」を開発しました。この
機能は、定期的に利用するルート(通勤
ルートなど)を自動的に「記憶」し、そ
のルート上に交通の乱れがないかどうか
事前に確認するという優れものです。渋
滞が確認された場合、同機能は無効化さ
れているときでも代わりのルートを自動
的に選択します。
しかも、Regular Routes は無料で利用でき
ます。Volkswagen の最新世代の Discover
Media および Discover Pro ラジオナビゲー
ションシステムには、Regular Routes が標
準機能として装備されているためです。
朝 8 時前、通勤者は朝食を終え、コー
ヒーを飲み干すと、自動車に乗り込み、
オフィスへ向かう途中で交通渋滞にはま
る。これは、ドイツの大都市圏でよくあ
ることです。ドイツでは、かつてないほ
ど頻繁に渋滞が発生するようになってき
ています。ナビゲーション専門家と
Volkswagen のサプライヤーである
TomTom が共同発行した最新の「Traffic
Index」によると、ドイツの 5 大過密都市
であるシュトゥットガルト、ハンブルク、
ケルン、ミュンヘン、ベルリン(人口密
度が高い順)では、ひどい渋滞の起きる
割合が平均を上回っているといいます。
つまり、これらの都市で自動車により移
動する人は、移動時間が毎回 30% 長くな
ることを念頭に置いて行動する必要があ
るということです。世界の交通渋滞が発
生しやすい都市ランキングでは、シュ
トゥットガルト(295 都市中 48 位)は実
にニューヨーク(52 位)よりもランクが
上となっています。ドイツの他の大都市
圏でも、状況は似たようなものです。
Regular Routes はバックグラウンドで静か
に作動します。ドライバーが別のルート
で目的地まで行くことにした場合でも、
それは同じです。つまり、ルートに関す
る指示を一切出さないのです。ルート上
に渋滞などの問題がある場合のみ、自動
迂回機能の利用を提案します。
出典 : Volkswagen
SBD が毎年発行している 「交通情報サー
ビスガイド」(CON527) では、60 ヵ国
以上の交通、天気、駐車場などに関する
情報サービス市場を網羅しています。本
書は、カバレージ、サービス、プロバイ
ダなどをデータベース化したエクセル
ファイルと、市場動向分析や将来の展望
をまとめた PDF/PPT ファイルで構成され
ています。詳細は SBD ジャパン
(postbox@sbdjapan.co.jp/052-253-6201) まで
お問い合わせください。
Lexus ソフトウェアアップデートにより Enform システムの機能が停止
欠陥のあるソフトウェアアップデートが、米国の Lexus 車両所有者に問題を引き起こしています。
ワイヤレス通信で配信されたバグのある
コードによって、影響を受ける車両のイ
ンフォテイメントシステムの機能が停止
しています。
このため、ドライバーはナビゲーション、
温度調節、デジタルラジオを利用できな
い状態にあります。
トヨタはこの問題を認め、「解決策を見
つけるために全力を挙げている」とコメ
ントしました。
.車両のスクリーンが起動後、紫色に光り、
機能停止する様子を撮影した動画を、複
数のドライバーが投稿しています。
さらに、「多くの」車両が問題の影響を
受けているとしています。他の国の Lexus
車両にも該当のコードが配信されたかど
うかは、まだ明らかになっていません。
この不具合は、車両が動いているかどう
かを問わず繰り返されます。
出典 : BBC
Page
July 2016 | Telematics News
| 8
Telematics News
An SBD Information Service
CONNECTED CAR
HERE と Hyundai が車両のライフサイクル全体を通じて地図データ更新
サービスを提供
HERE と Hyundai Motor Europe は協業を強化し、埋め込み型ナビゲーションシステム搭載の欧州の全 Hyundai
新車両に対し、HERE による最新地図コンテンツを提供するとしています。
両社はさらに、2010 年以降の埋め込み型
ナビゲーションシステムを搭載している
欧州の Hyundai 車両限定で、無料地図デー
タ更新サービス「Lifetime MapCare」を提
供することも発表しました。
「Hyundai Motor では、配慮を基本的価値
観の 1 つとしています。業界最高のサー
ビスを提供することで、顧客を大切にし
たいと考えているためです。この姿勢を
示すよい例が、ライフサイクル全体を通
じた無料の地図データ更新サービスなの
です。これは、2010 年以降の埋め込み型
ナビゲーションシステムを搭載している
欧州の全 Hyundai 車両を対象としています。
地図データ更新によって、正確なルート
案内が実現するため、ドライバーは時間
を節約できます。また、Hyundai 車両の運
転を楽しむための最新機能を利用できる
ため、快適性が向上します。地図データ
更新については、年次点検サービスの際
にディーラーのサポートを受けられるの
で、簡単に対応できます。Hyundai にとっ
て HERE は、最先端の地図ソフトウェアを
提供してくれる強力なパートナーです」
と Hyundai Motor Europe のカスタマーサー
ビス部門バイスプレジデントである Bas
Kasteel 氏は言います。
Hyundai ナビゲーションシステムは、HERE
による正確かつ最新の地図データに加え、
音声制御型のターンバイターン方式ナビ
ゲーション、建物をリアルに表示する 3D
機能、無数の地域内検索用 POI(Point of
Interest)、先進運転支援システム機能も
提供します。
「正確で最新の地図データは、埋め込み
型ナビゲーションシステムに欠かせませ
ん。HERE は、絶えず変化している世界の
地図を作成します。Hyundai との伝統ある
協業を継続し、運転エクスペリエンスの
向上に貢献できることになり、大変光栄
です」と HERE の営業およびビジネス開発
部門上級バイスプレジデントである Bruno
Bourguet 氏は話します。
Hyundai の顧客は、年次点検で Hyundai
ディーラーを訪問した際に地図データ更
新サービスを無料で受けることができま
す。地図データ更新は、HERE MapCare を
通じて提供されます。
MapCare は 2009 年に開始した、最新地図
提供プログラムです。約 29 の車両ブラン
ドが同プログラムに加入しています。
MapCare を利用可能な車両は、現在まで
に 800 万台以上販売されています。
車両のライフサイクル全体を通じた
MapCare の提供は、Hyundai が MapCare
プログラムに加入することで実現します。
これにより、モデルの生産終了後、最低
10 年間は、対象の Hyundai 車両に年次地
図データ更新サービスが提供されます。
出典 : HERE
CON-511
車載スマートフォン統合ガイド
スマートフォンの車両への統合に関する最新動向
SBD のレポート「車載スマートフォン統合ガイド」では、車載スマートフォン統合市場に
おいて、現在OEM が提供中のソリューションを調査・分析し、今後スマートフォン統合導入
を検討するうえでどのような選択肢があるのかを把握できるよう全体像を示しています。
本書は PDF レポート(パートA)とエクセルデータベース(パートB)の 2 部構成で四半期
ごとに更新予定です。
本書に関するお問い合わせは下記にて承っております。
E-mail : postbox@sbdjapan.co.jp / Tel : 052 253 6201
Page
July 2016 | Telematics News
| 9
Telematics News
An SBD Information Service
CONNECTED CAR
日産がインフォテイメントサービスに関する Airbiquity との契約を更新
Airbiquity は日産自動車株式会社との契約を更新し、NissanConnect モバイルアプリおよび Infiniti InTouch アプリ
インフォテイメントプログラムを 2020 年以降もグローバルに提供することになりました。
自動車業界では現在、インフォテイメン
トの展開が活発化していますが、その先
陣を切るように、Airbiquity と日産は 2013
年、インフォテイメントサービスに関す
る提携を開始しました。以来、
NissanConnect モバイルアプリおよび
Infiniti InTouch アプリインフォテイメント
プログラムは拡大を続け、日産および
Infiniti ブランドの数百万台の車両にサービ
