ハ ー テ ィ ン グ テ クノ ロ ジ ー ニ ュ ース レ タ ー ゲスト寄稿: Prof. Dr. Jay Lee Industry 4.0 – ビッグデータ環境下の工場 主要記事: Claus Hilger サービスを 構成する ゲスト寄稿: Prof. Dr. Dr. h.c. Detlef Zühlke 「Industrie 4.0」 – ビジョンから現実へ 産業システムの垂直統合 – サービスを構成する HARTING Quality ー センタ 日に T Q H 27 年6月 4 1 0 ン 2 オープ ハーティングのクオリティ&テクノロジーセンターが 移転しました 新しいハーティングのクオリティ&テクノロジーセンター(HQTセンター)が、創 業者ヴィルヘルム ハーティングがエスペルカンプで初めて会社施設を建てた場 所に移転しました。今年の4月からハーティングの製品は、3500平方メートルの敷 地に建つ、最新設備によるこの試験所で極めて厳しい試験を受けます。これもす べてお客様に価値をお届けするためです。その結果、会社の伝統の上に築かれた 将来の成功が約束されます。 2 産業システムの垂直統合に スマートなソリューション ハノーバー・メッセ見本市のテーマになっていることからも、産業システムの 垂直統合は発進し、次の段階も見えています。しかし、産業システムの垂直統 合、Industry 4.0を人々が語るようになったからといって、そのビジョンはエンド ユーザにとって現実的なものにはなりません。人々は目に見えるソリューション、 実際に利用できるものを求めています。 » Philip Harting, Senior Vice President Connectivity & Networks お客様各位 議論するだけでは何にもなりません。ビ ジョンも実現し、試すことが必要です。 産業システムの垂直統合を望む者はソ リューションを開発し、積極的に運用し なければなりません。 このため、ハーティングはソリューショ ンを開発し、実際のアプリケーション で試験しました。採用されている技術 と同様、ソリューションの取り組みは多 面的であるため、ソリューションやアプ リケーションも多様になります。一般的 には、産業システムの垂直統合は、現 在の工場をスマートファクトリーに変え ることです。ここでは、サービスの構成 が完全なモジュール構造によるオート メーションの決定的なソリューションと なります。 今号では、当社のスマートソリューショ ンの全体の構成について取り上げてい ます。 ここで興味深いのは、どのスマートソリ ューションがどの組み合わせでユーザ メリットをもたらすかです。ぜひこれら のソリューションをご紹介させてくださ い。当社にご連絡いただくか、当社が出 展する展示会にお越しいただき、直接、 産業システムの垂直統合によるメリット をご評価ください。 今号をお楽しみいただければ幸いです。 3 サービスを構成する Auto-IDの統合 – 世界をつなぐ橋 目次 ストラテジー 03 | 論説 | 産業システムの垂直統合に スマートなソリューション 06 | サービスを構成する スマートファクトリーではモジュラー型 の生産ユニットが接続され、実行可能 なプロセスを形成 08 | ゲスト寄稿 Dr. Jay Lee教授 Industry 4.0 - ビッグデータ環境下 の工場 10 | ゲスト寄稿 Dr. Dr. h.c. Detlef Zühlke教授 「Industrie 4.0」 – ビジョンから現実へ 4 ソリューション 18 | スマートファクトリー用のモジュー ル中立型インフラストラクチャの概念 ハーティング、アプリケーション固有の インフラストラクチャ構成を提供 30 | 高速100ギガビット技術 ハーティング、ギガビットへの開発プロ セスを強く推進 12 | どのように 人とマシンは互いから 学ぶのか 必要とされるプロセスモデルの開発に 役立つ、人とマシンのインタラクティブ な学習方法 16 | Ha-VIS mCon 3000 PROFINET スイッチ 高い信頼性、適応性、および柔軟性 20 | コネクタが基盤となる産業システ ムの垂直統合 Han-Modular ®はその幅広い品揃えに より、システムモジュールのすべての要 件に適合 22 | センサーからクラウドへ、そしてク ラウドからセンサーへ ハーティング、 「予測的メンテナンス」 のデモンストレータをSAPと共同開発 Han® HMC ケーブル アセンブリ? M12 Press and Go! アプリケーション 24 | 専門性の高いアプリソリューシ ョン ハーティングのソリューション: Ha-VISアプリケーションスイート 26 | 鉄道アプリケーション ハーティングのコネクタ、 火災安全性の新規格に準拠 28 | Han® HMC 10,000回以上の嵌合回数に耐えるよう 設計されたハーティングの新コネクタ シリーズ 32 | ケーブル アセンブリ? M12 Press and Go! M12ケーブルアセンブリ、過酷な環境で の柔軟性と安全性を提供 34 | ピン抜き対応のhar-flex®コネク タ、デバイス設計をさらに柔軟に har-flex®製品シリーズが拡大 14 | Auto-IDの統合 – 世界をつなぐ橋 ハーティング、Auto-ID統合の専門サー ビスを一社で提供 36 | 堅牢性+過酷な環境 = M12 M12コネクタ、屋外でもトップレベルの 性能を発揮 37 | HanOnBoard® ハーティング、ボックス内でのHan®コ ネクタのマニュアル配線に代わる方法 を提供 38 | 1台のスイッチ、1本のケーブルで電 源とデータ 新たに開発したeConスイッチ、高性能 なPower over Ethernetも提供 40 | ダイナミックなRFIDレース オスナブリュック大学Ignitionレーシン グチームのレーシングカーを利用した RFID高速テスト ショートニュース 42 | 読者アンケート 43 | イベントカレンダー 43 | パブリケーション 5 t e c . N e w s 2 6 : ストラ テ ジ ー サービスを構成する 製造のカスタマイズ化は生産において高度な柔軟性を必要とします。スマートファクトリーでは、モジュラー型の生産ユ ニットが接続され、実行可能なプロセスを形成します。ここでは、サービスの構成、標準化された記述、そしてサービス 志向のソフトウェア構造すべてが中心的役割を果たします。 » Claus Hilger, Director of HARTING IT System Integration GmbH & Co. KG, HARTING Technology Group, Claus.Hilger@HARTING.com 6 t e c . N e w s 2 6 : ストラ テ ジ ー 従 来のシステムでは多様な顧客の要望に応えることができ ないため、製造プロセスはモジュラー化し、状況に従い個別の プロセスに合わせて組む必要があります。これはさまざまな技 術をスマートファクトリーに統合する現象をもたらします:オー トメーション技術、センサー、RFID、そしてITです。 スマートファクトリー スマートファクトリーでは、生産はコンポーネントと製品によ って高度に分散化した自律的な方法で制御されます。センサ ーを介し、オブジェクトは周辺の状況を検知し、認識され、組 み込まれたオブジェクトメモリを保有し、他のオブジェクトと 自身のプロセス状況などの情報を交換します。組み込みシス テムを追加することにより、オブジェクトはサイバーフィジカ ルシステム(CPS)になります。その結果、最大の柔軟性と最小 のバッチでも利益を確保しつつ生産する能力が得られます。 スマートファクトリでは、生産は高度に分 散化した自律的な方法で、機械、ロボッ ト、搬送システム、積載装置や製品によっ て制御されます。 スマートファクトリーでの個別のCPSの調整は、何年も前か らITに導入されているサービス志向アーキテクチャ(SoA) の下で行われます。基本的な考えは、個々のコンポーネント をサービスとしてパッケージ化することです。ここでは、CPS はサービスプロバイダ、もしくはサービスの利用者として機能 します。 サービスの構成 サービスを構成する際、モジュラー型の生産ユニットは実行可 能な生産プロセスに組み込まれます。モデル化には、BPML (ビジネスプロセスモデリング言語)やBPEL(ビジネスプロ セス実行言語)などさまざまなプログラミングのアプローチ が存在します。 カスタム製品および個別にカスタマイズ された製造へのニーズは、継続して高まっ ています。 サービスの構成に加えて、もっとも大きな課題はサービスの正 式な記述と標準化です。システムインテグレーションは、プロ バイダおよびユーザがプラグ&プレイの機能で個々のコンポー ネントを接続できるような基準となるアーキテクチャを必要と します。ITの手法をオートメーションにそのまま適用することは 不可能なため、これは巧みに設計しなければなりません。 IN BRIEF • 生産における柔軟性の向上 • 個々の顧客のニーズに合わせた小バッチでの生産 7 t e c . N e w s 2 6 : ストラ テ ジ ー Industry 4.0 – ビッグ データ環境下の工場 8 t e c . N e w s 2 6 : ストラ テ ジ ー ゲスト寄稿: Dr. Jay Lee教授, Ohio Eminent Scholar, L.W. Scott Alter Chair Professor and Director of NSF I/UCRC Center for Intelligent Maintenance Systems (IMS) Ann Kao PhD研究員, NSF I/ UCRC Center for Intelligent Maintenance Systems (IMS), University of Cincinnati 2013 年のハノーバー・メッセがドイ ツで開催された後、 「Industry 4.0」は製 造業界でトレンド用語となりました。こ の新コンセプトに付随するインテリジ ェントな分析とサイバーフィジカルシス テム(CPS)は、生産管理と工場の転換 に対し新たな発想を実現させるために 連携します。以前は、製造システムはほ とんど、装置を個別に扱う中央制御のス キームを利用していました。このスキーム では、機械加工データは、通常の生産プ ロセスを確実に実行するために収集・利 用されていました。製品品質が必要な基 準を満たさなくなった場合、収集データ は原因を見つけるための鍵を提供するこ とができます。透明性を得るためには、 製造業は予測的な製造に転換する必要 があります。 現在、Industry 4.0の工場では、装置は 協働する集合体として接続されていま す。このような発展には、不確実性を説 明できる情報にデータを体系的に加工 し、 「より十分な情報に基づいた」判断 ができるよう、革新的な予測ツールを使 用することが必要です。 予測的な製造システムのコンセプトの 枠組みは、監視されている製造設備の データを取得することから始まります。 適切なセンサーを使えば、振動、圧力な どさまざまな信号を取り出すことができ ます。