2014年秋号 - 東海大学文学部ヨーロッパ文明学科

2014 年 12 月 5 日発行 ©Department of European Civilization
東海大学 文学部
ヨーロッパ文明学科 ニュースレター
2014 年冬号
2014 年 9 月 ・ ヨーロッパ実地研修
イギリス・スコットランド・アイルランド
ケルト文化をたどる旅
ヨーロッパのなかでも、アイルランドとイングラン
ロンドンでは、幼いころから馬が大好きな私にとっ
ド北部は独特の文化を育んできた場所です。今回、中
てはハイド・パークの乗馬体験が一番の思い出です。
世に「聖者の島」と呼ばれたアイルランドやスコット
一日目のオックスフォード訪問、二日目のハリー・
ランドを、28 人の学生たちと一緒に巡りました。お
もに、ケルトの巨石文化と中世の教会美術を見る旅で
す。空路でダブリン、船でスコットランド、そして汽
車でロンドンに至る 2000 キロの旅では、幸運なこと
に雨は一滴も降らず。地元のひとしか知らない「妖精
の棲む窪地」、絶壁の眺望がすばらしい「モハーの断
崖」
、バグパイプの音響く古都エジンバラ、聖なる島
リンディスファーンなどを訪れ、中世の美と緑の丘々に
草をはむ羊たちの群れのいるのどかな景色を堪能した
後、9 と 3/4 番線のあるキングス・クロス駅に辿り着き
ました。
学生たちと一緒に「モノ」を実地で見て、その土地
の風を感じることの大切さを痛感した旅でした。
金沢 百枝(教員、西洋美術史、キリスト教美術)
ポッターのスタジオツアーともに友人たちと一緒に
いたので、三日目の乗馬が初めて一人での行動でし
た。言葉が通じるか不安でしたが、カタコトでも伝
えようと努力すれば伝わる! という信念のもと、最
終的には警察の方に案内してもらって、なんとか馬
場に到着。さすがイギリス、馬に乗れば平然と公道
を歩きます。ハイド・パークは王立公園というだけ
あってとても大きく、景色も綺麗でした。
実は、異国の地で一人歩き回るのは少し不安でし
た。ですがどうしてもやりたいことなら、一人でも
挑戦する価値はあると思います。
小山田 桃子(1 年生、茅ヶ崎高校出身)
Republik Österreich
Република България
ブルガリアでの
オーストリアでの
スポーツ交流
事件と経験
2013 年7月から約1年間、ブルガリアのソフィア
大学へ留学しました。今回は、ブルガリア語能力の向
上と専門科目の学習を目的としました。週に4回ブル
ガリア語の授業があり、秋学期からは専門科目として、
マケドニア現代史とブルガリア文明の授業を履修しま
した。これらをブルガリア語で学ぶことは、自分の語
学力では厳しい体験でしたが、分かる部分だけでも書
き留めることで知識を増やすことができました。
8 月から 9 月初旬までオーストリアのウィーン大
学に短期留学しました。初めての海外は緊張と楽し
みでいっぱいでした。ドイツ語の授業では、日本人
以外にも多くの外国人との触れあう機会があり、ほ
とんど日本語は使いませんでした。クラスの友達と
二人でランチに行くと、意思疎通が大変でしたが、
良い経験だったと思います。
本場ホテル・ザッハーのザッハトルテ
休日は、小学生からやっているクリケットをして過
ごしました。英国のクラブチームと試合をしたり、ブ
ルガリア代表としてギリシアへ遠征をしました。
長期休暇時は、近隣諸国へ旅行しました。私はバル
カン史を専攻しているので、旧ユーゴ諸国を旅行し、
本から学んだことを自分の経験にすることができまし
た。また、仲良くなったブルガリア人の実家がある地
方都市を案内してもらったりもしました。ときには辛
いこともありましたが、良い経験にあふれた充実した
日々が過ごせた留学でした。
留学中は自由時間が多く、ウィーンの街に繰り出
すことがほとんどでした。実際に自分の目で見て、
その街の空気を吸って初めて思うことがありました。
今回の留学で、人生初めての経験をたくさんしま
した。変な宗教団体に勧誘されそうになるし、お金
をスラレそうになるし、路上ギャンブルに無理やり
参加させられお金を盗られそうになったり、ドナウ
川で泳いだら溺れそうになる等…。
ウィーンの独特な文化や歴史を感じる建物、人柄
など、当たり前ですが日本とは全く違いました。今
回体験した文化交流によって、有意義な留学生活を
送ることができました。
野村 拓未(4 年生、前橋育英高校出身)
大貫 隼典(3 年生、磐田西高校出身)
スヴェティ・クリメント・オフリドスキ大学留学
ウィーン大学留学
République française
南フランスでの
ホームステイ
フランス留学を通じて、たくさんの貴重な経験
をし、語学力の向上はもちろん精神的にも強くな
れましたし、大切な友人たちとも知り合うことが
できました。留学と聞くと不安に思うこともある
かもしれませんが、行ってみればなんとかなるこ
とばかり。みなさんもぜひ、短期からでも海外留
学へチャレンジしてみてください!