スを提供するまでになりました。現在、
56 ヶ国の 28 モデルを対象とし、様々な
ハードウェアサプライヤーおよびコンテ
ンツプロバイダーに対応しています。
NissanConnect モバイルアプリおよび
Infiniti InTouch アプリインフォテイメント
プログラムの展開は、大量市場の車両に
革新的技術と勝れたユーザーエクスペリ
エンスをもたらし、業界外のサプライ
ヤーと連携してプログラムの目標を達成
しようとする日産の取り組みの一例でも
あります。
このプログラムを実現する上で中心と
なっているのは、Airbiquity の Infotainment
Delivery サービスと Choreo クラウドベー
スサービス提供プラットフォームです。
これらは、エンドツーエンドのソリュー
ション展開と 260 万以上のインフォテイ
メントシステムおよびコンテンツプロバ
イダーアプリの OTA(Over-The-Air)アッ
プデートを実行しています。この結果、
NissanConnect モバイルアプリおよび
Infiniti InTouch アプリインフォテイメント
サービスのユーザーエクスペリエンスは
最新の状態に保たれ、競合する自動車
メーカーの類似サービスと差別化を図る
ことができます。
「プログラムの展開開始から 3 年経ちま
したが、引き続き 10 年間、日産自動車株
式会社にインフォテイメントサービスを
提供できることになりました。Airbiquity
では今回の契約更新を大変喜んでいま
す」と Airbiquity の社長兼最高経営責任者
である Kamyar Moinzadeh 氏は述べていま
す。「急速に進化している市場では、最
も革新的な技術を確実に提供するために、
当社のチームは常に先を見越しています。
日産が自動車インフォテイメント分野に
おけるリーダーシップを維持できるよう、
全面的に協力していく考えです」
「Airbiquity との契約を延長したことで、
日産は現在および将来の顧客を引き続き
サポートできます」と日産のコネクテッ
ドカー & 自動運転部門統括マネージャー
兼プログラムディレクターである John
Schnoes 氏は言います。
Airbiquity の Choreo サービス提供プラット
フォームは、柔軟性と拡張性を備えたコ
ネクテッドカーサービスをクラウドから
配信します。多様な車両システム、コネ
クティビティ端末、通信ネットワーク、
事務管理部門 IT システム、従来および最
新のコネクテッドカーサービスに必要な
コンテンツおよびサービスプロバイダー
を統合します。Choreo のオープンアーキ
テクチャ設計は、エンドツーエンドの
サービス提供と、既存サービスおよびマ
ルチパーティクラウドへのコンポーネン
トレベルの統合のいずれにも対応可能で
す。600 万台以上の車両が日々、Choreo
に接続し、毎月何億件もの取引を生成し
ています。
出典 : Airbiquity
欧州、米国、中国、その他市場において
自動車メーカーが提供している OE テレマ
ティクスシステムおよびサービスに関す
る詳細な情報および分析は、SBD の「コネ
クテッドカー総合ガイド」 (CON526) に掲
載されています。 詳細は SBD ジャパン
(postbox@sbdjapan.co.jp/052-253-6201) まで
お問い合わせください。
Verizon が Telogis を買収して車載テレマティクスおよび企業向け技術を
を獲得
クラス最高の Software-as-a-Service(SaaS)技術およびサービスの取り込みが狙い。
Verizon Communications は本日、カリフォ
ルニア州を拠点とする民間企業 Telogis の
買収について合意に至ったことを発表し
ました。この買収は、子会社 Verizon
Telematics のコネクテッドカーおよびモバ
イル企業管理分野の強化、さらには流通
経路の拡大を目的としたものです。
「Telogis は、企業向け製品の包括的ポー
トフォリオを備え、世界有数の自動車
メーカーおよび機器メーカーと提携関係
を構築しています。こうした特長に基づ
く世界レベルのソフトウェアプラット
フォームと新たな流通経路が加わること
で、Verizon Telematics がすでに幅広く揃
えている個人および企業顧客向けコネク
テッドカーソリューションを強化できま
す」と Verizon Telematics の最高経営責任
者である Andrés Irlando 氏は語ります。
「両社固有の資産が持つ強みを組み合わ
せることで、世界中の顧客に対しクラス
最高のモバイル企業管理サービスをより
効果的に提供できるようになります。同
時に、サービスを発展させ、市場シェア
の拡大を加速させることも可能です。情
熱と才能にあふれた両社の従業員が結束
することで、この先何年も、当社は収益
成長と製品イノベーションを実現し続け、
業界の新たな形を作りながら先導役を
担っていけるでしょう」
「Verizon のブランド資産価値、市場での
強み、広範なインフラ、全世界における
ビジネス展開によって、Telogis は次のレ
ベルに進むことができます」と Telogis の
最高経営責任者である David Cozzens 氏は
話します。「この戦略的買収を通じて、
両社の技術とサービスは統合され、市場
で独自の地位を獲得するはずです。さら
に、Verizon Telematics の業界をリードす
るビジネスは、Telogis の企業向け製品市
場における比類のない強み、革新的な
Mobile Enterprise Management ソフトウェ
アプラットフォーム、OEM およびエコシ
ステムとの強力な提携関係の恩恵を受け
ることができるでしょう」
この買収契約条件は開示されていません。
買収取引は、慣習的な規制当局の承認を
得ることを条件としており、2016 年下半
期中に完了する見込みです。
出典 : Verizon
Page
July 2016 | Telematics News
| 10
Telematics News
An SBD Information Service
CONNECTED CAR
メキシコ:新しい NissanConnect Finder が改良されたテレマティクスを
を
提供
日産が、NissanConnect Finder で新たなテレマティクスを提案します。
供される顧客名とパスワードを Web サイ
トまたは iOS/Android スマートフォンのア
プリから入力する必要があります。アプ
リは App Store または Google Play から無料
でダウンロードできます。
NissanConnect は 2013 年に発表されたグ
ローバルプラットフォームコネクティビ
ティサービスで、現在では 11 モデル
(March、Altima、Sentra、Maxima、NP300
Frontier、Frontier Pro4X、NOTE、Versa、XTrail、JUKE、TITAN)の日産車両に搭載さ
れています。発表以来、Twitter、
GooglePlaces、Facebook、TripAdvisor など
の同期プラットフォームを統合し、15 万
台以上の車両に装備されてきました。こ
の数は来月には 20 万台に達する見込みで
す。今回、日産は NissanConnect Finder で
新たなテレマティクスを提案します。
NissanConnect Finder は、インフラをベー
スとしたコネクティビティサービスを提
供します。ユーザーは、Web ポータル
(http://www.nissanconnectfinder.com.mx/
)経由で、または iOS/Android スマート
フォンを使用してアプリから直接、自身
の車両と遠隔でやり取りが可能です。
「NissanConnect Finder によって、2010 年
以降のモデルのどの日産車両を利用して
いる顧客も、希望すれば、このサービス
の位置情報およびコネクティビティ機能
の利点を享受できるようになります。レ
ンタルについては、1 年、2 年、または 3
年契約になる可能性があります。料金は
期間に応じて異なります」と Nissan
Mexicana の車両コネクテッドサービス部
門上級管理者である David Marquez 氏は言
います。
NissanConnect Finder は SatFinder(位置情
報およびエンジン始動禁止機能を提供)
に代わるもので、SatFinder よりも多くの
位置情報機能を提供します。SatFinder を
すでに使用している場合は、その資格情
報を NissanConnect Finder に移行すれば、