また、データ履歴を保存して、さら にデータマイニングを行うこともできま す。MTConnectやOPCなどの通信プロ トコルは、ユーザが制御装置の信号を 記録するのに役立ちます。すべてのデー タを集めたら、そのデータの集合は「ビ ッグデータ」と呼ばれます。変換するた めのエージェントは次のコンポーネント から成ります:統合プラットフォーム、予 測的解析、可視化ツールです。Watchdog Agent®で使用されているアルゴリズムは 4つの部分に分けることができます:信号 処理と機能の読み込み、状態評価、性能 の予測、そして故障診断です。可視化ツー ルを使用すれば、機械の状態(現在の状 現在の工場 生産システム 製造の透明性によって、経営陣は設備全 体のOEE(総合設備稼働効率)を把握 するのに必要な正しい情報を得ます。予 測が可能になり、機器をジャストインタ イムのメンテナンスによってコスト効率 よく管理できます。最終的に、機器の状 態の情報履歴が機器の設計者にフィー ドバックされ、クローズドループで再設 計が行われます。 Industry 4.0 の工場 データソース 主要な属性 主要な技術 主要な属性 主要な技術 センサー 精度 スマートセンサーと 故障の検知 自己認識 自己予測 劣化のモニタリングと残り の耐用期間の予測 コントローラ 製造効率と性能(品質 とスループット) 状態ベースのモニタリ ングと診断 自己認識 自己予測 自己比較 予測的な状態モニタリング による使用可能期間 ネットワーク化された 製造システム 生産性とOEE スリムなオペレーシ ョン:稼動と廃棄物 の軽減 自己構成 自己メンテナンス 自己整備 安定した生産性 コンポーネント 機械 態、残りの耐用期間、故障モードなど)は レーダーチャート、障害マップ、リスクチ ャート、状態劣化カーブで効果的に伝え ることができます。 現在の工場とIndustry 4.0の工場の比較 9 t e c . N e w s 2 6 : ストラ テ ジ ー INDUSTRIE ビジョンから現実へ 10 t e c . N e w s 2 6 : ストラ テ ジ ー ゲスト寄稿: Dr. Dr. h.c. Detlef Zühlke 教授, Scientific Director, Innovative Factory Systems German Research Center for Artificial Intelligence DFKI, Kaiserslautern 約2年前に「Industrie 4.0」という新 しいコンセプトが注目されました。根底 にあるのは、主に情報通信技術の進歩 によってもたらされた目前に迫る第4次 産業革命です。携帯電話、カメラ、車と いった日常のものが「スマート」になり、 かつグローバルインターネットでネット ワーク化されてきたように、同じような 進展が私たちの工場内でも見られます。 モノのインターネットのパラダイムに従 い、生産システムを構成する全てのコン ポーネントは、IPベースのネットワーク に簡単に、そして極めて自律的に組み込 むことができるスマートネットワークノ ードになっています。現在、プラグアン ドプレイでプリンターや他の機器を設 定し操作するのと同じように、将来的に は生産設備を構築し、稼働させ、運用す るようになるでしょう。 課題 しかし現実はこの比較が示しているよ うに簡単ではありません。エンドツー エンド、イーサネットベースの「Industrie 4 . 0」のア プ ロ ー チ は 既 存 の 制 御 アーキテクチャを根本的に変えます。 長期的に見れば、フィールドレベル にある各センサーやアクチュエータ は、ERPシステムやNC制御とまった く同じようにネットワークノードになり ます。その結果、ネットワーク全体にあ る全ての情報が使用可能になります。 しかし解決しなければいけない問題が まだ多く残ります。たとえば、工場の各 要素がレゴブロックのように組み立て られるよう、さまざまレベルで標準が 必要です。また、 「Industrie 4.0」実現 の前にデータセキュリティ分野におけ る多くの問題を解決しなければいけま せん。少なくとも今後数年間は、産業 制御において非常に重要なリアルタイ ム動作は、下位の制御レベルではイー サネットベースのソリューションを使用 しては実現しないでしょう。 「Industrie 4.0」というスローガンは、すべてに人に語ら れ、特にメディアの間で注目をもたらしました。今や、工場 内で「Industrie 4.0」を現実に変える時期が来たのです。 「Industrie 4.0」は、私たちにより柔 軟で効率的な未来のビジョンを与えて くれます。このビジョンを現実にする には、技術のいかなるクアンタムリー プにも当てはまるように、産業と科学 双方の努力が必要です。目的は、ビジョ ンを製品に変えることです。ネットワー ク化した世界では孤立した製品は成功 しないことから、多様な製品分野から この構想の実現を共に推進してくれる 革新的な企業間の協力が必要です。 スマートファクトリー ドイツ・カイザースラウテルンを本拠 とするsmartfactory KLプロジェクトの 下、パートナー企業9社が「Industrie 4.0」生産プラントのプロトタイプを 構築するために協力しています。ハ ーティングテクノロジーグループを はじめ、各パートナー企業が1つのシ ステムモジュールを作るか、横断的 なアプリケーション技術を用意しま す。smartfactory KLプロジェクトは、 必要な機械、電気、通信の標準を定 め、個別のモジュールを統合してハ ノーバー・メッセ2014用に共通のデ モンストレータを作ります。これが 「Industrie 4.0」を現実に変える重要 な最初のステップになります。 ハーティングの取り組み ハーティングは新しい生産設備 smartfactory KLの構築に積極的 に関わっています。その活動は以 下の2分野に及びます。 最先端のオートメーション技術 を採用した「Industrie 4.0」生産 モジュールの構築。既に各モジ ュール型コンポーネントにアク セス可能なイーサネットベースの リモートメンテナンスコンセプ トが盛り込まれています。 消費電力管理によりインフラ ストラクチャのコンセプトを試 験。ここではモジュールは一様 にHan-Modular ®で接続できま す。 smartfactory KL は、革新的なオ ートメーションシステムに組み 込まれる環境を与えてくれ、その メリットをお客様にご覧に入れ ることができます。 11 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション 適応型プロセスモデルによる柔軟な生産技術 どのように 人とマシンは 互いから学ぶのか 個別化した生産を行うには、柔軟で垂直に統合されたソフトウェアおよびハードウェアプラットフォームが必要です。モジ ュール化および統合されたプロセスモデリングを利用すると、カスタム生産システムを簡単に構成できるようになります。 必要なプロセスモデルの開発では、人とマシンのインタラクティブな学習方法が役立ちます。 » Dr. Volker Franke, Director of Applied Technologies, HARTING Technology Group, Volker.Franke@HARTING.com » Dr.-Ing. Sebastian Wrede, Group Leader Cognitive Systems Engineering, CoR-Lab & CITEC, Bielefeld University 12 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション 特定の顧客の要件に基づいて生産シ ステムを個別化するには、柔軟な製造ソ リューションが必要です。ハーティング のお客様は、すでにカスタマイズしたコ ネクタをインターネットで構成および注 文できます。スマートファクトリと呼ばれ る未来のインテリジェント生産システム は、こうした注文から生産指示を導き、そ れを自律的にスケジューリングします。 生産システムは、デジタル製造および製 品データに基づき、柔軟な製造モジュー ルによって完全にネットワーク化されま す。そのためには、現代のスマートフォン のように効率的に構成されながら、プロ セスの信頼性と最新の製造ラインの有 効性を備えるモジュール型製造プラット フォームが必要です。 柔軟な生産の基礎となるプロセスモデ リング 最先端クラスタit's OWLの枠組みの中 で、ハーティングはFlexiMonプロジェク トでビーレフェルト大学と緊密に協力し ながら研究を行い、このビジョンの実現 に努めています。最大の目標は、最小の 切り替え時間で構成でき、オープンスタ ンダードによって会社のITに垂直統合が 可能な「プラグ アンド プロデュース」 機能を持った柔軟な製造セルの開発で す。このコンセプトに不可欠なコンポー ネントは、すべてのレイヤおよびプロセ スステップで一貫性が保たれるプロセ スモデルであり、それによって生産ロジ ックの完全な記述が可能になります。 FlexiMonの中で、Business Process Modeling Notation(ビジネスプロセス・ モデリング表記法 BPMN 2)規格がこ のために拡張され、生産プロセスをマシ ンレベルまでモデル化するために使用さ れます。企業ITにおいてBPMNはユビキ タス性を持っているため、生産ロジック のERPレベルへのスムーズなマッピング が保証されます。ところが、BPMNモデ ルをマシンレベルで実行可能にするには どのような拡張とモデル変換が必要にな るのかという核心的な問題があります。 ことで、従業員は柔軟な生産方式に関 わり、積極的にその構築に参加して、プ ロセスの改善に貢献できるようになりま す。 基本的な考え方は、顧客から要求があ れば、BPMNで記述された生産プロセ スをERPレベル自体に設定し、生産プロ セスに関する情報を充実させていけるよ うにすることです。たとえば、 マシンレベ ルで実行するための情報が欠落している 場合は、生産プロセスの専門家がユー 最大の目標は、最小の切り替え時間で構成できる「プラグ アンド プロデュース」機能を持った柔軟な製造セルの開 発です。 ザフレンドリーなインターフェースを使 用して、直接マシン上でその情報をプロ セスモデルに追加します。 インタラクティブ学習による最適化の 向上 技術的に複雑になることによって起き るエラーのリスクに対処しやすくするた め、構成または生産モードの生産システ ムで働く従業員は、補助機能でサポート を受けます。マン・マシン・インターフェ ースにより、稼動状態を特定し、生産デ ータやアクティブなプロセスステップと 関連付けることができます。このデータ を利用すると、パラメータとプロセスの 最適化、もしくは状態モニタリングに対 するマシンの学習プロセスを適用するこ とが可能になります。最終的には、これ らの方法によってプロセスモデルを自動 改良できるようになり、作業者はマシン とのインタラクションでより良いサポー ト受けられるようになります。