US Topics US Topics September 14, 2006 August 10, 2006 ■ 目次 財務諸表の誤謬の測定をデュアル・アプローチによることを要求するSEC職員による新たなガイダンス 世界各国の基準はサーベンス・オクスレー法に向かって収斂している PwC FIN48に関するアクション・プラン - 法人税等における不確実性に係る会計処理 FASBが計画された大きなメンテナンス活動に関する会計処理の事前繰延法を排除 その他のFASB関連記事 EITF 9月のEITFミーティングのハイライト PEECが独立性規則案を改訂: 監査人の損害賠償および責任限定条項、法廷用会計サービス ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------ ■ 財務諸表の誤謬の測定をデュアル・アプローチによることを要求するSEC職員による新たなガイダンス 証券取引委員会(SEC)の主任会計事務局(Office of Chief Accountant)、企業財務部および投資管理部は職員会計公報(SAB)第 108号(SAB 108)を公表しました。SAB 108は、登録企業が財務諸表の誤謬をどのように測定するかについての解釈上のガイダンス を提供しています。現在、財務諸表作成者および監査人が誤謬を測定する方法として広く利用している方法は2つあり、ひとつは「ロ ール・オーバー法」(基本的に、誤謬が損益計算書に与える影響に注目する方法)であり、もうひとつは「アイアン・カーテン法」(基本的 に、誤謬が貸借対照表に与える影響に注目する方法)です。SAB 108のもとでは、登録会社は、財務諸表の誤謬の重要性を評価す る場合にはロール・オーバー法とアイアン・カーテン法の両方の方法で評価することが求められています(デュアル・アプローチ)。 SAB 108 は一般的に2006年11月15日より後に終了する最初の会計年度の年次財務諸表(つまり、12月決算会社にとっては2006 年の年次財務諸表)から適用となります。このSABは、企業がデュアル・アプローチに基づき過年度の財務諸表に重要な誤謬が存在 するとの結論に達した状況における、移行時の会計処理および開示のガイダンスを提供しています。具体的には、登録会社は、過年 度の財務諸表を修正再表示するか、SAB 108の初度適用の累積的影響を適用初年度の期首の利益剰余金を修正することを通じて 計上するかを選ぶことができます。 ▼ SAB 108の全文は、以下のSECのウェブサイトで利用可能です。 http://www.sec.gov/interps/account/sab108.pdf ▼ SAB 108の概要についてまとめたPwCのデータライン2006-22は、CFOdirect Networkのメンバーには以下のウェブサイトで利用 可能です。 http://www.cfodirect.pwc.com/CFODirectWeb/Controller.jpf?ContentCode=AALN-6TN3L4&SecNavCode=TMCB4L9HAT&ContentType=Content ■ 世界各国の基準はサーベンス・オクスレー法に向かって収斂している International Law Review の2006年9月号に掲載された記事において、SECのEthiopis Tafara氏は、いかに世界各国の基準が 2002年サーベンス・オクスレー法の主要な条項に向かって収斂していっているかを説明している。 「A Race to the Top: サーベンス・ オクスレー以後の国際的規制改革」と題したこの記事では、グローバルな規制改革を国ごとに比較対照し、サーベンス・オクスレー法 の主な条項は米国市場に競争上の不利をもたらしているということはないと結論づけている。 さらに、サーベンス・オクスレー法の主 要条項がグローバルに受け入れられていることは、これらの条項が(少なくとも概ねは)費用的に妥当なものであるとされたことを示唆 したものであるとしている。 ▼ 当該記事に関するさらなる詳細な情報は、以下のSECのウェブサイトでご覧いただけます。 http://www.sec.gov/news/speech/2006/spch091106et.htm -----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------PricewaterhouseCoopers 1/3 ■ FIN48に関するアクション・プラン - 法人税等における不確実性に係る会計処理 法人税等における不確実性に係る会計処理は、高度な判断力と非常に詳細な知識が必要となります。2006年7月に公表された FASB解釈指針第48号「法人税等における不確実性に係る会計処理 - FASB基準書第109号の解釈(FIN48)」について、企業がそ れに準拠するための準備がその適用日(2006年12月15日より後に始まる年次会計期間)までにできるのかどうかということに関して、 市場関係者が興味と関心を示したことは驚くべきことではありません。 PwCは、FIN48の初度適用と後の継続的適用のために企業が方針、手続、統制を策定するのを補助するため、「FIN48 ―法人税等 における不確実性に係る会計処理」という冊子を発行しました。当冊子では、FIN48の導入と準拠のための時間的な計画の例示や、 相互に関連した9つの段階からなる導入計画のモデルを取扱っています。FIN48の導入は多くの時間と多大な努力を必要とするもの であろうことから、PwCは企業が可能な限り早く最初の段階に取り掛かることをお勧めしています。 ▼ 当PwCの当該冊子は、CFOdirect Networkのメンバーには以下のウェブサイトで利用可能です。 http://www.cfodirect.pwc.com/CFODirectWeb/Controller.jpf?ContentCode=MSRA-6TJJEH&ContentType=Content ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------ ■ FASBが計画された大きなメンテナンス活動に関する会計処理の事前繰延法を排除 財務会計基準審議会(FASB)は、計画された大きなメンテナンス活動の事前繰延法による会計処理を禁止する、FASB職員意見書 (FSP)第AUG AIR-1号を公表しました。 計画された大きなメンテナンス活動に関して従来認められていたその他の方法 ―直接経費 法、組み込みオーバーホール、および繰延―は引き続きに認容されます。