新しい機能を活用できるようになります。
NissanConnect Finder では、次のような重
要な機能によって車両を追跡することが
可能です。
Location(位置情報):地図上で車両の現
在地をリアルタイムで特定します。
Movement Alert(移動警告):車両が駐車
した場所から移動されたことをシステム
で検知した場合に警告を発します。
収システムも利用できます。同システム
は、当局が車両位置をタイムリーに追跡
して車両を回収できるよう支援します。
同システムでは、車両の位置特定、追跡、
盗難に遭った場合はエンジン始動の禁止
が可能です。また、カスタマーサービス
ライン(NFINDER 01-800)を通じてヘルプ
デスクに電話をすることもできます。
「日産は開発と技術革新をさらに推進す
ることで、インターネット接続を十分に
活用した、より安全で快適な車両管理機
能を提供しようと絶えず取り組んでいま
す。この姿勢を反映させたのが、
NissanConnect Finder です」と David
Marquez 氏は説明します。
「旧 SatFinder システムの端末を取り付け
た車両は、3 月までで約 20,000 台でした。
利点の増えた NissanConnect Finder は、さ
らに多くの車両に装備されるでしょう」
と同氏は締めくくりました。
出典 : Nissan Mexico
Speed Alert(速度警告):車両がユーザー
設定の最高速度を超えた場合に警告を発
します。ユーザーの車両を他の人が運転
する際や、係員による駐車サービスを利
用する際に役立ちます。
Placing “geofencing”(「ジオフェンス」の
設定):車両がユーザー設定の仮想エリ
アに入った場合とエリアから出た場合に、
警告を発します。ジオフェンスには、長
方形、多角形(いずれもサイズ制限な
し)、円形(50 m から 50 km まで)、
ルート(20 m から 1 km まで)の 4 タイプ
があります。
Route History(走行履歴):ユーザーは運
転を終えてエンジンを停止するたびに、
走行したルートを確認できます。
NissanConnect Finder のレンタルおよび取
り付けはアフターサービスとなり、全国
の 230 のディーラーがそのサービスを請
け負います。この最新技術は大半の日産
車両に対応しており、取り付け対象の車
両が 2010 年以降のモデルであることが唯
一の条件となっています。
Follow the vehicle(車両追跡):ユーザー
は車両位置を 15 分間隔で追跡できます。
利用登録をするには、ディーラーから提
NissanConnect Finder ではさらに、車両回
Horn(クラクション):ユーザーはクラ
クションを遠隔で 8 回鳴らして、駐車場
や離れた場所に止めている車両の位置を
特定できます。
SBD では自動車メーカーが提供している
OE テレマティクスシステムおよびサービ
スの課金モデルやアーキテクチャ、パー
トナー企業、装着率、提供状況などの最
新情報を画像や動画と共に提供している
レポート「コネクテッドカー総合ガイ
ド」(CON526)を発行しています。欧州、
北米、中国は四半期ごと、オーストラリ
ア、ブラジル、インド、日本、メキシコ、
韓国、タイ、アラブ首長国連邦(UAE)の
8 ヵ国については年 1 回最新情報をお届け
しています。本書の詳細については SBD
ジャパン(postbox@sbdjapan.co.jp / 052253-6201)までお問合せください。
Page
July 2016 | Telematics News
| 11
Telematics News
An SBD Information Service
CONNECTED CAR
韓国:SK Telecom がコネクテッドサービス「T map for Car」を公開
SK Telecom は、モバイルナビゲーションアプリ「T map」をベースとした革新的コネクテッドカーサービス
「T map for Car」を、2016 年釜山国際モーターショーで公開予定であると発表しました。
このショーは、6 月 3-12 日に韓国の Busan
Exhibition and Convention Center(BEXCO)
で開催されます。SK Telecom は、T map for
Car は 2016 年 7 月から「T map for KIA」の
名称で KIA K5(Optima)において、2016
年 9 月から「T map for JLR」の名称で
Jaguar Land Rover F-Pace において利用され
る予定であるともしています。
「T map for Car」は、モバイルナビゲー
ションサービス/アプリを車載ナビゲー
ションシステムとつなぐものとしては韓
国初のコネクテッドカーサービスです。
GPS(および基地局など)をベースとする
モバイルアプリ「T map」によって、情報
がリアルタイムで更新されます。
しかし、モバイルナビゲーションアプリ
では、車両がトンネル内や地下にある場
合には、その正確な位置を特定するのは
困難です。また、車載ナビゲーションシ
ステムは推測航法技術を使用して車両の
位置を計算しますが、リアルタイムでの
情報更新は行いません。SK Telecom の T
map for Car は 2 つのナビゲーションシス
テムの長所を組み合わせ、車両の位置や
時間を問わず、より正確なナビゲーショ
ン情報を提供します。
T map for Car によって、ドライバーは USB
ケーブルを用いてモバイル端末の画面を
車載インフォテイメントシステム(IVI)
のスクリーンにミラーリングすることで、
韓国で最も一般的なモバイルナビゲー
ションアプリ「T map」を IVI で利用でき
ます。モバイル端末のホーム画面を単に
IVI のスクリーンに表示するだけの既存の
ミラーリングサービスと比較すると、T
map for Car では、強化ユーザーインター
フェース(UI)に加え、自動車メーカーと
の協業を通じてカスタマイズした機能も
採用しており、ユーザーの利便性が高く
なっています。
さらに、T map for Car は様々な自動車メー
カーの車載インフォテイメントシステム/
技術と連動するよう設計されています。
例えば、T map for KIA は MirrorLink をベー
スとしたスクリーンミラーリング機能を
提供します。一方、T map for JLR は Jaguar
Land Rover の InControl アプリと連係し
合ってサービスを提供します。
利用しているモバイルキャリアを問わず、
顧客は T map for KIA アプリと T map for JLR
アプリを Google Play または One Store から
無料でダウンロードできます。アプリを
ダウンロードしたスマートフォンを USB
ケーブルで車載インフォテイメントシス
テムと接続すれば、T map for KIA または
JLR を使用できます。
One Store は、SK Telecom、KT、LG Uplus、
Naver が共同で開設した統合アプリストア
です。
出典 : SK Telecom
SBD では自動車メーカーが提供している
OE テレマティクスシステムおよびサービ
スの課金モデルやアーキテクチャ、パー
トナー企業、装着率、提供状況などの最
新情報を画像や動画と共に提供している
レポート「コネクテッドカー総合ガイ
ド」(CON526)を発行しています。欧州、
北米、中国は四半期ごと、オーストラリ
ア、ブラジル、インド、日本、メキシコ、
韓国、タイ、アラブ首長国連邦(UAE)の
8 ヵ国については年 1 回最新情報をお届け
しています。本書の詳細については SBD
ジャパン(postbox@sbdjapan.co.jp / 052253-6201)までお問合せください。
Volvo が地図、ナビゲーション、交通情報のサービスプロバイダーに
TomTom を選択
TomTom は、Volvo Cars の最新インフォテイメントプラットフォームに位置情報およびナビゲーションの
コンテンツ/サービスを提供するパートナーに選ばれました。
す。Volvo Cars 向け TomTom ソリューショ
ンの主要な機能およびサービスとしては、
自動車レベルのデジタル NDS 地図(リア
ルタイムの地図データ増分更新に対応)、
世界レベルの TomTom ナビゲーションソ
フトウェア「NavKit」、TomTom Traffic お
よび移動関連サービスが挙げられます。
今回の契約でカバーされる地域は、欧州、
北米、中国、日本、韓国、南米、アフリ
カなどです。