そうする IN BRIEF • ハーティングとビーレフェルト 大学CoR-Lab(認知ロボット 工学研究所)による共同研究 プロジェクト • 最先端クラスタ Intelligent Technical Systems OstWestfalenLippe (it's OWL) の枠組み内のプロ ジェクト • ドイツ連邦教育研究省 (BMBF)から資金援助 写真(左):柔軟なハンドリングシステムとモバイルHMIを持つ構成可能な製造モジュールのプロトタイプ 13 t e c . N e w s 2 6 : ア プリケー ション Auto-IDの統合 – 世界をつなぐ橋 統合とは、異なる世界をつなぐことです。信頼性の高い接続の実現を専門とするハーティングにとっては得意分野です。 とはいえ、どのAuto-ID技術で何ができ、この統合はどのようなものになるのでしょうか。その用途に応じて、統合には単 純なものから複雑なもの、全体を中継するものからSAPまで、さまざまなものがあります。 » Claus Hilger, Director of HARTING IT System Integration GmbH & Co. KG, HARTING Technology Group, Claus.Hilger@HARTING.com » Dr. Jan Regtmeier, Product Manager RFID Reader, HARTING Technology Group, Jan.Regtmeier@HARTING.com 紙からITシステムなどといったメディ アへの移行時には、大量のデータと情 報が失われる可能性があります。その結 果、効率の向上とコスト削減の可能性を 生かせなくなることがあります。ところ が、要求が高く、コスト圧力も高い生産 プロセスの場合、そのようなことは受け 入れられません。 Auto-ID技術は、そうしたデータ消失を 最小限に抑えることができますが、それ を実現するには、接続する両方の世界に 十分に統合されている必要があります。 現在、Auto-ID技術はバーコード(QRを 含む)、画像認識、およびRFID(無線自 動識別)の3つが開発されています。こ 業界共通の名称 固有のIDコード 印刷不要 変更可能 メモリ 双方向通信 センサー 14 Auto-ID技術は、IT世界へのメディア変換時のデータ消失 を最小限に抑える可能性を持つため、プロセスを最適化し ます。 れらシステムにはそれぞれ強みがありま す。コストと導入のしやすさではバーコ ードが非常に有利です。画像認識には 追加情報が不要です。一方、RFIDは固 有識別、対象物へのメモリ搭載、および 対象物とITの世界との間の双方向通信 を、同時に可能にする唯一の技術です (表を参照)。 Auto-IDによって取得した情報は、対象 となるITシステムが処理可能な方法で前 処理する必要があります。用途によって は、そのためにPLCファンクションブロッ ク、ミドルウェア、アプリケーションスイ ート、またはSAPモジュールのAuto-ID Infrastructure(AII)など、まったく異な るソフトウェアコンポーネントが必要と なります。以下に、統合に異なるコンポ ーネントが使用される統合の例を単純 なものから複雑なものまでケースごとに 記します。 t e c . N e w s 2 6 : ア プリケー ション 例4: 入庫品に使用されるRFID 例1: 近距離列車の編成は長くなってい ますが、プラットフォームは長くなって いません。当然ながら、プラットフォー ムにかかっているドアだけを開く必要 があります。これは、RFIDで検知でき ます。RFIDリーダによってリレーがオ ンし、開いてよいドアが運転手に表示さ れます。 識し、機能ブロックを使用してPLCと通 信して、許可されたプログラムだけが実 行されるようにします。 例3: サービスコールはコストがかかるた 例2: 多数のモジュールで構成される最新 マシン。現在のモジュール構成に合って いないPLCプログラムを実行すると、 マ シンに重大な損傷が発生することがあ ります。RFIDリーダはモジュールを認 め、トラブルのないプロセスが非常に重 要になっています。たとえば、サービス 対象となっているマシンをハンディリー ダを使用して識別します。サービス技術 者はアプリケーション(Ha-VISアプリケ ーションスイートで実装)を使用して、手 順をステップごとに実行します。各手順 は、同時に文書化されてデータベースに アーカイブされます。 例1: 鉄道交通および輸送におけるRFID 例2: 最新の機械加工におけるRFID 例4: 今日では、商品の受け取りが自動 的に記録される必要があります。RFID を使用すると、数百の対象物が同時に 検知され、Ha-VISミドルウェアを使用 してSAP AIIモジュールに直接送信さ れます。 これらに対して、ハーティングはトラン スポンダからソフトウェアパッケージに 至る非常に役立つ製品を世界中で提供 しています。また、ドイツ語圏内ではコ ンサルティングおよび統合サービスを 提供し、一社によるAuto-IDの統合の専 門サービスを形作っています。 例3: Ha-VISアプリケーションスイートが保守を簡素化 15 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション Ha-VIS mCon 3000 PROFINETスイッチ – 高い信頼性、適応性、および柔軟性 安定し、安全で、信頼できるデータ伝送は、オートメーション技術で最も重要な要素の1つです。最新システムの柔軟性 の向上と、モジュール化されたシステムレイアウトでのコンポーネントの再利用の必要性に伴い、そのニーズが高まってい ます。イーサネットとPROFINETは国際的に通用する規格であり、ベンダー間通信プラットフォームの構築をサポートし ています。 » Oliver Opl, Product Manager, HARTING Technology Group Oliver.Opl@HARTING.com 16 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション メーカー固有の通信ソリューションは、一定のメリットと効 果をもたらすよう、特定の使用ケースと用途に合わせて特別に カスタマイズされています。多くのケースでは、こうしたメリッ トを現場で利用できるようにするため、コンポーネントの選択 と正確なプランニングに多大な労力が必要となり、必ずしも実 現することができません。独自ソリューションも、既存のコン ポーネントやマシンと互換性がなかった場合に、余分な制約 が発生してしまいます。または、特別に適合させたコンポーネ ントによるコスト増が見込まれます。 ハーティングのmCon 3000スイッチはデ ータ通信の可用性を高め、産業用インフ ラストラクチャの信頼性を高めます。 このため、新しいHa-VIS mCon 3000シリーズのマネージド イーサネットスイッチなどの標準コンポーネントは、設計、性 能、およびコストの点で決定的なメリットを提供します。この 製品は、イーサネット規格IEEE 802.3に準拠し、PROFINET Conformance Class B(CCB)の要件にもすべて適合してい ます。そのため、この国際規格に適合したすべてのコンポーネ ントとのグローバルな互換性が保証されます。 PROFINETは、従来のフィールドバスシステム(高速なサイク ルタイム)と、イーサネット(技術を自由に選択可能)のすべて のメリットを併せ持っています。データ伝送で保証されるサー ビス品質は、Quality of Service(QoS)などの手段で確保され ます。そのため、制御関連の重要なデータパケットを高い優先 度でリレーし、アプリケーションを非常に短いサイクルタイムで 実行することが可能になります。この規格では、データ量が多 い場合でもデータを迅速、そしてタイムリーに転送できます。 産業用のサイクルタイムが短く高速なプロセスでは、システ ム内の装置の一時的な同期が必要になることがあります。 新Ha-VIS mCon 3000スイッチでは高精度時間プロトコル (PTPバージョン2、IEEE 1588)をサポートし、 マイクロ秒単 位での同期が可能です。その結果、リアルタイム機能用に専用 設計した独自オートメーションソリューションが、多くの場合 不要になります。豊富なソフトウェア機能により、ユーザーが 各アプリケーションのシナリオに合わせてスイッチを細かく 構成できます。 この新しいスイッチでは、冗長ネットワークトポロジを構成す る際に、Rapid Spanning Tree Protocol(RSTP)に加えて Media Redundancy Protocol(MRP)も利用できます。ネッ トワーク冗長性は、リンク障害が発生しても通信の切断を起 こさないための機能です。ハーティングのmCon 3000スイッ チはデータ通信の可用性を高め、産業用インフラストラクチ ャの信頼性を高めます。 IN BRIEF • PROFINET CCBイーサネットスイッチ • 豊富なソフトウェア機能 17 t e c . N e w s 2 6 : ストラ テ ジ ー スマートファクトリー用の モジュール中立型インフラ ストラクチャの概念 産業システムの垂直統合がもたらした革新的変化が、工業生産設備の設計に影響を与えました。プラント、システム、お よび設備がモジュール形式で建設される傾向が高まっています。モジュール型プラント構造にするには、モジュール中立 型インフラストラクチャ、すなわち汎用型にする必要があります。また、スマートファクトリーの未来のインフラストラク チャは、拡張可能で、可用性が高く、必要なすべてのトポロジーを提供します。 » Andreas Huhmann, Strategy Consultant Connectivity + Networks, HARTING Technology Group, Andreas.Huhmann@HARTING.com なぜスマートファクトリーにはモジュール中立型インフラスト ラクチャが必要か? その理由は、産業システムの垂直統合によりもたらされた技 術の変化から推論できます。産業オートメーションはフィール ドバスで構築され、モジュール中立型インフラストラクチャに はなっていません。フィールドバスの仕事は、当初は分散方式 によるI/O情報の収集に限定されていました。この場合、各I/O モジュールは生産プロセス内で総合的なサービスを提供する ことはできず、センサーおよびアクチュエータへの配線を節約 できるだけでした。 それとはまったく異なり、産業システムが垂直統合された生産 では、生産される製品の観点からサービスが始まり、それには 機械加工、印刷、製品のパッケージングなどが含まれます。ス マートファクトリーでは、これらの作業が生産モジュールによ って行われ、内部構築のために通信システムであるフィールド バスが使用されます。このように、モジュール型プラントの汎 用インフラストラクチャは実際の製造モジュールの外に置か れているのに対して、フィールドバスは主にモジュール内部に あります。