世界遺産に登録されているアルルの古代劇場
高橋 優実(3 年生、不来方高校出身)
エックス・マルセイユ大学留学
2013 年9月から 2014 年5月まで、エクサンプロ
ヴァンスという南フランスの小さな街へ留学しまし
た。この街は、パリから TGV(高速鉄道)で 3 時間ほ
どの位置にあります。
交換留学プログラムの授業内容は、フランス語だけ
でなく、美術・文学・政治・経済などが受講可能です。
学校では、欧米やアジア各国の学生と一緒に学ぶこと
でフランス以外の文化も同時に知ることができ、とて
も楽しい毎日を過ごすことができました。
ヴァカンス期間には、フランスのアルルやニース、
首都パリへ旅行したり、その他にも欧州各国やアフリ
カにも旅行しました。このように長期留学では、フラ
ンス国内だけではなく、国外への行き、ヨーロッパ各
国の文化を体験する機会を多く持てました。
私はホームステイを選んだので、ホストマザー・ファ
ザー、一緒にステイしていた学生たちと、家族のよう
な関係を築くことができました。ともに誕生日を祝っ
たり、買い物や旅行に出かけたり、生活上の不明な点
を聞き合ったり、お互いの国について紹介したりと、
毎日が新鮮でした。
学生の活動
2014 年 11 月8日に京都
外国語大学で開催された、
全日本学生フランス語弁論
大会において、学科 4 年生
の渡邉亜子さん(新潟南高
校出身)が、
「在日フランス
大使館/アンスティチュ・
フランセ日本賞」を獲得し
ました。本賞は最優秀賞に当たるものです。
弁論では、印象派画家のエドガー・ドガの生涯
をテーマとし、彼の高い志と絵を描き続けた努力
について、日頃培ったフランス語力で発表したこ
とが高く評価されました。渡邉さん自身も入学後
にフランス語を始め、語学向上への高い志を抱き、
たゆまぬ努力を続けたことが優賞につながったの
だと思います。心から拍手を送らせていただきます。
教員の研究調査
2014 年の春と夏、戦争とその記憶について調査するた
ミュンヘン・ルイトポルト公園の空襲慰霊碑
めに、ドイツ・イギリス・オーストリアに赴きました。
ギーンゲンのテディベア博物館
今回の研究目的は、ヨーロッパでは第二次世界大戦の空
襲がどのように記念碑や戦災協会として残されているの
かを現地で調査取材し、また都市の文書館で史料を収集
しました。戦災教会は戦争への警告碑として残されてい
ましたが、現在ではレストランに改装されている例もあ
ります。また、西南ドイツ・フォルツハイムや南ドイツ・
ミュンヘンの記念碑は、空襲によって破壊された建物の
がれきの上に立てられています。
他にもドイツ製品の調査も行い、南ドイツのゲッピン
ゲンで「メルクリン鉄道模型博物館」
、ニュルンベルク
で「おもちゃ博物館」
、
ギーンゲンで「テディベア博物館」
柳原伸洋
(ドイツ・ヨーロッパの戦争の記憶、製品文化、サブカルチャー)
を訪問しました。
教員の出版活動
イタリアの詩人ダンテ・アリギエリの叙事詩『神曲』は、中世を閉じ、ルネサンスへの
扉を開けた、と言われる叙事詩です。この新訳は、テクストの安定性で評価の高いペトロ
ツキ版 (1968 年刊 ) を訳出の軸とし、原典に忠実かつ平明な表現を心がけています。訳注
は可能な限り当該の見開き内に収め、詩のリズムを崩すことなく読める工夫をしました。
巻末の各歌解説では、最先端の研究成果を盛り込みながら難解なアレゴリー(寓意)とい
う技法を読み解き、日本の読者に初めてその世界への通路を開きました。みなさんにも一
読いただけると幸いです。
原基晶(イタリア文学、ルネサンス文化・歴史)
東海⼤学⽂学部・ヨーロッパ⽂明学科
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http://www.u-tokai.ac.jp/undergraduate/letters/european_civilization/ (東海大学文学部サイト内のページ)
http://www.europe.u-tokai.ac.jp/ (学科サイト)
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■⼊試情報→ 詳しくは、大学サイト「入試情報」または入試要項をご参照ください。
⼀般⼊試A⽅式(受験⽇⾃由選択⽅式)
:出願期間(郵送あるいはネット出願) 2015 / 1 / 5(月)〜 1 / 28(水)(消印有効)
〈試験日〉2015 / 2 月上旬
⼀般⼊試B⽅式(⾼得点 2 科⽬⽅式)
:出願期間(ネット出願) 2015 / 2 / 6(⾦)〜 2 / 21(土)
〈試験⽇〉2015 / 2 / 28(土)
※ヨーロッパ文明学科の教員による出張講義などのご要望にもお応えいたします。 お問い合わせは金沢まで。
発行責任者:金沢百枝(かなざわ・ももえ:ヨーロッパ文明学科主任)momo@tokai-u.jp