Volvo Cars の全世界の顧客は、SPA/CMA プ
ラットフォームのいずれかのモデルに
乗っている場合、TomTom のフルコンポー
ネントスイートを活用した非常に優れた
ナビゲーションサービスを埋め込み型と
クラウドベースのいずれかの形で 2019 年
から利用できるようになります。
長年にわたりイノベーションを推進して
きた高級車メーカーである Volvo Cars と
TomTom が協業するのは、これが初めてで
TomTom は Volvo Cars に次のようなサービ
スを提供します。
•
•
•
TomTom ナビゲーションソフトウェア
「NavKit」(モジュール式コネクテッ
ドナビゲーションエンジン)
自動車レベルのモジュール式デジタル
Navigation Data Standard(NDS)地図
(地図データ増分更新に対応)
TomTom Traffic および移動関連サービ
ス
•
•
Online Search(120 ヶ国以上における最
新かつ完全な住所および POI セットに
遠隔アクセスが可能)
NavCloud(端末全体で同期および共有
を実行)
出典 : TomTom
SBD が毎年発行している 「交通情報サー
ビスガイド」(CON527) では、60 ヵ国
以上の交通、天気、駐車場などに関する
情報サービス市場を網羅しています。本
書は、カバレージ、サービス、プロバイ
ダなどをデータベース化したエクセル
ファイルと、市場動向分析や将来の展望
をまとめた PDF/PPT ファイルで構成され
ています。詳細は SBD ジャパン
(postbox@sbdjapan.co.jp/052-253-6201) まで
お問い合わせください。
Page
July 2016 | Telematics News
| 12
Telematics News
An SBD Information Service
CONNECTED CAR
SAP がコネクテッドカー管理向けに Vehicle Insights を導入
SAP は、コネクテッドカー管理サービスを幅広く提供するアプリ「SAP Vehicle Insights」を導入しました。
同アプリは、車両分析に利用可能な基本データ分析、車両診断、Mobility-as-a-Service シナリオといった
サービスを通じ、ライブモビリティを次のレベルに押し上げます。
CON615-161
オートモーティブモビリティ
接続型車両によるモビリティ
ソリューション
SAP Vehicle Insights を用いると、企業は保
有車両全体の情報と車両固有の主要デー
タ(ギア認識、ガソリンスタンドでの停
車、経済的運転の点数、ヒートマッピン
グなど)を参照して、車両の全体管理と
個別管理の両方を改善できます。走行距
離やタイヤの摩耗状態をもとに不具合を
事前に予測して整備を促す機能によって、
修理をさらに効率的に計画できるので、
結果としてコストを削減することが可能
です。
SAP Vehicle Insights はコネクテッドカーに
より次々に生成されるデータと社内外の
既存ビジネスデータを結び付けることで、
敏捷性に優れたビジネスを実現します。
また、コネクテッドカーの開発関連シナ
リオについて、リアルタイム分析と予測
機能を絡め、企業にとって貴重な情報を
作成し、市場投入の早期化を支援します。
こうしたシナリオには、地理的位置、積
載量、温度、予想到着時間のような車両
データを利用可能な、物流の最適化と商
用車の管理という従来の分野が含まれま
す。ジオフェンシングや速度制限分析の
追加サービスは、デジタル農業や保険用
テレマティクスの分野の新しいビジネス
プロセスおよびモデルをサポートします。
「IoT 保険商品を複雑な点数モデルに基づ
き設計および実装する際に鍵となるのは、
柔軟性、拡張性、信頼性です。当社はこ
の目標を短期間で達成できましたが、そ
れは SAP Vehicle Insights のオープンで柔軟
なアーキテクチャを利用したからこそで
す」と msg global solutions Canada Inc. の上
級バイスプレジデントである Sven Roehl
氏は話します。
この柔軟なアプリは、SAP HANA Cloud
Platform をベースとしており、車両および
機器からのリアルタイムのセンサデータ
を収集、保存、マッピング、および分析
します。その後、このデータは外部デー
タと顧客データのいずれとも統合するこ
とができます。顧客は、リアルタイムの
テレマティクスデータを自社のビジネス
プロセスと結び付けることが可能です。
SAP Vehicle Insights は既存システムの中断
を最小限に抑えながら、革新的ビジネス
プロセスを実現します。オープンな統合
が可能な標準化された Web 対応サービス
によって、運用、計画、制御を改善し、
結果的にコストを削減します。これによ
り、新規事業モデルの作成、ビジネスの
敏捷性の向上、車両運用の最適化が促さ
れます。IoT、コネクティビティ、高度な
分析、新しい提携関係、未来のモビリ
ティコンセプトに関する新しいエコシス
テムは目まぐるしく変化し、複雑な課題
を引き起こしていますが、それに対処す
るのが SAP Vehicle Insights です。
出典 : SAP
SBD のレポート 「テレマティクス保険~
本格普及に向けた環境は整ったか?」
(CON614-161)では、なぜ保険および自
動車業界において UBI の本格普及が進まな
い原因について分析しています。
詳細は SBD ジャパン
(postbox@sbdjapan.co.jp/ 052-253-6201)
までお問い合わせください。
「モビリティ」は明確に定義され
ていないコンセプトで、様々な解
釈が存在します。本書では、自動
車メーカーに最も影響を及ぼし得
る分野、かつ自動車メーカーが最
も関与している分野である、マル
チモーダル交通サービス、カー
シェアリング、ライドシェアリン
グに特に焦点を当てています。
またカーシェアリングおよびライ
ドシェアリングといったサービス
の成長が自動車メーカーに及ぼす
影響や、新たなビジネスサービス
がどのようなオプションを設定し
ているのかについて検証するとと
もに、自動車メーカーが開発中の
マルチモーダル交通サービスを分
析します。
本書に関するお問い合わせは
下記まで
postbox@sbdjapan.co.jp
052 253 6201
Page
July 2016 | Telematics News
| 13
Telematics News
An SBD Information Service
CONNECTED CAR
トヨタと KDDI がグローバルコネクテッドカー通信プラットフォームを
計画
トヨタ自動車株式会社(TMC)と KDDI 株式会社(KDDI)はグローバル通信プラットフォームの構築に向け
提携しました。
両社が構築を目指すプラットフォームは、
車両コネクティビティをサポートするた
めに、世界中の通信ネットワークの運用
を可能にするものです。
トヨタは世界中の同社車両のコネクティ
ビティを向上させる狙いです。そのため
には、広範囲をカバーする堅牢な通信プ
ラットフォームと、統一されたデータ通
信モジュール(DCM)の使用が欠かせま
せん。トヨタは、そのような全世界で統
一された DCM を 2019 年までに開発すしよ
うとしています。DCM は 2020 年までに、
日本および米国で販売されるトヨタおよ
び Lexus のほぼすべての新車両に標準搭載
され、徐々に他の主要市場の新車両にも
搭載されていく予定です。
この目標を達成するため、また、DCM と
クラウドサービス間の通信をサポートす
るために、グローバル通信プラット
フォームの計画および設計は TMC と KDDI
が共同で実施し、開発および運用は KDDI
が担当します。
このプラットフォームが構築されれば、
全世界で統一された DCM は各車両の位置
と使用されている場所に基づき、様々な
国の電気通信事業者に自動的に接続され
ます。
通信技術を介して SIM 設定が上書きされ、
キャリアが変更されると、DCM は国際
ローミングサービスに依存することなく
接続が可能になります。全世界において、
より低コストで安定した高品質の通信を
維持するために、電気通信の状態と品質
が総合的にモニタリングされます。各国
および地域のすべての適用規制に従う必
要はあるものの、DCM 経由で収集した車
両データを利用することで、トヨタは製
品関連の研究開発とサービス品質を強化
できます。
約 60 年にわたり、KDDI は世界中の 600 以
上の電気通信事業者と関係を構築してき
ました。こうした関係に基づき、トヨタ
と KDDI は両社のプラットフォームに組み