モジュール化されていない設計の時代には、このよ 18 うな制限が存在しませんでした。そのため、フィールドバスは 広く採用されていました。 産業システムの垂直統合の時代には、各モジュールとその提 供するサービスが前面に出ます。これらのモジュールはさま ざまなメーカーが提供できます。これらは柔軟で変更可能な ため、さまざまな現場およびさまざまな生産プロセスに導入 し、さまざまな製品を生産することができます。不可欠なライ フラインへの接続は大幅に標準化することができます。柔軟な 統合を可能にするためには、モジュール非依存型インフラスト ラクチャが必要です。 そのため、この手法はフィールドバスの分散型手法とまったく 異なっています。ただし、相互作用は存在します。統合ネットワ ークを使用すると、フィールドレベルまでのITの統合に大きな メリットが得られ、結果としてITとオートメーション間でシンプ ルかつ高速のデータ交換が行われるようになり、産業システム の垂直統合が行われます。 t e c . N e w s 2 6 : ストラ テ ジ ー モジュール型プラント構造 モジュール中立型 インフラストラクチャ モジュール供給ユニット モジュール中立型インフラストラクチャが提供するのは? このインフラストラクチャは、各モジュールに他のすべてのモ ジュールとの通信リンクを提供し、すべてのアプリケーション および電力、空気、安全など必要なメディアを供給します。 産業システムの垂直統合の時代には、各 モジュールとその提供するサービスが前 面に出ます。 ライフ ライン に、ハーティングは「モジュール供給ユニット」に対し、 Han-Modular ®システムからイーサネットネットワークコンポ ーネントまで適切なコンポーネントを提供しています。ハーテ ィングのsmart Power Networks Unitには、SFPスロットを備 えた10ポートのイーサネットスイッチが付属し、必要なインター フェースも搭載され、中央データストレージよりエネルギーデ ータを取得し、分析します。 このインフラストラクチャは拡張可能で可用性が非常に高く、 しかも必要なトポロジーも提供します。インフラストラクチャ の機能は、モジュールに依存せず、標準化されたインターフェー スを備えている必要があります。分散型のライントポロジーを 持ち、モジュールに依存しないインフラストラクチャは、アクテ ィブな「モジュール供給ユニット」を形成し、そこから1~2モジ ュールを供給したり、他のラインに分岐することができます。 アプリケーション固有のインフラストラクチャ構成ごと 19 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション コネクタが基盤となる 産業システムの垂直統合 スマートファクトリー・システムモジュールには、インフラストラクチャへのシンプルな接続が必要です。Han-Modular ® はこの接続を一様に実現しながら、カスタマイズも可能です。 » John Witt, Sales & Business Development Manager, HARTING Technology Group, John.Witt@HARTING.com 産業システムの垂直統合は、IT技術の観点だけから見られ、 純粋にソフトウェアの問題と受け取られることがよくあります が、かなり適切なハードウェアコンポーネントの使用という観 点にも依存しています。これらには特に、コネクタを中心とした インフラストラクチャへの接続を提供する電気的インターフェ ースが含まれます。 モジュール型コネクタ スマートファクトリーでは、標準化されたモジュール型コネク タを使用する必要があります。このコネクタは、システムモ ジュール内に存在するすべてのメディア、および外部に供給 されるメディアに対して適応している必要があります。その 結果、コネクタは電源接続、通信ポート(ギガビットイーサ 通信規格 電気的基本規格 20 圧縮空気 緊急停止 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション ネット)、さまざまな補助接続用の信号接続、および操作装 置用に用意された圧縮空気用インターフェースとして機能し ます。スマートファクトリーではサイズ16のコネクタが使用さ れます。コネクタには4つのモジュールスロットがあります。 実装可能です。エアー用コンタクトも組み込むことができ、最 大8barの圧縮空気を伝送できます。豊富な製品ラインナップ により、その他さまざまなアプリケーションに対応可能です。 コネクタのサイズは、インターフェースを一様に標準化する ことで決定されます。Han-Modular ®は、用意されている多 種多様なモジュールで、システムモジュールのすべての要件 に適合しています。 Han-Modular ®: スマートファクトリーで は、標準化されたモジュール型コネクタを 使用する必要があります。 システムモジュールと並んで、多くの場合はバックボーン接 続もプラグイン方式で実現する必要があります。そのため、 バックボーンのサイズはシステム全体の要件によって異なる ことから、バックボーン内でシステムごとにコネクタを決定 する必要があります。最も重要なことは、総消費電力と空間 の広さです。電源では、ケーブルとコンタクトのサイズを正確 に決める必要があります。通信に関しては、通信距離によっ て電気と光のどちらで伝送するかが決まります。 プラグ式光ファイバーコンタクト 最近追加された製品の一つが、プラグ式光ファイバーコンタク ト用のLCモジュールです。光ファイバーケーブルは、重要な産 業データの伝送などで多くの利点を持っています。伝送路を電 磁放射などの外部干渉から効果的にシールドし、送信側と受 信側をガルバニック分離し、クロストークを防止することもで きます。 Han-Modular® Han-Modular ®には、さまざまな伝送メディアの組み合わせが 用意されています。そのため、空間を節約し、コストを抑えた サイズで必要な接続を行うことができ、設置状況に合わせて コネクタを調整できます。この製品は40種類以上のモジュー ルを用意し、それらを組み合わせて電源、信号、データ、およ び圧縮空気を伝送できます。 モジュールは、特殊なプラスチックおよびメタルフレームを使 用して、さまざまなハーティングのコネクタハウジングで使用 できます。200A/1000Vまでの電源用、および最大5000V/40A に対応する高電圧モジュール用のコンタクトとインサートがあ ります。また、1モジュールあたり最大25コンタクトの高密度な 信号モジュールも用意されています(50~250V/4A~10A)。 さらに、イーサネットCat. 6インターフェースから、信号および マルチモード光ファイバーケーブル伝送用のモジュールまで幅 広く取り揃えています。また、PROFIBUSなど各種バス技術を 21 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション センサーからクラウドへ そしてクラウドからセンサーへ 最新の生産設備では、センサーデータを記録して生産プロセスを制御し、システムユニットを監視することが一般的に 行われています。ところが、このセンサーデータを一瞬で保存し、それを後から再び分析に利用できるようにすることで、 障害や予定外の停止の予測などが可能になったらどうなるでしょうか。まさにこれが産業システムの垂直統合の一部を 成します。 » Marco Lampe, Head of Softwaredeveloping Auto-ID, HARTING Technology Group, Marco.Lampe@HARTING.com その効果は広範囲に及び、組織上およ び経済上のメリットには特筆すべきもの があります。そのため、ハーティングテク ノロジーグループはSAP HANAデータ ベースクラウド技術に基づいた「予測的 メンテナンス」のデモを、SAPと共同開 発しました。Industry 4.0用の生産指向の デモンストレータ開発に対する最初の検 討は、2013年6月に行われました。SAP HANAデータベースに基づいたものにす ることを前提として予測的メンテナンス も検討事項に加えられました。 この2つの仕様を基本とした作業により、 ポンプ、水循環装置、センサー、およびハ ーティングが設計した管理および制御ソ フトウェアを使った組み込みマイクロコン ピュータなどによる「給水装置」が、6週 間以内に開発されました。このデモンス トレータの目的は、現実的な条件下で コンセプトの確かさをテストすることで す。コンセプトを基にプロセスまたはコ ンポーネントの不具合を早期に検出でき るか、スペア部品を事前に発注し、交換 作業を分刻みで計画して、テクニカルサ 予測的メンテナンス 22 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション デモンストレータの状態の表示 – システムの障害 を診断 ービス担当者が可能な修理を行えるかど うかテストします。 「給水装置」の中では、水が常時ポンプ でコンテナから押し出され、再び戻って いきます。圧力および流量計のセンサ ーデータは、組み込みマイクロコンピュ ータが非常に短い間隔で読み取り、SAP HANAデータベースに中継されます。循 環に関するセンサーデータに変化が記 録された場合は、SAP HANAデータベ デモンストレータに内蔵された第2のポ ンプに切り替えることができます。これ により、故障を一時的に回避できます。 サービスおよび保守中の可視化 エラーを解決するには、故障したコンポ ーネントに関する情報に加えて、技術者 は最新のCAD図に基づいた詳細な3D図 面にもアクセスでき、交換作業に役立て ることができます。 各コンポーネントの履歴を文書化でき ます。その結果、コンポーネントレベル で保守間隔の計画を正確に立てること ができます。 コンポーネントレベルで保守間隔の計画を正確に立てるこ とができます。 ースに保存されたアルゴリズムによって、 故障が起こりそうな時期を計算して正確 に出すことができます。 グラフィカルインターフェースが採用さ れ、表示されたステータスメッセージを 使用してエラーを解析できます。また、 ポンピングサイクルに不具合の兆候が見 られる場合は、そのポンプをオフにして、 このデモンストレータにはさらなる開発 も計画されています。各コンポーネント に取り付けられたハーティングのRFID トランスポンダと、Ha-VISミドルウェア およびHa-VISアプリケーションスイート を使用することで、このシナリオを保守 および修理にまで拡張できます。RFID トランスポンダを利用すると、コンポー ネントを一意に識別できるようになり、 IN BRIEF 予定外の保守を予定どおりの保 守に転換 23 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション 専門性の高いアプリソリューション: Ha-VISアプリケーションスイート サービス技術者のモバイルリーダに正しいアプリがどのようにして表示されるのでしょうか。