当FSPはすべての業種に適用され、2006年12月15日より 後に開始する会計年度から適用されます。 企業は、実行不可能でない限り、表示されているすべての財務諸表に対して遡及的に適 用することが求められています。 ▼ 当該FSPは以下のFASBのウェブサイトでご覧いただけます。 http://www.fasb.org/fasb_staff_positions/fsp_augair-1.pdf ■ その他のFASB関連記事 FASBプロジェクト更新 FASBは、以下のプロジェクトに関する要約を更新しました。 企業結合: 買収法の適用 http://www.fasb.org/project/bc_acquisition_method.shtml GAAPの階層 http://www.fasb.org/project/gaap_hierarchy.shtml FASB Action Alert ▼ Action Alert No. 06-37は以下のFASBのウェブサイトでご覧いただけます。 http://www.fasb.org/action/aa091406.shtml ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------ ■ 9月のEITFミーティングのハイライト 9月7日に行われた発生問題専門委員会(EITF)において、以下の事項に関して合意に達しました。 EITF 06-1 「エンド・ユーザーがサービス・プロバイダーからのサービスを受けるために必要となる、備品の製造業者あるい は再販業者に対してサービス・プロバイダーから与えられた対価に関する会計処理」 ― EITFは、サービス・プロバイダー が(当該サービス・プロバイダーの顧客ではない)製造業者あるいは再販業者に対して支払った対価が、当該サービス・プ ロバイダーが顧客から受領した便益と契約上結びつけることが可能である場合には、サービス・プロバイダーはその対価 の性格に関して、EITF 01-9「販売業者から顧客(販売業者の製品の再販業者を含む)に対して与えられた対価の会計処 理」に従い、収益の減額あるいは費用として会計処理すべきであるとの合意に達しました。 PricewaterhouseCoopers 2/3 EITF 06-4 「従業員に一部分裏書された分割福利厚生保険の繰延報酬的側面ならびに退職後給付的側面に関する会計 処理」 ― EITFは、従業員に対して退職後の期間に及ぶ給付を提供するような一部分裏書された分割福利厚生保険に関 して、雇用主は、実態的な制度が存在するとみなされるかどうかによって、FAS 106「年金以外の退職後給付に関する会 計処理」あるいはAPB 12「オムニバス・オピニオン -1967」 に基づいて将来の給付についての負債を認識すべきである という合意に達しました。 EITF 06-5 「生命保険の購入の会計処理 - FASB技術公報85-4号「生命保険の購入の会計処理」に照らした、実現する可 能性のある金額の判定」 ― EITFは、保険契約に基づく「実現する可能性のある金額」の判定においては、貸借対照表日 現在で実現可能な解約払戻金および保険契約の契約条件に従って提供される追加金額を考慮すべきであるという合意に 達しました。さらに、「実現する可能性のある金額」の判定において、企業は、保険契約はグループ契約全体ではなく、個人 別ベースで解約されると仮定すべきであるとしている。 FASBは最終承認のため9月20日のミーティングでこの問題についてのレビューを行う予定です。 ▼ EITFオブザーバー(仮段階)において、PwCはこれらの事項の要約を行うとともにこれらの事項に関するさらなる考察を加えていま す。さらに、当該EITFミーティングにおいて議論されたその他事項についても考察を加えています。 http://www.cfodirect.pwc.com/CFODirectWeb/Controller.jpf?ContentCode=EDYR-6TKLBZ&SecNavCode=MSRA6MWKMQ&ContentType=Content -----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------■ AICPA PEECが独立性規則案を改訂: 監査人の損害賠償および責任限定条項、法廷用会計サービス 独立性、損害賠償および責任限定条項の利用、法廷における会計サービスの実施に関するガイダンス案を含んだ2005年9月15日付 オムニバス公開草案に対して受領したコメントに基づき、AICPAの職業倫理実行委員会 (PEEC; the Professional Ethics Executive Committee) は、当該ガイダンス案を改訂・公表しました。 新しい公開草案では Rule 101 「独立性」に関する新規の解釈一つと、改 訂された解釈一つを提案しています。 第一の提案はエンゲージメント・レターあるいはその他のクライアントとの契約に特定の損害賠 償および責任制限条項が含まれる場合にそれが会員の独立性に与えうる影響についてのガイダンスを提供しています。第二の提案 は倫理解釈 101-3 「非アテスト・サービスの実施」を見直すものであり、法廷用会計サービスおよび税務コンプライアンス・サービスが どのように会員の独立性に影響を与えるかについてのガイダンスを組み込むものとなっています。コメント募集は11月8日までとなっ ています。 ▼ 当該公開草案は、以下のAICPAのウェブサイトで利用可能です。 http://www.aicpa.org/download/ethics/Final_ED_September_2006.pdf お問合せ: あらた監査法人(広報) 〒108-0014 東京都港区芝浦4丁目2-8 住友不動産三田ツインビル東館13階 電話:03-6858-0179(直通) メールアドレス:aaratapr@jp.pwc.com あらた監査法人は、世界 148 ヶ国 771 の都市に 13 万人以上のスタッフを擁するプライスウォーターハウスクーパース(PwC)のメンバーファーム です。PwC のメンバーファームとして、会計及び監査において PwC の手法に完全に準拠した国際的なベストプラクティスを採用し、PwC のグロ ーバル·ネットワークで培われた経験、専門知識、リソースを最大限に活用し、日本において国内企業および国際企業に対して、国際水準の高品 質の監査を提供していきます。 © 2006 PricewaterhouseCoopers Aarata. 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