込むべき各国の通信ネットワークを共同
で選択および調達する考えです。両社の
プラットフォームを他の会社が要求した
場合は利用できるようにすることで、社
会に普及させることを目指します。
の顧客に安全かつセキュアで、便利なモ
ビリティインフラを提供するために、車
両コネクティビティ構想の実現を加速さ
せる計画です。
トヨタ自動車株式会社の専務役員である
友山茂樹氏は次のように述べています。
「通信技術は車両コネクティビティの強
化に欠かせません。トヨタはこの分野に、
長年にわたって取り組んできました。
KDDI と共同でグローバル通信プラット
フォームを構築することで、当社は世界
中の顧客に対し、より安定した高品質の
コネクティビティサービスを提供できる
ようになるでしょう」
KDDI 株式会社の代表取締役社長である田
中孝司氏は次のように言います。「コネ
クテッドカー構想に関しトヨタと世界レ
ベルの提携関係を結んだことは、KDDI に
とって大変名誉なことです。この大規模
プロジェクトを通じ、世界中の様々な国
の車両がネットワークに接続されている
未来を実現したいと考えています。プロ
ジェクトを成功に導くために、全力を尽
くす覚悟です」
「ビジネスをグローバルに展開している
KDDI グループの総力を挙げて、この車両
コネクティビティ構想を支援していきま
す」
出典 : Toyota
SBD では自動車メーカーが提供している
OE テレマティクスシステムおよびサービ
スの課金モデルやアーキテクチャ、パー
トナー企業、装着率、提供状況などの最
新情報を画像や動画と共に提供している
レポート「コネクテッドカー総合ガイ
ド」(CON526)を発行しています。欧州、
北米、中国は四半期ごと、オーストラリ
ア、ブラジル、インド、日本、メキシコ、
韓国、タイ、アラブ首長国連邦(UAE)の
8 ヵ国については年 1 回最新情報をお届け
しています。本書の詳細については SBD
ジャパン(postbox@sbdjapan.co.jp / 052253-6201)までお問合せください。
KDDI をパートナーとし、トヨタはすべて
Subaru of America が次世代型 Starlink 向けに WirelessCar を選択
WirelessCar は、Subaru of America の第 2 世代 Starlink 向けテレマティクスサービスプロバイダーに選ばれた
ことを発表しました。
両社が新たに結んだ複数年契約によって、
スバルの顧客は機能が大幅に増大した
Starlink を介し、シームレスなコネクテッ
ドカーエクスペリエンスを楽しむことが
できます。
WirelessCar はスバルの顧客に、緊急通報、
故障時の相談コール、盗難車両の追跡と
いった安全性/セキュリティ機能の他、遠
隔での施錠/解錠/エンジン始動/温度調節、 ラットフォームを活用し、スバル顧客が
車両診断、ソフトウェアのダウンロード
コネクテッドカーの真の恩恵を受けられ
など便利なサービスを提供します。
るよう、拡張可能な幅広いサービスを提
供していきます」と WirelessCar の業務執
行取締役である Martin Rosell 氏は語ります。
「スバルは高品質で持続可能な車両を開
発していることで有名です。そんなスバ
出典 : Wireless Car
ルから、同社の第 2 世代 Starlink のサービ
スプロバイダーに選ばれたことは、とて
も光栄なことです。私たちはこの車載プ
Page
July 2016 | Telematics News
| 14
Telematics News
An SBD Information Service
TN Automotive Diary
9 月 19 - 20 日
Auto Apps & Connected Driving Technologies
ドイツ・ベルリン
Mercure Hotel MOA
Automotive-apps-world.com
9 月 20 - 22 日
Autosens
AutoWorld
ベルギー・ブリュッセル
Auto-sens.com
10 月 3 - 4 日
ADAS to Autonomous
米国・ノバイ(ミシガン州)
The Baronette Renaissance
Analysis.tu-auto.com
10 月 6 - 7 日
Cyber Security Europe 2016
ドイツ・ミュンヘン
Tu-auto.com/cyber-security-europe
10 月 17 - 18 日
Connected Automobiles 2016
イタリア・ミラノ
ACI Sara Safe Driving Centre
Connectedautomobiles.eu
Page
July 2016 | Telematics News
| 15
Telematics News
An SBD Information Service
CYBER SECURITY
Symantec がゼロデイ攻撃に対抗するための自動車ソリューションを
発表
Symantec は、ゼロデイ攻撃と現在のコネクテッドカーが直面している前例のない問題から車両を保護する
ために、Symantec Anomaly Detection for Automotive を導入しました。
Symantec は、複雑なネットワークのセ
キュリティおよび高度な分析に関する幅
広い専門知識を有します。その知識を車
両にもたらすのが、Anomaly Detection for
Automotive です。同ソリューションは、
問題を早期に特定して修正する上で欠か
せない機能を提供します。
ドライバーにとってコネクテッドカーは、
ナビゲーション、遠隔ロードサービス、
モバイルインターネットホットスポット
といった便利な機能が魅力です。こうし
た新しい技術は運転エクスペリエンスの
向上を約束してくれる一方で、ドライ
バーと同乗者を危険にさらす攻撃のチャ
ンスをハッカーに与えることにもなりま
す。
Symantec Anomaly Detection for Automotive
ソリューションは機械学習技術を使用し
て、受動的な車載セキュリティ分析機能
を提供します。この分析機能では、車両
操作を妨げることなく、すべてのコント
ローラーエリアネットワーク(CAN)バス
のトラフィックをモニタリングして、通
常の動作を学習し、攻撃と見なされる異
常な動作を検知した場合は警告します。
同ソリューションは、事実上どの自動車
メーカーおよびモデルにも対応します。
「モノのインターネットには様々な分野
が含まれますが、コネクテッドカーは交
通およびモバイル通信を根本的に変える
でしょう」と IDC のセキュリティ製品部門
バイスプレジデントである Christian
Christiansen 氏は言います。「コネクテッ
ドカーが一般的になるにつれ、セキュリ
ティ上の問題が注目されるようになりま
した。セキュリティ保護は、モバイル端
末やラップトップのようなネットワーク
に接続されたすべてのエンドポイントに
必要なように、コネクテッドカーにも必
要です。この機会に、自動車メーカーと
サプライヤーはコネクテッドカーのセ
キュリティ保護に関してサイバーセキュ
リティベンダーと提携するようになるで
しょう。セキュリティを最優先すること
は、ドライバーおよび同乗者の安全確保
につながるだけではありません。自動車
メーカー、さらにはモノのインターネッ
トのエコシステム全体に対する信頼を築
くことにもなるのです」
Symantec Anomaly Detection for Automotive
の主な利点は次のとおりです。
•
•
•
•
車両の動作をより深く正確に学習し、
自動車メーカーが未知の攻撃を把握で
きるよう支援
認識された重要度とリスクに基づき、
問題の優先順位付けを自動的に実施
メーカーにルールの設定やポリシーの
作成を求めることなく、異常な動作を
自動的に検知
必要なメモリと CPU パワーを最小限に
抑え、車両向けに一から構築された分
析ソリューションを使用
Symantec では業界で最も包括的な IoT セ
キュリティソリューションの構築に資金
を投じていますが、その最新の例が
Symantec Anomaly Detection for Automotive
です。同社は最近、車両からスマート
メーター、産業用制御システムまで、10
億台以上の IoT 端末をセキュリティ保護し
ていると発表しました。Symantec Anomaly
Detection for Automotive は同社が自動車業
界向けに設計した 4 つ目のソリューショ
ンです。他に、Symantec Embedded