必要なプロセスステップ がマッピングおよび表示されていることを誰が確認するのでしょうか。そのような要件を1カ所から効率よくプログラ ミングおよび保守するにはどうすればよいでしょうか。ハーティングのソリューションは、Ha-VISアプリケーションス イートです。 » Olaf Wilmsmeier, Product Manager Software, HARTING Technology Group, Olaf.Wilmsmeier@HARTING.com 工場の保守およびサービス部門で作 業シフトが始まります。社内で機器の保 守を行う技術者の行動を見てみましょ う。この行動は、すべて文書化され、社 内データベースシステムに一元的に記 録されている必要があります。 ただし、技術者は今日行うべき仕事が詳 しく書かれた、チェックリストの詰まった フォルダを棚から取り出したりしません。 代わりに、タッチパネルが装備されたモ バイルRFIDリーダを手に取り、デバイス にログオンすると、技術者は仕事を始め られるようになります。 Ha-VISアプリケーションスイートの主要アーキテクチャ 24 RFIDによる識別 最初の保守場所に到着すると、モバイル RFIDリーダを利用して、サービスがス ケジュールされたマシンをUHF RFIDで 認識できます。正しい対象となるマシン やモノの識別情報を含めて、保守チェッ クリストがディスプレイに自動的に表示 されますが、これらはRFIDにより識別 されるため、混在化した無関係なチェッ クリストや誤った保守対象物が排除さ れ、保守作業はモバイル記録デバイス 上でデジタル文書化されます。 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション 実践上の質問 記録されたデータが正しいデータベース に格納されたことを誰が確認するのでし イアントデバイスは、必要な情報とイン ターフェースをこの中央サーバから受信 します。ただし、従来型のクライアント- 作成されたアプリを、ハーティングがサポートするさまざま なエンドデバイスで実行できます。 ょうか。そのようなシステムの保守はどれ くらい複雑でしょうか。異なる記録デバ イスを使用した場合はどうなるでしょう か。 アプリケーションは新しい作業プ ロセスに柔軟に適応できるでしょうか。 モバイル型記録デバイスをサーバに常時 接続する必要があるでしょうか。 これらの 作 業 は 、ハ ー ティン グの Ha-VISアプリケーションスイートが肩 代わりします。このソリューションプラ ットフォームはクライアント-サーバベー スのアーキテクチャになっているため、 ハードウェアにもオペレーティングシス テムにも依存しないアプリケーションを 作成できます。具体的には、アプリが中 央サーバ上で実行され、そこで更新およ び保守できます。大部分のモバイルクラ サーバベースのモバイルアプリとは異な り、クライアントに表示されるのは単な るWebサイトではありません。保守作業 などの広範囲な仕事のステップをオフラ インで実行できます。モバイルデバイス が必要なデータをメモリに1回読み込む と、オフラインで作業し続けられるよう になります。 また、純粋なWebベースのアプリケーシ ョンとは異なり、RFID読み取り装置のハ ードウェアなど、モバイルエンドデバイス のハードウェアにアクセスできます。 これを実現するため、ハーティングはデ バイス固有の接続を使用できるように しました。その結果、実際のアプリ作成 時に、デバイスに依存した特性を無視 できます。この技術の利点は、作成され たアプリをハーティングがサポートする さまざまなエンドデバイスで実行できる ことです。 Ha-VISアプリケーションスイートは、 ハーティングのAuto - ID製品のポー トフォリオを拡大します。当然 なが ら、Ha-VISアプリケーションスイート は、EPCglobal ALE 1.1規格に準拠し た強力なHa-VISミドルウェアと互換性 があります。 IN BRIEF • プラットフォームに依存しない アプリケーション • モジュール型設計により柔軟 • HTML 5などのオープン規格 がベース 25 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション 鉄道アプリケーション: ハーティングのコネクタ、 火災安全性の 新規格に準拠 EN 45545-2規格「鉄道アプリケーション – 鉄道車両の火災安全性」は、ヨーロッパ鉄道車両で使用されるコンポーネ ント・材料に対する初のヨーロッパの強制的な要求事項です。この規格は、設置状況も対象にしています。 » Christoph Dossow, Market Manager, HARTING Technology Group, Christoph.Dossow@HARTING.com » Malte Hofmann, Industry Segment Manager, HARTING Technology Group, Malte.Hofmann@HARTING.com 新規格は試験方法と極限値を規定し、コンポーネントに 課される一連の要求(R1~R26)を決めています。危険レベ ルHL1~HL3はそのテストの厳しさを示しています。 電子コネクタのような小型の電気部品は「V 0」という材質の認 定等級を備えている必要がありますが、難燃性としては極めて 低いものです。重さ10g未満の可燃性の材料は、部品に隣接し て使われない限り認定を得る必要がなく、部品には認定が存在 しません。このような場合、要求事項はグループ化のルールに 左右されます。ハーティングのプラスチックハウジングとコネ クタインサートは「V 0」要求を満たしています。 設置状況によって、耐環境コネクタは、取り付けられる制御盤 と同じ要求が課されます。制御盤の面が防火ゾーンとして扱わ れる場合、サイズ次第ではE10もしくはE15の防火性を備えて いる必要があります。番号は火災の際にコネクタが物理的防 壁として耐える時間(分)を示しています。この要求が満たさ れていれば、内部に認定は必要とされません。 ハーティングのHan® B、Han® MとHan® HPRハウジングシ リーズはE15の要求事項を満たしています。ハーティングのハ ウジングの大半は、30分以上の火災にも耐えます。また、その 表面塗装は延焼に対する要求事項も満たしています。 26 コネクタに使用される材料では、R22/R23が適用される最 も高い要求事項です。これらは、試験のパラメータ、手順およ び極限値を規定しています。とりわけR22/R23はテストと酸 素含量、煙濃度と毒性の極限値を定めています。ハーティン グがコネクタと特殊電子製品に使用しているポリカーボネー トは定められている極限値に適合しています。 IN BRIEF • EN 45545-2 • 全ヨーロッパ統一の要求事項 • ハーティングの製品は最も厳しい要求を満足 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション モデルクラス オペレーション クラス N: 標準車両 A: 訓 練された救急隊員が乗車していない自動運転によ る車両 D: 2階建ての車両 S: 寝台車および簡易寝台車 1 HL1 HL1 HL1 HL2 2 HL2 HL2 HL2 HL2 3 HL2 HL2 HL2 HL3 4 HL3 HL3 HL3 HL3 パラメータ 単位 内部 外部 EN ISO 4589-2 OI % R22 R23 テスト方法 酸素指数 煙濃度 EN ISO 5659-2 Ds max. なし R22 R23 煙毒性 NF X 70-100-1/-2 CITNLP なし R22 R23 テスト方式 パラメータ 単位 しきい値 (R 22) 酸素指数 OI % HL1: 28 HL2: 28 HL3: 32 ハーティング(ポリカーボネート) R22, R24 = HL3 煙濃度 Ds max. なし HL1: 600 HL2: 300 HL3: 150 R22 = HL3 煙毒性 CITNLP なし HL1: 1,2 HL2: 0,9 HL3: 0,75 R22 = HL3 27 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション Han® HMC – より多い嵌合回数に対応 モジュール型 産業用コネクタ モジュール構造の産業設備がIndustry 4.0の中心的ソリューションになりつつあります。これにより、耐 環境コネクタの需要も高まっています。ハーティングは10,000回以上の嵌合回数に耐えるよう設計さ れたコネクタシリーズHan® HMCを発表しました。 » Gero Degner, Product Manager, HARTING Technology Group, Gero.Degner@HARTING.com 「Industry 4.0」は、伝統的な産業に高速の進化をもたら す中心的コンセプトです。この発展における主要な点は、非 常に柔軟な大量生産でありながら製品の強力な個性化が求 められることです。 そのため、よりインテリジェントな制御およびオートメーション 技術に加えて、モジュラー構造の生産設備が増えるにつれて、非 常に柔軟なインターフェースの必要性が高まります。設備機械と システムの変更間隔が頻繁になってきていることから、このよう なインターフェースには、これまでになく高い要求が突きつけら れています。特に、嵌合回数の増大に対応する必要があります。 このような点を踏まえて、ハーティングテクノロジーグループ は耐環境産業用コネクタとしてHan® HMCシリーズを開発し ました。標準的な産業用コネクタは500回を超える嵌合回数に 耐えるよう設計されていますが、Han® HMCシリーズは10,000 回を超える嵌合回数でも性能が低下しません。このような高 負荷に耐えても、DIN EN 61984の要件は満たし続けます。 基本技術 この新しいコネクタの基本技術となっているのはHan® Bシリ ーズで、数百万以上の実績があり、数十年にもわたり市場で確 固とした地位を築いています。集中的な開発努力の結果、Han® B シリーズはこの新しい要件に適合することができました。つ まり、新しいソリューションが取り入れられたのです。たとえ ば、従来の接地コンタクトに代わって、まったく新たに開発さ れた高性能スプリング付コンタクトが採用されました。同様 に、ロックシステムもある程度のロック回数の増加に耐えら れるように対策を施しました。 コネクタの心臓部であるコンタクトは、信号、データ、およ び電源を寿命がくるまで確実に伝送できる必要がありま Han® HMCシリーズは、10,000回を超える嵌合回数を必要とする産業用アプリケーション用 の製品ポートフォリオを拡大します。 28 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション す。Han® HMCシリーズに採用されたHan D ®およびHan E® コンタクトは、特殊な金の層でコーティングされ、コネクタの 寿命全体を通じて最適な電気的特性が保証されます。 