Security の Critical System Protection、Code
Signing、Managed Public Key Infrastructure
を設計しています。
カー、その他、車両へのハッカーの侵入
を阻止しようと考える先進的企業との提
携に関する詳細情報は、ホワイトペー
パー『Building Comprehensive Security Into
Cars(車両における包括的セキュリティの
構築)』に掲載されています。
「自動車セキュリティ上の脅威は理論上
のものから現実のものへと変わりまし
た」と Symantec の製品管理およびエンジ
ニアリング部門専務理事である Shankar
Somasundaram 氏は指摘します。
「Symantec は、世界で最も包括的なセ
キュリティ技術ポートフォリオを車両に
提供しています。すでに数十億台の端末
と何兆ドルという資産をセキュリティ保
護しているインフラと技術が、次は車両
をセキュリティ保護します。当社では、
長期にわたる包括的セキュリティを構築
するとともに、今日の車両に画期的保護
ソリューションを提供しています」
出典 : Symantec
SBD のレポート「コネクテッドカーのセ
キュリティ: アタックポイントとその方
法」 (SEC553-14)では、コネクテッド
カーエコシステムにおける 50 箇所のア
タックポイントを特定しています。同調
査は、コネクテッドカーのリスクやア
タックの動機などについて自動車業界内
の理解を支援することを目的としていま
す。
本書および自動車のハッキングに関する
詳細情報については SBD ジャパン
(postbox@sbdjapan.co.jp/ 052 253 6201)
までお問合せください。
Symantec と自動車メーカー、半導体メー
Page
July 2016 | Telematics News
| 16
Telematics News
An SBD Information Service
CYBER SECURITY
PSA Peugeot Citroen がサイバーセキュリティに関し Safran と提携
Safran Identity & Security は、コネクテッドカーのセキュリティに関し PSA グループと提携したことを発表
しました。
Citroën、および DS 車両に装備されていま
す。
Autonomous Telematic Box は単に SOS 機能
(緊急ボタン)を管理するだけでなく、
オンデマンド型車両位置情報サービス
(GPS)、車両盗難時の追跡サービス、技
術的車両データの収集機能、補助機能
(エンジンの予熱、解錠など)を有効化
します。
同社の電子署名プラットフォームは、コ
ネクテッドナビゲーションシステムおよ
び Autonomous Telematic Box(ATB)(ド
ライバーに多数のサービスを提供)で使
用されているソフトウェアの信頼性と完
全性を保証します。
コネクテッドカーが台頭してきた際、PSA
グループはこの新しい車両を早期に採用
し、他社に先駆けてドライバーに提供し
ました。また、緊急通報および自動支援
システム(事故発生時に、Autonomous
Telematic Box を使用して救急隊および緊
急サービスに自動的に連絡)についても、
いち早く取り入れました。このシステム
は現在までに、150 万台以上の Peugeot、
Security の信頼性の高いプラットフォーム
を利用します。同社のプラットフォーム
は、車両で使用されている組み込み型ソ
フトウェアの信頼性と完全性を保証しま
す。デジタル署名を用いることで、車両
の悪意のある制御につながりかねない海
賊版/偽造ソフトウェアの統合を防止でき
ます。
出典 : Safran
一部の新車両にはリアルタイムのコネク
テッドナビゲーションシステムも搭載さ
れています。同システムでは、ルートを
矢印で示したり、リアルタイムの交通情
報を提供したりする最新地図(表示方式
は 2D、3D、遠近法などを選択可能)を利
用できます。
PSA の多様な機器サプライヤーは、コネク
テッドナビゲーションソフトウェアまた
は ATB にデジタル署名を追加し、その署
名を PSA に伝えます。PSA は知らされた署
名を車両に組み込みます。このデジタル
署名プロセスは、ソフトウェアアップ
デートのたびに繰り返されます。
このデジタル署名は Safran Identity &
Renault がイスラエルに新設した Open Innovation Lab を発表
Renault はイスラエルのテルアビブに Open Innovation Lab を開設しました。
拠点でもあります。
このクリエイティブなラボは、テルアビ
ブの有名技術大学「Porter School of
Environmental Studies」の中心にあります。 新しい Open Innovation Lab の開設は、
Renault(ルノー・日産アライアンスの一
Open Innovation Lab は、アフターサービス 員として協業に参加)、Carasso Motors
(Renault のイスラエルの輸入業者)、Telからサイバーセキュリティまで、電気自
Aviv Institute of Innovation in Transportation
動車に関連する様々なテーマに取り組み
の協業の結果、実現しました。
ます。同ラボの開設は、ルノー・日産ア
ライアンスのイノベーション戦略を前進
Renault Innovation Silicon Valley の取締役で
させる取り組みの一環です。シリコンバ
レーに最初の Innovation Lab を開設してか
ある Serge Passolunghi 氏は、次のようにコ
ら 5 年が経ち、次のラボの拠点として同
メントしています。「ビジネスを世界的
アライアンスが選択したのがイスラエル
に拡大するにあたり、初期段階の方針と
でした。イスラエルはスタートアップ企
してアライアンスは研究やイノベーショ
業にとって有利なエコシステムの上位 5
ンに取り組みますが、新しいラボの開設
はその一環です」
位に入っており、有名大学の研究資源の
「イスラエルの動的な環境は、電気自動
車を売り込み、モビリティに関する創造
性を育てる機会を与えてくれるでしょ
う」
出典 : Renault
Page
July 2016 | Telematics News
| 17
Telematics News
An SBD Information Service
CYBER SECURITY
STMicroelectronics、ETAS、および ESCRYPT がセキュアなコネクテッドカーの
ドカーの実現に向けて提携
STMicroelectronics は ETAS との協業を発表しました。
Module)も提供しています。SIM カード
は、ECU やゲートウェイを、個人データを
盗んだり、重要な車両システムに不正ア
クセスしたりするインターネットベース
の攻撃から保護します。
「SPC58 自動車マイクロコントローラーは、
業界が低価格で実現したいと望む基本の
耐久性とハードウェアセキュリティを提
供します。主要な Tier-1 サプライヤーはす
でに、OTA(Over-The-Air)のセキュリ
ティ確保のために、このマイクロコント
ローラーを選択しています。OTA によっ
てソフトウェアの遠隔での修正/アップグ
レードが可能になるので、顧客がそのた
めに車両を修理工場に運ぶ必要はなくな
ります」と Rodeschini 氏は付け加えます。
自動車組み込み型システムの開発向けに
革新的ソリューションを提供している
ETAS と、その子会社で、組み込み型ソフ
トウェアのセキュリティを専門とする
ESCRYPT が、完全なプラットフォームを提
供することになりました。このプラット
フォームは、マイクロコントローラー、
ソフトウェアツール、セキュリティソ
リューションで構成され、コネクテッド
カー時代の新しい自動車制御ユニットの
開発を加速させます。
現在の自動車設計者は、ブレーキ・バ
イ・ワイヤ、オートマチックトランス
ミッション、マルチモード照明、駐車ア
シスト、衝突回避など多数の複雑なシス
テムの管理に電子制御ユニット(ECU)を
利用する傾向が強まっています。
このような ECU は、車両のサブシステム
を相互につなぐ通信ネットワークを介し
コマンドを送信することで、車両の各機
能を「デジタル」で制御します。さらに、
クラウドに接続している車両が増えてい
ます。クラウド接続によって、OTA
(Over-The-Air)ソフトウェアアップデー
ト、遠隔診断、近い将来に実現が予想さ
れる V2X 通信のような新機能の利用が可
能になります。
こうした技術動向を安全にサポートする