ただし、お客様が取り付け寸法、および使用するアセンブリ 工具を変更する必要はまったくありません。そのため、コネ クタをこれまでと同じ方法で扱うことができるため、新しい シリーズへの移行を手軽に問題なく行うことができます。 IN BRIEF • 高い嵌合回数 • Industry 4.0用に設計 • 過酷な条件で優れた性能を発揮 29 t e c . N e w s 2 6 : ストラ テ ジ ー 高速 100ギガビット 技術 現在、産業用ネットワークは一般的に100MbpsのFast Ethernetで動作し、増大の一途をたどるネットワーク技術への要 求に対応するため、ギガビットイーサネットに移行しつつあります。ハーティングテクノロジーグループは、規格委員会お よび自社のラボと製品開発努力において、この開発プロセスを強く推進しています。 » Rainer Schmidt, Business Development Manager, HARTING Technology Group, Rainer.Schmidt@HARTING.com ICT(情報通信技術)ほど、社会および経済の発展に強い影響 を与えた技術はありません。通信ネットワークは拡大し続け、 日常的な通信手段を完全に変えてしまいました。それと同時 に、ICT自体が行政、交通、産業、および科学における新しい アプリケーションの推進役となっています。 産業用アプリケーションでは、これには2つの事柄が該当し ます: 第一に、生産プロセスの近代化と合理化が可能になり、効率が 向上して、コストの負担が大幅に軽減されます。たとえば、最新 世代のPROFINETを使用したオートメーションがあります。 新しい強力なデバイス技術(スイッチ、ルータ、コントローラ) には適切なケーブリングが必要です。このような関係があるこ とから、このデバイス技術のケーブリングは技術をリード、言 い換えれば現在の開発段階にある伝送容量および速度より も常に高い容量と速度に対応できるものにする必要がありま す。 そのため、ハーティングは新しいケーブリング技術の開発に 多額の投資を行っており、その開発成果が新しい製品に接続 イーサネット データ伝送速度のマイルストーン その結果、ハーティングテクノロジーグループにとって情報 技術、特にイーサネットおよびイーサネットケーブリングは重 要な技術となります。 イーサネットの開発を推進するため、IT業界はIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)という国際団体を 設立しました。 30 データ伝送速度 第二に、製品自体に機能を追加する余地が生まれ、競争力が 高まります。たとえば、長距離列車でのイーサネットベースの 乗客情報やエンターテインメントシステムがあります。 年 データネットワークの帯域幅の推移 t e c . N e w s 2 6 : ストラ テ ジ ー 技術、コネクタ、ケーブルやコードなどとして取り入れられて います。ただし、そのためには技術的な基礎と前提条件を整 えておく必要があります。現在は、シンメトリックな銅線とコ ネクタを使ったチャネルによる100ギガビットイーサネット伝 送ソリューションの研究に注力しています。 研究プロジェクト 課題に取り組むため、ハーティングはドイツ連邦教育研究省 から資金援助を受けて研究プロジェクトを立ち上げました。 このプロジェクトグループは業界とロイトリンゲン大学の専 門家で構成されています。プロジェクトの課題は、シミュレー ションモデルをベースに100ギガビットチャネルを設計し、そ の機能を実証することです。その結果得られたパラメータは、 ハーティングのラボで検証されます。すべての結果を集約後 は、定義された100 GBase-Tケーブリングシステムで伝送す る新しい100ギガビットイーサネット規格開発に関する勧告を IEEEが受けます。 ハーティングテクノロジーグループは新 しいケーブリング技術の開発に多額の投 資を行っており、その開発成果が新しい 製品に接続技術、コネクタ、ケーブルやコ ードなどとして取り入れられています。 この取り組みによって、ハーティングのお客様はイーサネット ケーブリングに関する最新技術に、早い段階ですばやくアク セスできるようになります。 In brief 100ギガビットイーサネットなど新技術による競争力 向上 • 効率的なオートメーションによる生産プロセスでの コスト削減 • データセンターからプラントおよび設備までの統 合データネットワークに基づいた 生産のサイクルタイムの短縮 詳細情報はこちら ハーティングのラボでの最新世代のバランレス測定技術 31 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション ケーブル アセンブリ? 32 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション オーバーモールドされたケーブル接続は、過酷な環境で使用される産業アプリケーションにとって魅力的なオプション です。柔軟性の向上という点では、オーバーモールドソリューションの利点を保ったまま、個別の要件に対応することへ の関心が高まっています。たとえば、ハーティングテクノロジーグループがM12ケーブルアセンブリで実現している過酷 な環境での柔軟性と安全性の両立です。 » Dirk Peter Post, Product Manager, HARTING Technology Group, Dirk-Peter.Post@HARTING.com 産業環境では、ケーブルアセンブリ用にオーバーモールドソ リューションと呼ばれるものが導入され、世界中で採用されて います。同じタイプのケーブルを大量に処理するのであれば、 この実績ある技術は魅力的です。ケーブルグランドの端末処 理をボルト式ソリューションで行うよりも低コストで、過酷な 環境でより優れた性能を発揮することも実証されています。 ところが、市場ではさまざまなタイプのケーブルが使用されて います。オーバーモールドの場合、これは使用する工具を何回 もケーブルに合わせて調整し直すことを意味します。さらに、多 くのユーザは独自のケーブル仕様を持ち、独自のケーブルを使 用しています。もう1つ重要なことですが、非常に多様なタイプ のケーブルが、セットアップ時に同じようなアプリケーション環 境に導入されます。その結果、短期間プロジェクトのニーズが 高まります。 ハーティングはこの課題に立ち向かい、顧客志向の柔軟で、安 全で、幅広く導入可能な、オーバーモールドソリューションとほ ぼ同様の利点を持つ接続技術を開発しました。ここでは、効率 性と柔軟性が最優先されました。 ハーティングのソリューション ハーティングが採用したソリューションでは、M12スリムバー ジョンからこの技術が利用されます。大きな違いはケーブルグ ランド部での締め付けが不要なことです。代わりに、キャップ を押すだけ、それだけで完了です。つまり、'Press and Go !' で す。 このハーティングの革新技術では、取り外しのできないカス タムケーブルアセンブリが得られ、それを簡単に低コストで導 入できます。機械的および電気的特性は、オーバーモールド ハーティングはこの課題に立ち向かい、 顧客志向の柔軟で、安全で、幅広く導入可 能な、オーバーモールドソリューションと ほぼ同様の利点を持つ接続技術を開発し ました。ここでは、効率性と柔軟性が最優 先されました。 ソリューションと同等です。もう1つの利点は、ケーブル外径 4.5~8.8mmのすべてのケーブルを使用でき、工具の調整が 不要なことです。この技術の特長は、市場投入の速さと、顧客 の要件に合わせてケーブルをカスタマイズできる柔軟性を備え ていることです。 M12の新技術が採用された最初の製品は、ハノーバー・メッセ 2014見本市で展示されます。 IN BRIEF • 過酷な環境でもケーブルを安全に使用可能 • 低コストで生産 • 迅速でカスタマイズ可能 33 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション ピン抜き対応の har-flex コネクタ デバイス設計を さらに柔軟に ® マシンとプラントの構造に始まり、制御およびドライブ技術からデバイスの内部インターフェースまでのすべてに共通す る傾向があります。一言でいえば、モジュール化、小型化、柔軟性です。ハーティングは har-flex® 製品を拡大し、必要な ピンのみをロードするピン抜き品をバリエーションに含めることで、これらの要件をより広範囲に満たすことができるよ うになりました。 » Joachim Finke, Product Manager har-flex®, HARTING Technology Group, Joachim.Finke@HARTING.com マシン系の傾向は、個別の作業ステップを実行可能にする 小型で独立したモジュール化へと進んでいます。モジュールに は分散制御とドライブ技術が採用され、互いを簡単に組み合 わせることができます。そのため、機械エンジニアにとって柔 軟性が高まります。 オートメーション技術に対する要求は、これによって一段と高 まります。制御またはドライブ装置の有無にかかわらず、常に 小型で強力な装置が求められています。各マシンのモジュー ルに合わせた機能が望まれます。 これは、モジュール式で構成されたオートメーションシステム で実行されることがますます増えています。制御装置、空気 圧バルブ端子、周波数コンバータのどれであろうと、新しい 革新的デバイス世代の多くは、プラグ式機能アセンブリで柔 軟に拡張できるため、アプリケーションの要件には個別に対 応できます。 これは、小型化に加えて、モジュール化に特化したサポートを 提供し、デバイス設計を柔軟にする、デバイス内蔵のインター フェースなしには可能になりません。 ハーティングの har-flex® コネクタ製品シリーズが存在感を示 すのは、まさにこの部分です。 34 産業に適した小型化 小さな1.27mmピッチと非常にコンパクトな設計により、デバ イス設計を小型化できます。その寸法にもかかわらず、このコ ネクタはハーティング製品が保証する、過酷な産業環境下で の高信頼性も併せ持っています。コネクタの両端に設けられた SMTホールドダウン端子は機械的ストレスを軽減します。これ により、衝撃や振動の激しい場合でも、信号コンタクトへの半 田ダメージを軽減し、システム全体の信頼性が確保されます。 小さな1.27mmピッチと非常にコンパクト な設計により、デバイス設計を小型化で きます。 モジュール化への新しい可能性 この堅牢さと、500回を超える挿抜回数が組み合わさること で、産業機器のモジュール化にまったく新しい可能性が開か れました。その結果、har-flex®コネクタは非常に革新的なデ バイス世代で、追加機能アセンブリ用のインターフェースとし てすでに使われ、ユーザが現場で接続したり、外したりことが できます。これらは、実質的に外部インターフェースとして機 能しています。 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション 柔軟性をさらに向上 ストレート型とアングル型のオスおよびメスコネクタ、そして IDCケーブルアセンブリが、6~100ピンまで偶数のピン数です べて用意されているため、デバイス設計の柔軟性があります。 しかし、ハーティングでは柔軟性をさらに向上させました。 現時点で、すべてのストレート型とアングル型のオスおよびメ スコネクタで、必要なピンのみをロードしたバージョン(ピン 抜き品)を提供するようになりました。一部ロードのオプション を利用すると、お客様はクリアランスと沿面距離を拡大し、シ ステム要件に柔軟に適合できるようになります。これまでは2 つ以上のコネクタペアを使用する必要があった場合でも、1つ のインターフェースで電気的な分離が可能になりました。これ により、コストが削減され、機器設計の柔軟性が増し、表面実 装(SMD)プロセスが簡素化および短縮されて、貴重な基板 面積も節約できます。 また、一部ロード(ピン抜き)に制約があるわけではありませ ん。ハーティングでは、既にお客様の要求があればあらゆる タイプの一部ロード(ピン抜き品)を提供できます。 IN BRIEF • 小型1.27mmピッチ • 堅牢な設計 • SMT接続技術と完全自動実装プロセスが可能 • 6~100のすべての偶数ピン数を用意 • 一部のみロードのカスタマイズが可能 35 t e c . N e w s 2 6 :ソリュー ション 堅牢性+過酷な環境 = M12 産業用アプリケーションで実績のあるM12コネクタは、耐久性のあ る材料で、屋外アプリケーションでも優れた性能を発揮します。 » Dirk Peter Post, Product Manager, HARTING Technology Group, Dirk-Peter.Post@HARTING.com 産業環境は、既存のM12コネクタなしには考えられませ ん。データ、センサー、および電源アプリケーションのすべて に、M12は対応しています。このコネクタは、一般的な材料と 生産プロセスで製造され、ダイカスト、射出成形、および切削 加工技術によって作られています。 設備の柔軟性の向上と分散化により、コネクタを過酷な環境 および屋外に導入する必要性が高まっています。現在、コネク タは塩水噴霧に耐えるカプセル化が求められており、さらに耐 久性の高い材料が必要となっています。 耐久性のある材料 そのため、ハーティングテクノロジーグループは特に耐久性の 高い材料の使用テストを行いました。V2A(SUS 304/303)品 質のステンレスは耐性が不十分で、十分な高いグレードのもの はV4A(SUS 316)と呼ばれています。 ところが、V4A(SUS 316)の加工には問題があり、量産準備 ができておらず、従来のマシンと工具では信頼性の高い加工 が保証されません。材料の要素と工具を互いに調整する必要 があります。材料自体が非常に厳しい基準を満たす必要があ りますが、既製の材料の中には満たしていないものがあり、 加工しやすいものの、現場で必要な耐性を持っていません。 36 ハーティングのV4A(SUS 316)製M12圧 着コネクタは、大量の塩水噴霧から保護 されます。 製造側では、ハーティングテクノロジーグループがV4A(SUS 316)グレードのステンレスの処理に成功しました。その結 果、V4A(SUS 316)製のM12圧着コネクタが大量の塩水噴 霧から保護されるようになりました。ハーティングはこのこと を、IEC 60068-2-52 Severity 4に準拠したテストで実証しま した。その結果、M12コネクタは堅牢で、過酷な環境への導入 に適していることが実証されました。 IN BRIEF 屋外での使用など、非常に過酷な環境条件下にも導 入可能 t e c . N e w s 2 6 : ア プリケー ション HanOnBoard ® データ、信号、および電源の中継は、工業生産に必要不可欠な 前提条件です。この作業をHan®コネクタが搭載された分散型 の分配ボックスが行っています。ハーティングテクノロジーグ ループは、ボックス内でのHan®コネクタのマニュアル配線に代 わる方法を提供しています。 » Dr. Jörg Wissdorf, Managing Director HARTING Integrated Solutions, HARTING Technology Group, Joerg.Wissdorf@HARTING.com 分配ボックスの標準ソリューションでは、各コネクタがマ ニュアル配線で接続されます(図1)。ところがマニュアル配 線には、生産時に大量の配線作業が必要になること、および 衝撃や振動など厳しい屋外条件の影響を非常に受けやすい という大きな欠点があります。システムのトラブルシューティ ングを効率的に行えず、サービスによる二次故障というリス クもあります。 ハーティングの開発の狙いは、実績あるHan®製品を継続的に 使用できるようにしながら、 マニュアル配線の不都合さを回避 できるようにすることでした。 ハーティングのソリューションはHanOnBoard®と呼ばれます。 このソリューションの方法では、Han®コネクタがアダプタを使 用してPCB(プリント基板)に接続され、データ、信号、および 電源が手軽に信頼性高く分配されます(図2)。 図1:従来のボックス内配線 図2:HanOnBoard ソリューション – コン パクト、堅牢、製造とサービスが簡単 ® このソリューションでは、時間が短縮され、誤配線が完全にな くなります。十分に試験されたHan®コンポーネント、HARTING PCBアダプタ、およびPCBの組み合わせで構成された、工業生 産品をベースとしたものになっています。 HanOnBoard®はコンパクトで軽量ながら、衝撃と振動の影響 を非常に受けにくいものとなっています。単調なトラブルシュー ティング作業は、現代的で手軽なモジュール交換作業に代わり ます。サービスによる二次故障も防止されます。 また、特殊な技術的処理により、PCBを使用しても現場での調 整に関して十分な柔軟性が確保されています。 HanOnBoard® のすべてのコンポーネントはハーティング製 です。ソリューション全体の設計もハーティングが一括して行 っているため、お客様にとって窓口が一元化され、ソリューショ ンの作成に必要な時間を大幅に削減できます。 ご不明な点がありましたら、Tel. 045-476-3456まで お気軽にお問い合わせください。 37 t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション 1台のスイッチ、1本のケ ーブルで電源とデータ 工業生産システムへの新技術のシームレスな統合には、インテリジェントで信頼性の高いデータと電源の供給が必要 です。特に、ハーティングテクノロジーグループが新たに開発したeConスイッチは、産業機器の電源用として高性能な Power over Ethernetを提供します。 » Oliver Opl, Product Manager, HARTING Technology Group, Oliver.Opl@HARTING.com カメラシステムによる監視および制御により、プロセスの柔 軟性が高まり、製品品質が確保されるため、工業生産プロセス への映像システムの統合が増えています。安定した効率的な データ通信が求められると同時に、システムには確実な電源 供給が必要です。ハーティングテクノロジーグループが新たに 開発したHa-VIS eConスイッチは、データと電源の伝送を1つ のデバイスに完全に統合したソリューションで、配線の手間と 経費を同時に削減します。200を超える多数のスイッチのバリ エーションがあり、個別の各用途に合わせてスイッチを選択で きます。2種類のコンパクトで省スペースのハウジング設計が 用意され、制御盤内のスペースを極めて有効に活用できます。 このコンパクトさから、Ha-VIS eCon 3000シリーズのスイッ チは制御盤内のDINレールに非常に密に取り付けできます。ま た、Ha-VIS eCon 2000スイッチは非常にフラットという特徴 を持っています。その結果、eConシリーズでは効率的なシステ ム設計が可能になります。 供給システムとしてのPower over Ethernet Power over Ethernet(PoE)では、標準のイーサネットデー タケーブルという1本のケーブルで、データと電源を伝送でき ます。このようにエンドデバイスに電源を供給可能なスイッチ 38 はPSE(Power Sourcing Equipment)と呼ばれ、電源の供給 を受けるエンドデバイスはPD(Powered Device)と呼ばれま す。現在の規格では、PoEで最低25.5Wの電源がエンドデバイ スに供給されます。 次世代Ha-VIS eConスイッチは最新の規格をサポートし、最 大4つのポートから同時に、PoE+のフルパワーを供給できま さまざまな新機能に加えて、ハーティン グテクノロジーグループの新しいeConス イッチは、産業用機器の電源用として高 性能なPower over Ethernetも提供しま す。 す。そのため、各スイッチはあらゆるタイプのエンドデバイス に、合計100W以上の電力を供給できます。その結果、IP電話 機や強力なWi-Fiアクセスポイントに加えて、高解像度カメラ システムにも電力を供給できます。 迅速な変更 電源用に別の配線を行う必要がないため、既存のアプリケーシ t e c . N e w s 2 6 : ソリュー ション ョンを非常に簡単に変更できます。そのため、設置に伴うコス トと手間の両方を節約できます。一方、既存の設置環境はその まま使い続け、改良することができます。必要なことは、PoE+ スイッチの設置だけです。PoE+規格以外に、Ha-VIS eCon のポートフォリオにはDC/DCコンバータが内蔵されたオプシ ョンも用意されています。この場合、スイッチは通常必要とさ れる54V DC(直流)ではなく、24V DCを供給できます。電 源供給に特殊なRJ45プラグは不要ですが、ケーブリングコン ポーネントまたはシステムを選択する際は、産業用アプリケー ションに適したものかどうか、特にPoEへの適合性を検討する 必要があります。産業用データネットワーク技術を専門とする ハーティングは、特に電流容量、温度範囲、耐振動性などのパ ラメータを考慮して、RJ45コンポーネント、システムコード、 およびケーブルを設計しています。これらのコンポーネントは PoEおよびPoE+との使用がテストされており、長い耐用期間 と高い動作信頼性が保証されています。 IN BRIEF • Power over Ethernet(PoE)では、イーサネットデ ータケーブルでデータと電源の伝送が可能 • 既存のアプリケーションを手軽に変更 • Ha-VIS eConスイッチは1台のデバイスでデータと 電源を伝送し、配線の手間とコストを同時に削減 39 t e c . N e w s 2 6 :ア プリケー ション ダイナミックなRFIDレース 40 t e c . N e w s 2 6 : ア プリケー ション ハーティングとオスナブリュック大学のIgnitionレーシングチームがポルタ ヴェストファーリカ空港でRFIDの高速テストを実施 自動車をどの速度までRFIDで確実に認識できるでしょう? この疑問は、鉄道輸送などの分野のアプリケーションで示 されているように、現実世界では極めて重要です。