ために、ハードウェアおよびソフトウェ
アの堅牢なセキュリティプラットフォー
ムの展開が加速しています。このプラッ
トフォームは、車両のライフサイクル全
体を通じて管理されます。
ST は ETAS および ESCRYPT と連携し、サブ
システムのデベロッパー向けに費用効果
に優れたプラットフォームを提供します。
このプラットフォームを利用することで、
車両所有者のプライバシーと OEM の知的
財産を高レベルで保護し、ECU 機能の完全
性を確保し、車両の ECU 間およびクラウ
ドとの通信をセキュリティ保護する ECU
を作成できます。
「この優れた設計の使いやすい開発プ
ラットフォームは、ESCRYPT、ETAS、およ
び ST のセキュリティの専門知識を結集さ
せた既製ソリューションの形で、前例の
ない利便性を顧客にもたらすことになり
ます」と STMicroelectronics の自動車およ
びコンポーネント製品グループ、戦略的
ビジネス開発およびマイクロコントロー
ラー部門取締役である Luca Rodeschini 氏
は言います。
ST が ETAS および ESCRYPT とともに開発し
ているソリューションでは、SPC58 シリー
ズの電力効率に優れたリアルタイム対応
自動車マイクロコントローラーを活用し
ます。このマイクロコントローラーは、
組み込み型ハードウェアセキュリティモ
ジュール(HSM)と、最先端の CAN FD、
さらには LIN、FlexRay、イーサネットと
いった多様な規格用のインターフェース、
タイムスタンプ機能を搭載しており、機
能の完全性チェックを実施した制御ユ
ニットと、暗号化通信対応車載ネット
ワークの両方を実装できます。このマイ
クロコントローラーによって、ST のコネ
クテッドカー向けセキュリティ対策サー
ビスは拡張されます。ST では同分野の
サービスとして、セキュアエレメント、
つまり埋め込み型 SIM(Subscriber Identity
ESCRYPT は、OTA ソフトウェアアップデー
トの配信など、セキュアな ECU 通信の専
門知識に加え、ECU デベロッパーが SPC58
HSM を利用できるよう、ファームウェア
やミドルウェアを提供しています。HSM
と ESCRYPT のセキュリティ技術はともに、
信頼できるソースの認証にすべて対応し、
不正エージェントによるアクセスを回避
します。「当社では CycurHSM を提供して
います。これは、HSM と当社のキー管理
ソリューションがセキュアなブート、プ
ログラミング、アップデート、車載通信
など、ECU の動作のあらゆる側面をセキュ
リティ保護する上で欠かせないソリュー
ションです」と ESCRYPT の業務執行取締
役である Thomas Wollinger 博士は説明しま
す。
このソリューションは、ETAS の実証済み
RTA ソフトウェア製品(ECU のコード開発
をサポート)を活用します。RTA-BSW(基
本ソフトウェア)は、AUTOSAR R4 準拠基
本ソフトウェア(乗用車(ISO 26262)と
オフハイウェイ車(ISO 25119)の両分野
のセーフティクリティカルな ECU に対応
可能)を含むフル AUTOSAR ソリューショ
ンで構成されています。また、フル ECU
ソフトウェアスタックを仮想環境で作成
およびテストする ISOLAR-A および ISOLAREVE ツールによって補完されます。
AUTOSAR(AUTomotive Open Systems
Architecture)は、拡張性と相互運用性を
備えた、標準準拠の埋め込み型システム
向けフレームワークとして、自動車業界
で認められています。このフレームワー
クを用いることで、デベロッパーは差別
化機能を設けた上で、新製品を費用効果
に優れた方法で迅速に市場投入できます。
出典 : STMicroelectronics
Page
July 2016 | Telematics News
| 18
Telematics News
An SBD Information Service
TN 動画ニュース
Capgemini が小売業者向け AutomotiveConnect を発表
Capgemini は、新しいサービスとして小売業者向け
AutomotiveConnect を発表しました。今日の小売業者は、店舗で
もオンラインでも、顧客の期待を上回り、高度にパーソナライ
ズされたデジタルエクスペリエンスを提供しなければなりませ
ん。この新サービスは、自動車ディーラーが最新デジタル技術
を展開して新しいデータストリームを利用し、売上高/収益、顧
客維持率、経営効率のすべてを向上させることができるよう設
計されています。
Capgemini の小売業者向け AutomotiveConnect は、同社のコンサ
ルティングおよび技術に関する幅広い専門知識を活用し、
ディーラー、販売業者、輸入業者がこの変化の激しい業界にお
いて、次の 4 分野に特化したサービスを通じビジネスを円滑に進
められるよう支援します。
コネクテッドカスタマー – 従来の車両購入プロセスを根底からく
つがえす、デジタル第一主義の破壊的プロセスが次々に出現し
ているにもかかわらず、自動車顧客の 95% は依然として、購入
前にショールームに足を運んでいます。ただし、そこで顧客が
求めるサービスは変化しています。彼らが求めているのは、製
品の販売員ではなく、専門家です。デジタルで事前に確認した
ことを、ショールームで実際に体験させてくれるディーラーで
す。魅力的なデジタルエクスペリエンスは、もはや顧客が当然
期待するものであって、特別なサービスではありません。
コネクテッドカー – 顧客の 47% は、次に購入する車両では当然、
コネクテッドカー機能を使用できるだろうと考えています。こ
れはディーラーにとって、OEM ブランドのコネクテッドカー機
能と販売後の付加価値サービスを提供する絶好の機会となりま
す。車両コネクティビティ機能により収集したデータを分析す
ることで、顧客の求めているサービスの理解が進みます。こう
して得た情報は、競争上の優位性を維持する上で役立ちます。
技術系最大手企業や主要 OEM はすでに、コネクテッドカー機能
のもたらす利点を享受しています。ディーラーも享受すべきと
きが来ています。
コネクテッドインサイト – Capgemini の Automotive Insights
Laboratory による支援のもと、小売業者は車両、顧客、市場、お
よび環境に関するデータの意味を把握できます。その結果、顧
客の好みに合った適切な種類の車両とアクセサリーを提供する
ために、よりスマートな意思決定を下せます。この業界知識と
ローカル市場の理解によって、ディーラーは購入動向を予想し、
顧客ニーズに確実かつ効果的に対応できます。
コネクテッドオペレーション – 3 分の 2 以上の顧客が、車両購入
後、納車に関する最新情報を頻繁に受け取ることを望んでいま
す。この期待に応えるには、サプライチェーン全体が密に連携
する必要があり、ディーラーにとってはプレッシャーとなりま
す。大量の在庫を抱える小売業者は特に、新しい技術ツールの
恩恵を受けられます。このツールを用いてスタッフ効率を向上
させ、あらゆる方向から資産を確認し、車両管理と在庫管理を
改善できます。このコネクテッドオペレーションサービスに
よって、在庫管理、財務、人的資源、その他のレガシーシステ
ムを統合するデジタルプラットフォームが実装されるため、
ディーラーは効率アップを実現できるでしょう。
Capgemini の顧客で米国に拠点を置く Southeast Toyota LLC は、世
界最大級のトヨタおよび Scion 車両の独立系販売業者ですが、こ
うしたサービスの価値について次のように力説します。「業界
が変化に対応し続ける限り、私たちも対応を続けます。より効
果的にトヨタと当社のディーラーに価値を付加できる方法で、
大量の資源を投じ、既存システムとプロセスの最新化を継続し
ていくつもりです」
Capgemini の自動車部門グローバル責任者である Kai Grambow 氏
は次のように語ります。「ディーラーは専門知識、ローカル市
場の知識、実際の車両エクスペリエンスを顧客に提供する信頼
できる存在であり、自動車購入プロセスには欠かせません。し
かし、デジタルが従来の購入サイクルを大変革し、Tesla や Apple
のような新しい競争企業が出現している市場では、ディーラー
は常に先手を打ち、デジタル技術を販売モデルに取り入れるこ
とにより、自身の競争上の強みを守る必要があります。増大し
続ける自動車データストリームを利用して顧客エクスペリエン
スの向上を推進することで、ディーラーは顧客が離れることな