ハーティングのRFIDチームは、オスナブリュック大学Ignitionレーシ ングチームと協力し、ポルタ ヴェストファーリカ空港でこの問いを調査しました。結果は、時速200kmでもレース車を RFIDトランスポンダを使用して迅速かつ確実に認識でき、さらに速度を上げる余地がありました。 » Dr. Jan Regtmeier, Product Manager RFID Reader, HARTING Technology Group, Jan.Regtmeier@HARTING.com ハーティングのRFIDシステムは非常 に高速です。しかし、どこまで速ければ よいのでしょうか? この質問の答えは、 現実世界のアプリケーションでは極め て重要です。現代の倉庫システムは時 速50kmを超える速度で品物を移動し、 現在の貨物列車は時速160kmに達する ことがあるからです。 品物と車両を確実に検知し、誤ること なく認識することは、このような高速で 処理を安全に行うために不可欠です。ま た、高い信頼性を持って高速処理を行 うことは、時間とコストを削減するた めの唯一の方法です。たとえば、品物 を異なるベルトコンベヤーに仕向けた り、鉄道の信号を動作させるには、デ ータをすばやく安全に収集する必要が あります。 ハーティングテクノロジーグループの RFIDチームは、オスナブリュック大 学Ignitionレーシングチーム(IRT) と共同で、 「どこまで速いことを高速 というのか」という疑問を調査しまし た。Formula Studentプロジェクトの 一環で、IRTは独自のレーシングカーを 開発および製作しています。その性能は 素晴らしく、最大トルク1400Nm、75m のコースでレース車を0から時速120km まで加速しますが、一般的な自動車はこ の何倍も要します。 ハーティングのRFIDテストの実験設定 は非常にシンプルです。各レースカーに RFIDトランスポンダを取り付け、RFID リーダとアンテナをコースに沿って設置 します。また、現実的な状態にするため、 標準製品のみが使用されました。また、 結果はHa-VISミドルウェアでリアルタイ ムに評価され、ファイルに書き込まれま した。実際の顧客アプリケーションで 使用する場合とまったく同じ設定です。 レーシングカーは時速 200kmで9回検知されま した。 テスト走行 ウォームアップとして、電気レーシング カーがRFIDアンテナの前を時速80km で走行しました。すべてのシステムが正 常に機能し、自動車が高い信頼性で検 知されました。第2レースでは、電気レ ーシングカーが最大時速120kmで走行 しましたが、やはり問題はなく、車両が 高い信頼性で検知されました。ところ が、Formula Studentプロジェクトでは 短いコースまたは75mスプリントのみ が使用されるため、この電気レーシング カーの最高速度は時速120kmでした。 最終的に、第3ラウンドとして燃焼エン ジンを持つ最高時速160km(Formula Studentのレース車としては極めて高 速)のレーシングカーが使用されまし た。 ここでも、テスト走行でRFIDの限界に達 することはありませんでした。そのため、 最後の1回はドイツの有名メーカー製の ロードスターが走行しました。結果は驚 くべきもので、時速200kmでも車両が迅 速、かつ高い信頼性でもって検知された のです。技術用語で表すと、96ビット長 の固有番号(Electronic Product Code または「EPC」)が9回正常に読み取られ ました。これにより、トップスピードでも RFID技術の機能が実証され、ハーティ ングのRFIDチームは新しい課題を求め て調査に乗り出しました。 IN BRIEF ハーティングの Youtubeチャンネルで RFIDの高速ビデオ をご覧ください。 41 t e c . N e w s 2 6 : 読 者 ア ン ケート 今号は いかがでしたか? 読者の皆様へ 円盤投げでヨーロッパと世界選手権、オリンピックのチャンピ オンとなったロバート・ハーティングのように、当社も常に質を 向上し、最高の品質をお届けしたいと考えております。 ご協力いただいたお礼として、アンケートにご回答いただいた 方の中から抽選で1名の方にApple iPadを差し上げます。アン ケートは2014年7月31日まで実施しております。 「tec.News」ではハーティングの新製品やアプリケーション を最良の方法でお届けすることを目的としております。このtec. Newsをより良いものにしていくため、ぜひご意見をお寄せい ただきたいと存じます。お忙しいとは存じますが、数分お時 間をいただき、オンライン・アンケートにご回答くださるよう お願いいたします。 何 卒 ご 協 力くださいますようお 願 い申し上 げ ます。 Our thanks アンケートにはこちらのリンクからご参加いただけます。 www.HARTING.com/tecNews-survey 42 tec.News編集チーム t e c . N e w s 2 6 : イベ ントカレン ダー ハーティング イベントカレンダー 2014.04.07 – 04.11 ドイツ・ハノーバー Hannover Messe 2014.04.12 – 04.15 韓国・ソウル Automation World 2014 2014.04.22 – 04.25 ウクライナ・キエフ Elcom Ukraine 2014.04.23 – 04.26 中国・上海 Chinaplas 2014 2014.05.06 – 05.08 オーストリア・ウィーン Smart Automation 2014.05.14 – 05.15 ベルギー・ブリュッセル Automation & Engineering 2014.05.20 – 05.24 マレーシア・クアラルンプール AutoMex 2014 2014.05.20 – 05.24 ブラジル・サンパウロ Feira Mecânica 2014.05.20 – 05.22 イタリア・パルマ SPS/IPC/DRIVES 2014.06.03 – 06.05 ドイツ・ニュルンベルク SENSOR+TEST 2014.06.16 – 06.20 フランス・パリ Eurosatory 2014.06.17 – 06.19 英国・ロンドン IFSEC Exhibition 2014.06.17 – 06.20 ロシア・サンクトペテルブルグ Energetika & Elektrotekhnika 2014 2014.08.10 – 08.14 米国・オーランド(フロリダ州) RFID Journal Live! 2014.09.02 – 09.04 スイス・ベルン Sindex 2014.09.16 – 09.20 オランダ・アムステルダム ECOC 2014.09.23 – 09.26 ドイツ・ハンブルク Wind Energy Hamburg 2014.09.23 – 09.26 ドイツ・ベルリン InnoTrans 2014.09.29 – 10.03 チェコ・ブルノ MSV 2014 Brno 2014.10.07 – 10.09 スウェーデン・ゴッテンブルグ Scanautomatic 2014.11.11 – 11.14 ドイツ・ミュンヘン electronica PUBLICATION DETAILS Published by: HARTING KGaA, M. Harting, P.O. Box 11 33, 32325 Espelkamp (Germany), Phone +49 5772 47-0, Fax +49 5772 47-400, Internet: http://www.HARTING.com Reprints: Complete reprints and excerpts of contributions are subject to approval in writing by the Editor. This also applies to input into electronic databases and reproduction on electronic media (e. g. CD-ROM and Internet). Chief Editor: S. Chmielewski All product designations used are trademarks or product names belonging to HARTING KGaA or other companies. Vice Chief Editor: Dr. F. Brode, A. Huhmann, Dr. S. Middelkamp Overall coordination: Communication and Public Relations Department Design and Layout: Dievision Agentur für Kommunikation GmbH Production and printing: M&E Druckhaus, Belm Circulation: 15.000 copies worldwide (German, English and 12 additional languages) Source: If you are interested in obtaining this newsletter on a regular basis, free of charge, contact your nearest HARTING branch, your HARTING sales partner or one of the local HARTING distributors. You can also order tec.News online at www.HARTING.com. Despite careful editing it is not possible to completely rule out printing errors or changes to product specifications at short notice. For this reason HARTING KGaA is only bound by the details in the appropriate catalogue. Printed by an environmentally f riendly method on paper bleached entirely without chlorine and with a high proportion of recycled paper. © 04/2014 by HARTING KGaA, Espelkamp. All rights reserved. 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