く毎年必ず戻ってくる方法を生み出せるでしょう」
Capgemini は、自動車業界の顧客価値向上を支援する OEM 向け/
サプライヤー向け AutomotiveConnect を発表し、すでに成功を収
めています。小売業者向け AutomotiveConnect は、これらを拡張
したサービスです。いずれのサービスも、提供するのは同社の
Automotive Insights Laboratory です。Automotive Insights Laboratory
では、コンサルタント、アナリスト、データサイエンティスト
から成るグローバルな専門チームがデータをリアルタイムで照
合および分析して、その結果得た顧客情報を提供し、将来の顧
客の行動を予想します。
出典 : Capgemini
Page
July 2016 | Telematics News
| 19
Telematics News
An SBD Information Service
TN 動画ニュース
Elektrobit の EB cadian がデータ分析から得た情報を自動車メーカーに提供
Elektrobit(EB)は、車両パフォーマンスの遠隔分析に特化した
カスタマイズ可能なクラウドベースサービス「EB cadian」を発表
しました。EB cadian を利用すると、自動車メーカーはバリュー
チェーンの最適化や、車両開発および保守における時間とコス
トの削減に活用できる情報を取得できます。
遠隔分析ソリューションは、車両を継続的に進化させる上で特
に効果的です。EB cadian の Web フロントエンドで、自動車メー
カーは永久的なデータ送信を必要としない、特定のオンデマン
ド型調査を作成し、運転支援コンポーネントや、バッテリー寿
命、排出ガス量、インフォテイメントなどに関連するシステム
から、使用状況やパフォーマンスに関するデータを幅広く収集
できます。この調査は高度なカスタマイズに対応し、自動車
メーカーは真に必要なデータに的を絞り、データ送信を最小限
に抑えることができます。さらに、EB cadian を使用すると、非
常に具体的なグループを調査対象にできます。例えば、特定の
種類のエンジン、ハードウェアコンポーネント、あるいはソフ
トウェアバージョンを使用している車両のみからデータを収集
することが可能です。
にわたり車両を継続的に最適化していくことが可能です。自動
車部品をよりよく理解することで、必要な情報を得て、最善の
サプライヤーを選択できます。インターフェースが標準化され
ているため、EB または自動車メーカー独自のソリューションを
新たに追加する際も、問題なく統合できます。
EB cadian は、拡張可能なクラウド環境に調査データをセキュア
に保存します。自動車メーカーはこの環境を現在のニーズと車
両台数に応じてカスタマイズできます。EB cadian は独自のアル
ゴリズムを使用して収集データを分析し、情報を作成します。
自動車メーカーはこの情報を活用し、製品ライフサイクル全体
「遠隔分析によって、自動車メーカーは自社車両から収集した
データを利用して価値を創出できるのです」と Elektrobit のコネ
クテッドカー部門責任者である Rainer Holve 博士は言います。
「EB cadian を介して車両パフォーマンスを遠隔で評価すること
で、開発および顧客サービスを最適化できます」
最新 SEAT Ateca にフルリンクのコネクティビティ機能を搭載
出典 : Elektrobit
• SEAT Full Link:事実上すべてのスマートフォンのユーザーにコ
ネクティビティを提供します。MirrorLink に加え、Apple CarPlay
と Android Auto の機能も統合しています。MirrorLink は、スマー
トフォンとその機能およびアプリの多くを Ateca のインフォテイ
メントシステムを介して安全に操作する上で最適な技術です。
スマートフォンの画面をタッチスクリーンにミラーリングでき
るので、増え続ける MirrorLink 準拠 Android スマートフォンと
シームレスに使用できます。
デジタル世界との常時接続を可能にするコネクティビティ機能
は、現代の都市部で暮らす多くの人にとって欠かせないものと
なっています。SEAT Ateca は、最新世代の Easy Connect インフォ
テイメントシステム、SEAT Full Link、同車両限定の SEAT
ConnectApp を搭載し、非常に高度なコネクティビティを提供し
ます。
• Media System plus:8 インチのスクリーンで、最新世代イン
フォテイメントシステムのハイライトとなっています。ナビ
ゲーションおよびインフォテイメントコンテンツを、旧世代よ
りもはるかに鮮明かつ正確に表示します。
• The Connectivity Box:SEAT Ateca のセンターコンソールに備え
付けられているので、手が届きやすく便利です。SEAT Ateca では
初めて、スマートフォンのワイヤレス充電に対応しました。
ルーフアンテナに自動接続するので、電波をより確実に受信で
きます。MirrorLink 対応スマートフォンと外部の音楽プレーヤー
を並列接続できるよう、USB ポートを 2 つ装備しています。
• 限定 SEAT ConnectApp:統合されている MirrorLink をフル活用
できます。ドライバーは「常時接続状態」を維持しながら、運
転に完全に集中できます。中心的機能の 1 つは「Voice Replay」
です。これはテキスト読み上げ機能で、E メール、テキストメッ
セージ、Facebook や Twitter などのメッセージを音声に変換して、
はっきりと読み上げます。返信メッセージは音声コマンドで
「書き取らせる」ことが可能です(音声をテキストに変換)。
もう 1 つの限定機能として、ジェスチャー制御機能を装備してい
ます。タッチスクリーン上で指を軽く動かすだけで、様々な機
能を有効化できます。
出典 : SEAT
SBD では自動車メーカーが提供している OE テレマティクスシス
テムおよびサービスの課金モデルやアーキテクチャ、パート
ナー企業、装着率、提供状況などの最新情報を画像や動画と共
に提供しているレポート「コネクテッドカー総合ガイド」
(CON526)を発行しています。欧州、北米、中国は四半期ごと、
オーストラリア、ブラジル、インド、日本、メキシコ、韓国、
タイ、アラブ首長国連邦(UAE)の 8 ヵ国については年 1 回最新
情報をお届けしています。本書の詳細については SBD ジャパン
(postbox@sbdjapan.co.jp / 052-253-6201)までお問合せください。
Page
July 2016 | Telematics News
| 20
SBD は、自動車セキュリティ、コネクテッドカー、自動
車安全技術の 3 分野において、解析レポート、データ
ベース・総合ガイド、ベンチマーク、将来予測、エンド
ユーザー調査、個別調査・コンサルティングサービスを
提供し、自動車業界のお客様をサポートしています。
Intelligence • Insight • Evaluation • Strategy
情報サービス
評価サービス
戦略策定サポート
• モデルごとの詳細情報を
データベース化
• 技術予測
• サプライヤー分析
• 市場要件
• ニュース分析
• エキスパートによる製品
テスト
• 消費者による製品テスト
• プロトタイプの反復評価
• KPI 設定
• サイバーセキュリティテ
スト
• 新規市場参入サポート
• RFP/RFQ 管理
• M&Aデューディリジェン
ス
• 戦略的ワークショップ
• サプライヤーポジショニ
ングサポート
SBD では 1995 年の設立以来、 OEM、サプライヤー、業界団体といったお客様に確かな情報と
サービスをご提供しています。
SBD の主要調査分野
Connected Car
•
•
•
•
•
•
•
•
Automotive Car
OE コネクテッドサービス
スマートフォン統合
自動車向けアプリ
ユーザーの利便性& HMI
ビッグデータ
モビリティソリューション
法規制の動向
市場予測
052 253 6201
• 自動運転車
• ADAS (先進運転支援システ
ム)
• HMI ベンチマーキング
• 法規制の動向
• ADAS 市場予測
• V2X
www.sbdjapan.co.jp
Secure Car
• 自動車向けサイバーセキュ
リティ
• 電子的盗難の脅威
• 世界の盗難動向のモニタリ
ング
• 盗難に用いられる技術
• 盗難手法
• 保険グループレーティング
postbox@sbdjapan.co.jp
Page 21